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Patent Searching and Data


Title:
STORAGE DEVICE AND INFORMATION RERECORDING METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/075315
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a storage device wherein a voltage requiring control is reduced and a peripheral circuit scale is reduced. A first pulse voltage (VBLR) is supplied to an electrode (11) of a variable resistance element (10) from a first power supply (21) through a bit line (BLR), a second pulse voltage (VWL) for cell selection is supplied to a control terminal (20c) of a transistor (20) from a second power supply (22) through a word line (WL), and a third pulse voltage (VBLT) is supplied to a second input/output terminal (20b) of the transistor (20) from a third power supply (23) through the bit line (BLT). At the time of rewriting information, a cell voltage and a cell current can be varied (reduced or increased) by adjusting the voltage value (VBLT) of the third power supply (23) by the adjusting circuit (24).

Inventors:
SHIIMOTO TSUNENORI (JP)
TSUSHIMA TOMOHITO (JP)
YASUDA SHUICHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/072488
Publication Date:
June 18, 2009
Filing Date:
December 11, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SONY CORP (JP)
SHIIMOTO TSUNENORI (JP)
TSUSHIMA TOMOHITO (JP)
YASUDA SHUICHIRO (JP)
International Classes:
G11C13/00
Foreign References:
JP2007018615A2007-01-25
JP2004185723A2004-07-02
JP2004185755A2004-07-02
JP2006202411A2006-08-03
Attorney, Agent or Firm:
FUJISHIMA, Youichiro et al. (9-5 Shinjuku 1-chome, Shinjuku-ku Tokyo 22, JP)
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Claims:
 一対の電極を有し、前記電極への電圧印加により情報が記録される記憶素子と、
 第1,第2入出力端子および制御端子を有し、前記第1入出力端子が前記記憶素子の一方の電極に接続されたスイッチング素子と、
 前記記憶素子の他方の電極に第1電圧を供給する第1電源と、
 前記スイッチング素子の制御端子に選択用の第2電圧を供給する第2電源と、
 前記スイッチング素子の第2入出力端子に第3電圧を供給する第3電源を含み、前記記憶素子に対して情報を記録する際に前記第3電圧の電圧値を変更する調整手段と
 を備えた記憶装置。
 前記記憶素子は、前記電極間に異なる極性のパルス電圧が印加されることによりその抵抗値が可逆的に変化する不揮発性の可変抵抗素子である
 請求項1記載の記憶装置。
 前記スイッチング素子はMOSトランジスタであり、前記調整手段は、前記可変抵抗素子に対して情報を記録する際に、前記第3電圧の電圧値を、前記MOSトランジスタの第2入出力端子がソース端子として作用する範囲内で減少または増加させる
 請求項2記載の記憶装置。
 前記調整手段は、前記記憶素子において情報の記録が正しく実行されたか否かを確認するベリファイ動作の結果に応じて再記録を行う度に、前記第3電圧の電圧値を変更する
 請求項3記載の記憶装置。
 前記第1電圧および第2電圧の電圧値は変更しない
 請求項4記載の記憶装置。
 前記記憶素子は、前記電極間に高抵抗層と、前記高抵抗層に接すると共にイオン化が容易な金属元素を含有するイオン源層とを、更に有する
 請求項2記載の記憶装置。
 前記記憶素子は、前記電極間に高抵抗層を有し、前記高抵抗層内にイオン化が容易な金属元素を含有する
 請求項2記載の記憶装置。
 前記金属元素は、Cu,AgおよびAlのうちの少なくとも1種類の元素である
 請求項6記載の記憶装置。
 前記高抵抗層に接する層内、或いは前記高抵抗層内に、S,Se,TeおよびOのうちの少なくとも1種類の元素を含む
 請求項6記載の記憶装置。
 前記電極間にパルス電圧を印加すると、前記イオン源層から前記高抵抗層の中にイオン化した前記金属元素が移動して前記記憶素子の抵抗が下がる
 請求項6記載の記憶装置。
 一対の電極を有し、前記電極への電圧印加により情報が記録される記憶素子と、第1,第2入出力端子および制御端子を有し、前記第1入出力端子が前記記憶素子の一方の電極に接続されたスイッチング素子とを有する記憶装置の、前記記憶素子に対して情報の記録が正しく実行されたか否かを確認するベリファイ動作を行い、その結果に応じて再記録を行う情報再記録方法であって、
 ベリファイ動作後の再記録の度に、前記スイッチング素子の第2の入出力端子に印加する電圧の大きさを変更する情報再記録方法。
 前記記憶素子は、前記電極間に異なる極性のパルス電圧が印加されることによりその抵抗値が可逆的に変化する不揮発性の可変抵抗素子である
 請求項11記載の情報再記録方法。
Description:
記憶装置および情報再記録方法

 本発明は、記憶素子およびスイチッング 子を有するメモリセルを備えた記憶装置に り、特にベリファイ制御により再記録を行 ための駆動源を有する記憶装置および情報 記録方法に関する。

 コンピュータ等の情報機器においては、 速動作の可能な高密度のDRAM(Dynamic Random Acc ess Memory)が広く用いられている。しかし、DRA Mにおいては、電子機器に用いられる一般的 論理回路や信号処理回路などと比較して製 プロセスが複雑なため、製造コストが高い いう問題がある。また、DRAMは、電源を切る 情報が消えてしまう揮発性メモリであり、 繁にリフレッシュ動作を行う必要がある。

 そこで、電源を切っても情報の消えない 揮発性メモリとして、例えば、FeRAM(Ferroelect ric Random Access Memory;強誘電体メモリ)や、MRAM (Magnetoresistive Random Access Memory ;磁気記憶素 )などが提案されている。これらのメモリで は、電力を供給しなくても書き込んだ情報を 長時間保持し続けることが可能であり、また 、リフレッシュ動作を行う必要がないので、 その分だけ消費電力を低減させることができ る。しかし、FeRAMにおいては微細化が容易で いという問題があり、MRAMにおいては書込み 電流が大きいという問題があった(例えば、 特許文献1)。

 そこで、データの書込み速度の高速化に したメモリとして、例えば、図9および図10 示したような新しいタイプの記憶装置が提 されている。

 図9は、この記憶装置のメモリセル100を表 したものである。このメモリセル100は、図10 断面構造を表した可変抵抗素子110と、MOSト ンジスタ120(スイッチング素子)とを備えて る。可変抵抗素子110は、電極111、イオン源 112、高抵抗層113および電極114を積層して形 されたものである。電極111はビット線BLR、 極114はMOSトランジスタ120の一方の端子にそ ぞれ電気的に接続されている。MOSトランジ タ120の他方の端子はビット線BLT、MOSトラン スタ120のゲートはワード線WLにそれぞれ電気 的に接続されている。

 この記憶装置では、イオン源層112から高 抗層113に向かって電流が流れるように電極1 14および電極111に電圧を印加すると、高抵抗 113が低抵抗に変化してデータが書き込まれ 。逆に、高抵抗層113からイオン源層112に向 って電流が流れるように電極114および電極1 11に電圧を印加すると、高抵抗層113が高抵抗 変化してデータが消去される。

 この記憶装置では、従来の不揮発性メモ 等と比較して、単純な構造でメモリセルを 成することができるため素子のサイズ依存 がなく、かつ、大きい信号を得ることがで るためスケーリングに強いという特長を有 る。また、抵抗変化によるデータ書込み速 を例えば5ナノ秒程度と速くすることができ 、しかも低電圧(例えば1V程度)かつ低電流(例 ば20μA程度)で動作させることができるとい 利点を有する。

日経エレクトロニクス,2007.7.16号,p.98

 しかしながら、上記記憶装置では、従来 法で書き込みを行うようにすると、次のよ な問題が生じていた。すなわち、この種の 憶装置に最適な書き込みを行うためには、 変抵抗素子110に対して印加する電圧および 流を所定の範囲に制御する必要がある。図1 1はその書き込み時の等価回路を表したもの ある。電圧の制御は主にVBLR調整回路121によ ビット線BLRの電圧(VBLR)、電流の制御は主にV WL調整回路122によりワード線WLの電圧(VWL)をそ れぞれ調整することによってなされる。この ように、従来方法によって最適な書き込みを 行うためには、2つの電圧を制御するための 整回路が必要であり、これが周辺回路規模 増大を招く要因となっていた。

 また、上記VBLやVWLの制御はセル毎や、あ 程度のセルを集合にしたブロック単位毎に 出荷前の初期設定として行う場合もあるが セル毎に、書き込み動作毎に毎回調整する 合がある。後者の一般的な技術としてベリ ァイ読み出しと再書き込みを組み合わせる 法がある(以下,合わせて単にベリファイと ぶ)。すなわち、書き込み動作後にベリファ 読み出しを行い、低抵抗であったら書き込 成功として書き込み動作を終了し、高抵抗 あったら書き込み失敗として再書き込みを うものであり、このサイクルをある上限回 まで繰り返す。

 書き込みが失敗した場合には、電圧およ 電流の最適条件が大きくなる方に変動して ることが予想されるので、再書き込みを行 場合には、VBL,VWLともに前回の書き込みより も電圧を増加させて、書き込みの成功率を向 上させる。このような複雑な制御を実現する には周辺回路の増大が不可避であるが、上記 のように従来手法では2つの電圧を制御する 要があり、これが周辺回路規模の増大をさ に招くという問題があった。

 本発明はかかる問題点に鑑みてなされた ので、その目的は、制御を要する電圧を減 し、周辺回路規模を小さくすることのでき 記憶装置および情報再記録方法を提供する とにある。

 本発明の記憶装置は、一対の電極を有し 前記電極への電圧印加により情報が記録さ る記憶素子と、第1,第2入出力端子および制 端子を有し、第1入出力端子が記憶素子の一 方の電極に接続されたスイッチング素子と、 記憶素子の他方の電極に第1電圧を供給する 1電源と、スイッチング素子の制御端子に選 用の第2電圧を供給する第2電源と、スイッ ング素子の第2入出力端子に第3電圧を供給す る第3電源を含み、記憶素子に対して情報を 録する際に第3電圧の電圧値を変更する調整 段とを備えたものである。前記記憶素子と ては、具体的には、電極間に異なる極性の ルス電圧が印加されることによりその抵抗 が可逆的に変化する不揮発性の可変抵抗素 である。

 本発明の記憶装置では、調整手段により スイッチング素子の第2の入出力端子に印加 する電圧の大きさが制御され、これにより記 憶素子へ印加される電圧および電流がともに 増加または減少する。

 本発明の情報再記録方法は、一対の電極 有し、前記電極への電圧印加により情報が 録される記憶素子と、第1,第2入出力端子お び制御端子を有し、前記第1入出力端子が記 憶素子の一方の電極に接続されたスイッチン グ素子とを有する記憶装置の、前記記憶素子 に対して情報の記録が正しく実行されたか否 かを確認するベリファイ動作を行い、その結 果に応じて再記録を行う情報再記録方法であ って、ベリファイ動作後の再記録の度に、前 記スイッチング素子の第2の入出力端子に印 する電圧の大きさを変更するものである。

 本発明の記憶装置および情報再記録方法 よれば、記憶素子に印加する電圧および電 を変更する際に、スイッチング素子の第2の 入出力端子に印加する電圧のみの大きさを制 御するようにしたので、スイッチング素子の 制御端子の電圧値は変更することなく、1つ 電圧を制御するだけで記憶素子に印加する 圧および電流を同時に制御することができ 。すなわち、制御する電圧を減らすことか き、周辺回路規模を小さくすることが可能 なる。

本発明の一実施の形態に係る記憶装置( メモリセル)の回路構成図である。 図1に示したメモリセルの構成を表す断 面図である。 図1に示したメモリセルの情報書き込み 時の等価回路図である。 印加電圧・電流の最適範囲を説明する めの特性図である。 ベリファイ制御を説明するための波形 である。 他の実施例に係るメモリセルの情報消 時の等価回路図である。 変形例に係るメモリセルの情報書き込 時の等価回路図である。 変形例に係るメモリセルの情報消去時 等価回路図である。 従来の記憶装置(メモリセル)の回路構 図である。 図9に示したメモリセルの構成を表す 面図である。 図9に示したメモリセルの情報書き込 時の等価回路図である。 ベリファイ制御を説明するための波形 図である。

 以下、本発明の実施の形態について、図 を参照して詳細に説明する。

[第1の実施の形態]
 図1は、本発明の第1の実施の形態に係る記 装置のメモリセル1を表したものである。メ リセル1は、記憶素子、例えば図2に示した 変抵抗素子10と、スイッチング素子としての NチャネルMOS型のトランジスタ20とを備えてい る。記憶装置は、このメモリセル1を記憶単 として、複数個マトリクス状に配置したも である。図3は、メモリセル1の書き込み動作 時の等価回路を表したものである。

 可変抵抗素子10は、例えば、電極11、イオ ン源層12、高抵抗層(可変抵抗層)および電極14 を積層して形成されたものである。

 電極11,14は、例えば、Al、Cu、Wなどの金属 材料により構成されている。高抵抗層13は、 えば、金属材料、希土類元素、これらの混 物の酸化物あるいは窒化物、または半導体 料からなり、後述するように2つの電極11,14 に電圧を印加することにより、電極11,14の に生じる電場の向きに応じて抵抗値が変化 る機能を有している。

 イオン源層12は、例えば、Cu、AgおよびAl うち少なくとも一種類の金属元素と、Te、S よびSeのうち少なくとも一種類のカルコゲン 元素とを含んで構成されており、例えば、CuT eSi、GeSbTeSi、CuGeTeSi、AgGeTeSi、AgTeSi、AlTeSi、AlG eTeSi、ZrTeAl、CuZrTeAl、CuSSi、CuGeSSi、CuSeSi、CuGeS eSi等からなる。

 上記Cu、Agは、陽イオンとなったときに、 イオン源層12内や、高抵抗層13内を移動しや い元素である。Teは、イオン源層12の抵抗値 、可変抵抗素子10がオンしたときの高抵抗 13の抵抗値よりも小さくすることの可能な元 素である。そのため、イオン源層12において カルコゲン元素としてTeを用いた場合には 抵抗値が大きく変化する部分を高抵抗層13に 限定することができ、メモリ動作の安定性を 向上させることができる。また、イオン源層 12において、陽イオンとなる元素としてCuを い、さらに、カルコゲン元素としてTeを用い た場合には、イオン源層12の抵抗値を、可変 抗素子10がオンしたときの高抵抗層13の抵抗 値よりも十分に小さくすることができるので 、メモリ動作の安定性をより向上させること ができる。

 また、上記Alは可変抵抗素子10が低抵抗状 態から高抵抗状態へ切り替わるときに化学的 に安定な酸化物を形成するものであり、これ により消去状態(高抵抗状態)の保持特性が改 される。Siは、イオン源層12を非晶質化し、 イオン源層12の結晶化温度を上昇させること 可能な元素である。そのため、イオン源層1 2にSiを適当量含有させた場合には、プロセス 時に受ける熱などによる結晶化等の状態変化 が抑制され、メモリ動作の安定性を向上させ ることができる。

 イオン源層12には、例えばTeAlZrOxのように 、更にO(酸素)を含めるようにしてもよく、こ れによりデータの書き込み時の保持特性およ び抵抗値の制御性が向上する。

 図3に示したように、可変抵抗素子10の一 の電極11はビット線BLR、他方の電極14はトラ ンジスタ20の第1入出力端子(ドレイン/ソース) 20aにそれぞれ電気的に接続されている。トラ ンジスタ20の第2入出力端子(ソース/ドレイン) 20bはビット線BLT、トランジスタ20の制御端子2 0c(ゲート端子)はワード線WLにそれぞれ電気的 に接続されている。

 可変抵抗素子10の電極11にはビット線BLRを 介して第1電源21より第1パルス電圧(VBLR)、ト ンジスタ20の制御端子20cにはワード線WLを介 て第2電源22よりセル選択用の第2パルス電圧 (VWL)、また、トランジスタ20の第2入出力端子2 0bにはビット線BLTを介して第3電源23より第3パ ルス電圧(VBLT)がそれぞれ供給されるようにな っている。

 ここで、本実施の形態では、第1電源21お び第2電源22はそれぞれその書き込みの電圧 (パルス高さ)が一定の固定電圧源であるの 対し、第3電源23はその電圧値を調整回路24( 整手段)により変更できるものである。すな ち、情報の書き込み時において、トランジ タ20の第2入出力端子20bがソースとして作用 る範囲内で、電圧値を任意に減少または増 させることが可能となっている。具体的に 、例えば第3電源23では電圧値(パルス高さ) 異なる複数の書き込み用DC電源を含む構成を 有しており、その選択が調整回路24によりな れる。なお、パルス電圧には、文字通りの ルス波形に限らず、例えばランプ状波形の 圧も含まれる。

 次に、本実施の形態の記憶装置(メモリセ ル1)の動作について説明する。

(書き込み)
 第1電源21および第3電源23により、電極14に 電位(-電位)、電極11に正電位(+電位)をそれぞ れ印加して、イオン源層12から高抵抗層13に かって電流を流すと、イオン源層12から、Cu AgおよびAlのうち少なくとも一種類の金属元 素がイオン化して高抵抗層13内を拡散してい 、電極14側で電子と結合して析出したり、 るいは、高抵抗層13の内部に拡散した状態で 留まる。その結果、高抵抗層13の内部に上記 属元素を多量に含む電流パスが形成された 、若しくは、高抵抗層13の内部に上記金属 素による欠陥が多数形成され、高抵抗層13の 抵抗値が低くなる。このとき、イオン源層12 抵抗値は、高抵抗層13の書き込み前の抵抗 に比べて元々低いので、高抵抗層13の抵抗値 が低くなることにより、可変抵抗素子10全体 抵抗値も低くなる(つまり、可変抵抗素子10 オンする)。なお、このときの可変抵抗素子 10全体の抵抗が書込抵抗となる。その後、電 11,14に印加されている電位を零にして可変 抗素子10にかかる電圧を零にすると、可変抵 抗素子10の抵抗値が低くなった状態で保持さ る。このようにして情報の書き込みが行わ る。

(消去)
 次に、第1電源21および第3電源23により、電 14に正電位(+電位)、電極11に負電位(-電位)を それぞれ印加して、高抵抗層13からイオン源 12に向かって電流を流すと、高抵抗層13内に 形成されていた電流パス、あるいは不純物準 位を構成する、上記金属元素がイオン化して 、高抵抗層13内を移動してイオン源層12側に る。その結果、高抵抗層13内から、電流パス 若しくは欠陥が消滅して、高抵抗層13の抵抗 が高くなる。このときイオン源層12の抵抗 は元々低いので、高抵抗層13の抵抗値が高く なることにより、可変抵抗素子10全体の抵抗 も高くなる(つまり、可変抵抗素子10がオフ る)。なお、このときの可変抵抗素子10全体 抵抗が消去抵抗となる。その後、電極11,14 印加されている電位を零にして可変抵抗素 10にかかる電圧を零にすると、可変抵抗素子 10の抵抗値が高くなった状態で保持される。 のようにして、書き込まれた情報の消去が われる。

 このような過程を繰返し行うことにより 可変抵抗素子10に情報の書き込みと、書き まれた情報の消去を繰り返し行うことがで る。

 このとき、例えば、可変抵抗素子10全体 抵抗が書込抵抗となっている状態(低抵抗状 )を「1」の情報に、可変抵抗素子10全体の抵 抗が消去抵抗となっている状態(高抵抗状態) 「0」の情報に、それぞれ対応させると、電 極14に負電位を印加することによって、可変 抗素子10の情報を「0」から「1」に変え、電 極14に正電位を印加することによって、可変 抗素子10の情報を「1」から「0」に変えるこ とができる。

 また、この可変抵抗素子10では、広範囲 抵抗値を保持できるものであり、例えば低 抗から高抵抗へと変化させる際の消去電圧 制御して高抵抗状態と低抵抗状態との間の 間的な状態を作り出せば、その状態を安定 て保持することができる。よって2値だけで く多値記憶が可能となり、大容量化を実現 ることができる。

(読み出し)
 上記のように記録された情報の読み出しを う場合には、電極14に書き込み動作が起き い程度の負電位を印加すると共に電極11に正 電位を印加、または逆に電極14に消去動作が きない程度の正電位を印加すると共に電極1 1に負電位を印加して、イオン源層12および高 抵抗層13に電流を流すと、書き込み状態の抵 値,消去状態の抵抗値に対応した微小な電流 が流れる。この電流値を、例えばメモリセル アレイの外部に設置したセンスアンプなどで 検出することにより、可変抵抗素子10が低抵 状態 (「1」)か、高抵抗状態(「0」)かを判 することができる。

 このように、本実施の形態の可変抵抗素 10では、電極11、イオン源層12、高抵抗層13 よび電極14を積層しただけの簡易な構造であ るので、微細化しても情報の書き込みおよび 消去を行うことができると共に、電力の供給 がなくても、高抵抗層13の抵抗値を保持する とができるので、情報を長期に渡って保存 ることができる。また、読み出しによって 抵抗層13の抵抗値が変化することはなく、 フレッシュ動作を行う必要がないので、そ 分だけ消費電力を低減することが可能であ 。

 加えて、従来、ベリファイのような複雑 制御を実現するには周辺回路の増大が不可 であったが、本実施の形態では、周辺回路 模を小さくすることができる。以下、その について説明する。

(ベリファイ)
 前述のようにベリファイ動作では、書き込 動作後に読み出し(ベリファイ読み出し)を い、可変抵抗素子10が低抵抗であったら書き 込み成功で書き込み動作を終了し、高抵抗で あったら書き込み失敗として再書き込みを行 う。そして、このサイクルをある上限回数ま で繰り返す。

 図4は、上記メモリセルの書き込み動作に おける、最適な印加電圧・電流の範囲を模式 的に表わしたものである。ここで、セル印加 電圧とは書き込み動作の初期でまだ抵抗値が 高抵抗の状態におけるセル印加電圧であり、 セル印加電流とは抵抗値が低抵抗に変化した 後の状態におけるセル印加電流を意味する。 最適な印加電圧・電流の範囲は各々の上限・ 下限で囲まれた四角形で模式的に表わせる。 典型的なセルの範囲がaであり、上方にシフ した例がb、下方にシフトした例がcである。 このようなシフトはセル特有のセル間のばら つきで発生する場合もあるし、同一のセルで も繰返し動作による特性の変動で発生する場 合もある。本実施の形態のメモリセルでは、 このようなシフトは、電圧と電流に相関があ る場合が多く、領域Dや領域Eのように電圧と 流が互いに逆方向の領域にシフトする場合 殆どない。

 最適な印加電圧・電流の範囲がbにシフト した場合には図の実線の矢印のように、セル 印加電圧とセル印加電流をともにセンター条 件より増加させて書き込みを行う必要があり 、cにシフトした場合には図の破線の矢印の うに、セル印加電圧とセル印加電流をとも センター条件より減少させて再書き込みを う必要がある。以下、本実施の形態での再 き込みの手法について、従来の手法と比較 つつ説明する。

 まず、図9に示した従来のメモリセル100では 、セル印加電圧・電流は各々、以下のように 近似できる。
 ここで、W:チャネル幅、L:チャネル長、μs : キャリアの表面移動度、Cox:単位面積当たり ゲート容量、Vg:ゲート電圧、Vs(=0V):ソース電 圧、Vt:閾値電圧、である。セル印加電圧はVBL そのものであり、セル印加電流はVWLに依存す る。

 書き込みが失敗した場合には、図4のbの 域に変動していることが予想されるので、 書き込みを行う場合には、図12(A),(B)に示し ようにVBL,VWLともに前回の書き込みよりも電 を増加させて、書き込みの成功率を向上さ る。VBLmin(VWLmin)を初期値とし、サイクル上 4回、電圧上限VBLmax(VWLmax)までベリファイを う例である。電圧は毎回、δVBL(δVWL)だけ増 させる。図中でベリファイ読み出しは図示 ていないが、ベリファイ読み出しは電圧パ スの印加後に挿入される。

 このような複雑な制御を実現するには周 回路の増大が不可避であるが、従来手法で VWLとVBLの2つの電圧を制御する必要があり、 周辺回路規模の増大をさらに招くという問題 があった。

 これに対して、本実施の形態では、VWL,VBL Rの2つの電圧は固定値とし、VBLTのみを変更可 能とするもので、これによりセル印加電圧、 電流ともに変更可能としたものである。

 前述の図3は書き込み動作時の等価回路を 表したものであり、第3電源23の電圧値(VBLT)は トランジスタ20の第2入出力端子20bがソースと して作用する電圧範囲に設定されており、VWL ,VBLR,VBLTの中で、VBLTが最低電位になるよう電 範囲が設定されている。

 図3の等価回路では、セル印加電圧・電流は 各々、以下のように近似できる。
 ここで、W:チャネル幅、L:チャネル長、μs : キャリアの表面移動度、Cox:単位面積当たり ゲート容量、Vg:ゲート電圧、Vs:ソース電圧 Vt:閾値電圧、である。

 以上の近似式より明らかなように、VWL,VBL Rの2つの電圧は固定値としてもVBLTのみを制御 することで、セル印加電圧、電流ともに制御 できることが分かる。

 図4において、最適な印加電圧・電流の範 囲がbにシフトした場合には、本実施の形態 は、図の実線の矢印のように、VBLTのみを減 させることでセル印加電圧とセル印加電流 同時に増加させて書き込みを行い、cにシフ トした場合には図の破線の矢印のように、VBL Tのみを増加させてセル印加電圧とセル印加 流を同時にセンター条件より減少させて書 込みを行う。

 図5は、本実施の形態におけるベリファイ 制御の一例の模式図を表したものである。図 5(A)はVBLT、図5(B)はVBLT-VBLT(セル印加電圧)、図5 (C)はVWL-VBLT(=Vg-Vs)をそれぞれ表している。書 込み動作後にベリファイ読み出しを行い、 抵抗であったら書き込み成功として書き込 動作を終了し、高抵抗であったら書き込み 敗として再書き込みを行う。このサイクル ある上限回数まで繰り返す。

 書き込みが失敗した場合は、図4のbの領 に変動していることが予想されるので、再 き込みを行う場合には、図5(A)に示したよう VBLTの電圧を前回の書き込みよりも減少させ て、等価的に書き込み電圧と電流を同時に増 大させ、書き込みの成功率を向上させる。こ こでは、VBLTmaxを初期値とし、サイクル上限4 、電圧下限VBLmin=0Vまでベリファイを行う例 している。本実施の形態では、電圧は毎回 VBLTだけ増加させる。図中でベリファイ読み しは図示していないが、ベリファイ読み出 は電圧パルスの印加後に挿入される。

 このように本実施の形態では、VBLTのみを 制御することでセル印加電圧と電流を同時に 制御できることから、複雑な制御が不要とな り、周辺回路の構成を簡素化することができ る。

 以下、本発明の他の実施の形態について 明する。なお、第1の実施の形態と同一の構 成要素についてはその説明を省略し、異なる 部分についてのみ説明する。

[第2の実施の形態]
 図6は図3の可変抵抗素子10の接続を逆向きに したメモリセル2の消去動作時の等価回路を すものである。この場合、可変抵抗素子10で の電流の流れは書き込み時 (図3)の場合とは 向きになる。ここでは、セル印加電圧とは 抵抗値が高抵抗に変化した後の状態におけ 電圧であり、セル印加電流とは消去動作の 期でまだ抵抗値が低抵抗の状態におけるセ 印加電流に再定義される。その他は、第1の 実施の形態(図3)と同様で、第3電源23(VBLT)のみ を制御することでセル印加電圧と電流を同時 に制御できる。

[変形例]
 以上の説明したメモリセル1,2では、NMOS構成 のトランジスタ20を用いたが、図7および図8 示したメモリセル3およびメモリセル4のよう に、PMOS構成のトランジスタ30を用いてもよい 。

 図7はメモリセル3の書き込み動作時の等価 路を表している。VBLTの電圧設定はトランジ タ30のビット線BLTがソース端子として作用 る電圧範囲に設定されている。すなわち、VW L,VBLR,VBLTの中で、VBLTが最高電位になる電圧範 囲である。本実施の形態においても、VWL,VBLR 2つの電圧は固定値で、VBLTのみを制御する ここで、セル印加電圧は以下のように近似 きる。

 その他は図3と同様で、VBLTのみを制御す ことでセル印加電圧と電流を同時に制御で る。

 図8はメモリセル4の消去動作時の等価回 を表すもので、可変抵抗素子10の電流の流れ は図7の場合とは逆向きになる。ここでは、 ル印加電圧とは、抵抗値が高抵抗に変化し 後の状態における電圧であり、セル印加電 とは消去動作の初期でまだ抵抗値が低抵抗 状態におけるセル印加電流に再定義される その他は図7と同様で、VBLTのみを制御するこ とでセル印加電圧と電流を同時に制御できる 。

 以上、実施の形態および変形例を挙げて 発明を説明したが、本発明は上記実施の形 等に限定されるものではなく、種々変形可 である。例えば、上記実施の形態ではベリ ァイ制御について説明したが、本発明はベ ファイ制御のみ限らず、個別に書き込み電 を制御する場合にも適用可能である。

 また、上記実施の形態では、1つの選択ト ランジスタに対して1つの可変抵抗素子10を接 続したメモリセル(所謂1T-1R型のメモリセル) 例に挙げて説明したが、本発明は1つの選択 ランジスタに対して複数の可変抵抗素子10 接続した構成のメモリセルについて適用す ことも可能である。

 更に、可変抵抗素子10の構造についても 記実施の形態のものに限らず、他の構成、 えば図2の断面構成において、イオン源層12 高抵抗層13との積層順序を逆にした構成とし たもの、あるいはイオン源層12を設ける代わ にイオン源層12に用いられる金属元素を高 抗層13に含有させた構成のもの、更にはイオ ン源層12に用いられる金属元素を電極に含有 せて、電極がイオン源層12を兼ねるように た構成のものなどでもよく、本発明はこの うな可変抵抗素子を用いた記憶装置のいず にも適用可能である。

 更には、記憶素子としてはこのような可 抵抗素子10に限らず、その他の素子,例えば 変化メモリを用いることも可能であり、こ ようなメモリを用いた記憶装置としてもよ 。

 また、スイチッング素子としては、2つの 入出力端子および制御端子を有するものであ ればよく、MOSトランジスタの他、バイポーラ トランジスタを適用することも可能である。