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Title:
SPUTTERING TARGET MATERIAL FOR PRODUCING INTERMEDIATE LAYER FILM OF PERPENDICULAR MAGNETIC RECORDING MEDIUM AND THIN FILM PRODUCED BY USING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/133921
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a sputtering target material for producing an intermediate layer film of a perpendicular magnetic recording medium, which is capable of dramatically reducing the crystal grain size of a thin film formed by the sputtering.  The sputtering target material contains, in at%, 1-20% of W and 0.1-10% in total of one or more elements selected from the group consisting of P, Zr, Si and B, with the balance of Ni.

Inventors:
SAWADA TOSHIYUKI (JP)
KISHIDA ATSUSHI (JP)
YANAGITANI AKIHIKO (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/058465
Publication Date:
November 05, 2009
Filing Date:
April 30, 2009
Export Citation:
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Assignee:
SANYO SPECIAL STEEL CO LTD (JP)
SAWADA TOSHIYUKI (JP)
KISHIDA ATSUSHI (JP)
YANAGITANI AKIHIKO (JP)
International Classes:
C23C14/34; B22F1/00; B22F9/08; C22C19/03; C23C14/14; G11B5/738; G11B5/851; B22F3/15
Foreign References:
JPH07292463A1995-11-07
JP2001342561A2001-12-14
JP2000169923A2000-06-20
JP2000309865A2000-11-07
JPH10324978A1998-12-08
JPS6240363A1987-02-21
Attorney, Agent or Firm:
YOSHITAKE Kenji et al. (JP)
Kenji Yoshitake (JP)
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Claims:
 at%で、Wを1~20%、P、Zr、SiおよびBからなる群から選択される1種またはそれ以上の元素を合計0.1~10%を含み、残部Niからなる、垂直磁気記録媒体の中間層膜を製造するためのスパッタリングターゲット材。
 at%で、Wを1~20%、P、Zr、SiおよびBからなる群から選択される1種またはそれ以上の元素を合計0.1~10%、および残部Niのみからなる、請求項1に記載のスパッタリングターゲット材。
 at%で、Wを1~20%、Pおよび/またはZrを合計0.1~10%を含み、残部Niからなる、請求項1に記載のスパッタリングターゲット材。
 at%で、Wを1~20%、Pおよび/またはZrを合計0.1~10%、および残部Niのみからなる、請求項3に記載のスパッタリングターゲット材。
 ガスアトマイズ法により作製した原料粉末を固化成形して得られた、請求項3に記載のスパッタリングターゲット材。
 請求項3に記載のスパッタリングターゲット材を用いて製造された、Ni-W-P,Zr系薄膜。
 at%で、Wを1~20%、SiおよびBを総量として0.1~10%含み、残部Niからなる、請求項1に記載のスパッタリングターゲット材。
 at%で、Wを1~20%、SiおよびBを総量として0.1~10%、および残部Niのみからなる、請求項7に記載のスパッタリングターゲット材。
 SiおよびBの組成比が2:8~6:4である、請求項7に記載のスパッタリングターゲット材。
 ガスアトマイズ法により作製した原料粉末を固化成形して得られた、請求項9に記載のスパッタリングターゲット材。
 800℃以上、1250℃以下で固化成形して得られた、請求項7に記載のスパッタリングターゲット材。
 請求項7に記載のスパッタリングターゲット材を用いて製造された、Ni-W-(Si,B)系薄膜。
Description:
垂直磁気記録媒体の中間層膜を 造するためのスパッタリングターゲット材 よびこれを用いて製造した薄膜 関連技術の相互参照

 この出願は、2008年4月30日に出願された日 本国特許出願2008-118113号および2008年7月23日に 出願された日本国特許出願2008-189853号に基づ 優先権を主張するものであり、これらの全 の開示内容が参照により本明細書に組み込 れる。

 本発明は、垂直磁気記録媒体のNi-Wを主成 分として含む中間層膜を製造するためのスパ ッタリングターゲット材およびこれを用いて 製造した薄膜に関する。より詳しくは、Ni-W-P ,Zr系またはNi-W-(Si,B)系中間層膜用スパッタリ グターゲット材およびこれを用いて製造し 薄膜に関する。

 近年、磁気記録技術の進歩は著しく、ド イブの大容量化のために、磁気記録媒体の 記録密度化が進められている。しかしなが 、現在広く世の中で使用されている面内磁 記録方式の磁気記録媒体では、高記録密度 を実現しようとすると、記録ビットが微細 し、記録ビットで記録できないほどの高保 力が要求される。そこで、これらの問題を 決し、記録密度を向上させる手段として垂 磁気記録方式が検討されている。

 垂直磁気記録方式とは、垂直磁気記録媒体 磁性膜中の媒体面に対して磁化容易軸が垂 方向に配向するように形成したものであり 高記録密度に適した方法である。そして、 直磁気記録方式においては、記録感度を高 た磁気記録膜層と軟磁性膜層および中間層 有する多層記録媒体が開発されている。こ 磁気記録膜層には一般的にCoCrPt-SiO 系合金、軟磁性膜層にはCo-Zr-Nb系合金などが いられている。なお、ここで言う中間層と 、一般に磁気記録膜層の結晶粒の微細化や 晶方位に異方性を持たせることを目的に設 られる層のことを言う。

 中間層には各種Ni系合金や、Ta系合金、Pd 合金、Ru系合金などが提案されており、近 ではNi-W系合金も用いられるようになってき いる。これらの中間層は、磁気記録膜層の 造を制御することが役割の1つであり、その ためには中間層の結晶粒の微細化が重要とさ れている。例えば、富士時報(vol.77,No.2,2004,P12 1)「垂直磁気記録膜の構造制御」に開示され いるように、Ru中間層の例が提案されてい 。

 また、Ni-W系合金においては薄膜の格子定数 が3.53~3.61(×10 -10 m)程度の範囲において、詳細な理由は不明で るが、記録密度が良好であると考えられる

 しかしながら、Ni-W系薄膜を中間層として 用い垂直磁気記録媒体を作製すると良好な記 録特性が得られるが、更に高い記録密度を実 現するためには、Ni-W系中間層の結晶粒微細 が必要となる。それにも拘らず、Ni-W系薄膜 結晶粒径微細化に寄与する添加元素などの 知の知見は全くない。

 本発明者らは、今般、Ni-W二元系成分にP Zr、SiおよびBからなる群から選択される1種 たはそれ以上の元素を所定量添加してスパ タリングターゲット材を構成することで、 パッタリングにより形成される薄膜の結晶 を劇的に微細化できるとの知見を得た。

 したがって、本発明の目的は、スパッタ ングにより形成される薄膜の結晶粒を劇的 微細化できる、垂直磁気記録媒体の中間層 を製造するためのスパッタリングターゲッ 材を提供することにある。

 本発明によれば、at%で、Wを1~20%、P、Zr、S iおよびBからなる群から選択される1種または それ以上の元素を合計0.1~10%を含み、残部Niか らなる、好ましくはこれらの成分のみからな る、垂直磁気記録媒体の中間層膜を製造する ためのスパッタリングターゲット材およびこ れを用いて製造された薄膜が提供される。

 本発明の第一の態様によれば、at%で、Wを 1~20%、Pおよび/またはZrを合計0.1~10%を含み、 部Niからなる、好ましくはこれらの成分のみ からなる、垂直磁気記録媒体の中間層膜を製 造するためのスパッタリングターゲット材、 およびこれを用いて製造されたNi-W-P,Zr系薄膜 が提供される。

 本発明の第二の態様によれば、at%で、Wを 1~20%、SiおよびBを総量として0.1~10%含み、残部 Niからなる、好ましくはこれらの成分のみか なる、垂直磁気記録媒体の中間層膜を製造 るためのスパッタリングターゲット材、お びこれを用いて製造されたNi-W-(Si,B)系薄膜 提供される。

  第一の態様によるスパッタリング ターゲット材
 本発明の第一の態様によれば、at%で、Wを1~2 0%、Pおよび/またはZrを合計0.1~10%を含み、残 Niからなる、好ましくはこれらの成分のみか らなる、スパッタリングターゲット材が提供 される。すなわち、Wの含有量は、at%で、1~20% であり、好ましくは5~15%である。Wが1%未満で スパッタ薄膜の格子定数が3.53(×10 -10  m)未満となり、また、Wが20%を超えると格子定 数が3.61(×10 -10  m)を超えることから、記録密度が低下してし う。

 Pおよび/またはZrの合計含有量は0.1~10.0%で あり、好ましくは0.3~5%である。Pおよび/また Zrの合計含有量が0.1%未満ではスパッタ薄膜 結晶粒微細化の効果がなく、10.0%を超える 結晶粒微細化の効果が飽和し、磁気記録膜 の構造制御に悪影響を及ぼすと考えられるNi との化合物を多量に生成したり、一部が非晶 質化してしまい、好ましくない。

 原料粉末としてはガスアトマイズ粉末が 下の理由から好ましい。すなわち、P,Zrは鋳 造法のような冷却速度の小さい溶製法ではNi 全く固溶せず、粗大な化合物を晶出してし う。この粗大化合物がスパッタリングター ット材中に存在すると、スパッタ時に異常 電を起こしパーティクルを多く発生するな 不具合を生じる。これに対し、原料粉末を スアトマイズ法により作製すると、急冷凝 されているため粗大な化合物が晶出せず、 れを用いて固化成形したスパッタリングタ ゲット材は、パーティクルの発生が少ない

  第二の態様によるスパッタリング ターゲット材
 本発明の第二の態様によれば、at%で、Wを1~2 0%、SiおよびBを総量として0.1~10%含み、残部Ni らなる、好ましくはこれらの成分のみから る、スパッタリングターゲット材が提供さ る。すなわち、Wの含有量は、at%で、1~20%で り、好ましくは5~15%である。Wが1%未満では パッタ薄膜の格子定数が3.53(×10 -10  m)未満となり、また、Wが20%を超えると格子定 数が3.61(×10 -10  m)を超えることから、記録密度が低下してし う。

 SiおよびBの合計含有量は0.1~10.0%であり、 ましくは1.0~8%である。SiおよびBの合計含有 が0.1%未満ではスパッタ薄膜の結晶粒微細化 の効果がなく、10.0%を超えると結晶粒微細化 効果が飽和することから、好ましくない。 らに、Si、Bの組成比は2:8~6:4とするのが、合 金の共晶点が著しく下がり微細化の効果が極 めて高いため、より好ましい。

 原料粉末としてはガスアトマイズ粉末が 下の理由から好ましい。すなわち、冷却速 の小さい溶製法ではSiやBはNiに固溶しにく 、粗大なNi系珪化物、もしくはNi系ホウ化物 晶出してしまう。これらの粗大化合物がス ッタリングターゲット材中に存在すると、 パッタ時に異常放電を起こしパーティクル 多く発生するなど不具合を生じる。これに し、原料粉末をガスアトマイズ法により作 すると、急冷凝固されているため粗大な化 物が晶出せず、これを用いて固化成形した パッタリングターゲット材は、パーティク の発生が少なく、より好ましい。

 固化成形は、800~1250℃の温度で行われる が以下の理由から好ましい。すなわち、800 未満での固化成形では、スパッタリングタ ゲット材の相対密度が低くなってしまう。 方、1250℃を超えた温度で成形すると、詳細 不明であるが加熱時にビレットが膨張し、 定した製造が困難であるため、その範囲を8 00~1250℃とした。

 表1に示すNi-W-P,Zr系合金粉末をガスアトマ イズにより作製した。これを原料粉末とし、 SC缶に脱気封入した粉末充填ビレットを、750~ 1100℃でHIP法にて固化成形し、機械加工によ Ni-W-P,Zr系合金のスパッタリングターゲット を作製した。また、比較として鋳造法によ Ni-W-P,Zr系合金スパッタリングターゲット材 作製した。

 上記する各工程の詳細は以下の通りであり 先ず、溶解母材25kgをアルミナ坩堝にてアル ゴン中で誘導溶解し、坩堝底部のφ5mm出湯ノ ルより出湯し、噴霧圧0.7MPaのArガスアトマ ズにて粉末を製造した。この作製したNi-W-P,Z r合金粉末を、外形φ205/内径φ190、長さ300mmのS C缶に脱気封入した。その時の脱気時の真空 達度は約1.3×10 -2 Pa(約1×10 -4 Torr)とした。上記の粉末充填ビレットを、750~ 1100℃、147MPaにてHIP成形した。

 上記の方法で作製した固化成形体を、ワ ヤーカット、旋盤加工、平面研磨により、 76.2×3mmに加工し、銅製のバッキングプレー をろう付けしスパッタリングターゲット材 した。また、比較としての鋳造法は100kgの溶 解母材を真空溶解し、φ200の耐火物へ鋳造し φ200×100mmに 旋盤にて削り出し、800℃にて さ50mmまで熱間鍛造した。その後のスパッタ ングターゲット材作製方法は上記のHIP材と 様の方法で行った。

 上述した方法で製造したスパッタリング ーゲット材の評価項目および評価方法は以 の通りとした。スパッタ膜のパーティクル を評価するために、作製したスパッタリン ターゲット材をφ63.5のSi基板にスパッタし 。スパッタ条件は、Ar圧0.5Pa、DC電力500W、成 厚さは500nmとした。この時発生したパーテ クルの数を測定した。なお、表1中のパーテ クル数はNo.1のパーティクル数を100とした相 対値で表した。

 また、スパッタ膜の格子定数およびNi系 合物は、上記のスパッタ膜をX線回折し、そ 回折ピークより格子定数を算出した。また Ni系化合物の生成についても確認した。Ni系 化合物なし:○、Ni化合物少量生成もしくは一 部非晶質:△、Ni化合物多量生成もしくは多量 に非晶質:×、で評価した。

 さらに、スパッタ膜の結晶粒径は、上記 スパッタ膜の断面をTEM観察し、画像解析に り相当面積円の径を結晶粒径とした。なお 表1中の結晶粒径はNo.1の結晶粒径を100とし 相対値で表しており数値の小さい方が結晶 径が微細である。

 表1に示すように、No.1~9は本発明例、No.10~17 比較例である。

 比較例No.10はW含有量が低いために、格子 数が低い。比較例No.11はNo.10と同様に、W含 量が低いために、格子定数が低い。比較例No .12はW含有量が高いために、格子定数が大き 。また、Ni系化合物少量生成もしくは一部非 晶質である。比較例No.13はPとZrのいずれも含 しないために、結晶粒径が大きい。比較例N o.14はPとZrのいずれか、もしくは両方の含有 が低いために、結晶粒径が大きい。

 比較例No.15はPとZrのいずれか、もしくは 方の含有量が低いために、結晶粒径が大き 。比較例No.16はPとZrの両方の含有量が高いた めに、パーティクル数が大きく、Ni系化合物 量生成もしくは多量に非晶質である。比較 No.17は鋳造方法によるもので、パーティク 数が大きい。これに対し、本発明例であるNo .1~9はいずれも本発明の条件を満たしている とから、いずれの特性も優れていることが かる。

 以上のように、垂直磁気記録媒体における 間層膜として用いるNi-W系薄膜にP,Zrを添加 ることで、Ni-W系薄膜の結晶粒径微細化を図 ことができ、かつ、スパッタ薄膜の格子定 を3.53(×10 -10  m)~3.61(×10 -10  m)とすることができる。しかも、原料粉末を スアトマイズ法により作製することで、急 凝固により粗大な化合物が晶出せず、これ 用いて固化成形したスパッタリングターゲ ト材は、パーティクルの発生が少ない等の めて優れた利点を与える。

 表2に示すNi-W-(Si,B)系合金粉末をガスアト イズにより作製した。これを原料粉末とし SC製の缶に脱気封入した粉末充填ビレット 、750~1300℃でHIP法およびアップセット法にて 固化成形し、機械加工によりNi-W-(Si,B)系合金 スパッタリングターゲット材を作製した。 た、比較として鋳造法によりNi-W-(Si,B)系合 スパッタリングターゲット材を作製した。

 上記する各工程の詳細は以下の通りであり 先ず、溶解母材25kgをアルミナ坩堝にてAr中 誘導溶解し、坩堝底部のφ5mmの出湯ノズル り、1700℃にて出湯し、噴霧圧0.7MPaのArガス トマイズにて粉末を製造した。この作製し Ni-W合金粉末を、外形φ205mm、内径φ190mm、長 300mmのSC製の缶に脱気封入した。脱気時の真 到達度は約1.3×10 -2 Pa(約1×10 -4 Torr)とした。上記の粉末充填ビレットを、750~ 1200℃、147MPaにてHIP成形した。

 上記の粉末充填ビレットを、900~1350℃に 熱した後、φ215mmの拘束型コンテナ内に装入 、500MPaの圧力で成形した。上記の方法で作 した固化成形体を、ワイヤーカット、旋盤 工、平面研磨により、直径φ76.2mm、厚さ3mm 円盤状に加工し、銅製のパッキングプレー をろう付けしスパッタリングターゲット材 した。

 一方、鋳造法として、100kgの溶解母材を 空溶解し、φ210mmの耐火物へ鋳造し、直径φ20 0mm、長さ100mmに旋盤にて削り出し、850℃にて さ50mmまで熱間鍛造した。その後のスパッタ リングターゲット材作製方法は上記のHIP、ア プセット材と同様の方法で行った。

 上述した方法で製造したスパッタリング ーゲット材の評価項目および方法としての 固化成形時のビレットの膨張は、HIP材では HIP後のビレットの外観にて評価した。また アップセット材については、ビレット加熱 の外観にて評価した。その結果、膨張なし: ○、膨張あり:×で示した。また、スパッタリ ングターゲット材の相対密度は上記方法で作 製した直径φ76.2mm、厚さ3mmの円盤より、体積 量法にて密度を測定し、組成から算出され 計算密度との比を相対密度とした。

 また、スパッタ膜のパーティクル数を評 するために、作製したスパッタリングター ット材を、φ63.5のSi基板にスパッタした。 パッタ条件は、Ar圧0.5Pa、DC電力500Wとした。 た、成膜厚さは500nmとした。この時発生し パーティクルの数を測定した。なお、表2中 パーティクル数はNo.1のパーティクル数を100 とした相対値で表した。また、スパッタ膜の 格子定数およびNi系化合物は、上記のスパッ 膜をX線回折し、その回折ピークより格子定 数を算出した。

 さらに、Ni系化合物の生成についても確 した。Ni系化合物なし:○、少量生成:△、多 生成:×で示した。スパッタ膜の結晶粒径は 上記のスパッタ膜の断面をTEM観察し、画像 析により相当面積円の径を結晶粒径とした なお、表2中の結晶粒径はNo.1の結晶粒径を10 0とした相対値で表しており、数値の小さい が、結晶粒径が微細である。

 表2に示すNo.1~11は本発明例であり、No.12~19は 比較例である。

 表2に示すように、比較例No.12は鋳造法で り、パーティクル数が多い。比較例No.13は 化成形温度が低いために、相対密度がやや い。比較例No.14は固化成形温度が高いために 、HIP後のビレットが膨張しており、実使用が 可能な密度を持つスパッタリングターゲット 材への加工が困難であったため調査は実施困 難である。比較例No.15は成分組成であるWを含 有しないために、格子定数がやや低い。比較 例No.16は成分組成であるWの含有量が高いため に、格子定数がやや高い。

 比較例No.17は成分組成であるSiおよびBを 有しないために、結晶粒径が粗大である。 較例No.18は成分組成であるSiおよびBの総含有 量が低いために、微細化の効果が少なく、結 晶粒径が粗大である。比較例No.19は成分組成 あるSiおよびBの総含有量が高いために、Ni 化合物が多量生成し、パーティクルが多く 生した。これに対し、本発明例であるNo.1~11 いずれも本発明の条件を満たしていること ら、各特性について優れていることが分か 。

 上述したように、従来のNi-W二元系成分に 対してSiおよびBを微量複合添加することによ り、凝固時に結晶粒の成長核が多数出来、最 終的に微細な結晶粒になる。その結果、微細 な結晶粒の薄膜を作製することができ、これ を中間層として用いて垂直磁気記録媒体を作 製すると、良好な記録特性が得られる。




 
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