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Patent Searching and Data


Title:
STRUCTURAL MEMBER TO BE USED IN APPARATUS FOR MANUFACTURING SEMICONDUCTOR OR FLAT DISPLAY, AND METHOD FOR PRODUCING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/081748
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a structural member for a manufacturing apparatus, which comprises a metal base member mainly composed of aluminum, a high-purity aluminum film formed on the surface of the metal base member, and a nonporous amorphous aluminum oxide passivation film which is formed by anodizing the high-purity aluminum film. Also disclosed is a method for producing a structural member for a manufacturing apparatus, wherein a high-purity aluminum film is formed on the surface of a metal base member mainly composed of aluminum, and then the high-purity aluminum film is anodized in a chemical conversion liquid having a pH of 4-10 and containing a nonaqueous solvent, which has a dielectric constant lower than that of water and dissolves water, thereby converting at least a surface portion of the high-purity aluminum film into a nonporous amorphous aluminum oxide passivation film.

Inventors:
OHMI TADAHIRO (JP)
TAHARA MINORU (JP)
KAWASE YASUHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/074636
Publication Date:
July 10, 2008
Filing Date:
December 21, 2007
Export Citation:
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Assignee:
UNIV TOHOKU NAT UNIV CORP (JP)
MITSUBISHI CHEM CORP (JP)
OHMI TADAHIRO (JP)
TAHARA MINORU (JP)
KAWASE YASUHIRO (JP)
International Classes:
C25D11/04; C23C28/00
Foreign References:
JP2004099972A2004-04-02
JP2005524770A2005-08-18
JP2006128370A2006-05-18
Attorney, Agent or Firm:
IKEDA, Noriyasu et al. (4-10 Nishishinbashi 1-chome, Minato-k, Tokyo 03, JP)
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Claims:
 アルミニウムを主成分とする金属ベース部材と、前記金属ベース部材の表面に成膜した高純度アルミニウム膜と、前記高純度アルミニウム膜を陽極酸化して形成した無孔性非晶質膜アルミニウム酸化物不動態膜を有する製造装置の構造部材。
 前記高純度アルミニウム膜は、純度が99.99%以上のアルミニウムであることを特徴とする請求項1記載の製造装置の構造部材。
 前記高純度アルミニウム膜は0.2μm以上の膜厚を有することを特徴とする請求項1又は2記載の製造装置の構造部材。
 前記高純度アルミニウム膜はCVDによって成膜されることを特徴とする請求項3記載の製造装置の構造部材。
 前記高純度アルミニウム膜はスパッタリングによって成膜されることを特徴とする請求項3記載の製造装置の構造部材。
 無孔性非晶質膜アルミニウム酸化物不動態膜は前記高純アルミニウム膜の表面をpH4から10の化成液中で陽極酸化によって形成することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1に記載の製造装置の構造部材。
 前記無孔性非晶質膜アルミニウム酸化物不動態膜は放出水分量が1E18分子/cm 2 以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1に記載の製造装置の構造部材。
 前記アルミニウムを主成分とする金属ベース部材は、アルミニウムを50重量%以上含みかつマグネシュウムを1から4.5%含むことを特徴とする請求項1乃至7記載の製造装置の構造部材。
 前記アルミニウムを主成分とする金属ベース部材は、0.15重量%以下のジルコニウムを含むことを特徴とする請求項8記載の製造装置の構造部材。
 前記アルミニウムを主成分とする金属ベース部材はアルミニウム、マグネシウムおよびジルコニウムを除く元素の総含有量が1重量%以下であることを特徴とする請求項8又は9に記載の製造装置の構造部材。
 前記アルミニウムを主成分とする金属ベース部材は、アルミニウム、マグネシウムおよびジルコニウムを除く元素の含有量がいずれも0.01重量%以下であることを特徴とする請求項10に記載の製造装置の構造部材。
電子装置の製造装置であって、請求項1乃至11のいずれか1に記載の製造装置の構造部材を用いた製造装置。
 アルミニウムを主成分とする金属ベース部材の表面に高純度アルミニウム膜を成膜し、前記高純度アルミニウム膜を誘電率が水より小さくかつ水を溶解する非水溶媒を含むpH4~10の化成液中で陽極酸化してその少なくとも表面部分を無孔性非晶質膜アルミニウム酸化物不動態膜に変換することを特徴とする製造装置の構造部材の製造方法。
 前記高純度アルミニウム膜は、純度が99.99%以上のアルミニウムであることを特徴とする請求項13記載の製造装置の構造部材の製造方法。
 前記高純度アルミニウム膜は0.2μm以上の膜厚に成膜することを特徴とする請求項14記載の製造装置の構造部材の製造方法。
 前記高純度アルミニウム膜はCVDによって成膜されることを特徴とする請求項15記載の製造装置の構造部材の製造方法。
 前記高純度アルミニウム膜はスパッタリングによって成膜されることを特徴とする請求項15記載の製造装置の構造部材の製造方法。
 前記無孔性非晶質膜アルミニウム酸化物不動態膜は厚さが10nm以上形成されることを特徴とする請求項13乃至17のいずれか1に記載の製造装置の構造部材の製造方法。
 前記高純度アルミニウム膜はその厚さの実質的に全体にわたって前記無孔性非晶質膜アルミニウム酸化物不動態膜に変換されることを特徴とする請求項13乃至18のいずれか1に記載の製造装置の構造部材の製造方法。
 前記化成液は該化成液を電気伝導性にする電解質を含みpHが5.5~8.5であることを特徴とする請求項13乃至19のいずれか1に記載の製造装置の構造部材の製造方法。
 前記化成液は水を50重量%以下含みpHが6~8であることを特徴とする請求項13乃至19のいずれか1に記載の製造装置の構造部材の製造方法。
 前記電解質が硼酸、燐酸及び有機カルボン酸並びにそれらの塩よりなる群から選ばれる少なくとも一種を含有することを特徴とする請求項20に記載の製造装置の構造部材の製造方法。
 前記陽極酸化は、前記高純度アルミニウム膜と所定の電極とを前記化成液中に配置する工程と、前記高純度アルミニウム膜と前記電極との間に一定の電流を所定の時間流す定電流工程と、前記高純度アルミニウム膜と前記電極との間に一定の電圧を所定の時間印加する定電圧工程とを含むことを特徴とする請求項13乃至22のいずれか1に記載の製造装置の構造部材の製造方法。
 前記定電流工程の前記所定の時間は前記高純度アルミニウム膜と所定の電極との間の電圧が所定の値になるまでであることを特徴とする請求項23に記載の製造装置の構造部材の製造方法。
 前記定電圧工程の前記所定の時間は前記高純度アルミニウム膜と所定の電極との間の電流が所定の値になるまでであることを特徴とする請求項23に記載の製造装置の構造部材の製造方法。
 前記陽極酸化の後に前記部材を150℃以上の所定の温度で熱処理する工程を含むことを特徴とする請求項13乃至25のいずれか1に記載の製造装置の構造部材の製造方法。
 前記陽極酸化の後に前記部材を300℃以上の所定の温度で熱処理することを特徴とする請求項26に記載の製造装置の構造部材の製造方法。
 前記定電流工程において平方cm当たり0.01~100mAの電流を流すことを特徴とする請求項23又は24に記載の製造装置の構造部材の製造方法。
 前記電流は平方cm当たり0.1~10mAであることを特徴とする請求項28に記載の製造装置の構造部材の製造方法。
 前記電流は平方cm当たり0.15~1.5mAであることを特徴とする請求項29に記載の製造装置の構造部材の製造方法。
 前記定電圧工程において前記化成液が電気分解を起こさないような電圧を印加することを特徴とする請求項23乃至30のいずれか1に記載の製造装置の構造部材の製造方法。
 前記非水溶媒はエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、およびテトラエチレングリコールの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項13乃至31のいずれか1に記載の製造装置の構造部材の製造方法。
 前記電解質はアジピン酸塩を含むことを特徴とする請求項20乃至32のいずれか1に記載の製造装置の構造部材の製造方法。
 前記無孔性非晶質膜アルミニウム酸化物不動態膜は放出水分量が1E18分子/cm 2 以下であることを特徴とする請求項13乃至33のいずれか1に記載の製造装置の構造部材の製造方法。
 前記アルミニウムを主成分とする金属ベース部材は、アルミニウムを50重量%以上含みかつマグネシュウムを1から4.5重量%含むことを特徴とする請求項13乃至34のいずれか1に記載の製造装置の構造部材の製造方法。
 前記アルミニウムを主成分とする金属ベース部材は、0.15重量%以下のジルコニウムを含むことを特徴とする請求項35記載の製造装置の構造部材の製造方法。
 前記アルミニウムを主成分とする金属ベース部材はアルミニウム、マグネシウムおよびジルコニウムを除く元素の総含有量が1重量%以下であることを特徴とする請求項35又は36に記載の製造装置の構造部材の製造方法。
 前記アルミニウムを主成分とする金属ベース部材は、アルミニウム、マグネシウムおよびジルコニウムを除く元素の含有量がいずれも0.01重量%以下であることを特徴とする請求項37に記載の製造装置の構造部材の製造方法。
Description:
半導体又は平面デイスプレイの 造装置に使用される構造部材とその製造方

 本発明は、製造装置に使用される構造部 に関し、特に、半導体又は平面デイスプレ の製造装置に使用される構造部材とその製 方法に関する。

 半導体や平面デイスプレイなどの電子装 の製造分野などに用いられる製造装置とし 、例えば、化学気相成長法(CVD)や物理気相 長法(PVD)、真空蒸着法、スパッタ蒸着法、及 びマイクロ波励起プラズマCVDなどに用いる真 空薄膜形成装置や、プラズマエッチング、リ アクティブイオンエッチング(RIE)、及び近年 発されたマイクロ波励起プラズマエッチン などに用いるドライエッチング装置(以下、 真空装置と総称する。)、洗浄装置、焼成装 、加熱装置等がある。これら装置の特に腐 性の流体、ラジカル、照射イオンに接する を有する構造材として、近年、ステンレス に代わり、軽量で強固な、アルミニウムを 成分とする金属が広く用いられている。こ らの装置では、今後の効率的な多品種少量 産を実現するためにも、1台で複数のプロセ を処理可能な3次元立体化クラスターツール 化や、1つのプロセスチャンバーでガス種を り替えて複数の処理を行うこと等が求めら ている。アルミニウムは実用金属の中でも に卑な部類に属しており、アルミニウム及 アルミニウムを主成分とする金属には、適 な表面処理による保護膜形成が必要である

 アルミニウムを主成分とする金属を構造 として用いた際の表面保護膜としては、古 から電解液中の陽極酸化による陽極酸化膜( アルマイト)が知られている。電解液として 酸性電解液(通常、pH2以下)を用いると、ポー ラス構造を有する平滑で均一なアルマイト皮 膜を形成させることができる。

 しかも、アルマイト皮膜は耐食性を有し おり、また酸性電解液も安定で管理が容易 ため、広く一般に用いられている。しかし がら、ポーラス構造を有するアルマイト皮 は構造部材の表面処理としては熱に弱く、 ルミニウム基材とアルマイト皮膜における 膨張係数の違いよりクラックを生じて(特許 文献1-特開平10-130884号公報)、パーティクルの 発生、アルミニウム基材の露出による腐食な どの発生要因となっていた。

 またポーラス構造の孔内部には多量の水 等が蓄積・吸着しており(特許文献2-特公平5 -053870号公報)、これがアウトガス成分として 量に放出される。このため、これら真空装 の性能の大幅な低下や、デバイスの動作不 、その他ハロゲンガスを含む各種ガス・薬 との共存によるアルマイト皮膜及びアルミ ウム基材の腐食を引き起こす要因になるな 、多くの問題点を有していた。ハロゲンガ の中でも特に塩素ガスについては、リアク ィブイオンエッチング(RIE)等に於ける金属 料の加工に於けるエッチングガスや、薄膜 成装置やドライエッチング装置のクリーニ グ工程にも用いられており、塩素ガスに対 る強固な耐食性を有した装置部材の金属表 処理が重要である。

 そこで、高温の熱負荷によるクラックの 加割合が低いアルマイト皮膜及びその形成 法が種々提案されている。例えば、アルミ ウムの合金組成をコントロールしたアルマ ト皮膜の形成方法が提案されている(特許文 献3-特開平11-181595号公報)。しかしこのアルマ イト皮膜も従来同様、表面にポーラス構造を 有しており、このポーラス構造の孔内部に残 存している水分による各種の問題については 未解決のまま残されていた。

 このポーラス構造に起因する問題改善の に、各種方法が提案されている。例えば、 性電解質中にて陽極酸化処理したポーラス 造を有するアルマイト皮膜を沸騰水中に浸 、又は加圧水蒸気中にて処理することによ 、表面に水酸化アルミニウム(ベーマイト層 )を形成して孔を塞ぐ封孔処理(特許文献4-特 平5-114582号公報)や、金属の水和物あるいは 和酸化物を主成分とする溶液中に於ける封 処理(特許文献5-特開2004-060044号公報)などが 案されている。しかし、封孔処理後もポー ス構造の孔内部には依然として水分が残存 ており、水酸化アルミニウムによるベーマ ト層自体も水和物であることから、圧力や 度などの条件によっては水分の供給源とな ており、根本的な解決には至っていない。 た、ポーラス構造のアルマイト皮膜を形成 、バリア構造の陽極酸化処理を行う方法(特 文献6-特開2005-105300号公報)も提案されてい が、二工程の陽極酸化処理を行う必要があ ために、製造コストが高くなるといった問 があった。

 その他、アルミニウムを主成分とする金 を構造部材として用いた際の表面処理とし 、金属・合金や、各種セラミックス、セラ ックスと金属あるいは合金とを組み合わせ 粉体材料を溶融して噴射する溶射法などが いられている(特許文献7-特開平9-069514号公 )。しかし溶射法による表面処理では、膜表 と基材とが穴でつながっている気孔の生成 制が困難な為に、装置内でハロゲンガス等 腐食ガスを用いた場合には、気孔による基 のアルミニウムを主成分とする金属が接触 ている部位が腐食する問題が残されている

 このような問題を解決すべく発明者は、ア ミニウムを主成分とする金属を、pHが中性 は中性に近い化成液で、陽極酸化を行うこ によってアルミニウムの金属酸化物膜から 放出水分量が1E18分子/cm 2 以下の無孔性非晶質膜のアルミニウム酸化物 不動態膜が得られ、アニールによるクラック を生じず、塩素ガス曝露に対する耐性に優れ ていること等を見出した(特許文献8、特許文 9)。さらに、アルミニウムを主成分とする ルミニウム合金の特定元素(Fe,Cu,Mn,Zn,Cr)の総 有量が1重量%以下に抑制した、Mg添加が4.5重 量%以下、Zr添加が0.1重量%の高純度アルミニ ム、及び特定元素の含有量が0.004重量%でMg及 びZrを含まない99.99%(4N)アルミニウムについて 、陽極酸化を行い、より短時間で所定電圧ま で化成でき、定電圧酸化時の残余電流密度が 小さく、高いスループットで良好なバリア型 アルミニウム酸化物膜を形成できることを見 出した。また、これら高純度アルミニウムの 酸化物膜の塩素ガスに対する耐性が優れてい ることを見出した(特許文献10)。

特開平10-130884号公報

特公平5-053870号公報

特開平11-181595号公報

特開平5-114582号公報

特開2004-060044号公報

特開2005-105300号公報

特開平9-069514公報

特願2005-178562号

特願2006-64923号

PCT国際出願番号PCT/JP2006/309327

 したがって、半導体製造装置などの真空 置に、高純度アルミニウム、又は純アルミ ウムをベース部材に使用し、その表面を陽 酸化によって処理し無孔性非晶質アルミニ ム酸化物不動態膜を形成した構造部材を使 すれば、水分放出量が少なく、アニール耐 、塩素ガスに対する耐性等が優れた装置を ることができる。

 しかし、これら装置の構造を保持するベ ス部材として、高純度アルミニウム、又は アルミニウムを使用する場合には、機械的 度が小さいことから、チェンバなどの構造 材として使用できないという問題がある。

 本発明の目的は、機械的強度が強く、か 高純度アルミニウム又は純アルミニウムか 得られる無孔性非晶質アルミニウム酸化物 動態膜を有する構造部材及び構造部材の製 方法を提供することである。

 本発明によれば、アルミニウムを主成分 する金属ベース部材と、前記金属ベース部 の表面に成膜した高純度アルミニウム膜と 前記高純度アルミニウム膜を陽極酸化して 成した無孔性非晶質膜アルミニウム酸化物 動態膜を有する製造装置の構造部材が得ら る。

 望ましくは、高純度アルミニウム膜は、 度が99.99%以上のアルミニウムである。さら 望ましくは、高純度アルミニウム膜の純度 99.999%以上である。

 高純度アルミニウム膜は0.2μm以上の膜厚 有する。

 望ましくは、高純度アルミニウム膜はCVD よって成膜する。

 高純度アルミニウム膜はスパッタリング よって成膜してもよい。

 無孔性非晶質膜アルミニウム酸化物不動 膜は高純度アルミニウム膜の表面をpH4から1 0の化成液中で陽極酸化によって形成する。 ましくは、化成液は、中性又は中性に近いpH のものを使用する。

 無孔性非晶質膜アルミニウム酸化物不動態 からの放出水分量は、1E18分子/cm 2 以下(1×10 18 個/cm 2 以下)である。

 前記アルミニウムを主成分とする金属ベ ス部材は、アルミニウムを50重量%以上含み つマグネシュウムを1から4.5重量%含む。

 望ましくはアルミニウムを主成分とする 属ベース部材は、0.15重量%以下のジルコニ ムを含む。

 望ましくは、前記アルミニウムを主成分 する金属ベース部材はアルミニウム、マグ シウムおよびジルコニウムを除く元素の総 有量が1重量%以下である。

 さらに、望ましくは、前記アルミニウム 主成分とする金属ベース部材は、アルミニ ム、マグネシウムおよびジルコニウムを除 元素の含有量がいずれも0.01重量%以下であ 。

 本発明によれば、電子装置の製造装置で って、アルミニウムを主成分とする金属ベ ス部材と、前記金属ベース部材の表面に成 した高純度アルミニウム膜と、前記高純度 ルミニウム膜を陽極酸化して形成した無孔 非晶質膜アルミニウム酸化物不動態膜を有 る製造装置の構造部材を用いた電子装置の 造装置が得られる。

 電子装置の製造装置には、構造部材に関 て上述した種々の特徴の構造部材を用いる が望ましい。

 また、本発明によれば、アルミニウムを 成分とする金属ベース部材の表面に高純度 ルミニウム膜を成膜し、前記高純度アルミ ウム膜を誘電率が水より小さくかつ水を溶 する非水溶媒を含むpH4~10の化成液中で陽極 化してその少なくとも表面部分を無孔性非 質膜アルミニウム酸化物不動態膜に変換す ことを特徴とする製造装置の構造部材の製 方法が得られる。

 望ましくは、前記高純度アルミニウム膜 、純度が99.99%以上のアルミニュウムである

 前記高純度アルミニウム膜は0.2μm以上の 厚に成膜することが好ましい。

 前記高純度アルミニウム膜はCVDによって はスパッタリングによって成膜される。

 前記無孔性非晶質膜アルミニウム酸化物 動態膜は厚さが10nm以上形成される。

 望ましくは、前記高純度アルミニウム膜 その厚さの実質的に全体にわたって前記無 性非晶質膜アルミニウム酸化物不動態膜に 換される。

 前記化成液は該化成液を電気伝導性にす 電解質を含みpHが5.5~8.5であることを特徴と る。

 望ましくは、化成液は水を50重量%以下含 pHが6~8であることを特徴とする。

 電解質は、硼酸、燐酸及び有機カルボン 並びにそれらの塩よりなる群から選ばれる なくとも一種を含有する。

 陽極酸化は、前記高純度アルミニウム膜 所定の電極とを前記化成液中に配置する工 と、前記高純度アルミニウム膜と前記電極 の間に一定の電流を所定の時間流す定電流 程と、前記高純度アルミニウム膜と前記電 との間に一定の電圧を所定の時間印加する 電圧工程とを含む。

 定電流工程の前記所定の時間は前記高純 アルミニウム膜と所定の電極との間の電圧 所定の値になるまでの時間とする。

 定電圧工程の前記所定の時間は前記高純 アルミニウム膜と所定の電極との間の電流 所定の値になるまでであることを特徴とす 。

 陽極酸化の後に前記部材を150℃以上の所 の温度で熱処理する工程を含む。

 望ましくは、前記陽極酸化の後に前記部 を300℃以上の所定の温度で熱処理すること 特徴とする。

 前記定電流工程において平方cm当たり0.01~ 100mAの電流を流す。

 望ましくは、前記電流は平方cm当たり0.1~1 0mAである。

 さらに望ましくは、前記電流は平方cm当 り0.15~1.5mAであることを特徴とする。

 定電圧工程において前記化成液が電気分 を起こさないような電圧を印加する。

 前記非水溶媒はエチレングリコール、ジ チレングリコール、トリエチレングリコー 、およびテトラエチレングリコールの少な とも一つを含む。

 前記電解質はアジピン酸塩を含むことを 徴とする。

 前記無孔性非晶質膜アルミニウム酸化物不 態膜は放出水分量が1E18分子/cm 2 以下である。

 前記アルミニウムを主成分とする金属ベ ス部材は、アルミニウムを50重量%以上含み つマグネシュウムを1から4.5%含むことを特 とする。

 望ましくは、 前記アルミニウムを主成 とする金属ベース部材は、0.15重量%以下のジ ルコニウムを含む。

 望ましくは、前記アルミニウムを主成分 する金属ベース部材はアルミニウム、マグ シウムおよびジルコニウムを除く元素の総 有量が1重量%以下である。

 さらに望ましくは、前記アルミニウムを 成分とする金属ベース部材は、アルミニウ 、マグネシウムおよびジルコニウムを除く 素の含有量がいずれも0.01重量%以下である

 本発明では、構造を保持するベース部材 は、高純度アルミニウムより機械的強度が れかつコストの低いアルミニウム合金を使 し、ベース部材の表面に積層させた高純度 ルミニウム膜を陽極酸化により表面処理し 無孔性非晶質膜アルミニウム酸化物不動態 を形成して構造部材にするものであるから ベース部材を高純度アルミニウムにして、 の表面を直接陽極酸化してアルミニウム酸 物不動態膜を形成した構造部材と比べ、機 的強度が大きく、しかも表面処理皮膜とし は、高純度アルミニウムの酸化物膜が示す 性を有する構造部材を得ることができる。 た、無孔性非晶質膜アルミニウム酸化物不 態膜と基体構造部材との密着性も優れてい 。

本発明を説明するために用いる写真で 5N高純度アルミニウム基板を陽極酸化して られる無孔性非晶質膜アルミニウム酸化物 動態膜の走査顕微鏡写真である。 本発明を説明するために用いる写真で 5N高純度アルミニウム基板を陽極酸化して られる無孔性非晶質膜アルミニウム酸化物 動態膜と、2重量%マグネシュウム(Mg)及び0.1 量%ジルコニウム(Zr)を含む高純度アルミニウ ム(S2M)基板で得られる無孔性非晶質膜アルミ ウム酸化物不動態膜の顕微鏡写真である。 本発明を説明するために用いる図で、5 N高純度アルミニウム基板、2重量%マグネシュ ウム(Mg)及び0.1重量%ジルコニウム(Zr)を含む高 純度アルミニウム(S2M)基板を陽極酸化する場 の電圧・電流の経過時間特性を示すグラフ ある。 半導体製造装置などに使用される本発 の構造部材の1部断面図である。 本発明の実施例における陽極酸化時の 圧特性及び電流特性の1例を示す。 本発明の実施例における陽極酸化時の 圧特性及び電流特性の他の例を示す。

 本発明の実施形態の説明の前に、高純度 ルミニウムの陽極酸化について述べる。

 図1は、5N(99.999%)の高純度アルミニウム基 を、陽極酸化して得られた無孔性非晶質膜 ルミニウム酸化物不動態膜の走査型研顕微 写真である。左列は到達電圧200V、中列は到 達電圧300V、右列は到達電圧400Vで陽極酸化を たものである。そして、各々の列において 上段、中段及び下段はそれぞれ倍率が1,000 、5,000倍及び10,000倍である。同図から、いず れの到達電圧においても、表面が平坦な膜が 得られている。

 図2には、高純度アルミニウム基板を陽極 酸化して得られる無孔性非晶質膜アルミニウ ム酸化物不動態膜の電子顕微鏡写真(右側)と 比して、その左側に、2重量%マグネシュウ (Mg)及び0.1重量%ジルコニウム(Zr)を含む高純 アルミニウム(S2M)基板を同じ到達化成電圧400 Vで陽極酸化して得られる金属酸化物膜の表 状態を示す。倍率は、それぞれ1000倍、5000倍 、10000倍である。同図から、5Nの高純度Alの場 合の金属酸化物の表面状態がより優れている ことがわかる。

 これら表面処理は、溶質としてアジピン アンモニウム(1重量%)、主溶媒としてエチレ ングリコール、水(19重量%)を含むpH7.0の化成 に入れて、室温で陽極酸化を行ったもので る。

 陽極酸化は、基板を化成液の中に入れ、電 密度1mA/cm 2 の定電流で所定の到達電圧に達するまで化成 する。そして、到達電圧に達した後、所定時 間その電圧を保持するように通電した。図3 は、その場合の電圧(左の縦軸)・電流密度( の縦軸)の経過時間に対する特性を示してあ 。図には、5Nの高純度アルミニウム基板及 2重量%のMgを含むアルミニウム基板に加え、3 重量%のMgを含むアルミニウム基板、4重量%のM gを含むアルミニウム基板についての陽極酸 の特性を示してある。5Nの高純度アルミニウ ムについては、到達電圧200V,300V及び400V、4重 %Mg含有アルミニウムについては到達電圧400V と200V,3重量%Mg含有アルミニウム及び2重量%Mg 有アルミニウムついては到達電圧200Vで化成 理した場合の特性である。到達電圧400Vで比 較すると、5N高純度アルミニウムの場合、定 流化成時の電圧の立ち上がりの直線性がよ 、到達電圧に達した後の電流密度の低下が く、しかも電流密度は小さい。これに対し 4重量%Mg含有アルミニウムの場合、電圧特性 の直線性も劣り、到達電圧に達した後の電流 密度が大きい。したがって、アルミニウム酸 化物膜の製造時間及び膜の緻密性の点で、5N 高純度アルミニウムを陽極酸化した場合の が優れた膜が得られている。

 アルミニウムを主成分とする金属又は高純 アルミニウムを主成分とする金属をpH4~10の 成液、特に、pH6~8の化成液中で陽極酸化し 得られてなるアルミニウムの酸化物皮膜は 放出水分量が1E18分子/cm 2 以下(1×10 18 個/cm 2 以下)で水分放出量が極めて少ないこと、一 元素の含有量を抑制したアルミニウムを主 分とする金属に於いて、特定の化成液を用 ることにより形成された金属酸化物膜は、 イドやガス溜まりが形成されず、加熱によ 酸化物膜のクラック発生等が抑えられるこ により、硝酸、フッ酸等の薬液及びハロゲ ガス、特に塩素ガスに対して良好な耐食性 有することが確認されているが、上記図1乃 3で説明したアルミニウムの酸化物膜は、こ のような性質を示す無孔性非晶質膜アルミニ ウム酸化物不動態膜である。

 次に本発明の実施の形態について図面を 照して説明する。

 図4は、本発明の実施例1の製造装置に用 られる構造部材の断面図の一部を示す。

 図において、構造部材100は、アルミニウ を主成分とずる金属ベース部材である基板1 01と、基板上に成膜した高純度アルミニウム 102と、該高純度アルミニウム102の少なくと 表面部分を陽極酸化して形成した無孔性非 質膜アルミニウム酸化物不動態膜103を有す 。

 アルミニウムを主成分とする金属ベース 材として、50重量%以上のアルミニウムを含 かつ1から4.5重量%のマグネシュウム、0.15重 %以下のジルコニウムを含むアルミニウム合 金のなかで、特に、2017と称する合金を用い 。このアルミニウム合金は、アルミニウム ほか、0.4~0.8重量%のMg,0.2重量%のZr、0.2~0.8重 %のSi、0.7重量%のFe、3.5~4.5重量%のCu、0.4から1 .0重量%のMn,0.1重量%のCr、0.25重量%Zn、0.15重量% のTi,及びこれら元素及びアルミニウム以外の 元素を除く0.05重量%の他の元素を含む。

 この基板に化学気相成長法(CVD)によって高 度アルミニウム膜を成膜する。原料ガスと てメチルピロリデン・アレン (Methylpyrolidine: Alane: 略号MPA:化学式;AlH 3 :N(CH 3  )(CH 2 ) 4 )を使用してCVDを行う。この原料は、アレン(A lane (AlH3))を有し、Al-C結合を持たない材料な で炭素の混入がない。このほかに、TIBA,DMAH, DMEAAなどを原料ガスとして使用してもよい。 のような材料を用いてCVDを行うことによっ 、たとえベース部材の内面(不動態膜を形成 すべき面で、不動態膜がなければ腐食性のガ スや液体に接する部分)が凹凸を有する複雑 形状であっても均一な厚さで高純度アルミ ウム膜を成膜することができる。ベース部 の内面形状が複雑でない場合は、スパッタ 形成することもできる。

 このようにして99.999%の高純度アルミニウ ムの膜を形成する。高純度アルミニウムの膜 厚は、少なくとも0.2μm以上になるように成膜 する。

 次に、高純度純アルミニウム膜が形成さ た金属ベース基板を化成液中で陽極酸化し 高純度アルミニウム膜の1部(表面部分)、又 、全部をアルミニウムの酸化物膜である不 態膜にする処理を行う。化成液として、例 ば、溶質としてアジピン酸アンモニウム(1 量%)、主溶媒としてエチレングリコール、水 (20重量%)を含むpH7.0の化成液に入れて、23℃で 陽極酸化を行う。このようにして、製造した 高純度アルミニウム膜の酸化物膜は、水を放 出しない不動態膜になる。このようにして、 純アルミニウムの1部又は全部をアルミニウ の酸化物膜にすることによって、機械的強 の強固なアルミニウム合金ベース部材に高 度アルミニウム酸化物膜を形成した構造部 を得ることができる。

 他の実施例では、金属ベース部材としてA 2017アルミニウム合金を用い、高純度アルミ ウムとして5Nアルミニウムの代わりに、99.999 9%アルミニウム(6Nアルミニウム)を500nmの厚さ 成膜した。そして、実施例1と同じ化成液で 高純度アルミニウム膜の陽極酸化を行った。 そのときの経過時間に対する電圧特性及び電 流特性を図5に示す。図には、A2017アルミニウ ム合金基板自体及び5Nアルミニウム基板自体 陽極酸化した場合の電圧特性及び電流特性 もあわせて示した。これら特性から、構造 自体を5Nアルミニウムとした場合よりは、 性は劣るものの、アルミニウム合金に6Nアル ミニウムを成膜した場合の特性は、A2017アル ニウム合金基板自体を陽極酸化して得られ 不動態膜より優れている。

 図6は、A2017アルミニウム合金の金属ベー 部材に、6Nアルミニウムを1000nmの厚さに成 した場合の陽極酸化特性である。図には比 のために、図5に示したデータの1部も合わせ て示した。6Nアルミニウム膜が500nmより1000nm ほうが、電圧の立ち上がり特性、残余電流 度の点で優れている。

 なお、主溶媒はエチレングリコールの他 、ジエチレングリコール、トリエチレング コールなどでもよい。また、pHは6~8の範囲 望ましい。

 さらに、高純度アルミニウム膜は4Nでも い。

 上述のように、本発明によれば、高純度 ルミニウム酸化物不動態膜を有するアルミ 金部材、及びその製造方法を提供できる。 のような金属部材は、薬品やハロゲンガス 特に塩素ガスに対して良好な耐食性を示し 加熱しても金属酸化物膜にクラックが入り くいのでパーティクルの発生やアルミニウ 基体の露出による腐食が抑えられ、熱安定 が高く、膜からのアウトガスの放出も少な 。真空薄膜形成装置等の真空装置の内壁な 構造材の保護膜に用いた場合は、装置の到 真空度を向上させる他、製造される薄膜の 質を向上させるので、薄膜を有するデバイ の動作不良の低減にもつながる。

 また本発明の金属酸化物膜製造方法によ ば、耐電圧が高く加熱時のクラックも生じ くいポアフリーの金属酸化物膜を効率良く 成できる。この金属酸化物膜は金属基材表 の保護皮膜として好適である他、不純物遮 性皮膜、防食皮膜としても利用しうるもの あり、その適用範囲は広い。




 
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