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Patent Searching and Data


Title:
STRETCHABLE SHEET AND METHOD OF PRODUCING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/126610
Kind Code:
A1
Abstract:
It is intended to provide a sheet, which is excellent in appearance, texture and elongation rate or elongation recovery rate, by producing a sheet in accordance with the following steps (i) to (iii): (i) the step in which a woven fabric comprising thread lines made of composite fibers, wherein two or more kinds of polyethylene terephthalate-based polymers differing from each other in intrinsic viscosity are bonded side-by-side along the fiber length direction, and/or eccentric core-shell type composite fibers, wherein two or more kinds of polyethylene terephthalate-based polymers differing from each other in intrinsic viscosity form together an eccentric core-shell structure, is entwined with microfiber-generating fibers comprising two or more kinds of high-molecule materials differing from each other in solubility in solvent to thereby form a sheet; (ii) the step in which the above-described sheet is treated with a solvent to provide microfibers having an average single filament fineness of 0.001 dtex or more but not more than 0.5 dtex and then this sheet is impregnated with a solvent solution of a high-molecule elastic material comprising polyurethane as the main component followed by solidification to thereby impart the high-molecule elastic material comprising polyurethane as the main component; or the step in which the above-described sheet is impregnated with a solvent solution of a high-molecule elastic material comprising polyurethane as the main component followed by solidification to thereby impart the high-molecule elastic material comprising polyurethane as the main component and then the sheet is treated with a solvent to provide microfibers having an average single filament fineness of 0.001 dtex or more but not more than 0.5 dtex; and (iii) the step in which the above-described woven fabric is contracted by rubbing at a temperature of 110oC or higher.

Inventors:
UENO MASARU (JP)
ISHIKURA YASUHIRO (JP)
TAGUCHI TAKAAKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/054574
Publication Date:
October 23, 2008
Filing Date:
March 13, 2008
Export Citation:
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Assignee:
TORAY INDUSTRIES (JP)
UENO MASARU (JP)
ISHIKURA YASUHIRO (JP)
TAGUCHI TAKAAKI (JP)
International Classes:
D06N3/14; D04H1/4382; D06M11/00; D06M13/08; D06M15/00; D06M15/333; D06M15/564; D06M15/70; D06M23/00; D01F8/14; D06M101/32
Foreign References:
JP2006070423A2006-03-16
JP3080909B22000-08-28
Other References:
See also references of EP 2123824A4
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Claims:
 次の(i)~(iii)の工程をこの順番で含む伸縮性シートの製造方法。
(i)固有粘度に差のある2種類以上のポリエチレンテレフタレート系重合体が繊維長さ方向に沿ってサイドバイサイド型に貼り合わされた複合繊維および/または固有粘度に差のある2種類以上のポリエチレンテレフタレート系重合体が偏心した芯鞘構造を形成している偏心芯鞘複合繊維からなる糸条を含む織編物と、溶剤に対する溶解性の異なる2種類以上の高分子物質からなる極細繊維発生型繊維とを絡合させてシートを作製する工程
(ii)前記シートを溶剤で処理して平均単繊維繊度が0.001dtex以上0.5dtex以下の極細繊維を発現せしめ、その後、該シートに、ポリウレタンを主成分とする高分子弾性体の溶剤液を含浸、固化して、ポリウレタンを主成分とする高分子弾性体を付与する工程、または、前記シートに、ポリウレタンを主成分とする高分子弾性体の溶剤液を含浸、固化して、ポリウレタンを主成分とする高分子弾性体を付与し、その後、該シートを溶剤で処理して平均単繊維繊度が0.001dtex以上0.5dtex以下の極細繊維を発現せしめる工程
(iii)110℃以上の条件下で前記織編物を揉んで収縮させる工程
 前記(ii)の工程において、極細繊維を発現せしめた後にポリウレタンを主成分とする高分子弾性体を付与する、請求項1に記載の伸縮性シートの製造方法。
 前記(ii)の工程の前に、前記シートに水溶性樹脂を付与する工程を経る、請求項2に記載の伸縮性シートの製造方法。
 固有粘度に差のある2種類以上のポリエチレンテレフタレート系重合体が繊維長さ方向に沿ってサイドバイサイド型に貼り合わされた複合繊維および/または固有粘度に差のある2種類以上のポリエチレンテレフタレート系重合体が偏心した芯鞘構造を形成している偏心芯鞘複合繊維からなる糸条を含む織編物と、平均単繊維繊度が0.001dtex以上0.5dtex以下の極細繊維と、ポリウレタンを主成分とした高分子弾性体とを含む伸縮性シートであり、織編物を構成する糸条が内部に空洞を有する構造である伸縮性シート。
 前記空洞を有する糸条に前記高分子弾性体が部分的に接合している、請求項4に記載の伸縮性シート。
 タテ方向および/またはヨコ方向の伸長率が15%以上35%以下、ならびに、タテ方向および/またはヨコ方向の伸長回復率が80%以上100%以下である、請求項4または5に記載の伸縮性シート。
 前記ポリウレタンの含有量が、前記極細繊維と前記織編物の合計重量に対し、10重量%以上40重量%以下である、請求項4~6のいずれかに記載の伸縮性シート。
 前記ポリウレタンが、下記一般式(1)及び(2)で示されるポリカーボネート骨格を有するポリカーボネート系ポリウレタンである、請求項4~7のいずれかに記載の伸縮性シート。
(式中、R 1 およびR 2 は炭素数7~11の脂肪族炭化水素基であり、同一でも異なっていても良い。また、nおよびmは正の整数であり、R 1 とR 2 が異なる場合は、ブロック共重合もしくはランダム共重合である。)
(式中、R 3 およびR 4 は炭素数3~6の脂肪族炭化水素基であり、同一でも異なっていても良い。また、xおよびyは正の整数であり、R 3 とR 4 が異なる場合は、ブロック共重合もしくはランダム共重合である。)
 前記極細繊維の繊維長が25mm以上90mm以下である、請求項4~8のいずれかに記載の伸縮性シート。
Description:
伸縮性シートとその製造方法

 本発明は、外観、風合い、さらには伸長 および伸長回復率に優れたシート、および の製造方法に関するものである。

 主として極細繊維と高分子弾性体とから るシートは天然皮革にない優れた特徴を有 ており、衣料や椅子張り、自動車内装材用 等にその使用が年々広がってきた。そして 近は、特に衣料用途では着用感、資材用途 は成型性の観点から、ストレッチ性に優れ シートが求められている。この様な要求に し、種々の検討がされている。

 例えば特許文献1には、ポリトリメチレン テレフタレート繊維を用いた織編物を上記し たような人工皮革用基布に挿入する方法が記 載されている。この方法は、ポリトリメチレ ンテレフタレートの結晶構造に起因するスト レッチ性を利用したものであるが、単繊維同 士が絡合した高密度な不織布と、付与された ポリウレタンにより、織編物の動きは強固に 拘束され、ストレッチ性は低いものであった 。更には、不織布を形成する極細繊維の繊維 長が20mm以下と非常に短いため、繰り返し伸 することで、絡合が解け、品位の悪化を招 こととなる。

 また、特許文献2には、高収縮ポリエステ ルと低収縮ポリエステルからなる潜在捲縮糸 を用いた織編物を挿入する方法が記載されて いる。この方法は、潜在捲縮糸からなる織編 物に熱処理を施して捲縮を発現させ、ニード ルパンチにより極細繊維発生型繊維と一体化 する事でストレッチ性を付与するものだが、 捲縮を発現している繊維による織編物では、 極細繊維発生型繊維と一体化するときに、か かる捲縮繊維がニードル針に引っかかりやす く、切れやすい。そのため、繊維の切れた織 編物ではストレッチ性は発現しにくい。また 、織編物を捲縮発現した後に、ポリウレタン を付与しているため、シート自体の形態が固 定され、ストレッチ性が発現しにくい。

 更に特許文献3には、ポリウレタン繊維を 用いた織編物を人工皮革用不織布に挿入する 方法が記載されている。しかしながら、ポリ ウレタンは経時的に劣化することが知られて おり、かかる方法による布は、長年の使用に よりストレッチ性が消失していくこととなる 。また、特許文献1と同様に極細繊維の繊維 が短いため、繰り返し伸縮することで、極 繊維同士の絡合が解け、品位の悪化を招く ととなる。

 すなわち、これまで、外観、風合い、さら は伸長率および伸長回復率に優れたシート 得る方法は得られていないのが現状である

特開平11-269751号公報

特開2000-336581号公報

特開2004-91999号公報

 本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み 外観、風合い、さらには伸長率および伸長 復率に優れたシートおよびその製造方法を 供せんとするものである。

 上記課題を解決するため、本発明は主とし 以下のいずれかの構成を有する。
(1)次の(i)~(iii)の工程をこの順番で含む伸縮性 シートの製造方法。
(i)固有粘度に差のある2種類以上のポリエチ ンテレフタレート系重合体が繊維長さ方向 沿ってサイドバイサイド型に貼り合わされ 複合繊維および/または固有粘度に差のある2 種類以上のポリエチレンテレフタレート系重 合体が偏心した芯鞘構造を形成している偏心 芯鞘複合繊維からなる糸条を含む織編物と、 溶剤に対する溶解性の異なる2種類以上の高 子物質からなる極細繊維発生型繊維とを絡 させてシートを作製する工程
(ii)前記シートを溶剤で処理して平均単繊維 度が0.001dtex以上0.5dtex以下の極細繊維を発現 しめ、その後、該シートに、ポリウレタン 主成分とする高分子弾性体の溶剤液を含浸 固化して、ポリウレタンを主成分とする高 子弾性体を付与する工程、または、前記シ トに、ポリウレタンを主成分とする高分子 性体の溶剤液を含浸、固化して、ポリウレ ンを主成分とする高分子弾性体を付与し、 の後、該シートを溶剤で処理して平均単繊 繊度が0.001dtex以上0.5dtex以下の極細繊維を発 現せしめる工程
(iii)110℃以上の条件下で前記織編物を揉んで 縮させる工程
(2)前記(ii)の工程において、極細繊維を発現 しめた後にポリウレタンを主成分とする高 子弾性体を付与する、前記(1)に記載の伸縮 シートの製造方法。
(3)前記(ii)の工程の前に、前記シートに水溶 樹脂を付与する工程を経る、前記(2)に記載 伸縮性シートの製造方法。
(4)固有粘度に差のある2種類以上のポリエチ ンテレフタレート系重合体が繊維長さ方向 沿ってサイドバイサイド型に貼り合わされ 複合繊維および/または固有粘度に差のある2 種類以上のポリエチレンテレフタレート系重 合体が偏心した芯鞘構造を形成している偏心 芯鞘複合繊維からなる糸条を含む織編物と、 平均単繊維繊度が0.001dtex以上0.5dtex以下の極 繊維と、ポリウレタンを主成分とした高分 弾性体とを含む伸縮性シートであり、織編 を構成する糸条が内部に空洞を有する構造 ある伸縮性シート。
(5)前記空洞を有する糸条に前記高分子弾性体 が部分的に接合している、前記(4)に記載の伸 縮性シート。
(6)タテ方向および/またはヨコ方向の伸長率 15%以上35%以下、ならびに、タテ方向および/ たはヨコ方向の伸長回復率が80%以上100%以下 である、前記(4)または(5)に記載の伸縮性シー ト。
(7)前記ポリウレタンの含有量が、前記極細繊 維と前記織編物の合計重量に対し、10重量%以 上40重量%以下である、前記(4)~(6)のいずれか 記載の伸縮性シート。
(8)前記ポリウレタンが、下記一般式(1)及び(2) で示されるポリカーボネート骨格を有するポ リカーボネート系ポリウレタンである、前記 (4)~(7)のいずれかに記載の伸縮性シート。

(式中、R 1 およびR 2 は炭素数7~11の脂肪族炭化水素基であり、同 でも異なっていても良い。また、nおよびmは 正の整数であり、R 1 とR 2 が異なる場合は、ブロック共重合もしくはラ ンダム共重合である。)

(式中、R 3 およびR 4 は炭素数3~6の脂肪族炭化水素基であり、同一 でも異なっていても良い。また、xおよびyは の整数であり、R 3 とR 4 が異なる場合は、ブロック共重合もしくはラ ンダム共重合である。)
(9)前記極細繊維の繊維長が25mm以上90mm以下で る、前記(4)~(8)のいずれかに記載の伸縮性シ ート。

 本発明によれば、固有粘度に差のある2種 類以上のポリエチレンテレフタレート系重合 体が繊維長さ方向に沿ってサイドバイサイド 型に貼り合わされた複合繊維および/または 有粘度に差のある2種類以上のポリエチレン レフタレート系重合体が偏心した芯鞘構造 形成している偏心芯鞘複合繊維からなる糸 を含む織編物を、極細繊維発生型繊維と絡 させてシートの状態とした後に、110℃以上 条件下で揉んで収縮させ、前記糸条に捲縮 発現させるので、かかる織編物を構成する 条が内部に空洞を有するものとなり、外観 風合い、さらには伸長率および伸長回復率 優れたシートを得ることができる。

糸条の内部における空洞の有無の確認 法を示す図である。

符号の説明

A:糸条の外周と近似円の中心とを結ぶ線
B:線Aと繊維とが重なる部分

 本発明の伸縮性シートは、固有粘度に差 ある2種類以上のポリエチレンテレフタレー ト系重合体が繊維長さ方向に沿ってサイドバ イサイド型に貼り合わされた複合繊維および /または固有粘度に差のある2種類以上のポリ チレンテレフタレート系重合体が偏心した 鞘構造を形成している偏心芯鞘複合繊維か なる糸条を含む織編物と、平均単繊維繊度 0.001dtex以上0.5dtex以下の極細繊維と、ポリウ レタンを主成分とした高分子弾性体とを含み 、さらに織編物を構成する糸条が内部に空洞 を有する構造であることを特徴とするシート である。

 本発明における織編物は、固有粘度差の る2種類以上のポリエチレンテレフタレート 系重合体が繊維長さ方向に沿ってサイドバイ サイド型に貼り合わされた複合繊維および/ たは固有粘度差のある2種類以上のポリエチ ンテレフタレート系重合体が偏心した芯鞘 造を形成している偏心芯鞘複合繊維からな 糸条を含む織編物であり、該織編物を構成 る糸条は内部に空洞を有する。固有粘度が なるポリエチレンテレフタレート系重合体 繊維長さ方向に沿ってサイドバイサイド型 貼り合わせた構造および/または偏心した芯 鞘構造を形成するよう紡糸、延伸して得られ る糸条は、延伸時の高粘度側への応力集中に より、2成分間で異なった内部歪みが生じる この内部歪みのため、延伸後の弾性回復率 および後述の織編物の収縮処理工程(工程(iii ))における熱収縮差により高粘度側が大きく 縮し、単繊維内で歪みが生じて捲縮が発現 る。また、後述するように、織編物を極細 維発生型繊維と絡合させてシート化した後 110℃以上の条件下で揉んで収縮させること 、かかる織編物を構成する糸条は内部に空 を有する構造(以下、中空構造という)とな 。この糸条の中空構造により、シートにお てストレッチ性が発現し、更にはシートに らみとシート内部に空隙を与え、これによ 柔軟な風合や適度な反発力が感じられる、 実した手持ち感が得られる。また、織編物 強い収縮力により、シートの表面は繊維密 が高くなり、緻密で高級感のある品位と良 なタッチが得られる。

 サイドバイサイド型に貼り合わされた複 繊維や偏心芯鞘複合繊維は、2種類のポリエ チレンテレフタレート系重合体からなり、当 該2種類のポリエチレンテレフタレート系重 体の固有粘度差は0.2以上であることが好ま い。

 ポリエチレンテレフタレート共重合体の 有粘度差は、重合の時間、温度、触媒量や 重合成分を適宜調整することで、所望の粘 にすることができる。

 なお、本発明でいう固有粘度は、後述す ように、オルソクロロフェノール中に試料 溶かして25℃で測定した値である。

 また、本発明でいうポリエチレンテレフ レート系重合体とは、テレフタル酸または の誘導体と、エチレングリコールまたはそ 誘導体とが共重合してなる構造を主成分と たものであり、ここでいう主成分とは全体 重量に対して50重量%より多いことをいう。 のエステル結合の形成が可能な共重合成分 含むものであってもよい。共重合可能な化 物として、例えば、イソフタル酸、コハク 、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン 、ダイマ酸、セバシン酸、5-イソフタル酸 トリウムなどのジカルボン酸類、エチレン リコール、ジエチレングリコール、ブタン オール、ネオペンチルグリコール、シクロ キサンジメタノール、ポリエチレングリコ ル、ポリプロピレングリコールなどのジオ ル類を挙げることができるが、これらに限 されるものではない。また、必要に応じて 艶消し剤となる二酸化チタン、滑剤として シリカやアルミナの微粒子、抗酸化剤とし ヒンダードフェノール誘導体、着色顔料な を添加してもよい。

 本発明において、織編物を構成する複合 維は、ポリエチレンテレフタレート系重合 からなることが重要であるが、これは本発 の伸縮性シートの製造において最も適当な 性を有しているからである。例えば、ポリ リメチレンテレフタレートを用いた複合繊 からなる織編物を使用してシートを作製す 場合、ポリトリメチレンテレフタレートは に敏感な性質をもっているため、熱により 縮しやすい。そのため、この織物を適用し シートを加工した場合、加工中にかかる熱 より、意図しない工程で捲縮が発現するこ となり、結果ストレッチ性に乏しいシート なりやすい。一方、ポリエチレンテレフタ ートを用いた複合繊維は比較的高い温度で 縮が発現する為、意図しない工程での捲縮 現を防ぐことができ、伸縮性に優れたシー を得ることができる。また、ポリエチレン レフタレート系重合体からなる複合繊維は 発感があるため、シートにした場合、適度 反発感があり、良好な手持ち感が得られる

 各ポリエチレンテレフタレート系重合体 固有粘度としては、高粘度成分と低粘度成 の固有粘度差が0.2以上であることが好まし 。

 両成分の複合比率は製糸性および複合繊 からなる糸条に空洞を形成する点で、高粘 成分:低粘度成分=75:25~35:65(重量%)の範囲が好 ましく、65:35~45:55(重量%)の範囲がより好まし 。

 また、複合繊維の繊維断面形状は、丸断 、三角断面、マルチローバル断面、扁平断 、X型断面、その他、各種の異形断面であっ てよく、特に限定されるものではない。捲縮 発現性と風合いのバランスという観点からは 丸断面の半円状サイドバイサイド、軽量、保 温、反発感のバランスという観点からは中空 サイドバイサイド、ドライな風合いという観 点からは三角断面サイドバイサイド等が好ま しく用いられる。

 また、複合繊維は撚係数が5000以上、25000以 であることが好ましい。5000以上とすること で、後の加工で極細繊維発生型繊維と絡合さ せてシートを作製するときに糸が損傷するこ とを防ぎ、25000以下とすることで十分なスト ッチ性を得ることができる。より好ましく 8000以上、20000以下である。ここでいう撚係 Kとは、
    撚係数K=T×D 0.5
 但し、T:糸長1m当たりの撚数(回)、D:糸条の 度(dtex)
である。糸長1m当たりの撚数Tとは、電動検撚 機にて90×10 -3 cN/dtexの荷重下で解撚し、完全に解撚したと の解撚数を解撚した後の糸長で割った値で る。

 本発明における織編物は、全てが上記し ようなサイドバイサイド型や芯鞘構造の複 繊維からなるものであることが好ましいが 本発明の効果が損なわれない範囲で他の繊 を含んでいてもよい。例えば、上記したよ な複合繊維を緯糸にのみまたは経糸にのみ 用して、ヨコ方向またはタテ方向にのみス レッチ性を付与することも可能である。

 本発明において、織編物とは、織物と編 とを総称していうものであり、それらの組 は特に限定されない。例えば織物の場合、 織、綾織、朱子織等が挙げられ、コスト面 ら平織が好ましい。また、編物の場合は、 編、トリコット、ラッセル等が挙げられる

 本発明の伸縮性シートを構成する極細繊 としては、ポリエチレンテレフタレート、 リブチレンテレフタレート、ポリトリメチ ンテレフタレート、ポリエチレン2,6-ナフタ レンジカルボキシレートなどのポリエステル 、6-ナイロン、66-ナイロンなどのポリアミド アクリルポリエチレン、ポリプロピレンな の各種合成繊維を用いることができる。中 も、強度、寸法安定性、耐光性、染色性の 点からポリエチレンテレフタレート、ポリ チレンテレフタレート、ポリトリメチレン レフタレート等のポリエステル繊維を用い ことが好ましい。また、シートは異なる素 の複数種の極細繊維が混合されて構成され いてもよい。

 また、これらのポリマーには、隠蔽性を 上させるために、酸化チタン粒子等の無機 子の添加や、潤滑剤、顔料、熱安定剤、紫 線吸収剤、導電剤、蓄熱剤、抗菌剤等、種 目的に応じて添加することもできる。

 伸縮性シートを構成する極細繊維の平均 繊維繊度としては、かかるシートの柔軟性 立毛品位の観点から、0.001dtex以上0.5dtex以下 であることが重要である。好ましくは0.3dtex 下、より好ましくは0.2dtex以下である。一方 染色後の発色性やサンドペーパーなどによ 研削など起毛処理時の繊維の分散性、さば 易さの観点からは、0.005dtex以上であること 好ましく、より好ましくは0.01dtex以上であ 。

 なお、極細繊維の平均単繊維繊度は、シ トの表面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を撮 し、円形または円形に近い楕円形の繊維を ンダムに100本選び、繊維径を測定して素材 リマーの比重から繊度に換算し、さらに平 値を計算することで算出される。

 極細繊維の断面形状としては、丸断面で いが、楕円、扁平、三角などの多角形、扇 、十字型などの異形断面のものを採用して よい。異形断面の平均単繊維繊度は、繊維 面の外接円に対する繊度を算出し、外接円 対する繊維断面の面積比をかけることで算 される。

 上記のような極細繊維は、不織布等の形 で前記織編物と積層され、絡合されること 好ましい。かかる不織布(以下、極細繊維ウ エブという)は、短繊維不織布、長繊維不織 のいずれでもよいが、風合いや品位を重視 る場合には、短繊維不織布が好ましい。短 維不織布とする場合、繊維長は、25mm以上90mm 以下であることが好ましい。90mm以下とする とで、良好な品位、風合いとなり、25mm以上 することで、耐摩耗性や繰り返しの伸縮に えるシートとすることができる。例えば、 紙法などで非常に短い短繊維を用いた場合 は、繊維の脱落が多く表面の立毛が消失し り、繰り返しの伸縮により短繊維の絡合が け、シートの品位は著しく悪化することと る。これを抑制するためにポリウレタンを 成分とした高分子弾性体の付与量を増加さ ると、風合いの硬化やストレッチ性の低下 つながることとなる。しかしながら、前述 範囲の繊維長である場合、極細繊維がしっ りと絡合している構造となるため、多くの 維の脱落や、繰り返しの伸縮により繊維同 の絡合が解けることはなく、良好な品位を つことが可能である。

 本発明においては、前述の複合繊維から る織編物と極細繊維からなるシートに、ポ ウレタンを主成分とした高分子弾性体が付 されている。高分子弾性体とは、伸び縮み るゴム弾性を有している高分子であり、ポ ウレタン、SBR、NBR、アクリル樹脂等が上げ れる。また、ここでいう主成分とは高分子 性体全体の重量に対してポリウレタンの重 が50重量%より多いことをいう。

 本発明に使用するポリウレタンとしては ポリオール、ポリイソシアネート、鎖伸長 を適宜反応させた構造を有するものを用い ことができる。

 ポリオールとしては、ポリカーボネート ジオール、ポリエステル系ジオール、ポリ ーテル系ジオール、シリコーン系ジオール フッ素系ジオールや、これらを組み合わせ 共重合体を用いてもよい。中でも耐光性の 点から、ポリカーボネート系ジオール、ポ エステル系ジオールを用いることが好まし 。さらにシート内の織編物を構成する複合 維を中心に空洞を有する構造とするために 温条件での収縮処理を行うが、この高温条 に耐える耐熱性を有している点でポリカー ネート系がより好ましい。

 ポリカーボネート系ジオールは、アルキ ングリコールと炭酸エステルのエステル交 反応、または、ホスゲンもしくはクロル蟻 エステルとアルキレングリコールとの反応 どによって製造することができる。アルキ ングリコールとしては、エチレングリコー 、プロピレングリコール、1,4-ブタンジオー ル、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオ ル、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオー 、などの直鎖アルキレングリコールや、ネ ペンチルグリコール、3-メチル-1,5-ペンタン ジオール、2,4-ジエチル-1,5ペンタンジオール 2-メチル-1,8-オクタンジオールなどの分岐ア ルキレングリコール、1,4-シクロヘキサンジ ールなどの脂環族ジオール、ビスフェノー Aなどの芳香族ジオール、グリセリン、トリ チロールプロパン、ペンタエリスリトール どが挙げられる。それぞれ単独のアルキレ グリコールから得られるポリカーボネート オールでも2種類以上のアルキレングリコー ルから得られる共重合ポリカーボネートジオ ールのいずれでも良い。

 ポリイソシアネートは、ヘキサメチレン イソシアネート、ジシクロヘキシルメタン イソシアネート、イソフォロンジイソシア ート、キシリレンジイソシアネート等の脂 族系、ジフェニルメタンジイソシアネート トリレンジイソシアネート等の芳香族系が げられ、またこれらを組み合わせて用いて よい。中でも、耐光性の観点から、ヘキサ チレンジイソシアネート、ジシクロヘキシ メタンジイソシアネート、イソフォロンジ ソシアネート等の脂肪族系が好ましい。

 鎖伸長剤としては、エチレンジアミン、 チレンビスアニリン等のアミン系、エチレ グリコール等のジオール系、さらにはポリ ソシアネートと水を反応させて得られるポ アミンを用いることができる。

 また、本発明に使用するポリウレタンは 軟化点が200℃以上300℃以下であることが好 しい。軟化点が200℃以上のものとすること 、織編物を構成する複合繊維からなる糸条 内部に空洞を形成するために行う収縮処理 程(工程(iii))における高温条件下においても 、シートの形状を保持することが可能である 。また、軟化点が300℃以下のものとすること で、ポリウレタンとしても柔軟なものとなり 、伸縮性シートとして良好な風合が得られる 。なお、軟化点はポリウレタンの乾式膜につ いて熱機械分析装置を用いて測定を行う。ま た、シート中に存在するポリウレタンの軟化 点は、N,N’-ジメチルホルムアミド(以下DMFと す)を用いてシートからポリウレタンを抽出 し、厚みが0.2mmから0.4mmの乾式膜を作製する とによって測定することができる。

 また、ポリウレタンは、ゲル化点が2.5ml 上6ml以下であることが好ましい。より好ま くは、3ml以上5ml以下である。本発明でいう ル化点とは、ポリウレタン1重量%のDMF溶液100 gを攪拌しながら、この溶液中に蒸留水を滴 し、25±1℃の温度条件でポリウレタンの凝固 が開始しはじめて微白濁した時の水滴下量の 値である。このため、測定に用いるDMFは水分 0.03%以下のものを使用する必要がある。また シート中に存在するポリウレタンのゲル化 は、シートからDMFを用いてポリウレタンを 出し、ポリウレタン濃度を1重量%となるよ に調整することによって測定することがで る。

 このゲル化点は、ポリウレタンDMF溶液を いてポリウレタンを湿式凝固させる際の水 許容度を示すものであり、一般的にはゲル 点が低いものは凝固速度が速く、ゲル化点 高いものは凝固速度が遅い傾向にある。こ ため、ゲル化点が2.5ml未満の場合は、ポリ レタン樹脂を湿式凝固させる際に、凝固速 が速すぎる為に不織布内部空間に存在する リウレタンの発泡が大きく粗雑なものとな やすい。また一部発泡不良が生じ易くなる 果、サンドペーパーによりシートの表面を 削した場合に表面の立毛長さに斑がある立 品位の粗悪なものとなりやすい。また、ポ ウレタン膜が薄いものとなるため、繊維間 固定するバインダーとしての効果が小さく りすぎて、表面品位をブラシなどによって 過した場合、繊維の脱落が多いといった問 が考えられる。一方、ゲル化点が6ml以上の 合は、ポリウレタン樹脂を湿式凝固させる に、凝固速度が遅すぎる結果、不織布内部 間に存在するポリウレタンにはほとんど発 が認められず、膜厚の厚い硬いポリウレタ として存在しやすい。そのためサンドペー ーによりシートの表面を研削した場合に、 リウレタンの研削を行いにくく、表面の立 が短い品位の粗悪なものになりやすい。さ には、織編物内の複合繊維からなる糸条は 空構造となりにくく、シートは風合が硬く トレッチ性に乏しいものとなりやすい。こ は、膜厚の厚い硬いポリウレタンとして存 しやすいことにより、シート自体が硬くな ことや、複合繊維からなる糸条と極細繊維 を含む織編物を強固に拘束するために、織 物内の複合繊維からなる糸条は、収縮を阻 されるためである。

 高温収縮処理に耐えるポリカーボネート のポリオールからなり、前述の軟化点、ゲ 化点を満足させるポリウレタンとして、下 一般式(1)及び(2)で示されるポリカーボネー 骨格を有したポリカーボネート系ポリウレ ンが好ましい。

(式中、R 1 およびR 2 は炭素数7~11の脂肪族炭化水素基であり、同 でも異なっていても良い。また、nおよびmは 正の整数であり、R 1 とR 2 が異なる場合は、ブロック共重合もしくはラ ンダム共重合である。)

(式中、R 3 およびR 4 は炭素数3~6の脂肪族炭化水素基であり、同一 でも異なっていても良い。また、xおよびyは の整数であり、R 3 とR 4 が異なる場合は、ブロック共重合もしくはラ ンダム共重合である。)
 本発明において、ポリウレタンを主成分と る高分子弾性体は、バインダーとしての性 や風合いを損なわない範囲でポリエステル 、ポリアミド系、ポリオレフィン系などの ラストマー樹脂、アクリル樹脂、エチレン- 酢酸ビニル樹脂などが含まれていても良く、 各種の添加剤、例えばカーボンブラックなど の顔料、リン系、ハロゲン系、無機系などの 難燃剤、フェノール系、イオウ系、リン系な どの酸化防止剤、ベンゾトリアゾール系、ベ ンゾフェノン系、サリシレート系、シアノア クリレート系、オキザリックアシッドアニリ ド系などの紫外線吸収剤、ヒンダードアミン 系、ベンゾエート系などの光安定剤、ポリカ ルボジイミドなどの耐加水分解安定剤、可塑 剤、耐電防止剤、界面活性剤、凝固調整剤、 染料などを含有していてもよい。

 本発明の伸縮性シートにおいては、極細 維と織編物に対する、ポリウレタンを主成 とする高分子弾性体の含有量が、10重量%以 40重量%以下であることが好ましい。10重量% 上とすることで、耐摩耗性と繰り返しの伸 に耐えうる形態保持性を得ることができる 40重量%以下とすることで、シートの風合が くなるのを防ぎ、また後述の織編物の収縮 理工程(工程(iii))で織編物の収縮を行う際に 、織編物の収縮を阻害せず、ストレッチ性を 発現することができる。より好ましくは15重 %以上35重量%以下であり、更に好ましくは15 量%以上30重量%以下である。

 本発明の伸縮性シートは、例えば染料、 料、柔軟剤、風合い調整剤、ピリング防止 、抗菌剤、消臭剤、撥水剤、耐光剤、耐候 等の機能性薬剤を含んでいてもよい。

 本発明の伸縮性シートは、シートのタテ 向および/またはヨコ方向の伸長率が15%以上 35%以下、ならびに、タテ方向および/または コ方向の伸長回復率が80%以上100%以下である とが好ましい。伸長率を15%以上とすること 、衣料用途では良好な着用感、きれいなシ エットが表現でき、資材用途では良好な成 性が得られる。また、35%以下とすることで 長時の良好な品位や良好な成型性が確保で る。更に伸長回復率を80%以上100%以下とする ことで良好なストレッチバック性、形態保持 性が得られる。

 次に上記したような本発明の伸縮性シー の製造方法について説明する。

 本発明の伸縮性シートの製造方法は、次の( i)~(iii)の工程をこの順番で含むものである。
(i)固有粘度に差のある2種類以上のポリエチ ンテレフタレート系重合体が繊維長さ方向 沿ってサイドバイサイド型に貼り合わされ 複合繊維および/または固有粘度に差のある2 種類以上のポリエチレンテレフタレート系重 合体が偏心した芯鞘構造を形成している偏心 芯鞘複合繊維からなる糸条を含む織編物と、 溶剤に対する溶解性の異なる2種類以上の高 子物質からなる極細繊維発生型繊維とを絡 させてシートを作製する工程。
(ii)前記シートを溶剤で処理して平均単繊維 度が0.001dtex以上0.5dtex以下の極細繊維を発現 しめ、その後、該シートに、ポリウレタン 主成分とする高分子弾性体の溶剤液を含浸 固化して、ポリウレタンを主成分とする高 子弾性体を付与する工程、または、前記シ トに、ポリウレタンを主成分とする高分子 性体の溶剤液を含浸、固化して、ポリウレ ンを主成分とする高分子弾性体を付与し、 の後、該シートを溶剤で処理して平均単繊 繊度が0.001dtex以上0.5dtex以下の極細繊維を発 現せしめる工程。
(iii)110℃以上の条件下で前記織編物を揉んで 縮させる工程。

 工程(i)~(iii)をこの順序で実施することで 外観、風合い、さらには伸長率および伸長 復率に優れたシートを得ることができる。

 まず、工程(i)について説明する。

 工程(i)では、上述したような、固有粘度 差のある2種類以上のポリエチレンテレフタ レート系重合体が繊維長さ方向に沿ってサイ ドバイサイド型に貼り合わされた複合繊維お よび/または固有粘度に差のある2種類以上の リエチレンテレフタレート系重合体が偏心 た芯鞘構造を形成している偏心芯鞘複合繊 からなる糸条を含む織編物と、溶剤に対す 溶解性の異なる2種類以上の高分子物質から なる極細繊維発生型繊維とを絡合させてシー トを作製する。

 複合繊維の製造方法は、特に限定されな が、例えばサイドバイサイド型複合繊維の 合、2種類のポリエチレンテレフタレート系 重合体の一方に高粘度ポリエチレンテレフタ レート系重合体を配し、他方に低粘度ポリエ チレンテレフタレート系重合体を配して、口 金の吐出孔上部で合流させ、サイドバイサイ ド複合流を形成させた後、所望の断面形状を 得るための吐出孔から吐出することによって 得ることができる。吐出された糸条は冷却さ れ、固化した後、一旦巻き取ってから延伸や 延伸仮撚加工を行う2工程法によって製造し もよいし、紡糸引取り後、そのまま延伸す 直接紡糸延伸法によって製造してもよい。

 続いて、かかる複合繊維の織編物を、溶 に対する溶解性の異なる2種類以上の高分子 物質からなる極細繊維発生型繊維と絡合させ 、その後、工程(ii)において溶剤で処理し、 維の極細化を行うことによって、極細繊維 織編物とが絡合したシートを得る。

 極細繊維発生型繊維としては、溶剤に対 る溶解性の異なる2成分の熱可塑性樹脂を海 成分・島成分とし、海成分を溶剤を用いて溶 解除去することによって島成分を極細繊維と する海島型複合繊維や、該2成分の熱可塑性 脂を繊維表面を放射状または多層状に交互 配置し、溶剤処理により剥離分割すること よって極細繊維に割繊する剥離型複合繊維 どを採用することができる。中でも、海島 複合繊維は、海成分を除去することによっ 島成分間、すなわち繊維束内部の極細繊維 に適度な空隙を付与することができるので 基材の柔軟性や風合いの観点からも好まし 。

 海島型複合繊維には、海島型複合用口金 用い、海・島の2成分を相互配列して紡糸し た高分子相互配列体方式による繊維と、海・ 島の2成分を混合して紡糸した混合紡糸方式 よる繊維などを用いることができるが、均 な繊度の極細繊維が得られる点で高分子配 体方式による海島型複合繊維がより好まし 。

 海島型複合繊維の場合、海成分としては ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチ ン、5-スルホイソフタル酸ナトリウムやポ エチレングリコールなどを共重合した共重 ポリエステル、ポリ乳酸、水溶性熱可塑性 リビニルアルコール系樹脂などを用いるこ ができる。

 極細繊維発生型繊維は、好ましくは捲縮 工を施し、所定長にカットして、クロスラ パー等により不織布(極細繊維ウエブ)にし 不織布の形態で上述の織編物と積層、絡合 せることが好ましい。細繊維発生型繊維は 捲縮加工を施すことで、極細繊維発生型繊 同士が絡合しやすくなる。また、捲縮加工 カット加工は公知の方法を用いることがで る。極細繊維発生型繊維および織編物を絡 させシートを得る方法としては、ニードル ンチやウォータージェットパンチ等の公知 方法を用いることができる。

 得られた前記シートには、繊維の緻密感 上のために、温水やスチーム処理によって 縮処理を施してもよい。ただし、高温で収 処理を行うと、織編物を構成している複合 維に捲縮が発現してしまい、その状態で次 程において高分子弾性体を付与すると、ス レッチ性に乏しいシートになるため注意が 要である。この状態で収縮処理を行う場合 100℃以下で行うことが好ましい。

 次に、工程(ii)について説明する。

 工程(ii)では、極細繊維発生型繊維と織編 物からなるシートを溶剤で処理して平均単繊 維繊度が0.001dtex以上0.5dtex以下の極細繊維を 現せしめ、その後、該シートに、ポリウレ ンを主成分とする高分子弾性体の溶剤液を 浸、固化して、ポリウレタンを主成分とす 高分子弾性体を付与する。また、この工程 、順序を入れ替えて、極細繊維発生型繊維 織編物からなるシートに、ポリウレタンを 成分とする高分子弾性体の溶剤液を含浸、 化して、ポリウレタンを主成分とする高分 弾性体を付与し、その後、該シートを溶剤 処理して、平均単繊維繊度が0.001dtex以上0.5dt ex以下の極細繊維を発現させてもよい。

 ここで、極細繊維発生型繊維が海島型複 繊維の場合、海成分としては上述したよう 成分を用いることができるが、海成分がポ エチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン 場合は、工程(ii)における溶剤としてはトル エンやトリクロロエチレンなどの有機溶剤を 用いることができる。また、海成分が共重合 ポリエステルやポリ乳酸の場合は、水酸化ナ トリウムなどのアルカリ水溶液を溶剤として 用いることができる。さらに、海成分が水溶 性熱可塑性ポリビニルアルコール系樹脂の場 合は、熱水を溶剤として用いることができる 。いずれの場合も、溶剤中に海島型複合繊維 を含む前記シートを浸漬して搾ることで海成 分を除去し、極細繊維を発生させることがで きる。

 ポリウレタンを主成分とする高分子弾性 を前記シートに付与するにあたっては、上 したような高分子弾性体を含有するポリウ タン溶液をシートに含浸させ湿式凝固する 法、同ポリウレタン溶液をシートに含浸し 式凝固する方法があるが、特に限定するこ はない。

 なお、本発明においては、上述したよう 、シートに高分子弾性体を付与した後に極 繊維を発現せしめてもよいが、極細繊維を 現せしめた後に高分子弾性体を付与するこ が好ましい。極細繊維を発現せしめた後に 分子弾性体を付与することで、高分子弾性 が極細繊維を把持するため、繰り返される 縮においても極細繊維の脱落等が無く、よ 長期の使用に耐えうるものとなる。高分子 性体による極細繊維の把持の程度は前述の 溶性樹脂の付与量で調整することが好まし 。また、高分子弾性体を付与した後に極細 維を発現せしめた場合、高分子弾性体が極 繊維を把持していない構造となるため、長 使用に耐えうるシートとするためには高分 弾性体の付与量を増やすことが好ましい。 し、その場合は工程(iii)で織編物の収縮を う時に、高分子弾性体が織編物の収縮を阻 することとなり易く、ストレッチ性が発現 にくくなりやすい。

 また、極細繊維を発現せしめた後に高分 弾性体を付与する場合は、工程(i)で得られ シートに、工程(ii)の前で水溶性樹脂を付与 することが好ましい。シートに水溶性樹脂を 付与することにより、極細繊維発生型繊維の 表面と織編物を構成する複合繊維の表面が水 溶性樹脂により保護される。具体的には、水 溶性樹脂で、極細繊維発生型繊維の繊維束表 面と織編物を構成する複合繊維の表面を部分 的に保護することで、工程(ii)でポリウレタ を主成分とする高分子弾性体をシートに付 した場合、極細繊維の繊維束の最外周に位 する単繊維と織編物を構成する複合繊維の 面において、高分子弾性体と該単繊維もし は該複合繊維とが直接接合している箇所が 続的ではなく部分的に存在することとなり 極細繊維と複合繊維に対しての高分子弾性 の接着面積を適当な量に保つことができる その結果、最終的に得られる伸縮性シート 、耐摩耗性等の物性を確保しつつも極細繊 と織編物に適度な自由度がある構造となり 強度を高めつつも、工程(iii)での収縮処理に おいて織編物の収縮の阻害を抑制することが 可能となる。これにより、工程(iii)での収縮 理において、より織編物が収縮することが き、また、織編物中の複合繊維からなる糸 はより中空構造となりやすいため、最終的 得られるシートは風合、手持ち感が良好で 高いストレッチ性を有するものとなる。

 かかる水溶性樹脂としては、特に限定は ないが、鹸化度80%以上のポリビニルアルコ ルが好ましい。

 水溶性樹脂の付与量としては、シートの 量に対し、1重量%以上30重量%以下が好まし 。1重量%以上とすることで、良好な風合い、 ストレッチ性が得られ、30重量%以下とするこ とで、加工性が良く、耐摩耗性等の物性が良 好なものが得られる。

 水溶性樹脂の付与方法としては、水溶性 脂の水溶液を含浸し、乾燥する方法などが るが、特に限定されない。乾燥温度、乾燥 間は、特に限定されないが、シートの温度 高くなりすぎると、織編物の捲縮が発現し しまうため、シートの温度が110℃未満とな よう乾燥することが好ましい。なお、シー 自体の温度が110℃未満に保たれるのであれ 、乾燥するために付与する熱風の温度は110 以上であってもよい。

 付与した水溶性樹脂は、工程(iii)の前に 熱水等でシートより除去すると良い。

 次に工程(iii)について説明する。

 工程(iii)では織編物、極細繊維、ポリウ タンを主成分とする高分子弾性体からなる ートを液流染色機等に入れ、110℃以上の条 下でシート内の織編物を揉んで収縮処理を う。

 本発明の製造方法において、織編物の収 は、液流染色機等を用いて、110℃以上の温 で揉みを与える処理を施すことで達成され 。110℃以上の条件下で、液流染色機等によ 揉みをシートに与えることで、糸条の捲縮 織編物の収縮が発現し、シート内で複合繊 からなる糸条が内部に空洞を有する構造と る。その結果、シートにはストレッチ性が 与され、更には良好な風合、タッチそして 位を得ることができる。

 シートに110℃以上の温度で揉みを与える めには、液流染色機を用いることができ、 かる染色機としては、公知のものを使用す ことができる。

 処理温度は110℃以上であることが必要だ 、より高い温度で処理を行う方が、糸条の 縮発現、織編物の収縮発現が進みやすく、 合繊維からなる糸条が内部に空洞をもつ構 となりやすい。ただし、あまり高温で処理 行うとポリウレタンを主成分とする高分子 性体が熱劣化するため、好ましくは120℃以 150℃以下、より好ましくは125℃以上135℃以 である。

 本発明においては、この工程(iii)において ートを高温で加熱し、織編物の収縮処理を い、糸条の捲縮を発現させることが重要で る。例えば、事前に収縮、捲縮発現を行っ 織編物を工程(i)にて挿入した場合、ニード パンチ等の絡合処理により織編物の繊維が 断され、シート表面に繊維が露出すること 外観品位が悪化し、また、シート内で複合 維からなる糸条が内部に空洞を有する構造 ならず、ストレッチ性の低下や、手持ち感 品位の低下がおこることがある。また、捲 発現した後の織編物に工程(ii)でポリウレタ を付与すると、シート自体の形態が固定さ 、ストレッチ性が発現しにくいものとなる そのため、本発明においては、シートとし 一体化した後にシート内の織編物を収縮さ 、複合繊維からなる糸条が内部に空洞を有 る構造となるようにすることが望ましい。
また、工程(iii)における収縮処理と同時に染 を行ってもよい。染料は特に限定されるも ではなく、シートを構成する極細繊維にあ せて選択すればよい。例えばシートをポリ ステル系極細繊維で構成しているのであれ 分散染料を、また、ポリアミド系極細繊維 構成しているのであれば酸性染料や含金染 を用いることができる。分散染料で染色し 場合は、染色後に還元洗浄を行ってもよい

 また、染色の均一性や再現性をアップす 目的で染色時に染色助剤を使用することは ましい。さらにシリコーン等の柔軟剤、帯 防止剤等の仕上げ剤処理を施してもよく、 上げ処理は染色後でも、染色と同浴でもよ 。

 本発明の伸縮性を有するシートは、少なく も片面に極細繊維の立毛を有している立毛 のシートとしてもよい。そのためには、工 (ii)と工程(iii)の間、または工程(iii)の後に 毛処理を施すことが好ましい。
シート表面に立毛を形成するための起毛処理 は、サンドペーパーやロールサンダーなどを 用いて、研削する方法などにより施すことが できる。起毛処理の前にシリコーンエマルジ ョンなどの滑剤を付与してもよい。また、起 毛処理の前に帯電防止剤を付与することは、 研削によってシートから発生した研削粉がサ ンドペーパー上に堆積しにくくなるので、好 ましい。
また、シートは、工程(ii)または工程(iii)の前 で、シート厚み方向に半裁、ないしは数枚に 分割されていてもよい。

 上記したような本発明の製造方法により られるシートは、外観、風合い、さらには 長率および伸長回復率に優れているので、 具や椅子の表皮材や壁材に、さらには自動 、電車、航空機などの車輛室内における座 や天井などの表皮材に、非常に優美な外観 有する内装材として好適に用いることがで る。さらにはシャツ、ジャケット、鞄、ベ ト、財布等、及びそれらの一部に使用した 料用資材、カジュアルシューズ、スポーツ ューズ、紳士靴、婦人靴等の靴のアッパー トリム等として好適に用いることができる

 以下、実施例を用いて本発明をさらに具 的に説明するが、本発明は以下の実施例の に限定されるものではない。

 [評価方法]
 (1)固有粘度
 オルソクロロフェノール(以下、OCPと略記す る)10mL中に試料ポリマーを0.8g溶かし、25℃に オストワルド粘度計を用いて相対粘度ηrを 式により求め、固有粘度(IV)を算出した。

  ηr=η/η 0 =(t×d)/(t 0 ×d 0 )
  固有粘度IV=0.0242ηr+0.2634
ここで、η:ポリマー溶液の粘度
    η 0 :OCPの粘度
    t:溶液の落下時間(秒)
    d:溶液の密度(g/cm 3 )
    t 0 :OCPの落下時間(秒)
    d 0 :OCPの密度(g/cm 3 )。

 (2)平均単繊維繊度
 シート断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を 影し、円形または円形に近い楕円形の繊維 ランダムに100本選び、繊維径を測定して繊 の素材ポリマーの比重(ポリエチレンテレフ レートは1.38g/cm 3 )から繊度に換算し、さらに100本の平均値を 算することで算出した。

 (3)ポリウレタンの軟化点
 ポリウレタン25重量%のDMF溶液を室温で20時 放置して脱泡した後に、ガラス板上の厚み1. 0mmに塗布し70℃の循環乾燥機で3時間、60℃の 圧乾燥機で3時間乾燥し、ガラス版からポリ ウレタン膜を剥がし、ポリウレタンの乾式膜 を得た。得られたポリウレタン乾式膜につい て熱分析装置を用いて軟化点を測定した。

 (4)ポリウレタンのゲル化点
 ポリウレタン1重量%のDMF溶液100gを攪拌しな ら、この溶液中に蒸留水を滴下し、25±1℃ 温度条件でポリウレタンの凝固が開始しは めて微白濁した時の水滴下量をゲル化点と た。

 (5)織編物内糸条の空洞の確認
 シート断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を 影し、織編物を構成する、円形または円形 近い楕円形の糸条を選び、図1に示すように 似円を描く。続いて、糸条の外周と近似円 中心とを結ぶ線Aを引き、線Aと繊維とが重 る部分Bの長さを測定し、線Aの長さに対する 線Bの長さの比率を測定する。これを、ラン ムに選んだ10本について行い、10本の平均が8 0%以下である場合、糸条の内部に空洞を有す 構造と判断した。

 (6)ストレッチ性
 ストレッチ性評価は、伸長率、伸長回復率 より行った。シートの各方向について、伸 率、伸長回復率の両方が目標値を超えた場 は評価を「P」とし合格、どちらか一方また は両方が目標を超えなかった場合は「F」と 、不合格とした。また、タテ方向およびヨ 方向のどちらか、または両方が合格となれ 、ストレッチ性があるシートと判断し、「P とし、両方が不合格の場合は、不合格と判 し、「F」とした。

 ・伸長率
 JIS L 1096(2005) 8.14.1 B法(定荷重法)において シートの伸長率を測定した。また、つかみ間 隔は50cmとした。

 なお、本発明において良好なレベル(目標 値)は、伸長率15%以上35%以下である。

 ・伸長回復率
 JIS L 1096(2005) 8.14.2 B-1法(定荷重法)におい シートの伸長回復率を測定した。また、つ み間隔は50cmとし、荷重を取り除いた後の放 置時間は1時間とした。

 なお、本発明において良好なレベル(目標 値)は、伸長回復率80%以上100%以下である。

 (7)外観品位
 皮革様シートの表面品位は、健康な成人男 と成人女性各10名ずつ、計20名を評価者とし て、目視と官能評価にて下記のように評価し 、最も多かった評価を外観品位とした。また 、評価結果が同数で割れた場合は、評価が悪 い方を外観品位とした。本発明において良好 なレベルは「A」、「B」である。
A:繊維の分散状態が良好で、緻密感があり外 が良好である。
B:繊維の分散状態がやや良くない部分がある 、外観はまずまず良好である。
C:全体的に繊維の分散状態が非常に悪く、外 が不良である。

 (8)風合い
 健康な成人男性と成人女性各10名ずつ、計20 名を評価者として、下記の評価を触感で判別 を行い、最も多かった評価を風合いとした。 また、評価結果が同数で割れた場合は、評価 が悪い方を風合いとした。なお、本発明にお いて良好なレベルは「A」または「B」である
A:非常に柔軟である。
B:柔軟である。
C:硬い
D:非常に硬い。

 (9)ピリング評価
 シートのピリング評価は、マーチンデール 耗試験機としてJames H.Heal&Co.製のModel 406 を、標準摩擦布として同社のABRASTIVE CLOTH SM2 5を用い、12kPa相当の荷重をかけ、摩耗回数20, 000回の条件で摩擦させた後の試料の外観を目 視で観察し、評価した。評価基準は外観と毛 玉の数で判断し、下記のように評価した。
5級  :試料の外観が摩擦前と全く変化がない 。
4.5級:試料表面の立毛が寝ているが毛玉の発 がない。
4級  :試料表面に毛玉が1個発生している。
3.5級:試料表面に毛玉が2~3個発生している。
3級  :試料表面に毛玉が4~5個発生している。
2.5級:試料表面に毛玉が6~10個発生している。
2級  :試料表面に毛玉が11~15個発生している
1.5級:試料表面に毛玉が16~20個発生している。
1級  :試料表面に毛玉が21個以上発生してい 。

 (10)摩耗減量
 前述のピリング評価と同様の操作を行い、 擦前後の重量を用いて、下記の式、
摩耗減量(mg)= 摩擦前の重量(mg) - 摩擦後の 量(mg)
により、摩耗減量(mg)を算出した。

 (11)シートのポリウレタン分子量
 0.1mol/lとなるよう塩化リチウムを溶解したN, N-ジメチルホルムアミドに、シートを浸漬し ポリウレタンを抽出し、ポリウレタン濃度 0.2重量%となるよう溶液を調整する。得られ た溶液についてゲル浸透クロマトグラフィー (東ソー製:HLC-8020)を用いて重量平均分子量を 出した。

 [化学物質の表記]
PU:ポリウレタン
PTMG:数平均分子量2000のポリテトラメチレング リコール
PCL:数平均分子量2000のポリカプロラクトン
PHC:数平均分子量2000のポリヘキサメチレンカ ボネート
PNMOC:下記一般式(3)で示される数平均分子量200 0の1,9-ノナンジオールと2-メチル-1,8-オクタン ジオールから誘導される共重合ポリカーボネ ートジオール

(式中、n,mは正の整数であり、ランダム共重 である。また、Rは(CH 2 ) 9 もしくはCH 2 -CH(CH 3 )-(CH 2 ) 6 のいずれかの脂肪族炭化水素基を示す)
PHMPC:下記一般式(4)で示される数平均分子量200 0の1,6-ヘキサンジオールと3-メチル-1,5-ペンタ ンジオールから誘導される共重合ポリカーボ ネートジオール

(式中、x,yは正の整数であり、ランダム共重 である。また、Rは(CH 2 ) 6 もしくは(CH 2 ) 2 -CH(CH 3 )-(CH 2 ) 2 のいずれかの脂肪族炭化水素基を示す)

MDI:4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート
EG:エチレングリコール
DMF:N,N-ジメチルホルムアミド
PET:ポリエチレンテレフタレート
PVA:ポリビニルアルコール
 [ポリウレタン種]
(1)ポリウレタンI(PU-I)
 ポリイソシアネート:MDI
 ポリオール    :PTMG 70%、PCL 30%
 鎖伸長剤     :EG
 軟化点      :250℃
 ゲル化点     :3.1ml
(2)ポリウレタンII(PU-II)
 ポリイソシアネート:MDI
 ポリオール    :PHC 70%、PCL 30%
 鎖伸長剤     :EG
 軟化点      :210℃
 ゲル化点     :7.1ml
(3)ポリウレタンIII(PU-III)
 ポリイソシアネート:MDI
 ポリオール    :PNMOC 60%、PHMPC 40%
 鎖伸長剤     :EG
 軟化点      :250℃
 ゲル化点     :3.5ml
(4)ポリウレタンIV(PU-IV)
 ポリイソシアネート:MDI
 ポリオール    :PHMPC 60%、PCL 20%、PTMG 20%
 鎖伸長剤     :EG
 軟化点      :250℃
 ゲル化点     :4.9ml。

 (織編物用繊維の製造)
 <製造例1>
固有粘度(IV)が0.78のPETと固有粘度(IV)0.51のPET それぞれ別に溶融し、紡糸温度295℃で12孔の 複合紡糸口金から複合比(重量%)50:50で吐出し 紡糸速度1450m/分で引き取り、12フィラメン のサイドバイサイド型複合構造未延伸糸を た。

 さらにホットロール-熱版系延伸機を用い 、延伸倍率2.6倍で延伸して56dtex、12フィラメ トの延伸糸を得た。

 <製造例2>
 固有粘度(IV)が0.65のPETを、紡糸温度295℃で72 孔の紡糸口金から吐出し、紡糸速度1650m/分で 引き取り、72フィラメントの未延伸糸を得た

 さらにホットロール-熱版系延伸機を用い 、延伸倍率2.8倍で延伸して84dtex、72フィラメ トの延伸糸を得た。

 (織物の製造)
 <製造例3>
製造例1で得られた延伸糸に1500回/m(撚係数1120 0)の撚りを施した撚糸を緯糸に、製造例2で得 られた延伸糸に2500回/m(撚係数22900)の撚りを した撚糸を経糸に用いて平織の織物を作製 た。

 <製造例4>
 製造例1で得られた延伸糸を双糸にし、1800 /m(撚係数18900)の撚りを施した撚糸を緯糸、 糸の両方に用いて平織の織物を作製した。

 <製造例5>
 製造例2で得られた延伸糸に2500回/m(撚係数22 900)の撚りを施した撚糸を緯糸、経糸の両方 用いて平織の織物を作製した。

 <製造例6>
 製造例1で得られた延伸糸に1500回/m(撚係数11 200)の撚りを施した撚糸を緯糸に、製造例2で られた延伸糸に2500回/m(撚係数22900)の撚りを 施した撚糸を経糸に用いて平織の織物を作製 した。

 得られた織物を液流染色機にて130℃、30 処理した後、ピンテンターを用い、130℃で 燥し、緯糸が捲縮発現した織物を作製した

 (シートの製造)
  <実施例1>
 島成分としてPETを、また海成分としてポリ チレンを用い、島数が36島の海島型複合用 金を用いて、島/海重量比率55/45で溶融紡糸 た後、延伸、捲縮し、その後、51mmにカット 、単繊維繊度3.1dtexの海島型複合繊維の原綿 を得た。

 この海島型複合繊維の原綿を用いて、カー 、クロスラッパー工程を経て積層ウエブを 成し、600本/cm 2 のパンチ本数でニードルパンチした後に、製 造例3で作製した織物をウエブの上下に挿入 、2900本/cm 2 のパンチ本数でニードルパンチを施してウエ ブと織物を貼り合わせ、シートを得た。この シートを96℃の熱水で収縮させた後、5%のPVA 溶液を含浸し、温度110℃の熱風で10分間乾燥 することで、シートの重量に対するPVA重量が 4重量%のシートを得た。このシートをトリク ロエチレン中で海成分を溶解除去し、極細 維と織物が絡合してなる脱海シートを得た 脱海シート断面の走査型電子顕微鏡(SEM)観 で、平均単繊維繊度は0.05detxであった。

 この極細繊維と織物とからなる脱海シー を、固形分濃度12%に調整したポリウレタンI のDMF溶液に含浸し、DMF濃度30%の水溶液中でポ リウレタンを凝固せしめた。その後、PVAおよ びDMFを熱水で除去し、110℃の熱風で10分間乾 することで、シートの島成分重量(極細繊維 と前記織編物の合計重量)に対するポリウレ ン重量が20重量%のシートを得た。

 そして、得られたシートを厚さ方向に半 し、半裁面をサンドペーパー番手240番のエ ドレスサンドペーパーで研削し、立毛面を 成した。

 こうして得られたシートを液流染色機に 、130℃の条件下で、収縮処理と染色を同時 行ったのちに、乾燥機にて乾燥を行い、シ トを得た。

 このシートについて織物内糸条の空洞を 察した結果、緯糸に空洞が存在することを 認した。また、得られたシートは、ヨコ方 に、伸長率が26%、伸長回復率が95%であり、 コ方向に良好なストレッチ性があった。外 品位、風合い、ピリング評価、摩耗減量も 好な結果であった。さらに、シート中のポ ウレタンの分子量は143000であった。

 <実施例2>
 島成分としてPETを、また海成分としてポリ チレンを用い、島数が16島の海島型複合用 金を用いて、島/海重量比率80/20で溶融紡糸 た後、延伸、捲縮し、その後、51mmにカット 、単繊維繊度3.8dtexの海島型複合繊維の原綿 を得た。

 この海島型複合繊維の原綿を用いて、カー 、クロスラッパー工程を経て積層ウエブを 成し、300本/cm 2 のパンチ本数でニードルパンチした後に、製 造例4で作製した織物をウエブの上下に挿入 、3400本/cm 2 のパンチ本数でニードルパンチを施してウエ ブと織物を貼り合わせ、シートを得た。この シートを96℃の熱水で収縮させた後、5%のPVA 溶液を含浸し、温度110℃の熱風で10分間乾燥 することで、シートの重量に対するPVA重量が 7重量%のシートを得た。このシートをトリク ロエチレン中で海成分を溶解除去し、極細 維と織物が絡合してなる脱海シートを得た 脱海シート断面の走査型電子顕微鏡(SEM)観 で、平均単繊維繊度は0.19detxであった。

 この極細繊維と織物とからなる脱海シー を固形分濃度12%に調整したポリウレタンII DMF溶液に含浸し、DMF濃度30%の水溶液中でポ ウレタンを凝固せしめた。その後、PVAおよ DMFを熱水で除去し、110℃の熱風で10分間乾燥 することで、シートの島成分重量(極細繊維 前記織編物の合計重量)に対するポリウレタ 重量が31重量%のシートを得た。

 そして、シートを厚さ方向に半裁し、半 面をサンドペーパー番手240番のエンドレス ンドペーパーで研削し立毛面を形成した。

 こうして得られたシートを液流染色機に 、130℃の条件下で、収縮処理と染色を同時 行ったのちに、乾燥機にて乾燥を行い、シ トを得た。

 このシートについて織物内糸条の空洞を 察した結果、経糸、緯糸共に空洞が存在す ことを確認した。また、得られたシートは ヨコ方向に伸長率が18%、伸長回復率が92%、 テ方向に、伸長率が18%、伸長回復率が86%で り、ヨコ方向、タテ方向の両方に良好なス レッチ性があった。また、外観品位、風合 、ピリング評価、摩耗減量も良好な結果で った。さらに、シート中のポリウレタンの 子量は201000であった。

 <実施例3>
 島成分としてPETを、また海成分としてポリ チレンを用い、島数が100島の海島型複合用 金を用いて、島/海重量比率50/50で溶融紡糸 た後、延伸、捲縮し、その後、51mmにカット し、単繊維繊度4.2dtexの海島型複合繊維の原 を得た。

 この海島型複合繊維の原綿を用いて、カー 、クロスラッパー工程を経て積層ウエブを 成し、600本/cm 2 のパンチ本数でニードルパンチした後に、製 造例3で作製した織物をウエブの上下に挿入 、2900本/cm 2 のパンチ本数でニードルパンチを施してウエ ブと織物を貼り合わせ、シートを得た。この シートを96℃の熱水で収縮させた後、10%のPVA 溶液を含浸し、温度110℃の熱風で10分間乾 することで、シートの重量に対するPVA重量 21重量%のシートを得た。このシートをトリ ロロエチレン中で海成分を溶解除去し、極 繊維と織物が絡合してなる脱海シートを得 。脱海シート断面の走査型電子顕微鏡(SEM)観 察で、平均単繊維繊度は0.02detxであった。

 この極細繊維と織物とからなる脱海シー を固形分濃度12%に調整したポリウレタンIII DMF溶液に含浸し、DMF濃度30%の水溶液中でポ ウレタンを凝固せしめた。その後、PVAおよ DMFを熱水で除去し、110℃の熱風で10分間乾 することで、シートの島成分重量(極細繊維 前記織編物の合計重量)に対するポリウレタ ン重量が25重量%のポリウレタンを付与したシ ートを得た。

 そして、シートを厚さ方向に半裁し、半 面をサンドペーパー番手240番のエンドレス ンドペーパーで研削し、立毛面を形成した

 こうして得られたシートを液流染色機に 、130℃の条件下で、収縮処理と染色を同時 行ったのちに、乾燥機にて乾燥を行い、シ トを得た。

 このシートについて織物内糸条の空洞を 察した結果、緯糸に空洞が存在することを 認した。また、得られたシートは、ヨコ方 に、伸長率が32%、伸長回復率が88%であり、 コ方向に良好なストレッチ性があった。外 品位、風合い、ピリング評価、摩耗減量も 好な結果であった。さらに、シート中のポ ウレタンの分子量は258000であった。

 <実施例4>
 島成分としてPETを、また海成分としてポリ チレンを用い、島数が36島の海島型複合用 金を用いて、島/海重量比率55/45で溶融紡糸 た後、延伸、捲縮し、その後、51mmにカット 、単繊維繊度3.1dtexの海島型複合繊維の原綿 を得た。

 この海島型複合繊維の原綿を用いて、カー 、クロスラッパー工程を経て積層ウエブを 成し、600本/cm 2 のパンチ本数でニードルパンチした後に、製 造例3で作製した織物をウエブの上下に挿入 、2900本/cm 2 のパンチ本数でニードルパンチを施してウエ ブと織物を貼り合わせ、シートを得た。この シートを96℃の熱水で収縮させた後、5%のPVA 溶液を含浸し、温度110℃の熱風で10分間乾燥 することで、シートの重量に対するPVA重量が 5重量%のシートを得た。その後、シートを固 分濃度12%に調整したポリウレタンIのDMF溶液 を含浸し、DMF濃度30%の水溶液中でポリウレタ ンを凝固せしめた。そして、DMFを熱水で除去 し、110℃の熱風で10分間乾燥することで、シ トの島成分重量(極細繊維と前記織編物の合 計重量)に対するポリウレタン重量が22重量% シートを得た。このシートをトリクロロエ レン中で海成分を溶解除去し、極細繊維と 物、ポリウレタンからなるシートを得た。 ート断面の走査型電子顕微鏡(SEM)観察で、平 均単繊維繊度は0.05detxであった。

 そして、シートを厚さ方向に半裁し、半 面をサンドペーパー番手240番のエンドレス ンドペーパーで研削し、立毛面を形成した

 こうして得られたシートを液流染色機に 、130℃の条件下で、収縮処理と染色を同時 行ったのちに、乾燥機にて乾燥を行い、シ トを得た。

 このシートについて織物内糸条の空洞を 察した結果、緯糸に空洞が存在することを 認した。また、得られたシートは、ヨコ方 に、伸長率が29%、伸長回復率が86%であり、 コ方向に良好なストレッチ性があった。外 品位、風合い、ピリング評価、摩耗減量も 好な結果であった。さらに、シート中のポ ウレタンの分子量は147000であった。

 <実施例5>
 PVAの付量を5%、PUの付量を5%とした以外は、 施例1と同様の処理を行い、シートを得た。

 このシートについて織物内糸条の空洞を 察した結果、緯糸に空洞が存在することを 認した。また、得られたシートは、耐摩耗 が悪かったものの、ヨコ方向にストレッチ があり、外観品位、風合いは良好であった さらに、シート中のポリウレタンの分子量 134000であった。

 <実施例6>
 海島型複合繊維を15mmにカットしたことと、 PVAの付量を5%、PUの付量を23%とした以外は、 施例1と同様の処理を行い、シートを得た。

 このシートについて織物内糸条の空洞を 察した結果、緯糸に空洞が存在することを 認した。また、得られたシートは、摩耗減 が多かったものの、ヨコ方向にストレッチ があり、外観品位、風合い、ピリング評価 良好であった。さらに、シート中のポリウ タンの分子量は139000であった。

 <実施例7>
 PVAを付与しなかったことと、PUの付量を14% した以外は、実施例1と同様の処理を行い、 ートを得た。

 このシートについて織物内糸条の空洞を 察した結果、緯糸に空洞が存在することを 認した。また、得られたシートは、ヨコ方 に、伸長率が16%、伸長回復率が97%であり、 コ方向に良好なストレッチ性があった。外 品位、風合い、ピリング評価、摩耗減量も 好な結果であった。さらに、シート中のポ ウレタンの分子量は131000であった。

 <実施例8>
 PVAの付量を22%、PUの付量を38%とした以外は 実施例1と同様の処理を行い、シートを得た

 このシートについて織物内糸条の空洞を 察した結果、緯糸に空洞が存在することを 認した。また、得られたシートは、ヨコ方 に、伸長率が19%、伸長回復率が87%であり、 コ方向に良好なストレッチ性があった。外 品位、風合い、ピリング評価、摩耗減量も 好な結果であった。さらに、シート中のポ ウレタンの分子量は149000であった。

 <実施例9>
 海島型複合繊維を89mmにカットしたことと、 PVAの付量を21%、PUの付量を18%とした以外は、 施例1と同様の処理を行い、シートを得た。

 このシートについて織物内糸条の空洞を 察した結果、緯糸に空洞が存在することを 認した。また、得られたシートは、ヨコ方 に、伸長率が30%、伸長回復率が88%であり、 コ方向に良好なストレッチ性があった。外 品位、風合い、ピリング評価、摩耗減量も 好な結果であった。さらに、シート中のポ ウレタンの分子量は141000であった。

 <実施例10>
 PVAの付量を30%、PUの付量を25%とした以外は 実施例1と同様の処理を行い、シートを得た

 このシートについて織物内糸条の空洞を 察した結果、緯糸に空洞が存在することを 認した。また、得られたシートは、ヨコ方 に、伸長率が34%、伸長回復率が87%であり、 コ方向に良好なストレッチ性があった。さ に、摩耗減量が若干多かったものの、外観 位、風合い、ピリング評価は良好な結果で った。シート中のポリウレタンの分子量は1 39000であった。

 <実施例11>
 ポリウレタンIの代わりにポリウレタンIVを 用したことと、PVAの付量を20%、PUの付量を19 %とした以外は、実施例1と同様の処理を行い シートを得た。

 このシートについて織物内糸条の空洞を 察した結果、緯糸に空洞が存在することを 認した。また、得られたシートは、ヨコ方 に、伸長率が28%、伸長回復率が90%であり、 コ方向に良好なストレッチ性があった。外 品位、風合い、ピリング評価、摩耗減量も 好な結果であった。さらに、シート中のポ ウレタンの分子量は198000であった。

 <実施例12>
 PVAの付量を21%、PUの付量を44%とした以外は 実施例1と同様の処理を行い、シートを得た

 このシートについて織物内糸条の空洞を 察した結果、緯糸に空洞が存在することを 認した。また、得られたシートは、ヨコ方 に、伸長率が16%、伸長回復率が95%であり、 コ方向に良好なストレッチ性があった。外 品位、風合い、ピリング評価、摩耗減量も 好な結果であった。さらに、シート中のポ ウレタンの分子量は151000であった。

 <実施例13>
 海島型複合繊維を25mmにカットしたことと、 PVAの付量を5%、PUの付量を21%とした以外は、 施例1と同様の処理を行い、シートを得た。

 このシートについて織物内糸条の空洞を 察した結果、緯糸に空洞が存在することを 認した。また、得られたシートは、ヨコ方 に、伸長率が25%、伸長回復率が95%であり、 コ方向に良好なストレッチ性があった。外 品位、風合い、ピリング評価、摩耗減量も 好な結果であった。さらに、シート中のポ ウレタンの分子量は142000であった。

 <実施例14>
 海島型複合繊維を102mmにカットしたことと PVAの付量を5%、PUの付量を21%とした以外は、 施例1と同様の処理を行い、シートを得た。

 このシートについて織物内糸条の空洞を 察した結果、緯糸に空洞が存在することを 認した。また、得られたシートは、ヨコ方 に、伸長率が26%、伸長回復率が94%であり、 コ方向に良好なストレッチ性があった。外 品位、風合い、ピリング評価、摩耗減量も 好な結果であった。さらに、シート中のポ ウレタンの分子量は135000であった。

 <実施例15>
 ポリウレタンIの代わりにポリウレタンIIを 用したことと、PVAの付量を21%、PUの付量を25 %とした以外は、実施例1と同様の処理を行い シートを得た。

 このシートについて織物内糸条の空洞を 察した結果、緯糸に空洞が存在することを 認した。また、得られたシートは、ヨコ方 に、伸長率が19%、伸長回復率が96%であり、 コ方向に良好なストレッチ性があった。外 品位、風合い、ピリング評価、摩耗減量も 好な結果であった。さらに、シート中のポ ウレタンの分子量は205000であった。

 <比較例1>
 製造例5で作製した織物を使用したことと、 PVAの付量を3%、PUの付量を19%とした以外は、 施例1と同様の処理を行い、シートを得た。

 このシートについて織物内糸条の空洞を 察した結果、経糸、緯糸共に空洞は存在し かった。また、得られたシートは、外観品 、風合い、ピリング評価、摩耗減量は良好 ったものの、ストレッチ性がないものであ た。シート中のポリウレタンの分子量は1410 00であった。

 <比較例2>
 製造例6で作製した捲縮発現している織物を 使用したことと、PVAの付量を6%、PUの付量を22 %とした以外は、実施例1と同様の処理を行い 立毛面を形成したシートを得た。こうして られたシートを液流染色機にて、130℃の条 下で、染色を行ったのちに、乾燥機にて乾 を行い、シートを得た。

 このシートについて織物内糸条の空洞を 察した結果、経糸、緯糸共に空洞は存在し かった。また、得られたシートは、風合い 摩耗減量は良好であったものの、若干ピリ グ評価が悪く、ストレッチ性がないもので った。また、製品表面には、織物の繊維が 出しており、非常に品位の悪いものであっ 。シート中のポリウレタンの分子量は142000 あった。

 なお、上記実施例、比較例の条件、結果 表1~3にまとめて示す。




 
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