Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
STACKED TRANSFORMER, IMPEDANCE CONVERTER, EQUAL DISTRIBUTOR, IMPEDANCE CONVERSION METHOD AND EQUAL DISTRIBUTION METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/020025
Kind Code:
A1
Abstract:
A stacked transformer, an impedance converter, an equal distributor, an impedance conversion method and an equal distribution method free from generation of parasitic inductance or parasitic capacitance in a high frequency band and excellent in insertion loss characteristics. The stacked transformer (1) includes a magnetic substrate (2), a laminate (3) enclosing a first coil (6) and a second coil (7), a magnetic substrate (4), and external electrodes (5-1, 5-2, 5-3). The second coil (7) faces in a reverse direction to the first coil (6) and winds reversely. Ends (61b, 71b) of the first and second coils (6, 7) are exposed from a front face (3a) of the laminate (3) while located on the center axis (M1 (M2)). Ends (62b, 72b) of the first and second coils (6, 7) are exposed from a rear face (3b) while displaced from the center axis (M1) toward both sides. The external electrode (5-1) is connected with the ends (61b, 71b), and the external electrodes (5-2, 5-3) are connected with the ends (62b, 72b).

Inventors:
TOI TAKAOMI (JP)
ISHIDA KOSUKE (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/063663
Publication Date:
February 12, 2009
Filing Date:
July 30, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
MURATA MANUFACTURING CO (JP)
TOI TAKAOMI (JP)
ISHIDA KOSUKE (JP)
International Classes:
H01F17/00; H01F19/06; H03H7/48
Foreign References:
JP2007103475A2007-04-19
JP2005191217A2005-07-14
JPS49114852A1974-11-01
JPH06284043A1994-10-07
Attorney, Agent or Firm:
TSUKAHARA, Takakazu (22-3 Minami-cho Kawasaki-k, Kawasaki-shi Kanagawa 15, JP)
Download PDF:
Claims:
 第1磁性体基板と、この第1磁性体基板上に積層され且つ第1コイル体及び第2コイル体を内包した積層体と、この積層体上に設けられた第2磁性体基板と、上記積層体の外側に設けられ第1及び第2コイル体の引き出し電極に接続された第1ないし第3外部電極とを備える積層型トランスであって、
 上記第1コイル体を、上記積層体の下側に積層形成し、その一方の引き出し電極の端を、第1コイル体の径方向の中心軸上に位置させた状態で当該積層体の前面に露出させると共に、他方の引き出し電極の端を、当該中心軸から偏位させた状態で積層体の後面に露出させ、
 上記第2コイル体を、上記中心軸の真上に位置し且つ上記中心軸と平行な軸に関して、上記第1コイル体と180°回転対称の形状に積層形成し、
 上記第1外部電極を、積層体の前面に露出した第1コイル体の一方の引き出し電極の端と第2コイル体の引き出し電極の端とに接続し、
 上記第2及び第3外部電極のそれぞれを、積層体の後面にそれぞれ露出した第1コイル体の上記他方の引き出し電極の端と第2コイル体の引き出し電極の端とに接続した、
 ことを特徴とする積層型トランス。
 請求項1に記載の積層型トランスの上記第3外部電極を接地電極に設定した、
 ことを特徴とするインピーダンス変換器。
 請求項1に記載の積層型トランスの上記第1外部電極を第1線路上に接続すると共に、上記第2外部電極を第2線路に接続し、且つ上記第3外部電極を接地することで、上記第1線路側の入力インピーダンスを上記第2線路側の出力インピーダンスに変換する、
 ことを特徴とするインピーダンス変換方法。
 請求項1に記載の積層型トランスと、
 この積層型トランスの上記第1外部電極と第2外部電極との間に接続された外部抵抗と
 を備えることを特徴とする等分配器。
 請求項1に記載の積層型トランスの上記第1外部電極を第1線路上に接続すると共に、上記第2外部電極と上記第3外部電極とを第2線路と第3線路とに接続し、外部抵抗をこれら第2線路と第3線路との間に接続することで、上記第1線路から入力した信号を、等分配して、上記第2線路及び第3線路にそれぞれ出力させる、
 ことを特徴とするインピーダンス等分配方法。
Description:
積層型トランス,インピーダンス 変換器,等分配器,インピーダンス変換方法及 等分配方法

 この発明は、1対のコイル体を積層して成 る積層型トランス,インピーダンス変換器,等 配器,インピーダンス変換方法及び等分配方 法に関し、特に高周波信号に用いる積層型ト ランス,インピーダンス変換器,等分配器,イン ピーダンス変換方法及び等分配方法に関する ものである。

 従来、この種の積層型トランスは、生産性, 電気的特性及び小型化の観点から、積層体を 1対の磁性基板で上下から挟んだ構造をなす
 具体的には、特許文献1に開示の技術のよう に、一方の磁性体基板上に、積層体100を形成 し、他方の磁性体基板をこの積層体100上に乗 せた構成をとる。そして、絶縁層と導体パタ ーンとを交互に積層して、1対のコイル体101,1 02が絶縁体104に包含された積層体100を形成す 。このとき、1対のコイル体101,102の巻き方 は、同方向に設定され、4つの外部電極131,132 ,141,142が1対のコイル体101,102の引き出し電極11 1,112,121,122にそれぞれ接続されている。
 これにより、この従来の技術は、図24の電 回路図で示すように、1対1型のトランス構造 になっている。

特許第3601619号公報

 しかし、上述した従来の技術では、次のよ な問題がある。
 図25は、従来技術の問題点を説明するため 電気回路図である。
 図24に示したような1対1型のトランス構造を 有した積層型トランスは、インピーダンス変 換器や等分配器に利用されることが多い。
 例えば、積層型トランスをインピーダンス 換器として用いる場合には、図25に示すよ に、外部電極131,132を信号入力端,信号出力端 とし、外部の長い線材150を引き回して、外部 電極131と外部電極142とを短絡した構造にする 必要がある。
 しかしながら、かかる構造のインピーダン 変換器を高周波帯域で使用すると、線材150 よる寄生インダクタンスが発生し、また、 生容量が、線材150と外部電極132,141との間に 発生する。このため、高周波帯域での挿入損 失特性が劣化するおそれがある。
 なお、上記積層型トランスを等分配器とし 用いる場合においても、同様に、外部の長 線材150を引き回して、外部電極131と外部電 142とを短絡する必要があるため、高周波帯 で上記と同様の問題が生じる。 

 この発明は、上述した課題を解決するた になされたもので、高周波帯域においても 寄生インダクタンスや寄生容量が発生せず 挿入損失特性に優れた積層型トランス,イン ピーダンス変換器,等分配器,インピーダンス 換方法及び等分配方法を提供することを目 とする。

 上記課題を解決するために、請求項1の発明 は、第1磁性体基板と、この第1磁性体基板上 積層され且つ第1コイル体及び第2コイル体 内包した積層体と、この積層体上に設けら た第2磁性体基板と、積層体の外側に設けら 第1及び第2コイル体の引き出し電極に接続 れた第1ないし第3外部電極とを備える積層型 トランスであって、第1コイル体を、積層体 下側に積層形成し、その一方の引き出し電 の端を、第1コイル体の径方向の中心軸上に 置させた状態で当該積層体の前面に露出さ ると共に、他方の引き出し電極の端を、当 中心軸から偏位させた状態で積層体の後面 露出させ、第2コイル体を、中心軸の真上に 位置し且つ中心軸と平行な軸に関して、第1 イル体と180°回転対称の形状に積層形成し、 第1外部電極を、積層体の前面に露出した第1 イル体の一方の引き出し電極の端と第2コイ ル体の引き出し電極の端とに接続し、第2及 第3外部電極のそれぞれを、積層体の後面に れぞれ露出した第1コイル体の他方の引き出 し電極の端と第2コイル体の引き出し電極の とに接続した構成とする。
 かかる構成により、信号を第1外部電極から 入力すると、信号は、第1外部電極に接続さ た一方の引き出し電極から、第1及び第2コイ ル体内に入り、第1及び第2コイル体の他方の き出し電極を通じて第2外部電極と第3外部 極とにそれぞれ出力される。
 このとき、第2コイル体が、中心軸の真上に 位置し且つ中心軸と平行な軸に関して、第1 イル体と180°回転対称の形状に積層形成され ているので、第1コイル体と第2コイル体とが 同一形状及び同一巻き数になり、しかも、 層方向から見ると、第1コイル体と第2コイ 体とが径方向中心軸に関して線対称な形状 なる。このため、第1コイル体と第2コイル体 との間のインダクタンスや容量が同一になる と共に、径方向中心軸の両側に位置する部分 のインダクタンスや容量も同一になり、差が ほとんど生じない。
 このため、高周波帯域で使用しても、余分 寄生インダクタンスや寄生容量が発生せず 所望バランスの高周波信号を、第2外部電極 と第3外部電極とから出力させることができ 。

 請求項2の発明に係るインピーダンス変換器 は、請求項1に記載の積層型トランスの第3外 電極を接地電極に設定した構成とする。
 かかる構成により、第1外部電極を第1線路 に接続すると共に、第2外部電極を第2線路に 接続し、且つ第3外部電極を接地することが きる。これにより、第1線路側の入力インピ ダンスが第2線路側の出力インピーダンスに 変換され、第1線路側と第2線路側のインピー ンスの整合を図ることができる。そして、 求項1の積層型トランスを利用しているので 、高周波帯域においても、寄生インダクタン スや寄生容量の発生がほとんど生じない。

 請求項3の発明に係るインピーダンス変換 方法は、請求項1に記載の積層型トランスの 1外部電極を第1線路上に接続すると共に、第 2外部電極を第2線路に接続し、且つ第3外部電 極を接地することで、第1線路側の入力イン ーダンスを第2線路側の出力インピーダンス 変換する構成とした。

 請求項4の発明に係る等分配器は、請求項1 記載の積層型トランスと、この積層型トラ スの第1外部電極と第2外部電極との間に接続 された外部抵抗とを備える構成とした。
 かかる構成により、積層型トランスの第1外 部電極を第1線路上に接続すると共に、第2外 電極と第3外部電極とを第2線路と第3線路と 接続し、外部抵抗をこれら第2線路と第3線 との間に接続することができる。これによ 、第1線路から入力した信号を、第2線路及び 第3線路にそれぞれ所望のバランスで分配さ ることができる。そして、請求項1の積層型 ランスを利用しているので、高周波帯域に いても、寄生インダクタンスや寄生容量が とんど生じない。

 請求項5の発明に係る等分配方法は、請求 項1に記載の積層型トランスの第1外部電極を 1線路上に接続すると共に、第2外部電極と 3外部電極とを第2線路と第3線路とに接続し 外部抵抗をこれら第2線路と第3線路との間に 接続することで、第1線路から入力した信号 、等分配して、第2線路及び第3線路にそれぞ れ出力させる構成とした。

 以上詳しく説明したように、請求項1の発 明に係る積層型トランスによれば、第1コイ 体と第2コイル体とが対称な形状をなし、高 波帯域においても、寄生インダクタンスや 生容量がほとんど生じない構造であるので 余分な外部線材を用いることなく、第1外部 電極から入力した信号を第2及び第3外部電極 所望のバランスで出力させることができる この結果、高い挿入損失特性を得ることが きると共に、小型化を図ることができると う優れた効果がある。

 また、請求項2及び請求項3の発明に係る ンピーダンス変換器及びインピーダンス変 方法によれば、寄生インダクタンスや寄生 量の発生を低減して、高周波帯域での挿入 失特性を向上させることができるので、優 た整合特性を実現することができる。

 また、請求項4及び請求項5の発明に係る 分配器及び等分配方法によれば、寄生イン クタンスや寄生容量の発生を低減して、高 波帯域での挿入損失特性を向上させること できるので、優れた分配特性を実現するこ ができる。

この発明の第1実施例に係る積層型トラ ンスの分解斜視図である。 積層型トランスの外観図である。 第1コイル体の下側導体パターンの平面 図である。 中間の絶縁層の平面図である。 第1コイル体の上側導体パターンの平面 図である。 第2コイル体の下側導体パターンの平面 図である。 中間の絶縁層の平面図である。 第2コイル体の上側導体パターンの平面 図である。 第1コイル体と第2コイル体との形状関 を示す斜視図である。 第1コイル体と第2コイル体との形状関 を示す概略図である。 積層型トランスの電気回路図である。 引き出し電極と外部電極との接続状態 を示す平面図である。 積層型トランスを線路上に実装した状 態を示す平面図である。 この発明の第2実施例に係るインピー ンス変換器を示す平面図である。 インピーダンス変換器の電気回路図で ある。 第1線路から第2線路に直接高周波信号 入力した場合における挿入損失を示す線図 ある。 従来のインピーダンス変換器を第1線 と第2線路との間に挿入した場合における挿 損失を示す線図である。 第2実施例のインピーダンス変換器を 1線路と第2線路との間に挿入した場合におけ る挿入損失を示す線図である。 この発明の第3実施例に係る等分配器 示す平面図である。 等分配器の電気回路図である。 従来の等分配器を用いた場合における 分配量を示す線図である。 第3実施例の等分配器を用いた場合に ける分配量を示す線図である。 従来の積層型トランスを用いた等分配 器の電気回路図である。 従来の積層型トランスの電気回路図で ある。 従来技術の問題点を説明するための電 気回路図である。

符号の説明

 1…積層型トランス、 2,4…磁性体基板、 3…積層体、 3a…前面、 3b…後面、 5-1~5-3 外部電極、 6…第1コイル体、 7…第2コイル 体、 8…インピーダンス変換器、 9…等分配 器、 31~35…絶縁層、 32a,34a…ビアホール、  61,62,71,72…導体パターン、 61a,62a,71a,72a…引 出し電極、 61b,62b,71b,72b…端、 61c,62c,71c,72c 内側端部、 90…外部抵抗、 201…第1線路、  202…第2線路、 203…第3線路、 M1…中心軸  M2…軸、 S1,S2,S3…信号、 d6,d7…偏位距離

 以下、この発明の最良の形態について図 を参照して説明する。

 図1は、この発明の第1実施例に係る積層 トランスの分解斜視図であり、図2は、積層 トランスの外観図である。

 図2に示すように、この実施例の積層型ト ランス1は、巻線比1対1のトランスであり、第 1磁性体基板としての磁性体基板2と、この磁 体基板2上に積層された積層体3と、この積 体3上に設けられた第2磁性体基板としての磁 性体基板4と、第1外部電極,第2外部電極及び 3外部電極としての外部電極5-1,5-2,5-3とを備 ている。

 磁性体基板2,4は、フェライトで形成され 長方形状の板体であり、積層体3は、図1に すように、銀製の第1コイル体6と同じく銀製 の第2コイル体7とをポリイミド樹脂,エポキシ 樹脂及びベンゾシクロブテン樹脂等の絶縁層 31~35で内包した構造を成す。

 第1コイル体6は、磁性体基板2上に積層され 絶縁層31上に形成された導体パターン61と、 絶縁層32上に形成された導体パターン62とで 成され、積層体3の下側に配設されている。
 図3は、導体パターン61の平面図であり、図4 は、絶縁層32の平面図であり、図5は、導体パ ターン62の平面図である。
 図3に示すように、下層の導体パターン61は 外側から左巻きの渦巻き状を成し、一方の き出し電極である引き出し電極61aの端61bを 第1コイル体6の径方向の中心軸である中心 M1上に位置させている。
 一方、導体パターン62も、図5に示すように 内側から左巻きの渦巻き状を成し、他方の き出し電極である引き出し電極62aの端62bを 中心軸M1上から左側に距離d6だけ偏位させて いる。
 そして、導体パターン61の内側端部61cと導 パターン62の内側端部62cとが、図4に示す絶 層32に形成されたビアホール32aを通じて電気 的に接続されている。
 すなわち、第1コイル体6は、導体パターン61 の引き出し電極61aから内側に向かって左巻き に巻かれ、内側端部61cと接続された導体パタ ーン62の内側端部62cから外側に向かって左巻 に巻かれたコイル体である。

 第2コイル体7は、図1に示すように、第1コイ ル体6上に積層された絶縁層33上に形成された 導体パターン72と、絶縁層34上に形成された 体パターン71とで構成され、積層体3の上側 配設されている。
 図6は、導体パターン72の平面図であり、図7 は、絶縁層34の平面図であり、図8は、導体パ ターン71の平面図である。
 図6に示すように、下層の導体パターン72は 内側から右巻きの渦巻き状を成し、他方の き出し電極である引き出し電極72aの端72bを 中心軸M1上から右側に距離d7だけ偏位させて いる。この距離d7は、導体パターン62の引き し電極62aの偏位距離d6と等しく設定されてい る。
 一方、導体パターン71も、図8に示すように 外側から右巻きの渦巻き状を成し、一方の き出し電極である引き出し電極71aの端71bを 中心軸M1上に位置させている。
 そして、導体パターン72の内側端部72cと導 パターン71の内側端部71cとが、図7に示す絶 層34に形成されたビアホール34aを通じて電気 的に接続されている。
 すなわち、第2コイル体7は、導体パターン71 の引き出し電極71aから内側に向かって右巻き に巻かれ、内側端部71cと接続された導体パタ ーン72の内側端部72cから外側に向かって右巻 に巻かれたコイル体である。

 ここで、第1コイル体6と第2コイル体7との形 状関係を詳しく説明する。
 図9は、第1コイル体6と第2コイル体7との形 関係を示す斜視図であり、図10は、第1コイ 体6と第2コイル体7との形状関係を示す概略 である。
 図9及び図10に示すように、第1コイル体6の 方向の中心軸M1の真上に、中心軸M1と平行な M2を想定し、第1コイル体6をこの軸M2に関し 180°回転させた状態の形状を第2コイル体7の 形状に設定した。
 したがって、第2コイル体7は、第1コイル体6 と大きさや巻き数も同値であるが、積層方向 に関して、第1コイル体6とは逆方向を向き、 つその巻き方向も第1コイル体6と逆方向に るように、第1コイル体6上に、積層形成され ている。

 第1コイル体6と第2コイル体7とが上記構造を とることにより、図1に示すように、第1コイ 体6の引き出し電極61aの端61bが中心軸M1上に 置した状態で、積層体3の前面3a(図1及び図2 右側面)に露出する。そして、引き出し電極 62aの端62bが中心軸M1から距離d6だけ偏位した 態で、積層体3の後面3b(図1及び図2の左側面) 露出した状態になる。
 また、第2コイル体7の引き出し電極71aの端71 bが軸M2(中心軸M1と一致する)上に位置した状 で、積層体3の前面3aに露出する。そして、 き出し電極72aの端72bが軸M2から距離d7(距離d6 同距離)だけ、引き出し電極62aの端62bとは逆 側に偏位した状態で、積層体3の後面3bに露出 している。

 外部電極5-1は、図2に示すように、積層体3 前面3a側に設けられ、図1に示す第1コイル体6 の引き出し電極61aの端61bと第2コイル体7の引 出し電極71aの端71bとに接続されている。
 また、外部電極5-2,5-3は、積層体3の後面3b側 に設けられ、外部電極5-2が、第1コイル体6の き出し電極62aの端62bに接続され、外部電極5 -3が、第2コイル体7の引き出し電極72aの端72b 接続されている。

 図11は、積層型トランス1の電気回路図であ 、図12は、引き出し電極61a,62a(71a,72a)と外部 極5-1,5-2,5-3との接続状態を示す平面図であ 。
 上記のように、外部電極5-1,5-2,5-3が第1コイ 体6及び第2コイル体7に接続されていること ら、積層型トランス1は、図11に示すように 同一構造で互いに逆巻きの第1コイル体6と 2コイル体7とが外部電極5-1~5-3に接続された 気的構造になっている。
 また、図12に示すように、積層型トランス1 積層方向上側から見ると、外部電極5-1に接 された引き出し電極61a,71aの端61b,71bが、共 中心軸M1(軸M2と一致)上に位置する。そして 外部電極5-2に接続された引き出し電極62aの 62bが、中心軸M1の左側に距離d6だけ偏位し、 部電極5-3に接続された引き出し電極72aの端7 2bが、中心軸M1の右側に距離d7(=d6)だけ偏位し 状態になる。したがって、第1コイル体6と 2コイル体7とは、積層方向から見ると、中心 軸M1に関して線対称状態になっている。

 ここで、上記構成の積層型トランス1の製造 方法を簡単に説明する。
 まず、ポリイミド樹脂等を図1に示す磁性体 基板2上に塗布し、固化させて、絶縁層31を磁 性体基板2上に形成する。しかる後、スパッ リングや蒸着等の薄膜形成技術を用いて、 層をこの絶縁層31上に積層する。そして、フ ォトリソグラフィ技術によって、レジスト塗 布、レジスト露光及びレジスト現像によって 、導体パターン61に対応したパターンをレジ ト上に形成した後、ドライ又はウエットエ チング技術で、銀層を食刻することにより 導体パターン61を絶縁層31上に形成する。し かる後、ポリイミド樹脂等を導体パターン61 に塗布し、フォトリソグラフィ技術とエッ ング技術を用いて、ビアホール32aを有した 縁層32を導体パターン61上に積層形成する。 以降同様にして、絶縁層33~35と導体パターン6 2,71,72を積層することにより、積層体3を形成 る。そして、磁性体基板4を、ポリイミド樹 脂等の熱硬化性樹脂で積層体3上に接着する とで、磁性体基板2,4で挟まれた多数の積層 3を有したウエハを作り上げる。しかる後、 イシングを行って、磁性体基板2,4と1つの積 層体3を有したチップ体を分割形成し、この ップ体にメッキ等で、外部電極5-1~5-3を形成 ることで、長さ2mm以下、幅1.5mm以下で厚さ 1.0mm以下の非常に小さい積層型トランス1を 造することができる。

 次に、この実施例の積層型トランスが示す 用及び効果について説明する。
 図13は、積層型トランスを線路上に実装し 状態を示す平面図である。
 図13に示すように、この積層型トランス1は 外部電極5-1を第1線路201に接続し、外部電極 5-2を第2線路202に接続すると共に、外部電極5- 3を第3線路203に接続することができる。
 かかる状態で、高周波信号S1を積層型トラ ス1の外部電極5-1から入力すると、高周波信 S1は、図11に示すように、外部電極5-1に接続 された引き出し電極61a,71aから第1コイル体6と 第2コイル体7とに入る。そして、高周波信号S 2,S3が、第1及び第2コイル体6,7の引き出し電極 62a,72aを通じて外部電極5-2,5-3にそれぞれ出力 れる。
 このとき、同一構造で互いに逆巻きの第1コ イル体6と第2コイル体7とが外部電極5-1~5-3に 続された電気的構造になっており、しかも 図12に示したように、積層方向から見ると、 第1コイル体6と第2コイル体7とが中心軸M1に関 して線対称な形状になっている。このため、 第1コイル体6と第2コイル体7との間のインダ タンスや容量が同一であり、中心軸M1の両側 に位置する部分のインダクタンスや容量も同 一になり、差がほとんど生じない。
 したがって、高周波信号S1を使用しても、 層型トランス1に余分な寄生インダクタンス 寄生容量が発生せず、所望バランスの高周 信号S2,S3が、外部電極5-2と外部電極5-3とか 出力されることとなる。この結果、高い挿 損失特性を得ることができる。

 次に、この発明の第2実施例について説明す る。
 図14は、この発明の第2実施例に係るインピ ダンス変換器を示す平面図であり、図15は インピーダンス変換器の電気回路図である
 近年、地上デジタル放送の1セグメントを用 いた所謂「ワンセグ」やDVB-H(Digital Video Vroad casting-Handheld )を始めとする携帯TV装置が携帯 電話等に装備されてきている。
 この携帯TV装置では、信号処理のためにRFIC( Radio Frequency Integrated Circuit)を使用している しかし、このRFICのインピーダンスが、通常 設計の回路インピーダンスの50ωよりも高い とが多いため、インピーダンスの不整合が じ、上記TV装置の受信感度が低下するという 問題が発生していた。
 これを解決するために、インダクタやコン ンサを用いて、整合回路を形成することが えられるが、携帯TV装置の使用周波数が400~9 00MHzであり、非常に広いため、このような整 回路では、かかる広帯域の周波数の全てに いて、インピーダンスの整合をとることが きない。
 そこで、この実施例は、このような広い高 波帯域の範囲で、インピーダンスの整合が 能なインピーダンス変換器8を例示する。
 図14に示すように、インピーダンス変換器8 、実施例1の積層型トランス1を利用したも で、積層型トランス1の外部電極5-3を接地電 に設定した1対4のインピーダンス変換器で る。

 かかる構成により、次のような作用及び効 を奏する。なお、この実施例のインピーダ ス変換器8の作用は、この発明のインピーダ ンス変換方法を具体的に実現するものでもあ る。
 例えば、第1線路201が、50ωのインピーダン を有し、第2線路202がRFIC等に接続され、200ω インピーダンスを有する場合には、積層型 ランス1の外部電極5-1を第1線路201に接続し 外部電極5-2を第2線路202に接続する。
 かかる状態で、高周波信号S1を第1線路201か 外部電極5-1に入力すると、第1線路201側のイ ンピーダンス50ωが、インピーダンス変換器8 よって、4倍のインピーダンス200ωに変換さ る。この結果、第1線路201側のインピーダン スと第2線路202側のインピーダンスとが整合 、高周波信号S1が、同等の高周波信号S2とし 、外部電極5-2から第2線路202に出力される。
 このとき、実施例1で説明したように、積層 型トランス1が、余分な寄生インダクタンス 寄生容量を生じさせない構造になっている で、インピーダンス変換器8は、入力した高 波信号S1を、ほとんど反射させることなく 高周波信号S2として第2線路202に出力させる とができる。

 このように、この実施例のインピーダンス 換器8によれば、高周波帯域での挿入損失を 低減して、良好な整合特性を実現することが できる。
 発明者等は、かかる効果を確認すべく、次 ようなシミュレーションを行った。
 図16は、第1線路201から第2線路202に直接高周 波信号を入力した場合における挿入損失を示 す線図であり、図17は、従来のインピーダン 変換器を第1線路201と第2線路202との間に挿 した場合における挿入損失を示す線図であ 、図18は、この実施例のインピーダンス変換 器8を第1線路201と第2線路202との間に挿入した 場合における挿入損失を示す線図である。

 まず、第1線路201と第2線路202との間にイン ーダンス変換器を挿入せず、400MHz~900MHzの高 波信号を、50ωの第1線路201から200ωの第2線 202に向けて入力した場合の挿入損失をシミ レーションで求めた。
 すると、図16の挿入損失曲線Vで示すように 400MHz~900MHzの全範囲で、挿入損失が「-2dB」 下になるという結果を得た。

 次に、図25に示した従来のインピーダンス 換器を第1線路201と第2線路202との間に挿入し て、400MHz~900MHzの高周波信号を、50ωの第1線路 201からインピーダンス変換器に入力した場合 の挿入損失をシミュレーションで求めた。
 すると、図17の挿入損失曲線Vで示すように 400MHz~700MHzの低い帯域で挿入損失がほぼ「-1d B」以上になったものの、700MHz~900MHzの高い帯 では、挿入損失が「-2dB」以下になるという 結果を得た。

 最後に、この実施例のインピーダンス変換 8を第1線路201と第2線路202との間に挿入して 400MHz~900MHzの高周波信号を、50ωの第1線路201 らインピーダンス変換器8に入力した場合の 挿入損失をシミュレーションで求めた。
 すると、図18で示すような挿入損失曲線Vを 、400MHz~900MHzの全帯域において、挿入損失が ほぼ「-1dB」以上になることを確認した。
 その他の構成,作用及び効果は上記第1実施 と同様であるので、その記載は省略する。

 次に、この発明の第3実施例について説明す る。
 図19は、この発明の第3実施例に係る等分配 を示す平面図であり、図20は、等分配器の 気回路図である。
 図19及び図20に示すように、この実施例は、 積層型トランス1を利用した3dBの等分配器9で り、積層型トランス1と、この積層型トラン ス1の外部電極5-2と外部電極5-3との間に接続 れた外部抵抗90とを備えている。
 具体的には、外部電極5-1を入力電極とし、 部電極5-2,5-3を出力電極とした。そして、チ ップ状の抵抗90を第2線路202と第3線路203とに 続した。なお、抵抗90は、外部電極5-2,5-3に 接接続しても良いことは勿論である。

 かかる構成により、次のような作用及び効 を奏する。なお、この実施例の等分配器9の 作用は、この発明の等分配方法を具体的に実 現するものでもある。
 図19に示すように、積層型トランス1の外部 極5-1を第1線路201に接続し、外部電極5-2,5-3 、抵抗90が接続された第2線路202,第3線路203に それぞれ接続する。
 かかる状態で、信号S1を第1線路201から外部 極5-1に入力すると、信号S2,S3が、外部電極5- 2,5-3を通じて、1対1のバランスで、第2線路202, 第3線路203に出力される。すなわち、出力信 S2=出力信号S3=入力信号S1×1/2の分配量で、信 S1が分配される。
 このとき、第2線路202と第3線路203との間の 抗90が、高周波信号S2と高周波信号S3との間 アイソレーションを図り、信号S2,S3をほぼ正 確に1対1のバランスで、第2線路202,第3線路203 出力させる。
 また、この実施例の等分配器9においても、 積層型トランス1が、余分な寄生インダクタ スや寄生容量を生じさせない構造になって るので、高周波帯域での挿入損失を低減し 、良好な分配特性を実現することができる

 発明者等は、かかる効果を確認すべく、次 ようなシミュレーションを行った。
 図21は、従来の等分配器を用いた場合にお る分配量を示す線図であり、図22は、この実 施例の等分配器9を用いた場合における分配 を示す線図であり、図23は、従来の積層型ト ランスを用いた等分配器の電気回路図である 。

 まず、図23に示すように、外部抵抗160を従 の積層型トランスの外部電極132,141間に設け 、外部電極131を入力端とし、外部電極132,141 をそれぞれ出力端とする等分配器を構成した 。
 そして、信号S1をこの等分配器の外部電極13 1から入力して、外部電極132,141から出力され 信号S2,S3の分配量を、周波数100MHz~2GHzの範囲 でシミュレーションしたところ、図21に示す 果を得た。
 分配量曲線V2は、入力信号S1に対する出力信 号S2の割合を示し、分配量曲線V3は、入力信 S1に対する出力信号S3の割合を示す。
 図21の分配量曲線V2に示すように、入力信号 S1に対する出力信号S2の割合は、100MHz~2GHzのほ ぼ全範囲で「-3dB」であった。しかし、分配 曲線V3に示すように、入力信号S1に対する出 信号S3の割合は、700MHz~2GHzの範囲で「-3dB」 下となった。
 したがって、図23に示す従来の等分配器で 、高い周波数帯域において、出力信号S2と出 力信号S3の分配量が異なってしまい、等分配 として機能しないことが判る。

 次に、この実施例の等分配器9を用いて、上 記と同様のシミュレーションしたところ、図 22に示す結果を得た。
 図22の分配量曲線V2,V3に示すように、100MHz~2G Hzのほぼ全範囲で、入力信号S1に対する出力 号S2の割合と入力信号S1に対する出力信号S3 割合とが一致し、この実施例の等分配器9が 全ての周波数帯域において、高特性の等分 器として機能することが確認された。
 その他の構成,作用及び効果は、上記第1実 例と同様であるので、その記載は省略する