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Patent Searching and Data


Title:
SUBSTRATE PROTECTION METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/125846
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a method which prevents or reduces the contamination of a substrate surface, or makes the substrate surface hydrophilic to protect the substrate surface by the arrangement of a first layer including a negatively charged material and a second layer including a positively charged material, or a positively charged material and/or a negatively charged material successively on the substrate side either on the substrate surface or in the substrate surface layer. This novel method prevents or reduces the adhesion of contamination over time to the substrate, and prevents or reduces color fading or color changes of the substrate.

Inventors:
KOIKE, Keiji (1-7, Maruta, Ozaki-cho, Anjo-sh, Aichi 04, 44600, JP)
小池 恵治 (〒04 愛知県安城市尾崎町丸田1番地7 中央精機株式会社内 Aichi, 44600, JP)
IWASAKI, Masayuki (1-7, Maruta, Ozaki-cho, Anjo-sh, Aichi 04, 44600, JP)
岩崎 眞行 (〒04 愛知県安城市尾崎町丸田1番地7 中央精機株式会社内 Aichi, 44600, JP)
Application Number:
JP2009/057381
Publication Date:
October 15, 2009
Filing Date:
April 10, 2009
Export Citation:
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Assignee:
CENTRAL MOTOR WHEEL CO., LTD. (1-7 Maruta, Ozaki-cho Anjo-sh, Aichi 04, 44600, JP)
中央精機株式会社 (〒04 愛知県安城市尾崎町丸田1番地7 Aichi, 44600, JP)
Sustainable Titania Technology Inc. (Olive Bldg. 1F, 5-38-6 Yoyogi, Shibuya-k, Tokyo 53, 15100, JP)
サスティナブル・テクノロジー株式会社 (〒53 東京都渋谷区代々木5-38-6 オリーブビル1F Tokyo, 15100, JP)
KOIKE, Keiji (1-7, Maruta, Ozaki-cho, Anjo-sh, Aichi 04, 44600, JP)
小池 恵治 (〒04 愛知県安城市尾崎町丸田1番地7 中央精機株式会社内 Aichi, 44600, JP)
International Classes:
B32B7/02; B32B9/00; B60B3/00; B60B7/00
Domestic Patent References:
2008-01-31
2007-08-16
2002-09-26
Attorney, Agent or Firm:
SHIGA, Masatake et al. (1-9-2, Marunouchi Chiyoda-k, Tokyo 20, 10066, JP)
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Claims:
基体表面上又は基体表面層中に、
負電荷物質を含む第1の層、並びに、
正電荷物質、又は、正電荷物質及び負電荷物質を含む第2の層
を前記基体側から順に配置することを特徴とする、基体表面の汚染防止もしくは低減方法。
基体表面上又は基体表面層中に、
負電荷物質を含む第1の層、並びに、
正電荷物質、又は、正電荷物質及び負電荷物質を含む第2の層
を前記基体側から順に配置することを特徴とする、基体表面の保護方法。
基体表面上又は基体表面層中に、
負電荷物質を含む第1の層、並びに、
正電荷物質、又は、正電荷物質及び負電荷物質を含む第2の層
を前記基体側から順に配置することを特徴とする、基体表面の親水化方法。
前記正電荷物質が
(1)陽イオン;
(2)正電荷を有する導電体又は誘電体;並びに
(3)正電荷を有する導電体、及び、誘電体又は半導体、の複合体
からなる群から選択される1種又は2種以上の、正電荷を有する物質であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の方法。
前記負電荷物質が
(4)陰イオン;
(5)負電荷を有する導電体又は誘電体;
(6)負電荷を有する導電体、及び、誘電体又は半導体、の複合体;
(7)光触媒機能を有する物質
からなる群から選択される1種又は2種以上の、負電荷を有する物質であることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の方法。
前記基体が負電荷を有することを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の方法。
請求項1乃至6のいずれかに記載の方法により、表面の汚染が防止乃至低減され、表面が保護され、又は、表面が親水性化された基体。
前記基体と前記第1の層との間に中間層を有することを特徴とする、請求項7記載の基体。
前記第2の層上に被覆層を有することを特徴とする、請求項7又は8記載の基体。
請求項7乃至9のいずれかに記載の基体を備える物品。
請求項7乃至9のいずれかに記載の基体を備える自動車用タイヤホイール。
Description:
基体の保護方法

 本願は、2008年4月11日に日本国に出願され た特願2008-103736号に基づいて優先権を主張し その内容をここに援用する。

 本発明は、基体表面に正電荷を付与して 該表面の汚染を防止若しくは低減し、基体 面の保護を達成する方法に関し、特に、基 より発生する負電荷物質によって当該表面 正電荷が中和されて基体表面の保護機能が 失することを防止するものである。

 従来から、着色された種々の基体(例えば 、印刷物、建材、繊維、有機高分子樹脂製品 等)が経時的に退色乃至変色することは知ら ている。これらの退色乃至変色の要因とし は、光による劣化、基体表面への汚染物質 付着等が挙げられており、その対策として 々の方法が考えられている。

 例えば、光による劣化を防止するには、 体中に紫外線吸収剤を混入する等の方法が られている。

 一方、基体表面からの汚染物質の付着防止 び除去のために、防汚機能又はセルフクリ ニング機能を有する皮膜を基体表面に形成 る方法も開発されている。この方法として 、例えば、特開平9-262481号公報記載のアナ ーゼ型酸化チタンを使用して光触媒層を形 する方法等がある。

特開平9-262481号公報

 しかしながら、基体中に紫外線吸収剤を 入する場合、基体中の成分の作用により紫 線吸収剤が分解して十分な紫外線吸収効果 発揮しない場合がある。

 また、光触媒機能を基体表面に付与する 合は、基体の種類によっては、光触媒作用 より基体そのものが分解劣化するおそれが る。また、光触媒機能を有する基体は負電 を帯びているために、正電荷を有する汚染 を静電的に吸着する問題がある。

 本発明は、基体の経時的な退色乃至変色 防止乃至低減すると同時に、汚染物の付着 防止乃至低減する新たな手法を提供するこ をその目的とする。

 本発明の目的は、基体表面上又は基体表 層中に、負電荷物質を含む第1の層、並びに 、正電荷物質、又は、正電荷物質及び負電荷 物質を含む第2の層を配置することによって 成される。前記第1の層及び前記第2の層は、 前記基体側から順に配置される。したがって 、前記第1の層は、前記基体と前記第2の層と 間に位置する。

 前記正電荷物質は、(1)陽イオン;(2)正電荷 を有する導電体又は誘電体;並びに(3)正電荷 有する導電体、及び、誘電体又は半導体、 複合体からなる群から選択される1種又は2種 以上の、正電荷を有する物質であることが好 ましい。前記負電荷物質は、(4)陰イオン;(5) 電荷を有する導電体又は誘電体;(6)負電荷を する導電体、及び、誘電体又は半導体、の 合体、(7)光触媒機能を有する物質からなる から選択される1種又は2種以上の、負電荷 有する物質であることが好ましい。

 前記基体と前記第1の層との間に中間層を 形成してもよい。また、前記第2の層上に被 層を設けてもよい。前記中間層及び前記被 層の材料特性を選択することにより、基体 任意の表面特性を付与することができる。 のように表面処理された前記基体は、自動 用タイヤホイール等の様々な物品に使用す ことができる。

 大気中に浮遊している汚染物質及び/又は 基体に付着した汚染物質は太陽光等の作用に より光酸化され、正電荷を帯びるが、本発明 の方法が施された基体の表面にも正電荷が存 在するので、前記汚染物質は静電的に反発し て、基体表面から自然と離脱する。したがっ て、基体表面をセルフクリーニングすること が可能となる。

 また、第2の層に負電荷が存在する場合は 、カリオン粘土微粉末、水道水中の塩化物イ オン等のように負電荷を有する汚染誘引物質 も、静電的に反発して、基体表面への付着が 妨げられる。したがって、そのような不純物 の付着による基体表面特性の変化を防止して 、基体表面を清浄に維持することが可能とな る。

 本発明では、基体と正電荷を有する第2の 層との間に負電荷を有する第1の層が存在す ので、基体が負電荷物質を有していても、 1の層の負電荷によって、基体より発生する 電荷物質の電荷が反転して正電荷となり、 2の層中の正電荷に負電荷が吸着して中和さ れることがなく、第2の層の表面保護機能が なわれることがない。

 基体と第1の層との間に中間層が形成され る場合、及び、第2の層上に被覆層が形成さ る場合は、親水性若しくは疎水性又は撥水 若しくは撥油性の中間層及び/又は被覆層を 用することにより、それらの性質を利用し 、更に長期間に亘って、基体表面への汚染 質の付着を防止乃至低減することができる

 本発明の方法により処理された基体は太 光等の作用自体にも高い抵抗性を有し、太 光等による光劣化から基体を良好に保護す ことができる。また、本発明の方法により 理された基体は空気中だけでなく水中にお る汚染に対しても高い抵抗性を示す。

 これらの作用により、本発明は、基体の 色乃至変色を長期に亘って防止乃至低減す ことができる。したがって、本発明は、航 機、自動車、電車、列車、実験機器、工作 械、建材等の、汚染物質に曝される様々な 品の表面処理に好適に使用することができ 。本発明は、特に、屋外で多くの汚染物質 曝される自動車用タイヤホイールへ適用す ことができ、当該タイヤホイール表面の汚 を長期に亘って回避することができる。

本発明における正電荷付与機構の一例 示す概念図 正電荷を帯びる基体表面から汚染物質 除去される機構を示す概念図 本発明における正電荷及び負電荷付与 構の一例を示す概念図 本発明における正電荷及び負電荷付与 構の他の例を示す概念図 正電荷及び負電荷を帯びる基体表面か 汚染物質が除去される機構を示す概念図 金属ドープ酸化チタンの第1の製造方法 の一例の概略を示す図 基体上の第1の層及び第2の層の配置の 々な態様を示す図 参考1の試験結果を示す図 評価3の試験結果を示す図 評価3の試験結果を示す写真

 本発明は、基体表面上又は基体表面層中 、負電荷物質を含む第1の層、並びに、正電 荷物質、又は、正電荷物質及び負電荷物質を 含む第2の層を前記基体側から順に配置する とにより、基体表面の汚染を防止若しくは 減し、又は、基体表面を親水性化して、基 表面を保護することを特徴とする。

 本発明の対象となる基体は特に限定され ものではなく、各種の、親水性又は疎水性 無機系基体及び有機系基体、或いは、それ の組み合わせを使用することができる。

 無機系基体としては、例えば、ソーダラ ムガラス等の透明又は不透明ガラス、ジル ニア等の金属酸化物、セラミックス、コン リート、モルタル、石材、金属等の物質か なる基体が挙げられる。また、有機系基体 しては、例えば、有機樹脂、木材、紙等の 質からなる基体が挙げられる。有機樹脂を り具体的に例示すると、例えば、ポリエチ ン、ポリプロピレン、ボリカーボネート、 クリル樹脂、PET等のポリエステル、ポリア ド、ポリウレタン、ABS樹脂、ポリ塩化ビニ 、シリコーン、メラミン樹脂、尿素樹脂、 リコーン樹脂、フッ素樹脂、セルロース、 ポキシ変性樹脂等が挙げられる。

 基体の形状は特に限定されるものではな 、立方体、直方体、球形、シート形、繊維 等の任意の形状をとることができる。なお 基体は多孔質であってもよい。基体表面は ロナ放電処理又は紫外線照射処理等によっ 親水性化されていてもよい。基体としては 例えば、航空機、自動車、電車、列車、実 機器、工作機械、建材、シーリング材、自 車用タイヤホイール等の他に、各種の機器 装置本体、表示画面が挙げられる。

 基体表面上又は基体表面層中に配置され 第1の層は負電荷物質を含有する。負電荷物 質としては、例えば、陰イオン;負電荷を有 る導電体又は誘電体;負電荷を有する導電体 誘電体又は半導体との複合体;或いは、これ らの混合物が挙げられる。

 前記陰イオンとしては、特に限定される のではないが、フッ化物イオン、塩化物イ ン、ヨウ化物イオン等のハロゲン化物イオ ;水酸化物イオン、硫酸イオン、硝酸イオン 、炭酸イオン等の無機系イオン;酢酸イオン の有機系イオンが挙げられる。イオンの価 も特に限定されるものではなく、例えば、1~ 4価の陰イオンが使用可能である。

 負電荷を有する導電体又は誘電体として 、上記の陰イオン以外の、負電荷が発生し 導電体又は誘電体を挙げることができ、例 ば、後述する各種の導電体からなる電池の 電極、並びに、負に帯電したテフロン、塩 ビニル、ポリエチレン、ポリエステル等の 電体が挙げられる。

 本発明では、前記第1の層上に正電荷物質 を含む第2の層が配置される。

 基体表面の退色乃至変色の原因の一つで る汚染物質は、大気中に浮遊しているカー ン等の無機物質及び/又は油等の有機物質が 基体表面に徐々に堆積することによって基体 表面に付着していく。

 本発明は、第2の層がもたらす静電的な反 発作用によって、これらの汚染物質を基体か ら除去し、又は、これらの汚染物質の基体へ の付着を回避乃至低減することを可能とする 。

 主に屋外の大気中に浮遊している汚染物 、特に油分は、太陽光をはじめとして各種 電磁波により、いわゆる光酸化反応を受け 「酸化」された状態にあるといわれている

 光酸化反応とは、太陽光をはじめとした電 波の作用により、有機物又は無機物表面の 分(H 2 O)、酸素(O 2 )からヒドロキシルラジカル(・OH)や一重項酸 ( 1 O 2 )が生成される際に当該有機物又は無機物か 電子(e - )が引き抜かれて酸化される現象をいう。こ 酸化により、有機物では分子構造が変化し 劣化と称される変色又は脆化現象がみられ 無機物、特に金属では錆が発生する。これ 「酸化」された有機物又は無機物の表面は 電子(e - )の引き抜きにより、正に帯電する。

 本発明では、基体上の第2の層に正電荷を 付与することにより、前記有機物又は無機物 を、静電反発力を利用して基体表面から自然 に離脱させる。第2の層に正電荷を付与する 法としては、例えば、陽イオン;正電荷を有 る導電体又は誘電体;正電荷を有する導電体 と誘電体又は半導体との複合体;或いは、こ らの混合物から選択される正電荷物質を第2 層とする方法が挙げられる。

 前記陽イオンとしては、特に限定される のではないが、ナトリウム、カリウム等の ルカリ金属のイオン;カルシウム等のアルカ リ土類金属のイオン;アルミニウム、セシウ 、インジウム、セリウム、セレン、クロム コバルト、ニッケル、アンチモン、鉄、銅 マンガン、タングステン、ジルコニウム、 鉛等の他の金属元素のイオンが好ましく、 に銅イオンが好ましい。更に、メチルバイ レット、ビスマルクブラウン、メチレンブ ー、マラカイトグリーン等のカチオン性染 、第4級窒素原子含有基により変性されたシ コーン等のカチオン基を備えた有機分子も 用可能である。イオンの価数も特に限定さ るものではなく、例えば、1~4価の陽イオン 使用可能である。

 前記金属イオンの供給源として、金属塩 使用することも可能である。具体的には、 化アルミニウム、塩化クロム、塩化ニッケ 、塩化第1及び第2アンチモン、塩化第1及び 2鉄、塩化セシウム、三塩化インジウム、塩 化第1セリウム、四塩化セレン、塩化第2銅、 化マンガン、四塩化タングステン、オキシ 塩化タングステン、タングステン酸カリウ 、オキシ塩化ジルコニウム、塩化亜鉛、炭 バリウム等の各種の金属塩が挙げられる。 に、水酸化アルミニウム、水酸化鉄、水酸 クロム、水酸化インジウム等の金属水酸化 、ケイタングステン酸等の水酸化物、また 、油脂酸化物等の酸化物等も使用可能であ 。

 正電荷を有する導電体又は誘電体として 、上記の陽イオン以外の、正電荷が発生し 導電体又は誘電体を挙げることができ、例 ば、後述する各種の導電体からなる電池の 電極、並びに、摩擦により正に帯電した羊 、ナイロン等の誘電体が挙げられる。

 導電体と誘電体又は半導体との複合体に って正電荷を付与する原理を図1に示す。図 1は第2の層として、導電体-誘電体又は半導体 -導電体の組み合わせを配列した概念図であ 。導電体は、内部に自由に移動できる自由 子が高い濃度で存在することによって、表 に正電荷状態を有することができる。なお 導電体として正イオンを含む導電性物質を 用することも可能である。一方、導電体に 接する誘電体又は半導体は、導電体の表面 荷状態の影響により誘電分極される。この 果、導電体に隣接する側には負電荷が、ま 、非隣接側には正電荷が誘電体又は半導体 発生する。これらの作用により導電体-誘電 又は半導体-導電体の組み合わせの表面は正 電荷を帯びることとなり、第2の層に正電荷 付与される。

 次に、正電荷を帯びる第2の層表面から汚 染物質が除去される機構を図2に示す。なお 図2では第1の層の図示を省略する。

 図2に示す態様では、第2の層として、陽 オン;正電荷を有する導電体又は誘電体;正電 荷を有する導電体と誘電体又は半導体との複 合体;或いは、これらの混合物を配置するこ により、第2の層に正電荷を付与する(図2-(1)) 。

 第2の層表面に汚染物質が堆積し、太陽光 等の電磁波の作用により光酸化される。こう して汚染物質にも正電荷が付与される(図2-(2) )。

 第2の層表面と汚染物質との間に正電荷同 士の静電反発が発生し、反発離脱力が汚染物 質に発生する。これにより、第2の層表面へ 汚染物質の固着力が低減される(図2-(3))。

 風雨等の物理的な作用により、汚染物質 第2の層から容易に除去される(図2-(4))。こ により、基体はセルフクリーニングされる

 上記のように正電荷を第2の層に付与する ことによって、正電荷を帯びた汚染物質の基 体表面への付着を回避することができる。し かし、その一方で、汚染物質の中には水道水 中の塩化物イオン等のように負電荷を帯びた もの、正電荷を当初有していたが他物体との 相互作用(摩擦等)により負電荷を帯びるに至 たもの等が存在する。このような負電荷を びた汚染物質は正電荷のみを帯びた基体表 に容易に吸着される。そこで、第2の層は、 正電荷及び負電荷を共に有していてもよい。 これにより、負電荷を有する汚染物質が基体 表面に付着することを防止することができる 。

 また、正電荷又は負電荷の帯電量が比較 少ない絶縁物(例えばシリコーンオイル)か なる汚染物質は、当該物質の種類によって 、基体表面に強い正電荷又は負電荷のみが 在すると、その汚染物質の表面電荷が反転 てしまい、結果的に当該基体表面に当該汚 物質が吸着する恐れがあるので、正電荷及 負電荷の両者を共存させることによって、 のような吸着を回避することができる。

 第2の層に負電荷を付与する方法としては 、例えば、既述したような、陰イオン;負電 を有する導電体又は誘電体;負電荷を有する 電体と誘電体又は半導体との複合体;光触媒 機能を有する物質、或いは、これらの混合物 から選択される負電荷物質を第2の層に配合 る方法が挙げられる。

 光触媒機能を有する物質としては、特定の 属化合物を含んでおり、光励起により当該 表面の有機及び/又は無機化合物を酸化分解 する機能を有するものを使用することができ る。光触媒の原理は、特定の金属化合物が光 励起により、空気中の水又は酸素からOH - やO 2 - のラジカル種を発生させ、このラジカル種が 有機及び/又は無機化合物を酸化還元分解す ことであると一般的に理解されている。

 前記金属化合物としては、代表的な酸化チ ン(TiO 2 )の他、ZnO、SrTiOP 3 、CdS、CdO、CaP、InP、In 2 O 3 、CaAs、BaTiO 3 、K 2 NbO 3 、Fe 2 O 3 、Ta 2 O 5 、WO 3 、NiO、Cu 2 O、SiC、SiO 2 、MoS 3 、InSb、RuO 2 、CeO 2 等が知られている。

 光触媒機能を有する物質は光触媒性能が 上する金属(Ag、Pt)を含んでいてもよい。ま 、金属塩等の各種物質を、光触媒機能を失 させない程度の範囲で含むことできる。前 金属塩としては、例えば、アルミニウム、 、クロム、ニッケル、アンチモン、鉄、銀 セシウム、インジウム、セリウム、セレン 銅、マンガン、カルシウム、白金、タング テン、ジルコニウム、亜鉛等の金属塩があ 、それ以外にも一部の金属或いは非金属等 ついては水酸化物又は酸化物も使用可能で る。具体的には、塩化アルミニウム、塩化 一及び第二錫、塩化クロム、塩化ニッケル 塩化第一及び第二アンチモン、塩化第一及 第二鉄、硝酸銀、塩化セシウム、三塩化イ ジウム、塩化第一セリウム、四塩化セレン 塩化第二銅、塩化マンガン、塩化カルシウ 、塩化第二白金、四塩化タングステン、オ シ二塩化タングステン、タングステン酸カ ウム、塩化第二金、オキシ塩化ジルコニウ 、塩化亜鉛等の各種金属塩が例示できる。 た、金属塩以外の化合物としては、水酸化 ンジウム、ケイタングステン酸、シリカゾ 、水酸化カルシウム等が例示できる。

 前記の光触媒機能を有する物質は、励起状 においてはその物質表面の物理的吸着水や 素からOH - (水酸化ラジカル)、O 2 - (酸素化ラジカル)を吸着させて、その表面は イオンの特性を有しているが、そこに正電 物質を共存させると、その濃度比に合せて いわゆる光触媒活性は低下もしくは喪失す 。しかし、本発明では、光触媒機能を有す 物質が汚染物質に対して酸化分解作用をす 必要はないので、負電荷物質として使用で る。

 図3は、第2の層に正電荷及び負電荷の両 を付与する一つの態様を示す概念図であり 誘電体又は半導体-負電荷を有する導電体-誘 電体又は半導体-正電荷を有する導電体の組 合わせを第2の層とした例である。図3に示す 負電荷を有する導電体及び正電荷を有する導 電体としては、既述したものを使用すること ができる。

 図3に示すように、負電荷を有する導電体 に隣接する誘電体又は半導体は、導電体の表 面電荷状態の影響により誘電分極される。こ の結果、負電荷を有する導電体に隣接する側 には正電荷が、また、正電荷を有する導電体 に隣接する側には負電荷が誘電体又は半導体 に発生する。これらの作用により図3に示す 電体又は半導体-導電体-誘電体又は半導体- 電体の組み合わせの表面は正電荷又は負電 を帯びることとなる。前記導電体と誘電体 は半導体との複合体のサイズ(複合体を通過 る最長軸の長さをいう)は1nmから100μm、好ま しくは1nmから10μm、より好ましくは1nmから1μm 、より好ましくは1nmから100nmの範囲とするこ ができる。 

 図4は、第2の層に正電荷及び負電荷を付 する他の態様を示す概念図である。 

 図4では、負電荷を有する導電体と正電荷 を有する導電体とが隣接し、正電荷及び負電 荷が接触消滅等して少ない状態である。なお 、負電荷を有する導電体及び正電荷を有する 導電体としては、既述したものを使用するこ とができる。

 次に、正電荷及び負電荷を帯びる第2の層 表面から汚染物質が除去される機構を図5に す。なお、図5では第1の層の図示を省略する 。

 この態様では、第2の層として、陰イオン ;負電荷を有する導電体又は誘電体;負電荷を する導電体と誘電体又は半導体との複合体; 光触媒機能を有する物質、或いは、これらの 混合物から選択される負電荷物質を配置する ことにより、第2の層に正電荷及び負電荷を 与する(図5(1))。

 第2の層表面に汚染物質が堆積し、太陽光 等の電磁波の作用により光酸化される。こう して汚染物質にも正電荷が付与される(図5(2)) 。

 第2の層表面と汚染物質との間に正電荷同 士の静電反発が発生し、反発離脱力が汚染物 質に発生する。これにより、第2の層表面へ 汚染物質の固着力が低減される(図5(3))。

 風雨等の物理的な作用により、汚染物質 第2の層から容易に除去される(図5(4))。これ により、基体はセルフクリーニングされる。

 そして、第2の層表面には負電荷も存在す るために、カリオン粘土微粉末、塩化物イオ ン等のような負電荷を有する汚染物質又は汚 染誘引物質も同様に反発されて第2の層表面 の固着力が低減される。

 本発明において使用される導電体は耐久 の点から金属が望ましく、アルミニウム、 、セシウム、インジウム、セリウム、セレ 、クロム、ニッケル、アンチモン、鉄、銀 銅、マンガン、白金、タングステン、ジル ニウム、亜鉛等の金属が挙げられる。また これらの金属の複合体又は合金も使用する とができる。導電体の形状は特に限定され ものではなく、粒子状、薄片状、繊維状等 任意の形状をとることができる。

 導電体としては、一部の金属の金属塩も 用可能である。具体的には、塩化アルミニ ム、塩化第1及び第2錫、塩化クロム、塩化 ッケル、塩化第1及び第2アンチモン、塩化第 1及び第2鉄、硝酸銀、塩化セシウム、三塩化 ンジウム、塩化第1セリウム、四塩化セレン 、塩化第2銅、塩化マンガン、塩化第2白金、 塩化タングステン、オキシ二塩化タングス ン、タングステン酸カリウム、塩化第2金、 オキシ塩化ジルコニウム、塩化亜鉛等の各種 の金属塩が例示できる。また、水酸化インジ ウム、ケイタングステン酸等の水酸化物又は 酸化物等も使用可能である。

 導電体としては、ポリアニリン、ポリピ ール、ポリチオフェン、ポリチオフェンビ ロン、ポリイソチアナフテン、ポリアセチ ン、ポリアルキルピロール、ポリアルキル オフェン、ポリ-p-フェニレン、ポリフェニ ンビニロン、ポリメトキシフェニレン、ポ フェニレンスルファイド、ポリフェニレン キシド、ポリアントラセン、ポリナフタレ 、ポリピレン、ポリアズレン等の導電性高 子も使用可能である。

 本発明で使用される複合体を構成する半導 としては、例えば、C、Si、Ge、Sn、GaAs、Inp GeN、ZnSe、PbSnTe等があり、半導体酸化金属や 半導体金属、光半導体酸化金属も使用可能 ある。好ましくは、酸化チタン(TiO 2 )の他に、ZnO、SrTiOP 3 、CdS、CdO、CaP、InP、In 2 O 3 、CaAs、BaTiO 3 、K 2 NbO 3 、Fe 2 O 3 、Ta 2 O 3 、WO 3 、NiO、Cu 2 O、SiC、SiO 2 、MoS 3 、InSb、RuO 2 、CeO 2 等が使用されるが、半導体として使用する場 合は、Na等で光触媒能を不活性化したものが ましい。

 本発明で使用される複合体を構成する誘電 としては、強誘電体であるチタン酸バリウ (PZT)いわゆるSBT、BLTや次に挙げる PZT、PLZT (Pb、La)(Zr、Ti)O 3 、SBT、SBTN―SrBi 2 (Ta、Nb) 2 O 9 、BST―(Ba、Sr)TiO 3 、LSCO―(La、Sr)CoO 3 、BLT、BIT―(Bi、La) 4 Ti 3 O 12 、BSO―Bi 2 SiO 5 等の複合金属が使用可能である。また、有機 ケイ素化合物であるシラン化合物、シリコー ン化合物、いわゆる有機変性シリカ化合物、 また、有機ポリマー絶縁膜アリレンエーテル 系ポリマー、ベンゾシクロブテン、フッ素系 ポリマーパリレンN、またはF、フッ素化アモ ファス炭素等の各種低誘電材料も使用可能 ある。

 正又は負電荷を有する導電体と誘電体又は 導体との複合体としては、基体表面に正電 及び負電荷を付与可能なものであれば、任 の導電体と誘電体又は半導体との組み合わ を使用可能であるが、基体表面のセルフク ーニング化の点では、金属ドープ酸化チタ を使用することが好ましい。前記金属とし は、金、銀、白金、銅、ジルコニウム、錫 マンガン、ニッケル、コバルト、鉄及び亜 からなる群から選択された金属元素の少な とも1つが好ましく、少なくとも2つがより ましく、特に、銀又は錫、並びに、銅又は が好ましい。酸化チタンとしてはTiO 2 、TiO 3 、TiO、TiO 3 /nH 2 O等の各種の酸化物、過酸化物が使用可能で る。特に、ペルオキソ基を有する過酸化チ ンが好ましい。酸化チタンはアモルファス 、アナターゼ型、ブルッカイト型、ルチル のいずれでもよく、これらが混在していて よいが、アモルファス型酸化チタンが好ま い。

 アモルファス型酸化チタンは光触媒機能 有さない。一方、アナターゼ型、ブルッカ ト型及びルチル型の酸化チタンは光触媒機 を有するが、銅、マンガン、ニッケル、コ ルト、鉄又は亜鉛を一定濃度以上に複合さ ると光触媒機能を喪失する。したがって、 記金属ドープチタン酸化物は光触媒機能を さないものである。なお、アモルファス型 化チタンは太陽光加熱等により経時的にア ターゼ型酸化チタンに変換されるが、銅、 ルコニウム、錫、マンガン、ニッケル、コ ルト、鉄又は亜鉛と複合させるとアナター 型酸化チタンは光触媒機能を失うので、結 のところ、前記金属ドープチタン酸化物は 時的に光触媒機能を示さないものである。 方、金、銀、白金をドープしたチタン酸化 は、酸化チタンがアモルファス型からアナ ーゼ型に変換した場合は光触媒性能を有す ようになるが、正電荷物質が一定濃度以上 存する場合は光触媒性能を示さないため、 記金属ドープチタン酸化物を使用した場合 も経時的に光触媒機能を有さないものであ 。

 正もしくは負電荷層を形成する前記金属 ープチタン酸化物の製造方法としては、一 的な二酸化チタン粉末の製造方法である塩 法又は硫酸法をベースとする製造方法を採 してもよいし、各種の液体分散チタニア溶 の製造方法を採用してもよい。そして、上 金属は、製造段階の如何を問わずチタン酸 物と複合化することができる。

 例えば、前記金属ドープチタン酸化物の 体的な製造方法としては、以下の第1~第3の 造方法、並びに、従来から知られているゾ -ゲル法が挙げられる。

第1の製造方法
 まず、四塩化チタン等の四価チタンの化合 とアンモニア等の塩基とを反応させて、水 化チタンを形成する。次に、この水酸化チ ンを酸化剤でペルオキソ化し、超微細粒子 アモルファス型過酸化チタンを形成する。 の反応は好ましくは水性媒体中で行なわれ 。さらに、任意に加熱処理することにより ナターゼ型過酸化チタンに転移させること 可能である。上記の各工程のいずれかにお て、正電荷又は負電荷を有する金属元素と て、例えば、金、銀、白金、錫、銅、ジル ニウム、錫、マンガン、ニッケル、コバル 、鉄、亜鉛又はそれらの化合物の少なくと いずれか1つが混合される。

 ペルオキソ化用酸化剤は特に限定される のではなく、チタンのペルオキソ化物、す わち過酸化チタンが形成できるものであれ 各種のものが使用できるが、過酸化水素が ましい。酸化剤として過酸化水素水を使用 る場合は、過酸化水素の濃度は特に制限さ ることはないが、30~40%のものが好適である ペルオキソ化前には水酸化チタンを冷却す ことが好ましい。その際の冷却温度は1~5℃ 好ましい。

 図6に上記第1の製造方法の一例を示す。 示される製造方法では、四塩化チタン水溶 とアンモニア水とを、金、銀、白金、銅、 ルコニウム、錫、マンガン、ニッケル、コ ルト、鉄、亜鉛の化合物の少なくとも1つの 在下で混合し、当該金属の水酸化物及びチ ンの水酸化物の混合物を生成させる。その の反応混合液の濃度及び温度については、 に限定されるわけではないが、希薄且つ常 とすることが好ましい。この反応は中和反 であり、反応混合液のpHは最終的に7前後に 整されることが好ましい。

 このようにして得られた金属及びチタン 水酸化物は純水で洗浄した後、5℃前後に冷 却され、次に、過酸化水素水でペルオキソ化 される。これにより、金属がドープされた、 アモルファス型のペルオキソ基を有するチタ ン酸化物微細粒子を含有する水性分散液、す なわち金属ドープチタン酸化物を含有する水 性分散液を製造することができる。

第2の製造方法
 四塩化チタン等の四価チタンの化合物を酸 剤でペルオキソ化し、これとアンモニア等 塩基とを反応させて超微細粒子のアモルフ ス型過酸化チタンを形成する。この反応は ましくは水性媒体中で行なわれる。さらに 任意に加熱処埋することによりアナターゼ 過酸化チタンに転移させることも可能であ 。上記の各工程のいずれかにおいて、正電 又は負電荷を有する金属元素として、例え 、金、銀、白金、銅、ジルコニウム、錫、 ンガン、ニッケル、コバルト、鉄、亜鉛又 それらの化合物の少なくともいずれか1つが 混合される。

第3の製造方法
 四塩化チタン等の四価チタンの化合物を、 化剤及び塩基と同時に反応させて、水酸化 タン形成とそのペルオキソ化とを同時に行 、超微細粒子のアモルファス型過酸化チタ を形成する。この反応は好ましくは水性媒 中で行なわれる。さらに、任意に加熱処埋 ることによりアナターゼ型過酸化チタンに 移させることも可能である。上記の各工程 いずれかにおいて、正電荷又は負電荷を有 る金属元素として、例えば、金、銀、白金 銅、ジルコニウム、錫、マンガン、ニッケ 、コバルト、鉄、亜鉛又はそれらの化合物 少なくともいずれか1つが混合される。

 なお、第1乃至第3の製造方法において、 モルファス型過酸化チタンと、これを加熱 て得られるアナターゼ型過酸化チタンとの 合物を金属ドープチタン酸化物として使用 きることは言うまでもない。

ゾル-ゲル法による製造方法
 チタンアルコキシドに、水、アルコール等 溶媒、酸又は塩基触媒を混合撹拌し、チタ アルコキシドを加水分解させ、超微粒子の タン酸化物のゾル溶液を生成する。この加 分解の前後のいずれかに、正電荷又は負電 を有する金属元素として、例えば、金、銀 白金、銅、ジルコニウム、錫、マンガン、 ッケル、コバルト、鉄、亜鉛又はそれらの 合物の少なくともいずれか1つが混合される 。なお、このようにして得られるチタン酸化 物は、ペルオキソ基を有するアモルファス型 である。

 上記チタンアルコキシドとしては、一般式: Ti(OR´) 4 (ただし、R´はアルキル基)で表示される化合 、又は上記一般式中の1つ或いは2つのアル キシド基(OR´)がカルボキシル基或いはβ-ジ ルボニル基で置換された化合物、或いは、 れらの混合物が好ましい。

 上記チタンアルコキシドの具体例としては Ti(O-isoC 3 H 7 ) 4 、Ti(O-nC 4 H 9 ) 4 、Ti(O-CH 2 CH(C 2 H 5 )C 4 H 9 ) 4 、Ti(O-C 17 H 35 ) 4 、Ti(O-isoC 3 H 7 ) 2 [CO(CH 3 )CHCOCH 3 ] 2 、Ti(O-nC 4 H 9 ) 2 [OC 2 H 4 N(C 2 H 4 OH) 2 ] 2 、Ti(OH) 2 [OCH(CH 3 )COOH] 2 、Ti(OCH 2 CH(C 2 H 5 )CH(OH)C 3 H 7 ) 4 、Ti(O-nC 4 H 9 ) 2 (OCOC 17 H 35 )等が挙げられる。

四価チタンの化合物
 金属ドープチタン酸化物の製造に使用する 価チタンの化合物としては、塩基と反応さ た際に、オルトチタン酸(H 4 TiO 4 )とも呼称される水酸化チタンを形成できる のであれば各種のチタン化合物が使用でき 例えば四塩化チタン、硫酸チタン、硝酸チ ン、燐酸チタン等のチタンの水溶性無機酸 がある。それ以外にも蓚酸チタン等のチタ の水溶性有機酸塩も使用できる。なお、こ らの各種チタン化合物の中では、水溶性に に優れ、かつ金属ドープチタン酸化物の分 液中にチタン以外の成分が残留しない点で 四塩化チタンが好ましい。

 また、四価チタンの化合物の溶液を使用 る場合は、当該溶液の濃度は、水酸化チタ のゲルが形成できる範囲であれば特に制限 れるものではないが、比較的希薄な溶液が ましい。具体的には、四価チタンの化合物 溶液濃度は、5~0.01wt%が好ましく、0.9~0.3wt%が より好ましい。

塩基
 上記四価チタンの化合物と反応させる塩基 、四価チタンの化合物と反応して水酸化チ ンを形成できるものであれば、各種のもの 使用可能であり、それにはアンモニア、苛 ソーダ、炭酸ソーダ、苛性カリ等が例示で るが、アンモニアが好ましい。

 また、上記の塩基の溶液を使用する場合 、当該溶液の濃度は、水酸化チタンのゲル 形成できる範囲であれば特に制限されるも ではないが、比較的希薄な溶液が好ましい 具体的には、塩基溶液の濃度は、10~0.01wt%が 好ましく、1.0~0.1wt%がより好ましい。特に、 基溶液としてアンモニア水を使用した場合 アンモニアの濃度は、10~0.01wt%が好ましく、1 .0~0.1wt%がより好ましい。

金属化合物
 金、銀、白金、銅、ジルコニウム、錫、マ ガン、ニッケル、コバルト、鉄又は亜鉛の 合物としては、それぞれ以下のものが例示 きる。
 Au化合物:AuCl、AuCl 3 、AuOH、Au(OH) 2 、Au 2 O、Au 2 O 3
 Ag化合物:AgNO 3 、AgF、AgClO 3 、AgOH、Ag(NH 3 )OH、Ag 2 SO 4
 Pt化合物:PtCl 2 、PtO、Pt(NH 3 )Cl 2 、PtO 2 、PtCl 4 、〔Pt(OH) 6 2-
 Ni化合物:Ni(OH) 2 、NiCl 2
 Co化合物:Co(OH)NO 3 、Co(OH) 2 、CoSO 4 、CoCl 2
 Cu化合物:Cu(OH) 2 、Cu(NO 3 ) 2 、CuSO 4 、CuCl 2 、Cu(CH 3 COO) 2
 Zr化合物:Zr(OH) 3 、ZrCl 2 、ZrCl 4
 Sn化合物:SnCl 2 、SnCl 4 、[Sn(OH)] +  
 Mn化合物:MnNO 3 、MnSO 4 、MnCl 2
 Fe化合物:Fe(OH) 2 、Fe(OH) 3 、FeCl 3
 Zn化合物:Zn(NO 3 ) 2 、ZnSO 4 、ZnCl 2

 第1乃至第3の製造方法で得られる水性分 液中の過酸化チタン濃度(共存する金、銀、 金、銅、ジルコニウム、錫、マンガン、ニ ケル、コバルト、鉄又は亜鉛を含む合計量) は、0.05~15wt%が好ましく、0.1~5wt%がより好まし い。また、正電荷又は負電荷を有する金属元 素、例えば、金、銀、白金、銅、ジルコニウ ム、錫、マンガン、ニッケル、コバルト、鉄 又は亜鉛の配合量については、チタンと金属 成分とのモル比で、本発明からは1:1が望まし いが、水性分散液の安定性から1:0.01~1:0.5が好 ましく、1:0.03~1:0.1がより好ましい。

 図7は、基体上の第1の層と第2の層の配置 様々な態様を示す図である。なお、図7に示 す態様では、第2の層は正電荷物質のみを含 が、第2の層は正電荷物質と共に負電荷物質 含んでもよい。

 図7(a)は、第1の層を基体表面上に直接形 する態様を示す。第1の層及び第2の層の層厚 は特に限定されるものではないが、10nm~1μmの 範囲が好ましく、10nm~100nmの範囲がより好ま い。

 図7(a)に示す第1の層及び第2の層の配置は 例えば、スパッタリング、溶射法、イオン レーティング(陰極アーク放電型)、CVDコー ィング、電着塗装や一般的なスプレーコー ィングにより形成することができる。

 また、既述した負電荷物質を含む溶液、 濁液若しくはエマルジョン中に基体を浸漬 てディップコーティングを行い、或いは、 記溶液、懸濁液若しくはエマルジョンを基 上にスプレー、ロール、刷毛、スポンジ等 塗布した後に、乾燥して溶媒乃至媒体を揮 させる工程を少なくとも1回行うことによっ て第1の層を形成し、更に、既述した正電荷 質を含む溶液、懸濁液若しくはエマルジョ 中に基体を浸漬してディップコーティング 行い、或いは、前記溶液、懸濁液若しくは マルジョンを基体上にスプレー、ロール、 毛、スポンジ等で塗布後に乾燥する工程を なくとも1回行うことによって第2の層を形成 することもできる。

 層中の正電荷物質又は負電荷物質の分散 促進するために、各種の界面活性剤又は分 剤を正電荷物質又は負電荷物質と共存させ ことが好ましい。界面活性剤又は分散剤の 合量は、正電荷物質又は負電荷物質の総量 0.001~1.0重量%、好ましくは0.1~1.0重量%の範囲 することができる。

 界面活性剤又は分散剤としては、各種の 機ケイ素化合物を使用することができる。 機ケイ素化合物としては各種のシラン化合 並びに各種のシリコーンオイル、シリコー ゴム及びシリコーンレジンが使用可能であ が、分子中にアルキルシリケート構造やポ エーテル構造を有するもの、又はアルキル リケート構造とポリエーテル構造の両方を するものが望ましい。

 ここで、アルキルシリケート構造とは、 ロキサン骨格のケイ素原子にアルキル基が 合した構造をさす。一方、ポリエーテル構 とは、これらに限定されるものではないが 具体的には、ポリエチレンオキサイド、ポ プロピレンオキサイト、ポリテトラメチレ オキサイド、ポリエチレンオキサイド―ポ プロピレンオキサイドブロック共重合体、 リエチレンポリテトラメチレングリコール 重合体、ポリテトラメチレングリコール― リプロピレンオキサイド共重合体等の分子 造が挙げられる。そのなかでも、ポリエチ ンオキサイド―ポリプロピレンオキサイド ロック共重合体は、そのブロック度や分子 により、濡れ性を制御できる観点からもさ に好適である。

 分子中にアルキルシリケート構造とポリ ーテル構造の双方を有する有機物質が特に ましい。具体的には、ポリエーテル変性ポ ジメチルシロキサン等のポリエーテル変性 リコーンが好適である。これは公知の方法 製造することができ、例えば、特開平4―242 499号公報の合成例1,2,3,4や、特開平9-165318号公 報の参考例記載の方法等により製造すること ができる。特に、両末端メタリルポリエチレ ンオキサイド-ポリプロピレンオキサイドブ ック共重合体とジヒドロポリジメチルシロ サンとを反応させて得られるポリエチレン キサイド-ポリプロピレンオキサイドブロッ 共重合体変性ポリジメチルシロキサンが好 である。

 具体的には、TSF4445、TSF4446(GE東芝シリコ ン(株)製)、SH200、SH3746M(東レ・ダウコーニン (株)製)、KPシリーズ(信越化学工業(株)製)、 びに、DC3PA、ST869A(東レ・ダウコーニング(株 )製)等を用いることができる。これらは塗料 添加剤であるが、その他、塗料用以外でも これらの性能が付与できるものであれば適 使用することができる。

 図7(a)に示す第1の層及び第2の層の配置は 例えば、金コロイド、銀コロイド、白金コ イド、錫コロイド等の負電荷を有する導電 の分散液に0.01~1.0質量%のポリエーテル変性 リコーンを配合して得られた混合液を基体 にスプレー塗布し、乾燥する工程、並びに 鉄イオン、亜鉛イオン、コバルトイオン、 ッケルイオン、銅イオン等の正電荷を有す 導電体の分散液に0.01~1.0質量%のポリエーテ 変性シリコーンを配合して得られた混合液 基体上にスプレー塗布し、乾燥する工程を て得ることができる。

 なお、前記他の成分が基体の構成材料で ある場合は、例えば、注型成形中に、基体 構成する成分の未硬化液に、当該液より高 重の正電荷物質の所定量を混入し、所定時 放置後に当該液より高比重の負電荷物質の 定量を混入し、その後に、当該液を硬化さ ることによって図7(a)に示す配置を得ること もできる。

 なお、第1の層及び/又は第2の層には、赤 線吸収剤又は反射剤、紫外線吸収剤又は反 剤、電磁波遮蔽剤等の各種の添加剤を配合 てもよい。その場合には、正電荷物質若し は負電荷物質との整合性を考慮の上で、添 剤の使用量が決定される。

 図7(b)は、基体表面と、第1の層との間に 中間層を設ける態様を示す。

 図7(c)は、第2の層の表面上に、被覆層を ける態様を示す。この場合は、静電誘導に り、第2の層の電荷分布と同一の電荷分布を 覆層上に形成することができる。

 前記中間層及び被覆層は、例えば、基体 親水性若しくは疎水性又は撥水性若しくは 油性を付与することのできる各種の有機又 無機物質からなることができる。

 親水性の有機物質としては、ポリエチレ グリコール、ポリプロピレングリコール、 リエチレングリコール-ポリプロピレングリ コールブロック共重合体等のポリエーテル; リビニルアルコール;ポリアクリル酸(アルカ リ金属塩、アンモニウム塩等の塩を含む)、 リメタクリル酸(アルカリ金属塩、アンモニ ム塩等の塩を含む)、ポリアクリル酸-ポリ タクリル酸(アルカリ金属塩、アンモニウム 等の塩を含む)共重合体;ポリアクリルアミ ;ポリビニルピロリドン;カルボキシメチルセ ルロース(CMC)、メチルセルロース(MC)等の親水 性セルロース類;多糖類等の天然親水性高分 化合物等が挙げられる。これらの高分子材 にガラス繊維、炭素繊維、シリカ等の無機 誘電体を配合して複合化したものも使用可 である。また、上記の高分子材料として塗 を使用することも可能である。

 親水性の無機材料としては、例えば、SiO 2 又はその他のケイ素化合物が挙げられる。

 撥水性の有機物質としては、ポリエチレ 、ポリプロピレン、ポリスチレン等のポリ レフィン;ポリアクリレート、アクリロニト リル・スチレン共重合体(AS)、アクリロニト ル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)等の アクリル樹脂;ポリアクリロニトリル;ポリ塩 ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のポリハロ ン化ビニル;ポリテトラフルオロエチレン、 フルオロエチレン・プロピレン共重合体、ポ リクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリ ニリデンフルオライド(PVDF)、フッ化ビニリ ン・トリフルオロエチレン共重合体等のフ 素樹脂;ポリエチレンテレフタラート、ポリ ーボネート等のポリエステル;フェノール樹 脂;ユリア樹脂;メラミン樹脂;ポリイミド樹脂 ;ナイロン等のポリアミド樹脂;エポキシ樹脂; ポリウレタン等が挙げられる。

 撥水性の有機物質としてはフッ素樹脂が ましく、特に、強誘電性と撥水性を有する ッ化ビニリデン・トリフルオロエチレン共 合体、ポリビニリデンフルオライドのβ型 晶体及びそれを含有するものが好ましい。 ッ素樹脂としては市販のものを使用するこ が可能であり、市販品としては、例えば、NT T-AT(株)製のHIREC1550等が挙げられる。

 更に、フッ素原子を含有するオレフィン 2種以上からなる共重合体、フッ素原子を含 有するオレフィンと炭化水素モノマーとの共 重合体、およびフッ素原子を含有するオレフ ィンの2種以上からなる共重合体と熱可塑性 クリル樹脂との混合物からなる群より選ば た少なくとも1種のフッ素樹脂と界面活性剤 らなるフッ素樹脂エマルジョン、並びに硬 剤(特開平5-124880号公報、特開平5-117578号公 、特開平5-179191号公報参照)および/又は上記 リコーン樹脂系撥水剤からなる組成物(特開 2000-121543号公報、特開2003-26461号公報参照)も 用することができる。このフッ素樹脂エマ ジョンとしては、市販されているものを使 することができ、ダイキン工業(株)よりゼッ フルシリーズとして、旭硝子(株)よりルミフ ンシリーズとして購入可能である。上記硬 剤としては、メラミン系硬化剤、アミン系 化剤、多価イソシアネート系硬化剤、及び ロック多価イソシアネート系硬化剤が好ま く使用される。

 撥水性の無機系材料としては、例えば、 ラン系、シリコネート系、シリコーン系及 シラン複合系、又は、フッ素系の撥水剤或 は吸水防止剤等が挙げられる。特に、フッ 系撥水剤が好ましく、例としては、パーフ ロロアルキル基含有化合物などの含フッ素 合物又は含フッ素化合物含有組成物が挙げ れる。なお、基材表面への吸着性が高い含 ッ素化合物を中間層に含む場合は、基材表 に適用した後、撥水剤又は吸水防止剤の化 成分が基材と反応して化学結合を生じたり 又は化学成分どうしが架橋したりする必要 かならずしもない。

 このようなフッ素系撥水剤として用いる とができる含フッ素化合物は、分子中にパ フルオロアルキル基を含有する分子量1,000~2 0,000のものが好ましく、具体的には、パーフ オロスルホン酸塩、パーフルオロスルホン アンモニウム塩、パーフルオロカルボン酸 、パーフルオロアルキルベタイン、パーフ オロアルキルエチレンオキサイド付加物、 ーフルオロアルキルアミンオキシド、パー ルオロアルキルリン酸エステル、及びパー ルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩 どが挙げられる。中でも、基材表面への吸 性に優れることから、パーフルオロアルキ リン酸エステル、及びパーフルオロアルキ トリメチルアンモニウム塩が好ましい。こ ような材料としては、サーフロンS-112、及 サーフロンS-121(共に商品名、セイミケミカ (株)製)などが市販されている。

 なお、吸水性の高い基体の場合では、第1 の層の下に、シラン化合物を含む中間層を予 め基体上に形成することが好ましい。この中 間層は、Si―O結合を大量に含有する為、第1 層の強度や基体との密着性を向上すること 可能になる。また、前記中間層は、基体へ 水分の浸入を防止する機能をも有している

 前記シラン化合物としては、加水分解性 ラン、その加水分解物及びこれらの混合物 挙げられる。加水分解性シランとしては各 のアルコキシシランが使用でき、具体的に 、テトラアルコキシシラン、アルキルトリ ルコキシシラン、ジアルキルジアルコキシ ラン、トリアルキルアルコキシシランが挙 られる。これらの内、1種類の加水分解性シ ランを単独で使用してもよく、必要に応じて 2種類以上の加水分解性シランを混合して使 してもよい。またこれらのシラン化合物に 各種のオルガノポリシロキサンを配合して よい。このようなシラン化合物を含有する 間層の構成材料としては、例えば、ドライ ールS(東レ・ダウコーニング(株)製)がある。

 また、中間層の構成材料としては、メチ シリコーン樹脂及びメチルフェニルシリコ ン樹脂等の室温硬化型シリコーン樹脂を使 してもよい。このような室温硬化型シリコ ン樹脂としては、例えば、AY42-170、SR2510、SR 2406、SR2410、SR2405、SR2411(東レ・ダウコーニン (株)製)がある。

 中間層は塗装膜であってもよい。塗装膜 構成する塗装材料としては、アルキド樹脂 アクリル樹脂、アミノ樹脂、ポリウレタン 脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ 樹脂、アクリルシリコン樹脂、不飽和ポリ ステル樹脂、紫外線硬化樹脂、フェノール 脂、塩化ビニル樹脂、含成樹脂エマルジョ 等の合成樹脂と着色剤とを含有するいわゆ ペンキ塗料を好適に使用することができる

 上記塗装膜の厚みは0.01~100μmが好ましく 0.1~50μmがより好ましく、特に、0.5μm~10μmが ましい。また、塗装手段としては、例えば スプレーコーティング法、ディップコーテ ング法、フローコーティング法、スピンコ ティング法、ロールコーティング法、刷毛 り、スポンジ塗り等が適用できる。なお、 装膜の硬度、基体との密着性等の物理的性 を向上させるために、基体及び塗装膜の許 範囲内で加熱することが望ましい。

 従来、優れた撥水性・撥油性又は親水性 疎水性を有する有機又は無機物質で基体表 を被覆することにより基体表面を保護する とも行われていたが、当該有機又は無機物 は一般に負電荷を有しているために、経時 に汚染物質が付着し、その保護特性が著し 喪失するという問題があった。しかしなが 、本発明では、このように基体表面に正電 を付与するのでそのような問題がない。ま 、基体表面の化学的特性が損なわれること ないので、当該有機又は無機物質の特性を 持したままセルフクリーニング特性を付与 ることができる。

 すなわち、本発明では、基体表面に付与 れる正電荷を利用して、基体自体の機能性 生かすと同時に継続的な「防汚・防曇機能 を生かした製品が可能となる。この技術は あらゆる基体に応用できるが、特に、優れ 撥水性や親水性を有する有機物質の表面に 電荷を付与することで長期的にその機能を 持することができるので、塗装面やプラス ック製の基体への応用が好ましい。これに り、「汚れない塗装面やプラスチック」が 能となる。

 ところで、塗装膜は、高温下において、 該塗装膜中の合成樹脂の分解物、或いは、 装膜形成時に使用した有機溶剤等の揮発性 質を放出する。揮発性物質としては、例え 、メタノール、エタノール、プロパノール ブタノール、1-メトキシ-2-プロパノール、2- メトキシ-1-プロパノール、2-メチル-1-プロパ ール等のアルコール;ベンゼン、トルエン、 キシレン、エチルメチルベンゼン、トリメチ ルベンゼン、ジエチルベンゼン、ジメチルエ チルベンゼン、テトラメチルベンゼン等の芳 香族系炭化水素;ペンタン、ヘキサン、2,4-ジ チルペンタン、2,3,4-トリメチルペンタン、3 ,3-ジメチルヘキサン、2,2,5-トリメチルヘキサ ン、シクロペンタン、シクロヘキサン、デカ ン、2,2-ジメチルデカン、ドデカン等の脂肪 系炭化水素;エチレンオキシド、プロピレン キシド等のオキシド;ホルムアルデヒド、ア セトアルデヒド、2-プロピナール、ブタナー 等のアルデヒド;ジメチルエーテル、ジエチ ルエーテル、メチルエチルエーテル、メチル ビニルエーテル等のエーテル;アセトン、4-メ チル-3-ペンテン-2-オン等のケトン;蟻酸ブチ 等のエステル;パラフィン等が挙げられる。 れらの揮発性物質は、殆どが疎水性であり 且つ、負電荷を形成する(例えば、アルコキ シドイオン)。したがって、前記中間層とし 塗装膜を形成した場合、高温条件下におい 当該塗装膜から発生した揮発性物質が第2の に到達すると、第2の層中の正電荷を相殺し 、その結果、第2の層の表面特性が親水性か 疎水性に変化して、防汚特性が悪化する。

 しかし、本発明では、基体と第2の層との 間に負電荷を備える第1の層が介在するので 静電的な反発により前記揮発性物質が第2の に到達することがない。もしくは、負電荷 有する揮発性物質が第1の層を通過すること で電荷が反転し、第2の層に吸着することが い。したがって、第2の層の正電荷が中和さ て基体表面の保護機能が喪失することを防 することができる。

 本発明は各種のデザイン性並びに高い防 ・防汚性能が求められる任意の分野におい 利用可能であり、ガラス、金属、セラミッ ス、コンクリート、木材、石材、高分子樹 カバー、高分子樹脂シート、繊維(衣類、カ ーテン等)、シーリング剤等又はこれらの組 合わせからなる、建材;空調屋外機;厨房機器 ;衛生機器;照明器具;自動車;自転車;自動二輪 ;航空機;列車;船舶等の屋内外で利用される 品、また、各種機械、電子機器、テレビ等 フェイスパネルに好適に使用される。特に 自動車、飛行機等に好ましく、当該建材を 用して建造された家屋、ビルディング、道 、トンネル等の建築物は経時的に高い防水 防汚効果を発揮することができる。特に、 発明は、自動車のボディ及びタイヤホイー の防汚に有効に使用することができる。

 以下、実施例により本発明をより詳細に 証するが、本発明は実施例に限定されるも ではない。

[評価液1]
 純水500mlにSnCl 2 ・2H 2 O(塩化第一錫)0.297gを完全に溶かした溶液に、 更に50%四塩化チタン溶液(住友シチックス株 会社製)5.0gを添加し純水を加え500mlにした溶 を準備する。これに25%アンモニア水(高杉製 薬株式会社製)を10倍希釈したアンモニア水を 滴下してpH7.0に調整して水酸化錫と水酸化チ ンの混合物を沈殿させた。この沈殿物を純 で上澄み液の導電率が0.8mS/m以下になるまで 洗浄する。導電率が0.713mS/mになったので洗浄 を終了すると0.48wt%濃度の水酸化物が317g作製 れた。次に、これを1~5℃に冷却しながら35% 酸化水素水(タイキ薬品工業株式会社製)を28 g添加し16時間撹拌すると0.51wt%濃度の黄褐色 透明な錫がドープされたアモルファス型過 化チタン溶液345gが得られた。これを評価液1 とした。

[評価液2]
 純水500mlに97%CuCl 2 ・2H 2 O(日本化学産業(株)製)0.463gを完全に溶かした 液に、さらに50%四塩化チタン溶液(住友シチ ックス(株)製)10gを添加し、純水を加えて1000ml にした溶液を準備する。これに25%アンモニア 水(高杉製薬(株)製)を10倍希釈したアンモニア 水を滴下してpH7.0に調整して水酸化銅と水酸 チタンとの混合物を沈殿させた。この沈殿 を純水で上澄み液中の導電率が0.8mS/m以下に なるよう洗浄を継続し、導電率が0.8mS/mにな たところで洗浄を終了すると、0.81wt%濃度の 酸化物の含有液が340g作製された。次いで、 この含有液を1~5℃に冷却しながら35%過酸化水 素(タイキ薬品工業(株)製)を25g添加し16時間撹 拌すると緑色の透明な銅がドープされた0.90wt %濃度のアモルファス型過酸化チタンの分散 365gが得られた。これを純水で希釈して0.85wt% の銅がドープされたアモルファス型過酸化チ タン分散液385gを調製した。これを評価液2と た。

[評価液3]
 純水500mlにFeCl 3 ・6H 2 O、0.712gを完全に溶かした溶液に、さらに50% 塩化チタン溶液(住友シチックス(株)製)10gを 加し純水を加え1000mlにした溶液を準備する これに25%アンモニア水(高杉製薬(株)製)を10 希釈したアンモニア水を滴下してpH7.0に調 して水酸化鉄と水酸化チタンとの混合物を 殿させた。この沈殿物を純水で上澄み液中 導電率が0.8mS/m以下になるよう洗浄を継続し 導電率が0.744mS/mになったところで洗浄を終 すると、0.47wt%濃度の水酸化物の含有液が420 g作製された。次いで、この含有液を1~5℃に 却しながら35%過酸化水素(タイキ薬品工業(株 )製)を25g添加し16時間撹拌すると濃黄褐色の 明な鉄がドープされた0.44wt%のアモルファス 過酸化チタンの分散液440gが得られた。これ を限外ろ過濃縮装置で濃縮し、濃度を0.85wt% した前記分散液を220g調製した。これと評価 2を1:2の割合で混合し評価液3とした。

[評価液4]
 純水1000gに50%四塩化チタン溶液(住友シチッ ス(株)製)20gを添加し純水を加え2000gにメス ップした溶液を準備する。これに25%アンモ ア水(高杉製薬(株)製)を10倍希釈したアンモ ア水を滴下してpH7.0に調整して水酸化チタン の混合物を沈殿させた。この沈殿物を純水で 上澄み液の導電率が0.8mS/m以下になるまで洗 する。導電率が0.738mS/mになったので洗浄を 了すると0.73wt%固形分濃度の水酸化物が860g作 製された。次に、これを1~5℃に冷却しながら 35%過酸化水素水(タイキ薬品工業(株)製)を50g 加し16時間撹拌すると淡黄褐色で透明な0.86wt %固形分濃度のアモルファス型過酸化チタン 液905gが得られた。このアモルファス型過酸 チタン溶液100gを採取し、0.05モル/リットル 調整した硝酸銀水溶液を2.0g投入して撹拌混 合すると黄色透明な硝酸銀が分散したアモル ファス型過酸化チタン分散液102gが作製され 。これと評価液2を1:2の割合で混合し評価液4 とした。

[評価基板1~4、比較評価基板1~4の作製]
 市販ポリカーボネート板(60mm×110mm;厚さ2.8mm) に下記の表1に示す層構造をスプレー工法で 成した。具体的には、単層の場合12g/m 2 、複層の場合一層目8g/m 2 、二層目12g/m 2 の量を塗布し、自然乾燥の上、400W高圧水銀 にて表面温度150℃で1分照射して層を形成し 各々評価基板1~4、比較評価基板1~4とした。 お、各評価液には、有機ケイ素化合物(界面 活性剤)として、Z-B(サスティナブル・テクノ ジー(株)製)を重量比10:2の割合で添加した。

評価1(表面電荷特性)
 各基板を、除電ブロア(SJ-F020:(株)キーエン 製)で除電し、アースしたSUS板上に設置した 電気センサー(SK:(株)キーエンス製)に、5mmの 距離で平置きし、気温30℃、湿度65%、浮遊電 イオン-50Vの条件下で、基板表面の静電圧を 3回測定し、それらの平均値を測定値とした 結果を表2に示す。

評価2(表面親水性)
 評価基板1~4及び比較評価基板1~4の基板造膜 を、各々、下記の手順で処理し、スポイト 純水1滴を、基板の約10mm上から滴下し、直 の水接触角を分度器にて目視評価した。結 を表3に示す。

 表2には各々の基板表面の電荷特性が示さ れている。表3の結果から、紫外線、流水、 時間加熱等の処理を施したときの表面の親 性が下記の順で変化が少ないことがわかる: 価基板1>評価基板2>評価基板3>評価基 4

 したがって、基板側からみて第1層目が負 電荷を有し、第2層目が正電荷、又は、正電 及び負電を有する層構造が親水性に寄与す ことがわかる。なお、単層の場合、いずれ 場合も40°以上80°以下の水接触角(疎水性か 撥水性)を示しており、防汚性に劣ることが かる。

参考1(表面特性の低下確認試験)
        アルミ板(A1050P)にアルミホイール 用ベース塗料(関西ペイント(株)製)、及び、 リアー塗料(関西ペイント(株)製)をそれぞれ 布し、140℃で20分間焼き付けした後、評価 3を約0.1μmの厚さになるように塗布し、UV乾 させて評価基板5とした。

 評価基板5を電気炉で50℃~140℃の水準で20 間加熱した後、約3200km相当のブレーキ汚れ 進試験を行い、汚染した表面と初期の表面 色差(δE)を汚染性とした。結果を図8に示す 加熱温度が80℃を越えた辺りより防汚効果 低下する(汚染性δE値が上昇する)ことが分か った。温度上昇に伴い、アルミホイール用塗 膜より負電荷ガスが発生し、正電荷層へ吸着 することが防汚効果低下の要因と考えられる 。

参考2(負電荷ガスの分析)
 ポリプロピレン製板にホイール用ベース塗 (関西ペイント(株)製)、及び、クリアー塗料 (関西ペイント(株)製)をそれぞれ塗装し、140 で20分間焼き付けした後、ポリプロピレン製 板より塗膜を剥離し、フィルム状の試料を作 製した。試料(50μm×3枚)をバイアルビンに入 、120℃で1時間加熱した後、ガス捕集管にガ を採取し、TMDGC/MSにて分析を行った。分析 結果、ホイール用ベース塗料及びクリアー 料から発生するガスの主成分はブタノール あった。その他微量ガスとして1-メトキシ-2- プロパノール(ベース塗料のみから検出)、ア コール系、芳香族・脂肪族炭化水素が検出 れた。

評価3(表面防汚効果)
 アルミ板(A1050P)にアルミホイール用ベース 料(関西ペイント(株)製)、及び、クリアー塗 (関西ペイント(株)製)をそれぞれ塗布し、140 ℃で20分間焼き付けした後、
A:そのまま、
B:評価液3を約0.1μmの厚さになるように塗布後 UV乾燥、
C:第1層目に評価液1、第2層目に評価液3を、そ れぞれ約0.05μmの厚さとなるように塗布後UV乾 燥の計3種類の評価基板A~Cを作製した。

 評価基板A~Cを、それぞれ、そのままの状 で、或いは、120℃で20分間加熱した後に、 3200km相当のブレーキ汚れ促進試験を行い、 染した表面と初期の表面の色差(δE)を汚染性 とした。結果を図9及び図10に示す。正電荷物 質のみが表面に存在する評価基板Bに対して 第1層目に負電荷物質を配置し、その上に更 正電荷物質を配置した評価基板Cは、防汚性 能の低下が抑制されている(汚染性δEの上昇 低減している)ことが分かる。

[評価基板5~7、比較評価基板5~6の作製]
 アルミ板(A1050P)にアルミホイール用ベース 料(関西ペイント(株)製)、及び、クリアー塗 (関西ペイント(株)製)をそれぞれ塗布し、140 ℃で20分間焼き付けした。次に、評価液1を約 0.1μmの厚さになるように塗布して基板をUV乾 した。その後、更に下記の作業を行って、 価基板5~7、比較評価基板5~6を作製した。

[評価基板5]
 上記の基板に正電荷付与チタニア水分散液( Z18-1000nA:サスティナブル・テクノロジー(株) )を、約0.1μmになるように塗布し、加熱乾燥 て、評価基板5を作製した。

[評価基板6]
 上記の基板に正電荷付与チタニア水分散液( Z18-1000nA:サスティナブル・テクノロジー(株) )と、光触媒用アナターゼ型チタニア水分散 (SAS170:サスティナブル・テクノロジー(株)製 )を9:1の混合液としたものを、約0.1μmになる うに塗布し、加熱乾燥して、評価基板6を作 した。

[評価基板7]
 上記の基板に正電荷付与チタニア水分散液( Z18-1000nA:サスティナブル・テクノロジー(株) )と、光触媒用アナターゼ型チタニア水分散 (SAS170:サスティナブル・テクノロジー(株)製 )を9:3の混合液としたものを、約0.1μmになる うに塗布し、加熱乾燥して、評価基板7を作 した。

[比較評価基板5]
 アルミ板(A1050P)そのものを比較評価基板5と た。

[比較評価基板6]
 光触媒用アナターゼ型チタニア水分散液(SAS 170:サスティナブル・テクノロジー(株)製)の を、約0.1μmになるようにアルミ板(A1050P)に塗 布して、乾燥した基板を比較評価基板6とし 。

評価4(表面電荷特性)
 評価基板5~7、比較評価基板5~6の表面に、下 式
で表される負電荷を備えた染料を含有する市 販赤インク(パイロット(株)製)をエタノール 10倍希釈したものを0.007g/100cm 2 の割合で塗布した上で、UV乾燥させた評価基 に、20Wのブラックライト蛍光灯で1000μW/cm 2 の割合で紫外線を照射し、赤インクの消色率 を色差計(ミノルタ(株)製:CR-200)にて経時的に 定した。

 赤インクの褐色率(%)は以下の式を用いて計 により求めた。結果を表4に示す。
L 0 、a 0 、b 0 :赤インク塗布前の基板表面の測色値(CIELAB  空間に基づく。以下同じ)
L 1 、a 1 、b 1 :赤インク塗布直後(紫外線照射前)の基板表面 の測色値
L 2 、a 2 、b 2 :紫外線照射後の基板表面の測色値

 表4に示した結果から、表面に正電荷を有 する評価基板5がもっとも負電荷染料を吸着 、紫外線による酸化劣化が小さい一方で、 較評価基板5、及び、比較評価基板6が負電荷 染料を静電反発すると共に、紫外線と合せて 酸化劣化(分解)が大きいことが分かる。評価 板6、及び、評価基板7はそれらの中間的な 性を示し、正電荷と負電荷の両方の表面特 を示している。

評価5(表面親水特性)
 評価基板5~7、比較評価基板5~6を屋外(日中晴 天)に24時間曝露した後、室内にて、スポイト で純水1滴を各基板の約10mm上から滴下し、直 の水接触角を分度器にて目視評価した。結 を表5に示す。

 表5から、正電荷と負電荷の両方を備える 評価基板6、7は、優れた親水特性を示すこと わかる。

評価6(防汚評価)
 評価基板5~7、比較評価基板5~6のそれぞれに カーボンブラック水分散液(FW-200: 日本ペイ ント工業用コーティングス(株)製)を純水にて 5%希釈液とした上で、0.09g/100cm 2 の割合で塗布し、80℃で30分加熱乾燥し、常 に戻ったところで、イオン水を0.4MPaの圧力 10cm離隔した位置から散水し、基板表面のカ ボンブラック(正電荷、又は、正電荷及び負 電荷の両方を有する)の減少率を色差計(ミノ タ(株)製:CR-200)にて測定した。

カーボンブラックの減少率(%)は以下の式を用 いて計算により求めた。結果を表6に示す。
L 0 、a 0 、b 0 :カーボンブラック塗布前の基板表面の測色
L 1 、a 1 、b 1 :カーボンブラック塗布直後(散水前)の基板表 面の測色値
L 2 、a 2 、b 2 :散水後の基板表面の測色値

 表6から減少率は、評価基板5(正電荷)> 価基板7(両性電荷)>評価基板6(両性電荷)> 比較評価基板6>比較評価基板5の順であり、 正電荷を表面に備える評価基板5、並びに、 電荷及び負電荷の両方を表面に備える評価 板6及び7の防汚性能が優れていることがわか る。




 
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