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Patent Searching and Data


Title:
THERMAL DECOMPOSITION TUBE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/120699
Kind Code:
A1
Abstract:
A thermal decomposition tube which can suppress pressure loss as much as possible while sustaining heat transfer acceleration effect for fluid in the tube. In a thermal decomposition tube having a plurality of rows of protrusion going around the inner surface of the tube to intersect the tube axis perpendicularly or obliquely where each row of protrusions includes a plurality of protrusions projecting on the inner surface of the tube and the fluid is fed from one tube to the other, following relations are set; S/10πD=0.2-0.7, h/D=0.02-0.05, L/πD=0.04-0.5, assuming the inside diameter of the tube is D, the height of an arbitrary protrusion (A) included in a row α of protrusions is h, the length of circular arc of the protrusion (A) in the direction intersecting the tube axis perpendicularly is L, and the area of a region (R) surrounded by the protrusion (A), virtual lines (L1, L2) extending in parallel with the tube axis from the opposite ends of the protrusion (A) in the circumferential direction, and a row β of protrusions on the downstream side of the row α of protrusions is S.

Inventors:
HASHIMOTO KUNIHIDE (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/056008
Publication Date:
October 09, 2008
Filing Date:
March 28, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KUBOTA KK (JP)
HASHIMOTO KUNIHIDE (JP)
International Classes:
F28F1/40
Domestic Patent References:
WO2004046277A12004-06-03
WO2004046277A12004-06-03
Foreign References:
JPS61289293A1986-12-19
JPH09243283A1997-09-19
Other References:
See also references of EP 2138796A4
Attorney, Agent or Firm:
MARUYAMA, Toshiyuki (Nakamiya 4-chomeAsahi-ku, Osaka-sh, Osaka 03, JP)
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Claims:
管の内面に、管軸に対して直交又は傾斜して一周する複数の突起列を有し、各突起列には、管内面に突設された複数の突起が含まれ、流体を管の一方から他方に向けて流す熱分解管において、
 管の内径をD、
 突起列αに含まれる任意の突起Aの高さをh、
 突起Aの管軸と直交する方向の円弧長さをL、
 突起Aと、突起Aの周方向両端から管軸と平行に延びる仮想線L1及びL2と、突起列αの下流側の突起列βによって囲まれる領域Rの面積をSとしたときに、
 S/10πD=0.2~0.7、
 h/D=0.02~0.05、
 L/πD=0.04~0.5
 であることを特徴とする炭化水素用熱分解管。
突起列α中で突起Aと、突起Aに隣り合う突起A’との端部間の円弧距離の管軸と直交する方向の円弧長さをsとしたときに、
 s/πD≦0.05
である請求項1に記載の炭化水素用熱分解管。
突起列βには、突起列αの突起Aの管軸方向の下流側の仮想線L1及びL2間に、突起Aと対向する1又は複数の突起Bが形成されている請求項1乃至請求項2の何れかに記載の炭化水素用熱分解管。
1又は複数の突起Bは、仮想線L1及びL2で挟まれた区間において、仮想線L1とL2とを結ぶ円弧長さのうち50%以上塞ぐように形成されている請求項3に記載の炭化水素用熱分解管。
突起列αと突起列βは略平行に形成され、領域Rは、略平行四辺形である請求項1乃至請求項4の何れかに記載の炭化水素用熱分解管。
管の内面に形成されたすべての突起に対する前記面積Sの総和σSは、管の総内面積の80%以上である請求項1乃至請求項5の何れかに記載の炭化水素用熱分解管。
突起列αと突起列βは螺旋状に連続して形成される請求項1乃至請求項6の何れかに記載の炭化水素用熱分解管。
突起列αと突起列βは、夫々管軸に直交して形成される請求項1乃至請求項7の何れかに記載の炭化水素用熱分解管。
管の内径Dは、30~200mmである請求項1乃至請求項8の何れかに記載の炭化水素用熱分解管。
Description:
熱分解管

 本発明は、エチレン等製造用の熱分解反 炉に用いられる熱分解管に関するものであ 、より具体的には、管内流体の撹拌作用を める突起が管内面に形成された熱分解管に いて、管内流体に対するすぐれた熱伝達効 を確保しつつ、可及的な圧力損失の低減を ることのできる炭化水素用熱分解管に関す ものである。

 エチレン、プロピレン等のオレフィンは、 化水素(ナフサ、天然ガス、エタン等)の原 流体を外部から加熱された熱分解管に高速 通させ、原料流体を反応温度域まで加熱し 熱分解することにより生成される。
 熱分解反応を効率良く行なうには、高速流 する原料流体を短時間で管路の径方向中心 まで熱分解反応温度域に加熱昇温させ、且 、過加熱をできるだけ回避することが重要 ある。原料流体を過加熱すると、炭化水素 の過度の軽質化(メタン、遊離炭素等の生成 )や分解生成物の重縮合反応等により、目的 品の収率低下が大きくなる。また、コーキ グ(遊離炭素の管内面への沈積)が助長され、 管体の熱伝達係数の低下を招くから、デコー キング作業の実施を頻繁に行なう必要が生ず る。

 そこで、熱分解管の内面に流通流体の撹 要素として突起を設けることが行なわれて り、高速流通する流体は突起の撹拌によっ 熱伝達を促進し、急速に加熱昇温すること 可能となる(例えば、特許文献1参照)。この 果、反応は短時間で完結し、過分解に伴う 質化が回避される。また、熱分解管の熱伝 効率の向上により、熱分解管の加熱温度を くすることが可能となり、熱分解管の耐用 命向上の効果がもたらされる。

 特許文献1では、熱分解管の全長に亘って 、突起の形成されていない領域を管軸方向と 平行に設けることによって、熱伝達効率を維 持したまま、圧力損失を低減している。

再公表特許WO2004-046277号公報

 特許文献1の熱分解管には、さらなる熱伝達 効率の向上と、圧力損失の低減が求められて いる。
 発明者らは、熱分解管の内径に応じて、突 の高さや、突起の長さ、突起が管内流体に して及ぼす面積範囲を調整することで、さ なる熱伝達効率の向上と、圧力損失の低減 達成できることを見出し、本発明に至った

 本発明は、管内流体に対する熱伝達促進効 を維持しつつ、圧力損失を可及的に抑制す ことのできる熱分解管を提供することであ 。
課題を解決するための手段

 上記課題を解決するために本発明の熱分解 は、
 管の内面に、管軸に対して直交又は傾斜し 一周する複数の突起列を有し、各突起列に 、管内面に突設された複数の突起が含まれ 流体を管の一方から他方に向けて流す熱分 管において、
 管の内径をD、
 突起列αに含まれる任意の突起Aの高さをh、
 突起Aの管軸と直交する方向の円弧長さをL
 突起Aと、突起Aの周方向両端から管軸と平 に延びる仮想線L1及びL2と、突起列αの下流 の突起列βによって囲まれる領域Rの面積をS したときに、
 S/10πD=0.2~0.7、
 h/D=0.02~0.05、
 L/πD=0.04~0.5
 とした。

 上記の如く、熱分解管の内面に形成され 突起Aの高さh、管軸と直交する方向の円弧 さL、及び面積Sを、熱分解管の内径Dに基づ て規定することで、すぐれた熱伝達効率を 持しつつ、圧力損失を可及的に抑えること できる。

図1は、本発明の熱分解管の断面斜視図 である。 図2は、図1の線X-Xに沿う部分断面図で る。 図3は、図1の管軸方向に沿う展開図で る。 図4(A)~(C)は、本発明の異なる突起配列 示す展開図である。 図5(D)、(E)は、本発明のさらに異なる突 起配列を示す展開図である。

 熱分解管(10)は、一般的に、複数の直管を 屈曲したベンド管で接続し、蛇行した形状に 構成され、熱分解炉に配備されて、管外部か ら加熱を受ける。

 図1は、本発明の熱分解管(10)(直管)の一実 施例を示す断面斜視図、図2は、図1の線X-Xに う部分断面図、図3は、図1の管軸方向に沿 展開図である。図1及び図3では、紙面左側を 上流側、右側を下流側としている。

 図に示すように、熱分解管(10)には、内面を 一周する複数の突起列α、βが形成されてい 。各突起列α、βには、夫々複数の突起A、B 含まれる。
 なお、本発明において、突起列とは、熱分 管(10)の内面を一周する突起の集合を意味し 、突起列は、長さ、面積等を規定する場合、 各突起の中心を通る線(図1、図3に一点鎖線で 示す突起列α、β)として定義される。
 突起列αと突起列βは、管軸に直交する面に 対して傾斜角θで螺旋状に連続して平行に形 することができる(図1、図3参照)。この場合 、傾斜角θは20度以下、より望ましくは15度以 下となるよう形成されることが望ましい。勿 論、1つの突起列中で傾斜角θを変えたり、突 起列毎に傾斜角θを変えたりすることもでき 。
 また、各突起列は、列が独立した環状であ て管軸に対して直交する、若しくは傾斜角 持つように形成することができる。また、 旋状突起列の場合、突起列は1条に限定され ず、複数条としてもよい。

 突起は、例えば、粉体プラズマ溶接(PTA溶接 )などの肉盛溶接法により、肉盛ビードとし 効率的に形成することができる。突起は、 起列に対して平行又は傾斜して形成するこ ができる。
 突起は、熱分解管(10)と同種の耐熱合金材料 から形成することができ、25Cr-Ni(SCH22)、25Cr-35 Ni(SCH24)、インコロイ(商標名)を例示できる。 の他、熱分解管(10)の使用環境に耐え得る種 々の耐熱合金材料を適宜使用することができ る。

 ここで、図1乃至図3に示すように、熱分解 (10)の内径をD(mm)、突起列αに含まれる任意の 突起Aの高さをh(mm)、突起Aの管軸と直交する 向の円弧長さをL(mm)、突起列αと下流側の突 列βまでの中心間距離をP(mm)、突起Aと、突 Aの周方向両端から管軸と平行に延びる仮想 L1及びL2と、突起列αの下流側の突起列βに って囲まれる領域Rの面積をS(mm 2 )、突起列α中で突起Aに隣り合う突起A’との 部間の円弧距離の管軸と直交する方向の円 長さをs(mm)、突起列αの管軸に直交する面に 対する傾斜角をθと規定する。

<熱分解管の内径D>
 熱分解管(10)の内径Dは、30mm~200mmとすること 望ましい。内径Dの下限は、突起列を形成す るために必要な空間を確保するためであり、 上限は、突起による流体撹拌作用や加熱効率 を考慮して決定することができる。

<突起列α、β間の中心間距離P>
 突起列が螺旋状の場合、突起列α、β間の中 心間距離Pは、熱分解管(10)の内径Dと上記傾斜 角θによって決定され、望ましくは、20~100mm ある。複数条の螺旋状突起列の場合につい も、隣り合う突起列間の中心間距離Pは、20~1 00mmとすることが望ましい。
 複数条の螺旋状の突起列の場合、また突起 が互いに独立した環状であって、突起列を 軸に対して直交、若しくは傾斜角を持つ場 の何れの状態においても、隣り合う突起列 の中心間距離Pは、20~100mmとすることが望ま い。

<領域Rの面積Sについて>
領域Rの面積Sは、S/10πD=0.2~0.7とする。なお、 ましくはS/10πD=0.3~0.6である。
 熱分解管(10)の内面表層では、高温の流体が 滞留し、高温の境膜が形成され、熱分解管(10 )と管内流体との間で熱伝達が十分に行われ い現象が生じる。熱分解管(10)の内面に突起A が形成されている場合、突起Aにより流体は 拌され、前記境膜が破壊されることにより 切に熱伝達が行われると推定される。多数 突起が熱分解管(10)の内面に形成されている 合、各々の突起により流体が撹拌されるこ となるが、発明者らは、個々の突起が流体 撹拌する作用を及ぼす突起下流側の面積を 定の面積に設定することにより、突起によ 流体の撹拌が、その設定された面積全体に んべんなく作用し、これにより熱分解管と 内の流体の熱伝達が、その設定された面積 で温度ムラ無く行われることを見出した。 まり、突起と突起の下流側の突起列で囲ま る面積、即ち、突起Aについては、突起Aと 流側の突起列βとの間に形成される領域R(図1 参照)の面積Sを、管径Dにおける単位管長10mm 管内面積と比較したとき、その値が上記0.2~0 .7の範囲(好ましくは0.3~0.6の範囲)であれば、 記した熱伝達作用が有効に行われることを 出したものである。

 ここで、突起Aの下流側に形成される領域R 、突起Aと、突起Aの周方向両端から管軸と平 行に延びる仮想線L1及びL2と、突起Aの下流側 突起列βとを囲んだ領域となる。領域Rの面 Sは、図1に示すように、突起Aと突起列βが 行である場合には、平行四辺形の面積とな 。突起列αと突起列βが共に管軸に対して直 する場合には、領域Rは長方形となる。
 また、突起列βの傾斜角θと、突起列βの突 Bの傾斜角が異なる場合には、図5(D)、(E)に すように、領域Rは、突起A、突起B及び仮想 L1、L2によって囲まれる範囲となる。

 突起Aが流体に撹拌作用を及ぼす領域Rの 積Sは、単位管長10mmの管内面積10πDに対する の上限を0.7(好ましくは0.6)とすることで、 施例を参照して理解されるとおり、流体の 伝達特性の向上と、圧力損失の低減を達成 きる。また、比の下限を0.2(好ましくは0.3)と したのは、この比を0.2(好ましくは0.3)よりも さくするためには、突起Aの長さ及び/又は 起列βとの中心間距離Pを小さくせざるを得 、結果的に、熱分解管(10)の内面に必要以上 数の突起が形成されることとなり、これら 起により熱分解管(10)の内面表層に適切でな い乱流が生じて圧力損失が増大し、所期の流 体撹拌効果を得ることができないからである 。

 なお、熱分解管(10)の内面に形成されるす べての突起に対する面積Sの総和σSは、熱分 管(10)の内面面積の80%以上とすることが望ま い。これにより、熱分解管(10)のほぼ全長に 亘って、上記の如く、熱伝達特性の向上と、 圧力損失の低下を達成できる。

<突起Aの高さhについて>
 突起Aの高さhは、h/D=0.02~0.05とする。
 突起Aの高さhは、流体の撹拌作用に大きな 響を与える。
 突起Aの高さhが大きくなると、突起Aが抵抗 なって、圧力損失が大きくなり、熱分解管( 10)としての圧力損失の低減が困難となる。従 って、熱分解管(10)の内径Dに対する突起Aの高 さhの比は、上限を0.05とする。
 突起Aの高さhが小さくなると、突起Aによる 体の撹拌作用が著しく低下するため、熱分 管(10)の内径Dに対する突起Aの高さhの比は、 下限を0.02とする。

<突起Aの管軸と直交する方向の円弧長さLに ついて>
 突起Aの管軸と直交する方向の円弧長さLは L/πD=0.04~0.5とする。尚、好ましくはLは、L/πD =0.04~0.2である。
 突起Aの管軸と直交する方向の円弧長さLは 突起列に含まれる突起数、つまり、突起端 間の円弧距離の管軸と直交する方向の円弧 さsの数に関連し、圧力損失に大きな影響を える。
 突起Aの管軸と直交する方向の円弧長さLが きくなると、流体が通過する突起端部間の が少なくなり、圧力損失が増大する。従っ 、熱分解管(10)の周長πDに対する突起Aの管軸 と直交する方向の円弧長さLの比は、上限を0. 5(好ましくは0.2)とする。
 突起Aの管軸と直交する方向の円弧長さLが さくなると、突起が与える影響面積Sが小さ なりすぎて構成できなくなるため、適切な 拌乱流が得られなくなる。従って、熱分解 (10)の周長πDに対する突起Aの管軸と直交す 方向の円弧長さLの比は、下限を0.04とする。

<突起Aと突起A’との端部間の円弧距離の管 軸と直交する方向の円弧長さsについて>
 突起列α中で、突起Aと、突起Aに隣り合う突 起A’との端部間の円弧距離の管軸と直交す 方向の円弧長さs、即ち、突起Aと突起A’と 間隔は、s/πD≦0.05とすることが望ましい。
 突起どうしの端部間の円弧距離の管軸と直 する方向の円弧長さsは、流体が通過できる 範囲に影響し圧力損失に影響を与える。従っ て、端部間の円弧距離の管軸と直交する方向 の円弧長さsの熱分解管(10)の周長πDに対する は、0.05以下とすることが望ましい。

 なお、突起Aの管軸と直交する方向の円弧 長さLと、上記端部間の円弧距離の管軸と直 する方向の円弧長さsを規定することで、突 列α中に存する突起数が決定され、突起数 、突起列当り2~25個となる。

<突起列βについて>
 突起Aの下流側に位置する突起列βについて 突起Aの管軸方向下流側の仮想線L1とL2に挟 れる区間には、突起Aと対向するよう1又は複 数の突起Bが形成されていることが望ましい 前記区間に突起列βの突起Bが形成されてい ければ、突起Aによる流体の撹拌作用が及ぼ 影響範囲に上限があるため、管内面の撹拌 用の維持が困難となり、効率的な熱伝達効 を維持することができないためである。突 列βは、上記区間の円弧長さのうち、50%以 を塞ぐように形成されることがさらに望ま い。

 上記の如く突起列α及びβ、突起A及びB等に いて規定することによって、以下の実施例 示されるように、管内流体に対し、すぐれ 熱伝達効率を確保しつつ、可及的な圧力損 の低減を図ることができる。
 これにより、原料流体を管路の径方向中心 まで熱分解反応温度域に速やかに加熱昇温 つつ、過加熱を回避でき、目的製品の収率 上を達成できる。また、コーキングも抑制 れるからデコーキング作業を削減でき、操 日数の増加による収量増大を達成できる。

<他の突起配列>
 図4(A)~(C)及び図5(D)、(E)は、突起A、Bの異な 配列例を示している。図では、突起列α、β 、列が独立した環状であって管軸に対して 交するように配置しているが、突起列を図3 に示すように、管軸に対して傾斜して設けて もよい。
 図4(A)は、突起Aと下流側の突起Bを平行に形 すると共に、突起Aの仮想線L1、L2間を突起B 全て塞いでいる突起配列を示している。
 図4(B)及び(C)は、突起Aの仮想線L1、L2間の50% 上(100%未満)を突起Bが塞いでいる突起配列で あり、図4(B)は、仮想線L1又はL2と突起列βの 起端部間が交差しており、図4(C)は、仮想線L 1とL2の間に突起列βの突起端部間が全長にわ り含まれている配列を示している。
 図5(D)は、突起列α、βに対して、突起A、Bが 同方向に傾斜した状態の配列例、図5(E)は、 起列α、βに対して、突起A、Bが逆方向に傾 した状態の配列例である。図5(D)の場合、領 Rの面積Sは、図に示すように平行四辺形形 となり、図5(E)の場合、領域Rの面積Sは、台 形状となる。

 図4、図5の何れの場合も、突起列α、突起 列β、突起A、突起B等について、上記規定を 足することで、管内流体に対し、すぐれた 伝達効率を確保しつつ、可及的な圧力損失 低減を図ることができる。

 供試管として、発明例1~発明例6及び比較例1 ~比較例18を作製し、夫々の供試管に対して、 熱伝達特性と圧力損失を測定した。各供試管 の作製条件を表1に示している。なお、表1中 長さの単位はmm、面積はmm 2 、突起数の単位は個である。

 実験条件は次の通りである。
・試験流体:空気
・流体温度:熱伝達特性測定 250~350℃の加熱 気
     圧力損失測定  室温
・レイノルズ数:熱伝達特性測定25,000~120,000
     圧力損失測定 40,000~120,000
・圧力損失の測定区間:1000mm~1500mm

 熱伝達特性測定は、熱風発生器を用いて3 00℃付近にまで加熱した空気を熱分解管に送 し、流体の温度変化と管壁の温度変化を測 して、平均ヌッセルト数を算出した。流体 度は、アネモマスターにより測定した。

 圧力損失測定は、ブロワーを用いて常温 気を熱分解管に送流し、デジタルマノメー ーを用いて差圧を測定することで行なった 流体温度及び流速は、アネモマスターによ 測定した。

 表1に測定結果を示している。表1における 、×の評価方法は、従来品である突起が周方 向に途切れることなく連続して形成された熱 分解管の特性値を基準とし、この値と対比し て、所定比以上の向上が見られるときに○を 、見られないときを×とした。
 表1を参照すると、発明例1~6は、熱伝達特性 にすぐれ、圧力損失が低減されていることが わかる。
 一方、比較例1~比較例18は、熱伝達特性、圧 力損失の何れか又は両方が劣っていることが わかる。

 比較例が本発明に比して劣るのは、突起の 成条件、突起列の形成条件について、面積S /単位管長10mmの管内面積10πD、突起高さh/内径 D、突起の管軸と直交する方向の円弧長さL/周 長πD、端部間距離の管軸と直交する方向の円 弧長さs/周長πDの何れかが本発明に規定した 囲を満たさないためである。
 熱伝達特性が劣ることで、収率の低下の他 コーキングが発生する問題が生ずる。
 また、圧力損失が大きくなることで、収率 低下を招くこととなる。

 本発明は、管内流体に対する熱伝達促進 果を維持しつつ、圧力損失を可及的に抑制 ることのできる熱分解管として有用である