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Patent Searching and Data


Title:
STEEL PIPE FOR VEHICLE PIPING
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/066721
Kind Code:
A1
Abstract:
A multilayered coating film is constituted of: a deposit film formed by plating on a surface of a steel pipe; a chemical conversion coating film with which the deposit film is coated; a primer coating film with which the chemical conversion coating film is coated and which has been formed from an epoxy-curable resin composition consisting mainly of an epoxy compound and having an amide bond or imide bond incorporated therein; and a polyamide resin coating film with which the primer coating film is coated. Due to this film constitution, the polyamide coating film can have far higher bonding strength than conventional ones.

Inventors:
TAMURA YOSHIHISA (JP)
KAWAI NAOKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/071098
Publication Date:
May 28, 2009
Filing Date:
November 20, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SANOH IND CO LTD (JP)
TAMURA YOSHIHISA (JP)
KAWAI NAOKI (JP)
International Classes:
C23C28/00; B32B1/08; B32B15/088; B60T17/04; F02M37/00; F16L9/14
Foreign References:
JP2004232010A2004-08-19
JPH05277435A1993-10-26
JP2003291253A2003-10-14
Attorney, Agent or Firm:
YOSHITAKE, Kenji et al. (Room 323 Fuji Bldg.,2-3, Marunouchi 3-chome, Chiyoda-ku Tokyo 05, JP)
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Claims:
 めっき被膜を含む多層の被膜で鋼管を被覆してなる車両配管用鋼管において、
 前記多層の被膜が、鋼管の表面に形成しためっき被膜と、前記めっき被膜を被覆する化成処理被膜と、前記化成処理被膜を被覆しエポキシ化合物を主体にアミド結合若しくはイミド結合を導入したエポキシ硬化型樹脂組成物からなるプライマー被膜と、前記プライマー被膜を被覆するポリアミド樹脂被膜と、からなることを特徴とする車両配管用鋼管。
 前記プライマー被膜は、エポキシ硬化型樹脂をベースにアミド結合またはイミド結合を導入した樹脂を混入したエポキシ硬化型樹脂組成物からなることを特徴とする請求項1に記載の車両配管用鋼管。
 前記プライマー被膜は、エポキシ硬化型樹脂にアミド結合またはイミド結合の架橋構造を導入したエポキシ硬化型樹脂組成物からなることを特徴とする請求項1に記載の車両配管用鋼管。
 前記プライマー被膜の膜厚は、0.5~20μmであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかの項に記載の車両配管用鋼管。
 前記化成処理被膜は、クロム化合物を含有しないクロムフリー化成処理被膜からなることを特徴とする請求項1に記載の車両配管用鋼管。
 前記めっき被膜は、電解めっき法若しくは溶融めっき法により形成した亜鉛めっき被膜からなることを特徴とする請求項1に記載の車両配管用鋼管。
 前記ポリアミド樹脂被膜は、PA11またはPA12からなることを特徴とする請求項1に記載の車両配管用鋼管。
 鋼管は、端末に所定の形状を付加する金属加工が施された端末部を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかの項に記載の車両配管用鋼管。
 前記鋼管の端末部には、外周を周回する凸部からなるスプール部が加工されていることを特徴とする請求項8に記載の車両配管用鋼管。
 前記鋼管の端末部には、フレアが加工されていることを特徴とする請求項8に記載の車両配管用鋼管。
 前記鋼管の端末部には、絞り加工が施されていることを特徴とする請求項8に記載の車両配管用鋼管。
 前記鋼管は、車両のブレーキ配管用鋼管または燃料配管用鋼管であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかの項に記載の車両配管用鋼管。
Description:
車両配管用鋼管

 本発明は、自動車の燃料配管やブレーキ 管などの車輌配管に用いられる車両配管用 管に関する。

 この種の車輌用鋼管には、耐食性や耐薬 性に関して高い性能が要求される。従来、 の種の車輌用鋼管では、その表面に亜鉛め きを施し、その上をクロメート化成皮膜で 覆し、耐食性の強化を図っている。

 車輌配管は、車体の下側に引き回してエ ジンまで延びるのが一般的であり、走行中 跳ねた小石などが当たってめっき被膜を毀 しないように耐チッピング性を高める必要 ある。

 図3は、従来の車両用鋼管の断面図である 。従来の車輌用鋼管では、鋼管1の表面を1~100 μmの厚さの亜鉛めっき被膜2で被覆し、この 鉛めっき被膜2の表面にクロメート化成処理 3を形成し、さらにその上をプライマー4を して50~300μmの厚さの樹脂層5で被覆している

 従来の車輌用鋼管は、めっき被膜2によっ て十分な耐食性を有しているが、小石などが 当たったときの衝撃に弱い。めっき被膜が毀 損しないように耐チッピング性が要求される 車輌用鋼管の場合、最外層の樹脂層5をでき だけ厚くして、亜鉛めっき被膜2を保護する 要がある。樹脂層5には、フッ素樹脂が使わ れることが多い。従来は、クロメート化成処 理層3の上にエポキシ系の樹脂からなるプラ マーを塗布して焼き付けた後、樹脂層5を押 成形により形成している。

 最近では、車両用鋼管の最外層の樹脂層 は、高価なフッ素樹脂に替わって、比較的 価でありながら強度の高いポリアミド系の 脂が用いられるようになってきている。こ ポリアミド樹脂被膜を形成する場合には、 ライマーとの接着性を高めるため、エポキ を主体とした三次元架橋構造の樹脂をプラ マーに用いたり、ポリアミド樹脂に密着付 剤を混入させている。

 最近は、地球環境問題に対する関心の高 りから、バイオマス燃料の普及が進んでい 。アルコールをガソリンに添加した燃料の 及に伴い、自動車燃料配管に用いる鋼管に して、これまで予想されなかった新たな課 が顕在化している。

 上述したようなポリアミド系の樹脂被膜5 を最外層に有する鋼管を燃料配管に用いた場 合、燃料配管の端末にある相手方との締結部 分では、燃料が樹脂層5に接触する。従来の うにガソリンのみの燃料であれば、ガソリ が樹脂層5に接触しても特に問題はなかった

 ところが、ガソリンにアルコールが混入 ている燃料では、アルコールとポリアミド 膜およびエポキシ系プライマーとの相性が く、ポリアミド樹脂被膜を接着させる力が 下する。この結果、締結不良により、燃料 れに至る虞がある。

 本発明者が調べたところ、メタノール30%( 体積%)以上のアルコール燃料が80℃以上の温 条件で72時間以上接触すると、プライマーは 接着力を消失し、ポリアミド被膜が力を加え ないでも剥がれてしまう状態、つまり被膜の 密着力がゼロになることが判明した。

 このような密着力ゼロの状態では、ポリ ミド被膜と金属表面の間に燃料が浸透し、 結部分をポリアミド被膜の外表面でシール ているOリングが効かずに外部に燃料が漏れ る、いわゆるトンネルリーク現象を発現させ てしまう可能性がある。

 また、別の問題点として次のようなもの ある。車輌用鋼管の場合、管の端末には、 手と接続するためにフレア加工やバルジ加 などの種々の端末加工をする必要がある。 の端末加工には、苛酷な塑性変形が求めら る。このため、加工形状によっては、ポリ ミド被膜の剥離が生じてしまうという問題 ある。

 そこで、本発明の目的は、前記従来技術 有する問題点を解消し、ポリアミド被膜の 着力を従来のものに較べて格段に高めるこ ができ、高濃度アルコール混合ガソリンに 触しても、ポリアミド被膜と金属表面との 着力が低下しないようにした車両配管用鋼 を提供することにある。

 また、本発明の他の目的は、ポリアミド 膜の密着力を種々の端末加工でも剥離しな レベルに高めることにより、より苛酷な条 での端末加工に適用できるようにした車両 管用鋼管を提供することにある。

 前記の目的を達成するために、本発明は めっき被膜を含む多層の被膜で鋼管を被覆 てなる車両配管用鋼管において、前記多層 被膜が、鋼管の表面に形成しためっき被膜 、前記めっき被膜を被覆する化成処理被膜 、前記化成処理被膜を被覆しエポキシ化合 を主体にアミド結合若しくはイミド結合を 入したエポキシ硬化型樹脂組成物からなる ライマー被膜と、前記プライマー被膜を被 するポリアミド樹脂被膜と、からなること 特徴とするものである。

 本発明では、前記プライマー被膜の材料 は、エポキシ硬化型樹脂をベースにアミド 合またはイミド結合を導入した樹脂を混入 たエポキシ硬化型樹脂組成物や、エポキシ 化型樹脂にアミド結合またはイミド結合の 橋構造を導入したエポキシ硬化型樹脂組成 を用いることができる。

 本発明では、前記プライマー被膜の膜厚 、0.5~20μmであることが好ましい。また、前 化成処理被膜は、クロム化合物を含有しな クロムフリー化成処理被膜からなることが ましい。

 本発明によれば、ポリアミド被膜とプラ マー被膜との密着力を従来のものに較べて 段に高めることができ、高濃度アルコール 合ガソリンに接触しても、その濃度や温度 上昇してもポリアミド被膜の密着力が低下 ないようにすることができる。

 また、本発明によれば、ポリアミド被膜 密着力を種々の金属加工を端末に加工して 剥離しないレベルに高められるので、より 酷な条件での加工を端末に施すことができ 。

図1は、本発明による車両配管用鋼管の 一実施形態を示す横断面図である。 図2は、同車両配管用鋼管の端末加工の 例を示す図である。 図3は、従来の車両配管用鋼管の横断面 図である。

 以下、本発明による車両配管用鋼管の一実 形態について、添付の図面を参照しながら 明する。 
 図1は、本発明の実施形態による車両配管用 鋼管の横断面を示す図である。この図1にお て、参照番号10は、鋼管を示している。この 実施形態では、鋼管10は、その外径が8mmであ 、自動車の燃料配管やブレーキ配管などの 輌配管の素管に用いられる鋼管である。こ 実施形態以外にも、自動車配管では4~42mmの まざまなサイズの配管に本発明を適用する とができる。

 鋼管10の外周面は全長にわたってめっき 膜12によって被覆されている。このめっき被 膜12は、好ましくは亜鉛めっき被膜であるが めっき処理の方法は、電解めっき法でもよ し、溶融めっき法でもよい。

 このめっき被膜12の上に重ねるようにし 、化成処理による化成処理被膜14が形成され ている。この化成処理被膜14を形成する化成 理には、6価クロムなどのクロム化合物を含 有しないクロムフリー化成処理溶液を用いた 化成処理が用いられる。

 本実施形態の車両配管用鋼管では、化成 理皮膜14の表面は、樹脂被膜18との接着性が 高まるように、プライマー皮膜16を介して、 リアミド樹脂被膜18で被覆されている。そ 樹脂材料としては、PA11、PA12が望ましい。

 プライマー被膜16の材料には、エポキシ 合物を主体にアミド結合若しくはイミド結 を導入したエポキシ硬化型樹脂組成物が用 られる。このエポキシ硬化型樹脂組成物に 、エポキシ硬化型樹脂をベースにアミド結 またはイミド結合を導入した樹脂を混入し 樹脂組成物や、エポキシ硬化型樹脂にアミ 結合またはイミド結合の架橋構造を導入し 樹脂組成物が用いられる。

 プライマー被膜16は、上記の樹脂組成物(分 量Mn100000以下)を有機溶剤で溶解し、その溶 を乾燥した状態の膜厚が0.5~20μm、好ましく 1~10μmになるように塗布してから、表面温度 が200℃以上になるようにして乾燥焼き付けを 行って形成することができる。 
 最上層のポリアミド樹脂被膜18は、押出成 により、膜厚が50~300μmの範囲でコーティン を施す。

 以上のように構成される鋼管によれば、 っき被膜12と、化成処理被膜14と、エポキシ 硬化型樹脂をベースにアミド結合またはイミ ド結合を導入した樹脂からなるプライマー被 膜16と、ポリアミド樹脂被膜18という組み合 せの被膜構成をとることにより、ポリアミ 樹脂被膜18と鋼管との接着強度が従来のよう にエポキシ樹脂単独をプライマーに用いた場 合に較べて格段に高まることがわかった。

 これは、ポリアミドと化成処理被膜14と 界面密着性がアミド結合またはイミド結合 導入したエポキシ硬化型樹脂組成物により まるとともに、プライマー被膜16自体の強度 も大きくなるためと考えられる。

 これに対して、プライマー被膜16の材料 、エポキシ硬化型樹脂組成物の代わりに、 ミド結合あるいはイミド結合を含む樹脂だ を用いた場合は、ポリアミド樹脂被膜18の接 着強度の増強は発現しないことが判明した。

 本実施形態による車両配管用鋼管によれ 、ポリアミド樹脂被膜18の接着強度が格段 高まるので、自動車の燃料配管に利用した 合に、次のような効果が得られる。

 燃料配管に利用するには、図2(a)に示すよ うに、管の端末に周回する凸部からなるスプ ール19を形成する加工や、図2(b)に示すように 、フレア部20を形成するなどの種々の形状を 末に付加する金属加工が施される。本実施 態の車両配管用鋼管によれば、この端末加 を行ったときでも、ポリアミド樹脂被膜18 剥離する不良品の発生をなくすことができ 。

 また、従来、樹脂被膜が剥離することか 、加工が困難とされていた絞り加工のよう 苛酷な加工、例えば、図2(c)に示すように外 径10mmの管の端末を8mmに絞る加工も可能にな 。

 さらには、今後、普及が拡大すると思わ る高濃度アルコール配合ガソリンに対して いかなる混合比、いかなる温度条件であっ も、ポリアミド樹脂被膜18と鋼管との接着 がゼロにならないという、従来この種の配 では知られていない顕著な効果があること 見いだされた。これにより、樹脂被膜と鋼 との層間に燃料が浸透し、継手部のOリング あるにもかかわらず、Oリングのシール面よ りも下層の樹脂被膜と鋼管表面の隙間から燃 料が漏洩するトンネルリーク現象の発生を防 止することができる。なお、この効果に関し ては、実施例を挙げて後述する。

 なお、ポリアミド樹脂被膜18の接着強度 高まることから、燃料配管に小石などが当 った場合にも、傷が鋼管に表面に到達する うな傷が付きにくく、耐チッピング性、耐 性も高まることになる。

 次に、本実施形態の車両配管用鋼管を自 車のブレーキ配管に利用した場合には、端 加工に伴う剥離の問題を解決できる点は燃 配管と同様である。ブレーキ配管の場合は 高圧になるため、継手部をフレアナットな で強く締め付ける必要があるところ、従来 、樹脂被膜が破れてしまうという問題があ た。これに対して、本実施形態をブレーキ 管に適用した場合には、強く締め付けても リアミド樹脂被膜18が破れにくくなるとい 利点がある。

実施例
 次に、本発明の実施例について、表1を参照 しながら説明する。 

 実施例1乃至実施例3は、いずれも亜鉛め きを施した外径8mmの鋼管にクロムフリー化 処理を施し、そのうちプライマーを乾燥し 状態で被膜1~10μmになるように塗布し、200℃ 焼き付けた後、押出成形により150ミクロン 膜厚のPA11の被膜を形成したチューブである 。プライマーに用いた材料は、実施例毎に異 なっている。

 実施例1では、ビスフェノール型エポキシ 樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製、商 名エピクロン7050)を100としてポリイミド(宇 興産株式会社製、商品名Uワニス)を10~20%含有 したエポキシ硬化型樹脂組成物をプライマー の材料とした。

 実施例2では、ビスフェノール型エポキシ 樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製、商 名エピロン7050)を100としてポリアミド(スリ ボンド株式会社製、商品名2015)を10~20%含有し たエポキシ硬化型樹脂組成物をプライマーの 材料とした。

 実施例3では、ビスフェノール型エポキシ 樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製、商 名エピクロン7050)を100としてポリアミドイミ ド(東洋紡績株式会社製、商品名バイロマッ スHR)を10~20%含有したエポキシ硬化型樹脂組 物をプライマーの材料とした。

 ピーリング密着力の測定は、次のように て測定した。

 アルコール配合ガソリンを、エタノール 濃度(体積%)で10%(E10と表記する)、30%(E30と表 する)、85%(E85と表記する)、100%(E100と表記す )の4種類を用意し、各アルコール配合ガソ ンをそれぞれ常温、60℃、80℃、100℃の温度 保った状態で、実施例1乃至3を72時間浸漬し た。その後、ポリアミド樹脂被膜を約2mm幅で チューブ軸方向にナイフの刃を入れ、剥ぎ取 るときに要する力を測定し、これをもってピ ーリング密着力とした。

 また比較例を用意し、同じ条件でピーリ グ密着力を測定した。なお、比較例1は、プ ライマーの材料にエポキシ樹脂単独のものを 用いたもので、それ以外は実施例と同等品で ある。比較例2は、比較例と別の従来の同等 チューブである。

 表1から明らかにわかるように、実施例1 至3はいずれも密着力が初期状態において従 品に較べて勝るとともに、とりわけ、常温 おいて、従来品に較べて高い密着力を有す ことをみてとれる。

 また、比較例1、2は、燃料の温度が高く ると、ピーリング密着力がゼロになるのに して、実施例1乃至3は、温度が高くなっても 、密着力を維持することがわかる。しかも、 実施例1乃至3は、燃料のエタノール濃度が変 っても、密着力を維持することができる。