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Patent Searching and Data


Title:
THERAPEUTIC AGENT FOR ERECTILE DYSFUNCTION
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/154246
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a therapeutic agent for erectile dysfunction containing as the effective component a heterocyclic derivative represented by general formula (1) or a pharmaceutically acceptable salt thereof. In formula (1), R1 and R2 may be the same or different, each representing an optionally substituted aryl group; R3 and R4 may be the same or different, each representing a hydrogen atom or an alkyl group; R5 represents a hydrogen atom, an alkyl group or a halogen atom; Y represents N or N→O; A represents NR6, where R6 represents a hydrogen atom, alkyl group etc.; D represents an optionally hydroxyl group substituted alkylene or alkenylene group; E represents a phenylene group or a single bond; G represents O, S etc.; Q represents a carboxyl group, alkoxycarbonyl group etc.

Inventors:
HIGASHIOKA MASAYA (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/061071
Publication Date:
December 23, 2009
Filing Date:
June 18, 2009
Export Citation:
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Assignee:
NIPPON SHINYAKU CO LTD (JP)
HIGASHIOKA MASAYA (JP)
International Classes:
A61K31/4965; A61P15/10; C07D241/20
Domestic Patent References:
WO2002088084A12002-11-07
WO2005000316A12005-01-06
Foreign References:
JPH10152480A1998-06-09
JPH0725854A1995-01-27
Other References:
MIKHAILIDIS D. P. ET AL.: "Eicosanoids, impotence and pharmacologically induced erection", PROSTAGLANDINS, LEUKOTRIENES AND ESSENTIAL FATTY ACIDS, vol. 40, no. 4, 1990, pages 239 - 242
Attorney, Agent or Firm:
SHIMIZU, NAOTO (JP)
Hisato Shimizu (JP)
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Claims:
 次の一般式(1)で表される複素環誘導体又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する勃起不全治療剤;
 式(1)中、R 1 、R 2 は、同一又は異なって、ハロゲン原子、アルキル、ハロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルコキシアルキル、アルキルスルホニル、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、シアノ及びニトロからなる群から選ばれる1~3個の置換基で置換されていてもよいアリールを表し;
 R 3 、R 4 は、同一又は異なって、水素原子又はアルキルを表し;
 R 5 は水素原子、アルキル又はハロゲン原子を表し;
 YはN又はN→Oを表し;
 AはNR 6 を表し、R 6 は水素原子、アルキル、アルケニル又はシクロアルキルを表し;
 Dはヒドロキシで置換されていてもよいアルキレン又はアルケニレンを表すか、又はAとDとが一緒になって、次の式(2)で表される二価の基を表し;
 [式(2)中、rは0~2の整数を表し、qは2又は3を表し、tは0~4の整数をそれぞれ表す。]
 Eは、フェニレン又は単結合を表すか、又はDとEとが一緒になって、次の式(3)で表される二価の基を表し;
 [式(3)中、uは0~2の整数を表し、vは0又は1を表す。]
 Gは、O、S、SO又はSO 2 を表し;
 Qは、カルボキシ、アルコキシカルボニル、テトラゾリル、カルバモイル、モノアルキルカルバモイル、ジアルキルカルバモイル又は次の式(4)で表される基を表す。
 [式(4)中、R 7 は、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、若しくはヒドロキシ、又はハロゲン原子、アルキル、ハロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルコキシアルキル、アルキルスルホニル、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、シアノ及びニトロからなる群から選ばれる1~3個の置換基で置換されていてもよい下記1)~4)のいずれかの基を表す;
 1)アルキル、
 2)アリール、
 3)アリールオキシ、
 4)複素環基。]
 複素環誘導体(1)において、R 1 、R 2 が、同一又は異なって、ハロゲン原子、アルキル及びアルコキシからなる群から選ばれる1~3個の置換基で置換されていてもよいフェニルであり、
 R 3 、R 4 が、同一又は異なって、水素原子又はアルキルであり、
 R 5 が水素原子であり、
 YがNであり、
 AがNR 6 であり、R 6 がアルキルであり、
 Dがアルキレンであり、
 Eが単結合であり、
 GがOであり、
 Qが、カルボキシ又は式(4)で表される基であり、R 7 が、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、若しくはヒドロキシ、又はハロゲン原子、アルキル、ハロアルキル、アリールアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アルコキシアルキル、アルキルスルホニル、ヒドロキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、シアノ及びニトロからなる群から選ばれる1~3個の置換基で置換されていてもよい下記1)~4)のいずれかの基である、請求項1に記載の勃起不全治療剤。
 1)アルキル、
 2)アリール、
 3)アリールオキシ、
 4)複素環基
 2-{4-[N-(5,6-ジフェニルピラジン-2-イル)-N-イソプロピルアミノ]ブチルオキシ}酢酸若しくは2-{4-[N-(5,6-ジフェニルピラジン-2-イル)-N-イソプロピルアミノ]ブチルオキシ}-N-(メチルスルホニル)アセトアミド、又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する勃起不全治療剤。
Description:
勃起不全治療剤

 本発明は、次の一般式(1)で表される複素環 導体(以下、「本複素環誘導体(1)」という。 )又はその医薬上許容される塩を有効成分と て含有する勃起不全治療剤に関するもので る。
 式(1)中、R 1 、R 2 は、同一又は異なって、ハロゲン原子、アル キル、ハロアルキル、アリールアルキル、ア ルコキシ、アルキルチオ、アルコキシアルキ ル、アルキルスルホニル、ヒドロキシ、アミ ノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ 、カルボキシ、シアノ及びニトロからなる群 から選ばれる1~3個の置換基で置換されていて もよいアリールを表し;
 R 3 、R 4 は、同一又は異なって、水素原子又はアルキ ルを表し;
 R 5 は水素原子、アルキル又はハロゲン原子を表 し;
 YはN又はN→Oを表し;
 AはNR 6 を表し、R 6 は水素原子、アルキル、アルケニル又はシク ロアルキルを表し;
 Dはヒドロキシで置換されていてもよいアル キレン又はアルケニレンを表すか、又はAとD が一緒になって、次の式(2)で表される二価 基を表し;
 [式(2)中、rは0~2の整数を表し、qは2又は3を し、tは0~4の整数をそれぞれ表す。]
 Eは、フェニレン又は単結合を表すか、又は DとEとが一緒になって、次の式(3)で表される 価の基を表し;
 [式(3)中、uは0~2の整数を表し、vは0又は1を す。]
 Gは、O、S、SO又はSO 2 を表し;
 Qは、カルボキシ、アルコキシカルボニル、 テトラゾリル、カルバモイル、モノアルキル カルバモイル、ジアルキルカルバモイル又は 次の式(4)で表される基を表す。
 [式(4)中、R 7 は、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキ ルアミノ、若しくはヒドロキシ、又はハロゲ ン原子、アルキル、ハロアルキル、アリール アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アル コキシアルキル、アルキルスルホニル、ヒド ロキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジア ルキルアミノ、カルボキシ、シアノ及びニト ロからなる群から選ばれる1~3個の置換基で置 換されていてもよい下記1)~4)のいずれかの基 表す;
 1)アルキル、
 2)アリール、
 3)アリールオキシ、
 4)複素環基。]
 

 勃起不全(Erectile Dysfunction:ED)とは、性交 に有効な勃起が得られないために満足な性 が行えない状態を指し、いわゆる性機能障 の一つに位置づけられている。勃起不全は 加齢と共に増える傾向にあるが、これには 齢と共に心疾患、糖尿病、高血圧、高脂血 、動脈硬化症等の基礎疾患が増えることや これらの基礎疾患を治療するために服用さ る降圧剤や、血糖降下剤等の使用も原因と て考えられている。その他、喫煙、運動不 、ストレス等も原因として考えられている

 勃起不全の治療剤として、ホスホジエステ ーゼ5の阻害剤が第一選択薬として使用され ている。ホスホジエステラーゼ5の阻害剤を 与した患者の中、20~30%は無効である。
 ホスホジエステラーゼ5の阻害剤が無効であ った患者に対しては、プロスタグランジンE 1 の陰茎海綿体内注射が行われている。

 一方、本複素環誘導体(1)又はその医薬上許 される塩は、PGI 2 受容体作動剤として、肺高血圧症や閉塞性動 脈硬化症の治療に有用であることが既に報告 されている(例えば、特許文献1を参照)。

国際公開第02/088084号パンフレット

 本発明の目的は、主として、新規な勃起不 治療剤を提供することにある。
 

 本発明者は、本複素環誘導体(1)が、ラッ において、陰茎海綿体内圧を上昇させるこ を見出し、本発明を完成した。

 本発明としては、例えば、本複素環誘導体( 1)又はその医薬上許容される塩を有効成分と て含有する勃起不全治療剤を挙げることが きる。
 

図1は、陰茎海綿体内圧を血圧で除した 値の変動を示す。縦軸は陰茎海綿体内圧/血 (投与前値との比;%)を、横軸は投与後の時間( 分)をそれぞれ表す。なお、図中、丸印は対 群を、四角印は2-{4-[N-(5,6-ジフェニルピラジ -2-イル)-N-イソプロピルアミノ]ブチルオキ }酢酸(以下、「化合物A」という。)を投与し 群を、三角印は2-{4-[N-(5,6-ジフェニルピラジ ン-2-イル)-N-イソプロピルアミノ]ブチルオキ }-N-(メチルスルホニル)アセトアミド(以下、 「化合物B」という。)を投与した群をそれぞ 表す。

図2は、陰茎海綿体内圧の変動を示す。 縦軸は陰茎海綿体内圧(投与前値との比;%)を 横軸は投与後の時間(分)をそれぞれ表す。な お、図中、丸印は対照群を、四角印は化合物 Aを投与した群を、三角印は化合物Bを投与し 群をそれぞれ表す。

 本複素環誘導体(1)において、例えば、
 R 1 、R 2 が、同一又は異なって、ハロゲン原子、アル キル及びアルコキシからなる群から選ばれる 1~3個の置換基で置換されていてもよいフェニ ルであり、
 R 3 、R 4 が、同一又は異なって、水素原子又はアルキ ルであり、
 R 5 が水素原子であり、
 YがNであり、
 AがNR 6 であり、R 6 がアルキルであり、
 Dがアルキレンであり、
 Eが単結合であり、
 GがOであり、
 Qが、カルボキシ又は式(4)で表される基であ り、R 7 が、アミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキ ルアミノ、若しくはヒドロキシ、又はハロゲ ン原子、アルキル、ハロアルキル、アリール アルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アル コキシアルキル、アルキルスルホニル、ヒド ロキシ、アミノ、モノアルキルアミノ、ジア ルキルアミノ、カルボキシ、シアノ及びニト ロからなる群から選ばれる1~3個の置換基で置 換されていてもよい下記1)~4)のいずれかの基 ある化合物が好ましい。
 1)アルキル、
 2)アリール、
 3)アリールオキシ、
 4)複素環基

 具体的には、例えば、化合物A及び化合物 Bが好ましい。

 本発明における「アルキル」としては、 鎖状又は分枝鎖状の炭素数1~6のもの、例え 、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロ ル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert- ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、n-ヘキ ル、イソヘキシルを挙げることができる。 りわけ、炭素数1~4のものが好ましい。

 本発明における「ハロアルキル」、「ア ールアルキル」、「アルキルチオ」、「ア コキシアルキル」、「アルキルスルホニル 、「モノアルキルアミノ」、「ジアルキル ミノ」、「モノアルキルカルバゾイル」及 「ジアルキルカルバモイル」のアルキル部 としては、前記のアルキルと同じものを挙 ることができる。

 本発明における「アルコキシ」としては 直鎖状又は分枝鎖状の炭素数1~6もの、例え 、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イ プロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、sec -ブトキシ、tert-ブトキシ、n-ペンチルオキシ イソペンチルオキシ、n-ヘキシルオキシ、 ソヘキシルオキシを挙げることができる。 りわけ、炭素数1~4のものが好ましい。

 本発明における「アルコキシカルボニル 及び「アルコキシアルキル」のアルコキシ 分としては、前記のアルコキシと同じもの 挙げることができる。

 本発明における「アルケニル」としては 直鎖状又は分枝鎖状の炭素数2~6のもの、例 ば、ビニル、1-プロペニル、2-プロペニル、 1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、1-ペン ニル、2-ペンテニル、3-ペンテニル、4-ペン ニル、4-メチル-3-ペンテニル、1-ヘキセニル 、2-ヘキセニル、3-ヘキセニル、4-ヘキセニル 、5-ヘキセニルを挙げることができる。とり け、炭素数3又は4のものが好ましい。

 本発明における「シクロアルキル」とし は、炭素数3~8のもの、例えば、シクロプロ ル、シクロブチル、シクロペンチル、シク ヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチ を挙げることができる。とりわけ、炭素数5 ~7のものが好ましい。

 本発明における「ハロゲン原子」として 、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原 、ヨウ素原子を挙げることができる。

 本発明における「アリール」としては、 素数6~10もの、例えば、フェニル、1-ナフチ 、2-ナフチルを挙げることができる。とり け、フェニルが好ましい。

 本発明における「アリールアルキル」及 「アリールオキシ」のアリール部分として 、前記のアリールと同じものを挙げること できる。

 本発明における「アルキレン」としては 直鎖状又は分枝鎖状の炭素数1~8のもの、例 ば、メチレン、エチレン、1-メチルエチレ 、2-メチルエチレン、トリメチレン、テトラ メチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン 、ヘプタメチレン、オクタメチレンを挙げる ことができる。とりわけ、炭素数3~6のものが 好ましく、炭素数4のものが特に好ましい。

 本発明における「アルケニレン」として 、直鎖状又は分枝鎖状の炭素数2~8のもの、 えば、エテニレン、1-プロペニレン、2-プロ ペニレン、1-ブテニレン、2-ブテニレン、3-ブ テニレン、1-ペンテニレン、2-ペンテニレン 3-ペンテニレン、4-ペンテニレン、4-メチル-3 -ペンテニレン、1-ヘキセニレン、2-ヘキセニ ン、3-ヘキセニレン、4-ヘキセニレン、5-ヘ セニレン、1-ヘプテニレン、2-ヘプテニレン 、3-ヘプテニレン、4-ヘプテニレン、5-ヘプテ ニレン、6-ヘプテニレン、1-オクテニレン、2- オクテニレン、3-オクテニレン、4-オクテニ ン、5-オクテニレン、6-オクテニレン、7-オ テニレンを挙げることができる。とりわけ 炭素数3~6のものが好ましく、炭素数4のもの 特に好ましい。

 本発明における「複素環基」としては、次 (1)又は(2)を挙げることができる。
(1)窒素原子、酸素原子及び硫黄原子から選択 される1~4個までのヘテロ原子を有する5又は6 の芳香環基、又はそれらのベンゼン縮合環 あって、かかる環構成原子が窒素原子又は 黄原子の場合、かかる窒素原子、硫黄原子 オキシドを形成していてもよい。例えば、1 -ピロリル、2-ピロリル、3-ピロリル、3-イン リル、2-フラニル、3-フラニル、3-ベンゾフ ニル、2-チエニル、3-チエニル、3-ベンゾチ ニル、1,3-オキサゾール-2-イル、4-イソオキ ゾリル、2-チアゾリル、5-チアゾリル、2-ベ ゾチアゾリル、1-イミダゾリル、2-イミダゾ ル、4-イミダゾリル、2-ベンズイミダゾリル 、1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル、1H-テトラゾー ル-5-イル、2H-テトラゾール-5-イル、2-ピリジ 、3-ピリジル、4-ピリジル、3-ピラゾリル、2 -ピリミジニル、4-ピリミジニル、2-ピラジニ 、1,3,5-トリアジン-2-イルを挙げることがで る。
(2)環構成原子として、窒素原子、酸素原子又 は硫黄原子を、同一又は異なって、1~4個含ん でいてもよい、4~8員環の飽和環基、又はそれ らのベンゼン縮合環基であって、環構成原子 が窒素原子又は硫黄原子の場合、かかる窒素 原子、硫黄原子はオキシドを形成していても よい。例えば、ピペリジノ、ピペラジニル、 3-メチルピペラジン-1-イル、ホモピペラジニ 、モノホリノ、チオモノホリノ、1-ピロリ ニル、2-ピロリジニル、2-テトラヒドロフラ ルを挙げることができる。

 本複素環誘導体(1)は、前記特許文献1(国 公開第02/088084号パンフレット)に記載の方法 より合成することができる。

 本複素環誘導体(1)は、遊離の塩基又は酸の ま医薬として用いることができるが、公知 方法により医学上許容される塩の形にして いることもできる。
 本複素環誘導体(1)が塩基性を示す場合の「 」としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、 ン酸、フッ化水素酸、若しくは臭化水素酸 無機酸の塩、又は酢酸、酒石酸、乳酸、ク ン酸、フマール酸、マレイン酸、コハク酸 メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベ ゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、 フタレンスルホン酸、若しくはカンファー ルホン酸の有機酸の塩を挙げることができ 。
 本複素環誘導体(1)が酸性を示す場合の「塩 としては、例えば、ナトリウム塩、カリウ 塩等のアルカリ金属塩、又はカルシウム塩 のアルカリ土類金属塩を挙げることができ 。

 本複素環誘導体(1)には、幾何異性体(Z体 びE体)が存在するが、各幾何異性体及びそれ らの混合物も本複素環誘導体(1)に含まれる。 また、本複素環誘導体(1)には、不斉炭素を有 するものも存在するが、各光学異性体及びこ れらのラセミ体も本複素環誘導体(1)に含まれ る。光学異性体は、上記のようにして得られ たラセミ体より、その塩基性を利用して、光 学活性な酸(例えば、酒石酸、ジベンゾイル 石酸、マンデル酸、10-カンファースルホン )を用いて、公知の方法により光学分割する 、或いは予め調製した光学活性な化合物を 料に用いて製造することができる。

 本発明に係る勃起不全としては、例えば 糖尿病性勃起不全、心因性勃起不全、精神 性勃起不全、慢性腎不全による勃起不全、 立腺摘出のための骨盤内手術後の勃起不全 加齢や動脈硬化に伴う血管性勃起不全を挙 ることができる。

 本発明に係る勃起不全治療剤は、本複素 誘導体(1)を、そのまま又は医薬上許容され 無毒性かつ不活性な担体中に、0.01~99.5%の範 囲内で、好ましくは0.5~90%の範囲内で含有す ものである。

 上記担体としては、固形、半固形又は液 の希釈剤、充填剤、その他の処方用の助剤 挙げることができる。これらを一種又は二 以上用いることができる。

 本発明に係る勃起不全治療剤は、固形又 液状の用量単位で、末剤、カプセル剤、錠 、糖衣剤、顆粒剤、散剤、懸濁剤、液剤、 ロップ剤、エリキシル剤、トローチ剤等の 口投与製剤、注射剤、軟膏剤、クリーム剤 の非経口投与製剤のいずれの形態をもとる とができる。徐放性製剤であってもよい。 れらの中で、非経口投与製剤が好ましく、 に注射剤、軟膏剤、ローション剤が好まし 。

 末剤は、本複素環誘導体(1)を適当な細か にすることにより製造することができる。

 散剤は、本複素環誘導体(1)を適当な細か にし、次いで同様に細かくした医薬用担体 例えば、澱粉、マンニトールのような可食 炭水化物と混合することにより製造するこ ができる。任意に風味剤、保存剤、分散剤 着色剤、香料等を添加することができる。

 カプセル剤は、まず上述のようにして粉 状となった末剤や散剤あるいは錠剤の項で べるように顆粒化したものを、例えば、ゼ チンカプセルのようなカプセル外皮の中へ 填することにより製造することができる。 沢剤や流動化剤、例えば、コロイド状のシ カ、タルク、ステアリン酸マグネシウム、 テアリン酸カルシウム、固形のポリエチレ グリコールを粉末状となった末剤や散剤と 合し、その後、充填操作を行うことにより 造することもできる。崩壊剤や可溶化剤、 えば、カルボキシメチルセルロース、カル キシメチルセルロースカルシウム、低置換 ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカ メロースナトリウム、カルボキシメチルス ーチナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸ナ リウムを添加すれば、カプセル剤が摂取さ たときの医薬の有効性を改善することがで る。また、本複素環誘導体(1)の微粉末を植 油、ポリエチレングリコール、グリセリン 界面活性剤中に懸濁分散し、これをゼラチ シートで包んで軟カプセル剤とすることも きる。

 錠剤は、粉末化された本複素環誘導体(1)に 形剤を加えて粉末混合物を作り、顆粒化も くはスラグ化し、次いで崩壊剤又は滑沢剤 加えた後、打錠することにより製造するこ ができる。
 粉末混合物は、適当に粉末化された本複素 誘導体(1)を希釈剤や基剤と混合することに り製造することができる。必要に応じて、 合剤(例えば、カルボキシメチルセルロース ナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシ プロピルメチルセルロース、ゼラチン、ポリ ビニルピロリドン、ポリビニルアルコール) 溶解遅延化剤(例えば、パラフィン)、再吸収 剤(例えば、四級塩)、吸着剤(例えばベントナ イト、カオリン)等を添加することができる
 粉末混合物は、まず結合剤、例えば、シロ プ、澱粉糊、アラビアゴム、セルロース溶 又は高分子物質溶液で湿らせ、攪拌混合し これを乾燥、粉砕して顆粒とすることがで る。このように粉末を顆粒化する代わりに まず打錠機にかけた後、得られる不完全な 態のスラグを破砕して顆粒にすることも可 である。このようにして作られる顆粒に、 沢剤としてステアリン酸、ステアリン酸塩 タルク、ミネラルオイル等を添加すること より、互いに付着することを防ぐことがで る。
 また、錠剤は、上述のように顆粒化やスラ 化の工程を経ることなく、本複素環誘導体( 1)を流動性の不活性担体と混合した後に直接 錠することによっても製造することができ 。
 こうして製造された錠剤にフィルムコーテ ングや糖衣を施すことができる。シェラッ の密閉被膜からなる透明又は半透明の保護 覆、糖や高分子材料の被覆及びワックスよ なる磨上被覆をも用いることができる。

 他の経口投与製剤、例えば、液剤、シロ プ剤、トローチ剤、エリキシル剤もまたそ 一定量が本複素環誘導体(1)の一定量を含有 るように用量単位形態にすることができる

 シロップ剤は、本複素環誘導体(1)を適当 香味水溶液に溶解して製造することができ 。エリキシル剤は、非毒性のアルコール性 体を用いることにより製造することができ 。

 懸濁剤は、本複素環誘導体(1)を非毒性担 中に分散させることにより製造することが きる。必要に応じて、可溶化剤や乳化剤(例 えば、エトキシ化されたイソステアリルアル コール類、ポリオキシエチレンソルビトール エステル類)、保存剤、風味付与剤(例えば、 パーミント油、サッカリン)等を添加するこ とができる。

 必要であれば、経口投与のための用量単 処方をマイクロカプセル化することができ 。当該処方はまた、被覆をしたり、高分子 ワックス等中に埋め込んだりすることによ 作用時間の延長や持続放出をもたらすこと できる。

 非経口投与製剤は、皮下、筋肉内、静脈 又は陰茎海綿体内に注射するための液状用 単位形態、例えば、溶液や懸濁液の形態を する注射剤にすることができる。また、陰 に塗布するための半固形状の形態、例えば 軟膏剤、ローション剤にすることができる

 溶液や懸濁液の形態を有する注射剤は、 複素環誘導体(1)の一定量を、注射の目的に 合する非毒性の液状担体、例えば、水性や 性の媒体に懸濁し又は溶解し、次いで当該 濁液又は溶液を滅菌することにより製造す ことができる。注射液を等張にするために 毒性の塩や塩溶液を添加することができる また、安定剤、保存剤、乳化剤等を添加す こともできる。

 軟膏剤は、例えば、本複素環誘導体(1)と 水性基剤や親水性基剤等の基剤とを混合す ことにより製造することができる。また、 存剤、酸化防止剤等を添加することもでき 。

 ローション剤は、例えば、本複素環誘導 (1)と溶剤、乳化剤、懸濁化剤等とを常水や 製水等の水性の液体に加え、溶解又は分散 せることにより製造することができる。ま 、保存剤等を添加することもできる。

 本発明に係る勃起不全治療剤の投与量は、 重、年齢等の患者の状態、投与経路、症状 程度等によって異なるが、一般的には成人 対して、本複素環誘導体(1)の量として、1回 当たり0.001mg~100mgの範囲内が適当であり、0.01m g~10mgの範囲内がより好ましい。場合によって は、これ以下でも足りるし、また逆にこれ以 上の用量を必要とする場合もある。
 

 以下に、試験例を掲げて、本発明を更に しく説明するが、本発明は下記に示される 囲に限定されるものではない。

試験例1
(1)試験方法
 陰茎海綿体内圧の測定は、Teiweiraらの方法(T he Journal of Pharmacology and Experimental Therapeuti lcs,Vol.315,p.155-162,2005)に準じて行った。
 SD系ラット(雄性、7週齢)(日本エスエルシー 製)に300mg/mLウレタンをラットの体重1kg当た 、4mL皮下投与することにより麻酔し、背位 固定した。左後肢より動脈を確保し、ポリ チレンチューブ(PE60;ベクトンディッキンソ 社製)を挿入した後、血圧トランスデューサ ー(日本光電工業社製。以下同じ。)を介して 圧(MAP)を測定した。陰茎海綿体内圧(ICP)は左 海綿体に25ゲージニードルを挿入した後、血 トランスデューサーを介して測定した。
 試験物質は右海綿体の先端に25ゲージニー ルを付けたシリコンチューブを挿入した後 当該シリコンチューブより、ラットの体重1k g当たり、0.333mL投与した。
 薬剤投与後、陰茎海綿体内圧及び血圧を経 的に記録し、陰茎海綿体内圧及び陰茎海綿 内圧を血圧で除した値(ICP/MAP)を薬剤投与前 それぞれの値を100%として表した。なお、陰 茎海綿体内圧及び陰茎海綿体内圧を血圧で除 した値は、勃起活性の指標として用いられて いる(The Journal of Pharmacology and Experimental Th erapeutilcs,Vol.315,p.155-162,2005を参照)。
 試験物質としては、3mg/mLで化合物Aを含有す る水溶液[媒体:5w/v%ブドウ糖水溶液(大塚製薬 製。以下同じ。)]、又は3mg/mLで化合物Bを含 する水溶液(媒体:5w/v%ブドウ糖水溶液)を用 た。対照群には、媒体である5w/v%ブドウ糖水 溶液を投与した。1群当たり、4匹のラットを いた。
(2)結果
 図1及び図2に示すように、化合物A或いは化 物Bを投与することにより、陰茎海綿体内圧 を血圧で除した値及び陰茎海綿体内圧の値が 上昇した。従って、化合物A及び化合物Bは、 起不全に効果を有し得ることが明らかであ 。
 




 
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