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Patent Searching and Data


Title:
THERMOELECTRIC CONVERSION ELEMENT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/151000
Kind Code:
A1
Abstract:
In a thermoelectric conversion element, it is possible to improve the thermoelectric conversion efficiency by increasing the performance index of the spin-Seebeck effect element. An inverse spin hall effect member is arranged at least one end of a heat spin wave spin flow generation member formed from a magnetic dielectric material.  A temperature gradient is arranged in the heat spin wave spin flow generation member, to which a magnetic field is applied by a magnetic field application means, so as to convert the heat spin wave spin flow into voltage in the inverse spin hall effect member for output.

Inventors:
UCHIDA Kenichi (Keio University14-, Hiyoshi 3-chome Kohoku-ku Yokohama-shi Kanagawa 22, 〒2238522, JP)
内田 健一 (〒22 神奈川県横浜市港北区日吉3丁目14番1号 慶應義塾大学理工学部内 Kanagawa, 〒2238522, JP)
KAJIWARA Yosuke (Keio University14-, Hiyoshi 3-chome Kohoku-ku Yokohama-shi Kanagawa 22, 〒2238522, JP)
梶原 瑛祐 (〒22 神奈川県横浜市港北区日吉3丁目14番1号 慶應義塾大学理工学部内 Kanagawa, 〒2238522, JP)
Application Number:
JP2009/060317
Publication Date:
December 17, 2009
Filing Date:
June 05, 2009
Export Citation:
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Assignee:
KEIO UNIVERSITY (15-45, Mita 2-chome Minato-k, Tokyo 45, 〒1088345, JP)
学校法人 慶應義塾 (〒45 東京都港区三田二丁目15番45号 Tokyo, 〒1088345, JP)
UCHIDA Kenichi (Keio University14-, Hiyoshi 3-chome Kohoku-ku Yokohama-shi Kanagawa 22, 〒2238522, JP)
内田 健一 (〒22 神奈川県横浜市港北区日吉3丁目14番1号 慶應義塾大学理工学部内 Kanagawa, 〒2238522, JP)
KAJIWARA Yosuke (Keio University14-, Hiyoshi 3-chome Kohoku-ku Yokohama-shi Kanagawa 22, 〒2238522, JP)
International Classes:
H01L35/32; C01G49/00; H01L29/82; H01L35/20; H01L35/34; H01L37/00
Attorney, Agent or Firm:
MANABE Kiyoshi et al. (Shinwa Bldg, 9-11Toranomon 2-chom, Minato-ku Tokyo 01, 〒1050001, JP)
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Claims:
磁性誘電体からなる熱スピン波スピン流発生部材の少なくとも一端側に逆スピンホール効果部材を設け、前記熱スピン波スピン流発生部材に温度勾配を設けるとともに磁場印加手段により磁場を印加して前記逆スピンホール効果部材において熱スピン波スピン流を電圧に変換して取り出す熱電変換素子。
前記磁性誘電体が、フェリ磁性誘電体、強磁性誘電体或いは反強磁性誘電体のいずれかからなる請求項1記載の熱電変換素子。
前記磁性誘電体がフェリ磁性誘電体或いは強磁性誘電体からなるとともに、前記磁場印加手段が前記磁性誘電体に接してその磁化方向を固定する反強磁性層である請求項1または2に記載の熱電変換素子。
前記磁性誘電体が、Y 3  Fe 5-x  Ga x  O 12 (但し、x<5)からなる請求項1乃至3のいずれか1項に記載の熱電変換素子。
前記逆スピンホール効果部材が、Pt、Au、Pd、Ag、Bi、或いは、f軌道を有する元素のいずれかからなる請求項1乃至4のいずれか1項に記載の熱電変換素子。
前記磁性誘電体の膜厚が5nm以上であるとともに、前記逆スピンホール効果部材の膜厚が5nm~20nmである請求項5に記載の熱電変換素子。
前記逆スピンホール効果部材を、前記熱スピン波スピン流発生部材の長手方向に沿った異なった位置に複数箇所設けた請求項1乃至6のいずれか1項に記載の熱電変換素子。
磁性誘電体からなる熱スピン波スピン流発生部材の少なくとも一端側に逆スピンホール効果部材を設け、前記熱スピン波スピン流発生部材に温度勾配を設けるとともに磁場印加手段により磁場を印加して前記逆スピンホール効果部材において熱スピン波スピン流を電圧に変換して取り出す複数の熱電変換要素を、前記逆スピンホール効果部材の延在方向の長さの順にフレキシブル基板上に固着するとともに、互いに隣接する前記逆スピンホール効果部材を順次直列接続し、前記フレキシブル基板を巻回した熱電変換素子。
Description:
熱電変換素子

 本発明は、熱電変換素子に関するもので り、特に、スピン流を熱によって発生させ 部材に特徴のある熱電変換素子に関するも である。

 近年、地球温暖化対策としてクリーンエ ルギーの必要性が叫ばれており、このよう クリーンエネルギー源として熱電効果の応 が期待されている。その一例として、火力 電所や工場或いは自動車の廃熱・排熱をゼ ベック効果素子を利用して電力に変換する とが提案されている(例えば、特許文献1参 )。

 しかし、現在のゼーベック効果素子の効 は十分ではなく、クリーンエネルギー源と ての実用化に際してはさらなる熱電変換効 の高効率化が必要である。

 現在のゼーベック係数が互いに異なる2種類 の金属による異種金属接合を用いたゼーベッ ク効果素子の熱電変換効率の指標となる性能 指数Zは、ゼーベック係数をS、電気伝導度を 、熱伝導率をκとすると、
Z=S 2  ×(σ/κ) ・・・(1)
と表される。また、起電力Vの発生方向は温 勾配▽Tと平行方向になる。

 この場合、ゼーベック係数S、電気伝導度 σ及び熱伝導率κは全て物質固有の値である で、性能指数Zも物質固有の値となり、高効 の熱電発電を実現するためには性能指数Zの 高い熱電変換素子が必要になる。そして、性 能指数Zを高めるためには新規な物質の開発 必要であった。

 一方、現在の半導体装置等のエレクトロ クス分野において利用されている電子の電 の自由度に代わるものとして、電子が電荷 外に有するスピンという自由度、即ち、ス ン角運動量の自由度を利用したスピントロ クスが次世代のエレクトロニクス技術の担 手として注目を集めている。

 このスピントロニクスでは電子の電荷と ピンの自由度を同時に利用することによっ 、従来にない機能や特性を得ることを目指 ているが、スピントロニクス機能の多くは ピン流によって駆動される。

 スピン流はスピン角運動量の散逸が少な ため、効率の良いエネルギー伝達に利用で る可能性が期待されており、スピン流の生 方法や検出方法の確立が急務になっている

 なお、スピン流の生成方法としては、ス ンポンピングによるスピン流が提案されて り(例えば、非特許文献1参照)、スピン流の 出方法についても、本発明者等により逆ス ンホール効果によるスピン流の検出方法が 案されている。

 この場合、試料中に純スピン流を注入す と、純スピン流の方向と垂直方向に電流が れることを見いだしており、この逆スピン ール効果を利用することによって、試料端 電位差が発生するので、この電位差を検出 ることによって、純スピン流の流れの有無 検出が可能になる(例えば、非特許文献2参 )。

特開2007-165463号公報

Phys.Rev.,B19,p.4382,1979 Applied Physics Letters Vol.88,p.182509,2006

 しかし、上述のゼーベック効果を利用し 熱電変換においては、式(1)からわかるよう 、電気伝導度σが高い物質を用いると性能 数Zが大きくなる。しかし、金属の場合には 電気伝導度σが高い物質は熱伝導率κも高い ため、電気伝導度σ向上による性能指数Z向上 の効果は熱伝導率κにより相殺されてしまう いう問題がある。

 一方、本発明者は、NiFe等の磁性体とPt等 スピン軌道相互作用の大きな金属との接合 利用したスピン-ゼーベック効果素子を提案 している(必要ならば、特願2007-302470参照)。 のスピン-ゼーベック効果素子においてはNiFe 等の磁性体において温度勾配により発生した 熱スピン流をPtとの界面でスピン交換を行い 交換により発生した純スピン流により純ス ン流の方向と垂直方向に流れる電流を磁性 の両端において電圧として出力するもので る。

 これは、磁性体、特に、強磁性体の場合 は、外部磁場を印加した状態で温度勾配を えると、アップスピン流とダウンスピン流 差ができて熱的にスピン流が発生すること 見いだした結果を利用したものである。

 この場合の性能指数Z も、スピン-ゼーベッ ク効果素子のゼーベック係数をS s  、スピン伝導度をσ s  、熱伝導率をκ とすると、
Z=S s   2  ×(σ s  /κ ) ・・・(2)
と表される。

 但し、この場合には、起電力Vの発生方向は 、逆スピンホール効果を利用しているので温 度勾配▽Tと垂直方向になる。スピン-ゼーベ ク効果素子のゼーベック係数S s  は温度勾配▽Tに垂直な方向の長さに比例す るので、従来のゼーベック効果素子に比べて 、試料サイズにより性能指数Zを変調するこ ができるという特徴がある。即ち、試料の イズを温度勾配▽Tに垂直な方向の長さが長 なるように構成することによって、長さに 例した起電力Vを得ることができる。

 この場合、スピン流は物理的な保存量で ないため、このような熱スピン流変換を利 することによって、温度勾配を与えるだけ スピン流を連続して取り出すことができ、 たがって、熱起電力も連続して取り出すこ ができる。しかし、このスピン-ゼーベック 効果素子においては、熱スピン流発生部材に 熱伝導率κの大きい金属を用いており、した って、起電力Vを増大させるために試料のサ イズを大きくすると均一な温度勾配▽Tを設 ることが困難になってしまう。よって、現 では、全金属系スピン-ゼーベック効果素子 用いて工業的に利用可能な熱電変換素子を 現することは困難である。

 したがって、本発明は、スピン-ゼーベッ ク効果素子の性能指数を高めて熱電変換効率 を高めることを目的とする。

 上記課題を解決するために、本発明は、 電変換素子であって、磁性誘電体からなる スピン波スピン流発生部材の少なくとも一 側に逆スピンホール効果部材を設け、前記 スピン波スピン流発生部材に温度勾配を設 るとともに磁場印加手段により磁場を印加 て前記逆スピンホール効果部材において熱 ピン波スピン流を電圧に変換して取り出す

 このように、熱スピン流発生部材として 伝導電子の存在しない磁性誘電体を用いる とによって、熱伝導率κを従来の金属材料 比べて最大5桁程度小さくすることができ、 料サイズを大きくしても均一な温度勾配▽T を設けることが容易になるため、性能指数の 大幅な向上が期待できる。この場合、熱スピ ン流は熱スピン波スピン流として温度勾配方 向に発生する。

 また、磁性誘電体としては、フェリ磁性 電体、強磁性誘電体でも或いは反強磁性誘 体でも良い。磁性誘電体をフェリ磁性誘電 或いは強磁性誘電体とする場合には、磁場 加手段として磁性誘電体に接してその磁化 向を固定する反強磁性層を設けても良い。

 また、磁性誘電体としては、FeやCoを含むも のであれば何でも良いが、実用的には、入手 が容易で且つスピン角運動量の散逸の小さい YIG(イットリウム鉄ガーネット)やイットリウ ガリウム鉄ガーネット、即ち、一般式で表 するとY 3  Fe 5-x  Ga x  O 12 (但し、x<5)を用いることが望ましい。これ 、Y 3  Fe 5-x  Ga x  O 12 はバンドギャップが大きいので伝導電子が非 常に少なく、したがって、伝導電子によるス ピン角運動量の散逸が小さいためである。
 なお、反強磁性誘電体は、典型的には酸化 ッケルやFeOが挙げられるが、磁性誘電体の 半は反強磁性誘電体である。
また、磁性誘電体層の厚さとしては、強磁性 体或いはフェリ磁性体としての特性を発現す るための厚さであれば良く、そのためには、 5nm以上の厚さにすれば良い。

 また、逆スピンホール効果部材としては、P t、Au、Pd、Ag、Bi、或いは、f軌道を有する元 のいずれかを用いることが望ましい。これ の元素はスピン軌道相互作用が大きいので 磁性誘電体との界面において、熱スピン波 ピン流と純スピン流の交換を高効率で行う とができる。
 なお、逆スピンホール効果部材の膜厚は任 であるが、厚くしすぎるとバックフロー電 により効率が悪くなるので、20nm以下にする ことが望ましい。一方、あまり薄すぎると高 抵抗になり、逆スピンホール効果部材におけ るジュール熱の発生量が増大するので、5nm以 上の厚さにすることが望ましい。

 また、逆スピンホール効果部材を、熱ス ン波スピン流発生部材の長手方向に沿った なった位置に複数箇所設けても良く、可変 圧電池として使用することができる。また 熱電変換素子を直列接続して巻回すること よって、コンパクトな構成で大電力を出力 ることが可能になる。

 本発明は、試料のサイズで性能指数を増幅 きるスピン-ゼーベック効果素子の特性を有 し、さらに熱伝導率κの小さな磁性誘電体を いることで均一な温度勾配▽Tの実現を容易 にすることによって、性能指数Z s を大幅に高めることができ、それによって、 高効率の熱電変換素子の実現が可能になる。

スピン波スピン流の模式的説明図であ 。 YIG(Y3 Fe5 O12)の結晶構造図である。 本発明の実施の形態に用いる試料の製 工程の説明図である。 起電力の温度勾配依存性の説明図であ 。 起電力の位置依存性の説明図である。 本発明の実施例1の熱電変換素子の概略 的斜視図である。 本発明の実施例1の熱電変換素子の使用 状態の説明図である。 本発明の実施例2の熱電変換素子の概略 的斜視図である。 本発明の実施例2の熱電変換素子の使用 状態の説明図である。 本発明の実施例3の熱電変換素子の概 的斜視図である。 本発明の実施例4の熱電変換素子の概 的構成説明図である。

 ここで、図1乃至図5を参照して、本発明 実施の形態を説明する。本発明は、磁性誘 体からなる熱スピン波スピン流発生部材の なくとも一端側に、Pt、Au、Pd、Ag、Bi、或い 、f軌道を有する元素等のスピン軌道相互作 用が大きな元素からなる金属電極、即ち、逆 スピンホール効果部材を設けて、熱スピン波 スピン流発生部材に温度勾配を与えるととも に、温度勾配方向に磁場を印加することによ って、逆スピンホール効果部材の両端から熱 起電力Vを取り出すものである。

 この熱スピン波スピン流-純スピン流交換 においては、磁性誘電体中において温度勾配 により発生した熱スピン波スピン流が金属電 極中のスピンと交換されて金属電極中にスピ ン流が生起され、このスピン流により電流が 生じ、この電流により金属電極の両端に熱起 電力Vが発生する。

 なお、スピン波スピン流とは、図1に模式 的に示すように、スピンが平衡位置の周りで 歳差運動し、その位相の変化が波としてスピ ン系を伝わっていくものであり、熱スピン波 スピン流とは位相変化が熱により生起された ものである。

 また、磁性誘電体層は、フェリ磁性誘電体 強磁性誘電体或いは反強磁性誘電体のいず でも良い。磁性誘電体としては、FeやCoを含 むものであれば何でも良いが、実用的には、 入手が容易で且つスピン角運動量の散逸の小 さいYIG(イットリウム鉄ガーネット)やイット ウムガリウム鉄ガーネット、即ち、一般式 表記するとY 3  Fe 5-x  Ga x  O 12 (但し、x<5)を用いる。

 図2は、YIG(Y 3  Fe 5  O 12 )の結晶構造図であり、結晶構造としては立 晶であり、磁気構造としてはフェリ磁性で る。また、YIGにおける磁気イオンはFe 3+ のみであり、単位格子当たりFe↑(アップスピ ン)は24個、Fe↓(ダウンスピン)は16個存在する 。したがって、YIGは単位格子値Fe8個分の磁気 モーメントを持つことになる。なお、他のFe オンは反強磁性的に結合している。

 なお、Y 3  Fe 5-x  Ga x  O 12 の場合には、Y 3  Fe 5  O 12 におけるFe原子の占めるサイトをGa原子でラ ダムに置換した構造となり、Ga組成比xに応 て磁気モーメントを持つFe原子の数は減少す る。

 また、反強磁性誘電体を用いる場合には 典型的には酸化ニッケルやFeOが挙げられる 、磁性誘電体の大半は反強磁性誘電体であ 。また、磁性誘電体層を強磁性誘電体で構 する場合には、磁性誘電体層の磁化方向を 定するために反強磁性層を設けることが望 しい。

 また、磁性誘電体層の成膜方法としては スパッタ法、MOD法(Metal-organic decomposition Met hod:有機金属塗布熱分解法)、或いは、ゾル-ゲ ル法のいずれを用いても良い。また、磁性誘 電体層の結晶性としては単結晶でも良いし或 いは多結晶でも良い。

 ここで、まず、磁性誘電体から金属電極へ 逆スピンホール効果による熱スピン波スピ 流-純スピン流交換を説明する。図3は、本 明の実施の形態に用いる試料の製造工程の 明図であり、ここでは、MOD法により磁性誘 体としてY 3  Fe 4  GaO 12 を成膜した試料として説明する。

 まず、図3(a)に示すように、{100}面を主面と るGGG(Gd 3  Ga 5  O 12 )単結晶基板11上にY 3  Fe 4  GaO 12 組成のMOD溶液12をスピンコート法で塗布する この場合のスピンコート条件としては、ま 、500rpmで5秒間回転させたのち、3000~4000rpmで 30秒間回転させてMOD溶液12を焼成後の膜厚が10 0nmになるように均一に塗布する。なお、MOD溶 液12としては(株)高純度化学研究所製のMOD溶 を用いた。

 次いで、図3(b)に示すように、例えば、150℃ に加熱したホットプレート上で5分間乾燥さ て、MOD溶液12に含まれる余分な有機溶媒を蒸 発させる。
次いで、図3(c)に示すように、電気炉中にお て、例えば、550℃で5分間加熱する仮焼成に って酸化物層13とする。

 次いで、図3(d)に示すように、電気炉中にお いて、750℃で1~2時間加熱する本焼成において 酸化物層13の結晶化を進めてYIG層14とする。 お、この場合のYIG層14の組成はY 3  Fe 4  GaO 12 であり、多結晶膜となる。

 次いで、図3(e)に示すように、YIG層14を所 のサイズ、例えば、4mm×10mmに切り出したの 、マスクスパッタ法を用いてYIG層14上に、 さが、例えば、10nmで、幅が0.1mmのPt電極15を 定間隔で複数箇所に設ける。この場合には 8本のPt電極15を0.6mmの間隔で設けている。

 ここで、YIG層14の長手方向に100〔Oe〕の外 部磁場Hを印加した状態で、熱起電力Vの温度 配▽T依存性を検証した。図4は起電力の温 勾配依存性の説明図であり、図4(a)は試料系 概念的構成図であり、図4(b)は起電力の温度 勾配依存性の説明図であり、図4(c)は各温度 配における起電力の極性の磁場方向依存性 説明図である。

 図4(b)に示すように、温度差δTを0~30Kまで 化させた場合、熱起電力Vは温度勾配▽T、 ち、両端の温度差δTにほぼ比例して得られ 例えば、温度差δTが30Kの場合に約2.5μVの電 差が検出された。この結果から磁性誘電体 あるYIG膜14中に温度勾配▽Tにより熱スピン スピン流が生起していることが推測される

 この熱スピン波スピン流はYIG膜14/Pt電極15 界面においてスピン交換され、発生した純ス ピン流がPt電極15内において電流を生起してPt 電極15の両端から熱起電力Vとして出力される 。

 この時発生する電位差Vの向きは、印加し た固定磁場Hの方向によって逆向きになるの 、ある固定磁場Hにおける電位差Vと方向を反 転させた固定磁場Hにおける電位差Vを測定す ことによって、熱スピン波スピン流の存在 検証することができる。なお、磁場を反転 せても電位差Vの向きが反転しない場合には 、熱スピン波スピン流ではなく、ノイズとい うことになる。そこで、図4(b)で得られた結 がノイズではなく熱スピン波スピン流であ ことを証明するために、起電力の極性の磁 方向依存性を検証した。

 図4(c)は、温度差δTを0~30Kまで変化させた 合の起電力の極性の磁場方向依存性の説明 であり、磁場Hを反転させることによって、 起電力Vの極性も反転している。この結果か 、得られた起電力Vはノイズではなく、熱ス ン波スピン流による熱起電力であることが 証された。なお、この場合、印加磁場Hとし ては、各温度差において-150〔Oe〕から+150〔Oe 〕まで変化させた場合の出力と+150〔Oe〕から -150〔Oe〕まで変化させた場合の出力を重ねて 表示して、矢印で変化の方向性を示している 。

 なお、出力電極としてCu電極等を設けた 合には、明白な電位差は検出されないが、 れは、Cuはスピン軌道相互作用が小さいため 、逆スピンホール効果の原理によりスピン流 の発生を検出できなかっただけであり、熱ス ピン波スピン流が発生しなかったことを意味 しない。

 また、図4(b)に示した熱起電力Vは温度勾配 T依存性を逆の観点から見ると、Pt電極15の電 位差VによりYIG膜14の両端の温度差δTKを知る とができる。例えば、熱浴で一定温度T 0  Kになっている他端に対して温度差がδTKの 端側の温度は(T 0  +δT)Kということになり、所定の部位の温度 測定するための熱電変換素子、即ち、熱電 として使用することができる。

 次に、熱起電力Vの位置依存性を検証する 。図5は起電力の位置依存性の説明図であり 図5(a)は試料系の概念的構成図と、各位置に ける起電力の極性の磁場方向依存性の説明 である。このとき、試料両端につけた温度 は20Kで固定した。なお、この場合、印加磁 Hとしては、各温度差において-150〔Oe〕から +150〔Oe〕まで変化させた場合の出力と+150〔Oe 〕から-150〔Oe〕まで変化させた場合の出力を 重ねて表示して、矢印で変化の方向性を示し ている。図5(b)は起電力の位置依存性の説明 であり、外部磁場を100〔Oe〕、試料両端につ けた温度差を20Kで固定した場合において生じ た起電力Vを、Pt電極15を接合した位置に対す 関数としてプロットしたものである。

 図5(a)、(b)から、Pt電極15に生じる逆スピ ホール起電力は、Pt電極15を温度勾配下のYIG 14の高温側に接合した場合と低温側に接合 た場合とで、符合が異なっていることがわ る。また、この結果はPt電極15を接合する位 を変化させることによって起電力の大きさ 変調できるということを示している。

 ここで、図6を参照して、本発明の実施例1 熱電変換素子を説明する。図6は本発明の実 例1の熱電変換素子の概略的斜視図であり、 GGG単結晶基板21上にスパッタ法を用いて厚さ 、例えば、100nmのY 3  Fe 4  GaO 12 組成のYIG層22を形成し、その上に厚さが、例 ば、10nmで、幅が、0.6mmのPt膜をマスクスパ タ法で堆積してPt電極23を形成することによ て、本発明の実施例1の熱電変換素子が完成 する。

 図7は、本発明の実施例1の熱電変換素子 使用状態の説明図であり、図に示すように Pt電極23の長手方向に直交する方向に外部磁 Hを印加するとともに、YIG層22のPt電極23を設 けなかった側の端部を熱源24に当接させ、或 は、熱源24中に挿入することによって、YIG 22中に外部磁場Hに沿った温度勾配▽Tを形成 る。この温度勾配▽TによりPt電極23の両端 起電力Vが発生する。

 この場合のYIG層22の熱伝導率κは7W・m -1 ・K -1 であり、例えば、NiFeの90W・m -1 ・K -1 に比べて1桁以上小さいので、スピン-ゼーベ ク効果素子としての性能指数Zを飛躍的に大 きくすることができる。また、YIGより熱伝導 率の低い磁性誘電体を用いれば性能指数Z S  をさらに高めることができる。なお、この 電変換素子を熱電対として用いる場合には 測定精度を高めるためにPt電極23を設けた低 温側を恒温媒体に当接させて測定することが 望ましい。

 次に、図8を参照して、本発明の実施例2の 電変換素子を説明する。図8は本発明の実施 2の熱電変換素子の概略的斜視図であり、GGG 単結晶基板21上にスパッタ法を用いて厚さが 例えば、100nmのY 3  Fe 4  GaO 12 組成のYIG層22を形成し、その上に厚さが、例 ば、10nmで、幅が0.1mmのPt膜をマスクスパッ 法で0.6mmの間隔で堆積して多数段、例えば、 ここでは5段のPt電極23を形成することによっ 、本発明の実施例2の熱電変換素子が完成す る。なお、図は概念的構成図であるのでPt電 23の幅と間隔の関係等の実際の関係を反映 ていない。

 図9は、本発明の実施例2の熱電変換素子 使用状態の説明図であり、図に示すように Pt電極23の長手方向に直交する方向に外部磁 Hを印加するとともに、YIG層22の一端を熱源2 4に当接させ、或いは、熱源24中に挿入するこ とによって、YIG層22中に外部磁場Hに沿った温 度勾配▽Tを形成する。この温度勾配▽Tによ Pt電極23の両端に、温度勾配▽Tに比例した 電力Vが発生する。

 図5(b)の結果が示すように、温度勾配▽T 比例した起電力Vは熱源24からの距離に依存 てその符号、大きさが変化するので、Pt電極 23の位置を任意に選択することによって、可 電圧電池として用いることができる。

 次に、図10を参照して、本発明の実施例3の 電変換素子を説明する。図10は本発明の実 例3の熱電変換素子の概略的斜視図であり、G GG単結晶基板31上にスパッタ法を用いて厚さ 、例えば、50nmのInMn反強磁性層32を堆積させ 。次いで、厚さが、例えば、100nmのY 3  Fe 4  GaO 12 組成のYIG層33を形成する。ついで、その上に さが、例えば、10nmで、幅が0.1mmのPt膜をマ クスパッタ法で堆積してPt電極34を形成する とによって、本発明の実施例3の熱電変換素 子が完成する。なお、InMn反強磁性層32の堆積 に際して、後に設けるPt電極34の長手方向と 交する方向に磁場を印加しておく。

 この場合、YIG層33を構成する多結晶の各 レインの磁化方向はInMn反強磁性層32により 定されて方向が揃うので、外部磁界により 化方向を揃えることなく固定磁化方向に沿 て熱スピン波スピン流を発生させることが きる。

 この本発明の実施例3において発生する起電 力は、Pt電極15の長さに比例するため、YIG層33 の熱スピン波スピン流方向に垂直な方向の長 さをより長くすることによって高熱起電力を 発生させることができる。つまり、試料のサ イズを調整することで性能指数Z S  の変調が可能になり、原理的には性能指数 限大の熱電素子を構築することが可能であ 。

 次に、図11を参照して、本発明の実施例4 熱電変換素子を説明する。図11(a)は本発明 実施例4の熱電変換素子の層厚方向に沿った 念的断面図であり、図11(b)は要部断面拡大 である。この本発明の実施例4の熱電変換素 は、上述の実施例1と同様の構造の複数個の 熱電変換素子を出力電圧が直列接続になるよ うに接続して巻回したものである。

 各個別熱電変換要素は、図11(b)に示すよう 、例えば、MOD法を用いて作成することとし 上記の実施の形態と同様の工程に、{100}面を 主面とするGGG単結晶基板11上にY 3  Fe 4  GaO 12 組成のMOD溶液をスピンコート法で塗布し、仮 焼成、本焼成を順次行うことによりY 3  Fe 4  GaO 12 組成のYIG膜14を形成する。

 次いで、YIG層14を所定のサイズに切り出 たのち、マスクスパッタ法を用いてYIG層14上 に、厚さが、例えば、10nmで、幅が0.1mmのPt電 15を設けることによって熱電変換要素41を形 成する。但し、切出しに際しては、巻回が容 易になるように順次幅が大きくなるように切 り出す。

 次いで、耐熱性ガラス繊維布等の耐熱性 レキシブル基板42上に順次幅が大きくなる うに熱電変換要素41を所定微小間隔でメタラ イズ接合したのち、隣接するPt電極15同士をAu ワイヤ43でワイヤボンディングする。なお、 内側の熱電変換要素のPt電極と、最外側の 電変換要素のPt電極に出力端子44を接続する

 次いで、幅が狭い熱電変換要素41が内側 なるように巻回することによって、本発明 実施例4の熱電変換素子が完成する。なお、 においては四角形状に巻回しているが、三 形状でも、五角形状でも、或いは、六角形 でも良い。

 この本発明の実施例4においては、複数の 熱電変換要素41をワイヤボンディングで直列 続しているので、熱スピン波スピン流方向 直交する方向の長さを実効的に長くすると もに、巻回によって丸めているのでコンパ トな構成によって大電力を出力することが 能になる。

 また、このようなコンパクトな構成にす ことによって、熱源或いは熱浴のサイズが さな場合にも、効果的に大電力を出力する とができる。さらに、巻回数を増やすこと よって、巻回数にほぼ比例した電圧を出力 ることが可能になる。

  以上、本発明の実施の形態及び各実施例 説明したが、本発明は実施の形態及び各実 例に記載された構成・条件に限られるもの はなく、各種の変更が可能である。
 例えば、上記の各実施例においては、逆ス ンホール効果部材としてPtを用いているが Ptに限られるものではなく、Ptと同様にスピ 軌道相互作用の大きなPdや、Au、Ag、Biや、 の他のf軌道を有する元素を用いても良い。

 また、上記の実施の形態及び各実施例に いては磁性誘電体としてYIG等を用いている 、YIG等に限られるものではなく、強磁性誘 体やFeO等の反強磁性誘電体を用いても良い

 また、上記の実施例3においては、YIG層に 磁化方向のバイアスをするためにInMn等の反 磁性層を設けているが、必須ではなく、外 磁場によりバイアスを与えても良い。逆に 実施例1及び実施例2においては外部磁場によ りバイアスを与えているが、実施例3と同様 、InMnやPdPtMn等の反強磁性層を設けてバイア しても良い。

 また、上記の実施例4においては、フレキ シブル基板として耐熱性基板を用いているが 、熱源が比較的低温、例えば、200℃以下の場 合にはPETフィルム等の樹脂を用いても良く、 その場合には、接着剤を用いて熱電変換要素 を樹脂基板に固着しても良い。

 本発明の活用例としては、熱電発電素子 典型的なものであるが、熱電発電素子に限 れるものではなく、温度測定用の熱電対と ても使用されるものである。