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Patent Searching and Data


Title:
STABILIZER DEVICE AND METHOD FOR MANUFACTURING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/128423
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a highly-reliable and lightweight stabilizer device. The stabilizer device (1) comprises: a stabilizer (100) formed in an overall approximately U-shape from a torsion section (110) and arm sections (120) that extend from both ends of the torsion section (110); a bush (300) provided on both ends of the torsion section (110) for fixing the stabilizer (100) to a vehicle body (10); and a resin member (400) for preventing misalignment provided adjacent to the bush (300) that has a contacting section (410) which comes into contact with the bush (300), and that is integrally formed with the torsion section (110) to cover a predetermined range of the entire circumference of the torsion section (110) in the axial direction thereof.

Inventors:
KURODA SHIGERU (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/057445
Publication Date:
October 22, 2009
Filing Date:
April 13, 2009
Export Citation:
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Assignee:
NHK SPRING CO LTD (JP)
KURODA SHIGERU (JP)
International Classes:
B60G21/055; F16F1/16
Foreign References:
US20070085295A12007-04-19
EP0900677A11999-03-10
JP2002331326A2002-11-19
JP2007050777A2007-03-01
JP2001163026A2001-06-19
JP2001165127A2001-06-19
Other References:
See also references of EP 2277727A4
Attorney, Agent or Firm:
SUENARI, Mikio (JP)
End 成 Mikio (JP)
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Claims:
 トーション部と前記トーション部の両端部から伸びるアーム部とにより全体として略コ字状をなすスタビライザと、
 前記トーション部の両端部に設けられ、前記スタビライザを車体に固定するためのブッシュと、
 前記ブッシュと接触する接触部を有し、前記ブッシュに隣接して設けられかつ前記トーション部の軸方向の所定の範囲の全周を覆うように前記トーション部に対して一体成形された樹脂製のずれ止め部材とを備えることを特徴とするスタビライザ装置。
 前記ずれ止め部材は、前記接触部を挟んで前記ブッシュの反対側に前記トーション部の軸方向に向けて前記ブッシュから離れるにしたがって外径が小さくなる傾斜部を有することを特徴とする請求項1に記載のスタビライザ装置。
 前記ずれ止め部材は、前記接触部を挟んで前記ブッシュの反対側に前記トーション部の軸方向に向けて前記ブッシュから離れるにしたがって外径が小さくなる複数のリブを有することを特徴とする請求項1に記載のスタビライザ装置。
 前記ずれ止め部材は、前記トーション部の軸方向において、長さが10mm~15mmに形成されることを特徴とする請求項1に記載のスタビライザ装置。
 前記ずれ止め部材は、最も厚い部分の厚さが3mm~5mmに形成されることを特徴とする請求項1に記載のスタビライザ装置。
 前記トーション部の外周面に、前記トーション部と前記ずれ止め部材とのずれを防止する凹凸部を設けることを特徴とする請求項1に記載のスタビライザ装置。
 棒材を略コ字状に成形する成形工程を行い、成形されたスタビライザ半製品に対して熱処理工程を行い、次いで前記スタビライザ半製品にショットを投射するショットピーニングを行い、次いでダイレクトインジェクションにより樹脂でずれ止め部材を前記スタビライザ半製品の肩部に一体成形する射出成形工程を行い、次いでスタビライザ半製品およびずれ止め部材を塗装する塗装工程を行うことを特徴とするスタビライザ装置の製造方法。
 前記射出成形工程では、前記ずれ止め部材を所定の形状に成形するためのキャビティと、前記キャビティと連続するように設けられ、前記スタビライザ半製品の肩部を支持するグリップ部とを有する金型を使用し、
 前記ダイレクトインジェクション時において、前記肩部と前記グリップ部との隙間が0.6mm以内であることを特徴とする請求項7に記載のスタビライザ装置の製造方法。
 
 
 
 
 
 
 
Description:
スタビライザ装置およびその製 方法

 本発明は、自動車等の車両に搭載される タビライザ装置およびその製造方法に関す 。

 スタビライザ装置のスタビライザは、ス ビライザ装置を有する車両がカーブ走行す ときなどのように、左右のサスペンション 構に上下逆位相の入力があったとき、左右 アーム部が互いに逆方向に撓むとともにト ション部がねじられ、車体の横揺れを制御 るばねとして機能する。従来から、スタビ イザは、スタビライザに設けられたゴム製 ブッシュを介して、ボルトによりブラケッ を車体側に締結することによって、車両の 体に固定されている。

 しかしながら、カーブ走行するときの遠 力による荷重により、トーション部とブッ ュとが互いの摩擦力に抗して、その位置が れることがある。このずれは逆方向に遠心 が発生する状態や車両が直進する状態など なっても元の位置に復帰せず、所定の位置 らずれたままとなる。そのため、スタビラ ザによるアンチロール効果が得られなかっ り、スタビライザの両端に締結されている タビリンクに過剰の負担を与えたり、スタ ライザがスタビライザの周辺部品と干渉す リスクを高めるなどの問題があった。

 そこで、ブッシュがずれるのを防止する め、アルミリングをかしめてずれ止め部材 したり、あるいは鉄リングをかしめてずれ め部材としていた。これらのずれ止め部材 、スタビライザ一本あたり左右に一個ずつ 2個使用されていた。一方、ブッシュがずれ るのを防止する方法としては、ゴム製のブッ シュ自身をトーション部に接着剤により、も しくは熱キュア工程を行うことにより、直接 固定する方法もある。

 ここで、ずれ止め部材としてアルミリン を備えた中空スタビライザ装置の製造方法 は、まず、所定の長さに切断された電縫管 冷間加工により、スタビライザの形状に成 する成形工程を行い、次いでスタビライザ 製品に焼入れ・焼戻しなどの熱処理を実施 る熱処理工程を行い、次いでスタビライザ 製品にショットを投射するショットピーニ グを行い、次いでスタビライザ半製品に塗 する塗装工程を行う。その後、半割りまた 2ピースからなるアルミリングをかしめてず れ止め部材としていた。

 また、ずれ止め部材として鉄リングを備 た中空スタビライザ装置の製造方法では、 ず、所定の長さに切断された電縫管を曲げ 工によりアーム部を成形し、次いでC型に形 成された鉄リングを曲げ加工した電縫管に通 し、そしてアーム部の端部に扁平部およびス タビリンクを取り付ける取付孔を鍛造などで 加工する加工工程を行う。その後、鉄リング をかしめ、そして塗装する塗装工程を行って いた。

 一方、ゴム製のブッシュの固定方法では ゴム製のブッシュをスタビライザのトーシ ン部にダイレクトインジェクションによっ 一体成形し、熱キュア工程によって硬化さ ていた。これらに関連する文献として、特 2001-163026号公報および特開2001-165127号公報な どがある。

 しかしながら、アルミリングは、半割り たは2ピースからなるアルミリングをかしめ てトーション部に固定する方法であり、構造 的弱点部となる接続部がある。この接続部が あることにより、アルミリングの強度が弱い 。そのため、アルミリングに荷重を受けると 、かしめ形態が破壊されやすくなる。したが って、アルミリングの固定強度が低下しやす く、車両の左右でスタビライザの固定位置が 不均衡になり、車両がカーブするとき、スタ ビライザ本来の効果が十分に得られない。そ の結果、十分な信頼性のあるスタビライザ装 置とはいえなかった。

 また、アルミリングは、スタビライザ半 品に塗装した後にかしめて固定するため、 膜を介してスタビライザに固定されている 態となり、スタビライザ半製品への塗料の き具合である塗装強度に左右される。その め、本来の塗装強度が得られないと、塗膜 ともにずれ止め部材も移動することとなり ずれ止め部材本来の固定強度が得られず、 れ止め部材としての機能を十分に得られな 。その結果、十分な信頼性のあるスタビラ ザ装置とはいえなかった。さらに、ずれ止 部材がアルミリングや鉄リングの場合は、 脂製のずれ止め部材に比べて重量が重い。 のため、スタビライザ装置の軽量化を促進 ることができなかった。

 また、鉄リングは、アルミリングに比べ 変形抵抗が高いので、かしめやすいように 形に形成されるため、アーム部の端部に扁 部およびスタビリンクを取り付ける取付孔 鍛造などで成形する前にトーション部に通 ておく必要がある。つまり、電縫管の曲げ でスタビライザ半製品の塗装前に鉄リング 電縫管に通しておく必要がある。そのため 鉄リングをかしめていない状態のまま落下 脱落させることなく、扁平部および取付孔 加工する加工工程などを経る必要があり、 ンドリングが煩雑であった。

 さらに、ゴム製のブッシュは、熱キュア 程を必要とするため、製造工程が煩雑にな 、コストがかかる。また、ゴムでのダイレ トインジェクションは、スタビライザの肩 とスタビライザの肩部を支持する金型のグ ップ部との隙間からゴムがばりとなって出 きてしまう。例えば、隙間が0.2mm程度でも りが発生することが判明している。そのた 、そのばりを取り除く工程が必要となり、 造コストが増大していた。

 そこで本発明は、信頼性が高く軽量なス ビライザ装置を提供することを目的とする

 本発明のスタビライザ装置は、トーショ 部と前記トーション部の両端部から伸びる ーム部とにより全体として略コ字状をなす タビライザと、前記トーション部の両端部 設けられ、前記スタビライザを車体に固定 るためのブッシュと、前記ブッシュと接触 る接触部を有し、前記ブッシュに隣接して けられかつ前記トーション部の軸方向の所 の範囲の全周を覆うように前記トーション に対して一体成形された樹脂製のずれ止め 材とを備えることを特徴とする。

 樹脂としては、ポリフェニレンサルファ ドまたはポリエーテルエーテルケトンなど 好適である。例えば、ポリフェニレンサル ァイドまたはポリエーテルエーテルケトン どの材料では、ずれ止め部材をダイレクト ンジェクションするときの射出条件を選定 れば、ばりなどの発生を防止することがで る。また、ポリフェニレンサルファイドま はポリエーテルエーテルケトンなどの材料 、ずれ止め部材の射出成形工程の後に行う タビライザの塗装工程において塗料を乾燥 せる工程での熱に耐えられる耐熱性や強度 備えている。

 本発明によれば、ずれ止め部材に構造的 点部となる接続部がなく、荷重により安易 スタビライザのトーション部への固定強度 失うことを防止でき、ブッシュがトーショ 部の最適な位置に保たれる。また、アルミ ングでは荷重がかかると、アルミリングは れ止め部材としての能力を一気に失うのに し、樹脂製のずれ止め部材は仮にずれたと てもずれるときに要する荷重はほとんど変 しない。そのため、ずれ止め部材はブッシ がトーション部の軸方向に移動するのを阻 するというずれ止め部材としての機能を維 することができる。その結果、スタビライ が所定の設計意図した性能を発揮すること でき、信頼性を高めることができる。一方 ずれ止め部材は樹脂製であるため、アルミ ングや鉄リングに比べて重量が軽い。その め、スタビライザ装置の軽量化を促進する とができる。

 本発明において、前記ずれ止め部材は、 記接触部を挟んで前記ブッシュの反対側に 記トーション部の軸方向に向けて前記ブッ ュから離れるにしたがって外径が小さくな 傾斜部を有することが望ましい。この態様 傾斜部としては、傾斜部分がテーパー形状 傾斜部分の断面形状が放物線状や円形形状 どが挙げられる。

 本発明において、前記ずれ止め部材は、 記接触部を挟んで前記ブッシュの反対側に 記トーション部の軸方向に向けて前記ブッ ュから離れるにしたがって外径が小さくな 複数のリブを有することが望ましい。この 様のリブとしては、傾斜部分がテーパー形 、傾斜部分の断面形状が放物線状や円形形 などが挙げられる。

 上記態様によれば、車体に遠心力が働く 、ブッシュの外周に設けられたブラケット 荷重がかかる。このように荷重がかかると ブッシュはずれ止め部材側に撓む。これに って、ずれ止め部材の接触部の外周側の部 に荷重がかかる。そのため、ずれ止め部材 モーメントがトーション部の軸方向に向か て働く。つまり、ずれ止め部材の内周面で ーション部の外周面を押し付ける状態とな 、ずれ止め部材からトーション部に荷重が かる。したがって、トーション部とずれ止 部材との摩擦力が増し、より高い摩擦力を 揮する。その結果、ブッシュがずれるのを 止し、スタビライザ装置の信頼性を高める とができる。

 また、駄肉をできるだけ排除することに って、ずれ止め部材がずれ止め部材の周辺 品と干渉するのを回避でき、軽量化および 用する樹脂が減ることによるコストダウン 図ることができる。また、ずれ止め部材を 形した後に行う塗装工程で、ずれ止め部材 遮蔽物となって塗装むらをずれ止め部材付 で起こすリスクを減少させることができる さらに、リブの場合には、傾斜部の場合に べて、さらに軽量化および使用する樹脂が ることによるコストダウンが図れる。

 本発明において、前記ずれ止め部材は、 記トーション部の軸方向において、長さが1 0mm~15mmに形成されることが望ましい。この態 によれば、車両がカーブするときに発生す 遠心力によりブッシュがずれ止め部材に接 することによる荷重に耐えられる摩擦力を 揮しつつ、ずれ止め部材を小型化すること できる。そのため、スタビライザのトーシ ン部のブッシュを除いたストレート長をで るだけ短くすることができ、スタビライザ 小型化することができる。その結果、スタ ライザ装置の軽量化を図ることができる。

 本発明において、前記ずれ止め部材は、 も厚い部分の厚さが3mm~5mmに形成されること が望ましい。この態様によれば、接触部がず れ止め部材としてブッシュに接触する面積を 確保しつつ、ずれ止め部材を小型化すること ができる。そのため、ずれ止め部材がずれ止 め部材の周辺部品と干渉するのを防止するこ とができ、スタビライザ装置の軽量化を図る ことができる。

 本発明において、前記トーション部の外 面に、前記トーション部と前記ずれ止め部 とのずれを防止する凹凸部を設けることが ましい。凹凸部としては、ショットブラス またはショットピーニングにより粗度劣化 れる、または、窪みを設ける、または、突 を設ける、または、ライン突起を設ける、 たは、ライン溝を設けることなどが挙げら る。なお、窪み、突起、ライン突起および イン溝を設けるには、スタビライザ装置の 造工程が増加するため、ショットピーニン により凹凸部を設けるのが好適である。こ 態様によれば、アンカー効果を利用して、 ッシュのずれを防止する耐ずれ力をさらに めることができる。そのため、ずれ止め部 はブッシュがトーション部の軸方向に移動 るのをさらに阻止することができる。その 果、スタビライザ装置の信頼性を高めるこ ができる。

 本発明のスタビライザ装置の製造方法は 棒材を略コ字状に成形する成形工程を行い 成形されたスタビライザ半製品に対して熱 理工程を行い、次いで前記スタビライザ半 品にショットを投射するショットピーニン を行い、次いでダイレクトインジェクショ により樹脂でずれ止め部材を前記スタビラ ザ半製品の肩部に一体成形する射出成形工 を行い、次いでスタビライザ半製品および れ止め部材を塗装する塗装工程を行うこと 特徴とする。

 本発明によれば、ずれ止め部材に構造的 点部となる接続部がなく、荷重により安易 スタビライザのトーション部への固定強度 失うことを防止でき、ブッシュがトーショ 部の最適な位置に保たれる。また、アルミ ングでは荷重がかかると、アルミリングは れ止め部材としての能力を一気に失うのに し、樹脂製のずれ止め部材は仮にずれたと てもずれるときに要する荷重はほとんど変 しない。そのため、ずれ止め部材はブッシ がトーション部の軸方向に移動するのを阻 するというずれ止め部材としての機能を維 することができる。その結果、スタビライ が所定の設計意図した性能を発揮すること でき、信頼性を高めることができる。一方 ずれ止め部材は樹脂製であるため、アルミ ングや鉄リングに比べて重量が軽い。その め、スタビライザ装置の軽量化を促進する とができる。

 さらに、ずれ止め部材を一体成形した後 塗装工程を行うため、塗膜を介してずれ止 部材を肩部に固定している状態とはならず ずれ止め部材の固定強度がスタビライザ半 品への塗料の付き具合である塗装強度に左 されることはない。そのため、本来の塗装 度が得られない場合でも、塗膜とともにず 止め部材が移動することはなく、ずれ止め 材の固定強度を得ることができ、ずれ止め 材としての機能を十分に発揮することがで る。

 本発明において、前記射出成形工程では 前記ずれ止め部材を所定の形状に成形する めのキャビティと、前記キャビティと連続 るように設けられ、前記スタビライザ半製 の肩部を支持するグリップ部とを有する金 を使用し、前記ダイレクトインジェクショ 時において、前記肩部と前記グリップ部と 隙間が0.6mm以内であることが望ましい。こ 態様によれば、キャビティに注入された樹 がキャビティからグリップ部に流入せず、 りが発生しない。そのため、例えば、長さ10 mmの樹脂製のずれ止め部材であれば、トーシ ン部の直径公差やずれ止め部材の内側のト ション部の曲がりなどが大幅に許容される また、ばりを除去する工程を省くことがで る。その結果、低コストでスタビライザ装 を製造することができる。

 本発明によれば、信頼性が高く軽量なス ビライザ装置を製造することができる。

スタビライザ装置を示す図である。 車体に固定した状態を示す図1における Z-Z断面図である。 ブラケットを示す斜視図である。 ずれ止め部材の周辺を拡大して示す断 図である。 ずれ止め部材を示す斜視図である。 ずれ止め部材を内側に設ける実施形態 示す図である。 ずれ止め部材の第1の変形例を示す図で ある。 ずれ止め部材の第2の変形例を示す図で ある。 ずれ止め部材の第3の変形例を示す図で ある。 射出成形装置を示す図である。 金型を示す斜視図である。 スタビライザ装置の製造方法の一部を 示すフローチャートである。

 1…スタビライザ装置、10…車体、100…ス ビライザ、110…トーション部、111…凹凸部 300…ブッシュ、400…ずれ止め部材、410…接 部、420…テーパー部、520…放物線状部、620 リブ、720…リブ、810…金型、820…キャビテ 、830…グリップ部。

(スタビライザ装置の構成)
 以下、本発明の一実施形態について図面を 照して説明する。図1は、スタビライザ装置 を示す図である。図2は、車体に固定した状 を示す図1におけるZ-Z断面図である。図3は、 ブラケットを示す斜視図である。図4は、ず 止め部材の周辺を拡大して示す断面図であ 。図4(a)は、遠心力が働いていない状態を示 図である。図4(b)は、遠心力が働いている状 態を示す図である。図5は、ずれ止め部材を す斜視図である。図6は、ずれ止め部材を内 に設ける実施形態を示す図である。図7は、 ずれ止め部材の第1の変形例を示す図である 図8は、ずれ止め部材の第2の変形例を示す図 である。図9は、ずれ止め部材の第3の変形例 示す図である。

 スタビライザ装置1は、図1に示すように スタビライザ100、ブッシュ300およびずれ止 部材400などを備えている。スタビライザ100 、トーション部110と、アーム部120とを有し いる。スタビライザ100は、電縫管などの中 パイプや中実パイプなどの棒材を加工して ーション部110やアーム部120などが形成され いる。トーション部110の両端部には、トー ョン部110の両端部から伸びる左右一対のア ム部120が設けられている。アーム部120の先 部には、鍛造によって扁平化された扁平部12 1が設けられている。扁平部121には、図示省 したスタビライザリンクが挿入されて取り けられる取付孔122が設けられている。

 スタビライザ装置1のスタビライザ100は、 スタビライザ装置1を有する車両がカーブ走 するときなどのように、左右の図示省略し サスペンション機構に上下逆位相の入力が ったとき、左右のアーム部120が互いに逆方 に撓むとともにトーション部110がねじられ 車体10の横揺れを制御するばねとして機能す る。

 トーション部110は、直線状でかつ円柱状 たは円筒状に形成されている。トーション 110の外周面には、ショットピーニングされ ことにより形成された凹凸部111が設けられ いる。トーション部110には、スタビライザ 置1を車両の車体10に取り付けるためのブッ ュ300が装着されている。また、トーション 110には、ブッシュ300のずれを防止するずれ め部材400が装着されている。

 ブッシュ300は、図1に示すように、トーシ ョン部110の左右に1個ずつ設けられている。 ッシュ300は、ゴム製であり、ずれ止め部材40 0と比較すると大きく形成されている。ブッ ュ300は、図2,図4に示すように、ボルト30によ りブッシュ300の外周を覆う図3に示すU字状の ラケット20を車体10側に締結することにより 、スタビライザ100を車両の車体10に固定する めの部材である。

 ずれ止め部材400は、樹脂製である。ずれ め部材400を形成する樹脂としては、ポリフ ニレンサルファイドまたはポリエーテルエ テルケトンなどである。ずれ止め部材400は トーション部110の軸方向の所定の範囲の全 を覆うようにトーション部110に対して一体 成されている。

 このようにずれ止め部材400は一体成形さ ているため、ずれ止め部材400に構造的弱点 となる接続部がなく、荷重により安易にス ビライザ100のトーション部110への固定強度 失うことを防止でき、ブッシュ300がトーシ ン部110の最適な位置に保たれる。また、ア ミリングでは荷重がかかると、アルミリン はずれ止め部材としての能力を一気に失う に対し、樹脂製のずれ止め部材400は仮にず たとしてもずれるときに要する荷重はほと ど変化しない。そのため、ずれ止め部材400 ブッシュ300がトーション部110の軸方向に移 するのを阻止するというずれ止め部材とし の機能を維持することができる。その結果 スタビライザ100が所定の設計意図した性能 発揮することができ、信頼性を高めること できる。

 ずれ止め部材400は、図1に示すように、ブ ッシュ300の外側に隣接して設けられている。 つまり、ずれ止め部材400は、トーション部110 の左右に一個ずつ計2個設けられている。ず 止め部材400は、接触部410と、傾斜部420とを している。ずれ止め部材400は、ブッシュ300 トーション部110の軸方向に移動するのを阻 する。

 なお、それぞれのずれ止め部材400がブッ ュ300の外側に隣接して設けられる実施形態 限らず、図6に示すように、それぞれのずれ 止め部材400がブッシュ300の内側に隣接して設 けられる実施形態としても、ずれ止め部材と しての機能を発揮することができる。

 ずれ止め部材400の長さは、10mm~15mmの範囲 形成されている。そのため、車両がカーブ るときに発生する遠心力により、ブッシュ3 00がずれるのを防止する耐ずれ力を発揮しつ 、ずれ止め部材400を小型化することができ 。そのため、スタビライザ100のトーション 110のブッシュ300を除いたストレート長をで るだけ短くすることができ、スタビライザ1 00を小型化することができる。その結果、ス ビライザ装置1の軽量化を図ることができる 。なお、ずれ止め部材400の長さは、車両がカ ーブするときに発生する遠心力により、ブッ シュ300がずれるのを防止する必要な耐ずれ力 に応じて決定される。

 さらに、本実施形態では、トーション部1 10とずれ止め部材400との接触部分に凹凸部111 有しているため、ずれ止め部材400が短くて 耐ずれ力は大きいので、ずれ止め部材400の さをより短くすることができる。

 接触部410は、図5などに示すように、鍔状 に形成されている。接触部410の側面には、ブ ッシュ300の側面が接触する。接触部410は、ず れ止め部材400において最も厚さが厚い部分で あり、厚さが3mm~5mmに形成されている。その め、接触部410がずれ止め部材400としてブッ ュ300に接触する面積を確保しつつ、ずれ止 部材400を小型化することができ、ずれ止め 材400がずれ止め部材400の周辺部品と干渉す のを防止することができる。その結果、ス ビライザ装置1の軽量化を図ることができる

 テーパー部420は、図5など示すように、テ ーパー形状に形成されている。つまり、テー パー部420は、接触部410を挟んでブッシュ300の 反対側にトーション部110の軸方向に向けてブ ッシュ300から離れるにしたがって外径が小さ くなるように形成されている。

 なお、テーパー部420を設ける実施形態に らず、図7に示すように傾斜部分の断面形状 が放物線形状となるように、テーパー部420に 比べて減肉した放物線状部520を設けてもよい 。あるいは、図8に示すようにテーパー部420 よび放物線状部520に比べてさらに減肉した ーパー状のリブ620を設ける、または図9に示 ように傾斜部分の断面形状が放物線形状と るようなリブ720を設けてもよい。

 このように駄肉をできるだけ排除するこ によって、ずれ止め部材がずれ止め部材の 辺部品と干渉するのを回避でき、軽量化お び使用する樹脂が減ることによるコストダ ンを図ることができる。また、ずれ止め部 を成形した後に行う塗装工程で、ずれ止め 材が遮蔽物となって塗装むらをずれ止め部 付近で起こすリスクを減少させることがで る。

 ずれ止め部材の軽量化については、例え 、アルミリングのずれ止め部材では、25.4mm のスタビライザに設けるずれ止め部材を設 すると、厚みが5.0mm、長さが15.0mmの円筒状で 重さが16gとなる。一方、25.4mmφのスタビライ に設ける図9に示すようなずれ止め部材700を 樹脂で設計すると、重さが5gとなり、約11g/個 の軽量化が図られる。そのため、一本あたり のスタビライザにはずれ止め部材が2個設け れているので、22gの軽量化が図られる。

 ここで、ずれ止め部材400は、アルミリン や鉄リングなどの従来のずれ止め部材に比 て、より高い摩擦力を発揮することについ 図4を参照して説明する。

 車体10に矢印X方向に遠心力が働くと、ブ シュ300の外周に設けられたブラケット20に 重がかかる。このように荷重がかかると、 4(b)に示すように、ブッシュ300はずれ止め部 400側に撓む。これによって、ずれ止め部材4 00の接触部410の外周側の部分に荷重がかかる そのため、ずれ止め部材400にモーメントが ーション部110の軸方向に向かって働く(図4 矢印Y方向)。つまり、ずれ止め部材400の内周 面でトーション部110の外周面を押し付ける状 態となり、ずれ止め部材400からトーション部 110に荷重がかかる。したがって、トーション 部110とずれ止め部材400との摩擦力が増し、よ り高い摩擦力を発揮する。その結果、ブッシ ュ300がずれるのを防止し、スタビライザ装置 1の信頼性を高めることができる。さらに、 凸部111を設けているため、高い耐ずれ力を 揮する。

(スタビライザ装置の製造方法)
 次に、スタビライザ装置1の製造方法の一部 について図面を参照して説明する。なお、成 形工程から塗装工程までについて説明する。 図10は、射出成形装置を示す図である。図10(a )は、トーション部の軸方向に直行する方向 おける射出成形装置の断面図である。図10(b) は、トーション部の軸方向における射出成形 装置の断面図である。図11は、金型を示す斜 図である。図12は、スタビライザ装置の製 方法の一部を示すフローチャートである。

 ここで、ずれ止め部材400をスタビライザ 製品にダイレクトインジェクションする射 成形装置800について図10および図11を参照し て説明する。射出成形装置800は、図10に示す うに、金型810、射出機840および昇降機構850 どを備えている。金型810は、下型811と、上 812とを有している。下型811には、ゲート811a が設けられている。下型811および上型812には 、ずれ止め部材400を所定の形状に成形するた めのキャビティ820の一部となる凹部と、キャ ビティ820に連続するように設けられ、スタビ ライザ半製品の肩部を支持するグリップ部830 とが設けられている。

 射出機840は、樹脂を金型のキャビティ820 注入するための装置である。昇降機構850は 金型810の四隅に設けられている。昇降機構8 50は、上型812を図10および図11の矢印A方向に 降させる。昇降機構850は、グリップ部830が 成されている方向に沿って、スタビライザ 製品が昇降機構850の間を通過することがで るように所定の間隔を有して設けられてい 。

 昇降機構850により上型812が図10の矢印A方 に上昇すると、下型811から上型812が離間す 。また、昇降機構850により上型812が図10の 印A方向に下降すると、下型811と上型812とが 触する。下型811と上型812とが接触すると、 れ止め部材400を所定の形状に成形するため キャビティ820が形成される。

 スタビライザ装置1の製造方法の一部につ いて図12を参照して説明する。まず、所定の さに切断された電縫管などの棒材を冷間加 により、略コ字状に成形する成形工程を行 (S801)。次いで、スタビライザ半製品に焼入 ・焼戻しなどの熱処理を実施する熱処理工 を行う(S802)。次いで、スタビライザ半製品 ショットを投射するショットピーニングを い、トーション部110表面のばりなどを除去 るとともに、スタビライザ半製品のトーシ ン部110に凹凸部111を形成する(S803)。

 次に、以上のような処理が施されたスタ ライザ半製品に射出成形装置800を使用して ダイレクトインジェクションにより樹脂で れ止め部材400を一体成形する射出成形工程 行う(S804)。

 射出成形工程では、まず、スタビライザ 製品の肩部を金型810のグリップ部830にセッ する。次いで、昇降機構850により上型812を 11の矢印A方向に下降させて下型811に接触さ 、キャビティ820を形成する。次いで、射出 840を図10の矢印B方向に移動させ、射出機840 先端を下型811のゲート811aに挿入して、樹脂 をゲート811aからキャビティ830に注入する。 れにより、スタビライザ半製品に接触部410 よびテーパー部420を有するずれ止め部材400 成形される。

 このとき、スタビライザ半製品の肩部と リップ部830との隙間は、0.6mm以内である。 のため、キャビティ820に注入された樹脂が ャビティ820からグリップ部830に流入せず、 りが発生しない。例えば、長さが10mm程度の れ止め部材400であれば、ずれ止め部材400の 心と肩部の軸心とが相対的に3度あるいは4 程度傾いていたとしてもずれ止め部材400を 形可能である。したがって、長さが10mm程度 樹脂製のずれ止め部材であれば、肩部の直 公差やずれ止め部材400の内側の肩部の曲が などが大幅に許容される。また、ばりを除 する工程を省くことができる。その結果、 コストでスタビライザ装置1を製造すること ができる。

 その後、スタビライザ半製品およびずれ め部材400を塗装する塗装工程を行う(S805)。 のため、塗膜を介してずれ止め部材400をス ビライザ100に固定している状態とはならず ずれ止め部材400の固定強度がスタビライザ 製品への塗料の付き具合である塗装強度に 右されることはない。その結果、本来の塗 強度が得られない場合でも、塗膜とともに れ止め部材が移動することはなく、ずれ止 部材の固定強度を得ることができ、スタビ イザ装置1の信頼性を高めることができる。

 なお、キャビティ820を形成する金型とグ ップ部830を形成する金型とをそれぞれ分割 ることができるように金型を構成すると、 ャビティ820を形成する金型の数がアルミリ グを成形する金型のバリエーションの1/3~1/4 に減らすことができるため、段取りなどの工 程を効率よく行うことができる。その結果、 スタビライザ装置1の生産効率を上げること できる。

 本発明は、自動車等の車両に搭載されるス ビライザ装置に利用することができる。