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Title:
TERMINAL FOR CONNECTOR AND PROCESS FOR PRODUCING THE TERMINAL FOR CONNECTOR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/116602
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a terminal for a connector, fabricated from a metallic material for a connector, comprising a tin layer or a tin alloy layer provided on a base material of copper or a copper alloy. The thickness of the tin layer or the tin alloy layer in a contact part on the surface of the terminal is smaller than the thickness of the tin layer or the tin alloy layer in the region other than the contact part. A copper-tin alloy layer is provided as a layer underlying the tin layer or the tin alloy layer at the contact part. Also disclosed is a terminal for a connector, fabricated from a metallic material for a connector, comprising a base material of copper or a copper alloy. A copper-tin alloy layer is provided in a spot form at a contact part on the surface of the terminal, and a tin layer or a tin alloy layer is provided on the remaining part of the surface of the terminal.

Inventors:
KITAGAWA SHUICHI (JP)
MITOSE KENGO (JP)
KOBAYASHI YOSHIAKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/055359
Publication Date:
September 24, 2009
Filing Date:
March 18, 2009
Export Citation:
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Assignee:
FURUKAWA ELECTRIC CO LTD (JP)
KITAGAWA SHUICHI (JP)
MITOSE KENGO (JP)
KOBAYASHI YOSHIAKI (JP)
International Classes:
H01R13/03; C25D5/50; C25D7/00; H01R43/16
Foreign References:
JPH11233228A1999-08-27
JP2006172877A2006-06-29
JP2000021545A2000-01-21
JP2000021546A2000-01-21
JP2006196323A2006-07-27
JPH10134869A1998-05-22
JP2003171790A2003-06-20
JP2006161127A2006-06-22
JP2007258156A2007-10-04
JPH11233228A1999-08-27
JP2005353352A2005-12-22
Other References:
See also references of EP 2273621A4
Attorney, Agent or Firm:
IIDA, TOSHIZO (JP)
Toshizo Iida (JP)
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Claims:
 銅または銅合金の母材上にスズ層またはスズ合金層が形成されたコネクタ用金属材料から加工されたコネクタ用端子において、前記端子の表面の接点部における前記スズ層またはスズ合金層の厚さが該接点部以外の領域における前記スズ層またはスズ合金層の厚さより薄くなっており、前記接点部のスズ層またはスズ合金層の下層に銅スズ合金層が形成されていることを特徴とするコネクタ用端子。
 銅または銅合金を母材とするコネクタ用金属材料から加工されたコネクタ用端子において、前記端子の表面の接点部にはスポット状に銅スズ合金層が形成され、前記端子の表面の残部にはスズ層またはスズ合金層が形成されていることを特徴とするコネクタ用端子。
 前記スズ層またはスズ合金層の下層に、銅層または銅合金層が形成されていることを特徴とする請求項1または2記載のコネクタ用端子。
 前記母材上に、ニッケル層またはニッケル合金層が形成されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のコネクタ用端子。
 銅または銅合金を母材とし、この母材上にスズめっき層またはスズ合金めっき層を形成してコネクタ用金属材料を得たのち、前記金属材料の特定箇所にスポット状のリフロー処理を行い、その後コネクタ用端子の形状に加工することを特徴とするコネクタ用端子の製造方法。
 銅または銅合金を母材とし、この母材上にスズめっき層またはスズ合金めっき層を形成してコネクタ用金属材料を得て、この金属材料をコネクタ用端子の形状に加工し、その後前記端子表面の接点部を含む特定箇所にスポット状のリフロー処理を行うことを特徴とするコネクタ用端子の製造方法。
 前記リフロー処理を行い、銅スズ合金層を形成して前記スズめっき層またはスズ合金めっき層の厚さを薄くすることを特徴とする請求項5記載のコネクタ用端子の製造方法。
 前記リフロー処理を行い、前記接点部に銅スズ合金層を形成して前記スズめっき層またはスズ合金めっき層の厚さを薄くすることを特徴とする請求項6記載のコネクタ用端子の製造方法。
 前記リフロー処理前の前記スズめっき層またはスズ合金めっき層の厚さが0.8~1.3μmであることを特徴とする請求項7または請求項8記載のコネクタ用端子の製造方法。
 前記母材と、前記スズめっき層またはスズ合金めっき層との間に、前記母材上に近い側から、ニッケルめっき層またはニッケル合金めっき層、銅めっき層または銅合金めっき層を設けて前記コネクタ用金属材料を得ることを特徴とする請求項7または請求項8記載のコネクタ用端子の製造方法。
 前記リフロー処理前の前記スズめっき層またはスズ合金めっき層の厚さが0.8~1.3μmであり、かつ前記銅めっき層の厚さ(Cu厚)に対する前記スズめっきまたはスズ合金めっき層の厚さ(Sn厚)の比(Sn厚/Cu厚)が2以上であることを特徴とする請求項10記載のコネクタ用端子の製造方法。
 前記リフロー処理を行い、前記金属材料の表面の一部に銅スズ合金を露出さることを特徴とする請求項5記載のコネクタ用端子の製造方法。
 前記リフロー処理を行い、前記接点部に銅スズ合金を露出させることを特徴とする請求項6記載のコネクタ用端子の製造方法。
 前記リフロー処理前の前記スズめっき層またはスズ合金めっき層の厚さが0.3~0.8μmであることを特徴とする請求項12または請求項13記載のコネクタ用端子の製造方法。
 前記母材と、前記スズめっき層またはスズ合金めっき層との間に、前記母材上に近い側から、ニッケルめっき層またはニッケル合金めっき層、銅めっき層または銅合金めっき層を設けて前記コネクタ用金属材料を得ることを特徴とする請求項12または請求項13記載のコネクタ用端子の製造方法。
 前記リフロー処理前の前記スズめっき層またはスズ合金めっき層の厚さが0.3~0.8μmであり、かつ前記銅めっき層の厚さ(Cu厚)に対する前記スズめっきまたはスズ合金めっき層の厚さ(Sn厚)の比(Sn厚/Cu厚)が2未満であることを特徴とする請求項15に記載のコネクタ用端子の製造方法。
 前記リフロー処理がレーザ照射によることを特徴とする請求項5~請求項16のいずれか1項に記載のコネクタ用端子の製造方法。
Description:
コネクタ用端子およびその製造 法

 本発明はコネクタ用端子およびその製造 法に関し、詳しくは、低挿入力性と接続信 性を両立したコネクタ用端子およびその製 方法に関する。

 銅(Cu)、銅合金などの導電体の母材(以下 適宜、母材と記す。)上にスズ(Sn)、スズ合金 などのめっき層を設けためっき材料は、母材 の優れた導電性と強度、およびめっき層の優 れた電気接続性と耐食性とはんだ付け性を備 えた高性能導体材料として知られており、各 種の端子やコネクタなどに広く用いられてい る。

 ところで近年、電子制御化が進む中で嵌 型コネクタが多極化したため、オス端子群 メス端子群を挿抜する際に多大な力が必要 なり、特に、自動車のエンジンルーム内な の狭い空間では挿抜作業が困難なため前記 抜力の低減が強く求められている。

 前記挿抜力を低減する方法として、コネ タ端子表面のSnめっき層を薄くして端子間 接触圧力を弱める方法があるが、この方法 Snめっき層が軟質のため端子の接触面間にフ レッティング現象が起きて端子間に導通不良 が起きることがある。

 前記フレッティング現象とは、振動や温 変化などが原因で端子の接触面間に起きる 摺動により、端子表面の軟質のSnめっき層 摩耗し酸化して、比抵抗の大きい摩耗粉に る現象で、この現象が端子間に発生すると 続不良が起きる。そして、この現象は端子 の接触圧力が低いほど起き易い。

 特許文献1には、銅または銅合金の母材に下 地銅めっき層を形成し、さらにその表面にス ズめっき層を形成し、その後、端子の嵌合部 分における摺動面とは反対側の面にレーザ照 射を行うことにより、摺動面におけるレーザ のビームスポットに対応する部分が伝熱によ り加熱され、スズめっき層と下地銅めっき層 との界面に銅スズ合金層が形成される嵌合型 接続端子の製造方法が記載されている。
 薄くスズめっき層を残存させるレーザ照射 件であれば、安定した接触抵抗を維持した ま端子の低挿入力化が可能で、かつ直接レ ザ照射を行わないので、スズめっき層が溶 変化を起こさず、接触抵抗が悪化しないと れている。

 特許文献2には嵌合型オス端子の平板形状の タブ部表面に、嵌合型メス端子の嵌合部ない にタブ部を挟み込むように設けられた凸部が 弾性接触することによりタブ部表面に挿抜痕 が形成される嵌合型オス端子のタブ部表面に 施されるスズめっき層において、挿抜痕終端 の接続痕近傍におけるめっき厚が少なくとも 挿抜痕が形成される部分よりも厚く表面処理 された嵌合型オス端子が記載されている。
 この嵌合型オス端子は、接続痕が形成され ことになる接点部には接続信頼性を確保で るめっき層があり、その前部分の挿抜痕が 成される部分のめっき層は薄いため、挿入 低減効果と接続信頼性を両立することがで るとされている。

特開平11-233228号公報

特開2005-353352号公報

 しかしながら、上記の嵌合型接続端子で はんだ付けに使用する裏面から加熱するこ によりはんだ濡れ性が低下することや、挿 時に摺動が起こる部分の摩擦係数が高いこ などの点で、まだ低挿入力性と接続信頼性 十分に両立できるものではなかった。

 そこで、本発明は低挿入力性と接続信頼 を両立したコネクタ用端子およびその製造 法を提供すること目的とする。

 本発明によれば、以下の手段が提供される:
(1)銅または銅合金の母材上にスズ層またはス ズ合金層が形成されたコネクタ用金属材料か ら加工されたコネクタ用端子において、前記 端子の表面の接点部における前記スズ層また はスズ合金層の厚さが該接点部以外の領域に おける前記スズ層またはスズ合金層の厚さよ り薄くなっており、前記接点部のスズ層また はスズ合金層の下層に銅スズ合金層が形成さ れていることを特徴とするコネクタ用端子、
(2)銅または銅合金を母材とするコネクタ用金 属材料から加工されたコネクタ用端子におい て、前記端子の表面の接点部にはスポット状 に銅スズ合金層が形成され、前記金属材料の 表面の残部にはスズ層またはスズ合金層が形 成されていることを特徴とするコネクタ用端 子、
(3)前記スズ層またはスズ合金層の下層に、銅 層または銅合金層が形成されていることを特 徴とする(1)または(2)項記載のコネクタ用端子 、
(4)前記母材上に、ニッケル層またはニッケル 合金層が形成されていることを特徴とする(1) ~(3)のいずれか1項に記載のコネクタ用端子、
(5)銅または銅合金を母材とし、この母材上に スズめっき層またはスズ合金めっき層を形成 してコネクタ用金属材料を得たのち、前記金 属材料の特定箇所にスポット状のリフロー処 理を行い、その後コネクタ用端子の形状に加 工することを特徴とするコネクタ用端子の製 造方法、
(6)銅または銅合金を母材とし、この母材上に スズめっき層またはスズ合金めっき層を形成 してコネクタ用金属材料を得て、この金属材 料をコネクタ用端子の形状に加工し、その後 前記端子表面の接点部を含む特定箇所にスポ ット状のリフロー処理を行うことを特徴とす るコネクタ用端子の製造方法、
(7)前記リフロー処理を行い、銅スズ合金層を 形成して前記スズめっき層またはスズ合金め っき層の厚さを薄くすることを特徴とする(5) 項記載のコネクタ用端子の製造方法、
(8)前記リフロー処理を行い、前記接点部に銅 スズ合金層を形成して前記スズめっき層また はスズ合金めっき層の厚さを薄くすることを 特徴とする(6)項記載のコネクタ用端子の製造 方法、
(9)前記リフロー処理前の前記スズめっき層ま たはスズ合金めっき層の厚さが0.8~1.3μmであ ことを特徴とする(7)項または(8)項記載のコ クタ用端子の製造方法、
(10)前記母材と、前記スズめっき層またはス 合金めっき層との間に、前記母材上に近い から、ニッケルめっき層またはニッケル合 めっき層、銅めっき層または銅合金めっき を設けて前記コネクタ用金属材料を得るこ を特徴とする(7)項または(8)項記載のコネク 用端子の製造方法、
(11)前記リフロー処理前の前記スズめっき層 たはスズ合金めっき層の厚さが0.8~1.3μmであ 、かつ前記銅めっき層の厚さ(Cu厚)に対する 前記スズめっきまたはスズ合金めっき層の厚 さ(Sn厚)の比(Sn厚/Cu厚)が2以上であることを特 徴とする(10)項に記載のコネクタ用端子の製 方法、
(12)前記リフロー処理を行い、前記金属材料 表面の一部に銅スズ合金を露出させること 特徴とする(5)項記載のコネクタ用端子の製 方法、
(13)前記リフロー処理を行い、前記接点部に スズ合金を露出させることを特徴とする(6) 記載のコネクタ用端子の製造方法、
(14)前記リフロー処理前の前記スズめっき層 たはスズ合金めっき層の厚さが0.3~0.8μmであ ことを特徴とする(12)項または(13)項記載の ネクタ用端子の製造方法、
(15)前記母材と、前記スズめっき層またはス 合金めっき層との間に、前記母材上に近い から、ニッケルめっき層またはニッケル合 めっき層、銅めっき層または銅合金めっき を設けて前記コネクタ用金属材料を得るこ を特徴とする(12)項または(13)項記載のコネク タ用端子の製造方法、
(16)前記リフロー処理前の前記スズめっき層 たはスズ合金めっき層の厚さが0.3~0.8μmであ 、かつ前記銅めっき層の厚さ(Cu厚)に対する 前記スズめっきまたはスズ合金めっき層の厚 さ(Sn厚)の比(Sn厚/Cu厚)が2未満であることを特 徴とする(12)項または(13)項に記載のコネクタ 端子の製造方法、および
(17)前記リフロー処理がレーザ照射によるこ を特徴とする(5)項~(16)項のいずれか1項に記 のコネクタ用端子の製造方法。
 以下、前記(1)項、(3)~(4)項{但し、前記(1)項 直接又は間接に従属するものに限る}に記載 コネクタ用端子、及び前記(5)項、(6)項、(7)~ (11)項、(17)項{但しこれらの内、前記(5)、(6)、 (7)項に直接又は間接に従属するものに限る} 記載のコネクタ用端子の製造方法を併せて 本発明の第1の実施態様という。
 また、前記(2)項、(3)~(4)項{但し、前記(2)項 直接又は間接に従属するものに限る}に記載 コネクタ用端子、及び前記(5)項、(6)項、(12) ~(16)項、(17)項{但しこれらの内、前記(5)、(6) (12)項に直接又は間接に従属するものに限る} に記載のコネクタ用端子の製造方法を併せて 、本発明の第2の実施態様という。
 ここで、特に断らない限り、本発明とは、 記第1及び第2の実施態様の全てを包含する 味である。

 本発明のコネクタ用端子は、接点部では 摩擦係数で且つ耐フレッティングに優れて り、それ以外の部分はハンダ付け性や耐環 性に優れており、低挿入力と接続信頼性を 立することができる。

 本発明の上記及び他の特徴及び利点は、 宜添付の図面を参照して、下記の記載から り明らかになるであろう。

本発明の好ましい実施態様のコネクタ 端子の製造方法の1例を模式的に示した説明 図であり、図1(a)はコネクタ用金属材料を示 拡大断面図であり、図1(b)は予備リフロー後 コネクタ用金属材料を示す拡大断面図であ 、図1(c)はスポット状にリフローした端子の 拡大断面図である。 本発明の別の好ましい実施態様のコネ タ用端子の製造方法の1例を模式的に示した 説明図であり、図2(a)はコネクタ用金属材料 示す拡大断面図であり、図2(b)は予備リフロ 後のコネクタ用金属材料を示す拡大断面図 あり、図2(c)はスポット状にリフローした端 子の拡大断面図である。 本発明の実施形態に係るコネクタ用端 の1例の側面図である。

符号の説明

  1 母材
  2 Ni層
  3 Cu層
  4 Sn層
  5 CuSn合金層
  11 オス端子
  12 メス端子
  13 タブ
  14 舌片
  15 ビード

 本発明のコネクタ用端子の母材としては、 または銅合金が用いられ、コネクタに要求 れる導電性、機械的強度および耐熱性を有 る銅、リン青銅、黄銅、洋白、ベリリウム 、コルソン合金などの銅合金が好ましい。
 母材の形状は、条、丸線、角線など任意で る。

 本発明では、母材上にCu下地めっきを行 、Cuめっき層を設けることが好ましいが、後 述するリフローによって銅スズ合金が形成で きるような構成であれば下地なしでもよい。 Cuめっき層を設けることにより、Cu濃度を減 させたCu-Sn合金層の形成を容易にすることが できる。Cuめっき層の厚みは0.01~3.0μmが好ま い。さらには0.05~1.0μmが好ましい。

 また、耐熱性を向上させるために、下層か の金属拡散を防止するバリア性を持つニッ ル(Ni)下地めっきを母材と銅下地の間に施し 、ニッケルめっき層を設けてもよい。ニッケ ル下地めっきは、Ni-P系、Ni-Sn系、Co-P系、Ni-Co 系、Ni-Co-P系、Ni-Cu系、Ni-Cr系、Ni-Zn系、Ni-Fe系 などのNi合金めっきでもよい。NiおよびNi合金 はバリア機能が高温環境下にあっても衰えな い。
 ニッケルめっき層の厚みは、0.02μm未満では そのバリア機能が十分に発揮されなくなり、 3.0μmを超えるとめっき歪みが大きくなって母 材から剥離し易くなる。従って0.02~3.0μmが好 しい。ニッケルめっき層の厚みの上限は端 加工性を考慮すると1.5μm、さらには1.0μmが ましい

 本発明においては、金属材料の表層はス めっき、またはスズ合金めっきが施される 、該スズめっきまたはスズ合金めっきは、 沢より無光沢のものが、レーザの吸収率を げるので好ましい。

 本発明の好ましい一つの実施態様(前記「 第1の実施態様」)のコネクタ用端子は、銅ま は銅合金の母材上にスズ層またはスズ合金 が形成された金属材料から加工され、端子 表面の接点部におけるスズ層またはスズ合 層の厚さが接点部以外の領域におけるスズ またはスズ合金層の厚さより薄くなってお 、接点部のスズ層またはスズ合金層の下層 銅スズ合金層が形成されている。スズめっ またはスズ合金めっき厚が薄すぎるとスズ 耐熱性、耐環境性が発現しにくいため、本 施態様では、金属材料のスズめっきまたは ズ合金めっきの厚さは0.3μm以上が好ましく 0.8~1.2μmがさらに好ましく、0.8~1.0μmがより ましい。

 本発明の別の好ましい実施態様(前記「第 2の実施態様」)のコネクタ用端子は、銅また 銅合金を母材とするコネクタ用金属材料か 加工されたコネクタ用端子の表面の接点部 はスポット状に銅スズ合金層が形成され、 記金属材料の表面の残部にはスズ層または ズ合金層が形成されている。また、上記の うに、スズめっきまたはスズ合金めっき厚 薄すぎるとスズの耐熱性、耐環境性が発現 にくいため、本実施態様では、金属材料の ズめっきまたはスズ合金めっきの厚さは0.3 m以上が好ましく、0.3~0.8μmがさらに好ましく 、0.3~0.6μmがより好ましい。

 本発明において、Snめっきは、無電解めっ で行って形成しても良いが、電気めっきで 成するのが望ましい。また、Sn合金めっきと しては、Sn-Cu、Sn-Bi、Sn-Ag、Sn-Zn、Sn-In、Sn-Pb、 Sn-Ag-CuなどのSn主体の合金のめっきを好まし 用いることができる。
 表層の電気Snめっきは、例えば硫酸スズ浴 用い、めっき温度30℃以下、電流密度5A/dm 2 で行えばよい。ただし、条件はこの限りでは なく適宜設定可能である。

 第1の実施態様のコネクタ用端子では、下 地銅めっきを施した場合、下地銅めっき層の 厚さ(Cu厚)に対する表層スズめっきまたはス 合金めっき層の厚さ(Sn厚)の比(Sn厚/Cu厚)が2 上であることが好ましく、2.0~3.0であること さらに好ましい。

 第2実施態様のコネクタ用端子では、下地 銅めっきを施した場合、下地銅めっき層の厚 さ(Cu厚)に対する表層スズめっきまたはスズ 金めっき層の厚さ(Sn厚)の比(Sn厚/Cu厚)が2未 であることが好ましく、1.0以上2.0未満であ ことがさらに好ましい。

 本発明のコネクタ用端子は、銅または銅合 を母材とし、表面にスズ層またはスズ合金 が形成されたコネクタ用金属材料から形成 れ、コネクタ端子の接点部に銅スズ合金が 成されている。この端子を得るためには、 ネクタ用金属材料に対して、またはコネク 用金属材料からプレス加工されて端子の形 に加工された後に、該端子の接点部(または 該端子の接点部となる金属材料上の箇所)に みリフロー処理(めっきその他の型の被覆を 融・再固化させる処理)を施し、該接点部に おけるスズ層またはスズ合金層厚を薄くする か、または、該接点部に銅スズ合金層を露出 させる。
 リフロー処理は、材料表面における特定部 (限定された部分)に、すなわちスポット状 リフローできる方法であれば、それに限定 れるものでないが、レーザ照射によるレー のビームスポットに対応する部分の処理が 適に用いることができる。例えば、材料加 で使用されるYAGレーザ照射装置または半導 レーザ照射装置を用いて、接点部を限定的 加熱リフロー処理することができる。ここ 、リフロー処理されるスポット状の領域の 積には数値的基準はないが、該スポット状 領域には、少なくとも端子の接点部となる 所を含むことが必要とされる。

 以下、レーザ照射を用いたリフロー処理に いて説明する。
 本発明では、端子の接点部の表面側、すな ち摺動面側に銅スズ金属間化合物(銅スズ合 金)を成長させるために摺動面側からレーザ 照射する。レーザ出力は1W~60Wが好ましい。

 第1の実施態様のコネクタ用端子の製造にお けるレーザの照射は、表面に薄くSnめっきま はSn合金めっき層が残存するようなレーザ 射条件で行われる。レーザ照射後の表面のSn めっきまたはSn合金めっき層の最も薄い箇所 厚さは0.1~0.3μmであることが好ましい。
 また、第2の実施態様のコネクタ用端子の製 造におけるレーザの照射は、表面にSnめっき たはSn合金めっき層が残存しないようなレ ザ照射条件で行われる。

 上記のレーザ加熱によってリフローされる さは、下地めっきを用いた場合、材料に施 た全めっき厚よりも浅くスズめっき厚より 深くなるように調整する。
 また、リフローが過剰になることを防ぐた 、レーザを照射する側と反対側から材料を 却しながらレーザ照射してもよい。
 レーザ処理は大気中で行ってもよいが、還 雰囲気下で行ってもよい。

 また、上記の接点部以外の上記リフロー 行わない部分を含めた形式で予備的にリフ ーしてもよい。ただし、当該予備的リフロ 処理により表面に銅スズ金属間化合物が露 しないことが必要である。予備的リフロー 理は、例えば、電磁誘導加熱炉、バーナー 熱炉、雰囲気炉などの加熱装置により行う とができる。

 図1は、本発明の第1の実施態様の端子の 造方法の1例を拡大断面図によりも模式的に した説明図である。図1(a)は、銅合金からな る母材1に、ニッケル下地めっきと銅下地め きをこの順に施し、Ni層2とCu層3を形成し、Cu 層3上にスズめっきによりSn層4を形成した状 のめっき材(コネクタ用金属材料)を示す。次 いで、このめっき材を常法によるプレス加工 などにより、端子の形状に加工した後、バー ナー加熱炉により予備リフローを行い、図1(b )に示すように、Cu層3とSn層4の境界に銅スズ 属間化合物を含むCuSn合金層5を形成する。次 いで、接点部のみを表面側からレーザ照射し てスポット状にリフローし、CuSn合金層5を表 側に成長させ、図1(c)に示す状態とする。こ のとき、接点部の表面には、Sn層4が薄く残存 している。

 図2は、本発明の第2の実施態様の端子の 造方法の1例を拡大断面図によりも模式的に した説明図である。図2(a)は、銅合金からな る母材1に、ニッケル下地めっきと銅下地め きをこの順に施し、Ni層2とCu層3を形成し、Cu 層3上にスズめっきによりSn層4を形成した状 のめっき材(コネクタ用金属材料)を示す。次 いで、このめっき材を常法によるプレス加工 などにより、端子の形状に加工した後、バー ナー加熱炉により予備リフローを行い、図2(b )に示すように、Cu層3とそれに接するSn層4と ら銅スズ金属間化合物を含むCuSn合金層5を形 成する。次いで、接点部のみを表面側からレ ーザ照射してスポット状にリフローし、CuSn 金層5を表面側に成長させ、図2(c)に示すよう に、CuSn合金層5が表面に露出する。

 本発明において、リフロー前の材料は、プ ス加工などの常法により、端子の形状に加 することができる。図3は、本発明のコネク タ用端子の1例の嵌合型端子の側面図で、オ 端子11およびメス端子12から構成されている 破線で囲まれた部分は、それぞれ、13がオ 端子のタブ、14がメス端子の舌片、15がメス 子のビードそれぞれ示す。舌片14の上部に 凸状のディンプルが形成されている。オス 子11をメス端子12に挿入接合する際には、タ 13を舌片14とビード15との間隙に挿入する。 して、タブ13を完全に挿入すると、舌片14及 びビート15がそれぞれタブ13に強く接触した 態で、タブ13がそれらの間に圧接保持される 。これによりオス端子11及びメス端子12間の 好な電気的接続がなされる。オス端子11側の タブ13の上面および下面が接点部となり、一 メス端子12側の舌片14(ディンプル)およびビ ド15が接点部となる。
 また、リフロー工程は端子形状加工後に行 れるが、リフロー後に再度加工を行っても い。なお、コネクタ用金属材料からプレス 工される端子の接点部の位置が特定されう 場合、例えばコネクタ用金属材料に位置決 用の穴が設けられている場合には、コネク 用金属材料にリフロー工程を実施し、その プレス加工しても差し支えない。

 本発明のコネクタ用端子は、例えば自動 用の嵌合型コネクタをはじめ、各種電気電 機器用の嵌合型接続端子に好適に用いるこ ができる。本発明のコネクタ用端子は、接 部では、低摩擦係数で且つ耐フレッティン に優れており、それ以外の部分はハンダ付 性や耐環境性に優れており、低挿入力と接 信頼性を両立することができる。

 以下に、本発明を実施例に基づいてさらに 細に説明するが、本発明はこれに限定され ものではない。
 なお、以下の実施例および比較例において 銅めっきは硫酸浴、ニッケルめっきはスル ァミン酸浴、スズめっきは硫酸浴を用いて った。

 実施例1
 幅0.64mmの7/3黄銅角線(古河電気工業(株)製、 質はJIS規格C2600:以下同様)に銅の下地めっき を厚さ0.3μm施した後、厚さ0.8μmのスズめっき を行った。当該材料をプレスによって接続端 子のオス端子の形状に加工後、YAGレーザ(出 30W、波長1064nm)を接点部に照射してリフロー た。接点部の表面は純スズの薄層で覆われ いた。

 実施例2
 幅0.64mmのコルソン合金(古河電気工業(株)製 商品名EFTEC-97:以下同様)の角線に銅の下地め っきを厚さ0.5μm施した後、厚さ1.2μmのスズめ っきを行った。当該材料をプレスによって接 続端子のオス端子の形状に加工後、YAGレーザ (出力30W、波長1064nm)を接点部に照射してリフ ーした。接点部の表面は純スズの薄層で覆 れていた。

 実施例3
 幅0.64mmの7/3黄銅角線にニッケルの下地めっ を厚さ0.5μm、銅の下地めっきを厚さ0.3μm施 た後、厚さ0.8μmのスズめっきを行った。当 材料をプレスによって接続端子のオス端子 形状に加工後、YAGレーザ(出力30W、波長1064nm )を接点部に照射してリフローした。接点部 表面は純スズの薄層で覆われていた。

 実施例4
 幅0.64mmのコルソン合金角線にニッケルの下 めっきを厚さ0.5μm、銅の下地めっきを厚さ0 .5μm施した後、厚さ1.2μmのスズめっきを行っ 。当該材料をプレスによって接続端子のオ 端子の形状に加工後、YAGレーザ(出力30W、波 長1064nm)を接点部に照射してリフローした。 点部の表面は純スズの薄層で覆われていた

 実施例5
 幅0.64mmの7/3黄銅角線にニッケルの下地めっ を厚さ0.3μm、銅の下地めっきを厚さ0.3μm施 た後、厚さ0.8μmのスズめっきを行った。当 材料をオス端子の形状に加工後、接点に供 れる部分に対して半導体レーザ(出力5W、波 915nm)を照射して加熱し、リフロー処理を施 た。接点部の表面は純スズの薄層で覆われ いた。

 実施例6
 幅0.64mmのコルソン合金角線にニッケルの下 めっきを厚さ0.3μm、銅の下地めっきを厚さ0 .5μm施した後、厚さ1.2μmのスズめっきを行っ 。当該材料をオス端子の形状に加工後、接 に供される部分に対して半導体レーザ(出力 5W、波長915nm)を照射して加熱し、リフロー処 を施した。接点部の表面は純スズの薄層で われていた。

 比較例1
 幅0.64mmの7/3黄銅角線にニッケルの下地めっ を厚さ0.5μm、銅の下地めっきを厚さ0.5μm施 た後、厚さ1.2μmのスズめっきを行った。そ 後、当該材料をプレスによって接続端子の ス端子の形状に加工した。

 比較例2
 幅0.64mmの7/3黄銅角線にニッケルの下地めっ を厚さ0.5μm、銅の下地めっきを厚さ0.5μm施 た後、厚さ1.2μmのスズめっきを行った。当 材料の全面をバーナーによってSnの融点以 に加熱してリフローした後、プレスによっ 接続端子のオス端子の形状に加工した。

 比較例3
 幅0.64mmの7/3黄銅角線にニッケルの下地めっ を厚さ0.5μm、銅の下地めっきを厚さ0.5μm施 た後、厚さ1.2μmのスズめっきを行った。当 材料をプレスによって接続端子のオス端子 形状に加工後、全面をバーナーによってSn 融点以上に加熱してリフローした。

 実施例7
 幅0.64mmの7/3黄銅角線に銅の下地めっきを厚 0.3μm施した後、厚さ0.3μmのスズめっきを行 た。当該材料をプレスによって接続端子の ス端子の形状に加工後、YAGレーザ(出力30W、 波長1064nm)を接点部に照射してリフローした 接点部の表面には銅スズ金属間化合物が露 した。

 実施例8
 幅0.64mmのコルソン合金の角線に銅の下地め きを厚さ0.5μm施した後、厚さ0.6μmのスズめ きを行った。当該材料をプレスによって接 端子のオス端子の形状に加工後、YAGレーザ( 出力30W、波長1064nm)を接点部に照射してリフ ーした。接点部の表面には銅スズ金属間化 物が露出した。

 実施例9
 幅0.64mmの7/3黄銅角線にニッケルの下地めっ を厚さ0.5μm、銅の下地めっきを厚さ0.3μm施 た後、厚さ0.3μmのスズめっきを行った。当 材料をプレスによって接続端子のオス端子 形状に加工後、YAGレーザ(出力30W、波長1064nm )を接点部に照射してリフローした。接点部 表面には銅スズ金属間化合物が露出した。

 実施例10
 幅0.64mmのコルソン合金角線にニッケルの下 めっきを厚さ0.5μm、銅の下地めっきを厚さ0 .5μm施した後、厚さ0.6μmのスズめっきを行っ 。当該材料をプレスによって接続端子のオ 端子の形状に加工後、YAGレーザ(出力30W、波 長1064nm)を接点部に照射してリフローした。 点部の表面には銅スズ金属間化合物が露出 た。

 実施例11
 幅0.64mmの7/3黄銅角線にニッケルの下地めっ を厚さ0.3μm、銅の下地めっきを厚さ0.3μm施 た後、厚さ0.3μmのスズめっきを行った。当 材料をオス端子の形状に加工後、接点に供 れる部分に対して半導体レーザ(出力5W、波 915nm)を照射して加熱し、リフロー処理を施 た。接点部の表面には銅スズ金属間化合物 露出した。

 実施例12
 幅0.64mmのコルソン合金角線にニッケルの下 めっきを厚さ0.3μm、銅の下地めっきを厚さ0 .5μm施した後、厚さ0.6μmのスズめっきを行っ 。当該材料をオス端子の形状に加工後、接 に供される部分に対して半導体レーザ(出力 5W、波長915nm)を照射して加熱し、リフロー処 を施した。接点部の表面には銅スズ金属間 合物が露出した。

 比較例4
 幅0.64mmの7/3黄銅角線にニッケルの下地めっ を厚さ0.5μm、銅の下地めっきを厚さ0.5μm施 た後、厚さ0.6μmのスズめっきを行った。そ 後、当該材料をプレスによって接続端子の ス端子の形状に加工した。

 比較例5
 幅0.64mmの7/3黄銅角線にニッケルの下地めっ を厚さ0.5μm、銅の下地めっきを厚さ0.5μm施 た後、厚さ0.6μmのスズめっきを行った。当 材料の全面をバーナーによってSnの融点以 に加熱してリフローした後、プレスによっ 接続端子のオス端子の形状に加工した。

 比較例6
 幅0.64mmの7/3黄銅角線にニッケルの下地めっ を厚さ0.5μm、銅の下地めっきを厚さ0.5μm施 た後、厚さ0.6μmのスズめっきを行った。当 材料をプレスによって接続端子のオス端子 形状に加工後、全面をバーナーによってSn 融点以上に加熱してリフローした。

 試験例
 上記実施例1~12、比較例1~6の接続端子の接触 抵抗、はんだ濡れ性、動摩擦係数について、 評価試験を行った。
(接触抵抗)
 接触抵抗は、4端子法によって測定し、接触 子にはAgプローブを用い1Nの荷重をかけて測 した。5mω以内が合格○、それ以上を不合格 とした。
(はんだ濡れ性)
 はんだ濡れ性は、メニスコグラフ法によっ 測定を行った。
 装置はレスカ(株)製ソルダーチェッカーSAT-5 100を用いた。
 はんだはSn-3.0Ag-0.5Cuの鉛フリーはんだを用 て、25%ロジンフラックスを使用した。
 判定基準は、浸漬面積の95%以上が濡れてい 場合に良好◎、浸漬面積の90%以上95%未満が れている場合に合格○、それ以下を不合格 とした。
(動摩擦係数)
 動摩擦係数の測定には、バウデン試験器を いた。
 摺動子にはメス端子を模擬したディンプル 取り付けて測定した。
 判定基準は、μk<0.25を良好◎、0.25≦μk< 0.3を合格○とし、それ以上を不合格×とした

 表1に示されるように実施例1~6では、いずれ も接触抵抗、動摩擦係数で合格基準を満たし 、かつ、はんだ濡れ性が浸漬面積の95%以上が 濡れている良好◎であるのに対し、比較例1 よび3では動摩擦係数が不合格であり、比較 2および3でははんだ濡れ性が浸漬面積の90% 上95%未満が濡れているものであった。
 また、表2に示されるように実施例7~12では いずれも接触抵抗、はんだ濡れ性が合格基 を満たし、かつ、動摩擦係数がμk<0.25の良 好◎であるのに対し、比較例4および6では動 擦係数が不合格であり、比較例5で動摩擦係 数が0.25≦μk<0.3となるものであった。

 本発明をその実施態様とともに説明した 、我々は特に指定しない限り我々の発明を 明のどの細部においても限定しようとする のではなく、添付の請求の範囲に示した発 の精神と範囲に反することなく幅広く解釈 れるべきであると考える。

 本願は、2008年3月19日に日本国で特許出願 された特願2008-072547、2008年3月19日に日本国で 特許出願された特願2008-072548に基づく優先権 主張するものであり、これらはいずれもこ に参照してその内容を本明細書の記載の一 として取り込む。