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Title:
TEST KIT FOR IMMUNOCHROMATOGRAPHY
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/069488
Kind Code:
A1
Abstract:
It is intended to provide a test kit for immunochromatography capable of accurately and promptly detecting a test substance in a sample by suppressing a non-specific reaction by a non-specific factor causing false-positive results during detection and also improving detection sensitivity to the test substance. The test kit for immunochromatography includes a test piece comprising a chromatographic medium and, formed thereon, a sample addition section for adding a test substance, a labeled substance holding section for holding a labeled substance labeled with a specific binding substance specifically reacting with the test substance, and a determination section on which a capturing substance for capturing the labeled substance labeled with the specific binding substance specifically reacting with the test substance has been immobilized, and a developer for developing the test substance on the test piece, and an immunoglobulin derived from a producing animal species the same as that of the capturing substance of the determination section and having a subclass the same as that of the capturing substance is mixed with the developer, or held in the sample addition section or the labeled substance holding section on the test piece.

Inventors:
KITANI YOSHIKO (JP)
IWAMOTO HISAHIKO (JP)
KII SATOSHI (JP)
MOCHIZUKI KAZUYOSHI (JP)
TSUGE RIKU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/070840
Publication Date:
June 04, 2009
Filing Date:
November 17, 2008
Export Citation:
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Assignee:
TANAKA PRECIOUS METAL IND (JP)
KITANI YOSHIKO (JP)
IWAMOTO HISAHIKO (JP)
KII SATOSHI (JP)
MOCHIZUKI KAZUYOSHI (JP)
TSUGE RIKU (JP)
International Classes:
G01N33/543; G01N33/531
Foreign References:
JPH11287801A1999-10-19
JP2000055918A2000-02-25
Attorney, Agent or Firm:
TANAKA AND OKAZAKI (30-10 Hongo,3-chome, Bunkyo-ku, Tokyo 33, JP)
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Claims:
被検物質を添加する試料添加部、被検物質に特異的に反応する特異的結合物が標識された標識物質を保持する標識物質保持部、被検物質に特異的に反応する特異的結合物が標識された標識物質を捕捉する捕捉物質が固定された判定部、がクロマトグラフィー媒体上に形成された試験片と、
 前記被検物質を前記試験片上に展開させるための展開液と、を備えるイムノクロマトグラフィー用試験キットにおいて、
 前記展開液が、前記判定部の捕捉物質と同一の産生動物種由来でありかつ同一のサブクラスを有する免疫グロブリンを、展開液1mLに対し5~2000μg含むことを特徴とするイムノクロマトグラフィー用試験キット。
被検物質を添加する試料添加部、被検物質に特異的に反応する特異的結合物が標識された標識物質を保持する標識物質保持部、被検物質に特異的に反応する特異的結合物が標識された標識物質を捕捉する捕捉物質が固定された判定部、がクロマトグラフィー媒体上に形成された試験片と、
 前記被検物質を前記試験片上に展開させるための展開液と、を備えるイムノクロマトグラフィー用試験キットにおいて、
 前記試験片の試料添加部及び/又は標識物質保持部に、前記判定部に固定された捕捉物質と同一の産生動物種由来でありかつ同一のサブクラスを有する免疫グロブリンが、試料添加部及び/又は標識物質保持部の表面積1cm 2 に対し、0.6~250μg保持されていることを特徴とするイムノクロマトグラフィー用試験キット。
Description:
イムノクロマトグラフィー用試 キット

 本発明は、イムノクロマトグラフィー分 に供するイムノクロマトグラフィー用試験 ットに関する。

 抗原抗体反応の特異性を利用して試料中 被検物質を免疫学的に検出又は定量する免 学的分析方法として、放射線免疫測定方法 酵素免疫測定法、凝集法など種々の測定法 用いられている。イムノクロマトグラフィ 法は、毛細管現象によって各固相支持体上 被検物質が移動して、判定部にて捕捉され ことを利用した検査方法であり、検出感度 高く、操作も簡単であるため、検査の迅速 を要するインフルエンザウィルス抗原特定 査や集団検診など1度に多くの試料を取り扱 う大腸癌スクリーニング、外来検査等での迅 速な判定が求められる前立腺癌等の判定に用 いられている。こうした医家向け以外にも、 妊娠診断試薬等、一般ユーザー向けの診断試 薬キットとしても使用されている。

 イムノクロマトグラフィー法は、被検物 を添加する試料添加部、被検物質に特異的 反応する特異的結合物が標識された標識物 保持する標識物質保持部、被検物質に特異 に反応する特異的結合物が標識された標識 質を捕捉する捕捉物質が固定された判定部 、クロマトグラフィー媒体上に形成されて る試験片と、添加された検体試料を前記試 片上に展開させるための展開液とからなる のを基本構成とする。この構成において、 記特異的結合物が標識された標識物質とし は、被検物質に対応する抗体、抗原等が金 ロイド等(金属コロイド、着色樹脂粒子、染 料コロイド及び着色リポソーム等)の不溶性 子状物質により標識されたものが用いられ また、判定部の捕捉物質としては、被検物 に対応する抗体、抗原等が固定化されたも が用いられる。かかるイムノクロマトグラ ィー法においては、試料添加部に滴下され 検体が、展開液を移動相として標識物質保 部から判定部へ毛細管現象により移動でき ようになっており、短時間で被検物質の検 が可能な免疫学的測定方法の一つである。

 ところで、イムノクロマトグラフィー法 は、検体中に混在するタンパク質などの夾 物のため、被検物質が存在しない場合にも 出部位判定部の発色が発生するという問題 従来から指摘されている。この非特異的反 は、検出時のS/N比を下げるばかりでなく、 陽性の原因にもなりうる。

 非特異的反応による発色を防ぎ、抗原検出 感度の低下を防ぐ方法として、特許文献1は 、試料中に存在する非特異性因子に対する抗 体、具体的にはヒト由来の自然抗体を、免疫 測定系に添加することにより、非特異性因子 による非特異的反応を抑制するものを提示す る。また、特許文献2は、被測定物質(抗原又 抗体)に対応した抗体又は抗原が担持されて いる不溶性担体とγ-グロブリンとから構成さ れることを特徴とする免疫測定試薬を開示す る。この試薬は、非特異的反応の抑制物質と してのγ-グロブリンとを追加することにより 非特異的反応を防止し、感度を高めるもので ある。

特開平11-287801号公報

特開2002-181822号公報

 しかしながら、特許文献1に開示の方法は 、ヒト由来の自然免疫抗体を利用するもので あるが、ヒト由来の自然免疫抗体は、人が接 触しうる種々の抗原から得られるものであり 、それらを目的別に精製する等適当な処理を せずに使用した場合、抗体適合性や配合量に よっては、目的とする非特異性因子と適当な 反応性を得られず、非特異的反応の抑制効果 はあまり期待できない。一方、特許文献2に 示された試薬においても、ある程度の非特 的反応防止が期待できるが、その配合量に っては、逆に非特異的反応を引き起こす要 となりうる場合も考えられる。従って、従 の免疫測定法の感度は満足の得られるもの はなく、より感度に優れるものが求められ 。

 本発明は、上記に鑑み、検出時の偽陽性 要因となる非特異性因子による非特異的反 を抑えると共に被検物質の検出感度を向上 せて、検体中の被検物質を正確にかつ迅速 検出することができるイムノクロマトグラ ィー用試験キットを提供することを目的と る。

 本発明者等は、鋭意検討を行い、非特異 反応の要因となるタンパク質等に対して、 記特異的結合物が標識された標識物質より 優先的に結合する物質を検出系内に導入し 非特異的反応の抑制を試みた。そして、こ ような物質として、判定部に固定された捕 物質(抗体、抗原)と同じ産生動物種由来の じサブクラスを有する免疫グロブリン(以下 免疫グロブリンと略して記載することがあ )を適用することとした。また、検出系内へ の免疫グロブリンの導入の具体的形態として 、試料と共に添加される展開液中に免疫グロ ブリンを混合するものと、予め試験片に免疫 グロブリンを保持するものの、2つの形態の ムノクロマトグラフィー用試験キットとし 。

 本願に係る第1の発明は、被検物質を添加 する試料添加部、被検物質に特異的に反応す る特異的結合物が標識された標識物質を保持 する標識物質保持部、被検物質に特異的に反 応する特異的結合物が標識された標識物質を 捕捉する捕捉物質が固定された判定部、がク ロマトグラフィー媒体上に形成された試験片 と、前記被検物質を前記試験片上に展開させ るための展開液と、を備えるイムノクロマト グラフィー用試験キットにおいて、前記展開 液が、前記判定部の捕捉物質と同一の産生動 物種由来でありかつ同一のサブクラスを有す る免疫グロブリンを、展開液1mLに対し5~2000μg 含むことを特徴とするイムノクロマトグラフ ィー用試験キットである。

 また、本願に係る第2の発明は、被検物質を 添加する試料添加部、被検物質に特異的に反 応する特異的結合物が標識された標識物質を 保持する標識物質保持部、被検物質に特異的 に反応する特異的結合物が標識された標識物 質を捕捉する捕捉物質が固定された判定部、 がクロマトグラフィー媒体上に形成された試 験片と、前記被検物質を前記試験片上に展開 させるための展開液と、を備えるイムノクロ マトグラフィー用試験キットにおいて、前記 試験片の試料添加部及び/又は標識物質保持 に、前記判定部に固定された捕捉物質と同 の産生動物種由来でありかつ同一のサブク スを有する免疫グロブリンが、試料添加部 び/又は標識物質保持部の表面積1cm 2 に対し、0.6~250μg保持されていることを特徴 するイムノクロマトグラフィー用試験キッ である。

 本願発明は、上記の通り、試験片の判定 に固定された捕捉物質(抗体等)と同一の産 動種物由来でありかつ同一のサブクラスを する免疫グロブリンを検出系に導入するこ を特徴とする。ここで、留意すべきは、導 する免疫グロブリンの産生動物種及びサブ ラスは、判定部の捕捉物質のみを考慮する のであり、標識物質保持部等の他の部位に 持及び固定された抗体、抗原のサブクラス を基準とするものではない。これは、その 由は定かではないが、判定部以外、例えば 標識物質保持部に保持された標識物質上に 持された抗体のサブクラス等と同一のサブ ラスを有する免疫グロブリンを適用した場 、本発明よりも検出感度が劣ることが確認 れていることによる。本発明の判定部の捕 物質を基準とした免疫グロブリンを選択す ことで、非特異的反応による偽陽性が抑制 れると共に、検出感度の向上を図ることが きる。

 免疫グロブリンは、その産生動物種とし ヒト、マウス、ラット、ウサギ、ヤギ、ウ 等があり、それぞれに所定範囲の免疫グロ リンがある。ヒトの場合、IgG、IgM、IgA、IgD IgEの5種類のクラスの免疫グロブリンがあり 、IgGにはIgG1~IgG4の4つのサブクラスが、IgAに IgA1とIgA2の2つのサブクラスがある。また、 ウスの場合もIgG、IgM、IgA、IgD、IgEの5種類の ラスの免疫グロブリンがあるが、サブクラ を有するのはIgGのみであり、IgG1、IgG2a、IgG2 b、IgG3の4つのサブクラスがある。但し、検出 部の捕捉物質の産生動物種とサブクラスは、 イムノクロマトグラフィー試験片の検出対象 によって異なることから、本発明は上記何れ かの産生動物種、サブクラスのうちいずれか 一つのみに限定されるものではない。

 本願に係る第1、第2の発明は、免疫グロ リンを混合、保持する部位のみが相違する のであり、それ以外の構成において相違す ものではない。以下、本発明に係るイムノ ロマトグラフィー用試験キットの展開液、 験片の内容について説明するが、重複記載 避けるために相違する点を明記しつつ述べ 。

 展開液は、検体試料中の被検物質を試験 上に展開するための移動相となる液体であ 、溶媒と適宜の緩衝剤とからなる。溶媒は が一般に用いられ、緩衝剤の好ましい例と ては、従来のものと同様、リン酸塩、トリ ヒドロキシメチルアミノメタン、グッドの 衝剤等を挙げることができる。また、これ 以外の添加剤を含むことができ、従来のも と同様、ウシ血清アルブミン(以下BSAと言う )等のタンパク質成分、変性剤(例えば、尿素 グアニジン塩酸、チオシアン酸塩等、高分 ポリマー(例えば、カルボキシメチルセルロ ースなどの可溶性セルロース誘導体、ポリエ チレングリコール、ポリビニルアルコール、 ポリビニルピロリドン等))、塩基性化合物(例 えば、スペルミン、スペルミジン、硫酸プロ タミン等)を任意的に含んでいても良い。

 そして、展開液中に免疫グロブリンを添 する場合(本願第1の形態)、その添加量は、 記の通り、展開液1mLに対し5~2000μgとする。 加量については、10~1000μgが好ましく、50~500 μgがより好ましい。

 展開液と共にキットを構成する試験片は クロマトグラフィー媒体上に試料添加部、 検物質に特異的に反応する特異的結合物が 識された標識物質を保持する標識物質保持 、捕捉物質が固定される判定部によって形 されたものが基本的構成となる。クロマト ラフィー媒体は毛細管現象により検体試料 吸収し流動されることができるものであれ 、特に限定されるものではない。例えば、 トロセルロース、酢酸セルロース、ナイロ 、ポリエーテルスルホン、ポリビニルアル ール、ポリエステル、ガラス繊維、ポリオ フィン、セルロース等、これらのポリマー ら選択される。

 試料添加部は、検体試料及び展開液を吸 し、連通する標識物質保持部にこれらを送 する部位である。試料添加部としては、上 したクロマトグラフィー媒体と同様の材質 パッドをクロマトグラフィー媒体上に貼り ければ良い。

 標識物質保持部に保持される特異的結合 が標識された標識物質は、被検物質と特異 に反応し得る抗体、抗原等の特異的結合物 、これを標識するための標識物質とからな 標識複合体である。特異的結合物となる抗 としては、Prostate Specific Antigen(前立腺特異 抗原、PSA)、ヘリコバクター・ピロリ菌等の 種抗原などが挙げられる。抗体としては、 ノクローナル抗体及びポリクローナル抗体 いずれでもよい。具体的には、抗大腸菌抗 、抗ヒトアルブミン抗体、抗ヒト免疫グロ リン抗体、抗マイクログロブリン抗体、抗 ンフルエンザ抗体などが挙げられる。これ 抗体、抗原は1種類であってもよく、数種類 混合して用いることもできる。

 また、標識物質としては、金コロイド等 金属コロイド、セレニウムコロイド等の非 属コロイド、着色樹脂粒子、染料コロイド び着色リポソーム等の不溶性粒状物質等が げられるが、金属コロイド、特に金コロイ が好ましい。標識物質は、特異的結合物やB SA等の固定性、標識物質の分散性、イムノク マトグラフィー試験片とした時の試薬感度 の観点から、好ましくは100nm以下であり、 異的結合物やBSAを標識物質に保持する時の 製の容易性の観点から、好ましくは10nm以上 ある。標識複合体は、標識物質に抗体、抗 等を固定(保持)させて形成されるものであ 、免疫複合体の懸濁液を固相支持体に滴下 乾燥させることで固定できる。また、免疫 合体の懸濁液にパッドを浸漬させて固定し ものをクロマトグラフィー媒体上に貼り着 ても良い。

 判定部に固定される捕捉物質は、標識物 保持部において被検物質と特異的結合物が 識された標識物質とが反応することにより 成される被検物質-標識物質複合体を、被検 物質と捕捉物質との結合を介した反応により 捕捉するものである。この捕捉物質の反応に 基づく呈色の度合いを肉眼で観察することに より、試料中の被検物質の有無を判定できる 。捕捉物質は、被検物質と特異的に反応し得 る抗体、抗原であり、この抗体、抗原を含む 溶液をクロマト膜媒体上に塗布・乾燥するこ とで固定される。

 尚、試験片の構成においては、上記試料 加部、標識物質保持部、判定部の他に、判 部を通過した未反応の標識物質を捕捉する 収部等から成る。また、試験片基材である ムノクロマトグラフィー媒体には、通常、 溶液を吸収しないバッキングシートが用い れる。

 そして、免疫グロブリンを試験片に保持 せる場合(本願の第2の形態)、免疫グロブリ は、試料添加部、又は、標識物質保持部に 有させる。試料中のタンパク質等に対する 免疫グロブリン及び特異的結合物が標識さ た標識物質の反応は競合的なものであるた 、免疫グロブリンを優先的に反応させるた には、試料添加と同時又は直後に免疫グロ リンを接触させる必要がある。免疫グロブ ンの保持は、その溶液を保持部位に塗布・ 燥させる。

 また、このようにイムノクロマトグラフィ 試験片の試料添加部又は標識物質保持部に 疫グロブリンを保持させる場合の保持量は 上記の通り、試料添加部及び/又は標識物質 保持部の表面積1cm 2 に対し、0.6~250μgとする。この保持量につい は、1.3~125μgが好ましく、6.3~62.5μgがより好 しい。尚、このように試験片の方に免疫グ ブリンを添加する場合、試料添加部又は標 物質保持部のいずれかに添加すれば良いが 双方に添加しても良い。

 本発明のイムノクロマトグラフィー用試 キットの使用方法は、従来のイムノクロマ グラフィー用試験キットの使用方法と基本 に異なるものではない。検出に当たっては 検体試料を適宜に希釈した試料希釈液(試料 懸濁液)をイムノクロマトグラフィー試験片 試料添加部に滴下する。この際、キットの 開液を同時に滴下する。但し、展開液を(予 )試料希釈液に混合して検体液としこれを滴 下しても良い。展開液及び試料希釈液を滴下 後、反応を開始させて適当な時間が経過した 後に、判定部位を目視で観察するか又は発色 度測定装置で測定することにより、被検物質 を検出又は定量する。

 尚、本発明のキットを用いる被検物質は 免疫化学的反応により被検物質-標識物質複 合体を形成し得るものであれば特に制限され ない。例えば、細菌、インフルエンザウィル スなどのウイルス、あるいは腫瘍マーカー抗 原等が挙げられる。検体も限定されず、全血 、血清、血漿、尿、唾液、喀痰、汗、粘膜擦 過物等である。

 以下に、本発明の好適な実施例を比較例 共に説明する。本実施形態では、判定部の 捉物質と産生動物種及びサブクラスを同一 する免疫グロブリンを、展開液及び試験片 それぞれ添加した2種のイムノクロマトグラ フィー用試験キットを製造し、それらの検討 を行った。

第1実施形態 :本実施形態は、免疫グロブリンを展開液に 合する形態(第1の形態)のイムノクロマトグ フィー用試験キットを製造し、その検出感 の検討を行うものである。

〔実施例1〕
試験片の作製 :以下の手順で、クロマトグラフィー媒体と てニトロセルロースからなるシート(ミリポ 社製、商品名:HF120)を用いイムノクロマトグ ラフィー試験片を作製した。

A.クロマトグラフィー媒体上への判定部の作
 5重量%のイソプロピルアルコールを含むリ 酸緩衝液(pH7.4)で1.0mg/mlの濃度になるように マウスPSAモノクローナル抗体(サブクラス Ig G1)を希釈した。この溶液をクロマトグラフィ ー媒体上に塗布し、50℃で30分間乾燥させた 乾燥後、0.5重量%のカゼイン(和光純薬工業社 製)を含むリン酸緩衝液(pH7.4)200mlに30℃で30分 浸漬し、ブロッキングを行った。ブロッキ グ後、0.05重量%のTween20を含有する洗浄液で 浄し、室温で一晩乾燥させた。以上の手順 、クロマトグラフィー媒体上に抗マウスPSA ノクローナル抗体を捕捉物質とする判定部 作製した。

B.標識物質保持部の作製
 金コロイド分散液(田中貴金属工業社製 AU ロイド溶液-LC(粒径60nm))0.5mlに、リン酸緩衝 (pH7.4)で0.1mg/mlの濃度になるように希釈した PSAモノクローナル抗体を0.1ml加え、室温で10 間静置した。次いで、10重量%の牛血清アル ミンを含むリン酸緩衝液(pH7.4)を0.1ml加え、 分撹拌した後、8000rpm×15分間遠心分離を行 た。上清を除去した後、1重量%のBSAを含むリ ン酸緩衝液(pH7.4)を0.1mL加えた。以上の手順で 抗PSAモノクローナル抗体を金コロイド不溶性 担体粒子に担持した標識物質溶液を作製した 。次に、この標識物質溶液をグラスファイバ ー製パッドに均一になるように添加した後、 真空乾燥機にて乾燥させ、標識物質保持部を 作製した。

C.試験片の作製
 次に、バッキングシートから成る基材に、 記で作成した判定部を有するクロマトグラ ィー媒体上に標識物質保持部(パッド)、試 添加部である汎用性のサンプルパッド、展 した試料や標識物質を吸収するための吸収 ッドを貼り合わせた。そして、裁断機で幅 5mmとなるように裁断し、イムノクロマトグ フィー用試験片とした。

展開液の調製
 上記の判定部の捕捉物質と同じサブクラス 有するマウスIgG1を、展開液1mLに対して250μg 、1重量%BSA、50mM塩化ナトリウムを含むリン酸 緩衝液(pH7.4)を混合して展開液を作成した。 して、この展開液に被検物質(PSA)濃度の異な る複数の検体試料100μLを混合し複数の検体液 を調製した。

〔比較例1〕
 実施例1における判定部の捕捉物質と同じ産 生動物種及びサブクラスを有する免疫グロブ リンを展開液中に添加することに代えて、判 定部と異なるサブクラスを有する免疫グロブ リン(サブクラス、IgG2a)を展開液に添加した とを除いては、実施例1と同様にイムノクロ トグラフィー用試験キットを作製した。な 、試験片は、実施例1と同じ物とした。

〔比較例2〕
 実施例1における判定部の捕捉物質と同じ産 生動物種及びサブクラスを有する免疫グロブ リンを展開液中に添加することに代えて、展 開液中に免疫グロブリンを添加しなかったこ とを除いては、実施例1と同様にイムノクロ トグラフィー用試験キットを作製した。な 、試験片は、実施例1と同じ物とした。

検出感度の測定試験
上記のように作成したイムノクロマトグラフ ィー用試験キットに関し、その検出感度を比 較検討した。被検物質の検出は、上記したPSA 濃度の異なる展開液を試験片の試料添加部に 滴下して展開させ、15分後に目視判定をした テストラインの赤い線を確認できるものを +」、赤い線は確認できるが、非常に色が薄 いものを「±」、赤い線を確認できないもの 「-」とした。表1に結果を示す。

 表1から、展開液に免疫グロブリンを導入 しない比較例2においては、PSAを含まない試 に対しても陽性(+)を示す偽陽性が生じてい ことがわかる。また、免疫グロブリンを導 しても、判定部とサブクラスを共通にしな 比較例1では検出感度に劣る面がある。これ 対し、実施例1の判定部に固定した捕捉物質 と同じサブクラスを有する免疫グロブリンを 配合した展開液を使用した場合は、非特異的 反応による偽陽性も見られず、検出感度もサ ブクラスを考慮しない場合の約4倍に向上し ことがわかる。

〔実施例2〕
 実施例1と同様の構成において、混合する免 疫グロブリンの濃度を展開液1mlに対し50μgと た展開液を作成した。これ以外は実施例1と 同様の検出を行った。尚、試験片については 実施例1と同様のものを適用した。結果を表2 示す。

〔実施例3〕
 実施例1と同様の構成において、混合する免 疫グロブリンの濃度を展開液1mlに対し500μgと した展開液を作成した。これ以外は実施例1 同様の検出を行った。尚、試験片について 実施例1と同様のものを適用した。結果を表2 に示す。

〔比較例3〕
 実施例1と同様の構成において、混合する免 疫グロブリンの濃度を展開液1mlに対し1μgと た展開液を作成した。これ以外は実施例1と 様の検出を行った。尚、試験片については 施例1と同様のものを適用した。結果を表2 示す。

〔比較例4〕
 実施例1と同様の構成において、混合する免 疫グロブリンの濃度を展開液1mlに対し4000μg した展開液を作成した。これ以外は実施例1 同様の検出を行った。尚、試験片について 実施例1と同様のものを適用した。結果を表 2に示す。

 展開液に配合する免疫グロブリンの濃度 、これが低い(展開液1mLあたり1μg)と非特異 反応の防止効果が期待できない。一方、高 ぎる(展開液1mLあたり4000μg)と検出感度が不 するおそれがある。そこで、展開液中の免 グロブリン濃度を、展開液1mLあたり5~2000μg 範囲、特に、本実施例のように50~500μg添加 たことで、被検物の正確な検出が可能とな 。

〔実施例4〕
 実施例1において、試験片の判定部に固定す る抗マウスPSAモノクローナル抗体のサブクラ スをIgG2aとすると共に、展開液に添加する免 グロブリンをマウスIgG2aとしたこと、の2点 除いて、実施例1と同様にイムノクロマトグ ラフィー用試験キットを作製した。判定は実 施例1と同様に行った。その結果を表4に示す

〔実施例5〕
 実施例1において、試験片の判定部の抗マウ スPSAモノクローナル抗体のサブクラスをIgG2b し、展開液に添加する免疫グロブリンをマ スIgG2bとしたこと、の2点を除いて実施例1と 同様にイムノクロマトグラフィー用試験キッ トを作製した。判定は実施例1と同様に行っ 。その結果を表3に示す。

 表3から、何れのサブクラスの組み合わせ においても良好な検出感度が得られている。 従って、試験片の判定部の捕捉物質と産生動 物由来及びサブクラスを同一にする免疫グロ ブリンを展開液中に配合することで、良好な 検出感度を有するイムノクロマトグラフィー 用試験キットを得られることが確認された。

第2実施形態 :ここでは、本願第2の形態である、試験片の 識物質保持部に免疫グロブリンを保持した のを作製してイムノクロマトグラフィー用 験キットを製造し、検出感度を検討した。

〔実施例6〕
 実施例1において、展開液中に免疫グロブリ ンを添加しなかったこと、及び、試験片へ標 識物質溶液を添加・乾燥した後に標識物質保 持部へ免疫グロブリンを添加したこと、の2 を除いて、実施例1と同様にイムノクロマト ラフィー用試験キットを作製した。このと の免疫グロブリンの保持量は、標識物質保 部1cm 2 に対して31μgとした。次に、実施例1と同様に 、PSA濃度の異なる展開液(但し、免疫グロブ ンは含まない)を滴下して、検出感度の検討 行った。その結果を表4に示す。

 表4から明らかなように、試験片上の標識 物質保持部に、判定部に固定した捕捉物質と 同じサブクラスを有する免疫グロブリンを予 め保持しても、即ち、被検物質と特異的に反 応する特異結合物質が標識された標識物質が 判定部の捕捉物質に捕捉されるよりも前に、 免疫グロブリンが検出系に存在する形態をと ってやれば、どのような形態であっても、展 開液に免疫グロブリンを配合した構成と同じ 効果が得られることが確認された。

 以上説明したように、本発明は、判定部 固定された捕捉物質と同じ産生動物種及び ブクラスを有する免疫グロブリンを検出系 導入するものである。本発明によれば、免 反応中に起こる非特異的反応を抑えて、偽 性反応を防止できると共に、判定部での検 感度の向上を図ることができる。




 
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