YAJIMA TATSUKI (JP)
JPH06212120A | 1994-08-02 | |||
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JPH08109347A | 1996-04-30 | |||
JPH01156387A | 1989-06-19 | |||
JPH0859749A | 1996-03-05 | |||
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JP2006124414A | 2006-05-18 |
Masatake Shiga (JP)
下記式(1)で表される単量体(a)単位、第2級水酸基含有ポリオキシアルキレンモノ(メタ)アクリレート単量体(b)単位、及びイソボルニル(メタ)アクリレート単量体(c)単位を含有し、前記単量体(a)単位の含有量(質量)が前記単量体(b)単位の含有量よりも大きい熱硬化性被覆用樹脂組成物用アクリル系共重合体(A) |
請求項1記載のアクリル系共重合体(A)と、ポリイソシアネート硬化剤(B)とを含有する熱硬化性被覆用樹脂組成物。 |
請求項2に記載の熱硬化性被膜用樹脂組成物を硬化させて得られる塗膜。 |
請求項3に記載の塗膜を有する物品。 |
本発明は、自動車ボディの塗膜のように高
の美粧性と優れた塗膜性能、例えば、塗膜
耐擦り傷性、耐亜硫酸性および屋外暴露時
おける優れた光沢特性が要求される分野で
いられ、また熱変形温度の低いプラスチッ
への応用の展開も可能な熱硬化型被膜用組
物に関するものである。
本願は、2008年3月6日に、日本に出願された
願2008-56545号に基づき優先権を主張し、その
内容をここに援用する。
これまで自動車用トップコート等に有用 塗料としては、耐候性および美粧性に優れ 性能を有することから、アクリル-メラミン 系樹脂が多く使用されている。しかし、アク リル-メラミン系樹脂はメラミン樹脂を硬化 として使用するために耐亜硫酸性に劣り、 れを塗料に適用した場合、酸性雨により塗 に雨ジミが発生し、外観が低下するという 点を有する。
この問題を解決するために、メラミン重 体を使用せずに、酸・エポキシ硬化系を用 る熱硬化性組成物が提案されている。
しかし近年、自動車産業分野では塗膜の耐
性の問題、特にスリキズによる塗膜外観の
位が問題となっている。酸・エポキシ硬化
を用いる熱硬化性組成物を塗布して得られ
塗膜表面では、洗車ブラシ、コンパウンド
ワックス等の研磨剤、走行中に舞い上がる
粒、異物との接触などによって、生じるス
キズが目立ちやすく、特に、自動洗車機の
車ブラシによって発生するスリキズの問題
、国内外を問わずその解決が強く望まれて
る。このような問題点の解決策として、こ
まで、UV硬化系やシリコン系塗料などを用
るハードコート技術が提案され、また、そ
他、特開2002-179987公報には熱硬化系であるポ
リイソシアネートを用いて架橋されるヒドロ
キシ官能性(メタ)アクリレート共重合体に基
く塗料が提案されている。しかし、この塗
は硬度、耐候性および耐汚染性が不十分で
った。
本発明の目的は、塗膜を構成する塗料中 樹脂成分として特定のアクリル熱硬化塗膜 形成し得るものを使用することにより、従 のハーフエステル化した共重合体、エポキ 基および水酸基を有する化合物を含有する 硬化性組成物の有する耐亜硫酸性、耐候性 維持しつつ、従来のUV硬化系やシリコン系 料、ウレタン系アクリル熱硬化塗膜より耐 り傷性および美粧性、特に耐候性試験後の り傷性、耐汚染性に優れた塗膜を形成する 硬化性被覆用樹脂組成物を提供することに る。
[1] 本発明の第1の要旨は、下記式(1)で表され
る単量体(a)単位、
第2級水酸基含有ポリオキシアルキレンモノ(
タ)アクリレート単量体(b)単位、及びイソボ
ルニル(メタ)アクリレート単量体(c)単位を含
し、前記単量体(a)単位の含有量(質量)が前
単量体(b)単位の含有量よりも大きい熱硬化
被覆用樹脂組成物用アクリル系共重合体(A)
[2] 本発明の第2の要旨は、前記アクリル系共
重合体(A)と、ポリイソシアネート硬化剤(B)と
を含有する熱硬化性被覆用樹脂組成物である
。
[3] 本発明の第3の要旨は、[2]に記載の熱硬化
性被膜用樹脂組成物を硬化させて得られる塗
膜。
[4] 本発明の第4の要旨は、[3]に記載の塗膜を
有する物品。
なお、本発明においては、(メタ)アクリ とはアクリルとメタクリルの総称である。
本発明の熱硬化性被膜用樹脂組成物を用 ると、外観、(初期、耐候後)耐擦り傷性、 観仕上がり性、耐候性、貯蔵安定性、耐汚 性、硬化性、硬度、耐亜硫酸性の優れた塗 の提供が可能であり、工業上非常に有益な のである。
重合して(メタ)アクリル酸エステル単量 (a)単位(以下、単量体(a)単位ともいう)を与え る単量体としては、例えば、2-ヒドロキシプ ピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチ ル(メタ)アクリレートなどが挙げられ、これ を単独であるいは二種以上を併用して使用 ることができる。単量体(a)単位のエステル 位のアルキル基の炭素数は2~4であり、第2級 水酸基を有することが重要である。これは、 前記アルキル基の炭素数が5以上になると塗 外観、ポットライフが低くなるためである また、前記アルキル基に結合する水酸基が 1級である場合、または前記アルキル基の炭 数が1である場合は仕上がり外観が低下する ためである。この理由は、第1級水酸基と第2 水酸基との硬化速度の違いにあると考えて る。すなわち、ベースコート用塗料を塗装 、次いでクリヤーコート用塗料を重ね塗り た後、加熱硬化させて積層被覆を得る、い ゆる2コート・1ベーク塗装方式においては ベースコート層が固まる前にクリヤーコー 層が固まると外観が低下してしまうが、単 体(a)単位に含まれる水酸基が第1級であると 化速度が速く、第2級だと遅いからであると 推測している。
また、本発明では単量体(a)単位の含有量( 質量)が第2級水酸基含有ポリオキシアルキレ モノ(メタ)アクリレート単量体(b)単位(以下 単量体(b)単位ともいう)の含有量よりも大き いことが重要である。これは、単量体(b)単位 は耐擦り傷性を付与する効果があるが、親水 性が高いため、単量体(a)単位より多いと耐汚 染性が不十分となるためである。また、単量 体(b)単位の含有量が多いと重合体の架橋間分 子量が大きくなり、それに起因して硬度、耐 候性、が低下するおそれがあり好ましくない 。
単量体(a)単位の含有量はアクリル系共重 体(A)に対し、10~50質量%が好ましく、10~35質 %がより好ましい。これは、10質量%未満では 化性、硬度が不十分になり、50質量%を越え と、初期耐擦り傷性、耐候性試験後耐擦り 性が不十分となるためである。単量体(a)単 と第1級水酸基含有(メタ)アクリレートを併 してもよいが、外観の悪化を抑制するため 、第1級水酸基含有(メタ)アクリレートの使 量はアクリル系共重合体(A)に対し15質量%未 が好ましい。
なお、アクリル系共重合体(A)中の各単量 単位の含有量はNMRやガスクロマトグラフ等 より定量することができる。
重合して単量体(b)単位を与える第2級水酸基
含有ポリオキシアルキレンモノ(メタ)アクリ
ートとしては、ポリアルキレングリコール
(メタ)アクリレートの反応生成物が挙げら
る。詳しくは、以下の一般式を有する。
(式(2)中、R1は水素原子又はメチル基であり
n、m、lはそれぞれ独立して0~10の整数であり
、n、m、lの少なくとも1つが1以上である。ポ
オキシアルキレン構造はブロック共重合体
けでなく、ランダム共重合体も含む。)
上記式(2)で表されるポリアルキレングリコ
ル(メタ)アクリレートのうち、好ましくはm
1以上のポリプロピレングリコール部位を持
つものである。具体的には以下に示す日本油
脂製「ブレンマー」が挙げられる。なお、括
弧内は式(2)との対応を示す。
ブレンマーPP-1000(R1=メチル基、n=0、m=4~6、 l=0の化合物)、ブレンマーPP-500(R1=メチル基、n =0、m=9、l=0の化合物)、ブレンマーPP-800(R1=メ ル基、n=0、m=13、l=0の化合物)、ブレンマーAP- 150(R1=水素原子、n=0、m=3、l=0の化合物)、ブレ マーAP-400(R1=水素原子、n=0、m=6、l=0の化合物 )、ブレンマーAP-550(R1=水素原子、n=0、m=9、l=0 化合物)、ブレンマーAP-800(R1=水素原子、n=0 m=13、l=0の化合物)、ブレンマー50PEP-300(R1=メ ル基、n=3.5、m=2.5、l=0の化合物)、ブレンマー 70PEP-350(R1=メチル基、n=5、m=2、l=0の化合物)、 レンマーAEP、ブレンマー55PET-400(R1=メチル基 、n=5、m=0、l=2の化合物)、ブレンマー30PET-800(R 1=メチル基、n=6、m=0、l=10の化合物)、ブレン ー55PET-800(R1=メチル基、n=10、m=0、l=5の化合物 )、ブレンマー30PPT-800(R1=メチル基、n=0、m=4、l =8の化合物)、ブレンマー50PPT-800(R1=メチル基 n=0、m=7、l=6の化合物)、ブレンマー70PPT-800(R1= メチル基、n=0、m=10、l=3の化合物)、ブレンマ APT、ブレンマー10PPB-500B(R1=メチル基、n=0、m= 1、l=6の化合物)、ブレンマー10APB-500B(R1=水素 子、n=0、m=1、l=6の化合物)。
これらは単独であるいは二種以上を併用し
使用することができる。本発明においては
硬化速度を適切に制御して塗膜外観を良好
するために、単量体(b)単位が第2級水酸基を
有することが重要である。
単量体(b)単位の含有量はアクリル系共重合
(A)に対し、5~35質量%が好ましく、5~25質量%が
より好ましい。これは5質量%未満では初期耐
り傷性、耐候性試験後耐擦り傷性が不十分
なり、35質量%を超えると、硬化性、耐汚染
が不十分となるためである。
さらにアクリル系共重合体(A)はイソボル ル(メタ)アクリレート単量体(c)単位(以下、 量体(c)単位ともいう)を含むことにより、初 期擦り傷性が良好となり、また、特に耐候性 試験後の耐擦り傷性の低下を防ぐことができ る。単量体(c)単位の含有量は、アクリル系共 重合体(A)に対し、10~50質量%が好ましい。10質 %未満では硬度、耐汚染性が低くなり、50質 %を超えると塗膜硬度が上がりすぎて耐擦り 傷性が低下してしまう。
さらにアクリル系共重合体(A)には、上記 量体(a)単位~(c)単位以外のエチレン性不飽和 単量体に由来する単量体単位(d)(以下、単量 (d)単位ともいう)が含有されていてもよい。 合して単量体(d)単位を与えるエチレン性不 和単量体としては、特に限定されるもので ないが、先ず、カルボキシル基を有するエ レン性不飽和モノマーを挙げることができ 。例えば、メタクリル酸、アクリル酸、フ ール酸、イタコン酸、マレイン酸、クロト 酸、ビニル安息香酸、マレイン酸モノブチ エステル、イタコン酸モノメチルエステル イタコン酸ブチルエステル等が挙げられ、 れらを単独であるいは二種以上を併用して 用することもできる。
また、カルボキシル基を有するもの以外 エチレン性不飽和単量体の例としては、メ ル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリ レート、n-プロピル(メタ)アクリレート、n-ブ チル(メタ)アクリレート、i-ブチル(メタ)アク リレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、sec- チル(メタ)アクリレート、n-ペンチル(メタ) クリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート 、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-エ ルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル( メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレ ート、トリデシル(メタ)アクリレート、セチ (メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アク リレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベ ジル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アク リレート、イソノニル(メタ)アクリレート、 クロヘプチル(メタ)アクリレート、アダマ チル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニ ルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジヒド ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレー 、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート等 の(メタ)アクリレート類、スチレン、ビニル ルエン、α-メチルスチレン等のスチレン誘 体、アクリロニトリル、メタクリロニトリ 等のエチレン性不飽和ニトリル類、N-メト シメチルアクリルアミド、N-エトキシメチル アクリルアミド、N-ブトキシメチルアクリル ミド等のN-アルコキシ置換アミド類、グリ ジル(メタ)アクリレート、メタリルグリシジ ルエーテル等のエポキシ基含有エチレン性不 飽和単量体類、ジメチルアミノエチル(メタ) クリレート、ジエチルアミノエチル(メタ) クリレート等のエチレン性不飽和塩基性単 体類等が挙げられ、これらを単独であるい 二種以上を併用して使用することができる
単量体(d)単位の含有量はアクリル系共重 体(A)から単量体(a)単位~(c)単位の含有量の合 計を引いた値であり、5~50質量%が好ましい。
アクリル系共重合体(A)は、水酸基価は130~ 180mgKOH/gの範囲が好ましく、より好ましくは 135~175mgKOH/gの範囲である。これは、アクリル 系共重合体(A)の水酸基価が130mgKOH/g未満であ と、硬化塗膜の硬度、耐擦り傷性が低下す 傾向にあり、180mgKOH/gを越えると、硬化塗膜 耐水性、耐衝撃性が低下する傾向にあるた である。
アクリル系共重合体(A)の酸価は1~30mgKOH/g 範囲が好ましい。酸価が1mgKOH/gより小さいと 硬化性、硬度が低くなり、30mgKOH/gより大きい と外観が低下する傾向にあるためである。
アクリル系共重合体(A)の質量平均分子量 、2000~50000であることが好ましい。これは、 質量平均分子量が2000未満であると、形成し 塗膜の耐溶剤性、硬度、耐候性が低下する 向にあり、50000を越えると、美粧性や塗装時 の溶剤揮発性が低下する傾向にあるためであ る。
本発明のアクリル系共重合体(A)は、重合 て単量体(a)単位~(d)単位を与える単量体を溶 液重合法、塊状重合法、懸濁重合、乳化重合 法等の既知の重合法により製造することがで きる。例えば、溶液重合法により上記アクリ ル系共重合体(A)を製造する場合には、有機溶 剤および重合開始剤の存在下に上記単量体を 共重合させる。
有機溶剤としては、イソプロパノール、n -ブタノール、トルエン、キシレン、ソルベ ソ100、ソルベッソ150(エッソ社製の芳香族石 誘導体)、プロピレングリコールモノメチル エーテルアセテート、EEPソルベント(イース マン製エステル溶剤)等の一般的なものを選 できる。重合開始剤としては、アゾビスイ ブチロニトリル、過酸化ベンゾイル、クメ ヒドロペルオキシド等の通常用いられる重 開始剤から選択できる。また、必要に応じ 2-メルカプトエタノール、n-オクチルメルカ プタン等の連鎖移動剤を使用することができ る。
本発明のアクリル系共重合体(A)は、ポリ ソシアネート硬化剤(B)と共に熱硬化性被覆 樹脂組成物として使用することができる。 リイソシアネート硬化剤(B)は、特に限定さ るものではなく、用途に合わせて適宜選択 ることができるが、例えば、テトラメチレ ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソ アネート、トリメチルヘキサンジイソシア ート等の脂肪族ジイソシアネート類、イソ ロンジイソシアネート、4,4’-メチレンビス (シクロヘキシルイソシアネート)等の脂環族 イソシアネート類、キシリレンジイソシア ート、トリレンジイソシアネート等の芳香 ジイソシアネート類等が挙げられる。
ポリイソシアネート硬化剤(B)と共に、エ レングリコール、プロピレングリコール、 オペンチルグリコール、トリメチロールプ パン等の多価アルコールやイソシアネート と反応する官能基を有する低分子量のポリ ステル樹脂、イソシアネート基と水などの 加物、またはビュレット体もしくはジイソ アネート同士の重合体、さらにポリイソシ ネート硬化剤(B)と低級一価アルコールまた メチルエチルケトオキシムなど公知のブロ ク化剤でブロックしたもの等を併用するこ ができる。
ポリイソシアネート硬化剤(B)は、好まし は熱硬化性被覆用樹脂組成物の10~60質量%の 囲で使用される。硬化剤が10質量%未満では 硬化塗膜の耐溶剤性、硬度が低下する傾向 あり、60質量%を越えると硬化塗膜が脆くな 、塗膜の耐衝撃性や耐候性が低下する傾向 ある。より好ましくは、15~50質量%である。 た、これらポリイソシアネート硬化剤(B)は 本発明のアクリル系共重合体(A)に含まれる 酸基当量とポリイソシアネート硬化剤(B)に まれるイソシアネート基当量の比がOH/NCO=1/0 .5~1/2となる範囲で使用することが好ましく、 より好ましくは、OH/NCO=1/0.8~1/1.3の範囲である 。
熱硬化性被覆用樹脂組成物を調製する際 は、必要に応じて、ジブチル錫ジラウレー 等に代表される硬化促進剤や、硬化触媒(ア ミン系等)を使用することができる。
また、本発明の熱硬化性被覆用樹脂組成 を塗料化する際には、酸化チタンなどの無 系顔料やシアニンブルー等の有機系顔料、 面調製剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化 止剤、垂れ止め剤等の添加剤を必要に応じ 公知の手段を用いて配合し、最後に希釈用 機溶剤で適当な粘度となるように希釈調整 る。希釈用有機溶剤の具体例としては、キ レン、ソルベッソ#100、ソルベッソ#150(エッ 社製芳香族石油誘導体)、ケトンの2-ヘプタ ン(イーストマン社製)、エステル系溶剤のEE P(イーストマン社製)、プロピレングリコール モノメチルエーテルアセテートなどが挙げら れる。
特に本発明の熱硬化性被膜用樹脂組成物 、多層塗膜のクリヤーコート層として使用 ることができる。該クリヤーコート層は、 発明の熱硬化性被膜用樹脂組成物のみから る単層クリヤーコート層または公知の熱硬 性被膜用樹脂組成物、好ましくは熱硬化ア リル樹脂からなるクリヤーコート層を含ん 多層クリヤーコート層のどちらでもよく、 れらは用途に応じて適宜選択することがで る。
本発明の熱硬化性被覆用樹脂組成物を含 塗料は、スプレー塗装、刷毛塗り塗装、浸 塗装、ロール塗装、流し塗装等により塗装 ることができる。また、発明のクリヤー塗 組成物は、木、金属、ガラス、布、プラス ック、発砲体等、特にプラスチック及び金 表面(例えば、スチール、アルミニウムおよ びこれら合金)に有利に用いることができ、 動車用クリヤー塗料として好適に使用する とができる。
以下、本発明を実施例・比較例により具 的に説明する。なお実施例中の「部」は質 部を意味する。
<アクリル系共重合体溶液(A-1)~(A-11)の合成&g
t;
攪拌翼、原料供給ライン、窒素加圧ライン
温調装置を備えた攪拌槽型反応装置に溶剤
してソルベッソ#150(エッソ社製、芳香族炭
水素)を45部仕込み、系内に窒素を100ml/分で
き込みながら釜内温を150℃まで加熱した。
次にイソボルニルメタクリレート20部、 チルメタクリレート18部、ラウリルメタクリ レート5部、2-ヒドロキシプロピルアクリレー ト30部、ブレンマーPP1000を10部、メタクリル 2部およびジ-t-ヘキシルパーオキサイド5部か らなる単量体と重合開始剤の混合物を準備し 、滴下ポンプにて容器上部より3時間かけて 続的に滴下した。滴下終了後、内温を120℃ で下げ、追加触媒としてt-ブチルパーオキシ -2-エチルヘキサノエート2部を30分かけて連続 的に滴下し、更に120℃で30分保持して樹脂へ 転化率を充分に高めた。得られたアクリル 共重合体溶液(A-1)をGPCで測定した結果、質 平均分子量は6000であった。
以下、表1に示されるアクリル系共重合体 溶液(A-2)~(A-11)についても(A-1)に準じて重合反 を行った。
<クリヤーコート塗料(B-1)~(B-11)の調整>
アクリル系共重合体溶液(A-1)に、ポリイソ
アネート硬化剤として、NCO基当量の比がOH/NC
O=1/1になるようにソルベッソ#100にて50%まで希
釈したデュラネートTPA-100(旭化成製、NCO比率2
3.1質量%)を所定量加え、モダフロー(モンサッ
ト社製、表面調整剤)0.08部、チヌビン900(チバ
ガイギー社製、紫外線吸収剤)1部、サノール2
92(三共(株)製、光安定剤)1部を加え、希釈シ
ナー(ソルベッソ#100/ソルベッソ#150=1/1)によ
て、フォードカップNo.4にて20秒の粘度にな
まで希釈調整してクリヤーコート塗料(B-1)を
得た。
以下、同様にしてアクリル系共重合体(A-2 )~(A-11)についても、対応するクリヤーコート 料(B-2)~(B-11)をそれぞれ得た。
<ベースコート塗料用系共重合体水溶液(C-1)
の合成>
攪拌翼、原料供給ライン、窒素加圧ライン
温調装置を備えた攪拌槽型反応装置に溶剤
してブチセロソルブを45部仕込み、系内に
素を100ml/分で吹き込みながら釜内温を100℃
で加熱した。次に、
スチレン 30部
メチルメタクリレート 15部
n-ブチルアクリレート 34部
2-エチルヘキシルメタクリレート 6部
2-ヒドロキシメタクリレート 12部
メタクリル酸 3部
アゾビスイソブチロニトリル 1部
からなる単量体と重合開始剤の混合物を準備
し、滴下ポンプにて容器上部より4時間かけ
連続的に滴下した。滴下終了後、内温を90℃
まで下げ、追加触媒としてアゾビスイソブチ
ロニトリル0.5部をブチルセロソルブ5部に溶
させたものを30分かけて連続的に滴下し、同
温度にて30分保持した後、更に80℃まで降温
、ジメチルアミノエタノールを加えること
全カルボキシル基の80モル%を中和してベー
コート塗料用系共重合体水溶液(C-1)を得た。
<ベースコート塗料(D-1)の調整>
ベースコート塗料用系共重合体水溶液(C-1)
、メラミン硬化剤のサイメル703(日本サイテ
クインダストリーズ製、メチル化メラミン
脂、80%)45部、アルミペースト#9670(東洋アル
ニウム製)20部、リン酸含有樹脂10部および
ソプロピルアルコール30部を混合し、さらに
フォードカップNo.4にて40秒の粘度になるまで
水を加えて希釈した。
なお、アクリル系共重合体の物性は、下 により評価した。
<加熱残分>
1gのアクリル系共重合体溶液をアルミ皿上
サンプリングし、150℃で1時間乾燥させたと
の不揮発分の比率(質量%)を求めた。
<質量平均分子量>
アクリル系共重合体溶液のテトラヒドロフ
ン溶液(0.4質量%)を調整後、TOSO社製カラム(GE
4000HXL及びG2000HXL)が装着されたTOSO社製ゲルパ
ミエーションクロマトグラフィー装置に上
の溶液100μlを注入し、流量:1ml/分、溶離液:
トラヒドロフラン、カラム温度:40℃の条件
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
を用いて測定され、標準ポリスチレンで換
された値を求めた。
<硬化性試験>
硬化性は架橋間分子量により判断した。架
間分子量は以下の方法で求めた。
粘弾性アナライザーRSAII(レオメトリック 社製)を用いて、後述する試験板から塗膜を 剥離させて裁断することによって作製した測 定用サンプルに、室温から200℃の範囲におい て、1分間に2℃の昇温速度にて、周波数11Hzで 振動を与えてそのときのE´(貯蔵弾性率)とE´ 最小になるときの温度から下式を用いて算 した。
Mc(架橋間分子量)=3fRT/E´
R:気体定数 f:試料塗膜の密度
<硬度>
リン酸亜鉛処理された鋼板(30cm×45cm)に自動
用カチオン電着塗料を塗装し、180℃で30分
焼き付けた。さらにアミノアルキッド樹脂
の中塗り塗料を塗装し、160℃で30分間焼き付
けた後、塗膜を水研し、乾燥させた。この塗
膜上にまず、ベースコート塗料(D-1)を乾燥膜
が10~50μmとなるようにスプレー塗装し、5分
放置した後、80℃で10分間プレヒートした。
次に塗板を冷却した後、クリヤーコート塗料
(B-1)~(B-5)を乾燥膜厚が30~40μmとなるようにウ
ットオンウエット方式で重ね塗り、10分間放
置後、140℃の熱風乾燥機で30分間焼き付けて
膜が形成された試験板を作製した。この試
板により、三菱鉛筆「ユニ」を用いて45度
角度で塗膜を引っかいて傷のつかない最も
い硬度を判定した。
<外観>
硬度測定と同様に塗膜を形成し、Wave-scan-DOI
(BYK-Gardner社製)を用いて仕上がり外観を測定
た。測定値のうちWc値は塗膜外観のチリ、ム
ジの項目に該当し、Wdは外観の肌、チリの項
に相関する。外観評価はWc、Wd値を用いて行
った。これらの値は、数値が小さいほど良好
である。
<耐擦り傷性>
硬度測定と同様に試験板を作製した。大栄
学精器(株)製の摩擦堅牢度試験機を用い、
ケン石鹸(株)製マケンクレンザーの50%水溶液
を塗りつけたガーゼを塗面と接触する箇所に
当て、荷重1kgで50往復摩擦試験を行い、傷跡
目視判定した。
○:ほとんど傷は視認でき
ない
△:若干傷はあるが使用可
能
×:傷が多く、不良
<耐候性>
硬度測定と同様に試験板を作製し、サンシ
インウェザオメーター(スガ試験機製)を用
、初期光沢値に対する2000時間後の光沢値を
に以下の基準で評価した。
○:光沢良好
△:光沢不良
×:光沢不良、マイクロク
ック有
<耐候性試験後耐擦り傷性>
上記耐候性試験を実施した塗膜にて、大栄
学精器(株)製の摩擦堅牢度試験機を用い、
ケン石鹸(株)製マケンクレンザーの50%水溶液
を塗りつけたガーゼを塗面と接触する箇所に
当て、荷重1kgで50往復摩擦試験を行い、傷跡
目視判定した。
○:ほとんど傷は視認でき
ない
△:若干傷はあるが使用
能
<耐汚染性>
硬度測定と同様に試験板を作製し、屋外に
置し3ヶ月経過後における水シミの有無を目
視判定した。
○:水シミなし
×:水シミあり
以上の実施例からも明らかなように、本発
の熱硬化性被膜用樹脂組成物を用いると、
観、(初期、耐候後)耐擦り傷性、外観仕上
り性、耐候性、貯蔵安定性、耐汚染性、硬
性、硬度、耐亜硫酸性の優れた塗膜の提供
可能であり、工業上非常に有益なものであ
。
これに対し、比較例1では単量体(a)単位に換
えて2-ヒドロキシエチルメタクリレート単位
用いた例であり、外観が悪化していた。ま
、比較例2では単量体(a)単位の含有量より単
量体(b)単位の含有量の方が多い例であり、外
観、硬度、耐汚染性が悪化した。比較例3で
単量体(c)単位に換えてシクロヘキシルメタ
リレート単位を用いた例であり、初期及び
候性試験後の耐擦り傷並びに耐汚染性が悪
した。
本発明の熱硬化性被膜用樹脂組成物を用い
と、外観、(初期、耐候後)耐擦り傷性、外
仕上がり性、耐候性、貯蔵安定性、耐汚染
、硬化性、硬度、耐亜硫酸性の優れた塗膜
利用可能であり、工業上非常に有益なもの
ある。
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