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Patent Searching and Data


Title:
SULFONAMIDE COMPOUND OR SALT THEREOF
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/157399
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a compound useful as an EP1 receptor antagonist. Studies are made on EP1 receptor antagonists, and it is confirmed that a compound having a sulfonamide structure in which a nitrogen atom in the sulfonamide structure is substituted by a 2-fluoropropyl group, a 3-fluoro-2-methylpropyl group or the like has a potent antagonistic activity on an EP1 receptor.  The sulfonamide compound has a potent antagonistic activity on an EP1 receptor and therefore can be used as a prophylactic and/or therapeutic agent for a lower urinary tract symptom or the like.

Inventors:
KUBOTA HIDEKI (JP)
TSUKAMOTO ISSEI (JP)
KAMIJO KAZUNORI (JP)
KATO KOJI (JP)
FUKUDA YUTA (JP)
AZAMI HIDENORI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/061288
Publication Date:
December 30, 2009
Filing Date:
June 22, 2009
Export Citation:
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Assignee:
ASTELLAS PHARMA INC (JP)
KUBOTA HIDEKI (JP)
TSUKAMOTO ISSEI (JP)
KAMIJO KAZUNORI (JP)
KATO KOJI (JP)
FUKUDA YUTA (JP)
AZAMI HIDENORI (JP)
International Classes:
C07C311/21; A61K31/341; A61K31/426; A61K31/427; A61K31/4402; A61K31/4406; A61K31/443; A61K31/4439; A61K31/497; A61K31/501; A61K31/506; A61P13/02; A61P13/08; A61P13/10; A61P43/00; C07D213/71; C07D277/20; C07D277/36; C07D277/56; C07D307/64; C07D405/12; C07D417/12; C07K14/705
Domestic Patent References:
WO2006121097A12006-11-16
WO2007072782A12007-06-28
WO2002072564A12002-09-19
WO2000069465A12000-11-23
WO1998027053A11998-06-25
WO2002072564A12002-09-19
WO2006121097A12006-11-16
WO2007072782A12007-06-28
Foreign References:
JP2004099493A2004-04-02
US20050020646A12005-01-27
Other References:
NEUROUROLOGY AND URODYNAMICS, vol. 21, 2002, pages 167 - 178
UROLOGICAL RESEARCH, vol. 18, no. 5, 1990, pages 349 - 352
THE JOURNAL OF UROLOGY, vol. 153, no. 6, 1995, pages 2034 - 2038
JOURNAL OF THE JAPANESE UROLOGICAL ASSOCIATION, vol. 92, no. 2, February 2001 (2001-02-01), pages 304
ANESTHESIOLOGY, vol. 97, no. 5, 2002, pages 1254 - 1262
ANESTHESIA AND ANALGESIA, vol. 95, no. 6, 2002, pages 1708 - 1712
ANESTHESIA AND ANALGESIA, vol. 93, no. 4, 2001, pages 1012 - 1017
GASTROENTEROLOGY, vol. 124, no. 1, 2003, pages 18 - 25
PROG. MED., vol. 5, 1985, pages 2157 - 2161
"Bunshi Sekkei", vol. 7, 1990, HIROKAWA PUBLISHING COMPANY, article "lyakuhin no Kaihatsu", pages: 163 - 198
P. G M. WUTS; T. W. GREENE: "Greene's Protective Groups in Organic Synthesis", 2006
S. R. SANDLER; W. KARO: "Organic Functional Group Preparations", vol. 1, 1991, ACADEMIC PRESS INC.
"Jikken Kagaku Koza", vol. 14, 2005, MARUZEN
"Organic Reactions" written by M. Hudlicky", vol. 35, 1988, JOHN WILEY & SONS, pages: 513 - 633
"Jikken Kagaku Koza", vol. 13, 2005, MARUZEN
P. G. M. WUTS; T. W. GREENE.: "Greene's Protective Groups in Organic Synthesis", 2006
ANNALS OF THE NEW YORK ACADEMY OF SCIENCE, vol. 51, 1949, pages 660
THE JOURNAL OFNEUROSCIENCE, vol. 12, no. 12, December 1992 (1992-12-01), pages 4878 - 89
See also references of EP 2305641A4
Attorney, Agent or Firm:
MORITA, Hiroshi et al. (JP)
Morita 拓 (JP)
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Claims:
式(I)の化合物又はその塩。
(式中、
R 1 及びR 2 は、同一又は異なって、H、ハロゲン、R 0 、ハロゲノ低級アルキル、-OH又は-O-R 0 であるか、或いは、R 1 及びR 2 がそれぞれ結合している隣接する2個の炭素原子と一体となって5~8員シクロアルケン環を形成してもよく、
R 3 は、2-フルオロプロピル、2-フルオロブチル、2,2-ジフルオロエチル又は3-フルオロ-2-メチルプロピルであり、
Lは、低級アルキレンであり、
Aは、置換されていてもよいフェニル又は置換されていてもよい単環式ヘテロアリールであり、
Bは、置換されていてもよいフェニレン又は置換されていてもよい単環式ヘテロアリーレンであり、
Xは、-CO 2 R 0 、-CO 2 H又は-CO-NH-SO 2 -R 0 であり、
R 0 は、低級アルキルである。)
Lがメチレンである請求項1記載の化合物又はその塩。
Aがハロゲンで置換されたフェニル、メチルで置換されたフリル、メチルで置換されたチアゾリル、2-ピリジル又は3-ピリジルである請求項2記載の化合物又はその塩。
Xが-CO 2 H又は-CO-NH-SO 2 -R 0 である請求項3記載の化合物又はその塩。
R 3 が2-フルオロプロピル、2-フルオロブチル又は3-フルオロ-2-メチルプロピルである請求項4記載の化合物又はその塩。
Bが、チオフェンジイル、ピリジンジイル、ピリミジンジイル、又は、メチル、F及びメトキシからなる群から選択される1個の基で置換されていてもよいフェニレンである請求項5記載の化合物又はその塩。
4-[(2-{[(2S)-2-フルオロプロピル](ピリジン-2-イルスルホニル)アミノ}-4,5-ジメチルフェノキシ)メチル]安息香酸、
4-[(2-{[(2R)-2-フルオロプロピル](ピリジン-2-イルスルホニル)アミノ}-4,5-ジメチルフェノキシ)メチル]安息香酸、
4-{[(6-{[(2R)-2-フルオロプロピル](ピリジン-2-イルスルホニル)アミノ}-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)オキシ]メチル}安息香酸、
4-[(5-クロロ-2-{[(2S)-2-フルオロプロピル](ピリジン-2-イルスルホニル)アミノ}-4-メチルフェノキシ)メチル]安息香酸、
4-[(5-クロロ-2-{[(2R)-2-フルオロプロピル](ピリジン-2-イルスルホニル)アミノ}-4-メチルフェノキシ)メチル]安息香酸、
4-[(2-{[(2R)-3-フルオロ-2-メチルプロピル](ピリジン-2-イルスルホニル)アミノ}-4,5-ジメチルフェノキシ)メチル]安息香酸、
4-[(2-{[(2S)-3-フルオロ-2-メチルプロピル](ピリジン-2-イルスルホニル)アミノ}-4,5-ジメチルフェノキシ)メチル]安息香酸、
4-{[(6-{[(2R)-2-フルオロブチル](ピリジン-2-イルスルホニル)アミノ}-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)オキシ]メチル}安息香酸、
4-{[(6-{[(2S)-2-フルオロブチル](ピリジン-2-イルスルホニル)アミノ}-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)オキシ]メチル}安息香酸、
4-[(5-クロロ-2-{[(2R)-2-フルオロプロピル](ピリジン-3-イルスルホニル)アミノ}-4-メチルフェノキシ)メチル]安息香酸、
4-[(5-クロロ-2-{[(2S)-2-フルオロプロピル](ピリジン-3-イルスルホニル)アミノ}-4-メチルフェノキシ)メチル]安息香酸、
4-[(2-{[(2S)-2-フルオロプロピル](ピリジン-3-イルスルホニル)アミノ}-4,5-ジメチルフェノキシ)メチル]安息香酸、
4-[(2-{[(2R)-2-フルオロプロピル](ピリジン-3-イルスルホニル)アミノ}-4,5-ジメチルフェノキシ)メチル]安息香酸、
4-{[(6-{[(2S)-2-フルオロプロピル](ピリジン-3-イルスルホニル)アミノ}-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)オキシ]メチル}安息香酸、及び
4-{[(6-{[(2R)-2-フルオロプロピル](ピリジン-3-イルスルホニル)アミノ}-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)オキシ]メチル}安息香酸からなる群から選択される請求項1記載の化合物又はその塩。
請求項1記載の化合物又はその塩、及び賦形剤を含有する医薬組成物。
EP1受容体拮抗剤である、請求項8記載の医薬組成物。
下部尿路症状の治療剤である、請求項8記載の医薬組成物。
下部尿路症状をきたす疾患が過活動膀胱、前立腺肥大症、膀胱頸部硬化症、膀胱炎、又は前立腺炎である、請求項10記載の医薬組成物。
下部尿路症状の治療剤の製造のための、請求項1記載の化合物又はその塩の使用。
下部尿路症状をきたす疾患が過活動膀胱、前立腺肥大症、膀胱頸部硬化症、膀胱炎、又は前立腺炎である、請求項12記載の使用。
請求項1記載の化合物又はその塩の治療有効量を患者に投与することを含む、下部尿路症状の治療方法。
下部尿路症状をきたす疾患が過活動膀胱、前立腺肥大症、膀胱頸部硬化症、膀胱炎、又は前立腺炎である、請求項14記載の治療方法。
Description:
スルホンアミド化合物又はその

 本発明は医薬組成物、殊に下部尿路症状 療用医薬組成物の有効成分として有用なス ホンアミド化合物又はその塩に関する。

 下部尿路症状をきたす疾患の一つである 活動膀胱は、失禁の有無にかかわらず尿意 迫感を訴える病態であり、通常、頻尿およ 夜間頻尿を伴う(Neurourology and Urodynamics, 21,  167-178 (2002))。現在その治療には主に抗コリ ン薬が使用され、一定の治療成績を示してい る。しかし、一方で口渇、便秘、かすみ目と いった副作用の発現も知られているほか、尿 閉の危険性もあるため、前立腺肥大症患者や 高齢者には使いづらいことが報告されている 。また、抗コリン薬治療で有効性を示さない 患者の存在も知られている。以上のことから 、過活動膀胱に対する新規機序の薬剤への期 待は大きい。

 プロスタグランジンE 2 (PGE 2 )はアラキドン酸を前駆物質とする生体内活 物質であり、G蛋白共役型受容体であるEP1、E P2、EP3およびEP4の4種類のサブタイプを介して 生体の機能調節に関与することが知られてい る。
 PGE 2 の膀胱内注入がヒトで強い尿意切迫感と膀胱 容量減少をきたすこと(Urological Research, 18(5),  349-352 (1990))、PGE 2 の膀胱内注入がラットの膀胱容量を減少させ ることが知られており(The Journal of Urology, 1 53(6), 2034-2038 (1995))、PGE 2 が下部尿路機能に影響する可能性が示唆され ている。近年、脊髄損傷モデルラットに対す るEP1受容体拮抗剤の投与が排尿機能改善に有 用であるとの報告がなされていること(日本 尿器科学会雑誌、2001年2月、第92巻、第2号、 304頁)、尿道狭窄モデルマウスの排尿機能異 がEP1受容体ノックアウトにより消失するこ 及びPGE 2 の膀胱内注入により排尿機能異常が亢進する ことが示されていることから(特許文献1)、EP1 受容体拮抗剤は下部尿路症状の治療薬として 有用であると考えられる。

 加えて、EP1受容体拮抗剤はその作用機序か 、抗コリン薬に特有の副作用の回避が期待 きるほか、抗コリン薬治療で有効性を示さ い患者に対しても効果が期待できる。また 本剤は知覚神経に作用してより強い自覚症 の改善効果が期待できる。更に脊髄損傷ラ トの排尿効率を低下させることなく病態改 効果を示すことが報告されており(第89回日 泌尿器科学会総会(神戸、2001年)予稿集、MP-3 05)、前立腺肥大症患者や高齢者にも安全に投 与できることが期待できる。
 また、PGE 2 は炎症や組織障害に伴い局所で産生され、炎 症反応を増強すると共に発痛・発熱にも関与 することが広く知られている。近年EP1受容体 拮抗剤が、炎症性疼痛(Anesthesiology, 97(5), 1254 -1262 (2002))、術後疼痛(Anesthesia and Analgesia, 9 5(6), 1708-1712 (2002))、神経因性疼痛(Anesthesia a nd Analgesia, 93(4), 1012-1017 (2001))といった各種 疼痛モデル動物において有効性を示すことが 知られ、また塩酸誘発内臓痛に対するEP1受容 体拮抗剤投与の臨床効果についても報告され ている(Gastroenterology, 124(1), 18-25 (2003))。以 から、EP1受容体拮抗剤は、各種疼痛の治療 としても有用であると考えられる。

 更に、EP1受容体拮抗剤は大腸粘膜異常腺 および腸内ポリープ形成の抑制作用を有す ことが知られており(特許文献2)、EP1受容体 抗剤は、大腸癌、膀胱癌、前立腺癌等の治 薬としても有用であると考えられる。

 EP1受容体拮抗作用を有するスルホンアミド 合物としては、例えば、式(A)、(B)、(C)、(D) 示される化合物が報告されている(それぞれ 特許文献3、4、5、6)。
(上記式中、R 4 は(1)水素、(2)C1~8アルキル、C2~8アルケニル、C 2~8アルキニル、(3)1個または2個のCOOZ 8 、CONZ 9 Z 10 、OZ 8 基、C1~4アルコキシ-C1~4アルコキシからなる群 から選ばれる基によって置換されたC1~6アル ル、(4)C3~7シクロアルキル、(5)フェニルまた C3~7シクロアルキルで置換されたC1~4アルキ 、C2~4アルケニルまたはC2~4アルキニルを、Z 4 はSO 2 またはCOをそれぞれ示す。その他の記号の意 は当該公報参照。)
(上記式中、R 5 はイソプロピル、イソブチル、2-メチル-2-プ ペニル、シクロプロピルメチル、メチル、 チル、プロピル、2-プロペニルまたは2-ヒド ロキシ-2-メチルプロピルを示す。その他の記 号の意味は当該公報参照。)
(上記式中、A環は置換されていてもよい5~8員 テロ環を示す。その他の記号の意味は当該 報参照。)
(上記式中、Aは置換されていてもよいヘテロ 基を、Zは低級アルキレンをそれぞれ示す。 その他の記号の意味は当該公報参照。)

米国特許出願公開第2005/0020646号明細書

国際公開第00/069465号パンフレット

国際公開第98/027053号パンフレット

国際公開第02/072564号パンフレット

国際公開第06/121097号パンフレット

国際公開第07/072782号パンフレット

 医薬組成物、特に下部尿路症状治療用医 組成物の有効成分として有用な化合物を提 する。

 本発明者らは、EP1受容体拮抗剤について鋭 検討した結果、式(I)の化合物又はその塩が 力なEP1受容体拮抗作用を有し、頻尿状態を 好に改善することを知見して本発明を完成 た。
 即ち、本発明は、式(I)の化合物又はその塩 並びに、式(I)の化合物又はその塩、及び賦 剤を含有する医薬組成物に関する。
(式中、
R 1 及びR 2 は、同一又は異なって、H、ハロゲン、R 0 、ハロゲノ低級アルキル、-OH又は-O-R 0 であるか、或いは、R 1 及びR 2 がそれぞれ結合している隣接する2個の炭素 子と一体となって5~8員シクロアルケン環を 成してもよく、
R 3 は、2-フルオロプロピル、2-フルオロブチル 2,2-ジフルオロエチル又は3-フルオロ-2-メチ プロピルであり、
Lは、低級アルキレンであり、
Aは、置換されていてもよいフェニル又は置 されていてもよい単環式ヘテロアリールで り、
Bは、置換されていてもよいフェニレン又は 換されていてもよい単環式ヘテロアリーレ であり、
Xは、-CO 2 R 0 、-CO 2 H又は-CO-NH-SO 2 -R 0 であり、
R 0 は、低級アルキルである。)
 なお、特に記載がない限り、本明細書中の る化学式中の記号が他の化学式においても いられる場合、同一の記号は同一の意味を す。

 また、本発明は、式(I)の化合物又はその塩 含有する下部尿路症状治療用医薬組成物、 ち、式(I)の化合物又はその塩を含有する下 尿路症状治療剤に関する。
 また、本発明は、下部尿路症状治療用医薬 成物の製造のための式(I)の化合物又はその の使用、並びに、式(I)の化合物又はその塩 有効量を患者に投与することからなる下部 路症状治療方法に関する。

 式(I)の化合物又はその塩は、強力なEP1受 体拮抗作用を有し、下部尿路症状等の予防 び/又は治療剤として使用できる。

 以下、本発明を詳細に説明する。

 本明細書において、「低級アルキル」とは 直鎖又は分枝状の炭素数が1から6(以後、C 1-6 と略す)のアルキル、例えばメチル、エチル n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソ チル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル n-ヘキシル等である。別の態様としては、C 1-4 アルキルであり、さらに別の態様としては、 C 1-2 アルキルである。

 「低級アルキレン」とは、直鎖又は分枝状 C 1-6 のアルキレン、例えばメチレン、エチレン、 トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチ レン、ヘキサメチレン、プロピレン、メチル メチレン、エチルエチレン、1,2-ジメチルエ レン、1,1,2,2-テトラメチルエチレン等である 。別の態様としては、C 1-4 アルキレンであり、さらに別の態様としては 、C 1-2 アルキレンである。
 「ハロゲン」は、F、Cl、Br、Iを意味する。

 「ハロゲノ低級アルキル」とは、1個以上の ハロゲンで置換された、C 1-6 アルキルである。別の態様としては、1~5個の ハロゲンで置換された低級アルキルであり、 さらに別の態様としては、1~5個のハロゲンで 置換されたC 1-2 アルキルであり、またさらに別の態様として は、トリフルオロメチルである。
 「5~8員シクロアルケン環」とは、1個の二重 結合を有する炭素数5~8個の炭化水素環、具体 的には、シクロペンテン、シクロヘキセン、 シクロへプテン又はシクロオクテンである。 別の態様としては、シクロへプテン又はシク ロへキセンであり、さらに別の態様としては 、シクロペンテンである。
 「R 1 及びR 2 がそれぞれ結合している隣接する2個の炭素 子と一体となって5~8員シクロアルケン環を 成してもよい」とは、R 1 及びR 2 がベンゼン環上の隣接する2個の炭素原子と 合し、それら炭素原子と一体となって5~8員 クロアルケン環を形成してもよいことを意 する。具体的には、R 1 及びR 2 が結合しているベンゼン環と一体となってイ ンダン、テトラヒドロナフタレン等を表して もよいことを意味する。別の態様としては、 R 1 及びR 2 が結合しているベンゼン環と一体となってイ ンダンを表す。

 「単環式へテロアリール」とは、酸素、 黄及び窒素から選択されるヘテロ原子を1~4 含有する単環式の5又は6員芳香環で構成さ る一価基であり、環原子である硫黄又は窒 が酸化されてオキシドやジオキシドを形成 てもよい。例えば、ピリジル、ピリミジニ 、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニ 、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾ ル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、 アゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリ 、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリ 、テトラゾリル等である。別の態様として 、フリル、チアゾリル又はピリジルである

 「単環式へテロアリーレン」とは、上記 単環式へテロアリール」の環原子上の任意 水素原子を1個除去してなる二価基であり、 例えば、ピリジンジイル、ピリミジンジイル 、ピリダジンジイル、ピラジンジイル、トリ アジンジイル、フランジイル、チオフェンジ イル、ピロールジイル、オキサゾールジイル 、イソキサゾージイル、オキサジアゾールジ イル、チアゾールジイル、イソチアゾールジ イル、チアジアゾールジイル、イミダゾール ジイル、ピラゾールジイル、トリアゾールジ イル、テトラゾールジイル等である。別の態 様としては、ピリジンジイル、ピリミジンジ イル、ピリダジンジイル、ピラジンジイル、 チオフェンジイル又はチアゾールジイルであ る。

 「フェニレン」とは、フェニルの任意の水 原子を除去してなる二価基であり、具体的 は、1,2-フェニレン、1,3-フェニレン又は1,4- ェニレンである。別の態様としては、1,4-フ ェニレンである。
 本明細書において、「置換されていてもよ 」とは、無置換、若しくは置換基を1~5個、 の態様としては1~3個有していることを意味 る。なお、複数個の置換基を有する場合、 れらの置換基は同一であっても、互いに異 っていてもよい。

 Aの「置換されていてもよいフェニル」又 は「置換されていてもよい単環式ヘテロアリ ール」、及びBの「置換されていてもよいフ ニレン」又は「置換されていてもよい単環 ヘテロアリーレン」における置換基として 例えばハロゲン、低級アルキル、ハロゲノ 級アルキル、-OH及び-O-低級アルキルからな 群から選択される基が挙げられ、別の態様 してハロゲン、低級アルキル及び-O-低級ア キルからなる群から選択される基が挙げら る。

 式(I)の化合物のある態様を以下に示す。
(1)R 1 及びR 2 が、同一又は異なって、ハロゲン、R 0 、ハロゲノ低級アルキル又は-O-R 0 であるか、或いは、R 1 及びR 2 がそれぞれ結合している隣接する2個の炭素 子と一体となってシクロペンテン環又はシ ロへキセン環を形成している化合物。別の 様としては、R 1 及びR 2 が、同一又は異なって、ハロゲン又はR 0 であるか、或いは、R 1 及びR 2 がそれぞれ結合している隣接する2個の炭素 子と一体となってシクロペンテン環を形成 ている化合物。さらに別の態様としては、R 1 及びR 2 が、同一又は異なって、ハロゲン又はR 0 である化合物。またさらに別の態様としては 、R 1 及びR 2 がそれぞれ結合している隣接する2個の炭素 子と一体となってシクロペンテン環を形成 ている化合物。
(2)R 3 が、2-フルオロプロピル、2-フルオロブチル は3-フルオロ-2-メチルプロピルである化合物 。別の態様としては、R 3 が2-フルオロプロピルである化合物。さらに の態様としては、R 3 が2-フルオロブチルである化合物。またさら 別の態様としては、R 3 が3-フルオロ-2-メチルプロピルである化合物
(3)Lがメチレンである化合物。
(4)Aが、ハロゲンで置換されたフェニル、メ ルで置換されたフリル、メチルで置換され チアゾリル、2-ピリジル又は3-ピリジルであ 化合物。別の態様としては、Aがメチルで置 換されたチアゾリル、2-ピリジル又は3-ピリ ルである化合物。さらに別の態様としては Aがメチルで置換されたチアゾリルである化 物。またさらに別の態様としては、Aが2-ピ ジル又は3-ピリジルである化合物。
(5)Bが、チオフェンジイル、ピリジンジイル ピリミジンジイル、又は、メチル、F及びメ キシからなる群から選択される1個の基で置 換されていてもよいフェニレンである化合物 。別の態様としては、Bがチオフェンジイル 又は、メチル、F及びメトキシからなる群か 選択される1個の基で置換されていてもよい フェニレンである化合物。さらに別の態様と しては、Bがフェニレンである化合物。
(6)Xが、-CO 2 H又は-CO-NH-SO 2 -R 0 である化合物。別の態様としては、Xが-CO 2 Hである化合物。
(7)上記(1)~(6)に記載の基のうち二以上の組み わせである化合物。

 具体的には以下の組み合わせが挙げられる
(8)Lがメチレンである式(I)の化合物。
(9)Aがハロゲンで置換されたフェニル、メチ で置換されたフリル、メチルで置換された アゾリル、2-ピリジル又は3-ピリジルである( 8)の化合物。
(10)Xが-CO 2 H又は-CO-NH-SO 2 -R 0 である(9)の化合物。
(11)R 3 が2-フルオロプロピル、2-フルオロブチル又 3-フルオロ-2-メチルプロピルである(10)の化 物。
(12)Bが、チオフェンジイル、ピリジンジイル ピリミジンジイル、又は、メチル、F及びメ トキシからなる群から選択される1個の基で 換されていてもよいフェニレンである(11)の 合物。

 本発明に包含される具体的化合物の例とし 、以下の(13)に記載の化合物又はその塩が挙 げられる。
(13)4-[(2-{[(2S)-2-フルオロプロピル](ピリジン-2- イルスルホニル)アミノ}-4,5-ジメチルフェノ シ)メチル]安息香酸、
4-[(2-{[(2R)-2-フルオロプロピル](ピリジン-2-イ スルホニル)アミノ}-4,5-ジメチルフェノキシ )メチル]安息香酸、
4-{[(6-{[(2R)-2-フルオロプロピル](ピリジン-2-イ ルスルホニル)アミノ}-2,3-ジヒドロ-1H-インデ -5-イル)オキシ]メチル}安息香酸、
4-[(5-クロロ-2-{[(2S)-2-フルオロプロピル](ピリ ン-2-イルスルホニル)アミノ}-4-メチルフェ キシ)メチル]安息香酸、
4-[(5-クロロ-2-{[(2R)-2-フルオロプロピル](ピリ ン-2-イルスルホニル)アミノ}-4-メチルフェ キシ)メチル]安息香酸、
4-[(2-{[(2R)-3-フルオロ-2-メチルプロピル](ピリ ン-2-イルスルホニル)アミノ}-4,5-ジメチルフ ェノキシ)メチル]安息香酸、
4-[(2-{[(2S)-3-フルオロ-2-メチルプロピル](ピリ ン-2-イルスルホニル)アミノ}-4,5-ジメチルフ ェノキシ)メチル]安息香酸、
4-{[(6-{[(2R)-2-フルオロブチル](ピリジン-2-イル スルホニル)アミノ}-2,3-ジヒドロ-1H-インデン- 5-イル)オキシ]メチル}安息香酸、
4-{[(6-{[(2S)-2-フルオロブチル](ピリジン-2-イル スルホニル)アミノ}-2,3-ジヒドロ-1H-インデン- 5-イル)オキシ]メチル}安息香酸、
4-[(5-クロロ-2-{[(2R)-2-フルオロプロピル](ピリ ン-3-イルスルホニル)アミノ}-4-メチルフェ キシ)メチル]安息香酸、
4-[(5-クロロ-2-{[(2S)-2-フルオロプロピル](ピリ ン-3-イルスルホニル)アミノ}-4-メチルフェ キシ)メチル]安息香酸、
4-[(2-{[(2S)-2-フルオロプロピル](ピリジン-3-イ スルホニル)アミノ}-4,5-ジメチルフェノキシ )メチル]安息香酸、
4-[(2-{[(2R)-2-フルオロプロピル](ピリジン-3-イ スルホニル)アミノ}-4,5-ジメチルフェノキシ )メチル]安息香酸、
4-{[(6-{[(2S)-2-フルオロプロピル](ピリジン-3-イ ルスルホニル)アミノ}-2,3-ジヒドロ-1H-インデ -5-イル)オキシ]メチル}安息香酸、
4-{[(6-{[(2R)-2-フルオロプロピル](ピリジン-3-イ ルスルホニル)アミノ}-2,3-ジヒドロ-1H-インデ -5-イル)オキシ]メチル}安息香酸。

 式(I)の化合物には、置換基の種類によって 互変異性体や幾何異性体が存在しうる。本 細書中、式(I)の化合物が異性体の一形態の で記載されることがあるが、本発明は、そ 以外の異性体も包含し、異性体の分離され もの、あるいはそれらの混合物も包含する
 また、式(I)の化合物には、不斉炭素原子や 不斉を有する場合があり、これに基づく光 異性体が存在しうる。本発明は、式(I)の化 物の光学異性体の分離されたもの、あるい それらの混合物も包含する。

 さらに、本発明は、式(I)で示される化合 の製薬学的に許容されるプロドラッグも包 する。製薬学的に許容されるプロドラッグ は、加溶媒分解により又は生理学的条件下 、アミノ基、水酸基、カルボキシル基等に 換されうる基を有する化合物である。プロ ラッグを形成する基としては、例えば、Prog . Med., 5, 2157-2161(1985)や、「医薬品の開発」( 廣川書店、1990年)第7巻 分子設計163-198に記載 の基が挙げられる。

 また、式(I)の化合物の塩とは、式(I)の化 物の製薬学的に許容される塩であり、置換 の種類によって、酸付加塩又は塩基との塩 形成する場合がある。具体的には、塩酸、 化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リ 酸等の無機酸や、ギ酸、酢酸、プロピオン 、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フマル 、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、マンデル 、酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、ジトルオ ル酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、 タンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p- ルエンスルホン酸、アスパラギン酸、グル ミン酸等の有機酸との酸付加塩、ナトリウ 、カリウム、マグネシウム、カルシウム、 ルミニウム等の無機塩基、メチルアミン、 チルアミン、エタノールアミン、リシン、 ルニチン等の有機塩基との塩、アセチルロ シン等の各種アミノ酸及びアミノ酸誘導体 の塩やアンモニウム塩等が挙げられる。

 さらに、本発明は、式(I)の化合物及びそ 塩の各種の水和物や溶媒和物、及び結晶多 の物質も包含する。また、本発明は、種々 放射性又は非放射性同位体でラベルされた 合物も包含する。

(製造法)
 式(I)の化合物及びその塩は、その基本構造 るいは置換基の種類に基づく特徴を利用し 種々の公知の合成法を適用して製造するこ ができる。その際、官能基の種類によって 、当該官能基を原料から中間体へ至る段階 適当な保護基(容易に当該官能基に転化可能 な基)に置き換えておくことが製造技術上効 的な場合がある。このような保護基として 、例えば、ウッツ(P. G. M. Wuts)及びグリー (T. W. Greene)著、「Greene's Protective Groups in  Organic Synthesis(第4版、2006年)」に記載の保護 等を挙げることができ、これらの反応条件 応じて適宜選択して用いればよい。このよ な方法では、当該保護基を導入して反応を なったあと、必要に応じて保護基を除去す ことにより、所望の化合物を得ることがで る。
 また、式(I)の化合物のプロドラッグは、上 保護基と同様、原料から中間体へ至る段階 特定の基を導入、あるいは得られた式(I)の 合物を用いてさらに反応を行なうことで製 できる。反応は通常のエステル化、アミド 、脱水等、当業者に公知の方法を適用する とにより行うことができる。
 以下、式(I)の化合物の代表的な製造法を説 する。各製法は、当該説明に付した参考文 を参照して行うこともできる。なお、本発 の製造法は以下に示した例には限定されな 。

(第1製法)
(式中、Lvは脱離基又は-OHを示す。)

 本発明化合物(I)は、化合物(1)と脱離基を有 る化合物(2)との反応により得ることができ 。ここで、脱離基の例には、ハロゲン、メ ンスルホニルオキシ、p-トルエンスルホニ オキシ基等が含まれる。
 この反応では、化合物(1)と脱離基を有する 合物(2)とを等量若しくは一方を過剰量用い これらの混合物を、反応に不活性な溶媒中 又は無溶媒下、冷却下から加熱還流下、好 しくは0℃~80℃で、通常0.1時間~5日間撹拌す 。ここで用いられる溶媒の例としては、特 限定はされないが、ベンゼン、トルエン、 シレン等の芳香族炭化水素類、ジエチルエ テル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサ 、ジメトキシエタン等のエーテル類、ジク ロメタン、1,2-ジクロロエタン、クロロホル 等のハロゲン化炭化水素類、N,N-ジメチルホ ルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO) 酢酸エチル、アセトニトリル及びこれらの 合物が挙げられる。トリエチルアミン、N,N- ジイソプロピルエチルアミン、N-メチルモル リン、ピリジン、4-(N,N-ジメチルアミノ)ピ ジン、tert-ブトキシカリウム等の有機塩基、 又は炭酸カリウム、炭酸セシウム、水酸化ナ トリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウ ム等の無機塩基の存在下で反応を行うのが、 反応を円滑に進行させる上で有利な場合があ る。
〔文献〕
S. R. Sandler及びW. Karo著、「Organic Functional G roup Preparations」、第2版、第1巻、Academic Press Inc.、1991年
日本化学会編「実験化学講座(第5版)」14巻(200 5年)(丸善)

 また、本発明化合物(I)は、化合物(1)とLv -OHである化合物(2)との光延反応によっても ることができる。この反応は、THF、ジオキ ン、ジエチルエーテル等のエーテル類、ジ ロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化 化水素類、トルエン、ベンゼン等の芳香族 化水素類、DMF等の反応に不活性な溶媒中、 リフェニルホスフィン、トリ-n-ブチルホス ィン、トリス(ジメチルアミノ)ホスフィン、 トリフェニルホスファイト、ジフェノキシフ ェニルホスフィン、ジフェニル(2-ピリジル) スフィン、(4-ジメチルアミノ)ジフェニルホ フィン等のホスフィン、及びジエチルアゾ カルボキシレート、ジイソプロピルアゾジ ルボキシレート、ジメチルアゾジカルボキ レート等のアゾジカルボキシレートの存在 、冷却下から室温、好ましくは氷冷下から 温で行うことができる。

(第2製法)
(式中、R 3A は2-ヒドロキシプロピル、2-ヒドロキシブチ 、又は3-ヒドロキシ-2-メチルプロピルを、R 3B は2-フルオロプロピル、2-フルオロブチル、 は3-フルオロ-2-メチルプロピルをそれぞれ示 す。)

 式(I)において、R 3 が2-フルオロプロピル、2-フルオロブチル、 は3-フルオロ-2-メチルプロピルである化合物 (I-a)は化合物(3)の水酸基をフッ素化すること よっても得ることができる。この反応は、 ロゲン化炭化水素類、ヘキサン、ベンゼン の反応に不活性な溶媒中、三フッ化ジエチ アミノ硫黄、三フッ化モルホリノ硫黄、2,2- ジフルオロ-1,3-ジメチルイミダゾリジン等の ッ素化剤を用いて、冷却下から室温、好ま くは-78℃から氷冷下で行うことができる。
〔文献〕
M. hudlicky著、「Organic Reactions」、第35巻、513- 633項、John Wiley & Sons.、1988年
日本化学会編「実験化学講座(第5版)」13巻(200 5年)(丸善)

(第3製法) その他の製法
 さらに、式(I)で示されるいくつかの化合物 、以上のようにして得られた本発明化合物 ら、加水分解、縮合等、当業者が通常採用 うる工程を任意に組み合わせることにより 造することもできる。例えば、以下の反応 後述の実施例に記載の方法、当業者にとっ 自明な方法、あるいはそれらの変法を適用 ることによって製造することができる。
3-1:加水分解反応
 式(I)において、Xが-CO 2 Hである化合物は、第1製法で得られたXが-CO 2 R 0 である化合物の加水分解により得ることがで きる。ここで、加水分解反応は、前記のウッ ツ(P. G. M. Wuts)及びグリーン(T. W. Greene)著 「Greene's Protective Groups in Organic Synthesis(第 4版、2006年)」を参照して行うことができる。

3-2:縮合
 式(I)において、Xが-CO-NH-SO 2 -R 0 である化合物は、Xが-CO 2 Hである化合物とスルホンアミドとの縮合に り得ることができる。
 この反応では、カルボン酸とスルホンアミ を等量若しくは一方を過剰量用い、これら 混合物を、縮合剤の存在下、反応に不活性 溶媒中、冷却下から加熱下、好ましくは-20 ~60℃において、通常0.1時間~5日間撹拌する ここで用いられる溶媒の例としては、特に 定はされないが、ベンゼン、トルエン、キ レン等の芳香族炭化水素類、ジクロロメタ 、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム等のハ ゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、THF ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテ 類、DMF、DMSO、酢酸エチル、アセトニトリル 、及びこれらの混合物が挙げられる。縮合剤 の例としては、1-(3-ジメチルアミノプロピル) -3-エチルカルボジイミド、ジシクロヘキシル カルボジイミド、1,1’-カルボニルジイミダ ール、ジフェニルリン酸アジド、オキシ塩 リンが挙げられるが、これらに限定される のではない。添加剤(例えば4-ジメチルアミ ピリジン、4-ピロリジノピリジン等)を用い ことが反応に好ましい場合がある。トリエ ルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン N-メチルモルホリン、1,8-ジアザビシクロ[5,4 ,0]ウンデカ-7-エン等の有機塩基、又は炭酸カ リウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、 水素化ナトリウム等の無機塩基の存在下で反 応を行うことが、反応を円滑に進行させる上 で有利な場合がある。
 また、カルボン酸を反応性誘導体へ変換し 後にスルホンアミドと反応させる方法も用 ることができる。カルボン酸の反応性誘導 の例としては、オキシ塩化リン、塩化チオ ル等のハロゲン化剤と反応して得られる酸 ロゲン化物、クロロギ酸イソブチル等と反 して得られる混合酸無水物等が挙げられる これらの反応性誘導体とスルホンアミドと 反応は、ハロゲン化炭化水素類、芳香族炭 水素類、エーテル類等の反応に不活性な溶 中、冷却下から加熱下、好ましくは、-20℃~ 60℃で行うことができる。

(原料合成)
 上記製造法において使用する原料化合物は 例えば、前記の特許文献3、4、及び6に記載 方法、後述の製造例に記載の方法、当業者 とって自明な方法、あるいはそれらの変法 適用することによって製造することができ 。

 式(I)の化合物は、遊離化合物、その塩、水 物、溶媒和物、あるいは結晶多形の物質と て単離され、精製される。式(I)の化合物の は、常法の造塩反応に付すことにより製造 ることもできる。
 単離、精製は、抽出、分別結晶化、各種分 クロマトグラフィー等、通常の化学操作を 用して行なわれる。
 各種の異性体は、適当な原料化合物を選択 ることにより製造でき、あるいは異性体間 物理化学的性質の差を利用して分離するこ ができる。例えば、光学異性体は、ラセミ の一般的な光学分割法(例えば、光学活性な 塩基又は酸とのジアステレオマー塩に導く分 別結晶化や、キラルカラム等を用いたクロマ トグラフィー等)により得られ、また、適当 光学活性な原料化合物から製造することも きる。

 式(I)の化合物の薬理活性は、以下の試験に り確認した。
試験例1 EP1受容体発現細胞を用いた受容体拮 抗活性の測定実験
 ラットEP1受容体を安定的に発現させたHEK293 胞(アメリカン・タイプ・カルチャー・コレ クション社(American Type Culture Collection))を、 験前日に2X10 4 細胞/ウェルとなるように、96ウェル(well) ポ -D-リジン-コートプレート(商品名:バイオコ トPDL96Wブラック/クリアー、日本ベクトンデ ィッキンソン社)に分注し、37℃、5% 二酸化 素(CO 2 )下にて、10%ウシ胎児血清(FBS)を含む培地(商 名:DMEM、インビトロジェン社)中、一晩培養 る。培地をローディングバッファー(蛍光標 試薬(商品名:Fluo3-AM、同仁堂社)、4μMを含む 浄溶液:ハンクスバランス塩溶液(HBSS)、20mM  2-[4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジニル]エ ンスルホン酸(HEPES)-水酸化ナトリウム(NaOH)、 2.5mMプロベネシド、0.1%ウシ血清アルブミン(BS A))に置き換え、室温で3時間静置した後、洗 溶液をセットしたプレートウォッシャー(商 名:ELx405、バイオ-テック(BIO-TEK)インスツル ント社)にて細胞を洗浄した。洗浄溶液であ かじめ溶解、希釈した化合物を添加し、細 内カルシウム(Ca)濃度測定システム(商品名:F LIPR、モレキュラーデバイス社)にセットした 5分後に最終濃度100nMとなるようにPGE 2 を添加し、細胞内Ca濃度変化を測定した。細 内Ca濃度変化の最大値と最小値の差を算出 、測定データとして保存した。100nMのPGE 2 添加時を0%、バッファー添加時の応答を100%と したときに、50%阻害する濃度をIC 50 値として算出した。いくつかの式(I)の化合物 の試験結果を表1に示す。なお、表中、Exは後 記実施例番号を示す。

試験例2 EP1受容体発現細胞を用いた受容体結 合実験
 ラットEP1受容体は、N末端にシグナルペプチ ド(MKTIIALSYIFCLVFA:配列番号1)、およびFLAG配列(DY KDDDDK:配列番号2)を導入したうえ、発現ベクタ ー(商品名:pCEP4、インビトロジェン社)へサブ ローニングした。このラットEP1発現ベクタ を、トランスフェクション試薬(商品名:Fugen e-6、ロシュ・ダイアグノスティックス社)を いてHEK293EBNA細胞(アメリカン・タイプ・カル チャー・コレクション社(American Type Culture C ollection))にトランスフェクションした後、37 、5% CO 2 下にて、10% FBSを含む培地(商品名:DMEM、イン トロジェン社)中、2日間培養した。培養後 細胞を回収し、細胞溶解液(20mM トリス(ヒド ロキシメチル)アミノメタン(Tris)緩衝液pH7.5、  5mM エチレンジアミン四酢酸(EDTA))にて細胞 処置し、超遠心(23000回転、 25分X2回)により 膜標品を粗調整した。
 調整した膜標品(15μg)と 3 H-PGE 2 を含む反応液(150μl、組成:10mM 2-(N-モルホリ )エタンスルホン酸(MES)/水酸化カリウム(KOH)pH 6.0、 1mM EDTA、10mM 塩化マグネシウム(MgCl 2 )、0.02% 3-[(3-コラミドプロピル)ジメチルアン モニオ]プロパンスルホン酸(CHAPS))を、室温で 1時間インキュベートした。反応を氷冷バッ ァーで停止し、減圧下、吸引ろ過して結合 た 3 H-PGE 2 をガラスフィルター(商品名:ユニフィルター- 96、 GF/B、パーキンエルマー社)にトラップし 、結合放射活性をマイクロシンチ(商品名:マ クロシンチ20、パーキンエルマー社)を用い マイクロプレートシンチレーションカウン ー(商品名:トップカウント、パッカード社) 測定した。
 解離定数(Kd)値と最大結合量(Bmax)値は、スキ ャッチャードプロットから求めた(「アナル ・オブ・ザ・ニュー・ヨーク・アカデミー オブ・サイエンス(Annals of the New York Academ y of Science)」、(米国)、1949年、第51巻、p.660) 非特異的結合は過剰量(2.5μM)の非標識PGE 2 の存在下での結合として求めた。化合物によ る 3 H-PGE 2 結合阻害作用の測定は、 3 H-PGE 2 を2.5nM、および化合物を添加して行った。
各化合物の阻害定数Ki(nM)は次式により求めた :
Ki=IC 50 /(1+([C]/Kd))
式中、[C]は反応系に用いた 3 H-PGE 2 濃度を表す。
その結果、例えば、実施例71の化合物は0.47M いうKi値を示した。

試験例3 酢酸誘発頻尿ラットに対する作用
 化合物の抗頻尿作用を病態モデルを用いて 討した。酢酸のラット膀胱内処置により膀 粘膜が障害され、侵害刺激伝達求心性神経 活性化されることが知られている(「ザ・ジ ャーナル・オブ・ニューロサイエンス(The Jou rnal of Neuroscience)」、(米国)、1992年12月、第12 巻、第12号、p.4878-89)。酢酸の膀胱内処置によ り頻尿状態が誘発されるため、これら症状に 対する薬効評価が可能である。
 実験には体重200~450gのWistar系雄性ラット(チ ールズリバー社)を用いた。ペントバルビタ ール(50mg/kg、 i.p.)麻酔下に腹部を正中切開し て膀胱を露出し、27Gの注射針を装着したシリ ンジで膀胱内の残尿を除去した。その後1%酢 溶液0.5~0.7mLを膀胱内に注射し、閉創した。 の2日後に実験を行った。ラットを代謝ケー ジに入れ、1時間馴化した後に、被検薬を経 投与し、その直後から6時間排尿重量変化を 続的に測定した。総排尿量を総排尿回数で することにより、有効膀胱容量を算出した その結果、酢酸膀胱内処置群においては偽 術群に比べて有効膀胱容量が減少し、頻尿 態を呈した。一方、式(I)の化合物の中には3 mg/kgの最小有効用量(MED)で頻尿状態を良好に 善する化合物があることを確認した。

試験例4 チトクロームP450(CYP)3A4酵素阻害試験 (薬物間相互作用評価)
(1)阻害試験I(阻害活性Iの算出)
 96穴プレートを用いて、基質(ミダゾラム)、 試験化合物およびヒト肝ミクロゾーム(0.1mg p rotein/ml)を0.1mM EDTA、1mM NADPHを含む100mM リン 緩衝液中で20分間・・℃でインキュベーシ ンした。その後アセトニトリル80%含有水溶 を加えて反応を停止した。その後サンプル LC/MSで分析し、次式を用いて阻害活性Iを算 した。
 阻害活性I(%)=100-V  i,I /V 0,I ×100
 V i,I :阻害試験Iで既知濃度の試験化合物存在下に ける基質の代謝速度
 V 0,I :阻害試験Iで試験化合物非存在下における基 の代謝速度
(2)阻害試験II(阻害活性IIの算出)
 96穴プレートを用いて、試験化合物および ト肝ミクロゾーム(0.1 mg protein/ml)を0.1mM EDTA 、1mM NADPHを含む100mM リン酸緩衝液(pH=7.4)の 量145μl中で、30分間37℃でインキュベーショ した。その後、基質であるミダゾラムを添 して20分間37℃でインキュベーションした。 インキュベーション後、アセトニトリル80%含 有水溶液を加えて反応停止した。その後サン プルをLC/MSで分析し、次式を用いて阻害活性I Iを算出した。
 阻害活性II(%)=100-V i,II  /V 0,II  /(100-阻害活性I(%))×100×100
 V i,II :阻害試験IIで既知濃度の試験化合物存在下に おける基質の代謝速度
 V 0,II :阻害試IIで試験化合物非存在下における基質 の代謝速度
いくつかの式(I)の化合物の試験結果を表2に す。

以上より、式(I)の化合物のCYP3A4阻害作用は 弱いことが確認され、CYP3A4が代謝に関与する 薬剤との薬物相互作用を引き起こす懸念が少 ないと考えられる。

試験例5 ヒト肝ミクロゾームでの代謝安定性 試験
 ガラス試験管にて、試験化合物、ヒト肝ミ ロゾーム(0.2mg protein/ml)を0.1mM EDTA、1mM NADPH を含む100mM リン酸緩衝液中(pH7.4)で15分間37℃ でインキュベーションした。その後アセトニ トリル80%含有水溶液を加えて反応を停止した 。その後サンプルをHPLCで分析しintegration plot によりin vitro クリアランス(CLint)を算出した 。いくつかの式(I)の化合物の試験結果を表3 示す。

 以上より、式(I)の化合物はヒト肝臓にお る代謝に対する安定性が高く、肝初回通過 果を受けにくいと考えられる。

 上記の各試験の結果、式(I)の化合物は強 なEP1受容体拮抗作用を有し、頻尿状態を良 に改善すること、並びに、薬物相互作用を き起こす懸念が少なく、代謝安定性に優れ など医薬品として好ましい性質を有するこ が確認された。従って、下部尿路症状等の 療等に使用できる。さらに、いくつかの式( I)の化合物は、体内動態が良好であること、 びに、EP1/EP3受容体作動薬であるサルプロス トン(Sulprostone)誘発尿道内圧上昇及び膀胱内 上昇に対して抑制作用を有することが確認 れている。

 本発明における「下部尿路症状」をきたす 患としては、過活動膀胱、前立腺肥大症、 胱頸部硬化症、膀胱炎、前立腺炎などが挙 られる。
 本発明における「下部尿路症状」とは、昼 頻尿、夜間頻尿、尿意切迫感、切迫性尿失 などの蓄尿症状、尿勢の低下、尿線の途絶 排尿遅延などの排尿症状および残尿感など 排尿後症状、膀胱痛、尿道痛、外陰部痛、 嚢痛、骨盤痛などの性器又は下腹部痛を包 する。更に、蓄尿症状、排尿症状及び排尿 症状は、前立腺肥大症に伴う蓄尿症状、排 症状および排尿後症状を包含する。また、 尿症状は、過活動膀胱、膀胱炎および前立 炎に伴う、蓄尿症状を包含する。

 式(I)の化合物又はその塩の1種又は2種以上 有効成分として含有する医薬組成物は、当 野において通常用いられている賦形剤、即 、薬剤用賦形剤や薬剤用担体等を用いて、 常使用されている方法によって調製するこ ができる。
 投与は錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、 剤、液剤等による経口投与、又は、関節内 静脈内、筋肉内等の注射剤、坐剤、点眼剤 眼軟膏、経皮用液剤、軟膏剤、経皮用貼付 、経粘膜液剤、経粘膜貼付剤、吸入剤等に る非経口投与のいずれの形態であってもよ 。

 経口投与のための固体組成物としては、錠 、散剤、顆粒剤等が用いられる。このよう 固体組成物においては、1種又は2種以上の 効成分を、少なくとも1種の不活性な賦形剤 例えば乳糖、マンニトール、ブドウ糖、ヒ ロキシプロピルセルロース、微結晶セルロ ス、デンプン、ポリビニルピロリドン、及 /又はメタケイ酸アルミン酸マグネシウム等 と混合される。組成物は、常法に従って、不 活性な添加剤、例えばステアリン酸マグネシ ウムのような滑沢剤やカルボキシメチルスタ ーチナトリウム等のような崩壊剤、安定化剤 、溶解補助剤を含有していてもよい。錠剤又 は丸剤は必要により糖衣又は胃溶性若しくは 腸溶性物質のフィルムで被膜してもよい。
 経口投与のための液体組成物は、薬剤的に 容される乳濁剤、溶液剤、懸濁剤、シロッ 剤又はエリキシル剤等を含み、一般的に用 られる不活性な希釈剤、例えば精製水又は タノールを含む。当該液体組成物は不活性 希釈剤以外に可溶化剤、湿潤剤、懸濁剤の うな補助剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、防 剤を含有していてもよい。

 非経口投与のための注射剤は、無菌の水 又は非水性の溶液剤、懸濁剤又は乳濁剤を 有する。水性の溶剤としては、例えば注射 蒸留水又は生理食塩液が含まれる。非水性 溶剤としては、例えばプロピレングリコー 、ポリエチレングリコール又はオリーブ油 ような植物油、エタノールのようなアルコ ル類、又はポリソルベート80(局方名)等があ る。このような組成物は、さらに等張化剤、 防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤 、又は溶解補助剤を含んでもよい。これらは 例えばバクテリア保留フィルターを通す濾過 、殺菌剤の配合又は照射によって無菌化され る。また、これらは無菌の固体組成物を製造 し、使用前に無菌水又は無菌の注射用溶媒に 溶解又は懸濁して使用することもできる。

 外用剤としては、軟膏剤、硬膏剤、クリ ム剤、ゼリー剤、パップ剤、噴霧剤、ロー ョン剤、点眼剤、眼軟膏等を包含する。一 に用いられる軟膏基剤、ローション基剤、 性又は非水性の液剤、懸濁剤、乳剤等を含 する。例えば、軟膏又はローション基剤と ては、ポリエチレングリコール、プロピレ グリコール、白色ワセリン、サラシミツロ 、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、モノ テアリン酸グリセリン、ステアリルアルコ ル、セチルアルコール、ラウロマクロゴー 、セスキオレイン酸ソルビタン等が挙げら る。

 吸入剤や経鼻剤等の経粘膜剤は固体、液 又は半固体状のものが用いられ、従来公知 方法に従って製造することができる。例え 公知の賦形剤や、更に、pH調整剤、防腐剤 界面活性剤、滑沢剤、安定剤や増粘剤等が 宜添加されていてもよい。投与は、適当な 入又は吹送のためのデバイスを使用するこ ができる。例えば、計量投与吸入デバイス の公知のデバイスや噴霧器を使用して、化 物を単独で又は処方された混合物の粉末と て、もしくは医薬的に許容し得る担体と組 合わせて溶液又は懸濁液として投与するこ ができる。乾燥粉末吸入器等は、単回又は 数回の投与用のものであってもよく、乾燥 末又は粉末含有カプセルを利用することが きる。あるいは、適当な駆出剤、例えば、 ロロフルオロアルカン、ヒドロフルオロア カン又は二酸化炭素等の好適な気体を使用 た加圧エアゾールスプレー等の形態であっ もよい。

 通常経口投与の場合、1日の投与量は、体 重当たり約0.001~100 mg/kg、好ましくは0.1~30 mg/ kg、更に好ましくは0.1~10 mg/kgが適当であり、 これを1回であるいは2回~4回に分けて投与す 。静脈内投与される場合は、1日の投与量は 体重当たり約0.0001~10 mg/kgが適当で、1日1回~ 複数回に分けて投与する。また、経粘膜剤と しては、体重当たり約0.001~100 mg/kgを1日1回~ 数回に分けて投与する。投与量は症状、年 、性別等を考慮して個々の場合に応じて適 決定される。

 式(I)の化合物は、前述の式(I)の化合物が 効性を示すと考えられる疾患の種々の治療 又は予防剤と併用することができる。当該 用は、同時投与、或いは別個に連続して、 しくは所望の時間間隔をおいて投与しても い。同時投与製剤は、配合剤であっても別 に製剤化されていてもよい。

 以下、実施例に基づき、式(I)の化合物の 造法をさらに詳細に説明する。なお、本発 は、下記実施例に記載の化合物に限定され ものではない。また、原料化合物の製法を 造例にそれぞれ示す。また、式(I)の化合物 製造法は、以下に示される具体的実施例の 造法のみに限定されるものではなく、式(I) 化合物はこれらの製造法の組み合わせ、あ いは当業者に自明である方法によっても製 されうる。

 また、実施例、製造例及び後記表中におい 、以下の略号を用いることがある。
Pre:製造例番号、Ex:実施例番号、Str:構造式、S yn:製造方法(数字は、その番号を実施例番号 して有する実施例化合物と同様に、対応す 原料を用いて製造したことを示す。また、 字の前にPが付いている場合はその番号を製 例番号として有する製造例化合物と同様に 対応する原料を用いて製造したことを示す また、例えば、1,6のように、複数の製造方 を記載している場合は、対応する原料を用 て、それらの反応を左から順に行って製造 たことを示す。)、Dat:物理化学的データ(EI:E I-MS([M] + ); EP:ESI-MS(Pos)(無記載である場合は[M+H] + ); EN:ESI-MS(Neg)([M-H] - ) ; AP:APCI-MS(Pos)(無記載である場合は[M+H] + ); FP:FAB-MS(Pos)(無記載である場合は[M+H] + ); FN:FAB-MS(Neg)(無記載である場合は[M-H] - ); NMR1:DMSO-d 6 中の 1 H-NMRにおけるピークのδ(ppm) ; NMR2:CDCl 3 中の 1 H-NMRにおけるピークのδ(ppm)); Me:メチル、Et: チル、F 3 C:トリフルオロメチル、Boc:tert-ブトキシカル ニル、TBDPS:tert-ブチルジフェニルシリル。

製造例1
 5-メチルピラジン-2-カルボン酸エチル5.40gを 四塩化炭素54.0mLに溶解し、これに1-ブロモコ ク酸イミド5.78gと2,2'-アゾビス(イソブチロ トリル)267mgを加え、3時間加熱還流した。反 液を室温まで放冷した後、減圧濃縮し、得 れた残渣を酢酸エチル100mLに懸濁し、不溶 をろ別した。ろ液を飽和炭酸水素ナトリウ 水溶液、水、飽和食塩水で洗浄した後、無 硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留去 て得られた残渣をシリカゲルカラムクロマ グラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1~1:1)で精 製し、5-(ブロモメチル)ピラジン-2-カルボン エチル2.62gを得た。
製造例2
 6-アミノインダン-5-オール3.88gをTHF 80.0mLと 80.0mLに溶解し、これに氷冷下、水酸化ナト ウム5.21gと二炭酸-ジ-tert-ブチル22.8gを加え 後、室温にて終夜攪拌した。反応液を減圧 縮し、得られた溶液に0.1M塩酸水溶液を加え 溶液のpHを5とした後、酢酸エチルで抽出し 。有機層を水、飽和食塩水で洗浄した後、 水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を留 して得られた残渣をシリカゲルカラムクロ トグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精 製し、(6-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン -5-イル)カルバミド酸tert-ブチル3.36gを得た。

製造例3
 (6-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イ )カルバミド酸tert-ブチル1.00gをDMF 10.0mLに溶 解し、これに5-(ブロモメチル)ピラジン-2-カ ボン酸エチル1.08gと炭酸カリウム721mgを加え 60℃にて1時間攪拌した。反応液を、5%w/v ク エン酸水溶液にあけ、酢酸エチルで抽出した 。有機層を、5%w/vクエン酸水溶液、水、飽和 塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウム 乾燥した。溶媒を留去して得られた残渣を リカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサ ン:酢酸エチル=9:1~7:3)で精製し、5-[({6-[(tert-ブ トキシカルボニル)アミノ]-2,3-ジヒドロ-1H-イ デン-5-イル}オキシ)メチル]ピラジン-2-カル ン酸エチル690mgを得た。
製造例4
 5-[({6-[(tert-ブトキシカルボニル)アミノ]-2,3- ヒドロ-1H-インデン-5-イル}オキシ)メチル]ピ ラジン-2-カルボン酸エチル690mgを酢酸エチル7 .00mLに溶解し、これに4M塩化水素/酢酸エチル 液4.17mLを加え、50℃にて3時間攪拌した。反 液を減圧濃縮し、得られた残渣にイソプロ ノールを加えて固化し、5-{[(6-アミノ-2,3-ジ ドロ-1H-インデン-5-イル)オキシ]メチル}ピラ ジン-2-カルボン酸エチル 三塩酸塩712mgを得 。

製造例5
 5-{[(6-アミノ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル )オキシ]メチル}ピラジン-2-カルボン酸エチル  三塩酸塩712mgにピリジン35.6mLと0.21M 4-メチ -1,3-チアゾール-2-スルホニルクロリド/tert-ブ チルメチルエーテル溶液35.0mLを加え、室温に て終夜攪拌した。反応液を減圧濃縮し、得ら れた残渣に5%w/vクエン酸水溶液を加え、酢酸 チルで抽出した。有機層を水と飽和食塩水 洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥 た。溶媒を留去して得られた残渣をシリカ ルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム :メタノール=100:1~95:5)で精製し、5-{[(6-{[(4-メ ル-1,3-チアゾール-2-イル)スルホニル]アミノ} -2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)オキシ]メチ }ピラジン-2-カルボン酸エチル256mgを得た。
製造例6
 (2-ヒドロキシ-4,5-ジメチルフェニル) カル ミド酸tert-ブチル2.13gをTHF 44.9mLに溶解し、 れに6-(ヒドロキシメチル)ニコチン酸メチル1 .50g、トリフェニルホスフィン7.06g、アゾジカ ルボン酸ジエチル11.7gを加え、室温にて終夜 拌した。反応液に、飽和炭酸水素ナトリウ 水溶液を加えた後、酢酸エチルで抽出した 有機層を飽和食塩水で洗浄した後、無水硫 ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去して得 れた残渣を酢酸エチル30.0mLに溶解し、これ 4M塩化水素/酢酸エチル溶液60.0mLを加え、1時 間攪拌した。析出した沈殿物をろ取し、酢酸 エチルで洗浄した後、減圧乾燥し、6-[(2-アミ ノ-4,5-ジメチルフェノキシ)メチル]ニコチン メチル 塩酸塩1.76gを得た。

製造例7
 4-({4,5-ジメチル-2-[(ピリジン-2-イルスルホニ ル)アミノ]フェノキシ}メチル)安息香酸メチ 680mgをピリジン6.45mLに溶解し、これに2-メチ オキシラン1.13mLを加え、封管中、80℃にて 夜攪拌した。反応液を減圧濃縮し、得られ 残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ (クロロホルム:メタノール=100:1~99:1)で精製し 、4-({2-[(2-ヒドロキシプロピル)(ピリジン-2-イ ルスルホニル)アミノ]-4,5-ジメチルフェノキ }メチル)安息香酸メチル466mgを得た。
製造例8
 2-フルオロ-4-メチル安息香酸15.4gをメタノー ル200mLに溶解し、これに濃硫酸10.0mLを加え、 夜加熱還流した。反応液を室温まで冷却後 約50mLまで濃縮し、これに水を加え酢酸エチ ルで抽出した。有機層を水、飽和食塩水で洗 浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶 媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカラ ムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル= 95:5~90:10)で精製し、2-フルオロ-4-メチル安息 酸メチル15.2gを得た。

製造例9
 6-ニトロインダン-5-オール7.17gをDMF 80.0mLに 解し、これに4-(ブロモメチル)-2-フルオロ安 息香酸メチル10.9gと炭酸カリウム6.63gを加え 50℃にて終夜攪拌した。反応液に水を加え、 酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で 洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。 溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカ ラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチ =2:1~1:1)で精製し、2-フルオロ-4-{[(6-ニトロ-2, 3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)オキシ]メチル} 安息香酸メチル11.1gを得た。
製造例10
 2-フルオロ-4-{[(6-ニトロ-2,3-ジヒドロ-1H-イン デン-5-イル)オキシ]メチル}安息香酸メチル11. 0gを酢酸120mLと水12.0mLに溶解し、これに60℃に て還元鉄8.89gを加え、60℃にて4.5時間攪拌し 。反応液を室温まで冷却後、セライトろ過 、ろ液を減圧濃縮した。得られた残渣を水 酢酸エチルに懸濁し、炭酸水素ナトリウム 加えて中和した後、セライトろ過した。ろ を酢酸エチルで抽出した後、有機層を飽和 塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾 した。溶媒を留去して得られた残渣をシリ ゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン:酢 酸エチル=95:5~90:10)で精製し、4-{[(6-アミノ-2,3- ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)オキシ]メチル}-2 -フルオロ安息香酸メチル6.06gを得た。

製造例11
 55%水素化ナトリウム/パラフィンオイル1.04g DMF 40.0mLに懸濁し、これに5℃にて6-ニトロ ンダン-5-オール3.90gのDMF(10.0mL)溶液を15分か て滴下し、5℃にて30分間攪拌した。反応液 メトキシメチルクロリド2.15mLを5分かけて滴 した後、室温にて1時間攪拌した。反応液に 水を加えた後、酢酸エチルで抽出し、有機層 を水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネ シウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた 残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー (ヘキサン:酢酸エチル=100:0~80:20)で精製し、5-( メトキシメトキシ)-6-ニトロインダン4.20gを得 た。
製造例12
 5-(メトキシメトキシ)-6-ニトロインダン4.20g メタノール42.0mLに溶解し、これに10%パラジ ム炭素500mgを加え、水素雰囲気下、室温に 6時間攪拌した。触媒をろ去した後、ろ液を 圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラ クロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4 :1)で精製し、6-(メトキシメトキシ)インダン-5 -アミン3.30gを得た。

製造例13
 6-(メトキシメトキシ)インダン-5-アミン3.30g ピリジン33.0mLに溶解し、これに0.54M 4-メチ -1,3-チアゾール-2-スルホニルクロリド/tert- チルメチルエーテル溶液157mLを加え、室温に て終夜攪拌した。反応液を減圧濃縮した後、 残渣に水と酢酸エチルを加え、不溶物をろ去 した。ろ液を酢酸エチルで抽出し、有機層を 水、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシ ウムで乾燥した。溶媒を留去して得られた残 渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー( キサン:酢酸エチル=73:27~60:40)で精製し、N-[6-( メトキシメトキシ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5 -イル]-4-メチル-1,3-チアゾール-2-スルホンア ド4.79gを得た。

製造例14
 N-[6-(メトキシメトキシ)-2,3-ジヒドロ-1H-イン デン-5-イル]-4-メチル-1,3-チアゾール-2-スルホ ンアミド896mg、トリブチルホスフィン665mg及 (2S)-2-フルオロプロパン-1-オール257mgをTHF 8.9 6mLに溶解し、これに1,1'-[(E)-ジアゼン-1,2-ジイ ルジカルボニル]ジピペリジン829mgを加え、室 温にて終夜攪拌した。不溶物をろ去した後、 ろ液を減圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲ ルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸 チル=90:10~50:50)で精製し、N-[(2S)-2-フルオロ ロピル]-N-[6-(メトキシメトキシ)-2,3-ジヒドロ -1H-インデン-5-イル]-4-メチル-1,3-チアゾール-2 -スルホンアミド632mgを得た。
製造例15
 N-[(2S)-2-フルオロプロピル]-N-[6-(メトキシメ キシ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル]-4-メ ル-1,3-チアゾール-2-スルホンアミド630mgをメ ノール3.50mLに溶解し、これに4M塩化水素/ジ キサン溶液1.50mLを加え室温にて6時間攪拌し た。反応液を減圧濃縮した、得られた残渣に 飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた後、 酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水 で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後 、溶媒を留去し、N-[(2S)-2-フルオロプロピル]- N-(6-ヒドロキシ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イ )-4-メチル-1,3-チアゾール-2-スルホンアミド5 86mgを得た。

製造例16
 ピラジン-3,6-ジカルボン酸エチル1.15gをエタ ノール34.5mLに溶解し、これに1M水酸化ナトリ ム水溶液5.64mLを加え、室温にて3.5時間攪拌 た。析出した塩をろ取し、これを少量の水 溶解した後、この溶液を1M塩酸水溶液で酸 (pH=2)にした後、酢酸エチルで抽出した。有 層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリ ムで乾燥後、溶媒を留去し、6-(エトキシカ ボニル)ピリダジン-3-カルボン酸435mgを得た
製造例17
 6-(エトキシカルボニル)ピリダジン-3-カルボ ン酸435mgをジメトキシエタン11.0mLに溶解し、 れに0℃にて4-メチルモルホリン0.424mLとクロ ロギ酸イソブチル0.531mLを加えた。0℃にて2時 間攪拌した後、反応液に水素化ホウ素ナトリ ウム294mgの水(2.50mL)懸濁液を加え、0℃にてさ に20分間攪拌した。反応液に水を加え、酢 エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗 後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶 を留去して得られた残渣をシリカゲルカラ クロマトグラフィー(クロロホルム:メタノー ル=97:3~90:10)で精製し、6-(ヒドロキシメチル) リダジン-3-カルボン酸エチル184mgを得た。

製造例18
 4-({4,5-ジメチル-2-[(ピリジン-2-イルスルホニ ル)アミノ]フェノキシ}メチル)安息香酸メチ 596mgをDMF 5.96mLに溶解し、これに{[(2S)-3-ブロ -2-メチルプロピル]オキシ}(tert-ブチル)ジフ ニルシラン820mgと炭酸セシウム1.37gを加え、 80℃にて4時間攪拌した。反応液に水を加え、 酢酸エチルで抽出した。有機層を水、飽和食 塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し た。溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲ ルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸 チル=60:40)で精製し、4-[(2-{[(2R)-3-{[tert-ブチ (ジフェニル)シリル]オキシ}-2-メチルプロピ ](ピリジン-2-イルスルホニル)アミノ}-4,5-ジ ェニルフェノキシ)メチル]安息香酸メチル84 0mgを得た。
製造例19
 4-[(2-{[(2R)-3-{[tert-ブチル(ジフェニル)シリル] オキシ}-2-メチルプロピル](ピリジン-2-イルス ルホニル)アミノ}-4,5-ジフェニルフェノキシ) チル]安息香酸メチル840mgをTHF 8.40mLに溶解 、これに室温にて1Mフッ化テトラブチルアン モニウム/THF溶液0.554mLを加え、室温にて2時間 攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム 水溶液を加えた後、酢酸エチルで抽出した。 有機層を水、飽和食塩水で洗浄した後、無水 硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去して 得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグ ラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=60:40~0:100)で精 製し、4-[(2-{[(2R)-3-ヒドロキシ-2-メチルプロピ ル](ピリジン-2-イルスルホニル)アミノ}-4,5-ジ メチルフェノキシ)メチル]安息香酸メチル468m gを得た。

 製造例1~19の方法と同様にして、後記表に 示す製造例20~40の化合物をそれぞれ対応する 料を使用して製造した。製造例化合物の構 、製造法及び物理化学的データを表4~6に示 。

実施例1
 4-{[(6-{[(4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル)スル ニル]アミノ}-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イ )オキシ]メチル}安息香酸メチル311mg、2-フル ロ-1-プロパノール63.6mg、トリフェニルホス ィン356mgをTHF 4.0mLに溶解し、これに氷冷下 ゾジカルボン酸ジエチル591mgを加え、室温 て20時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、得 られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラ フィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0~60:40)で精製 し、4-{[(6-{(2-フルオロプロピル)[(4-メチル-1,3- チアゾール-2-イル)スルホニル]アミノ}-2,3-ジ ドロ-1H-インデン-5-イル)オキシ]メチル}安息 香酸メチル364mgを得た。
実施例2
 N-[(2S)-2-フルオロプロピル]-N-(6-ヒドロキシ-2 ,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)-4-メチル-1,3- アゾール-2-スルホンアミド133mg、トリブチル ホスフィン94.4mg及び5-(ヒドロキシメチル)ピ ジン-2-カルボン酸エチル71.5mgをTHF 1.33mLに溶 解し、これに1,1'-[(E)-ジアゼン-1,2-ジイルジカ ルボニル]ジピペリジン118mgを加え室温にて終 夜攪拌した。不溶物をろ去した後、溶媒を減 圧濃縮し、得られた残渣をシリカゲルカラム クロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=80: 20)で精製し、5-{[(6-{[(2S)-2-フルオロプロピル][ (4-メチル-1,3-チアゾール-2-イル)スルホニル] ミノ}-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)オキシ ]メチル}ピリジン-2-カルボン酸エチル116mgを た。

実施例3
 N-[(2S)-2-フルオロプロピル]-N-(6-ヒドロキシ-2 ,3-ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)-4-メチル-1,3- アゾール-2-スルホンアミド137mgをDMF 1.05mLに 解し、これに2-(ブロモメチル)-1,3-チアゾー -5-カルボン酸エチル139mgと炭酸カリウム102mg を加え、室温にて2時間撹拌した。反応液に を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を 、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウ で乾燥した。溶媒を減圧濃縮し、得られた 渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー( キサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、2-{[(6-{[(2S) -2-フルオロプロピル][(4-メチル-1,3-チアゾー -2-イル)スルホニル]アミノ}-2,3-ジヒドロ-1H- ンデン-5-イル)オキシ]メチル}-1,3-チアゾール -5-カルボン酸エチル154mgを得た。
実施例4
 4-({2-[(2-ヒドロキシプロピル)(ピリジン-2-イ スルホニル)アミノ]-4,5-ジメチルフェノキシ }メチル)安息香酸メチル460mgをジクロロメタ 4.00mLに溶解し、これに氷冷下、三フッ化ジ チルアミノ硫黄161mgを滴下し、氷冷下30分間 拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで 出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾 した。溶媒を減圧濃縮し、得られた残渣を リカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサ ン:酢酸エチル=3:1~1:1)で精製し、4-({2-[(2-フル ロプロピル)(ピリジン-2-イルスルホニル)ア ノ]-4,5-ジメチルフェノキシ}メチル)安息香 メチル109mgを得た。

実施例5
 4-{[(6-{(2-フルオロプロピル)[(4-メチル-1,3-チ ゾール-2-イル)スルホニル]アミノ}-2,3-ジヒ ロ-1H-インデン-5-イル)オキシ]メチル}安息香 メチルを351mgをTHF 5.00mLとメタノール5.00mLに 溶解し、これに1M水酸化ナトリウム水溶液2.03 mLを加え50℃にて4時間攪拌した。反応液を減 濃縮し、得られた残渣に5% w/vクエン酸水溶 液とクロロホルムを加え、有機層をIsotute社 Phase Separate-filterを用いて分離し、無水硫酸 トリウムで乾燥した。溶媒を留去して得ら た残渣をエタノール5.00mLに溶解し、これに 酸化ナトリウム水溶液0.765mLを加え、減圧濃 縮し、得られた粗製物にイソプロパノール/ タノールを加えて結晶化し、ろ取、減圧乾 して、4-{[(6-{(2-フルオロプロピル)[(4-メチル- 1,3-チアゾール-2-イル)スルホニル]アミノ}-2,3- ジヒドロ-1H-インデン-5-イル)オキシ]メチル} 息香酸ナトリウム268mgを得た。

実施例6
 6-[({6-[(2-フルオロプロピル)(ピリジン-3-イル スルホニル)アミノ]-2,3-ジヒドロ-1H-インデン- 5-イル}オキシ)メチル]ニコチン酸メチルを148m gをTHF 3.00mLとメタノール1.50mLに溶解し、これ に1M水酸化ナトリウム水溶液1.50mLを加え室温 て終夜攪拌した。反応液を減圧濃縮し、得 れた残渣に5% w/vクエン酸水溶液を加え、ク ロロホルムで抽出した。有機層を減圧濃縮し 、得られた粗製物にイソプロパノール/ジイ プロピルエーテルを加えて結晶化し、ろ取 減圧乾燥して、6-[({6-[(2-フルオロプロピル)( リジン-3-イルスルホニル)アミノ]-2,3-ジヒド ロ-1H-インデン-5-イル}オキシ)メチル]ニコチ 酸79mgを得た。
実施例7
 4-{[(6-{[(2S)-2-フルオロプロピル](ピリジン-3- ルスルホニル)アミノ}-2,3-ジヒドロ-1H-イン ン-5-イル)オキシ]メチル}安息香酸312mgをDMF 4 .00mLに溶解し、室温にて1,1'-カルボニルジイ ダゾール125mgを加えた。室温にて1時間攪拌 た後、メタンスルホンアミド79.6mgと1,8-ジア ビシクロ[5,4,0]ウンデカ-7-エン127mgを加え、 温にてさらに18時間攪拌した。反応液に水 加え、1M塩酸水溶液で酸性(pH=1)にした後、酢 酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で 洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。 溶媒を留去して得られた残渣をシリカゲルカ ラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタ ール=97:3~95:5)で精製し、得られた残渣に酢 エチル/ヘキサンを加えて固化し、ろ取、減 乾燥して、4-{[(6-{[(2S)-2-フルオロプロピル]( リジン-3-イルスルホニル)アミノ}-2,3-ジヒド ロ-1H-インデン-5-イル)オキシ]メチル}-N-(メチ スルホニル)ベンズアミド278mgを得た。

 実施例1~7の方法と同様にして、後記表に す実施例8~121の化合物を製造した。実施例 合物の構造を表7~19に、製造法及び物理化学 データを表20~24にそれぞれ示す。

 式(I)の化合物又はその塩は、強力なEP1受 体拮抗作用を有し、下部尿路症状等の予防 び/又は治療剤として使用できる。

 以下の配列表の数字見出し<223>には 「Artificial Sequence」の説明を記載する。具体 的には、配列表の配列番号1の配列で表され アミノ酸配列は、人工的に合成したシグナ ペプチド配列である。また、配列表の配列 号2の配列で表されるアミノ酸配列は、人工 に合成したFLAG配列である。