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Patent Searching and Data


Title:
SURFACE COATING COMPOSITION HAVING EXCELLENT DURABILITY WHICH IS LUBRICATIVE IN WET STATE, COATING LIQUID, SURFACE COATING FILM, SURFACE COATING METHOD, AND MEDICAL DEVICE HAVING THE SURFACE COATING FILM
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/156132
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a surface coating composition which is composed of a composition containing (a) 1-35% by weight of at least one of an aromatic diisocyanate, an aliphatic diisocyanate and an alicyclic diisocyanate, (b) 1-35% by weight of a tri- or more-functional polyol and (c) 30-98% by weight of a polyalkylene glycol and/or a monomethoxypolyalkylene glycol, or a composition containing a part of the components reacted in advance as a prepolymer. Also disclosed are a coating liquid containing such a composition, a surface coating film obtained by applying the coating liquid to a surface, and a medical device having the surface coating film. The surface coating film exhibits sufficient lubricity in a wet state, while having excellent durability and high biological safety.

Inventors:
MATSUMURA YOICHI (JP)
YAMAGUCHI YOUICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/061201
Publication Date:
December 24, 2008
Filing Date:
June 19, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KANEKA CORP (JP)
MATSUMURA YOICHI (JP)
YAMAGUCHI YOUICHI (JP)
International Classes:
A61L31/00; A61L29/00; C10M107/34; C10M107/44; C10M159/12; C10N20/04; C10N30/06; C10N50/02
Domestic Patent References:
WO2006095766A12006-09-14
Foreign References:
JPH04227671A1992-08-17
JPH11506375A1999-06-08
JP2004280086A2004-10-07
JPH11319071A1999-11-24
JPH0576590A1993-03-30
JPH05168695A1993-07-02
JPH0833704A1996-02-06
JPH1122613A1999-01-26
JPH11506375A1999-06-08
JPH10231347A1998-09-02
JPH04227671A1992-08-17
Other References:
See also references of EP 2172232A4
Attorney, Agent or Firm:
KANEKA CORPORATION (Kita-ku Osaka-sh, Osaka 88, JP)
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Claims:
以下の(A)、(B)または(C)を含んでなるコーティング液:
(A)(a)芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、および脂環族ジイソシアネートの少なくとも1種1~35重量%と、(b)3官能以上のポリオール1~35重量%と、(c)ポリアルキレングリコールおよび/またはモノメトキシポリアルキレングリコール30~98重量%を含有してなる組成物、
(B)上記組成物において、(a)、(b)および(c)の一部を予め反応させたプレポリマーとして含有してなる組成物、
(C)上記(A)または(B)の反応生成物。
前記プレポリマーが(a)と(b)の少なくとも一部を反応させたものであることを特徴とする請求項1に記載のコーティング液。
前記(c)のポリアルキレングリコールおよび/またはモノメトキシポリアルキレングリコールの重量平均分子量が2000~50000であることを特徴とする請求項1又は2の何れか1項に記載のコーティング液。
非水溶液であることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載のコーティング液。
以下の(A)または(B)を含んでなる表面コーティング用組成物:
(A)(a)芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、および脂環族ジイソシアネートの少なくとも1種1~35重量%と、(b)3官能以上のポリオール1~35重量%と、(c)ポリアルキレングリコールおよび/またはモノメトキシポリアルキレングリコール30~98重量%を含有してなる組成物、
(B)上記組成物において、(a)、(b)および(c)の一部を予め反応させたプレポリマーとして含有してなる組成物。
前記プレポリマーが(a)と(b)の少なくとも一部を反応させたものであることを特徴とする請求項5に記載の表面コーティング用組成物。
前記(c)のポリアルキレングリコールおよび/またはモノメトキシポリアルキレングリコールの重量平均分子量が2000~50000であることを特徴とする請求項5又は6の何れか1項に記載の表面コーティング用組成物。
請求項1~4の何れか1項に記載のコーティング液、請求項5~7の何れか1項に記載の表面コーティング用組成物の非水溶液、或いはその反応生成物の非水溶液を、対象物の基材表面に塗布してなる表面コーティング。
請求項8に記載の表面コーティングを有する医療用具。
請求項1~4の何れか1項に記載のコーティング液、請求項5~7の何れか1項に記載の表面コーティング用組成物の非水溶液、或いはその反応生成物の非水溶液を、対象物の基材表面に塗布、乾燥することを特徴とする表面コーティングの形成方法。
表面コーティング用組成物中の(a)、(b)、(c)間の反応が実質終了した後に、活性水素を有する化合物を添加することを特徴とする請求項10に記載の表面コーティングの形成方法。
対象物の基材表面上に、請求項1~4の何れか1項に記載のコーティング液、請求項5~7の何れか1項に記載の表面コーティング用組成物の非水溶液、或いはその反応生成物の非水溶液を、塗布、乾燥することを特徴とする医療用具の製造方法。
請求項10又は11の何れか1項に記載の表面コーティングの形成方法、或いは請求項12に記載の医療用具の製造方法により製造されたことを特徴とする医療用具。
Description:
耐久性に優れた湿潤時潤滑性表 コーティング用組成物、コーティング液、 面コーティング、ならびに表面コーティン 方法と、この表面コーティングを有する医 用具

 本発明は、耐久性に優れ、湿潤時に優れ 潤滑性を示す表面コーティング用組成物、 ーティング液、表面コーティングおよび、 面コーティング方法、ならびにこの表面コ ティングを有する医療用具に関する。

 従来、生体と接触する部位を有する医療 具には、接触時の抵抗による苦痛・生体へ 損傷を軽減させるために様々な方法で湿潤 に潤滑性を有する表面コーティングが付与 れてきた。しかし従来の表面コーティング 一般に医療器具を構成する材料との親和性 低く、生体内で溶出したり、剥がれたりと った欠点を有していた。

 これを改良する手段としては、たとえば 許文献1に開示されているように材料表面に オゾンによる処理を行って基材表面に官能基 を生成させてから親水性ポリマーを基材にグ ラフト重合させたり、特許文献2に開示され いるようにプラズマ処理を行う方法がある しかし耐久性に劣ったり、基材の力学特性 低下したりするなどの副作用があり好まし ものではなかった。

 特許文献3に開示されているような親水性 高分子化合物の存在下、単量体の重合を行っ て第2の高分子化合物を生成し、基材表面に2 の高分子化合物の相互貫入網目構造を生成 る方法も提案されているが、基材の劣化や 存モノマーやオリゴマーの溶出といった問 点がある。

 また、特許文献4に開示されているように 基材との接着性を有するウレタン樹脂に親水 性高分子をブレンドする方法や、特許文献5 開示されているように親水性骨格を持つウ タン樹脂を用いる方法では、基材の物性低 も避けられるものの、基材との接着性や湿 時の潤滑性が十分ではないという課題があ た。

 特許文献6に開示されているように保護基 で末端イソシアネート基を保護したブロック イソシアネートを有する親水性ポリウレタン を用いる方法では、上記課題を解決出来るも のの、今度は基材上でのウレタン結合生成の ためにスズなどの重金属やアミンなどの触媒 を用いる必要があるため安全性に問題があっ たり、温度を上げる必要があるため基材の力 学的特性や医療器具のプロファイルに影響を 与えるなど、新たに解決すべき課題を有する 。

 また特許文献7に示されているように親水性 アルキレンオキサイドを含有するウレタン化 合物を基材表面で反応させ親水性ウレタンコ ーティングを生成する方法も示されているが 、反応速度が十分でないため未反応のイソシ アネートによりコーティング表面同士やコー ティング表面とパッケージの間で粘着が起き やすい問題点があった。これを回避するため には、長時間の加熱もしくはキュア時間が必 要であり、基材の性能への影響や生産性の観 点から好ましくない。またこれを回避するた めに反応触媒を用いると、生物学的安全性に 影響があるという問題点があった。

特開平5-76590号公報

特開平5-168695号公報

特開平8-33704号公報

特開平11-22613号公報

特表平11-506375号公報

特開平10ー231347号公報

特開平4-227671号公報

 本発明が解決しようとする課題は、湿潤 に十分な潤滑性を有するとともに、耐久性 も優れた表面コーティングを提供すること 更には、表面に特定の官能基を有さない基 にも適用可能で生物学的安全性の高い表面 ーティングを提供することである。

 かかる状況に鑑み本発明者らは鋭意検討 重ねた結果、以下の構成とすることにより 記課題が解決されることを見出した。

 すなわち本発明は、以下の(A)または(B)を含 でなる表面コーティング用組成物に関する:
(A)(a)芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソ シアネート、および脂環族ジイソシアネート の少なくとも1種1~35重量%と、(b)3官能以上の リオール1~35重量%と、(c)ポリアルキレングリ コールおよび/またはモノメトキシポリアル レングリコール30~98重量%を含有してなる組 物、
(B)上記組成物において、(a)、(b)および(c)の一 部を予め反応させたプレポリマーとして含有 してなる組成物。

 また本発明は、前記表面コーティング用 成物、或いはその反応生成物を含んでなる ーティング液に関する。

 また、本発明は前記コーティング液、又 前記表面コーティング用組成物の非水溶液 或いはその反応生成物の非水溶液を、対象 の基材表面に塗布してなる表面コーティン 、更にはこれを有する医療用具に関する。

 また本発明は、前記表面コーティング用 成物の非水溶液、或いはその反応生成物の 水溶液を、対象物の基材表面に塗布、乾燥 ることを特徴とする表面コーティングの形 方法、更には表面コーティング用組成物中 (a)、(b)、(c)間の反応が実質終了した後に、 性水素を有する化合物を添加することを特 とする表面コーティングの形成方法、更に 医療用具の製造方法に関する。

 本発明によれば、湿潤時に十分な潤滑性 有するとともに、耐久性にも優れた表面コ ティングが、簡便な方法で形成出来、有用 ある。

 以下本発明について詳細に説明する。

 本発明は、以下の(A)または(B)を含んでなる 面コーティング用組成物に関する:
(A)(a)芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソ シアネート、および脂環族ジイソシアネート の少なくとも1種1~35重量%と、(b)3官能以上の リオール1~35重量%と、(c)ポリアルキレングリ コールおよび/またはモノメトキシポリアル レングリコール30~98重量%を含有してなる組 物、
(B)上記組成物において、(a)、(b)および(c)の一 部を予め反応させたプレポリマーとして含有 してなる組成物。

 更には、この表面コーティング用組成物 或いはその反応生成物を含んでなるコーテ ング液、これを対象物の基材表面に塗布し なる表面コーティング、或いはこの表面コ ティングを有する医療用具、更にはこれら 形成方法、製造方法に関するものである。

 本発明においてコーティング層の厚みは に規定されるものではないが、医療用具に 用する場合は、0.5~30[μm]、特に0.5~10[μm]、さ らには0.5~5[μm]であることが好ましい。コー ィングの厚みがこの範囲を超えて小さいと 摩擦を受けた場合の耐久性が低下し易くな たり、潤滑性が低下する可能性があり好ま くない。一方、厚すぎると、血液中など液 での溶出物が多くなり易く、好ましくない

 本発明の表面コーティング用組成物は、 香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシア ート、および脂環族ジイソシアネートから ばれる少なくとも1種(以下、ジイソシアネ ト(a)、或いは単に(a)と言うことがある。)を 有して構成されている。これらは、通常、 分子中に官能基として2個のイソシアネート 基を有している。

 芳香族ジイソシアネートとしては、2,4-ト リレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイ シアネート、4,4'-ジフェニルメタンジイソシ アネート、p-フェニレンジイソシアネート、3 ,3'-ジメチルフェニル-4,4'-ジイソシアネート m-キシリレンジイソシアネート、ジアニシジ ンジイソシアネート、m-キシレンジイソシア ート、テトラメチルキシレンジイソシアネ ト、1,5-ナフタレンジイソシアネート等が例 示される。

 脂肪族ジイソシアネートとしては、trans- ニレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチル キサメチレンジイソシアネート、リシンジ ソシアネート、1,6-ヘキサメチレンジイソシ アネート等が例示される。

 脂環族ジイソシアネートとしては、trans-1 ,4-シクロヘキサンジイソシアネート、cis-1,4- クロヘキサンジイソシアネート、4,4'-ジシ ロヘキシルメタンジイソシアネート、イソ ォロンジイソシアネート等が例示される。 れらイソシアネートは1種または2種以上が組 み合わせて用いられる。

 本発明の表面コーティング用組成物にお るジイソシアネート(a)の割合は、以下に説 する(b)、(c)との総量を100重量%とした時に、 1重量%以上、35重量%以下であり、好ましくは2 重量%以上、30重量%以下、さらに好ましくは2 量%以上、25重量%以下の範囲である。ジイソ シアネート(a)の割合がこの範囲より小さいと 、基材との接着力が低下したり、コーティン グ層の摩擦時の耐久力が低下して好ましくな い。一方、ジイソシアネート(a)の割合がこの 範囲より大きいと、コーティング剤が脆くな り好ましくない。

 また、本発明の表面コーティング用組成 は、(b)3官能以上のポリオール(以下、単に(b )と言うことがある。)を含有して構成されて る。3官能以上のポリオールとは、2官能よ も多いヒドロキシ基を有する実質3官能以上 ポリオールである。本発明では、特に3官能 以上のポリオールを必須成分としているが、 これによれば、表面コーティングの耐久性、 特に摩擦操作を受けた時の摩擦係数の上昇防 止性を著しく向上することができる。

 当初、湿潤時潤滑性を発現するのは主に( c)成分であることから、(b)の構造は湿潤時潤 性の耐久性には寄与しないと思われたが、 際には耐久性への寄与が大きかった。これ 本発明者の推測によれば、ポリオールを特 3官能以上とすることでポリマー鎖の架橋が 進み、(c)成分を含有するポリマー鎖のうち従 来技術では多く生成してしまっていた膨潤時 には流出してしまうために潤滑性や耐久性に 寄与することがなかったポリマー鎖を減少さ せること、また3次元構造化が進むことで未 応の(c)成分のコーティング層への物理的な みつきが高まることによるものであると考 ている。

 また、従来の湿潤時潤滑性表面コーティ グ用の組成物では、高分子反応を終えた後 対象物の基材表面上に塗布した場合に医療 具等で求められる耐久性を得ることが難し 、対象物の基材表面上で高分子反応を行う 要があった。しかし、高分子反応を進める に必要となる加熱等により基材の力学特性 低下したり、変形を生じたり、制御された 材の配向等を損なう為に、その適用範囲は 限されていた。これに対し本発明の表面コ ティング用組成物では、その反応生成物を 布した場合でも医療用具等で求められる耐 性を得ることが可能となる。

 本発明において、(b)成分の3官能以上のポ リオールとしては、ポリエステル系ポリオー ル、ポリ(オキシプロピレンエーテル)ポリオ ル、ポリ(オキシエチレン-プロピレンエー ル)ポリオール、ポリテトラメチレングリコ ル等のポリエーテルポリオール、アクリル リオールなど高分子ポリオールの分岐誘導 、ひまし油およびその誘導体、グリセリン トリメチロールプロパン、トリメチロール タン、1,2,6-ヘキサントリオール、ペンタエ スリトール、ソルビトール、マンニトール が例示される。尚、高分子ポリオール分岐 導体の分子量は、200以上、40000以下が好ま く、より好ましくは200以上、5000以下、更に ましくは200以上、3000以下の範囲である。分 子量がこの範囲よりも大きいと、生成するコ ーティング層の接着力が低下して好ましくな く、分子量がこの範囲よりも小さいと生成す るコーティング層の柔軟性が低下して好まし くない。尚、これらポリオールは、1種又は2 以上を混合して用いることが可能である。

 本発明の表面コーティング用組成物にお る(b)の割合は、上記(a)と、以下に説明する( c)との総量を100重量%とした時に、1重量%以上 35重量%以下であり、好ましくは2重量%以上 30重量%以下、さらに好ましくは2重量%以上、 25重量%以下の範囲である。(b)3官能以上のポ オール含量がこの範囲より小さいと、基材 の接着力が低下したり、コーティング層の 擦時の耐久力が低下して好ましくない。(b)3 能以上のポリオール含量がこの範囲より大 いと、コーティング層がべたつきを生じて ッキングが生じるなど好ましくない。

 尚、上記ジイソシアネート(a)と3官能以上 のポリオール(b)は、予めその一部を反応さて なるウレタンプレポリマー等として添加する ことも可能である。この場合、各成分(a)、(b) 、(c)の割合は、反応前の各成分の量を元に計 算するものとする。(a)成分と反応させプレポ リマーを形成させる(b)成分、(c)成分の量は本 発明の範囲のコーティング組成物が得られれ ば特に限定されるものではないが、それぞれ 使用する(a)成分の100重量%以下、(b)成分の0~75 量%、(c)成分の0~50重量%からなるプレポリマ であることが好ましい。(a)/(b)の比率は重量 比で3/1~1/3が好適に用いられる。(b)成分の比 がこの範囲以上であるとプレポリマー自体 硬化が進むため(a)成分のイソシアネート基 (c)成分との反応が減るため好ましくなく、 れ以下であると反応性のプレポリマーのハ ドリングが悪化するために好ましくない。(a )/(c)の比率は重量比で3/1~1/5の範囲が好適に用 いられる。(c)成分の量がこの範囲より多いと (b)成分と反応する(a)成分のイソシアネート基 が少なくなり3次元架橋が減少する為に好ま くなく、これ以下であると反応性のプレポ マーのハンドリングが悪化するために好ま くない。(a)成分、(b)成分、(c)成分を同時に 加してプレポリマーを形成する場合はそれ れについて上記の範囲が好適に用いられる

 また、本発明の表面コーティング用組成 は、(c)ポリアルキレングリコールおよび/ま たはモノメトキシポリアルキレングリコール (以下、単に(c)と言うことがある。)を含有し 構成されている。

 ポリアルキレングリコールとしては、ポ エチレングリコール、ポリプロピレングリ ール等があげられる。モノメトキシポリア キレングリコールとしては、モノメトキシ リエチレングリコール、モノメトキシポリ ロピレングリコール等があげられる。また これらの誘導体となるグリセリンのトリポ エチレングリコールエーテル、ジグリセリ のテトラポリエチレングリコールエーテル ペンタエリスリトールのテトラポリエチレ グリコールエーテル等も(c)に含むものとし 同様に使用することができる。

 ポリアルキレングリコールまたはモノメ キシポリアルキレングリコールの重量平均 子量としては、2000~50000が好ましく、さらに 好ましくは4000~40000である。本発明で使用す (c)の重量平均分子量は、特に50000以下である ことが好ましい。本来、(a)成分と(b)成分から なるポリマーへの(c)成分の物理的絡みつきの 点から考えると、(c)の重量平均分子量は50000 り高いことが好ましいと考えられる。しか 、驚くべきことに、本発明者の検討によれ 、特に(c)成分の重量平均分子量を50000以下 することにより、表面コーティングの耐久 、特に摩擦操作を受けた時の摩擦係数の上 防止性を著しく向上できることが確認され 。これは本発明者の推測によれば、(c)成分 表面コーティングへの固着は、(a)成分と(b) 分からなるポリマーへの物理的絡みつき以 に、化学結合力が存在し、むしろ物理的絡 つきを高めるよりも、化学結合力の割合を める方が、より耐久性向上への寄与が大き った為であると考えている(因みに、分子量 低下すると、(c)成分の移動性、末端反応基 が向上し、反応性が高まるものと考えられ 。)。一方、(c)の分子量が上記範囲より低く なると、潤滑性、またその耐久性が低下する ため好ましくない。

 尚、(c)が多官能ポリアルキレングリコール 導体の場合には、末端ヒドロキシ基の数をn とすると重量平均分子量が下記式を満たす範 囲であるものが好ましい。
25000×n > 重量平均分子量 > 1000×n   ( )
重量平均分子量がこの範囲よりも小さいと湿 潤時の潤滑性が低下して好ましくなく、これ よりも大きいとコーティングの表面が乱れた り、白化したりして好ましくない。

 本発明の表面コーティング用組成物にお る(c)の割合は、上記(a)、(b)、(c)の総量を100 量%とした時に、30重量%以上、98重量%以下で あり、好ましくは40重量%以上、98重量%以下、 より好ましくは50重量%以上、95重量%以下、さ らに好ましくは60重量%以上、90重量%以下の範 囲である。ポリアルキレングリコールおよび /またはモノメトキシポリアルキレングリコ ル成分の含量がこの範囲より小さいと、潤 性が低下して好ましくなく、この範囲より きいと、コーティング層の摩擦時の耐久力 低下したり、潤滑性が低下したりして好ま くない。

 本発明の表面コーティング材料は、特に の添加順序や反応順序が限定されるもので ないが、原料の入手のし易さの点から、特 イソシアネート(a)と3官能以上のポリオール (b)の反応性生物に、ポリアルキレングリコー ルおよび/またはモノメトキシポリアルキレ グリコール(c)を加えて反応させて作成する とが好ましい。(a)に少量の(b)を添加した材 が市販されており、これを好適に使用でき 。

 一方、これらの反応の際に反応が不十分 あると、形成された表面コーティング中に ソシアネート基が残存することとなり、コ ティングを施した表面同士や、コーティン を施した機材とパッケージや保護部材との で貼り付きや粘着を起こす虞がある。その 、イソシアネート(a)、3官能以上のポリオー ル(b)、更にポリアルキレングリコールおよび /またはモノメトキシポリアルキレングリコ ル(c)を加えて反応させる方法としては、所 の反応生成物が得られれば特に限定される のではないが、反応が不十分となることを 減する上で、更には反応速度と組成の均一 散の観点から、特に溶液系での反応が好適 用いられる。このとき用いられる溶媒とし は、イソシアネート基と反応する活性水素 有さない有機溶媒を用いることが好ましい 例えばこのような溶媒としては、アセトニ リル、THF、アセトン、ジクロロメタン、ク ロホルム等のハロゲン化炭化水素などが例 出来る。

 また、残存イソシアネート基をより効果 に失活させるために、表面コーティング用 成物中の(a)、(b)、(c)間の反応が実質終了し 後に、活性水素を有する化合物、より好ま くは低分子量の活性水素を有する化合物を 加することも考えられる。ここで、反応が 質終了した後とは、表面コーティング用組 物中に添加されている(a)、(b)、(c)の各官能 の数に応じて理論上反応可能な官能基の大 が反応を完了している状態を意味するもの する。なお、所望の特性を得るために必要 量の官能基量を上まわる過剰量の官能基を に導入し、その反応途中で活性水素を有す 化合物を添加する様な場合も、この表現に むものとするが、この方法では反応の制御 困難な場合が多く、余り好ましい態様では い。この様な活性水素化合物としてはアル ール、アミン、カルボン酸などがあげられ が、安全性の観点からアルコール類が好適 用いられる。アルコール類としてはメタノ ル、エタノール、イソプロパノール等のア キルアルコール、グリセリン、ペンタエリ リトール等のポリオールなどが例示出来る

 なお活性水素化合物として水を用いると 溶性のウレアが形成されたりウレア結合生 による発泡などが生じ、溶液の安定性や潤 性が低下したりするため好ましくない。

 残存イソシアネート量の測定方法は特に 発明に影響を及ぼすものではなく、既存の 段を用いることが出来る。たとえばASTM D163 8-74に準拠した滴定法が例示される。

 湿潤時潤滑性の表面コーティングを形成 る方法としては本発明の範囲の表面コーテ ングが得られれば特に限定されるものでは いが、上記コーティング材料(表面コーティ ング用組成物、或いはその反応生成物)の溶 、懸濁液を材料表面に接触させ、材料表面 吸着させる方法、テトラヒドロフランのよ な揮発性有機溶媒に溶解あるいは懸濁し、 の液を材料表面にディッピング等の方法を いて塗布あるいは噴霧したのち静置して揮 性有機溶媒を蒸発させ薄層を材料表面に形 させる方法などがあげられる。コーティン の均一性・溶媒除去の容易さから揮発性の 水溶液、特に有機溶媒に溶解する方法が好 に用いられる。

 一方、これら表面コーティングを形成する に使用するコーティング液の溶媒としては に限定されるものではないが、ウレタンの 時劣化を防ぐために活性水素を有さず、コ ティング基材表面と適度な親和性を有する 解性パラメーター値δが8~13[(cal/cm) 1/2 ]の非水溶媒が好ましい。なお好ましくはテ ラヒドロフランやアセトン等の溶解性パラ ーター値δが9~12の非水溶媒である。

 本発明により形成される表面コーティン には、前記表面コーティング用組成物が反 して形成された重合体、溶剤の他、薬効成 、血液抗凝固剤、薬効成分、崩壊剤、薬効 分の吸収促進剤、可塑剤、安定化剤、放射 吸収剤および所望により上記以外の高分子 合物などこの分野において通常用いられる 々の配合剤が配合されてもよい。

 また、さらにコーティング表面上にブロ キング防止剤としてシリコーンオイルや官 化シリコーンオイルなど疎水性のオイル類 重ね塗りしてもよい。

 本発明における医療用具とは、生体組織 体液などの生体成分等と接触して用いられ ものである。このような医療用具の具体例 しては、たとえば血液バッグ、採尿バッグ 輸血セット、縫合糸、ドレーンチューブ、 種カテーテル、ブラッドアクセス、血液回 、人工血管、人工腎臓、人工心肺、人工弁 血漿交換膜、各種吸着体、CAPD、IABP、ペー メーカー、人工関節、人工骨頭、歯科材料 眼内レンズ、ソフトコンタクトレンズ、各 シャントなどがあげられるが、これらに限 されるものではない。

 医療用具の素材としては特に限定される のではなく、ポリアルキレン、ポリアミド ポリアミド系エラストマー等の各種エラス マー、ポリエステル、ポリカーボネート、 リウレタン、ポリ塩化ビニル、シリコーン が好適に用いられる。

 これら医療用具において、全表面が湿潤 に潤滑性を有する表面であってもよく、生 組織や体液などの生体成分と接触する部位 の一部のみが湿潤時に潤滑性を有する表面 らなっていてもよい。また所望によりコー ィング液の濃度および塗布回数を調整して ーティング量を変えることにより、異なる 滑性を有する2つ以上の部位を生じせしめる ことも可能である。

 以下、実施例によって発明を具体的に説 するが、本発明はこれらによって限定され ものではない。

 以下の記載において、略記号はそれぞれ下 の物質を表すものである。
4,4'-MDI:4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネー
2,4-TDI:2,4-トリレンジイソシアネート
1,6-HDI:1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート
水素化MDI:メチレンビス(4,1-シクロヘキシレン )=ジイソシアネート
       (4,4’-メチレンビス(シクロヘキシ イソシアナート))
PPG700:ポリプロピレングリコール(トリオール ) 重量平均分子量700
PEG600:ポリエチレングリコール(ジオール型)重 量平均分子量800
PEG20000:ポリエチレングリコール 重量平均分 量20000
PEG4000:ポリエチレングリコール 重量平均分 量4000
PEG500000:ポリエチレングリコール 重量平均分 子量500000
MEPEG4000:モノメトキシポリエチレングリコー  重量平均分子量4000
PEG400:ポリエチレングリコール 重量平均分子 量400
PVP90:ポリビニルピロリドン
Pebax:エルフアトケム社製 ポリアミド系エラ トマー樹脂。

 なお、特に断りがない場合、実施例およ 比較例の部は重量部、%は重量%を表す。な 、実施例および比較例中の測定、評価は、 の条件・方法により行なった。

 [残存イソシアネート基の定量]
 ASTM D1638-74 に準拠して逆滴定を実施し、残 存するイソシアネート基の量を測定した。

 [摩擦係数・耐久性の測定]
 HEIDON社製摩擦試験機で速度100[mm/sec]、スト ーク30[mm]摩擦子に直径10[mm]の硬質塩化ビニ 製摩擦子を用いて、100[gf]荷重で摺動を行い 10往復後の摩擦係数を測定し、潤滑性を評 した。また100往復後の摩擦係数を測定し10往 復後の摩擦係数と比較し以下のように耐久性 を評価した。
○;摩擦係数の変化は認められなかった。
△;摩擦係数が上昇した。
×;摩擦係数がほぼコーティング前の状態と同 等以上まで上昇した。

 [外観]
 目視によりコーティング層の状態を観察し 。
○;塗りむらや、白化が認められない。
△;やや塗りむらや、白化が認められる。
×;塗りむらや、白化が著しい。

 [SEM観察]
 コーティングを施したチューブを輪切りに て、切断面を走査型電子顕微鏡で観察しコ ティングの厚みを評価した。

 [張り付き]
 コーティングを施したチューブを束ね、100g の分銅で加重し55℃、100%RHで48時間経過した にチューブ同士の貼り付きの程度を確認し 。
○;貼り付きが認められない。
△;やや貼り付きが認められる。
×;貼り付きが著しい。

 (実施例1)
 (1)A液の調整
 1Lなす型フラスコに以下の原料を仕込んだ
4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート 60[g]
脱水THF                567[g]
ポリプロピレングリコール700       40[g]
窒素気流下で均一になるまで攪拌して(A液)を 得た。

 (2)コーティング液の調整
 次に重量平均分子量20000のポリエチレング コール50[g]を脱水THF950[g]に溶かした溶液(B液) にA液25[g]を加え、窒素気流下で40℃に加熱し3 時間攪拌を続けコーティング液を得た。この コーティング溶液の残存イソシアネート基の 量を測定したところ0%であった。

 (3)コーティング層(表面コーティング)の形
 得られたコーティング液に外径1[mm]、長さ20 0[mm]のPebax製チューブを浸漬し10[mm/sec]の一定 度でチューブの長さ方向に平行に引き上げ 温で1時間乾燥し、コーティング層を有する ポリアミド系エラストマーチューブを得た。 このチューブを長さ方向に垂直な平面で切断 し、走査型電子顕微鏡で断面を観察して被膜 の厚さを計測したところ1.5[μm]であった。評 結果を表1に示した。

 (実施例2~3)
 実施例1と同様に、表1に示す原料と方法で 滑性の表面コーティングを有する実施例2~3 チューブを得た。評価結果を表1に示した。

 (実施例4、5)
 実施例1と同様に、表1に示す原料と方法で 滑性の表面コーティング組成物を配合(反応) 後、エタノールを加えてさらに40℃で1時間攪 拌を続けコーティング液を得た。このコーテ ィング液を用いて実施例1と同様の方法で潤 性の表面コーティングを有するチューブを た。評価結果を表1に示した。

 (実施例6)
 (1)ポリウレタンプレポリマー(C-1)の合成
 200mL反応器に以下の物質を仕込んだ。
4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート     70[g]
 窒素気流下で攪拌しつつ70℃まで加熱し、 らに攪拌を続けながら次の物質を2時間かけ 連続的に滴下した。
ポリプロピレングリコール700(トリオール型)     30[g]
さらに窒素気流下70℃に保ちつつ2時間攪拌を 続けてポリウレタンプレポリマー(C-1)を得た 配合処方を表2にまとめた。

 (2)コーティング液の調整
 ポリウレタンプレポリマー(C-1)12.75[g]、PPG700  2.25[g]にTHF85[g]を加えよく攪拌し均一な溶液 得た。次にポリエチレングリコール20000の15 %THF溶液1000[g]を加え、40℃に昇温して、6時間 拌し、コーティング液を得た。残存イソシ ネート基の量を測定したところ0%であった

 (3)コーティング層(表面コーティング)の形
 この溶液に外径1[mm]、長さ200[mm]のPebax製チ ーブを浸漬し10[mm/sec]の一定速度でチューブ 長さ方向に平行に引き上げ室温で1時間乾燥 し、コーティング層を有するポリアミド系エ ラストマーチューブを得た。このチューブを 長さ方向に垂直な平面で切断し、走査型電子 顕微鏡で断面を観察して被膜の厚さを計測し たところ2.0[μm]であった。評価結果を表1に示 した。

 (実施例7~13)
 実施例6と同様に、表1、表2に示す原料と方 で潤滑性の表面コーティングを有するチュ ブを形成し実施例7~13とした。評価結果を表 1に示した。

 (実施例14)
 ポリウレタンプレポリマー(C-1)12.75[g]、PPG700  2.25[g]にTHF85[g]を加えよく攪拌し溶液とした 次にポリエチレングリコール20000の15%THF溶 1000[g]を加え均一になるまで攪拌した。残存 ソシアネート基の量を測定したところ73%で った。この溶液に外径1[mm]、長さ200[mm]のPeba x製チューブを浸漬し10[mm/sec]の一定速度でチ ーブの長さ方向に平行に引き上げ75℃で1時 乾燥し、コーティング層を有するポリアミ 系エラストマーチューブを得た。このチュ ブは収縮・そりを生じていた。

 (比較例1~4)
 表1に示す原料を用いて、実施例1と同様の 法で潤滑性の表面コーティングを有するチ ーブを形成し比較例1~4とした。評価結果を 1に示す。

 表1の結果から明らかなように、実施例1~1 4に代表される本発明の潤滑性の表面コーテ ングは、湿潤時に優れた潤滑性と耐久性を し、表面に活性水素や特定の官能基を有さ い基材においても優れた潤滑性と耐久性を することが明らかである。