米田 久夫 (〒01 岡山県岡山市海岸通1丁目2番1号 株式会社クラレ内 Okayama, 70286, JP)
KIMURA, Yoshio (12-39, Umeda 1-chome, Kita-ku, Osaka-sh, Osaka 11, 53086, JP)
木村 喜雄 (〒11 大阪府大阪市北区梅田1丁目12番39号 株式会社クラレ内 Osaka, 53086, JP)
株式会社クラレ (〒22 岡山県倉敷市酒津1621番地 Okayama, 71086, JP)
MIYAUCHI INDUSTRY CO., LTD. (6363, Matsuo Arai Iida-sh, Nagano 21, 39508, JP)
宮内産業株式会社 (〒21 長野県飯田市松尾新井6363番地 Nagano, 39508, JP)
YONEDA, Hisao (2-1, Kaigandori 1-chome, Okayama-sh, Okayama 01, 70286, JP)
米田 久夫 (〒01 岡山県岡山市海岸通1丁目2番1号 株式会社クラレ内 Okayama, 70286, JP)
| スプリットレザーからなる基材と、前記基材の表面に積層された表皮層とを備えるスプリットレザー製品であって、 前記表皮層が、極細繊維から形成された絡合不織布と該絡合不織布の内部に含有された高分子弾性体との複合体からなることを特徴とするスプリットレザー製品。 |
| 前記基材の厚みが、全体厚みに対して50%以上の割合を占める請求項1に記載のスプリットレザー製品。 |
| 前記基材の厚みが、全体厚みに対して55%以上の割合を占める請求項1に記載のスプリットレザー製品。 |
| 前記表皮層の厚みが、0.1~2mmの範囲である請求項1~3の何れか1項に記載のスプリットレザー製品。 |
| 前記極細繊維が0.0001~0.5dtexの繊度を有する請求項1~4の何れか1項に記載のスプリットレザー製品。 |
| 前記高分子弾性体がポリウレタン系エラストマーである請求項1~5の何れか1項に記載のスプリットレザー製品。 |
| 前記表皮層の表面に、ポリウレタン系エラストマーからなる樹脂層が形成されている請求項1~6の何れか1項に記載のスプリットレザー製品。 |
| 前記表皮層の厚みが0.4~0.8mmの範囲であり、前記樹脂層の厚みが0.005~0.07mmの範囲である請求項7に記載のスプリットレザー製品。 |
| 前記銀面調樹脂層の厚みと前記表皮層の厚みとの比率(樹脂層/表皮層)が0.05~0.12の範囲である請求項7または8に記載のスプリットレザー製品。 |
| 前記表皮層の表面に存在する極細繊維が起毛されている請求項1~6の何れか1項に記載のスプリットレザー製品。 |
| 極細繊維から形成された絡合不織布と該絡合不織布の内部に含有された高分子弾性体との複合体である表皮層に、スプリットレザーからなる基材を貼り合せて表皮層付スプリットレザーを形成する表皮層付スプリットレザー形成工程と、前記表皮層付スプリットレザーの表皮層の表面にポリウレタン系樹脂からなる樹脂層を形成する樹脂層形成工程とを備えることを特徴とするスプリットレザー製品の製造方法。 |
| 前記樹脂層形成工程が、前記表皮層の表面にポリウレタン系樹脂からなる不織布を重ねた後、加熱プレスすることにより該ポリウレタン系樹脂を溶融させてフィルム状に貼り合せる工程を備える請求項11に記載のスプリットレザー製品の製造方法。 |
本発明は、天然皮革(以下、単に皮革と称 する場合がある。)から銀面部分を除いて得 れるスプリットレザーを用いたスプリット ザー製品に関する。詳しくは、銀面付皮革 スエードのような起毛皮革に似た感性を有 るスプリットレザー製品及びその製造方法 関する。
哺乳類等の動物の皮の構造は組織構造が なる表皮層と真皮層との2層から形成されて いる。動物から得られる皮は、次のような処 理により、皮革に加工されて用いられている 。はじめに、皮を脱毛処理して表皮層を取り 除くことにより、真皮層を得る。真皮層は主 に縦横に交差したコラーゲン繊維から構成さ れており、コラーゲン繊維は革の高い物理的 強度を維持するのに寄与する。
真皮層はその組織構造により、表層側の 頭層と内層側の網状層とに分けられる。乳 層は、動物固有の凹凸模様と、滑らかで優 た外観を有する銀面と呼ばれる表面を有す 。乳頭層から網状層上部までの上表層を切 剥がし、得られた上表層になめし処理や染 処理等の処理を施した後、その表面に塗装 施すことにより銀面付皮革と呼ばれる皮革 品が得られる。銀面付皮革は、その優れた 観から、靴、衣料、鞄、雑貨、家具、車輌 内装等の用途に好ましく用いられてきた。 かしながら、動物資源の供給量が限られて ることから、銀面付皮革は高価である。
一方、上表層を切り剥がした後に残る、 状層上部より下層の部分はスプリットレザ と呼ばれる。スプリットレザーは、上表層 ら得られる銀面付皮革に比べて、外観特性 劣る。そのために、スプリットレザーは、 えば、銀面付皮革の銀面に似せた樹脂層が 面に形成された、銀面調のスプリットレザ 製品として用いられている。
銀面調のスプリットレザー製品の製造方 としては、次のような方法が従来から知ら ている。はじめに、凹凸模様が形成された 型紙にポリウレタン系樹脂溶液を塗布及び 燥さることにより樹脂層を形成し、得られ 樹脂層をスプリットレザー表面に貼り合せ 。そして、離型紙を剥がすことにより、銀 に似せた樹脂層がスプリットレザー表面に 成される。しかしながら、このような方法 より得られるスプリットレザー製品におい は、次のような問題があった。動物の皮に 部位により、しわや血管痕等に由来する凹 形状が多く存在する。銀面調のスプリット ザー製品においては、このようなしわや血 痕等に由来する凹凸形状が外観の悪化を引 起こすという問題があった。具体的には、 えば、樹脂層を有するスプリットレザー製 を製靴用の型等に吊りこんだ場合、樹脂層 引っ張られて薄くなる。これにより、スプ ットレザー製品表面にスプリットレザーの 凸形状が浮き出てくる。このような現象は アラビと呼ばれている。
このような問題を解決することを目的と て、例えば、下記特許文献1には、スプリッ トレザーとポリウレタン系樹脂表皮との間に 、湿式樹脂微多孔層からなる合成樹脂緩衝層 を接着剤で接着してなるスプリットレザー製 品が開示されている。そして、特許文献1に れば、合成樹脂緩衝層により、スプリット ザー表面の凹凸形状がポリウレタン系樹脂 皮の表面に影響を及ぼすことを解消(緩衝)す ることができると記載されている。
また、下記特許文献2は、スプリットレザ ーの表面に合成樹脂製接着剤層を介してポリ ウレタン系樹脂からなる表皮層が積層されて なるスプリットレザー製品が開示されている 。そして、その接着剤層を形成する接着剤は 、樹脂100重量部に対し、充填剤を10~60重量部 有することが記載されている。特許文献2に よれば、該合成樹脂製接着剤層を設けること により、スプリットレザー製品の表面にスプ リットレザーの凹凸形状が表出することを抑 制できることが記載されている。
ところで、従来から、銀面付き革とは異 る独特の風合いを有する皮革製品として、 革の上表層の表面又は裏面をバフ加工し、 ルベット状のケバを持つように起毛仕上げ れたスエードやヌバックのような起毛皮革 知られている。しかしながら、起毛皮革も 銀面付皮革と同様に、動物資源の供給量が られていることから、高価であるという問 があった。このような問題を解決する起毛 革に似せた人工皮革として、例えば、下記 許文献3に示されているようなスエード調人 工皮革が知られている。スエード調人工皮革 は、極細繊維から形成された絡合不織布と絡 合不織布の空隙に含浸される高分子弾性体と の複合体からなるシートの表面をバフ加工す ることにより起毛して得られる。しかしなが ら、スエード調人工皮革は、極細繊維から形 成された絡合不織布と該絡合不織布の内部に 含有される高分子弾性体との複合体を主体と していたために比重が小さく、天然皮革に由 来する起毛皮革に比べて物理的強度に乏しい という問題があった。そのために、スエード 調人工皮革においては、表面に天然皮革に由 来する起毛皮革の立毛に似せた風合いを付与 できたとしても、天然皮革に由来する起毛皮 革のような充実感のある風合いを実現するこ とができなかった。そのために、折り曲げた ときの折り曲げ形状が天然皮革に由来する起 毛皮革とは大きく異なっていた。また、スエ ード調人工皮革は充実感に乏しいために、そ の縫製品は、縫製のときにパッカリング(縫 目に生じる縫い縮みやひきつれによる歪み) 発生しやすくなるという問題もあった。ま 、難燃性にも乏しいという問題があった。 らに、従来のスエード調人工皮革は、高い 燃性が要求されるインテリアやカーシート 用途に用いる場合には、そのままでは難燃 が充分なものではなかった。そのために、 エード調人工皮革は、通常、難燃剤及びバ ンダーを含有する調製液が塗布された後、 燥することによる難燃処理が行われていた 難燃処理においては、起毛された繊維およ または絡合不織布を構成する極細繊維がバ ンダーにより固着されるために、スエード の風合いが失われてしまう。さらに、起毛 れた繊維が固着されることで外観やタッチ 低下する。そのために、通常、難燃処理の には、スエード調の風合いに戻すために、 み加工を施すことにより、固着された繊維 解きほぐす工程を要していた。このような 程は、製造工程上、非常に煩雑な工程にな ため、コストアップの要因になっていた。
また、特許文献1や特許文献2に開示された
面調のスプリットレザー製品や、特許文献3
開示されたスエード調人工皮革は、折り曲
たときに発生する皺の形状等に基づく感性
、皮革とは全く異なるという問題があった
具体的には、例えば、銀面付皮革100を谷折
したときには、図1Aに示すような高級感の
る緻密な折れ皺(ファインブレイク)101が得ら
れる。一方、従来の銀面調スプリットレザー
製品110を谷折りしたときには、図1Bに示すよ
な銀面付皮革100とは異なる、高級感のない
い折れ皺111しか得られなかった。また、例
ば、図2Aに示すように、スエード200を山折
したときには、高級感のある丸みを帯びた
り曲げ形状201が得られる。一方、スエード
人工皮革210を山折りしたときには、図2Bに示
すような、折り曲げ部が屈曲することにより
高級感のない鋭角な角211を形成するような折
り曲げ形状しか得られなかった。
本発明の一局面は、スプリットレザーか なる基材と、前記基材の表面に積層された 皮層とを備えるスプリットレザー製品であ て、前記表皮層が、極細繊維から形成され 絡合不織布と該絡合不織布の空隙に含浸さ た高分子弾性体との複合体からなることを 徴とするスプリットレザー製品である。
このようなスプリットレザー製品によれ 、絡合不織布が、網状層に含まれる縦横に 差したコラーゲン繊維と同様に、皮革様の 合いを損なわずに物理的強度を補強する作 を発揮する。それにより、表面外観だけで なく、折り曲げられたときに発生する皺等 基づく感性も天然皮革の上皮層に似た、ス リットレザー製品が得られる。
従来のスプリットレザー製品においては 比較的薄いスプリットレザーの表面にポリ レタン樹脂からなる樹脂層が形成されてい 。このようなスプリットレザー製品は、表 外観は銀面付皮革に似ているが、折り曲げ れたときに発生する皺の形状等に基づく感 は似ていなかった。本発明者らは、折り曲 られたときに発生する感性が天然皮革に似 ものが得られなかった理由を鋭意検討し、 のような考えに至った。
スプリットレザーは、動物の皮の上表層 由来する皮革を切り剥いだ後の副産物であ ために、充分に厚いものが得られない。ま 、動物の皮の上表層に由来する皮革は厚み 向の大部分にコラーゲン繊維が存在し、こ ようなコラーゲン繊維により物理的強度が 持されている。
従来のスプリットレザー製品においては スプリットレザーの表面に樹脂層が形成さ ている。従来の銀面調スプリットレザー製 を谷折りしたときには、図1Bに示すように 折部の樹脂層がスプリットレザーに追従し れず折れ皺が粗くなってしまう。一方、人 皮革は見かけ密度が低い傾向にある。その めに、人工皮革はスプリットレザーに比べ 折り曲げたときに折り曲げる力に抗しきれ に屈曲しすぎてしまう傾向がある。よって 人工皮革を山折りしたときには、図2Bに示す ように山折部が伸びきって鋭角に折れてしま う。
本発明者らは、極細繊維から形成された 合不織布と該絡合不織布の内部に含有され 高分子弾性体との複合体でスプリットレザ の表面を補強することにより、コラーゲン 維を含有する上表層に似た層を形成するこ ができると考えた。それにより、天然皮革 似た、折り曲げられたときに発生する皺等 基づく感性が得られるのではないかと考え 。
本実施形態のスプリットレザー製品を図 を参照しながら詳しく説明する。
図3は、本実施形態のスプリットレザー製 品10の模式断面図を示す。図3中、1はスプリ トレザーからなる基材、2は接着剤層、3は表 皮層である。図3に示すように、表皮層3は接 剤層2を介して基材1に貼りあわされて接着 れている。また、表皮層3は、極細繊維から 成された絡合不織布3aと絡合不織布3aの内部 に含浸された高分子弾性体3bとの複合体から 成されている。
本実施形態で用いられる基材1としては、 従来からスプリットレザーとして知られてい るものが特に限定なく用いられうる。このよ うなスプリットレザーは、例えば、哺乳類等 の動物の皮を脱毛処理した後、皮の表皮から 網状層上部までの上表層と網状層上部より下 の下層を切り剥がした後、該下層をなめし処 理、染色処理、バフ掛け、プレス加工等の後 加工処理することにより得られる。
なお、スプリットレザーの物性や厚み及 表面外観は、動物の部位によって著しいば つきがある。そのために、従来のスプリッ レザー製品の製造においては、切り出した プリットレザーのすべての断片について、 用上の強度を有するかどうかを検査する必 があった。そして、一定の規格に合格した のが製品として用いられ、規格に満たない プリットレザーは廃棄されていた。このよ な検査工程及び規格に満たないスプリット ザーの廃棄はコストアップの原因になって た。本実施形態のスプリットレザー製品は スプリットレザーに表皮層を貼り合せるた に、検査工程が省略可能であり、また、ス リットレザーの歩留まりの低下も抑制でき 。
基材1の厚みとしては0.5~3mm、さらには0.8~2 mmの範囲であることが好ましい。基材1の厚み が薄すぎる場合には、皮革に似た風合いが得 られにくくなる傾向がある。また、難燃性が 不充分になる傾向や、引裂強度等の機械物性 が劣る傾向もある。
表皮層3は、極細繊維よりなる絡合不織布 3aと絡合不織布3aの空隙に含浸された高分子 性体3bからなる。このような表皮層3を設け ことにより、スプリットレザー表面にコラ ゲン繊維を含有する上表層に似た層を形成 ることができる。このような表皮層3が、ス リットレザー製品10が山折りされたときに 屈曲しすぎてしまうことを抑制する。一方 谷折りされたときには高分子弾性体3bが絡合 不織布3aに支えられることにより、表皮層3を 基材1の折れ曲がりに追従させる。
絡合不織布3aとしては、従来から知られ 絡合不織布が特に限定なく用いられうる。 体的には、例えば、ステープル繊維からウ ブを形成した後、複数枚のウェブを重ねて ードルパンチ処理等により絡合させて得ら るような短繊維絡合不織布や、スパンボン 法やメルトブロー法等の公知の方法により られる長繊維絡合不織布が挙げられる。
極細繊維よりなる絡合不織布を形成する めの繊維の具体例としては、例えば、ポリ チレンテレフタレート(PET)繊維等のポリエ テル系繊維;ポリアミド系繊維;ポリオレフィ ン系繊維;ポリビニルアルコール系繊維;ポリ レタン系エラストマー繊維等のエラストマ 繊維等が挙げられる。これらの中では、PET 維やポリアミド系繊維が、染色性に優れる 、及び、機械的特性と風合いとのバランス 優れる点から好ましい。
極細繊維の繊度としては、0.0001~0.5dtexの 囲、さらには0.001~0.1dtexの範囲であることが ましい。このような繊度の極細繊維は剛性 低く、柔らかい。そのために、得られるス リットレザー製品の風合いを硬くしすぎず 、補強効果を付与しうる。それにより、ス リットレザー製品を山折りしたときには、 然皮革に似た丸みを帯びた折れ形状が得ら 、谷折したときには、表皮層からなる天然 革に似た緻密な折れ皺(ファインブレイク) 得られる。
絡合不織布の目付としては50~1000g/m 2 の範囲、さらには、120~600g/m 2 の範囲であることが、スプリットレザー製品 の風合いを硬くしすぎない点から好ましい。
また、絡合不織布の空隙に含浸される高 子弾性体としては、ポリウレタン系エラス マー、アクリル系エラストマー、ポリエス ル系エラストマーおよびそれらの共重合体 混合物等を用いることができる。これらの では、ポリウレタン系エラストマーが皮革 似た風合いを与える点から好ましい。
ポリウレタン系エラストマーの具体例と ては、例えば平均分子量500~3000のポリマー オールと有機ジイソシアネ-トと、鎖伸長剤 を、所定のモル比で反応させることにより られる、ポリカーボネート系ポリウレタン 脂、ポリエステル系ポリウレタン樹脂、ポ エーテル系ポリウレタン樹脂等の各種のポ ウレタン系樹脂が挙げられる。これらの中 も、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂、ポ カーボネート系ポリウレタン樹脂が、耐久 や堅牢度が高い点から好ましい。
絡合不織布と高分子弾性体との複合体中 、高分子弾性体の含有割合としては、5~70質 量%、さらには10~60質量%であることが好まし 。高分子弾性体の含有割合が低すぎる場合 はクッション性が低下して、風合いが硬く りアラビが発生し易くなる傾向がある。ま 、高分子弾性体の含有割合が高すぎる場合 は、皮革の風合いとは異なるゴムライクな 合いが得られる傾向がある。
表皮層3の厚みとしては、0.1~2mm、さらに 0.2~1.5mm、とくには、0.4~0.8mmの範囲であるこ が、皮革に似た風合いを維持しながら、ス リットレザー製品を充分に補強することが きる。それにより、スプリットレザー製品 山折りしたときには、皮革に似た丸みを帯 た折れ皺が得られ、谷折したときには、皮 に似た緻密な折れ皺(ファインブレイク)が得 られやすい点から好ましい。また、アラビの 発生を充分に抑制することができる点からも 好ましい。
本実施形態のスプリットレザー製品にお ては、表皮層3が、スプリットレザーからな る基材1に接着剤層2を介して貼り合わされて 着されている。なお、表皮層3と基材1は、 らかの手段によって貼り合わされていれば く、接着剤層2は本発明においては必須の構 ではない。
接着剤層2を形成するための接着剤の具体 例としては、例えば、ポリウレタン樹脂系接 着剤、アクリル樹脂系接着剤、ポリアミド樹 脂系接着剤、ポリエステル樹脂系接着剤等が 挙げられる。これらの中では、ポリウレタン 樹脂系接着剤が、適度な伸度を有するために 、折り曲げられて変形しても、その変形に充 分に追従して接着力を維持しうる点から好ま しい。なお、接着剤層の厚みは特に限定され ないが、通常、0.005~1mm程度である。
接着剤層の形成方法は特に限定すること く、面状に形成する方法や、ドット状に形 する方法が適宜用いられる。
本実施形態のスプリットレザー製品にお ては、基材1の厚み割合が、全体厚みに対し て50~95%、さらには、55~80%であることが好まし い。基材1の厚み割合が低すぎる場合には、 然皮革に似た風合いが得られにくい傾向が るとともに、難燃性が低下する傾向がある また、基材1の厚み割合が高すぎる場合には アラビの抑制が難しくなる傾向がある。な 、後述する起毛調スプリットレザー製品に いては、基材の厚み割合は、起毛された繊 を除いたときの全体厚みに対する割合であ 。
本実施形態のスプリットレザー製品にお ては、その表面に銀面調の樹脂層を形成す ことにより銀面付の皮革に似た外観が付与 れ、また、その表面を起毛することにより スエードのような起毛皮革に似た外観が付 される。
図4に、樹脂層4を有する銀面調スプリッ レザー製品20の模式断面図を示す。なお、図 4に付された符号のうち、図3と同じ符号の要 は、図3と同じ要素を表す。
樹脂層4を形成するための樹脂成分は特に 限定されない。その具体例としては、例えば 、ポリカーボネート系ポリウレタンエラスト マー、ポリエステル系ポリウレタンエラスト マー、ポリエーテル系ポリウレタンエラスト マー等の各種ポリウレタン系エラストマーや 、アクリル系エラストマー、ポリウレタンア クリル複合エラストマー、ポリ塩化ビニル系 エラストマー、合成ゴム等が挙げられる。こ れらの樹脂成分は単独で用いても、2種以上 組み合わせて用いてもよい。また、必要に じて公知の各種添加剤を添加してもよい。 れらの中では、ポリウレタンエラストマー 表面層の耐磨耗性や耐屈曲性等の機械物性 優れる点から好ましい。
樹脂層4は、後述するように、樹脂成分か らなる不織布を熱プレスすることによりフィ ルム化させて加熱溶融接着させたり、樹脂層 を形成するための樹脂成分の溶液を表面に塗 布した後、乾燥して凝固させたりする方法等 により形成される。特に、樹脂成分からなる 不織布を熱プレスすることにフィルム化させ る方法により得られた樹脂層には多数の微細 な空隙が形成されるために、得られるスプリ ットレザー製品に優れた透湿性を付与するこ とができる点から好ましい。
樹脂層4は、表皮層3との接着性を高める とを目的として表皮層3表面に形成されるポ ウレタン樹脂等からなるアンカーコート層 、表面強度や外観の多様化を目的として表 に形成されるポリウレタン樹脂やアクリル 脂等から形成されるトップコート層のよう 層を含む積層構造であってもよい。また、 脂層4には、公知のエンボス機を用いること により、エンボス模様が形成されていること が好ましい。このようなエンボス模様を付与 することにより、得られる銀面調スプリット レザー製品の表面を加飾することができる。
樹脂層4の厚みは0.005~0.1mm、さらには0.01~0. 05mmであることが、皮革に似た柔らかな風合 を維持しながら、銀面調の外観を付与する とができる点から好ましい。
銀面調スプリットレザー製品20において 、樹脂層4の厚みと表皮層3の厚みとの比率( 脂層4/表皮層3)が0.12以下、さらには0.10以下 あって、0.003以上、さらには0.005以上である とが好ましい。このような場合には、より 革に似た風合いが得られる点から好ましい 前記厚み比率が高すぎる場合には表皮層3の 割合が相対的に低くなって、補強効果を充分 に発揮することが困難になる傾向がある。
上述したように、銀面調スプリットレザ 製品20は、天然皮革の表皮層からなる銀面 皮革に似た外観と感性を有し、また、スプ ットレザーからなる基材1の表面に存在する 凸形状が表面に表出することが抑制された のである。
次に、スエードのような起毛皮革に似た 観を有する起毛調スプリットレザー製品に いて図5を参照して説明する。
図5は起毛調スプリットレザー製品30の模 断面図を示す。なお、図5に付された符号の うち、図5と同じ符号の要素は、図3と同じ要 を表す。
起毛調スプリットレザー製品30において 、表皮層3の表層に存在する極細繊維が起毛 れてなる、立毛繊維5を有する。
立毛繊維5の立毛長や立毛密度は特に限定さ れず、用途に応じて調節される。具体例とし ては、例えば、立毛長が0.05~2mm、立毛密度が1 000本/cm 2 以上であることが好ましい。
このような起毛調スプリットレザー製品3 0は、スエード等の起毛皮革に似た外観と感 を有し、また、スプリットレザーからなる 材1の表面に存在する凹凸形状が表面に表出 ることが抑制されたものである。
次に、スプリットレザー製品の製造方法 一例について、詳しく説明する。
はじめに表皮層の製造方法について、説 する。
表皮層の製造方法の具体例としては、例 ば、以下の(i)又は(ii)のような方法を挙げる ことができる。
(i)はじめに、溶解性、分解性、又は相溶 の異なる2種類以上の繊維形成性のポリマー を溶融紡糸して極細繊維発生型繊維を得る。 そして、得られた極細繊維発生型繊維を用い て絡合不織布を製造する。そして、得られた 絡合不織布に液状に調製された高分子弾性体 の調製液を含浸し、高分子弾性体を凝固させ る。そして、極細繊維発生型繊維を極細繊維 化する。上記工程により、極細繊維から形成 された絡合不織布と該絡合不織布の空隙に含 有される高分子弾性体との複合体が形成され る。
(ii)極細繊維発生型繊維を用いて絡合不織 布を製造する。そして、得られた極細繊維発 生型繊維を極細繊維化処理する。そして、高 分子弾性体の調製液を含浸し、高分子弾性体 を凝固させることにより複合体を得る。
以下では、極細繊維発生型繊維として海 型の極細繊維発生型繊維を用いた場合を中 に、詳しく説明する。
絡合不織布としては、短繊維絡合不織布 長繊維絡合不織布が挙げられる。短繊維絡 不織布は、例えば、極細繊維発生型繊維か なるステープル繊維を用いてウェブを形成 た後、複数枚のウェブを重ねてニードルパ チ処理等により絡合させて得られる。また 長繊維絡合不織布は、スパンボンド法やメ トブロー法等の公知の方法により得られる 細繊維発生型繊維からなる長繊維不織布を 知の方法により絡合させることにより得ら る。
絡合不織布を形成する極細繊維は、少な とも2種類の樹脂成分から構成される極細繊 維発生型繊維を用いて得られる。例えば、海 島型の極細繊維発生型繊維の場合は、所定の 溶剤で溶解または所定の分解剤で分解される 成分と、前記溶剤で溶解又は前記分解剤で分 解されない成分とからなる、海島構造の断面 形状を有する繊維から、一方の成分のみを除 去することにより、フィブリル化した極細繊 維が形成させるような繊維である。
極細繊維を形成する樹脂成分としては、 リエチレンテレフタレート、ポリブチレン レフタレート、カチオン可染型変性ポリエ レンテレフタレート等の溶融紡糸可能なポ エステル類;6-ナイロン、66-ナイロン等の溶 紡糸可能なポリアミド類;ポリプロピレン等 のポリオレフィン類、等が挙げられる。
また、所定の溶剤により溶解、または所 の分解剤により分解される樹脂成分として 、極細繊維を形成するための樹脂成分と所 の溶剤に対する溶解性、または所定の分解 に対する分解性を異にし、極細繊維を形成 るための樹脂成分との相溶性が小さく、か 紡糸条件下で極細繊維を形成するための樹 成分よりも溶融粘度または表面張力が小さ 樹脂成分が好ましく用いられる。このよう 樹脂成分の具体例としては、例えば、ポリ チレン、ポリスチレン、ポリエチレンプロ レン共重合体、変性ポリエステル、ポリビ ルアルコール等が挙げられる。これらの中 は、水溶性であるポリビニルアルコールは 有機溶剤を用いずに熱水により除去される から、環境負荷を小さくできる点から好ま い。
例えば、海島型の極細繊維発生型繊維を 成する海成分と島成分との質量比率として 、1:3~3:1であることが好ましい。
極細繊維発生型繊維の紡糸方法としては 従来から知られた複合繊維を形成するため 溶融紡糸法等が特に限定なく用いられる。 の具体例としては、例えば、成分の異なる 数の溶融樹脂をそれぞれ異なる複数の紡糸 金から同時に吐出させ、複数の紡糸口金か の吐出物を溶融状態で複合化し、延伸しな ら、冷却処理するような公知の溶融紡糸法 用いることができる。なお、溶融紡糸され 未延伸繊維は、通常、オイリング処理、延 処理や捲縮処理等の後加工が施される。
そして、海島型繊維の一方の樹脂成分の を所定の溶剤中で溶解除去する、又は、所 の分解液中で分解除去するような極細繊維 処理を施すことにより、フィブリル化され 極細繊維が得られる。
海島型繊維からなる絡合不織布の製造方法 具体例として、短繊維(ステープル)を用い 絡合不織布の製造方法を詳しく説明する。 じめに、溶融紡糸された極細繊維発生型繊 を1.5~5倍程度に延伸した後、機械捲縮を施し 、そして、30~70mm程度にカットすることによ 短繊維を得る。そして得られた短繊維をカ ドで解繊し、ウェブとした後、ウェバーを して所望の目付になるように複数枚積層し 後、1つあるいは複数のバーブを有するニー ルを用いて300~4000パンチ/cm 2 程度でニードルパンチングすることにより、 厚み方向に極細繊維発生型繊維が3次元的に 合された不織布が得られる。
極細繊維化処理は、極細繊維発生型繊維 形成した直後に施しても、極細繊維発生型 維のウェブを形成して、ウェブ形成直後に しても、極細繊維発生型繊維のウェブを形 した後、ウェブを3次元的に絡合させた絡合 不織布を形成させた直後に施してもよい。さ らに、絡合不織布と高分子弾性体との複合体 を形成した直後に施してもよく、特に限定さ れない。
また、極細繊維発生型繊維としては、海 型のほか、公知の多層積層型、花弁状積層 等の極細繊維発生型繊維を用いてもよい。 体的には、例えば、互いに相溶性がない2種 以上の熱可塑性ポリマーから形成された花弁 状積層型繊維や多層積層型繊維を物理的処理 することにより異種ポリマーを界面で相互に 分割剥離させたり、互いに相溶性がない2種 上の熱可塑性ポリマーから形成された多層 層型繊維のいずれかの積層成分ポリマーを 解除去、または分解除去したりすることに り、残ったポリマー成分からなる極細繊維 得られる。
極細繊維の繊度としては0.0001~0.5dtex、さ には0.001~0.1dtexの範囲であることが好ましい このような極細繊維は剛性が低く、柔らか 。そのために、皮革に似た柔軟な風合いの プリットレザー製品が得られる。さらに、 面を起毛した起毛調スプリットレザー製品 したときに優れた外観やタッチが得られる 繊度が高すぎる場合には、風合いが硬くな 傾向がある。
極細繊維は、必要に応じて、公知の繊維 工用の柔軟仕上げ剤等により柔軟処理され いることが好ましい。このような柔軟処理 施すことにより、繊維の風合いがより柔軟 なるために、柔軟な風合いのスプリットレ ー製品が得られる。
次に、極細繊維からなる絡合不織布と高 子弾性体とを複合化する方法について説明 る。
絡合不織布と高分子弾性体とを複合化す 方法としては、極細繊維発生型繊維からな 絡合不織布と高分子弾性体との複合体を形 した後、極細繊維発生型繊維に極細繊維化 理を施す方法や、極細繊維発生型繊維から る絡合不織布に予め極細繊維化処理を施し 極細繊維からなる絡合不織布を形成した後 得られた極細繊維からなる絡合不織布と高 子弾性体との複合体を形成させる方法等が げられる。
絡合不織布と高分子弾性体とを複合化す 方法の例として、高分子弾性体としてポリ レタン系エラストマーを用い、極細繊維発 型繊維として海島型繊維を用いる場合につ て詳しく説明する。湿式法においては、海 型繊維から形成された絡合不織布をポリウ タン系エラストマー溶液に浸漬した後、凝 浴中でポリウレタン系エラストマーを凝固 せる。また、乾式法においては、海島型繊 から形成された絡合不織布をポリウレタン エラストマーの水分散液またはエマルジョ に含浸させた後、乾燥させてポリウレタン エラストマーを凝固させる。なお、ポリウ タン系エラストマーの溶液は、ポリウレタ 系エラストマー原料の有機溶媒溶液である また、ポリウレタン系エラストマーの水分 液は、水系媒体にポリウレタン系樹脂を懸 分散させたものである。また、ポリウレタ 系エラストマーのエマルジョンは、水系媒 にポリウレタン系エラストマーを乳化分散 せたものである。これらの中では、ポリウ タン系エラストマーの水分散液またはエマ ジョンが、有機溶剤を用いないために環境 荷を低減させうる点から好ましい。
ポリウレタン系エラストマーとしては、 均分子量500~3000のポリマージオールと有機 イソシアネ-トと、鎖伸長剤とを、所定のモ 比で反応させることにより得られる各種の リウレタンエラストマーが挙げられる。
平均分子量500~3000のポリマージオールの 体例としては、例えば、ポリエステルジオ- ,ポリエーテルジオール,ポリエステルエー ルジオール,ポリラクトンジオール,ポリカー ボネートジオ-ル等が挙げられる。また、有 ジイソシアネ-トとしては、トリレンジイソ アネート,キシリレンジイソシアネート,フ ニレンジイソシアネート,4,4’-ジフェニルメ タンジイソシアネート等の芳香族系イソシア ネート;4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソ アネート,イソホロンジイソシアネート等の 脂環族系イソシアネート;ヘキサメチレンジ ソシアネート等の脂肪族系イソシアネート の有機ジイソシアネ-トから選ばれる少なく も1種のジイソシアネ-ト等が挙げられる。 た、鎖伸長剤としては、ジオ-ル,ジアミン, ドロキシアミン,ヒドラジン,ヒドラジド等の 活性水素原子を少なくとも2個有する低分子 合物等が挙げられる。これらはそれぞれ、 独で用いても、2種以上を組み合わせて用い もよい。
ポリウレタン系エラストマーは、必要に じて、複数種のポリウレタンエラストマー 混合したものであってもよく、また、合成 ム、ポリエステルエラストマ-、ポリ塩化ビ ニル等の重合体が添加された樹脂組成物であ ってもよい。
ポリウレタン系エラストマー溶液を用い 湿式法を用いる場合、ポリウレタン系エラ トマー溶液を海島型繊維からなる絡合不織 または極細繊維からなる絡合不織布に含浸 せた後、ポリウレタン系エラストマーに対 る貧溶剤を含有する凝固浴中に浸漬させる とにより、ポリウレタン系エラストマーを 固させることができる。
ポリウレタン系エラストマー溶液の溶媒 、ポリウレタン系エラストマーを溶解する とができる溶媒であれば特に限定されない 具体的には、例えば、ジメチルホルムアミ (DMF)が湿式法によって得られるポリウレタ 系エラストマーに適度な多孔質構造を形成 せることができる点から好ましく用いられ 。
ポリウレタン系エラストマー溶液の濃度 、固形分で5~40質量%、さらには、10~30質量% あることが、溶液粘度が適度である点から ましい。
また、ポリウレタン系エラストマー溶液 には、必要に応じて、着色剤、耐光剤、分 剤などの添加剤、多孔構造の形状を制御す ための凝固調節剤等が添加されてもよい。
絡合不織布へのポリウレタン系エラスト ー溶液等の含浸方法としては、塗布、浸漬 、公知の含浸方法が用いられる。
そして、ポリウレタン系エラストマー溶 が含浸された絡合不織布を凝固浴に浸漬す ことにより、ポリウレタン系エラストマー 凝固されて絡合不織布とポリウレタン系エ ストマーとの複合体が形成される。
なお、前記凝固浴としては、ポリウレタ 系エラストマーに対する貧溶剤である水と 溶媒であるDMFとの混合物が好ましく用いら 、その混合比率を調整することにより、ポ ウレタン系エラストマーに形成される空隙 数などを制御することができる。
凝固浴中の良溶剤/貧溶剤の混合比率は、 良溶剤/貧溶剤=0/100~50/50(質量比)であることが 好ましい。また、凝固浴の温度は50℃以下、 らには40℃以下であることが好ましい。凝 浴の良溶剤の比率が高くなりすぎる場合や 固浴の温度が高すぎる場合にはポリウレタ 系エラストマーの多孔質構造の孔径が小さ なり、柔軟性が低下する傾向がある。
海島型繊維からなる絡合不織布とポリウ タン系エラストマーとの複合体を形成した 、海島型繊維に極細繊維化処理を施すこと より、極細繊維から形成された絡合不織布 ポリウレタン系エラストマーとの複合体が られる。
なお、海島型繊維により形成される絡合 織布とポリウレタン系エラストマーとの複 体を形成した後に、海島型繊維に極細繊維 処理を施した場合には、海成分が除去され ことにより極細繊維とポリウレタン系エラ トマーとの間に空隙が生じ、高分子弾性体 よる極細繊維に対する拘束が弱まるために 得られるスプリットレザー製品の表層が柔 かな風合いになる。
一方、ポリウレタン系エラストマーの水 散液やエマルジョンを用いた乾式法を用い 場合には、ポリウレタン系エラストマーの 分散液またはエマルジョンを海島型繊維に り形成される絡合不織布に含浸した後、加 乾燥することにより、海島型繊維により形 される絡合不織布とポリウレタン系エラス マーとの複合体が形成される。そして、湿 法の場合と同様にして極細繊維化処理を施 ことにより、極細繊維により形成される絡 不織布と高分子弾性体との複合体が得られ 。
このようにして得られる極細繊維により 成される絡合不織布と高分子弾性体との複 体中の高分子弾性体の含有比率は、5~70質量 %、さらには10~60質量%の範囲さらには10~50質量 %の範囲であることが好ましい。
このようにして表皮層を形成するための 合不織布と高分子弾性体との複合体が形成 れる。
次に、スプリットレザーからなる基材の 面に表皮層を貼り合せる方法について説明 る。
表皮層とスプリットレザーからなる基材 、例えば、接着剤を用いて貼り合せられる 具体的には、スプリットレザーの一表面に ールコーター、スリットコーターおよび流 塗り等の公知方法を用いて接着剤を塗布し 後、表皮層を重ね、圧着することにより貼 合せる。なお、必要に応じて熱プレスによ 圧着しながら貼り合せることにより、より い接着力で貼り合せることができる。
接着剤としては、ポリウレタン樹脂系接 剤、アクリル樹脂系接着剤、ポリウレタン クリル複合樹脂系接着剤等が用いられる。
なお、接着剤の塗布に際しては、接着剤 スプリットレザーに浸透しすぎてスプリッ レザーが硬くなることを抑制するために、 めスプリットレザーの接着面にポリウレタ アクリル複合樹脂やポリウレタン樹脂等か 形成される1~20μm程度のベースコート層を上 記接着剤に対して接着性を低下させない公知 の樹脂によって、さらに公知の塗布方法で形 成しておくことが好ましい。
このようにして、表皮層が形成された表 層付スプリットレザーが得られる。
本実施形態のスプリットレザー製品は、 皮層表面に樹脂層を積層したり起毛したり て修飾した後、表皮層を基材に貼り合せて 、表皮層を基材に貼り合せた後、表皮層表 に樹脂層を積層したり起毛したりして修飾 てもよい。
次に、銀面調スプリットレザー製品を得 ために、表皮層付スプリットレザーの表皮 に樹脂層を形成する方法について説明する
表皮層に樹脂層を形成する方法としては 表皮層に樹脂溶液を塗布した後、乾燥する 法や、予め作製された樹脂層を表皮層に貼 合わせる方法や、表皮層の表面にポリウレ ン系エラストマー繊維からなる不織布を重 た後、加熱プレスすることにより不織布を 成する樹脂成分を溶融させてフィルム化さ て貼り合せる方法等が挙げられる。
樹脂層を形成する樹脂成分としては、ポ ウレタン系エラストマーやアクリル系エラ トマー、ポリウレタンアクリル複合エラス マー等が挙げられる。これらの中でも、ポ ウレタン系エラストマーが皮革に似た風合 を与える点から好ましい。
表皮層の表面に樹脂溶液を塗布する方法 しては、表皮層の表面に、例えば、ナイフ ーター、バーコーター、又はロールコータ を用いて、ポリウレタン系エラストマー溶 またはポリウレタン系エラストマー水分散 を所定の厚みになるように塗布し、湿式法 または乾式法を用いて形成する方法が挙げ れる。湿式法としては、例えば、ポリウレ ン系エラストマー溶液を基材表面に塗布し 後、貧溶剤を含む凝固浴に浸漬することに りポリウレタン系エラストマーを多孔質状 で凝固させ、その後、乾燥する方法が挙げ れる。
一方、表皮層の表面に接着剤を塗布して 織布を重ねた後、または接着剤を塗布せず 不織布を重ねた後、加熱プレスすることに り不織布を形成する樹脂成分を溶融させて ィルム化させて貼り合せる方法は、形成さ るフィルムに、不織布の空隙に由来する微 な孔が形成されることにより、樹脂層に透 性を付与することができる点から好ましい
樹脂層を形成するための不織布としては ポリウレタン系エラストマー繊維からなる 織布が、得られるスプリットレザー製品に 革に似た風合いを与える点から好ましい。
ポリウレタン系エラストマー繊維から形 された不織布の製造方法としては、特に限 されない。ポリウレタン系エラストマーを いたメルトブローン法により得られた不織 が不織布形成性の点から好ましく用いられ 。
樹脂層を形成するための不織布の厚みと ては、0.015~0.24mm、さらには、0.03~0.15mmであ ことが好ましい。また、その繊維の繊度と ては4dtex以下、さらには、2dtex以下であるこ が不織布の均一性の点から好ましい。
樹脂層を形成するための不織布の目付とし は5~80g/m 2 の範囲、さらには、10~50g/m 2 の範囲であることが、不織布の均一性の点か ら好ましい。
樹脂層を形成するための不織布は、表皮層 表面に重ねられた後、加熱プレスされるこ により不織布が溶融されてフィルム状に貼 合せられる。加熱プレスは、エンボス型が 成されたプレス板を用いて、樹脂成分の軟 点よりも、20℃~80℃程度高い温度で、圧力0. 5~7.0kg/cm 2 で積層一体化することが好ましい。加熱プレ ス温度が低すぎる場合には接着力が不充分に なり、一方、高すぎる場合には孔が少なくな って、透湿性が不充分になる傾向がある。ま た、加熱プレス温度が低すぎる場合にも接着 力が不充分になり、一方、高すぎる場合には 、風合いが硬くなる傾向がある。
なお、ポリウレタン系エラストマー繊維 ら形成された不織布を表皮層の表面に重ね 前には、表皮層の表面に、ポリウレタン系 ラストマー溶液を塗布しておくことが好ま い。このように、ポリウレタン系エラスト ー溶液を表皮層の表面に予め塗布しておく とにより、表皮層と不織布とのなじみ性が くなって、より、接着力が高くなる。
表皮層とスプリットレザーを貼り合わせ 前または、貼り合わせた後に、必要により タイコ染色機でウェット揉み処理を施した 、樹脂層に公知の方法で着色およびエンボ 模様を付与したりしてもよい。
このようにして、得られた銀面調スプリ トレザー製品は、必要に応じて、風合いを フトにするために揉み加工が施されてもよ 。揉み加工の方法としては、従来から皮革 造の分野で用いられている、タイコ型染色 で代表されるドラム型染色機を用いて所定 温度で所定の時間処理する方法が挙げられ 。また、揉み加工は、得られたスプリット ザー製品に施しても、基材と表皮層とを貼 合せる前に、それぞれに施してもよい。
次に、起毛調スプリットレザー製品を得 方法について説明する。
起毛処理は、表皮層と基材とを貼り合せ 前または貼り合せた後の、表皮層表面に施 れる。具体的には、極細繊維からなる絡合 織布と高分子弾性体との複合体である表皮 の表面に、サンドペーパーなどによるバフ ングや針布起毛による公知の起毛処理方法 用いて起毛される。また、起毛処理された 皮層は、必要に応じて、立毛状態を整える めに整毛処理などがさらに施されてもよい このようにして表皮層の表面に存在する極 繊維が起毛されている表皮層が得られる。
得られた表皮層は、必要に応じて染色さ る。染料や染色機器の種類、染色条件など 特に限定されない。例えば、絡合不織布を 成する極細繊維がポリアミド繊維を主体と る場合には、酸性染料を用いて、サーキュ ー染色機中で、水温90℃以上で1~2時間染色 理を行うことにより染色できる。
このようにして、本実施形態の起毛表面 有するスプリットレザー製品が形成される
得られた起毛調スプリットレザー製品は 必要に応じて、風合いをソフトにするため 揉み加工が施されてもよい。揉み加工の方 としては、従来から皮革製造の分野で用い れている、タイコ型染色機で代表されるド ム型染色機を用いて所定の温度で所定の時 処理する方法が挙げられる。
なお、従来のスエード調人工皮革は、工 的には、ロール状に巻回されている極細繊 からなる絡合不織布を形成するための繊維 ートを一方向に送りながら、極細繊維化処 、高分子弾性体含浸処理等の処理が連続的 行われる。このような連続生産においては 繊維シートの進行方向(製品縦方向)に対し テンションがかかり、伸ばされやすく、進 方向に対して垂直方向(製品横方向)はテンシ ョンがかかりにくく、縮みやすくなる。その ために、スエード調人工皮革の特性は、縦方 向と横方向において高い異方性を有するもの になっていた。具体的には、スエード調人工 皮革は、製造時に縦方向に伸ばされ、横方向 に縮んでいることから製品縦方向においては 強度が高くて伸びにくくなっており、製品横 方向においては強度が低くて伸びやすいとい う特性があり、製品に機械的特性の高い異方 性が残りやすいという問題があった。一方、 スプリットレザーは動物に由来するために、 部位による機械的特性のばらつきが大きい。
本実施形態のスプリットレザー製品は、 面付皮革や起毛皮革が用いられているよう 各種用途、具体的には、例えば、衣料、靴 鞄、雑貨、家具、車輌の内装等の皮革様素 として好ましく用いられる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体 に説明する。なお、本発明は実施例により ら限定されるものではない。
以下の、実施例1~5及び比較例1及び2は銀 調スプリットレザー製品に関し、実施例6~8 び比較例3及び比較例4は起毛調スプリットレ ザー製品に関する。
はじめに、本実施例で用いた評価方法を とめて説明する。
(山折り評価)
200×200mmの正方形に切断したスプリットレザ
製品を上端と下端を合わせるように山折り
たときに発生する折り曲げ形状を目視によ
観察した。同じ厚みの牛皮革(銀面付皮革、
はスエード)を同様に折り曲げたときの折り
曲げ形状と比較して、以下の基準で判定した
。
優:牛皮革と同等の丸みのある折り曲げ形状
得られた。
劣:牛皮革と比較して、明らかに鋭角な折り
げ形状が得られた。
(谷折り評価)
200×200mmの正方形に切断したスプリットレザ
製品を上端と下端を合わせるように谷折り
たときに発生する折り曲げ形状を目視によ
観察した。そして、以下の基準により判定
た。
優:牛皮革と同様の折りこんだ表面に緻密で
均質な折れシワが発生した。
劣:折りこんだ表面にダンボールを折り込ん
ような荒い折れシワが発生した。
(アラビの発生)
JIS K-6546-1995の革の半球状可塑性試験法に準
て評価した。具体的には、直径9cmの円形に
断したスプリットレザー製品のサンプルを
成した。そして、サンプルの表面のほぼ中
に25mmの標線を記入した。そして、半球状可
性試験機を用いて、サンプルの表面層側を
部に向けてセットし、標線が30mmに伸びるま
で吊り込み処理をしたときのアラビ(表面凹
)の発生の状態を、以下の基準で判定した。
優:アラビが全く発生しなかった。
良:表面にわずかに細かい凹凸が発生した。
劣:表面に多量の凹凸が発生した。
(難燃性)
MVSS 302(自動車室内材料の燃焼性基準)に準じ
、得られたスプリットレザー製品の燃焼試
を行った。なお、MVSS 302は、水平状態に保
されたシートの縁に15秒間火を近づけて着
したときの、燃え広がり速度を測定する方
である。具体的には、縁から38mmの標線まで
えた後、さらに燃え広がるときの速度を測
するものである。以下のような基準で判定
た。
自消性:標線から50mm以内で、且つ、60sec以内
消火した
遅燃性:燃焼速度が100mm/min以下
易燃性:燃焼速度が100mm/minを超える
(風合い)
スプリットレザー製品の風合いを1.5mmの表皮
からなる牛皮革を比較対象にして、手で握
たときに、以下の基準で判定した。
優:牛皮革と同等程度の柔軟な風合いで、表
も牛皮革と同等程度の柔軟な風合い。
良:牛皮革と同等程度の柔軟な風合いで、表
は牛皮革よりもやや硬い風合い。
普通:牛皮革よりもやや硬い風合い。
劣:牛皮革よりもかなり硬い。
(起毛表面の外観)
起毛表面を目視により観察し、表皮層からな
る牛皮に由来するスエード革の起毛表面と比
較して、以下の基準で判定した。
優:牛皮に由来する天然皮スエードと大差が
く、均一な立毛状態であった。
劣:牛皮に由来する天然皮スエードに比べ、
毛の緻密性に劣り、また表面に凹凸感があ
立毛状態も不均一であった。
(引張特性)
JIS-L1096-1964 織物の引張試験方法に準じて、
張破断強度、20%の伸び時の引張強度、及び
張伸びを測定した。なお、測定は、絡合不
布処理の流れ方向を縦方向、絡合不織布処
の流れ方向に直角方向を横方向として、縦
それぞれの方向で行った。また、測定条件
温度23℃、湿度65%の雰囲気下の条件で行った
。
(引裂強度)
JIS-L1096-1964 織物の引張試験方法に準じて、
裂強度を測定した。なお、測定は、縦横そ
ぞれの方向で行った。また、測定条件は温
23℃、湿度65%の雰囲気下の条件で行った。
[実施例1]
ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂(島成分
)とポリエチレン(海成分)との質量比率が50/50
ある、海島型混合紡糸繊維を溶融紡糸した
そして、得られた繊維を延伸、クリンプ、
ットすることにより、繊度4dtex、カット長
51mmのステープルを得た。
得られたステープルをカードに通してウ ブを作製した後、クロスラッパー方式によ ウェブを所定の枚数重ねて積層した。次に ェルト針を用いて積層されたウェブをニー ルパンチすることにより海島型繊維からな 絡合不織布が得られた。
次に、得られた絡合不織布を温水中で収縮 せて乾燥した後、熱プレスすることにより 表面が平滑にされた厚み2.2mm、目付500g/m 2 の絡合不織布を得た。そして、ポリカーボネ ート系ポリウレタンDMF溶液(固形分13%)を平滑 された絡合不織布に含浸させた。そして、 記溶液を含浸した絡合不織布を温度40℃のDM F30%水溶液に浸漬することにより、ポリウレ ンがスポンジ状に凝固された海島型繊維か なる絡合不織布とポリウレタンとの複合体 得られた。そして、前記複合体を湯洗した 、熱トルエン中で海島型繊維中のポリエチ ンを溶解抽出して除去することにより、単 維繊度約0.0018dtexで約1100本のPET繊維束から形 成された絡合不織布とその内部に存在する多 孔質状のポリウレタンとの複合体からなる表 皮層前駆体が得られた。得られた表皮層前駆 体は、厚み1.2mm、密度0.4g/cm 3 、ポリウレタン含有割合40質量%、目付480g/m 2 の複合体であった。
次に、表皮層前駆体をスライスすること より2分割し、その一片の両面をバフ処理し て約0.5mmの厚みに調整した。そして、0.5mmに 整されたスライス片を黒色に染色した。染 は、黒色染料(Harmony Light Black (北陸カラ (株)製) TK-5)を用い、浴比1:30、染料濃度5%owf 染色温度130℃、染色時間60分の条件で行っ 。
染色されたスライス片を水洗及び乾燥し 後、繊維加工剤溶液に含浸させた後、搾液 60%になるように搾液した後、乾燥すること より、黒色に染色された表皮層が得られた なお、繊維加工剤溶液としては、ラステッ スLB(大京化学(株)製の柔軟剤)15質量部、ニ カシリコンAM-204(日華化学(株)製の柔軟剤)5質 量部を水47.5質量部に溶解させた溶液を用い 。
得られた表皮層の表面に、グラビア塗布に り、ポリカーボネート系ポリウレタンのDMF 液(固形分10%、大日精化工業(株)製のTC-4020) ウェットで30g/m 2 になるように塗布した。そして、ポリカーボ ネート系ポリウレタン(軟化点160―200℃、大 精化工業(株)製のレザミンP-890)をメルトブロ ーすることにより得られた、目付45g/m 2 の不織布をグラビア塗布された表面に重ね仮 接着した後、熱プレスすることにより不織布 をフィルム化した。このときの熱プレス条件 は、プレス温度160℃、プレス圧4kg/cm 2 、プレス時間10秒間で行った。
次に、フィルム化されて貼り合せられたポ カーボネート系ポリウレタンの表面に、ク アーのポリカーボネート系ポリウレタンのD MF溶液(固形分10%)をウェットで20g/m 2 になるようにグラビア塗布した後、表面温度 145℃の梨地タイプのエンボスロールを用いて 熱プレスした。そして、さらに、黒色インキ を用いて150メッシュのグラビア塗布を5回行 、さらに、クリアインキを用いてグラビア 布を1回行って、クリアー層を形成した。そ て、キップ調のエンボスロールで型押した さらに、ドラム型染色機を用いて50℃で60分 間揉み加工し、タンブラー乾燥機で乾燥した 。その後、クリアー層側の表面にポリカーボ ネート系ポリウレタン樹脂溶液をスプレーコ ートすることにより厚み15μmのトップコート を形成、表面に約70μmの厚みの樹脂層が積 された樹脂層付表皮層が得られた。
一方、牛皮に由来する厚み約1mmのスプリッ レザー表面にポリウレタンアクリル樹脂を7 μmコーティングすることによりベースコート 層を形成した。そして、ベースコート層表面 にポリウレタンアクリル系接着剤(DIC(株)製の バインダーUB-30-AD)をスプレー塗布した後、前 記樹脂層付表皮層の表皮層側の表面を貼り合 せ面にして、熱プレスにより圧着して貼り合 せた。このときの熱プレス条件はプレス温度 40℃、プレス圧50kg/cm 2 、プレス時間3秒間で行った。このようにし 得られたスプリットレザー製品は、厚み1.71m m、スプリットレザー(基材)の厚み1.06mm、表皮 層の厚み0.58mm(接着剤層0.08mmを含む)、樹脂層( 表皮層よりも上層の部分)の厚み0.07mmであっ 。そして、得られたスプリットレザー製品 上記評価方法により評価した。結果を表1に す。
[実施例2]
厚み約0.5mmの表皮層を用いる代わりに、さら
薄くスライスして得られた厚み約0.2mmの表
層を用いた以外は実施例1と同様にしてスプ
ットレザー製品を得た。得られたスプリッ
レザー製品は、厚み1.29mm、スプリットレザ
の厚み1.02mm、表皮層の厚み0.2mm(接着剤層0.08
mmを含む)、樹脂層の厚み0.07mmであった。得ら
れたスプリットレザー製品を上記評価方法に
より評価した。結果を表1に示す。
[実施例3]
フィルム化されて貼り合せられたポリカーボ
ネート系ポリウレタンの表面にグラビア塗布
することにより着色をする代わりに、予め染
色されたポリカーボネート系ポリウレタンの
不織布を用いた以外は実施例1と同様にして
プリットレザー製品を得た。得られたスプ
ットレザー製品は、厚み1.63mm、スプリット
ザーの厚み1.02mm、表皮層の厚み0.58mm、樹脂
の厚み0.03mmであった。得られたスプリット
ザー製品を上記評価方法により評価した。
果を表1に示す。
[実施例4]
実施例1と同様にスプリットレザーのベース
ート層表面にポリウレタンアクリル系接着
をロールコートにより塗布した後、厚み約0.
5mmの表皮層を貼り合せた。
次に、スプリットレザー表面に形成された 皮層の表面に、ポリカーボネート系ポリウ タンの水分散液(固形分30%)をウェットで60g/m 2 になるようにコーティング塗布した後乾燥し た。そして、さらに、黒色着色剤を10%含有す るポリカーボネート系ポリウレタンの水性懸 濁液(DIC(株)製ハイドランULK203、固形分30質量% )を乾燥厚み20μmになるように調整してコーテ ィング塗布した後、乾燥させることにより、 ポリカーボネート系ポリウレタン着色層を形 成した。さらに、その表面に、クリアーのポ リカーボネート系ポリウレタンのDMF溶液(固 分10%、大日精化工業(株)製のTC-4020)をウェッ で20g/m 2 になるようにグラビア塗布した後、表面温度 145℃のキップ調のエンボスロールで型押した 。さらに、ドラム型染色機を用いて50℃で60 間揉み加工し、タンブラー乾燥機で乾燥し 。その後、表面にポリカーボネ-ト系ポリウ タン樹脂溶液をスプレー塗布することによ 厚み15μmのトップコート層を形成し、樹脂 付表面層を有するスプリットレザー製品が られた。このようにして得られたスプリッ レザー製品は、厚み1.69mm、スプリットレザ の厚み1.06mm、表皮層の厚み0.58mm(接着剤層0.08 mmを含む)、樹脂層(表皮層よりも上層の部分) 厚み0.05mmであった。得られたスプリットレ ー製品を上記評価方法により評価した。結 を表1に示す。
[実施例5]
6-ナイロン樹脂(島成分)とポリエチレン(海成
)との質量比率が50/50である、海島型混合紡
繊維を溶融紡糸した。そして、得られた繊
を延伸、クリンプ、カットすることにより
繊度15dtex、カット長さ51mmのステープルを得
た。
得られたステープルをカードに通してウ ブを作製した後、クロスラッパー方式によ ウェブを所定の枚数重ねて積層した。次に ェルト針を用いて積層されたウェブをニー ルパンチすることにより絡合不織布が得ら た。
次に、得られた絡合不織布を熱プレスする とにより表面が平滑化された厚み2.2mm、目 500g/m 2 の絡合不織布を得た。そして、ポリカーボネ ート系ポリウレタンDMF溶液(固形分13%)を平滑 された絡合不織布に含浸させた。そして、 記溶液を含浸した絡合不織布をDMF30%水溶液 浸漬することにより、ポリウレタンがスポ ジ状に凝固された海島型繊維からなる絡合 織布とポリウレタンとの複合体が得られた そして、前記複合体を湯洗した後、熱トル ン中で海島型繊維中のポリエチレンを溶解 出し、除去することにより、単繊維繊度約0 .006dtexで約300本の6-ナイロン繊維束から形成 れた絡合不織布とその内部に存在する多孔 状のポリウレタンとの複合体からなる表皮 前駆体が得られた。得られた表皮層前駆体 、厚み1.2mm、密度0.4g/cm 3 、ポリウレタン含有割合40質量%、目付480g/m 2 の複合体であった。
次に、表皮層前駆体をスライスすること より2分割し、その一片の両面をバフ処理し て約0.5mmの厚みに調整し、黒色に染色した。 色は、黒色染料(カヤカランブラック 2RL 本化薬(株)製)を用い、浴比1:30、染料濃度5%ow f、染色温度90℃、染色時間60分の条件で行っ 。
柔軟化処理以降は実施例1と同様の方法で 行って樹脂層付き表皮層を得、さらに牛皮に 由来するスプリットレザーと貼り合わせてス プリットレザー製品を得た。得られたスプリ ットレザー製品は厚み1.71mm、スプリットレザ ー(基材)の厚み1.06mm、表皮層の厚み0.58mm(接着 剤層0.08mmを含む)、樹脂層(表皮層よりも上層 部分)の厚み0.07mmであった。得られたスプリ ットレザー製品を上記評価方法により評価し た。結果を表1に示す。
[比較例1]
エンボス形状が賦型されたキップ調離型紙表
面に、ポリカーボネート系ポリウレタン(DIC(
)製 NY-324)のDMF/トルエン/イソプロピルアル
ール溶液(固形分11%、黒色顔料15%)をコンマ
ーターで塗布した後、70℃で乾燥させること
により、厚み30μmの樹脂層が形成された。こ
樹脂層に、中間層として同じ樹脂を厚み40μ
mとなるようにコンマコーターでさらに塗布
、接着剤としてポリカーボネート系ポリウ
タン(DIC(株)製 TA-208)のDMF/メチルエチルケト
溶液(固形分12%)をコンマコーターで乾燥後
厚みが30μmとなるように塗布した。そして、
70℃で半乾燥させ、セミウェット状態で、実
例1の表面層を用いず、実施例1と同様の厚
約1mmのスプリットレザーと貼り合わせるこ
により、厚み0.1mmの樹脂層を有するスプリッ
トレザー製品が得られた。得られたスプリッ
トレザー製品を上記評価方法により評価した
。結果を表1に示す。
[比較例2]
比較例1の樹脂層の厚みを2分の1にした以外は
比較例1と同様の方法でスプリットレザー製
を得た。得られたスプリットレザー製品は
厚み1.11mm、スプリットレザー部分の厚み1.06m
m、樹脂層の厚み0.05mmであった。得られたス
リットレザー製品を上記評価方法により評
した。結果を表1に示す。
実施例1~5及び比較例1及び2の結果から、 発明に係るスプリットレザー製品は、銀面 谷折りしたときに発生する表面の皺の状態 、銀面付皮革と同等の緻密で均質な折れ皺 あった。また、実施例1~5のスプリットレザ 製品にはアラビの発生も見られなかった。 た、機械的特性の異方性も小さいものであ た。なお、表皮層の厚みが薄く、樹脂層の 率が高い実施例2のスプリットレザー製品は や表面の風合いが硬かった。一方、従来の 法により得られた比較例1及び2のスプリッ レザー製品は、谷折りのときの折れ皺は荒 ものであった。
[実施例6]
島成分であるPET樹脂と海成分である低密度ポ
リエチレン(PE))との質量比率が40/60で、島数16
島である、海島型の複合繊維を溶融紡糸した
。そして、得られた繊維を延伸、クリンプ、
カットすることにより、繊度4dtex、カット長
51mmのステープルを得た。得られたステープ
ルをカードに通してウェブを作製した後、ク
ロスラッパー方式によりウェブを所定の枚数
重ねて積層した。次にフェルト針を用いて積
層されたウェブをニードルパンチすることに
より海島型繊維からなる目付663g/m 2
の絡合不織布を得た。
次に、得られた絡合不織布を温水中で収縮 せて乾燥した後、熱プレスすることにより 表面が平滑にされた厚み1.98mm、目付950g/m 2 、密度0.480g/cm 3 の絡合不織布を得た。そして、平滑化された 絡合不織布にポリエーテル系ポリウレタンDMF 溶液(固形分13%)を、固形分で表皮層の20質量% なるように含浸した。そして、DMF水溶液に りポリエーテル系ポリウレタンを湿式凝固 せた後水洗した。そして、85℃の熱トルエ により海成分のポリエチレンを溶解抽出し 除去することにより、平均単繊維繊度約0.2dt exで16本のPET繊維束から形成された絡合不織 とその内部に存在する多孔質状のポリウレ ンエラストマーとの複合体からなる表皮層 駆体が得られた。得られた表皮層前駆体は 厚み1.55mm、密度0.449g/cm 3 、ポリウレタン含有割合20質量%、目付696g/m 2 の複合体であった。
次に、表皮層前駆体をスライスすること より2分割し、その一片の両面を400番のサン ドペーパーを用いてバフ処理して0.75mmの厚み に調整してさらに最表面になる面を起毛処理 した。これにより、表面に存在する極細繊維 が起毛された表皮層Aが得られた。
次に、表皮層Aを黒色に染色した。染色は 、黒色染料((Harmony Light Black (北陸カラー( )製) TK-5)を用い、浴比1:30、染料濃度10%owf、 染色温度130℃、染色時間60分の条件で行い、 らに水洗及び乾燥した。そして、それを繊 加工剤溶液に含浸させた後、搾液率60%にな ように搾液した後、さらに乾燥した。なお 繊維加工剤溶液としては、ラステックスLB( 京化学(株)製の柔軟剤)15質量部、ニッカシ コンAM-204(日華化学(株)製の柔軟剤)5質量部を 水47.5質量部に溶解させた溶液を用いた。
一方、牛皮に由来する厚み約0.9mmのスプリ
トレザー(密度0.672g/cm 3
)の表面にポリウレタンアクリル系接着剤(DIC(
株)製のバインダーUB-30-AD)をスプレー塗布し
後、前記樹脂層付表皮層の表皮層側の表面
貼り合せ面にして、熱プレスにより圧着し
貼り合せた。このときの熱プレス条件はプ
ス温度40℃、プレス圧50kg/cm 2
、プレス時間3秒間で行った。そして、貼り
わせ後、室温で48時間熟成した。
このようにして得られたスプリットレザー製
品は、厚み1.68mm、スプリットレザー(基材)厚
0.90mm、表皮層(接着層0.03μmを含む)の厚み0.78
mmであった。そして、得られたスプリットレ
ー製品を上記評価方法により評価した。結
を表2に示す。
[実施例7]
実施例6で得られた表皮層前駆体を用い、実
例6と同様にして黒色に染色された、厚み0.49
mmのスエード調の表面を有する表皮層Bを得た
。そして、牛皮に由来する厚み1.10mmのスプリ
ットレザー(密度0.612g/cm 3
)の表面に、実施例6と同様にして表皮層Bを熱
プレスにより圧着することにより貼り合せた
。そして、貼り合わせ後、室温で48時間熟成
た。このように得られたスプリットレザー
品は、厚み1.62mm、基材厚み1.10mm、表皮層の
み0.52mm(接着層0.03μmを含む)であった。そし
、得られたスプリットレザー製品を上記評
方法により評価した。結果を表2に示す。
[実施例8]
実施例7で用いたのと同様の厚み0.49mmの表皮
Bを用いた。牛皮に由来する厚み1.50mmのスプ
ットレザー(密度0.612g/cm 3
)の表面に、実施例2と同様にして表皮層Bを熱
プレスにより圧着することにより貼り合せた
。そして、貼り合わせ後、室温で48時間熟成
た。このように得られたスプリットレザー
品は、厚み2.02mm、基材厚み1.50mm、表皮層の
み0.52mm(接着層0.03μmを含む)であった。そし
、得られたスプリットレザー製品を上記評
方法により評価した。結果を表2に示す。
[比較例3]
牛皮に由来する厚み約1.60mmのスプリットレザ
ー(密度0.62g/cm 3
)の表面を400番のサンドペーパーを用いてバ
処理して起毛処理することにより、起毛表
を有するスプリットレザー製品を得た。得
れたスプリットレザー製品は厚み1.53mmであ
た。そして、得られたスプリットレザー製
を上記評価方法により評価した。結果を表2
示す。
[比較例4]
実施例6で得られた表皮層Aのみをスプリット
ザーからなる基材に貼り合わせることなく
上記評価方法により評価した。結果を表2に
示す。
表2から、実施例6~8の何れの起毛表面を有 するスプリットレザー製品は、折り曲げたと きに丸みのある折り曲げ形状及び起毛表面の 外観が牛皮に由来するスエードと同等であっ た。また、難燃性にも優れていた。また、機 械的特性の異方性も小さいものであった。一 方、表皮層を設けずにスプリットレザーの表 層を起毛処理して得られた比較例3のスプリ トレザーは、牛皮に由来するスエードと同 の丸みのある折り曲げ形状及び難燃性を有 るものではあるが、起毛表面の外観が劣っ いた。また、スプリットレザーを貼り合わ ない、表皮層のみからなるスエード調人工 革は、折り曲げたときに発生する折り曲げ 状に丸みが無く牛皮に比べて明らかに鋭角 形状で感性に劣るものであり、難燃性も劣 ていた。さらに、比較例3及び比較例4で得ら れたものは、何れも、機械的特性の異方性が 著しく大きいものであった。
