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Patent Searching and Data


Title:
STATIC ELECTRICITY RESISTANT COMPONENT AND METHOD FOR MANUFACTURING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/155916
Kind Code:
A1
Abstract:
A pair of first electrodes (2) arranged on the upper surface of an alumina substrate (1) are constituted to have a large film thickness by using a material having a small specific resistance. A second electrode (3), which is arranged between the pair of first electrodes (2) and is composed of a high melting point material, is arranged to have a small film thickness. A gap (4) is formed on the second electrode (3). Heat and damages of the first electrode (2) constituting an extraction electrode are reduced, and the gap on the second electrode (3) is highly accurately formed to have a narrow gap width. Thus, a static electricity resistant component, which has resistance characteristics against repeated application of static electricity, a low peak voltage applied to the component and stable electrostatic discharge suppressing characteristics, is provided.

Inventors:
YOSHIOKA KOUICHI
NAWATE MASAKATSU
MORINO TAKASHI
NOZOE KENJI
ISEKI TAKESHI
Application Number:
PCT/JP2008/001582
Publication Date:
December 24, 2008
Filing Date:
June 19, 2008
Export Citation:
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Assignee:
PANASONIC CORP (JP)
YOSHIOKA KOUICHI
NAWATE MASAKATSU
MORINO TAKASHI
NOZOE KENJI
ISEKI TAKESHI
International Classes:
H01C7/10; H01C7/12; H01T4/10
Foreign References:
JP2007081012A2007-03-29
JP2004040023A2004-02-05
JP2003297606A2003-10-17
JP2003173901A2003-06-20
Attorney, Agent or Firm:
IWAHASHI, Fumio et al. (1006 Oaza Kadoma, Kadoma-sh, Osaka 01, JP)
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Claims:
絶縁基板と、前記絶縁基板の上面に設けられた一対の第1の電極と、
前記一対の第1の電極に一部が重なり前記第1の電極と電気的に接続されるように設けられた一対の第2の電極と、
前記一対の第2の電極間に位置するギャップと、
少なくとも前記ギャップを覆うように設けられた過電圧保護材料層とを備え、
前記一対の第1の電極は比抵抗が小さい材料を用いて構成され、前記一対の第2の電極は前記一対の第1の電極よりも膜厚を薄く形成された
静電気対策部品。
前記第2の電極が、融点の高い材料からなる請求項1に記載の静電気対策部品。
前記第1の電極が金を主成分とする材料で構成されるとともに、前記第2の電極がニッケルを主成分とする薄膜材料で構成された請求項2に記載の静電気対策部品。
前記第1の電極が金を主成分とする材料で構成されるとともに、前記第2の電極がタングステンもしくはモリブデンを主成分とする薄膜材料で構成された請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の静電気対策部品。
前記比抵抗が1×10 -2 ωcm以下であり、前期第1の電極の膜厚が2μm以上であり、前記第2の電極の膜厚が2μm未満である請求項1に記載の静電対策部品。
前記絶縁基板がアルミナ基板であり、前記第2の電極が、4.3×10 -6 ~8.0×10 -6 /Kの範囲の熱膨張係数をもつ金属である請求項1に記載の静電対策部品。
前記第1の電極が金を主成分とする材料で構成されるとともに、前記第2の電極がアルミニウムを主成分とし表面に酸化アルミニウムの皮膜を有する薄膜で構成された請求項1に記載の静電気対策部品。
絶縁基板の上面に比抵抗が小さい材料からなる一対の第1の電極を形成するステップと、
前記一対の第1の電極間に位置して前記第1の電極と電気的に接続するように前記第1の電極より膜厚の薄い第2の電極を形成するステップと、
前記第2の電極にギャップを形成するステップと、
少なくとも前記ギャップを覆うように過電圧保護材料層を形成するステップとを備えた静電気対策部品の製造方法。
前記第2の電極を融点の高い材料で形成する請求項8に記載の静電気対策部品の製造方法。
前記第1の電極を比抵抗が1×10 -2 ωcm以下の材料で形成するとともに、厚みを2μm以上に形成し、前記第2の電極の膜厚を2μm未満に形成する請求項8に記載の静電対策部品の製造方法。
前記第1の電極を金を主成分とする材料を用いて印刷焼成により形成するとともに、前記第2の電極をニッケルを主成分とする材料をスパッタリングすることにより形成し、さらに前記第2の電極をレーザーで切削することによりギャップを形成する請求項8に記載の静電気対策部品の製造方法。
前記絶縁基板としてアルミナ基板を使用し、前記第2の電極として、4.3×10 -6 ~8.0×10 -6 /Kの範囲の熱膨張係数をもつ金属を使用する請求項8に記載の静電対策部品の製造方法。
前記第1の電極を金を主成分とする材料を用いて印刷焼成により形成するとともに、前記第2の電極をタングステンもしくはモリブデンを主成分とする材料をスパッタリングすることにより形成し、さらに前記第2の電極をレーザーで切削することにより前記ギャップを形成する請求項8に記載の静電気対策部品の製造方法。
前記第1の電極を金を主成分とする材料を用いて印刷焼成により形成するとともに、前記第2の電極をアルミニウムを主成分とする材料をスパッタリングすることにより形成し、さらに前記第2の電極をレーザーで切削することによりギャップを形成する請求項8に記載の静電気対策部品の製造方法。
Description:
静電気対策部品およびその製造 法

 本発明は電子機器を静電気から保護する 電気対策部品およびその製造方法に関する のである。

 近年、携帯電話等の電子機器の小型化、 性能化が急速に進み、それに伴い電子機器 用いられる電子部品の小型化も急速に進ん いる。しかしながら、その反面、この小型 に伴って電子機器や電子部品の耐電圧は低 する。これにより、人体と電子機器の端子 接触した時に発生する静電気パルスによっ 機器内部の電気回路が損傷することが増え きている。これは静電気パルスによって1ナ ノ秒以下の立ち上がり速度でかつ数百~数キ ボルトという高電圧が機器内部の電気回路 印加されるからである。

 従来から、このような静電気パルスへの 策として、静電気が入るラインとグランド に対策部品を設ける方法がとられている。 年では信号ラインの伝送速度が数百Mbps以上 である高速化が進んでおり、上記の対策部品 の浮遊容量が大きい場合には信号品質が劣る ため、対策部品の浮遊容量はより小さい方が 好ましい。したがって、数百Mbps以上の伝送 度になると1pF以下の低静電容量の対策部品 必要になってくるものである。

 このような高速伝送ラインでの静電気対 として、従来においては、対向する一対の 出電極間に形成されたギャップと引出電極 一部を過電圧保護材料層で覆うタイプの静 気対策部品が提案されている。しかし、静 気の繰り返し印加に対して耐性があり、か 静電気対策部品にかかるピーク電圧が低く 電気放電(ESD)の抑制特性が安定している静 気対策部品は作成し難いものであった。

 なお、この出願の発明に関する先行技術 献情報としては、例えば、特許文献1が知ら れている。

 ここで、静電気対策部品の劣化や特性ば つきの原因となるメカニズムを説明する。 来の対向する一対の引出電極間に形成され ギャップと引出電極の一部を過電圧保護材 層で覆うタイプの静電気対策部品における 性発現のメカニズムは、以下のようなもの ある。対向する一対の引出電極間のギャッ に静電気による過電圧が印加された際に、 向する一対の引出電極間のギャップに位置 る過電圧保護材料層中に散在する導電粒子 あるいは半導体粒子間に放電電流のような のが流れるので、それを電流としてグラン にバイパスさせる。このタイプの従来の静 気対策部品では、静電気印加を繰り返し実 することにより、静電気をグランドにバイ スさせる特性が劣化する場合も見られた。 電気印加を繰り返した後に、静電気対策部 をX線透過顕微鏡などの非破壊分析手法で観 察すると、対向する一対の引出電極間のギャ ップ長が、初期状態と比較してわずかに拡大 していることがわかる。これは、静電気印加 時に流れる電流により対向する一対の引出電 極が発熱し、その熱によって一対の引出電極 の材料自身がごくわずかに溶解して損傷を受 けるのも一因であると考えられる。

 上記した一対の引出電極自身の損傷は、 に静電気放電(ESD)印加時に引出電極を流れ 電流により発生する熱に起因するところが きい。従って、引出電極の損傷を低減する めには、引出電極で発生する熱量を抑制す ことが必要であるとともに、熱に対する耐 性の高い材料を用いることが必要である。 の場合、引出電極で発生する熱量を抑制す ためには、比抵抗が小さい材料を用い、か 膜厚を厚くして引出電極の抵抗を下げれば い。また、熱に対する耐久性の高い材料と ては融点の高い材料が挙げられる。

 しかしながら、引出電極の抵抗値を下げる 的で引出電極の膜厚を厚くした場合には、 向する一対の引出電極間のギャップを狭く つ精度良く形成することが困難となるもの ある。一方、熱に対する耐久性の高い材料 してタングステンやモリブデンといった融 の高い金属を用いた場合には、金に比べて 点が高いため熱に起因する損傷を抑制する 果は大きい。しかし、これらは表面が酸化 やすいために、2μm以下の薄い膜厚では、抵 抗値が極めて大きくなり発熱量が増大する。 これを防ぐためにタングステンやモリブデン の膜厚を厚くした場合には、前述したものと 同様の理由により、高精度のギャップの形成 が困難になるものである。

特表2002-538601号公報

 本発明は、絶縁基板と、この絶縁基板の 面に設けられた一対の第1の電極と、この一 対の第1の電極間に位置するギャップと、こ ギャップを覆う過電圧保護材料層とを備え いる。一対の第1の電極を比抵抗が小さい材 を用いて膜厚の厚い状態に構成している。 対の第1の電極間に位置して第1の電極と電 的に接続されるように、融点の高い材料か なる第2の電極を膜厚の薄い状態に設けてい 。この第2の電極の間にギャップを形成した ものである。

 この構成によれば、一対の第1の電極を比 抵抗が小さい材料を用いて膜厚の厚い状態に 構成しているため、引出電極を構成する一対 の第1の電極自体の抵抗を低減させることが きる。これにより、静電気の印加時に流れ 電流による発熱を抑制することができる。 た、一対の第1の電極間に位置して第1の電極 と電気的に接続されるように、融点の高い材 料からなる第2の電極を膜厚の薄い状態に設 るとともに、この第2の電極の間にギャップ 形成している。このため、静電気印加によ 電極の損傷を抑制しながら、第2の電極に10 m程度の狭いギャップを確実に精度良く形成 ることが可能となる。これにより、静電気 繰り返し印加に対して耐性があり、かつ静 気対策部品にかかるピーク電圧が低く静電 放電(ESD)の抑制特性が安定している静電気 策部品を作成することができる。

図1は本発明の実施の形態1における静 気対策部品の断面図である。 図2Aは本発明の実施の形態1における静 電気対策部品の製造方法を示す断面図である 。 図2Bは本発明の実施の形態1における静 電気対策部品の製造方法を示す上面図である 。 図3Aは本発明の実施の形態1における静 電気対策部品の製造方法を示す断面図である 。 図3Bは本発明の実施の形態1における静 電気対策部品の製造方法を示す上面図である 。 図3Cは本発明の実施の形態1における静 電気対策部品の製造方法を示す断面図である 。 図3Dは本発明の実施の形態1における静 電気対策部品の製造方法を示す上面図である 。 図4Aは本発明の実施の形態1における静 電気対策部品の製造方法を示す断面図である 。 図4Bは本発明の実施の形態1における静 電気対策部品の製造方法を示す上面図である 。 図4Cは本発明の実施の形態1における静 電気対策部品の製造方法を示す断面図である 。 図4Dは本発明の実施の形態1における静 電気対策部品の製造方法を示す上面図である 。 図5Aは本発明の実施の形態1における静 電気対策部品の製造方法を示す断面図である 。 図5Bは本発明の実施の形態1における静 電気対策部品の製造方法を示す裏面図である 。 図5Cは本発明の実施の形態1における静 電気対策部品の製造方法を示す断面図である 。 図5Dは本発明の実施の形態1における静 電気対策部品の製造方法を示す上面図である 。 図5Eは本発明の実施の形態1における静 電気対策部品の製造方法を示す上面図である 。 図6Aは本発明の実施の形態1における静 電気対策部品の製造方法を示す断面図である 。 図6Bは本発明の実施の形態1における静 電気対策部品の製造方法を示す上面図である 。 図6Cは本発明の実施の形態1における静 電気対策部品の製造方法を示す断面図である 。 図6Dは本発明の実施の形態1における静 電気対策部品の製造方法を示す上面図である 。 図7Aは本発明の実施の形態1における静 電気対策部品の製造方法を示す断面図である 。 図7Bは本発明の実施の形態1における静 電気対策部品の製造方法を示す上面図である 。 図8は本発明の実施の形態1における静 気対策部品の静電気試験方法を示す模式図 ある。 図9は本発明の実施の形態1における静 気対策部品の静電気試験の試験結果を示す ラフである。 図10は本発明の実施の形態1の他の静電 気対策部品の断面図である。 図11は本発明の実施の形態2における静 電気対策部品の静電気試験の試験結果を示す グラフである。 図12は本発明の実施の形態3における静 電気対策部品の静電気試験の試験結果を示す グラフである。

符号の説明

 1  アルミナ基板
 2  第1の電極
 3  第2の電極
 4  ギャップ
 7  過電圧保護材料層

 (実施の形態1)
 以下、実施の形態1を用いて、静電気対策部 品およびその製造方法について、図面を参照 しながら説明する。図1は本発明の実施の形 1における静電気対策部品の断面図を示した のである。図1に示すように、本発明の実施 の形態1における静電気対策部品は、比誘電 が50以下、好ましくは10以下の絶縁基板であ アルミナ基板1の上面に引出電極を構成する 一対の第1の電極2を有する。この一対の第1の 電極2間に位置して、第1の電極2に一部が重な り、電気的に接続するように第2の電極3が設 られている。第2の電極3は、融点の高い材 からなり第1の電極2より膜厚が薄い。この第 2の電極3の中央部をレーザーで切断して設け れたギャップ4が形成されている。ギャップ 4とは電極の存在しない細い空間である。一 の第1の電極2の上に一対の再上面電極5が形 されている。さらにアルミナ基板1の裏面に 対の裏面電極6が形成されている。ギャップ 4と第2の電極3の一部を覆うように少なくとも 金属粉とシリコーン系樹脂からなる過電圧保 護材料層7が設けられている。この過電圧保 材料層7の上に、少なくとも一種類以上の絶 体粉とシリコーン系樹脂からなる中間層8が 形成されている。この中間層8の上に、この 間層8を完全に覆うとともに、再上面電極5の 一部を覆うように保護樹脂層9が形成されて る。さらに、アルミナ基板1の両端部に一対 第1の電極2、再上面電極5および裏面電極6と 電気的に接続される端面電極10が形成されて る。端面電極10を覆うように、バレルめっ 法を用いて設けられたニッケルめっき層11と 錫めっき層12が形成されている。

 次に、本発明の実施の形態1における静電 気対策部品の製造方法について説明する。

 図2A、図2B、図3A~図3D、図4A~図4D、図5A~図5E 、図6A~図6Dおよび図7A、図7Bは本発明の実施の 形態1における静電気対策部品の製造方法を すステップ順の断面図、平面図または裏面 である。以下、この製造方法について説明 る。図2A、図3A、図3C、図4A、図4C、図5A、図5C 、図6A、図6Cおよび図7Aは個片状の基板の断面 図を示し、また図2B、図3B、図3D、図4B、図4D 図5D、図5E、図6B、図6Dおよび図7Bは個片状の 板の上面図を示し、さらに図5Bは個片状の 板の裏面図を示している。

 まず、図2A、図2Bに示すように、比誘電率 が50以下、好ましくは10以下のアルミナを900~1 300℃で焼成して作成されたアルミナ基板1の 面の両端部に引出電極を構成する一対の第1 電極2を形成する。ここで、機能素子を形成 する絶縁基板にアルミナを用いるのは、アル ミナが耐熱性ならびに機能素子との密着性に 優れた材料であるためである。なお、この図 2A、図2Bには、静電気対策部品の個片サイズ ある長辺がL(mm)で短辺がW(mm)の矩形状のアル ナ基板1が示されている。以下の製造工程の 説明でもこの個片サイズのアルミナ基板1を いて説明している。しかし、実際の製造工 では、この個片サイズのアルミナ基板1を多 個縦横に得ることができるシート状の集合 ルミナ基板を用いて、後述する端面電極の 成工程前に短冊状または個片状に分割する のである。

 上記した第1の電極2は、図2Bに示すような パターンで金を主成分とする比抵抗の小さい 材料により形成する。この場合、金を主成分 とする導体ペーストをスクリーン印刷法によ り帯状に印刷し、そして約850℃で45分間焼成 ることにより第1の電極2を形成する。この 法のよると、他の金系材料、例えば金系ス ッタ等を選択するよりも生産性やコストの から好ましいものである。なお、この第1の 極2の焼成後の厚みは2~20μmであり、好まし は2~10μmである。抵抗値を低く安定にするた に膜厚を比較的厚い状態に構成している。 た、この第1の電極2はアルミナ基板1の長辺 に余白を残して印刷しているものである。

 次に、図3A、図3Bに示すように、一対の第1 電極2間に位置して第1の電極2に一部が重な ように融点の高い材料であるタングステン スパッタリングすることにより、薄膜から る第2の電極3を第1の電極2と電気的に接続さ るように形成する。この場合、第2の電極3 一対の第1の電極2の一部を覆うように形成し ても、図3C、図3Dに示すように第1の電極2のす べてを覆うように形成してもよいものである 。第2の電極3は後述するギャップを形成する 域に形成されていればよいものである。従 て、第2の電極3の材料コストを削減するた にも、また第2の電極3の形成に用いるスパッ タ用マスクパターンの寿命を長くするために も、第2の電極3はアルミナ基板1および第1の 極2との密着性が良好に得られる範囲内で、 3A、図3Bに示すように第1の電極2の一部を覆 ように形成することが好ましい。また、こ 第2の電極3を構成するタングステンの熱膨 係数は4.3×10 -6 ~4.5×10 -6 /Kであり、アルミナ基板1の熱膨張係数である 6.4×10 -6 ~8.0×10 -6 /Kに近い値であるため、第2の電極3とアルミ 基板1との密着性も良好となる。なお、第2の 電極3を形成するのに用いるスパッタ装置は インライン方式のDCスパッタ装置を使用し、 そして出力3KW、アルゴンガス圧0.5~4.5mmTorr(66~6 00Pa)の成膜条件により30~60分間成膜を行った また、第2の電極3の幅Aは図3B、図3Dに示すよ に第1の電極2の幅Bより大きくして、アルミ 基板1との密着性を確保している。

 次に、図4A、図4Bに示すように、第2の電 3の略中央部をUVレーザーを用いて切断する とにより、幅約10μmのギャップ4を形成する ここで第2の電極3は融点の高い材料であるタ ングステンを用いてマスクスパッタすること により薄膜状態に形成されているため、その 厚みは薄い。したがって、比較的低い出力で ある0.2Wの出力のUVレーザーを用いて第2の電 3を物理的に切削してギャップ4を確実に精度 良く形成することが可能となる。これは、フ ォトリソグラフィーのプロセスによって第2 電極3の間にギャップを形成する場合と比べ 場合、ギャップ4のショート不良が起こりに くいものである。

 次に、図4C、図4Dに示すように、一対の第 1の電極2の一部を覆うように、樹脂銀ペース からなる一対の再上面電極5を、スクリーン 印刷法を用いて3~20μmの厚みで印刷し、100~200 で5~15分間乾燥させることにより形成する。

 次に、図5A、図5Bに示すように、アルミナ 基板1の裏面に、樹脂銀ペーストからなる一 の裏面電極6をスクリーン印刷法を用いて3~20 μmの厚みで印刷し、かつ100~200℃で5~15分間乾 させることにより形成する。ここで裏面電 6は、アルミナ基板1の短辺側を跨ぐ部分の を他の部分の幅よりも狭くしている。すな ち、シート状のアルミナ基板の個片領域に 目した場合、その両端部をT字型に形成して るものである。このような構成にすれば、 次分割ラインに相当するアルミナ基板1の短 辺側に沿ってダイシングを行うことにより、 短冊状基板に分割した際にバリが発生しにく く、微小サイズの静電気対策部品を製造する 際に、その寸法精度が向上する効果が得られ るものである。

 次に、図5C、図5Dに示すように、ギャップ 4と第2の電極3の一部を覆うように過電圧保護 材料ペーストをスクリーン印刷法を用いて5~5 0μmの厚みで印刷し、約150℃で5~15分間乾燥さ ることにより過電圧保護材料層7を形成する 。この過電圧保護材料層7を構成する過電圧 護材料ペーストは、平均粒径が0.3~10μmで球 のNi,Al,Ag,Pd,Cu等のいずれかからなる金属粉と メチルシリコーン等のシリコーン系樹脂の混 合物に適当な有機溶剤を加え、これらを3本 ールミルにより混練・分散させることによ て作製している。

 次に、図5Eに示すように、過電圧保護材料 7を覆うように中間層用ペーストをスクリー 印刷法を用いて5~50μmの厚みで印刷する。こ のとき、とりわけギャップ4の上部に位置す 過電圧保護材料層7とほぼ同じ大きさで完全 覆うように印刷し、約150℃で5~15分間乾燥さ せることにより中間層8を形成する。この中 層8を形成する中間層用ペーストは、平均粒 が0.3~10μmのAl 2 O 3 ,SiO 2 ,MgOあるいはこれらの複合酸化物等からなる 縁体粉とメチルシリコーン等のシリコーン 樹脂の混合物に適当な有機溶剤を加え、こ らを3本ロールミルにより混練・分散させる とによって作製した。なお、ここでは十分 静電気耐量を得るために、過電圧保護材料 7と中間層8の乾燥後の厚みの和は30μm以上と している。なお、過電圧保護材料層7の厚み 十分厚く、静電気耐量が所望の条件を満た 場合には、中間層8は必ずしも形成する必要 ないものである。

 次に、図6A、図6Bに示すように、中間層8 完全に覆い、かつ両端に一対の再上面電極5 端部が露出した状態となるように、エポキ 樹脂、フェノール樹脂等からなる保護樹脂 ーストをスクリーン印刷法を用いて印刷し 約150℃で5~15分間乾燥させる。その後、150~20 0℃で15~60分間硬化させることにより、保護樹 脂層9を形成する。この場合、保護樹脂層9の 燥後の厚みは15~35μmとする。

 次に、図6C、図6Dに示すように、アルミナ 基板1の両端部に、樹脂銀ペーストを塗布す ことによって第1の電極2、再上面電極5およ 裏面電極6と電気的に接続される端面電極10 形成する。具体的には、図示していないが 集合アルミナ基板を一次分割ラインに相当 るアルミナ基板1の短辺側に沿ってダイシン することによって短冊状の基板を作成する この短冊状基板の端面に、上述の方法で、 面電極10を形成する。

 最後に、図7A、図7Bに示すように、端面電 極10を覆うように、ニッケルめっき層11と錫 っき層12を形成する。図示していないが、二 次分割ラインに相当するアルミナ基板1の長 側に沿って分割することによって個片状の 板を作成する。この個片状基板の端面に、 レルめっき法を用いて、ニッケルめっき層11 と銅めっき層12とを形成する。このようにし 本発明の実施の形態1における静電気対策部 品を得ることができる。

 上記製造方法によって製造された本発明 実施の形態1における静電気対策部品は、通 常使用時(定格電圧下)においては、対向する 2の電極3に形成したギャップ4を覆う過電圧 護材料層7のシリコーン系樹脂が絶縁性を有 するため、電気的にオープンになっている。 しかしながら、静電気パルス等の高電圧が印 加された場合には、過電圧保護材料層7中の リコーン系樹脂を介して存在する金属粒子 で放電電流が生じてインピーダンスが著し 減少する。本発明の実施の形態1における静 気対策部品はその現象を利用して静電気パ ス、サージ等の異常電圧をグランドにバイ スさせるものである。

 次に、上記のように構成した本発明の実 の形態1における静電気対策部品について、 以下に示すような試験を実施した。図8に示 ように、本発明の実施の形態1における静電 対策部品13の一方の端子をグランド14に接地 するとともに、他方の端子から引き出した静 電気パルス印加部15に静電気試験ガン16を接 させて静電気パルスを印加した。静電気試 の条件は放電抵抗を330ω、放電容量を150pF、 加電圧を8kVとした。

 図9は、図8に示す静電気試験の試験結果 示したグラフである。このグラフにおいて 横軸は静電気パルスを印加した繰り返し回 を示し、また縦軸はその際のピーク電圧を す。なお、ピーク電圧の増加は電極の劣化 表すものである。

 この図9は、以下の条件の静電気対策部品の それぞれの試験結果を示したものである。
(1)第1の電極2:金のギャップ幅50μmと第2の電極 3:タングステンのスパッタ膜厚0.7μmを組み合 せた静電気対策部品、
(2)第1の電極2:金のギャップ幅100μmと第2の電 3:タングステンのスパッタ膜厚1.4μmを組み合 わせた静電気対策部品、
(3)第1の電極2:レジネート金で構成した静電気 対策部品(従来品)、
(4)第1の電極2:タングステンのスパッタ膜厚0.7 μmで構成した静電気対策部品、
(5)第1の電極2:タングステンのスパッタ膜厚1.4 μmで構成した静電対策部品。

 図9から明らかなように、繰り返し回数の 初期(1回)においては、条件(4)の静電気対策部 品と、条件(5)の静電気対策部品は、第1の電 2の抵抗が高いため、ピーク電圧が高めとな ている。また、繰り返し回数10回において 、条件(1)の静電気対策部品と、条件(2)の静 気対策部品とは、条件(3)の静電気対策部品( 来品)とピーク電圧が同等程度になっている 。条件(4)の静電気対策部品と、条件(5)の静電 気対策部品は、ピーク電圧のばらつきが大き く不安定となっている。繰り返し回数100回以 降においては、条件(3)の静電気対策部品(従 品)はピーク電圧が1000Vとなって完全に破壊 る状態となった。しかし、条件(1)の静電気 策部品と、条件(2)の静電気対策部品とは、 に比べて、ピーク電圧が低く静電気放電(ESD) の抑制特性が安定している。このように、融 点の高い材料からなる第2の電極3を第1の電極 2よりも膜厚の薄い状態に設け、第2の電極3の 間にギャップ4を形成したことにより、静電 の繰り返し印加に対しても耐性がある静電 対策部品を得ることができる。

 また、上記本発明の実施の形態1において は、過電圧保護材料層7を覆う中間層8を設け とともに、この中間層8および過電圧保護材 料層7を保護樹脂層9で完全に覆うようにして るため、静電気パルス印加時に生じる最外 に位置する保護樹脂層9の絶縁劣化を防ぐこ とができる。

 そしてまた、この本発明の実施の形態1に おいては、第1の電極2の一部に重なるように 上面電極5を形成しているため、錫めっき層 12と保護樹脂層9の隙間から流入する実装時の はんだが第1の電極2と直接接するということ ない。しかも、はんだは再上面電極5と接す るため、第1の電極2にはんだ食われ現象が生 て抵抗値が上昇し静電気抑制効果が低下す ということもなく、静電気抑制効果が安定 ている静電気対策部品が得られるものであ 。

 なお、本発明の実施の形態1においては、 引出電極を構成する一対の第1の電極2を金を 成分とする材料で構成するとともに、この 対の第1の電極2間に位置して設けられる第2 電極3をタングステンを主成分とする材料で 構成したものについて説明した。しかし、上 記タングステンの代わりにモリブデンを主成 分とする材料で第2の電極3を構成した場合で 、上記本発明の実施の形態1と同様の効果が 得られるものである。

 また、上記本発明の実施の形態1において は、引出電極を構成する一対の第1の電極2を を主成分とする材料で構成するとともに、 の一対の第1の電極2間に位置して設けられ 第2の電極3をタングステンを主成分とする材 料で構成するという表現をしている。しかし 、これは、金やタングステンを用いて第1の 極2や第2の電極3を構成した場合、何らかの 純物が混入している可能性があることを考 して表現しているものであって、合金を意 するものではない。

 そしてまた、本発明の実施の形態1におい ては、アルミナ基板1の両端部に一対の第1の 極2を形成した後、この第1の電極2の一部を うように第2の電極3を形成するようにして る。しかし、この形成順序を逆にすること できる。図10は本発明の実施の形態1の他の 電気対策部品の断面図である。図10に示すよ うにアルミナ基板1の略中央部に第2の電極3を 形成した後、この第2の電極3の一部を覆うよ にアルミナ基板1の両端部に一対の第1の電 2を形成するようにしてもよく、この場合に いても、上記本発明の実施の形態1と同様の 効果が得られるものである。

 なお、この第1の電極2の焼成後の厚みは2~ 20μmであり、好ましくは2~10μmである。第1の 極2の厚みが厚い方が抵抗値は低くなり、抵 値を低くするということでは有利であるが 膜厚を過度に厚くすると電極の存在する箇 と存在しない箇所の段差が大きくなり、そ 上に形成する過電圧保護層7や中間層8を均 に形成しにくくなる。

 (実施の形態2)
 以下、実施の形態2の静電気対策部品および その製造方法について、図面を参照しながら 説明する。本発明の実施の形態2における静 気対策部品は、第2の電極3をニッケルを主成 分とする材料で構成している。その点を除け ば、上記した本発明の実施の形態1と同じ構 である。そのため、その断面図は図1と同様 あり、またその製造方法を示す製造工程図 図2A~図7Bと同様である。さらにその静電気 験方法も、実施の形態1と同じ図8を用いた方 法で行った。同様であるため、その断面図、 製造工程図および静電気試験方法の説明は省 略する。

 上記のように構成した本発明の実施の形 2における静電気対策部品において、静電気 試験を実施した結果は図11のグラフに示す通 である。この図11のグラフにおいて、横軸 静電気パルスを印加した繰り返し回数を示 、また縦軸はその際のピーク電圧を示す。 ーク電圧の増加は電極の劣化を表すもので る。

 この図11は、以下の条件の静電気対策部品( 来品)のそれぞれの試験結果を示したもので ある。
(1)第1の電極2:金のギャップ幅50μmと第2の電極 3:ニッケルのスパッタ膜厚0.5μmを組み合わせ 静電気対策部品、
(2)第1の電極2:金のギャップ幅50μmと第2の電極 3:ニッケルのスパッタ膜厚1.5μmを組み合わせ 静電気対策部品、
(3)第1の電極2:レジネート金で構成した静電対 策部品。

 図11から明らかなように、繰り返し回数 初期(1回)においては、上記3種類の静電気対 部品は、ピーク電圧に大差は見られない。 り返し回数10回においては、条件(2)の静電 対策部品が、他の2種類の静電気対策部品に べてピーク電圧が低く、良好になっている また繰り返し回数100回以降においては、条 (3)の静電気対策部品(従来品)が、ピーク電 が1000Vとなって完全に破壊する状態となった 。しかし、条件(1)の静電気対策部品と、条件 (2)の静電気対策部品は、従来品に比べて、ピ ーク電圧が低く静電気放電(ESD)の抑制特性が 定している。これらは、それとともに、静 気の繰り返し印加に対しても耐性を有して る。このことから、第2の電極にタングステ ン薄膜を用いた本発明の実施の形態1よりも 更に良好な特性が得られている。

 この理由は、次のように考えられる。ニ ケルの融点は1455℃であって、タングステン の融点3407℃に比べると低いが金の融点1064℃ りも高いため、引出電極がレジネート金の 層構造である従来の構成と比べた場合、耐 性に優れた効果が期待できる。元来、タン ステンは融点が極めて高いため、耐熱性に 優れているものの、その薄膜は酸化しやす 、そしてこの酸化反応が進行してタングス ン薄膜の抵抗値が高くなるものである。こ に対し、ニッケル薄膜はその表面に酸化膜 強固に、かつ緻密に形成されて内部まで酸 反応が進行しないため、薄膜の抵抗が安定 て低く保たれることになり、これにより、 電気対策部品にかかるピーク電圧が低く静 気放電(ESD)の抑制特性が静電気放電を繰り した後も安定している静電気対策部品を得 ことができるものである。タングステン薄 がニッケル薄膜よりも酸化しやすいことを かめるために、静電気対策部品のピーク電 を耐湿試験実施前と耐湿試験実施後で比較 た結果、第1の電極2が金で第2の電極3がタン ステンの組合せにおいては、耐湿試験後の ーク電圧が耐湿試験前に比べて50~100%高くな った。これに対して、第1の電極2が金で第2の 電極3がニッケルの組合せにおいては、耐湿 験後のピーク電圧が耐湿試験前に比べてほ んど変わらないものであった。

 ちなみにニッケルの比抵抗は6.8μωcmであ て、タングステンの比抵抗5.5μωcmに比べる 若干高いものの、前述した酸化しにくい性 が抵抗値を低く安定化することに大きく寄 する。このため、ニッケルを用いたものは 図11に示すように、タングステンを用いた 合に比べて良好な特性が得られるものであ 。

 なお、上記本発明の実施の形態2において は、上記した本発明の実施の形態1と同様に 過電圧保護材料層7を覆う中間層8を設けると ともに、この中間層8および過電圧保護材料 7を保護樹脂層9で完全に覆うようにしている 。このため、静電気パルス印加時に生じる最 外層に位置する保護樹脂層9の絶縁劣化を防 ことができる。

 また、上記本発明の実施の形態2において は、上記した本発明の実施の形態1と同様に 第1の電極2の一部に重なるように再上面電極 5を形成しているため、錫めっき層12と保護樹 脂層9の隙間から流入する実装時のはんだが 1の電極2と直接接するということはなくなる 。そして、はんだは再上面電極5と接するた 、第1の電極2にはんだ食われ現象が生じて抵 抗値が上昇し静電気抑制効果が低下するとい うこともなくなる。即ち、静電気抑制効果が 安定している静電気対策部品が得られるもの である。

 上記本発明の実施の形態2においては、引 出電極を構成する一対の第1の電極2を金を主 分とする材料で構成するとともに、この一 の第1の電極2間に位置して設けられる第2の 極3をニッケルを主成分とする材料で構成す るという表現をしている。しかし、これは、 金やニッケルを用いて第1の電極2や第2の電極 3を構成した場合、何らかの不純物が混入し いる可能性が有ることを考慮して表現して るものであって、合金を意味するものでは い。

 さらに、上記本発明の実施の形態2におい ては、アルミナ基板1の両端部に一対の第1の 極2を形成した後、この第1の電極2の一部を うように第2の電極3を形成するようにして る。しかし、この形成順序を逆にして、図10 に示すようにアルミナ基板1の略中央部に第2 電極3を形成した後、この第2の電極3の一部 覆うようにアルミナ基板1の両端部に一対の 第1の電極2を形成するようにしてもよい。実 の形態1と同じく、この場合においても、上 記本発明の実施の形態2と同様の効果が得ら るものである。

 (実施の形態3)
 以下、実施の形態3を用いて、静電気対策部 品およびその製造方法について、図面を参照 しながら説明する。

 本発明の実施の形態3における静電気対策 部品は、第2の電極3をアルミニウムを主成分 する材料で構成している。この点を除けば 上記した本発明の実施の形態1と同じ構成で あるため、その断面図は図1と同様であり、 たその製造方法を示す製造工程図も図2A~図7B と同様であり、さらにその静電気試験方法も 図8で説明したものと同様である。このため その断面図、製造工程図および静電気試験 法の説明は省略する。

 上記のように構成した本発明の実施の形 3における静電気対策部品において静電気試 験を実施した結果は、図12のグラフに示す通 である。この図12のグラフにおいて、横軸 静電気パルスを印加した繰り返し回数を示 、また縦軸はその際のピーク電圧を示す。 お、ピーク電圧の増加は電極の劣化を表す のである。

 この図12は、以下の条件の静電対策部品の 験結果を示したものである。
(1)第1の電極2:金のギャップ幅50μmと第2の電極 3:アルミニウムのスパッタ膜厚1.0μmを組み合 せた静電気対策部品、
(2)第1の電極2:レジネート金で構成した静電気 対策部品(従来品)。

 上記図12から明らかなように、繰り返し 数の初期(1回)においては、上記2種類の静電 対策部品のピーク電圧に大差は見られない 、繰り返し回数10回以上においては、条件(1 )の静電気対策部品が、条件(2)の従来品の静 気対策部品に比べてピーク電圧が低くなっ 、良好である。

 この理由は、次のように考えられる。ア ミニウムの融点は660℃であって、タングス ンの融点3407℃、金の融点1064℃と比べると いが、第2の電極3を構成するアルミニウムの スパッタ膜の表面は緻密な酸化アルミニウム の皮膜で覆われており、この酸化アルミニウ ムは融点が2020℃と高く、引出電極をレジネ ト金のみで構成した従来品と比べて耐熱性 優れているものである。アルミニウムのス ッタ膜で構成される第2の電極3とアルミナ基 板1との界面では酸化反応が生じて酸化アル ニウムが存在するようになり、この酸化ア ミニウムと金属アルミとの界面は明確に分 しているのではなく、ほぼ連続的に組成が 化している状態である。このためアルミナ 板1と第2の電極3との密着性は極めて良好な のである。また、第1の電極2と第2の電極3の 気的導通については、第1の電極2が金を主 分とする厚膜材料でその表面はほとんど酸 されておらず適度な凹凸を有している。そ ため、第1の電極2と第2の電極3との界面には 気的導通を阻害する酸化アルミニウムがほ んど存在せず、第1の電極2と第2の電極3との 間には良好な電気的導通が確保されているも のである。

 ちなみにアルミニウムの比抵抗は2.6μωcm あって、タングステンの比抵抗5.5μωcmの半 以下と低く、第2の電極3はアルミニウムの つ抵抗値の低い性質と酸化アルミニウムの つ耐熱性に優れた性質との相乗効果によっ 、図12に示すような良好な特性が得られるも のである。

 なお、上記本発明の実施の形態3において は、上記した本発明の実施の形態1と同様に 過電圧保護材料層7を覆う中間層8を設けると ともに、この中間層8および過電圧保護材料 7を保護樹脂層9で完全に覆うようにしている 。このため、静電気パルス印加時に生じる最 外層に位置する保護樹脂層9の絶縁劣化を防 ことができるものである。

 また、上記本発明の実施の形態3において は、上記した本発明の実施の形態1と同様に 第1の電極2の一部に重なるように再上面電極 5を形成している。このため、錫めっき層12と 保護樹脂層9の隙間から流入する実装時のは だが第1の電極2と直接接するということはな くなる。そしてはんだは再上面電極5と接す ため、第1の電極2にはんだ食われ現象が生じ て抵抗値が上昇し静電気抑制効果が低下する ということもない。即ち、静電気抑制効果が 安定している静電気対策部品が得られるもの である。

 上記本発明の実施の形態3においては、引 出電極を構成する一対の第1の電極2を金を主 分とする材料で構成するとともに、この一 の第1の電極2間に位置して設けられる第2の 極3をアルミニウムを主成分とする材料で構 成するという表現をしている。これは、金や アルミニウムを用いて第1の電極2や第2の電極 3を構成した場合、何らかの不純物が混入し いる可能性が有ることを考慮して表現して るものであって、合金を意味するものでは い。

 さらに、上記本発明の実施の形態3におい ては、アルミナ基板1の両端部に一対の第1の 極2を形成した後、この第1の電極2の一部を うように第2の電極3を形成するようにして る。この形成順序を逆にして、図10に示すよ うにアルミナ基板1の略中央部に第2の電極3を 形成した後、この第2の電極3の一部を覆うよ にアルミナ基板1の両端部に一対の第1の電 2を形成するようにしてもよい。実施の形態1 で述べたのと同様に、この場合においても、 上記本発明の実施の形態3と同様の効果が得 れるものである。

 以上のように、本発明では、絶縁基板で るアルミナ基板1と密着性の高い第2の電極3 設けることにより、第2の電極に10μm程度の いギャップを確実に精度良く形成すること 可能である。更に、引出電極がアルミナ基 1から剥離するのを抑制できるため、静電気 の繰り返し印加に対して耐性があり、かつ静 電気対策部品にかかるピーク電圧が低く静電 気放電(ESD)の抑制特性が安定している静電気 策部品を得ることができるという作用効果 有する。

 また、本発明では、第1の電極2を金を主 分とする材料で構成するとともに、第2の電 3をタングステンもしくはモリブデンを主成 分とする薄膜材料で構成した。この構成によ れば、引出電極を構成する第1の電極2を金を 成分とする材料で構成しているため、腐食 れにくく耐硫化特性に優れた静電気対策部 を得ることができる。また、第2の電極3は タングステンもしくはモリブデンを主成分 する薄膜材料で構成している。このタング テン、モリブデンは融点が高いという特徴 有しているため、これらのいずれかを主成 とする材料を用いて薄膜の第2の電極3を形成 することにより、この第2の電極3の間にギャ プ4を形成する場合、比較的低い出力のレー ザーで第2の電極3を切削することが可能とな 。これにより、静電気対策部品にかかるピ ク電圧が低く静電気放電(ESD)の抑制特性が 定している静電気対策部品を得ることがで る。

 また、タングステンの熱膨張係数は4.3×10 -6 ~4.5×10 -6 /K、モリブデンの熱膨張係数は5.1×10 -6 /Kであり、アルミナ基板1の熱膨張係数6.4×10 -6 ~8.0×10 -6 /Kと近いものである。このため、第2の電極3 アルミナ基板1との密着性が極めて良好であ 、静電気を繰り返し印加した場合の発熱が 因で引出電極が損傷する可能性が低く、こ により、静電気対策部品にかかるピーク電 が低く静電気放電(ESD)の抑制特性が安定し いる静電気対策部品を得ることができる。

 また、本発明では、第1の電極2を金を主 分とする材料で構成するとともに、第2の電 をニッケルを主成分とする薄膜材料で構成 た。この構成によれば、引出電極を構成す 第1の電極2を金を主成分とする材料で構成 ているため、腐食されにくく耐硫化特性に れた静電気対策部品を得ることができる。 た、第2の電極3は、ニッケルを主成分とする 薄膜材料で構成している。このニッケルは融 点が高く耐熱性に優れた特徴を有しているた め、ニッケルを主成分とする薄膜材料を用い て第2の電極3を形成することにより、この第2 の電極3の間にギャップ4を形成する場合、比 的低い出力のレーザーで第2の電極3を切削 ることが可能となり、耐熱性に優れた引出 極が得られるものである。また、ニッケル 表面酸化膜が強固に、かつ緻密に形成され 内部まで酸化反応が進行しない。このため ニッケルを主成分とする第2の電極3の抵抗値 も安定して低く保たれることになり、これに より、静電気対策部品にかかるピーク電圧が 低く静電気放電(ESD)の抑制特性が安定してい 静電気対策部品を得ることができるもので る。

 また、本発明では、第2の電極3をアルミ ウムを主成分とする薄膜材料で構成してい 。この構成によれば、引出電極を構成する 1の電極2を金を主成分とする材料で構成して いるため、腐食されにくく耐硫化特性に優れ たものを得ることができる。また、第2の電 3は、アルミニウムを主成分とする薄膜材料 構成しているもので、アルミニウムを主成 とする薄膜材料を用いて第2の電極を形成す ることにより、この第2の電極3の間にギャッ を形成する場合、比較的低い出力のレーザ で第2の電極を切削することが可能となる。 また、アルミニウムを主成分とする薄膜材料 がアルミナ基板1と接する部分においては酸 アルミニウムが存在し、このため、アルミ 基板1と第2の電極3とが接する部分において 、第2の電極3の熱膨張係数がアルミナ基板1 熱膨張係数と近くなる。このため、第2の電 3とアルミナ基板1との密着性が極めて良好 なるものである。さらに、アルミニウムを 成分とする薄膜は、その表面に耐熱性に優 た酸化アルミニウムが強固に、かつ緻密に 成されて内部まで酸化反応が進行しないた 、アルミニウムを主成分とする第2の電極3の 抵抗値も安定して低く保たれることになる。 これにより、静電気対策部品にかかるピーク 電圧が低く静電気放電(ESD)の抑制特性が安定 ている静電気対策部品を得ることができる のである。

 本発明の製造方法では、アルミナ基板1の 上面に比抵抗が小さい材料からなる厚膜の第 1の電極2を形成するステップを備えているた 、引出電極を構成する第1の電極2自体の抵 を低減させることができる。これにより、 電気の印加時に流れる電流による発熱を抑 することができる。また、第1の電極2間に位 置して第1の電極2と電気的に接続されるよう 融点の高い材料からなる第2の電極3を膜厚 薄い状態に形成するとともに、この第2の電 3の間にギャップを形成しているため、静電 気印加による電極の損傷を抑制しながら、第 2の電極3に10μm程度の狭いギャップを確実に 度良く形成することが可能となる。これに り、静電気の繰り返し印加に対して耐性が り、かつ静電気対策部品にかかるピーク電 が低く静電気放電(ESD)の抑制特性が安定して いる静電気対策部品を得ることができるもの である。

 本発明の製造方法では、アルミナ基板1の上 面に比抵抗が小さい材料からなる厚膜の第1 電極を形成しているため、引出電極を構成 る一対の第1の電極2自体の抵抗を低減させる ことができる。なお、厚膜の比抵抗が小さい とは、少なくとも金レジネートペーストによ るものと同等またはそれより低いことが好ま しく、数値的には、1×10 -2 ωcm以下が好ましい。これにより、静電気の 加時に流れる電流による発熱を抑制するこ ができる。また、第1の電極2間に位置して第 1の電極2と電気的に接続されるようにアルミ 基板1と密着性の高い材料からなる第2の電 3を膜厚の薄い状態に形成するとともに、こ 第2の電極3の間にギャップ4を形成している め、第2の電極3に10μm程度の狭いギャップを 確実に精度良く形成することが可能である。 かつアルミナ基板1と密着性の高い薄膜の第2 電極3を設けることにより、引出電極がアル ミナ基板1から剥離するのを抑制できる。こ ため、静電気の繰り返し印加に対して耐性 あり、かつ静電気対策部品にかかるピーク 圧が低く静電気放電(ESD)の抑制特性が安定し ている静電気対策部品を得ることができると いう作用効果を有するものである。なお、こ こで、膜厚が薄いということは、通常の抵抗 器などに用いられる一般的な厚膜電極よりも 膜厚が薄いという意味であり、数値的には、 約2μm未満の膜厚が好ましい。

 本発明の製造方法では、引出電極を構成 る厚膜の第1の電極2を金を主成分とする材 を用いて印刷焼成技術により形成している め、腐食されにくく耐硫化特性に優れた静 気対策部品を得ることができる。また、薄 の第2の電極3は、タングステンもしくはモリ ブデンを主成分とする材料をスパッタリング することにより形成し、さらにギャップ4を 第2の電極3をレーザーで切削することにより 形成している。このタングステン、モリブデ ンは融点が高いという特徴を有しているため 、いずれかを主成分とする材料を用いて薄膜 の第2の電極3を形成することにより、この第2 の電極3にギャップ4を形成する場合、比較的 い出力のレーザーで第2の電極3を切削する とが可能となる。これにより、静電気対策 品にかかるピーク電圧が低く静電気放電(ESD) の抑制特性が安定している静電気対策部品を 得ることができるものである。

 更に、本発明の製造方法では、引出電極 構成する厚膜の第1の電極2を金を主成分と る材料を用いて印刷焼成技術により形成し いるため、腐食されにくく耐硫化特性に優 た静電気対策部品を得ることができる。ま 、薄膜の第2の電極3は、ニッケルを主成分と する材料をスパッタリングすることにより形 成し、さらにこの第2の電極3にギャップをレ ザーで切削することにより形成している。 のため、ニッケルを主成分とする材料を用 て薄膜の第2の電極3を形成してこの第2の電 にギャップを形成する場合、比較的低い出 のレーザーで第2の電極3を切削することが 能となる。また、ニッケルは融点が高く、 面酸化膜が強固かつ緻密に形成されて内部 で酸化反応が進行しないため、ニッケルを 成分とする第2の電極3の抵抗値も安定して低 く保たれることになる。これにより、静電気 対策部品にかかるピーク電圧が低く静電気放 電(ESD)の抑制特性が安定している静電気対策 品を得ることができるものである。

 また、本発明の製造方法によれば、引出電 を構成する第1の電極2を金を主成分とする 料で構成している。このため、腐食されに く耐硫化特性に優れた静電気対策部品を得 ことができる。また、第2の電極3は、アルミ ニウムを主成分とする材料をスパッタリング することにより形成しているため、この第2 電極3にギャップを形成する場合、比較的低 出力のレーザーで第2の電極3を切削するこ が可能となる。また、アルミニウムを主成 とする薄膜材料をスパッタリングにより形 する場合には、この薄膜材料がアルミナ基 と接する部分においては酸化アルミニウム 存在するため、アルミナ基板1と第2の電極3 が接する部分においては第2の電極3の熱膨張 係数がアルミナ基板1の熱膨張係数6.4×10 -6 ~8.0×10 -6 /Kと近くなる。これにより、第2の電極3はア ミナ基板1との密着性が極めて良好となる。 らに、第2の電極3は、その表面に耐熱性に れた酸化アルミニウムの薄膜が強固に、か 緻密に形成されることによって内部まで酸 反応が進行しない。このため、アルミニウ を主成分とする第2の電極3の抵抗値は安定し て低く保たれることになり、これにより、静 電気対策部品にかかるピーク電圧が低く静電 気放電(ESD)の抑制特性が安定している静電気 策部品を得ることができるという作用効果 有するものである。

 なお、ここで取り上げた金属の融点は、 ングステンが3407℃、モリブデンが2620℃、 ッケルが1455℃、金が1064℃、アルミが660℃で ある。融点の高い材料として効果があったの は、ニッケル以上である。即ち、本発明で言 う融点が高い材料とは約1400℃以上のもので る。

 また、各実施の形態で取り上げた金属がア ミナ基板と密着性が良いというのは、熱膨 係数がアルミナ基板と近いことに起因して る。即ち、タングステンの熱膨張係数は4.3 10 -6 ~4.5×10 -6 /K、モリブデンの熱膨張係数は5.1×10 -6 /Kであり、アルミナ基板1の熱膨張係数6.4×10 -6 ~8.0×10 -6 /Kと近いものである。以上より、熱膨張係数 、少なくとも4.3×10 -6 ~8.0×10 -6 /Kの範囲の金属は、アルミナ基板と密着性が いと言える。

 また、絶縁基板については、誘電率が低 、難燃性であり、好ましくは熱膨張係数が 2の電極と近いものであれば良く、各実施例 で取り上げたアルミナ基板1に限るものでは い。窒化アルミニウムやムライト-シリカ系 ラミック、ホウ酸塩セラミックなどが使用 能である。

 本発明に係る静電気対策部品は、引出電 を構成する第1の電極の発熱および損傷を低 減させることができ、かつ第2の電極のギャ プ幅を狭くかつ精度良く形成できる。これ より、静電気の繰り返し印加に対して耐性 あり、かつ静電気対策部品にかかるピーク 圧が低く静電気放電(ESD)の抑制特性が安定し ているという効果を有するものであり、特に 電子機器を静電気から保護する微小サイズの 静電気対策部品に適用することにより有用と なる。