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Title:
SURFACE TREATMENT DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/054092
Kind Code:
A1
Abstract:
A surface treatment device capable of applying a treatment with a high accuracy even to the top area of the end portion of a surface to be treated while preventing a surface treatment liquid from flowing to the side of the rear surface where treatment is not desired. The surface treatment device (1), which performs the surface treatment by flowing down the surface treatment liquid (X) along the surface (16) to be treated of a sheet material (10), includes an end area treatment part (3) having an end area treatment surface (17c). The end area treatment surface (17c) is so disposed as to face the surface (16) of the sheet material (10) with a very narrow gap provided therebetween. The lower end (17a) of the end area treatment part (3) is so disposed as to contact with a portion of the surface treatment liquid (X) flowing on a supply guide surface (13).

Inventors:
ITO IZUMI
ASADA HIROFUMI
OCHI SHINYA
Application Number:
PCT/JP2008/002734
Publication Date:
April 30, 2009
Filing Date:
September 30, 2008
Export Citation:
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Assignee:
PANASONIC CORP (JP)
ITO IZUMI
ASADA HIROFUMI
OCHI SHINYA
International Classes:
C25D7/06; C23C18/31
Foreign References:
JP2003129281A2003-05-08
JPS61127895A1986-06-16
JPS60262991A1985-12-26
Attorney, Agent or Firm:
SHINJYU GLOBAL IP (1-4-19 Minamimori-machi,Kita-ku, Osaka-shi, Osaka 54, JP)
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Claims:
 表面処理液を被処理物の被処理面に沿って流下させて表面処理を施す表面処理装置であって、
 前記表面処理液を供給する処理液供給部と、
 前記被処理面の端部領域に対し微小空間を介して対向する第1ガイド面を有し、前記表面処理液の一部に端部が接するように配置された第1部材と、
を備える表面処理装置。
 前記被処理面における、前記第1部材が配置された前記端部領域を除く領域に対し、微小隙間を介して対向して設けられている第2ガイド面を有する第2部材を備える、
請求項1に記載の表面処理装置。
 前記第2ガイド面の一方の端部から略水平に設けられ、供給された前記表面処理液を前記第2ガイド面に流すための第3ガイド面を有する第3部材と、
 前記第3ガイド面の第2ガイド面とは反対側の端部に設けられ、前記第3ガイド面から突出する堰と、
を備える、
請求項1または2に記載の表面処理装置。
 前記第1部材は、板状の部材である、
請求項1から3のいずれか1項に記載の表面処理装置。
 前記第1部材の前記端部は、曲面を含むように形成されている、
請求項1から4のいずれか1項に記載の表面処理装置。
 前記第1部材の前記端部は、前記被処理面の前記端部側に近づくにつれて前記被処理面との間隔が狭くなるように形成されたテーパ形状である、
請求項1から4のいずれか1項に記載の表面処理装置。
 前記第1部材は、前記被処理面と略平行な方向に移動可能である、
請求項1から6のいずれか1項に記載の表面処理装置。
 前記第1ガイド面と前記被処理物の前記被処理面との距離は、調整可能である、
請求項1から7のいずれか1項に記載の表面処理装置。
Description:
表面処理装置

 本発明は、表面処理液を被処理物の被処 面に流下させて表面処理を施す表面処理装 に関する。

 従来、シート材などの長尺の薄体に対し、 ッキなどの表面処理を施す場合には、その 体を長尺方向に沿って走行させ、表面処理 置の中を順に通過させていく。そして、こ 表面処理装置の中で、連続的に、薄体の表 処理を行う。このような表面処理装置では 薄体の一方の面のみに選択的に表面処理を す場合には、薄体の面方向を垂直に保持し 状態で、その薄体の一方の面(被処理面)の に表面処理液を流下させて表面処理を施す しかし、このとき、表面処理液の一部が、 理を所望しない裏面側へ回り込んでしまう いう問題がある。そこで、この問題に対し 薄体の上端部に近接して板材を設ける構成 ある。これは、この板材を、表面処理液の り込みを防止するための壁として用いる手 である(例えば、特許文献1参照)。

特開昭61-127895号公報(昭和61年6月16日公開 )

 しかしながら、このような構成の表面処 装置においても、被処理物(薄体)の直線性 スティフネス性により、板材と被処理物と 間に隙間が生じ、非処理面側に処理液の回 込み(乗り越え)が起きてしまう恐れがある。

 そこで、本発明は、表面処理液が、処理 所望しない裏面側へ回り込むことを防止し つ、被処理面の端部領域も高精度に処理を すことが可能な表面処理装置を提供するこ を目的とする。

 第1の発明に係る表面処理装置は、表面処 理液を被処理物の被処理面に沿って流下させ て表面処理を施すための表面処理装置であっ て、処理液供給部と、第1ガイド面を有する 1部材と、を備えている。処理液供給部は、 面処理液を供給する。第1ガイド面は、被処 理物の被処理面における端部領域に対して、 微小隙間を介して対向して設けられている。 そして、第1部材の端部は、表面処理液の一 に対して接するように配置されている。

 ここでは、被処理物(例えば、シート材) 表面に、メッキなどの、表面処理を施す表 処理装置において、被処理物の一方の面を 択的に表面処理しつつ、被処理面の端部領 にまで表面処理を施すことを可能にするた の構成を採用している。

 ここで、処理液供給部は、例えば、表面 理液を流出させるパイプ形状のもの、また 、表面処理液が貯留される水槽形状などが まれる。微小隙間とは、被処理物の被処理 と側壁部の面との間で、表面処理液が毛細 力によって液面が入り込む程度の隙間であ 。これは、液体の種類や密度などによって 化するが、例えば、0.3mm程度である。また 第1部材の端部が接する表面処理液は、被処 物の被処理面に沿って流下している表面処 液であってもよいし、他の部材の表面を流 る表面処理液であってもよい。

 このような構成によると、第1部材の端部 に接触した表面処理液の一部が、毛細管力( 面張力)によって、被処理物の被処理面と第1 ガイド面との間の隙間に入り込む。また、被 処理面が存在しなくなる領域では、第1ガイ 面と対向する面が存在しなくなる。このた 、被処理面の端部より外側の領域では毛細 現象が発生せず、必然的に、表面処理液が 処理面の端部で止まることになる。この結 、被処理面の端部領域にも表面処理液を行 届かせること、および被処理物の他の面(処 を所望しない面)への処理液の回りこみを防 ぐことが可能になり、被処理面のみへの表面 処理を高精度で実施することが可能になる。

 第2の発明に係る表面処理装置は、第1の 明に係る表面処理装置であって、第2ガイド を有する第2部材を備えている。第2ガイド は、被処理面における第1部材が配置された 域以外の領域に対し、微小隙間を介して対 して設けられている。

 ここでは、被処理面の端部領域を除いた領 に対し、微小隙間を介して対向して設けら た第2ガイド面を備えている。
 これにより、表面処理液を、第2ガイド面に 沿って流下させると同時に、被処理物の被処 理面にも沿って流下させることができる。こ れは、第2ガイド面と被処理面との間が微小 間であるため、表面処理液が毛細管力(表面 力)によって第2ガイド面と被処理面との両 に吸着するからである。この結果、毛細管 の働きによって、第2ガイド面と被処理面と 対向面の間に表面処理液が行きわたり、ム の少ない表面処理を行うことが可能になる

 第3の発明に係る表面処理装置は、第1ま は第2の発明に係る表面処理装置であって、 3ガイド面を有する第3部材と堰とを備えて る。第3ガイド面は、第2ガイド面の一方の端 部から略水平に設けられている。堰は、第3 イド面の第2ガイド面とは反対側の端部に第3 ガイド面から突出して設けられている。

 ここでは、第3ガイド面を有する第3部材と 第3ガイド面から突出して設けられた堰と、 備えている。
 ここで、表面処理液は、堰の第3ガイド面側 とは反対側に供給される。

 これにより、供給された表面処理液は、 の高さを超えるまで一時的に堰き止められ 。その後、堰から溢れた表面処理液が第3ガ イド面へ流れ出す。すなわち、堰から溢れる 表面処理液のみが、表面処理が行われる第1 イド面側に供給される。この結果、例えば シャワー形式などにより、直接的に表面処 液が第3ガイド面に供給される場合に比べ、 面処理液の流れの勢いを抑え、流量を一定 保つことが可能になり、第3ガイド面上にお ける整流性も向上させることが可能になる。 したがって、表面処理のムラを軽減すること が可能になる。

 第4の発明に係る表面処理装置は、第1から 3の発明のいずれか1つに係る表面処理装置で あって、第1部材が、板状の部材である。
 これにより、第1部材の端部は、板形状にお ける側面を含み、第1ガイド面は、板形状に ける一方の面とすることができる。つまり 板形状部材の側面が、表面処理液の液面に する。そして、この端部から第1ガイド面と 処理物の被処理面との間の微小隙間へ、毛 管力によって表面処理液が入り込む。この 果、表面処理液が、被処理面の端部領域に き届くことが、簡易な部材によって可能に る。また、装置にかかる費用を抑えつつ、 処理物の非処理領域を減少させ、資材の利 効率を上昇させることが可能になる。

 第5の発明に係る表面処理装置は、第1から4 発明のいずれか1つに係る表面処理装置であ って、第1部材の端部が、曲面を含むように 成されている。
 ここでは、第1部材の端部が、曲面を含んで いる。

 ここで、曲面とは、例えば、円周面形状で ってもよい。
 そして、第1部材の端部における、被処理面 の端部領域に対向する側に、この曲面が設け られていてもよい。つまり、第1ガイド面の 部を含むように曲面形状が形成されている とが好ましい。なお、この曲面は複数個設 られていてもよい。

 これにより、第1部材の端部における被処理 面に対向する部分(第1ガイド面の端部を含む 分)が、曲面になるため、例え被処理物に自 由度があり、この自由度によって第1ガイド と被処理面とが接触した状態になっても、 1ガイド面と被処理面との接触面積が微小面 に抑えられる。したがって、その接触して る微小面積部分以外の部分は、第1ガイド面 と被処理面との間に微小隙間が存在すること になる。この結果、被処理物の自由度によら ず、表面処理液が毛細管力によって入り込み やすい微小隙間を、第1ガイド面と被処理面 の間に設けることが可能になる。
 また、曲面形状は、第1ガイド面を含まなく てもよい。
 また、第1部材の下端が曲面形状を成してい る形状であってもよい。

 これにより、第1部材の下端において、この 第1部材と表面処理液とが接する面積を大き 設けることができる。このため、表面処理 の毛細管力による入り込みが確実かつ容易 なる。またさらに、被処理面の中央側から 部側方向に向けて、第1部材と被処理面との 隔が狭くなる形状であるため、毛細管力に って表面処理液が入り込みやすい。
 この結果、表面処理にムラができることを えつつ、端部領域も高精度に表面処理する とが可能になる。

 第6の発明に係る表面処理装置は、第1から4 いずれか1つの発明に係る表面処理装置であ って、第1部材の端部は、被処理面の端部側 近づくにつれて被処理面との間隔が狭くな ように形成されたテーパ形状である。
 ここでは、第1部材の端部がテーパ形状を成 している。

 これにより、第1部材の表面処理液に接触 している部分から第1ガイド面側に向けて、 1部材と被処理物との隙間が徐々に狭くなっ いるので、毛細管現象が発生しやすくなる この結果、安定して表面処理液を被処理面 端部領域に供給することが可能になり、ム のない表面処理が可能になる。

 第7の発明に係る表面処理装置は、第1から 6の発明のいずれか1つに係る表面処理装置で あって、第1部材が、被処理物の被処理面と 平行な方向に移動可能である。
 ここでは、第1部材は、被処理面に対し平行 に移動させることが可能である。

 これにより、表面処理液の流量が変化す ことなどによって、液面の位置が変化した 合でも、表面処理液と第1部材の端部とが接 触している状態にさせることが可能になる。 この結果、表面処理液の流量によらず、第1 材の端部が液面に接するように調整するこ ができるため、確実に毛細管現象を発生さ 、被処理面の端部領域を表面処理すること 可能になる。

 第8の発明に係る表面処理装置は、第1か 第7の発明のいずれか1つに係る表面処理装置 であって、第1部材の第1ガイド面と被処理物 被処理面との距離は調整可能である。

 ここでは、第1ガイド面と被処理面との距離 は、調整することが可能である。
 これにより、毛細管力を調整することが可 になる。すなわち、第1ガイド面と被処理面 との微小隙間に、表面処理液が入り込む度合 いを調整することが可能になる。この結果、 被処理物の端部領域における処理領域を調整 することが可能になる。また、毛細管力は、 固液界面における固体表面と液体との親和性 や、液体の密度などによって異なる。このた め、本発明の構成によって、さまざまな表面 処理液に対応することが可能になる。

本発明の一実施形態に係る表面処理装 の構成を示す斜視透過図。 図1の表面処理装置の側面視断面図。 図2の表面処理装置のA-A断面図。 図1の中央領域処理部および貯留部の一 部を拡大した斜視図。 図1の主要部分を拡大した側面視断面図 。 本発明の他の実施形態に係る表面処理 置の構成を示す側面視断面図。 図6の表面処理装置における端部領域処 理部とシート材との位置関係を示す側面視図 。 本発明の他の実施形態に係る表面処理 置における主要部分を示す側面視断面図。 本発明の他の実施形態に係る表面処理 置における主要部分を示す側面視断面図。 本発明の他の実施形態に係る表面処理 装置における端部領域処理部の端部形状を示 す側面視断面図。 本発明の他の実施形態に係る表面処理 装置における主要部分を示す側面視断面図。 (a)は、本発明の実施形態に係る表面処 理装置におけるガイドローラの一例を示す斜 視図である。(b)は、本発明の実施形態に係る 表面処理装置におけるガイドローラの一例を 示す上面視平面図である。 本発明の他の実施形態に係る表面処理 装置における端部領域処理部の下端部の端部 形状を示す側面視断面図である。

符号の説明

1    表面処理装置
2    筐体部
3    端部領域処理部(第1部材)
4    中央領域処理部(第2部材)
5    貯留部(第3部材)
5a   基板部
6    堰
7    供給管
7a   微小穴
9a   ガイドローラ対
9b   ガイドローラ対
10   シート材(被処理物)
11   縦壁
12   液溜め
13   供給ガイド面(第3ガイド面)
14   中央領域処理面(第2ガイド面)
16   被処理面
16a  端部領域
16b  中央領域
17a  下端部
17b  上端部
17c  端部領域処理面(第1ガイド面)
17d  下先端部分
18a  側面部
18b  側面部
19   底面部
19a  廃液溜め
20   搬入口
21   搬出口
22   微小凹凸
23   側面
25   上端部
26   下端
27   裏面
31   シート材(被処理物)
32   被処理面
33   端部領域
34   端部領域処理面(第1ガイド面)
35   端部領域処理部(第1部材)
36   端部
37   中央領域
38   ガイドローラ対
40   シート材(被処理物)
41   被処理面
42   被処理面
43   端部領域処理部(第1部材)
44   中央領域処理部(第2部材)
45   貯留部(第3部材)
46   堰
47   供給管
48   端部領域
49   端部領域
50   シート材(被処理物)
51   縦壁
53   堰
54   供給管
55   端部領域
56   被処理面
57   端部領域処理部(第1部材)
60   供給ガイド面(第3ガイド面)
61   端部領域処理面(第1ガイド面)
62   中央領域処理部(第2部材)
63   下端部
64   上端部
65   中央領域処理面(第2ガイド面)
71   上面部
72   鋸歯部
73   固定部材
100  表面処理装置
200  表面処理装置
S    処理液供給部
P    処理部
X    処理液(表面処理液)
Y    処理区間

 本発明の一実施形態に係る表面処理装置1に ついて、図1から図5を用いて説明すれば以下 通りである。
 本実施形態の表面処理装置1は、幅30cm、厚 38μmの長尺のポリイミド膜を含むシート材10 対して、メッキ処理等の表面処理するため 装置である。なお、このシート材10は、表 処理を施される前段階では、長尺方向に沿 てロール状に巻かれた状態で保持されてい ものとする。

 [表面処理装置1の構成]
 本実施形態に係る表面処理装置1は、図1に すように、主として、筐体部2と、ガイドロ ラ対9a,9b(図3参照)と、処理液供給部Sと、処 部Pとを備えている。

  (筐体部2)
 筐体部2は、内側に空間を有する直方体形状 の部材である。この筐体部2は、側面部18a,18b 底面部19とを有している。

 側面部18aには、シート材10の入り口であ 搬入口20が形成されている。一方、側面部18b には、シート材10の出口である搬出口21が形 されている。これらの搬入口20および搬出口 21は、矩形状の開口部である。

 底面部19は、矩形の面である。そして、 面部19とこの底面部19に連接する側面の一部 が、シート材10の被処理面16に対して表面処 理を施し終えた後の処理液X(廃液)を一時的に 溜める廃液溜め19aを形成している。

 また、筐体部2は、塩化ビニル製の筐体で あって、上部に開口部(図示しない)を有して る。この開口部には、蓋部材(図示しない) 、気密性が高く、かつ開閉可能に開口部を ぐように配置されている。

  (処理液供給部S)
 次に、表面処理に用いる処理液Xを処理部P 供給するための部材群である処理液供給部S ついて説明する。処理液供給部Sは、処理液 Xを筐体部2内に流入させるための供給管7と、 流入された処理液を一時的に溜めるための貯 留部(第3部材)5とを備えている。

 供給管7は、図2に示すように、処理液Xを 体部2内に供給するために、筐体部2の上部 、外部から連結して設けられている。また 供給管7は、内部が空洞になっている円筒形 の塩化ビニル製の部材である。そして、円 形状の外周面(円周面)に相当する部分には 複数の微小穴7aが、シート材10の搬送方向に って一列に形成されている。また、この微 穴7aは、後述する縦壁11に対向する方向に設 けられている。

 貯留部5は、筐体部2に固定されている平 状の基板部5aを備えている。また、貯留部5 、基板部5aの上面側に、縦壁11と堰6と供給ガ イド面(第3ガイド面)13(図5参照)とを有してい 。また、基板部5aの上面と縦壁11と堰6とに って、液溜め12が形成されている。

 また、基板部5aは、一方の端部が筐体部2 固定されて略水平に設けられている。そし 、この基板部5aのシート材10の搬入口20側か 搬出口21側方向への長さは、当該表面処理 置1における処理区間Y(図3参照)の長さと同じ 程度の長さである。

 縦壁11は、基板部5a上に上方向に向けて略 垂直に形成された板状の部材である。この縦 壁11は、基板部5aと一体的に形成された部材 あってもよい。そして、縦壁11は、供給管7 微小穴7aから流出する処理液を受け止める役 割を果たしている。つまり、処理液Xは、こ 縦壁11に当たった後、縦壁11に沿って流下す ことになる。

 堰6は、基板部5aの上面から上方向に突出 るように形成された直方体形状の部材であ 、縦壁11よりシート材10側に設けられている 。この堰6は、長手方向において、縦壁11と略 平行である。また、堰6は、縦壁11と同様に、 基板部5aと一体的に形成された部材であって よい。そして、堰6の基板部5aからの高さは 縦壁11より低い高さである。

 このように形成された堰6は、上述のよう に、縦壁11と基板部5aとともに、液溜め12を形 成する役割を果たす。すなわち、縦壁11に沿 て流下した処理液Xは、堰6の高さを超える では、液溜め12に溜まることになる。

 供給ガイド面13は、基板部5aの上面の一部 であり、堰6の下端からシート材10側の端部ま での略平面状の面である。この供給ガイド面 13は、上述の液溜め12から堰6の上面の高さを えて溢れ出した処理液Xを、シート材10の被 理面16と、後述する処理部Pの中央領域処理 14との間の隙間へと導く役割を果たしてい 。

  (処理部P)
 次に、処理液供給部Sによって供給された処 理液Xによって、シート材10の被処理面16を高 度に処理する処理部Pについて説明する。

 処理部Pは、図5に示すように、シート材10 の被処理面16の中央領域16b(本実施形態では、 被処理面16の上部の端部領域を除いた領域)を 処理するための中央領域処理部(第2部材)4と 端部領域16a(本実施形態では、上部の端部領 )を処理するための端部領域処理部(第1部材) 3とを備えている。

 中央領域処理部4は、基板部5aにおけるシ ト材10側の端部から、下方に向けて略垂直 設けられている平板状の部材である。この 央領域処理部4は、基板部5aと一体的に形成 れた部材であってもよい。そして、この中 領域処理部4は、シート材10の被処理面16に対 し、微小隙間を介して対向して設けられた中 央領域処理面(第2ガイド面)14を有している。

 中央領域処理面14は、中央領域処理部4に ける一方の面である。この中央領域処理面1 4は、供給ガイド面13に連接して形成されてい る。また、中央領域処理面14とシート材10の 処理面16との間の微小隙間は、処理液Xがこ 微小隙間を流下する際に毛細管力が働く程 の大きさとなっている。そして、中央領域 理面14は、供給ガイド面13との連接部から、 体部2の底面から所定の高さ位置まで設けら れている。

 このような構成によると、供給ガイド面13 を流れてきた処理液Xは、中央領域処理面14 シート材10の被処理面16との間の隙間におい 流下する。
 また、中央領域処理面14と供給ガイド面13と の連接部分は、滑らかな曲面形状であること が好ましい。これにより、供給ガイド面13上 流れてきた処理液Xがシート材10の方向に飛 したり、脈動したりすることを抑えること できる。

 また、図4に示すように、供給ガイド面13 中央領域処理面14との連接部分付近には、 理液Xが流れる方向に対して垂直方向(シート 材10の搬送方向に対し平行方向に)に沿った条 を有する微小凹凸22が形成されている。これ より、処理液Xが、シート材10の搬送方向に って均一に広がり易くなり、よりムラのな 表面処理を施すことができる。

 端部領域処理部3は、図1および図2に示す うに、中央領域処理部4の上方向に、略垂直 に配設された板形状の部材である。この端部 領域処理部3は、上端部17bと下端部17aと端部 域処理面(第1ガイド面)17cとを有している。

 上端部17bは、図2に示すように、筐体部2 固定されている。このため、上端部17bの固 位置が決定されれば、端部領域処理部3の配 位置が決定される。ただし、端部領域処理 3の固定方法は、これに限定されるものでは ない。例えば、端部領域処理部3は、例えば 基板部5aの一部分や縦壁11の一部分などに固 される構成であってもよい。

 下端部17aは、図5に示すように、被処理面 16の端部領域16aに対向する領域(端部処理領域 面17cの下端部)は、曲面形状を成している。 体的には、板形状の部材に半円柱形状の部 が密着して組み合わされた形状になってい 。そして、半円柱形状の部材の条の部分が 処理面16の端部領域16aに近接するように設け られている。また、本実施形態においては、 この半円柱状の部材は、端部処理領域面17cに 沿って上下に2つ設けられている。なお、板 の部材と半円球状の部材とは、個々に形成 れた後に接着剤などで接着されたものであ てもよいし、あるいは、射出成型などによ 一体形成物であってもよい。

 また、この下端部17aは、供給ガイド面13 中央領域処理面14との連接部分付近において 、供給ガイド面13から中央領域処理面14に流 る処理液Xに接するように設けられている。 の下端部17aは、処理液Xを、被処理面16と、 述する端部領域処理面17cと、の間の微小隙 へ吸い上げるために、最初に表面張力によ て端部領域処理部3に吸着させる役割を果た している。

 なお、この処理液Xと下端部17aとが接する 度合いは、処理液Xの流量によって変化する で、必要に応じて流量を調節すれば、下端 17aと処理液Xとの接する度合いを調節するこ ができる。

 端部領域処理面17cは、端部領域処理部3に おけるシート材10の被処理面16に対向する面 ある。そして、端部領域処理面17cと被処理 16の端部領域16aとの間には、最も近接する部 分(半円柱形状の条の部分と被処理面16aと)で 、約0.3mmの微小隙間が設けられている。ま 、最も離れている部分(平面部分と被処理面1 6aとの距離)では、約1.5mmの微小隙間が設けら ている。これらの距離は、本実施形態にお て使用する処理液Xが、毛細管力によって入 り込む大きさの隙間である。なお、本実施形 態におけるシート材10のように、被処理物が 剛体物(剛体物ではない物体)である場合は 処理液Xを流していない状態において、端部 域処理面17cの半円柱形状の条の部分と被処 面16aとが接している状態であってもよい。 れは、シート材10が端部領域処理面17cに対 て垂直方向に、非剛体物であることによる 由度を有するため、処理液Xが入り込むこと よって、自然に微小隙間が形成されるため ある。

 以上の構成により、端部領域処理面17cと 部領域16aとの微小隙間は、毛細管力が働き すくなるため、処理液Xを効果的に入り込ま せることが可能になる。また、上下に並べら れた半円柱状の部材同士の間にも毛細管力が 働き、処理液Xを保持しやすい形状となって る。この結果、端部領域16aと端部領域処理 3との間の隙間に処理液Xを効果的に入り込ま せて保持することができる。

  (ガイドローラ対9a,9b)
 ガイドローラ対9a,9bは、図3に示すように、 体部2の内部に設けられている。ガイドロー ラ対9aは、搬入口20近傍に設けられている。 イドローラ対9bは、搬出口21近傍に設けられ いる。また、ガイドローラ対9aとガイドロ ラ対9bとの間には、シート材10の被処理面16 表面処理を施す処理区間Yが位置している。 のガイドローラ対9a,9bは、略円柱状の部材 あり、円周面である外周面23にシート材10を 着させた状態で回転する。

 ここで、本実施形態におけるシート材10 、筐体部2の外部にロール状に巻かれた状態 保持されている。このシート材10は、筐体 2の外部に設けられた図示しない搬送ローラ によって、ロール状態から引き出される。 して、上記搬送ローラ対に対して筐体部2を 挟んで反対側に設けられている図示しない搬 送ローラ対によって、搬入口20から筐体部2の 内部へと搬送される。

 このとき、ガイドローラ対9aおよびガイ ローラ対9bは、処理区間Yにおいて、シート 10の被処理面16が、中央領域処理面14および 部領域処理面17cに対し、微小隙間を介して 向して搬送されるように誘導する。また、 イドローラ対9bは、処理後のシート材10を、 体部2の外部に設けられている図示しない搬 送ローラ対へ、搬出口21を通って搬送される うに誘導する。そして、筐体部2内で表面処 理を施された後、搬出口21から搬出される。 だし、本実施形態では、長尺のシート材10 搬送方向に連続的に表面処理を施す構成で るため、シート材10の搬入出は連続的に行わ れる。

 なお、本実施形態におけるガイドローラ 9a,9bは、回転自在に設けられており、シー 材10を搬送するための動力を有していない。 しかし、このガイドローラ対9a,9bは、モータ どによって動力を持たせた搬送ローラ対と ての機能を併せ持つものであってもよい。 の場合、ガイドローラ対9a,bは、比較的、半 径が大きいものであることが好ましい。これ は、側面とシート材10との密着面積が広くな 、摩擦力が高くなるためである。すなわち ガイドローラ対9a,9bの側面とシート材10との 摩擦力が、シート材10を搬送するために十分 あればよい。

 また、ガイドローラ対9a,9bは、図12(a)に示 すようにシート材10の上端または(及び)下端 ガイドする(例えば、段付き円柱)構造であっ てもよいし、シート材10を圧着する構造であ てもよい。あるいはまた、図12(b)に示すよ に、3つのガイドローラによって、シート材1 0を交互に挟む構成であってもよい。

 <表面処理装置1における表面処理液Xの流 >
 次に、本実施形態に係る表面処理装置1にお ける表面処理液Xの流路を、図5を用いて、以 で説明する。

 先ず、供給管7の内部を流れてきた処理液 Xは、供給管7の微小穴7aから流出する。流出 た処理液Xは、縦壁11に当たり、この縦壁11に 沿って流下する。このようにすると、供給さ れる処理液Xが飛散することを抑えることが きる。そして、縦壁11に沿って流下した処理 液Xは、堰6によって堰き止められ、堰6の高さ に至るまで、液溜め12に溜まる。このように 処理液Xが、一旦、液溜め12に溜まることに って、処理液Xの勢いが抑制される。

 次に、供給管7から供給され続け、堰6の さを超えた処理液Xは、堰6側から溢れ出し、 供給ガイド面13上を流れ出す。供給ガイド面1 3上を流れる処理液Xは、この供給ガイド面13 中央領域処理面14との接続部およびその近傍 に設けられた微小凹凸22(図4参照)によって、 ート材10の搬送方向に広がりつつ、下流方 に流れていく。

 このとき、供給ガイド面13上を流れる処 液Xの一部は、端部領域処理部3の下端部17aに 接触する。この下端部17aに接触した処理液X 一部は、表面張力によって端部領域処理部3 表面に吸着する。そしてさらに、この吸着 た処理液Xは、毛細管力によって、端部領域 処理面17cとシート材10の被処理面16における 部領域16aとの微小隙間に入り込む。すなわ 、端部領域処理面17cと被処理面16の端部領域 16aとの隙間で毛細管現象が発生し、その隙間 に処理液Xが広がって保持される。

 ここで、処理液Xの上昇は、シート材10の 端付近で止まる。これは、毛細管現象の原 に基づく結果である。つまり、毛細管力は 液体の表面張力によって、物体間の微小隙 を液面が上昇する現象であるため、端部領 処理面17cに対し微小隙間を介して対向する 体(シート材10の被処理面16)が存在しない領 (シート材10の上端部より上の領域)では、毛 細管力が働かないからである。

 一方、毛細管力によって端部領域処理面1 7c方向に入り込まなかった処理液Xは、中央領 域処理面14と、シート材10の被処理面16との間 の微小隙間に沿って流下する。このとき、シ ート材10に、中央領域処理面14に近づく方向 若干の自由度を持たせておけば、処理液Xと 処理面16との表面張力によって、シート材10 の被処理面16が中央領域処理面14方向に吸い せられる。

 このように、中央領域処理面14と被処理 16との微小隙間を、中央領域処理面14と被処 面16との両方に接触しながら流下した処理 Xは、中央領域処理面14の下端26に到達して筐 体部2の底部に滴下する。

 なお、筐体部2の底部に滴下した処理液X 、図示しない循環ポンプによって、再び、 給管7に循環される。ただし、この循環の間 は、処理液Xの濾過や濃度、温度などの条件 を調整するための図示しない調整槽を介して いてもよい。

 [表面処理装置1の特徴]
 (1)
 本実施形態に係る表面処理装置1は、図1お び図5に示すように、処理液Xをシート材10の 処理面16に沿って流下させて表面処理を施 表面処理装置1であって、処理液供給部Sと、 端部領域処理面17cを有する端部領域処理部3 、を備えている。処理液供給部Sは、処理液X を端部領域処理部3に供給する。端部領域処 面17cは、シート材10の被処理面16に対して、 小隙間を介して対向して設けられている。 して、端部領域処理部3の下端部17aは、供給 ガイド面13上を流れる処理液Xの一部に対して 接するように配置されている。

 これにより、端部領域処理部3の下端部17a に接触した処理液Xの一部が、毛細管力(表面 力)によって、シート材10の被処理面16と端 領域処理面17cとの間の隙間に入り込ませる とができる。そして、被処理面16が存在しな くなる領域では、端部領域処理面17cと対向す る面が存在しなくなる。このため、被処理面 16の上端部25より上側の領域では毛細管現象 発生せず、必然的に、処理液Xが被処理面16 上端部25でとどめることができる。

 この結果、被処理面16の端部領域16aにも 理液Xを行き届かせること、およびシート材1 0の裏面27等の意図しない部分への処理液Xの りこみを防ぐことが可能になり、被処理面16 のみへの表面処理を高精度で実施することが 可能になる。

 (2)
 本実施形態に係る表面処理装置1では、図2 示すように、中央領域処理面14を有する中央 領域処理部4を備えている。中央領域処理面14 は、被処理面16における端部領域処理部3が対 向して配置された端部領域16a以外の中央領域 16bに対し、微小隙間を介して対向して設けら れている。

 これにより、処理液Xを、中央領域処理面 14とシート材10の被処理面16との間の隙間に沿 って流下させることができる。また、このと き、中央領域処理面14と被処理面16との間が 小隙間であるため、処理液Xが毛細管力(表面 張力)によって中央領域処理面14と被処理面16 の両面に吸着させることができる。

 この結果、毛細管力の働きによって、中 領域処理面14と被処理面16との隙間に処理液 Xが行きわたり、被処理面16における端部領域 16aだけでなく中央領域に対してもムラの少な い表面処理を行うことが可能になる。

 (3)
 本実施形態に係る表面処理装置1では、図2 示すように、供給ガイド面13を有する貯留部 5と堰6とを備えている。供給ガイド面13は、 央領域処理面14の上端部から略水平に設けら れている。堰6は、供給ガイド面13の中央領域 処理面14とは反対側の端部に供給ガイド面13 ら上方向に突出して設けられている。そし 、処理液Xは、供給管7から、堰6の供給ガイ 面13側とは反対側の液溜め12に供給される。

 これにより、供給管7から供給された処理 液Xを、堰6の高さを超えるまで一時的に堰き めた後、堰6から溢れた処理液Xを供給ガイ 面13へ流出させることができる。すなわち、 堰6から溢れる処理液Xのみが、表面処理が行 れる端部領域処理面17cおよび中央領域処理 14側に供給される。

 この結果、処理液Xが、供給管7から直接 に供給ガイド面13に供給される場合に比べ、 処理液Xの流れの勢いを抑え、供給ガイド面13 上から安定して処理液Xを下流側へと供給す ことができる。よって、端部領域処理面17c よび中央領域処理面14に供給される流量を安 定化させ、表面処理のムラを軽減することが 可能になる。

 (4)
 本実施形態に係る表面処理装置1は、図1に すように、端部領域処理部3として、板状の 材を用いている。

 これにより、端部領域処理部3の下端部17a は、板形状における側面を含み、端部領域処 理面17cは、板形状における一方の面とするこ とができる。つまり、板形状部材の側面が、 処理液Xの液面に接する。そして、この下端 17aから端部領域処理面17cとシート材10の被処 理面16との間の微小隙間へ、毛細管力によっ 処理液Xが入り込む。この結果、簡易な部材 を用いることで、処理液Xを被処理面16の端部 領域16aに行き届かせることができる。また、 装置にかかる費用を抑えつつ、シート材10の 処理領域を減少させ、資材の利用効率を上 させることが可能になる。

 (5)
 本実施形態に係る表面処理装置1は、図2に すように、シート材10の被処理面16における 部領域16aに対向する側(端部処理面17c側)に 円柱形状部分を、端部領域処理面17cに沿っ 上下に二つ備えている。

 これにより、端部領域処理部3の下端部17a におけるシート材10の端部領域16に対向する 分(端部領域処理面17cの端部を含む部分)が、 曲面形状になるため、処理液Xが流れていな 初期状態においてシート材10自身の自由度に よって端部領域処理面17cと端部領域16aとが接 触した状態になっていても、端部領域処理部 17cと端部領域16aとの接触面積が微小面積に抑 えられる。したがって、処理液Xは、毛細管 によって端部領域処理面17cと端部領域16aと 間の微小隙間に入り込みやすくなる。また 上下に並べられた半円柱状の部材同士の間 も毛細管力が働き、端部領域処理部17cと端 領域16aとの微小隙間に処理液Xを保持しやす 形状となっている。

 <実施例>
 本実施形態に係る表面処理装置1を備えた表 面処理システムによる表面処理の実施例につ いて以下で述べる。

 本実施例は、ポリイミド膜の表面にニッケ メッキ処理を行ったものである。以下に、 施条件を示す。
 本実施例において用いた表面処理システム 、複数の処理槽を備えている。詳細には、 1槽から第4槽までを備え、このうち第1槽と 2槽とにおいては、本実施形態に係る表面処 理装置1が採用され、第3槽と第4槽とにおいて は、従来の全浸漬法にて用いられる表面処理 装置が採用されている。

 被処理物として用いた長尺のシート材10 、幅30cm、厚さ38μmの、ポリイミド膜を表面 有するシート材10である。このシート材10の 送速度は、0.3m/分とした。また、中央領域 理面14におけるシート材10の搬送方向の長さ 30cmである。また、端部領域処理面17cと対向 しているシート材10の端部領域16aの高さ方向 長さは、5.0mmである。また、端部領域処理 17cの半円柱形状の条部分とシート材10の端部 領域16aとの距離は、0.3mmである。また、中央 域処理面14とシート材10との距離は0.5mmであ 。ただし、この端部領域処理面17cとシート 10との距離は、シート材10に若干の自由度を 持たせているため、処理液Xの表面張力によ て変化する。

 ここで、上記の条件の下で、ニッケルメッ 処理を施すための前処理として、以下の処 を実施した。
 先ず、第1槽において、シート材10の被処理 16に、脱脂処理を行なった。ここで用いた 理液Xは、モノエタトルアミン44%、ポリオキ エチレンアルキルエーテル1.7%と若干のキレ ート剤を含む水溶液である。

 次に、第2槽において、シート材10の被処理 16に、アルカリ加水分解を行った。ここで いた処理液Xは、KOH3mol/lの水溶液である。
 そして、第3槽において、シート材10の被処 面16およびその裏面27の両面に、パラジウム 付与処理を行った。

 最後に、第4槽において、シート材10の被 理面16およびその裏面27の両面に、ニッケル 処理を行った。ここで用いた処理液Xは、35℃ 、pH8.8に調整された、無電解ニッケルメッキ ENILEX NI-5(荏原ユージライト株式会社製)で る。

 なお、これらの各処理の前後には、それぞ 、超純水による水洗処理や乾燥処理を行っ 。
 以上の処理の後に、被処理面16およびその 面27の確認を行った。被処理面16の上端部25 ら500μmまでの領域を除く領域に、ニッケル ッキが施されていることが確認された。ま 、裏面27には、ニッケルの付着は確認されな かった。

 この結果は、第1槽および第2槽において 被処理面16の上端部25付近まで、高精度に表 処理されており、かつ、処理液Xが裏面27側 乗り越えていないことを、十分に示してい 。

 [他の実施形態]
 以上、本発明の一実施形態について説明し が、本発明は上記実施形態に限定されるも ではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で 々の変更が可能である。

 (A)
 上記実施形態では、図1に示すように、表面 処理装置1におけるシート材31の搬送方向とし て、シート材31の長手方向を水平方向に沿っ 搬送させる例を挙げて説明した。しかし本 明はこれに限定されるものではない。

 例えば、シート材31の長手方向を、水平方 に対し垂直に沿って搬送させる構成を用い もよい。この構成について、図6および図7を 用いて以下で説明する。
 表面処理装置100は、図6に示すように、シー ト材31が、ガイドローラ対38によって誘導さ 、上から下へと搬送される構成を有してい 。そして、処理液Xは、上記の実施形態と同 に、供給管7から液溜め12へ供給され、堰6か ら溢れ出す。続けて、処理液Xは、供給ガイ 面13上を流れた後に、被処理面32に沿って流 する。

 そして、シート材31の両端部領域33,33に対 しそれぞれ対向して設けられている端部領域 処理面34,34を有する端部領域処理部35,35が備 られている。すなわち、端部領域処理面34,34 が、被処理面32の端部領域33,33に対し、それ れ微小隙間を介して設けられている。そし 、端部領域処理部35,35の端部36,36は、被処理 32に沿って流下する処理液Xに接するように 成されている。

 これにより、端部領域処理面34,34とシー 材31の端部領域33,33との隙間に、毛細管力に って処理液Xが入り込ませることができる。 したがって、端部領域33,33に対して、高精度 表面処理を施すことが可能になる。また、 の構成は、被処理面32と処理液Xとが親和性 有しない場合には、その処理液Xが表面張力 により被処理面32の中央領域37に集中して流 てしまう恐れがあるため、特に有効である

 (B)
 上記実施形態では、図2に示すように、シー ト材10の一方の面のみを表面処理するための 成を例に挙げて説明した。しかし、本発明 これに限定されるものではない。

 例えば、シート材40の両面が被処理面41,42 である場合は、図8に示すように、端部領域 理部43,43、中央領域処理部44,44、貯留部45,45 堰46,46および供給管47,47を、シート材40を中 として、それぞれ、鏡面対称になるように 設する。

 これにより、シート材40の両面を、端部 域48,49まで高精度に表面処理することが可能 になる。また、この構成は、それぞれの被処 理面41,42において、異なる処理液Xを用いるこ とも可能である。したがって、それぞれの処 理面に対し、異なる表面処理を施す場合にお いて、特に有効である。

 (C)
 上記実施形態では、図2に示すように、一枚 のシート材10の一方の面のみを処理するため 構成を例に挙げて説明した。しかし、本発 はこれに限定されるものではない。

 例えば、図9に示すように、2枚のシート材50 ,50におけるそれぞれの被処理面56,56を同時に 理する構成であってもよい。
 詳細には、図9に示すように、中央に設けら れた縦壁51を中心とし、線対称にそれぞれ供 管54,54、堰53,53、端部領域処理部57,57、およ 中央領域処理部62,62が配設されている。そ て、シート材50は、中央領域処理部62,62およ 端部領域処理部57,57と微小隙間を介して被 理面56,56が位置するように搬送されている。 換言すると、図2で示した、上記実施形態に ける筐体部2内部の構成が、縦壁11を中心に 対称に設けられた構成である。

 このような構成によると、供給された処理 Xは、堰53,53から溢れ出て、供給ガイド面60,6 0上を流れる。そして、処理液Xは、中央領域 理部62の上端部64に到達する。次に、処理液 Xは、この上端部64から中央領域処理面65,65と 処理面56,56との両方に沿って流下するとと に、端部領域処理部57,57の下端部63,63に接す 処理液Xは、この下端部63,63に対する表面張 と端部領域処理面61,61および被処理面56,56の 端部領域55,55の微小隙間への毛細管力とによ て、この微小隙間に入り込む。
 この結果、2枚のシート材50,50のそれぞれの 方の面に対し、同時に表面処理を施すこと できる。したがって、単位時間当たりの作 効率が向上する。

 (D)
 上記実施形態では、図2に示すように、端部 領域処理部3の下端部17aは、端部領域処理部17 c側に円周面形状を有する例を挙げて説明し 。しかし、本発明はこれに限定されるもの はない。

 例えば、下端部17aは、図13に示すように 先端部分において下方向に凸の曲面形状で ってもよい。また、この下端部17aは、供給 イド面13と中央領域処理面14との連接部分付 において、供給ガイド面13から中央領域処 面14に流れる処理液Xに接するように設けら ている。この下端部17aは、処理液Xを、被処 面16と、後述する端部領域処理面17cと、の の微小隙間へ吸い上げるために、最初に表 張力によって端部領域処理部3に吸着させる 割を果たしている。

 ここで、下端部17aが処理液Xに接する度合 いは、下端部17aの曲面の全てが接する程度で あってもよいし、曲面の一部分(例えば、先 部分)が接する程度であってもよい。なお、 の処理液Xと下端部17aとが接する程度は、処 理液Xの流量によって変化するので、必要に じて流量を調節すれば、下端部17aと処理液X の接する度合いを調節することができる。

 このような構成によると、下端部17a先端 曲面形状によって、端部領域処理部3と被処 理面16の端部領域16aとの間の隙間は、処理液X と接触する下方から上方に向かって徐々に狭 まる。これにより、処理液Xに対して毛細管 が働き易くなるため、被処理面16の端部領域 16aと端部領域処理部3との間の隙間に処理液X 効果的に入り込ませて保持することができ 。

 また、端部領域処理部3の下端部17aにおい て、処理液Xと接する面積を大きく設けるこ ができる。このため、表面張力による、処 液Xの下端部17aへの吸着が容易かつ確実にな 。

 (E)
 上記実施形態では、図2に示すように、端部 領域処理部3の下端部17aは、端部領域処理面17 c側に円周面形状を有する例を挙げて説明し 。しかし、本発明はこれに限定されるもの はない。

 例えば、下端部17aは、図10に示すように、 理液Xに接触する部分(下先端部分17d)から端 領域処理面17c方向にかけて、被処理面16との 隙間が狭くなるように形成されたテーパ形状 であってもよい。
 これにより、毛細管現象が発生しやすい形 となり、端部領域処理面17cと被処理面16の 部領域16aとの隙間へ、処理液Xが入り込みや くなる。

 (F)
 上記実施形態では、図2に示すように、端部 領域処理部3は、筐体部2に固定されている例 挙げて説明した。しかし、本発明はこれに 定されるものではない。

 例えば、図11に示すように、シート材10の 被処理面16に対して平行な方向において上下 向に移動させることが可能な構成であって よい。具体的には、端部領域処理部3は、筐 体部2の上面部71に係り合う鋸歯部72を有して る。そして、当該表面処理装置200は、取り し自在のL字型の固定部材73をさらに備えて る。

 これにより、固定部材73を取り外し、端 領域処理部3が所望の高さになるように、上 部71に係り合う鋸歯部72の位置を調整し、固 定部材73をはめ込んで固定することができる したがって、下端部17aを処理液Xの液面に確 実に接触させることが可能になる。

 (G)
 上記実施形態では、図3に示すように、ガイ ドローラ対9a,9bが固定されており、被処理面1 6と端部領域処理面17cの距離は、シート材10が 有する若干の自由度のみに依存している例を 挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限 定されるものではない。

 例えば、外径が異なるガイドローラ対9a,9b 取替え自在にすることによって、端部領域 理面17cおよび中央領域処理面14と被処理面16 の距離を調整することができる。
 これにより、処理液Xの流量に応じた距離を 保つことが可能になり、高精度な表面処理を 実施することが可能になる。

 (H)
 上記実施形態では、処理液Xが循環ポンプに よって循環する例を挙げて説明した。しかし 、本発明はこれに限定されるものではない。
 例えば、一度使用した処理液Xは廃棄し、常 に新しく調整された処理液Xを用いる構成で ってもよい。

 (I)
 上記実施形態では、端部領域処理面17cと被 理面16との微小隙間は、0.5mmである例を挙げ て説明した。しかし、本発明はこれに限定さ れるものではない。

 この微小隙間、すなわち端部領域処理面1 7cと被処理面16との距離は、上述の毛細管現 の観点から0.1mmから10mm程度が好適である。 たがって、処理液Xの種類や条件、または、 理液Xと端部領域処理面17cおよび被処理面16 の親和性によって、適宜調整することが好 である。

 (J)
 上記実施形態では、表面処理装置1を形成す る材料として、塩化ビニル製の部材を用いる 例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれ に限定されるものではない。

 表面処理装置1に用いられる処理液Xは、 的に応じて、種々の酸、アルカリ、有機溶 溶液が用いられるため、それぞれの溶液に し、反応性の低い材料を用いることが好ま い。

 本発明の表面処理装置は、表面張力(毛細 管力)を用いて、被処理物の一方の面のみを 精度に表面処理することができるという効 を奏することから、液体による各種加工装 に対して広く適用可能である。