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Patent Searching and Data


Title:
TAPPING SCREW
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/101751
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a tapping screw which ensures smooth plastic flow of a partner material when the tapping screw is screwed into the partner material for tapping, and does not cause cutting or destruction of the internal structure of the partner material nor notch effect at the root of an internally threaded screw which is formed in the partner material. In the longitudinal section of a tapping screw (1) including the shank (2) thereof, the portion (5a) on the bottom side of a root (5) formed between threads (4) has an arcuate shape, the portion (4a) on the ridge side of the thread (4) also has an arcuate shape, and the bottom side portion (5a) and the ridge side portion (4a) are connected directly so that a linear portion is not provided therebetween or a linear portion having a length equal to or less than 20% of the height of the thread (4) is provided between the bottom side portion (5a) and the ridge side portion (4a).

Inventors:
ETO JUN (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/073049
Publication Date:
August 20, 2009
Filing Date:
December 18, 2008
Export Citation:
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Assignee:
ETO CO LTD (JP)
ETO JUN (JP)
International Classes:
F16B25/04
Foreign References:
JPS57190118U1982-12-02
JPH04126008U1992-11-17
JP2007315609A2007-12-06
JP2002242915A2002-08-28
JP2005114085A2005-04-28
Attorney, Agent or Firm:
OHMORI, Izumi (22-1 Shiba 2-chom, Kawaguchi-shi Saitama 66, JP)
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Claims:
 軸部と、この軸部の外周に設けられたねじ山とを有するタッピンねじであって、
 前記軸部の軸線を含む縦断面において、ねじ山間に形成される谷の谷底側部分が円弧状をなしているとともに、前記ねじ山の山頂側部分も円弧状をなしており、
 前記谷の谷底側部分と前記ねじ山の山頂側部分とは直接つながれていてこの両者間には直線状部は存在しないか、またはこの両者間に前記ねじ山の高さ(h)の20%以下の長さの直線状部が設けられているタッピンねじ。
 前記軸部の軸線を含む縦断面において、前記谷の谷底側部分と前記ねじ山の山頂側部分との間に前記ねじ山の高さ(h)の10%以下の長さの直線状部が設けられている請求項1記載のタッピンねじ。
 前記軸部の軸線を含む縦断面において、前記ねじ山の山頂側部分がなす円弧の半径(R C )は、前記ねじ山の山の高さ(h)の5%以上とされている請求項1または2記載のタッピンねじ。
 前記軸部の軸線を含む縦断面において、前記ねじ山の山頂側部分がなす円弧の半径(R C )は、前記ねじ山の山の高さ(h)の10~20%とされている請求項1または2記載のタッピンねじ。
 山の高さが高いねじ山と山の高さが低いねじ山との2条のねじ山を有し、
 前記軸部の軸線を含む縦断面において、前記高いねじ山と前記低いねじ山との間に形成される谷の谷底側部分が円弧状をなしているとともに、前記高いねじ山および前記低いねじ山の山頂側部分もそれぞれ円弧状をなしており、
 前記谷の谷底側部分と前記高いねじ山の山頂側部分とは直接つながれていてこの両者間には直線状部は存在しないか、またはこの両者間に前記高いねじ山の高さ(h H )の20%以下の長さの直線状部が設けられており、
 前記谷の谷底側部分と前記低いねじ山の山頂側部分とは直接つながれていてこの両者間には直線状部は存在しないか、またはこの両者間に前記低いねじ山の高さ(h L )の20%以下の長さの直線状部が設けられている請求項1記載のタッピンねじ。
 前記軸部の軸線を含む縦断面において、前記谷の谷底側部分と前記高いねじ山の山頂側部分との間には前記高いねじ山の高さ(h H )の10%以下の長さの直線状部が設けられており、
 前記谷の谷底側部分と前記低いねじ山の山頂側部分との間には前記低いねじ山の高さ(h L )の10%以下の長さの直線状部が設けられている請求項5記載のタッピンねじ。
 前記低いねじ山のねじ山の角度(A L )は前記高いねじ山のねじ山の角度(A H )より大きくされている請求項5または6記載のタッピンねじ。
 前記低いねじ山のねじ山の角度(A L )は前記高いねじ山のねじ山の角度(A H )より1.5~3倍大きくされており、
 前記軸部の軸線を含む縦断面において、前記高いねじ山の山頂側部分がなす円弧の半径(R HC )は前記高いねじ山の山の高さ(h H )の5~30%とされ、前記低いねじ山の山頂側部分がなす円弧の半径(R LC )は前記低いねじ山の山の高さ(h L )の20~70%とされている請求項7記載のタッピンねじ。
 前記低いねじ山のねじ山の角度(A L )は前記高いねじ山のねじ山の角度(A H )より1.5~2.5倍大きくされており、
 前記軸部の軸線を含む縦断面において前記高いねじ山の山頂側部分がなす円弧の半径(R HC )は前記高いねじ山の山の高さ(h H )の10~20%とされ、前記低いねじ山の山頂側部分がなす円弧の半径(R LC )は前記低いねじ山の山の高さ(h L )の40~50%とされている請求項7記載のタッピンねじ。
Description:
タッピンねじ

 本発明は、ねじ自身でねじ立てができる 結用ねじ、すなわちタッピンねじに関する

 従来の通常のタッピンねじにおいては、 の軸部の軸線を含む縦断面において見ると フランク(ねじ山の斜面)および谷底は直線 をなしており、ねじ山の山頂付近は尖った ッジを構成していた。なお、ねじ山の山頂 およびフランクと谷底とが交わる部分には 僅かな丸みが付けられていたが、これらの かな丸みは、ねじの性能を向上させること 目的としたものではなく、主として加工工 の耐寿命の向上等のねじ製造上のため、お びエッジによる作業者への危害防止のため のためのものであった。

 また、タッピンねじ以外の締結用雄ねじ は、谷底部に小さな丸みが付けられている 、この小さな丸みも、ねじの性能を向上さ ることを主目的としたものではなく、主と て、加工工具の耐寿命の向上等のねじ製造 のため、および雄ねじ自体における雄ねじ 底部の応力集中を緩和させるためのもので った。

 他方、本出願人は、先に特許文献1に係る出 願おいて、ねじ山間に形成される谷の谷底側 部分が大きな円弧状をなしているタッピンね じを提案した。

実開昭56-162310号公報

 前記従来の通常のタッピンねじにおいては 相手材にねじ込まれて相手材にねじ立てす 際、特にフランクと谷底とが交わる部分で 手材の塑性流動の方向が急激に変化を受け ことになり、相手材の塑性流動が円滑に行 れないとともに、尖ったねじ山の山頂側部 が相手材の内部構造(相手材が金属の場合は 、流線(ファイバーフロー))を切断・破壊する とともに、相手材に形成される雌ねじの谷底 部に切欠き効果を生じさせるため、
 (a)ねじ込みトルクが大きくなる、
 (b)締結力、保持力が小さい、
 (c)相手材がプラスチックの場合には、相手 に亀裂を生じさせてしまうことがある、
 (d)相手材の同一箇所に対しねじ込み、取り しを繰り返し行うことができない、
 (e)相手材に設ける下穴の大きさを狭い許容 囲に厳格に管理する必要がある、
 (f)転造により作成する際、金型の摩耗が速 、金型の寿命が短くなる、
等の問題があった。

 他方、特許文献1に開示されているタッピ ンねじにおいては、ねじ山間に形成される谷 の谷底側部分が大きな円弧状をなしているの で、前記従来の通常のタッピンねじに比較す れば、相手材にねじ込まれて相手材にねじ立 てする際、相手材の塑性流動が比較的に円滑 に行われるので、前記従来の通常のタッピン ねじの問題を低減することができる。しかし 、軸部の軸線を含む縦断面において見たとき 、フランクの大部分が直線状をなしており、 かつねじ山の山頂付近は尖ったエッジを構成 していたので、前記従来の通常のタッピンね じの問題をなお十分解消できない点があった 。

 本発明は、このような従来の事情に鑑み なされたもので、本発明の目的の一つは、 手材にねじ込まれて相手材にねじ立てする 、相手材の塑性流動がより一層円滑に行わ るようにすることができるタッピンねじを 供することにある。

 本発明の他の目的は、ねじ山により相手 の内部構造を切断・破壊することがないタ ピンねじを提供することにある。

 本発明の他の目的は、相手材に形成され 雌ねじの谷底部に切欠き効果を生じさせる とがない、タッピンねじを提供することに る。

 本発明のさらに他の目的は、以下の説明 ら明らかになろう。

 本発明によるタッピンねじは、軸部と、こ 軸部の外周に設けられたねじ山とを有する ッピンねじであって、
 前記軸部の軸線を含む縦断面において、ね 山間に形成される谷の谷底側部分が円弧状 なしているとともに、前記ねじ山の山頂側 分も円弧状をなしており、
 前記谷底側部分と前記ねじ山の山頂側部分 は直接つながれていてこの両者間には直線 部は存在しないか、またはこの両者間に前 ねじ山の高さの20%以下の長さの直線状部が けられているものである。

 本発明によるタッピンねじにおいては、 述のような形状を有しているので、相手材 ねじ込まれたとき、それぞれ円弧状をなし いる前記谷底側部分および前記山頂側部分 沿って相手材の肉が塑性流動することにな ため、相手材の肉は塑性流動の方向を急激 変えられることがない。したがって、相手 の塑性流動が非常に円滑に行われ、タッピ ねじに対し相手材の肉が全体的に回り、力 局部的に集中しないで分散する。また、ね 山の山頂付近は尖ったエッジを構成してい いので、この部分により相手材の内部構造 切断・破壊したり、相手材に形成される雌 じの谷底部に切欠き効果を生じさせること ない。これにより、前記従来の種々の問題 を解消できる。

 なお、本発明によるタッピンねじは、相 材がプラスチックやアルミ合金等の塑性流 しやすい材料からなる場合に特に好適であ 。

 本発明のタッピンねじは、相手材にねじ込 れて相手材にねじ立てする際、前述のよう 相手材の塑性流動がより一層円滑に行われ ようにすることができるとともに、ねじ山 より相手材の内部構造を切断・破壊したり 相手材に形成される雌ねじの谷底部に切欠 効果を生じさせないようにすることができ これにより、
 (A)ねじ込みトルクが小さくなる、
 (B)締結力、保持力が大きくなる、
 (C)相手材がプラスチックからなる場合にも 相手材に亀裂を生じさせる虞が少なくなる
 (D)相手材の同一箇所に対しねじ込み、取り しを繰り返し行うことができるようになる
 (E)相手材に設ける下穴の大きさの許容範囲 大きくなり、下穴の大きさを厳格に管理す 必要がなくなる、
 (F)転造により作成する際、金型の摩耗が遅 なり、金型の寿命が長くなる、
等の優れた効果を得られるものである。

図1は、本発明によるタッピンねじの実 施例1を示す正面図である。 図2は、前記実施例1のタッピンねじの 部の一部を、該軸部の軸線を含む縦断面に いて断面して示す拡大断面図である。 図3は、図2の一部をさらに拡大して示 拡大断面図である。 図4は、本発明によるタッピンねじの実 施例2を示す正面図である。 図5は、前記実施例2のタッピンねじの の一部を、該軸部の軸線を含む縦断面にお て断面して示す拡大断面図である。 図6は、図5の一部をさらに拡大して示 拡大断面図である。

符号の説明

  1  タッピンねじ
  2  軸部
  3  頭部
  4  ねじ山
  4a 山頂側部分
  4H 高いねじ山
  4Ha 高いねじ山の山頂側部分
  4L 低いねじ山
  4La 低いねじ山の山頂側部分
  5  谷
  5a 谷底側部分
  d 1   外径
  d H1  高いねじ山における外径
  d L1  低いねじ山における外径
  d 2   谷径
  h  ねじ山の高さ
  R  ねじ山の山頂側部分がなす円弧の半径
  R HC  高いねじ山の山頂側部分がなす円弧の半径
  R LC  低いねじ山の山頂側部分がなす円弧の半径
    R  谷の谷底側部分がなす円弧の半径
  A  ねじ山の角度
  A H  高いねじ山の角度
  A L  低いねじ山の角度

 以下、本発明を図面に示す実施例に基づ て説明する。

 図1~3は本発明の実施例1を示し、この実施 例1は本発明を1条のタッピンねじに適用した である。

 図1に示されるように、タッピンねじ1は 部2とこの軸部2の一端部に設けられた頭部3 を備えている。前記軸部2の外周には1条のね じ山4が螺旋状に設けられている。前記軸部2 軸線を含む縦断面において、ねじ山4間に形 成される谷5の谷底側部分5aが円弧状をなして いるとともに、ねじ山4の山頂側部分4aも谷底 側部分5aがなす円弧に直接滑らかにつながる 弧状をなしている。

 参考までに、本実施例におけるタッピン じ1の各部の寸法および角度の具体例を下記 に示す。

  外径d 1 =1.65φmm
  谷径d 2 =1.21φmm
  ねじ山4の山の高さh=0.22mm
  リードおよびピッチ=0.5mm
  ねじ山の角度A=30度
    ねじ山4の山頂側部分4aがなす円弧の半 R C =0.033mm
    谷5の谷底側部分5aがなす円弧の半径R R =0.22mm
 ただし、本発明のタッピンねじは、上記の うな具体的寸法を有するものに限定されな ことは言うまでもない。

 このタッピンねじ1においては、ねじ山4 に形成される谷5の谷底側部分5aが円弧状を しているとともに、ねじ山4の山頂側部分4a 谷底側部分5aがなす円弧に直接滑らかにつな がる円弧状をなしているので、相手材(図示 ず)にねじ込まれたとき、これらの互いに滑 かにつながった円弧状をなしている部分に って相手材の肉が塑性流動することになる め、相手材の肉は塑性流動の方向を急激に えられることがない。したがって、相手材 塑性流動が非常に円滑に行われ、タッピン じ1に対し相手材の肉が全体的に回り、力も 局部的に集中しないで分散する。また、ねじ 山4の山頂付近は尖ったエッジを構成してい いので、この部分により相手材の内部構造 切断・破壊したり、相手材に形成される雌 じの谷底部に切欠き効果を生じさせること ない。

 これにより、
 (A)ねじ込みトルクが小さくなる、
 (B)締結力、保持力が大きくなる、
 (C)相手材がプラスチックからなる場合にも 相手材に亀裂を生じさせる虞が少なくなる
 (D)相手材の同一箇所に対しねじ込み、取り しを繰り返し行うことができるようになる
 (E)相手材に設ける下穴の大きさの許容範囲 大きくなり、下穴の大きさを厳格に管理す 必要がなくなる、
 (F)転造により作成する際、金型の摩耗が遅 なり、金型の寿命が長くなる、
等の優れた効果を得られる。

 なお、前記ねじ山4の山頂側部分4aがなす円 の半径R c は、好ましくはねじ山4の山の高さhの5%以上 するとよく、さらに好ましくはねじ山4の山 高さhの10~20%とするとよい。ねじ山4の山頂 部分4aがなす円弧の半径R c をこれらの範囲に設定することにより、より よい効果が得られる。

 なお、本実施例では、軸部2の軸線を含む 縦断面において、谷5の谷底側部分5aとねじ山 4の山頂側部分4aとは直接つながれていて、こ の両者間に直線状部は存在しないが、この両 者間にねじ山4の高さhの20%以下の長さの直線 部を設けてもよい。ただし、上述の効果を りよく得るためには、前記直線状部はねじ 4の高さhの10%以下とすることが好ましく、 らに好ましくは本実施例のように直線状部 設けないのがよい。

 また、本発明によるタッピンねじは、相 材がプラスチックやアルミ合金等の塑性流 しやすい材料からなる場合に特に好適であ 。

 図4~6は本発明の実施例2を示し、この実施 例2は本発明を2条のタッピンねじ1に適用した 例である。

 図4に示されるように、本実施例においても 、タッピンねじ1は軸部2とこの軸部2の一端部 に設けられた頭部3とを備えている。前記軸 2の外周には、山の高さが高いねじ山4Hと低 ねじ山4Lとの2条のねじ山4H,4Lが螺旋状に設け られている。軸部2の軸線を含む縦断面にお て、高いねじ山4Hと低いねじ山4Lとの間に形 される谷5の谷底側部分5aが円弧状をなして るとともに、高いねじ山4Hおよび低いねじ 4Lの山頂側部分4Ha,4Laも谷底側部分5aがなす円 弧に直接滑らかにつながる円弧状をそれぞれ なしている。図6によく示されているように 前記低いねじ山4Lのねじ山の角度A L は、高いねじ山4Hのねじ山の角度A H よりを大きくされている。

 参考までに、本実施例におけるタッピン じ1の各部の寸法および角度の具体例を下記 に示す。

  高いねじ山4Hにおける外径d H1 =1.65φmm
  低いねじ山4Lにおける外径d L1 =1.493φmm
  谷径d 2 =1.21φmm
  高いねじ山4Hの山の高さh H =0.22mm
  低いねじ山4Lの山の高さh L =0.141mm
  リード=1.0mm
  ピッチP=0.5mm
  高いねじ山4Hのねじ山の角度A H =30度
  低いねじ山4Lのねじ山の角度A L =60度
    高いねじ山4Hの山頂側部分4Haがなす円 の半径R HC =0.033mm
    低いねじ山4Lの山頂側部分4Laがなす円 の半径R LC =0.063mm
    谷5の谷底側部分5aがなす円弧の半径R R =0.22mm
 ただし、本発明のタッピンねじ1は、上記の ような具体的寸法を有するものに限定されな いことは言うまでもない。

 本実施例のタッピンねじ1においても、高 いねじ山4Hと低いねじ山4Lとの間に形成され 谷5の谷底側部分5aが円弧状をなしていると もに、高いねじ山4Hおよび低いねじ山4Lの山 側部分4Ha,4Laも谷底側部分5aがなす円弧に直 滑らかにつながる円弧状をなしているので 相手材(図示せず)にねじ込まれたとき、こ らの互いに滑らかにつながった円弧状をな ている部分に沿って相手材の肉が塑性流動 ることになるため、相手材の肉は塑性流動 方向を急激に変えられることがない。した って、相手材の塑性流動が非常に円滑に行 れ、タッピンねじ1に対し相手材の肉が全体 に回り、力も局部的に集中しないで分散す 。また、高いねじ山4Hおよび低いねじ山4Lの 山頂付近は尖ったエッジを構成していないの で、この部分により内部構造を切断・破壊し たり、相手材に形成される雌ねじの谷底部に 切欠き効果を生じさせることもない。

 これにより、実施例1の場合と同様に、前 記(A)~(F)等の優れた効果を得ることができる

 本実施例では、タッピンねじ1が高いねじ 山4Hと低いねじ山4Lとを有しているが、本発 においては、同じ高さのねじ山を2条設けて よい。ただし、本実施例のように、高いね 山4Hと低いねじ山4Lとの2条のねじ山を設け ば、次のような、より一層優れた作用効果 得ることができる。

 高いねじ山4Hと低いねじ山4Lのねじ山4の高 h H ,h L をそれぞれ別途に管理することで、相手材の 肉の移動量を調整することができ、これによ り相手材の塑性流動をより一層円滑に行わせ ることができる。

 また、高いねじ山4Hと低いねじ山4Lとの2 のねじ山を有しているので、ねじ込みの際 接触抵抗が小さくなるため、ねじ込みトル を一層小さくすることができる。

 また、2条のねじ山4H,4Lを有しているので ピッチを1条のタッピンねじと同じとしても 、リードを大きくすることができるので、ね じ込みを迅速に行い、作業コストを低減する ことができる。

 また、低いねじ山4Lは高いねじ山4Hよりねじ 山の角度A L を大きくされているので、低いねじ山4Lのフ ンク面の大きさを大きくし、摩擦抵抗を大 くすることができるため、締結力を一層増 することができる。

 なお、好ましくは、低いねじ山4Lのねじ山 角度A L は高いねじ山4Hのねじ山の角度A H より1.5~3倍大きくし、高いねじ山4Hの山頂側 分4Haがなす円弧の半径R HC は高いねじ山4Hの山の高さh H の5~30%とし、低いねじ山4Lの山頂側部分4Laが す円弧の半径R LC は低いねじ山4Lの山の高さh L の20~70%とするとよい。さらに好ましくは、低 いねじ山4Lのねじ山の角度A L は高いねじ山4Hのねじ山の角度A H より1.5~2.5倍大きくし、高いねじ山4Hの山頂側 部分4Haがなす円弧の半径R HC は高いねじ山4Hの山の高さh H の10~20%とし、低いねじ山4Lの山頂側部分4Laが す円弧の半径R LC は低いねじ山4Lの山の高さh L の40~50%とするとよい。高いねじ山4Hおよび低 ねじ山4Lのねじ山の角度A H ,A L の比と、高いねじ山4Hの山頂側部分4Haがなす 弧の半径R HC および低いねじ山4Lの山頂側部分4Laがなす円 の半径R LC をこれらの範囲に設定することにより、より よい効果が得られる。

 また、本実施例においても、軸部2の軸線を 含む縦断面において、谷底側部分5aと高いね 山4Hおよび低いねじ山4Lの山頂側部分4Ha,4La はそれぞれ直接つながれていて、それらの にはそれぞれ直線状部は存在しないが、谷 側部分5aと高いねじ山4Hの山頂側部分4Haとの には、高いねじ山4Hの高さh H の20%以下の長さの直線状部、谷底側部分5aと いねじ山4Lの山頂側部分4Laとの間には、低 ねじ山4Lの高さh L の20%以下の長さの直線状部をそれぞれ設けて もよい。

 ただし、上述の効果をよりよく得るために 、谷底側部分5aと高いねじ山4Hの山頂側部分 4Haとの間の直線状部は高いねじ山4Hの高さh H の10%以下、谷底側部分5aと低いねじ山4Lの山 側部分4Laとの間の直線状部は低いねじ山4Lの 高さh L の10%以下とそれぞれすることが好ましく、さ らに好ましくは本実施例のように直線状部は 設けないのがよい。

 なお、前記各実施例はそれぞれ1条および 2条のタッピンねじの例であるが、本発明は3 以上の多条のタッピンねじにも適用できる のである。

 また、前記各実施例においては、各ねじ 4,4H,4Lが、進み側フランク角と追い側フラン ク角とが等しい対称形状をなしているが、本 発明においては、ねじ山を進み側フランク角 と追い側フランク角とが等しくない非対称形 状としてもよい。

 以上のように本発明によるタッピンねじ 、締結用ねじとして有用である。