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Title:
SURPLUS TEMPERATURE RISE PREVENTION DEVICE OF TORQUE CONVERTER IN AUTOMATIC TRANSMISSION FOR VEHICLE WITH TORQUE CONVERTER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/028223
Kind Code:
A1
Abstract:
When the heating value per unit time of a torque converter reaches an upper limit, an automatic transmission is down shifted to easily prevent surplus temperature rise of working oil regardless of the characteristics of the torque converter and the engine. When the heating value per unit time of the torque converter reaches the upper limit, the automatic transmission is down shifted to forbid up shift. From the engine speed, the engine torque, the number of revolutions of the input shaft of the automatic transmission, and the performance diagram of the torque converter when a vehicle is running at a lower shifting step, an expected number of revolutions of the input shaft and an expected input torque after up shift are operated. Based on the expected number of revolutions of the input shaft, the expected input torque and the performance diagram, an expected speed ratio and an expected capacity coefficient are operated. Using the expected number of revolutions of the input shaft, the expected speed ratio and the expected capacity coefficient, an expected heating value per unit time after up shift is operated. Forbiddance of up shift is released when the expected heating value per unit time reaches a lower limit.

Inventors:
IWASE MASAKATSU (JP)
MURAKAMI SHIN-ICHIROU (JP)
TSUTSUI HIROSHI (JP)
NISHIKAWA MASAHIKO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/054260
Publication Date:
March 05, 2009
Filing Date:
March 10, 2008
Export Citation:
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Assignee:
AISIN AW CO (JP)
IWASE MASAKATSU (JP)
MURAKAMI SHIN-ICHIROU (JP)
TSUTSUI HIROSHI (JP)
NISHIKAWA MASAHIKO (JP)
International Classes:
F16H61/18; F16H41/30; F16H61/16; F16H61/68; F16H61/684; F16H59/18; F16H59/72; F16H61/686
Foreign References:
JPH1178617A1999-03-23
JPH10169483A1998-06-23
JP2001208194A2001-08-03
JPH0842660A1996-02-16
Attorney, Agent or Firm:
KOBAYASHI, Osamu (19-13 Kanayama-cho 1-chome, Atsuta-ku, Nagoya-sh, Aichi 02, JP)
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Claims:
エンジンの回転がトルクコンバータを介して入力されるトルクコンバータ付車両用自動変速機の前記トルクコンバータの油温過上昇防止装置において、
 前記トルクコンバータの作動油の温度を検出する油温検出手段と、
 上位変速段で走行中のエンジン回転数、前記自動変速機の入力軸回転数、及び前記トルクコンバータの速度比と容量係数との関係を用いて前記トルクコンバータの単位時間当り発熱量を演算する発熱量演算手段と、
 前記油温検出手段によって検出された前記トルクコンバータ内の作動油の検出温度が、制御開始温度を超えると、該制御開始温度より所定温度低い制御終了温度以下になるまでの間に、前記トルクコンバータの単位時間当りの発熱量が上限値以上になると、前記自動変速機を上位変速段から下位変速段にダウンシフトさせるとともに、前記下位変速段から前記上位変速段へのアップシフトを禁止するダウンシフト制御手段と、
 前記下位変速段から前記上位変速段にアップシフト後の前記トルクコンバータの単位時間当り予想発熱量を演算する予想発熱量演算手段と、
 前記単位時間当り予想発熱量が下限値以下になると前記下位変速段から前記上位変速段へのアップシフトの禁止を解除するアップシフト禁止解除手段と、
を備えることを特徴とするトルクコンバータ付車両用自動変速機のトルクコンバータの油温過上昇防止装置。
請求項1において、前記予想発熱量演算手段は、前記下位変速段で走行中の前記エンジン回転数、エンジントルク、前記入力軸回転数、及び前記トルクコンバータの速度比とトルク比との関係から、前記下位変速段での走行における車速と自動変速機の出力トルクとが同じ状態で前記上位変速段にアップシフトしたときの自動変速機の予想入力軸回転数及び予想入力トルクを演算し、該予想入力軸回転数及び予想入力トルクを用いて前記トルクコンバータの速度比とトルク比、容量係数との関係に基づいて予想速度比及び予想容量係数を演算し、前記予想入力軸回転数、予想速度比及び予想容量係数を用いて前記上位変速段にアップシフト後の前記トルクコンバータの単位時間当り予想発熱量を演算することを特徴とするトルクコンバータ付車両用自動変速機のトルクコンバータの油温過上昇防止装置。
請求項1又は2において、前記予想発熱量演算手段は、前記下位変速段での走行における車速と自動変速機の出力トルクとが同じ状態で前記上位変速段にアップシフトしたときの前記トルクコンバータの単位時間当り予想発熱量と、前記下位変速段で走行中の前記トルクコンバータの単位時間当り発熱量との関係を予め求めて記憶手段に記憶し、下位変速段で走行中の前記トルクコンバータの単位時間当り発熱量を、前記エンジン回転数、前記入力軸回転数、及び前記トルクコンバータの速度比と容量係数との関係から演算し、前記記憶手段に記憶された前記上位変速段にアップシフトしたときの前記トルクコンバータの単位時間当り予想発熱量と、前記下位変速段で走行中の前記トルクコンバータの単位時間当り発熱量との関係から上位変速段にアップシフトしたときのトルクコンバータの単位時間当り予想発熱量を演算することを特徴とするトルクコンバータ付車両用自動変速機のトルクコンバータの油温過上昇防止装置。
請求項1乃至3のいずれか1項において、前記油温検出手段は、前記トルクコンバータの作動油の循環回路に設けられた油温センサと、前記エンジン回転数、前記入力軸回転数及び前記トルクコンバータの速度比と容量係数との関係から演算された前記トルクコンバータの単位時間当り発熱量及び前記油温センサによって検出された作動油の温度を用いて前記トルクコンバータ内の作動油の推定温度を演算する油温演算手段とによって構成されていることを特徴とするトルクコンバータ付車両用自動変速機のトルクコンバータの油温過上昇防止装置。
請求項1乃至4のいずれか1項において、前記ダウンシフト判定制御手段は、前記トルクコンバータの単位時間当り発熱量が上限値以上になり、且つアクセルが踏み込まれていることを検出すると、前記自動変速機を上位変速段から下位変速段にダウンシフトさせることを特徴とするトルクコンバータ付車両用自動変速機のトルクコンバータの油温過上昇防止装置。
Description:
トルクコンバータ付車両用自動 速機のトルクコンバータの油温過上昇防止 置

 本発明は、エンジンの出力がトルクコン ータを介して入力されるトルクコンバータ 車両用自動変速機において、トルクコンバ タの作動油の温度が過上昇することを防止 るトルクコンバータ付車両用自動変速機の ルクコンバータの油温過上昇防止装置に関 るものである。

トルクコンバータを経てエンジンの回転が 入力される自動変速機において、トルクコン バータの過熱を検出することが特許文献1に 載されている。これによると、自動変速機 作動油の温度を検出するセンサによって作 油の温度を検出し、自動変速機の入力軸回 数を検出するセンサによって入力軸回転数 検出し、エンジン回転数を検出するセンサ よってエンジン回転数を検出している。入 軸回転数とエンジン回転数との比である速 比、エンジン回転数及びトルクコンバータ 性能線図から求まる設定時間中のトルクコ バータの発熱量と、該設定時間中のトルク ンバータからの放熱量との差分の熱量を求 、該設定時間の前にセンサによって検出さ た作動油の温度に該差分の熱量によるトル コンバータ内の作動油の上昇温度を順次加 して、トルクコンバータ内の作動油の温度 推定している。

 そして、推定したトルクコンバータ内の作 油の温度からトルクコンバータの過熱が検 されると、自動変速機の変速マップの変速 を、低変速段が選択され易くなるよう変更 、或いはトルクコンバータのロックアップ を、ロックアップ領域が大きくなるよう変 している。

特開平8-42660号公報(段落〔0009〕~〔0017〕 び〔図2〕)

しかし、自動変速機の変速マップの変速線 を、低変速段が選択され易くなるように、或 いはロックアップ線を、ロックアップ領域が 拡大するように変更するためには、トルクコ ンバータ、エンジンの特性が異なる毎に、前 記変速線或いはロックアップ線を各特性に適 合させて設定しなければならず、多大の労力 と時間が必要となる。

 本発明は、上記課題を解消するためにな れたもので、トルクコンバータの単位時間 りの発熱量が上限値以上になると、自動変 機をダウンシフトすることにより、トルク ンバータ、エンジンの特性に拘らず、トル コンバータ内の作動油の温度が過上昇する とを容易に防止することである。

 上記の課題を解決するため、請求項1に係 る発明の構成上の特徴は、エンジンの回転が トルクコンバータを介して入力されるトルク コンバータ付車両用自動変速機の前記トルク コンバータの油温過上昇防止装置において、 前記トルクコンバータの作動油の温度を検出 する油温検出手段と、上位変速段で走行中の エンジン回転数、前記自動変速機の入力軸回 転数、及び前記トルクコンバータの速度比と 容量係数との関係を用いて前記トルクコンバ ータの単位時間当り発熱量を演算する発熱量 演算手段と、前記油温検出手段によって検出 された前記トルクコンバータ内の作動油の検 出温度が、制御開始温度を超えると、該制御 開始温度より所定温度低い制御終了温度以下 になるまでの間に、前記トルクコンバータの 単位時間当りの発熱量が上限値以上になると 、前記自動変速機を上位変速段から下位変速 段にダウンシフトさせるとともに、前記下位 変速段から前記上位変速段へのアップシフト を禁止するダウンシフト制御手段と、前記下 位変速段から前記上位変速段にアップシフト 後の前記トルクコンバータの単位時間当り予 想発熱量を演算する予想発熱量演算手段と、 前記単位時間当り予想発熱量が下限値以下に なると前記下位変速段から前記上位変速段へ のアップシフトの禁止を解除するアップシフ ト禁止解除手段と、を備えることである。

 請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請 求項1において、前記予想発熱量演算手段は 前記下位変速段で走行中の前記エンジン回 数、エンジントルク、前記入力軸回転数、 び前記トルクコンバータの速度比とトルク との関係から、前記下位変速段での走行に ける車速と自動変速機の出力トルクとが同 状態で前記上位変速段にアップシフトした きの自動変速機の予想入力軸回転数及び予 入力トルクを演算し、該予想入力軸回転数 び予想入力トルクを用いて前記トルクコン ータの速度比とトルク比、容量係数との関 に基づいて予想速度比及び予想容量係数を 算し、前記予想入力軸回転数、予想速度比 び予想容量係数を用いて前記上位変速段に ップシフト後の前記トルクコンバータの単 時間当り予想発熱量を演算することである

 請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請 求項1又は2において、前記予想発熱量演算手 は、前記下位変速段での走行における車速 自動変速機の出力トルクとが同じ状態で前 上位変速段にアップシフトしたときの前記 ルクコンバータの単位時間当り予想発熱量 、前記下位変速段で走行中の前記トルクコ バータの単位時間当り発熱量との関係を予 求めて記憶手段に記憶し、下位変速段で走 中の前記トルクコンバータの単位時間当り 熱量を、前記エンジン回転数、前記入力軸 転数、及び前記トルクコンバータの速度比 容量係数との関係から演算し、前記記憶手 に記憶された前記上位変速段にアップシフ したときの前記トルクコンバータの単位時 当り予想発熱量と、前記下位変速段で走行 の前記トルクコンバータの単位時間当り発 量との関係から上位変速段にアップシフト たときのトルクコンバータの単位時間当り 想発熱量を演算することである。

 請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請 求項1乃至3のいずれか1項において、前記油温 検出手段は、前記トルクコンバータの作動油 の循環回路に設けられた油温センサと、前記 エンジン回転数、前記入力軸回転数及び前記 トルクコンバータの速度比と容量係数との関 係から演算された前記トルクコンバータの単 位時間当り発熱量及び前記油温センサによっ て検出された作動油の温度を用いて前記トル クコンバータ内の作動油の推定温度を演算す る油温演算手段とによって構成されているこ とである。

 請求項5に係る発明の構成上の特徴は、請 求項1乃至4のいずれか1項において、前記ダウ ンシフト判定制御手段は、前記トルクコンバ ータの単位時間当り発熱量が上限値以上にな り、且つアクセルが踏み込まれていることを 検出すると、前記自動変速機を上位変速段か ら下位変速段にダウンシフトさせることであ る。

上記のように構成した請求項1に係る発明 おいては、トルクコンバータの作動油の温 が、制御開始温度を超えてから、該制御開 温度より所定温度低い制御終了温度以下に るまでの間に、上位変速段で走行中のエン ン回転数、自動変速機の入力軸回転数、及 トルクコンバータの速度比と容量係数との 係を用いて演算されたトルクコンバータの 位時間当り発熱量が上限値以上になると、 動変速機を上位変速段から下位変速段にダ ンシフトさせるとともに、下位変速段から 位変速段へのアップシフトを禁止する。

 下位変速段から上位変速段にアップシフ 後のトルクコンバータの単位時間当り予想 熱量を演算し、このアップシフト後のトル コンバータの単位時間当り予想発熱量が下 値以下になると下位変速段から上位変速段 のアップシフトの禁止を解除する。

 これにより、低変速段が選択され易くな ように変速マップの変速線を、トルクコン ータ、エンジンの特性が異なる毎に、各特 に適合させて多大の労力と時間を費やして 定する必要がなくなり、トルクコンバータ エンジンの特性に拘らず、トルクコンバー 内の作動油の温度が過上昇することを容易 つ低コストで防止することができる。

 さらに、下位変速段で走行中に、上位変 段にシフトアップしたときの単位時間当り 想発熱量を演算し、該単位時間当り予想発 量が下限値以上の間はシフトアップを禁止 るので、トルクコンバータ内の作動油の温 が過上昇することを確実に防止することが きる。

 請求項2に係る発明においては、ダウンシ フトされ下位変速段で走行中のエンジン回転 数、エンジントルク、自動変速機の入力軸回 転数、及びトルクコンバータの速度比とトル ク比との関係から上位変速段にアップシフト 後の自動変速機の予想入力軸回転数及び予想 入力トルクを演算し、該予想入力軸回転数及 び予想入力トルクを用いてトルクコンバータ の速度比とトルク比、容量係数との関係に基 づいて予想速度比及び予想容量係数を演算す る。該予想入力軸回転数、予想速度比及び予 想容量係数を用いて上位変速段にアップシフ ト後のトルクコンバータの単位時間当り予想 発熱量を演算し、このアップシフト後のトル クコンバータの単位時間当り予想発熱量が下 限値以下になると下位変速段から上位変速段 へのアップシフトの禁止を解除するので、ト ルクコンバータ内の作動油の温度が過上昇す ることを確実に防止することができる。

 請求項3に係る発明においては、上位変速 段にシフトアップしたときの前記トルクコン バータの単位時間当り予想発熱量と、下位変 速段で走行中の前記トルクコンバータの単位 時間当り発熱量との関係を予め求めて記憶手 段に記憶しておく。下位変速段で走行中の前 記トルクコンバータの単位時間当り発熱量を 、エンジン回転数、自動変速機の入力軸回転 数、及び前記トルクコンバータの速度比と容 量係数との関係から演算し、前記記憶手段に 記憶された前記単位時間当り予想発熱量と、 前記単位時間当り発熱量との関係から上位変 速段にアップシフトしたときのトルクコンバ ータの単位時間当り予想発熱量を演算する。

 これにより、上位変速段にシフトアップ の単位時間当り予想発熱量を演算する演算 荷を極めて軽減することができる。

 請求項4に係る発明においては、エンジン 回転数、自動変速機の入力軸回転数、及びト ルクコンバータの速度比と容量係数との関係 から演算されたトルクコンバータの単位時間 当り発熱量と、トルクコンバータの作動油の 循環回路に設けられた油温センサによって検 出された作動油の温度とを用いて演算された トルクコンバータ内の作動油の推定温度を、 前記トルクコンバータの作動油の温度とする ので、トルクコンバータ内の作動油の温度を 正確に推定することができ、トルクコンバー タ内の作動油の温度が過上昇することをより 確実に防止できる。

 請求項5に係る発明において、前記ダウン シフト判定制御手段は、前記トルクコンバー タの単位時間当りの発熱量が上限値以上にな り、且つ運転者がアクセルを踏み込んだとき に、自動変速機を上位変速段から下位変速段 にダウンシフトするので、自動変速機が急に 変速して運転者が違和感を覚えることがない 。

本発明に係るトルクコンバータの油温 上昇防止装置が備えられるトルクコンバー 付車両用自動変速機のスケルトン図。 トルクコンバータの断面図。 各変速段におけるブレーキ及びクラッ の作動表を示す図。 電子制御装置を示すブロック図。 変速マップを示す図。 油温演算プログラムを示す図。 トルクコンバータの性能線図を示す図 油温過上昇防止プログラムを示す図。 トルクコンバータの油温過上昇防止装 の作動を示すタイムチャート。 トルクコンバータの油温過上昇防止装 置の作動にアクセルの踏込みを記入したタイ ムチャート。 トルクコンバータの速度比E、トルク比K、容 係数CをC×K/E 2 をインデックスとして求める表。 単位時間当り発熱量dQと単位時間当り 想発熱量dQpとの関係を示す図。

符号の説明

 10…自動変速機、11…エンジン、12…トル コンバータ、14…入力軸、15…減速用プラネ タリギヤ、16…変速用プラネタリギヤ、17… 力軸、20…フロントカバー、21…ポンプシェ 、24…ポンプインペラ、25…タービンホイー ル、26タービン、27…ステータ、28…ステータ シャフト、29…結合部材、34…ロックアップ ラッチ、35…ピストン、37…ダンパ装置、39 ・・循環回路、40…油圧ポンプ、41…圧力制 弁、42…油温センサ、43・・・電子制御装置 、44…エンジンECU、45・・・エンジン回転数 ンサ、46・・・入力軸回転数センサ、47・・ 出力軸回転数センサ、48・・・レンジ位置 ンサ、49・・・スロットル開度センサ、60・ ・油温演算プログラム(油温演算手段)、70・ ・・油温過上昇防止プログラム。

 以下、図面に基づいて本発明の第1の実施 形態について説明する。図1において、10は自 動変速機で、自動車のエンジン11によって回 駆動されるトルクコンバータ12の出力回転 変速して図略の駆動輪に伝達する。自動変 機10は、車体に取り付けられたトランスミッ ションケース13内に共通軸線上に順次支承さ た入力軸14、減速用プラネタリギヤ15、変速 用プラネタリギヤ16、出力軸17、第1、第2、第 3クラッチC-1,C-2,C-3及び第1、第2ブレーキB-1,B-2 、及びワンウェイクラッチF-1等で構成されて いる。自動変速機10は、第1乃至第3クラッチC- 1~C-3及び第1、第2ブレーキB-1,B-2を選択的に係 することにより前進6変速段、後進1変速段 各変速段を成立させるようになっている。

 図2において、トルクコンバータ12のハウ ング19は、溶接で一体に接合されたフロン カバー20、ポンプシェル21、及びフランジ付 円筒部22等で構成され、フランジ付き円筒 22によってトランスミッションケース13に回 可能に支承されている。ハウジング19は、 ロントカバー20に設けられたセットドッグ23 エンジン11のドライブプレートがねじ止め れることにより、エンジン11の出力軸に連結 されている。

 ポンプシェル21の内側にはポンプインペ 24が設けられ、タービンホイール25に設けら たタービン26と対向している。タービンホ ール25は入力軸14に一体的にスプライン嵌合 れた結合部材29のフランジ部の一側面に当 され、他側面に当接された後述するばね保 プレート31と共にリベットで結合部材29に固 されている。ポンプインペラ24とタービン26 との間の下方空間にステータ27が配置され、 テータ27は、ワンウェイクラッチ30のアウタ レースに固定され、フランジ付き円筒部22の ランジ内側面と結合部材29の側端面との間 スラストベアリングによって支承されてい 。トランスミッションケース13に固定された ステータシャフト28の内周には、入力軸14が ードルベアリングによって回転可能に支承 れ、外周にはワンウェイクラッチ30のインナ レースがスプライン結合されている。これに より、ポンプインペラ24がエンジン11により 転駆動されて作動油をタービン26に送り出し 、ステータ27が作動油の反力を受け止めて回 トルクをタービン26に伝達する。

 この作動油の一部はトルクコンバータ12 から流出し、トルクコンバータ12の循環回路 39を循環してトルクコンバータ12内に還流す 。即ち、トルクコンバータ12から流出した作 動油はクーラーによって冷却された後、エン ジン11によって回転駆動される油圧ポンプ40 よって汲み上げられ、圧力制御弁41により圧 力制御されてポンプシェル21の内径側に還流 る。圧力制御弁41のバルブボディ内部には 油温センサ42が設けられ、トルクコンバータ 12に供給される作動油の温度を検出するよう なっている。

 35はロックアップクラッチ34のピストンで 、結合部材29の円筒部にシール部材36により ールされて摺動可能に嵌合されている。ピ トン35の拡張部はハウジング19のフロントカ ー20の内側面と対向して半径方向に延在し フロントカバー20の内端面の外周近傍と対向 する前端面部分に摩擦部材38が貼付されてい 。ピストン35の外縁部と結合部材29の外周部 とはダンパ装置37を介して連結されている。 ンパ装置37は、結合部材29にリベットで結合 されたばね保持プレート31と、ピストン35の 張部にスプライン嵌合されたプレート32とが 相対回転可能に配置され、圧縮スプリング33 ばね力により中立位置に保持されている。 ックアップクラッチ34は、圧力制御弁41によ り圧力制御されてポンプシェル21の内径側に 流される作動油の圧力、延いてはトルクコ バータ12内の圧力が高くなると、ピストン35 が前進して摩擦部材38をフロントカバー20の 端面に押圧し、エンジン11の出力軸に連結さ れたトルクコンバータ12のハウジング19と自 変速機10の入力軸14にスプライン嵌合された 合部材29とを連結する。

 自動変速機10の減速プラネタリギヤ15は、 第1リングギヤR1が入力軸14に連結され、第1サ ンギヤS1がトランスミッションケース13に固 されて反力を受け、第1キャリヤC1に支承さ たピニオンが第1リングギヤR1と第1サンギヤS 1とに噛合されている。自動変速機10の変速プ ラネタリギヤ16は、大径の第2サンギヤS2、小 の第3サンギヤS3、第2サンギヤS2に直接噛合 るとともに第3サンギヤS3にピニオンP3を介 て噛合するロングピニオンP2、ロングピニオ ンP2及びピニオンP3を支持する第2キャリヤC2C3 及びロングピニオンP2と噛合し出力軸17に連 された第2リングギヤR2R3から構成されている 。

 減速プラネタリギヤ15の第1キャリヤC1は 第1クラッチC-1を介して変速プラネタリギヤ1 6の第3サンギヤS3に連結されるとともに、第3 ラッチC-3を介して第2サンギヤS2に連結され いる。変速プラネタリギヤ16の第2サンギヤS 2は第1ブレーキB-1に連結され、第2キャリヤC2C 3は第2クラッチC-2を介して入力軸14に連結さ るとともに、トランスミッションケース13に 支持されたワンウェイクラッチF-1及び第2ブ ーキB-2に並列に連結されている。

 自動変速機10の各クラッチ、ブレーキ及 ワンウェイクラッチの係合、解放と各変速 との関係は図3の係合表に示すようになる。 合表における○印は係合、無印は解放、△ はエンジンブレーキ時のみの係合を示す。

 図2から明らかなように、第1変速段(1st)は 、第1クラッチC-1の係合とワンウェイクラッ F-1の自動係合によって達成される。入力軸14 の回転が減速プラネタリギヤ15によって減速 れた第1キャリヤC1の回転が、第1クラッチC-1 により変速プラネタリギヤ16の第3サンギヤS3 入力され、ワンウェイクラッチF-1によって 転を阻止された第2キャリヤC2C3が反力を受 、第2リングギヤR2R3が最大ギヤ比で減速回転 されて出力軸17に出力する。

 第2変速段(2nd)は、第1クラッチC-1と第1ブ ーキB-1の係合によって達成される。入力軸14 の回転が減速プラネタリギヤ15によって減速 れた第1キャリヤC1の回転が、第1クラッチC-1 経由で変速プラネタリギヤ16の第3サンギヤS3 入力され、第1ブレーキB-1の係合によって回 転を阻止された第2サンギヤS2が反力を受け、 第2リングギヤR2R3が第2変速段に減速回転され て出力軸17に出力する。このときのギヤ比は に示すように、第1変速段(1st)より小さくな 。

 第3変速段(3rd)は、第1及び第3クラッチC-1,C -3の係合によって達成される。入力軸14の回 が減速プラネタリギヤ15によって減速された 第1キャリヤC1の回転が、第1及び第3クラッチC -1,C-3により第3及び第2サンギヤS3,S2に同時に 力されて変速プラネタリギヤ16が直結状態と なり、第2リングギヤR2R3が第1キャリヤC1と同 回転数で回転されて出力軸17に出力する。

 第4変速段(4th)は、第1及び第2クラッチC-1,C -2の係合によって達成される。入力軸14の回 が第2クラッチC-2により変速プラネタリギヤ1 6の第2キャリヤC2C3に直接入力され、入力軸14 回転が減速プラネタリギヤ15によって減速 れた第1キャリヤC1の回転が、第1クラッチC-1 より変速プラネタリギヤ16の第3サンギヤS3 入力され、第2リングギヤR2(R3)が入力軸14と 1キャリヤC1との中間の回転数に減速されて 力軸17に出力する。

 第5変速段(5th)は、第2及び第3クラッチC-2,C -3の係合により達成される。入力軸14の回転 第2クラッチC-2により変速プラネタリギヤ16 第2キャリヤC2C3に直接入力され、入力軸14の 転が減速プラネタリギヤ15によって減速さ た第1キャリヤC1の回転が、第3クラッチC-3に り変速プラネタリギヤ16の第2サンギヤS2に 力され、第2リングギヤR2R3が第5変速段に増 回転されて出力軸17に出力する。

 第6変速段(6th)は、第2クラッチC-2と第1ブ ーキB-1との係合により達成される。入力軸14 の回転が第2クラッチC-2により変速プラネタ ギヤ16の第2キャリヤC2C3に直接入力され、第1 ブレーキB-1の係合によって回転を阻止された 第2サンギヤS2が反力を受け、第2リングギヤR2 R3が第6変速段に増速回転されて出力軸17に出 する。

 後進段(R)は、第3クラッチC-3と第2ブレー B-2との係合によって達成される。入力軸14の 回転が減速プラネタリ15によって減速された 1キャリヤC1の回転が、第3クラッチC-3経由で 変速プラネタリギヤ16の第2サンギヤS2に入力 れ、第2ブレーキB-2の係合によって回転を阻 止された第2キャリヤC2C3が反力を受け、第2リ ングギヤR2R3が逆転されて出力軸17に出力する 。

 電子制御装置43を図4に示すブロック図に づいて説明する。電子制御装置43は、CPU、RA M、ROM、入出力インターフェースを備えた所 マイクロコンピュータであって、CPUはRAMの 時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶され プログラムに従って入力信号を処理し、出 信号を送出する。即ち、電子制御装置43は、 トルクコンバータ12に供給される作動油の温 を検出する油温センサ42、エンジン11の回転 が伝達されるトルクコンバータ12のエンジン 転数Neを検出するエンジン回転数センサ45、 入力軸14の入力軸回転数Niを検出する入力軸 転数センサ46、出力軸17の回転数Nvを検出す 出力軸回転数センサ47、マニュアルバルブが 前進走行レンジDにシフトされているとき、 出信号Dを送出するレンジ位置センサ48、ア セルの踏み込み量Ssを検出するスロットル開 度センサ49等から各検出信号が入力され、自 変速機10のギヤ段を車両の走行状態に応じ 自動的に切り換えて各変速段を成立するた に第1、第2、第3クラッチC-1,C-2,C-3及び第1、 2ブレーキB-1,B-2を選択的係合する変速制御、 ロックアップクラッチ34の係合状態を制御す ロックアップ係合制御などを実行する。

 変速制御は、出力軸回転数センサ47によ 検出される出力軸17から求めた車速Vを横軸 、スロットル開度センサ49により検出される スロットル開度THを縦軸にとったV-TH平面に設 定された変速マップの変速線に従って、現在 の運転状態に好適な変速段を求める。図5に 部を示す変速マップ50において、通常時に第 2変速段から第3変速段にアップシフトされる2 -3アップシフト変速線51が実線で示され、通 時に第3変速段から第2変速段にダウンシフト される3-2ダウンシフト変速線52が点線でしめ れている。従って、車速とスロットル開度 の状態が、2-3アップシフト変速線51の左側 域から右側領域に移行すると第2変速段から 3変速段にアップシフトされ、3-2ダウンシフ ト変速線52の右側領域から左側領域に移行す と第3変速段から第2変速段にダウンシフト れる。

 ロックアップ係合制御は、V-TH平面に設定 されたロックアップ線53に従って、ロックア プクラッチ34が係合され、トルクコンバー 12のハウジング20と自動変速機10の入力軸14と が連結される。図5には、第3変速段において ックアップクラッチ34が係合される車速Vを す3LUロックアップ線53が縦軸と平行に示さ ている。従って、自動変速機10が第3変速段 達成した状態で車速Vが3LUロックアップ線53 り高速側に移行するとロックアップクラッ 34が係合され、低速側に移行すると解放され る。

 そして、電子制御装置43は、図6に示す油 演算プログラム60を1タスク時間dH 間隔で繰 り返し実行し、トルクコンバータ12内の作動 の推定油温Tを演算する。電子制御装置43は エンジン回転数センサ45により検出された ンジン11の回転数Ne、入力軸回転数センサ46 より検出された自動変速機10の入力軸14の回 数Ni、出力軸回転数センサ47により検出され た出力軸17の回転数Nv、油温センサ42により測 定された作動油の温度Ts、レンジ位置センサ4 8から送出される検出信号を入力し(ステップS 61)、出力軸回転数Nvが所定時間Ha以上継続し 所定回転数以上であるか否か判定し(ステッ S62)、ロックアップクラッチ34が所定時間Hb 上継続して接続されているか否か判定し(ス ップS63)、走行レンジDにシフトされている 否か判定する(ステップS64)。ステップS62、S63 のいずれかでYESであり、又はステップS64でNO あると、トルクコンバータ12内の作動油の 定油温Tを油温センサ42によって検出された 動油の油温Tsとする(ステップS65)。ステップS 62、S63のいずれでもNOであり、且つステップS6 4でYESであると、トルクコンバータ12内の作動 油の推定油温TがステップS66で演算される。

 即ち、トルクコンバータ12内の単位時間当 発熱量dQが、エンジン回転数Ne、入力軸回転 Ni、及び図7に示すトルクコンバータ12の性 線図の速度比E(=Ni/Ne)と容量係数Cとの関係を いて、
dQ =A×C×Ne 2 ×(Ne-Ni)で演算される。そして、この単位時間 当り発熱量dQに1タスク時間dHを乗じて1タスク 時間dHでのトルクコンバータ12内の発熱量が 算される。トルクコンバータ12内には、1タ ク時間dHの間に、循環回路39に設けられた温 センサ42により測定された1タスク時間開始 の温度Tsの作動油が流入し、トルクコンバ タ12内から推定温度Tの作動油が流出する。 れにより、1タスク時間dHの間にトルクコン ータ12内から放出される熱量は、循環回路39 循環する作動油の流量、作動油の比熱等を 味した設定値をBとすると、B×(T-Ts)×dH であ る。従って、1タスク時間dHの間に、トルクコ ンバータ12内に出入する熱量の収支σQは、
σQ={A×C×Ne 2 ×(Ne-Ni)-B×(T-Ts)}×dHとなり、トルクコンバータ 12内の作動油の熱容量をPとすると、1タスクdH 間での推定温度Tの変化量dTは、
dT=σQ/Pとなる。そして、1タスク経過後のトル クコンバータ12内の推定温度Tは、1タスク開 時の推定温度Tに1タスクdH間での推定温度Tの 変化量dTを加算した値(T=T+dT)と、1タスク経過 に油温センサ42によって測定された作動油 油温Tsとの大きい方とする。トルクコンバー タ12の速度比E(=Ni/Ne)と容量係数C、トルク比と の関係を示す図7の性能線図は、電子制御装 43のROMに記憶されている。

 この油温演算プログラム60が、エンジン 転数Ne、自動変速機10の入力軸回転数Ni、及 トルクコンバータ12の速度比Eと容量係数Cと 関係から演算されたトルクコンバータ12の 位時間当り発熱量dQと油温センサ42によって 出された作動油の温度Tsとを用いてトルク ンバータ12内の作動油の推定温度Tを演算す 油温演算手段60を構成する。そして、油温セ ンサ42と、油温演算手段60とによって、トル コンバータ12の作動油の温度を検出する油温 検出手段が構成されている。

 電子制御装置43は、図8に示す油温過上昇 止プログラム70を1タスク時間dH 間隔で繰り 返し実行し、トルクコンバータ12内の作動油 油温が過上昇することを防止する。

 図5のV-TH平面には、トルクコンバータ12の 単位時間当り発熱量dQの上限値を示す等発熱 限線54、及び下限値を示す等発熱下限線55が 記載されている。第3変速段で走行中におい 、トルクコンバータ12内の作動油の推定温度 Tが、制御開始温度を超えると、該制御開始 度より所定温度低い制御終了温度以下にな までの間に、トルクコンバータ12の単位時間 当り発熱量dQが上限値以上になると、トルク ンバータ12内の作動油の温度が過上昇する があるので、自動変速機10を上位変速段であ る第3変速段から下位変速段である第2変速段 ダウンシフトさせる。即ち、単位時間当り 熱量dQが増加して、発熱量上限線54と3-2ダウ ンシフト変速線52と3LUロックアップ線53とに まれた領域内に移行すると、自動変速機10は 、車速Vとスロットル開度THとが3-2ダウンシフ ト変速線52より第3変速段側であっても第3変 段から第2変速段にダウンシフトされ、第2変 速段から第3変速段へのアップシフトが禁止 れる。

 車速V及び自動変速機10の出力軸17に作用 る駆動トルクJoが第2変速段で走行中のもの 同一であると仮定し、第2変速段から第3変速 段にアップシフトしたときのトルクコンバー タ12の単位時間当り予想発熱量dQpを演算し、 の単位時間当り予想発熱量dQpがトルクコン ータ12の単位時間当り発熱量の下限値より さい領域に移行すると、第2変速段から第3変 速段へのアップシフトの禁止を解除する。こ れにより、車速Vとスロットル開度THとの状態 が、2-3アップシフト変速線51の右側領域にあ ときに、単位時間当り予想発熱量dQpがトル コンバータ12の単位時間当り発熱量の下限 より小さい領域に移行すると、第2速段から 3速段にアップシフトされる。

 電子制御装置43は、油温演算プログラム60 によって演算されたトルクコンバータ12内の 動油の推定温度Tが、制御開始温度を超えた か否か判定し(ステップS71)、超えると、作動 の推定温度Tが、制御開始温度より所定温度 低い制御終了温度以下になるまでの間(ステ プS73)、図9のタイムチャートに示すように制 御フラグをオンにし、ギヤ段制御ステップS72 を実行する(ステップS72)。ギヤ段制御を終了 る制御終了温度を、制御開始温度より所定 度だけヒステリシスをもたせて低く設定し のは、ギヤ段制御がハンチングして実行さ ることを防ぐためである。

 ギヤ段制御では、エンジン回転数センサ45 より検出されたエンジン11の回転数Ne、入力 回転数センサ46により検出された自動変速 10の入力軸14の回転数Ni、出力軸回転数セン 47により検出された出力軸17の回転数Nv、油 センサ42により測定された作動油の温度Tsが 力され(ステップS721)、エンジン回転数Ne、 力軸回転数Ni、及び図7に示すトルクコンバ タ12の速度比Eと容量係数Cとの関係を用いて ルクコンバータ12の単位時間当り発熱量dQが 、
dQ =A×C×Ne 2 ×(Ne-Ni)で演算される(ステップS722)。この単位 時間当り発熱量dQが上限値以上になると(ステ ップS723)、トルクコンバータ12内の作動油の 度は間も無く許容値以上に過上昇するので 自動変速機10は、変速マップ50上はダウンシ トが指令されなくても、図9のタイムチャー トの点80に示すように第3変速段から第2変速 にダウンシフトされる(ステップS724)。この き、アップシフト禁止フラグがオンされて 2変速段から第3変速段へのアップシフトが禁 止される(ステップS725)。

 図10のタイムチャートに示された点82にお いては、アクセルが踏み込まれて変速マップ 上ではダウンシフトと判断されても、既に、 点80において第3変速段から第2変速段にダウ シフトされているので、更にダウンシフト れることはない。また、その後の点83におい て、アクセルがリリースされて変速マップ上 ではアップシフトと判断されても、アップシ フト禁止フラグがオンしているので、アップ シフトされることはない。

 ステップ723において単位時間当り発熱量d Qが上限値未満であると、ダウンシフトする となくギヤ段制御を終了する。

 ステップS721、S722によって、上位変速段 走行中のエンジン回転数Ne、自動変速機10の 力軸回転数Ni、及び前記トルクコンバータ12 の速度比Eと容量係数Cとの関係を用いてトル コンバータ12の単位時間当り発熱量dQを演算 する発熱量演算手段が構成されている。

 ステップS723、S724、S725によって、油温検 手段42、60によって検出されたトルクコンバ ータ12内の作動油の検出温度が、制御開始温 を超えると、該制御開始温度より所定温度 い制御終了温度以下になるまでの間に、ト クコンバータ12の単位時間当りの発熱量dQが 上限値以上になると、自動変速機10を上位変 段から下位変速段にダウンシフトさせると もに、下位変速段から上位変速段へのアッ シフトを禁止するダウンシフト制御手段が 成されている。

 このようにダウンシフトされて第2変速段 で走行中に、電子制御装置43は、車速Vおよび 自動変速機10の出力軸17から出力される出力 ルクJoが第2変速段で走行中のものと同一で ると仮定し、第2変速段から第3変速段にアッ プシフトしたときのトルクコンバータ12の単 時間当り予想発熱量dQpを演算する(ステップ S726)。このために、先ず自動変速機10の予想 力軸回転数Nip及び予想入力トルクJipが演算 れる。第3変速段にアップシフトしたときの 想入力軸回転数Nipが、現在の第2変速段での 車速Vに相当する出力軸17の出力軸回転数Nvに 動変速機10の第3変速段でのギヤ比Gr3を乗算 て、式Nip=Nv×Gr3/Gr2で求められる。

 予想入力トルクJipは、第2変速段で走行中 にエンジン11が出力しているエンジントルクJ eに基づいて演算される。このエンジントル Jeは、そのときの速度比E(=Ni/Ne)における容量 係数Cが図7に示すトルクコンバータ12の性能 図から求められ、この容量係数Cにエンジン 転数Neの二乗が乗算されて求められる。即 、トルクコンバータ12の性能線図の速度比E トルク比K(=Ji/Je)との関係から現在の第2変速 での入力トルクJiが、式Ji=K×Jeで演算され、 入力トルクJiに第2変速段のギヤ比Gr2を乗算し て出力トルクJoが、式Jo=Ji×Gr2で演算される。 第3変速段にアップシフトしてもこの出力ト クJoは変わらないとして、第3変速段での予 入力トルクJipが、出力トルクJoを第3変速段 のギヤ比Gr3で除算して、式Jip=K×Je×Gr2/Gr3で められる。

 なお、このエンジントルクJeは、エンジ 11を制御するエンジンECU44から電子制御装置4 3に入力されるようにしてもよい。また、現 の第2変速段での車速Vに相当する出力軸17の 力軸回転数Nvは、第2変速段での入力軸回転 Niを自動変速機10の第2変速段でのギヤ比Gr2 除して求めてもよい。

 車速Vおよび自動変速機10の出力軸17に作用 る出力トルクJoが第2変速段で走行中のもの 同一であると仮定し、第2変速段から第3変速 段にアップシフトした状態でのトルクコンバ ータ12の容量係数C、トルク比K、速度比Eが、C ×K/E 2 をインデックスとして求められる。かかる第 3変速段での予想入力トルクJipを予想入力軸 転数Nipの二乗で除した式Jip/Nip 2 に、予想容量係数Cp=Jep/Nep 2 、予想速度比Ep=Nip/Nep、予想トルク比Kp=Jip/Jep 代入すると、Jip/Nip 2 =Cp×Kp/Ep 2 となり、第3変速段でのCp×Kp/Ep 2 は、予想入力トルクJipを予想入力軸回転数Nip の二乗で除して求めることができる。トルク コンバータ12のC×K/E 2 は、図7の性能線図に基づいて予め演算され 図11の表にしてROMに記憶されている。

 そして、かかる第3変速段でのCp×Kp/Ep 2 が、予想入力トルクJip(=Ji×Gr2/Gr3)及び予想入 軸回転数Nip(=Nv×Gr3)を、Jip/Nip 2 に代入して、Ji×Gr2/Nv 2 ×Gr3 3 で演算され、第3変速段における予想速度比Ep 、予想容量係数Cpが、Cp×Kp/Ep 2 の値をインデックスとして表10から求められ 。この予想速度比Epから予想エンジン回転 Nepが、Nep=Nip/Epで演算される。

 第2変速段から第3変速段にアップシフトし ときのトルクコンバータ12の単位時間当り予 想発熱量dQpが、式dQp=A×Cp×Nep ×(Nep-Nip)で演算され(ステップS726)、この単位 間当り予想発熱量dQpがトルクコンバータ12 単位時間当り発熱量の下限値以下になると 図9のタイムチャートの点81に示すように、 ップシフト禁止フラグがオフされて第2変速 から第3変速段へのアップシフトの禁止が解 除される(ステップ727)。従って、図5に示す2-3 アップシフト変速線51の右側で3LUロックアッ 線53より左側の領域において、単位時間当 予想発熱量dQpが減少し、発熱量下限線55以下 になると、アップシフト禁止フラグがオフさ れ、第2変速段にダウンシフトされていた自 変速機10は、第3変速段にアップシフトされ 。単位時間当り予想発熱量dQpが、2-3アップ フト変速線51と3-2ダウンシフト変速線54との で発熱量下限線55以下になると、アップシ ト禁止フラグはオフされるが、第2変速段に ウンシフトされていた自動変速機10は、第3 速段にアップシフトされない。また、単位 間当り予想発熱量dQpが発熱量上限線54と発 量下限線55との間にあるときに、車速Vが3LU ックアップ線53より上昇した場合、運転状態 が2-3アップシフト変速線51の右側領域であれ 、アップシフト禁止フラグがオフされ、第2 変速段にダウンシフトされていた自動変速機 10は、第3変速段にアップシフトされ、運転状 態が2-3アップシフト変速線51の左側領域であ ば、アップシフト禁止フラグはオフされる 、第2変速段にダウンシフトされていた自動 変速機10は、第3変速段にアップシフトされな い。

 発熱量上限線54と発熱量下限線55との間は 、ダウンシフト、アップシフトの繰り返しを 防止するためのヒステリシスとして機能し、 単位時間当り予想発熱量dQpが単位時間当り発 熱量の下限値を超えている間は、アップシフ トは禁止される。

 ステップS726によって、下位変速段で走行 中のエンジン回転数Ne、エンジントルクJe、 力軸回転数Ni、及びトルクコンバータ12の速 比Eとトルク比Kとの関係から、下位変速段 の走行における車速Vと自動変速機10の出力 ルクToとが同じ状態で上位変速段にアップシ フトしたときの自動変速機10の予想入力軸回 数Nip及び予想入力トルクJipを演算し、該予 入力軸回転数Nip及び予想入力トルクJipを用 てトルクコンバータ12の速度比Eとトルク比K 、容量係数Cとの関係に基づいて予想速度比Ep 及び予想容量係数Cpを演算し、予想入力軸回 数Nip、予想速度比Ep及び予想容量係数Cpを用 いて上位変速段にアップシフト後のトルクコ ンバータ12の単位時間当り予想発熱量dQpを演 する予想発熱量演算手段が構成されている

 ステップS727、S728によって、単位時間当 予想発熱量dQpが下限値以下になると下位変 段から上位変速段へのアップシフトの禁止 解除するアップシフト禁止解除手段が構成 れている。

 上記第1の実施形態では、第3変速段にア プシフトしたとき、車速Vおよび自動変速機1 0の出力軸17から出力される出力トルクJoが第2 変速段で走行中のものと同一であると仮定し 、第3変速段での自動変速機10の予想入力軸回 転数Nip及び予想入力トルクJipを、第2変速段 のエンジントルクJe、出力軸回転数Nv及びト クコンバータ12の性能線図に基づいて演算 、該予想入力軸回転数Nip、予想入力トルクJi p及びトルクコンバータ12の性能線図に基づい て第3変速段にアップシフト後のトルクコン ータ12の予想速度比Ep、予想トルク比Kp及び 想容量係数Cpを演算し、単位時間当り予想発 熱量dQpをタスク時間dH毎に演算している。単 時間当り予想発熱量dQpをタスク時間dH毎に 算することは、電子制御装置43にとってかな りの負荷をとなる。

 そこで、例えば、第2変速段でのエンジン 回転数Neをパラメータとし、各エンジン回転 Neについて出力軸回転数Nvを変数とした場合 の単位時間当り発熱量dQを上述のように演算 た。そして、車速V及び出力トルクJoが第2変 速段で走行中のものと同一であると仮定して 第3変速段における単位時間当り予想発熱量dQ pを、各エンジン回転数Neについて出力軸回転 数Nvを変数として上述のように演算した。そ 結果、図12に示すように単位時間当り発熱 が低い領域においては、単位当り予想発熱 dQpは、各出力軸回転数Nvにおいて単位当り発 熱量dQに係数Uを乗じた値で近似することが判 明した。

 第2の実施形態では、第2変速段における 位時間当り発熱量dQと、車速V及び出力トル Joが第2変速段で走行中のものと同一である 仮定して第3変速段における単位時間当り予 発熱量dQpとを予め演算し、両者の関係、例 ばdQp=U×dQの係数を電子制御装置43のROMに予 記憶しておく。

 第2の実施形態では、第3変速段から第2変 段にダウンシフトされ(ステップS724)、第2変 速段から第3変速段へのアップシフトが禁止 れると(ステップS725)、各タスク時間dH毎に入 力されたエンジン回転数Ne、出力軸回転数Nv びトルクコンバータ12の性能線図に基づいて 単位時間当り発熱量dQが演算され、単位時間 り予想発熱量dQpが、単位時間当り発熱量dQ 係数Uを乗じて演算される(ステップS726)。そ て、単位時間当り予想発熱量dQpがトルクコ バータ12の単位時間当り発熱量の下限値以 になると、第2変速段から第3変速段へのアッ プシフトの禁止が解除される(ステップS727)。 この場合、単位時間当り予想発熱量dQpは、下 限値と比較される低い領域にあるので、単位 当り予想発熱量dQpを、式dQp=U×dQで近似しても 誤差は許容範囲になる。

 上記実施の形態では、単位時間当り発熱 dQが上限値以上になると(ステップS723)、第3 速段から第2変速段にダウンシフトされるが (ステップS724)、アクセルが踏み込まれていな い状態でダウンシフトされると運転者が違和 感を覚える場合があるので、トルクコンバー タ12の単位時間当りの発熱量dQが上限値以上 なり、且つアクセルが踏み込まれているこ を検出すると、ダウンシフト判定制御手段 自動変速機10を上位変速段から下位変速段に ダウンシフトさせるようにしてもよい。

 上記実施の形態では、トルクコンバータ1 2の作動油の循環回路39に設けられた油温セン サ42と、エンジン回転数Ne、入力軸回転数Ni、 及びトルクコンバータ12の性能線図から演算 れたトルクコンバータ12の単位時間当り発 量dQと油温センサ42によって検出された作動 の温度Tsとを用いてトルクコンバータ12内の 作動油の推定温度Tを演算する油温演算手段60 とにより、トルクコンバータの作動油の温度 を検出する油温検出手段を構成しているが、 油温検出手段を油温センサ42だけで構成して よい。

 また、上記実施の形態では、第3変速段を 上位変速段とし、第2変速段を下位変速段と ているが、自動変速機の減速比が小さい変 段を上位変速段とし、減速比の大きい変速 を下位変速段とすればよい。

 本発明に係るトルクコンバータ付車両用 動変速機のトルクコンバータの油温過上昇 止装置は、自動車のエンジンの回転がトル コンバータを介して入力軸に入力され、複 のクラッチとブレーキの係脱によって入力 の回転を複数変速段に変速して出力軸に出 する車両用自動変速機に用いるのに適して る。