Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
STEEL INGOT FOR FORGING AND INTEGRAL CRANKSHAFT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/120574
Kind Code:
A1
Abstract:
A steel ingot for forging that excels in fatigue performance and hydrogen cracking resistance; and an integral crankshaft therefrom. The steel ingot for forging is produced with use of a casting mold, wherein the density (DBOT) of inclusions of 5 to 10 μm major diameter observed on a steel section in an inferior portion of the steel ingot is 10 to 80 inclusions/cm2; the density (DTOP) of inclusions of 5 to 10 μm major diameter observed on a steel section in a superior portion of the steel ingot is 20 to 90 inclusions/cm2; the density of inclusions of 40 μm or greater major diameter observed on a steel section in both inferior and superior portions of the steel ingot is 5 inclusions/cm2 or less; and the densities satisfy the relationship (DTOP)/(DBOT)≥[S(ppm)]/18. The integral crankshaft is produced by hot forging of this steel ingot for forging.

Inventors:
NAGAO, Motohiro (())
長尾 元裕 (())
DEURA, Tetsushi (())
Application Number:
JP2008/054966
Publication Date:
October 09, 2008
Filing Date:
March 18, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
KABUSHIKI KAISHA KOBE SEIKO SHO (10-26, Wakinohama-cho 2-chome Chuo-ku, Kobe-sh, Hyogo 85, 6518585, JP)
株式会社神戸製鋼所 (〒85 兵庫県神戸市中央区脇浜町2丁目10番26号 Hyogo, 6518585, JP)
NAGAO, Motohiro (())
長尾 元裕 (())
International Classes:
C22C38/00; B22D7/00; C22C38/50; C21C7/00; C21C7/072; C21C7/10; C22C38/60
Attorney, Agent or Firm:
UEKI, Kyuichi et al. (Fujita-Toyobo Building 9th floor, 1-16 Dojima 2-chome, Kita-k, Osaka-shi Osaka 03, 5300003, JP)
Download PDF:
Claims:
 鋳型により形成される鍛造用鋼塊であって、重力方向の端部であって該端部から鋼塊全高の20%以内の部位である鋼塊下部において鋼断面で観察される長径5~10μmの介在物の密度D BOT が、10~80個/cm 2 であり、前記鋼塊下部の反対側の端部であって該端部から鋼塊全高の20%以内の部位である鋼塊上部において鋼断面で観察される長径5~10μmの介在物の密度D TOP が、20~90個/cm 2 であり、鋼断面において観察される長径40μm以上の介在物の密度が、前記鋼塊下部、前記鋼塊上部の双方において5個/cm 2 以下であり、かつ下記(1)式を満たす鍛造用鋼塊。
 但し、[S]は、鋼中のSの含有量(質量ppm)を示す。
 C:0.2~0.6%(質量%の意味。以下、同じ。)
 Si:0.05~0.5%
 Mn:0.2~1.2%
 Ni:0.1~3.5%
 Cr:0.9~2.5%
 Mo:0.1~0.7%
 V:0.005~0.2%
 Al:0.01~0.1%
 S:0.005%以下
 Ti:0.005%以下
 O:0.0015%以下
を含み、残部が鉄及び不可避的不純物からなる請求項1記載の鍛造用鋼塊。
 請求項1または2に記載された鍛造用鋼塊を熱間鍛造することにより製造される一体型クランク軸。
Description:
鍛造用鋼塊および一体型クラン 軸

 本発明は、鍛造用鋼塊、および鍛造用鋼 から製造される一体型クランク軸に関する のである。本発明の鍛造用鋼塊、および一 型クランク軸は、機械、船舶、発電器等の 業分野で広く有効に活用されるものであり 特に回転運動部品のように高い疲労強度が 求される部品に適している。

 特許文献1(日本国特許公開2006-336092号公報) は、船舶のクランク軸の耐水素割れ性を向 させるため、鋼中に含まれる最大弦長が1μm 上の介在物の円形度の平均値(以下、平均円 形度という。)が0.5以上、最大弦長が20μm以上 の介在物の個数が100mm 2 あたり40個未満で、その平均円形度が0.25以上 、および最大弦長が1~10μmの介在物の個数が10 0mm 2 あたり100個以上とする鍛造用鋼が記載されて いる。

 特許文献2(日本国特許公開2002-194502号公報 )には、クランクシャフトの被削性及び耐摩 性を向上させる目的で、C:0.62~0.80%、Si:0.60%以 下、Mn:0.30~1.80%、S:0.04~0.35%、Cr:0.05~0.50%、Al:0.00 5%未満、O:0.0020%以下、残部Fe及び不可避不純 からなり、熱間鍛造後の組織が初析フェラ ト分率3%以下のパーライト主体であり、且つ 厚み20μm以下の硫化物系介在物を含有する鋼 が記載されている。

 船舶用の部品において、近年特に問題と るのは、水素性の欠陥による水素割れと、 在物欠陥による疲労強度の低下である。し しながら、上記従来の技術では、被削性及 耐摩耗性には優れていても、過酷な使用環 下でも破壊し難い十分な疲労特性、及び十 な耐水素割れ性を有する鍛造用の鋼塊を製 するには至っていない。本発明は、このよ な事情に鑑みてなされたものであって、疲 特性及び耐水素割れ性の双方に優れた鍛造 鋼塊、および一体型クランク軸を提供する とを目的とする。

 水素割れを防止するためには、通常は鋼 中の水素を捕捉するMnS系介在物を鋼材中に 布させる。しかし、MnS系の介在物は、耐水 割れ性を向上する一方で、鋼材の疲労強度 低下させてしまう。したがって、このよう トレードオフの関係にある耐水素割れ性と 疲労強度の双方を同時に向上させることは 常に難しい。

 このような状況下、本発明者らは、水素 れの原因となる鋼中の水素濃度が、一つの 塊の中でも、鋼塊下部よりも鋼塊上部にお て高いことを見出した。更に研究を進めた ころ、鋼塊上部・下部における介在物密度 比と、介在物の形成に関連が深いS(硫黄)の 度とが一定の関係を満たすとき、鋼塊の疲 強度を低下させることなく、鍛造用鋼塊の 素割れを防止できることを突き止め、本発 を完成させた。

 上記目的を達成し得た本発明の鍛造用鋼塊 、
 鋳型により形成される鍛造用鋼塊であって 重力方向の端部であって該端部から鋼塊全 の20%以内の部位である鋼塊下部において鋼 面で観察される長径5~10μmの介在物の密度D BOT が、10~80個/cm 2 であり、前記鋼塊下部の反対側の端部であっ て該端部から鋼塊全高の20%以内の部位である 鋼塊上部において鋼断面で観察される長径5~1 0μmの介在物の密度D TOP が、20~90個/cm 2 であり、鋼断面において観察される長径40μm 上の介在物の密度が、前記鋼塊下部、前記 塊上部の双方において5個/cm 2 以下であり、かつ下記(1)式を満たす鍛造用鋼 塊である。


 但し、[S]は、鋼中のSの含有量(質量ppm)を示 。

 上記鍛造用鋼塊は、
 C:0.2~0.6%(質量%の意味。以下、同じ。)
 Si:0.05~0.5%
 Mn:0.2~1.2%
 Ni:0.1~3.5%
 Cr:0.9~2.5%
 Mo:0.1~0.7%
 V:0.005~0.2%
 Al:0.01~0.1%
 S:0.005%以下
 Ti:0.005%以下
 O:0.0015%以下
を含み、残部が鉄及び不可避的不純物からな るものであることが推奨される。

 上記目的を達成し得た本発明の一体型ク ンク軸は、上記鍛造用鋼塊を熱間鍛造する とにより製造されるものである。

 本発明によれば、鋼塊下部における微小 在物の密度と、鋼塊上部における微小介在 の密度と、鋼塊下部・鋼塊上部における粗 介在物の密度を調整し、かつ鋼塊上部・下 における介在物密度の比と、鋼中のS濃度と が一定の関係を満たすことにより、疲労特性 及び耐水素割れ性に優れた鍛造用鋼塊を製造 することができる。そして、この鍛造用鋼塊 を熱間鍛造することにより疲労特性及び耐水 素割れ性に優れた一体型クランク軸を製造す ることができる。

 例えば、現状のクランク軸には、1シリン ダー当たり2000kWの出力に対応する負荷が想定 されているが、今後の大型船舶用のクランク 軸等では、燃費向上を目的としたエンジンの 小型化、軽量化の要望に応えるため、これに 耐える疲労特性を備える必要がある。そのた めにはクランク軸のサイズに関わらず耐久限 度比(疲労強度/引張強度)が0.45以上必要であ が、本発明により、この要件を満たすクラ ク軸を提供することができる。

図1は、造塊法により製造される鋼塊の 凝固の状態を示す図である。 図2は、造塊法により製造される鋼塊を 示す図である。 図3は、鋼断面を2000倍で観察したSEM写 である。 図4は、鋼断面を200倍で観察したSEM写真 である。 図5は、鋼断面を200倍で観察したSEM写真 である。 図6は、鋼塊上部および鋼塊下部におけ る水素濃度を示す図である。 図7は、鋼塊の水素割れ及び耐久限度比 に関する評価結果を示す図であって、縦軸に 鋼塊上部および鋼塊下部における微小介在物 密度の比、横軸に鋼中S濃度をとったもので る。 図8は、鋼塊の耐久限度比の良否、及び 水素割れの有無を示す図であって、(a)は鋼塊 上部、(b)は鋼塊下部に関するものである。

 造塊法により製造される鋼塊は、図1に示 すように、沈殿晶帯である鋼塊下部と、最終 凝固部である鋼塊上部において介在物の密度 が高くなる。したがって、鋼塊下部や鋼塊上 部では、鋼塊の耐水素割れ性や疲労特性が顕 著に反映される部分であり、鋼塊の特性を特 定する部位として適している。

 なお、本発明においては、図2に示すように 、
 鋼塊下部:鋼塊の重力方向の端部であって、 該端部から鋼塊全高の20%以内の部位(沈殿晶 が生成される場合は、前記部位の中でも沈 晶帯部分の介在物をも問題にする)
 鋼塊上部:鋼塊下部の反対側の端部であって 、該端部から鋼塊全高の20%以内の部位
 とそれぞれ定義する。

 (鋼塊下部の微小介在物の密度(D BOT ):10~80個/cm 2 )
 上記のように、鋼中に微小な介在物を分散 せることにより、耐水素割れ性を向上させ ことができるが、この効果を有効に発揮さ るためには、鋼塊下部の鋼断面で観察され 微小介在物(長径5~10μm)を10個/cm 2 以上(より好ましくは20個/cm 2 以上、さらに好ましくは30個/cm 2 以上)とする必要がある。一方、微小介在物 いえども、多く含みすぎると、図3~図5の走 型電子顕微鏡写真に示すように、介在物群 形成し、粗大介在物と同様に疲労破壊の起 となってしまう。したがって、鋼断面で観 される微小介在物は、80個/cm 2 以下(より好ましくは70個/cm 2 以下、さらに好ましくは60個/cm 2 以下)とする必要がある。

 なお実際には、5μm未満の介在物も耐水素 割れ性を持つから、5μm未満の介在物も微小 在物としてカウントすることも考えられる しかし、5μm未満の介在物は、5~10μmの介在物 とほぼ同様の分布特性を持つことから、5~10μ mの介在物の個数をカウントするだけでも、 水素割れ性を判定するには十分である。よ て、5μm未満の介在物をカウントの対象から すことにより、追試の利便性を向上させた

 (鋼塊上部の微小介在物の密度(D TOP ):20~90個/cm 2 )
 鋼塊上部では、鋼断面で観察される微小介 物(長径5~10μm)を20個/cm 2 以上(より好ましくは30個/cm 2 以上、さらに好ましくは40個/cm 2 以上)とする必要がある。また、上記のよう 、微小介在物といえども多く含みすぎると 在物群を形成し、粗大介在物と同様に疲労 壊の起点となってしまう。したがって、鋼 面で観察される微小介在物は、90個/cm 2 以下(より好ましくは80個/cm 2 以下、さらに好ましくは70個/cm 2 以下)とする必要がある。

 (粗大介在物の密度:5個/cm 2 以下)
 粗大介在物は、疲労破壊の起点となってし うため、鋼塊上部および鋼塊下部の双方に いて、鋼断面で観察される粗大介在物(長径 40μm以上)を5個/cm 2 以下(より好ましくは4個/cm 2 以下、さらに好ましくは3個/cm 2 以下)とする必要がある。

 ( (D TOP )/(D BOT )≧[S]/18 )
 本発明者らが鋼塊の水素濃度について調べ ところ、図6に示すように、鋼塊下部よりも 鋼塊上部において水素濃度が高いことを見出 した。また、鋼塊上部での耐水素割れ性及び 耐久限度比についても調査した。その結果を 図7に示す。図7は、縦軸に(D TOP )/(D BOT )、横軸に[S]をとり、耐水素割れ性及び耐久 度比が所定の基準を満たしたものを(●)、満 たさなかったものを(×)として、それぞれプ ットしたものである。(●/×)の判定基準は、 後述する表1~3における「総合評価」の(●/×) 判定基準と同じである。

 [S]は、鋼中のSの濃度(質量ppm)を示すもので る。図7から、(D TOP )/(D BOT )=[S]/18で示される直線を境に、直線の上側に( ●)のケース、下側に(×)のケースがそれぞれ 現していることがわかる。

 図7では、鋼中のS濃度が高い領域では、(D TOP )/(D BOT )の値が高くなければ、即ち、鋼塊下部に比 して鋼塊上部の微小介在物濃度が高くなけ ば、鋼塊上部において水素割れが発生して まうことを表している。しかし、注目すべ ことに、鋼中のS濃度が低い領域では、(D TOP )/(D BOT )の値が高くなくとも、水素割れは発生して ない。例えば、(D TOP )/(D BOT )の値が1を下回るような場合であっても水素 れは発生していない。

 例えば、鋼中のS濃度が0.003%の場合、鋼塊 中に許容される水素値は、1.5ppmであるのに対 して、S濃度が0.001%になると、許容される水 値は、1.0ppmと非常に低い値となる。通常、1 の鋼塊から、1本のクランク軸を製造する場 合、水素値の範囲は、0.5~1.8ppm程度である。

 後述するように、本発明者らは、水素値 1.2ppm以下に抑えるプロセスも可能としたた 、S濃度を0.003%以下としても、水素割れを発 生させずに鍛造用鋼塊を製造することが可能 となった。これにより、S濃度を更に低減す 余地が生まれた。

 通常は、疲労特性を向上させようとしてS濃 度を低くすると水素割れを起こしやすくなる が、図7からは、S濃度を低くしても(D TOP )/(D BOT )≧[S]/18という条件さえ満足すれば耐水素割 性と疲労特性は保たれることになる。これ より、鋼塊の疲労特性と耐水素割れ性のバ ンスを従来よりも改善することができるも と考えられる。

 (熱間鍛造)
 上記造塊工程によって得られた鍛造用鋼塊 、その後、熱間鍛造によって丸棒等の中間 品の形状に成型される。成形後、成分や欠 、清浄度等について中間検査を経た後、再 、熱間鍛造を行なうことによって、一体型 ランク軸やジャーナル等の大型製品形状に 型される。引き続き、要求される製品特性 応じた熱処理を施した後、機械加工による 上げをして最終製品とされる。

 上記鍛造用鋼塊から、一体型クランク軸 製造するための具体的手順としては、次の な工程が挙げられる。即ち、凝固が完了し 鋼塊を鋳型から取り出し、熱間鍛造を行な ための準備として、好ましくは1150℃以上、 より好ましくは1180℃以上、さらに好ましく 1200℃以上に加熱する。その後、鍛錬比3以上 の熱間鍛造によって丸棒状若しくは段付け形 状に加工する。この鋼塊鍛造に当たっては、 内在欠陥圧縮のために、鋼塊高さ方向に圧縮 した後に所定長さまで鍛伸しても良い。熱間 鍛造の後、一体型クランク軸の形状に加工す る。尚、一体型クランク軸の成形鍛造に当た っては、スロー部を1個ずつ成型しても良い 、全体を型入れすることによって、複数の ロー部を同時に成型しても良い。成型鍛造 には、仕上げ用の機械加工を施して所定寸 の一体型クランク軸とする。また、熱間鍛 によって段付き形状に加工したものを、機 加工することによって一体型クランク軸と ても良い。また、一体型クランク軸の片端 部あるいは両端面部にフランジを有する構 としても良い。スロー部の数は、例えば3個 上12個以下とする。

 (鋼塊の化学成分)
 本発明は、以上説明したように、鋼材中に 在する介在物の大きさや密度を制御したと ろに特徴を有しており、鋼の基本組成は特 制限されないが、例えばクランク軸として められる強度や靭性、更には疲労特性を満 するには、鋼材の一般的技術水準に照らし 下記基本組成を満たすことが望ましい。

 (C:0.2~0.6%)
 Cは強度向上に寄与する元素であり、クラン ク軸に十分な強度を確保するには、例えば0.2 %以上、より好ましくは0.25%以上、更に好まし くは0.3%以上含有させるのがよい。しかしC量 多過ぎるとクランク軸の靭性を劣化させる で、例えば0.6%以下、より好ましくは0.55%以 、更に好ましくは0.5%以下に抑える。

 (Si:0.05~0.5%)
 Siは、強度向上元素として作用し、クラン 軸に十分な強度を確保するには、例えば0.05% 以上、より好ましくは0.1%以上、更に好まし は0.15%以上含有させるのがよいが、多過ぎる と逆V偏析が著しくなって清浄な鋼塊が得ら 難くなるので、例えば0.5%以下、より好まし は0.45%以下、さらに好ましくは0.4%以下とす 。

 (Mn:0.2~1.2%)
 Mnも焼入れ性を高めると共に強度向上に寄 する元素であり、十分な強度と焼入れ性を 保するには、例えば0.2%以上、より好ましく 0.5%以上、更に好ましくは0.8%以上含有する のが望ましいが、多過ぎると逆V偏析を助長 る場合もあるので、例えば1.2%以下、好まし くは1.1%以下、より好ましくは1%以下とする。

 (Ni:0.1~3.5%)
 Niは、靭性向上元素として有用な元素であ 、例えば0.1%以上、好ましくは0.2%以上含有さ せることが奨励されるが、Ni量が過剰になる コストアップとなるので、3.5%以下、好まし くは3%以下とする。

 (Cr:0.9~2.5%)
 Crは焼入れ性を高めると共に靭性を向上さ る有効な元素であり、それらの作用は例え 0.9%以上、好ましくは1.1%以上、さらに好まし くは1.3%以上含有させる。しかし多過ぎると V偏析を助長して高清浄鋼の製造を困難にす 場合があるので、例えば、2.5%以下、好まし くは2.3%以下、より好ましくは2.1%以下とする

 (Mo:0.1~0.7%)
 Moは、焼入れ性、強度、靭性の全ての向上 有効に作用する元素であり、それらの作用 有効に発揮させるには、例えば0.1%以上、よ 好ましくは0.2%以上、さらに好ましくは0.25% 上含有させる。しかし、Moは平衡分配係数 小さくミクロ偏析(正常偏析)を生じ易くする ので、例えば0.7%以下、好ましくは0.6%以下、 り好ましくは0.5%以下とする。

 (V:0.005~0.2%)
 Vは、析出強化及び組織微細化効果があり、 鋼材の高強度化に有用な元素である。この様 な作用を有効に発揮させるには、Vを例えば0. 005%以上、好ましく0.01%以上は含有させること が推奨される。但し、過剰に含有させても上 記効果は飽和してしまい、経済的に無駄であ るので、0.2%以下、より好ましくは0.15%以下と する。

 (Al:0.01~0.1%)
 Alは、製鋼工程における脱酸元素として有 であり、また鋼の耐割れ性にも有効である 従って、Al量は、例えば0.01%以上、好ましく 0.015%以上含有させることが奨励される。一 、Alは、AlN等の形でNを固定し、NおよびV等 配合による鋼の強化作用を阻害する他、種 の元素とも結合し、非金属介在物や金属間 合物を生成し、鋼の靭性を低下させる場合 あるので、好ましくは、例えば0.1%以下、よ 好ましくは0.08%以下とする。

 (S:0.005%以下)
 Sは、鍛造用鋼中で粗大な介在物を形成し易 いため、鍛造用鋼塊或いはクランク軸の疲労 強度を低下させる場合がある。したがって、 鋼中のSの含有量は、例えば0.005%以下、好ま くは0.0045%以下、より好ましくは0.004%以下、 らに好ましくは0.0035%以下とする。

 一方、鍛造用鋼中に微細なS系介在物が一 定密度以上含まれる場合、鋼中に多数の応力 場が形成され、固溶限を超えた鋼中の余剰水 素を捕捉しやすく、鋼の耐水素割れ性を改善 する効果がある。

 このようなS系介在物を確保するために、 鋼中のSの含有量を、好ましくは0.0002%以上、 り好ましくは0.0004%以上、一層好ましくは0.0 006%以上、さらに好ましくは0.0008%以上とする

 S含有量は、溶製時のスラグ組成を制御する ことによって調整できる。具体的には、スラ グ中のCaO濃度とSiO 2 濃度の比(CaO/SiO 2 :以下、「C/S」と記載することがある)を高く ることにより鋼中のS含有量を低下させるこ とができる。また、補足的手段として、CaO濃 度とAl 2 O 3 濃度の比(CaO/Al 2 O 3 :以下、「C/A」と記載することがある)も高く ることにより、鋼中のS含有量を低下させる ことができる。逆に、S含有量を多くしたい 合は、C/Sおよび/またはC/Aが小さくなるよう スラグ組成を調整する。

 (Ti:0.005%以下)
 Tiは、鋼中で粗大な窒化物を形成し、鍛造 鋼塊或いはクランク軸の疲労強度を低下さ てしまう場合がある。したがって、鋼中のTi の含有量は、例えば0.005%以下、好ましくは0.0 04%以下、より好ましくは0.003%以下とする。な お、Tiは、TiN、TiC、Ti 4 C 2 S 2 のような微細介在物を構成して鋼中に分散し 、固溶限を超えた鋼中の余剰水素を吸蔵捕捉 し、鋼の耐水素割れ性を改善する効果がある 。このようなTi系介在物を確保する場合は、 中のTiの含有量を、例えば0.0002%以上、好ま くは0.0004%以上、より好ましくは0.0006%以上 する。

 Ti含有量については、副原料中の不純物Ti 含有量が多い合金(低品位合金)と、不純物Ti 有量が少ない合金(高品位合金)との使用量比 を調節することにより調整できる。

 (O:0.0015%以下)
 O(酸素)は、SiO 2 、Al 2 O 3 、MgO、CaO等の酸化物を形成し、介在物となっ て鋼塊の疲労強度を低下させる元素である。 したがって、Oは極力低減することが好まし 、トータル酸素量は、0.0015%以下、より好ま くは0.001%以下とする。

 本発明で使用される鍛造用鋼の好ましい 本成分は上記の通りであり、残部成分は実 的にFeであるが、該鍛鋼中には不可避的な 純物の含有が許容される。不可避的不純物 しては、例えば、Pや、N等が挙げられ、例え ばPは、0.03%以下となることが好ましく、0.02% 下となることがより好ましい。また、前記 発明の作用に悪影響を与えない範囲で更に の元素を積極的に含有させた鍛造用鋼を使 することも可能である。

 積極添加が許容される他の元素の例とし は、焼入れ性改善効果を有するB、固溶強化 元素または析出強化元素であるW,Nb,Ta,Cu,Ce,Zr,T eなどが挙げられ、それらは単独で或いは2種 上を複合添加できる。これらの添加元素は 例えば、合計量で0.1%程度以下であることが 望ましい。

 以下、実施例を挙げて本発明をより具体 に説明するが、本発明はもとより下記実施 によって制限を受けるものではなく、前・ 記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を えて実施することも可能であり、それらは ずれも本発明の技術範囲に含まれる。

 鋳型に注入する溶鋼の清浄度を上げて、鋼 下部において鋼断面で観察される長径5~10μm の介在物の密度(D BOT )を10~80個/cm 2 程度、鋼塊上部において鋼断面で観察される 長径5~10μmの介在物の密度(D TOP )を20~90個/cm 2 程度、長径40μm以上の介在物の密度を5個/cm 2 程度以下とし、且つ式(1)を満たすようにする ためには、次に説明する方法により鋼を精錬 することが推奨される。

 この精錬方法は、転炉又は電気炉から出 された溶鋼に対し1回目の2次精錬を行い、 1回目の2次精錬終了後の溶鋼に対して脱ガス 処理を行い、該脱ガス処理後の溶鋼に対して 2回目の2次精錬を行うことにより高清浄鋼を 造するものである。

 すなわち、スラグ巻き込みに起因する介 物が少なく、高い清浄度を備えた高清浄鋼 製造するためには、転炉により製造された 鋼に対して、2次精錬処理→脱ガス処理→2 精錬処理という順序で、2回の2次精錬を行う ことが有効である。

 1回目の2次精錬処理は溶鋼成分の所定の のとする処理であって、脱ガス処理は溶鋼 に存在する水素等のガス成分の除去を行う 理であるため、両処理とも溶鋼表面に浮か スラグの巻き込みを極力抑制しながらも、 拌動力密度を大きくする必要がある。

一方、2回目の2次精錬処理には、脱ガス処 で一旦溶鋼中に巻き込んだスラグを浮上分 させる機能を主に担わせており、溶鋼を加 保持しつつ新たなスラグ巻き込みが発生し いように低攪拌動力密度で攪拌を行う必要 がある。

 具体的には、1回目の2次精錬処理では、攪 動力密度が5W/ton以上(好ましくは10W/ton以上) 60W/ton以下(好ましくは50W/ton以下)となるよう 吹き込みガスの流量を調整すると共に、前 脱ガス処理後のスラグ組成が、CaO/SiO 2 ≧3.5且つCaO/Al 2 O 3 =1.5~3.5且つT.Fe+MnO≦1.0質量%となるようにスラ 調整を行なう。なお、T.Feは、鉄原子のトー タル量の意味である。

 脱ガス処理では、当該脱ガス処理の中期( 途中)までは攪拌動力密度が50W/ton以上、好ま くは60W/ton以上で、200W/ton以下、好ましくは1 80W/ton以下となるように吹き込みガスの流量 調整し、その後の脱ガス処理(中期以降)は攪 拌動力密度が140W/ton以下、好ましくは120W/ton 下(0W/tonを除く)となるように吹き込みガスの 流量を調整する。

 2回目の2次精錬処理では、攪拌動力密度 25W/ton以下、好ましくは20W/ton以下(0W/tonを除 )となるように吹き込みガスの流量を調整す 。

 より詳細には、次の手順による。

 まず、転炉や電気炉から取鍋に出鋼された 鋼は、2次精錬装置へ運ばれ、1回目の2次精 処理(以降、LF-Iと記載することもある)が施 れる。具体的には、アーク放電を発生させ ことにより溶鋼をT L =1600℃程度まで加熱しつつ、フラックス供給 段を用いてフラックスを投入し、さらに、 ス吹き込み手段からArガスを吹き込んで溶 を攪拌する。溶鋼の攪拌強度としては、下 式(2)で計算される攪拌動力密度εが5~60W/tonと なるようにArガスの流量を調整する。

 なお、攪拌動力密度εの計算において、底 きガスの吹き込み前温度T o (Arガスの吹き込み前温度)は常温(298K)とし、 吹きガスの吹き込み後温度T g (Arガスの吹き込み後温度)は溶鋼温度T L としている。

 転炉や電気炉から受鋼した取鍋を最初に 錬するLF-Iにおいては、溶鋼の加熱および成 分調整が主であり、このときに適切な攪拌を 行わなければ、溶鋼成分および溶鋼温度の均 一化ができない。しかしながら、過剰な溶鋼 攪拌は、成分と温度が均一でもスラグを巻込 みやすく、後の欠陥源になり得る可能性が大 きい。よって、攪拌動力密度εが5~60W/tonとし いる。これにより、スラグ巻込みを防止し つ溶鋼の成分、温度の均一化が図れるよう なる。

   ε:攪拌動力密度(W/ton)
   T o :底吹きガスの吹き込み前温度(常温(298K))
   T L :溶鋼温度(K)
   M L :溶鋼量(ton)
   ρ L :溶鋼密度(kg/m 3 )
   Q g :底吹きガス流量(Nl/min)
   T g :底吹きガスの吹き込み後温度(K)
   P:雰囲気圧力(torr)
   h o :溶鋼深さ(m)

 例えば、1回目の2次精錬処理(LF-I)において 取鍋のサイズや実際の溶鋼装入量M L 等、幾つか条件は異なるものの、Q g /M L を0.30~3.75Nl/min・tonとすることで、攪拌動力密 度εが4.7~67.2W/tonとなっている。

 なお、LF-Iにおいて、フラックスの種類や量 は、後述する真空脱ガス処理終了後(言い換 れば、2回目の2次精錬処理スタート時)にお るスラグの組成が、
 (i)SiO 2 の質量に対してCaOの質量が3.5倍以上となる、
 (ii)Al 2 O 3 の質量に対してCaOの質量が1.5~3.5倍となる、
 (iii)スラグ組成中のT.Feの質量とMnOの質量の 和が、スラグの全質量の1.0%以下となる、
 の3つの条件を同時に満たすように、加熱温 度を制御したり、副原料(フラックス)の投入 を調整したりする。

 1回目の2次精錬処理が完了した溶鋼は、 鍋ごと真空脱ガス装置に搬送され、当該溶 に対して真空脱ガス処理(以降、VDと記載す こともある)が施される。詳しくは、排気装 を作動させ、排気管を通じて取鍋内であっ 溶鋼上方のガスを排気することにより、取 内の雰囲気圧力Pを0.5Torr程度の真空状態に づける。加えて、ガス吹き込み手段からArガ スを吹き込んで溶鋼を攪拌する。以上のよう な方法により、溶鋼内に存在する水素等のガ ス成分の除去が行われる。

 VDの時間は全体で約20分程度であり、その前 半(処理時間の中期以前、前半10分)では、攪 動力密度εが50~200W/tonとなるように底吹きガ の流量Q g を調整し、後半(処理時間の中期以降、後半10 分)は攪拌動力密度εが140W/ton以下(0W/tonは除く )となるように底吹きガスの流量Q g を調整する。

 VDにおいては、成分調整がほぼ完了した 鋼から、水素を除去する処理が行われるが このときも、溶鋼内へのスラグ巻込み防止 脱水素とが両立できる攪拌動力密度εを採用 することが好ましい。そこで、VD処理時間の 半で、攪拌動力密度εが50~200W/tonとすること により、スラグの巻込みを最小限に抑えつつ 、脱水素を効率よく行うことができる。加え て、VD後半では、攪拌動力密度εを140W/ton以下 に抑えると、巻き込んだスラグの浮上分離が 促進されるようになる。

 さらに、本実施形態の場合、VD後の溶鋼に して2回目の2次精錬(以降、LF-IIと記載するこ ともある)を行うことにより、高清浄鋼の製 を可能とする。すなわち、真空脱ガス処理 完了した溶鋼を、取鍋ごと2次精錬処理装置 搬送し、溶鋼に対して2回目の2次精錬処理 施す。具体的には、アーク放電を発生させ ことにより溶鋼をT L =1600℃程度まで加熱しつつ、ガス吹き込み手 からArガスを吹き込んで溶鋼を攪拌する。 鋼の攪拌強度としては、式(2)で計算される 拌動力密度εが25W/ton以下(0W/tonは除く)となる ようにArガスの流量Q g を調整する。

 このように、再度LF処理(LF-II)を行うこと より、VD途中から行った「巻き込んだスラ および脱酸生成物の浮上分離」をさらに促 させることができる。このとき、LF-IIにおけ る攪拌動力密度εは、新たなスラグ巻き込み 防止するために25W/ton以下であることが必要 である。この攪拌動力密度εで溶鋼の加熱・ 持を行うことで、確実なスラグ、脱酸生成 の浮上分離が可能である。

 なお、前述した如く、LF-IIにおけるスラグ 分は、
 (i)塩基度、すなわちCaO/SiO 2 ≧3.5、
 (ii)CaO/Al 2 O 3 =1.5~3.5、
 (iii)T.Fe+MnO≦1.0質量%、
であるため、スラグ中の酸化物による溶鋼成 分の再酸化が確実に防げるようになっている 。

 以上述べた高清浄鋼の製造方法を採用す ことにより、スラグ巻き込みに起因する介 物が少ない、高清浄鋼を製造することが可 となる。

 得られた高清浄の溶鋼を、下注ぎ造塊法 より10~90トンクラス(全高2~4m)の鋳型に注入 鋼塊を製造した。凝固した鋼塊を脱型した 、約1300度まで加熱し熱間鍛造を施し断面直 150~700mmの鍛造材に仕上げた。熱間鍛造は、 塊本体をプレス機により伸ばした後、専用 具を用いて丸断面に成形することにより行 た。

 表1~3には、LF-Iにおける攪拌動力密度ε、VD 半の攪拌動力密度ε、VD後半の攪拌動力密度 、LF-IIにおける攪拌動力密度εを種々変更し 条件(条件1~20)に対して、さらに、塩基度(CaO /SiO 2 )、CaO/Al 2 O 3 、T.Fe+MnO(質量%)の値を変えて行った試験(試験 番号1~59)の諸条件と、得られた鋼塊の上部・ 部から切り出した試験片の物性データを示 。

 なお、表1~3中、「成分・温度均一化」の欄 は、鋼塊の鋳込み初期~末期のC成分のばら きを(δC)、温度のばらつきを(δT)としたとき δC≦0.01%かつδT≦20℃の場合は(○)を記入し その他の場合は(×)を記入している。
 「水素の除去」の欄には、精錬終了直前に 素濃度[H]を測定し、[H]≦1.2ppmの場合は(○) 記入し、[H]>1.2ppmの場合は(×)を記入してい る。
 「スラグ巻き込み」の欄には、溶鋼サンプ の検鏡面観察において長径5μm以上で、かつ 、Ca濃度5%以上の介在物の観察視野1cm 2 当たりの個数が30以下である場合は(○)を記 し、30を超える場合は(×)を記入している。

 表1~3には、各試験片の鋼中S濃度(質量ppm)、 塊上部に相当する部分の微小介在物(長径5~1 0μm)の密度(D TOP )、鋼塊下部に相当する部分の微小介在物(長 5~10μm)の密度(D BOT )、鋼塊上部に相当する部分の粗大介在物(長 40μm以上)の密度、鋼塊下部に相当する部分 粗大介在物(長径40μm以上)の密度を示す。介 在物の個数は、試験片の検鏡面1cm 2 当たりの介在物数をEPMA(日本電子製JXA-8900L)に よって調べた。

 なお、試験片の鋼中化学成分は、C:0.3%、S i:0.25%、Mn:0.55%、Ni:1.6%、Cr:1.6%、Mo:0.25%、V:0.01% Al:0.03%、S:0.002%、Ti:0.003%、O:0.0013%、P:0.01%で った。

 また、(D BOT )/(D TOP )×鋼中S濃度(質量ppm)の値(この値が18以下の場 合、式(1)が満足される)、最大介在物の大き (○は、最大サイズ(φ球径換算)<0.5mm、△は 、0.5mm<最大サイズ≦1.0mm、×は、最大サイ >1.0mmを示す。)、清浄度について測定を行 て得られた結果についても表1~3に示す。な 、鋼塊の上部(T)、下部(B)の区別が記載され いない項目については、鋼塊上部に関する 験結果を示したものである。

 但し、清浄度の欄には、DIN 3規格の、DIN K(3)≦15を○、DIN K(3)>15を×との基準を定め 、鋼塊上部で○、かつ鋼塊下部で○の場合は 、清浄度の欄を○、いずれか一方が○、他方 が×の場合は、清浄度の欄を△、双方×の場 は、清浄度の欄を×とした。

 また、表1~3には、鋼塊上部・下部におけ 耐久限度比、鋼塊上部・下部における水素 れの試験結果を記載している。

 (耐久限度比)
 後述する引張強度試験、疲労強度試験の結 から、耐久限度比=疲労強度/引張強度を求 た。耐久限度比は、表1~3に鋼塊上部(T)・鋼 下部(B)別に示している。

 また、耐久限度比≧0.45の場合は(○)、0.40 ≦耐久限度比<0.45の場合は(△)、耐久限度 <0.40の場合は(×)として耐久限度比の良否 判定した結果も表1~3に併せて記載する。

 (引張強度)
 鍛圧後の丸棒の鋼材中心部付近から、φ6mm× ゲージ長さ30mm(各2本)引張試験片を採取し、 温にて引張試験(JIS Z 2204、2241)を実施した 試験結果は、表1~3に鋼塊上部(T)・下部(B)別 単位[MPa]で示している。

 (疲労強度)
 以下に示す試験片を用いて回転曲げ疲労試 を行った。試験結果は、表1~3に鋼塊上部(T) 下部(B)別に単位[MPa]で示している。
  試験片     : 直径10mm平滑試験片
  試験方法    : 回転曲げ疲労試験(応力 =-1,回転数:3600rpm)
  疲労強度評価方法: 階差法
  階差応力    : 20MPa
  試験片本数   : 各5本
  各試験片の疲労強度=(破断応力)-(階差応力 )

 (耐水素割れ性)
 4MHzの周波数で超音波探傷試験(UT)を実施し (より詳細には、「鍛鋼品の欠陥」,日本鋳鍛 鋼会,鍛鋼研究部会偏,P32-33)。鋼塊の中間部(1/ 3~1/5R)から水素割れを示す欠陥エコーが検出 れた場合は、耐水素割れ性に劣る(×)、検出 れなかった場合は耐水素割れ性に優れる(○ )とした。但し、鋼塊幅方向の側面(表層)を0R 中心を1/2Rとしたときに、中心部(1/2~1/3R)、 間部(1/3~1/5R)、表層部(0R~1/5R)と各部位を定義 た。

 「総合評価」の欄は、鋼塊上部・下部に ける耐久限度比、鋼塊上部・下部における 素割れの試験結果が全て(○)の場合には(●) を記入し、その他の場合は(×)を記入してい 。

 なお、表3の試験番号41、49、55では、鋼塊 下部の粗大介在物の数が基準よりも低くなっ ているにもかかわらず耐久限度比(B)が(×)に っているのは、これらの試験片では水素割 が発生し、この割れに起因して疲労強度が 下したためである。

 また、図8(a)は、縦軸に鋼塊上部に相当する 部分の微小介在物(長径5~10μm)の密度(D TOP )、横軸に鋼塊上部に相当する部分の粗大介 物(長径40μm以上)の密度をとり、総合評価が( ●)であったものを(●)で示し、耐久限度比、 水素割れの試験結果のいずれかにおいて(×) ものを(×)で示した。(D TOP )が20個/cm 2 を下回る場合は水素割れが発生し、(×)とな ている。

 また、(D TOP )が90個/cm 2 を上回る場合、及び長径40μm以上の介在物の 度が5個/cm 2 を上回る場合は、所定の耐久限度比が得られ ておらず、(×)となっている。

 また、図8(b)には、縦軸に鋼塊下部に相当す る部分の微小介在物(長径5~10μm)の密度(D BOT )、横軸に鋼塊下部に相当する部分の粗大介 物(長径40μm以上)の密度をとり、総合評価が( ●)であったものを(●)で示し、耐久限度比、 水素割れの試験結果のいずれかにおいて(×) ものを(×)で示した。(D BOT )が10個/cm 2 を下回る場合は水素割れが発生し、(×)とな ている。

 また、(D BOT )が80個/cm 2 を上回る場合、及び長径40μm以上の介在物の 度が5個/cm 2 を上回る場合は、所定の耐久限度比が得られ ておらず、(×)となっている。