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Title:
TETRACYCLIC LIQUID CRYSTALLINE COMPOUND HAVING LATERAL FLUORINE, LIQUID CRYSTAL COMPOSITION AND LIQUID CRYSTAL DISPLAY ELEMENT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/150966
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a liquid crystalline compound which is stable against heat, light or the like and has a nematic phase in a wide temperature range, while having a low viscosity, a large optical anisotropy, an adequate elastic constant K33, an adequate negative dielectric anisotropy and excellent compatibility with other liquid crystalline compounds.  A liquid crystal composition containing the liquid crystalline compound, and a liquid crystal display element containing the liquid crystal composition are also disclosed. The liquid crystalline compound is represented by formula (a). In formula (a), R1 and R2 each represents an alkyl having 1-10 carbon atoms, an alkenyl having 2-10 carbon atoms or an alkoxy having 1-9 carbon atoms; ring A1 and ring A2 each represents 1,4-phenylene or trans-1,4-cyclohexylene; L1 and L2 each represents a hydrogen or a fluorine, and at least one of L1 and L2 is a fluorine; and Z1 and Z2 each represents a single bond, -(CH2)2-, -CH=CH-, -CH2O- or -OCH2-.

Inventors:
KOBAYASHI MASAHIDE (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/060082
Publication Date:
December 17, 2009
Filing Date:
June 02, 2009
Export Citation:
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Assignee:
CHISSO CORP (JP)
CHISSO PETROCHEMICAL CORP (JP)
KOBAYASHI MASAHIDE (JP)
International Classes:
C07C43/225; C07C25/18; C07C43/184; C07C43/21; C07C69/757; C07C69/94; C07D319/06; C09K19/12; C09K19/14; C09K19/16; C09K19/18; C09K19/20; C09K19/30; C09K19/32; C09K19/34; G02F1/13
Domestic Patent References:
WO2009034867A12009-03-19
WO1989002425A11989-03-23
WO1989006678A11989-07-27
WO1998023564A11998-06-04
WO1991010936A11991-07-25
Foreign References:
JP2008088165A2008-04-17
JP2007002132A2007-01-11
JPH024725A1990-01-09
JPH02503441A1990-10-18
JPH11116512A1999-04-27
JP2007002132A2007-01-11
US5576867A1996-11-19
Other References:
See also references of EP 2305627A4
"Organic Syntheses", JOHN WILEY & SONS, INC
"Organic Reactions", JOHN WILEY & SONS, INC
"Comprehensive Organic Synthesis", PERGAMON PRESS
"New Experimental Chemistry Course (Shin Jikken Kagaku Kouza", MARUZEN CO., LTD.
M. IMAI ET AL., MOLECULAR CRYSTALS AND LIQUID CRYSTALS, vol. 259, no. 37, 1995
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Claims:
 式(a)で表される液晶性化合物。

式(a)において、R 1 およびR 2 は独立して、水素、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~10のアルケニル、炭素数1~9のアルコキシ、炭素数2~9のアルコキシアルキル、または炭素数2~9のアルケニルオキシであり;
環A 1 および環A 2 は独立して、1,4-フェニレン、トランス-1,4-シクロへキシレン、1,4-シクロヘキセニレン、テトラヒドロピラン-2,5-ジイル、テトラヒドロピラン-3,6-ジイル、1,3-ジオキサン-2,5-ジイル、1,3-ジオキサン-3,6-ジイル、ピリミジン-2,5-ジイル、ピリミジン-3,6-ジイル、ピリジン-2,5-ジイル、またはピリミジン-3,6-ジイルであり;
L 1 およびL 2 は独立して、水素またはフッ素であり、これらのうち少なくとも1つはフッ素であり;
Z 1 およびZ 2 は独立して、単結合、-(CH 2 ) 2 -、-CH=CH-、-C≡C-、-CH 2 O-、-OCH 2 -、-COO-または-OCO-である。
 式(a)において、環A 1 および環A 2 が独立して、1,4-フェニレン、トランス-1,4-シクロへキシレン、テトラヒドロピラン-2,5-ジイル、またはテトラヒドロピラン-3,6-ジイルである請求項1に記載の化合物。
 式(a-1)または(a-2)で表される請求項2に記載の化合物。

式(a-1)および(a-2)において、R 3 およびR 4 は独立して、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~10のアルケニル、炭素数1~9のアルコキシ、炭素数2~9のアルコキシアルキル、または炭素数2~9のアルケニルオキシであり;
環A 3 および環A 4 は独立して、1,4-フェニレン、トランス-1,4-シクロへキシレン、テトラヒドロピラン-2,5-ジイル、またはテトラヒドロピラン-3,6-ジイルであり;
L 3 およびL 4 は独立して、水素またはフッ素であり、これらのうち少なくとも1つはフッ素であり;
Z 3 およびZ 4 は独立して、-(CH 2 ) 2 -、-CH=CH-、-CH 2 O-、-OCH 2 -、-COO-、または-OCO-である。
 式(a-3)~(a-8)のいずれか1つで表される請求項3に記載の化合物。

式(a-3)~(a-8)において、R 5 およびR 6 は独立して、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~10のアルケニル、炭素数1~9のアルコキシ、炭素数2~9のアルコキシアルキル、または炭素数2~9のアルケニルオキシであり;
Z 5 およびZ 6 は独立して、-(CH 2 ) 2 -、-CH=CH-、-CH 2 O-、-OCH 2 -、-COO-、または-OCO-である。
 式(a-9)~(a-14)のいずれか1つで表される請求項3に記載の化合物。

式(a-9)~(a-14)において、R 7 およびR 8 は独立して、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~10のアルケニル、炭素数1~9のアルコキシ、炭素数2~9のアルコキシアルキル、または炭素数2~9のアルケニルオキシであり;
Z 7 およびZ 8 は独立して、-(CH 2 ) 2 -、-CH=CH-、-CH 2 O-、-OCH 2 -、-COO-、または-OCO-である。
 式(a-15)~(a-26)のいずれか1つで表される請求項3に記載の化合物。

式(a-15)~(a-26)において、R 9 およびR 10 は独立して、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~10のアルケニル、炭素数1~9のアルコキシ、炭素数2~9のアルコキシアルキル、または炭素数2~9のアルケニルオキシであり;
Z 9 およびZ 10 は独立して、-(CH 2 ) 2 -、-CH=CH-、-CH 2 O-、-OCH 2 -、-COO-、または-OCO-である。
 式(a-3)~(a-8)において、Z 5 およびZ 6 が-CH 2 O-である請求項4に記載の化合物。
 式(a-3)~(a-8)において、Z 5 およびZ 6 が-OCH 2 -である請求項4に記載の化合物。
 式(a-3)~(a-8)において、Z 5 およびZ 6 が-(CH 2 ) 2 -である請求項4に記載の化合物。
 式(a-3)~(a-8)において、Z 5 およびZ 6 が-COO-である請求項4に記載の化合物。
 式(a-3)~(a-8)において、Z 5 およびZ 6 が-OCO-である請求項4に記載の化合物。
 式(a-9)~(a-14)において、Z 7 およびZ 8 が-CH 2 O-である請求項5に記載の化合物。
 式(a-9)~(a-14)において、Z 7 およびZ 8 が-OCH 2 -である請求項5に記載の化合物。
 式(a-9)~(a-14)において、Z 7 およびZ 8 が-(CH 2 ) 2 -である請求項5に記載の化合物。
 式(a-9)~(a-14)において、Z 7 およびZ 8 が-COO-である請求項5に記載の化合物。
 式(a-9)~(a-14)において、Z 7 およびZ 8 が-OCO-である請求項5に記載の化合物。
 式(a-15)~(a-26)において、Z 9 およびZ 10 が-CH 2 O-である請求項6に記載の化合物。
 式(a-15)~(a-26)において、Z 9 およびZ 10 が-OCH 2 -である請求項6に記載の化合物。
 式(a-15)~(a-26)において、Z 9 およびZ 10 が-(CH 2 ) 2 -である請求項6に記載の化合物。
 式(a-15)~(a-26)において、Z 9 およびZ 10 が-COO-である請求項6に記載の化合物。
 式(a-15)~(a-26)において、Z 9 およびZ 10 が-OCO-である請求項6に記載の化合物。
 請求項1~21のいずれか1項に記載される化合物から選択される少なくとも1つの化合物である第一成分と、式(e-1)~(e-3)で表される化合物群から選択される少なくとも1つの化合物である第二成分とを含有し、そして誘電率異方性が負である液晶組成物。

式(e-1)~(e-3)において、Ra 11 およびRb 11 は独立して、炭素数1~10のアルキルであるが、このアルキル中において、相隣接しない-CH 2 -は-O-で置き換えられていてもよく、相隣接しない-(CH 2 ) 2 -は-CH=CH-で置き換えられていてもよく、水素はフッ素で置き換えられていてもよく;
環A 11 、環A 12 、環A 13 、および環A 14 は独立して、トランス-1,4-シクロへキシレン、1,4-フェニレン、2-フルオロ-1,4-フェニレン、3-フルオロ-1,4-フェニレン、ピリミジン-2,5-ジイル、ピリミジン-3,6-ジイル、1,3-ジオキサン-2,5-ジイル、1,3-ジオキサン-3,6-ジイル、テトラヒドロピラン-2,5-ジイル、またはテトラヒドロピラン-3,6-ジイルであり;
Z 11 、Z 12 、およびZ 13 は独立して、単結合、-CH 2 -CH 2 -、-CH=CH-、-C≡C-、-COO-、または-CH 2 O-である。
 請求項3に記載の化合物群から選択される少なくとも1つの化合物である第一成分と請求項22に記載された式(e-1)~(e-3)で表される化合物群から選択される少なくとも1つの化合物である第二成分とを含有し、そして誘電率異方性が負である液晶組成物。
 液晶組成物の全重量に基づいて、第一成分の含有割合が5~60重量%の範囲であり、第二成分の含有割合が40~95重量%の範囲である、請求項23に記載の液晶組成物。
 第一成分、および第二成分に加えて、式(g-1)~(g-6)で表される化合物群から選択される少なくとも1つの化合物である第三成分を含有する請求項22または23に記載の液晶組成物。

式(g-1)~(g-6)において、Ra 21 およびRb 21 は独立して、水素、または炭素数1~10のアルキルであり、このアルキル中において、相隣接しない-CH 2 -は-O-で置き換えられていてもよく、相隣接しない-(CH 2 ) 2 -は-CH=CH-で置き換えられていてもよく、水素はフッ素で置き換えられていてもよく;
環A 21 、環A 22 、および環A 23 は独立して、トランス-1,4-シクロへキシレン、1,4-フェニレン、2-フルオロ-1,4-フェニレン、3-フルオロ-1,4-フェニレン、2,3-ジフルオロ-1,4-フェニレン、ピリミジン-2,5-ジイル、ピリミジン-3,6-ジイル、1,3-ジオキサン-2,5-ジイル、1,3-ジオキサン-3,6-ジイル、テトラヒドロピラン-2,5-ジイル、テトラヒドロピラン-3,6-ジイルであり;
Z 21 、Z 22 、およびZ 23 は独立して、単結合、-CH 2 -CH 2 -、-CH=CH-、-C≡C-、-OCF 2 -、-CF 2 O-、-OCF 2 CH 2 CH 2 -、-CH 2 CH 2 CF 2 O-、-COO-、-OCO-、-OCH 2 -、または-CH 2 O-であり;
Y 1 、Y 2 、Y 3 、およびY 4 は独立して、フッ素または塩素であり;
q、r、およびsは独立して、0、1、または2であり、q+rは1または2であり、q+r+sは1、2、または3であり;
tは0、1、または2である。
 第一成分、および第二成分に加えて、式(h-1)~(h-7)で表される化合物群から選択される少なくとも1つの化合物である第三成分を含有する請求項25に記載の液晶組成物。

式(h-1)~(h-7)において、Ra 22 およびRb 22 は独立して、炭素数1~8の直鎖アルキル、炭素数2~8の直鎖アルケニル、または炭素数1~7のアルコキシであり;
Z 24 、Z 25 、およびZ 26 は独立して、単結合、-CH 2 CH 2 -、-CH 2 O-、または-OCH 2 -であり;
Y 1 、およびY 2 は、共にフッ素、または一方がフッ素で他方が塩素である。
 請求項3に記載される化合物から選択される少なくとも1つの化合物である第一成分、請求項22に記載される式(e-1)~(e-3)で表される化合物群から選択される少なくとも1つの化合物である第二成分、および請求項26に記載される式(h-1)~(h-7)で表される化合物群から選択される少なくとも1つの化合物である第三成分を含有し、そして誘電率異方性が負である液晶組成物。
 液晶組成物の全重量に基づいて、第一成分の含有割合が5~60重量%の範囲であり、第二成分の含有割合が20~75重量%の範囲であり、第三成分の含有割合が20~75重量%の範囲である、請求項25~27のいずれか1項に記載の液晶組成物。
 請求項22~28のいずれか1項に記載の液晶組成物を含有する液晶表示素子。
 液晶表示素子の動作モードが、VAモード、PSAモード、またはIPSモードであり、液晶表示素子の駆動方式がアクティブマトリックス方式である、請求項29に記載の液晶表示素子。
Description:
ラテラルフッ素を有する4環液晶 性化合物、液晶組成物および液晶表示素子

 本発明は液晶性化合物、液晶組成物およ 液晶表示素子に関する。さらに詳しくは液 性化合物であるラテラル位にフッ素を有す フルオロベンゼン誘導体、この化合物を含 したネマチック相を有する液晶組成物、お びこの組成物を含有する液晶表示素子に関 る。

 液晶表示パネル、液晶表示モジュール等 代表される液晶表示素子は、液晶性化合物( 本発明では、ネマチック相、スメクチック相 などの液晶相を有する化合物、および液晶相 を有しないが液晶組成物の成分として有用な 化合物の総称を意味する。)が有する光学異 性、誘電率異方性などを利用したものであ が、この液晶表示素子の動作モードとして 、PC(phase change)モード、TN(twisted nematic)モー 、STN(super twisted nematic)モード、BTN(bistable t wisted nematic)モード、ECB(electrically controlled bi refringence)モード、OCB(optically compensated bend)モ ード、IPS(in-plane switching)モード、VA(vertical al ignment)モード、PSA(Polymer sustained alignment)モー ドなどの様々なモードが知られている。

 これら動作モードの中でもECBモード、IPS ード、VAモードなどは、液晶分子の垂直配 性を利用した動作モードであり、特にIPSモ ドおよびVAモードは、TNモード、STNモード等 従来の表示モードの欠点である視野角の狭 を改善可能であることが知られている。

 そして、従来からこれら動作モードの液 表示素子に使用可能な、負の誘電率異方性 有する液晶組成物の成分として、ベンゼン 上の水素がフッ素で置き換えられた液晶性 合物が数多く検討されてきている(例えば、 特許文献1~6参照。)。

 例えばベンゼン環上の水素がフッ素で置 換えられた化合物(A)および(B)が検討されて る(特許文献1および2参照)。しかし、このよ うな化合物は誘電率異方性が負に大きくない 。

また、ラテラル位にフッ素を有するターフ ェニル化合物(C)が検討されている(特許文献3 照)。しかし、この化合物は融点が高く、相 溶性に乏しい。

 また、エステル結合基とラテラル位フッ を持つ化合物(D)が検討されている(特許文献 4参照)。しかし、化合物(D)は誘電率異方性が に大きくない。

 また、エチレン結合基とラテラル位フッ を持つ化合物(E)および(F)が検討されている( 特許文献5および6参照)。しかし、化合物(E)は 相溶性に乏しく、化合物(F)は誘電率異方性が 負に大きくない。

特表平02-503441号公報

国際公開第89/02425号パンフレット

特開平11-116512号公報

国際公開第89/06678号パンフレット

国際公開第98/23564号パンフレット

特開2007-002132号公報

 したがって、IPSモードおよびVAモード等 動作モードの液晶表示素子であっても、CRT 比較すれば表示素子としてはいまだ問題が り、例えば、応答速度の向上、コントラス の向上、駆動電圧の低下が望まれている。

 上述したIPSモード、あるいはVAモードで動 する表示素子は、主として、負の誘電率異 性を有する液晶組成物から構成されている 、これらの特性等をさらに向上させるため は、この液晶組成物に含まれる液晶性化合 が、以下(1)~(8)で示す特性を有することが必 である。すなわち、
(1)化学的に安定であること、および物理的に 安定であること、
(2)高い透明点(液晶相-等方相の転移温度)を有 すること、
(3)液晶相(ネマチック相、スメクチック相等) 下限温度、特にネマチック相の下限温度が いこと、
(4)粘度が小さいこと、
(5)適切な光学異方性を有すること、
(6)適切な負の誘電率異方性を有すること、
(7)適切な弾性定数K 33 (K 33 :ベンド弾性定数)を有すること、および
(8)他の液晶性化合物との相溶性に優れること 、
である。

 (1)のように化学的、物理的に安定な液晶性 合物を含む組成物を表示素子に用いると、 圧保持率を大きくすることができる。
 また、(2)および(3)のように、高い透明点、 るいは液晶相の低い下限温度を有する液晶 化合物を含む組成物ではネマチック相の温 範囲を広げることが可能となり、幅広い温 領域で表示素子として使用することが可能 なる。

 さらに、(4)のように粘度の小さい化合物、 よび(7)のように大きな弾性定数K 33 を有する化合物を含む組成物を表示素子とし て用いると応答速度を向上することができ、 (5)のように適切な光学異方性を有する化合物 を含む組成物を用いた表示素子の場合は、表 示素子のコントラストの向上を図ることがで きる。素子の設計次第では、光学異方性は小 さいものから大きなものまで必要である。最 近ではセル厚を薄くすることにより応答速度 を改善する手法が検討されており、それに伴 い、大きな光学異方性を有する液晶組成物も 必要となっている。

 加えて、液晶性化合物が負に大きな誘電率 方性を有する場合には、この化合物を含む 晶組成物のしきい値電圧を低くすることが きるので、(6)のように適切な負の誘電率異 性を有する化合物を含む組成物を用いた表 素子の場合には、表示素子の駆動電圧を低 し、消費電力も小さくすることができる。 らに(7)のように小さな弾性定数K 33 を有する化合物を含む組成物を表示素子とし て用いることで表示素子の駆動電圧を小さく することができ、消費電力も小さくすること ができる。

 液晶性化合物は、単一の化合物では発揮 ることが困難な特性を発現させるために、 の多くの液晶性化合物と混合して調製した 成物として用いることが一般的である。し がって、表示素子に用いる液晶性化合物は (8)のように、他の液晶性化合物等との相溶 が良好であることが好ましい。また、表示 子は、氷点下を含め幅広い温度領域で使用 ることもあるので、低い温度領域から良好 相溶性を示す化合物であることが好ましい 合もある。

 本発明の第一の目的は、熱、光などに対す 安定性を有し、広い温度範囲でネマチック となり、粘度が小さく、大きな光学異方性 および適切な弾性定数K 33 を有し、さらに、適切な負の誘電率異方性、 および他の液晶性化合物との優れた相溶性を 有する液晶性化合物を提供することである。

 本発明の第二の目的は、熱、光などに対す 安定性を有し、粘度が低く、大きな光学異 性、および適切な負の誘電率異方性を有し 適切な弾性定数K 33 を有し、しきい値電圧が低く、さらに、この 化合物を含有して、ネマチック相の上限温度 (ネマチック相-等方相の相転移温度)が高く、 ネマチック相の下限温度が低い液晶組成物を 提供することである。

 本発明の第三の目的は、応答時間が短く 消費電力および駆動電圧が小さく、大きな ントラストを有し、広い温度範囲で使用可 である、上記組成物を含有する液晶表示素 を提供することである。

 本発明者らはこれらの課題に鑑み鋭意研究 行った結果、ベンゼン環上の水素がフッ素 置き換えられたフェニレンを有する特定構 の中において、ラテラル位にフッ素を有す 4環液晶性化合物が、熱、光などに対する安 定性を有し、広い温度範囲でネマチック相と なり、粘度が小さく、大きな光学異方性、お よび適切な弾性定数K 33 を有し、さらに、適切な負の誘電率異方性、 および他の液晶性化合物との優れた相溶性を 有していること、また、この化合物を含有す る液晶組成物が、熱、光などに対する安定性 を有し、粘度が小さく、大きな光学異方性、 適切な弾性定数K 33 、および適切な負の誘電率異方性を有し、し きい値電圧が低く、さらに、ネマチック相の 上限温度が高く、ネマチック相の下限温度が 低いこと、さらに、この組成物を含有する液 晶表示素子が、応答時間が短く、消費電力お よび駆動電圧が小さく、コントラスト比が大 きく、広い温度範囲で使用可能であることを 見いだし、本発明を完成するに到った。

 すなわち、本発明は、以下〔1〕~〔30〕など に記載された事項を有している。
 〔1〕:式(a)で表される液晶性化合物。

式(a)において、R 1 およびR 2 は独立して、水素、炭素数1~10のアルキル、 素数2~10のアルケニル、炭素数1~9のアルコキ 、炭素数2~9のアルコキシアルキル、または 素数2~9のアルケニルオキシであり;
環A 1 および環A 2 は独立して、1,4-フェニレン、トランス-1,4-シ クロへキシレン、1,4-シクロヘキセニレン、 トラヒドロピラン-2,5-ジイル、テトラヒドロ ピラン-3,6-ジイル、1,3-ジオキサン-2,5-ジイル 1,3-ジオキサン-3,6-ジイル、ピリミジン-2,5- イル、ピリミジン-3,6-ジイル、ピリジン-2,5- イル、またはピリミジン-3,6-ジイルであり;
L 1 およびL 2 は独立して、水素またはフッ素であり、これ らのうち少なくとも1つはフッ素であり;
Z 1 およびZ 2 は独立して、単結合、-(CH 2 ) 2 -、-CH=CH-、-C≡C-、-CH 2 O-、-OCH 2 -、-COO-または-OCO-である。

 〔2〕:式(a)において、環A 1 および環A 2 が独立して、1,4-フェニレン、トランス-1,4-シ クロへキシレン、テトラヒドロピラン-2,5-ジ ル、またはテトラヒドロピラン-3,6-ジイル ある項〔1〕に記載の化合物。

 〔3〕:式(a-1)または(a-2)で表される項〔2〕に 記載の化合物。

式(a-1)および(a-2)において、R 3 およびR 4 は独立して、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~ 10のアルケニル、炭素数1~9のアルコキシ、炭 数2~9のアルコキシアルキル、または炭素数2 ~9のアルケニルオキシであり;
環A 3 および環A 4 は独立して、1,4-フェニレン、トランス-1,4-シ クロへキシレン、テトラヒドロピラン-2,5-ジ ル、またはテトラヒドロピラン-3,6-ジイル あり;
L 3 およびL 4 は独立して、水素またはフッ素であり、これ らのうち少なくとも1つはフッ素であり;
Z 3 およびZ 4 は独立して、-(CH 2 ) 2 -、-CH=CH-、-CH 2 O-、-OCH 2 -、-COO-、または-OCO-である。

 〔4〕:式(a-3)~(a-8)のいずれか1つで表される 〔3〕に記載の化合物。

式(a-3)~(a-8)において、R 5 およびR 6 は独立して、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~ 10のアルケニル、炭素数1~9のアルコキシ、炭 数2~9のアルコキシアルキル、または炭素数2 ~9のアルケニルオキシであり;
Z 5 およびZ 6 は独立して、-(CH 2 ) 2 -、-CH=CH-、-CH 2 O-、-OCH 2 -、-COO-、または-OCO-である。

 〔5〕:式(a-9)~(a-14)のいずれか1つで表される 〔3〕に記載の化合物。

式(a-9)~(a-14)において、R 7 およびR 8 は独立して、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~ 10のアルケニル、炭素数1~9のアルコキシ、炭 数2~9のアルコキシアルキル、または炭素数2 ~9のアルケニルオキシであり;
Z 7 およびZ 8 は独立して、-(CH 2 ) 2 -、-CH=CH-、-CH 2 O-、-OCH 2 -、-COO-、または-OCO-である。

 〔6〕:式(a-15)~(a-26)のいずれか1つで表される 項〔3〕に記載の化合物。

式(a-15)~(a-26)において、R 9 およびR 10 は独立して、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~ 10のアルケニル、炭素数1~9のアルコキシ、炭 数2~9のアルコキシアルキル、または炭素数2 ~9のアルケニルオキシであり;
Z 9 およびZ 10 は独立して、-(CH 2 ) 2 -、-CH=CH-、-CH 2 O-、-OCH 2 -、-COO-、または-OCO-である。

 〔7〕:式(a-3)~(a-8)において、Z 5 およびZ 6 が-CH 2 O-である項〔4〕に記載の化合物。

 〔8〕:式(a-3)~(a-8)において、Z 5 およびZ 6 が-OCH 2 -である項〔4〕に記載の化合物。

 〔9〕:式(a-3)~(a-8)において、Z 5 およびZ 6 が-(CH 2 ) 2 -である項〔4〕に記載の化合物。

 〔10〕:式(a-3)~(a-8)において、Z 5 およびZ 6 が-COO-である項〔4〕に記載の化合物。

 〔11〕:式(a-3)~(a-8)において、Z 5 およびZ 6 が-OCO-である項〔4〕に記載の化合物。

 〔12〕:式(a-9)~(a-14)において、Z 7 およびZ 8 が-CH 2 O-である項〔5〕に記載の化合物。

 〔13〕:式(a-9)~(a-14)において、Z 7 およびZ 8 が-OCH 2 -である項〔5〕に記載の化合物。

 〔14〕:式(a-9)~(a-14)において、Z 7 およびZ 8 が-(CH 2 ) 2 -である項〔5〕に記載の化合物。

 〔15〕:式(a-9)~(a-14)において、Z 7 およびZ 8 が-COO-である項〔5〕に記載の化合物。

 〔16〕:式(a-9)~(a-14)において、Z 7 およびZ 8 が-OCO-である項〔5〕に記載の化合物。

 〔17〕:式(a-15)~(a-26)において、Z 9 およびZ 10 が-CH 2 O-である項〔6〕に記載の化合物。

 〔18〕:式(a-15)~(a-26)において、Z 9 およびZ 10 が-OCH 2 -である項〔6〕に記載の化合物。

 〔19〕:式(a-15)~(a-26)において、Z 9 およびZ 10 が-(CH 2 ) 2 -である項〔6〕に記載の化合物。

 〔20〕:式(a-15)~(a-26)において、Z 9 およびZ 10 が-COO-である項〔6〕に記載の化合物。

 〔21〕:式(a-15)~(a-26)において、Z 9 およびZ 10 が-OCO-である項〔6〕に記載の化合物。

 〔22〕:項〔1〕~〔21〕のいずれか1項に記 される化合物から選択される少なくとも1つ 化合物である第一成分と、式(e-1)~(e-3)で表 れる化合物群から選択される少なくとも1つ 化合物である第二成分とを含有し、そして 電率異方性が負である液晶組成物。

式(e-1)~(e-3)において、Ra 11 およびRb 11 は独立して、炭素数1~10のアルキルであるが このアルキル中において、相隣接しない-CH 2 -は-O-で置き換えられていてもよく、相隣接 ない-(CH 2 ) 2 -は-CH=CH-で置き換えられていてもよく、水素 フッ素で置き換えられていてもよく;
環A 11 、環A 12 、環A 13 、および環A 14 は独立して、トランス-1,4-シクロへキシレン 1,4-フェニレン、2-フルオロ-1,4-フェニレン 3-フルオロ-1,4-フェニレン、ピリミジン-2,5- イル、ピリミジン-3,6-ジイル、1,3-ジオキサ -2,5-ジイル、1,3-ジオキサン-3,6-ジイル、テト ラヒドロピラン-2,5-ジイル、またはテトラヒ ロピラン-3,6-ジイルであり;
Z 11 、Z 12 、およびZ 13 は独立して、単結合、-CH 2 -CH 2 -、-CH=CH-、-C≡C-、-COO-、または-CH 2 O-である。

 〔23〕:項〔3〕に記載の化合物群から選択 される少なくとも1つの化合物である第一成 と項〔22〕に記載された式(e-1)~(e-3)で表され 化合物群から選択される少なくとも1つの化 合物である第二成分とを含有し、そして誘電 率異方性が負である液晶組成物。

 〔24〕:液晶組成物の全重量に基づいて、 一成分の含有割合が5~60重量%の範囲であり 第二成分の含有割合が40~95重量%の範囲であ 、項〔23〕に記載の液晶組成物。

 〔25〕:第一成分、および第二成分に加えて 式(g-1)~(g-6)で表される化合物群から選択さ る少なくとも1つの化合物である第三成分を 有する項〔22〕または〔23〕に記載の液晶組 成物。

式(g-1)~(g-6)において、Ra 21 およびRb 21 は独立して、水素、または炭素数1~10のアル ルであり、このアルキル中において、相隣 しない-CH 2 -は-O-で置き換えられていてもよく、相隣接 ない-(CH 2 ) 2 -は-CH=CH-で置き換えられていてもよく、水素 フッ素で置き換えられていてもよく;
環A 21 、環A 22 、および環A 23 は独立して、トランス-1,4-シクロへキシレン 1,4-フェニレン、2-フルオロ-1,4-フェニレン 3-フルオロ-1,4-フェニレン、2,3-ジフルオロ-1, 4-フェニレン、ピリミジン-2,5-ジイル、ピリ ジン-3,6-ジイル、1,3-ジオキサン-2,5-ジイル、 1,3-ジオキサン-3,6-ジイル、テトラヒドロピラ ン-2,5-ジイル、テトラヒドロピラン-3,6-ジイ であり;
Z 21 、Z 22 、およびZ 23 は独立して、単結合、-CH 2 -CH 2 -、-CH=CH-、-C≡C-、-OCF 2 -、-CF 2 O-、-OCF 2 CH 2 CH 2 -、-CH 2 CH 2 CF 2 O-、-COO-、-OCO-、-OCH 2 -、または-CH 2 O-であり;
Y 1 、Y 2 、Y 3 、およびY 4 は独立して、フッ素または塩素であり;
q、r、およびsは独立して、0、1、または2であ り、q+rは1または2であり、q+r+sは1、2、または 3であり;
tは0、1、または2である。

 〔26〕:第一成分、および第二成分に加え 、式(h-1)~(h-7)で表される化合物群から選択 れる少なくとも1つの化合物である第三成分 含有する項〔25〕に記載の液晶組成物。

式(h-1)~(h-7)において、Ra 22 およびRb 22 は独立して、炭素数1~8の直鎖アルキル、炭素 数2~8の直鎖アルケニル、または炭素数1~7のア ルコキシであり;
Z 24 、Z 25 、およびZ 26 は独立して、単結合、-CH 2 CH 2 -、-CH 2 O-、または-OCH 2 -であり;
Y 1 、およびY 2 は、共にフッ素、または一方がフッ素で他方 が塩素である。

 〔27〕:項〔3〕に記載される化合物から選 択される少なくとも1つの化合物である第一 分、項〔22〕に記載される式(e-1)~(e-3)で表さ る化合物群から選択される少なくとも1つの 化合物である第二成分、および項〔26〕に記 される式(h-1)~(h-7)で表される化合物群から 択される少なくとも1つの化合物である第三 分を含有し、そして誘電率異方性が負であ 液晶組成物。

 〔28〕:液晶組成物の全重量に基づいて、 一成分の含有割合が5~60重量%の範囲であり 第二成分の含有割合が20~75重量%の範囲であ 、第三成分の含有割合が20~75重量%の範囲で る、項〔25〕~〔27〕のいずれか1項に記載の 晶組成物。

 〔29〕:項〔22〕~〔28〕のいずれか1項に記載 液晶組成物を含有する液晶表示素子。
 〔30〕:液晶表示素子の動作モードが、VAモ ド、IPSモードまたはPSAモードであり、液晶 示素子の駆動方式がアクティブマトリック 方式である、項〔29〕に記載の液晶表示素子 。

 本発明の液晶性化合物は、熱、光などに対 る安定性を有し、広い温度範囲でネマチッ 相となり、粘度が小さく、大きな光学異方 、および適切な弾性定数K 33 (K 33 :ベンド弾性定数)を有し、さらに、適切な負 誘電率異方性、および他の液晶性化合物と 優れた相溶性を有している。また、本発明 液晶性化合物は、ネマチック相の上限温度 低下せず、しかも、粘度が大きくなること く、光学異方性が大きくなる傾向にある点 特に優れている。

 また、本発明の液晶組成物は、粘度が小さ 、大きな光学異方性、適切な弾性定数K 33 、および適切な負の誘電率異方性を有し、し きい値電圧が低く、さらに、ネマチック相の 上限温度が高く、ネマチック相の下限温度が 低い。特に、本発明の液晶組成物は大きな光 学異方性を有するため、大きな光学異方性が 必要な素子に有効である。

 さらに、本発明の液晶表示素子はこの液 組成物を含有することを特徴とし、応答時 が短く、消費電力および駆動電圧が小さく コントラスト比が大きく、広い温度範囲で 用可能であり、PCモード、TNモード、STNモー ド、ECBモード、OCBモード、IPSモード、VAモー 、PSAモードなどの表示モードの液晶表示素 に好適に使用することができ、特に、IPSモ ド、VAモード、PSAモードの液晶表示素子に 適に使用することができる。

 以下、本発明をさらに具体的に説明する。
 なお、以下説明中では、特に断りのない限 、百分率で表した化合物の量は組成物の全 量に基づいた重量百分率(重量%)を意味する
〔化合物(a)〕
 本発明の液晶性化合物は、式(a)で示される 造を有する(以下、これら化合物を「化合物 (a)」ともいう。)。

 式(a)において、R 1 およびR 2 は独立して、水素、炭素数1~10のアルキル、 素数2~10のアルケニル、炭素数1~9のアルコキ 、炭素数2~9のアルコキシアルキル、または 素数2~9のアルケニルオキシである。

 環A 1 および環A 2 は独立して、1,4-フェニレン、トランス-1,4-シ クロへキシレン、1,4-シクロヘキセニレン、 トラヒドロピラン-2,5-ジイル、テトラヒドロ ピラン-3,6-ジイル、1,3-ジオキサン-2,5-ジイル 1,3-ジオキサン-3,6-ジイル、ピリミジン-2,5- イル、ピリミジン-3,6-ジイル、ピリジン-2,5- イル、またはピリジン-3,6-ジイルである。

 L 1 およびL 2 は独立して、水素またはフッ素であり、これ らのうち少なくとも1つはフッ素であり、Z 1 およびZ 2 は独立して、単結合、-(CH 2 ) 2 -、-CH=CH-、-C≡C-、-CH 2 O-、-OCH 2 -、-COO-、または-OCO-である。

 化合物(a)は、上述のように、2位または3位 水素がフッ素で置き換えられた1,4-フェニレ と、2位および3位の水素がフッ素で置き換 られた1,4-フェニレンとを有する。このよう 構造を有することで、小さな粘度、適切な 学異方性、適切な弾性定数K 33 、負に大きな誘電率異方性、および他の液晶 性化合物との優れた相溶性を示す。特に、ネ マチック相の上限温度が低下せず、しかも、 粘度が大きくなることなく、誘電率異方性が 負に大きい点で特に優れている。

 式中、R 1 、およびR 2 は、水素、炭素数1~10のアルキル、または炭 数2~10のアルケニル、炭素数1~9のアルコキシ 炭素数2~9のアルコキシアルキル、または炭 数2~9のアルケニルオキシであり、例えば、C H 3 (CH 2 ) 3 -、-CH 2 -、CH 3 (CH 2 ) 2 O-、CH 3 -O-(CH 2 ) 2 -、CH 3 -O-CH 2 -O-、H 2 C=CH-(CH 2 ) 2 -、CH 3 -CH=CH-CH 2 -またはCH 3 -CH=CH-O-などである。

 しかし、化合物の安定性を考慮すると、CH 3 -O-O-CH 2 -などの酸素と酸素とが隣接した基やCH 3 -CH=CH-CH=CH-などの二重結合部位が隣接した基 好ましくない。

 R 1 およびR 2 としては、より具体的には、水素、アルキル 、アルコキシ、アルコキシアルキル、アルケ ニルおよびアルケニルオキシが挙げられる。

 これら基中の炭素-炭素結合の鎖は、直鎖で あることが好ましい。炭素-炭素結合の鎖が 直鎖であると、液晶相の温度範囲を広くす ことができ、粘度を小さくすることができ 。また、R 1 、およびR 2 のいずれかが光学活性基である場合には、キ ラルドーパントとして有用であり、該化合物 を液晶組成物に添加することにより、液晶表 示素子に発生するリバース・ツイスト・ドメ イン(Reverse twisted domain)を防止することがで る。

 これらR 1 、およびR 2 としては、アルキル、アルコキシ、アルコキ シアルキルおよびアルケニルが好ましく、ア ルキル、アルコキシ、およびアルケニルがさ らに好ましい。

 R 1 、およびR 2 がアルキル、アルコキシ、およびアルケニル である場合には、液晶性化合物の液晶相の温 度範囲を広げることができる。
 アルケニルには、アルケニル中の二重結合 位置に依存して、-CH=CH-の好ましい立体配置 がある。

 -CH=CHCH 3 、-CH=CHC 2 H 5 、-CH=CHC 3 H 7 、-CH=CHC 4 H 9 、-C 2 H 4 CH=CHCH 3 、-C 2 H 4 CH=CHC 2 H 5 などのように奇数位に二重結合を有するアル ケニルでは、立体配置はトランス配置が好ま しい。

 一方、-CH 2 CH=CHCH 3 、-CH 2 CH=CHC 2 H 5 、-CH 2 CH=CHC 3 H 7 などのように偶数位に二重結合を有するアル ケニルでは、立体配置はシス配置が好ましい 。上述のような好ましい立体配置を有するア ルケニル化合物は、液晶相の温度範囲が広く 、大きな弾性定数比K 33 /K 11 (K 33 :ベンド弾性定数、K 11 :スプレイ弾性定数)を有し、化合物の粘度を さくすることができ、さらに、この液晶性 合物を液晶組成物に添加すると、ネマチッ 相の上限温度(T NI )を高くすることができる。

 アルキルの具体例としては、-CH 3 、-C 2 H 5 、-C 3 H 7 、-C 4 H 9 、-C 5 H 11 、-C 6 H 13 、-C 7 H 15 、-C 8 H 17 、-C 9 H 19 、および-C 10 H 21 を挙げることができ;
アルコキシの具体例としては、-OCH 3 、-OC 2 H 5 、-OC 3 H 7 、-OC 4 H 9 、-OC 5 H 11 、-OC 6 H 13 、-OC 7 H 15 、-OC 8 H 17 、および-OC 9 H 19 を挙げることができ;
アルコキシアルキルの具体例としては、-CH 2 OCH 3 、-CH 2 OC 2 H 5 、-CH 2 OC 3 H 7 、-(CH 2 ) 2 OCH 3 、-(CH 2 ) 2 OC 2 H 5 、-(CH 2 ) 2 OC 3 H 7 、-(CH 2 ) 3 OCH 3 、-(CH 2 ) 4 OCH 3 、および-(CH 2 ) 5 OCH 3 を挙げることができ;
アルケニルの具体例としては、-CH=CH 2 、-CH=CHCH 3 、-CH 2 CH=CH 2 、-CH=CHC 2 H 5 、-CH 2 CH=CHCH 3 、-(CH 2 ) 2 CH=CH 2 、-CH=CHC 3 H 7 、-CH 2 CH=CHC 2 H 5 、-(CH 2 ) 2 CH=CHCH 3 、および-(CH 2 ) 3 CH=CH 2 を挙げることができ;
アルケニルオキシの具体例としては、-OCH 2 CH=CH 2 、-OCH 2 CH=CHCH 3 、および-OCH 2 CH=CHC 2 H 5 を挙げることができる。

 よって、R 1 およびR 2 の具体例の中でも、-CH 3 、-C 2 H 5 、-C 3 H 7 、-C 4 H 9 、-C 5 H 11 、-OCH 3 、-OC 2 H 5 、-OC 3 H 7 、-OC 4 H 9 、-OC 5 H 11 、-CH 2 OCH 3 、-(CH 2 ) 2 OCH 3 、-(CH 2 ) 3 OCH 3 、-CH 2 CH=CH 2 、-CH 2 CH=CHCH 3 、-(CH 2 ) 2 CH=CH 2 、-CH 2 CH=CHC 2 H 5 、-(CH 2 ) 2 CH=CHCH 3 、-(CH 2 ) 3 CH=CH 2 、-(CH 2 ) 3 CH=CHCH 3 、-(CH 2 ) 3 CH=CHC 2 H 5 、-(CH 2 ) 3 CH=CHC 3 H 7 、-OCH 2 CH=CH 2 、-OCH 2 CH=CHCH 3 、-OCH 2 CH=CHC 2 H 5 が好ましく、-CH 3 、-C 2 H 5 、-C 3 H 7 、-OCH 3 、-OC 2 H 5 、-OC 3 H 7 、-OC 4 H 9 、-(CH 2 ) 2 CH=CH 2 、-(CH 2 ) 2 CH=CHCH 3 、および-(CH 2 ) 2 CH=CHC 3 H 7 がより好ましい。

 環A 1 および環A 2 は、1,4-フェニレン、トランス-1,4-シクロへキ シレン、シクロヘキセン-1,4-ジイル、トラン -1,3-ジオキサン-2,5-ジイル、トランス-テト ヒドロピラン-2,5-ジイル、ピリミジン-2,5-ジ ル、ピリジン-2,5-ジイルであり、これらの において水素はフッ素で置き換えられてい もよい。

 環A 1 および環A 2 としては、1,4-フェニレン、トランス-1,4-シク ロヘキシレン、シクロヘキセン-1,4-ジイル、 ランス-1,3-ジオキサン-2,5-ジイル、トランス -テトラヒドロピラン-2,5-ジイルが好ましい。

 これら環の中でも、1,4-フェニレン、トラ ンス-1,4-シクロへキシレン、がより好ましく トランス-1,4-シクロヘキシレンが最も好ま い。

 中でも、これら環のうち少なくとも一つの が、トランス-1,4-シクロヘキシレンである きには、粘度を小さくすることができ、さ に、この液晶性化合物を液晶組成物に添加 ると、ネマチック相の上限温度(T NI )を高くすることができる。

 L 1 およびL 2 はそれぞれ独立して水素原子またはフッ素原 子を示すが、これらのうち少なくとも1つは ッ素原子である。

 L 1 およびL 2 のうち、一方が水素で他方がフッ素であるこ とが化合物の融点を下げることができるため 好ましい。

 L 1 およびL 2 のうち、両方がフッ素であることが化合物の 誘電率異方性を負に大きくすることができる ためより好ましい。

 Z 1 およびZ 2 は、単結合、-(CH 2 ) 2 -、-CH=CH-、-C≡C-、-CH 2 O-、-OCH 2 -、-COO-、または-OCO-である。

 Z 1 およびZ 2 が、単結合、-(CH 2 ) 2 -、または-CH=CH-である場合は、化合物の粘度 小さくすることができるため好ましい。こ らZ 1 およびZ 2 の中でも、-COO-、または-OCO-である場合は、 合物のネマチック相の上限温度(T NI )を高くすることができるためより好ましい さらに、-CH 2 O-、または-OCH 2 -である場合は、化合物の誘電率異方性を負 大きくすることができるためさらに好まし 。

化合物の安定性を考慮すると単結合、-(CH 2 ) 2 -、-CH 2 O-および-OCH 2 -が好ましく、単結合および-(CH 2 ) 2 -がさらに好ましい。

 Z 1 およびZ 2 が-CH=CH-の場合には、二重結合に対する他の の立体配置は、トランス配置が好ましい。 のような立体配置であることにより、この 晶性化合物の液晶相の温度範囲を広げるこ ができ、さらに、この液晶性化合物を液晶 成物に添加すると、ネマチック相の上限温 (T NI )を高くすることができる。

 また、Z 1 およびZ 2 中に-CH=CH-が含まれている場合には、液晶相 温度範囲を広げること、弾性定数比K 33 /K 11 (K 33 :ベンド弾性定数、K 11 :スプレイ弾性定数)を大きくすること、およ 化合物の粘度を小さくすることができ、さ に、この液晶性化合物を液晶組成物に添加 たときにはネマチック相の上限温度(T NI )を高くすることができる。

 なお、化合物の物性に大きな差異がないの 、液晶性化合物(a)は 2 H(重水素)、 13 Cなどの同位体を天然存在比の量より多く含 でもよい。
 これら液晶性化合物(a)では、R 1 、R 2 、環A 1 、環A 2 、Z 1 およびZ 2 を適宜選択することにより、誘電率異方性な どの物性を所望の物性に調整することが可能 である。

 化合物(a)の好ましい化合物の例として化 物(a-3)~(a-26)が挙げられる。

 式(a-3)~(a-8)において、R 5 およびR 6 は独立して、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~ 10のアルケニル、炭素数1~9のアルコキシ、炭 数2~9のアルコキシアルキル、または炭素数2 ~9のアルケニルオキシであり、Z 5 およびZ 6 は、単結合、-(CH 2 ) 2 -、-CH=CH-、-C≡C-、-CH 2 O-、-OCH 2 -、-COO-、または-OCO-である。

 化合物(a-3)~(a-8)物は、1,4-フェニレン基を持 ため、熱や光に対する安定性を有し、ネマ ック相の上限温度をより高く、適切な弾性 数K 33 を有するという観点でより好ましい。

 式(a-9)~(a-14)において、R 7 およびR 8 は独立して、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~ 10のアルケニル、炭素数1~9のアルコキシ、炭 数2~9のアルコキシアルキル、または炭素数2 ~9のアルケニルオキシであり、
Z 7 およびZ 8 は、単結合、-(CH 2 ) 2 -、-CH=CH-、-C≡C-、-CH 2 O-、-OCH 2 -、-COO-、または-OCO-である。

 化合物(a-9)~(a-14)は、1,4-シクロへキシレン基 を2つ持つため、熱や光に対する安定性を有 、液晶相の下限温度をより低く、ネマチッ 相の上限温度をより高く、適切な光学異方 および適切な弾性定数K 33 を有し、粘度を小さくできるという観点でよ り好ましい。

式(a-15)~(a-26)において、R 9 およびR 10 は独立して、炭素数1~10のアルキル、炭素数2~ 10のアルケニル、炭素数1~9のアルコキシ、炭 数2~9のアルコキシアルキル、または炭素数2 ~9のアルケニルオキシであり、
Z 9 およびZ 10 は、単結合、-(CH 2 ) 2 -、-CH=CH-、-C≡C-、-CH 2 O-、-OCH 2 -、-COO-、または-OCO-である。

 化合物(a-15)~(a-26)では、1,4-シクロへキシレ 基を化合物全体に対して非対称に持つため 熱や光に対する安定性を有し、液晶相の下 温度をより低く、適切な弾性定数K 33 を有し、粘度を小さくできるという観点でよ り好ましい。

 化合物(a-3)~(a-26)は、大きな負の誘電率異方 を有し、熱や光に対する安定性を有し、広 温度範囲でネマチック相となり、適切な光 異方性および適切な弾性定数K 33 を有する。このうち、Z 5 ~Z 10 が-CH=CH-である化合物は、液晶相の下限温度 より低く、ネマチック相の上限温度をほと ど下げることなく、粘度をより小さくでき という観点で好ましい。また、Z 5 ~Z 10 が-COO-、または-OCO-である化合物は化合物の マチック相の上限温度を高くすることがで るためより好ましい。また、Z 5 ~Z 10 が-(CH 2 ) 2 -である化合物は、液晶相の下限温度をより く、相溶性をより高く、粘度をより小さく きるという観点でさらに好ましい。さらに Z 5 ~Z 10 が-CH 2 O-または-OCH 2 -である化合物は負の誘電率異方性を負によ 大きく、粘度をより小さくできるという観 で最も好ましい。

 液晶性化合物がこれら化合物(a-3)~(a-26)であ 場合には、負に大きな誘電率異方性を有し 他の液晶性化合物との相溶性が極めてよい さらに、熱、光などに対する安定性を有し 粘度が小さく、大きな光学異方性、および 切な弾性定数K 33 を有している。また、この化合物(a)を含有す る液晶組成物は、液晶表示素子が通常使用さ れる条件下で安定であり、低い温度で保管し てもこの化合物が結晶(またはスメクチック )として析出することがない。

 したがって、化合物(a)は、PC、TN、STN、ECB 、OCB、IPS、VA、PSAなどの表示モードの液晶表 素子に用いる液晶組成物に好適に適用する とができ、IPS、VA、PSAなどの表示モードの 晶表示素子に用いる液晶組成物に、特に好 に適用することができる。

 〔化合物(a)の合成〕
 液晶性化合物(a)は、有機合成化学の合成手 を適切に組み合わせることにより合成する とができる。出発物に目的の末端基、環、 よび結合基を導入する方法は、例えば、オ ガニックシンセシス(Organic Syntheses, John Wil ey & Sons, Inc)、オーガニック・リアクシ ンズ(Organic Reactions, John Wiley & Sons, Inc) 、コンプリヘンシブ・オーガニック・シンセ シス(Comprehensive Organic Synthesis, Pergamon Press) 新実験化学講座(丸善)などの成書に記載さ ている。

<結合基Z 1 またはZ 2 の形成>
 結合基Z 1 またはZ 2 (Z 3 ~Z 10 も同様)を形成する方法の一例を示す。結合 を形成するスキームを以下示す。このスキ ムにおいて、MSG 1 またはMSG 2 は1価の有機基である。スキームで用いた複 のMSG 1 (またはMSG 2 )は、同一であってもよいし、または異なっ もよい。化合物(1A)から(1E)は化合物(a)に相当 する。

<2重結合の生成>
 一価の有機基MSG 2 を有する有機ハロゲン化合物(a1)とマグネシ ムとを反応させ、グリニャール試薬を調製 る。これら調製したグリニャール試薬ある はリチウム塩と、アルデヒド誘導体(a2)とを 応させることにより、対応するアルコール 導体を合成する。ついで、p-トルエンスル ン酸等の酸触媒を用いて、得られたアルコ ル誘導体の脱水反応を行うことにより、対 する化合物(1A)を合成することができる。

 有機ハロゲン化合物(a1)を、ブチルリチウ ム、もしくはマグネシウムで処理して得られ た化合物を、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)な どのホルムアミドと反応させて、アルデヒド 誘導体(a3)を得る。ついで、得られたアルデ ド(a3)と、ホスホニウム塩(a4)をカリウムt-ブ キシド等の塩基で処理して得られるリンイ ドとを反応させ、対応する2重結合を有する 化合物(1A)を合成することができる。なお、 の反応では、反応条件によってシス体が生 する場合もあるので、トランス体を得る必 がある場合には、必要に応じて公知の方法 よりシス体をトランス体に異性化する。

<-(CH 2 ) 2 -の生成>
 化合物(1A)を炭素担持パラジウム(Pd/C)のよう な触媒の存在下で水素化することにより、化 合物(1B)を合成することができる。

<単結合の生成>
 有機ハロゲン化合物(a1)とマグネシウム、ま たはブチルリチウムとを反応させ、グリニャ ール試薬、またはリチウム塩を調製する。こ の調製したグリニャール試薬、またはリチウ ム塩とホウ酸トリメチルなどのホウ酸エステ ルを反応させ、塩酸などの酸で加水分解する ことによりジヒドロキシボラン誘導体(a5)を 成する。そのジヒドロキシボラン誘導体(a5) 有機ハロゲン化合物(a6)とを、例えば、炭酸 塩水溶液とテトラキス(トリフェニルホスフ ン)パラジウム(Pd(PPh 3 ) 4 )とからなる触媒の存在下で反応させること より、化合物(1C)を合成することができる。

 また、一価の有機基MSG 1 を有する有機ハロゲン化合物(a6)にブチルリ ウムを反応させ、さらに塩化亜鉛を反応さ た後、得られた化合物を、例えば、ビスト フェニルホスフィンジクロロパラジウム(Pd(P Ph 3 ) 2 Cl 2 )触媒の存在下で化合物(a1)と反応させること より、化合物(1C)を合成することもできる。

<-CH 2 O-または-OCH 2 -の生成>
 ジヒドロキシボラン誘導体(a5)を過酸化水素 等の酸化剤により酸化し、アルコール誘導体 (a7)を得る。別途、アルデヒド誘導体(a3)を水 化ホウ素ナトリウムなどの還元剤で還元し アルコール誘導体(a8)を得る。得られたアル コール誘導体(a8)を臭化水素酸等でハロゲン して有機ハロゲン化合物(a9)を得る。このよ にして得られたアルコール誘導体(a7)と有機 ハロゲン化合物(a9)とを炭酸カリウムなどの 在下反応させることにより化合物(1D)を合成 ることができる。

<-COO-と-OCO-の生成 >
 化合物(a6)にn-ブチルリチウムを、続いて二 化炭素を反応させてカルボン酸誘導体(a10) 得る。カルボン酸誘導体(a10)と、フェノール 誘導体(a11)とをDDC(1,3-ジシクロヘキシルカル ジイミド)とDMAP(4-ジメチルアミノピリジン) 存在下で脱水させて-COO-を有する化合物(1E) 合成することができる。この方法によって-O CO-を有する化合物も合成することができる。

<-C≡C-の生成>
 ジクロロパラジウムとハロゲン化銅との触 存在下で、化合物(a6)に2-メチル-3-ブチン-2- ールを反応させたのち、塩基性条件下で脱 護して化合物(a12)を得る。ジクロロパラジ ムとハロゲン化銅との触媒存在下、化合物(a 12)を化合物(a1)と反応させて、化合物(1F)を合 する。

<環A 1 または環A 2 の形成>
 1,4-フェニレン、トランス-1,4-シクロへキシ ン、1,4-シクロヘキセニレン、テトラヒドロ ピラン-2,5-ジイル、テトラヒドロピラン-3,6- イル、1,3-ジオキサン-2,5-ジイル、1,3-ジオキ ン-3,6-ジイル、ピリミジン-2,5-ジイル、ピリ ミジン-3,6-ジイル、ピリジン-2,5-ジイル、ピ ジン-3,6-ジイルなどの環に関しては出発物が 市販されているか、または合成法がよく知ら れている。

〔化合物(a)の合成方法〕
 以下、液晶性化合物(a)、すなわち一般式(a) 示される液晶性化合物の合成例を示す。

 まず、4-ヨード安息香酸エチル(b1)とジヒド キシボラン誘導体(b2)とを炭酸カリウム、Pd/ C等の触媒の存在下、反応させることにより 合物(b3)を得る。次いで、化合物(b3)を水素化 リチウムアルミニウム等で還元して化合物(b4 )を得る。ついで塩化チオニル等で塩素化す ことにより(b5)を得る。
別途、1,2-ジフルオロベンゼン(b6)とsec-BuLiと 反応させリチウム塩を調製する。このリチ ム塩とカルボニル誘導体(b7)とを反応させて アルコール誘導体(b8)を得る。p-トルエンス ホン酸等の酸触媒の存在下、得られたアル ール誘導体(b8)の脱水反応を行い、シクロヘ キセン誘導体(b9)を得る。この化合物(b9)を、P d/C等の触媒存在下、水素添加反応を行うこと により、化合物(b10)を得る。得られた化合物( b10)とs-ブチルリチウムとを反応させリチウム 塩を調製する。このリチウム塩とトリメトキ シボランとを反応させて、ジヒドロキシボラ ン誘導体(b11)を得る。得られた化合物(b11)と 酸化水素水とを反応させてフェノール誘導 (b12)を得る。
上述の操作で得られた化合物(b5)とフェノー 誘導体(b12)とを炭酸カリウム等の塩基の存在 下、エーテル化反応させることにより、本発 明の化合物(a)の一例である(b13)を合成するこ ができる。

〔液晶組成物〕
 以下、本発明の液晶組成物について説明を る。この液晶組成物の成分は、少なくとも 種の化合物(a)を含むことを特徴とするが、 合物(a)を2種以上含んでいてもよく、化合物 (a)のみから構成されていてもよい。また本発 明の液晶組成物を調製するときには、例えば 、化合物(a)の誘電率異方性を考慮して成分を 選択することもできる。成分を選択した液晶 組成物は、粘度が低く、適切な負の誘電率異 方性を有し、適切な弾性定数K 33 を有し、しきい値電圧が低く、さらに、ネマ チック相の上限温度(ネマチック相-等方相の 転移温度)が高く、ネマチック相の下限温度 が低い。

〔液晶組成物(1)〕
 本発明の液晶組成物は化合物(a)に加え、第 成分として式(e-1)~(e-3)で表される液晶性化 物(以下、それぞれ化合物(e-1)~(e-3)ともいう )の群から選択された少なくとも1つの化合物 をさらに含有する組成物が好ましい(以下、 晶組成物(1)ともいう。)。

 式(e-1)~(e-3)中、Ra 11 、およびRb 11 は、独立して、炭素数1~10のアルキルである 、アルキルにおいて、相隣接しない-CH 2 -は-O-で置き換えられていてもよく、相隣接 ない-(CH 2 ) 2 -は-CH=CH-で置き換えられていてもよく、水素 フッ素で置き換えられていてもよい。

 式(e-1)~(e-3)中、環A 11 、環A 12 、環A 13 、および環A 14 は、独立して、1,4-フェニレン、トランス-1,4- シクロへキシレン、1,4-シクロヘキセニレン テトラヒドロピラン-2,5-ジイル、テトラヒド ロピラン-3,6-ジイル、1,3-ジオキサン-2,5-ジイ 、1,3-ジオキサン-3,6-ジイル、ピリミジン-2,5 -ジイル、ピリミジン-3,6-ジイル、ピリジン-2, 5-ジイル、またはピリジン-3,6-ジイルである

 式(e-1)~(e-3)中、Z 11 、Z 12 、およびZ 13 は、独立して、単結合、-CH 2 -CH 2 -、-CH=CH-、-C≡C-、-COO-、またはCH 2 O-である。

 化合物(a)に、第二成分を含有させること より、その液晶組成物の粘度を小さくする とができ、ネマチック相の下限温度を低く ることができる。また、化合物(e-1)~(e-3)の 電率異方性はほぼ0であるため、それを含む 晶組成物の誘電率異方性を0に近づくように 調整することができる。

 化合物(e-1)または(e-2)は、それを含有する 液晶組成物の粘度を小さく、電圧保持率を高 くすることに有効な化合物である。さらに、 化合物(e-3)は、それを含有する液晶組成物の マチック相の上限温度を高くし、電圧保持 を高くすることに有効な化合物である。

 環A 11 、環A 12 、環A 13 、および環A 14 において、2つ以上の環がトランス-1,4-シクロ ヘキシレンの場合は、それを含有する液晶組 成物のネマチック相の上限温度を高くするこ とができ、2つ以上の環が1,4-フェニレンの場 は、それを含有する組成物の光学異方性を きくすることができる。

 第二成分の中でもより好ましい化合物は、 (2-1)~(2-74)で示される化合物である(以下、そ れぞれ化合物(2-1)~(2-74)ともいう。)。これら 化合物においてRa 11 、およびRb 11 は、化合物(e-1)~(e-3)の場合と同一の意味であ 。

 第二成分が化合物(2-1)~(2―74)である場合 は、耐熱性、および耐光性に優れ、より高 比抵抗値を有し、ネマチック相の広い液晶 成物を調製することができる。

 特に、第一成分が、式(a-2)~(a-11)で表される 合物である化合物群から選択される少なく も1つの化合物であり、第二成分が化合物(e- 1)~(e-3)で表される化合物群から選択される少 くとも1つの化合物である液晶組成物(1)は、 耐熱性、および耐光性により優れ、より幅広 いネマチック相を有し、より電圧保持率が大 きく、より粘度が小さく、そして、適切な弾 性定数K 33 を示す。

 本発明の液晶組成物(1)中の第二成分の含 量は特に制限はないが、粘度を低くする観 からは含有量を多くすることが好ましい。 だし第二成分の含有量を多くすると液晶組 物のしきい値電圧が高くなる傾向にあるの 、例えば、本発明の液晶組成物をVAモード 液晶素子に使用する場合には、第二成分の 有量は、液晶組成物(1)中に含まれる液晶性 合物の全重量に対して、40~95重量%の範囲で り、第一成分の含有量は、液晶組成物(1)中 含まれる液晶性化合物の全重量に対して、5~ 60重量%の範囲がより好ましい。

〔液晶組成物(2)〕
 本発明の液晶組成物としては、第一成分お び第二成分に加えてさらに、第三成分とし 式(g-1)~(g-6)で表される液晶性化合物(以下、 れぞれ化合物(g-1)~(g-6)ともいう。)の群から 択される少なくとも1つの化合物を含有させ た液晶組成物も好ましい(以下、液晶組成物(2 )ともいう。)。

 式(g-1)~(g-6)中、Ra 21 、およびRb 21 は、独立して、水素、または炭素数1~10のア キルであるが、アルキルにおいて、相隣接 ない-CH 2 -は-O-で置き換えられていてもよく、相隣接 ない-(CH 2 ) 2 -は-CH=CH-で置き換えられていてもよく、水素 フッ素で置き換えられていてもよい。

 式(g-1)~(g-6)中、環A 21 、A 22 、およびA 23 は、独立して、トランス-1,4-シクロへキシレ 、1,4-フェニレン、2-フルオロ-1,4-フェニレ 、3-フルオロ-1,4-フェニレン、2,3-ジフルオロ -1,4-フェニレン、ピリミジン-2,5-ジイル、ピ ミジン-3,6-ジイル、1,3-ジオキサン-2,5-ジイル 、1,3-ジオキサン-3,6-ジイル、テトラヒドロピ ラン-2,5-ジイル、テトラヒドロピラン-3,6-ジ ルである。

 式(g-1)~(g-6)中、Z 21 、Z 22 、およびZ 23 は、独立して、単結合、-CH 2 -CH 2 -、-CH=CH-、-C≡C-、-OCF 2 -、-CF 2 O-、-OCF 2 CH 2 CH 2 -、-CH 2 CH 2 CF 2 O-、-COO-、-OCO-、-OCH 2 -、または-CH 2 O-であり、Y 1 、Y 2 、Y 3 、およびY 4 は独立して、フッ素または塩素である。

 式(g-1)~(g-6)中、q、r、およびsは独立して、0 1、または2であるが、q+rは1または2であり、 q+r+sは1、2、または3であり、tは0、1、または2 である。
 qが2である時の2つ環A 21 は同じであっても、異なってもよく、2つのZ 21 は同じであっても、異なってもよい。
 rが2である時の2つ環A 22 は同じであっても、異なってもよく、2つのZ 22 は同じであっても、異なってもよい。
 sが2である時の2つ環A 23 は同じであっても、異なってもよく、2つのZ 23 は同じであっても、異なってもよい。
 第三成分をさらに含有する液晶組成物(2)は 電率異方性が負に大きい。

 また、第三成分を含有させると、液晶組 物のネマチック相の温度範囲が広く、粘度 小さく、誘電率異方性が負に大きく、比抵 値が大きな液晶組成物が得られ、さらにこ ら物性が適切にバランスした液晶組成物が られる。

 そして、第三成分の中でも、低粘性、耐 性、および耐光性という観点からは、式(h-1 )~(h-7)で表される化合物(以下、それぞれ化合 (h-1)~(h-7)ともいう。)の群から選択される少 くとも1つの化合物がより好ましい。

 式(h-1)~(h-7)において、Ra 22 およびRb 22 は、独立して、炭素数1~8の直鎖アルキル、炭 素数2~8の直鎖アルケニル、または炭素数1~7の アルコキシであり、Z 24 、Z 25 、およびZ 26 は、単結合、-CH 2 CH 2 -、-CH 2 O-、-OCH 2 -、-COO-、または-OCO-であり、Y 1 、およびY 2 は、共にフッ素、または一方がフッ素で他方 が塩素である。

 例えば、化合物(h-1)および(h-2)は、それを 含有する液晶組成物の粘度を小さくし、しき い値電圧値をより低くすることができ、ネマ チック相の下限温度を低くすることができる 。化合物(h-2)、(h-3)および(h-4)は、それを含有 する液晶組成物のネマチック相の上限温度を 下げることなく、しきい値電圧値を低くする ことができる。

 化合物(h-3)および(h-6)は、光学異方性を大 きくすることができ、化合物(h-4)および(h-7) 、光学異方性をより大きくすることができ 。

化合物(h-5)、(h-6)および(h-7)は、それを含有 する液晶組成物のネマチック相の下限温度を 低くすることができる。

 特に、液晶組成物(2)の中でも、式(a-1)~(a-26) ある化合物群から選択される少なくとも1つ の化合物である第一成分と、式(e-1)~(e-3)から る化合物群から選択される少なくとも1つの 化合物である第二成分と、式(h-1)~(h-7)で表さ る化合物群から選択される少なくとも1つの 化合物である第三成分を含有する液晶組成物 は、耐熱性および耐光性に優れ、ネマチック 相の温度範囲が広く、粘度が小さく、電圧保 持率が高く、適切な光学異方性、適切な誘電 率異方性、適切な弾性定数K 33 を示す。さらにこれら物性が適切にバランス した液晶組成物という点で好ましい。

 第三成分、すなわち化合物(g-1)~(g-6)の群の でもより好ましい化合物は、化合物(3-1)~(3-11 8)である。これらの化合物においてRa 22 、およびRb 22 は独立して、炭素数1~8の直鎖アルキル、炭素 数2~8の直鎖アルケニル、または炭素数1~7のア ルコキシである。

 例えば、化合物(g-3)~(g-6)のような縮合環を する化合物は、しきい値電圧値を低くする とができ、耐熱性、または耐光性といった 点から、化合物(3-119)~(3-144)が好ましい。こ らの化合物においてRa 22 、およびRb 22 は、化合物(g-3)~(g-6)の場合と同一の意味であ 。

 本発明の液晶組成物における第三成分の含 量に特に制限はないが、負の誘電率異方性 絶対値を小さくしないといった観点からは 含有量を多くすることが好ましい。
 本発明に係る液晶組成物(2)の第一成分、第 成分、および第三成分の含有割合は特に制 はされないが、液晶組成物(2)の全重量に基 いて、液晶性化合物(a)の含有割合が5~60重量 %の範囲、第二成分の含有割合が20~75重量%の 囲、第三成分の含有割合が20~75重量%の範囲 あることが好ましい。

 液晶組成物(2)の第一成分、第二成分、およ 第三成分の含有割合がこの範囲にある場合 は、耐熱性、耐光性に優れ、ネマチック相 温度範囲が広く、粘度が小さく、電圧保持 が高く、適切な光学異方性、適切な誘電率 方性、適切な弾性定数K 33 を示す。さらにこれら物性がより適切にバラ ンスした液晶組成物が得られる。

〔液晶組成物の態様等〕
 本発明に係る液晶組成物では、第一成分、 二成分、および必要に応じて添加する第三 分を構成する液晶性化合物に加えて、例え 液晶組成物の特性をさらに調整する目的で さらに他の液晶性化合物を添加して使用す 場合がある。また、例えばコストの観点か 、本発明の液晶組成物では、第一成分、第 成分、および必要に応じて添加する第三成 を構成する液晶性化合物以外の液晶性化合 は添加せずに使用する場合もある。

 また本発明に係る液晶組成物には、さらに 光学活性化合物、色素、消泡剤、紫外線吸 剤、酸化防止剤、重合可能な化合物、重合 始剤等の添加物を添加してもよい。
 光学活性化合物を本発明に係る液晶組成物 添加した場合には、液晶にらせん構造を誘 して、ねじれ角を与えることなどができる

 光学活性化合物として、公知のキラルド- プ剤を添加する。このキラルド-プ剤は液晶 らせん構造を誘起して必要なねじれ角を調 し、逆ねじれを防ぐといった効果を有する キラルド-プ剤の例として、光学活性化合物( Op-1)~(Op-13)を挙げることができる。

 色素を本発明に係る液晶組成物に添加した 合には、液晶組成物をGH(guest host)モードを する液晶表示素子に適用することなどが可 となる。
 消泡剤を本発明に係る液晶組成物に添加し 場合には、液晶組成物の運搬中、あるいは 液晶組成物から液晶表示素子を合成工程中 、発泡を抑制することなどが可能となる。

 紫外線吸収剤、あるいは酸化防止剤を本 明に係る液晶組成物に添加した場合には、 晶組成物や該液晶組成物を含む液晶表示素 の劣化を防止することなどが可能となる。 えば酸化防止剤は、液晶組成物を加熱した きに比抵抗の低下を抑制することが可能で る。

 紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系 外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤 トリアゾール系紫外線吸収剤などを挙げる とができる。
 ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の具体例は 2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン である。

 ベンゾエート系紫外線吸収剤の具体例は、2 ,4-ジ-t-ブチルフェニル-3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒド キシベンゾエートである。
 トリアゾール系紫外線吸収剤の具体例は、2 -(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリ ゾール、2-[2-ヒドロキシ-3-(3,4,5,6-テトラヒ ロキシフタルイミド-メチル)-5-メチルフェニ ル]ベンゾトリアゾール、および2-(3-t-ブチル- 2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)-5-クロロベン ゾトリアゾールである。

 酸化防止剤としては、フェノール系酸化防 剤、有機硫黄系酸化防止剤などを挙げるこ ができる。
 特に、液晶組成物の物性を変化させずに酸 防止効果が高いという観点からは、式(I)で される酸化防止剤が好ましい。


 式(I)中、wは1から15の整数を示す。

 フェノール系酸化防止剤の具体例は、2,6-ジ -t-ブチル-4-メチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチ -4-エチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチル-4-プロ ルフェノール、2,6-ジ-t-ブチル-4-ブチルフェ ノール、2,6-ジ-t-ブチル-4-ペンチルフェノー 、2,6-ジ-t-ブチル-4-ヘキシルフェノール、2,6- ジ-t-ブチル-4-ヘプチルフェノール、2,6-ジ-t- チル-4-オクチルフェノール、2,6-ジ-t-ブチル- 4-ノニルフェノール、2,6-ジ-t-ブチル-4-デシル フェノール、2,6-ジ-t-ブチル-4-ウンデシルフ ノール、2,
6-ジ-t-ブチル-4-ドデシルフェノール、2,6-ジ-t- ブチル-4-トリデシルフェノール、2,6-ジ-t-ブ ル-4-テトラデシルフェノール、2,6-ジ-t-ブチ -4-ペンタデシルフェノール、2,2’-メチレン ビス(6-t-ブチルー4-メチルフェノール)、4,4’- ブチリデンビス(6-t-ブチル-3-メチルフェノー )、2,6-ジ-t-ブチル-4-(2-オクタデシルオキシ ルボニル)エチルフェノール、およびペンタ リスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4 -ヒドロキシフェニル)プロピオネート]である 。

 有機硫黄系酸化防止剤の具体例は、ジラ リル-3,3’-チオプロピオネート、ジミリス ル-3,3’-チオプロピオネート、ジステアリル -3,3’-チオプロピオネート、ペンタエリスリ ールテトラキス(3-ラウリルチオプロピオネ ト)、および2-メルカプトベンズイミダゾー である。

 紫外線吸収剤、酸化防止剤などに代表さ る添加物の添加量は、本発明の目的を損な ず、かつ添加物を添加する目的を達成でき 量の範囲で添加して用いることができる。

 例えば、紫外線吸収剤、あるいは酸化防 剤を添加する場合には、その添加割合は、 発明に係る液晶組成物の全重量に基づいて 通常10ppm~500ppmの範囲、好ましくは30~300ppmの 囲、より好ましくは40~200ppmの範囲である。

 なお、本発明に係る液晶組成物は、液晶 成物を構成する各化合物の合成工程、液晶 成物の調製工程等において混入する合成原 、副生成物、反応溶媒、合成触媒等の不純 を含んでいる場合もある。

 PSA(polymer sustained alignment)モードの素子に 適合させるために重合可能な化合物が組成物 に混合される。重合可能な化合物の好ましい 例は、アクリレート、メタクリレート、ビニ ル化合物、ビニルオキシ化合物、プロペニル エーテル、エポキシ化合物(オキシラン、オ セタン)などの重合可能な基を有する化合物 ある。特に好ましい例は、アクリレート、 たはメタクリレートの誘導体である。重合 能な化合物の好ましい割合は、その効果を るために、0.05重量%以上であり、不良表示 防ぐために10重量%以下である。さらに好ま い割合は、0.1重量%から2重量%の範囲である 重合可能な化合物は、好ましくは光重合開 剤などの適切な開始剤存在下でUV照射などに より重合する。重合のための適切な条件、開 始剤の適切なタイプ、および適切な量は、当 業者には既知であり、文献に記載されている 。例えば光開始剤であるIrgacure651(登録商標) Irgacure184(登録商標)、またはDarocure1173(登録商 標)(Ciba Geigy AG)がラジカル重合に対して適切 である。重合可能な化合物は、好ましくは光 重合開始剤を0.1重量%から5重量%の範囲で含む 。特に好ましくは、光重合開始剤を1重量%か 3重量%の範囲で含む

〔液晶組成物の調製方法〕
 本発明に係る液晶組成物は、例えば、各成 を構成する化合物が液体の場合には、それ れの化合物を混合し振とうさせることによ 、また固体を含む場合には、それぞれの化 物を混合し、加熱溶解によってお互い液体 してから振とうさせることにより調製する とができる。また、本発明に係る液晶組成 はその他の公知の方法により調製すること 可能である。

〔液晶組成物の特性〕
 本発明に係る液晶組成物では、ネマチック の上限温度を70℃以上とすること、ネマチ ク相の下限温度は-20℃以下とすることがで 、ネマチック相の温度範囲が広い。したが て、この液晶組成物を含む液晶表示素子は い温度領域で使用することが可能である。

 本発明に係る液晶組成物では、組成等を適 調整することで、光学異方性を0.10~0.13の範 、0.05~0.18の範囲とすることもできる。
 また、本発明に係る液晶組成物では、通常 -5.0~-2.0の範囲の誘電率異方性、好ましくは -4.5~-2.5の範囲の誘電率異方性を有する液晶 成物を得ることができる。-4.5~-2.5の範囲の 電率異方性を有する液晶組成物は、IPSモー 、VAモード、またはPSAモードで動作する液 表示素子として好適に使用することができ 。

〔液晶表示素子〕
 本発明に係る液晶組成物は、PCモード、TNモ ード、STNモード、OCBモード、PSAモード等の動 作モードを有し、AM方式で駆動する液晶表示 子だけでなく、PCモード、TNモード、STNモー ド、OCBモード、VAモード、IPSモード等の動作 ードを有しパッシブマトリクス(PM)方式で駆 動する液晶表示素子にも使用することができ る。

 これらAM方式、およびPM方式の液晶表示素子 は、反射型、透過型、半透過型、いずれの液 晶ディスプレイ等にも適用ができる。
 また、本発明に係る液晶組成物は、導電剤 添加させた液晶組成物を用いたDS(dynamic scat tering)モード素子や、液晶組成物をマイクロ プセル化して作製したNCAP(nematic curvilinear al igned phase)素子や、液晶組成物中に三次元の 目状高分子を形成させたPD(polymer dispersed)素 、例えばPN(polymer network)素子にも使用でき 。

 中でも本発明に係る液晶組成物では、上 のような特性を有するので、VAモード、IPS またはPSAモードなどの負の誘電率異方性を する液晶組成物を利用した動作モードで駆 するAM方式の液晶表示素子に好適に用いるこ とができ、特に、VAモードで駆動するAM方式 液晶表示素子に好適に用いることができる

 なお、TNモード、VAモード等で駆動する液晶 表示素子においては、電場の方向は、液晶層 に対して垂直である。一方、IPSモード等で駆 動する液晶表示素子においては、電場の方向 は、液晶層に対して平行である。なお、VAモ ドで駆動する液晶表示素子の構造は、K. Ohm uro, S. Kataoka, T. Sasaki and Y. Koike, SID '97 D igest of Technical Papers, 28, 845 (1997)に報告さ ており、IPSモードで駆動する液晶表示素子 構造は、国際公開91/10936号パンフレット(フ ミリー:US5576867)に報告されている。
 [実施例]

〔化合物(a)の実施例〕
 以下、実施例により本発明をさらに詳しく 明するが、本発明はこれら実施例によって 制限されない。なお特に断りのない限り、 %」は「重量%」を意味する。

 得られた化合物は、 1 H-NMR分析で得られる核磁気共鳴スペクトル、 スクロマトグラフィー(GC)分析で得られるガ スクロマトグラムなどにより同定したので、 まず分析方法について説明をする。

1 H-NMR分析
 測定装置は、DRX-500(ブルカーバイオスピン( )社製)を用いた。測定は、実施例等で合成 たサンプルを、CDCl 3 等のサンプルが可溶な重水素化溶媒に溶解し 、室温で、500MHz、積算回数32回の条件で行っ 。なお、得られた核磁気共鳴スペクトルの 明において、sはシングレット、dはダブレ ト、tはトリプレット、qはカルテット、quin クインテット、sexはセクステット、mはマル プレット、brはブロードであることを意味 る。また、化学シフトδ値のゼロ点の基準物 質としてはテトラメチルシラン(TMS)を用いた

GC分析
 測定装置は、島津製作所製のGC-14B型ガスク マトグラフを用いた。カラムは、島津製作 製のキャピラリーカラムCBP1-M25-025(長さ25m、 内径0.22mm、膜厚0.25μm);固定液相はジメチルポ リシロキサン;無極性)を用いた。キャリアー スとしてはヘリウムを用い、流量は1ml/分に 調整した。試料気化室の温度を280℃、検出器 (FID)部分の温度を300℃に設定した。

 試料はトルエンに溶解して、1重量%の溶液 なるように調製し、得られた溶液1μlを試料 化室に注入した。
 記録計としては島津製作所製のC-R6A型Chromato pac、またはその同等品を用いた。得られたガ スクロマトグラムには、成分化合物に対応す るピークの保持時間およびピークの面積値が 示されている。

 なお、試料の希釈溶媒としては、例えば クロロホルム、ヘキサンを用いてもよい。 た、カラムとしては、Agilent Technologies Inc. のキャピラリカラムDB-1(長さ30m、内径0.32mm 膜厚0.25μm)、Agilent Technologies Inc.製のHP-1(長 30m、内径0.32mm、膜厚0.25μm)、Restek Corporation のRtx-1(長さ30m、内径0.32mm、膜厚0.25μm)、SGE  International Pty.Ltd製のBP-1(長さ30m、内径0.32mm、 膜厚0.25μm)などを用いてもよい。

 ガスクロマトグラムにおけるピークの面 比は成分化合物の割合に相当する。一般に 、分析サンプルの成分化合物の重量%は、分 析サンプルの各ピークの面積%と完全に同一 はないが、本発明において上述したカラム 用いる場合には、実質的に補正係数は1であ ので、分析サンプル中の成分化合物の重量% は、分析サンプル中の各ピークの面積%とほ 対応している。成分の液晶性化合物におけ 補正係数に大きな差異がないからである。 スクロクロマトグラムにより液晶組成物中 液晶性化合物の組成比をより正確に求める は、ガスクロマトグラムによる内部標準法 用いる。一定量正確に秤量された各液晶性 合物成分(被検成分)と基準となる液晶性化合 物(基準物質)を同時にガスクロ測定して、得 れた被検成分のピークと基準物質のピーク の面積比の相対強度をあらかじめ算出する 基準物質に対する各成分のピーク面積の相 強度を用いて補正すると、液晶組成物中の 晶性化合物の組成比をガスクロ分析からよ 正確に求めることができる。

〔化合物等の物性の測定試料〕
 化合物の物性を測定する試料としては、化 物そのものを試料とする場合、化合物を母 晶と混合して試料とする場合の2種類がある 。

 化合物を母液晶と混合した試料を用いる 者の場合には、以下の方法で測定を行う。 ず、得られた液晶性化合物15重量%と母液晶8 5重量%とを混合して試料を作製する。そして 得られた試料の測定値から、下記式に示す に示す外挿法にしたがって、外挿値を計算 る。この外挿値をこの化合物の物性値とす 。

 〈外挿値〉=(100×〈試料の測定値〉-〈母液 の重量%〉×〈母液晶の測定値〉
)/〈化合物の重量%〉
化合物と母液晶との割合がこの割合であって も、スメクチック相、または結晶が25℃で析 する場合には、化合物と母液晶との割合を1 0重量%:90重量%、5重量%:95重量%、1重量%:99重量% の順に変更をしていき、スメクチック相、ま たは結晶が25℃で析出しなくなった組成で試 の物性を測定しこの式にしたがって外挿値 求めて、これを化合物の物性値とする。

 本測定に用いる母液晶としては様々な種類 存在するが、例えば、母液晶iの組成は以下 のとおりである。
 母液晶i:

 なお、液晶組成物の物性を測定する試料と ては、液晶組成物そのものを用いた。
〔化合物等の物性の測定方法〕
 物性の測定は後述する測定方法で行った。 れらの多くは、日本電子機械工業会規格(Sta ndard of Electric Industries Association of Japan)EIAJ ・ED-2521Aに記載された方法、またはこれを修 した方法である。また、測定に用いたTN素 またはVA素子には、TFTを取り付けなかった。

 測定値のうち、化合物単体そのものを試 として得られた値と、液晶組成物そのもの 試料として得られた値は、そのままの値を 験データとして記載した。化合物を母液晶 混合し試料として得られた場合には、外挿 で得られた値を物性値とした。

相構造および転移温度(℃)
 以下(1)、および(2)の方法で測定を行った。
(1)偏光顕微鏡を備えた融点測定装置のホット プレート(メトラー社FP-52型ホットステージ) 化合物を置き、3℃/分の速度で加熱しながら 相状態とその変化を偏光顕微鏡で観察し、相 の種類を特定した。
(2)パーキンエルマー社製走査熱量計DSC-7シス ム、またはDiamond DSCシステムを用いて、3℃ /分速度で昇降温し、試料の相変化に伴う吸 ピーク、または発熱ピークの開始点を外挿 より求め(on set)、転移温度を決定した。

 以下、結晶はCと表した。結晶の区別がつく 場合は、それぞれC 1 またはC 2 と表した。また、スメクチック相はS、ネマ ック相はNと表した。液体(アイソトロピック )はIと表した。スメクチック相の中で、スメ チックB相、またはスメクチックA相の区別 つく場合は、それぞれS B 、またはS A と表した。転移温度の表記として、例えば、 「C 50.0 N 100.0 I」とは、結晶からネマチッ 相への転移温度(CN)が50.0℃であり、ネマチ ク相から液体への転移温度(NI)が100.0℃であ ことを示す。他の表記も同様である。

ネマチック相の上限温度(T NI ;℃)
 偏光顕微鏡を備えた融点測定装置のホット レート(メトラー社FP-52型ホットステージ)に 、試料(液晶組成物、または化合物と母液晶 の混合物)を置き、1℃/分の速度で加熱しな ら偏光顕微鏡を観察した。試料の一部がネ チック相から等方性液体に変化したときの 度をネマチック相の上限温度とした。以下 ネマチック相の上限温度を、単に「上限温 」と略すことがある。

低温相溶性
 母液晶と化合物とを、化合物が、20重量%、1 5重量%、10重量%、5重量%、3重量%、および1重 %の量となるように混合した試料を作製し、 料をガラス瓶に入れる。このガラス瓶を、- 10℃または-20℃のフリーザー中に一定期間保 したあと、結晶もしくはスメクチック相が 出しているかどうか観察をした。

粘度(バルク粘度;η;20℃で測定;mPa・s)
 E型回転粘度計を用いて測定した。

粘度(回転粘度;γ1;25℃で測定;mPa・s)
 測定はM. Imai et al., Molecular Crystals and Liq uid Crystals, Vol. 259, 37 (1995) に記載された 法に従った。2枚のガラス基板の間隔(セルギ ャップ)が20μmのVA素子に試料(液晶組成物、ま たは化合物と母液晶との混合物)を入れた。 の素子に30ボルトから50ボルトの範囲で1ボル ト毎に段階的に印加した。0.2秒の無印加のあ と、ただ1つの矩形波(矩形パルス;0.2秒)と無 加(2秒)の条件で印加を繰り返した。この印 によって発生した過渡電流(transient current)の ピーク電流(peak current)とピーク時間(peak time) を測定した。これらの測定値とM. Imaiらの論 、40頁の計算式(8)とから回転粘度の値を得 。なお、この計算に必要な誘電率異方性は 下記誘電率異方性で測定した値を用いた。

光学異方性(屈折率異方性;25℃で測定;δn)
 測定は、25℃の温度下で、波長589nmの光を用 い、接眼鏡に偏光板を取り付けたアッベ屈折 計により行なった。主プリズムの表面を一方 向にラビングしたあと、試料(液晶組成物、 たは化合物と母液晶との混合物)を主プリズ に滴下した。屈折率(n∥)は偏光の方向がラ ングの方向と平行であるときに測定した。 折率(n⊥)は偏光の方向がラビングの方向と 直であるときに測定した。光学異方性(δn) 値は、δn=n∥-n⊥の式から計算した。

誘電率異方性(δε;25℃で測定)
 誘電率異方性は以下の方法によって測定し 。
 よく洗浄したガラス基板にオクタデシルト エトキシシラン(0.16mL)のエタノール(20mL)溶 を塗布した。ガラス基板をスピンナーで回 させたあと、150℃で1時間加熱した。2枚のガ ラス基板から、間隔(セルギャップ)が20μmで るVA素子を組み立てた。

 同様の方法で、ガラス基板にポリイミド 配向膜を調製した。得られたガラス基板の 向膜にラビング処理をした後、2枚のガラス 基板の間隔が9μmであり、ツイスト角が80度で あるTN素子を組み立てた。

 得られたVA素子に試料(液晶組成物、また 化合物と母液晶との混合物)を入れ、0.5V(1kHz 、サイン波)を印加して、液晶分子の長軸方 における誘電率(ε∥)を測定した。

 また、得られたTN素子に試料(液晶組成物、 たは化合物と母液晶との混合物)を入れ、0.5 V(1kHz、サイン波)を印加して、液晶分子の短 方向における誘電率(ε⊥)を測定した。
 誘電率異方性の値は、δε=ε∥-ε⊥の式から 計算した。

電圧保持率(VHR;25℃で測定;%)
 測定に用いたTN素子はポリイミド配向膜を し、そして2枚のガラス基板の間隔(セルギャ ップ)は6μmである。この素子は試料(液晶組成 物、または化合物と母液晶との混合物)を入 たあと紫外線によって重合する接着剤で密 した。このTN素子にパルス電圧(5Vで60マイク 秒)を印加して充電した。減衰する電圧を、 高速電圧計で16.7ミリ秒のあいだ測定し、単 周期における電圧曲線と横軸との間の面積A 求めた。面積Bは減衰しなかったときの面積 である。電圧保持率は面積Bに対する面積Aの 分率(%)で表現したものである。

弾性定数(K 11 、K 33 ;25℃で測定)
 測定には株式会社東陽テクニカ製のEC-1型弾 性定数測定器を用いた。2枚のガラス基板の 隔(セルギャップ)が20μmである垂直配向セル 試料を入れた。このセルに20ボルトから0ボ ト電荷を印加し、静電容量および印加電圧 測定した。測定した静電容量(C)と印加電圧( V)の値を『液晶デバイスハンドブック』(日刊 工業新聞社)、75頁にある式(2.98)、式(2.101)を いてフィッティングし、式(2.100)から弾性定 の値を得た。

 4-エトキシ-2,3-ジフルオロ-4’-[2,3-ジフル ロ-4-(4-ペンチルシクロヘキシル)フェノキシ メチル]-1,1’-ビフェニル(No.1123)の合成

第1工程
 窒素雰囲気下、反応器へ4-ヨード安息香酸 チル(1) 25.0g、4-エトキシ-2,3-ジフルオロフェ ニルボロン酸(2) 20.1g、炭酸カリウム 25.0g、 素担持パラジウム(5%Pd/CのNXタイプ(50%湿潤品 );エヌ・イー・ケムキャット製)(以下、Pd/Cと す。) 0.25g、トルエン 100ml、エタノール 10 0mlおよび水 100mlを加え、2時間加熱還流させ 。反応液を25℃まで冷却後、水 500mlおよび ルエン 500mlへ注ぎ込み、混合した。その後 、静置して有機層と水層の2層に分離させて 有機層への抽出操作を行った。得られた有 層を分取して、水で洗浄し、無水硫酸マグ シウムで乾燥した。得られた溶液を減圧下 濃縮し、得られた残渣を、トルエンを展開 媒とし、シリカゲルを充填剤として用いた ラムクロマトグラフィーによる分取操作で 製した。さらにエタノールからの再結晶に り精製し、乾燥させ、4-エトキシ-2,3-ジフル ロ-4’-ビフェニル安息香酸エチル(3) 18.8gを 得た。化合物(1)からの収率は67.9%であった。

第2工程
 水素化リチウムアルミニウム 1.4gをTHF 100ml に懸濁した。この懸濁液に化合物(3) 18.8gを -20℃から-10℃の温度範囲で滴下し、さらに の温度範囲で2時間攪拌した。GC分析により 応終了を確認後、氷冷下、反応混合物に、 次、酢酸エチル、飽和アンモニア水溶液を えていき、析出物をセライト濾過により除 した。濾液を酢酸エチルにより抽出した。 られた有機層を、水、飽和食塩水で順次洗 して、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。 らにヘプタンからの再結晶により精製し、 燥させ、減圧下濃縮をして、(4-エトキシ-2,3- ジフルオロ-4’-ビフェニル)メタノール(4) 12. 0gを得た。化合物(3)からの収率は74.0%であっ 。

第3工程
 窒素雰囲気下、反応器へ化合物(4) 12.0g、ト ルエン 50mlおよびピリジン 0.12mlを加え、45 で1時間攪拌した。その後、塩化チオニル 3. 6mlを45℃から55℃の温度範囲で加え、2時間加 還流させた。反応液を25 ℃まで冷却後、水   200mlおよびトルエン 200mlへ注ぎ込み、混 した。その後、静置して有機層と水層の2層 分離させて、有機層への抽出操作を行った 得られた有機層を分取して、飽和重曹水で2 回、水で3回洗浄し、無水硫酸マグネシウム 乾燥した。得られた溶液を減圧下で濃縮し 得られた残渣を、トルエンとヘプタンとの 合溶媒(体積比 トルエン:ヘプタン=1:1)を展 溶媒とし、シリカゲルを充填剤として用い カラムクロマトグラフィーによる分取操作 精製した。さらにソルミックスA-11からの再 晶により精製し、乾燥させ、4’-クロロメ ル-4-エトキシ-2,3-ジフルオロ-ビフェニル(5)  9.4gを得た。化合物(4)からの収率は73.2%であっ た。

第4工程
 窒素雰囲気下の反応器へ、1,2-ジフルオロベ ンゼン(6) 100.0gとTHF 500mlとを加えて、-74℃ま で冷却した。そこへ、1.00M sec-ブチルリチウ ,n-ヘキサン、シクロヘキサン溶液 876.5mlを- 74℃から-70℃の温度範囲で滴下し、さらに2時 間攪拌した。続いて4-ペンチルシクロヘキサ ン(7)を177.0g含んだTHF 200ml溶液を-75℃から-70 ℃の温度範囲で滴下し、25℃に戻しつつ8時間 攪拌した。得られた反応混合物を1N HCl水溶  500mlと酢酸エチル 500mlとが入った容器中に 添加して混合した後、静置して、有機層と水 層とに分離させ抽出操作を行った。得られた 有機層を分取し、水、飽和重曹水、および水 で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した 。その後、減圧下、溶媒を留去し、4-ペンチ -(2,3-ジフルオロフェニル)シクロへキサノー ル(8) 215.1gを得た。得られた化合物(8)は黄色 状物であった。

第5工程
 化合物(8) 215.1g、p-トルエンスルホン酸 6.5g 、およびトルエン 500mlを混合し、この混合 を、留出する水を抜きながら2時間加熱還流 せた。反応混合物を30℃まで冷却した後、 られた液に水 500mlとトルエン 500mlとを加え 混合した後、静置して有機層と水層の2層に 離させて、有機層への抽出操作を行った。 られた有機層を分取して、飽和重曹水、お び水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾 した。得られた溶液を、ヘプタンを展開溶 とし、シリカゲルを充填剤として用いたカ ムクロマトグラフィーによる分取操作で精 し、乾燥させ、4-ペンチル-(2,3-ジフルオロフ ェニル)シクロへキセン(9) 186.6gを得た。化合 物(8)からの収率は92.7%であった。

第6工程
 トルエン 150ml、ソルミックスA-11 150mlとの 合溶媒に化合物(9) 50.0gを溶解させ、さらに Pd/Cを0.5g加え、水素雰囲気下、水素を吸収し くなるまで室温で攪拌した。反応終了後、P d/Cを除去して、さらに溶媒を留去して、得ら れた残渣をヘプタンを展開溶媒とし、シリカ ゲルを充填剤として用いたカラムクロマトグ ラフィーによる分取操作で精製し、さらにソ ルミックスA-11からの再結晶により精製し、 燥させ、4-ペンチル-(2,3-ジフルオロフェニル )シクロへキサン(10) 47.0gを得た。化合物(9)か らの収率は94.0%であった。

第7工程
 窒素雰囲気下の反応器へ、4-ペンチル-(2,3- フルオロフェニル)シクロへキサン(10) 20.0g THF 100mlとを加えて、-74 ℃まで冷却した。 こへ、1.00M sec-ブチルリチウム,n-ヘキサン、 シクロヘキサン溶液 82.6mlを-74℃から-70℃の 度範囲で滴下し、さらに2時間攪拌した。続 いて、ホウ酸トリメチル 9.4gのTHF 50ml溶液に -74℃から-65℃の温度範囲で滴下し、25 ℃に しつつ、さらに8時間攪拌した。その後、反 混合物を1N塩酸 100ml氷水 500mlとが入った容 器中に注ぎ込み、混合した。酢酸エチル 300m lを加えて、有機層と水層とに分離させ抽出 作を行った。得られた有機層を分取し、水 飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、食塩水で 次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し 。その後、減圧下、溶媒を留去し、2,3-ジフ オロ-4-(4-プロピルシクロヘキシル)-ボロン (11) 18.7gを得た。化合物(10)からの収率は80.3% であった。

第8工程
 窒素雰囲気下の反応器へ、化合物(11) 18.7g 酢酸 100mlとを加えて、室温下、31%過酸化水 水 14.5mlを25℃から30℃の温度範囲で滴下し さらに2時間攪拌した。その後、反応混合物 を亜硫酸水素ナトリウム水溶液100ml、酢酸エ ル300mlが入った容器中に注ぎ込み、混合し 。その後、静置して有機層と水層とに分離 せ抽出操作を行った。得られた有機層を分 し、水、食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マ ネシウムで乾燥した。その後、減圧下、溶 を留去し、2,3-ジフルオロ-4-(4-プロピルシク ヘキシル)フェノール(12) 17.4gを得た。化合 (11)からの収率は99.0%であった。

第9工程
 窒素雰囲気下、DMF 100mlに2,3-ジフルオロ-4-(4 -プロピルシクロヘキシル)フェノール(12)3.0g およびリン酸三カリウム(K 3 PO 4 ) 7.5gを加え、70℃で攪拌した。そこへ化合物 (5) 2.0gを加え、70℃で、7時間攪拌した。得ら れた反応混合物を30℃まで冷却し、ろ過によ て固形物と分離した後、トルエン 100ml、お よび水 100mlを加え混合した。その後、静置 て有機層と水層の2層に分離させて、有機層 の抽出操作を行った。得られた有機層を分 して、食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシ ムで乾燥した。その後、減圧下、溶媒を留 し、得られた残渣をヘプタンとトルエンの 合溶媒(体積比 ヘプタン:トルエン=1:2)を展 溶媒、シリカゲルを充填剤として用いたカ ムクロマトグラフィーによる分取操作で精 した。さらにソルミックスA-11とヘプタンの 混合溶媒(体積比 ソルミックスA-11:ヘプタン= 1:2)からの再結晶により精製し、乾燥させ、4- エトキシ-2,3-ジフルオロ-4’-[2,3-ジフルオロ-4 -(4-ペンチルシクロヘキシル)フェノキシメチ ]-1,1’-ビフェニル(No.1123)2.2gを得た。化合物 (5)からの収率は42.5%であった。
  1 H-NMR分析の化学シフトδ(ppm)は以下の通りであ り、得られた化合物が、4-エトキシ-2,3-ジフ オロ-4’-[2,3-ジフルオロ-4-(4-ペンチルシクロ ヘキシル)フェノキシメチル]-1,1’-ビフェニ (No.1123)であることが同定できた。なお、測 溶媒はCDCl 3 である。

 化学シフトδ(ppm);7.51(dd,4H),7.09(td,1H),6.84(td, 1H),6.80(td,1H),6.73(td,1H),5.15(s,2H),4.16(q,2H),2.74(td,1H ),1.88-1.80(m,4H),1.49(t,3H),1.44(td,2H),1.35-1.18(m,9H),1.1 1-1.01(m,2H),0.89(t,3H).

 転移温度は化合物自体の測定値とし、上限 度(T NI )、誘電率異方性(δε)、および光学異方性(δn) は、化合物を母液晶(i)に混合した試料の測定 値を、上記外挿法に従って換算した、化合物 (No.1123)の物性値は以下の通りであった。
転移温度 :C 130.1 N 197.5 I
T NI =192.6 ℃,δε=-7.40 ,δn=0.207 .

 トランス-4-(2,3-ジフルオロ-4-エトキシフ ニル)-4-[2,3-ジフルオロ-4-(4-ペンチルシクロ キシル)フェノキシメチル]シクロヘキサン(No .943)の合成

第1工程
 水素化リチウムアルミニウム 4.2gをTHF 300ml に懸濁した。この懸濁液に4-(4-エトキシ-2,3- フルオロフェニル)-シクロヘキサンカルボア ルデヒド(13) 50.0gを、-20℃から-10℃の温度範 で滴下し、さらにこの温度範囲で2時間攪拌 した。GC分析により反応終了を確認後、氷冷 、反応混合物に、順次、酢酸エチル、飽和 ンモニア水溶液を加えていき、析出物をセ イト濾過により除去した。濾液を酢酸エチ により抽出した。得られた有機層を、水、 和食塩水で順次洗浄して、無水硫酸マグネ ウムで乾燥した。さらにヘプタンからの再 晶により精製し、乾燥させ、減圧下濃縮を て、4-ヒドロキシメチル-(4-エトキシ-2,3-ジ ルオロ)シクロヘキサン(14) 47.6gを得た。化 物(13)からの収率は94.5%であった。

第2工程
 窒素雰囲気下、反応器へ化合物(14) 47.6g、 ルエン 300mlおよびピリジン 0.5mlを加え、45 で1時間攪拌した。その後、塩化チオニル 1 4.0mlを45℃から55℃の温度範囲で加え、2時間 熱還流させた。反応液を25 ℃まで冷却後、   300mlおよびトルエン 300mlへ注ぎ込み、混 合した。その後、静置して有機層と水層の2 に分離させて、有機層への抽出操作を行っ 。得られた有機層を分取して、飽和重曹水 2回、水で3回洗浄し、無水硫酸マグネシウム で乾燥した。得られた溶液を減圧下で濃縮し 、得られた残渣を、トルエンとヘプタンとの 混合溶媒(体積比 トルエン:ヘプタン=1:1)を展 開溶媒とし、シリカゲルを充填剤として用い たカラムクロマトグラフィーによる分取操作 で精製した。さらにソルミックスA-11からの 結晶により精製し、乾燥させ、4-クロロメチ ル-(4-エトキシ-2,3-ジフルオロフェニル)-シク ヘキサン(15) 47.6gを得た。化合物(14)からの 率は93.6%であった。

第3工程
 窒素雰囲気下、DMF 100mlに4-エトキシ-2,3-ジ ルオロフェノール(12) 2.4g、およびリン酸三 リウム(K 3 PO 4 ) 7.4gを加え、70℃で攪拌した。そこへ化合物 (15) 2.0gを加え、70℃で、7時間攪拌した。得 れた反応混合物を30℃まで冷却し、ろ過によ って固形物と分離した後、トルエン 100ml、 よび水 100mlを加え混合した。その後、静置 て有機層と水層の2層に分離させて、有機層 への抽出操作を行った。得られた有機層を分 取して、食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシ ウムで乾燥した。その後、減圧下、溶媒を留 去し、得られた残渣をヘプタンとトルエンの 混合溶媒(体積比 ヘプタン:トルエン=1:2)を展 開溶媒、シリカゲルを充填剤として用いたカ ラムクロマトグラフィーによる分取操作で精 製した。さらにソルミックスA-11とヘプタン 混合溶媒(体積比 ソルミックスA-11:ヘプタン =1:2)からの再結晶により精製し、乾燥させ、 ランス-4-(2,3-ジフルオロ-4-エトキシフェニ )-4-[2,3-ジフルオロ-4-(4-ペンチルシクロヘキ ル)フェノキシメチル]シクロヘキサン(No.943)2 .3gを得た。化合物(15)からの収率は62.2%であっ た。

  1 H-NMR分析の化学シフトδ(ppm)は以下の通りであ り、得られた化合物が、トランス-4-(2,3-ジフ オロ-4-エトキシフェニル)-4-[2,3-ジフルオロ- 4-(4-ペンチルシクロヘキシル)フェノキシメチ ル]シクロヘキサン(No.943)であることが同定で きた。なお、測定溶媒はCDCl 3 である。

 化学シフトδ(ppm);6.84(td,2H),6.67(td,2H),4.09(q,2 H),3.85(d,2H),2.80(tt,1H),2.74(tt,1H),2.03(d,2H),1.96-1.81(m ,7H),1.56-1.38(m,7H),1.36-1.18(m,11H),1.12-1.02(m,2H),0.89(t ,3H).

 転移温度は化合物自体の測定値とし、上限 度(T NI )、誘電率異方性(δε)、および光学異方性(δn) は、化合物を母液晶(i)に混合した試料の測定 値を、上記外挿法に従って換算した、化合物 (No.943)の物性値は以下の通りであった。
転移温度 :C 101.8 N 204.0 I
T NI =187.3 ℃,δε=-6.15 ,δn=0.134 .

 トランス-4-(2,3-ジフルオロ-4-エトキシフ ニル)-4-[2,3-ジフルオロ-4’-ブトキシ1,1’-ビ ェノキシメチル]シクロヘキサン(No.1041)の合 成

第1工程
 窒素雰囲気下、反応器へ4-ブロモブトキシ ンゼン(16) 50.0g、2,3-ジフルオロフェニルボ ン酸(17) 37.9g、炭酸カリウム 90.5g、Pd(Ph 3 P) 2 Cl 2  4.6g、トルエン200ml、ソルミックスA-11 200ml よび水 200mlを加え、2時間加熱還流させた。 反応液を25℃まで冷却後、水 500mlおよびトル エン 500mlへ注ぎ込み、混合した。その後、 置して有機層と水層の2層に分離させて、有 層への抽出操作を行った。得られた有機層 分取して、水で洗浄し、無水硫酸マグネシ ムで乾燥した。得られた溶液を減圧下、濃 し、得られた残渣を、トルエンを展開溶媒 し、シリカゲルを充填剤として用いたカラ クロマトグラフィーによる分取操作で精製 た。さらにソルミックスA-11からの再結晶に より精製し、乾燥させ、4’-ブトキシ-2,3-ジ ルオロ-1,1’-ビフェニル(18) 44.7gを得た。化 物(16)からの収率は78.1%であった。

第2工程
 窒素雰囲気下の反応器へ、4’-ブトキシ-2,3- ジフルオロ-1,1’-ビフェニル(18) 20.0gとTHF 200 mlとを加えて、-74 ℃まで冷却した。そこへ 1.00M sec-ブチルリチウム,n-ヘキサン、シクロ ヘキサン溶液 83.9mlを-74℃から-70℃の温度範 で滴下し、さらに2時間攪拌した。続いて、 ホウ酸トリメチル 9.5gのTHF 50ml溶液に-74℃か ら-65℃の温度範囲で滴下し、25 ℃に戻しつ 、さらに8時間攪拌した。その後、反応混合 を1N塩酸 100ml氷水 500mlとが入った容器中に 注ぎ込み、混合した。酢酸エチル 300mlを加 て、有機層と水層とに分離させ抽出操作を った。得られた有機層を分取し、水、飽和 酸水素ナトリウム水溶液、食塩水で順次洗 し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。そ 後、減圧下、溶媒を留去し、4’-ブトキシ-2, 3-ジフルオロ-1,1’-ビフェニル-4-ボロン酸(19) 21.3gを得た。化合物(18)からの収率は91.3%であ った。

第3工程
 窒素雰囲気下の反応器へ、化合物(19) 10.0g 酢酸 50mlとを加えて、室温下、31%過酸化水 水 4.5mlを25℃から30℃の温度範囲で滴下し、 さらに2時間攪拌した。その後、反応混合物 亜硫酸水素ナトリウム水溶液100ml、酢酸エチ ル200mlが入った容器中に注ぎ込み、混合した その後、静置して有機層と水層とに分離さ 抽出操作を行った。得られた有機層を分取 、水、食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグ シウムで乾燥した。その後、減圧下、溶媒 留去し、4’-ブトキシ-4-ヒドロキシ-2,3-ジフ ルオロ-1,1’-ビフェニル(20) 8.9gを得た。化合 物(19)からの収率は97.9%であった。

第4工程
 窒素雰囲気下、DMF 100mlに化合物(20) 2.3g、 よびリン酸三カリウム(K 3 PO 4 ) 7.4gを加え、70℃で攪拌した。そこへ化合物 (15) 2.0gを加え、70℃で、7時間攪拌した。得 れた反応混合物を30℃まで冷却し、ろ過によ って固形物と分離した後、トルエン 100ml、 よび水 100mlを加え混合した。その後、静置 て有機層と水層の2層に分離させて、有機層 への抽出操作を行った。得られた有機層を分 取して、食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシ ウムで乾燥した。その後、減圧下、溶媒を留 去し、得られた残渣をトルエンを展開溶媒、 シリカゲルを充填剤として用いたカラムクロ マトグラフィーによる分取操作で精製した。 さらにソルミックスA-11と酢酸エチルの混合 媒(体積比 ソルミックスA-11:酢酸エチル=2:1) らの再結晶により精製し、乾燥させ、トラ ス-4-(2,3-ジフルオロ-4-エトキシフェニル)-4-[ 2,3-ジフルオロ-4’-ブトキシ1,1’-ビフェノキ メチル]シクロヘキサン(No.1041)2.0gを得た。 合物(15)からの収率は54.4%であった。

  1 H-NMR分析の化学シフトδ(ppm)は以下の通りであ り、得られた化合物が、トランス-4-(2,3-ジフ オロ-4-エトキシフェニル)-4-[2,3-ジフルオロ- 4’-ブトキシ-1,1’-ビフェノキシメチル]シク ヘキサン(No.1041)であることが同定できた。 お、測定溶媒はCDCl 3 である。

 化学シフトδ(ppm);7.42(d,2H),7.07(td,1H),6.96(d,2H ),6.86(td,1H),6.78(td,1H),6.68(td,1H),4.09(q,2H),4.00(t,2H), 3.91(d,2H),2.82(tt,1H),2.07(m,2H),1.94(m,3H),1.79(quint,2H), 1.55-1.48(m,4H),1,44(t,3H),1.34-1,23(m,2H),0.99(t,3H).

 転移温度は化合物自体の測定値とし、上限 度(T NI )、誘電率異方性(δε)、および光学異方性(δn) は、化合物を母液晶(i)に混合した試料の測定 値を、上記外挿法に従って換算した、化合物 (No.1041)の物性値は以下の通りであった。
転移温度 :C 124.4 N 223.8 I
T NI =202.6℃,δε=-6.44,δn=0.167

 トランス-4-(2,3-ジフルオロ-4-エトキシフ ニル)-4-[2,3-ジフルオロ-4-(4-ブトキシシクロ キセニル)フェノキシメチル]シクロヘキサン (No.951)の合成

第1工程
 窒素雰囲気下の反応器へ、1,2-ジフルオロベ ンゼン(21) 57.0gとTHF 1000mlとを加えて、-74℃ で冷却した。そこへ、1.00M sec-ブチルリチウ ム,n-ヘキサン、シクロヘキサン溶液 500.0mlを -74℃から-70℃の温度範囲で滴下し、さらに2 間攪拌した。続いて4-ブトキシシクロヘキサ ノン(22)を85.1g含んだTHF 200ml溶液を-75℃から-7 0℃の温度範囲で滴下し、25℃に戻しつつ8時 攪拌した。得られた反応混合物を1N HCl水溶  500mlと酢酸エチル 500mlとが入った容器中 添加して混合した後、静置して、有機層と 層とに分離させ抽出操作を行った。得られ 有機層を分取し、水、飽和重曹水、および で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し 。その後、減圧下、溶媒を留去し、4-ブトキ シ-(2,3-ジフルオロフェニル)シクロへキサノ ル(23) 130.1gを得た。得られた化合物(23)は黄 油状物であった。

第2工程
 化合物(23) 130.1g、p-トルエンスルホン酸 1.3 g、およびトルエン 500mlを混合し、この混合 を、留出する水を抜きながら2時間加熱還流 させた。反応混合物を30℃まで冷却した後、 られた液に水 500mlとトルエン 500mlとを加 混合した後、静置して有機層と水層の2層に 離させて、有機層への抽出操作を行った。 られた有機層を分取して、飽和重曹水、お び水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾 した。得られた溶液を、トルエンを展開溶 とし、シリカゲルを充填剤として用いたカ ムクロマトグラフィーによる分取操作で精 し、乾燥させ、4-ブトキシ-(2,3-ジフルオロ ェニル)シクロへキセン(24) 71.6gを得た。得 れた化合物(24)は無色液体、沸点は131~132℃/3m mHgであり、化合物(6)からの収率は66.5%であっ 。

第3工程
 窒素雰囲気下の反応器へ、4-ブトキシ-(2,3- フルオロフェニル)シクロへキセン(24) 11.0g THF 200mlとを加えて、-74 ℃まで冷却した。 こへ、1.00M sec-ブチルリチウム,n-ヘキサン、 シクロヘキサン溶液 50.0mlを-74℃から-70℃の 度範囲で滴下し、さらに2時間攪拌した。続 いて、ホウ酸トリメチル 5.2gのTHF 50ml溶液に -74℃から-65℃の温度範囲で滴下し、25 ℃に しつつ、さらに8時間攪拌した。その後、反 混合物を1N塩酸 100ml氷水 500mlとが入った容 器中に注ぎ込み、混合した。酢酸エチル 300m lを加えて、有機層と水層とに分離させ抽出 作を行った。得られた有機層を分取し、水 飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、食塩水で 次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し 。その後、減圧下、溶媒を留去し、4-(4-ブト キシシクロへキセニル)-2,3-ジフルオロフェニ ル ボロン酸(25) 10.7gを得た。化合物(24)から 収率は83.6%であった。

第4工程
 窒素雰囲気下の反応器へ、化合物(25) 8.5gと 酢酸 50mlとを加えて、室温下、31%過酸化水素 水 4.9mlを25℃から30℃の温度範囲で滴下し、 らに2時間攪拌した。その後、反応混合物を 亜硫酸水素ナトリウム水溶液100ml、酢酸エチ 200mlが入った容器中に注ぎ込み、混合した その後、静置して有機層と水層とに分離さ 抽出操作を行った。得られた有機層を分取 、水、食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグ シウムで乾燥した。その後、減圧下、溶媒 留去し、4-(4-ブトキシシクロへキセニル)-2,3- ジフルオロフェノール (26) 2.8gを得た。化合 物(25)からの収率は49.1%であった。

第5工程
 窒素雰囲気下、DMF 100mlに化合物(25) 2.8g、 よびリン酸三カリウム(K 3 PO 4 ) 7.4gを加え、70℃で攪拌した。そこへ化合物 (15) 2.6gを加え、70℃で、7時間攪拌した。得 れた反応混合物を30℃まで冷却し、ろ過によ って固形物と分離した後、トルエン 100ml、 よび水 100mlを加え混合した。その後、静置 て有機層と水層の2層に分離させて、有機層 への抽出操作を行った。得られた有機層を分 取して、食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシ ウムで乾燥した。その後、減圧下、溶媒を留 去し、得られた残渣をトルエンを展開溶媒、 シリカゲルを充填剤として用いたカラムクロ マトグラフィーによる分取操作で精製した。 さらにソルミックスA-11と酢酸エチルの混合 媒(体積比 ソルミックスA-11:酢酸エチル=2:1) らの再結晶により精製し、乾燥させ、トラ ス-4-(2,3-ジフルオロ-4-エトキシフェニル)-4-[ 2,3-ジフルオロ-4-(4-ブトキシシクロヘキセニ )フェノキシメチル]シクロヘキサン(No.951)1.6g を得た。化合物(15)からの収率は33.4%であった 。

  1 H-NMR分析の化学シフトδ(ppm)は以下の通りであ り、得られた化合物が、トランス-4-(2,3-ジフ オロ-4-エトキシフェニル)-4-[2,3-ジフルオロ- 4-(4-ブトキシシクロヘキセニル)フェノキシメ チル]シクロヘキサン(No.951)であることが同定 できた。なお、測定溶媒はCDCl 3 である。

 化学シフトδ(ppm);6.89(td,1H),6.85(td,1H),6.68(td, 1H),6.67(td,1H),5.82(m,1H),4.09(q,2H),3.86(d,2H),3.62(m,1H), 3.51(m,2H),2.81(tt,1H),2.59-2.38(m,3H),2.23-2.14(m,1H),2.08- 2.00(m,3H),1.96-1.84(m,3H),1.79-1.70(m,1H),1.62-1.34(m,9H),1 .26(qd,2H),0.93(t,3H).

 転移温度は化合物自体の測定値とし、上限 度(T NI )、誘電率異方性(δε)、および光学異方性(δn) は、化合物を母液晶(i)に混合した試料の測定 値を、上記外挿法に従って換算した、化合物 (No.951)の物性値は以下の通りであった。
転移温度 :C 96.0 N 158.4 I
T NI =147.9℃,δε=-6.90,δn=0.154

 2,3-ジフルオロ-4-エトキシ-[トランス-4-(4 -ブトキシ-2,3-ジフルオロ-1,1’-ビフェニル) クロヘキシルメチル]ベンゼン(No.3921)の合成

第1工程
 窒素雰囲気下の反応器へ、4’-ブトキシ-2,3- ジフルオロ-1,1’-ビフェニル(18) 10.0gとTHF 100 mlとを加えて、-74 ℃まで冷却した。そこへ 1.00M sec-ブチルリチウム,n-ヘキサン、シクロ ヘキサン溶液 46.0mlを-74℃から-70℃の温度範 で滴下し、さらに2時間攪拌した。その後、 THF 150mlに溶解した1,4-ジオキサスピロ[4.5]デ ン-8-オン(27)6.0gを、-74℃から-70℃の温度範囲 でゆっくり滴下し、25℃に戻しつつ8時間攪拌 した。得られた反応混合物を、0℃に冷却し 3% 塩化アンモニウム水溶液 500mlとトルエン  300mlとが入った容器中に添加して混合した 、静置して、有機層と水層とに分離させ抽 操作を行った。得られた有機層を分取し、 、飽和重曹水、および水で洗浄し、無水硫 マグネシウムで乾燥した。その後、減圧下 溶媒を留去し、8-(4’-ブトキシ-2,3-ジフルオ -1,1’-ビフェニル)-1,4-ジオキサスピロ[4.5]デ カ-8-オール(28) 15.9gを得た。得られた化合物( 28)は黄色油状物であった。

第2工程
 化合物(28) 15.9g、p-トルエンスルホン酸 0.49 g、エチレングリコール0.81g、およびトルエン  250mlを混合し、この混合物を、留出する水 抜きながら2時間加熱還流させた。反応混合 を30℃まで冷却した後、得られた液に水 200 mlとトルエン 300mlとを加え混合した後、静置 して有機層と水層の2層に分離させて、有機 への抽出操作を行った。得られた有機層を 取して、飽和重曹水、および水で洗浄し、 水硫酸マグネシウムで乾燥した。得られた 液を、トルエンを展開溶媒とし、シリカゲ を充填剤として用いたカラムクロマトグラ ィーによる分取操作で精製した。それを、 ルエン 150ml、ソルミックスA-11 150mlとの混 溶媒に溶解させ、さらにPd/Cを0.15g加え、水 雰囲気下、水素を吸収しなくなるまで室温 攪拌した。反応終了後、Pd/Cを除去して、さ に溶媒を留去して、得られた残渣を、ヘプ ンを展開溶媒とし、シリカゲルを充填剤と て用いたカラムクロマトグラフィーによる 取操作で精製し、さらにソルミックスA-11か らの再結晶により精製し、乾燥させ、8-(4’- トキシ-2,3-ジフルオロ-1,1’-ビフェニル)-1,4- ジオキサスピロ[4.5]デカン(29) 10.6gを得た。 られた化合物(29)は黄色油状物であった。

第3工程
 化合物(29) 10.6g、87%蟻酸 20ml、およびトル ン 200mlを混合し、この混合物を、2時間加熱 還流させた。反応混合物を30℃まで冷却した 、得られた液に水 200mlとトルエン 300mlと 加え混合した後、静置して有機層と水層の2 に分離させて、有機層への抽出操作を行っ 。得られた有機層を分取して、水、飽和重 水、および水で洗浄し、無水硫酸マグネシ ムで乾燥した。その後、減圧下、溶媒を留 し、得られた残渣を、トルエンを展開溶媒 し、シリカゲルを充填剤として用いたカラ クロマトグラフィーによる分取操作で精製 、さらにヘプタンからの再結晶により精製 、乾燥させ、1-(4’-ブトキシ-2,3-ジフルオロ -1,1’-ビフェニル)-シクロヘキサン-4-オン(30)6 .6gを得た。化合物(29)からの収率は69.9%であっ た。

第4工程
 窒素雰囲気下、良く乾燥させたメトキシメ ルトリフェニルホスホニウムクロリド 7.6g THF 100mlを混合し、-30℃まで冷却した。その 後、カリウムt-ブトキシド(t-BuOK) 2.5gを-30℃~- 20℃の温度範囲で、2回に分けて投入した。-20 ℃で30分攪拌した後、THF 100mlに溶解した化合 物(29) 6.6gを-30~-20℃の温度範囲で滴下した。- 10℃で30分攪拌した後、反応液を水 200mlとト エン 200mlの混合液へ注ぎ込み、混合した後 、静置して有機層と水層の2層に分離させて 有機層への抽出操作を行った。得られた有 層を分取して、水で洗浄し、無水硫酸マグ シウムで乾燥した。得られた溶液を減圧下 濃縮し得られた残渣をトルエンを展開溶媒 シリカゲルを充填剤として用いたカラムク マトグラフィーによる分取操作で精製した 得られた溶離液を減圧下、濃縮し、1-(4’-ブ トキシ-2,3-ジフルオロ-1,1’-ビフェニル)-4-メ キシメチレンシクロヘキサン(31)6.6gを得た 化合物(30)からの収率は92.7%であった。

第5工程
 化合物(31) 6.6g、87%蟻酸 8.0g、およびトルエ ン 100mlを混合し、この混合物を、2時間加熱 流させた。反応混合物を30℃まで冷却した 、得られた液に水 100mlとトルエン 200mlとを 加え混合した後、静置して有機層と水層の2 に分離させて、有機層への抽出操作を行っ 。得られた有機層を分取して、水、飽和重 水、および水で洗浄し、無水硫酸マグネシ ムで乾燥した。その後、減圧下、溶媒を留 し、淡黄色固体 6.3gを得た。この残渣をト エン50mlに溶解し、7℃に冷却した95%水酸化ナ トリウム 0.5gとソルミックスA-11 32mlの混合 へ添加し、10℃で2時間攪拌した。その後、2N  水酸化ナトリウム水溶液 12.8mlを添加し、5 で2時間攪拌した。得られた反応液を水 200m lとトルエン 200mlの混合液へ注ぎ込み、混合 た後、静置して有機層と水層の2層に分離さ せて、有機層への抽出操作を行った。得られ た有機層を分取して、水で洗浄し、無水硫酸 マグネシウムで乾燥した。その後、減圧下、 溶媒を留去し、得られた残渣を濃縮し、トル エンを展開溶媒、シリカゲルを充填剤として 用いたカラムクロマトグラフィーによる分取 操作で精製し、乾燥させ、1-(4’-ブトキシ-2,3 -ジフルオロ-1,1’-ビフェニル)-シクロヘキサ カルボアルデヒド(32)6.3gを得た。化合物(31) らの収率は99.1%であった。

第6工程
 水素化リチウムアルミニウム 0.4gをTHF 300ml に懸濁した。この懸濁液に化合物(32) 6.4gを -20℃から-10℃の温度範囲で滴下し、さらに の温度範囲で2時間攪拌した。GC分析により 応終了を確認後、氷冷下、反応混合物に、 次、酢酸エチル、飽和アンモニア水溶液を えていき、析出物をセライト濾過により除 した。濾液を酢酸エチルにより抽出した。 られた有機層を、水、飽和食塩水で順次洗 して、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。 らにヘプタンからの再結晶により精製し、 燥させ、減圧下濃縮をして、4-ヒドロキシメ チル-(4’-ブトキシ-2,3-ジフルオロ-1,1’-ビフ ニル)シクロヘキサン(33) 5.9gを得た。化合 (32)からの収率は91.8%であった。

第7工程
 窒素雰囲気下、反応器へ化合物(33) 5.9g、ト ルエン 100mlおよびピリジン 0.5mlを加え、45 で1時間攪拌した。その後、塩化チオニル 1. 4mlを45℃から55℃の温度範囲で加え、2時間加 還流させた。反応液を25 ℃まで冷却後、水   200mlおよびトルエン 200mlへ注ぎ込み、混 した。その後、静置して有機層と水層の2層 分離させて、有機層への抽出操作を行った 得られた有機層を分取して、飽和重曹水で2 回、水で3回洗浄し、無水硫酸マグネシウム 乾燥した。得られた溶液を減圧下で濃縮し 得られた残渣を、トルエンとヘプタンとの 合溶媒(体積比 トルエン:ヘプタン=1:1)を展 溶媒とし、シリカゲルを充填剤として用い カラムクロマトグラフィーによる分取操作 精製した。さらにソルミックスA-11からの再 晶により精製し、乾燥させ、4-クロロメチ -(4’-ブトキシ-2,3-ジフルオロ-1,1’-ビフェニ ル)-シクロヘキサン(34) 4.9gを得た。化合物(31 )からの収率は78.5%であった。

第8工程
 窒素雰囲気下、DMF 100mlに4-エトキシ-2,3-ジ ルオロフェノール(35) 0.96g、およびリン酸三 カリウム(K 3 PO 4 ) 7.4gを加え、70℃で攪拌した。そこへ化合物 (34) 2.0gを加え、70℃で、7時間攪拌した。得 れた反応混合物を30℃まで冷却し、ろ過によ って固形物と分離した後、トルエン 100ml、 よび水 100mlを加え混合した。その後、静置 て有機層と水層の2層に分離させて、有機層 への抽出操作を行った。得られた有機層を分 取して、食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシ ウムで乾燥した。その後、減圧下、溶媒を留 去し、得られた残渣をトルエンを展開溶媒、 シリカゲルを充填剤として用いたカラムクロ マトグラフィーによる分取操作で精製した。 さらにソルミックスA-11と酢酸エチルの混合 媒(体積比 ソルミックスA-11:酢酸エチル=2:1) らの再結晶により精製し、乾燥させ、トラ ス-4-(4-エトキシ-2,3-ジフルオロフェニル)-4-[ 4’-ブトキシ-2,3-ジフルオロ-1,1’-ビフェノキ シメチル]シクロヘキサン(No.3921)1.4gを得た。 合物(15)からの収率は50.7%であった。

  1 H-NMR分析の化学シフトδ(ppm)は以下の通りであ り、得られた化合物が、トランス-4-(4-エトキ シ-2,3-ジフルオロフェニル)-4-[4’-ブトキシ-2, 3-ジフルオロ-1,1’-ビフェノキシメチル]シク ヘキサン(No.3921)であることが同定できた。 お、測定溶媒はCDCl 3 である。

 化学シフトδ(ppm);7.46(d,1H),7.11(t,1H),7.01(t,1H) ,6.97(d,2H),6.64(m,2H),4.06(q,2H),4.01(t,2H),3.84(d,2H),2.92 (tt,1H),2.10-2.03(m,2H),2.03-1.87(m,3H),1.79(quint,2H),1.63- 1.46(m,5H),1.43(t,3H),1.29(qd,2H),0,99(t,3H).

 転移温度は化合物自体の測定値とし、上限 度(T NI )、誘電率異方性(δε)、および光学異方性(δn) は、化合物を母液晶(i)に混合した試料の測定 値を、上記外挿法に従って換算した、化合物 (No.3921)の物性値は以下の通りであった。
転移温度 :C 1  85.4 C 2  96.2 N 228.4 I
T NI =204.6℃,δε=-6.93,δn=0.217

 2,3-ジフルオロ-4-エトキシ-[トランス-4-{( ランス-4-ペンチルシクロヘキシル)-2,3-ジフ オロフェニル}シクロヘキシルメチル]ベンゼ ン(No.3823)の合成

第1工程
 窒素雰囲気下の反応器へ、4-ペンチル-(2,3- フルオロフェニル)シクロへキサン(10) 10.0g THF 100mlとを加えて、-74 ℃まで冷却した。 こへ、1.00M sec-ブチルリチウム,n-ヘキサン、 シクロヘキサン溶液 45.0mlを-74℃から-70℃の 度範囲で滴下し、さらに2時間攪拌した。そ の後、THF 150mlに溶解した1,4-ジオキサスピロ[ 4.5]デカン-8-オン(26)5.9gを、-74℃から-70℃の温 度範囲でゆっくり滴下し、25℃に戻しつつ8時 間攪拌した。得られた反応混合物を、0℃に 却した3% 塩化アンモニウム水溶液 500mlとト ルエン 300mlとが入った容器中に添加して混 した後、静置して、有機層と水層とに分離 せ抽出操作を行った。得られた有機層を分 し、水、飽和重曹水、および水で洗浄し、 水硫酸マグネシウムで乾燥した。その後、 圧下、溶媒を留去し、8-[4-ペンチル-(2,3-ジフ ルオロフェニル)シクロへキシル]-1,4-ジオキ スピロ[4.5]デカ-8-オール(36) 15.7gを得た。得 れた化合物(36)は黄色油状物であった。

第2工程
 化合物(36) 15.7g、p-トルエンスルホン酸 0.47 g、エチレングリコール0.79g、およびトルエン  200mlを混合し、この混合物を、留出する水 抜きながら2時間加熱還流させた。反応混合 を30℃まで冷却した後、得られた液に水 200 mlとトルエン 300mlとを加え混合した後、静置 して有機層と水層の2層に分離させて、有機 への抽出操作を行った。得られた有機層を 取して、飽和重曹水、および水で洗浄し、 水硫酸マグネシウムで乾燥した。得られた 液を、トルエンを展開溶媒とし、シリカゲ を充填剤として用いたカラムクロマトグラ ィーによる分取操作で精製した。それを、 ルエン 150ml、ソルミックスA-11 150mlとの混 溶媒に溶解させ、さらにPd/Cを0.16g加え、水 雰囲気下、水素を吸収しなくなるまで室温 攪拌した。反応終了後、Pd/Cを除去して、さ に溶媒を留去して、得られた残渣を、ヘプ ンを展開溶媒とし、シリカゲルを充填剤と て用いたカラムクロマトグラフィーによる 取操作で精製し、さらにソルミックスA-11か らの再結晶により精製し、乾燥させ、8-[4-ペ チル-(2,3-ジフルオロフェニル)シクロへキシ ル]-1,4-ジオキサスピロ[4.5]デカン(37) 13.2gを た。化合物(36)からの収率は87.8%であった。

第3工程
 化合物(37) 13.2g、87%蟻酸 15ml、およびトル ン 100mlを混合し、この混合物を、2時間加熱 還流させた。反応混合物を30℃まで冷却した 、得られた液に水 200mlとトルエン 300mlと 加え混合した後、静置して有機層と水層の2 に分離させて、有機層への抽出操作を行っ 。得られた有機層を分取して、水、飽和重 水、および水で洗浄し、無水硫酸マグネシ ムで乾燥した。その後、減圧下、溶媒を留 し、得られた残渣を、トルエンを展開溶媒 し、シリカゲルを充填剤として用いたカラ クロマトグラフィーによる分取操作で精製 、さらにヘプタンからの再結晶により精製 、乾燥させ、1-[4-ペンチル-(2,3-ジフルオロ ェニル)シクロへキシル]-シクロヘキサン-4- ン(38)7.6gを得た。化合物(37)からの収率は64.6% であった。

第4工程
 窒素雰囲気下、良く乾燥させたメトキシメ ルトリフェニルホスホニウムクロリド 8.6g THF 100mlを混合し、-30℃まで冷却した。その 後、カリウムt-ブトキシド(t-BuOK) 2.8gを-30℃~- 20℃の温度範囲で、2回に分けて投入した。-20 ℃で30分攪拌した後、THF 100mlに溶解した化合 物(38) 7.6gを-30~-20℃の温度範囲で滴下した。- 10℃で30分攪拌した後、反応液を水 200mlとト エン 200mlの混合液へ注ぎ込み、混合した後 、静置して有機層と水層の2層に分離させて 有機層への抽出操作を行った。得られた有 層を分取して、水で洗浄し、無水硫酸マグ シウムで乾燥した。得られた溶液を減圧下 濃縮し得られた残渣をトルエンを展開溶媒 シリカゲルを充填剤として用いたカラムク マトグラフィーによる分取操作で精製した 得られた溶離液を減圧下、濃縮し、1-[4-ペン チル-(2,3-ジフルオロフェニル)シクロへキシ ]-4-メトキシメチレンシクロヘキサン(39)8.1g 得た。化合物(38)からの収率は99.0%であった

第5工程
 化合物(39) 8.1g、87%蟻酸 9.5g、およびトルエ ン 100mlを混合し、この混合物を、2時間加熱 流させた。反応混合物を30℃まで冷却した 、得られた液に水 100mlとトルエン 200mlとを 加え混合した後、静置して有機層と水層の2 に分離させて、有機層への抽出操作を行っ 。得られた有機層を分取して、水、飽和重 水、および水で洗浄し、無水硫酸マグネシ ムで乾燥した。その後、減圧下、溶媒を留 し、白色固体 を得た。この残渣をトルエン 50mlに溶解し、7℃に冷却した95%水酸化ナトリ ム 0.5gとソルミックスA-11 32mlの混合液へ添 加し、10℃で2時間攪拌した。その後、2N 水 化ナトリウム水溶液 16mlを添加し、5℃で2時 間攪拌した。得られた反応液を水 200mlとト エン 200mlの混合液へ注ぎ込み、混合した後 静置して有機層と水層の2層に分離させて、 有機層への抽出操作を行った。得られた有機 層を分取して、水で洗浄し、無水硫酸マグネ シウムで乾燥した。その後、減圧下、溶媒を 留去し、得られた残渣を濃縮し、トルエンを 展開溶媒、シリカゲルを充填剤として用いた カラムクロマトグラフィーによる分取操作で 精製し、乾燥させ、1-[4-ペンチル-(2,3-ジフル ロフェニル)シクロへキシル]-シクロヘキサ カルボアルデヒド(40)7.5gを得た。化合物(39) らの収率は97.1%であった。

第6工程
 水素化リチウムアルミニウム 0.45gをTHF 100m lに懸濁した。この懸濁液にTHF 100mlに溶解し 化合物(40) 7.5gを、-20℃から-10℃の温度範囲 で滴下し、さらにこの温度範囲で2時間攪拌 た。GC分析により反応終了を確認後、氷冷下 、反応混合物に、順次、酢酸エチル、飽和ア ンモニア水溶液を加えていき、析出物をセラ イト濾過により除去した。濾液を酢酸エチル により抽出した。得られた有機層を、水、飽 和食塩水で順次洗浄して、無水硫酸マグネシ ウムで乾燥した。さらにヘプタンからの再結 晶により精製し、乾燥させ、減圧下濃縮をし て、4-ヒドロキシメチル-[4-ペンチル-(2,3-ジフ ルオロフェニル)シクロへキシル]-シクロヘキ サン(41)7.4gを得た。化合物(40)からの収率は98. 1%であった。

第7工程
 窒素雰囲気下、反応器へ化合物(41) 7.4g、ト ルエン 100mlおよびピリジン 0.5mlを加え、45 で1時間攪拌した。その後、塩化チオニル 1. 7mlを45℃から55℃の温度範囲で加え、2時間加 還流させた。反応液を25 ℃まで冷却後、水   200mlおよびトルエン 200mlへ注ぎ込み、混 した。その後、静置して有機層と水層の2層 分離させて、有機層への抽出操作を行った 得られた有機層を分取して、飽和重曹水で2 回、水で3回洗浄し、無水硫酸マグネシウム 乾燥した。得られた溶液を減圧下で濃縮し 得られた残渣を、ヘプタンを展開溶媒とし シリカゲルを充填剤として用いたカラムク マトグラフィーによる分取操作で精製し、 燥させ、4-クロロメチル-[4-ペンチル-(2,3-ジ ルオロフェニル)シクロへキシル]-シクロヘ サン(42) 7.3gを得た。化合物(41)からの収率は 94.1%であった。

第8工程
 窒素雰囲気下、DMF 100mlに4-エトキシ-2,3-ジ ルオロフェノール(34) 0.96g、およびリン酸三 カリウム(K 3 PO 4 ) 7.4gを加え、70℃で攪拌した。そこへ化合物 (41) 2.0gを加え、70℃で、7時間攪拌した。得 れた反応混合物を30℃まで冷却し、ろ過によ って固形物と分離した後、トルエン 100ml、 よび水 100mlを加え混合した。その後、静置 て有機層と水層の2層に分離させて、有機層 への抽出操作を行った。得られた有機層を分 取して、食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシ ウムで乾燥した。その後、減圧下、溶媒を留 去し、得られた残渣をトルエンを展開溶媒、 シリカゲルを充填剤として用いたカラムクロ マトグラフィーによる分取操作で精製した。 さらにソルミックスA-11と酢酸エチルの混合 媒(体積比 ソルミックスA-11:酢酸エチル=2:1) らの再結晶により精製し、乾燥させ、2,3-ジ フルオロ-4-エトキシ-[トランス-4-{(トランス-4 -ペンチルシクロヘキシル)-2,3-ジフルオロフ ニル}シクロヘキシルメチル]ベンゼン(No.3823) 1.8gを得た。化合物(42)からの収率は65.3%であ た。

  1 H-NMR分析の化学シフトδ(ppm)は以下の通りであ り、得られた化合物が、2,3-ジフルオロ-4-エ キシ-[トランス-4-{(トランス-4-ペンチルシク ヘキシル)-2,3-ジフルオロフェニル}シクロヘ キシルメチル]ベンゼン(No.3823)であることが 定できた。なお、測定溶媒はCDCl 3 である。

 化学シフトδ(ppm);6.88(m,2H),6.62(m,2H),4.06(q,2H) ,3.83(d,2H),2.86(tt,1H),2.79(tt,1H),2.04(m,2H),1.93(m,2H),1. 85(m,5H),1.59-1.38(m,7H),1.36-1.27(m,11H),1.04(m,2H),0.89(t, 3H).

 転移温度は化合物自体の測定値とし、上限 度(T NI )、誘電率異方性(δε)、および光学異方性(δn) は、化合物を母液晶(i)に混合した試料の測定 値を、上記外挿法に従って換算した、化合物 (No.3823)の物性値は以下の通りであった。
転移温度 :C 1  -33.1 C 2  91.5 N 209.3 I
T NI =179.3℃,δε=-6.10,δn=0.134

 4-エトキシ-2,3-ジフルオロ-1,1'-ビフェニル安 息香酸-トランス-4-ペンチルシクロヘキシル-2 ,3-ジフルオロフェニル エステル(No.1843)の合

第1工程
 化合物(3)29.1g、水酸化ナトリウム11.4g、ソル ミックスA-11 100ml、水100mlを混合し、この混 物を、2時間加熱還流させた。反応混合物を3 0℃まで冷却した後、得られた液に6N 塩酸水 液 100mlとトルエン 200mlとを加え混合した 、静置して有機層と水層の2層に分離させて 有機層への抽出操作を行った。得られた有 層を分取して、水、飽和重曹水、および水 洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ 4-エトキシ-2,3-ジフルオロ-4’-ビフェニル安 息香酸(44)13.0gを得た。化合物(3)からの収率は 49.2%であった。

第2工程
窒素雰囲気下、化合物(44) 1.97g、2,3-ジフルオ ロ-4-(4-プロピルシクロヘキシル)フェノール(1 2) 2.0g、1,3-ジシクロカルボジイミド(DCC) 1.5g および4-ジメチルアミノピリジン(DMAP) 0.09g トルエン100ml中に加え、25℃で20時間攪拌し 。GC分析により反応が終了していることを 認後、トルエン100mlおよび水 100mlを加え、 合した。その後、静置して有機層と水層の2 に分離させて、有機層への抽出操作を行っ 。得られた有機層を分取して、水で洗浄し 無水硫酸マグネシウムで乾燥した。得られ 溶液を減圧下、濃縮し、残渣をトルエンを 開溶媒、シリカゲルを充填剤として用いた ラムクロマトグラフィーによる分取操作で 製した。さらにヘプタンとTHFの混合溶媒(体 積比 ヘプタン:THF=2:1)からの再結晶により精 し、乾燥させ、4-エトキシ-2,3-ジフルオロ-1, 1'-ビフェニル安息香酸-トランス-4-ペンチル クロヘキシル-2,3-ジフルオロフェニル エス ル(No.1843 )2.65gを得た。化合物(12)からの収 は69.0%であった。

  1 H-NMR分析の化学シフトδ(ppm)は以下の通りであ り、得られた化合物が、4-エトキシ-2,3-ジフ オロ-1,1'-ビフェニル安息香酸-トランス-4-ペ チルシクロヘキシル-2,3-ジフルオロフェニ  エステル(No.1843)であることが同定できた。 なお、測定溶媒はCDCl 3 である。

 化学シフトδ(ppm);8.26(d,2H),7.66(d,2H),7.16(td,1H ),7.03(td,1H),6.99(td,1H),6.84(td,1H),4.18(q,2H),2.85(tt,1H) ,1.89(m,4H),1.53-1.43(m,5H),1.37-1.19(m,9H),1.14-1.04(m,2H), 0.90(t,3H).

 転移温度は化合物自体の測定値とし、上限 度(T NI )、誘電率異方性(δε)、および光学異方性(δn) は、化合物を母液晶(i)に混合した試料の測定 値を、上記外挿法に従って換算した外挿値と した、化合物(No.1843)の物性値は以下の通りで あった。
転移温度 :C 90.9 N 304.5 I
T NI =247.9℃,δε=-5.82,δn=0.227

 トランス-(4-エトキシ-2,3-ジフルオロフェニ )シクロヘキシル安息香酸-トランス-4-ペン ルシクロヘキシル-2,3-ジフルオロフェニル  ステル(No.1663)の合成

第1工程
 化合物(13)10.0g、アセトン50mlを混合し、この 混合物を、35℃で30分攪拌した。この混合物 Jones試薬(8N)を4.7mlを30~40℃の温度範囲で加え 後、35℃で2時間攪拌させた。反応混合物を3 0℃まで冷却した後、得られた液にトルエン  200mlと水200mlを加え混合した後、静置して有 層と水層の2層に分離させて、有機層への抽 操作を行った。得られた有機層を分取して 水、チオ硫酸ナトリウム水溶液、および水 洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ 4-エトキシ-2,3-ジフルオロ-(トランス-4-シク ヘキシル)-カルボン酸(45)8.8gを得た。化合物 (13)からの収率は83.1%であった。

第2工程
 窒素雰囲気下、化合物(45) 1.0g、2,3-ジフル ロ-4-(4-プロピルシ クロヘキシル)フェノー (12) 1.0g、1,3-ジシクロカルボジイミド(DCC) 0. 75g、および4-ジメチルアミノピリジン(DMAP) 0. 04gをトルエン100ml中に加え、25℃で20時間攪拌 した。GC分析により反応が終了していること 確認後、トルエン100mlおよび水 100mlを加え 混合した。その後、静置して有機層と水層 2層に分離させて、有機層への抽出操作を行 った。得られた有機層を分取して、水で洗浄 し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。得ら れた溶液を減圧下、濃縮し、残渣をトルエン を展開溶媒、シリカゲルを充填剤として用い たカラムクロマトグラフィーによる分取操作 で精製した。さらにヘプタンとTHFの混合溶媒 (体積比 ヘプタン:THF=2:1)からの再結晶により 精製し、乾燥させ、トランス-(4-エトキシ-2,3- ジフルオロフェニル)シクロヘキシル安息香 -トランス-4-ペンチルシクロヘキシル-2,3-ジ ルオロフェニル エステル(No.1663 )1.39gを得 。化合物(12)からの収率は71.5%であった。

  1 H-NMR分析の化学シフトδ(ppm)は以下の通りであ り、得られた化合物が、トランス-(4-エトキ -2,3-ジフルオロフェニル)シクロヘキシル安 香酸-トランス-4-ペンチルシクロヘキシル-2,3 -ジフルオロフェニル エステル(No.1663)である ことが同定できた。なお、測定溶媒はCDCl 3 である。

 化学シフトδ(ppm);6.88(m,2H),6.62(m,2H),4.06(q,2H) ,3.83(d,2H),2.86(tt,1H),2.79(tt,1H),2.04(m,2H),1.93(m,2H),1. 85(m,5H),1.59-1.38(m,7H),1.36-1.27(m,11H),1.04(m,2H),0.89(t, 3H).

 転移温度は化合物自体の測定値とし、上限 度(T NI )、誘電率異方性(δε)、および光学異方性(δn) は、化合物を母液晶(i)に混合した試料の測定 値を、上記外挿法に従って換算した、化合物 (No.1663)の物性値は以下の通りであった。
転移温度 :C 92.6 N 289.4 I
T NI =219.9℃,δε=-7.37,δn=0.140

2-(4-((トランス-4-(4-エトキシ-2,3-ジフルオロ フェニル)シクロヘキシル)メトキシ)-2,3-ジフ オロフェニル)-5-ペンチル-1,3-ジオキサン(No. 940)の合成

第1工程
 窒素雰囲気下、DMF 200mlに2,3-ジフルオロフ ノール(46) 13.8g、およびリン酸三カリウム(K 3 PO 4 ) 73.4gを加え、70℃で攪拌した。そこへ化合 (15) 20.0gを加え、70℃で、7時間攪拌した。得 られた反応混合物を30℃まで冷却し、ろ過に って固形物と分離した後、トルエン 300ml、 および水 300mlを加え混合した。その後、静 して有機層と水層の2層に分離させて、有機 への抽出操作を行った。得られた有機層を 取して、食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネ ウムで乾燥した。その後、減圧下、溶媒を 去し、得られた残渣をトルエンを展開溶媒 シリカゲルを充填剤として用いたカラムク マトグラフィーによる分取操作で精製した さらにソルミックスA-11と酢酸エチルの混合 溶媒(体積比 ソルミックスA-11:酢酸エチル=2:1 )からの再結晶により精製し、乾燥させ、2,3- フルオロ-4-エトキシ-[トランス-4-(2,3-ジフル オロフェノキシメチル)シクロヘキシル]ベン ン(47)19.8gを得た。化合物(15)からの収率は74. 8%であった。

第2工程
 窒素雰囲気下の反応器へ、化合物(47) 18.1g THF 200mlとを加えて、-74 ℃まで冷却した。 こへ、1.00M sec-ブチルリチウム,n-ヘキサン、 シクロヘキサン溶液 52.1mlを-74℃から-70℃の 度範囲で滴下し、さらに2時間攪拌した。そ の後、THF 150mlに溶解したDMF 3.8gを、-74℃か -70℃の温度範囲でゆっくり滴下し、25℃に戻 しつつ8時間攪拌した。得られた反応混合物 、0℃に冷却した3% 塩化アンモニウム水溶液  300mlとトルエン 200mlとが入った容器中に添 して混合した後、静置して、有機層と水層 に分離させ抽出操作を行った。得られた有 層を分取し、水、飽和重曹水、および水で 浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。 の後、減圧下、溶媒を留去し、得られた残 をTHFとヘプタンの混合溶媒(体積比 THF:ヘプ タン=1:5)からの再結晶により精製し、乾燥さ 、2,3-ジフルオロ-4-エトキシ-[トランス-4-(2,3 -ジフルオロフェノキシメチル)シクロヘキシ ]ベンズアルデヒド(48)16.0gを得た。化合物(47 )からの収率は82.4%であった。

第3工程
 化合物(48) 3.0g、2-ペンチルプロパン-1,3-ジ ール 1.6g、p-トルエンスルホン酸 0.02g、お びトルエン 100mlを混合し、この混合物を、2 時間加熱還流させた。反応混合物を30℃まで 却した後、得られた液に水 100mlとトルエン  100mlとを加え混合した後、静置して有機層 水層の2層に分離させて、有機層への抽出操 を行った。得られた有機層を分取して、飽 重曹水、および水で洗浄し、無水硫酸マグ シウムで乾燥した。得られた溶液を、トル ンを展開溶媒とし、シリカゲルを充填剤と て用いたカラムクロマトグラフィーによる 取操作で精製した。その後、減圧下、溶媒 留去し、得られた残渣をTHFとヘプタンの混 溶媒(体積比 THF:ヘプタン=1:5)からの再結晶 より精製し、乾燥させ、2-(4-((トランス-4-(4- エトキシ-2,3-ジフルオロフェニル)シクロヘキ シル)メトキシ)-2,3-ジフルオロフェニル)-5-ペ チル-1,3-ジオキサン(No.940) 1.9gを得た。化合 物(48)からの収率は48.3%であった。

  1 H-NMR分析の化学シフトδ(ppm)は以下の通りであ り、得られた化合物が、2-(4-((トランス-4-(4- トキシ-2,3-ジフルオロフェニル)シクロヘキ ル)メトキシ)-2,3-ジフルオロフェニル)-5-ペン チル-1,3-ジオキサン(No.940)であることが同定 きた。なお、測定溶媒はCDCl 3 である。

 化学シフトδ(ppm);7.28(m,2H),6.84(t,1H),6.74(t,1H) ,6.67(t,1H),5.63(s,1H),4.21(dd,2H),4.12(q,2H),3.88(d,2H),3.5 4(t,2H),2.80(tt,1H),2.12(m,1H),2.02(m,2H),1.91(m,3H),1.55-1. 48(m,2H),1.44(t,3H),1.36-1.20(m,8H),1.10(m,2H),0.89(t,3H).

 転移温度は化合物自体の測定値とし、上限 度(T NI )、誘電率異方性(δε)、および光学異方性(δn) は、化合物を母液晶(i)に混合した試料の測定 値を、上記外挿法に従って換算した、化合物 (No.940)の物性値は以下の通りであった。
転移温度 :C 102.5 N 185.8 I
T NI =174.6℃,δε=-3.69,δn=0.137

1-(4-(2,3-ジフルオロ-4-(4-ペンチルシクロヘキ ル)フェニル)シクロヘキサ-3-エニル)-4-エト シ-2,3-ジフルオロベンゼン(No.12)の合成

第1工程
 窒素雰囲気下の反応器へ、4-ペンチル-(2,3- フルオロフェニル)シクロへキサン(10) 5.0gと THF 100mlとを加えて、-74 ℃まで冷却した。そ こへ、1.00M sec-ブチルリチウム,n-ヘキサン、 クロヘキサン溶液 23.0mlを-74℃から-70℃の 度範囲で滴下し、さらに2時間攪拌した。そ 後、THF 150mlに溶解した1-(4-エトキシ-2,3-ジ ルオロフェニル)-シクロヘキサン-4-オン(50)4. 8gを、-74℃から-70℃の温度範囲でゆっくり滴 し、25℃に戻しつつ8時間攪拌した。得られ 反応混合物を、0℃に冷却した3% 塩化アン ニウム水溶液 500mlとトルエン 300mlとが入っ た容器中に添加して混合した後、静置して、 有機層と水層とに分離させ抽出操作を行った 。得られた有機層を分取し、水、飽和重曹水 、および水で洗浄し、無水硫酸マグネシウム で乾燥した。その後、減圧下、溶媒を留去し 、1-(2,3-ジフルオロ-4-(4-ペンチルシクロヘキ ル)フェニル)-4-(4-エトキシ-2,3-ジフルオロフ ニル)シクロヘキサノール(51) 9.7gを得た。 られた化合物(51)は黄色固形物であった。

第2工程
 化合物(51) 9.7g、p-トルエンスルホン酸 0.15g 、およびトルエン 200mlを混合し、この混合 を、留出する水を抜きながら2時間加熱還流 せた。反応混合物を30℃まで冷却した後、 られた液に水 200mlとトルエン 300mlとを加え 混合した後、静置して有機層と水層の2層に 離させて、有機層への抽出操作を行った。 られた有機層を分取して、飽和重曹水、お び水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾 した。得られた溶液を、ヘプタンとトルエ の混合溶媒(体積比 ヘプタン:トルエン=2:3) 展開溶媒とし、シリカゲルを充填剤として いたカラムクロマトグラフィーによる分取 作で精製した。溶媒を留去して、得られた 渣を、トルエンを展開溶媒とし、シリカゲ を充填剤として用いたカラムクロマトグラ ィーによる分取操作で精製し、さらにソル ックスA-11と酢酸エチルの混合溶媒(体積比  ルミックスA-11:酢酸エチル=2:1)からの再結晶 により精製し、乾燥させ、1-(4-(2,3-ジフルオ -4-(4-ペンチルシクロヘキシル)フェニル)シク ロヘキサ-3-エニル)-4-エトキシ-2,3-ジフルオロ ベンゼン(No.12) 4.7gを得た。化合物(10)からの 率は49.8%であった。

  1 H-NMR分析の化学シフトδ(ppm)は以下の通りであ り、得られた化合物が、1-(4-(2,3-ジフルオロ-4 -(4-ペンチルシクロヘキシル)フェニル)シクロ ヘキサ-3-エニル)-4-エトキシ-2,3-ジフルオロベ ンゼン(No.12)であることが同定できた。なお 測定溶媒はCDCl 3 である。

 化学シフトδ(ppm);6.98-6.88(m,3H),6.70(t,1H),6.02( m,1H),4.11(q,2H),3.20(m,1H),2.82(tt,1H),2.65-2.40(m,3H),2.36 -2.27(m,1H),2.05-2.00(m,1H),2.00-1.84(m,5H),1.55-1.42(m,5H), 1.38-1.20(m,9H),1.14-1.03(m,2H),0.90(t,3H).

 転移温度は化合物自体の測定値とし、上限 度(T NI )、誘電率異方性(δε)、および光学異方性(δn) は、化合物を母液晶(i)に混合した試料の測定 値を、上記外挿法に従って換算した、化合物 (No.12)の物性値は以下の通りであった。
転移温度 :C 83.1 N 218.4 I
T NI =184.6℃,δε=-6.46,δn=0.140

1-(4-(2,3-ジフルオロ-4-(4-ペンチルシクロヘキ ル)フェニル)シクロヘキシル)-4-エトキシ-2,3- ジフルオロベンゼン(No.13)の合成

第1工程
 トルエン 150ml、ソルミックスA-11 150mlとの 合溶媒に化合物(No.832) 3.5gを溶解させ、さ にラネーニッケルを0.35g加え、水素雰囲気下 、水素を吸収しなくなるまで室温で攪拌した 。反応終了後、ラネーニッケルを除去して、 さらに溶媒を留去して、得られた残渣をヘプ タンとトルエンの混合溶媒(体積比 ヘプタン :トルエン=2:3)を展開溶媒、シリカゲルを充填 剤として用いたカラムクロマトグラフィーに よる分取操作で精製し、さらに得られた残渣 を酢酸エチルとソルミックスA-11の混合溶媒( 積比 酢酸エチル:ソルミックス=1:2)からの 結晶により精製し、乾燥させ、1-(4-(2,3-ジフ オロ-4-(4-ペンチルシクロヘキシル)フェニル )シクロヘキシル)-4-エトキシ-2,3-ジフルオロ ンゼン(No.13) 3.1gを得た。化合物(No.12)からの 収率は85.4%であった。

  1 H-NMR分析の化学シフトδ(ppm)は以下の通りであ り、得られた化合物が、1-(4-(2,3-ジフルオロ-4 -(4-ペンチルシクロヘキシル)フェニル)シクロ ヘキシル)-4-エトキシ-2,3-ジフルオロベンゼン (No.13)であることが同定できた。なお、測定 媒はCDCl 3 である。

 化学シフトδ(ppm);6.96-6.86(m,3H),6.70(t,1H),4.10( q,2H),2.97-2.85(m,2H),2.80(tt,1H),1.98(d,4H),1.86(d,4H),1.65 (m,4H),1.53-1.41(m,5H),1.36-1.18(m,9H),1.13-1.02(m,2H),0.89( t,3H).

 転移温度は化合物自体の測定値とし、上限 度(T NI )、誘電率異方性(δε)、および光学異方性(δn) は、化合物を母液晶(i)に混合した試料の測定 値を、上記外挿法に従って換算した、化合物 (No.13)の物性値は以下の通りであった。
転移温度 :C 144.9 N 263.2 I
T NI =191.6℃,δε=-4.22,δn=0.137

 実施例1~11に記載された合成方法と同様の方 法により以下に示す、化合物(No.1)~(No.4890)を 成することができる。付記したデータは前 した手法に従い、測定した値である。転移 度は化合物自体の測定値であり、上限温度(T NI )、誘電率異方性(δε)、および光学異方性(δn) は、化合物を母液晶(i)に混合した試料の測定 値を、上記外挿法に従って換算した値である 。なお、化合物No.940、951、1041、1123は母液晶9 5重量%、化合物5重量%とからなる液晶組成物 調製し、得られた液晶組成物の物性を測定 、測定値を外挿したもの、
化合物No.13、3921は母液晶90重量%、化合物10重 %とからなる液晶組成物を調製し、得られた 液晶組成物の物性を測定し、測定値を外挿し たもの、
化合物No.12、943、1663、1843、3823は母液晶85重 %、化合物15重量%とからなる液晶組成物を調 し、得られた液晶組成物の物性を測定し、 定値を外挿したものである。

〔比較例1〕
 比較例として、4-(2,3-ジフルオロ-4-エトキシ -1,1’-ビフェニルエチル)-トランス-4-プロピ -(2-フルオロフェニル)シクロヘキサン(F)を合 成した。

  1 H-NMR分析の化学シフトδ(ppm)は以下の通りであ り、得られた化合物が、4-(2,3-ジフルオロ-4- トキシ-1,1’-ビフェニルエチル)-トランス-4- ロピル-(2-フルオロフェニル)シクロヘキサ (F)であることが同定できた。なお、測定溶 はCDCl 3 である。
 化学シフトδ(ppm);7.43(d,2H),7.26(t,3H),7.14(t,1H),7. 09(td,1H),6.93(d,1H),6.86(d,1H),6.79(t,1H),4.15(q,2H),2.93(m ,4H),2.79(tt,1H),1.85(m,4H),1.53-1.41(m,5H),1.39-1.18(m,5H), 1.12-1.02(m,2H),0.90(t,3H).

 化合物(F)の転移温度は以下の通りであった
転移温度 :C  81.5 N 209.5 I

 前述した母液晶iとして記載された5つの化 物を混合し、ネマチック相を有する母液晶i 調製した。この母液晶iの物性は以下のとお りであった。
上限温度(T NI )=74.6℃;粘度(η 20 )=18.9mPa・s;光学異方性(δn)=0.087;誘電率異方性( δε)=-1.3。

 この母液晶i 85重量%と、合成した4-(2,3-ジフ ルオロ-4-エトキシ-1,1’-ビフェニルエチル)- ランス-4-プロピル-(2-フルオロフェニル)シク ロヘキサン(F)の15重量%とからなる液晶組成物 iiを調製した。得られた液晶組成物iiの物性 測定し、測定値を外挿することで比較化合 (E)の物性の外挿値を算出した。その値は以 のとおりであった。
上限温度(T NI )=195.3℃;
光学異方性(δn)=0.207;
誘電率異方性(δε)=-4.76;

化合物(No.1843)の物性
 母液晶i 85重量%と、実施例7で得られた4-エ キシ-2,3-ジフルオロ-1,1'-ビフェニル安息香 -トランス-4-ペンチルシクロヘキシル-2,3-ジ ルオロフェニル エステル(No.1843)の15重量%と からなる液晶組成物iiiを調製した。得られた 液晶組成物iiiの物性を測定し、測定値を外挿 することで化合物(No.1843)の物性値を算出した 。その値は以下のとおりであった。
上限温度(T NI )=247.9℃;
光学異方性(δn)=0.227;
誘電率異方性(δε)=-5.82;

 このことから化合物(No.1843 )は、融点が低 、上限温度(T NI )が高く、光学異方性(δn)を大きく、誘電率異 方性(δε)を負に大きくすることができる化合 物であることがわかった。

 また、比較化合物(F)と比較して、上限温度( T NI )が高く、光学異方性(δn)が大きく、誘電率異 方性(δε)が負に大きい化合物であることがわ かった。

〔比較例2〕
 比較例として、4-エトキシ-2,3-ジフルオロ-4 -(4-ペンチルシクロヘキシルフェノキシメチ ル)-1,1’-ビフェニル(G)を合成した。

  1 H-NMR分析の化学シフトδ(ppm)は以下の通りであ り、得られた化合物が、4-エトキシ-2,3-ジフ オロ-4’-(4-ペンチルシクロヘキシルフェノ シメチル)-1,1’-ビフェニル(G)であることが 定できた。なお、測定溶媒はCDCl 3 である。
 化学シフトδ(ppm);7.50(q,4H),7.14(d,2H),7.09(td,1H),6 .92(d,1H),6.78(t,1H),4.17(q,2H),2.42(tt,1H),1.86(m,4H),1.53- 1.17(m,13H),1.08-0.98(m,2H),0.89(t,3H).

 化合物(G)の転移温度は以下の通りであった
転移温度 :C  136.2 S A  164.4 N 219.7 I

 母液晶i 95重量%と、合成した4-エトキシ-2,3- ジフルオロ-4’-(トランス-4-ペンチルシクロ キシルフェノキシメチル)-1,1’-ビフェニル(G )の5重量%とからなる液晶組成物ivを調製した 得られた液晶組成物ivの物性を測定し、測 値を外挿することで比較化合物(G)の物性値 算出した。その値は以下のとおりであった
光学異方性(δn)=0.167;
誘電率異方性(δε)=-4.33;
粘度(η)=139.3mPa・s
 また、液晶組成物vの弾性定数K 33 は14.37pNであった。

化合物(No.1123)の物性
 母液晶i 95重量%と、実施例1で得られた4-エ キシ-2,3-ジフルオロ-4’-[2,3-ジフルオロ-4-(4- ペンチルシクロヘキシル)フェノキシメチル]- 1,1’-ビフェニル(No.1123)の5重量%とからなる液 晶組成物vを調製した。得られた液晶組成物v 物性を測定し、測定値を外挿することで化 物(No.1123)の物性値を算出した。その値は以 のとおりであった。
光学異方性(δn)=0.207;
誘電率異方性(δε)=-7.40;
粘度(η)=91.7 mPa・s
 また、液晶組成物vの弾性定数K 33 は15.79 pNであった。

 このことから化合物(No.1123)は、融点が低く 上限温度(T NI )が高く、光学異方性(δn)を大きく、粘度(η) 小さく、誘電率異方性(δε)を負に大きくす ことができる化合物であることがわかった

 また、比較化合物(G)と比較して、光学異方 (δn)が大きく、誘電率異方性(δε)が負に大 く、融点が低く、粘度(η)が小さく、弾性定 K 33 が大きい化合物であることがわかった。

〔比較例3〕
 比較例として、化合物(E)に類似の4-エトキ -2,3,2’’,3’’-テトラフルオロ-4’’-(4-ペ チルフェニルエチル)-1,1’’-ターフェニル(H )を合成した。

  1 H-NMR分析の化学シフトδ(ppm)は以下の通りであ り、得られた化合物が、4-エトキシ-2,3,2’  ,3’’-テトラフルオロ-4’’-(4-ペンチルフ ニルエチル)-1,1’ ’-ターフェニル(H)である ことが同定できた。なお、測定溶媒はCDCl 3 である。
 化学シフトδ(ppm);7.60(dd,4H),7.18-7.10(m,6H),6.97(t, 1H),6.82(td,1H),4.18(q,2H),3.00(m,2H),2.93(m,2H),2.58(t,2H), 1.61(m,2H),1.49(t,3H),1.39-1.27(m,4H),0.89(t,3H).

 化合物(H)の転移温度は以下の通りであった
転移温度 :C  146.1 N 209.0 I

 母液晶i 95重量%と、合成した4-エトキシ-2,3, 2’ ’,3’’-テトラフルオロ-4’’-(4-ペンチ ルフェニルエチル)-1,1’ ’-ターフェニル(H) 5重量%とからなる液晶組成物viを調製した。 得られた液晶組成物viの物性を測定し、測定 を外挿することで比較化合物(H)の物性値を 出した。その値は以下のとおりであった。
光学異方性(δn)=0.167;
誘電率異方性(δε)=-4.33;
粘度(η)=139.3mPa・s
 また、液晶組成物viの弾性定数K 33 は14.37 pNであった。

化合物(No.1041)の物性
 母液晶i 95重量%と、実施例3で得られたトラ ンス-4-(2,3-ジフルオロ-4-エトキシフェニル)-4- [2,3-ジフルオロ-4’-ブトキシ1,1’-ビフェノキ シメチル]シクロヘキサン(No.1041)の5重量%とか らなる液晶組成物viiを調製した。得られた液 晶組成物viiの物性を測定し、測定値を外挿す ることで化合物(No.1041)の物性値を算出した。 その値は以下のとおりであった。
上限温度(T NI )=202.6℃;
誘電率異方性(δε)=-6.44;
粘度(η)=101.7 mPa・s

 このことから化合物(No.1041)は、融点が低く 上限温度(T NI )が高く、誘電率異方性(δε)を負に大きくす ことができる化合物であることがわかった

 また、比較化合物(H)と比較して、上限温度( T NI )が高く、誘電率異方性(δε)が負に大きく、 点が低く、粘度(η)が小さい化合物であるこ がわかった。

〔液晶組成物の実施例〕
 以下、本発明で得られる液晶組成物を実施 により詳細に説明する。なお、実施例で用 る化合物は、下記表の定義に基づいて記号 より表す。なお、表中、1,4-シクロへキシレ ンの立体配置はトランス配置である。各化合 物の割合(百分率)は、特に断りのない限り、 晶組成物の全重量に基づいた重量百分率(重 量%)である。各実施例の最後に得られた液晶 成物の特性値を示す。

 なお、各実施例で使用する化合物の部分 記載した番号は、上述した本発明の第一成 から第三成分に用いる化合物を示す式番号 対応をしており、式番号を記載せずに、単 「-」と記載をしている場合には、この化合 物はこれら成分には対応をしていないその他 の化合物であることを意味している。

 化合物の記号による表記方法を以下に示 。

 特性の測定は以下の方法にしたがって行 た。これら測定方法の多くは、日本電子機 工業会規格(Standard of Electric Industries Associ ation of Japan)EIAJ・ED-2521Aに記載された方法、 たはこれを修飾した方法である。

(1)ネマチック相の上限温度(NI;℃)
 偏光顕微鏡を備えた融点測定装置のホット レートに試料を置き、1℃/分の速度で加熱 た。試料の一部がネマチック相から等方性 体に変化したときの温度を測定した。以下 ネマチック相の上限温度を「上限温度」と することがある。

(2)ネマチック相の下限温度(TC;℃)
 ネマチック相を有する試料を0℃、-10℃、-20 ℃、-30℃、および-40℃のフリーザー中に10日 保管したあと、液晶相を観察した。例えば 試料が-20℃ではネマチック相のままであり -30℃では結晶またはスメクチック相に変化 たとき、TCを≦-20℃と記載した。以下、ネ チック相の下限温度を「下限温度」と略す とがある。

(3)光学異方性(δn;25℃で測定)
 波長が589nmの光を用い、接眼鏡に偏光板を り付けたアッベ屈折計により測定した。ま 、主プリズムの表面を一方向にラビングし あと、試料を主プリズムに滴下した。そし 、偏光の方向がラビングの方向と平行であ ときの屈折率(n∥)、および偏光の方向がラ ングの方向と垂直であるときの屈折率(n⊥) 測定した。光学異方性の値(δn)は、(δn)=(n∥) -(n⊥)の式から算出した。

(4)粘度(η;20℃で測定;mPa・s)
 測定にはE型回転粘度計を用いた。

(5)誘電率異方性(δε;25℃で測定)
 よく洗浄したガラス基板にオクタデシルト エトキシシラン(0.16mL)のエタノール(20mL)溶 を塗布した。ガラス基板をスピンナーで回 させたあと、150℃で1時間加熱した。2枚のガ ラス基板から、間隔(セルギャップ)が20μmで るVA素子を組み立てた。

 同様の方法で、ガラス基板にポリイミド 配向膜を調製した。得られたガラス基板の 向膜にラビング処理をした後、2枚のガラス 基板の間隔が9μmであり、ツイスト角が80度で あるTN素子を組み立てた。

 得られたVA素子に試料(液晶組成物、また 化合物と母液晶との混合物)を入れ、0.5V(1kHz 、サイン波)を印加して、液晶分子の長軸方 における誘電率(ε∥)を測定した。

 また、得られたTN素子に試料(液晶組成物、 たは化合物と母液晶との混合物)を入れ、0.5 V(1kHz、サイン波)を印加して、液晶分子の短 方向における誘電率(ε⊥)を測定した。
 誘電率異方性の値は、δε=ε∥-ε⊥の式から 計算した。
 この値が負である組成物が、負の誘電率異 性を有する組成物である。

(6)電圧保持率(VHR;25℃と100℃で測定;%)
 ポリイミド配向膜を有し、そして2枚のガラ ス基板の間隔(セルギャップ)が6μmであるセル に試料を入れてTN素子を作製した。25℃にお て、このTN素子にパルス電圧(5Vで60マイクロ )を印加して充電した。TN素子に印加した電 の波形を陰極線オシロスコープで観測し、 位周期(16.7ミリ秒)における電圧曲線と横軸 の間の面積を求めた。TN素子を取り除いた と印加した電圧の波形から同様にして面積 求めた。電圧保持率(%)の値は、(電圧保持率) =(TN素子がある場合の面積値)/(TN素子がない場 合の面積値)×100の値から算出した。

 このようにして得られた電圧保持率を「V HR-1」として示した。つぎに、このTN素子を100 ℃、250時間加熱した。このTN素子を25℃に戻 たあと、上述した方法と同様の方法により 圧保持率を測定した。この加熱試験をした に得た電圧保持率を「VHR-2」として示した。 なお、この加熱テストは促進試験であり、TN 子の長時間耐久試験に対応する試験として いた。

5-HB(2F,3F)O1HB(2F,3F)-O2(No.943) 6%
5-HB(2F,3F)O1BB(2F,3F)-O2(No.1123)6%
3-HH-4                  (2-1)   5%
3-HB(2F,3F)-O2          (3-1)  16%
5-HB(2F,3F)-O2          (3-1)  21%
2-HHB(2F,3F)-1          (3-29)  5%
3-HHB(2F,3F)-1          (3-29)  7%
3-HHB(2F,3F)-O2         (3-29) 14%
5-HHB(2F,3F)-O2         (3-29) 20%
 NI=83.8℃;δn=0.095;η=34.4mPa・s;δε=-5.0.

4O-BB(2F,3F)O1HB(2F,3F)-O2(No.1041)6%
3-HB-O1                 (2-4)  15%
3-HH-4                  (2-1)   5%
3-HB(2F,3F)-O2          (3-1)  12%
5-HB(2F,3F)-O2          (3-1)  12%
2-HHB(2F,3F)-1          (3-29) 12%
3-HHB(2F,3F)-1          (3-29)  6%
3-HHB(2F,3F)-O2         (3-29) 13%
5-HHB(2F,3F)-O2         (3-29) 13%
3-HHB-1                 (2-25)  6%
 NI=91.2℃;TC≦-20℃;δn=0.094;η=39.8mPa・s.

4O-ChB(2F,3F)O1HB(2F,3F)-O2(No.951)5%
3-HB-O1                 (2-4)  10%
3-HH-4                  (2-1)   5%
3-HB(2F,3F)-O2          (3-1)  12%
5-HB(2F,3F)-O2          (3-1)  12%
2-HHB(2F,3F)-1          (3-29) 12%
3-HHB(2F,3F)-1          (3-29) 12%
3-HHB(2F,3F)-O2         (3-29) 13%
5-HHB(2F,3F)-O2         (3-29) 13%
6-HEB(2F,3F)-O2         (3-29)  6%
 NI=88.7℃;TC≦-20℃;δn=0.091;η=40.8mPa・s;δε=-4.0.

5-HB(2F,3F)H1OB(2F,3F)-O2(No.3823)9%
3-HH-4                  (2-1)   8%
3-H2B(2F,3F)-O2         (3-3)  22%
5-H2B(2F,3F)-O2         (3-3)  22%
2-HHB(2F,3Cl)-O2        (3-59)  2%
3-HHB(2F,3Cl)-O2        (3-59)  3%
4-HHB(2F,3Cl)-O2        (3-59)  2%
5-HHB(2F,3Cl)-O2        (3-59)  2%
3-HBB(2F,3Cl)-O2        (3-93)  9%
V-HHB-1                 (2-25)  6%
3-HHB-3                 (2-25)  6%
3-HHEBH-3               (2-74)  3%
3-HHEBH-4               (2-74)  3%
3-HHEBH-5               (2-74)  3%
 NI=94.7℃;TC≦-20℃;δn=0.098;η=30.0mPa・s;δε=-4.1.

5-HB(2F,3F)H1OB(2F,3F)-O2(No.3823)3%
4O-BB(2F,3F)H1OB(2F,3F)-O2(No.3921)4%
3-HH-4                  (2-1)  15%
3-H2B(2F,3F)-O2         (3-3)  15%
5-H2B(2F,3F)-O2         (3-3)  15%
3-HHB(2F,3Cl)-O2        (3-59)  5%
2-HBB(2F,3F)-O2         (3-93)  3%
3-HBB(2F,3F)-O2         (3-93)  9%
5-HBB(2F,3F)-O2         (3-93)  9%
3-HHB-1                 (2-25)  3%
3-HHB-3                 (2-25)  4%
3-HHB-O1                (2-25)  3%
3-HB-O2                 (2-4)  12%
 NI=89.3℃;TC≦-20℃;δn=0.106;η=25.7mPa・s;δε=-4.5.
上記組成物100部に光学活性化合物(Op-5)を0.25 添加したときのピッチは61.3μmであった。

2O-B(2F,3F)BEB(2F,3F)H-5(No.1843) 3%
2O-B(2F,3F)HEB(2F,3F)H-5(No.1663) 3%
2-HH-3                  (2-1)   5%
3-HH-O1                 (2-1)   4%
3-HH-O3                 (2-1)   5%
5-HH-O1                 (2-1)   4%
3-HB(2F,3F)-O2          (3-1)  12%
5-HB(2F,3F)-O2          (3-1)  11%
3-HHB(2F,3F)-O2         (3-59) 14%
5-HHB(2F,3F)-O2         (3-59) 15%
3-HHB(2F,3F)-2          (3-59) 24%

5-HB(2F,3F)O1HB(2F,3F)-O2(No.943) 5%
5-HB(2F,3F)O1BB(2F,3F)-O2(No.1123)5%
3-HH-5                  (2-1)   5%
3-HH-4                  (2-1)   5%
3-HH-O1                 (2-1)   6%
3-HH-O3                 (2-1)   6%
3-HB-O1                 (2-4)   5%
3-HB-O2                 (2-4)   5%
3-HB(2F,3F)-O2          (3-1)  10%
5-HB(2F,3F)-O2          (3-1)  10%
3-HHB(2F,3F)-O2         (3-59) 12%
5-HHB(2F,3F)-O2         (3-59) 13%
3-HHB(2F,3F)-2          (3-59)  4%
2-HHB(2F,3F)-1          (3-59)  4%
3-HHEH-3                (2-46)  5%

5-HB(2F,3F)O1HB(2F,3F)-O2(No.943) 6%
5-HB(2F,3F)O1BB(2F,3F)-O2(No.1123)6%
2-H2H-3                 (2-2)   5%
3-H2H-V                 (2-2)  17%
3-HBBH-5                (2-69)  3%
1O1-HBBH-4              (2-69)  3%
5-HBB(3F)B-2            (2-73)  3%
V-HB(2F,3F)-O2          (3-1)   7%
5-HB(2F,3F)-O2          (3-1)   7%
3-H2B(2F,3F)-O2         (3-3)  12%
5-H2B(2F,3F)-O2         (3-3)  12%
3-HBB(2F,3F)-O2         (3-93)  8%
5-HBB(2F,3F)-O2         (3-93)  8%
2-BB(2F,3F)B-3          (3-57)  3%

5-GB(2F,3F)O1HB(2F,3F)-O2(No.940) 3%
4O-BB(2F,3F)H1OB(2F,3F)-O2(No.3921)4%
3-HH-4                  (2-1)  15%
3-H2B(2F,3F)-O2         (3-3)  15%
5-H2B(2F,3F)-O2         (3-3)  15%
3-HHB(2F,3Cl)-O2        (3-59)  5%
2-HBB(2F,3F)-O2         (3-93)  3%
3-HBB(2F,3F)-O2         (3-93)  9%
5-HBB(2F,3F)-O2         (3-93)  9%
3-HHB-1                 (2-25)  3%
3-HHB-3                 (2-25)  4%
3-HHB-O1                (2-25)  3%
3-HB-O2                 (2-4)  12%
 NI=89.1℃;δn=0.106;η=26.6mPa・s;δε=-4.4.

5-HB(2F,3F)chB(2F,3F)-O2(No.12) 5%
3-HB-O1                 (2-4)  10%
3-HH-4                  (2-1)   5%
3-HB(2F,3F)-O2          (3-1)  12%
5-HB(2F,3F)-O2          (3-1)  12%
2-HHB(2F,3F)-1          (3-59) 12%
3-HHB(2F,3F)-1          (3-59) 12%
3-HHB(2F,3F)-O2         (3-59) 13%
5-HHB(2F,3F)-O2         (3-59) 13%
6-HEB(2F,3F)-O2         (3-29)  6%
 NI=90.5℃;TC≦-20℃;δn=0.091;η=38.6mPa・s;δε=-4.0.

5-HB(2F,3F)chB(2F,3F)-O2(No.12) 3%
5-HB(2F,3F)HB(2F,3F)-O2 (No.13) 4%
3-HH-4                  (2-1)  15%
3-H2B(2F,3F)-O2         (3-3)  15%
5-H2B(2F,3F)-O2         (3-3)  15%
3-HHB(2F,3Cl)-O2        (3-59)  5%
2-HBB(2F,3F)-O2         (3-93)  3%
3-HBB(2F,3F)-O2         (3-93)  9%
5-HBB(2F,3F)-O2         (3-93)  9%
3-HHB-1                 (2-25)  3%
3-HHB-3                 (2-25)  4%
3-HHB-O1                (2-25)  3%
3-HB-O2                 (2-4)  12%
 NI=88.9℃;δn=0.103;η=25.5mPa・s;δε=-4.4.

5-HB(2F,3F)HB(2F,3F)-O2 (No.13) 6%
3-HB-O1                 (2-4)  15%
3-HH-4                  (2-1)   5%
3-HB(2F,3F)-O2          (3-1)  12%
5-HB(2F,3F)-O2          (3-1)  12%
2-HHB(2F,3F)-1          (3-59) 12%
3-HHB(2F,3F)-1          (3-59)  6%
3-HHB(2F,3F)-O2         (3-59) 13%
5-HHB(2F,3F)-O2         (3-59) 13%
3-HHB-1                 (2-25)  6%
 NI=90.6℃;δn=0.092;η=39.4mPa・s;δε=-3.5.

 本発明の液晶性化合物が、熱、光などに対 る安定性を有し、広い温度範囲でネマチッ 相となり、粘度が小さく、大きな光学異方 、および適切な弾性定数K 33 を有し、さらに、適切な負の誘電率異方性、 および他の液晶性化合物との優れた相溶性を 有していること、また、この化合物を含有す る液晶組成物が、熱、光などに対する安定性 を有し、粘度が小さく、大きな光学異方性、 適切な弾性定数K 33 、および適切な負の誘電率異方性を有し、し きい値電圧が低く、さらに、ネマチック相の 上限温度が高く、ネマチック相の下限温度が 低いこと、さらに、この組成物を含有する液 晶表示素子が、応答時間が短く、消費電力お よび駆動電圧が小さく、コントラスト比が大 きく、広い温度範囲で使用可能であるので、 液晶表示パネル、液晶表示モジュール等に使 用することができる。




 
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