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Title:
SUPERCRITICAL WATER BIOMASS COMBUSTION BOILER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/143078
Kind Code:
A1
Abstract:
[PROBLEMS] To provide a supercritical water biomass combustion boiler which can directly drive a power generation gas turbine by continuously producing a high-temperature and high-pressure combustion gas using, as a fuel, all types of biomass having a water content up to about 90% regardless of the shape, or can drive the power generation steam turbine by producing supercritical water by heat exchange, and can advantageously simplify the apparatus construction, can recover and effectively utilize waste heat and can realize cost effectiveness as a supercritical water biomass combustion boiler for dispersion-type power plants. [MEANS FOR SOLVING PROBLEMS] A combustion boiler which uses a supercritical hydration reaction uses organic matter having a high water content such as biomass as a fuel and produces a high-temperature and high-pressure combustion fluid composed mainly of supercritical water. This boiler can continuously produce stable heat output by dividing operation elements, for example, into “closing/pressure rising”, “constant pressure/temperature rising”, “combustion/temperature rising”, “steady combustion”, and “discharge/filling” and operating the reactors and, at the same time, can eliminate continuous supply of a solid fuel such as biomass into a high-temperature and high-pressure system and can realize batch supply at easily solid fuel suppliable temperature and pressure.

Inventors:
ARAI KUNIO (JP)
INOMATA HIROSHI (JP)
SMITH RICHARD LEE (JP)
WATANABE MASARU (JP)
ONO MINOBU (JP)
SUZUKI AKIRA (JP)
KAWASAKI SHINICHIROU (JP)
HATAKEDA KIYOTAKA (JP)
HATTORI HIDEO (JP)
NONAKA TOSHIYUKI (JP)
TAJIMA KIYOHIKO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/058819
Publication Date:
November 27, 2008
Filing Date:
May 14, 2008
Export Citation:
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Assignee:
TOHOKU TECHNO ARCH CO LTD (JP)
ARAI KUNIO (JP)
INOMATA HIROSHI (JP)
SMITH RICHARD LEE (JP)
WATANABE MASARU (JP)
ONO MINOBU (JP)
SUZUKI AKIRA (JP)
KAWASAKI SHINICHIROU (JP)
HATAKEDA KIYOTAKA (JP)
HATTORI HIDEO (JP)
NONAKA TOSHIYUKI (JP)
TAJIMA KIYOHIKO (JP)
International Classes:
B01J3/00; C01B32/50; C10J3/46; F01K27/02; F22B1/16; F23C99/00; F23G5/46
Foreign References:
JP2000282064A2000-10-10
JP2001062424A2001-03-13
JP2002011339A2002-01-15
JPH07313987A1995-12-05
Attorney, Agent or Firm:
SHIGENOBU, Kazuo et al. (3-28 Kioi-cho, Chiyoda-ku Tokyo 94, JP)
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Claims:
超臨界水酸化反応(SCWO)を応用し、少なくともバイオマスを包含しており且つ高含水率の有機物を燃料とし、超臨界水を主成分とする高温・高圧燃焼流体を発生させるものであることを特徴とする燃焼ボイラー装置。
少なくとも2以上のSCWO反応器と、当該SCWO反応器から流出され且つ当該有機物のSCWOにより発生された超臨界水を主成分とする高温・高圧燃焼流体を受容する燃焼室を備えていることを特徴とする請求項1に記載の燃焼ボイラー装置。
燃焼ボイラー装置の操作を、少なくとも「密閉・昇圧」、「定圧・昇温」、「燃焼・昇温」又は「定圧・燃焼・昇温」、「定常燃焼」、及び「排出・充填」の操作要素に分け、該各操作を実施可能にする配管及びバルブ系を備えている、安定した熱出力を連続して発生し、かつ、高温、高圧系へのバイオマス等の固体燃料の連続供給を不要にし、供給容易な温度、圧力で回分供給を可能にするものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃焼ボイラー装置。
SCWO反応器から流出する全ての流体を合流させ、その流出流体に含まれる未燃焼有機物(主として熱水に溶解する有機物)を一括して完全燃焼させる燃焼室を該反応器後段に設け、高温・高圧流体を連続的に発生させるものであることを特徴とする請求項1~3のいずれか一に記載の燃焼ボイラー装置。
SCWO反応器の後段の燃焼室の下流に熱交換器が設けられており、該熱交換器を介して高温・高圧スチームを発生させることができるものであることを特徴とする請求項1~4のいずれか一に記載の燃焼ボイラー装置。
SCWO反応器の後段の燃焼室として第1燃焼室及び第2燃焼室を備え、SCWO反応器が「燃焼・昇温」と「定常燃焼」操作の場合、該「燃焼・昇温」操作状態のSCWO反応器及び「定常燃焼」操作状態のSCWO反応器からの未燃焼物含有排出流体を第1燃焼室に導入せしめる配管ラインを有し、当該未燃焼物含有排出流体を受容している時に第1燃焼室は未燃焼物を燃焼可能であり且つ発生した高温・高圧流体の一部を、「密閉・昇圧」操作状態のSCWO反応器及び「定圧・昇温」操作状態のSCWO反応器に送出する配管ラインを有し、一方、該第1燃焼室で発生した高温・高圧流体の残部を第2燃焼室に導入せしめる配管ラインを有し、該第2燃焼室は、上記高温・高圧流体の残部と「定圧・昇圧」操作状態のSCWO反応器より排出される自燃温度より低温の排出流体とを該第2燃焼室入り口で混合し、自燃温度以上に昇温せしめて、未燃焼の燃料を完全燃焼させて高温高圧流体として熱出力を得るものであることを特徴とする請求項1~5のいずれか一に記載の燃焼ボイラー装置。
燃焼ボイラー装置のスタートアップ用ヒータを備えていることを特徴とする請求項1~6のいずれか一に記載の燃焼ボイラー装置。
SCWO反応器の定常燃焼を終了後、当該SCWO反応器内に残存する高温・高圧流体に水を圧入し、降圧する配管ラインを有し、且つ、該降圧された高温水を利用して熱エネルギーを回収する装置を備え、必要に応じて、当該SCWO反応器内に残存する二酸化炭素等の燃焼ガスを回収する装置を備えることを特徴とする請求項1~7のいずれか一に記載の燃焼ボイラー装置。
熱伝導率の小さなセラミックス等で反応器内面に断熱層を施したSCWO反応器。
超臨界水酸化反応(SCWO)を応用し、少なくともバイオマスを包含しており且つ高含水率の有機物を燃料とし、超臨界水を主成分とする高温・高圧燃焼流体を発生させ、該SCWOより得られる流体に含まれる未燃焼有機物を完全燃焼させて、高温・高圧流体を発生させることを特徴とする該有機物からの熱の発生取得法。
SCWO反応器及びその下流に位置する燃焼室を備える有機物燃焼ボイラー装置を操作し、該SCWO反応器を
(1) SCWO反応器に超臨界水を密閉状態で圧入し、原料の充填されているSCWO反応器を燃焼圧力まで昇圧する(「密閉・昇圧」)、
(2) SCWO反応器に超臨界水を流通せしめると共に、SCWO反応器内温度を定圧下に、充填された原料の自燃温度にまで上昇せしめ、そして該SCWO反応器から超臨界水を主成分とし且つ未燃焼有機物を含有する熱水を燃焼室へ流出せしめる(「定圧・昇温」)、
(3) SCWO反応器に酸素を供給せしめると共に、SCWO反応器内の充填された原料を定圧下に燃焼せしめ、そして該SCWO反応器から超臨界水を主成分とし且つ未燃焼有機物を含有する熱水及び二酸化炭素を燃焼室へ流出せしめる(「定圧・燃焼・昇温」)又はSCWO反応器に酸素を供給せしめると共に、SCWO反応器内の充填された原料を燃焼せしめ、そして該SCWO反応器から超臨界水を主成分とし且つ未燃焼有機物を含有する熱水及び二酸化炭素を特定の燃焼室へ流出せしめる(「燃焼・昇温」)、
(4) SCWO反応器での充填された原料の燃焼が維持されるように、その燃焼温度を維持するよう、冷却水がSCWO反応器に供給され、そして該SCWO反応器から超臨界水を主成分とし且つ未燃焼有機物を含有する熱水及び二酸化炭素を燃焼室へ流出せしめる(「定常燃焼」)、
(5) SCWO反応器へ冷却水を圧入して、降温降圧せしめ、所定の温度にした後、冷却水の供給を停止して、温水と二酸化炭素を排出・回収せしめ、次に、原料充填圧にした後、有機物原料を供給し、SCWO反応器に充填する(「排出・充填」)
の各操作要素に付して、安定した熱出力を連続して発生し、かつ、高温、高圧系へのバイオマスを包含する固体燃料の連続供給を不要にし、供給容易な温度、圧力で回分供給を可能にすることを特徴とする請求項10に記載の有機物からの熱の発生取得法。
複数のSCWO反応器を備える有機物燃焼ボイラー装置を操作し、該SCWO反応器から流出する全ての流体を合流させ、その流出流体に含まれる未燃焼有機物(主として熱水に溶解する有機物)を一括して完全燃焼させる燃焼室を反応器後段に設け、高温・高圧流体を連続的に発生させることを特徴とする請求項10又は11に記載の有機物からの熱の発生取得法。
SCWO反応器の後段の燃焼室の下流の熱交換器により、高温・高圧スチームを発生させることを特徴とする請求項10~12のいずれか一に記載の有機物からの熱の発生取得法。
SCWO反応器の後段の燃焼室として第1燃焼室及び第2燃焼室を備える有機物燃焼ボイラー装置を操作し、「燃焼・昇温」操作状態のSCWO反応器及び「定常燃焼」操作状態のSCWO反応器からの未燃焼物含有排出流体を第1燃焼室に導入せしめて、第1燃焼室で必要に応じて未燃焼物を燃焼させ、発生した高温・高圧流体の一部を「密閉・昇圧」操作状態のSCWO反応器及び「定圧・昇温」操作状態のSCWO反応器に送出し、一方、該第1燃焼室で発生した高温・高圧流体の残部を第2燃焼室に導入せしめ、この流れと「定圧・昇圧」操作状態のSCWO反応器で排出される自燃温度より低温の排出流体とを第2燃焼室入り口で混合し、自燃温度以上に昇温せしめ、第2燃焼室で未燃焼の燃料を完全燃焼させ、高温高圧流体として熱出力を得ることを特徴とする請求項10~13のいずれか一に記載の有機物からの熱の発生取得法。
有機物燃焼ボイラー装置のスタートアップの場合に、第1の「密閉・昇圧」操作状態のSCWO反応器をヒータでもって加熱して所定圧力にまで昇圧することを特徴とする請求項10~14のいずれか一に記載の有機物からの熱の発生取得法。
SCWO反応器の「定常燃焼」操作状態を終了せしめた後、当該SCWO反応器内に残存する高温・高圧流体に水を圧入し、降圧せしめ、得られた降圧された高温水を利用して熱エネルギーを回収し、必要に応じて、当該SCWO反応器内に残存する二酸化炭素等の燃焼ガスを回収することを特徴とする請求項10~15のいずれか一に記載の有機物からの熱の発生取得法。
Description:
超臨界水バイオマス燃焼ボイラ

 本発明は、85%程度の高含水率のバイオマ も含めて、その種類や形態を選ばず、殆ど 未利用バイオマスを燃焼させ、高温高圧の 臨界水と二酸化炭素を直接発生させる高温 圧バイオマスボイラーに関するもので、バ オマスの発生箇所で、発生量に応じて対応 きる分散型パワープラントへの利用を目指 たものである。

 人類は、その誕生以来産業革命までの数百 年の永い間、暖房や灯り、煮炊き等の日常 活に必要な熱エネルギー源として、周囲に 育するバイオマスを利用してきた。しかし バイオマスは一般に高含水率のため、燃料 して使用する場合、含水率の低い、あるい 比較的乾燥が容易で、輸送し易い木材、あ いは加工された木炭が使用されてきた。ま 、農山村では農耕牧畜で排出される乾燥藁 里山の枯れ木、落ち葉等も使用されてきた これらを燃焼させるための装置は竈やスト ブ等極めて小規模のものであるが、空気の り入や煙道等に対して、燃焼効率や熱効率 上げるため様々な工夫がなされてきた。
 これに対し、産業革命以降は蒸気機関の発 を起点として、動力源としてのエネルギー 利用が急速に拡大した。これを支えたのが 地球に埋蔵されている石炭、石油、や天然 ス等の有限の化石資源で、熱源を含めてバ オマスの燃料としての地位は殆ど失われて る。化石資源の大量供給により、巨大火力 電所を拠点とした電力、ガスや灯油等、各 庭でも、従来とは比較にならないエネルギ の使用が可能になり、社会的には、飛行機 鉄道、自動車等の運輸、交通手段が発達し 様々な産業機械が発明され、物資の大量生 、大規模な土地開発、膨大な食糧増産等々 人類史上嘗て無い物質的豊かさと急激な人 増加を実現した。
 しかし、このような有限な化石資源の膨大 消費はその枯渇を招くのみではなく、大気 の大量の二酸化炭素の放出による地球温暖 の要因になっており、化石資源への依存度 可及的に速やかに減少しなければならない 況に直面しつつある。こうした問題の解決 ためには、太古から行われてきたバイオマ の燃料としての利用が最も効果的で、直接 である。

 しかしながら、従来使用されてきた木材の 焼はその集積と量の問題から極めて限定さ た利用となる。例えば、製材所における木 、廃材の燃焼熱による発電等が考えられ、 部実用化もなされているが、その立地はか り限定されたものである。一方、耕作地を 用し、とうもろこし、芋、砂糖等の糖類か の醗酵エタノールや植物油脂等を内燃機関 液体燃料とする試みがなされている。これ の液体燃料の製造は従来技術の応用であり 技術的な課題は少ないが、これらバイオ燃 は食糧との競合という大きな問題が存在し 現在の収穫量も越える大量の消費が予想さ ることから、食糧価格の高騰のみで収まら 、食糧輸入国においては、将来的には絶対 な食料不足も懸念される。
 これに対して、セルロースやリグニン等の 利用バイオマスをガス化し、水素や一酸化 素を製造し、水素エネルギーやFT反応によ 合成ガソリンとしての利用が考えられてい 。前者は燃料電池との組合せによる将来エ ルギーとして重要な技術として捉えられる また、後者においては前段のガス化技術は 発途上であるが、後段のFT反応は石炭を原料 として実用化された大量生産技術である。し かし、広く薄く分散し、しかも多様な形態と 多様な成分で構成されるバイオマスを化石資 源と同様な大量生産、大量供給システムで取 り扱うことは必ずしも適切ではない。一方、 植物による年間の炭素循環量は900億炭素トン とも言われており、量的にはバイオマス資源 は膨大であり、その循環量の10%程度で、現在 、消費されている化石資源を代替できること になる。

 バイオマスを燃料として使用することは 古から行われてきたことであるが、その使 は煮炊きや暖房の域を超えていない。現在 エネルギー資源の最大の消費源として火力 電所が挙げられる。ここでは、石油や石炭 燃料とし、一系列100万kWの発電も可能な超 型ボイラーが稼動している。発電効率を40% すれば、このボイラーで必要な燃焼熱は250 kWとなり、発熱量が45000kJ/kgの化石資源を1時 当たり200トン燃焼させることになる。これ バイオマスに置き換えると発熱量は化石資 の約1/3とすれば、600トン/hrのバイオマスが 要となる。この量を生産するのに必要な土 面積を概算してみる。今光合成効率を2%と 、地表が受ける太陽光エネルギー250W/m2とす ば、バイオマスエネルギーの固定量は50kw/ha で、セルロース生成量で換算すれば0.00286kg- ルロース/s/ha=10.3kg/hr/haのバイオマス生産が 積られる。生育する全てのバイオマスがボ ラー燃料に使用されるとすれば、100万kWの発 電に必要なバイオマスの収穫に要する面積は 愛媛県の耕地面積に相当する約60,000ha(600km2) 達する。このような概略計算が示すように 現在の大規模発電の代替燃料としてバイオ スを位置づけることはその集荷を考えただ でも非現実的であることがわかる。しかも 従来のボイラー装置で安定的に燃焼させる めには含水率の低い乾燥木材等のバイオマ に限定されるため、実際にはさらに膨大な 地が必要とされる。

 しかし、百ヘクタールの農耕地等でのバイ マスエネルギー生産量は5000kWにもなり、そ 1割が発電や熱エネルギーに分散的に使用可 能とすれば、農耕作に必要なエネルギーを充 分に供給でき、バイオマスは将来重要なエネ ルギー資源の一つであることは疑う余地も無 い。現状でも、火力発電所における二酸化炭 素削減対策は喫緊の課題であり、既存の火力 発電所における高々数%のバイオマス混焼も 要な施策として挙げられている。また、廃 や木屑等が集中して発生する場所では、既 技術の延長線上で、バイオマスをボイラー 料とするパワープラントの立地が可能にな つつある。
 規模の大きさによらずプラントの構成が殆 変わらないとすれば、生産単価は規模が大 くなればなるほど減少し、巨大発電所が有 になる。従って、産地が限定され、有限な 石資源から、周囲で生育し、再生可能なバ オマスへの変換は小規模分散型のパワープ ントの経済性を高めなければならず、装置 のものの抜本的な変革による簡素化がきわ て重要である。幸い、パワープラントの規 の縮小は装置コストに起因するデメリット みではなく、発電に際しての約60%にも達す 廃熱の総合的利用や売電を目的とせず自家 費を主体とする規模では、送電損失や送電 ストが無視できる。現時点でも、石油価格 高騰や温暖化対策の必要性を考慮すれば、 存技術でのバイオマス発電でも、立地によ ては、既存の電力網からの買電と比較して 必ずしも経済性においても劣るとは限らな なりつつある。

 従来の燃焼技術では、前述したように含 率や原料形態の制約から極めて限定された 類のバイオマスのみを対象とせざるを得な 。セルロースをバイオマス成分として、種 の含水率下で、純酸素中、理論酸素量で完 燃焼させたときの断熱火炎温度を求めると 図1のようになる。酸素存在下での自然発火 温度を350℃とすれば、大気圧(0.1014MPa)下では 含水率が0.833以下でないと断熱火炎温度は 然発火温度には到達しない。勿論、500~700℃ 度の比較的低温で安定的に燃焼させる既存 大気圧ボイラーは未だ存在しない。しかも 燃焼を安定的に持続させるためには、断熱 炎温度は定常燃焼温度以上が望ましく、燃 温度を1000℃とすれば、このときのバイオマ スの含水率は0.74程度となり、特別な燃焼装 の開発なくしては、殆どのバイオマスを生 まま安定的に燃やすことが難しいことがわ る。

 これに対し、燃焼圧力を増加させると、図1 に示したように断熱火炎温度は上昇し、20MPa 上では含水率が0.9程度でも自然発火温度(350 ℃)以上になることが分かる。しかも、この うな高圧下での燃焼は超臨界水酸化反応(SCWO )として、自然発火温度を超えれば、種々の 機物の安定的な酸化(燃焼)が可能であること は公知であり、PCBやダイオキシン等の有害有 機物の無害化処理として数多くの論文や特許 が提案され、また一部実用化されている。ま た、下水汚泥等の分解処理に、250℃程度の熱 水環境下で酸化触媒を使用した湿式酸化法も 提案され、その有効性も確証されている。ま た、多くの文献や特許において、その酸化熱 の回収についても言及されている。例えば、 米国特許第5,667,698号明細書(特許文献1)、同第 7,186,345号明細書(特許文献2)、それらの文献で 引用されている文献が挙げられる。
 しかしながら、その主目的はあくまでも有 廃棄物処理であり、熱回収は他の処理法に して競争力を増すための処理コスト低減効 の手段として期待されているのみである。 なわち、現時点では超臨界水酸化反応(SCWO:
supercritical water oxidation)をボイラー専用装置 の燃焼法として具体的に検討された例は見 たらない。

米国特許第5,667,698号明細書

米国特許第7,186,345号明細書

 本発明は、山林、原野、ゴルフ場、果樹園 田畑等の農耕地、淡水や海水域で発生する てのバイオマス(1次産品に直接関わる穀物 茎、剪定枝等の未利用バイオマスのみなら 、下草、落葉、雑草や、さらには休作期間 の栽培による光合成効率の高い植物等)、あ いは飲料、食品加工工場等での搾りかすや 出残渣等のバイオマス廃棄物、生ごみ(プラ スチック等有機物製品を含有も可)等の可燃 都市ごみ等を燃料とするバイオマスボイラ プラントに関するものである。
 本発明が解決すべき主要技術課題は、
  1)形状、形態を選ばず、含水率90%程度まで のあらゆる種類のバイオマスを燃料として使 用できること、
  2)高温・高圧の燃焼ガスを連続的に生成し 、発電用のガスタービンを直接駆動するか、 熱交換により超臨界水を発生させ、発電用ス チームタービンの駆動に供することを可能に すること、
  3)装置構成の簡素化と廃熱の回収、有効利 用も考慮し、分散型パワープラント用として の経済性を実現すること、
である。

 種々の有機物は超臨界水酸化反応(SCWO)によ 安定的に燃焼させうることは公知のことで る。その燃焼条件は400~650℃、20~30MPaの超臨 水中で空気あるいは酸素を酸化剤とするこ が一般的である。また、大概の有機物は酸 存在下で300℃を超えると有意の速度で酸化 応が自発的に進行する。
 本発明は超臨界水酸化反応の条件をバイオ スの燃焼に適用し、バイオマス自ら含む水 必要に応じて水を添加して、350~650℃、20~30M Paの超臨界水場をバイオマス等の有機物の燃 熱で安定的に生成させ、超臨界水を主成分 すると高温高圧の排燃焼流体に連続的に生 する有機物燃焼ボイラー、例えば、バイオ ス燃焼ボイラー(燃焼装置)並びに燃焼技術 関するものである。該燃焼ボイラーには複 のSCWO反応器とその後段に配置された燃焼室 有しており、当該複数のSCWO反応器を順次サ イクル操作することにより、大気圧下でのバ イオマス燃料の回分供給を可能にし、かつ、 連続的な出力を安定に得ることができる。

 本発明は、次のものを提供している。
  〔1〕超臨界水酸化反応(SCWO)を応用し、少 くともバイオマスを包含しており且つ高含 率の有機物を燃料とし、超臨界水を主成分 する高温・高圧燃焼流体を発生させるもの あることを特徴とする燃焼ボイラー装置。
  〔2〕少なくとも2以上のSCWO反応器と、当 SCWO反応器から流出され且つ当該有機物のSCWO により発生された超臨界水を主成分とする高 温・高圧燃焼流体を受容する燃焼室を備えて いることを特徴とする上記〔1〕に記載の燃 ボイラー装置。
  〔3〕燃焼ボイラー装置の操作を、少なく も「密閉・昇圧」、「定圧・昇温」、「燃 ・昇温」又は「定圧・燃焼・昇温」、「定 燃焼」、及び「排出・充填」の操作要素に け、該各操作を実施可能にする配管及びバ ブ系を備えている、安定した熱出力を連続 て発生し、かつ、高温、高圧系へのバイオ ス等の固体燃料の連続供給を不要にし、供 容易な温度、圧力で回分供給を可能にする のであることを特徴とする上記〔1〕又は〔 2〕に記載の燃焼ボイラー装置。
  〔4〕SCWO反応器から流出する全ての流体を 合流させ、その流出流体に含まれる未燃焼有 機物(主として熱水に溶解する有機物)を一括 て完全燃焼させる燃焼室を該反応器後段に け、高温・高圧流体を連続的に発生させる のであることを特徴とする上記〔1〕~〔3〕 いずれか一に記載の燃焼ボイラー装置。
  〔5〕SCWO反応器の後段の燃焼室の下流に熱 交換器が設けられており、該熱交換器を介し て高温・高圧スチームを発生させることがで きるものであることを特徴とする上記〔1〕~ 4〕のいずれか一に記載の燃焼ボイラー装置 。
  〔6〕SCWO反応器の後段の燃焼室として第1 焼室及び第2燃焼室を備え、SCWO反応器が「燃 焼・昇温」と「定常燃焼」操作の場合、該「 燃焼・昇温」操作状態のSCWO反応器及び「定 燃焼」操作状態のSCWO反応器からの未燃焼物 有排出流体を第1燃焼室に導入せしめる配管 ラインを有し、当該未燃焼物含有排出流体を 受容している時に第1燃焼室は未燃焼物を燃 可能であり且つ発生した高温・高圧流体の 部を、「密閉・昇圧」操作状態のSCWO反応器 び「定圧・昇温」操作状態のSCWO反応器に送 出する配管ラインを有し、一方、該第1燃焼 で発生した高温・高圧流体の残部を第2燃焼 に導入せしめる配管ラインを有し、該第2燃 焼室は、上記高温・高圧流体の残部と「定圧 ・昇圧」操作状態のSCWO反応器より排出され 自燃温度より低温の排出流体とを該第2燃焼 入り口で混合し、自燃温度以上に昇温せし て、未燃焼の燃料を完全燃焼させて高温高 流体として熱出力を得るものであることを 徴とする上記〔1〕~〔5〕のいずれか一に記 の燃焼ボイラー装置。
  〔7〕燃焼ボイラー装置のスタートアップ ヒータを備えていることを特徴とする上記 1〕~〔6〕のいずれか一に記載の燃焼ボイラ 装置。
  〔8〕SCWO反応器の定常燃焼を終了後、当該 SCWO反応器内に残存する高温・高圧流体に水 圧入し、降圧する配管ラインを有し、且つ 該降圧された高温水を利用して熱エネルギ を回収する装置を備え、必要に応じて、当 SCWO反応器内に残存する二酸化炭素等の燃焼 スを回収する装置を備えることを特徴とす 上記〔1〕~〔7〕のいずれか一に記載の燃焼 イラー装置。
  〔9〕熱伝導率の小さなセラミックス等で 応器内面に断熱層を施したSCWO反応器。

  〔10〕超臨界水酸化反応(SCWO)を応用し、少 なくともバイオマスを包含しており且つ高含 水率の有機物を燃料とし、超臨界水を主成分 とする高温・高圧燃焼流体を発生させ、該SCW Oより得られる流体に含まれる未燃焼有機物 完全燃焼させて、高温・高圧流体を発生さ ることを特徴とする該有機物からの熱の発 取得法。
  〔11〕SCWO反応器及びその下流に位置する 焼室を備える有機物燃焼ボイラー装置を操 し、該SCWO反応器を
(1) SCWO反応器に超臨界水を密閉状態で圧入し 、原料の充填されているSCWO反応器を燃焼圧 まで昇圧する(「密閉・昇圧」)、
(2) SCWO反応器に超臨界水を流通せしめると共 に、SCWO反応器内温度を定圧下に、充填され 原料の自燃温度にまで上昇せしめ、そして SCWO反応器から超臨界水を主成分とし且つ未 焼有機物を含有する熱水を燃焼室へ流出せ める(「定圧・昇温」)、
(3) SCWO反応器に酸素を供給せしめると共に、 SCWO反応器内の充填された原料を定圧下に燃 せしめ、そして該SCWO反応器から超臨界水を 成分とし且つ未燃焼有機物を含有する熱水 び二酸化炭素を燃焼室へ流出せしめる(「定 圧・燃焼・昇温」)又はSCWO反応器に酸素を供 せしめると共に、SCWO反応器内の充填された 原料を燃焼せしめ、そして該SCWO反応器から 臨界水を主成分とし且つ未燃焼有機物を含 する熱水及び二酸化炭素を特定の燃焼室へ 出せしめる(「燃焼・昇温」)、
(4) SCWO反応器での充填された原料の燃焼が維 持されるように、その燃焼温度を維持するよ う、冷却水がSCWO反応器に供給され、そして SCWO反応器から超臨界水を主成分とし且つ未 焼有機物を含有する熱水及び二酸化炭素を 焼室へ流出せしめる(「定常燃焼」)、
(5) SCWO反応器へ冷却水を圧入して、降温降圧 せしめ、所定の温度にした後、冷却水の供給 を停止して、温水と二酸化炭素を排出・回収 せしめ、次に、原料充填圧にした後、有機物 原料を供給し、SCWO反応器に充填する(「排出 充填」)
の各操作要素に付して、安定した熱出力を連 続して発生し、かつ、高温、高圧系へのバイ オマスを包含する固体燃料の連続供給を不要 にし、供給容易な温度、圧力で回分供給を可 能にすることを特徴とする上記〔10〕に記載 有機物からの熱の発生取得法。
  〔12〕複数のSCWO反応器を備える有機物燃 ボイラー装置を操作し、該SCWO反応器から流 する全ての流体を合流させ、その流出流体 含まれる未燃焼有機物(主として熱水に溶解 する有機物)を一括して完全燃焼させる燃焼 を反応器後段に設け、高温・高圧流体を連 的に発生させることを特徴とする上記〔10〕 又は〔11〕に記載の有機物からの熱の発生取 法。
  〔13〕SCWO反応器の後段の燃焼室の下流の 交換器により、高温・高圧スチームを発生 せることを特徴とする上記〔10〕~〔12〕のい ずれか一に記載の有機物からの熱の発生取得 法。
  〔14〕SCWO反応器の後段の燃焼室として第1 焼室及び第2燃焼室を備える有機物燃焼ボイ ラー装置を操作し、「燃焼・昇温」操作状態 のSCWO反応器及び「定常燃焼」操作状態のSCWO 応器からの未燃焼物含有排出流体を第1燃焼 室に導入せしめて、第1燃焼室で必要に応じ 未燃焼物を燃焼させ、発生した高温・高圧 体の一部を「密閉・昇圧」操作状態のSCWO反 器及び「定圧・昇温」操作状態のSCWO反応器 に送出し、一方、該第1燃焼室で発生した高 ・高圧流体の残部を第2燃焼室に導入せしめ この流れと「定圧・昇圧」操作状態のSCWO反 応器で排出される自燃温度より低温の排出流 体とを第2燃焼室入り口で混合し、自燃温度 上に昇温せしめ、第2燃焼室で未燃焼の燃料 完全燃焼させ、高温高圧流体として熱出力 得ることを特徴とする上記〔10〕~〔13〕の ずれか一に記載の有機物からの熱の発生取 法。
  〔15〕有機物燃焼ボイラー装置のスタート アップの場合に、第1の「密閉・昇圧」操作 態のSCWO反応器をヒータでもって加熱して所 圧力にまで昇圧することを特徴とする上記 10〕~〔14〕のいずれか一に記載の有機物か の熱の発生取得法。
  〔16〕SCWO反応器の「定常燃焼」操作状態 終了せしめた後、当該SCWO反応器内に残存す 高温・高圧流体に水を圧入し、降圧せしめ 得られた降圧された高温水を利用して熱エ ルギーを回収し、必要に応じて、当該SCWO反 応器内に残存する二酸化炭素等の燃焼ガスを 回収することを特徴とする上記〔10〕~〔15〕 いずれか一に記載の有機物からの熱の発生 得法。

 本発明では、SCWO反応を利用して高含水率の バイオマスを燃料化することに成功しており 、回分的な原料供給の採用により、種々の形 態、形状のバイオマスを原料化することがで きて、複数の反応器を各操作に対応して用い ることにより、安定した連続的な出力を可能 にしており、しかも装置構造を簡略化できて 、小規模分散型バイオマス燃焼ボイラーにお ける装置コストの大幅な削減に資するもので ある。
 本発明のバイオマスボイラープラント並び その操作技術により、形状、形態を選ばず 含水率90%程度までのあらゆる種類のバイオ スを燃料として使用できる、高温・高圧の 焼ガスを連続的に生成し、発電用のガスタ ビンを直接駆動するか、熱交換により超臨 水を発生させ、発電用スチームタービンの 動に供することを可能にし、装置構成を簡 化し、さらに廃熱の回収、有効利用も可能 あり、分散型パワープラント用としての経 性も実現できるものである。
 本発明のその他の目的、特徴、優秀性及び の有する観点は、以下の記載より当業者に っては明白であろう。しかしながら、以下 記載及び具体的な実施例等の記載を含めた 件明細書の記載は本発明の好ましい態様を すものであり、説明のためにのみ示されて るものであることを理解されたい。本明細 に開示した本発明の意図及び範囲内で、種 の変化及び/又は改変(あるいは修飾)をなす とは、以下の記載及び本明細書のその他の 分からの知識により、当業者には容易に明 かであろう。本明細書で引用されている全 の特許文献及び参考文献は、説明の目的で 用されているもので、それらは本明細書の 部としてその内容はここに含めて解釈され べきものである。

様々な含水率を有する原料物質を、純 素中、理論酸素量で完全燃焼させた場合の 含水率と断熱火炎温度との関係を示すグラ である。燃焼圧力0.1014MPa(大気圧)、10MPa、20M Pa、25MPa、30MPaについて曲線が示されている。 原料:セルロース、初期温度:25℃、酸化剤:純 素、過剰酸素率:0.0の条件下での断熱火炎温 度である。 本発明に基づく5つの操作に対応し、5 の反応器と燃焼室を備えた超臨界水バイオ ス燃焼ボイラープラントを示す。超臨界水 生成させル場合。 図2のボイラープラントの物質・エネル ギー収支の一例を示す。 本発明に基づく5つの操作に対応し、5 の反応器と2つの燃焼室を備えた超臨界水バ オマス燃焼ボイラープラントを示す。高圧 蒸気の発生無しの場合。 図4のボイラープラントのスタートアッ プの状況を示す。反応器Iは、OP-1の操作状態 ありヒータH-1及びH-2共にオン(On)の状態であ る。 図4のボイラープラントのスタートアッ プの状況を示す。図5に続く操作状態を左上 図(OP-2)、右上の図(OP-3)、左下の図(OP-4)、右 の図(OP-5)の順に操作されていくことを示す

 バイオマスとは、生態学で特定の時点にお てある空間に存在する生物の量を、物質の として表現したものであるが、産業資源と て使用した場合は、バイオマスとは、化石 源でない、現生生物体構成物質起源の産業 源を指している。本明細書では、「バイオ ス」は、好適には生物由来の有機性資源で 石資源を除いたものを意味してよい。バイ マスは、カーボンニユートラルとか、再生 能である資源を意味してもよい。バイオマ としては、例えば、農林水産業からの畜産 棄物(家畜糞尿を含む)、木材(廃材を含む)、 藁、資源作物(トウモロコシ、サトウキビ、 ネ、コムギなどの植物)及びその廃棄物(廃植 物油を含む)、食品産業から発生する廃棄物 製紙パルプ製造工程で生ずる廃棄物(黒液を む)などが包含される。本発明では、山林、 原野、ゴルフ場、果樹園や田畑等の農耕地、 淡水や海水域で発生する全てのバイオマス(1 産品に直接関わる穀物の茎、剪定枝等の未 用バイオマスのみならず、下草、落葉、雑 や、さらには休作期間中の栽培による光合 効率の高い植物等)、あるいは飲料、食品加 工工場等での搾りかすや抽出残渣等のバイオ マス廃棄物、生ごみ(プラスチック等有機物 品を含有も可)等の可燃系都市ごみ等を燃料 する。
 本発明で使用される資源のバイオマス等の 機物は、高含水率のものであってよい。該 水率としては、0.950以上のもの、あるいは0. 925以上のもの、さらには0.9以上のものが挙げ られる。また、該含水率が、0.875以上のもの あるいは0.85以上のもの、さらには0.833以上 ものであってもよい。本発明で使用可能な イオマス等の有機物は、こうした含水率の のを含有するものであってよく、その一部 るいは全部が当該含水率のものも包含され よい。

 従来のSCWO操作は、主として高圧ポンプ等で 供給可能な液体、あるいは固液スラリーを対 象とし、SCWO反応器(SCWOリアクター)に処理物 水(あるいは超臨界水、または水と必要に応 て補助燃料)と酸素あるいは空気を連続的に 導入する連続反応操作が一般的である。また 、有害物で汚染された固体の処理に関しては 、安全性のため可能な限り複雑な前処理を避 け、固体をSCWO反応器に回分的に仕込み、そ 後、超臨界水と空気(あるいは酸素を)を流通 させ、燃焼させる半回分操作が提案されてい る。
 パワープラント用ボイラーとしては安定し 出力が得られる連続操作が望ましいが、多 な形態を有する固体を高圧系に供給する汎 的で、安価で、信頼性の高い装置、方法は 在しない。多くのバイオマスは既存のスラ ーポンプが使用可能な程度に原料を微粉砕 ることは可能であるが、原料の形態に応じ 様な粉砕法が求められ、さらには繊維質の いバイオマスの微粉砕は特殊な装置を必要 し、それに要するエネルギーもかなり大き なる等、バイオマスの高圧系への連続供給 安価で、汎用的な方法は存在しない。

 本発明の技術では、次のような態様が提供 れている。
(1)超臨界水酸化反応を応用し、バイオマス等 の高含水率の有機物を燃料とし、超臨界水を 主成分とする高温・高圧燃焼流体を発生させ る燃焼ボイラー装置。
(2)(1)に記したバイオマス燃焼ボイラー装置の 操作を、下記で説明する「密閉・昇圧」、「 定圧・昇温」、「燃焼・昇温」、「定常燃焼 」、「排出・充填」等の操作要素に分け、安 定した熱出力を連続して発生し、かつ、高温 、高圧系へのバイオマス等の固体燃料の連続 供給を不要にし、供給容易な温度、圧力で回 分供給を可能にする装置構成と操作法。
(3) SCWO反応器から流出する全ての流体を合流 させ、その流出流体に含まれる未燃焼有機物 (主として熱水に溶解する有機物)を一括して 全燃焼させる燃焼室を反応器後段に設け、 温・高圧流体を連続的に発生させる装置と の操作方法。
(4)後段の燃焼室の後流に熱交換器を設け、高 温・高圧スチームを発生させるときの装置構 成と操作法(図2、図3参照)。
(5)後段の燃焼室を意図した流路が構成される ように2つに分割し、任意の圧力が設定でき 「燃焼・昇温」と「定常燃焼」操作の排出 体が導入される第1燃焼室で必要に応じて未 焼物を燃焼させ、発生した高温・高圧流体 一部を「密閉・昇圧」、「定圧・昇温」操 に使用し、残りは第2燃焼室に導入される。 この流れと「定圧・昇圧」操作で排出される 自燃温度より低温の排出流体と第2燃焼室入 口で混合し、自燃温度以上に昇温され、第2 焼室で未燃焼の燃料を完全燃焼させ、高温 圧流体として熱出力を得る装置と操作方法
(6)(5)に述べた装置のスタートアップに必要な ヒーターの構成とその操作の方法。
(7)定常燃焼終了後のSCWO反応器内に残存する 温・高圧流体に水を圧入し、降圧と同時に 高温水として熱回収し、必要であれば二酸 炭素等の燃焼ガスも回収する装置構成とそ 操作方法。
(8)非定常の超臨界水酸化反応の操作性、熱効 率の向上を図るために熱伝導率の小さなセラ ミックス等で反応器内面に断熱層を施したSCW O反応器。

 典型的な態様では、本発明の有機物(例えば 、バイオマス)燃焼ボイラー(又は燃焼ボイラ プラントあるいは燃焼ボイラーシステム)は 、2以上のSCWO反応器とその後段(下流)に燃焼 を備えていることを特徴としている。該燃 ボイラーは、少なくとも、SCWO反応器を、下 で説明する「密閉・昇圧」、「定圧・昇温 、「定圧・燃焼・昇温」又は「燃焼・昇温 、「定常燃焼」及び「排出・充填」からな 群から選択された操作に付すことができ、 ましくは、ある一つのSCWO反応器を、SCWO反 器を、「密閉・昇圧」→「定圧・昇温」→ 定圧・燃焼・昇温」又は「燃焼・昇温」→ 定常燃焼」→「排出・充填」からなる操作 イクルに付すことが可能となるように構成 れていることを特徴とし、したがって、該 作が可能なように該燃焼ボイラーに備える 管系のバルブ(弁)及び流体送出ポンプが制御 可能なように構成されている。かくして、該 燃焼ボイラーは、酸素導入用配管系(バルブ 配管(導管)、ポンプ、場合によっては流量計 、制御装置などを包含していてよい)、燃焼 からSCWO反応器へ高温高圧水蒸気(超臨界水) 導入するための配管系(バルブ、配管(導管) 任意にポンプ、場合によっては流量計、制 装置などを包含していてよい)、燃焼室及び/ 又はSCWO反応器へ冷却水を導入するための配 系(バルブ、配管(導管)、ポンプ、場合によ ては流量計、制御装置などを包含していて い)、SCWO反応器からの流出流体を後段(下流) 燃焼室に導入するための配管系(バルブ、配 管(導管)、任意にポンプ、場合によっては流 計、制御装置などを包含していてよい)、SCW O反応器より熱回収用温水を排出するドレイ 配管系(バルブ、配管(導管)、任意にポンプ 場合によっては流量計、制御装置などを包 していてよい)、任意に、スチームアキュム ータ、タービン、タービンよりの温水を排 するドレイン配管系(バルブ、配管(導管)、 意にポンプ、場合によっては流量計、制御 置などを包含していてよい)、気液分離装置 、気液混合物を排出するドレイン配管系(バ ブ、配管(導管)、任意にポンプ、場合によっ ては流量計、制御装置などを包含していてよ い)などを備えていてよいし、ある場合には れが好ましい。
 該燃焼ボイラーは、例えば、少なくとも5つ のSCWO反応器を備えて、定常運転時には、各SC WO反応器が各操作状態をとるようにして操作 能とされている。別の態様では、反応器の を減らすように操作される前提で、例えば 少なくとも4つのSCWO反応器を備えているも 、あるいは、少なくとも3つのSCWO反応器を備 えているものとして構成されていてもよい。 該燃焼ボイラーにおいては、燃焼室を複数に 分割して設けたもの、例えば、第一燃焼室と 第二燃焼室とを有するものであってよいし、 及び/又は、スタートアップ時のための着脱 能な加熱装置(ヒータ)が備えられているもの であってよい。当該ヒータは、複数であって もよく、燃焼室の一方に常設されたものであ ってもよい。ヒータを燃焼室に付設する場合 、例えば、SCWO反応器の後段の燃焼室で、SCWO 応器よりの未燃焼有機物を含有する熱水を 容する燃焼室にヒータを設ける構成とする とは好適である。

 以下に具体例(すなわち、実施例)を掲げ、 発明を具体的に説明するが、この例は単に 発明の説明のため、その具体的な態様の参 のために提供されているものである。これ の例示は本発明の特定の具体的な態様を説 するためのものであるが、本願で開示する 明の範囲を限定したり、あるいは制限する とを表すものではない。本発明では、本明 書の思想に基づく様々な実施形態が可能で ることは理解されるべきである。
 全ての例は、他に詳細に記載するもの以外 、標準的な技術を用いて実施したもの、又 実施することのできるものであり、これは 業者にとり周知で慣用的なものである。
 本発明の一つの具体的な態様では、図2に示 すような複数のSCWO反応器を順次サイクル操 することにより、大気圧下でのバイオマス 料の回分供給を可能にし、かつ、連続的な 力を安定に得るボイラープラントが提供さ る。
 図2は5つの操作に対応し、5つの反応器を使 した場合を示す(必ずしも各操作に一つ以上 の反応器を割り当てる必要は無く、連続する 操作を操作時間に応じて合併することも可能 であり、例えば「排出・充填」と「密閉・昇 圧」操作を「排出・充填・密閉・昇圧」操作 に、「定圧・燃焼・昇温」と「定常燃焼」操 作を「燃焼・昇温・定常燃焼」操作にして、 他の操作と同期させると反応器の数を減らす ことができる)。
 各反応器は全て等価の関係にあり、(A)で示 た酸素の導入ライン、(B)で示した高温高圧 蒸気(超臨界水)の導入ライン、(C)で示した 却水の導入ライン、(D)で示した反応器から 流出流体を後段の燃焼室に導くライン、及 、(E)茶色で示した熱回収の温水を排出する レインラインが接続されている。
 それぞれの太線ラインは流通状態、細線ラ ンは停止状態を示し、バルブは白抜きが開 灰色が閉の状態を示す。室温、大気圧下で バイオマス燃料の充填が終了した図2の左端 の状態から各操作を順に説明する。

 先ず原料の充填直後に始まる操作を「密 ・昇圧操作」と称し、図2に示したように超 臨界水導入ラインのバルブを開にし、それ以 外のバルブは閉じて、超臨界水を密閉状態で 圧入し、燃焼圧力まで昇圧する(図2では「密 昇圧」の反応器として示されている)。かく して、SCWO反応器を「密閉・昇圧」操作に付 とは、SCWO反応器に超臨界水を密閉状態で圧 し、原料の充填されているSCWO反応器を燃焼 圧力まで昇圧することを意味する。本操作は 反応器内圧力が所定の燃焼圧力になった時点 で終了し、次の「定圧・昇温操作」に移行す る。

 この「定圧・昇温操作」は図2では左から 2番目の反応器の状態を示し、超臨界水導入 インと反応器と燃焼室を結ぶラインのバル が開の状態で、高温の超臨界水を反応器内 流通させることにより、定圧下で反応器内 度を自燃温度まで上昇させる(図2では「定圧 昇温」の反応器として示されている)。この 、超臨界水の流入量と昇温による熱膨張に じて熱水が流出する。大方の固体バイオマ は反応器出口に設けたメッシュにより反応 内に保持されるが、一方、糖分は勿論のこ 、常温の水に不溶なヘミセルロース、セル ースやリグニンで構成されるバイオマス成 の多くが熱水に溶解する。そのため、バイ マスの種類によって量的関係は変化するが この操作中において溶解温度に到達したバ オマス成分は溶解流出する。かくして、SCWO 応器を「定圧・昇温」操作に付すとは、SCWO 反応器に超臨界水を流通せしめると共に、SCW O反応器内温度を定圧下に、充填された原料 自燃温度にまで上昇せしめ、そして該SCWO反 器から超臨界水を主成分とし且つ未燃焼有 物を含有する熱水を燃焼室へ流出せしめる とを意味する。本「定圧・昇温操作」は自 温度に到達した時点で終了し、次の「定圧 燃焼・昇温操作」に移行する。

 この「定圧・燃焼・昇温操作」は図2では 左から3番目の反応器の状態を示し、超臨界 の導入バルブを閉じ、酸素の供給バルブを いて、反応器内のバイオマスの燃焼を開始 る(図2では「定圧燃焼昇温」の反応器として 示されている)。反応器内の温度は燃焼熱に り上昇し、本操作は所定の定常燃焼温度に 達したら終了する。この操作の間、燃焼反 と昇温による熱膨張に対応してバイオマス 分を一部溶解した熱水と二酸化炭素が流出 る。かくして、SCWO反応器を「定圧・燃焼・ 温」操作に付すとは、SCWO反応器に酸素を供 給せしめると共に、SCWO反応器内の充填され 原料を定圧下に燃焼せしめ、そして該SCWO反 器から超臨界水を主成分とし且つ未燃焼有 物を含有する熱水及び二酸化炭素を燃焼室 流出せしめることを意味する。本操作の終 後、「定常燃焼操作」に移行する。

 この「定常燃焼操作」は図2では右から2 目の反応器の状態を示し、燃焼温度を維持 るために、冷却水のライン(本図ではボイラ 水ラインと共通しているが、別に設けても い)のバルブが作動する(図2では「定常燃焼 の反応器として示されている)。本操作では 燃焼反応に応じて、バイオマス成分の一部を 溶解した熱水と二酸化炭素が流出する。かく して、SCWO反応器を「定常燃焼」操作に付す は、SCWO反応器での充填された原料の燃焼が 持されるように、その燃焼温度を維持する う、冷却水がSCWO反応器に供給され、そして 該SCWO反応器から超臨界水を主成分とし且つ 燃焼有機物を含有する熱水及び二酸化炭素 燃焼室へ流出せしめることを意味する。本 作は全てのバイオマスが燃焼した時点で終 し、次の「排出・充填操作」に移行する。

 この「排出・充填操作」は図2では右端の反 応器の状態を示し、冷却水導入バルブ以外は 全て閉にし、冷却水を圧入して、回収温水温 度まで降温し、同時に降圧する(図2では「排 充填」の反応器として示されている)。所定 の温度に到達したら、冷却水バルブを閉じ、 ドレインバルブ(Eのライン)を開き、二酸化炭 素主成分とする気体圧力を利用し、温水と二 酸化炭素を排出・回収する。原料充填圧(通 は大気圧)に到達したら、バイオマス原料を 料供給ノズル(図には示していないが祖粉砕 程度のバイオマスの供給を前提)から充填す 。かくして、SCWO反応器を「排出・充填」操 に付すとは、SCWO反応器へ冷却水を圧入して 、降温降圧せしめ、所定の温度にした後、冷 却水の供給を停止して、温水と二酸化炭素を 排出・回収せしめ、次に、原料充填圧にした 後、有機物原料を供給し、SCWO反応器に充填 ることを意味し、より具体的には、SCWO反応 へ冷却水を圧入して、回収温水温度まで降 し、同時に降圧せしめ、所定の温度にした 、冷却水の供給を停止して、温水と二酸化 素を排出・回収せしめ、次に、原料充填圧( 通常は大気圧)にした後、バイオマス原料を 給し、SCWO反応器に充填することを意味する
 本操作終了で1サイクル(5つの操作)が各反応 器で同時に終了し、全ての反応器は順に次の 操作に移行し、上記の操作を繰り返す。

 「定圧・昇温」、「定圧・燃焼・昇温」、 定常燃焼」の3つの操作の反応器からの流出 流体は図2に示したように合流したのち、バ オマス燃焼ボイラーにおいて導入酸素と混 し、流出バイオマスを完全燃焼させる。定 燃焼温度を超えないように必要に応じて冷 水を導入する。
 図2では、高温・高圧の燃焼ガスと熱交換し 、超臨界水を発生し、パワープラントの動力 源とする。一部は「密閉・昇圧」と「定圧・ 昇温」操作の超臨界水として用いる。熱交換 された燃焼流体は気液分離器に導かれ、高圧 二酸化炭素と排水に分離される。

 次に、図2で示したボイラープラントのシミ ュレーションの1例を、図3に示す。
 5つの反応器を使用した場合、燃焼操作全体 に関して、「排出・充填操作」はオフライン として取り扱い、1つの反応器が残り4つの操 を終了する時間を1周期として取り扱う。
 図3は、1時間あたり絶乾基準でバイオマス10 0kgを、当該図中で示した計算条件で燃焼させ たときのシミュレーション結果である。各反 応器は含水率85%の原料166.7kg(絶乾基準バイオ ス25kg)を「排出・充填操作」を除いて1時間 処理することになる。全体の操作で見れば1 /4周期ごとに反応器は異なるが、同じ操作が り返されるので、15分で各操作が終了する うに操作速度を設定する。「密閉・昇圧」 「定圧・昇温」の操作速度は超臨界水導入 度で、「定圧・燃焼・昇温」と「定常燃焼 操作の速度は酸素導入速度で制御され、本 ミュレーションは超臨界水及び酸素導入量 時間等分して行っている。
 「排出・充填」の操作速度は冷却水の導入 度で制御されるが、他の操作時間に同期さ る必要は無く、15分以内に処理すればよい 各操作の時間経過は省略するが、各操作、 段のバイオマス燃焼ボイラーにおける混合 ーンと燃焼ゾーン及び総括の物質収支とエ ルギー収支の1例を示す。25℃、大気圧を基 にしたときの正味出力は474kWが得られる。

 以上は高温、高圧の燃焼ガスとの熱交換で 臨界水(高温・高圧スチーム)を発生させ、 の超臨界水の一部を原料の昇温昇圧に使用 るものであるが、本発明のボイラーでは本 高温・高圧の燃焼排流体を直接発生させる め、その流体を直接膨張タービンの駆動に 用するものであってよい。
 本構成によれば、熱交換によるエネルギー 失を省略でき、かつボイラーの心臓部であ 熱交換器を不要とすることから装置コスト 削減できる。
 また、上記で、「密閉・昇圧」、「定圧・ 温」操作における超臨界水の使用に対して 、それ専用のボイラーを付帯設備として備 ることができる。

 本発明の別の態様では、図4に示したように 、SCWO反応器の後段の燃焼室を二つに分割し 第1燃焼室は「定圧・燃焼・昇温」及び「定 燃焼」操作から排出される未燃バイオマス 燃焼させ、かつ、第2燃焼室の圧力よりも大 きく設定する。第1燃焼室の高温排流体は図4 示したように「密閉・昇圧」、「定圧・昇 」操作の駆動熱源として使用され、「定圧 昇温」操作から流出する流体は第2燃焼室に 導入される。
 SCWO反応器が「定圧・燃焼・昇温」及び「定 常燃焼」操作の場合、任意の圧力が設定でき るので、以下、その操作を「燃焼・昇温」及 び「定常燃焼」操作と称する。
 この自燃温度以下の排出流体は第2燃焼室入 り口で第2燃焼室からの高温流体と混合され 自燃温度以上に昇温し、流出溶解バイオマ を第2燃焼室で完全燃焼させる。本プラント は付帯的な熱源を定常運転時には必要とせ 、装置コストの削減が図られる。
 本プラント構成の好適な態様の一つでは、 タートアップに際して原料を自燃温度まで 温させる工夫を適用する。当該工夫は次の うなものである。

 図5に示したようにスタートアップ時にヒー タH-1とH-2を使用する。
 I~Vの反応器に原料を充填する。Iの反応器に ヒータH-1を取り付け、必要であれば水を添加 し、水量を調節する。H-1のヒーターはカート リッジ式が望ましく、スタートアップ操作時 のみ使用し、次の原料充填時に取り外す。第 1燃焼室にも適量水を添加する。H-1と、第1燃 室に取り付けられているヒータH-2をオンに 、反応器Iの「密閉・昇圧操作」を開始する 。この際、反応器Iと第1燃焼室間はバルブを にし、導通状態にある。所定圧力に到達し ら、図6のOP-2に移行する。
 OP-2は反応器Iが「定圧・昇温操作」状態で の排出流体は第1燃焼室に導入される。反応 IIは「密閉・昇圧操作」の状態である。こ ら操作の駆動熱源はH-1,H-2のヒータである。O P-2は反応器Iが自燃温度、反応器IIが所定圧力 に到達したら終了し、OP-3に移行する。

 OP-3では反応器Iは「燃焼・昇温操作」に移 し、反応器IIは「定圧・昇温操作」、反応器 IIIは「密閉・昇圧操作」に移行する。SCWO反 器を「燃焼・昇温」操作に付すとは、SCWO反 器に酸素を供給せしめると共に、SCWO反応器 内の充填された原料を燃焼せしめ、そして該 SCWO反応器から超臨界水を主成分とし且つ未 焼有機物を含有する熱水及び二酸化炭素を 1燃焼室へ流出せしめることを意味する。こ らの操作の駆動は反応器Iと第1燃焼室での 焼熱で、H-1、H-2はこれ以降原則的には使用 ないが、H-2は必要に応じて使用する。反応 IIから排出される流体は第2燃焼室に送られ が、この時点では第2燃焼室は「密閉・昇圧 作」に対応している。反応器Iが定常燃焼温 度に到達し、反応器II、IIIが所定条件に到達 たら、OP-4に移行する。
 この時点で全ての操作が出現するので、第1 燃焼室と第2燃焼室を繋ぐラインのバルブを にし、第2燃焼室も自燃温度以上昇温し、燃 操作が開始され、プラントの自立運転が始 る。反応器Iは、ラインから切り離され、冷 却水を導入して、温水と二酸化炭素を回収し 、原料を充填する「排出・充填操作」を経て 、開始時の状態に復元する。この際、H-1ヒー タは取り外す。
 以降、本操作を繰り返すことにより、周期 な定常操作に移行する。

 本明細書中、「酸素」としては、当該分野 酸化剤として知られているものから選択さ たもの、あるいは、酸素源として知られた のから選択されたものであってよく、例え 、オゾン、液体又は気体の酸素、過酸化水 、空気、圧縮空気、酸素を富化された空気 それらの混合物などが挙げられ、好ましく 、空気、圧縮空気、酸素を富化された空気 それらの混合物などが挙げられる。
 以上本発明の装置、及び操作法を述べ、本 明がSCWO反応の採用により高含水率のバイオ マスの燃料化を達成し、回分的な原料供給の 採用により、種々の形態、形状のバイオマス の原料化を行い、複数の反応器を各操作に対 応して用いることにより、安定した連続的な 出力を可能にし、しかも装置構造を出きるだ け簡略化し、小規模分散型バイオマス燃焼ボ イラーの不可欠な装置コストの削減に資する ことを示した。

 本発明の技術は、85%程度の高含水率のバイ マスも含めて、その種類や形態を選ばず、 どの未利用バイオマスを燃焼させ、高温高 の超臨界水と二酸化炭素を直接発生させる 温高圧バイオマスボイラーを可能にし、バ オマスの発生箇所で、発生量に応じて対応 きる分散型パワープラントへの利用に役立 。
 本発明は、山林、原野、ゴルフ場、果樹園 田畑等の農耕地、淡水や海水域で発生する てのバイオマス(1次産品に直接関わる穀物 茎、剪定枝等の未利用バイオマスのみなら 、下草、落葉、雑草や、さらには休作期間 の栽培による光合成効率の高い植物等)、あ いは飲料、食品加工工場等での搾りかすや 出残渣等のバイオマス廃棄物、生ごみ(プラ スチック等有機物製品を含有も可)等の可燃 都市ごみ等を燃料とするバイオマスボイラ プラント及びその利用を実現する。
 本発明は、前述の説明及び実施例に特に記 した以外も、実行できることは明らかであ 。上述の教示に鑑みて、本発明の多くの改 及び変形が可能であり、従ってそれらも本 添付の請求の範囲の範囲内のものである。




 
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