HIYAMA TAKEHIRO (JP)
LI CHUN (JP)
KANKI TOSHIHIKO (JP)
TAKEUCHI TAKESHI (JP)
HIYAMA TAKEHIRO (JP)
LI CHUN (JP)
KANKI TOSHIHIKO (JP)
JPS63239911A | 1988-10-05 | |||
JPH09147913A | 1997-06-06 |
Patent business corporation Yasutomi international patent firm (JP)
下記式(1)で表されるスルホン化合物。 |
式(1)において、R 1 は、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基またはs-ブチル基であり、R 2 は、イソブチル基またはs-ブチル基である請求項1に記載のスルホン化合物。 |
本発明は、スルホン化合物に関する。さ に詳しくは、主に電気化学デバイス用溶媒 に有用なスルホン化合物に関する。
スルホン化合物は、抽出溶剤や各種反応 剤として用いられる一方、誘電率が高いも は、非プロトン性極性溶媒として、電気化 デバイス用の溶媒としても用いられる。具 的には、スルホン化合物であるスルホラン 3-メチルスルホラン等のスルホラン誘導体 電解液として用いる電気二重層コンデンサ( 許文献1)、スルホランや3-メチルスルホラン 等のスルホラン誘導体とプロピレンカーボネ ートとの混合溶媒を電解液として用いる電気 二重層コンデンサ(特許文献2)等が提案されて いる。
電気化学デバイス用溶媒等に用いられる プロトン性極性溶媒には、一般的に融点が く、熱的安定性に優れ、低粘度であること 望まれている。また、電気化学デバイス種 よれば、系内水分の存在が問題になる場合 あり、その際には、水の溶解度が低い溶媒 好ましく用いられる。
しかしながら、特許文献1および特許文献 2に記載のスルホン化合物は、融点が比較的 いことから、低温環境において機能が低下 る等の不具合がある。また、これらと共に いられるプロピレンカーボネートは、熱的 定性に劣り、水の溶解度が比較的高いとい た不具合がある。
本発明は、融点が比較的低く、熱的安定 に優れた非プロトン性極性溶媒を提供する とを目的とする。
本発明は、下記式(1)で示すスルホン化合 に関する。
式(1)中、R 1 およびR 2 は炭素数3~6のアルキル基を示す。ただし、R 1 とR 2 とは異なる基である。
R 1 で示される炭素数3~6のアルキル基において、 炭素数3~4の鎖状アルキル基が好ましく、なか でもプロピル基、イソプロピル基、ブチル基 またはs-ブチル基がより好ましい。
R 2 で示される炭素数3~6のアルキル基において、 炭素数4の分岐鎖状アルキル基が好ましく、 かでもイソブチル基またはs-ブチル基がより 好ましい。
式(1)で表される本発明のスルホン化合物 具体例としては、例えば、プロピルイソプ ピルスルホン、プロピルイソブチルスルホ 、プロピルs-ブチルスルホン、プロピルt-ブ チルスルホン、イソプロピルブチルスルホン 、イソプロピルイソブチルスルホン、イソプ ロピルs-ブチルスルホン、イソプロピルt-ブ ルスルホン、ブチルイソブチルスルホン、 チルs-ブチルスルホン、ブチルt-ブチルスル ン、イソブチルs-ブチルスルホン、イソブ ルt-ブチルスルホン、s-ブチルt-ブチルスル ン、プロピルイソペンチルスルホン、イソ ロピルイソペンチルスルホン、プロピルイ ヘキシルスルホンおよびイソプロピルイソ キシルスルホン等が挙げられる。
これらの中でもプロピルイソブチルスル ン、プロピルs-ブチルスルホン、イソプロ ルブチルスルホン、イソプロピルイソブチ スルホン、イソプロピルs-ブチルスルホン、 ブチルイソブチルスルホン、ブチルs-ブチル ルホン、s-ブチルイソブチルスルホンが好 しく用いられる。
式(1)で表されるスルホン化合物は、例え 、式(2)で表されるチオールと式(3)で表され 有機ハロゲン化合物とを反応させて、式(4) 表されるスルフィド化合物となし、酸化剤 用いて該スルフィド化合物を酸化させるこ によって製造することができる。
上記式(2)中、R 1 は炭素数3~6のアルキル基を示す。
上記式(3)中、R 2 は炭素数3~6のアルキル基を示し、式(2)におけ るR 1 とは異なる基である。Xはハロゲン原子を示 。
上記式(4)中、R 1 は式(2)におけるR 1 と同じ基を示し、R 2 は式(3)におけるR 2 と同じ基を示す。
式(2)で表されるチオールおよび有機ハロ ン化合物は、市販のものを用いることがで る。
前記チオールの具体例としては、例えば プロピルチオール、イソプロピルチオール ブチルチオールおよびs-ブチルチオール等 挙げられる。
前記有機ハロゲン化合物の具体例として 、例えば、2-ブロモブタンおよび1-ブロモイ ソブタン等が挙げられる。
式(2)で表されるチオールと式(3)で表され 有機ハロゲン化合物との反応において、チ ールの使用割合は、前記有機ハロゲン化合 1モルに対して、0.5~10モルであることが好ま しく、0.5~5モルであることがより好ましい。
本発明に係るチオールと有機ハロゲン化 物との反応に際し、溶媒は用いなくてもよ が、原料が固体または反応液粘度が高く、 拌が不十分な場合など必要に応じて用いて よい。用いる溶媒としては、特に制限され ものではないが、例えば、メタノール、エ ノール、プロパノール、ブタノール、ペン ノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オ タノール、ノナノール、デカノール、ウン カノール、ドデカノール、トリデカノール テトラデカノール、シクロヘキサノール、 チレングリコール、プロピレングリコール のアルコール類、ジエチルエーテル、ジプ ピルエーテル、ジブチルエーテル、ジペン ルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジヘプ ルエーテル、ジオクチルエーテル、THF、テ ラヒドロピラン、1,4-ジオキサン等のエーテ ル類、アセトニトリル、アクリロニトリル、 プロピオニトリル等のニトリル類、アセトン 、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケ トン、シクロヘキサノン等のケトン類、ブチ ロラクトン、カプロラクトン、ヘキサノラク トン、酢酸エチル等のエステル類、ジメチル スルホキシド等のスルホキシド類、ペンタン 、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、 デカン、ウンデカン、ドデカン、シクロヘキ サン、石油エーテル、ベンジン、ケロシン、 トルエン、キシレン、メシチレン、ベンゼン 等の炭化水素類、並びに水等を挙げることが できる。これらの中でもメタノールおよび水 が好適に用いられる。これら溶媒は、1種単 で使用しても良いし、あるいは2種以上を組 合わせて使用してもよい。
前記溶媒の使用量は、特に限定されるも ではないが、有機ハロゲン化合物100重量部 対して、100~5000重量部であることが好まし 。
反応温度は、0~200℃が好ましく、10~150℃ より好ましい。反応時間は通常1~30時間であ 。
本発明のスルホン化合物を製造する方法 おいて、前記式(3)で示されるスルフィド化 物の酸化に用いられる酸化剤の具体例とし は、特に限定されることはなく、例えば、 マンガン酸カリウム、クロム酸、酸素、過 化水素水並びに3-クロロ過安息香酸等の有 化酸化物等が挙げられる。これらの中でも 過酸化水素水が好ましく用いられる。
酸化剤の使用割合は、スルフィド化合物1 モルに対して、1.8~10モルの割合であることが 好ましく、2~5モルの割合であることがより好 ましい。
スルフィド化合物を酸化する際に、溶媒 用いなくてもよいが、原料が固体または反 液粘度が高く、攪拌が不十分な場合など必 に応じて用いてもよい。用いる溶媒として 、特に制限されるものではないが、例えば 四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタ 、ブロモプロパン、ブロモブタン、ブロモ ンタン、ブロモヘキサン、ヨウ化メチル、 ウ化エチル、ヨウ化プロピル等のハロゲン アルキル類、アセトン、メチルエチルケト 、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサ ン等のケトン類、ペンタン、ヘキサン、ヘ タン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデ ン、ドデカン、シクロヘキサン、石油エー ル、ベンジン、ケロシン、トルエン、キシ ン、メシチレン、ベンゼン等の炭化水素類 並びに水等を挙げることができる。これら 中でもハロゲン化アルキル類および水が好 に用いられる。これら溶媒は、1種単独で使 用してもよいし、あるいは2種以上を組み合 せて使用してもよい。
前記溶媒の使用量は、特に限定されるも ではないが、スルフィド化合物100重量部に して、100~5000重量部であることが好ましい
反応温度は、0~200℃が好ましく、10~150℃ より好ましい。反応時間は通常1~30時間であ 。
かくして得られるスルホン化合物は、必 に応じて水洗、分液した後、蒸留すること より単離することができる。
本発明のスルホン化合物は、例えば、電解
溶媒等の電気化学デバイス用溶媒に好適に
用することができる。
上記電気化学デバイスとしては、例えば、リ
チウム一次電池、リチウム二次電池、リチウ
ムイオン電池、燃料電池、太陽電池、電気二
重層コンデンサ等が挙げられる。
本発明のスルホン化合物は、水の溶解度が
いという特徴を有する。これにより、上記
気化学デバイス用溶媒に用いた場合、水の
入を抑制することができ、電流効率の低下
、内圧上昇等の発生を防止することができ
。
また、本発明のスルホン化合物は、融点が
較的低く、熱的安定性に優れることから、
温から高温まで広い温度範囲で安全に使用
ることができる。
更に、本発明のスルホン化合物は、粘度が
いことから、電解質のイオン導電性を大幅
高めることができ、高い電気特性を実現す
ことができる。
本発明のスルホン化合物は、融点が比較 低く、熱的安定性に優れたものであり、更 粘度が低く、且つ、水の溶解度の低い非プ トン性極性溶媒であることから、主に電気 学デバイス用溶媒として有用である。
以下に実施例を挙げ、本発明をさらに具 的に説明するが、本発明はこれらの実施例 より何ら限定されるものではない。
実施例1 [ブチルイソブチルスルホンの合成
(BIBS)]
攪拌機、温度計および冷却器を備え付けた2
00mL容の四つ口フラスコに、窒素雰囲気下で
10%水酸化ナトリウム水溶液60g(0.15mol)を仕込
、室温に維持しながら1-ブタンチオール13.5g(
0.15mol)を徐々に加えた後、1時間撹拌した。次
に、攪拌機、温度計および冷却器を備え付け
た200mL容の四つ口フラスコに1-ブロモ-2-メチ
プロパン13.7g(0.10mol)を仕込み、上記の1-ブタ
チオールの水酸化ナトリウム水溶液の全量
加え、60℃で2時間攪拌した。これを室温ま
冷却し、ジクロロメタンを50ml加え10分撹拌
た後、ジクロロメタン層を分取し、超純水3
0mLで1回洗浄した。得られたジクロロメタン
に35%過酸化水素水19.2g(0.20mol)を加え、30℃で2
時間攪拌し、ジクロロメタン層を蒸留するこ
とにより、無色透明液体のブチルイソブチル
スルホン16.0gを得た。得られたブチルイソブ
ルスルホンの収率は、1-ブロモ-2-メチルプ
パンに対して90%であった。
得られたブチルイソブチルスルホンの融 および発熱開始温度について、窒素雰囲気 、示差走査熱量計を用いて測定した。また 粘度は回転粘度計(株式会社トキメックの商 品名「DISITAL VISCOMETER」)を用いて測定した。 らに、水の溶解度について、カールフィッ ャー電量滴定装置を用いて、水を飽和溶解 せた当該スルホン化合物の水分量を測定す ことにより求めた。
なお、得られたブチルイソブチルスルホ は、下記の物性を有することから同定する とができた。
1-
H-NMR(400MHz,溶媒:CDCl 3
):0.98(t,J=7.4Hz,3H),1.14(d,J=6.8Hz,6H),1.48(m,2H),1.83(m,2H
),2.38(m,1H),2.85(d,J=6.5Hz,2H),2.95(m,2H)
元素分析:C 53.9;H 10.2;S 18.0(計算値 C 53.9;H
10.2;S 18.0)
実施例2 [プロピルイソブチルスルホンの合
成(PIBS)]
攪拌機、温度計および冷却器を備え付けた2
00mL容の四つ口フラスコに、窒素雰囲気下で
10%水酸化ナトリウム水溶液60g(0.15mol)を仕込
、室温に維持しながら1-プロパンチオール11.
4g(0.15mol)を徐々に加えた後、1時間撹拌した。
次に、攪拌機、温度計および冷却器を備え付
けた200mL容の四つ口フラスコに1-ブロモ-2-メ
ルプロパン13.7g(0.10mol)を仕込み、上記の1-プ
パンチオールの水酸化ナトリウム水溶液の
量を加え、60℃で2時間攪拌した。これを室
まで冷却し、ジクロロメタンを50ml加え10分
拌した後、ジクロロメタン層を分取し、超
水30mLで1回洗浄した。得られたジクロロメ
ン層に35%過酸化水素水19.2g(0.20mol)を加え、30
で2時間攪拌し、ジクロロメタン層を蒸留す
ることにより、無色透明液体のプロピルイソ
ブチルスルホン14.5gを得た。得られたプロピ
イソブチルスルホンの収率は、1-ブロモ-2-
チルプロパンに対して88%であった。
得られたプロピルイソブチルスルホンの 点、発熱開始温度、粘度および水の溶解度 実施例1と同様の方法により測定した。結果 を表1に示す。
なお、得られたプロピルイソブチルスル ンは、下記の物性を有することから同定す ことができた。
1-
H-NMR(400MHz,溶媒:CDCl 3
):1.09(t,J=7.4Hz,3H),1.14(d,J=6.7Hz,6H),1.89(m,2H),2.38(m,1H
),2.85(d,J=6.6Hz,2H),2.93(m,2H)
元素分析:C 51.2;H 9.8;S 19.5(計算値 C 51.2;H
9.8;S 19.5)
実施例3 [イソプロピルイソブチルスルホン
の合成(IPIBS)]
攪拌機、温度計および冷却器を備え付けた2
00mL容の四つ口フラスコに、窒素雰囲気下で
10%水酸化ナトリウム水溶液60g(0.15mol)を仕込
、室温に維持しながら2-プロパンチオール11.
4g(0.15mol)を徐々に加えた後、1時間撹拌した。
次に、攪拌機、温度計および冷却器を備え付
けた200mL容の四つ口フラスコに1-ブロモ-2-メ
ルプロパン13.7g(0.10mol)を仕込み、上記の2-プ
パンチオールの水酸化ナトリウム水溶液の
量を加え、60℃で2時間攪拌した。これを室
まで冷却し、ジクロロメタンを50ml加え10分
拌した後、ジクロロメタン層を分取し、超
水30mLで1回洗浄した。得られたジクロロメ
ン層に35%過酸化水素水19.2g(0.20mol)を加え、30
で2時間攪拌し、ジクロロメタン層をするこ
とにより、無色透明液体のイソプロピルイソ
ブチルスルホン11.2gを得た。得られたイソプ
ピルイソブチルスルホンの収率は、1-ブロ
-2-メチルプロパンに対して85%であった。
得られたイソプロピルイソブチルスルホ の融点、発熱開始温度、粘度および水の溶 度を実施例1と同様の方法により測定した。 結果を表1に示す。
なお、得られたイソプロピルイソブチル ルホンは、下記の物性を有することから同 することができた。
1-
H-NMR(400MHz,溶媒:CDCl 3
):1.15(d,J=6.7Hz,6H),1.39(d,J=6.8Hz,6H),2.41(m,1H),2.81(d,J=
6.5Hz,2H),3.06(m,1H)
元素分析:C 51.2;H 9.8;S 19.5(計算値 C 51.2;H
9.8;S 19.5)
実施例1~3における融点、発熱開始温度、 度および水の溶解度の測定結果を、比較例1 としてのプロピレンカーボネート、比較例2 してのスルホランとともに表1に示す。
本発明によれば、主に電気化学デバイス 溶媒等に有用である融点が比較的低く、熱 安定性に優れた非プロトン性極性溶媒を提 することができる。
Next Patent: WATER-REPELLENT, OIL-REPELLENT AGENT COMPOSITIONS AND MANUFACTURING METHOD THEREFOR