| JP3079295 | STEEL CORD FOR REINFORCING RUBBER |
| JP2000017589 | COLORED SHEATH CABLE |
| JP08325964 | STEEL WIRE AND STEEL CORD FOR RUBBER REINFORCEMENT |
株式会社ブリヂストン (〒40 東京都中央区京橋1丁目10番1号 Tokyo, 1048340, JP)
| 2本または3本のコアフィラメントからなるコアと、該コアの周囲に配置された少なくとも1層のシースとからなる層撚り構造を有するストランドが、複数本にて撚り合わされてなる複撚り構造のゴム物品補強用スチールコードにおいて、 前記ストランドの最外層シースを構成するフィラメント同士の隙間が、該最外層シースフィラメントの径の0.5~4.0%であることを特徴とするゴム物品補強用スチールコード。 |
| 前記ストランドのうち、シースストランドの撚り角が1.4rad以上である請求項1記載のゴム物品補強用スチールコード。 |
| 前記最外層シースフィラメントの撚り方向と、前記ストランドのうちシースストランドの撚り方向とが同一である請求項1記載のゴム物品補強用スチールコード。 |
| 前記ストランドを構成する全てのフィラメントの抗張力が3,040N/mm 2 以上である請求項1記載のゴム物品補強用スチールコード。 |
| 前記ストランドを構成するフィラメントの炭素含有量が0.80重量%以上である請求項1記載のゴム物品補強用スチールコード。 |
| 請求項1記載のゴム物品補強用スチールコードを、補強材として用いたことを特徴とする空気入りタイヤ。 |
本発明はゴム物品補強用スチールコード よびそれを用いた空気入りタイヤ(以下、単 に「コード」および「タイヤ」とも称する) 関し、詳しくは、空気入りタイヤやコンベ ベルト等の各種ゴム物品の補強用に用いら るゴム物品補強用スチールコードおよびそ を用いた空気入りタイヤに関する。
一般に、建設用車輌用タイヤにおけるカ カスプライおよびベルトプライの補強や、 ンベアベルトの補強に使用されるスチール ードには、高い強力が必要とされる。その め、これら用途には、複数本のスチールフ ラメントを撚り合わせたストランドを、さ に撚り合わせてなる複撚り構造のスチール ードが広く使用されている。
一方で、タイヤについては、近年の環境 題やエネルギーの高効率化に関する要請に えるべく、軽量化、低転がり抵抗化による 燃費化および輸送費の抑制が求められてい 。このため、スチールコードの強力を増加 せる手段として、材質(特に、炭素含有量) 加工法(例えば、減面率)を変えることで、フ ィラメントの強力を高める工夫がなされてい る。
しかし、フィラメントの抗張力を高める とでコード強力を高める従来の方法は、単 り構造や通常の層撚り構造のスチールコー には有効であるものの、複数本のスチール ィラメントを撚り合わせたストランドから る複撚り構造のスチールコードにおいては 十分有効なものではなかった。これは、か る複撚り構造のコードにおいては、ストラ ド同士またはフィラメント同士の接触状態 影響により、フィラメント強力の上昇分が のままコード強力の上昇に繋がらないため ある。そのため、この問題を解消する目的 、これまでに様々な改良がなされてきてい 。
複撚り構造のスチールコードの改良に関し 、例えば、特許文献1には、(1+6+12)+6×(1+6+12) らなる7×19構造のゴム補強用スチールコー について、シースストランドにおける最外 のフィラメントの抗張力と、隣接する内層 フィラメントの抗張力とを、特定の比率で 定することにより、高いコード強力を得る 術が開示されている。また、特許文献2には 複撚り構造のゴム物品補強用スチールコー において、ストランドを構成する最外層シ スフィラメントの抗張力を3,040N/mm 2 以下とし、最外層シースフィラメントを除く すべての内側のフィラメントの抗張力を3,140N /mm 2 以上とすることで、高いコード強力を得る技 術が開示されている。
さらに、特許文献3には、ストランドを構成
する最外層フィラメントをその内側のフィラ
メントよりも太径として、その先行破断を回
避することにより高いコード強力を得る技術
が開示されており、特許文献4には、ストラ
ドを構成するフィラメントの抗張力に関し
「ストランドの中心に近い層のフィラメン
抗張力≧ストランドの中心から遠い層のフ
ラメント抗張力」と規定するとともに、ス
ランドの平均抗張力に関して「コードの中
に近い層のストランドの平均抗張力<コー
の中心から遠い層のストランドの平均抗張
」と規定することにより、フィラメントの
行破断を防止して、高いコード強力を得る
術が開示されている。
上記のうち、特許文献2に記載されたスチー ルコードでは、ストランドを構成する最外層 シースフィラメントの抗張力を3,040N/mm 2 以下、最外層シースフィラメントを除くすべ ての内側のフィラメントの抗張力を3,140N/mm 2 以上としているが、標準的なストランド構造 である3+9、3+9+15、1+6+12構造では、最外層シー スフィラメントの本数が半数以上を占めてい る。したがって、これらストランド構造にお いては、さらなる強力の向上を狙って内層の フィラメントの強力を10%上げたとしても、ト ータルのコード強力としては、その上げ分の 半分の5%以下にしかならないことになる。
すなわち、フィラメントの抗張力を高めて ード強力を高める従来の方法は、単撚り構 や通常の層撚り構造のスチールコードには 効であり、また、複数本のスチールフィラ ントを撚り合わせたストランドとした複撚 構造のスチールコードにおいても、フィラ ントの抗張力が3,040N/mm 2 以下の場合には有効であるが、それ以上にな ると、フィラメントの抗張力の上昇の分だけ コード強力が上昇しないという問題があった 。
また、特許文献3に記載されたスチールコ ードも、実際のタイヤに適用されてきており 、ストランドを構成する最外層フィラメント をその内側のフィラメントよりも太径とする ことによって、製造直後ではその効果が十分 に発揮され、高強力のスチールコードを得る ことができるものである。しかしその一方、 長期にわたり保管された場合や、タイヤ製造 時の熱履歴の影響によって、そのコード強力 が製造直後対比大きく低下してしまうという 問題も生じていた。
したがって、従来の技術では、複撚り構 のスチールコードにおいて、コード強力の なる向上を図るにあたって生ずる最外層フ ラメントの先行破断の問題を十分に解消し るものではなく、より優れた改良技術の実 が求められていた。
そこで本発明の目的は、上記従来技術に けるような問題を生ずることなく、複撚り 造のスチールコードにおける最外層フィラ ントの先行破断の発生を防止して、コード 力を向上したゴム物品補強用スチールコー 、および、それを補強材として用いた空気 りタイヤを提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく、複 り構造のスチールコードの長期保管やタイ 加硫時の熱履歴の影響も考慮して、そのコ ド強力の改善方法につき鋭意検討した結果 ストランドを構成する最外層シースフィラ ント間の隙間率を、その径の0.5~4.0%とする とで、先行破断の原因となるストランド最 層フィラメントへの接触荷重を隣接するフ ラメントに負担させて、その先行破断を抑 することができ、結果としてコード強力の 上を図ることが可能となることを見出して 本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のゴム物品補強用スチー
コードは、2本または3本のコアフィラメン
からなるコアと、該コアの周囲に配置され
少なくとも1層のシースとからなる層撚り構
を有するストランドが、複数本にて撚り合
されてなる複撚り構造のゴム物品補強用ス
ールコードにおいて、
前記ストランドの最外層シースを構成する
ィラメント同士の隙間が、該最外層シース
ィラメントの径の0.5~4.0%であることを特徴
するものである。
ここで、最外層シースフィラメント間の隙
xは、下記式により求められ、フィラメント
の撚り角αを考慮したものである。下記式中
Rは最外層シースフィラメントの螺旋半径を
示し、Nは最外層シースフィラメントの本数
示し、dは最外層シースフィラメントの径を
す(図2,3参照)。
x=2Rsin(π/N)・sinα-d√(1-sin 2
(π/N)・cos 2
α)
本発明においては、前記ストランドのうち シースストランドの撚り角が1.4rad以上であ ことが好ましく、前記最外層シースフィラ ントの撚り方向と、前記ストランドのうち ースストランドの撚り方向とが同一である とも好ましい。また、好適には、前記スト ンドを構成する全てのフィラメントの抗張 が3,040N/mm 2 以上である。さらに、前記ストランドを構成 するフィラメントの炭素含有量が0.80重量%以 であることも好ましい。
また、本発明の空気入りタイヤは、上記 発明のゴム物品補強用スチールコードを、 強材として用いたことを特徴とするもので る。
本発明によれば、上記構成としたことで 複撚り構造のスチールコードの最外層フィ メント同士の接触部における先行破断の発 を抑制することができ、従来に比しコード 力を向上したゴム物品補強用スチールコー を実現することが可能となった。よって、 かる本発明のゴム物品補強用スチールコー を空気入りタイヤの補強材として用いるこ により、重量の軽減、低燃費化および輸送 の抑制をいずれも実現できる空気入りタイ が得られるものである。
1 コアストランド
2 シースストランド
11 コアフィラメント
12 第1シースフィラメント
13 第2シースフィラメント
14 スパイラルフィラメント
21 ビードコア
22 カーカスプライ
23 トレッド部
24 ベルト
以下、本発明の好適な実施形態について、
面を参照しつつ詳細に説明する。
本発明のゴム物品補強用スチールコードは
2本または3本のコアフィラメントからなる
アと、その周囲に配置された少なくとも1層
シースとからなる層撚り構造を有するスト
ンドが、複数本にて撚り合わされてなる複
り構造を有する。
前述したように、単撚り構造や通常の層撚 構造等の比較的直径の小さなスチールコー は、コード強力が個々のフィラメントの抗 力で決まる。しかし、上記のように、スト ンドを複数本撚り合わせた複撚り構造とし スチールコードのコード強力の場合、個々 フィラメントの引張り強力の他に、コード 張りによってストランド同士が強く接触す ことが影響し、その接触点でそれぞれの最 層フィラメントに応力が集中することによ 最外層フィラメントの先行的なせん断破壊 生じて、個々のフィラメントの引張り強力 上昇の分だけコード強力を向上できない場 がある。特に、かかる先行破断現象は、せ 断破壊し易い抗張力の高いフィラメントに いてよく現れ、殊に抗張力が3,040N/mm 2 以上のフィラメントについては、フィラメン トの抗張力の上昇に従いコード強力の向上は 抑制され、長期にわたる保管やタイヤ製造時 の熱履歴により、むしろ低下してしまう場合 さえある。かかる観点から、本発明は、この ような現象が従来生じていた上記複撚り構造 のスチールコードを対象としている。
図1に、本発明の一例のゴム物品補強用ス チールコードの断面図を示す。本発明の複撚 り構造のスチールコードの好適例としては、 図示するような、2本のコアフィラメント11か らなるコアと、その周囲に順次配置された9 のシースフィラメント12からなる第1シース よび15本のシースフィラメント13からなる第2 シースとからなる層撚り構造を有するストラ ンドの7本を撚り合わせ、さらに1本のスパイ ルフィラメント14を螺旋巻きに巻き付けた7 (2+9+15)+1構造のスチールコードを挙げること できる。なお、スパイラルフィラメント14 、コードの束を強化するために巻き付けら るものであるが、本発明においては必須で なく、省略することも可能である。
図2に、本発明のコードを構成するストラ ンドを取り出して示す拡大図を示す。本発明 においては、図示するように、上記複撚り構 造のスチールコードにおいて、ストランドの 最外層シースを構成するフィラメント13同士 隙間xが、その径dの0.5~4.0%、特には1.0~3.5%で ることが重要である。隙間を4.0%以下にする ことにより先行破断の原因となる最外層シー スフィラメント13への接触荷重を、隣接する ィラメントに負担させることで、その先行 断を抑制することができ、結果として、こ らフィラメントの抗張力の上昇を、そのま コード強力の向上に反映させることが可能 なる。また、隙間を0.5%以上としたのは、隙 間が0.5%未満になるとストランドを構成する 層のコアフィラメントや第1シースフィラメ トとの拘束力が小さくなり、タイヤ走行中 入力によりコアフィラメントや第1シースフ ィラメントが飛び出し、タイヤ故障に繋がる ためである。
また、本発明においては、コードを構成 るストランドのうち、シースストランド2の 撚り角が、1.4rad以上、特には1.40~1.49radである ことが好ましい。これは、シースストランド 2の撚り角が1.4rad未満では、引張荷重を受け ときのコアストランド1の荷重負担およびシ スストランド2からの接触荷重が大きくなり 、コード強力が著しく低下するためである。
さらに、本発明においては、各ストラン 1,2における最外層シースフィラメント13の り方向と、シースストランド2の撚り方向と 、同一であることが好ましい。これは、同 方向に撚り合わせることにより、コアスト ンドの最外層シースフィラメントとシース トランドの最外層シースフィラメントとの 触角が小さくなり、接触面積が増大して、 行破断が抑制されるためである。
本発明において特には、上記複撚り構造の チールコードにおいて、各ストランドを構 する全てのフィラメントの抗張力が3,040N/mm 2 以上であることが好ましく、より好ましくは 3,040~4,200N/mm 2 である。フィラメントの抗張力が3,040N/mm 2 未満では、先行破断の発生はないので、本発 明を適用する必要が生じない。なお、フィラ メントの材質としては、炭素含有量が0.80重 %以上であることが好ましい。
本発明のスチールコードにおいては、ス ールコード製造直後の破断強力は、コード 構成するフィラメントの総強力の90%以上有 ていることが好ましく、さらに、タイヤ製 時の加熱工程を経ても、スチールコードの 断強力はコードを構成するフィラメントの 強力の80%以上を有していることが好ましい なお、本発明のコードにおいては、各スト ンドの最外層シースフィラメント13同士の 間xとその径dとの関係について上記条件を満 足するものであれば、それ以外の、各フィラ メントの具体的な径や撚り方向、撚りピッチ 等の条件については、特に制限されるもので はなく、用途に応じて、常法に従い適宜構成 することが可能である。
本発明のゴム物品補強用スチールコード おいては、上述のように、従来の複撚り構 のスチールコードに比べコード強力が向上 ている。したがって例えば、従来の複撚り 造のコードの代わりに本発明のコードを用 、その複数本を互いに平行に引き揃えてゴ シートに埋設してなるプライをベルトまた カーカスに適用した建設車両用の空気入り ジアルタイヤにおいては、重量の軽減、低 費化および輸送費の抑制をいずれも図るこ が可能となる。
本発明の空気入りタイヤの好適例として 、例えば、図4に示すような、タイヤサイズ 40.00R57程度の大型のオフロード用ラジアルタ ヤを挙げることができる。図示するタイヤ 、左右一対のビード部にそれぞれ埋設され ビードコア21間にトロイド状に延在する1層 カーカスプライ22と、そのトレッド部23のタ イヤ半径方向外側に配設された6層のベルト24 を備えており、本発明のスチールコードは、 かかるタイヤにおいて、カーカスプライ22の 強材等として好適に適用することができる この場合のカーカスプライ22へのコードの 込み数は、例えば、8.0~8.5本/50mmの範囲内、 には8.0本/50mm程度とすることができる。
本発明の空気入りタイヤは、上記本発明 スチールコードをカーカスプライまたはベ トの補強材として用いるものであればよく それ以外のタイヤ構造の詳細および各部材 材質等については慣用されているものを適 採用することができ、特に制限されるべき のではない。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細
説明する。
下記表1、2に示す条件に従い、2本または3本
のコアフィラメントからなるコアと、その周
囲に配置された2層のシースとからなる層撚
構造を有するストランドが、7本にて撚り合
されてなる複撚り構造のゴム物品補強用ス
ールコードを作製した。
図1に示すスチールコードは、空気入りタ イヤの補強材用途に最適な実施例4のコード あり、コード構造は、7×(2+9+15)+1構造となっ いる。すなわち、図示する実施例4のスチー ルコードは、コアストランド1の回りにシー ストランド2を6本撚り合わせて、1本のスパ ラルフィラメント14を螺旋巻きに巻き付けた ものであり、各ストランドは、2本のコアフ ラメント11の周りに9本の第1シースフィラメ ト12と15本の第2シースフィラメント13とを撚 り合わせたものである。なお、各フィラメン トとしては、炭素含有量が0.82重量%のものを いた。
各実施例および比較例のスチールコード ついて、そのコード破断強力のより減り率 よび製造直後-加熱後変化率につき評価した 。ここで、より減り率(%)とは、コードを構成 するフィラメントの破断強力の総和に対する 、コード破断強力の差を百分率で示したもの である。また、製造直後-加熱後変化率(%)は 製造直後のコード破断強力に対する145℃×40 での加熱後のコード破断強力の変化率で表 した。加熱後のより減り率が20%以下であっ 、かつ、製造直後-加熱後変化率が10%以下で あれば、加熱による強力低下が少なく、良好 であるといえる。その結果を、下記の表1、2 に併せて示す。また、各実施例および比較 のスチールコードについて、そのコードを ルト補強材として使用したタイヤを実地で3 000時間走行させた後のストランドからのコア 、第1シースの飛び出し有無につき評価した 果も併せて示す。ここで、「○」は飛び出 無し、「×」は飛び出しが見られたことを示 す。
上記表中に示すように、所定の複撚り構 のゴム物品補強用スチールコードにおいて 各ストランドを構成する最外層シースフィ メント同士の隙間を、その径の0.5~4.0%とし 実施例においては、高いコード強力を実現 ることができ、また、加熱後においてもコ ド強力の低下が少なく、タイヤ走行後のス ランド内層のフィラメント飛び出しも問題 いことが確かめられた。
