Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
SUBSTRATE PROCESSING METHOD AND SYSTEM, AND DEVICE MANUFACTURING METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/129982
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a substrate processing system wherein exposure is performed by highly maintaining planarity of the surface of a substrate, such as a wafer, and the substrate is smoothly processed. In the wafer processing system, the wafer is exposed in a state where a glass substrate that transmits exposure light is adhered on the surface. The wafer processing system is provided with a wafer storage apparatus (500) for assembling a wafer pack by adhering the glass substrate on the surface of the wafer to be exposed; an exposure apparatus (EX) for exposing the wafer by exposure light through the glass substrate; a wafer taking out apparatus (520) for separating the wafer and the glass substrate one from the other; and a transfer system (600) for transferring the glass substrate.

Inventors:
ARAI DAI (JP)
YAGUCHI SHINYA (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/057337
Publication Date:
October 30, 2008
Filing Date:
April 15, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
NIKON CORP (JP)
ARAI DAI (JP)
YAGUCHI SHINYA (JP)
International Classes:
H01L21/027; G03F7/20
Foreign References:
JP2004342826A2004-12-02
JPH03289118A1991-12-19
JP2005101135A2005-04-14
JPH11316452A1999-11-16
JP2005101133A2005-04-14
JP2000181073A2000-06-30
JP2006093622A2006-04-06
JP2007192918A2007-08-02
Attorney, Agent or Firm:
OMORI, Satoshi (2075-2-501 Noborito,Tama-ku, Kawasaki-shi, Kanagawa 14, JP)
Download PDF:
Claims:
 露光光を透過する平板状部材が表面に密着した状態で露光が行われる基板の処理方法であって、
 前記平板状部材を露光対象の基板の表面に密着させる組立工程と、
 露光光で前記平板状部材を介して前記基板を露光する露光工程と、
 前記基板と前記平板状部材とを分離する分離工程と、
 を備える基板処理方法。
 露光対象の別の基板に対して前記平板状部材を繰り返して使用するために、前記平板状部材を搬送する搬送工程をさらに備える請求項1に記載の基板処理方法。
 前記平板状部材を前記基板の表面に密着させる前に、前記平板状部材と前記基板との温度を合わせる工程をさらに備える請求項1又は2に記載の基板処理方法。
 前記平板状部材を洗浄する工程をさらに備える請求項1から3のいずれか一項に記載の基板処理方法。
 前記平板状部材に付着している異物の有無を検査する工程をさらに備える請求項1から6のいずれか一項に記載の基板処理方法。
 前記平板状部材の平面度に関する情報を検査する工程をさらに備える請求項1から5のいずれか一項に記載の基板処理方法。
 前記基板と前記平板状部材との間には所定の線膨張率差があり、
 前記分離工程は、熱膨張によって前記基板と前記平板状部材とを相対変位させるために、前記基板と前記平板状部材とを同時に加熱する工程を含む請求項1から6のいずれか一項に記載の基板処理方法。
 前記分離工程は、熱膨張によって前記基板と前記平板状部材とを相対変位させるために、前記基板及び前記平板状部材の少なくとも一方を部分的に加熱する工程を含む請求項1から6のいずれか一項に記載の基板処理方法。
 前記分離工程は、前記基板の裏面を真空吸着した状態で、前記基板に撓みを与える工程を含む請求項1から6のいずれか一項に記載の基板処理方法。
 前記分離工程は、前記基板の裏面を吸着した状態で、前記平板状部材と前記基板との境界部に気体、液体、又は気体と液体との混合物を注入する工程を含む請求項1から6のいずれか一項に記載の基板処理方法。
 前記分離工程は、前記平板状部材及び前記基板の少なくとも一方を振動させる工程を含む請求項1から6のいずれか一項に記載の基板処理方法。
 前記分離工程は、前記平板状部材と前記基板とに互いに反発するように静電位を与える工程を含む請求項1から6のいずれか一項に記載の基板処理方法。
 前記組立工程は、
 前記平板状部材を前記基板の表面に密着させる工程と、
 箱状部材を用いて前記基板を前記平板状部材に付勢する工程と、
 前記箱状部材の内部を気密化する工程とを含み、
 前記分離工程は、
 前記箱状部材の内部に気体を導入する工程と、
 前記平板状部材から前記箱状部材を離す工程と、
 前記平板状部材から前記基板を分離する工程とを含む請求項1から12のいずれか一項に記載の基板処理方法。
 前記搬送工程は、
 前記平板状部材を搬送する工程と、
 露光対象のさらに別の基板に対して前記箱状部材を繰り返して使用するために、前記平板状部材とは異なる経路で前記箱状部材を搬送する工程とを含む請求項2に記載の基板処理方法。
 前記箱状部材の底部に所定の極性分布の磁性体を設け、
 前記露光工程は、前記磁性体を介して前記基板を駆動する工程を含む請求項13又は14に記載の基板処理方法。
 露光光を透過する平板状部材が表面に密着した状態で露光が行われる基板の処理システムであって、
 前記平板状部材を露光対象の基板の表面に密着させる組立部と、
 露光光で前記平板状部材を介して前記基板を露光する露光部と、
 前記基板と前記平板状部材とを分離する分離部と、
 を備えた基板処理システム。
 前記平板状部材を搬送する搬送部をさらに備え、露光対象の別の基板に対して前記平板状部材を繰り返して使用する請求項16に記載の基板処理システム。
 前記平板状部材と前記基板との温度を合わせるために、前記基板の温度を制御する第1温度制御部及び前記平板状部材の温度を制御する第2温度制御部の少なくとも一方を含む請求項16又は17に記載の基板処理システム。
 前記平板状部材を洗浄する洗浄部をさらに備える請求項16から18のいずれか一項に記載の基板処理システム。
 前記平板状部材に付着している異物の有無を検査する第1の検査部をさらに備える請求項16から19のいずれか一項に記載の基板処理システム。
 前記平板状部材の平面度に関する情報を検査する第2の検査部をさらに備える請求項16から20のいずれか一項に記載の基板処理システム。
 前記基板と前記平板状部材との間には所定の線膨張率差があり、
 前記分離部は、熱膨張によって前記基板と前記平板状部材とを相対変位させるために、前記基板と前記平板状部材とを同時に加熱する加熱部を含む請求項16から21のいずれか一項に記載の基板処理システム。
 前記分離部は、熱膨張によって前記基板と前記平板状部材とを相対変位させるために、前記基板及び前記平板状部材の少なくとも一方を部分的に加熱する加熱部を含む請求項16から21のいずれか一項に記載の基板処理システム。
 前記分離部は、前記基板の裏面を真空吸着する吸着部と、前記基板に撓みを与える駆動部とを含む請求項16から21のいずれか一項に記載の基板処理システム。
 前記分離部は、前記基板の裏面を吸着する吸着部と、前記平板状部材と前記基板との境界部に気体、液体、又は気体と液体との混合物を注入する注入部とを含む請求項16から21のいずれか一項に記載の基板処理システム。
 前記分離部は、前記平板状部材及び前記基板の少なくとも一方を振動させる振動部を含む請求項16から21のいずれか一項に記載の基板処理システム。
 前記分離部は、前記平板状部材と前記基板とに互いに反発するように静電位を与える静電制御部を含む請求項16から21のいずれか一項に記載の基板処理システム。
 前記組立部は、
 前記平板状部材を前記基板の表面に密着させる基板保持部と、
 箱状部材を用いて前記基板を前記平板状部材に付勢する箱状部材保持部と、
 前記箱状部材、前記平板状部材、及び前記基板が収納された空間を負圧に設定する気密室とを含み、
 前記分離部は、
 前記平板状部材を吸着保持する第1保持部と、
 前記箱状部材の内部に気体を導入する気体供給部と、
 前記平板状部材から前記箱状部材を離すために、前記箱状部材を保持する第2保持部と、
 前記平板状部材から前記基板を分離するために、前記基板を吸着保持する第3保持部とを含む請求項16から27のいずれか一項に記載の基板処理システム。
 前記搬送部は、
 前記平板状部材を搬送する第1搬送部と、
 露光対象のさらに別の基板に対して前記箱状部材を繰り返して使用するために、前記平板状部材とは異なる経路で前記箱状部材を搬送する第2搬送部とを含む請求項17に記載の基板処理システム。
 前記箱状部材の底部に所定の極性分布の磁性体を設け、
 前記露光部は、前記磁性体を介して前記基板を駆動する駆動機構を含む請求項28又は29に記載の基板処理システム。
 リソグラフィ工程を含むデバイス製造方法において、
 前記リソグラフィ工程で請求項1から15のいずれか一項に記載の基板処理方法を用いるデバイス製造方法。
 リソグラフィ工程を含むデバイス製造方法において、
 前記リソグラフィ工程で請求項16から30のいずれか一項に記載の基板処理システムを用いるデバイス製造方法。
Description:
基板処理方法及びシステム、並 にデバイス製造方法

 本発明は、露光対象の基板を処理するた の基板処理技術に関し、例えば半導体集積 路、液晶表示素子、又は薄膜磁気ヘッド等 各種デバイスを製造するためのリソグラフ 工程でマスク等のパターンを基板上に転写 る際に適用可能なものである。

 例えば半導体集積回路を製造するための ソグラフィ工程中で、レチクル(又はフォト マスク等)に形成されたパターンを投影光学 を介して基板としてのフォトレジストが塗 されたウエハ(又はガラスプレート等)の各シ ョット領域に転写するために、ステッパ等の 一括露光型の投影露光装置及びスキャニング ・ステッパ等の走査露光型の投影露光装置等 の露光装置が使用されている。これらのうち 、ウエハを露光対象とする露光装置において は、ウエハの投影光学系の光軸に垂直な平面 内の直交する2方向(X方向、Y方向)の位置、並 にその光軸方向の位置(フォーカス位置)及 その直交する2方向の周りの傾斜角(レベリン グ)等を制御するためのウエハステージが備 られている。

 従来のウエハステージは、例えば平面、又 多数のピンもしくは多数の溝が形成された 面を持つウエハホルダを備え、このウエハ ルダ上にウエハの裏面を真空吸着又は静電 着によって保持していた(例えば、特許文献 1参照)。

特開平10-321691号公報

 ウエハは一般に露光面である表面は研磨加 が施されて平面度は良好であるが、その裏 の平面度は表面に比べて劣っている。その め、従来のウエハステージのようにウエハ 裏面でウエハを吸着保持する機構では、露 時にウエハの表面の平面度が低下する恐れ ある。
 本発明はこのような問題点に鑑み、露光対 の基板の露光中における平面度を高く維持 きるとともに、露光装置と他のコータ・デ ロッパ等との間の基板の受け渡しを円滑に うことができる基板処理技術及びデバイス 造技術を提供することを目的とする。

 本発明による基板処理方法は、露光光を 過する平板状部材が表面に密着した状態で 光が行われる基板の処理方法であって、前 平板状部材を露光対象の基板の表面に密着 せる組立工程と、露光光で前記平板状部材 介して前記基板を露光する露光工程と、前 基板と前記平板状部材とを分離する分離工 とを備えるものである。

 本発明による基板処理システムは、露光光 透過する平板状部材が表面に密着した状態 露光が行われる基板の処理システムであっ 、前記平板状部材を露光対象の基板の表面 密着させる組立部と、露光光で前記平板状 材を介して前記基板を露光する露光部と、 記基板と前記平板状部材とを分離する分離 とを備えたものである。
 また、本発明によるデバイス製造方法は、 ソグラフィ工程を含むデバイス製造方法に いて、そのリソグラフィ工程で本発明の基 処理方法又は基板処理システムを用いるも である。

 本発明によれば、基板はその表面が平板状 材に密着した状態で露光が行われる。すな ち、基板は平面度の良好な表面基準で保持 れるため、露光中における平面度を高く維 できる。
 さらに、露光直前にその基板とその平板状 材とを組立、露光直後にその基板とその平 状部材とを分離できるため、露光中でない 間ではその基板と平板状部材とは分離され いる。従って、露光装置と他のコータ・デ ロッパ等との間の基板の受け渡しを円滑に うことができる。

第1の実施形態で使用される露光装置を 示す斜視図である。 図1の露光装置のウエハ駆動機構を示す 一部を切り欠いた図である。 図2のウエハパック28を示す分解斜視図 ある。 図2のウエハパック28の組立工程の一例 示す図である。 図5(A)は図2のウエハベース41上の磁性板 62の磁化パターンの一例を示す平面図、図5(B) は磁性板62の磁化パターンの他の例の一部を す図である。 図6(A)はウエハをY方向に走査する場合 ウエハパック28及びXYコイルキャリア40の動 の一例を示す平面図、図6(B)はウエハをX方向 にステップ移動する場合のウエハパック28及 XYコイルキャリア40の動きの一例を示す平面 図である。 第1の実施形態のウエハ処理システムWT 示すブロック図である。 第1の実施形態のウエハの処理方法の前 半部を示すフローチャートである。 図8に続くウエハの処理方法を示すフロ ーチャートである。 第1の実施形態のウエハパックの処理 法を示すフローチャートである。 ガラス板29とウエハWとの3つの分離方 の説明図である。 ガラス板29とウエハWとの別の3つの分 方法の説明図である。 第2の実施形態の露光装置の要部を示 一部を切り欠いた図である。

符号の説明

 R…レチクル、PL…投影光学系、W…ウエハ 、21W…投影領域、28…ウエハパック、29…ガ ス板、30…フレーム、33…ダイヤフラム、34 磁性板、35…緩衝部材、36A~36C…Zアクチュエ タ、37…静電軸受部材、64…第1平面モータ 72…第2平面モータ

 [第1の実施形態]
 以下、本発明の好ましい第1の実施形態につ き図1~図12を参照して説明する。本例は、ス ャニング・ステッパよりなる走査露光型の 光装置(投影露光装置)を含むウエハ処理シス テム(図7参照)に本発明を適用したものである 。先ず、その露光装置について説明する。

 図1は、本例の露光装置EXの概略構成を示す 図1において、露光装置EXは、露光光IL(露光 ーム)を用いて転写用のパターンが形成され たレチクルR(マスク)を照明する照明系20と、 チクルRを駆動するレチクルステージRSTと、 レチクルRのパターンの像をウエハW(基板)上 投影する投影光学系PLと、ウエハWを駆動す ウエハ駆動機構と、装置全体の動作を統括 に制御するコンピュータよりなる主制御系51 と、その他の種々の制御又は演算等を行う処 理系等とを備えている。露光光ILとして、本 ではArFエキシマレーザ光(波長193nm)が使用さ れている。なお、露光光としては、KrFエキシ マレーザ光(波長248nm)、F レーザ光(波長157nm)などの紫外パルスレーザ 、YAGレーザの高調波、固体レーザ(半導体レ ザなど)の高調波、又は水銀ランプの輝線(i 等)なども使用できる。

 照明系20は、例えば特開2001-313250号公報( 応する米国特許出願公開第2003/0025890号明細 )などに開示されるように、露光光源と、照 光学系とを含んでいる。照明光学系は、オ ティカル・インテグレータ(フライアイレン ズ、ロッドインテグレータ(内面反射型イン グレータ)、回折光学素子など)等を含む照度 均一化光学系、及びレチクルブラインド等( ずれも不図示)を有する。照明系20は、レチ ルブラインド(マスキングシステム)で規定さ れたレチクルR上のスリット状の照明領域21R 露光光ILによりほぼ均一な照度分布で照明す る。

 露光光ILのもとで、レチクルRの照明領域2 1R内のパターンは、両側テレセントリックの 影光学系PLを介して投影倍率β(βは例えば1/4 ,1/5等)で、ウエハW上の一つのショット領域上 の非走査方向に細長い投影領域21W(図6(A)参照) に投影される。露光対象の基板としてのウエ ハWは、本例ではシリコン又はSOI(silicon on ins ulator)等の半導体からなる円板状の基材の表 にフォトレジスト(感光材料)を塗布したもの である。また、そのウエハWを構成する円板 の基材の表面(露光面となる面)は研磨加工さ れて、極めて平面度の高い面とされている。 この結果、ウエハWのフォトレジストが塗布 れている表面も、極めて平面度の高い面で る。一方、ウエハWを構成する円板状の基材 裏面、即ちウエハWの裏面の平面度は表面に 比べて劣っている。

 本例の投影光学系PLは例えば屈折系であ が、反射屈折系等も使用できる。以下、図1 おいて、投影光学系PLの光軸に平行にZ軸を り、Z軸に垂直な平面内で走査露光時のレチ クルR及びウエハWの走査方向に直交する非走 方向に沿ってX軸を取り、その走査方向に沿 ってY軸を取って説明する。また、以下ではX 、Y軸、Z軸に平行な方向をそれぞれX方向、Y 方向、Z方向と呼び、X軸、Y軸、Z軸に平行な の周りの回転角(傾斜角)をそれぞれθX,θY,θZ 呼ぶ。なお、本例では、X軸及びY軸に平行 面(XY平面)がほぼ水平面であり、-Z方向が鉛 下方である。

 先ず、レチクルRはレチクルステージRST上 に吸着保持され、レチクルステージRSTはレチ クルベース24上でY方向に一定速度で移動する と共に、例えば同期誤差(又はレチクルRのパ ーン像とウエハW上の露光中のショット領域 との位置ずれ量)を補正するようにX方向、Y方 向、及びZ軸周りの回転方向に微動して、レ クルRの走査を行う。レチクルステージRSTのX 方向及びY方向の側面の反射面(又は移動鏡、 ーナリフレクタ等)に対向するようにレーザ 干渉計25X及び25Yが配置されている。レーザ干 渉計25X及び25Yは、対応する反射面にレーザビ ーム(少なくとも一方は複数軸のレーザビー )を照射することによって、例えば投影光学 PLを基準として少なくともレチクルステー RSTのX方向、Y方向の位置を分解能0.1nm程度で 測するとともに、回転角θZを計測し、計測 をステージ制御系53及び主制御系51に供給す る。ステージ制御系53は、その計測値及び主 御系51からの制御情報に基づいて、不図示 駆動機構(リニアモータなど)を介してレチク ルステージRSTの位置及び速度を制御する。

 また、レチクルRのパターン領域22をX方向 に挟むように、アライメントマーク23A及び23B が形成されている。レチクルRの上方には、 路折り曲げ用のミラーを介してアライメン マーク23A,23Bの位置を検出するためのレチク アライメント顕微鏡26A,26Bが配置されている 。レチクルアライメント顕微鏡26A,26Bの検出 号はアライメント信号処理系54に供給され、 アライメント信号処理系54では画像処理方式 で検出したマーク位置の情報を主制御系51 供給する。

 また、投影光学系PLの鏡筒の下部周縁部 、ほぼ等角度間隔で3箇所にそれぞれZ方向に 伸縮するZアクチュエータ36A,36B,36Cを介して環 状の静電軸受部材37が設置され、静電軸受部 37にコンプレッサ38から可撓性を持つ配管39 介して露光光ILが通過する雰囲気中の気体( えばドライエア、窒素、又はヘリウム等)と 同じ種類の清浄で圧縮された気体が供給され ている。そして、静電軸受部材37の底面側に 定間隔を隔てて、浅い箱状の容器であるウ ハパック28内に収納されたウエハWが配置さ ている。ウエハパック28の上部は均一な厚 で矩形の平行平面板状のガラス板29で密閉さ れ、ウエハWの表面(フォトレジストが塗布さ た露光面)の全面がガラス板29の投影光学系P Lに対して反対側の面に密着するように、ウ ハWはガラス板29側に付勢及び/又は吸着され いる。

 ガラス板29は、露光光ILを透過する石英又は 蛍石(CaF 2  )等の硝材から形成され、ガラス板29のウエ Wの表面が密着している面及びこれと反対側 の面の平面度は、ウエハWの表面の平面度と 等か、又はそれ以上に極めて高く加工され ウエハWは露光光ILによってガラス板29を介し て露光される。なお、投影光学系PLの先端部 光学部材とウエハWの表面との間の物体の屈 折率が高い程、投影光学系PLの像の解像度を くできるとともに、焦点深度を深くできる め、ガラス板29は露光光ILを透過するととも に、できるだけ露光光ILに対する屈折率の高 硝材から形成することが好ましい。

 なお、ガラス板29の厚さは、ガラス板29が存 在しないときの投影光学系PLとウエハWとの作 動距離WD(投影光学系PLの先端部よりもウエハW に近い部材があるときには、この部材とウエ ハWとの距離)に、ほぼガラス板29の屈折率npを 乗じて得られる光路長よりも所定のマージン 分だけ薄いという条件下で、できるだけ厚い ことが好ましい。その所定のマージンとは、 後述のようにガラス板29及びウエハWを一体的 にX方向、Y方向に駆動する際の、Z方向の位置 の最大変動量である。一例として、ウエハW 厚さが0.75mm程度で、直径が200~300mm程度の円 状であり、ガラス板29はそのウエハWの全面 覆うことができる矩形(正方形でもよい)で厚 さが1mm程度の平板である。
 なお、このようなガラス板29と略同様の機 を有しているのであれば、ガラス板29に代え て他の材料からなる部材を用いることも可能 である。

 図2は、図1の露光装置EXのウエハ駆動機構 を示す一部を切り欠いた図である。図2にお て、Zアクチュエータ36Aは、静電軸受部材37 固定されたL字型の第1部材36A1と、この先端 を+Z方向に支持するように配置されて、Z方 に伸縮可能な電歪素子(ピエゾ素子等)又は磁 歪素子等の駆動素子36A2と、この駆動素子36A2 底面と投影光学系PLの鏡筒とを連結するL字 の第2部材36A3とから構成されている。他のZ クチュエータ36B及び36Cも、それぞれ同様に 動素子36B2及び36C2を備え、ステージ制御系53 が駆動素子36A2~36C2の伸縮量を制御して、静電 軸受部材37の3箇所のZ方向の位置を制御する とによって、投影光学系PLに対する静電軸受 部材37のZ方向の位置、及び傾斜角θX,θYを微 整できる。

 なお、図1の露光装置EXにおいて、レチク ベース24及び投影光学系PLは、一例として振 動的に分離された不図示の異なるコラムに支 持されている。そして、図2において、Zアク ュエータ36A~36C中の投影光学系PLの鏡筒に固 されている第2部材(36A3等)を、投影光学系PL 支持しているコラムとは振動的に分離され 別のコラムに固定してもよい。

 また、静電軸受部材37の底面側に環状の 極部材75が合成樹脂等の絶縁部材に埋め込ま れて設置されている。電極部材75は、実際に 、投影光学系PLの光軸AXの周りに等角度間隔 で3分割され、分割された3個の電極部材75A,75B ,75Cの電荷(又は相対的な電位)をステージ制御 系53が独立に制御できるように構成されてい 。さらに、電極部材75を通して静電軸受部 37の底面(ウエハパック28のガラス板29に対向 る面)にかけて、多数の吹き出し孔37aが形成 され、これらの吹き出し孔37aは、静電軸受部 材37の内部の通気孔37bに連通し、通気孔37bに 管39を介してコンプレッサ38が連結されてい る。この場合、ステージ制御系53が静電軸受 材37の電極部材75に電荷(例えば正電荷)を与 ることによって、ガラス板29の上面に符号 逆の分極電荷(例えば負電荷)が生じて、ガラ ス板29は静電場によって静電軸受部材37側(+Z 向)に吸引される。また、ステージ制御系53 コンプレッサ38から静電軸受部材37の多数の き出し孔37aを介してガラス板29側に(-Z方向 )吹き出される気体の流量を制御することで ガラス板29が静電軸受部材37に当接すること が防止される。従って、ガラス板29を含むウ ハパック28は、静電軸受部材37に対してエア 予圧式の静電軸受方式によってZ方向に所定 隔を隔てて非接触状態で浮上するように保 される。

 さらに、電極部材75は、実際には3つの電 部材75A~75Cに分割されているため、ステージ 制御系53はそれらの3つの電極部材75A~75Cによ ガラス板29に対する静電気による吸引力を個 別に制御することによって、投影光学系PLに するウエハパック28のZ方向の位置(フォーカ ス位置)、及び傾斜角θX,θY(レベリング)より る相対位置関係を調整する。個々の電極部 75A~75Cによるウエハパック28のZ方向の駆動量 、例えば数nm~数10nm程度である。このために 、静電軸受部材37の内側のウエハW上の投影領 域21W及び/又はこの近傍の領域の複数の計測 に所定パターンの像を投影する投光部61Aと ウエハWで反射した検出光を受光する受光部6 1Bとを含み、その複数の計測点のZ方向の位置 を検出するオートフォーカスセンサ(以下、AF センサという。)61が設けられている。

 なお、投光部61A及び受光部61Bは、それぞ 例えば検出光を折り曲げるミラー等の一部 光学系が静電軸受部材37の内側に配置され いるのみで、その他の構成部材は、投影光 系PLの側面に配置されている。このAFセンサ6 1の計測値を処理することによって、ウエハW 表面の投影領域21Wの平均的な面のフォーカ 位置及び傾斜角を求めることができ、これ の計測結果はステージ制御系53に供給され 。なお、AFセンサ61としては、例えば特開平8 -37149号公報に開示されているものを用いるこ とができる。また、AFセンサ61は、ウエハWの 面の計測点の代わりに、ガラス板29の上面 計測点のZ方向の位置を計測し、この計測結 から既知のガラス板29の厚さを差し引くこ で、間接的にウエハWの表面でのZ方向の位置 を求めるようにしてもよい。

 この場合、一例として、予めテストプリ ト等によって、AFセンサ61によって計測され る被検面のフォーカス位置及び傾斜角がそれ ぞれ0のときに、その被検面が投影光学系PLの 像面に合致するようにAFセンサ61の初期のオ セット調整が行われている。そこで、ウエ Wに対する露光時にステージ制御系53では、AF センサ61によって計測されるウエハWの投影領 域21Wのフォーカス位置及び傾斜角がそれぞれ 0になるように、静電軸受部材37内の3個の電 部材75A~75Cによるガラス板29に対する吸引力 制御する。これによって、ウエハWの表面が に投影光学系PLの像面に合焦した状態で露 が行われる。

 さらに、例えばAFセンサ61の計測値に新た なオフセットが生じた場合には、そのオフセ ットを補正するように図1のZアクチュエータ3 6A~36Cを駆動して、静電軸受部材37のフォーカ 位置及び傾斜角を微調整してもよい。これ よって、静電軸受部材37内の3個の電極部材7 5A~75Cに対する制御が容易になる。なお、静電 軸受部材37の吹き出し孔37aを等角度間隔で3組 の吹き出し孔群に分割し、これらの3組の吹 出し孔群からウエハパック28に吹き出される 気体の流量を独立に制御することによって、 ウエハパック28のフォーカス位置及びレベリ グ角を制御してもよい。

 また、図2に示すように、ウエハパック28 、矩形の枠状の線膨張率が極めて小さい金 又はセラミックス等からなるフレーム30と この上面に載置されるとともに、底面29aに エハWの表面が密着しているガラス板29と、 レーム30の底面に溶接等によって固定されて 、或る程度の可撓性を持つ非磁性体の金属製 の薄い平板状のダイヤフラム33と、このダイ フラム33の上面(ウエハWに対向する面)に固 されて、所定の磁化パターンが周期的に形 された矩形の平板状の磁性板34と、ウエハW 裏面と磁性板34の上面との間に介装された矩 形(又はウエハWと同様の円形等でもよい)の平 板状で少なくともZ方向に可撓性を持つ緩衝 材35とを備えている。緩衝部材35は、例えば 成ゴム又は合成樹脂(例えばフッ素系樹脂等 )等から形成されて、磁性板34上に接着等によ って固定されている。そして、ダイヤフラム 33及び磁性板34側から緩衝部材35を介して、ウ エハWがガラス板29側に付勢されている。

 さらに、図3は、図2のウエハパック28を示 す分解斜視図である。図3に示すように、フ ーム30の上面の周縁部にほぼ矩形の閉じた溝 30aが形成され、この溝30a内に合成ゴム又は合 成樹脂等の可撓性を持つオーリング32が装着 れている。フレーム30の上面にガラス板29を 載置すると、ガラス板29とフレーム30及びダ ヤフラム33とで囲まれた空間(ウエハWが収納 れた空間)が、オーリング32によって気密化 れる。また、フレーム30の上面のオーリン 32の内側からフレーム30の内面にかけて多数 吸着孔30cが形成されている。図2に示すよう に、フレーム30の-Y方向の側面には排気孔30d 形成され、排気孔30dに開閉用のバルブ31aを えた排気管31が連結されている。この場合、 予めバルブ31aを開いた状態で、排気管31を介 てウエハパック28の内部が排気されて負圧 され、ウエハWの表面は実質的に真空吸着に ってもガラス板29の裏面29aに密着して保持 れる。この際に、フレーム30の多数の吸着孔 30cを介してガラス板29はフレーム30に真空吸 されており、この状態でバルブ31aが閉じら ている。なお、本例では、ウエハWは緩衝部 35によってもガラス板29側に付勢されている ため、ウエハパック28内の真空度は、ガラス 29をフレーム30に安定に吸着できる程度であ ればよい。

 また、図3において、フレーム30の+X方向 び+Y方向の外側面は、互いに直交するととも に、レーザビームを反射できる高平面度の反 射面に仕上げられている。なお、フレーム30 +X方向及び+Y方向の外側面に、レーザビーム を反射するための薄い移動鏡を固定してもよ い。さらに、フレーム30の±X方向の外側面に 、複数箇所に小さい平板状の凸部30bが形成 れ、ウエハパック搬送用のアーム43によっ それらの凸部30bを介してフレーム30(ウエハ ック28)を容易に搬送できるように構成され いる。後述のようにウエハWをウエハパック2 8内に収納する工程では、一例としてフレー 30を反転する(ガラス板29が載置される面を鉛 直下方にする)場合があるため、そのウエハ ック搬送用のアーム43は、実際には凸部30bを 上下に挟み込むように安定に保持する。その アーム43によって、一例として、ウエハパッ 28は図1の露光装置EXの投影光学系PLの下方ま で搬送される。

 さらに、図3において、ウエハパック28の 性板34には、一例としてX軸及びY軸に45°で 差するように放射状に磁化した4つのマグネ ト部MB1,MB2,MB3,MB4よりなる磁化ユニットMUBをX 方向及びY方向にそれぞれ周期BX及びBYで2次元 的に配置した磁化パターンが形成されている 。実際には、その磁化パターンは、磁性板34 底面(ダイヤフラム33に接する面)側に所定の 厚さで形成されている。なお、磁化ユニット MUBは、実際には垂直磁化(±Z方向に交互に磁 されていること)が好ましい。また、磁性板3 4を、マグネット部MB1~MB4を単位とする独立の 数の永久磁石の集合体として構成してもよ 。

 磁性板34の材料は、例えばコバルト系、 ッケル系、又はネオジウム鉄ボロン系等の 磁性体である。さらに、磁性板34は、本例の 露光装置EXが設置される室温(例えば23°C)下で 線膨張率が極めて小さい磁性材料、好ましく は線膨張率がほぼ0の磁性材料から形成され 。線膨張率がほぼ0の材料としては、例えば ーパーインバーマグネットが挙げられる。 れによって、後述のように磁力によって磁 板34(ウエハパック28)を駆動する際に、磁性 34の温度が或る程度上昇しても、ウエハパ ク28及びその内部のウエハWに歪が生じるこ がない。

 ここで、例えば露光装置EXに近接して配置 れる作業領域で、未露光のウエハWをウエハ ック28内に収納する工程の一例につき、図4 参照して説明する。
 先ず、図4(A)に示すように、ガラス板29は反 されてその底面29a(ウエハWが当接する面)が 直上方(+Z方向)を向くように、支持部材44上 真空吸着又は静電吸着によって保持されて る。次に、ウエハ搬送アーム45の先端部に エハWの裏面が真空吸着等によって保持され 状態で、ウエハWの表面Waがガラス板29の底 29aに対向した後、ウエハ搬送アーム45を降下 させる。そして、図4(B)に示すように、ウエ Wの表面がガラス板29の底面29aに当接した後 ウエハ搬送アーム45の真空吸着を解除して、 ウエハ搬送アーム45を待避させる。

 その後、図4(C)に示すように、ダイヤフラ ム33、磁性板34、緩衝部材35、及びオーリング 32が装着されたフレーム30を、ウエハパック 送用のアーム(不図示)によって反転させた状 態でウエハWの裏面上に搬送した後、そのア ムを降下させて、図4(D)に示すように、フレ ム30をガラス板29の底面に載置する。この状 態で、主にフレーム30及び磁性板34の荷重に って、緩衝部材35を介してウエハWはガラス 29側に付勢されており、ウエハWの表面はほ ガラス板29の底面に密着している。そして、 フレーム30の排気管31のバルブ31aを開いて、 気管31に可撓性を持つ配管46aを介して真空ポ ンプ46を連結し、真空ポンプ46によって排気 30dを通してフレーム30、ダイヤフラム33、及 ガラス板29で囲まれた空間内の気体を排気 る。この結果、吸着孔30cを介してガラス板29 がフレーム30に吸着されるとともに、ウエハW の表面のガラス板29の底面に対する密着度が められる。この状態で、バルブ31aを閉じて 配管46aを排気管31から取り外すことによっ 、ウエハパック28内へのウエハWの収納が完 する。その後、ウエハパック搬送用のアー によってウエハパック28は反転されて、図1 露光装置EX側に搬送される。

 なお、ガラス板29とウエハWの表面との間 気泡等が残されるのを防止するために、ガ ス板29にウエハWの表面を密着させる工程は 例えば高真空に設定されたチャンバ内で行 てもよい。さらに、図4(A)~図4(D)までの作業 所定の負圧に設定されたチャンバ内で行う うにしてもよい。この場合には、排気管31 バルブ31aを閉じたままにしておくことで、 レーム30、ダイヤフラム33、及びガラス板29 囲まれた空間は、作業完了時には自動的に の負圧に設定される。

 次に、露光装置EXによって露光が行われ ウエハWをウエハパック28から取り出す場合 は、図4(D)の状態で(ただし、排気管31に真空 ンプ46を連結する必要はない)、バルブ31aを いてウエハパック28の内部を大気に開放し 後、図4(C)に示すように、フレーム30を上昇 せる。次に、図4(B)に示すように、ガラス板2 9を支持部材44側に吸着保持した状態で、ウエ ハ搬送アーム45によってウエハWの裏面を吸着 して、ウエハ搬送アーム45を上昇させること 、露光済みのウエハWを取り出すことができ る。取り出されたウエハWは、例えばコータ デベロッパに搬送されてフォトレジストの 像が行われる。

 なお、ガラス板29とウエハW(フォトレジスト 層)とが密着していて、簡単には離れないよ な場合に、ガラス板29とウエハWとを分離す 手法については後述する。
 なお、図3のウエハパック28では、フレーム3 0にダイヤフラム33が固定されており、ガラス 板29はフレーム30に着脱自在であるが、逆に フレーム30にガラス板29を固定して、ダイヤ ラム33をフレーム30に着脱自在としてもよい 。

 図1に戻り、ウエハパック28の下方に矩形 平板状で駆動用の種々のコイル等が設けら たXYコイルキャリア40が配置され、XYコイル ャリア40は、気体軸受方式によって非接触 態で、平板状のウエハベース41上にX方向、Y 向、及びZ軸の周りの回転方向に移動可能に 載置されている。XYコイルキャリア40の底面 には、ウエハベース41に対してXYコイルキャ ア40をX方向、Y方向に駆動するとともに回転 角θZを制御する第1平面モータ64用の駆動コイ ルが設置され、XYコイルキャリア40の上面側 は、XYコイルキャリア40に対してウエハパッ 28(図3の磁性板34)をX方向、Y方向に駆動する ともに回転角θZを制御する第2平面モータ72 の駆動コイルが設置されている。

 また、ウエハパック28(フレーム30)の+X方 及び+Y方向の側面の反射面(又は移動鏡)に対 するようにレーザ干渉計42X及び42Yが配置さ ている。レーザ干渉計42A及び42Yは、対応す 反射面にレーザビーム(少なくとも一方は複 数軸のレーザビーム)を照射することによっ 、例えば投影光学系PLを基準として、少なく ともウエハパック28のX方向、Y方向の位置を 解能0.1nm程度で計測するとともに、回転角θZ を計測し、計測値をステージ制御系53及び主 御系51に供給する。さらに、本例では、後 のように、XYコイルキャリア40に対するウエ パック28のX方向、Y方向の相対位置を分解能 10μm程度で計測するとともに、回転角θZを計 するためのリニアエンコーダと、ウエハベ ス41に対するXYコイルキャリア40のX方向、Y 向の相対位置を分解能10μm程度で計測すると ともに、回転角θZを計測するためのリニアエ ンコーダとが備えられている。これらのリニ アエンコーダの計測値もステージ制御系53に 給されている。ステージ制御系53は、レー 干渉計42X,42Y及びそれらのリニアエンコーダ 計測値、並びに主制御系51からの制御情報 基づいて、上記の平面モータ64及び72を介し ウエハパック28及びXYコイルキャリア40の位 及び速度を制御する。

 また、投影光学系PLの+Y方向の側面には、 ウエハW上のアライメントマーク(ウエハマー )の位置を検出するためのオフ・アクシス方 式で撮像方式のアライメントセンサALGが配置 されており、アライメントセンサALGの検出信 号はアライメント信号処理系54に供給されて る。アライメント信号処理系54は、その検 信号に基づいて例えばエンハンスド・グロ バル・アライメント方式(EGA方式)でウエハW の全部のショット領域の配列情報を求めて 制御系51に供給する。この場合、予めレチク ルRのパターンの投影光学系PLを介した像の基 準位置(アライメントマーク23A,23Bの像の中心 )と、アライメントセンサALGの検出位置との 位置関係(ベースライン量等)の情報が計測さ て、記憶されている。そのために、図3に示 すように、ウエハパック28のガラス板29の底 のウエハWの近傍には、基準マークFM1等が形 されている。

 また、本例の露光装置EXは、投影光学系PL の先端の光学部材とウエハW上のガラス板29と の間の局所的な領域(液浸領域)に純水等の液 を供給し、露光光ILで投影光学系PL、液体、 及びガラス板29を介してウエハWを露光する液 浸方式であることが好ましい。この場合、そ の液浸領域の広がりを抑制するために、ガラ ス板29の上面にその液体に対して撥液性のコ ティングを施すことが好ましい。このよう 液浸方式とすることによって、その液体及 ガラス板29の屈折率に応じて投影光学系PLの 解像度及び焦点深度を向上できる。従って、 その液体としては、露光光ILを透過するとと に、できるだけ屈折率の大きい液体(例えば デカリン(decalin)等)が好ましい。液浸法で露 するためには、例えば国際公開第99/49504号パ ンフレット又は国際公開第2005/122221号パンフ ット等に開示されているように、かつ図2に 示すように、その液浸領域に配管48a及びノズ ルを介して液体LQを供給する液体供給装置48 、その液浸領域の液体LQをノズル及び配管49a を介して回収する液体回収装置49とを設けれ よい。

 図1の露光装置EXを用いた露光時には、不 示のウエハローダ系によって、未露光のウ ハWを収納したウエハパック28がXYコイルキ リア40上に載置された後、レチクルR及びウ ハWのアライメントが行われる。その後、静 軸受部材37を介してウエハパック28を非接触 に浮上させて保持した状態で、照明光学系20 ら露光光ILをレチクルR上の照明領域21Rに照 する。そして、照明領域21R内のパターンを 影光学系PLを介してウエハW上の一つのショ ト領域上の投影領域に投影した状態で、レ クルステージRST及びXYコイルキャリア40の平 面モータを駆動して、レチクルRとウエハW(ウ エハパック28)とをY方向に同期移動する動作 、露光光ILの照射を停止して、XYコイルキャ ア40の平面モータを駆動してウエハW(ウエハ パック28)をX方向及び/又はY方向にステップ移 動する動作とが繰り返される。この動作の繰 り返しによって、ステップ・アンド・スキャ ン方式でウエハW上の各ショット領域にレチ ルRのパターン像が露光される。その後、不 示のウエハローダ系によって、露光済みの エハWを収納したウエハパック28は、コータ デベロッパ(不図示)側に搬送される。

 次に、本例の図1の露光装置EXのXYコイルキ リア40及びウエハパック28を駆動するための 面モータ64及び72の構成等、並びにウエハパ ック28及びウエハベース41とXYコイルキャリア 40との2次元的な相対位置を計測するためのリ ニアエンコーダの構成等につき説明する。
 図2に示すように、露光装置EXのウエハベー 41は床FL上に設置され、ウエハベース41の上 には、所定の磁化パターンが周期的に形成 れた磁性板62が固定されている。磁性板62の 上面は高い平面度に仕上げられており、磁性 板62上に、気体を吹き出す複数(例えば4隅)の アガイド68を介して非接触状態で、XYコイル キャリア40が載置されている。XYコイルキャ ア40の底面に第1平面モータ64を構成するX軸 駆動コイル63X及びY軸の駆動コイル63Yが固定 れている。

 図5(A)は、図1のウエハベース41を示す平面 図である。図5(A)において、磁性板62の表面に は所定の厚さで、X軸及びY軸に45°で交差する ように放射状に磁化した4つのマグネット部MA 1,MA2,MA3,MA4よりなる磁化ユニットMUAをX方向及 Y方向にそれぞれ周期AX及びAYで2次元的に配 した磁化パターンが形成されている。この うに、表面に磁化パターンが形成された磁 板62を用いることによって、その上の2点鎖 で示すXYコイルキャリア40を第1平面モータ64 で駆動する際に、より重心に近い位置での駆 動が可能になり、XYコイルキャリア40をより 定に駆動できる。

 なお、磁化ユニットMUAを用いる代わりに 図5(B)に示すように、+Z方向に磁化したマグ ット部MC1,MC3と、-Z方向に磁化したマグネッ 部MC2,MC4とからなる垂直磁化した磁化ユニッ トMUCをX軸及びY軸に45°で交差する方向に所定 ピッチで配列した磁化パターンを用いること が好ましい。また、磁性板62を、マグネット MA1~MA4を単位とする個別の多数の永久磁石の 集合体として構成してもよい。磁性板62は、 エハパック28内の磁性板34と同様に、本例の 露光装置EXが設置される室温下で線膨張率が めて小さい磁性材料、好ましくはスーパー ンバーマグネット等のように線膨張率がほ 0の磁性材料から形成される。これによって 、磁性板62に対して磁力によってXYコイルキ リア40を駆動する際に、磁性板62の温度が或 程度上昇しても、ウエハベース41に歪が生 ることがなく、XYコイルキャリア40を高精度 駆動できる。

 また、図5(A)において、XYコイルキャリア4 0の底面には、磁性板62の磁化パターンの周期 に応じて、XYコイルキャリア40をX方向(非走査 方向)に駆動するための例えば3相のX軸の駆動 コイル63Xと、XYコイルキャリア40をY方向(走査 方向SD)に駆動するための例えば3相のY軸の駆 コイル63Yとが、それぞれ複数組設置されて る。この場合、駆動コイル63X及び63Yと、磁 板62の磁化パターン(より正確にはX方向及び Y方向に周期AX及びAYで変化する磁場分布)とか ら、それぞれX軸のリニアモータ64X及びY軸の ニアモータ64Yが構成され、2軸のリニアモー タ64X及び64Yから第1平面モータ64が構成されて いる(図2参照)。ステージ制御系53の制御のも で、リニアモータ64X及び64Yはそれぞれウエ ベース41に対してXYコイルキャリア40をX方向 及びY方向に非接触状態で駆動する。また、 5(A)から分かるように、リニアモータ64X及び6 4Yはそれぞれ複数軸であるため、一方のリニ モータ64X(又は64Y)を2軸で異なる駆動量だけ 動することによって、XYコイルキャリア40の 回転角θZを制御することも可能である。なお 、平面モータ64を使用する代わりに、駆動方 が直交する2つの1次元のリニアモータ等を み合わせた駆動機構を用いてもよい。

 また、XYコイルキャリア40の底面に、ウエ ハベース41上の磁性板62の磁化パターンの磁 (X方向、Y方向に周期AX,AYで変化する磁場)を 出するホール素子等を含む検出器67A及び67B 固定されている。検出器67A及び67Bはそれぞ ウエハベース41(磁性板62)に対するXYコイルキ ャリア40のX方向、Y方向の相対位置を分解能10 μm程度で検出する。これらの検出結果からXY イルキャリア40の回転角θZも求められる。 出器67A及び67Bの検出結果は、X軸及びY軸の駆 動コイル63X及び63Yの相切り換え(コミュテー ョン)にも使用される。

 なお、検出器67A及び67Bはインクリメンタ 方式であるため、原点を設定するために、 性板62の+Y方向の端部に、X方向に所定間隔 原点検出用のパターン65A及び65Bが埋め込ま ている。これに対応して、XYコイルキャリア 40の底面の+Y方向の端部には、パターン65A及 65Bと同じX方向の間隔で、パターン65A及び65B X方向、Y方向の絶対位置を磁性板62の磁化パ ターンの周期AX,AYよりも狭い範囲内で検出す ための、光学式又は静電容量式等の原点セ サ66A及び66Bが固定されている。本例では、 例として、原点センサ66A及び66Bで同時にパ ーン65A及び65BのX方向、Y方向の位置を検出 てから、検出器67A,67Bで検出される磁場が所 位相になるときに、検出器67A及び67BのX軸、 Y軸の計測値をそれぞれリセットする。この に検出器67A及び67Bによって検出されるXYコイ ルキャリア40の位置は、ウエハベース41上の ターン65A及び65Bを基準とする絶対位置とみ すことが可能である。このように、パター 65A,65B、原点センサ66A,66B、磁性板62の磁化パ ーン、及び検出器67A,67Bを含んで、ウエハベ ース41に対するXYコイルキャリア40の2次元的 相対位置を計測するための第1リニアエンコ ダが構成されている。この第1リニアエンコ ーダの計測値はステージ制御系53に供給され いる。

 また、図6(A)は、図2のウエハパック28、XY イルキャリア40、及びウエハベース41を示す 平面図である。図6(A)に示すように、XYコイル キャリア40の上面のほぼ全面に、図3のウエハ パック28内の磁性板34の磁化パターンの周期 応じて、XYコイルキャリア40に対してウエハ ック28をX方向(非走査方向)及びY方向(走査方 向SD)に駆動するための例えば3相のX軸の駆動 イル71X及びY軸の駆動コイル71Yが、それぞれ 複数組設置されている。この場合も、駆動コ イル71X及び71Yと、図3の磁性板34の磁化パター ンとから、それぞれX軸のリニアモータ72X及 Y軸のリニアモータ72Yが構成され、2軸のリニ アモータ72X及び72Yから第2平面モータ72が構成 されている(図2参照)。図2のステージ制御系53 の制御のもとで、リニアモータ72X及び72Yはそ れぞれXYコイルキャリア40に対してウエハパ ク28をX方向及びY方向に非接触状態で駆動す 。この際に、ウエハパック28のZ方向の位置 び傾斜角θX,θYは、図2の静電軸受部材37によ る静電的な吸引及び気体の吹き出しによって 非接触状態で制御されている。

 また、図6(A)から分かるように、リニアモ ータ72X及び72Yはそれぞれ複数軸であるため、 一方のリニアモータ72X(又は72Y)を2軸で異なる 駆動量だけ駆動することによって、ウエハパ ック28の回転角θZを制御することも可能であ 。なお、平面モータ64及び/又は72としては 例えば米国特許第6,437,463号明細書に開示さ ている平面モータを使用してもよい。

 また、図2に示すように、XYコイルキャリ 40の上面に、ウエハパック28内の磁性板34の 化パターンの磁場を検出するホール素子等 含む検出器74A及び74Bが固定されている。検 器74A及び74BはそれぞれXYコイルキャリア40に 対するウエハパック28(磁性板34)のX方向、Y方 の相対位置を分解能10μm程度で検出する。 れらの検出結果からウエハパック28のXYコイ キャリア40に対する回転角θZも求められる 検出器74A及び74Bの検出結果は、駆動コイル71 X及び71Yの相切り換え(コミュテーション)にも 使用される。

 検出器74A及び74Bについても、原点を設定 るために、ダイヤフラム33の底面中央部に 点検出用のパターン73Bが固定されている。XY コイルキャリア40の上面中央部には、パター 73BのX方向、Y方向の位置を図3の磁性板34の 化パターンの周期BX,BYよりも狭い範囲内で検 出するための、光学式又は静電容量式等の原 点センサ73Aが固定されている。なお、原点セ ンサ73A及びパターン73Bも実際には2組設けら ている。一例として、原点センサ73Aでパタ ン73BのX方向、Y方向の位置を検出してから、 検出器74A,74Bで検出される磁場が所定位相に るときに、検出器74A,74BのX軸、Y軸の計測値 それぞれリセットする。この後に検出器74A,7 4Bによって検出されるウエハパック28の位置 、パターン73Bが検出器74Bによって検出され 位置を基準とする絶対位置とみなすことが 能である。このように、原点センサ73A、パ ーン73B、磁性板34の磁化パターン、及び検出 器74A,74Bを含んで、XYコイルキャリア40に対す ウエハパック28の2次元的な相対位置を計測 るための第2リニアエンコーダが構成されて いる。この第2リニアエンコーダの計測値も テージ制御系53に供給されている。

 ただし、本例では、ウエハパック28のX方 、Y方向の位置、及び回転角θZは、図1のレ ザ干渉計42X,42Yによっても計測されている。 こで、予めウエハベース41とウエハパック28 とが所定の位置関係の状態でレーザ干渉計42X ,42Yの計測値をリセット又はプリセットして くことで、その後は、レーザ干渉計42X,42Yの 測値(ウエハベース41に対するウエハパック2 8の相対位置)から図5(A)の検出器67A,67Bを含む 1リニアエンコーダの計測値(ウエハベース41 対するXYコイルキャリア40の相対位置)を差 引くことで、XYコイルキャリア40に対するウ ハパック28の相対位置を求めるようにして よい。この場合には、図2のXYコイルキャリ 40の上面側の原点センサ73A及びパターン74B等 を省略することが可能である。

 図1のステージ制御系53では、レーザ干渉 42X,42Y、図5(A)の検出器67A,67Bを含む第1リニア エンコーダ、及び図2の検出器74A,74Bを含む第2 リニアエンコーダの計測値、並びに主制御系 51からの制御情報に基づいて、図2の第1平面 ータ64及び第2平面モータ72を駆動する。この 場合、図1のレチクルRの位置と対応するウエ パック28(ウエハW)の位置関係は、レーザ干 計42X,42Yの計測値に基づいて制御され、XYコ ルキャリア40の位置は、一例として、できる だけウエハパック28がXYコイルキャリア40の中 央部に位置するように制御される。

 次に、走査露光時及びステップ移動時の第1 平面モータ64及び第2平面モータ72の駆動方法 一例につき説明する。
 先ず、図6(A)に示すように、ウエハパック28 のウエハWの一つのショット領域SA1を投影光 学系PLの投影領域21Wに対して+Y方向に移動し ショット領域SA1を露光する走査露光時には 図2の第2平面モータ72を駆動して、XYコイル ャリア40に対してウエハパック28を矢印A1で す+Y方向に移動する。ステージ制御系53は、 の動作と並行して、図2の第1平面モータ64を 駆動して、ウエハパック28の+Y方向への移動 よるXYコイルキャリア40に対する逆方向への 力を相殺するように、ウエハベース41に対 てXYコイルキャリア40を矢印A2で示す-Y方向に 移動する。このカウンターバランス方式の駆 動によって、ウエハパック28を走査する際に 生する振動量を極めて小さくでき、その結 として重ね合わせ精度等を向上できる。

 なお、ウエハW上の一連のショット領域に露 光する際には、通常はウエハWの走査方向は± Y方向に交互に反転する。そのため、そのカ ンターバランス方式の駆動を行っても、ウ ハパック28とXYコイルキャリア40との位置関 が次第に大きくずれていくことはない。
 次に、図6(B)に示すように、ウエハW上のシ ット領域SA1の露光後にそれに-X方向に隣接す るショット領域SA2に露光する場合、露光光IL 照射を停止して、ウエハWを1つのショット 域の幅分だけ+X方向にステップ移動する必要 がある。このために、図2の第2平面モータ72 駆動して、XYコイルキャリア40に対してウエ パック28を矢印B1で示す+X方向に移動する。 テージ制御系53では、その動作に僅かに先 して、図2の第1平面モータ64を駆動して、ウ ハパック28の+X方向への移動によるXYコイル ャリア40に対する逆方向への反力を上回る 動力を発生して、ウエハベース41に対してXY イルキャリア40を矢印B2で示す+X方向に移動 る。このときの投影光学系PLに対するウエ パック28の+X方向への移動量と、投影光学系P Lに対するXYコイルキャリア40の+X方向への移 量とはほぼ同じとする。

 同様に、ウエハWをY方向にステップ移動 る場合にも、ウエハパック28を駆動する際に 、ステージ制御系53はXYコイルキャリア40を同 じ方向に駆動する。ステップ移動中には、こ のようなXYコイルキャリア40の駆動によって 少の振動が発生しても、露光精度には影響 ない。さらに、このようにウエハパック28と XYコイルキャリア40とを同じ方向に駆動する とによって、ステップ移動前後でウエハパ ク28とXYコイルキャリア40との相対位置が変 しないため、その後のウエハWのショット領 SA2の走査露光動作に円滑に移行することが き、露光工程のスループットを高めること できる。

 次に、本例の図1の露光装置EXに対してウエ パック28の搬入及び搬出を行うためのウエ 処理システムにつき説明する。
 図7は本例のウエハ処理システムWTの概略構 を示す図である。図7において、ウエハ処理 システムWTは、ウエハの処理を行うカセット テーション80と、図3のウエハパック28の処 を行う部分とに分かれている。

 カセットステーション80は、ウエハ用の セット82と、カセット載置台81と、ウエハの 度調整を行う温調ユニット83と、ウエハに 射防止膜のコーティングを行うボトムコー ィングユニット84と、ウエハの加熱を行う加 熱ユニット85と、ウエハの高温処理を行う高 度熱処理ユニット86と、ウエハの高精度の 度調整を行う高精度温調ユニット89と、レジ スト塗布ユニット90と、プリベーキングユニ ト91と、レジスト膜厚の検査を行う膜厚検 ユニット94と、ウエハの周辺露光を行う周辺 露光ユニット95と、ウエハの高精度の温度調 を行う高精度温調ユニット96と、例えば図4( A)~図4(D)の順序でウエハWのウエハパック28へ 収納を行うウエハ収納装置500(高真空の真空 ャンバ及び所定の負圧のチャンバを備えて る)と、ウエハW又はウエハWが収納されたウ ハパック28を一時保管するためのバッファ セット97とを備えている。高温度熱処理ユニ ット86は、高温度熱処理装置87と温調装置88と を備え、プリベーキングユニット91は、温調 搬送プレート92と、ホットプレート93とを備 えている。

 カセットステーション80は、さらに、露 装置EXから搬出されたウエハパック28又はウ ハWを一時保管するためのバッファカセット 98と、例えば図4(D)~図4(A)の順序で、ウエハパ ク28からウエハWの取り出しを行うウエハ取 出し装置520と、ポストエクスポージャーベ キングユニット99と、高精度温調ユニット10 2と、現像ユニット103と、温調・搬送ユニッ 104と、熱処理装置105とを備えている。ポス エクスポージャーベーキングユニット99は、 温調・搬送装置100と、熱処理装置101とを備え ている。

 また、ウエハパックの処理を行う部分は ウエハパック28(ここではウエハが収納され いない)を保管するウエハパック保管用カセ ット530と、ウエハパック28の気密性、ウエハ ック28の構成部材の平面度、異物の有無等 検査する第1ウエハパック検査ステーション5 40と、ウエハパック28の温度をウエハの温度 合わせるためのウエハパック温調装置550と ウエハ取り出し装置520からウエハパック28の 構成部材を搬出する搬送アームを含む搬送系 600と、ウエハパック28の構成部材を洗浄する エハパック洗浄機560と、ウエハパック28の 成部材の平面度、異物の有無等を検査する 2ウエハパック検査ステーション570とを備え いる。

 なお、図3のウエハパック28中で特に高い 浄度が要求されるのはガラス板29(平板ガラ )であるため、ガラス板29とそれ以外の部材( フレーム30及びダイヤフラム33等)とを分けて 理してもよい。この場合、ウエハパック洗 機560からウエハパック保管用カセット530及 ウエハパック温調装置550までの処理系でガ ス板29の処理を行い、それ以外の部材は、 送アームを含む搬送系610と、それ以外の部 のドライ環境下でのクリーニングを行うク ーニング装置580と、保管用カセット590とを む別の処理系で処理してもよい。

 次に、図8~図10のフローチャートを参照して 本例のウエハ及びウエハパック28の全体の処 の流れにつき説明する。この処理は、例え 不図示のホストコンピュータによって制御 れる。
 先ず、図8のステップ202において、図7のカ ットステーション80において、ウエハ搬送系 (図示せず)がカセット載置台81にあるカセッ 82にアクセスし、カセット82から1枚の処理前 の半導体ウエハ(以下、ウエハWという。)を取 り出す。カセット82は処理前及び処理後の半 体ウエハを収容している。次のステップ204 おいて、温調ユニット83のシャッタ部が開 、ウエハWは、前記ウエハ搬送系によって温 ユニット83の筐体内に収容され、筐体内部 ある温調プレート(図示せず)上に載置される 。この後、ウエハWに対して例えば冷却処理 の所定の第1温調処理が行われる。

 次のステップ206において、ウエハWは温調 ユニット83から搬出されてボトムコーティン ユニット84内に収容される。ここで、ウエ Wに対する反射防止膜の形成(成膜処理)が行 れる。次のステップ208において、ウエハWは トムコーティングユニット84から搬出され 加熱ユニット85内に収容される。そして、ウ エハWに対し、第1の加熱処理の前段階として 加熱処理が行われる。その後、ステップ210 おいて、ウエハWは加熱ユニット85から搬出 れて高温度熱処理ユニット86内に収容され 。そして、高温度熱処理ユニット86内に設け られた高温度熱処理装置87によって、ウエハW に対する第1の加熱処理の後段階としての加 処理が所定時間だけ行われる。この第1の加 処理の後段階での加熱処理の温度は、第1の 加熱処理の前段階での温度よりも高く設定さ れている。

 次のステップ212において、ウエハWは高温 度熱処理装置87から温調装置88に移動する。 して、この温調装置88によって、ウエハWに して所定の温度への温度調整が行われる。 のステップ214において、ウエハWは高温度熱 理ユニット86から搬出されて、高精度温調 ニット89に収容される。そして、ウエハWに し、所定の温度(例えば、23°C)での第2の温調 処理が行われる。次のステップ216において、 ウエハWは、高精度温調ユニット89から搬出さ れてレジスト塗布ユニット90に収容される。 して、ウエハWに対する所望のレジスト液の 塗布処理が行われる。これにより、ウエハW 面にレジスト膜が形成される。

 次のステップ218において、ウエハWは、レ ジスト塗布ユニット90から搬出されてプリベ キングユニット91に収容される。そして、 エハWはプリベーキングユニット91内に設け れた温調・搬送プレート92内に載置される。 そして、ウエハWは温調・搬送プレート92で温 調されつつ搬送され、プリベーキングユニッ ト80内に設けられたホットプレート93に移さ る。そして、ステップ220において、ウエハW 対し、所定の温度、時間により第2の加熱処 理が行われる。この加熱処理により、レジス ト液の塗布処理で残っていた残存溶剤がウエ ハW塗布膜から蒸発除去される。

 次のステップ222において、ウエハWはホッ トプレート93から温調・搬送プレート92に移 れる。そして、温調・搬送プレート92は、ウ エハWに対して温度調整を行いながら、これ 搬送する。温度調整における設定温度、時 は適宜設定される。例えば、このステップ22 2での設定温度は、ステップ220の第2の加熱処 における設定温度よりも低く設定される。

 この温度調整が終わると、ステップ224に いて、ウエハWはプリベーキングユニット91 ら搬出されて膜厚検査ユニット94に移動さ る。そして、ウエハWに形成されたレジスト 膜厚が検査される。また、例えば、パーテ クル等の異物の有無やウエハ表面の状態を 査するようにしてもよい。次のステップ226 おいて、ウエハWは膜厚検査ユニット94から 辺露光ユニット95に移動される。そして、 エハWに対して周辺部の露光処理が行われる 次のステップ228において、ウエハWは高精度 温調ユニット96に移され、ここでウエハWの温 度を露光時の温度に高精度に制御するための 第3の温調処理が行われる。

 次のステップ230において、ウエハWは図7 ウエハ収納装置500に搬送される。この際に 後述の図10のステップ306でウエハWと同じ温 に制御されたウエハパック28の構成部材もウ エハ収納装置500に搬送される。そして、ウエ ハWは図4(A)~図4(D)の順序でウエハパック28内に 収納される。この際に、ウエハパック28内の 間は、上述のように所定の負圧に設定され 。なお、ウエハパック28内にウエハWを収納 た後、ウエハWとウエハパック28(特にガラス 板29)とを温度的に馴染ませるために、次の露 光処理まで所定時間放置しておいてもよい。

 次の図8のステップ232において、ウエハW 収納したウエハパック28は、図1の露光装置EX に搬送されて露光処理が行われる。なお、ウ エハパック28を露光装置EXに受け渡す前に、 エハW(ウエハパック28)を一時的にバッファカ セット97に格納する場合もある。ウエハパッ 28内のウエハWへの露光処理が終わると、ス ップ234に移行して、ウエハパック28は露光 置EXからウエハ取り出し装置520に搬出される 。そして、図4(D)から図4(A)の順序でウエハパ ク28からのウエハWの取り出しが行われる。 お、ガラス板29とウエハWとの分離が容易で ない場合には、さらにステップ236において ガラス板29(平板ガラス)とウエハWとの分離 行われる。ステップ234又は236でウエハWから 離されたウエハパック28の構成部材は、後 の図10のステップ308に移行して洗浄処理が行 われる。

 そして、ステップ234又は236でウエハパッ 28から取り出された(ガラス板29から分離さ た)ウエハWは、図9のステップ238に移行して ウエハ取り出し装置520からポストエクスポ ジャーベーキングユニット99に搬送される。 なお、露光処理が終了した後、ウエハW又は エハWを収納したウエハパック28を一時的に ッファカセット97に格納しておいてもよい。

 そして、ウエハWは、ポストエクスポージ ャーベーキングユニット99内に設けられた温 ・搬送装置100に載置される。次のステップ2 40において、ウエハWは、温調・搬送装置100で 温調されつつ搬送され、ポストエクスポージ ャーベーキングユニット99内の熱処理処置101 移される。そして、この熱処理装置101によ て、ウエハWに対する第3の加熱処理が行わ る。

 次のステップ242において、ウエハWは熱処理 装置101から温調・搬送装置100に戻され、所定 の温度に調整されながら高精度温調ユニット 102に搬送される。そして、ステップ244におい て、高精度温調ユニット102においては、ウエ ハWに対し、所定の温度(例えば、23°C)での温 処理である第4温調処理が行われる。
 次のステップ246において、ウエハWは、高精 度温調ユニット102から現像ユニット103に搬送 され、現像ユニット102において、ウエハWに 現像液の塗布が行われ、所定時間放置する とにより現像処理が進行する。この後、ウ ハW上にリンス液を供給して前記現像液を洗 流し、ウエハWを乾燥させておく。次のステ ップ248において、ウエハWは現像ユニット103 ら温調・搬送装置104に渡される。そして、 エハWに対する温調処理が行われる。

 次のステップ250において、ウエハWは温調 ・搬送装置102から熱処理装置105に移され、こ の熱処理装置105によって、ウエハWに対する 4の加熱処理が行われる。その後、ステップ2 52において、ウエハWは熱処理装置105から温調 ・搬送装置104に戻され、所定の温度に調整さ れながら搬送される。前述の第4の加熱処理 含めて、これらの処理により現像で膨張し レジストが硬化するので薬品に対する耐性 向上する。その後、ステップ254において、 エハWは温調・搬送装置104からカセットステ ション80のカセット82に戻されて、次の工程 に進む。なお、ウエハWがカセット82に戻され る前に、マクロ検査器等でウエハW上の処理 ラ等を検査するようにしてもよい。また、 査の他に、現像後のパターン欠陥、線幅、 ね合わせ、オーバーレイ精度等の検査を行 ようにしてもよい。さらに、所定の条件で ッチング装置によりエッチング処理まで行 ようにしてもよい。

 次に、図10を参照して、ウエハパック28の 構成部材の処理の流れにつき説明する。先ず 、図10のステップ302において、図7のウエハパ ック保管用カセット530から1個のウエハパッ 28(ただし、ウエハWは収容されていない)を取 り出す。ウエハパック保管用カセット530は複 数のウエハパック28を収容している。次のス ップ304において、取り出されたウエハパッ 28は、第1ウエハパック検査ステーション540 搬送される。第1ウエハパック検査ステーシ ョン540では、ウエハパック28の密閉度(気密性 )、ウエハWの露光面と接触することになるガ ス板29(平板ガラス)の平面度が検査される。 また、ガラス板29にレジスト残滓、塵等の異 が付着していないか否かも検査される。こ は、ガラス板29にレーザビームを走査して 反射光が散乱光になる部分を検出する等の 査装置によって検査可能である。

 許容範囲を超える異物が検出された場合に 、ウエハパック28(又はガラス板29単体)は、 例として搬送系600を介して後述のウエハパ ク洗浄機560に移送されて洗浄される。さら 、ウエハパック28の気密性又はガラス板29の 平面度等が許容範囲を超えた場合には、別の ウエハパック又はガラス板との交換等が行わ れる。
 次のステップ306において、ウエハパック28 、ウエハパック温調装置550に搬送され、ウ ハパック温調装置550において、ウエハパッ 28の温度、特にガラス板29の温度は、収納す ウエハWの温度(図8のステップ228で設定され 温度)と略等しくなるように設定される。つ まり、ウエハパック28の温度は、図7の高精度 温調ユニット96で所定の第3温調処理が行われ たウエハWと同じ温度になるように温調処理 れる。

 次に、処理は図8のステップ230に移行して 、ウエハパック28は図7のウエハ収納装置500に 搬送されて、ウエハパック28内へのウエハWの 収納が行われる。そして、上述のようにウエ ハWの露光(ステップ232)、ウエハパック28から ウエハWの取り出し(ステップ234,236)が行われ た後、ウエハWと分離されたウエハパック28の 構成部材は、図10のステップ308に移行して、 エハパック洗浄機560に搬送される。そして ウエハパック洗浄機560は、ウエハパック28 所定の液体で洗浄し、乾燥させる。液体を わないようにして乾燥処理を省くようにし もよい。また、ウエハパック28のガラス板29( 平板ガラス)は、ウエハWのレジスト塗布面と 触していたので、レジスト残滓等の異物が 着している可能性がある。

 そこで、ガラス板29だけは有機溶剤等を いて高度の洗浄を行い、それ以外の図3のウ ハパック28のフレーム30等はエアーシャワー 等による洗浄のみを行うようにしてもよい。 この洗浄処理によって、ガラス板29も必要な 浄度に維持することができる。次のステッ 310において、ウエハパック28の構成部材は 第2ウエハパック検査ステーション570に搬送 れ、第2ウエハパック検査ステーション570で は、ウエハパック28の密閉度(気密性)、ウエ Wの露光面と接触することになるガラス板29 平面度が検査される。また、ガラス板29にレ ジスト残滓、塵等の異物が付着していないか 否かも検査される。許容範囲を超える異物が 検出された場合には、ウエハパック28(又はガ ラス板29単体)はウエハパック洗浄機560に戻さ れて再び洗浄される。さらに、ウエハパック 28の気密性又はガラス板29の平面度等が許容 囲を超えた場合には、別のウエハパック28等 との交換等が行われる。

 なお、第2ウエハパック検査ステーション570 における処理は、第1ウエハパック検査ステ ション540での検査処理と同様であるため、 1ウエハパック検査ステーション540と第2ウエ ハパック検査ステーション570とを同一の検査 ステーションとしてもよい。
 次のステップ312において、第2ウエハパック 検査ステーション570での検査処理が終わり、 異常の無かったウエハパック28は、ウエハパ ク保管用カセット530に戻され、ステップ314 おいて、次の露光処理で使われるよう保管 れる。すなわち、本例のウエハパック28の 成部材は、複数のウエハに対して繰り返し 使用される。

 次に、図8のステップ236におけるウエハパッ ク28のガラス板29(平板ガラス)とウエハWとの 々の分離方法につき説明する。
 先ず、第1の分離方法は、図11(A)に示すよう 、ガラス板29及びウエハWを真空吸着を行う めの真空パッド110及び111で吸着して、真空 ッド110及び111に離れる方向の力を加えた状 で、加熱装置130から温風を吹き出してガラ 板29及びウエハWを全体として温めるもので る。本例ではガラス板29の線膨張率はウエ Wよりも小さいため、同じ温度に加熱される 、ウエハWの方が長く伸びて、ガラス板29と エハWとの界面が剥がれ易くなる。そのため 、真空パッド110及び111によってガラス板29と エハWとを分離できる。

 次に、図11(A)は全体を温めるのに対して 図11(B)に示す第2の分離方法は、ウエハW側の 空パッド111に加温プレート112A,112Bを装着し 、ウエハW側のみを温めている。これによっ て、ウエハWが伸びて界面が剥がれ易くなる め、ガラス板29とウエハWとを容易に分離で る。この方式は、ガラス板29とウエハWとの 膨張率が同じ(ただし、ある程度は熱膨張す 必要がある)であっても適用できる。さらに 、図11(B)の場合には、ウエハWのみの温度が上 昇するが、ウエハWの場合には分離後に図7の ストエクスポージャーベーキングユニット9 9において熱処理が行われるため、ある程度 温度上昇は差し支えがないという利点があ 。

 次に、第3の分離方法は、図11(C)に示すよ に、ウエハWの裏面に可撓性を持つ真空パッ ド113を吸着させた状態で、その真空パッド113 の裏面の複数箇所を独立に上下方向に駆動さ れる真空パッド111A,111Bで吸着し、真空パッド 111A,111Bを上下方向に異なる量だけ僅かに変位 又は振動させるものである。これによって、 ウエハWが微妙に折れ曲がり、界面が伸びて ラス板29からウエハWが剥がれ易くなる。

 次に、第4の分離方法は、図12(A)に示すよ に、ガラス板29及びウエハWを真空吸着を行 ための真空パッド110及び111で吸着して、ガ ス板29とウエハWとの界面にコンプレッサ114 らノズル115を介して清浄なエアー116を吹き むものである。ウエハWには、通常、切り欠 き部であるノッチ部Waがあるため、そのノッ 部Waにエアー116を吹き込むことによって、 面が剥がれ易くなり、ガラス板29からウエハ Wを容易に分離できるようになる。

 なお、その界面にエアーを吹き込む代わり 、例えばレジストの特性に影響を与えない 体(純水等)を噴き付けてもよく、液体と気 との混合物を噴き付けてもよい。さらに、 ジストの現像液を噴き付けることも可能で る。
 次に、第5の分離方法は、図12(B)に示すよう 、ガラス板29及びウエハWを真空吸着を行う めの真空パッド110及び111で吸着して、真空 ッド110及び111にそれぞれ例えば超音波振動 120A,120B及び120C,120Dを装着して、超音波振動 120A~120Dからガラス板29及びウエハWに振動を える方法である。この際に、ガラス板29及 ウエハWの固有振動数(モード共振点)で加振 ることによって、両者は剥がれ易くなる。

 次に、第6の分離方法は、図12(C)に示すよ に、ガラス板29及びウエハWに静電吸着を行 ための電極部材121及び122を密着させて、電 部材121及び122に互いに反発する静電位(例え ば両方とも+又は-)を印加する方法である。こ れによって、ガラス板29とウエハWとの間には 反発力が作用するため、容易に引き剥すこと が可能である。

 なお、上記の第1~第6の分離方法のうちの複 の方法を組み合わせて使用してもよく、こ によってさらに容易にガラス板29とウエハW を分離できる。
 本実施形態の作用効果は以下の通りである
 (1)図7のウエハ処理システムWTは、露光光を 過するガラス板29(平板状部材)が表面に密着 した状態で露光が行われるウエハの処理シス テムであって、ガラス板29をウエハWの表面に 密着させて組立を行うウエハ収納装置500と、 露光光でガラス板29を介してウエハWを露光す る露光装置EXと、ウエハWとガラス板29とを分 するウエハ取り出し装置520とを備えている

 また、ウエハ処理システムWTによる処理方 は、ガラス板29が表面に密着した状態で露光 が行われるウエハの処理方法であって、ガラ ス板29をウエハの表面に密着させるステップ2 30(組立工程)と、露光光でガラス板29を介して ウエハを露光するステップ232(露光工程)と、 エハとガラス板29とを分離するステップ236( 離工程)と、を有する。
 従って、露光対象のウエハWの露光中におけ る平面度を高く維持できるため、ウエハW上 各ショット領域にレチクルRのパターンの像 高精度に露光できる。また、露光装置EXに するウエハWの搬入の直前にガラス板29とウ ハWとを組み合わせ、露光装置EXからガラス 29及びウエハWが搬出された直後にガラス板29 とウエハWとを分離することによって、露光 置EXと他のレジスト塗布装置90及び現像ユニ ト103等との間のウエハWの受け渡しを円滑に 行うことができる。

 (2)また、ガラス板29を搬送する搬送系600等 備え、例えばステップ304の一部(搬送工程)に おいてガラス板29がウエハパック洗浄機560に 送される。これにより、露光対象の別のウ ハに対してガラス板29を繰り返して使用す ことができる。従って、基板処理システム 運用コストを低減できる。
 (3)また、ガラス板29とウエハWとの温度を合 せるために、ウエハWの温度を制御する高精 度温調ユニット96及びガラス板29(ウエハパッ 28)の温度を制御するウエハパック温調装置5 50を備えている。従って、ウエハWの温度を目 標とする温度に維持できる。なお、ウエハW 様々な熱処理を受けるために温度が変動す のに対して、ガラス板29は熱処理は殆ど受け ない。従って、ガラス板29を例えば露光装置E Xにおける露光時の温度に制御された環境下 設置しておく場合には、特にガラス板29用の 温度調整装置を設ける必要はない。

 (4)また、ガラス板29及びウエハパック28の他 の構成部材を洗浄するウエハパック洗浄機560 を備えている。従って、ガラス板29にレジス 残滓等が付着しても、それを洗浄すること よって、ガラス板29を繰り返して使用でき 。
 (5)また、ガラス板29に付着している異物の 無を検査する検査装置(第1ウエハパック検査 ステーション540の一部)を備えている。従っ 、異物が検出された場合に、その洗浄等を うことによって、ウエハWに不要なパターン 転写することを防止できる。

 (6)また、ガラス板29の平面度を検査する検 装置(第1ウエハパック検査ステーション540の 一部)を備えている。従って、露光中のウエ Wの露光面が許用範囲を超えて撓むことが防 できる。
 (7)また、図7のウエハ収納装置500は、例えば 図4(A)~図4(D)に示すように、ガラス板29をウエ Wの表面に密着させるウエハ搬送アーム45と フレーム30及びダイヤフラム33(箱状部材)を いてウエハWをガラス板29に付勢する搬送ア ム43(図3参照)と、フレーム30、ガラス板29、 びウエハWが収納された空間を負圧に設定す るチャンバ(気密室)とを含み、図7のウエハ取 り出し装置520は、ガラス板29を吸着保持する 持部材44と、その箱状部材の内部に気体を 入するための排気管31のバルブ31aと、気体を 供給するための配管(排気管31)と、ガラス板29 からその箱状部材を離すために、その箱状部 材を保持する搬送アーム43(図3参照)と、ガラ 板29からウエハWを分離するために、ウエハW を吸着保持するウエハ搬送アーム45とを含ん いる。

 従って、図3に示すフレーム30及びダイヤフ ム33を備えて、ガラス板29、フレーム30、及 ダイヤフラム33で囲まれた密閉空間内にウ ハWを収納できるウエハパック28の組立及び 解を容易に行うことができる。
 (8)また、図7において、ウエハパック28の搬 系は、ガラス板29を搬送する搬送系600と、 ラス板29以外のウエハパック28の構成部材を ガラス板29とは異なる経路で搬送する搬送 610とを備えることができる。ガラス板29とそ れ以外の構成部材とは形状が異なるとともに 、異物の付着量が異なるため、両者を別の経 路で処理することによって、処理のスループ ットを向上できる。

 (9)また、図3のウエハパック28は、ダイヤフ ム33に磁性板34を儲け、露光装置EXにおいて 、その磁性板34を介してウエハWを駆動する 面モータ72を備えている。従って、ウエハ ック28を駆動することができる。
 [第2の実施形態]
 次に、本発明の第2の実施形態につき図13を 照して説明する。図13は、ウエハWが密着す ガラス板29をステージに直接固定した露光 置の要部を示す。図13において、投影光学系 PLの下方の平板状の定盤8上に気体軸受を介し てX方向、Y方向に移動可能にXYステージ9が載 され、XYステージ9上に、例えばボイスコイ モータ方式等でZ方向に駆動される3箇所のZ 動部11A,11B,11Cを介してZステージ10が支持さ ている。XYステージ9は、例えば不図示のガ ド機構に沿って2組のリニアモータによって 交するX方向、Y方向に駆動される。Zステー 10のX方向、Y方向の側面の反射面(又は移動 )に不図示のレーザ干渉計からレーザビーム 照射され、そのレーザ干渉計によって少な ともZステージ10のX方向、Y方向の位置、及 回転角θZ等が計測されている。

 そして、Zステージ10の上面にY方向に離れ た2箇所の支持部材12A及び12Bを介してガラス 29が着脱可能に保持され、ガラス板29の底面2 9aにウエハWの表面(フォトレジストが塗布さ た露光面)の全面が密着している。この場合 支持部材12A,12Bに不図示の真空ポンプに連結 される吸着孔12Aa,12Ba等が形成され、これらの 吸着孔12Aa,12Ba等によって支持部材12A,12B上に ラス板29が真空吸着方式で保持されている。

 また、支持部材12A,12Bの上部に、連結部材 13A,13Bを介して、ガラス板29の上面に所定間隔 を開けて、平板状の電極板14A,14Bが待避可能 配置され、電極板14A,14Bに不図示の制御装置 ら所定の電荷(又は電位)を与えることによ て、ガラス板29の底面にウエハWを静電吸着 よって保持できるように構成されている。 らに、不図示のAFセンサを介して計測される ウエハWの表面のフォーカス位置等に基づい 、Z駆動部11A,11B,11Cを介してZステージ10のフ ーカス位置等を制御することによって、ウ ハWの表面を投影光学系PLの像面に合焦させ ことができる。

 この例では、未露光のウエハW及びガラス 板29は、図7のウエハ収納装置500で密着させら れる。その後、ガラス板29及びウエハWは、一 例としてウエハ搬送アーム15に載置された状 で、図13の支持部材12A,12Bの間まで搬送され 。電極板14A,14Bは待避している。次に、ウエ ハ搬送アーム15を次第に下降させて、ガラス 29の底面を支持部材12A,12Bの上面に載置して 電極板14A,14Bを戻して正又は負の電荷を帯電 させることによって、ウエハWがガラス板29に 安定に吸着保持される。その後、Zステージ10 (ウエハW)の位置を不図示のレーザ干渉計によ って計測し、この計測値に基づいてXYステー 9を駆動することによって、投影光学系PLか の露光光ILでガラス板29を介してウエハWを 光する。その後、ウエハWの裏面にウエハ搬 アーム15を配置して、例えば電極板14A,14Bの 電を解除して、待避させてから、支持部材1 2A,12Bの真空吸着を解除して、ウエハ搬送アー ム15を上昇させることによって、ガラス板29 びウエハWを搬出できる。搬出されたガラス 29及びウエハWは、例えば図7のウエハ取り出 し装置520で分離される。

 この図13の露光装置においても、ウエハW 表面がガラス板29の底面に密着するように エハWが保持されるため、Zステージ10の構造 簡素化できるとともに、ウエハWの裏面の平 面度に影響されることなく、ウエハWの表面 高い平面度に維持した状態でウエハWを露光 ることができる。従って、不図示のレチク のパターンが投影光学系PLを介してウエハW 各ショット領域に高精度に露光される。ま 、図7のウエハ処理システムWTを使用するこ によって、ウエハWとガラス板29との処理を 率的に行うことができる。

 なお、上記の実施の形態の露光装置は、複 のレンズから構成される照明光学系、投影 学系を露光装置本体に組み込み光学調整を て、多数の機械部品からなるレチクルステ ジやウエハ駆動装置を露光装置本体に取り けて配線や配管を接続し、更に総合調整(電 気調整、動作確認等)をすることにより製造 ることができる。なお、その露光装置の製 は温度及びクリーン度等が管理されたクリ ンルームで行うことが望ましい。
 また、その露光装置、及びその他の本願請 の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種 ブシステムを用いて、上記の実施の形態の エハ処理システムを組み立てることができ 。

 なお、本発明は、走査露光型の投影露光装 のみならず、一括露光型の投影露光装置で 光する場合にも同様に適用することができ 。
 また、上述の実施形態においては、光透過 の基材上に所定の遮光パターン(又は位相パ ターン・減光パターン)を形成した光透過型 チクルを用いているが、このレチクルに替 て、例えば米国特許第6,778,257 号公報に開示 されているように、露光すべきパターンの電 子データに基づいて透過パターン又は反射パ ターン、あるいは発光パターンを形成する電 子マスクを用いてもよい。

 また、上述の実施形態においては、投影 学系PLを使ってパターン像をウエハW上に投 することによって基板を露光しているが、 際公開第2001/035168号パンフレットに開示さ ているように、干渉縞をウエハW上に形成す ことによって、ウエハW上にライン・アンド ・スペースを露光する露光装置(リソグラフ システム)にも本発明を適用することができ 。この場合、投影光学系PLを使わなくても く、干渉縞を形成するための回折格子を光 部材とみなすことができる。

 また、上記の実施形態の露光装置を用い 半導体デバイスを製造する場合、この半導 デバイスは、デバイスの機能・性能設計を うステップ、このステップに基づいてレチ ルを製造するステップ、シリコン材料から エハを形成するステップ、上記の実施形態 露光装置によりレチクルのパターンを基板( ウエハ)に露光する工程、露光した基板を現 する工程、現像した基板の加熱(キュア)及び エッチング工程などを含む基板処理ステップ 、デバイス組み立てステップ(ダイシング工 、ボンディング工程、パッケージ工程を含 )、並びに検査ステップ等を経て製造される

 また、本発明は、半導体デバイスの製造 ロセスへの適用に限定されることなく、例 ば、角型のガラスプレート等に形成される 晶表示素子、若しくはプラズマディスプレ 等のディスプレイ装置の製造プロセスや、 像素子(CCD等)、マイクロマシーン、MEMS(Microe lectromechanical Systems:微小電気機械システム)、 セラミックスウエハ等を基板として用いる薄 膜磁気ヘッド、及びDNAチップ等の各種デバイ スの製造プロセスにも広く適用できる。更に 、本発明は、各種デバイスのマスクパターン が形成されたマスク(フォトマスク、レチク 等)をフォトリソグラフィ工程を用いて製造 る際の、製造工程にも適用することができ 。

 本願明細書に掲げた種々の米国特許及び米 特許出願公開については、特に援用表示を たもの以外についても、指定国または選択 の法令が許す範囲においてそれらの開示を 用して本文の一部とする。 
 なお、本発明は上述の実施の形態に限定さ ず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々 構成を取り得ることは勿論である。また、 細書、特許請求の範囲、図面、及び要約を む2007年4月19日付け提出の日本国特願2007-1101 80の全ての開示内容は、そっくりそのまま引 して本願に組み込まれている。