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Patent Searching and Data


Title:
TANNIN ADHESIVE, WOODY COMPOSITE MATERIAL UTILIZING THE SAME AND PROCESS FOR PRODUCING THE WOODY COMPOSITE MATERIAL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/139767
Kind Code:
A1
Abstract:
A tannin adhesive that realizes alignment in one direction, not only within a horizontal plane of right-and-left direction but also in a vertical direction, of an object coated with an adhesive, for example, wood chip or other woody molding material, etc. by an aligning apparatus, leading to good appearance, and that suppresses any deterioration of working environment by dust; a woody composite material excelling in practical strength, provided utilizing the tannin adhesive; and a process for producing the woody composite material. The tannin adhesive is comprised of a mixture of tannin, or modified tannin, or an aqueous solution or aqueous dispersion thereof, a tertiary amine and a slippability enhancing surface modifier, or a mixture of tannin, or modified tannin, or an aqueous solution or aqueous dispersion thereof, and a tertiary amine, and exhibits a pH value of higher than 10 to 13. The woody composite material is one composed of multiple woody molding materials bonded to each other by means of the above tannin adhesive. The woody composite material can be obtained by mixing woody molding materials with the above tannin adhesive, forming a woody mat and carrying out heating and pressurization of the woody mat by penetrating high-temperature steam into the woody mat to thereby harden the tannin adhesive.

Inventors:
SHIMADA MASAKI (JP)
KORI YASUYUKI (JP)
NAKATANI MASAFUMI (JP)
KIKYOTANI SHO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/053742
Publication Date:
November 20, 2008
Filing Date:
March 03, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SEKISUI CHEMICAL CO LTD (JP)
SHIMADA MASAKI (JP)
KORI YASUYUKI (JP)
NAKATANI MASAFUMI (JP)
KIKYOTANI SHO (JP)
International Classes:
C09J193/00; B27D1/10; B27N3/04; C09J11/06; C09J133/06; C09K3/00; C09J109/08
Domestic Patent References:
WO2003037583A12003-05-08
Foreign References:
JP2004231814A2004-08-19
JPH0115911A
JP2006348271A2006-12-28
JP3515099B22004-04-05
JP2006062327A2006-03-09
Attorney, Agent or Firm:
KAWABI, Kenji (6th floor9-7, Higashi-ikebukuro 3-chom, Toshima-ku Tokyo 13, JP)
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Claims:
 タンニンまたは変性タンニン或いはそれらの水溶液若しくは水分散液と第3級アミンと易スリップ性表面改質剤とが配合されてなることを特徴とするタンニン系接着剤。
 易スリップ性表面改質剤が水性合成樹脂エマルションであることを特徴とする請求項1に記載のタンニン系接着剤。
 水性合成樹脂エマルションが変性スチレン-ブタジエン系共重合体エマルションであることを特徴とする請求項2に記載のタンニン系接着剤。
 変性スチレン-ブタジエン系共重合体エマルションがカルボキシル変性のものであることを特徴とする請求項3に記載のタンニン系接着剤。
 水性合成樹脂エマルションが(メタ)アクリル酸エステル系共重合体エマルションであることを特徴とする請求項2に記載のタンニン系接着剤。
 水性合成樹脂エマルションのガラス転移温度が0~20℃であることを特徴とする請求項2に記載のタンニン系接着剤。
 易スリップ性表面改質剤が変性ポリシロキサン化合物であることを特徴とする請求項1に記載のタンニン系接着剤。
 第3級アミンがヘキサメチレンテトラミンであることを特徴とする請求項1に記載のタンニン系接着剤。
 そのpHが7より大きく13以下であることを特徴とする請求項1に記載のタンニン系接着剤。
 易スリップ性表面改質剤の含有割合がタンニンまたは変性タンニンに対し不揮発分として、質量基準で0.01~20%であることを特徴とする請求項1に記載のタンニン系接着剤。
 タンニンまたは変性タンニン或いはそれらの水溶液若しくは水分散液と、第3級アミンとが配合されてなり、かつpHが10より大きく13以下とされていることを特徴とするタンニン系接着剤。
 第3級アミンの含有割合がタンニンまたは変性タンニンに対し、質量基準で1~20%であることを特徴とする請求項1または11に記載のタンニン系接着剤。
 複数の木質系成形材料が請求項1~11のいずれかに記載のタンニン系接着剤によって互いに接着されていることを特徴とする木質系複合材料。
 木質系成形材料が、木質チップであることを特徴とする請求項13に記載の木質系複合材料。
 木質系成形材料と請求項1~11のいずれかに記載のタンニン系接着剤とを混和して木質マットを形成させた後、この木質マットに高温水蒸気を浸透させながら木質マットを加熱及び加圧してタンニン系接着剤を硬化させることを特徴とする木質系複合材料の製造方法。
 木質系成形材料にタンニン系接着剤をスプレー塗布することによって混和させて木質マットを形成させることを特徴とする請求項15に記載の製造方法。
 木質系成形材料が、木質チップであることを特徴とする請求項15または16に記載の製造方法。
 請求項13または14に記載の木質系複合材料を用いることを特徴とする構造材。
Description:
タンニン系接着剤、それを用い 木質系複合材料およびこの木質系複合材料 製造方法

 本発明は、タンニン系接着剤、それを用 た木質系複合材料およびこの木質系複合材 の製造方法に関する。

 木質系成形材料として木材を破砕した細長 木質チップを得たのち、この木質チップに 着剤を付着させ、木質チップをその長手方 に略揃えて配向させてマット状に積層して 質マットを形成し、この木質マットを加熱 圧することによって、木質系複合材料を得 方法が知られている。得られる木質系複合 料は、木質チップを配向させることによっ 曲げ強度が高くなる(例えば、特許文献1参 )。
 木質チップの配向装置としては、木質片を 然落下させ、配向板の間を通過させて配向 る種々の装置が考案されている。例えば、 軸上で複数枚の円盤を一定間隔において配 し、円盤を回転させながらその円盤同士の に木質チップを通過させることによって木 チップを配向する装置や、平行に併設した 数枚の板を配置し、相互に反対方向へ往復 動する板間を木質チップが通過することに って配向するものなどがある。
 上記のように木質チップを接着剤で結合さ てなる木質系複合材料としては、例えば、 板積層材(LVL)、パーティクルボード、ミデ アムデンシティーファイバーボード(MDF)、ハ ードボード等が挙げられる。
 しかしながら、従来の上記木質系複合材料 、使用される木質チップが植物資源からな 再生可能な資源材料であるものの、接着剤 して、一般に再生可能な天然資源ではない フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹 、イソシアネート樹脂などの石油系材料が いられている。したがって、得られる木質 複合材料は、循環型材料とは言えない。

 このような問題を解決する方法として、例 ば、使用済みの廃木材を、リサイクル使用 るために破砕機で破砕されて分級された細 い木質チップと、天然成分であるタンニン 主成分とする接着剤(以下、「タンニン系接 着剤」と記す)を混和し、このタンニン系接 剤を加熱して硬化し、硬化した接着剤で木 チップ同士を結合させて再生可能な資源を 料とする天然型資源からなる木質系複合材 を得る方法が知られている(例えば、特許文 2参照)。得られた木質系複合材料は実用上 分な強度を有することが可能である。
 しかしながら、これらのタンニン系接着剤 使用する場合、接着剤を塗布した木質チッ 等が配向装置において、左右方向の水平面 では一方向に配列されるが、上下方向の垂 面内については配向されにくいし、また、 材料となる木質系成形材料、例えば木材を 砕した木質チップ等の表面に付着させた接 剤が、製造ラインを進む間に粉塵として舞 上がり、作業環境の悪化を引き起こすとい 問題があった。

特開昭63-107507号公報

特許第3515099号公報

 本発明の課題は、従来のタンニン系接着 の問題点に鑑み、接着剤を塗布した被塗工 、例えば木質チップのような木質系成形材 等が配向装置において、左右方向の水平面 だけでなく、上下方向についても一方向に 列され、良好な外観を呈するとともに、粉 による作業環境の悪化を低減できるタンニ 系接着剤、および、該タンニン系接着剤を いた実用強度に優れた木質系複合材料とそ 製造方法を提供することにある。

 本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭 検討した結果、タンニン系接着剤を、タン ンまたは変性タンニン或いはそれらの水溶 若しくは水分散液と第3級アミンと易スリッ プ性表面改質剤とが配合されてなるものとす ることにより、上記課題が達成されることを 見出し、この知見に基づいて本発明をなすに 至った。

 すなわち、本発明の第1の発明によれば、 タンニンまたは変性タンニン或いはそれらの 水溶液若しくは水分散液と第3級アミンと易 リップ性表面改質剤とが配合されてなるこ を特徴とするタンニン系接着剤が提供され 。

 また、本発明の第2の発明によれば、第1 発明において、易スリップ性表面改質剤が 性合成樹脂エマルションであることを特徴 するタンニン系接着剤が提供される。

 また、本発明の第3の発明によれば、第2 発明において、水性合成樹脂エマルション 変性スチレン-ブタジエン系共重合体エマル ョンであることを特徴とするタンニン系接 剤が提供される。

 また、本発明の第4の発明によれば、第3 発明において、変性スチレン-ブタジエン系 重合体エマルションがカルボキシル変性の のであることを特徴とするタンニン系接着 が提供される。

 また、本発明の第5の発明によれば、第2 発明において、水性合成樹脂エマルション (メタ)アクリル酸エステル系共重合体エマル ションであることを特徴とするタンニン系接 着剤が提供される。

 また、本発明の第6の発明によれば、第2の 明において、水性合成樹脂エマルションの ラス転移温度が0~20℃であることを特徴とす タンニン系接着剤が提供される。
 なお、このようなタンニン系接着剤は、第3 ~5のいずれかの発明に対しても適合し得る。 なわち、第3~5のいずれかの発明においても 記第6の発明と同様のタンニン系接着剤とし 得る。換言すれば、このタンニン系接着剤は 、第3~5のいずれかの発明において、水性合成 樹脂エマルションのガラス転移温度が0~20℃ あることで特徴付けられる。

 また、本発明の第7の発明によれば、第1の 明において、易スリップ性表面改質剤が変 ポリシロキサン化合物であることを特徴と るタンニン系接着剤が提供される。
 なお、このようなタンニン系接着剤は、第2 ~6のいずれかの発明に対しても適合し得る。 なわち、第2~6のいずれかの発明においても 記第7の発明と同様のタンニン系接着剤とし 得る。

 また、本発明の第8の発明によれば、第1の 明において、第3級アミンがヘキサメチレン トラミンであることを特徴とするタンニン 接着剤が提供される。
 なお、このようなタンニン系接着剤は、第2 ~7のいずれかの発明に対しても適合し得る。 なわち、第2~7のいずれかの発明においても 記第8の発明と同様のタンニン系接着剤とし 得る。

 また、本発明の第9の発明によれば、第1の 明において、そのpHが7より大きく13以下であ ることを特徴とするタンニン系接着剤が提供 される。
 なお、このようなタンニン系接着剤は、第2 ~8のいずれかの発明に対しても適合し得る。 なわち、第2~8のいずれかの発明においても 記第9の発明と同様のタンニン系接着剤とし 得る。

 また、本発明の第10の発明によれば、第1の 明において、易スリップ性表面改質剤の含 割合がタンニンまたは変性タンニンに対し 揮発分として、質量基準で0.01~20%であるこ を特徴とするタンニン系接着剤が提供され 。
 なお、このようなタンニン系接着剤は、第2 ~9のいずれかの発明に対しても適合し得る。 なわち、第2~9のいずれかの発明においても 記第10の発明と同様のタンニン系接着剤と 得る。

 また、本発明の第11の発明によれば、タ ニンまたは変性タンニン或いはそれらの水 液若しくは水分散液と第3級アミンとが配合 れてなり、かつpHが10より大きく13以下とさ ていることを特徴とするタンニン系接着剤 提供される。

 また、本発明の第12の発明によれば、第1ま は11の発明において、第3級アミンの含有割 がタンニンまたは変性タンニンに対し、質 基準で1~20%であることを特徴とするタンニ 系接着剤が提供される。
 なお、このようなタンニン系接着剤は、第2 ~10のいずれかの発明に対しても適合し得る。 すなわち、第2~10のいずれかの発明において 上記第12の発明と同様のタンニン系接着剤と し得る。

 また、本発明の第13の発明によれば、複数 木質系成形材料が第1~11のいずれかの発明の ンニン系接着剤によって互いに接着されて ることを特徴とする木質系複合材料が提供 れる。
 なお、このような木質系複合材料は、第12 発明に対しても適合し得る。すなわち、第12 の発明のタンニン系接着剤についても上記第 13の発明と同様の木質系複合材料とし得る。

 また、本発明の第14の発明によれば、第13 の発明において、木質系成形材料が、木質チ ップであることを特徴とする木質系複合材料 が提供される。

 また、本発明の第15の発明によれば、木質 成形材料と第1~11のいずれかの発明のタンニ 系接着剤とを混和して木質マットを形成さ た後、この木質マットに高温水蒸気を浸透 せながら木質マットを加熱及び加圧してタ ニン系接着剤を硬化させることを特徴とす 木質系複合材料の製造方法が提供される。
 なお、このような製造方法は、第12の発明 対しても適合し得る。すなわち、第12の発明 のタンニン系接着剤についても上記第15の発 と同様の製造方法とし得る。

 また、本発明の第16の発明によれば、第15 の発明において、木質系成形材料にタンニン 系接着剤をスプレー塗布することによって混 和させて木質マットを形成させることを特徴 とする製造方法が提供される。

 また、本発明の第17の発明によれば、第15の 発明において、木質系成形材料が、木質チッ プであることを特徴とする製造方法が提供さ れる。
 なお、このような製造方法は、第16の発明 対しても適合し得る。すなわち、第16の発明 においても上記第17の発明と同様の製造方法 し得る。

 また、本発明の第18の発明によれば、第13の 発明の木質系複合材料を用いることを特徴と する構造材が提供される。
 なお、このような構造材は、第14の発明に しても適合し得る。すなわち、第14の発明の 木質系複合材料についても上記第18の発明と 様の構造材とし得る。

 本発明の接着剤によれば、接着剤塗布後 被塗工物、例えば木質チップのような木質 成形材料の表面の摩擦抵抗が下がり、自重 よる傾倒により左右方向の水平面内だけで く、上下方向についても一方向に配列させ ことができ、良好な外観を呈せしむるし、 た、木質チップ等の木質系成形材料の表面 付着させた接着剤の凝集力が増し、製造ラ ンを流れる間に飛散される粉塵量を大幅に 制でき、作業環境の悪化を低減できるとい 顕著な効果が奏される。

 また、本発明の木質系複合材料によれば、 数の木質系成形材料が、本発明の接着剤に って互いに接着され、天然資源を主原料と ているので、再生可能になるとともに、タ ニン系接着剤には有害な触媒などが用いら ていないので、有害物、例えば揮発性物質 が発生しないという顕著な効果が奏される
 また、本発明の木質系複合材料の製法によ ば、木質系成形材料と、本発明の接着剤と 混和物によって木質マットを形成し、この 質マットに高温水蒸気を浸透させながら木 マットを加熱及び加圧してタンニン系接着 を硬化させるようにしたので、木質系複合 料が厚肉であってもプレスサイクルを短く き、生産性を向上させるという顕著な効果 奏される。

 本発明の接着剤において主組成成分として いられるタンニンは、木材からの抽出物で り、木質系成形材料との親和性が良く、適 な粘着性を有し、更に、硬化すると高強度 なる。
 タンニンが抽出される木材は特に限定され いが、ラジアータパインやミモザ(別称:ワ トル、アカシア)、ケブラチョから採取され 縮合型タンニンが好ましい。これらのタン ンは単独で用いても2種類以上を併用しても よい。
 タンニンを抽出する樹木の樹齢は特に限定 れるものではないが、例えばミモザの場合 は樹齢8~10年のものが接着剤としての性能や 生産性から好ましい。生産地についても特に 限定されるものではないが、例えばミモザの 場合には南米やアフリカ産のものが好ましく 、ケブラチョの場合には南米産のものが好ま しい。

 タンニンには糖などの不純物が混入してい も特に問題にはならないが、高強度の木質 複合材料を得ようとする場合には、不純物 少ない方がよい。タンニンの純度は例えばS tiasny Value(以下、「SV」と記す)で評価するこ ができ、SVは好ましくは50以上、より好まし くは70以上である。
 なお、上記SVは、例えば以下のようにして めることができる。
 すなわち、予め乾燥した試料(樹皮抽出物、 或いは標準カテキン)を、容量25mlの丸底フラ コに約100mg秤取り、蒸留水10ml、37%ホルムア デヒド水溶液2ml、塩酸(10規定)1mlをこの順に 添加した後、フラスコを加熱し、30分間沸騰 せる。加熱後直ちに、予め質量を測定した ラスフィルターで試料を一気にろ過し、熱 、メタノールで順次洗浄する。ガラスフィ ターを105℃のオーブンで一晩乾燥させ、質 を測定し、残渣質量を算出する。そして、 下の式を用いて算出する。なお、値の補正 ために、標準カテキンのSVも測定する。
 SV=(残渣質量/試料質量)×(104.1/標準カテキン SV)×100

 タンニンは、木材から抽出したままのもの 用いてもよいが、接着剤としての性能や粘 等で改質の必要がある場合には変性して改 した変性タンニンとして用いてもよい。以 、タンニンや変性タンニンを総称して(変性 )タンニンということもある。
 (変性)タンニンは、粉体のまま取り扱って よいが、取扱いやすさや接着剤に用いて得 れる木質系複合材料の性能等を考慮すると に溶解又は分散させ液状で使用することが ましい。この場合、(変性)タンニン濃度は20 量%~70質量%が好ましい。粘度については10,00 0cps以下が好ましく、木質系成形材料との混 を接着剤のスプレー塗布によって行う場合 は2,000cps以下が取扱い易く好ましい。

 本発明の接着剤において用いられる易スリ プ性表面改質剤としては水性のものであれ 特に限定されず、その例の一つとして、ア リル酸系、アクリル酸エステル系、メタク ル酸系、メタクリル酸エステル系、酢酸ビ ル系、塩化ビニル系、スチレン系、エチレ 系、ブタジエン系、ビニルピリジン系、ア リロニトリル系、ウレタン系等の合成樹脂 マルションや、それらの変性物、例えばカ ボキシル変性物、エーテル変性物、エステ 変性物等や、共重合物などが挙げられ、中 もカルボキシル変性等の変性スチレンブタ ェン系共重合体エマルション、アクリロニ リル-ブタジエン系共重合体エマルション、 (メタ)アクリル酸エステル系共重合体エマル ョンなどが好ましい。
 また、他の例として、ポリエーテル変性ポ ジメチルシロキサン、ポリエーテル変性ポ メチルアルキルシロキサン、ポリエーテル 性シロキサン、ポリエステル変性ポリジメ ルシロキサン等の変性ポリシロキサン化合 などのシリコン系化合物が挙げられる。
 易スリップ性表面改質剤は、単独で用いて 、2種類以上を併用してもよい。

 本発明の接着剤において、易スリップ性表 改質剤の含有割合は、タンニンまたは変性 ンニンに対し不揮発分として、配列の面か は、質量基準で通常0.01~20%であって、シリ ン系化合物の場合には、好ましくは0.01~5%、 り好ましくは0.01重量~1重量%、それ以外の場 合には、好ましくは3~15%、より好ましくは5~10 %であり、この割合が0.01%未満では上下方向に 充分に配向させることができず、また、20%を 超えても接着剤に占めるタンニンの比率が下 がってしまい、十分な硬化強度が得られにく くなるし、また、粉塵抑止の面からは、質量 基準で通常1~20%、好ましくは3~15%、より好ま くは5~10%であり、この割合が1%未満では粉塵 発生を十分には抑えにくくなるし、また、2 0%を超えても接着剤に占めるタンニンの比率 下がってしまい、十分な硬化強度が得られ くくなる。
 また、合成樹脂エマルションは、ガラス転 温度が通常-10~30℃、好ましくは0~20℃である のがよい。この温度が低すぎても、また、高 すぎても粉塵の発生を十分には抑えにくくな る。

 本発明の接着剤において用いられる第3級ア ミンは、(変性)タンニンを架橋・硬化するた の硬化剤として作用する。
 第3級アミンとしては、例えばトリエチルア ミン、トリエチルテトラミン、トリブチルア ミン、ジエチレントリアミン、ヘキサメチレ ンテトラミン、ジエチルアミノプロピルアミ ン等の脂肪族第3級アミン、ベンジルジメチ アミン、ジメチルアミノメチルフェノール ジメチルアニリン等の芳香族第3級アミン等 挙げられる。
 これらの第3級アミンは単独で用いても2種 以上を併用してもよいが、ヘキサメチレン トラミンを用いるのが、後述の木質複合材 を高強度なものとすることができ、生産性 すぐれ、有害な揮発性物質が発生せず、さ に材料コストが安価であるので、好ましい
 ヘキサメチレンテトラミンは粉体状のもの もペレット状のものでもどちらでもよい。
 本発明の接着剤において、第3級アミンの含 有割合は、タンニンまたは変性タンニンに対 し、質量基準で通常1~20%、好ましくは2~15%、 り好ましくは3~10%である。この割合が1%未満 は(変性)タンニンの硬化が進行しにくく実 上十分な接着強度が発現しないおそれがあ し、また、20%を超えても硬化反応が早すぎ プレス機投入前に硬化してしまうおそれが り、また経済性が悪くなってしまうことと る。

 本発明の接着剤は、pHがアルカリ性である がよく、さらには第3級アミンと易スリップ 表面改質剤とを配合する場合にはpHが7より きく13以下、中でも7より大きく12以下であ のが好ましい。また、易スリップ性表面改 剤を配合しない場合においては、pHを10より きく13以下、さらには10より大きく12以下と ることが好ましい。
 タンニンの水溶液は通常pH4~7程度であるが タンニン水溶液は、pHを調整することでタン ニン系接着剤の反応性や物性を調整すること ができる。
 本発明の接着剤においてpHをアルカリ性に ることによって、接着剤の反応速度を適度 遅延させることができ、接着剤の取り扱い しやすくなり、また、接着剤を木質系成形 料に供して得られる木質複合材料について その生産性と性能の向上に資するものとな 。これは、例えば、接着剤のpHが酸性の場合 には、反応が早すぎてプレス機投入前に硬化 してしまうことがあるのに対し、pHがアルカ 性であることから適度な反応速度となるた に、接着剤配合後、プレス機に投入するま には接着剤の硬化は起こらず、プレス機で 熱加圧した時に初めて硬化することに如実 示される。
 また、接着剤のpHが酸性の場合には、接着 を加熱硬化させる時に第3級アミンの過剰な 解が起こり有害な揮発性物質が発生するお れがあるが、pHをアルカリ性にすることに って、接着剤を加熱硬化させる時に第3級ア ンの過剰な分解が抑えられるので有害な揮 性物質が発生しにくくなる。

 また、プレス時に高温水蒸気を作用させ ことにより木質系成形材料中のヘミセルロ スが加水分解されることで、木質系成形材 の軟化が起こるが、その際の加水分解がpH アルカリ性にすることによって更に促進さ 、容易に軟化されるようになる。この軟化 用によって、低いプレス圧力であっても木 チップの圧密が可能となり、製品の厚さ方 の密度を均一にすることができ、耐水性が くなり、さらに、プレス時の圧力を下げる とができるので好ましい。更にその結果と て強度や耐水性などの製品性能が良くなる

 もっとも、pHが13より大きくなり、アルカリ 性が強くなりすぎると、取り扱いに注意する 必要があるし、また、木材成分(例えば、ヘ セルロース)が軟化を通り越して一部分解し 変性し、木質複合材料が黒く着色するおそ があるので好ましくない。
 タンニンが水溶液として供される場合、そ pHは硬化剤と混合する前に予め調整してお ことが好ましい。pHを調整するアルカリにつ いては特に限定されないが、好ましくは水酸 化ナトリウムや水酸化カリウムなどが挙げら れる。

 また、本発明の接着剤は、必要に応じ、所 の目的を損なわない範囲で、この種接着剤 通常用いられる各種添加剤を含有させても い。この添加剤としては、例えば、トルエ 、キシレン、メタノール、エチレングリコ ル、ポリエチレングリコール等の有機溶剤; フタル酸エステル等の可塑剤;造膜剤;クレー 炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、タルク マイカ、ケイ酸粉末等の体質顔料;小麦粉、 コーンスターチ、木粉、ヤシ殻粉等の充填剤 または増量剤;酸化チタン等の着色顔料;染料; 増粘剤;粘性改質剤;分散剤;乳化剤;尿素等の 潤剤;消泡剤;凍結防止剤;防腐剤;防かび剤;防 虫剤;防錆剤;その他改質のための試薬等を挙 ることができる。
さらに、本発明の接着剤には、強度の補強、 粘性、機械的特性等を改善するために、フェ ノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エ ポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹 脂、アルキド樹脂等やそのプレポリマー、そ して澱粉、キトサン、リグニン、レゾルシノ ール等を含有させてもよい。

 本発明の接着剤は、木材チップ、ベニア の木質材料を相互に接着して、木質パネル の木質系複合材料を製造する用途に供する とができ、揮発性物質の低減された木質系 合材料を得ることができる。前記木質系複 材料は、種々の形状のものとすることがで 、また、種々の用途に供することができ、 えばインシュレーションボード、パーティ ルボード、ハードボード、配向性ボード(OSB )、ウェハーボード、中密度繊維板(MDF)等のい わゆる木質ボード類、合板、単板積層材(LVL) 集成材、突き板化粧板、構造材等として用 られ、特に構造材、例えば柱、梁、土台、 太、大引、桁、母屋、垂木、棟木、筋交い 火打などに適している。

 本発明の木質系複合材料は、複数の木質 成形材料が上記タンニン系接着剤によって いに接着されていることで特徴付けられる のである。

 本発明の木質系複合材料は、木質系成形 料と上記タンニン系接着剤とを混和して木 マットを形成させた後、この木質マットに 温水蒸気を浸透させながら木質マットを加 及び加圧してタンニン系接着剤を硬化させ ことによって製造することができる。

 木質系成形材料としては、特に限定されな が、木質チップが好ましい。
 上記木質チップの形状については特に限定 れず、例えば、ブロック状、平板状、スト ンド状、フレーク状、チップ、木粉、ファ バーなどが挙げられる。
 木質系成形材料の原料材の樹種としては、 ギ、ヒノキ、マツ、スプルース、ファーな の針葉樹類や、シラカバ、アピトン、セン ンラウト、アスペンなどの広葉樹類が挙げ れるが、これらの樹木だけでなく竹、コウ ャンといった植物材料をも含めることがで る。

 原料材の形態としては、上記樹種の丸太 間伐材等の生材料、工場や住宅建築現場で 生する端材、部材輸送後に廃棄される廃パ ット材、建築解体時に発生する解体廃材等 挙げられる。特に、解体廃材、廃パレット 、間伐材、製材時に発生する端材、燃料や 紙用原料として使用される木質材料等のリ イクル材が好ましい。

 上記原料材を木質チップに加工する方法 しては、ハンマーミル、表面に刃物のつい ロールを回転させて木材を破砕する一軸破 機、回転刃がかみ合った構造の二軸もしく 多軸破砕機等の破砕機が使用されるが、ベ ア加工をしたものを割り箸状に切断してス ックにするロータリーカッター、丸太など 回転刃で切削してストランドにするフレー ー等も使用できる。特に原料としてリサイ ル材料を使用する場合、異物が混入しやす ので回転刃の耐久性を考慮して、破砕機が ましい。

 上記の方法で得られた木質チップはサイズ バラツキがあるので、分級工程によって所 のサイズに揃えるのが好ましい。
 この際の分級方法としては、ローラースク ーン方式、振動メッシュ方式、風選方式等 あり、必要に応じて使い分ければよい。
 上記木質チップの大きさは特に限定されな が、強度・弾性率が必要な場合には長さを2 0mm以上150mm以下とするのが好ましい。長さが すぎると製品の強度・弾性率が低くなって まうし、また、長すぎても強度ばらつきが きくなってしまうおそれがある。

 また、木質系成形材料は、予め含水率を一 範囲に調整しておくことが好ましい。すな ち、含水率を一定にすることで生産時の成 品の品質バラツキがなくなる。
 木質系成形材料の含水率は、0~14質量%に調 することが好ましく、さらにタンニン系接 剤を水溶液として使用する場合には0~10質量% に調整することが好ましい。タンニン系接着 剤を水溶液として使用する場合、含水率が10 量%を超えると製造直後の木質複合材料の含 水率が高くなってしまい、出荷するまでに長 期間の養生を必要とするおそれがある。

 含水率が調整された木質系成形材料は、上 接着剤と混和されるが、接着剤の混和量は 木質系成形材料の密度、形状、表面状態に よるが、通常、木質系成形材料の質量に対 て、タンニンの固形分で換算して1~20質量% することが好ましい。
 上記木質系成形材料と接着剤とを混和させ 方法としては、木質系成形材料と接着剤を ンシェルミキサー(ヘンシェル社製、高速混 合機)のような高速ミキサーに投入して混和 る方法が挙げられ、また、接着剤が液体の 合には、例えばコンベア上やドラムブレン ー内等で木質系成形材料に対し、スプレー 布を施すなどして、木質系成形材料の表面 接着剤を付着させ、混和物とする方法等が げられ、木質系成形材料が板材やブロック の部材の場合は、刷毛塗りやローラー塗り 法等が挙げられる。
 このようにして得られた混和物は積層させ 木質マットに形成され、木質マットを加熱 び加圧すれば、均一で安定した強度の木質 複合材料が得られる。

 木質系成形材料を一方向に配向させる必要 ある場合には、一定間隔に分割されたフォ ミング型や、オリエンテッドストランドボ ド(OSB)等の製造で用いられるディスクオリ ンター等の配向積層装置が用いられる。
 そして、上記木質マットは加熱しながらプ ス成形することで、接着剤が硬化し木質系 合材料となる。

 本発明にかかる木質系複合材料の製造方法 、上記のようにして木質マットを形成し、 の木質マットに高温水蒸気を浸透させなが 木質マットを加熱及び加圧してタンニン系 着剤を硬化させることを特徴としている。
 すなわち、木質マットの内部に高温水蒸気 浸透させながら加熱及び加圧するプレス装 、例えば一般的な蒸気プレス装置の加圧盤 間に配置して加圧及び加熱成形することが ましい。加熱と加圧とは同時に行ってもよ し、加圧をした後に加熱をしてもよいし、 熱した後に加圧してもよい。高温水蒸気を 質マットの内部に浸透させる方法としては 特に限定されないが、高温水蒸気を木質マ トに噴射する方法が一般的である。噴射は 木質マットが蒸気プレス機の加圧盤の間に 置されている間であれば、どのタイミング 噴射してもよい。加熱温度は100℃~250℃が好 ましく、それゆえ高温水蒸気の温度は100℃~25 0℃が好ましい。また、加圧板による加圧圧 は、1~10MPaが好ましい。また、加熱・加圧処 は、接着剤が硬化する時間だけ行えばよい

 以下、実施例により比較例と対比させな ら本発明をさらに詳しく説明するが、本発 はこれらの例によって何ら限定されるもの はない。

実施例1
 タンニンとしては、SV82のミモザタンニンを 使用し、タンニン系接着剤を以下のようにし て調製した。
 まず、タンニンの粉体を約40℃の温水に濃 40質量%になるように溶解させた。その後、 度48質量%の水酸化ナトリウム水溶液でpH10に 整した。そこへ、あらかじめ10:5.5(水溶液ベ ース)の割合で混合しておいた変性スチレン タジエン系共重合体エマルション(日本ゼオ 社製、商品名「Nipol LX430」、ガラス転移温 12℃、不揮発分49%)とヘキサメチレンテトラ ンの40質量%水溶液の混合液を、タンニン水 液100質量部に対し10質量部になるように配 し、接着剤を調製した。調製した接着剤中 タンニンに対する変性スチレンブタジエン 共重合体エマルションの含有割合は、不揮 分換算で8質量%であった。
 上記接着剤をMDF板(100×100mm、厚さ7mm)にスプ ーガン(アネスト岩田社製、商品名「W-100 13 1G」)により3g(接着剤ベース)スプレー塗布し 室温にて24時間乾燥後、評価サンプルとした 。

実施例2
 タンニンの粉体を温水に溶解させるのを濃 45質量%になるようにするとともに、変性ス レンブタジエン系共重合体エマルションと キサメチレンテトラミン水溶液の混合液の ンニン水溶液100質量部に対する配合量を15.5 質量部になるようにしたこと以外は実施例1 同様にして接着剤を調製し、評価サンプル 作製した。調製した接着剤中のタンニンに する変性スチレンブタジエン系共重合体エ ルションの含有割合は、不揮発分換算で11質 量%であった。

実施例3
 タンニンとしては、SV82のミモザタンニンを 使用し、タンニン系接着剤を以下のようにし て調製した。
 まず、タンニンの粉体を約40℃の温水に濃 40質量%になるように溶解させた。その後、 度48質量%の水酸化ナトリウム水溶液でpH10に 整した。そこへ、あらかじめ5.5:0.38:10(水溶 ベース)の割合で混合しておいたヘキサメチ レンテトラミンの40質量%水溶液、易スリップ 性表面改質剤としてのポリエーテル変性ポリ ジメチルシロキサン(ビックケミー・ジャパ 社製、商品名「BYK-333」)およびスチレンアク リル酸エステル系共重合体エマルション(昭 高分子社製、商品名「ポリゾールAP-3760N」、 ガラス転移温度12℃、不揮発分50%)の混合液を 、タンニン水溶液100質量部に対し11質量部に るように配合し、接着剤を調製した。調製 た接着剤中のタンニンに対するポリエーテ 変性ポリジメチルシロキサンとスチレンア リル酸エステル系共重合体エマルションの 有割合は、不揮発分換算で9質量%であった
 上記接着剤をMDF板(100×100mm、厚さ7mm)にスプ ーガン(アネスト岩田社製、商品名「W-100 13 1G」)により3g(接着剤ベース)スプレー塗布し 室温にて24時間乾燥後、評価サンプルとした 。

実施例4
 タンニンとしては、SV82のミモザタンニンを 使用し、タンニン系接着剤を以下のようにし て調製した。
 まず、タンニンの粉体を約40℃の温水に濃 45質量%になるように溶解させた。その後、 度48質量%の水酸化ナトリウム水溶液でpH10に 整した。そこへ、あらかじめ10:5.5(水溶液ベ ース)の割合で混合しておいたスチレンアク ル酸エステル系共重合体エマルション(昭和 分子社製、商品名「ポリゾールAP-3760N」、 ラス転移温度12℃、不揮発分50%)とヘキサメ レンテトラミンの40質量%水溶液の混合液を い、タンニン水溶液100質量部に対して混合 が15.5質量部になるように配合し、接着剤を 製した。調製した接着剤中のタンニンに対 るスチレンアクリル酸エステル系共重合体 マルションの含有割合は、不揮発分換算で1 1質量%であった。
 上記接着剤をMDF板(100×100mm、厚さ7mm)にスプ ーガン(アネスト岩田社製、商品名「W-100 13 1G」)により3g(接着剤ベース)スプレー塗布し 室温にて24時間乾燥後、評価サンプルとした 。

実施例5
  タンニンとしては、SV82のミモザタンニン 使用し、タンニン系接着剤を以下のように て調製した。
 まず、タンニンの粉体を約40℃の温水に濃 45質量%になるように溶解させた。その後、 度48質量%の水酸化ナトリウム水溶液でpH11に 整した。そこへ、ヘキサメチレンテトラミ の40質量%水溶液を、タンニン水溶液100質量 に対して5.5質量部になるように配合し、接 剤を調製した。
 上記接着剤をMDF板(100×100mm、厚さ7mm)にスプ ーガン(アネスト岩田社製、商品名「W-100 13 1G」)により3g(接着剤ベース)スプレー塗布し 室温にて24時間乾燥後、評価サンプルとした 。

比較例1
 タンニンとしては、SV82のミモザタンニンを 使用し、タンニン系接着剤を以下のようにし て調製した。
 まず、タンニンの粉体を約40℃の温水に濃 40質量%になるように溶解させた。その後、 度48質量%の水酸化ナトリウム水溶液でpH10に 整した。そこへ、ヘキサメチレンテトラミ の40質量%水溶液を、タンニン水溶液100質量 に対し3.75質量部になるように配合し、接着 剤を調製した。
 上記接着剤をMDF板(100×100mm、厚さ7mm)にスプ ーガン(アネスト岩田社製、商品名「W-100 13 1G」)により3g(接着剤ベース)スプレー塗布し 室温にて24時間乾燥後、評価サンプルとした 。

比較例2
 タンニンとしては、SV82のミモザタンニンを 使用し、タンニン系接着剤を以下のようにし て調製した。
 まず、タンニンの粉体を約40℃の温水に濃 45質量%になるように溶解させた。その後、 度48質量%の水酸化ナトリウム水溶液でpH10に 整した。そこへ、ヘキサメチレンテトラミ の40質量%水溶液を、タンニン水溶液100質量 に対し5.5質量部になるように配合し、接着 を調製した。
 上記接着剤をMDF板(100×100mm、厚さ7mm)にスプ ーガン(アネスト岩田社製、商品名「W-100 13 1G」)により3g(接着剤ベース)スプレー塗布し 室温にて24時間乾燥後、評価サンプルとした 。

 実施例1~5、比較例1~2により得られたサン ルは、引張試験機(エー・アンド・デイ社製  品番「テンシロンUCT-5T」)により接着剤付着 面同士の摩擦係数測定を引張速度「100mm/min」 の測定条件下で行った。その結果を表1に示 。

 実施例1~5、比較例1~2により得られたサン ルは、接着剤の剥がれにくさを評価するた 、テーバー式摩耗試験機(テスター産業社製  品番「AB-101」)によりJIS K 5600-5-9に基づく 摩耗性評価を行った。試験条件は磨耗輪「CS -10」、付加加重「500g」、回転数「200回転」 より行った。測定結果を表2に示す。

実施例6
 木質系複合材料を、以下の製造プロセスで 形した。
 木質系成形材料として、木材廃棄物を一軸 砕機にて破砕したボード用の木質チップ(木 材廃棄物処理業者より購入したもの。)を、 ーラースクリーン方式であるウエーブロー ースクリーン装置(たいへい社製)を用いて、 厚さ又は幅1mm~8mmの木質チップに分級した。 質チップは含水率6質量%となるように調整し た。
 タンニン系接着剤としては実施例3で調製し たものを使用した。
 木質チップとタンニン系接着剤とを、前者1 00質量部に対して後者(溶液ベース)15.5質量部 なるように計量するとともに、木質チップ ドラムブレンダーに投入した状態でタンニ 系接着剤を噴霧して木質チップと接着剤と 混和し、木質チップ表面にタンニン系接着 が付着した混和物を得た。
 次にこの混和物を配向積層して木質マット 調製した。この木質マットを、蒸気プレス の加圧盤の間に配設し、180℃の高温水蒸気 噴射しながら、加圧盤による加圧圧力0.9MPa 加熱加圧して比重0.75の木質系複合材料を得 た。

比較例3
 実施例6で用いたタンニン系接着剤に代えて 比較例1で調製したタンニン系接着剤を用い 以外は実施例6と同様にして木質系複合材料 得た。

 実施例6、比較例3により行われた製造プ セスにおいて、目視にて木質チップの上下 向の配向状態及び外観状態を確認した。ま 、成形後の木質系複合材料について四点曲 試験(建築基準法 告示1446号試験法)による曲 げ強度を測定した。これらの結果を表3に示 。

 実施例1~5においても、実施例6と同様、配向 状態及び外観状態ともに良好であり、曲げ強 度にも優れることが確認された。

実施例7
 木質系複合材料を、以下の製造プロセスで 形した。
 木質系成形材料として、木材廃棄物を一軸 砕機にて破砕したボード用の木質チップ(木 材廃棄物処理業者より購入したもの。)を、 ーラースクリーン方式であるウエーブロー ースクリーン装置(たいへい社製)を用いて、 厚さ又は幅1mm~8mmの木質チップに分級した。 質チップは含水率6質量%となるように調整し た。
 タンニン系接着剤としては実施例2で調製し たものを使用した。
 木質チップとタンニン系接着剤とを、前者1 00質量部に対して後者(溶液ベース)15.5質量部 なるように計量するとともに、木質チップ ドラムブレンダーに投入した状態でタンニ 系接着剤を噴霧して木質チップと接着剤と 混和し、木質チップ表面にタンニン系接着 が付着した混和物を得た。
 次にこの混和物を配向積層して木質マット 調製した。この木質マットを、蒸気プレス の加圧盤の間に配設し、180℃の高温水蒸気 噴射しながら、加圧盤による加圧圧力0.9MPa 加熱加圧して比重0.75の木質系複合材料を得 た。

比較例4
 実施例7で用いたタンニン系接着剤に代えて 比較例2で調製したタンニン系接着剤を用い 以外は実施例7と同様にして木質系複合材料 得た。

 実施例7、比較例4により行われた製造プ セスにおいて、大気サンプリングポンプ(ジ エルサイエンス社製 品番「SP208-10L」)によ 粉塵濃度の測定を行った。測定条件は吸引 度「10L/分」、吸引時間「30分」により行っ 。また、成形後の木質系複合材料について 点曲げ試験(建築基準法 告示1446号試験法) よる曲げ強度を測定した。これらの測定結 を表4に示す。

 本発明の接着剤によれば、接着剤塗布後 被塗工物、例えば木質チップのような木質 成形材料の表面の摩擦抵抗が下がり、自重 よる傾倒により左右方向の水平面内だけで く、上下方向についても一方向に配列させ ことができ、良好な外観を呈せしむるとと に、木質チップ等木質系成形材料の表面に 着させた接着剤の凝集力が増し、製造ライ を流れる間に飛散される粉塵量を大幅に抑 でき、作業環境の悪化を低減できるし、ま 、本発明の木質系複合材料によれば、複数 木質系成形材料が、本発明の接着剤によっ 互いに接着され、天然資源を主原料として るので、再生可能になるとともに、タンニ 系接着剤には有害な触媒などが用いられて ないので、有害物、例えば揮発性物質等が 生しないし、また、本発明の木質系複合材 の製法によれば、木質系成形材料と、本発 の接着剤との混和物によって木質マットを 成し、この木質マットに高温水蒸気を浸透 せながら木質マットを加熱及び加圧してタ ニン系接着剤を硬化させるようにしたので 木質系複合材料が厚肉であってもプレスサ クルを短かくでき、生産性を向上させうる で、産業上大いに有用である。