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Patent Searching and Data


Title:
THERAPEUTIC AGENT FOR ULCER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/075216
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a therapeutic agent for ulcer, which comprises a composite hydrotalcite particle as an active ingredient, wherein the composite hydrotalcite particle comprises a hydrotalcite particle and zinc contained in the hydrotalcite particle in the form of a solid solution, has an excellent therapeutic effect on peptic ulcer, and can also act as a Zn-supplying agent. Specifically, a composite hydrotalcite particle represented by formula (1) is used as an active ingredient. The composite hydrotalcite particle is produced by adding a small quantity of Zn to a hydrotalcite particle in the form of a solid solution. (MgaZnb)1-xAlx(OH)2(An-)x/n mH2O (1) wherein An- represents CO3 2-, SO4 2- or Cl-; and x, a, b and m represent numeral values fulfilling the requirements represented by the following formulae, respectively: 0.18≤x≤0.40, 0.1≤a<1, 0

Inventors:
KATSUKI KEIKO (JP)
OKADA AKIRA (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/072016
Publication Date:
June 18, 2009
Filing Date:
December 04, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KYOWA CHEM IND CO LTD (JP)
KATSUKI KEIKO (JP)
OKADA AKIRA (JP)
International Classes:
A61K33/30; A61P1/04; A61P3/12
Domestic Patent References:
WO2008075621A12008-06-26
Foreign References:
JPH08291011A1996-11-05
JPH11180808A1999-07-06
JP2004225052A2004-08-12
JP2000159520A2000-06-13
JPH10182315A1998-07-07
JPH11240886A1999-09-07
JPH11222494A1999-08-17
JPH08337768A1996-12-24
JP2006131581A2006-05-25
JP2008120703A2008-05-29
JPH0649035A1994-02-22
JPS462280B11971-01-20
JPS5030039B11975-09-27
US3539306A1970-11-10
US3650704A1972-03-21
Other References:
D. J. FROMMER: "The healing of gastric ulcers by zinc sulphate.", MEDICAL JOURNAL OF AUSTRALIA, vol. 2, no. 21, 22 November 1975 (1975-11-22), pages 793 - 796
DIGESTIVE DISEASES AND SCIENCES, vol. 45, no. 9, September 2000 (2000-09-01), pages 1786 - 1791
See also references of EP 2233146A4
Attorney, Agent or Firm:
ONO, Hisazumi et al. (1-21 Nishi-shimbashi 1-chom, Minato-ku Tokyo 03, JP)
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Claims:
 下記式(1)で表される複合ハイドロタルサイト粒子を有効成分とする潰瘍治療剤。
   (Mg a Zn b ) 1-X Alx(OH) 2 (A n- )x/n・mH 2 O     (1)
 但し、式中、A n- はCO 3 2- 、SO 4 2- またはCl - を示し、nは1または2を示し、x、a、bおよびmはそれぞれ下記条件を満足する値を示す。
  0.18≦x≦0.40,  0.1≦a<1,  0<b≦0.5,  0≦m<1)
 前記式(1)中、A n- はCO 3 2- またはSO 4 2- である請求項1記載の潰瘍治療剤。
 前記式(1)中、A n- はCO 3 2- である請求項1記載の潰瘍治療剤。
 前記式(1)中、xは0.2≦x≦0.35を満足する請求項1記載の潰瘍治療剤。
 前記式(1)中、bは0.0005≦b≦0.2を満足する請求項1記載の潰瘍治療剤。
 前記式(1)中、bは0.005≦b≦0.1を満足する請求項1記載の潰瘍治療剤。
 前記式(1)中、aは0.2≦a≦0.9を満足する請求項1記載の潰瘍治療剤。
 哺乳動物のための消化性潰瘍に対する請求項1記載の潰瘍治療剤。
 ヒトのための消化性潰瘍に対する請求項1記載の潰瘍治療剤。
 ヒトのための胃潰瘍または十二指腸潰瘍に対する請求項1記載の潰瘍治療剤。
 請求項1記載の複合ハイドロタルサイト粒子の潰瘍治療のための使用。
 経口投与する形態における請求項1記載の潰瘍治療剤。
 請求項1記載の複合ハイドロタルサイト粒子を有効成分として含有する潰瘍治療用錠剤。
 請求項1記載の複合ハイドロタルサイト粒子を有効成分として含有する潰瘍治療用顆粒剤または細粒剤。
 請求項1記載の複合ハイドロタルサイト粒子を有効成分として含有する潰瘍治療用スラリー剤。
 請求項1記載の複合ハイドロタルサイト粒子を有効成分として含有する亜鉛補給剤。
 消化性潰瘍を患っている人に対して、請求項1記載の複合ハイドロタルサイト粒子の有効量を、経口投与することを特徴とする消化性潰瘍の治療方法。
 潰瘍治療に対する薬剤の製造のための請求項1記載の複合ハイドロタルサイト粒子の使用。
Description:
潰瘍治療剤

 本発明は複合ハイドロタルサイト粒子を 効成分として含有する潰瘍治療剤に関する のであり、より詳しくは、優れた潰瘍治療 果を持つ、亜鉛を含有する複合ハイドロタ サイト粒子を有効成分とする新規潰瘍治療 に関する。

 胃潰瘍治療剤は昔から研究されており、多 多様な製品が開発されている。消化性潰瘍 起こる原因は、胃酸の酸度が高いこと、自 神経の興奮の促進、胃壁の血行障害、スト ス等があり、抗潰瘍剤としては粘膜保護剤 H 2 ブロッカーやプロトンポンプインヒビター等 の胃酸の分泌を抑制する攻撃因子抑制剤が使 われている。最近は抗潰瘍剤としてH 2 ブロッカーは、顆粒球数を減少させ、またプ ロトンポンプインヒビターは顆粒球のスーパ オキサイド生成を抑制することが知られてい る(非特許文献1)。一方最近では亜鉛(Zn)の創 治癒作用が注目され、有機物質に亜鉛(Zn)を 合した潰瘍治療剤も開発されている。例え 、亜鉛(Zn)の錯体を組みやすいという特徴を 利用した、ヒスタミンH 2 受容体拮抗剤のシメチジンに亜鉛を配合した シメチジン亜鉛錯体(特許文献1)がある。
 これら胃潰瘍治療剤のほとんどが有機物で り、その人体への安全性が懸念される。
 無機物質の胃潰瘍治療剤としては制酸剤で る合成ハイドロタルサイト粒子が使用され いる(特許文献2および特許文献3)。合成ハイ ドロタルサイト粒子は医薬用制酸剤としては 理想的である、と云われている。
 制酸剤としての合成ハイドロタルサイト粒 は、潰瘍治療剤としても有効であり、その 造方法は、米国特許明細書に記載されてい (特許文献4)(特許文献5)。このハイドロタル イト粒子は、代表的には、化学式Mg 6 Al 2 (OH) 16 CO 3 ・4H 2 Oで表される。しかし、従来のハイドロタル イト粒子を潰瘍治療剤として使用する場合 長期間の服用が必要であり、長期間の服用 より、胃内壁の粘膜をいためる場合がある
Digestive Diseases and Siences,Vol.45, No.9P.1786- 1791        (September 2000)

特開平6-49035号公報

特公昭46-2280号公報

特公昭50-30039号公報

米国特許3539306号明細書

米国特許3650704号明細書

 ハイドロタルサイト粒子は、優れた潰瘍 療剤であるが、長期間の服用が必要であり 長期間の服用により胃内壁の粘膜を損傷す 場合がある。胃内壁の保護という点から考 ると、さらに改良が望まれていた。そこで 本発明の目的は、胃内壁の粘膜を損傷させ 短期間の服用で優れた潰瘍治療効果を持つ 瘍治療剤として改良された複合ハイドロタ サイト粒子を提供することにある。

 本発明者らは、前記目的を達成するために ハイドロタルサイト粒子を改質する研究を ねた。その結果、ハイドロタルサイト粒子 微量かつ特定量の亜鉛(Zn)を固溶体として含 有させた複合ハイドロタルサイト粒子は、胃 内壁の粘膜を損傷することなくて優れた潰瘍 治療作用を有することを見出した。すなわち 、従来の胃潰瘍治療剤に比べ、速効性で副作 用がない胃潰瘍治療剤である複合ハイドロタ ルサイト粒子を提供できることを見出した。
 本発明の複合ハイドロタルサイト粒子は、 鉛を固溶体として一定量含有している。こ 複合ハイドロタルサイト粒子は、亜鉛を含 しない従来のハイドロタルサイト粒子に対 て、マグネシウムの一部が亜鉛に置換され 化合物である。この複合ハイドロタルサイ 粒子は、固溶体として含有する亜鉛に基因 て潰瘍治療効果が達成される。このことは 述する比較例からも明らかである。後述す 比較例では亜鉛を含有しないハイドロタル イト粒子(Mg 6 Al 2 (OH) 16 ・CO 3 ・4H 2 O)に対して酸化亜鉛(ZnO)を混合して経口投与 ても、酸化亜鉛(Zn)による治療改良効果は実 上認められなかった。
 過度のストレスによる胃潰瘍の場合は、ス レスによって血液中の亜鉛(Zn)濃度が下がる 。それは、ストレスによって肝臓で生成され るメタロチオネインという蛋白質が多くなる が、その際、亜鉛が大量に使用されるので、 血液中の亜鉛(Zn)が肝臓に集まるため、亜鉛 血中濃度が低くなり、胃に十分供給できな なる。そのため、潰瘍の発生を抑制する亜 の血中濃度が低くなり潰瘍を発生すること なる。本発明の複合ハイドロタルサイト粒 の服用により、胃内壁粘膜の創傷治癒効果 みならず、複合ハイドロタルサイト粒子が 内で胃酸により分解し、亜鉛(Zn)が血液中に 果的に吸収され、肝臓および血中の亜鉛(Zn) 濃度が高くなり、胃へ亜鉛(Zn)が供給される とも胃潰瘍治癒を助けていると思われる。

 さらに、本発明の複合ハイドロタルサイト 子は人体に必要な必須ミネラルのひとつで る亜鉛補給も兼ね備えている。必須ミネラ の一つである亜鉛は、最近不足しがちであ 。
 亜鉛不足は、味覚や免疫力を低下させるだ でなく、特に妊婦の場合、体内の亜鉛が胎 に移行するので、亜鉛欠乏になりやすく、 疫力が低下する。また、亜鉛欠乏はうつ病 引き起こすことも報告されている。亜鉛欠 のまま出産した場合は、赤ん坊にうつ状態 脳波が観察されたり、脳細胞を作るたんぱ 質の合成が行われず、学習や記憶力に悪影 を及ぼすということも判ってきている。亜 欠乏性貧血も報告されている。貧血の女性 約48%が亜鉛性貧血であったとの報告もある
 これら人体に不足しがちな微量の亜鉛をハ ドロタルサイト粒子に固溶させた複合ハイ ロタルサイト粒子により提供できる。それ 、本発明による複合ハイドロタルサイト粒 は消化性潰瘍治療および亜鉛補給効果を兼 備えた新規潰瘍治療剤であると云うことが きる。

 すなわち、本発明者らは、比較的安価で、 かも無毒性か、もしくは毒性が比較的少な 亜鉛イオンの微量を、ハイドロタルサイト 子に固溶させた複合ハイドロタルサイト粒 が胃潰瘍治療効果に優れており、ミネラル しての亜鉛(Zn)補給剤としての効果もあるこ とを見出し本発明に到達した。
 本発明によれば下記潰瘍治療剤およびその 用が提供される。
(1)下記式(1)で表される複合ハイドロタルサイ ト粒子を有効成分とする潰瘍治療剤。
   (Mg a Zn b ) 1-X Alx(OH) 2 (A n- )x/n・mH 2 O     (1)
 但し、式中、A n- はCO 3 2- 、SO 4 2- またはCl - を示し、nは1または2を示し、x、a、bおよびm それぞれ下記条件を満足する値を示す。
  0.18≦x≦0.40,  0.1≦a<1,  0<b≦0.5,  0 m<1)
(2)前記式(1)中、A n- はCO 3 2- またはSO 4 2- である前記(1)記載の潰瘍治療剤。
(3)前記式(1)中、A n- はCO 3 2- である前記(1)記載の潰瘍治療剤。
(4)前記式(1)中、xは0.2≦x≦0.35を満足する前記 (1)記載の潰瘍治療剤。
(5)前記式(1)中、bは0.0005≦b≦0.2を満足する前 (1)記載の潰瘍治療剤。
(6)前記式(1)中、bは0.005≦b≦0.1を満足する前 (1)記載の潰瘍治療剤。
(7)前記式(1)中、aは0.2≦a≦0.9を満足する前記( 1)記載の潰瘍治療剤。
(8)哺乳動物のための消化性潰瘍に対する前記 (1)記載の潰瘍治療剤。
(9)ヒトのための消化性潰瘍に対する前記(1)記 載の潰瘍治療剤。
(10)ヒトのための胃潰瘍または十二指腸潰瘍 対する前記(1)記載の潰瘍治療剤。
(11)前記(1)記載の複合ハイドロタルサイト粒 の潰瘍治療のための使用。
(12)経口投与する形態における前記(1)記載の 瘍治療剤。
(13)前記(1)記載の複合ハイドロタルサイト粒 を有効成分として含有する潰瘍治療用錠剤
(14)前記(1)記載の複合ハイドロタルサイト粒 を有効成分として含有する潰瘍治療用顆粒 または細粒剤。
(15)前記(1)記載の複合ハイドロタルサイト粒 を有効成分として含有する潰瘍治療用スラ ー剤。
(16)前記(1)記載の複合ハイドロタルサイト粒 を有効成分として含有する亜鉛補給剤。
(17)消化性潰瘍を患っている人に対して、前 (1)記載の複合ハイドロタルサイト粒子の有 量を、経口投与することを特徴とする消化 潰瘍の治療方法。
(18)潰瘍治療に対する薬剤の製造のための前 (1)記載の複合ハイドロタルサイト粒子の使 。

 本発明によれば、消化性潰瘍に対して、 療効果を有する複合ハイドロタルサイト粒 が提供される。この複合ハイドロタルサイ 粒子は亜鉛(Zn)の一定量が固溶体として含有 している合成ハイドロタルサイト粒子であり 、前記式(1)で表わされる。本発明の複合ハイ ドロタルサイト粒子は、経口投与することに より、消化性潰瘍が早く治癒される。亜鉛を 含有しないハイドロタルサイト粒子に比較し て、治癒効果は速効性であり、副作用が少な く、しかも胃や腸の内壁の粘膜を損傷するこ とは極めて少ない。

 本発明の複合ハイドロタルサイト粒子は、 述したように下記式(1)で表わされる。
   (Mg a Zn b ) 1-X Alx(OH) 2 (A n- )x/n・mH 2 O     (1)
(但し、式中、A n- はCO 3 2- 、SO 4 2- またはCl - を示し、nは1または2を示し、x,a,bおよびmはそ れぞれ下記条件を満足する値を示す。 0.18≦ x≦0.40  0.1≦a<1  0<b≦0.5  0≦m<1)

 本発明の式(1)で表される複合ハイドロタ サイト粒子は、ハイドロタルサイト粒子に 量の亜鉛(Zn)が固溶体として含有したもので ある。そのため、本発明の複合ハイドロタル サイト粒子は、ハイドロタルサイト粒子と同 じ結晶構造を有する化合物であり、粉末X線 折法によれば、ハイドロタルサイト粒子と じ回折パターンを示す(表1参照)。さらに、 発明の複合ハイドロタルサイト粒子は、亜 がハイドロタルサイト中に固溶しているた 、経口投与により胃内壁および腸内壁を痛 ることもない。

 本発明の複合ハイドロタルサイト粒子は、 記式(1)で表される化学構造を有している。 の式(1)について以下具体的に説明する。
 式(1)中、A n- は、n価のアニオンであり、CO 3 2- 、SO 4 2- またはCl - であり、CO 3 2- 、またはSO 4 2- が好ましく、CO 3 2- がもっとも好ましい。これらアニオンは2種 例えば、CO 3 2- およびSO 4 2- が同時に含まれてもよい。xは0.18≦x≦0.4を満 足するが、0.2≦x≦0.35が好ましく、0.24≦x≦0. 3がより好ましい。bは、0<b≦0.5を満足する 、0.0005≦b≦0.2が好ましく、0.005≦b≦0.1が特 に好ましい。また、aは0.1≦a<1を満足する 、0.2≦a≦0.9が好ましく、0.3≦a≦0.8が特に好 ましい。mは、結晶水の含有量を示し、0≦m< ;1を満足するが、0.1≦m<1が好ましい。

 本発明の複合ハイドロタルサイト粒子はほ んど無毒であり、LD 50 は、15,000mg/kg以上(経口 ラット)である。

 本発明の複合ハイドロタルサイト粒子の 造方法は基本的には公知のハイドロタルサ ト粒子の製造方法(例えば、米国特許3539306 明細書)と同様の方法である。その際、亜鉛( Zn)が固溶体として含有されるように、マグネ シウム塩及び/またはアルミニウム塩と一緒 原料中に添加される。亜鉛(Zn)はその所定量 、好ましくは硝酸塩、硫酸塩または塩化物 ような水溶性塩として原料中に添加すれば く、反応条件は前記米国特許明細書中に記 された範囲を選択するのが望ましい。

 本発明の複合ハイドロタルサイト粒子の製 方法は、例えば、Mg、ZnおよびAlの塩(硝酸塩 、塩化物、および硫酸塩)を目的のハイドロ ルサイト粒子を構成する金属元素の比率で む水溶液と炭酸ナトリウム水溶液(Na 2 CO 3 /Al=0.35~0.75)および水酸化ナトリウム水溶液と 接触させ、水酸化ナトリウム水溶液で反応 のpHを10~10.5に保持して共沈殿させる。反応 室温ないし100℃の温度で行う。また反応生 物をそのまま、または洗浄し、懸濁液(水系 )を70~200℃の温度で0.5~24時間水熱反応を行う とも出来る。

 本発明の複合ハイドロタルサイト粒子は、 にその形状は制限されないが、レーザー回 散乱法で測定された平均2次粒子径は、0.1~20 μm、好ましくは0.2~10μmであるのが有利であり 、BET法比表面積は5~30m 2 /g、好ましくは7~25m 2 /gであるのが望ましい。
 本発明の複合ハイドロタルサイト粒子は、 瘍治療剤として使用する場合は、粉末状、 粒状、顆粒状、錠剤、カプセル剤または、 ラリー状のいずれの形態でもよく、賦形剤 結合剤、崩壊剤および滑沢剤等を必要に応 添加することが出来る。
 結合剤としては結晶セルローズ、デンプン 等、崩壊剤としては、とうもろこしデンプ 、馬鈴薯デンプン、デキストリン、ヒドロ シプロピルスターチ、部分アルファー化デ プン、カルボキシメチルスターチナトリウ 、等のデンプン系崩壊剤、クロスカルメロ スナトリウム、カルメロースカルシウム、 ルメロース、カルボキシスターチナトリウ 等がある。

 本発明の複合ハイドロタルサイト粒子を 剤として成形する場合、錠剤全重量当り、 合ハイドロタルサイト粒子は70~99.5重量%、 ましくは80~99重量%含有するのが有利である また錠剤中には添加剤を0.1~30重量%、好まし は0.5~20重量%含有することができる。錠剤中 の添加剤としては、前述した結合剤および崩 壊剤の他に、甘味剤、矯味剤、香料、滑沢剤 、着色剤およびコーティング剤を挙げること ができる。錠剤の形状としては、丸形、楕円 形、球形、ドーナツ型、棒状形などを挙げる ことができる。

 本発明の潰瘍治療剤は哺乳動物の種々の 瘍に対してその組織の修復に効果をもたら 。殊に消化性潰瘍に対して優れた治療効果 奏する。すなわち、口腔、食道、胃、十二 腸、小腸および大腸の如き消化器官の潰瘍 対して、本発明の治療剤は早い回復効果を している。とりわけ胃および十二指腸の潰 に対する治療効果は顕著である。その理由 、本発明の治療剤に含まれる複合ハイドロ ルサイト粒子はそれ自体が優れた制酸剤で り、胃酸のpHを中和する速効性および中和 果の持続性に優れていることもこれらの潰 を治癒することに役立っているものと考え れる。

 本発明の潰瘍治療剤は、哺乳動物であれ 、種々の動物に対して有効である。ヒトの ならず、牛、豚および羊などの家畜類、犬 よび猫などのペット類に対して有効である とりわけヒトの消化性潰瘍(特に胃潰瘍およ び十二指腸潰瘍)の治療に優れた効果を発揮 る。

 本発明の潰瘍治療剤は、経口投与する場 、その投与量は複合ハイドロタルサイト粒 の量として成人1人1日当り、0.2~5g、好まし は1~4gの範囲が適当であるが、症状に応じて この範囲と外れて増減することが可能であ 。

 実施例に基づき、本発明を詳細に説明する
 実施例において、複合ハイドロタルサイト 子の(a)ZnおよびAsの分析法、(b)平均2次粒子 、(c)BET法比表面積および(d)X線回折はいずれ 以下に記載する測定法によって測定された を意味する。
(a)ZnおよびAs(ヒ素)の分析
 原子吸光法により測定した。
(b)平均2次粒子径 (レーザー回折散乱法による測定)
 MICROTRACK粒度分布計(日機装 X-100 HRA)を用い 測定する。
試料粉末700mgに、0.2W/V% ヘキサメタリン酸ナ リウム溶液70mLを徐々に加え、超音波ホモジ ナイザー、US-300T((株)日本精機製作所製)で3分 間超音波分散を行う。超音波分散後、直ちに ミニスターラーで撹拌し、超音波処理から1 以内に、その分散液2.5~4.0mLを採って、MICROTRA CK粒度分布計(日機装 X-100 HRA)の溶媒循環器 添加し、1分後に粒度分布を測定する。合計2 回の測定を行い、それぞれの測定について得 られた50%累積2次粒子径の算術平均値を算出 て、試料の平均2次粒子径とする。
(c)BET法比表面積
 液体窒素の吸着法により測定した。
(d)粉末X線回折測定法
 CuK α 角度(2θ);5~65°、ステップ:0.02、
 スキャンスピード:4°/分、管理電圧;40KV、管 理電流;20mA、
 使用装置;RINT2200VX回折システム(理学電機株 会社製)

 1.50モル/L濃度の硝酸マグネシウムと3.61×10 -3 モル/L濃度の硝酸亜鉛および0.752モル/L濃度の 硝酸アルミニウムとの混合水溶液{A液とする} と0.45モル/L濃度の炭酸ナトリウム水溶液{B液} および3.4N濃度の水酸化ナトリウム水溶液{C液 }を調製する。次に、A液, B液,およびC液を定 ポンプを用いてA液/B液=1:1の容量比となる流 量で反応槽に注加し、C液で反応液のpH値を10~ 10.5の範囲に保持し、反応温度は40℃で行い沈 殿物を生成させた。濾過、洗浄、110℃で一夜 乾燥後、粉砕、篩過して次に示す組成の複合 ハイドロタルサイト粒子を得た。洗浄は水洗 後、10 -3 モル/Lの塩酸で洗浄した。この時の塩酸量は 合ハイドロタルサイト粒子重量の30倍とし 。
 組成:Mg 0.665 Zn 0.0016 Al 0.333 (OH) 2 (CO 3 ) 0.167 ・0.5H 2 O
 この複合ハイドロタルサイト粒子の、Znの 析結果を表2に示す。表2にはヒ素(As)の分析 果も示した(以下同じ)。

 1.20モル/L濃度の硝酸マグネシウム0.754モル/L 濃度の硝酸亜鉛および0.31モル/L濃度の硝酸ア ルミニウムとの混合水溶液(A液とする)と0.45 ル/L濃度の炭酸ナトリウム水溶液(B液)および 3.4N濃度の水酸化ナトリウム水溶液(C液)を調 する。
 次に、実施例1と同様の方法で反応を行い、 下記に示す組成の複合ハイドロタルサイト粒 子を得た。
 洗浄は水洗後、10 -4 モル/L濃度の硝酸水溶液を複合ハイドロタル イト粒子重量の30倍量を用いて洗浄した。
 組成:Mg 0.53 Zn 0.137 Al 0.333 (OH) 2 (CO 3 ) 0.167 ・0.5H 2 O
 この複合ハイドロタルサイト粒子のZnの分 値を表2に示す。

 1.50モル/L濃度の硝酸マグネシウムと3.08×10 -3 モル/L濃度の硝酸亜鉛および0.501モル/L濃度の 硝酸アルミニウムとの混合水溶液{A液}と0.30 ル/L濃度の炭酸ナトリウム水溶液{B液}および 3.4N濃度の水酸化ナトリウム水溶液{C液}を調 する。次に、実施例1と同様の方法で反応を い、下記に示す組成の複合ハイドロタルサ ト粒子を得た。洗浄は水洗後、10 -3 モル/Lの酢酸を複合ハイドロタルサイト粒子 量の30倍量用い、洗浄した。
  組成:Mg 0.7485 Zn 0.0015 Al 0.25 (OH) 2 (CO 3 ) 0.125 ・0.5H 2 O
 この複合ハイドロタルサイト粒子のZnの分 結果を表2に示す。

 1.50モル/L濃度の硝酸マグネシウムと1.733×10 -2 モル/L濃度の硝酸亜鉛および0.506モル/L濃度の 硝酸アルミニウムとの混合水溶液{A液}と0.304 ル/L濃度の炭酸ナトリウム水溶液{B液}およ 3.4N濃度の水酸化ナトリウム水溶液{C液}を調 する。次に、実施例1と同様の方法で反応を 行い、得られた反応液を150℃で12時間水熱反 させた。冷却後、ろ過、水洗後0.1モル/L濃 の炭酸ナトリウムの水溶液(0.03モル)で洗浄 、さらに、水洗を行った。次に、10 -4 モル/Lの塩酸を複合ハイドロタルサイト粒子 量の40倍量を用い、洗浄した。110℃で一夜 燥後、粉砕、篩過して下記に示す組成の複 ハイドロタルサイト粒子を得た。
  組成:Mg 0.7414 Zn 0.0086 Al 0.25 (OH) 2 (CO 3 ) 0.125 ・0.5H 2 O
 この複合ハイドロタルサイト粒子の、Znの 析結果を表2に示す。

 1.50モル/L度の硫酸マグネシウムと2.9×10 -3 モル/L濃度の硫酸亜鉛および0.1879モル/L濃度 硫酸アルミニウムとの混合水溶液{A液}と0.23 ル/L濃度の炭酸ナトリウム水溶液{B液}およ 3.4N濃度の水酸化ナトリウム水溶液{C液}を調 する。次に、実施例1と同様の方法で反応を 行い、得られた反応液を濾過、水洗後、0.1モ ル/L濃度の炭酸ナトリウム水溶液で洗浄し更 水洗を行った。次に、10 -4 モル/Lの塩酸を複合ハイドロタルサイト粒子 量の40倍量を用い、洗浄した。40℃で一夜乾 燥後、粉砕、篩過して下記に示す組成の複合 ハイドロタルサイト粒子を得た。
  組成:Mg 0.7985 Zn 0.0015 Al 0.20 (OH) 2 (CO 3 ) 0.0994 (SO 4 ) 0.0006 ・0.75H 2 O
 この複合ハイドロタルサイト粒子の、Znの 析結果を表2に示す。

 1.50モル/L濃度の硫酸マグネシウムと1.627×10 -2 モル/L濃度の硫酸亜鉛および0.1895モル/L濃度 硫酸アルミニウムとの混合水溶液{A液}と0.23 ル/L濃度の炭酸ナトリウム水溶液{B液}およ 3.4N濃度の水酸化ナトリウム水溶液{C液}を調 する。次に、実施例1と同様の方法で反応を 行い、得られた反応液を濾過、水洗後、0.1モ ル/L濃度の炭酸ナトリウム水溶液で洗浄しさ に水洗を行った。その後、10 -4 モル/Lの酢酸を複合ハイドロタルサイト粒子 量の40倍量用い、洗浄した。110℃で一夜乾 後、粉砕、篩過して下記に示す組成の複合 イドロタルサイト粒子を得た。
  組成:Mg 0.7914 Zn 0.0086 Al 0.20 (OH) 2 (CO 3 ) 0.0994 (SO 4 ) 0.0006 ・0.6H 2 O
 この複合ハイドロタルサイト粒子の、Znの 析結果を表2に示す。

 1.50モル/L濃度の塩化マグネシウムと2.03×10 -2 モル/L濃度の硫酸亜鉛および0.507モル/L濃度の 塩化アルミニウムとの混合水溶液{A液}と0.30 ル/L濃度の炭酸ナトリウム水溶液{B液}および 3.4N濃度の水酸化ナトリウム水溶液{C液}を調 する。次に、実施例1と同様の方法で反応を い、下記に示す組成の複合ハイドロタルサ ト粒子を得た。洗浄は水洗後、10 -4 モル/Lの硝酸を複合ハイドロタルサイト粒子 量の40倍量を用い、洗浄した。
  組成:Mg 0.74 Zn 0.01 Al 0.25 (OH) 2 (CO 3 ) 0.125 ・0.5H 2 O
 この複合ハイドロタルサイト粒子の、Znの 析結果を表2に示す。また複合ハイドロタル イト粒子の粉末X線回折法による回折パター ンの特徴的ピークを表1に示す。

 1.20モル/L濃度の塩化マグネシウムと1.13×10 -2 モル/L濃度の硫酸亜鉛および0.404モル/L濃度の 塩化アルミニウムとの混合水溶液{A液}と0.24 ル/L濃度の炭酸ナトリウム水溶液{B液}および 3.4N濃度の水酸化ナトリウム水溶液{C液}を調 する。次に、実施例1と同様の方法で反応を い、得られた反応液を洗浄し、懸濁液(水系 )を120℃で15時間水熱反応させた。冷却後、濾 過、洗浄、110℃で一夜乾燥後、粉砕、篩過し て下記組成の複合ハイドロタルサイト粒子を 得た。洗浄は水洗後、10 -4 モル/Lの酢酸を複合ハイドロタルサイト粒子 量の40倍量を用い、洗浄した。
  組成:Mg 0.743 Zn 0.007 Al 0.25 (OH) 2 (CO 3 ) 0.125 ・0.5H 2 O
 この複合ハイドロタルサイト粒子の、Znの 析結果を表2に示す。

 1.2モル/L濃度の塩化マグネシウムと4.82×10 -3 モル/L濃度の硝酸亜鉛および0.20モル/L濃度の 酸アルミニウムの混合水溶液{A液}290mlと3.4 ル/L濃度の水酸化ナトリウム水溶液273mlと0.24 モル/L濃度の炭酸ナトリウム水溶液290mlとの 合水溶液{B液}を調整する。
 次に、1リットル容器に{B液}を入れ、室温下 攪拌しつつ{A液}を注加する。さらに40分間攪 後、反応液を150℃で8時間水熱反応させた。 冷却後、濾過、水洗し、引き続いて0.078モル/ L濃度の炭酸ナトリウム(0.03モル/L)で洗浄し、 さらに水洗して105℃で一夜乾燥した。粉砕・ 篩過して下記に示す組成式の複合ハイドロタ ルサイト粒子を得た。
  組成式::Mg 0.747 Zn 0.003 Al 0.25 (OH) 2 (CO 3 ) 0.125 ・0.5H 2 O
 この複合ハイドロタルサイト粒子の、Znの 析結果を表2に示す。
 なお、前記複合ハイドロタルサイト粒子中 鉛(Pb)、カドミュウム(Cd)およびクロム(Cr)の 有量を原子吸光法により測定した結果、そ ぞれ0.1ppm以下、0.23ppmおよび0.69ppmであり、 銀(Hg)の含有量を還元気化原子吸光法により 定した結果0.01ppm以下であった。また硫酸イ オン(SO 4 )および塩素イオン(Cl)の含有量を蛍光X線法に より測定した結果、それぞれ0.077wt%および0.00 7wt%であった。

 1.20モル/L濃度の塩化マグネシウムと7.21×10 -3 モル/L濃度の硝酸亜鉛および0.604モル/L濃度の 塩化アルミニウムとの混合水溶液{A液}と0.36 ル/L濃度の炭酸ナトリウム水溶液{B液}および 3.4N濃度の水酸化ナトリウム水溶液{C液}を調 する。次に、実施例1と同様の方法で反応を い、得られた反応液を90℃で8時間加熱反応 せた。冷却後、濾過、洗浄、110℃で一夜乾 後、粉砕、篩過して下記に示す組成の複合 イドロタルサイト粒子を得た。洗浄は水洗 、10 -5 モル/Lの硝酸を複合ハイドロタルサイト粒子 量の50倍量用い、洗浄した。
  組成:Mg 0.662 Zn 0.004 Al 0.333 (OH) 2 (CO 3 ) 0.167 ・0.5H 2 O
 この複合ハイドロタルサイト粒子の、Znの 析結果を表2に示す。

 1.20モル/L濃度の塩化マグネシウムと1.09×10 -2 モル/L濃度の硝酸亜鉛および0.605モル/L濃度の 塩化アルミニウムとの混合水溶液{A液}と0.36 ル/L濃度の炭酸ナトリウム水溶液{B液}および 3.4N濃度の水酸化ナトリウム水溶液{C液}を調 する。次に、実施例1と同様の方法で反応を い、得られた反応液を洗浄し、懸濁液(水系 )を130℃で4時間水熱反応させた。冷却後、濾 、洗浄し110℃で一夜乾燥後、粉砕して下記 示す組成の複合ハイドロタルサイト粒子を た。洗浄は水洗後、10 -5 モル/Lの酢酸を複合ハイドロタルサイト粒子 量の50倍量を用い、洗浄した。
  組成:Mg 0.660 Zn 0.006 Al 0.333 (OH) 2 (CO 3 ) 0.167 ・0.5H 2 O
 この複合ハイドロタルサイト粒子のZnの分 結果を表2に示す。

 1L容器に3.4Nの水酸化ナトリウム水溶液273mL 1.2モル/Lの炭酸ナトリウム水溶液58mLを入れ 室温下攪拌しつつ1.2モル/Lの塩化アルミニウ ム水溶液284mL、0.7モル/Lの硝酸亜鉛水溶液10mL よび1モル/Lの硫酸アルミニウム水溶液58mLと の混合水溶液を注加する。1時間攪拌後、オ トクレーブ装置に移して150℃で12時間水熱反 応させた。冷却後、水熱反応物を濾過、水洗 し、さらに炭酸ナトリウム水溶液400mL(0.03モ )で洗浄後水洗し、110℃で一夜乾燥した。粉 、篩過して下記に示す組成の複合ハイドロ ルサイト粒子を得た。
  組成:Mg 0.735 Zn 0.015 Al 0.25 (OH) 2 (CO 3 ) 0.125 ・0.5H 2 O
 この複合ハイドロタルサイト粒子のZnの分 結果を表2に示す。

 1.5モル/L濃度の塩化マグネシウムと0.23モル/ L濃度の硝酸亜鉛および0.288モル/L濃度の硫酸 ルミニウムとの混合水溶液{A液}と0.346モル/L 濃度の炭酸ナトリウム水溶液{B液}および3.4N 度の水酸化ナトリウム水溶液{C液}を調整す 。次にA液、B液およびC液を定量ポンプを用 て、A液とB液は同一流量比で脱イオン水を入 れた反応層に注加し、C液で反応液のpH値を10~ 10.5の範囲に保持して沈殿物を生成させた。 応温度は40℃、反応槽での反応液の滞留時間 は40分で行った。濾過、洗浄し110℃で一夜乾 、粉砕、篩過して次に示す組成の複合ハイ ロタルサイト粒子を得た。
  組成:Mg 0.65 Zn 0.1 Al 0.25 (OH) 2 (CO 3 ) 0.125 ・0.5H 2 O  
 この複合ハイドロタルサイト粒子のZnの分 値を表2に示す。

 1.4モル/L硫酸マグネシウム水溶液2.82L、1モ /L硫酸アルミニウム水溶液1L、1.0モル/L塩化 鉛水溶液0.1Lを5L容ポリビーカーに投入し、 く攪拌しMg-Al-Zn混液{A液}を調整する。容量10L のステンレス製丸槽に、3.0モル/L水酸化ナト ウム水溶液4Lを入れ、攪拌下にA液を定量ポ プを用いて60分で投入した。得られた反応 濁液を、濾過、洗浄、乾燥後ラボスケール 砕機で粉砕することにより、次に示す組成 複合ハイドロタルサイト粒子を得た。なお 反応温度は、28~32℃で、反応終了時の液pHは1 0.6であった。
  組成:Mg 0.658 Zn 0.017 Al 0.333 (OH) 2 (SO 4 ) 0.175 ・0.398H 2 O
 この複合ハイドロタルサイト粒子のZnの分 値を表2に示す。

 0.2モル/L濃度の塩化マグネシウムと0.6モル/L の硝酸亜鉛および0.2モル/Lの硫酸アルミニウ との混合水溶液{A液}と0.24モル/Lの炭酸ナト ウム水溶液{B液}および3.4Nの水酸化ナトリウ ム水溶液{C液}を調製する。次にA液、B液およ C液を定量ポンプを用いて、A液とB液は同一 量比で脱イオン水を入れた反応槽に注加し C液で反応液のpH値を9.0~9.5の範囲に保持して 沈殿物を生成させた。反応温度は35℃、反応 での反応液の滞留時間は30分で行った。濾 、洗浄し110℃で一夜乾燥後、粉砕・篩過し 次に示す組成の複合ハイドロタルサイト粒 を得た。
  組成:Mg 0.167 Zn 0.5 Al 0.333 (OH) 2 (CO 3 ) 0.167 ・0.5H 2 O
 この複合ハイドロタルサイト粒子のZnの分 値を表2に示す。

(1)水酸化アルミニウム懸濁液の調製
 日本薬局方第十五改正適合乾燥水酸化アル ニウムゲルとして、協和化学工業株式会社 商品名S-100(Al 2 O 3  含有量54%)47gを水道水150mLの水に懸濁し使用 た。
(2)反応方法
 2L容量のビーカーに、水道水500mLと和光純薬 工業株式会社製試薬特級塩化亜鉛(ZnCl 2 )3.8gを投入し攪拌溶解した。続いて、協和化 工業株式会社製形状が短冊状塩基性炭酸マ ネシウム(商品名シタ)140gを投入後、前記(1) 記した水酸化アルミニウムゲル懸濁液を投 し、更に、3.3モル/L水酸化ナトリウム水溶 598mLを加えた。その後、液温を90℃に昇温後 同温度で3時間加熱熟成した。冷却後、得ら れた反応懸濁液をヌッチェで減圧下に洗浄、 脱水後、90℃で20時間乾燥し、ラボスケール ンマーミルで粉砕し下記に示す組成の複合 イドロタルサイト粒子を得た。尚、熟成終 後の反応懸濁液pHは10.73であった。
  組成:Mg 0.732 Zn 0.013 Al 0.25 (OH) 2 (CO 3 ) 0.171 ・0.6H 2 O
 この複合ハイドロタルサイト粒子のZnの分 値を表2に示す。また得られた複合ハイドロ ルサイト粒子を顕微鏡にて観察したところ 粒子形状は長軸の長さが23~62μm、短軸の長 7~12μmである柱状粒子であった。

比較例1
 協和化学工業株式会社製のハイドロタルサ ト粒子(商品名アルカマック)を使用した。 アルカマック”は化学式Mg 6 Al 2 (OH) 16 (CO 3 )・4H 2 Oであらわされるハイドロタルサイト粒子で る。なお、アルカマックの鉛(Pb)、カドミュ ム(Cd)、クロム(Cr)、水銀(Hg)、硫酸イオン(SO 4 )、塩素イオン(Cl)を実施例9と同様の方法で測 定した結果は、それぞれ0.1ppm>、0.20ppm、0.72 ppm、0.01ppm>、0.090wt%、0.010wt%であった。

比較例2
 ハイドロタルサイト粒子と酸化亜鉛粒子と 混合試料の調製;
 150g/Lのハイドロタルサイト粒子スラリー(協 和化学製の商品名;アルカマック)1.5Lに、Zn量 1wt%になるように、日本薬局方酸化亜鉛(ZnO)2 .83gを加え、均一になるように混合し、スプ ードライヤーにて噴霧乾燥し、混合試料を た。均一に分散しているかどうかの確認の め、X線マイクロアナライザー(日本電子株式 会社製 EPMA)で測定し、均一混合物であるこ を確認した。

(薬理試験)
 雄ラット(SPF)を用いて実施例12で得られた複 合ハイドロタルサイト粒子を用い、胃潰瘍に 対する影響を調べた。ハイドロタルサイト粒 子は協和化学工業株式会社製グレード名“ア ルカマック”を使用した。この“アルカマッ ク”は化学式Mg 6 Al 2 (OH) 16 (CO 3 )・4H 2 Oで表わされるハイドロタルサイト粒子であ 。
(試験方法)
試験群構成
 対象群(媒体)                 6匹
 複合ハイドロタルサイト粒子  100mg/Kg    6匹
 ハイドロタルサイト粒子    100mg/Kg    6 匹
 一晩絶食したラットをペントバルビタール トリウム(40mg/Kg、i.p.)麻酔下に開腹し、胃体 部と幽門前庭部の境界の粘膜下組織に漿膜側 より20%酢酸30μLを注入し、酢酸潰瘍を作製す 。潰瘍モデル作製3日後に群分けをして被験 物質を1日1回100mg/kgの薬剤を10日間反復経口投 与する。最終投与の翌日にペントバルビター ルナトリウム(40mg/Kg、i.p.)麻酔下に胃を摘出 て潰瘍の長径×短径(mm)を測定し、その積(mm 2 )を損傷係数とし、6匹の平均値±標準誤差で した。結果は表3に示す。
 この結果は、本発明の複合ハイドロタルサ ト粒子は有効であることを示している。

 (薬理試験)
 雄ラット(SPF)を用いて実施例15で得られた複 合ハイドロタルサイト粒子をそれぞれ用い、 実施例17と同様にして胃潰瘍に対する影響を べた。
 その結果を表4に示す。

 (薬理試験)
 雄ラット(SPF)を用いて実施例9で得られた複 ハイドロタルサイト粒子をそれぞれ用い、 施例17と同様にして胃潰瘍に対する影響を べた。
 その結果を表4に示す。
 この結果は、実施例9および実施例15の複合 イドロサイト粒子は特に有効であることを している。

(薬理試験)
 雄ラット(SPF)を用いて実施例16で得られた複 合ハイドロタルサイト粒子を用い、実施例17 同様にして胃潰瘍に対する影響を調べた。
 その結果を表5に示す。
 この結果は本発明の複合ハイドロタルサイ 粒子は有効であることを示している。

比較例3

(薬理試験)
 雄ラット(SPF)を用いて比較例2で得られた混 試料(ハイドロタルサイト粒子および酸化亜 鉛粒子の混合物:亜鉛(Zn)含有量1wt%)を用いて 施例17と同様にして胃潰瘍に対する影響を調 べた。
 その結果を表6に示す。
 この結果は、比較例2の混合試料は効果がな いことを示している。