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Title:
SWING BEARING AND METHOD OF PROCESSING RACEWAY GROOVE OF THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/147865
Kind Code:
A1
Abstract:
A swing bearing having double-row raceway grooves, wherein a relative difference between inter-raceway groove distances is appropriately determined so that the bearing has an extended life achieved to an extent which is cost-wise feasible and does not sacrifice productivity.  The swing bearing has balls (3) interposed between double-row raceway grooves (1a, 1b, 2a, 2b) in an inner ring (1) and an outer ring (2).  The distance (ei) between the double-row raceway grooves (1a, 1b) in the inner ring (1) or the distance (eo) between the double-row raceway grooves (2a, 2b) in the outer ring (2) is 1 to 1.7 times the diameter (Dw) of the balls (3), the diameter (Dw) of the balls is from 30 mm to 80 mm, and the difference (∆e) between the inter-raceway groove distance (ei) and the inter-raceway groove distance (eo) is from 5 μm to 50 μm.  The double-row raceway grooves (1a, 1b (2a, 2b)) are simultaneously processed by an alundum-based grindstone.

Inventors:
HORI MICHIO (JP)
KUWAHARA NURUMU (JP)
YAMAMOTO YOSHIFUMI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/002545
Publication Date:
December 10, 2009
Filing Date:
June 05, 2009
Export Citation:
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Assignee:
NTN TOYO BEARING CO LTD (JP)
HORI MICHIO (JP)
KUWAHARA NURUMU (JP)
YAMAMOTO YOSHIFUMI (JP)
International Classes:
F16C33/58; F03D11/00; F16C19/18; F16C33/64
Domestic Patent References:
WO2006129351A12006-12-07
Foreign References:
JP2005299730A2005-10-27
JP2005147372A2005-06-09
JPH10156676A1998-06-16
JPS6384873A1988-04-15
JPH11165248A1999-06-22
JP2005172146A2005-06-30
Attorney, Agent or Firm:
SUGIMOTO, Shuji et al. (JP)
Shuji Sugimoto (JP)
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Claims:
 内輪および外輪にそれぞれ軌道溝が複列形成され、前記内外輪の各列の軌道溝間に複数のボールが介在する旋回軸受であって、
 内輪および外輪がそれぞれ一体のものであり、前記内輪における複列の軌道溝間の距離と前記外輪における複列の軌道溝間の距離との差を50μm以下とした旋回軸受。
 請求項1において、前記内輪における複列の軌道溝間の距離または前記外輪における複列の軌道溝間の距離が前記ボールの直径の1ないし1.7倍であり、かつ前記ボールの直径が30mmから80mmである旋回軸受。
 内輪および外輪にそれぞれ軌道溝が複列形成され、内輪および外輪がそれぞれ一体のものであり、前記内外輪の各列の軌道溝間に複数のボールが介在する旋回軸受の加工方法であって、前記内輪および外輪の複列の軌道溝を同時に加工することにより、前記内輪における複列の軌道溝間の距離と前記外輪における複列軌道溝間の距離との差を50μm以下とした旋回軸受の軌道溝加工方法。
 請求項3において、前記内輪における複列の軌道溝間の距離または前記外輪における複列の軌道溝間の距離が前記ボールの直径の1ないし1.7倍であり、かつ前記ボールの直径が30mmから80mmである旋回軸受の軌道溝加工方法。
 請求項3において、前記軌道溝を、アランダム系の砥石を用いて加工する旋回軸受の軌道溝加工方法。
 請求項5において、前記軌道溝を加工する砥石の成形にロータリードレッサーを使用し、このロータリードレッサーのダイヤモンド粒の突き出し量を0.1mmより大きく0.5mm未満とした旋回軸受の軌道溝加工方法。
 請求項3において、前記軌道溝を、粒度40以上70未満の砥石を用いて加工する旋回軸受の軌道溝加工方法。
 請求項3において、前記軌道溝の表面粗さをRa0.2μm以上1.2μm以下とした旋回軸受の軌道溝加工方法。
 請求項3において、前記内輪および外輪の互いに対応する軌道溝の曲率が同じである旋回軸受の軌道溝加工方法。
 請求項9において、前記内輪の軌道溝を研削する砥石のドレッサーおよび前記外輪の軌道溝を研削する砥石のドレッサーと同一である旋回軸受の軌道溝加工方法。
Description:
旋回軸受およびその軌道溝加工 法 関連出願

 本願は2008年6月6日出願の特願2008-149124、20 09年5月7日出願の特願2009-112561および2009年6月3 日出願の特願2009-133628の優先権を主張するも であり、その全体を参照により本出願の一 をなすものとして引用する。

 この発明は、例えば風力発電用の風車等 旋回部分に用いられる大型または超大型の 回軸受、およびその軌道溝加工方法に関す 。

 図8および図9は風力発電用の風車(風力発 用装置)の1例を示す。この風車11は、支持台 12上にナセル13を水平旋回自在に設け、この セル13のケーシング14内に主軸15を回転自在 支持し、この主軸15のケーシング14外に突出 た一端に、旋回翼であるブレード16を取付 てなる。主軸15の他端は増速機17に接続され 増速機17の出力軸18が発電機19のロータ軸に 合されている。

 風力発電用の風車は規模が非常に大きく 1枚のブレード16の長さが数10メートル、中 は100メートルを超えるものもある。そのた 、ブレード16が主軸15回りに回転する際に、 の回転位置、例えば主軸15よりも上側の位 と下側の位置とで、ブレード16が受ける風の 風速が異なる。風速が違っていても各ブレー ド16が同じ荷重を受けるように、ブレード16 回転する間に、風速に応じて各ブレード16の 風に向かう角度を調整する。また、常に各ブ レード16が正面から風を受けるように、風向 の変化に応じてナセル13の向きを変える(ヨ )。なお、風速が速過ぎて多大な荷重を受け る恐れがある場合には、ナセル13の向きを通 の逆にして、風が抜けるようにすることも る。

 このように、風力発電用の風車では、風の 態に合わせてブレード16の角度およびナセ 13の向きを随時変える必要があるため、ブレ ード16およびナセル13はそれぞれ旋回軸受21,22 により旋回自在に支持され、図示しない駆動 手段により旋回させるようになっている。風 車用の旋回軸受の特徴としては、寸法が非常 に大きいこと、旋回の揺動角が比較的小さい こと、変動荷重を受けることが挙げられる。
 寸法に関しては、ブレード用で外輪外径1000 ~3000mm、ヨー用で同1500~3500mmである。揺動角に 関しては、ブレード用で最大約90°、ヨー用 最大360°である。変動荷重に関しては、ブレ ード用およびヨー用のいずれについても変動 荷重を受けるが、特にブレード用が急激な変 動荷重を受けることが多い。

 建設機械、工作機械等の幅広い分野にお て、旋回軸受として、4点接触玉軸受が用い られている。4点接触玉軸受は、内輪および 輪の各軌道溝をそれぞれ2つの曲面で形成し これらの軌道溝間に複数のボールを転動自 に介在させたものであり、ボールとしての ールが両軌道溝間にしっかりと挟持され、 つ内外輪の剛性も高いので、簡単な構成で きな負荷容量が得られる。

特開平06-143136号公報

 そこで、寸法サイズが大型または超大型 あって、大きな定格荷重を必要とする風車 の旋回軸受に、図10のように4点接触玉軸受 複列で使用することにした。なお、JIS B 01 04-1991によると、大型軸受は外輪外径が180~800m mのものと定義されている。その場合、以下 ことが懸念される。すなわち、軸受に外部 ら荷重が加わったときに、ボール3と内外輪1 ,2との各接点Pに作用する負荷バランスが不均 等になり、結果的に短寿命化を招くことであ る。

 負荷バランスが不均等となる要因として 内外輪1,2の軌道溝1a,1b,2a,2bの変形が指摘さ ている。軌道溝の変形に関与する要素は種 あり、それぞれの要素についての対策が特 文献1に開示されている。例えば、軸受すき に関しては、各列の荷重負荷を均等化する めに、各列のすきま(予圧量)の差を変形量 応じて与えるとのことが記載されている。

 また、別の視点から見て、前記要因として 内輪1における複列の軌道溝1a,1b間の距離ei 、外輪2における複列の軌道溝2a,2b間の距離eo との差が挙げられる。
 ここで距離eiと距離eoの測定方法について説 明する。内輪溝の場合、複列の軌道溝1a,1bに れぞれ使用する鋼球を径方向に押し付け(軌 道溝1aの場合:1aa,1ab,軌道溝1bの場合:1ba,1bbの各 2点で接触)それらの鋼球間軸方向距離を測定 ることで距離ei(ei=測定値+鋼球径)を確認す 。前記鋼球間軸方向距離とは、軌道溝1a,1bに 押し付けた二個の鋼球の軸方向の最短距離を いう。外輪溝も同様に距離eoを確認する。
 軌道溝間距離ei,eoの相互差δe(=eo-ei)が大きい と、軸受すきまの相互差も大きくなり、負荷 バランスの不均等が増大することが予想でき る。この軌道溝間距離の相互差δeは、軸受取 付面側の剛性に関わらず、負荷バランスに影 響を及ぼす。なぜなら、荷重による変位とし て膨張、収縮、ねじれが考えられるが、これ らはδeに影響を及ぼさないからである。つま り、軌道溝間距離の相互差δeは、負荷バラン スの不均等に対して最も影響を与える根本的 な要因であり、これを管理することが重要で あると考える。なお、特許文献1では、軌道 間距離ei,eoや相互差δeについて言及されてい ない。

 軸受寿命を最大限に延ばすには、軌道溝 距離の相互差δeが零であるのが理想である しかし、それは実際には実現不可能であり 可能な限り零に近づけるのも、生産性やコ ト面等を考えると困難である。したがって 軸受寿命と生産性やコストとの兼ね合いを りながら軌道溝間距離の相互差δeを決定す のが現実的である。

 この発明の目的は、複列の軌道溝を有する 回軸受において、生産性を損なわずコスト に可能な範囲内で、軸受寿命の長期化が図 る軌道溝間距離の相互差を提示することで る。
 この発明の他の目的は、上記旋回軸受の軌 溝を精度良く、かつ効率良く加工すること できる軌道溝加工方法を提供することであ 。

 この発明にかかる旋回軸受は、内輪および 輪にそれぞれ軌道溝が複列形成され、前記 外輪の各列の軌道溝間に複数のボールが介 する旋回軸受であって、内輪および外輪が れぞれ一体のものであり、前記内輪におけ 複列の軌道溝間の距離と前記外輪における 列の軌道溝間の距離との差を50μm以下とし いる。
 内輪または外輪が「一体のもの」とは、一 の素材から軌道溝が複列形成されたもので って、複数の構成部品を接合して一個の内 または外輪としたものを除く意味である。

 内輪および外輪にそれぞれ軌道溝が複列 成された旋回軸受において、内輪および外 がそれぞれ一体のものであり、内輪におけ 複列の軌道溝間の距離と、外輪における複 の軌道溝間の距離との差が異なる複数の旋 軸受を製作し、それぞれの寿命を測定した その結果、内輪における複列の軌道溝間の 離と外輪における複列の軌道溝間の距離と 差を50μm以下にすると、風車全体の耐久性 ら見て旋回軸受の寿命に問題がないことが かった。

 前記内輪における複列の軌道溝間の距離 前記外輪における複列の軌道溝間の距離と 差(以下、「軌道溝間距離の相互差」とする )が異なる複数の旋回軸受のそれぞれの寿命 測定した結果、軌道溝間距離の相互差が50μm 以上であると、風車全体の耐久性から見て旋 回軸受の寿命に問題があることが分かった。 そこで、軌道溝間距離の相互差は50μm以下が いとの結論に至った。なお、風力発電用の 車等の旋回部分に用いられる大型または超 型の旋回軸受では、メンテナンスフリーが められることから、軌道溝間距離の相互差 、より長寿命が達成できる20μm以下がより ましい。更に、軌道溝間距離の相互差が5μm 下であると、生産性が悪くなって採算ライ に合わないほどコストが高くなるため、よ 好ましくは、軌道溝間距離の相互差は5μm以 上の範囲内にあるのが良い。

 前記内輪における複列の軌道溝間の距離 たは前記外輪における複列の軌道溝間の距 が前記ボールの直径の1ないし1.7倍であり、 かつ前記ボールの直径が30mmから80mmであって 良い。この条件で、軌道溝間距離の相互差 異なる複数の旋回軸受を製作し、寿命測定 得る。

 この発明にかかる旋回軸受の軌道溝加工方 は、内輪および外輪にそれぞれ軌道溝が複 形成され、内輪および外輪がそれぞれ一体 ものであり、前記内外輪の各列の軌道溝間 複数のボールが介在する旋回軸受の加工方 であって、前記内輪および外輪の複列の軌 溝を同時に加工することにより、前記内輪 おける複列の軌道溝間の距離と前記外輪に ける複列軌道溝間の距離との差を50μm以下 している。
 前記「同時に加工する」とは、複列の軌道 を同一軸に設けた複数の砥石で並行して加 することを意味する。

 この軌道溝加工方法のように、内外輪の 列の軌道溝を同時に加工すると、各列の軌 溝を別工程で加工する場合のように、各列 機械精度や送り精度の誤差が生じることが く、軌道溝間距離の精度が良い。そのため 軌道溝間距離の相互差を抑えることができ 。しかも、内外輪の複列の軌道溝を同時に 工すると、加工効率が良い。この軌道溝加 方法で軌道溝が加工された旋回軸受は、軌 溝間距離の相互差が小さいので、各列の軌 溝で荷重を均等に負荷することができ、長 命化を達成できる。

 前記内輪における複列の軌道溝間の距離 たは前記外輪における複列の軌道溝間の距 が前記ボールの直径の1ないし1.7倍であり、 かつ前記ボールの直径が30mmから80mmであって 良い。

 前記軌道溝を、アランダム系の砥石を用い 加工しても良い。この場合、軌道溝の肩高 寸法を、いわゆる肩乗り上げを起さない必 十分な大きさに設定し得る。軌道溝の肩高 寸法が大きくなるに従って、砥石の接触箇 が周速大の外径部から周速小の幅面へと近 くが、アランダム系の砥石を用いその他加 条件を満たすことで、軌道溝の加工時にお る過度の昇温を未然に防止することが可能 なる。アランダム系はセラミック系と比較 軟らかい。そのため、焼付きを防止できる
 前記「アランダム」は、アルミナ系砥粒と 義である。前記「肩乗り上げ」とは、軸受 アキシアル荷重を受けたときに、軌道溝内 の転動体接触点が肩側に移動することによ て、軌道溝の内面に生じる接触楕円が軌道 から肩側に外れる現象を言う。

 前記軌道溝を加工する砥石の成形にロー リードレッサーを使用し、このロータリー レッサーのダイヤモンド粒の突き出し量を0 .1mmより大きく0.5mm未満としても良い。この場 合、軌道溝の研削性に優れ、同軌道溝を研削 する際、ダイヤモンド粒の突き出し量が0.1mm 下のものより研削時間の短縮を図ることが きる。

 前記軌道溝を、粒度40以上70未満の砥石を 用いて加工しても良い。この場合、加工時に おける過度の昇温防止を図ることが可能とな る。前記「粒度」は、砥粒の大きさと分布を 段階的に表示した数値で、数値が小さいほど 砥粒径は大きい。ふるいの1インチ口当たり 穴の数が粒度数とされており、粗粒はふる 分け試験、微粉は拡大写真法で分級される

 前記軌道溝の表面粗さをRa0.2μm以上1.2μm 下としても良い。これは本アプリケーショ が極低速で使用されるため、表面粗さが発 に影響を及ぼすことが無いためである。

 この発明の軌道溝加工方法において、前 内輪および外輪の互いに対応する軌道溝の 率が同じであってもよい。その場合、前記 輪の軌道溝を研削する砥石のドレッサーお び前記外輪の軌道溝を研削する砥石のドレ サーを同一にすることができる。

 内輪および外輪の互いに対応する軌道溝 曲率が同じであり、かつ内輪の軌道溝を研 する砥石のドレッサーおよび外輪の軌道溝 研削する砥石のドレッサーが同一であって 良い。この場合、内外輪の軌道溝が同じ条 で加工されることになり、理論上では、軌 溝間距離の相互差を零にできる。風車用の 回軸受のようにボールのピッチ円直径が大 い旋回軸受では、内輪および外輪の互いに 応する軌道溝の曲率を同じにしても、その 響は少ない。

 この発明は、添付の図面を参考にした以下 好適な実施形態の説明からより明瞭に理解 れるであろう。しかしながら、実施形態お び図面は単なる図示および説明のためのも であり、この発明の範囲を定めるために利 されるべきでない。この発明の範囲は添付 クレームによって定まる。添付図面におい 、複数の図面における同一の部品番号は、 一部分を示す。
この発明の実施形態にかかる旋回軸受 断面図である。 (A)は同旋回軸受用の研削装置およびド ス装置の平面図、(B)はその正面図である。 (A)は同研削装置およびドレス装置の異 る状態を示す平面図、(B)はその正面図であ 。 (A)は同旋回軸受の外輪の要部拡大断面 、(B)は同旋回軸受の内輪の要部拡大断面図 ある。 内外輪の軌道溝を加工する砥石、およ ロータリードレッサーを概略示す図である ロータリードレッサーの要部断面図で る。 軌道溝間の相互差と接点応力との関係 示すグラフである。 風力発電装置の一例の一部を切り欠い 表した斜視図である。 同風力発電装置の破断側面図である。 4点接触玉軸受の概略構成を示す断面 である。

 この発明の実施形態を図1と共に説明する 。この旋回軸受は、例えば、風力発電用風車 のブレードを主軸に対して、主軸軸心に略垂 直な軸心回りに旋回自在に支持する軸受、ま たは風車のナセルを支持台に対して旋回自在 に支持する軸受として使用される。

 旋回軸受は、内輪1と、外輪2と、これら 外輪1,2の複列の軌道溝1a,1b,2a,2b間にそれぞれ 転動自在に介在する各列複数のボール3と、 列のボール3を別々にポケット4aで保持する 持器4とを備える。内外輪1,2の軌道溝1a,1b,2a,2 bは、いずれも2つの曲面1aa,1ab,1ba,1bb,2aa,2ab,2ba, 2bbで構成されている。各軌道溝を構成する2 の曲面は、それぞれボール3よりも曲率半径 大きく、曲率中心が互いに異なる断面円弧 である。各軌道溝1a,1b,2a,2bを構成する一対 曲面間は、溝部1ac,1bc,2ac,2bcになっている。 ボール3は、内輪軌道溝1a,1bおよび外輪軌道 ,2a,2bの前記各曲面に接点Pで接して4点接触す る。すなわち、この旋回軸受は4点接触複列 軸受として構成されている。内輪1および外 2には、取付用ボルト孔5,6がそれぞれ設けら れている。内外輪1,2間の軸受空間にはグリー スが充填され、この軸受空間の軸方向の両端 がシール部材7により密封されている。

 軸受サイズは、内径dが1000~4700mm、外径Dが 1300~5000mmである。ボール3の直径Dwは、各列同 で30~80mmである。内輪軌道溝1aを構成する曲 1aa,1abの曲率、および外輪軌道溝2aを構成す 曲面2aa,2abの曲率はいずれも同じである。内 輪軌道溝1bおよび外輪軌道溝2bについても同 である。内外輪1,2の軌道溝間距離ei,eoは、設 計上は同じであり、Dw<ei(またはeo)<1.7Dwの 関係が成り立つものとされている。軌道溝間 距離ei(eo)とは、実際に組み込むボール3と同 サイズの鋼球を2個の軌道溝1a,1b(2a,2b)にそれ れ押しつけて2点接触(鋼球が溝底に最も接 する箇所)させた時の2個の鋼球の中心間距離 である。

 例えば、内輪1の軌道溝間距離eiを測定す 場合、複列の軌道溝1a,1bに、組み込むボー 3と同じサイズの鋼球をそれぞれ径方向に押 付ける。このとき、一方の鋼球は曲面1aa,1ab の各2点で接触し、他方の鋼球は曲面1ba,1bbの 2点で接触する。これら軌道溝1a,1bに押し付 た二個の鋼球の軸方向の最短距離を測定す 。この測定値に前記鋼球の直径寸法を加え 値を軌道溝間距離eiとする。外輪2の軌道溝 距離eoについても同様に求める。

 図2および図3は、この旋回軸受の軌道溝 加工する研削装置、およびこの研削装置の 石をドレスするドレス装置を示す。研削装 31は、鉛直方向に垂下して設けた砥石軸32に2 枚の円板状の砥石33A,33Bが所定の間隔を開け 取付けられ、前記砥石軸32の下方に、内輪1 たは外輪2となるワークW1,W2を支持して回転 せる回転テーブル34が設置されている。砥石 33A,33Bは、その外周部の断面形状が、内輪軌 溝1a,1bおよび外輪軌道溝2a,2bの断面形状と同 である。また、両砥石33A,33Bの取付間隔は、 前記軌道溝間距離ei,eoと同一にしてある。砥 軸32は、回転テーブル34の真上にある位置( 3)から側方に外れた位置(図2)までの範囲内で 、回転テーブル34の径方向(X軸方向)に移動可 であり、かつ上下に昇降可能である。

 ドレス装置35は、フレーム36上にドレス装 置本体37をX軸方向に進退駆動可能に設け、こ のドレス装置本体37から砥石軸32側へ突出さ たドレスヘッド38に、砥石ドレッサー39を取 けたものである。砥石ドレッサー39は、砥 33A,33Bの外周部が嵌り込むドレス溝40A,40Bを有 する。

 内輪1となるワークW1は、外周面に2条の円 周溝W1a,W1bが旋削により形成されている。こ 円周溝W1a,W1bを砥石33A,33Bで研削することによ り、軌道溝1a,1bに加工する。その方法は、図2 に示すように、回転テーブル34に支持された ークW1の外周側に砥石33A,33Bを所定の高さに 置させ、回転テーブル34および砥石軸32を回 転させながら、砥石33A,33BをワークW1に向けて 前進させる。それにより、砥石33A,33Bが円周 W1a,W1bに進入して研削を行い、両円周溝W1a,W1b が同時に軌道溝1a,1bに加工される。

 外輪2となるワークW2は、内周面に2条の円 周溝W2a,W2bが旋削により形成されている。こ 円周溝W2a,W2bを砥石33A,33Bで研削することによ り、軌道溝2a,2bに加工する。その方法は、図3 に示すように、回転テーブル34に支持された ークW2の内周側に砥石33A,33Bを所定の高さに 置させ、回転テーブル34および砥石軸32を回 転させながら、砥石33A,33BをワークW2に向けて 前進させる。それにより、砥石33A,33Bが円周 W2a,W2bに進入して研削を行い、両円周溝W2a,W2b が同時に軌道溝2a,2bに加工される。

 研削面が摩耗した砥石33A,33Bをドレスする 場合は、砥石軸32を回転テーブル34から側方 外れた位置(図2)にし、回転状態にある砥石 32に対して、ドレス装置本体37を前進させる それにより、砥石ドレッサー39のドレス溝40 A,40Bに砥石33A,33Bの外周部がそれぞれ嵌り込み 、両砥石33A,33Bが同時にドレスされる。

 このようにワークW1(ワークW2)の複列の円 溝W1a,W1b(W2a,W2b)を砥石33A,33Bで同時に研削し 軌道溝1a,1b(2a,2b)に加工するので、各列の軌 溝を別工程で加工する場合のように、各列 機械精度や砥石送り精度の誤差が生じるこ がなく、軌道溝間距離ei(eo)の精度が良い。 のため、軌道溝間距離ei,eoの相互差δeを抑え ることができる。しかも、各列の軌道溝1a,1b( 2a,2b)を同時に加工すると、加工効率が良い。

 この実施形態の場合、内輪軌道溝1a,1bを 成する曲面1aa,1ab,1ba,1bb、および外輪軌道溝2a ,2bを構成する曲面2aa,2ab,2ba,2bbの曲率が同じで あるので、ワークW1の円周溝W1a,W1bの研削とワ ークW2の円周溝W2a,W2bの研削を同じ砥石33A,33B 用いて行うことができ、かつ同一の砥石ド ッサー39で砥石33A,33Bをドレスすることがで る。このため、内外輪1,2の軌道溝1a,1b,2a,2bが 同じ条件で加工されることになり、理論上で は、軌道溝間距離の相互差δeを零にできる。 また、風車用の旋回軸受のようにボールのピ ッチ円直径が大きい旋回軸受では、内輪1お び外輪2の互いに対応する軌道溝1a,1b,2a,2bの 率を同じにしても、その影響は少ない。

 本軸受形式では、軸受に過大なアキシア 荷重が作用した場合、軌道溝1a,1b,2a,2b(「各 道溝」と称す)内面の転動体接触点が肩側に 移動することによって、各軌道溝の内面に生 じる接触楕円が各軌道溝から外れる「肩乗り 上げ」が危惧される。このため、図4(A)、(B) 示すように、外輪2における軌道溝2a,2bの肩 さ寸法H2、および内輪1における軌道溝1a,1bの 肩高さ寸法H1を大きく設定する必要がある。 方、軌道溝1a,1b,2a,2bを砥石33A,33Bで研削する 合、各軌道溝の肩高さ寸法H1,H2が大きくな に従い、砥石33A,33Bの接触箇所が周速大の外 部から周速小の幅面へと近づくため、研削 に過度に昇温するおそれがある。そのため 砥石33A,33Bの材質、粒度、ドレッサーの条件 に留意する必要がある。

 この実施形態に係る軌道溝加工方法では 軌道溝1a,1b(2a,2b)を加工する砥石33A,33Bを成形 する際に、図5に示すように例えばロータリ ドレッサーRDを使用する。このロータリード レッサーRDは、例えば中空の略円筒形状に形 され、図示外の回転軸に嵌合されて使用さ る。ロータリードレッサーRDの外周に形成 れるドレス溝40A,40Bに、砥石33A,33Bの外周部を それぞれ嵌り込ませた状態で、前記回転軸を 回転駆動することで、研削面が摩耗した砥石 33A,33Bが同時にドレスされる。

 図6に示すように、このロータリードレッサ ーRDのダイヤモンド粒RDaの突き出し量δ1を0.1m mより大きく0.5mm未満とする。この実施形態で は突き出し量δ1を、例えば0.2mmとする。ロー リードレッサーRDは、「結合材」の表面RD1 複数のダイヤモンド粒RDaを突出状態に設け なる。
 前記「ダイヤモンド粒RDaの突き出し量δ1」 は、結合材の表面RD1から半径方向外方に飛 出している砥粒1ケ当たりの平均突出量をい う。
 このロータリードレッサーRDを使用して成 される砥石33A,33Bは、アランダム系材質のも が鉄系材質である内外輪1,2を加工するうえ 好ましい。「アランダム」はアルミナ系砥 と同義であり、このアルミナ系砥粒は、素 種として、例えば、褐色アルミナ質研摩材 解砕型アルミナ質研摩材、淡紅色アルミナ 研摩材、白色アルミナ質研削材、人造エメ ー研削材等がある。

 前記褐色アルミナ質研摩材は、アルミナ 鉱石を電気炉で溶融還元してアルミナ分を くし、凝固させた塊を粉砕整粒したもので って、若干量の酸化チタニウムを含む褐色 コランダム結晶および非晶質部分を含む。 記解砕型アルミナ質研摩材は、アルミナ質 料を電気炉で溶融し、凝固させた塊を通常 機械的粉砕によらない方法で解砕し整粒し ものであって、主に単一結晶のコランダム 含む。前記淡紅色アルミナ質研摩材は、ア ミナ質原料に若干量の酸化クロムその他を え電気炉で溶融し、凝固させた塊を粉砕整 したものであって、淡紅色のコランダム結 を含む。前記白色アルミナ質研削材は、高 度アルミナを電気炉で溶融し、凝固させた を粉砕整粒したものであって、純粋な白色 ランダム結晶を含む。前記人造エメリー研 材は、アルミナ質鉱石を電気炉で溶融還元 、凝固させた灰黒色の塊を粉砕整粒したも であって、コランダム結晶およびムライト 晶その他を含む。

 この実施形態に係る軌道溝加工方法では 前記アランダムを含む砥石33A,33Bとして、粒 度40以上70未満の砥石、例えば粒度54の砥石を 使用した。また、軌道溝1a,1b,2a,2bの表面粗さ Ra0.2μm以上1.2μm以下とした。

 比較例として、ロータリードレッサーRD ダイヤモンド粒RDaの突き出し量δ1を0.1mmとし 、このロータリードレッサーRDを使用してセ ミックス系材質の砥石を成形した。この砥 の粒度として例えば粒度70のものを使用し 。この砥石を用いて軌道溝1a,1b(2a,2b)を加工 た場合、同軌道溝1a,1b(2a,2b)が過度に昇温す 場合があった。

 実施形態に係る前記アランダムを含み、 度54の砥石を用いて軌道溝1a,1b(2a,2b)を加工 る場合、軌道溝1a,1b(2a,2b)の肩高さ寸法H1,H2が 大きくなるに従って、砥石33A,33Bの接触箇所 周速大の外径部から周速小の幅面へと近づ が、ダイヤモンド粒RDaの突き出し量δ1を0.1mm より大きく、0.5mm未満としたロータリードレ サーRDを使用して成形した、アランダムを む砥石33A,33Bであって粒度40以上70未満の砥石 33A,33Bを用いることで、軌道溝1a,1b(2a,2b)の加 時における過度の昇温を未然に防止するこ が可能となる。

 なお、軌道溝1a,1b(2a,2b)の過度の昇温を防 するための砥石33A,33Bの材質、粒度、および ドレッサーの条件を適用することにより、軌 道溝1a,1b(2a,2b)の表面粗さは粗くなるが、本製 品は通常1min-1以下の極低速で使用されるため 、発熱の問題はなく使用可能である。

 この旋回軸受は、軸受形式を4点接触玉軸 受とし、かつボール3を複列に配置したため 構成が簡単でありながら定格荷重が大きい 単純計算で、単列の場合に比べて、定格荷 が2倍である。

 また、内外輪1,2の複列の軌道溝1a,1b,2a,2b 同時に加工することにより、軌道溝間距離 相互差δeを小さくでき、各列の軌道溝1a,1b,2a ,2bで荷重を均等に負荷させて、長寿命化を達 成できる。軌道溝間距離の相互差δeは小さい ほど良いが、これを追求しすぎると、生産性 が悪くなり、コスト高になる。そこで、軸受 寿命と生産性やコストとの比較検討の結果、 前記軸受サイズ・仕様の旋回軸受において、 軌道溝間距離の相互差δeを5μm~50μmとした。

 その根拠を以下に記す。前記軸受サイズ 仕様の旋回軸受において、軌道溝間距離の 互差δeが異なる複数の旋回軸受を製作し、 れぞれのボール3と内外輪1,2との各接点Pに 用する応力を測定した。風力発電ブレード 持用旋回軸受は、一般的に安全係数So≧1.5と なるように内部設計されている。風力発電機 の認定精度として広く認知されているロイド (Germanisher Lloyd:GL)にて、上のように規定され いる。なお、安全係数Soは、So=Co/Pomax(Co:基 静定格荷重、Pomax:最大静等価荷重)であらわ れる。この安全係数の規定値に対し、5%の 全率を見込んだ設計品(最大荷重時にSo=1.58と なる設計品)での結果を図7のグラフに示す。 道溝間距離の相互差δeが5μm以下であると、 生産性が悪くなって採算ラインに合わないほ どコストが高くなり、軌道溝間距離の相互差 δeが50μm以上であると、旋回軸受の寿命に問 があることが分かった。そこで、軌道溝間 離の相互差は5μm~50μmの範囲内にあるのが良 いとの結論に至った。特に、軸受の軽量化に は軌道溝間距離の相互差の管理が重要となる 。

 以上の説明のように、この旋回軸受は、 成が簡単で定格荷重が大きく、比較的低コ トで寿命が長いことから、風力発電用ブレ ド支持用の旋回軸受21(図9)またはナセルの ー支持用の旋回軸受22(図9)に適する。風力発 電用以外では、油圧ショベル、クレーン等の 建設機械、工作機械の回転テーブル、パラボ ラアンテナ等に適用できる。

 上記実施形態の軌道溝研削装置11は、内 用のワークW1の円周溝W1a,W1bおよび外輪用ワ クW2の円周溝W2a,W2bを同じ砥石33A,33Bで研削す が、別の砥石で研削してもよい。その場合 、両方の砥石を同一の砥石ドレッサー39で レスする構成とすることにより、内外輪1,2 軌道溝1a,1b,2a,2bを同じ条件で加工するように できる。ドレッサー溝39の溝40A,40Bは別々に製 作された後、溝40A,40Bの上下端面を重ね合わ る方法をとっても良い。

 以上のとおり、図面を参照しながら好適 実施例を説明したが、当業者であれば、本 明細書を見て、自明な範囲内で種々の変更 よび修正を容易に想定するであろう。した って、そのような変更および修正は、請求 範囲から定まる発明の範囲内のものと解釈 れる。

1…内輪
1a,1b…内輪軌道溝
2…外輪
2a,2b…外輪軌道溝
3…ボール
4…保持器
21,22…旋回軸受
31…研削装置
33A,33B…砥石
35…ドレス装置
39…砥石ドレッサー
Dw…ボールの直径
ei…内輪の軌道溝間距離
eo…外輪の軌道溝間距離
δe…軌道溝間距離の相互差
RD…ロータリードレッサー
RDa…ダイヤモンド粒
δ1…突き出し量




 
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