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Title:
STOPPER FOR REMOVING VOLATILE SUBSTANCE, VESSEL FOR REMOVING VOLATILE SUBSTANCE, AND APPARATUS FOR REMOVING VOLATILE SUBSTANCE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/078765
Kind Code:
A1
Abstract:
[PROBLEMS] To provide a stopper for removing a volatile substance, which can vaporize and remove volatile substances such as solvents in a simple and highly efficient manner, and a vessel for removing a volatile substance using the stopper for removing a volatile substance, and an apparatus for removing a volatile substance using the vessel for removing a volatile substance. [MEANS FOR SOLVING PROBLEMS] A vessel (1) for removing a volatile substance comprises a vessel (2) for storing a solution containing the volatile substance, a volatile substance removing stopper (3) for closing the opening of the vessel (2). A through-hole (3a) for discharging a vaporized volatile substance is provided in the stopper (3). Further, a gas introduction port (3b) is provided on the upper edge of the stopper (3). Further, a gas discharge port (3c) is provided on the lower edge of the stopper (3). A groove (3d) connecting the gas introduction port (3b) to the gas discharge port (3c)is provided on the side face of the stopper (3). Upon evacuation of the inside of the vessel or tube (2), an external gas is passed through the groove (3d) and is blown at a high speed into the tube (2) through the gas discharge port (3c), and, while colliding against the internal wall of the tube (2), is spirally rotated by centrifugal force along the inner wall of the tube, whereby the volatile substance is kicked up and stirred by a gas stream to increase the surface area and thus to promote the vaporization of the volatile substance.

Inventors:
OHNUKI TAKASHI (JP)
NAKAJIMA MUTSUO (JP)
KINOSHITA KAZUMASA (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/074927
Publication Date:
July 03, 2008
Filing Date:
December 26, 2007
Export Citation:
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Assignee:
BIOCHROMAT CO LTD (JP)
OHNUKI TAKASHI (JP)
NAKAJIMA MUTSUO (JP)
KINOSHITA KAZUMASA (JP)
International Classes:
B01J7/02; B01D1/14; G01N1/10; B65D39/04; B65D51/16
Foreign References:
JPS63502646A1988-10-06
JPS6011054U1985-01-25
JPH11113559A1999-04-27
JP2001206397A2001-07-31
JPS63502646A1988-10-06
JPS6011054U1985-01-25
Other References:
See also references of EP 2119497A4
Attorney, Agent or Firm:
SEKINE, Takeshi et al. (1-20-10-203 Takadanobaba,Shinjuku-k, Tokyo 75, JP)
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Claims:
 揮発性物質留去用容器の開口を閉じる揮発性物質留去用栓であって、
 該栓に、排気用の貫通孔が開けられており、
 該栓の上縁に容器内へのガス導入口が設けられるとともに、下縁に導入されたガスを容器内の溶液と接触させるためのガス排出口が設けられ、該栓の側面に、前記ガス導入口とガス排出口との間を結ぶ溝が形成されていることを特徴とする揮発性物質留去用栓。
 前記溝の、水平面に対する角度が10~45°であることを特徴とする請求項1記載の揮発性物質留去用栓。
 前記溝の断面積が、栓の断面積の0.4~10%であることを特徴とする請求項1又は2記載の揮発性物質留去用栓。
 前記溝が、栓の側面に沿って螺旋状に形成される、請求項1~3のいずれか1項に記載の揮発性物質留去用栓。
試料溶液から揮発性物質を留去させるために使用される揮発性物質留去用容器であって、
 前記揮発性物質を含む溶液が収容される容器と、
 該容器の開口を閉じる揮発性物質留去用栓と、を有し、
 該栓に、気化 した揮発性物質が排出される貫通孔が開けられており、
 該栓の上縁に容器内へのガス導入口が設けられるとともに、下縁に導入されたガスを容器内の溶液と接触させるためのガス排出口が設けられ、該栓の側面に、前記ガス導入口とガス排出口との間を結ぶ溝が形成されていることを特徴とする揮発性物質留去用容器。
 前記溝の、水平面に対する角度が10~45°であることを特徴とする請求項5記載の揮発性物質留去用容器。
 前記溝の断面積が、栓の断面積の0.4~10%であることを特徴とする請求項5又は6記載の揮発性物質留去用容器。
 前記溝が、栓の側面に沿って螺旋状に形成される、請求項5~7のいずれか1項に記載の揮発性物質留去用容器。
 試料溶液から揮発性物質を留去させる揮発性物質留去装置であって、
 前記試料溶液を収容する1以上の揮発性物質留去用容器と、
 該揮発性物質留去用容器内を減圧する減圧手段と、
を具備し、
 前記揮発性物質留去用容器が、
 前記試料溶液が収容される容器と、
 該容器の開口を閉じる揮発性物質留去用栓と、を有し、
 該栓に、気化した揮発性物質が排出される貫通孔が開けられており、
 該栓の上縁に容器内へのガス導入口が設けられるとともに、下縁に導入されたガスを容器内の溶液と接触させるためのガス排出口が設けられ、該栓の側面に、前記ガス導入口とガス排出口との間を結ぶ溝が形成されていることを特徴とする揮発性物質留去用 装置。
Description:
揮発性物質留去用栓、揮発性物 留去用容器及び揮発性物質留去装置

 本発明は、試料溶液を撹拌して、同溶液 の揮発性物質を留去(気化・除去)させるた に使用される揮発性物質留去用栓、この揮 性物質留去用栓を装着した揮発性物質留去 容器及びこの揮発性物質留去用容器を使用 た揮発性物質留去装置に関する。

 試験管内の試料溶液中の溶媒を気化・除 させる装置として、近年、ガスを吹き付け 、あるいは、管内を減圧して溶媒等の揮発 物質を気化し、吹きつけガスと共に気体に 伴・除去させるタイプ(ガス吹き付け式)の 媒気化装置が提案されている。このタイプ 溶媒気化装置は、ロータリーエバポレータ よる溶媒の気化除去に比較して、一度に多 のサンプルを処理でき、また、従来の遠心 縮器と比較した場合には、比較的短時間で 理できるとともに、試料数が少ない場合に 適用できるという利点を有する。

 このガス吹き付け式、あるいは、減圧式 溶媒気化・除去装置においては、試料溶液 活発に撹拌して、同液の表面積を増大させ 発を促進させるために、ガス吹き付けや減 手法を工夫した試験管を備えるものが提案 れている(例えば、特許文献1、2参照)。特許 文献1に記載の試験管は、試験管の蓋を貫通 るガス供給導管を備え、同ガス供給導管の 壁に向けられた構造を有している。これに り、容器内に導入されたガスは内壁に当た て渦巻状となって液面に当たり、溶液を撹 する。特許文献2に記載のものも、蓋体を貫 する気流供給孔を備え、同気流供給孔が試 管内壁に斜めに衝突するように形成されて る。

特表昭63-502646号公報

実開昭60-11054号公報

 上記特許文献1及び特許文献2に記載された 法によっても、溶媒留去用容器内の溶媒を 去させることは可能であるが、溶液を活発 つ効率的に撹拌し、気体に対する液体の接 面積を増大させるには不十分であり、必ず も容易に効率よく溶媒を留去できるもので なかった。
 本発明は、簡便な方法で、効率よく溶媒等 揮発性物質を気化・除去することを可能と た揮発性物質留去用栓、そのような揮発性 質留去用栓を用いる揮発性物質留去用容器 びそのような揮発性物質留去用容器を用い 溶媒留去装置を提供することを目的とする

上記目的を達成するため、本発明者らは鋭意 検討した結果、特定の溝を有する溶媒留去用 栓、該栓を用いた揮発性物質留去用容器が上 記目的を達成し得るという知見を得た。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもの であり、揮発性物質留去用容器の開口を閉じ る揮発性物質留去用栓であって、該栓に、排 気用の貫通孔が開けられており、該栓の上縁 に容器内へのガス導入口が設けられるととも に、下縁に導入されたガスを容器内の溶液と 接触させるためのガス排出口が設けられ、該 栓の側面に、前記ガス導入口とガス排出口と の間を結ぶ溝が形成されていることを特徴と する揮発性物質留去用栓を提供するものであ る。

また、本発明は、試料溶液から揮発性物質 を留去させるために使用される揮発性物質留 去用容器であって、前記揮発性物質を含む溶 液が収容される容器と、該容器の開口を閉じ る揮発性物質留去用栓と、を有し、該栓に、 気化 した揮発性物質が排出される貫通孔が けられており、該栓の上縁に容器内へのガ 導入口が設けられるとともに、下縁に導入 れたガスを容器内の溶液と接触させるため ガス排出口が設けられ、該栓の側面に、前 ガス導入口とガス排出口との間を結ぶ溝が 成されていることを特徴とする揮発性物質 去用容器を提供する。

また、本発明は、試料溶液から揮発性物質 を留去させる揮発性物質留去装置であって、 前記試料溶液を収容する1以上の揮発性物質 去用容器と、該揮発性物質留去用容器内を 圧する減圧手段と、を具備し、前記揮発性 質留去用容器が、前記試料溶液が収容され 容器と、該容器の開口を閉じる揮発性物質 去用栓と、を有し、該栓に、気化した揮発 物質が排出される貫通孔が開けられており 該栓の上縁に容器内へのガス導入口が設け れるとともに、下縁に導入されたガスを容 内の溶液と接触させるためのガス排出口が けられ、該栓の側面に、前記ガス導入口と ス排出口との間を結ぶ溝が形成されている とを特徴とする揮発性物質留去用装置を提 する。

 本発明の揮発性物質留去用栓は揮発性物 留去用容器を閉じるために用いられ、本発 の揮発性物質留去用容器を作製することが きる。

 本発明においては、揮発性物質留去用栓 前記溝の、水平面に対する角度は、特に限 されることはないが、好ましくは10~45°であ る。角度が10~45°であると、溶液の撹拌を効 よく行うことができ、揮発性物質を効率よ 留去することができる。溝の角度は、より ましくは15~25°である。溝の角度を上記範囲 することにより、揮発性物質の除去効率が 上する。

 なお、本発明の揮発性物質留去容器又は 発性物質留去装置を用いて留去することの きる揮発性物質としては、通常の有機化学( 有機合成や精製)の実験に用いられる溶媒や 蒸気圧を有する固体物質等を意味するもの ある。溶媒としては、特に限定されること ないが、一定の温度条件(室温や加温状態)に おいて蒸気圧を有するものであればよく、例 えば、メタノール、酢酸エチル、水、エタノ ール、プロパノール、ブタノール、アセトン 、メチルエチルケトン、アセトニトリル、酢 酸、ヘキサン、ジエチルエーテル、クロロホ ルム、塩化メチレン等の溶媒が挙げられる。 また、特定の温度において蒸気圧を有する固 体であっても、本発明の揮発性物質留去容器 又は揮発性物質留去装置を用いて留去するこ とができる。具体的には、一定の温度範囲に おいて昇華するような固体化合物が挙げられ 、例えば、塩化アルミニウム等の金属ハロゲ ン化物が挙げられる。

本発明の揮発性物質留去用容器は、試料溶液 から揮発性物質を留去させるために使用され る揮発性物質留去用容器であって、前記試料 溶液が収容される容器と、該容器の開口を閉 じる揮発性物質留去用栓と、を有し、該栓に 、気化 した揮発性物質が排出される貫通孔 開けられており、該栓の上縁に容器内への ス導入口が設けられるとともに、下縁に導 されたガスを容器内の溶液と接触させるた のガス排出口が設けられ、該栓の側面に、 記ガス導入口とガス排出口との間を結ぶ溝 形成されている。すなわち、本発明の揮発 物質留去用容器は、開口を閉じる栓として 上述した本発明の揮発性物質留去用栓を用 ている。
 本発明の揮発性物質留去用容器を用いるこ により、容器内を減圧すると、外部のガス 溝を通ってガス排出口から揮発性物質留去 容器内に高速で吹き込まれ、かつ上記栓に けられた溝を通過することから、回転をう て導入され、遠心力によって容器の内壁に って螺旋状に回転する。これにより、試料 液が気流によって巻き上げられ、かつ回転 を与えられて撹拌され、その表面積(揮発性 物質から気体が蒸発する蒸発面積)が増大し 溶媒等の揮発性物質の気化が促進される。

 本発明の溶媒留去装置は、試料溶液から 発性物質を留去させる揮発性物質留去装置 あって、前記試料溶液を収容する1以上の揮 発性物質留去用容器と、該揮発性物質留去用 容器内を減圧する減圧手段と、を具備し、前 記揮発性物質留去用容器が、前記試料溶液が 収容される容器と、該容器の開口を閉じる揮 発性物質留去用栓と、を有し、該栓に、気化 した揮発性物質が排出される貫通孔が開けら れており、該栓の上縁に容器内へのガス導入 口が設けられるとともに、下縁に導入された ガスを容器内の溶液と接触させるためのガス 排出口が設けられ、該栓の側面に、前記ガス 導入口とガス排出口との間を結ぶ溝が形成さ れていることを特徴とする。

 本発明の揮発性物質留去用栓によれば、試 溶液に、留去用のガスを吹き付け、気化し 揮発性物質を強制排気することを、同一の 器内で行うことができる。その結果、沸点 高く、留去しにくい揮発性物質であっても 本発明の揮発性物質留去用栓を使用した揮 性物質留去用容器によれば、従来の揮発性 質留去のための試験管等に比べ、迅速に揮 性物質を留去することができる。
 本発明の揮発性物質留去用容器によれば、 圧手段により容器内を減圧すると、外部の スが揮発性物質留去用容器内に前記溝を経 して回転しながら、高速で吹き込まれて、 心力によって容器の内壁に沿って螺旋状に 転して高速の回転流が発生する。この回転 により揮発性物質が高効率で撹拌されてそ 表面積(蒸発面積)が増大するので、揮発性 質の気化が促進され、比較的短時間で揮発 物質を留去させることができる。

 また、本発明の揮発性物質留去用容器を用 ることにより、試料溶液を活発かつ高効率 撹拌することができ、温度をそれほど上昇 せず、低温で揮発性物質を留去することが きるため、試料化合物を分解することなく 揮発性物質の留去を効率よく行なうことが きる。
 本発明の揮発性物質留去装置は、1個の減圧 手段で多数の揮発性物質留去用容器内を減圧 することができるので、一度に多数の試料を 処理することができる。

発明を実施するための形態

 以下、本発明の実施の形態について、図面 参照しながら詳細に説明する。
 図1は、本発明の実施の形態に係る揮発性物 質留去用栓及び揮発性物質留去用容器を説明 する図であり、図1(A)は揮発性物質留去用容 の正面図、図1(B)は揮発性物質留去用栓(なお 、本明細書において、単に「栓」ともいう) 斜視図、図1(C)は栓の正面図である。
 揮発性物質留去用容器1は、試料溶液が収容 される容器2と、同容器2の開口を閉じる揮発 物質留去用栓3と、を有する。

 まず、本発明の揮発性物質留去用栓につ て図1(B)及び(C)を参照しつつ説明する。同栓 3を製造するための素材としては特に限定さ ないが、例えば、シリコンゴム等が挙げら る。同栓3の中心には、気化した揮発性物質 排出される貫通孔3aが開けられている。さ に、同栓3の上縁にガスの導入口3bが形成さ ており、下縁にはガス排出口3cが形成されて いる。そして、同栓3の側面には、ガス導入 3bとガス排出口3cとの間を結ぶ溝3dが形成さ ている。この溝3dの、水平面に対する角度θ( 図1(C)参照)は、10~45°、特には、15~25°である とが好ましい。

 揮発性物質留去用栓3の大きさについて特 に制限はないが、揮発性物質留去用容器の大 きさに合わせて製造することができる。図1(B )及び(C)においては、上部が底部よりも大き 作製されているが、これは、使い勝手をよ するためのものであり、この形態に限定さ ない。上部及び底部が同じ大きさ、すなわ 、円柱状の形態であってもよい。

 また、溝3dの深さや幅は、栓3の寸法によっ 適宜調整することができるが、好ましい実 態様については以下の通りである。
本発明においては、揮発性物質留去用栓の前 記溝の断面積は、栓の断面積の0.4~10%である とが好ましく、1.6~3.5%であることが更に好ま しい。溝の断面積が栓の断面積の0.4%未満で ると、溝から吹き込まれるガスが容器の底 で入り、吹き上げられた試料のあがりが、 器の上部にまで達してしまい、ポンプに入 てしまう場合があり、一方、溝の断面積が の断面積の10%を超えると、溝から吹き込ま るガスが試料溶液の上部にのみあたり、試 溶液の上部のみが撹拌されることとなり、 発性物質の気化を促進する効果が十分でな なる場合がある。
 また、本発明の揮発性物質留去用栓を用い 揮発性物質を留去する場合、後述するよう 、揮発性物質留去用容器の内部をポンプを いて減圧することができる。

 容器を上述した栓3で閉じて用いることに より、本発明の揮発性物質留去用容器となる 。容器2の開口をこの栓3で閉じると、溝3dと 器2の内面との間に、外部と容器2の内部を連 通する空間(ガス導入孔)が形成される。

 次に、この揮発性物質留去用容器1における 揮発性物質気化作用について説明する。 図2 は、図1で示す揮発性物質留去用容器内の気 の状態を説明する図であり、図2(A)は側面図 図2(B)は平面図である。
 容器2内を減圧する際は、例えば、栓3の貫 孔3aをポンプの吸引側に接続する。ポンプを 稼動すると、容器2内のガスが引かれ、容器 が減圧される。すると、栓3のガス導入口3b ら外部のガスが取り込まれる。このガスは 溝3d(ガス導入口)を通ってガス排出口3cから 器2内に高速で吹き込まれる。ガス排出口3c ら吹き込まれたガスは、図2に示すように、 器2の内壁に当たりながら、遠心力によって 容器2の内壁に沿って螺旋状に回転すると考 られる。または、螺旋状の流れでなく、不 一な乱流が起こることもある。容器2内でこ ような気流が起こると、試料溶液が気流に って巻き上げられて撹拌され、その表面積 多くなり揮発性物質の気化が活発になる。 化した揮発性物質は、栓3の貫通孔3aから排 される。

 次に、本発明の揮発性物質留去装置につい 図3を参照しつつ説明する。
 図3は、本発明の実施の形態に係る揮発性物 質留去装置の構成を模式的に説明する図であ る。
 この揮発性物質留去装置10は、試料溶液が 容される複数の揮発性物質留去用容器1と、 れらの揮発性物質留去用容器1の内部を減圧 するポンプ11を備える。ポンプ11の吸引側に 主配管12が接続しており、この主配管12の途 には、各揮発性物質留去用容器1に延びる配 管13が分岐している。分岐した各配管13は、 発性物質留去用容器1の栓3の貫通孔3aに通さ ている。各揮発性物質留去用容器1は、水( 温)が貯留された水槽14内に支持されている
 ポンプ11の下流には、トラップ15が設けられ ている。

 図3に示す揮発性物質留去装置の動作につ いて説明する。ポンプ11を稼動すると、各揮 性物質留去用容器1の内部の空気が、各分岐 配管13及び主配管12を通って引かれ、揮発性 質留去用容器1内が減圧される。すると、前 のように、栓3のガス導入口3bから外部のガ が取り込まれ、溝3dを通ってガス排出口3cか ら揮発性物質留去用容器1内に高速で吹き込 れ、遠心力によって容器の内壁に沿って螺 状に回転したり、不均一に流れて、試料溶 が巻き上げられて撹拌される。こうして揮 性物質が活発に気化し、気化した揮発性物 は、栓3の貫通孔3aを通る分岐配管13と主配管 12を通ってトラップ15で補足される。

 図3に示す例では、各揮発性物質留去用容 器1を水槽14内に支持したが、必ずしも水槽14 に支持する必要はない。図3に示す例におい ては、水槽14内の水は室温でよい。なお、水 14内の水を加温することもできる。この場 、蒸発し難い揮発性物質を用いている場合 は、揮発性物質の気化を促進する効果があ 。なお、加温温度は、通常は20~60℃であり、 好ましくは30~40℃である。この範囲の温度で れば、試料溶液中の化合物を分解すること く揮発性物質の留去を行うことができる。

 また、酸化しやすい試料溶液の場合は、 3のガス導入口3bに、例えば、不活性ガス(例 えば、窒素ガス、アルゴンガス)源から延び 配管を接続してもよい。これにより、不活 ガスが前述と同様に容器2内に送り込まれ、 料溶液が不活性ガスの気流で撹拌される。 た、図3に示す装置を、不活性ガス雰囲気下 に配置して操作を行うことも可能である。す なわち、不活性ガスの充満したチャンバー内 に、図3に示す装置を導入して用いることも きる。

 図2の揮発性物質留去装置を使用して、以下 の条件下で揮発性物質の留去度合いを測定し た。
 容器2:ファルコンチューブ(容量15ミリリッ ル)中にMeOH(5ミリリットル)を入れ、水槽14内 水温を32℃に維持しながら、2分間ポンプ(VAC CUUBRAND社製
、MZ-2c)により吸引(流量:33~35L/分)を行い、ポ プを止めた後、ファルコンチューブ中に残 するMeOH量を測定した。5なお、栓3の溝3dの角 度θ:10°、20°、30°、45°、60°とし、溝の太さ び深さは1.5mmとした。なお、栓の太さは底 分が直径16mmであり、上部の直径は16mmのもの を用い、溝の深さ及び太さは1.5mmとした。従 て、溝の断面積は、栓の断面積の1.1%となる 。
 実験結果を表1及び図4に示す。

 図4は、容器内の揮発性物質の残容量を示す グラフである。横軸が溝の角度θ、縦軸が残 量を示す。
 図4及び表4に示すように、溝3dの角度が10° 30°、45°のものは、残容量が3.0ミリリットル であり、溝3dの角度が20°のものは、残容量が 2.8ミリリットルであった。溝3dの角度が60°の ものは、乱流が起こった。

 以上の結果から、溝3dの角度が10~45°の栓 使用することにより、40%から60%程度の揮発 物質が気化したことがわかる。

 実施例2
 図2の揮発性物質留去装置を用いて、栓3の 面積及び排気流量を変化させた場合の残存 媒量を測定した。栓3の表面に螺旋状に形成 れた溝の断面は、深さ・幅を規定した四角 とし、溝の角度は20°とした。測定条件を以 下に示す。
 留去用試験管: 15ml BDファルコンチューブ( 心分離用、日本ベクトン・ディッキンソン( 株)製)
 排気ポンプ:  VDE0530 MD4C(Vacuubrand社製)
 溶媒:     メタノール
 初期溶媒量:  5ml
 湯浴温度:   32℃
 気化時間:   2分
 流量計:    P-062-A1000-Lo(東京計装株式会社 )

 上記条件で、試験管内メタノールを気化 、残存するメタノール量を測定した。なお 排気流量は流量計で調整を行った。その際 試験管内で螺旋状に液面上部に巻き上がる 媒高さが、最大で試験管の目盛りで12mlを示 す位置までになるように調整した。また、栓 3の溝の深さ、幅による制限で、流量が最大 30L/分にならない場合は、その栓での最大流 測定を行った。結果を表2に示す。

 試料3と試料6との対比、試料6と試料7との 対比から明らかなように、栓の断面積に対す る溝の断面積の割合が同一の場合であっても 、深さより幅が大きい場合に、より効率的に 溶媒を気化できることがわかる。このことよ り、吹きつけガスを壁に沿って流れるように し、吹きつけガスに回転力を与えることで、 より効率的に溶媒の気化を行うことが可能で あることがわかった。

本発明の実施の形態に係る揮発性物質 去用容器を説明する図であり、図1(A)は揮発 性物質留去用容器の正面図、図1(B)は栓の斜 図、図1(C)は栓の正面図である。 図1の揮発性物質留去用容器内の気流の 状態を説明する図であり、図2(A)は側面図、 2(B)は平面図である。 本発明の実施の形態に係る揮発性物質 去装置の構成を模式的に説明する図である 容器内の揮発性物質の残容量を示すグ フである。横軸が溝の角度θ、縦軸が残容 を示す。

符号の説明

 1 揮発性物質留去用容器
 2 容器
 3 揮発性物質留去用栓
10 揮発性物質留去装置
11 ポンプ
12 主配管
13 分岐配管
14 水槽
15 トラップ