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Patent Searching and Data


Title:
TEA EXTRACT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/081542
Kind Code:
A1
Abstract:
A tea extract which shows relieved bitterness, sourness and unpleasing taste and can be well blended with various drinks, and unpolymerized catechins contained in which remain highly stable when drinks, etc. containing the same are pasteurized by heating. Namely, a purified tea extract characterized by: (1) the content of unpolymerized catechins (a) amounting to 45 to 90% by weight based on solid matters; (2) the ratio of galleted compounds in the unpolymerized catechins being from 0.001 to 47% by weight; and (3) the weight ratio of gallic acid/unpolymerized catechins being 0.3 or less.

Inventors:
SATO HITOSHI (JP)
UEOKA HIDEAKI (JP)
SHIBATA KEIJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2006/326243
Publication Date:
July 10, 2008
Filing Date:
December 28, 2006
Export Citation:
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Assignee:
KAO CORP (JP)
SATO HITOSHI (JP)
UEOKA HIDEAKI (JP)
SHIBATA KEIJI (JP)
International Classes:
A23L1/30; A23F3/16; A23L2/38
Foreign References:
JP2006129738A2006-05-25
JP2003169641A2003-06-17
JP2006083352A2006-03-30
JP2003033157A2003-02-04
JPH11225672A1999-08-24
Other References:
See also references of EP 2095718A4
Attorney, Agent or Firm:
THE PATENT CORPORATE BODY ARUGA PATENT OFFICE (3-6 Nihonbashiningyocho 1-chome,,Chuo-ku, Tokyo13, JP)
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Claims:
(1)固形分中の非重合体カテキン類(a)が45~90重量%であり、
(2)非重合体カテキン類中のガレート体率が0.001~47重量%であり、
(3)没食子酸量/非重合体カテキン類(重量比)が、0.3以下である精製茶抽出物。
 茶抽出物中の遊離アミノ酸/非重合体カテキン類(重量比)が0.08以下である請求項1記載の精製茶抽出物。
 茶抽出物中の(ショ糖+ブドウ糖)/非重合体カテキン類(重量比)が0.15以下である請求項1又は2記載の精製茶抽出物。
 茶抽出物中のカフェイン/非重合体カテキン類(重量比)が0.2以下である請求項1~3のいずれか1項記載の精製茶抽出物。
 茶抽出物が緑茶抽出物である請求項1~4のいずれか1項記載の精製茶抽出物。
 請求項1~4のいずれか1項記載の精製茶抽出物を配合した食品。
 請求項1~4のいずれか1項記載の精製茶抽出物を配合した飲料。
Description:
茶抽出物

 本発明は、苦味、酸味及び雑味が低減さ 、各種の飲料等への配合性が良く、これを 合した飲料等を殺菌処理した際の非重合体 テキン類の安定性が高い茶抽出物に関する

 カテキン類の効果としてはコレステロー 上昇抑制作用やアミラーゼ活性阻害作用な が報告されている(例えば、特許文献1、2参 )。カテキン類のこのような生理効果を発現 させるためには、成人一日あたり4~5杯のお茶 を飲むことが必要であることから、より簡便 に大量のカテキン類を摂取するために、飲料 にカテキン類を高濃度配合する技術が望まれ ている。

 茶抽出物の製造方法として、ガレート体 が高い茶抽出物とその製造方法が知られて る(特許文献3参照)。また、飲料の苦味・渋 等の呈味を改善し、オリ、クリームダウン 発生を抑制する方法として、茶飲料にガレ ト体率が高い茶抽出物を配合することが知 れている(特許文献4参照)。また、緑茶抽出 の風味を改善するためにガレート体率をタ ナーゼ処理により制御する方法が知られて るが(特許文献5)、得られる茶抽出物の風味 関しては、一層の改善が望まれていた。

 また、カテキン類を高濃度に含有する飲料 を殺菌加熱処理するとカテキン類が減少す 傾向にある。コーヒー飲料中でpHを調整す ことによりカテキン類の減少を抑制する手 が知られている(特許文献6)が、厳密なpH調整 が必要であり、より各種飲料に展開が望まれ ていた。

特開昭60-156614号公報

特開平3-133928号公報

特開2006-36645号公報

特開2006-271401号公報

特開2004-321105号公報

特開2005-160395号公報

 本発明は、
(1)固形分中の非重合体カテキン類(a)が45~90重 %であり、
(2)非重合体カテキン類中のガレート体率が0.0 01~47重量%であり、
(3)没食子酸量/非重合体カテキン類(重量比)が 、0.3以下である精製茶抽出物を提供するもの である。

発明の実施の形態

 本発明の目的は、苦味、酸味及び雑味が 減され、各種の飲料等への配合性が良く、 れを配合した飲料等を殺菌加熱処理した際 非重合体カテキン類の安定性が高い精製茶 出物を提供することにある。

 本発明者らは、高濃度のカテキン類を含 する茶抽出物の風味向上に関して検討した 果、精製茶抽出物の中の非重合体カテキン 、非重合体カテキン類中のガレート体率、 び没食子酸量と非重合体カテキン類を特定 割合にすることにより、渋味、酸味及び雑 の低減に成功し、かつ当該精製茶抽出物を 合した飲料中の殺菌後のカテキン含有量の 少が少ない精製茶抽出物が得られることを 出した。

 本発明によれば、カテキンを高濃度に含 し、苦味、酸味及び雑味が低減し、各種の 料等への配合性が良く、これを配合した飲 を殺菌処理した際のカテキン含有量の減少 少ない精製茶抽出物が提供できる。

 本発明で(a)非重合体カテキン類とは、カ キン、ガロカテキン、カテキンガレート、 ロカテキンガレート、エピカテキン、エピ ロカテキン、エピカテキンガレート及びエ ガロカテキンガレートのカテキン類を合わ ての総称であり、非重合体カテキン類の濃 は、上記の合計8種の合計量に基づいて定義 される。

 本発明の精製茶抽出物中には、非重合体 テキン類(a)を45~90重量%、好ましくは50~88重 %、更に好ましくは55~85重量%、殊更好ましく 60~83重量%含有する。非重合体カテキン類含 量がこの範囲内であれば、多量の非重合体 テキン類を容易に摂取し易い。また、非重 体カテキン類含量が45重量%未満である場合 雑味が多くなり、90重量%を超えると飲料の 味が増加する。

 本発明の精製茶抽出物中の非重合体カテ ン類にはエピガロカテキンガレート、ガロ テキンガレート、エピカテキンガレート及 カテキンガレートからなるガレート体と、 ピガロカテキン、ガロカテキン、エピカテ ン及びカテキンからなる非ガレート体があ 。エステル型非重合体カテキン類であるガ ート体は苦味が強いことから、本発明精製 抽出物における非重合体カテキン類(a)中の 重合体カテキンガレート体類の割合(ガレー ト体率)は0.001~47重量%、好ましくは0.01~45重量% 、更に好ましくは0.1~43重量%、殊更好ましく 、1~40重量%、特に好ましくは5~35重量%である とが苦味抑制、生産性の観点から好ましい

 また、本発明の精製茶抽出物中の没食子 量は、苦味、酸味等の呈味の点から、没食 酸/非重合体カテキン類の比率として、0.3以 下、好ましくは0.1以下、更に好ましくは0.07 下であり、また、0以上、好ましくは0.0001以 、更に好ましくは、0.001以上であるのが好 しい。

 本発明の精製茶抽出物中の遊離アミノ酸 度は、非重合体カテキン類に対して、遊離 ミノ酸/非重合体カテキン類重量比が0.1以下 、好ましくは0.08以下、更に好ましくは0.07以 であり、また、0以上、好ましくは0.00001以 、更に好ましくは0.0001以上であるのが好ま い。

 本発明の精製茶抽出物中のショ糖及びブ ウ糖の濃度は、非重合体カテキン類に対し 、(ショ糖+ブドウ糖)/非重合体カテキン類重 量比が0.16以下、好ましくは0.15以下、更に好 しくは0.14以下であり、また、0以上、好ま くは0.0001以上、更に好ましくは0.001以上であ るのが好ましい。

 本発明の精製茶抽出物中のカフェイン濃 は、非重合体カテキン類に対して、カフェ ン/非重合体カテキン類(重量比)が0.2以下、 に0.15以下、特に0.1以下、殊更に0.05以下で り、また、0以上、更に0.0001以上、特に0.001 上であるのが呈味改善の点で好ましい。

 本発明の精製茶抽出物に使用する茶抽出 としては、茶葉から得られた抽出液が挙げ れる。その他のカフェイン含有植物由来、 えばコーヒー等のカフェイン含有抽出物と 抽出液の混合物等も用いることができる。 用する茶葉としては、より具体的には、Came llia属、例えばC.sinensis、C.assamica及びやぶきた 種又はそれらの雑種等から得られる茶葉から 製茶された茶葉が挙げられる。製茶された茶 葉には、煎茶、番茶、玉露、てん茶、釜炒り 茶等の緑茶類、烏龍茶に代表される半発酵茶 、紅茶に代表される発酵茶がある。また、超 臨界状態の二酸化炭素接触処理を施した茶葉 を用いてもよい。本発明の精製茶抽出物に使 用する茶抽出物としては、特に好ましいのは 緑茶抽出物である。

 茶抽出物を抽出する方法については、攪 抽出、ドリップ抽出などの方法が使用でき 。また抽出時の水にあらかじめアスコルビ 酸ナトリウムなどの有機酸又は有機酸塩類 添加してもよい。また煮沸脱気や窒素ガス の不活性ガスを通気して溶存酸素を除去し つ、いわゆる非酸化的雰囲気下で抽出する 法も併用してもよい。このようにして得ら た茶抽出物は、そのままでも、乾燥、濃縮 ても本発明に使用できる。茶抽出物の形態 しては、液体、スラリー、半固体、固体の 態が挙げられる。

 精製に使用する茶抽出物には、茶葉から抽 した抽出液を使用する代わりに、茶抽出物 濃縮物を水又は有機溶媒に溶解又は希釈し 用いても、茶葉からの抽出液と茶抽出物の 縮物とを併用してもよい。
 ここで、茶抽出物の濃縮物とは、茶葉から 水又は有機溶媒水溶液により抽出された抽 物を濃縮したものであり、例えば、特開昭5 9-219384号公報、特開平4-20589号公報、特開平5-2 60907号公報、特開平5-306279号公報等に記載さ ている方法により調製したものをいう。具 的には、茶抽出物として、市販の東京フー テクノ(株)製「ポリフェノン」、伊藤園(株) 「テアフラン」、太陽化学(株)製「サンフ ノン」等の粗カテキン製剤を固体の茶抽出 として用いることもできる。

 本発明精製茶抽出物中のガレート率の調 については、天然のものをそのまま、又は 加水分解処理を行い、ガレート率を低減す ことができる。加水分解処理としては、具 的には、アルカリによる加水分解、酵素処 による加水分解等が挙げられる。非重合体 テキン類の安定性の観点から、酵素処理に る加水分解が好ましい。

 茶抽出物の酵素による加水分解処理手段 しては、タンナーゼ活性を有する酵素によ 加水分解処理が好ましい。ここでタンナー 活性を有するとは、タンニンを分解する活 を有するものであり、本活性を有するもの 使用できる。その起源は、特に限定される のではないが、アスペルギルス属、ペニシ ウム属、リゾプス属、ムコール属などに属 るタンナーゼ生産菌を、常法にしたがって 養し得られるタンナーゼが挙げられ、未精 であっても精製品であっても用いることが きる。具体的には、タンナーゼ活性を有す 酵素として市販品では、タンナーゼ「キッ ーマン」(キッコーマン(株)製)、タンナーゼ 「三共」(三共ライフテック(株)製)、スミチ ムTAN(新日本化学(株)製)などを用いてもよい 当該タンナーゼ活性を有する酵素での処理 より、非重合体カテキン類中のガレート体 エステル結合が加水分解され非重合体カテ ンガレート体率が低下する。

 茶抽出物を、タンナーゼ活性を有する酵 で処理をする時の非重合体カテキン濃度は 好ましくは0.1~22重量%、更に好ましくは0.25~1 8重量%、特に好ましくは0.5~16.5重量%である。0 .1重量%未満ではこの後の濃縮工程への負荷が 大きくなり、生産性の面から好ましくない。 また、22重量%を超えると、加水分解処理に長 時間を要し、生産性及び茶抽出物の風味の点 から好ましくない。タンナーゼ活性を有する 酵素による処理の具体的な手法としては、非 重合体カテキンガレート体の低減効果、及び 最適の非重合体カテキンガレート体率で酵素 反応を停止する点から、茶抽出物中の非重合 体カテキン類に対してタンナーゼ活性を有す る粉末又は溶液状の酵素を、好ましくは1~300U nit/g-非重合体カテキン、更に好ましくは3~200U nit/g-非重合体カテキン、特に好ましくは5~150U nit/g-非重合体カテキンになるように添加する 。ここで1Unitは30℃の水中においてタンニン に含まれるエステル結合を1マイクロモル加 分解する酵素量を示す。また、酵素処理時 保持温度は、5~60℃が好ましく、更に好まし くは10~50℃、特に好ましくは10~45℃に保持し 理を行う。

 タンナーゼ活性を有する酵素による茶抽 物の処理においては、非重合体カテキンガ ート体率の低減は、苦渋味低減の面から5重 量%以上であるのが好ましい。5重量%未満だと 、非重合体カテキンガレート体の減少が少な く、苦渋味低減効果が期待できない。このタ ンナーゼ活性を有する酵素処理によるガレー ト体率の制御は、処理時の茶抽出液のpHによ て反応の終点を決定することが好ましい。 応の終点のpHは3.0~6.0、特に3.3~5.3が好ましい 。

 酵素による加水分解反応を終了させる為 、酵素活性を失活させ反応を停止する。酵 失活の温度は、60~100℃が好ましく、更に好 しくは75~95℃である。60℃未満では酵素を短 時間で充分に失活することが困難であるため 反応が進行し、目的の非重合体カテキンガレ ート体率の範囲内で酵素反応を停止すること ができない。又、失活温度に到達してからの 保持時間は10~1800秒、更に30~1200秒、特に30~600 が酵素失活及び風味の点から好ましい。酵 反応の失活方法は、バッチ式加熱もしくは レート型熱交換機、ホールディングチュー 等を使用した連続保持式加熱等で行う方法 挙げられる。

 酵素処理後あるいは酵素処理前に茶抽出 中に残留する微粉を除去する為に、抽出液 遠心分離するのが好ましい。遠心分離機の 式は、微粉を除去するのに十分な遠心力を つものが好ましく、工業的には大量処理に した連続式遠心分離機が用いられる。

 次いで、酵素で処理された茶抽出物は、 えば減圧濃縮、逆浸透膜処理等で濃縮する が好ましい。また、必要により、例えば噴 乾燥、凍結乾燥で乾燥できる。ここでの酵 処理茶抽出物の形態としては液体、スラリ 、半固体、固体の状態が挙げられる。エタ ール等の有機溶媒中での分散性の観点から スラリー、半固体、固体の状態が好ましい また、本発明の精製茶抽出物には、酵素で 理された茶抽出物と未処理の茶抽出物を混 し、混合後の非重合体カテキンガレート体 が0.001~47重量%の範囲としても良い。

 加水分解処理によると、没食子酸等の加 分解の副生成物が生成する。これらの副生 物の除去方法としては、非重合体カテキン と副生成物との溶解度差を利用した有機溶 による選択溶解法、また、非重合体カテキ 類と副生成物の極性の違いを利用して、吸 担体に選択的に吸着させて、没食子酸等の 生成物、遊離アミノ酸、ショ糖及びブドウ を低減する方法が挙げられる。

 本発明における精製茶抽出物は、ガレート を低減した茶抽出物から以下の方法により 食子酸、遊離アミノ酸、ショ糖及びブドウ を除去することにより得ることができる。
 非重合体カテキン類と没食子酸等の副生成 、遊離アミノ酸、ショ糖及びブドウ糖との 解度差を利用した有機溶媒による選択溶解 としては、加水分解処理品を乾燥後に固液 出する方法と加水分解処理品溶液を液液抽 する方法が挙げられる。
 抽出に使用する溶媒としては、エステル系 媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、アル ール系溶媒、ハロゲン系溶媒が使用できる 具体的には、酢酸エチル、ジエチルエーテ ル、メチルエチルケトン、ブタノール、ク ロホルム、ジクロロメタンなどが挙げられ 。
 特に、食品への使用の観点から、酢酸エチ 、ジクロロメタンが好ましい。

 吸着担体に選択的に吸着させて、没食子 等の副生成物、遊離アミノ酸、ショ糖及び ドウ糖を低減する方法としては、吸着担体 没食子酸等の副生成物、遊離アミノ酸、シ 糖及びブドウ糖を吸着させて除去する方法 、非重合体カテキン類を吸着させて没食子 等の副生成物、遊離アミノ酸、ショ糖及び ドウ糖を吸着させない方法が挙げられる。

 吸着担体に没食子酸等の副生成物、遊離 ミノ酸、ショ糖及びブドウ糖を吸着させて 去する方法としては、イオン交換樹脂に吸 させて除去する方法が挙げられる。また、 重合体カテキン類との分子サイズの差を利 した分離方法としては、活性炭に吸着させ 方法が挙げられる。

 非重合体カテキン類と没食子酸等の副生 物、遊離アミノ酸、ショ糖及びブドウ糖の 性の違いを利用して、吸着担体に選択的に 着させて、没食子酸等の副生成物、遊離ア ノ酸、ショ糖及びブドウ糖を低減する方法 しては、非重合体類カテキン類を合成吸着 に吸着する方法が挙げられる。

 この方法は、加水分解後の茶抽出物を合成 着剤に吸着させることにより行うことがで る。
 合成吸着剤は、一般に不溶性の三次元架橋 造ポリマーでイオン交換基のような官能基 実質的に持たないものである。好ましくは イオン交換基が1meq/g未満のものを用いるこ ができる。本発明に用いる合成吸着剤とし は、その母体がスチレン系、例えばアンバ ライトXAD4、XAD16HP、XAD1180、XAD2000、(供給元: 国ローム&ハース社);ダイヤイオンHP20、HP 21(三菱化学(株)製);セパビーズSP850、SP825、SP70 0、SP70(三菱化学(株)製);VPOC1062(Bayer製)、臭素 子を核置換して吸着力を強めた修飾スチレ 系、例えばセパビーズSP205、SP206、SP207(三菱 学(株)製)、メタクリル系、例えばダイヤイ ンHP1MG、HP2MG(三菱化学(株)製)、フェノール 、例えばアンバーライトXAD761(ロームアンド ース(株)製)、アクリル系、例えばアンバー イトXAD7HP(ロームアンドハース(株)製)、ポリ ビニル系、例えばTOYOPEARL、HW-40C(東ソー(株)製 )、デキストラン系、例えばSEPHADEX、LH-20(ファ ルマシア社製)等が使用できる。
 合成吸着剤としては、その母体がスチレン 、メタクリル系、アクリル系、ポリビニル が好ましく、特にスチレン系がカテキンと 食子酸との分離性の点から好ましい。

 加水分解処理後の茶抽出物を合成吸着剤に 着させる手段としては、加水分解処理後の 抽出物に合成吸着剤を添加、撹拌し吸着後 ろ過操作により合成吸着剤を回収するバッ 方法又は合成吸着剤を充填したカラムを用 て連続処理により吸着処理を行なうカラム 法が採用されるが、生産性の点からカラム よる連続処理方法が好ましい。
 合成吸着剤が充填されたカラムは、予めSV( 間速度)=0.5~10[h -1 ]、合成吸着剤に対する通液倍数として2~10[v/v ]の通液条件で95vol%エタノール水溶液による 浄を行い、合成吸着剤の原料モノマーや原 モノマー中の不純物等を除去するのが好ま い。そして、その後SV=0.5~10[h -1 ]、合成吸着剤に対する通液倍数として1~60[v/v ]の通液条件により水洗を行い、エタノール 除去して合成吸着剤の含液を水系に置換す 方法により、非重合体カテキン類の吸着能 向上する。

 カラムに茶抽出物を通液するときの条件 しては、合成吸着剤に吸着させる場合、茶 出物中の非重合体カテキン類の濃度は、好 しくは0.1~22重量%、更に好ましくは0.1~15重量 %、特に好ましくは0.5~10重量%、殊更好ましく 0.5~3重量%が、合成吸着剤への吸着効率の点 ら好ましい。

 茶抽出物を、合成吸着剤を充填したカラム 通液する条件としては、SV(空間速度)=0.5~10[h -1 ]の通液速度で、合成吸着剤に対する通液倍 として0.5~20[v/v]で通液するのが好ましい。10[ h -1 ]以上の通液速度では、非重合体カテキン類 吸着が不充分や20[v/v]以上の通液量であると 非重合体カテキン類の吸着が安定しない場 がある。

 茶抽出液を吸着後、合成吸着剤は、水又 有機溶媒水溶液で洗浄するのが好ましい。 成吸着剤の洗浄に使用する水溶液としては カテキンの回収率の点からpH7以下の水が好 しく、有機溶媒との混合系においても使用 ることができる。有機溶媒としては、アセ ン、メタノール、エタノールなどが挙げら 、食品への使用の観点から、エタノールが ましい。含有する有機溶媒の濃度は、0~20重 量%、好ましくは0~10重量%、より好ましくは0~5 重量%がカテキンの回収率の点から好ましい

 この洗浄工程においては、SV(空間速度)=0.5~1 0[h -1 ]の通液速度で、合成吸着剤に対する通液倍 として1~10[v/v]で、合成吸着剤に付着した夾 物を除去することが好ましい。更にSV=0.5~5[h -1 ]の通液速度で、通液倍数として1~5[v/v]で洗浄 することが夾雑物の除去効果及び非重合体カ テキン類の回収率の点から好ましい。

 非重合カテキン類を溶出させる際の有機溶 水溶液を溶出液として使用する場合は、有 溶媒としては、水溶性有機溶媒が好ましく アセトン、メタノール、エタノール等が挙 られ、食品への使用の観点からエタノール 好ましい。かかる有機溶媒は非重合体カテ ン類の収率が大きい、及び不純物量が少な なる等の点から、有機溶媒水溶液として用 るのが好ましく、有機溶媒濃度としては、1 ~95重量%水溶液、更に10~90重量%水溶液、特に20 ~80重量%水溶液として用いるのが好ましい。
 SV(空間速度)=0.5~5[h -1 ]の通液速度で、合成吸着剤に対する通液倍 として1~15[v/v]で、非重合体カテキン類を溶 することが好ましい。更にSV=1~3[h -1 ]の通液速度で、通液倍数として2~10[v/v]で溶 することが生産性及び非重合体カテキン類 回収率の点から好ましい。
 非重合体カテキン類の溶出に用いる溶出液 して有機溶媒水溶液を用いる場合は、工程 簡略化及び精製コストの点から好ましい。

 非重合カテキン類を溶出させる際に塩基 水溶液を用いる場合、非重合体カテキン類 溶出に用いる塩基性水溶液としては、アル リ金属塩、アルカリ土類金属塩等のアルカ 水溶液、好ましくは、ナトリウム、カリウ 系のアルカリ性水溶液、例えば水酸化ナト ウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液等を好 に用いることができる。また、アルカリ性 溶液のpHは7~14の範囲が好ましく、非重合体 テキン類回収率の点から9~13.8、特に10~13.5が 好ましい。pH7~14のナトリウム系水溶液として は、4%以下の水酸化ナトリウム水溶液、1N-炭 ナトリウム水溶液等が挙げられる。塩基性 溶液と有機溶媒は混合して用いてもよい。 機溶媒の濃度としては、カフェインとカテ ンの分離性の点から0~90重量%の範囲が好ま く、0~50重量%がより好ましく、0~20重量%が更 好ましい。

 溶出工程においては、溶出に用いる塩基 水溶液として互いにpHが異なる2種以上の塩 性水溶液を用い、これら塩基性水溶液をpH 低い順に合成吸着剤に接触させることがで る。それぞれのpH区分で異なる非重合体カテ キン類や他の成分を脱着することができる。

 SV(空間速度)=2~10[h -1 ]の通液速度で、合成吸着剤に対する通液倍 として1~30[v/v]で、非重合体カテキン類を溶 することが好ましい。更にSV=3~7[h -1 ]の通液速度で、通液倍数として3~15[v/v]で溶 することが生産性及び非重合体カテキン類 回収率の点から好ましい。
 非重合体カテキン類の溶出に用いる溶出液 して塩基性水溶液を用いる場合は、精製茶 出物の色調、活性炭処理での回収率の点か 好ましい。

 塩基性水溶液で溶出した場合には、非重 体カテキン類の溶出液は、塩基性であり、 重合カテキン類の安定性の観点から、溶出 のpHを7以下に、より好ましくはpHを1~6、更 好ましくは1~5、殊更好ましくは2~4に調整す 。具体的には、酸による中和、電気透析又 イオン交換樹脂によるアルカリ金属イオン 除去が利用できる。イオン交換樹脂として 特にH型のカチオン交換樹脂を用いるのが好 しい。プロセスの簡便性からイオン交換樹 によるpH調整が好ましい。カチオン交換樹 としては、具体的には、アンバーライト200CT 、IR120B、IR124、IR118、ダイヤイオンSK1B、SK1BH SK102、PK208、PK212等を用いることができる。

 本発明で使用される合成吸着剤は本発明 施後に再使用できる。再生処理としては、 体的には、エタノールのような有機溶媒を 液し合成吸着剤上に吸着したカフェイン等 不溶分を脱着させる。又は水酸化ナトリウ のようなアルカリ水溶液を通液・洗浄し、 成吸着剤上に残存する水溶性成分を全て脱 させる等の方法が挙げられる。更に水蒸気 よる洗浄を組み合わせても良い。

 更に非重合体カテキン類の溶出液は、必要 応じて濃縮して後の工程に付すことができ 。
 得られた非重合体カテキン類の溶出液が懸 する場合は、除濁することが好ましい。除 の具体的な操作としては、ろ過及び/又は遠 心分離処理により固形分と水溶性部分とを固 液分離することが挙げられる。

 本発明の精製茶抽出物の製造においては 合成吸着剤を使用する方法以外に以下の方 においても、没食子酸等の副生成物、遊離 ミノ酸、ショ糖及びブドウ糖を低減するこ ができる。すなわち、ガレート体率が低減 た茶抽出物を有機溶媒と水の重量比が90/10 超え97/3以下の混合溶液に混合し、次いで生 した沈殿を分離する。必要に応じて沈殿分 後の混合溶液に加水及び/又は混合溶液から 脱有機溶媒して混合溶液中の有機溶媒と水の 重量比が40/60~70/30の範囲とし、次いで析出し 濁り成分を分離する。次に、活性炭及び酸 白土又は活性白土と接触処理を行うことが きる。茶抽出物中の有機溶媒と水は、減圧 留等の方法を用いて留去できる。また、処 後の緑茶抽出物は液状でも固体状でもいず でも良いが、固体状態を調製する場合には 結乾燥やスプレードライなどの方法によっ 粉末化しても良い。

 茶抽出物の精製に用いる有機溶媒としては エタノール、メタノール、アセトン、酢酸 チル等が挙げられる。これらの内、メタノ ル、エタノール、アセトンの親水性有機溶 が好ましく、特に食品への使用を考慮する エタノールが好ましい。
 水としては、イオン交換水、水道水、天然 等が挙げられる。この有機溶媒と水は、混 して又はそれぞれ別々に緑茶抽出物と混合 てもよいが、混合溶液としてから茶抽出物 混合するのが好ましい。

 本発明の精製茶抽出物の製造においては 茶抽出物を有機溶媒と水の混合溶液に分散 せる時の有機溶媒と水の重量比は、非重合 カテキン類の抽出効率及び風味の点から90/1 0を超え97/3以下、好ましくは92/8~97/3、更に好 しくは92/8~95/5の範囲に調整するのが好まし 。次いで、生成した沈殿物はろ過等の公知 方法で除去する。

 本発明の精製茶抽出物の製造においては 有機溶媒と水の混合溶液100重量部に対して 乾燥重量換算の茶抽出物を10~40重量部、特 10~30重量部添加して処理するのが、茶抽出物 を効率よく処理できるので好ましい。

 本発明の精製茶抽出物の製造においては 有機溶媒と水の混合溶液に茶抽出物を混合 る方法は、特に制限されず、茶抽出物を最 的に処理する際の有機溶媒と水の重量比が9 0/10を超え97/3以下になっていれば良い。例え 、茶抽出物を水に溶解した後に有機溶媒を 加していくことによって有機溶媒と水の重 比を90/10を超え97/3以下の範囲にしても良く 茶抽出物を有機溶媒に懸濁させた後、徐々 水を添加して同様の比率としても良い。抽 効率の点から、水に溶解後に有機溶媒を添 していく方法が好ましい。水と有機溶媒の 合溶液又はそれぞれの添加時間は、10~60分 度の時間でゆっくり滴下するのが好ましい また、カテキン類の抽出効率を上げるため 攪拌状態で滴下するのが好ましい。滴下終 後は10~600分程度の攪拌時間を設けると更に テキン類の抽出効率を上がり好ましい。こ らの処理は、10~60℃で行うことができ、特に 10~50℃、更に10~40℃で行うのが好ましい。ま 緑茶抽出物は1回で全量添加しても良いが、2 回以上、例えば2~4回に分割して添加しても良 い。次いで、生成した沈殿物はろ過等の方法 で除去する。

 更に、沈殿物の除去された混合溶液中の 機溶媒と水の重量比が40/60~70/30、好ましく 45/55~60/40となるように、混合溶液に加水及び /又は混合溶液から脱有機溶媒するのが好ま い。混合溶液から有機溶媒の含有量を減ず には、減圧蒸留等の方法で有機溶媒を留去 ることにより行われる。また、沈澱除去処 後の混合溶液に加水する場合は、イオン交 水、水道水、天然水等の水を加えることに り行われる。

 加水及び/又は脱有機溶媒をした後、濁り 成分を析出させる静置時間は、特に限定され ない。例えば、2分~50時間、更に2分~24時間、 に5分~6時間であるのが好ましい。また、濁 成分の析出温度は、-15~78℃、更に5~40℃、特 に5~25℃であるのが好ましい。濁り成分を析 させた後、混合溶液から濁り成分を分離す 時の温度は、-15~78℃、更に5~40℃、特に5~25℃ であるのが好ましい。この温度の範囲外であ ると、分離性が劣り、また溶液の性状に変化 が見られるような場合がある。濁り成分を分 離する時の方法は特に制限されず、例えば遠 心分離法、ろ過法等が挙げられる。

 本発明の精製茶抽出物の製造においては 必要に応じてカフェインを除去する為に、 抽出物を有機溶媒と水の混合溶液に混合す 際に活性炭、酸性白土及び活性白土の1種又 は2種以上と接触させるのが好ましい。

 用いる活性炭としては、一般に工業レベル 使用されている物であれば特に制限されず 例えば、ZN-50(北越炭素工業(株)製)、クラレ ールGLC、クラレコールPK-D、クラレコールPW- D(クラレケミカル(株)製)、白鷲AW50、白鷲A、 鷲M、白鷲C(武田薬品工業(株)製)等の市販品 用いることができる。活性炭の細孔容積は0. 01~0.8mL/g、特に0.1~0.7mL/gが好ましい。また、比 表面積は800~2000m 2 /g、特に900~1600m 2 /gの範囲のものが好ましい。なお、これらの 性値は窒素吸着法に基づく値である。

 活性炭は、有機溶媒と水の混合溶液100重 部に対して0.5~15重量部、更に0.5~10重量部、 に1.0~8重量部添加するのが好ましい。活性 の添加量が少なすぎると、カフェイン除去 率が悪くなり、また多すぎるとろ過工程に けるケーク抵抗が大きくなり好ましくない

 用いる酸性白土又は活性白土は、ともに一 的な化学成分として、SiO 2 、Al 2 O 3 、Fe 2 O 3 、CaO、MgO等を含有するものであるが、SiO 2 /Al 2 O 3 比が3~12、特に4~9であるのが好ましい。またFe 2 O 3 を2~5重量%、CaOを0~1.5重量%、MgOを1~7重量%含有 る組成のものが好ましい。活性白土は天然 産出する酸性白土(モンモリロナイト系粘土 )を硫酸等の鉱酸で処理したものであり、大 い比表面積と吸着能を有する多孔質構造を った化合物である。酸性白土を更に、酸処 することにより比表面積が変化し、脱色能 改良及び物性が変化することが知られてい 。

 酸性白土又は活性白土の比表面積は、酸処 の程度等により異なるが、50~350m 2 /gであるのが好ましく、pH(5重量%サスペンジ ン)は2.5~8、特に3.6~7のものが好ましい。例え ば、酸性白土としては、ミズカエース#600(水 化学社製)等の市販品を用いることができる 。

 酸性白土又は活性白土は、有機溶媒と水 混合溶液100重量部に対して0.5~30重量部、更 1.5~20重量部、特に2.5~15重量部添加するのが ましい。酸性白土又は活性白土の添加量が なすぎると、カフェイン除去効率が悪くな 、また多すぎるとろ過工程におけるケーク 抗が大きくなり好ましくない。

 また、活性炭と酸性白土又は活性白土を 用する場合の割合は、重量比で活性炭1に対 して1~10がよく、特に活性炭:酸性白土又は活 白土=1:1~1:6であるのが好ましい。

 本発明において、必要に応じてカフェイン 選択的に除去する為に、茶抽出物を有機溶 と水の混合溶液に混合する際に活性炭及び/ 又は酸性白土若しくは活性白土と接触させる のが好ましいが、その場合の茶抽出物、有機 溶媒と水の混合溶液並びに活性炭及び/又は 酸性白土若しくは活性白土との接触順序は に限定されない。例えば(1)有機溶媒と水の 合溶液に茶抽出物を添加し、活性炭接触、 いで酸性白土又は活性白土接触する方法、(2 )有機溶媒と水の混合溶液に茶抽出物を添加 、酸性白土又は活性白土接触、次いで活性 接触する方法、(3)有機溶媒と水との混合溶 に活性炭を添加し、これに茶抽出物を添加 、次いで酸性白土又は活性白土を添加する 法等が挙げられるが、(4)有機溶媒と水の混 溶液に酸性白土又は活性白土を添加し、こ に茶抽出物を添加し、次いで活性炭を添加 る方法が好ましい。
 これらの各成分添加と次の成分添加との間 は、ろ過を行うのが好ましい。また緑茶抽 物を2回以上に分割して添加した場合、その 間にろ過を行ってもよい。

 更に、茶抽出物を酸性白土又は活性白土 、有機溶媒と水の混合溶液との分散液と接 混合する場合、接触する時のpHを3~6の範囲 調整して行うことが、非重合体カテキン類 効率よく抽出し、精製緑茶抽出物を得るた に好ましい。接触の際、クエン酸、乳酸、 石酸、コハク酸、リンゴ酸等の有機酸を、 機酸と非重合体カテキン類の重量比率(有機 /非重合体カテキン類)が0.02~0.20の範囲で添 するのが好ましい。

 また、茶抽出物を酸性白土又は活性白土 、有機溶媒と水の混合溶液との分散液と接 混合する場合、接触する時の溶液の温度は めに10~30℃とし、その後20~60℃に昇温すると 、茶抽出物の溶解が促進されるという点及び 分散液へのカテキン抽出効率が促進されると いう点で好ましい。

 本発明の精製茶抽出物を製造するに当たり 酸性白土又は活性白土と、有機溶媒と水の 合溶液処理を使用する好ましい製造方法は 下の手順である。ガレート体率が低減した 抽出物を、有機溶媒と水の重量比が90/10を え97/3以下の混合溶液に混合し、次いで生成 た沈殿を除去した後に、更に必要に応じて 合溶液中の有機溶媒と水の重量比が40/60~70/3 0、好ましくは45/55~60/40となるように、混合溶 液に加水及び/又は混合溶液から脱有機溶媒 次いで析出した濁り成分を分離する。
 具体的には、活性炭及び/又は酸性白土又は 活性白土と接触混合する場合は、まず茶抽出 物を有機溶媒と水の重量比が90/10を超え97/3以 下の混合溶液に混合させ、活性炭及び/又は 性白土若しくは活性白土と接触処理し、次 で生成している沈殿と共に活性炭及び/又は 性白土又は活性白土を除去し、ろ液部分に 水及び/又は脱有機溶媒を行い、析出した濁 り成分を分離するのが好ましい。また、活性 炭との接触は、次の工程の加水及び/又は脱 機溶媒を行う前に行っても良いし、加水及 /又は脱有機溶媒を行い、析出した濁り成分 分離した後に活性炭と接触させても良い。

 茶抽出物溶液と活性炭及び酸性白土又は 性白土、活性炭とを接触する場合の処理は バッチ式、カラムによる連続処理等のいず の方法で行ってもよい。一般には、粉末状 活性炭等を添加、撹拌し、カフェインを選 的に吸着後、ろ過操作によりカフェインを 去したろ液を得る方法又は顆粒状の活性炭 を充填したカラムを用いて連続処理により フェインを選択的に吸着する方法等が挙げ れる。また、茶抽出物と活性炭との接触方 は、活性炭カラムによる連続処理等の方法 行うのが好ましい。

 かくして得られた本発明の精製茶抽出物 、苦味、酸味及び雑味が低減されており、 に当該茶抽出物を配合した飲料及び食品に ける苦味、酸味及び雑味が低減されている 更に、当該茶抽出物を配合した飲料及び食 を、殺菌処理した際にカテキン含有量が低 しないという特徴を有する。従って、本発 の精製茶抽出物を配合した飲料及び食品は その飲料及び食品の有する風味が損なわれ 、かつカテキン含有量の高いものとなる。

 本発明精製茶抽出物を配合できる食品と ては、その形態は特に制限されず、飲料;米 飯類;パン、ケーキ等の小麦粉食品;ソース、 噌、醤油等の調味料;納豆等の大豆食品;ク ーム、ドレッシング、マヨネーズ及びマー リン等の乳化食品;水産加工食品;食肉加工品 ;漬物類;麺類;粉末スープを含むスープ類、ゼ リー、チーズ、ヨーグルト等の乳製品;スナ ク菓子、チューインガム、キャンディー、 ョコレート等の菓子類;錠剤、顆粒剤等の健 食品等が挙げられる。

 本発明精製茶抽出物を配合することがで る飲料としては不発酵茶である緑茶、半発 茶及び発酵茶から選ばれた茶系飲料;及び非 茶系飲料が挙げられる。半発酵茶としては例 えば烏龍茶が挙げられ、発酵茶としては例え ば紅茶が挙げられる。また非茶系飲料として は例えばソフトドリンクである炭酸飲料、果 実ジュース類、野菜ジュース類、豆乳飲料、 牛乳、コーヒー飲料、水、ニアウォーター、 スポーツ飲料、エンハンスドウォーター、ド リンク剤などの非炭酸飲料、栄養飲料、アル コール飲料などが挙げられる。

 これらの飲料及び食品中の非重合体カテ ン類濃度は、生理効果の点から1食分あたり 250~1000mg、更に400~850mmg、特に500~750mg含有する 度が好ましい。

 これらの飲料及び食品は、本発明の精製 抽出物を添加する以外は常法に従って製造 ることができる。

(非重合体カテキン類、カフェイン及び没食 酸の測定法)
 試料溶液をフィルター(0.45μm)で濾過し、(株 )島津製作所製、高速液体クロマトグラフ(型 SCL-10AVP)を用い、オクタデシル基導入液体ク ロマトグラフ用パックドカラムL-カラムTM ODS (4.6mmφ×250mm:財団法人 化学物質評価研究機構 製)を装着し、カラム温度35℃でグラジエント 法で行った。非重合体カテキン類の標準品は 、三井農林(株)製のものを、カフェインはア ドリッチ社品、没食子酸は和光純薬品を使 し、検量線法で定量した。移動相A液は酢酸 を0.1mol/L含有の蒸留水溶液、B液は酢酸を0.1mol /L含有のアセトニトリル溶液とし、試料注入 は20μL、UV検出器波長は280nmの条件で行った

遊離アミノ酸の測定
 ・遊離トリプトファン
(分析機器)
  機種:LC-10AD(島津製作所社製)
  検出器:蛍光分光光度計 RF-10Axl
  カラム:lnertsil ODS-2、内径4.6mm×長さ250mm

 ・遊離トリプトファンを除く遊離アミノ酸
(分析機器)
  機種:L-8800形高速アミノ酸分析計(日立製作 所社製)
  カラム:日立カスタムイオン交換樹脂、内 4.6mm×長さ60mm
  移動相:L-8500 PF緩衝液
  反応液:ニンヒドリン試液

ショ糖およびブドウ糖の分析方法
(分析機器)
  機種:LC-10ADvp(島津製作所社製)
  検出器:示差屈折計 RID-10A(島津製作所社製 )
  カラム:wakosil 5NH2 φ4.6mm×250mm(和光純薬工 株式会社)
  溶離液:CH 3 CN/H 2 O=75/25(v/v)
  試料注入量10μL

風味の評価方法
 茶抽出物を非重合体カテキン類濃度が0.15% なるように水に希釈し、5名の男性モニター 、苦味、酸味、苦味について以下の基準で 点をつけ評価した。

苦味における評価:
  1 感じにくい
  2 やや感じにくい
  3 やや感じる
  4 感じる

酸味における評価:
  1 感じにくい
  2 やや感じにくい
  3 やや感じる
  4 感じる

雑味における評価:
  1 感じにくい
  2 やや感じにくい
  3 やや感じる
  4 感じる

実施例1 精製緑茶抽出物A
(1)緑茶抽出物(ポリフェノンHG、東京フードテ クノ製)500gを水15000gに溶解し、「緑茶抽出液 15500g(pH5.6)を得た。(緑茶抽出液中の非重合 カテキン類濃度=1.05重量%、緑茶抽出液のガ ート体率=52.5重量%)
 この緑茶抽出液を温度15℃に保持し、タン ーゼ(キッコーマン(株)製タンナーゼKTFH、500U /g)を緑茶抽出液に対して500ppmとなる濃度で添 加し、15分間保持し、ガレート体率44.2重量% なったところで、90℃に溶液を加熱して、2 間保持し酵素を失活させ、反応を止めた(pH5. 3)。次いで減圧濃縮にて55℃、2.7kpaでBrix濃度3 0%まで濃縮処理を行い、更に噴霧乾燥して粉 状の「タンナーゼ活性を有する酵素で処理 た緑茶抽出物」400gを得た。得られた緑茶抽 出物は非重合体カテキン類含有量32.1重量%、 重合体カテキンガレート体率44.0重量%であ 、没食子酸含量1.7重量%だった。

(2)酸性白土(ミズカエース#600、水澤化学工 (株)製)100gを常温、250r/min攪拌条件下の92重 %エタノール水溶液800g中に分散させ、約10分 攪拌を行った後、(1)で得られたタンナーゼ 性を有する酵素で処理した緑茶抽出物200gを 投入し、室温のまま約3時間の攪拌を続けた(p H4.0)。その後、生成している沈殿及び酸性白 を2号ろ紙でろ過した。得られたろ液にイオ ン交換水を417g添加し、15℃、100r/min攪拌条件 で約5分間攪拌を行った。その混合溶液を小 型冷却遠心分離機を用い(日立工機(株)製)、 作温度15℃で析出した濁り成分を分離した(60 00rpm、5分)。分離した溶液を活性炭(クラレコ ルGLC、クラレケミカル社製)30gと接触させ、 続けて0.2μmメンブランフィルターによってろ 過を行った。最後にイオン交換水200gを添加 て、40℃、2.7kpaでエタノールを留去し、その 後、水分量を調整して「精製緑茶抽出物A」 得た。

実施例2 精製緑茶抽出物B
(1)上記実施例1と同様に、得た緑茶抽出液を 度15℃に保持し、タンナーゼ(タンナーゼKTFH) を緑茶抽出液に対して500ppmとなる濃度で添加 し、40分間保持し、ガレート体率30重量%にな たところで、90℃に溶液を加熱して、2分間 持し酵素を失活させ、反応を止めた(pH5.0)。 次いで減圧濃縮にて55℃、2.7kpaでBrix濃度25%ま で濃縮処理を行い、更に噴霧乾燥して粉末状 の「タンナーゼ活性を有する酵素で処理した 緑茶抽出物」400gを得た。得られた緑茶抽出 は非重合体カテキン類含有量重量29.8%、非重 合体カテキンガレート体率32.5重量%、没食子 含量3.6重量%であった。

(2)実施例1と同様な精製処理を行い、「精 緑茶抽出物B」を得た。

実施例3 精製緑茶抽出物C
(1)緑茶葉(ケニア産、大葉種)3kgに88℃の熱水45 kgを添加し、30分間攪拌バッチ抽出した後、20 0メッシュ金網で粗ろ過後、抽出液中の微粉 除去する為に遠心分離操作を行い、「緑茶 出液」37.2kgを得た。(緑茶抽出液中の非重合 カテキン類濃度=0.91重量%、緑茶抽出液のガ ート体率=51.2重量%、カフェイン0.17重量%)
 この緑茶抽出液を温度15℃に保持し、タン ーゼ(タンナーゼKTFH)を緑茶抽出液に対して45 0ppmとなる濃度で添加し、40分間保持し、ガレ ート体率30.5重量%になったところで、90℃に 液を加熱して、2分間保持し酵素を失活させ 反応を止めた(pH5.1)。次いで減圧濃縮にて70 、6.7kpaでBrix濃度20%まで濃縮処理を行い、更 に噴霧乾燥して粉末状の「タンナーゼ処理し た緑茶抽出物」0.9kgを得た。得られた緑茶抽 物は非重合体カテキン類含有量27.8重量%、 重合体カテキンガレート体率30.3重量%、没食 子酸3.6重量%であった。「タンナーゼ処理し 緑茶抽出物」10gを、脱イオン水300gに25℃で30 分間攪拌溶解した。

(2)次いで、ステンレスカラム1(内径22mm×高さ9 6mm、容積36.5mL)に充填した合成吸着剤SP-70(三 化学(株)製)36mLを、予めSV=1(h -1 )で95(v/v)エタノール720mLによる洗浄を行い、 いで720mlのイオン交換水で洗浄した。ガラス カラム2(内径16mm×高さ80mm、容積16.1mL)に充填 たイオン交換樹脂SK1BH(三菱化学(株)製)14.7mL 、予めSV=1(h -1 )で95(v/v)エタノール300mLによる洗浄を行い、 いで300mlのイオン交換水で洗浄した。その後 、得られたタンナーゼ処理液(2)144gをSV=1(h -1 )でカラム1に通液した。次いでSV=2(h -1 )で36mLのイオン交換水で洗浄した。その後、0 .1重量%水酸化ナトリウム水溶液をSV=5(h -1 )で216mL通液した。溶出液は連続でカラム2に 液して、脱イオンを行い、非重合体カテキ 類組成物552g(pH2.7)を得た。次いで減圧濃縮に て70℃、6.7kpaで濃縮処理を行い、精製緑茶抽 物Cを得た。

実施例4 精製緑茶抽出物D
(1)上記実施例3で得られた緑茶抽出液を温度15 ℃に保持し、タンナーゼ(タンナーゼKTFH)を緑 茶抽出液に対して430ppmとなる濃度で添加し、 120分間保持し、ガレート体率5.2重量%になっ ところで、90℃に溶液を加熱して、2分間保 し酵素を失活させ、反応を止めた(pH4.8)。次 で減圧濃縮にて70℃、6.7kpaでBrix濃度20%まで 縮処理を行い、更に噴霧乾燥して粉末状の タンナーゼ処理した緑茶抽出物」0.9kgを得 。得られた精製緑茶抽出物は非重合体カテ ン類含有量25.7重量%、非重合体カテキンガレ ート体4.5量%、没食子酸7.3重量%であった。

(2)次いで、実施例3同様に合成吸着剤を用 た精製を行い、精製緑茶抽出物Dを得た。

比較例1
 実施例1-(1)の緑茶抽出物(ポリフェノンHG、 京フードテクノ(株)製)を使用した。

比較例2 緑茶抽出物E
 実施例4―(1)のタンナーゼ処理した緑茶抽出 物を使用した。

比較例3
 緑茶抽出物(テアフラン90S;伊藤園(株)製)を 用した。

比較例4 緑茶抽出物F
(1)内径350mmのカラム式抽出機に88℃の熱水124kg を投入し、緑茶葉(ケニア産、大葉種)6.2kgを 入し、5分静置の後に、下方より液を抜き出 、ドリップ抽出を行った。その後、抽出液 の微粉を除去する為に遠心分離操作を行い 「緑茶抽出液」93.5kgを得た。(緑茶抽出液中 の非重合体カテキン類濃度=0.86重量%、緑茶抽 出液のガレート体率=55.2重量%)
 この緑茶抽出液を次いで減圧濃縮にて70℃ 6.7kpaでBrix濃度20%まで濃縮処理を行い、更に 霧乾燥して粉末状の「緑茶抽出物」2.1kgを た。得られた「緑茶抽出物」10gを、脱イオ 水300gに25℃で30分間攪拌溶解した。

(2)次いで、ステンレスカラム1(内径22mm×高さ9 6mm、容積36.5mL)に充填した合成吸着剤SP-70(三 化学(株)製)36mLを、予めSV=1(h -1 )で95(v/v)エタノール720mLによる洗浄を行い、 いで720mlのイオン交換水で洗浄した。ガラス カラム2(内径16mm×高さ80mm、容積16.1mL)に充填 たイオン交換樹脂SK1BH(三菱化学(株)製)14.7mL 、予めSV=1(h -1 )で95(v/v)エタノール300mLによる洗浄を行い、 いで300mlのイオン交換水で洗浄した。その後 、得られたタンナーゼ処理液(2)144gをSV=1(h -1 )でカラム1に通液した。次いでSV=2(h -1 )で36mLのイオン交換水で洗浄した。その後、0 .1重量%水酸化ナトリウム水溶液をSV=5(h -1 )で216mL通液した。溶出液は連続でカラム2に 液して、脱イオンを行い、非重合体カテキ 類組成物552g(pH2.7)を得た。次いで減圧濃縮に て70℃、6.7kpaで濃縮処理を行い、緑茶抽出物F を得た。

 実施例1~4、比較例1~4で得られた緑茶抽出 の分析結果及び風味の評価結果を表1に示す 。

実施例5
 ブラジル産コーヒー豆の抽出液(固形分濃度 2%)に、上記実施例1~4、比較例1~5の緑茶抽出物 を非重合体カテキン類濃度が1%になるように 合し、缶に充填し、その後レトルト殺菌(124 ℃、20min)を行った。殺菌処理後、卓上遠心機 にて、12000rpm、5分遠心分離を行い、上清中の カテキン含量を調べ、配合量に対する殺菌後 のカテキン残存率を求めた。

実施例6
 オレンジジュース(濃縮還元、100%、Brix11)に 記実施例1~4、比較例1~5の緑茶抽出物を非重 体カテキン類濃度が1%になるように配合し 缶に充填し、その後レトルト殺菌(124℃、20mi n)を行った。殺菌処理後、卓上遠心機にて、1 2000rpm、5分遠心分離を行い、上清中のカテキ 含量を調べ、配合量に対する、殺菌後のカ キン残存率を求めた。結果を表1に示す。表 1の結果から明らかなように、本発明による 茶抽出物は、雑味、苦味、酸味が低減され つ各種飲食品中での安定性に優れているこ がわかる。