篠川泰治 (())
HONDA, Kazuyoshi (())
本田和義 (())
KAMIYAMA, Yuma (())
パナソニック株式会社 (〒01 大阪府門真市大字門真1006番地 Osaka, 5718501, JP)
SHINOKAWA, Yasuharu (())
篠川泰治 (())
HONDA, Kazuyoshi (())
本田和義 (())
| 真空中で、表面と裏面を有する帯状の基板の前記表面上に、薄膜を形成する薄膜形成装置であって、 前記基板を搬送する搬送機構と、 直線状に搬送されている前記基板の前記表面上に、薄膜形成領域において薄膜を形成する薄膜形成手段と、 前記薄膜形成領域において前記基板裏面に近接して配置され、冷媒により冷却されている冷却体と、 前記冷却体と前記基板の裏面との間にガスを導入して前記基板を冷却するガス導入手段と、 前記基板の裏面に接し、前記薄膜形成領域を、第1の薄膜形成領域と、成膜速度が前記第1の薄膜形成領域より低い第2の薄膜形成領域とに分割し、かつ前記冷却体と前記基板とのギャップを維持するギャップ維持手段と、 前記搬送機構と、前記薄膜形成手段と、前記冷却体と、前記ガス導入手段と、前記ギャップ維持手段とを収容する真空容器とを備え、 前記ガス導入手段による前記基板の冷却において、前記第1の薄膜形成領域における基板の冷却量が、前記第2の薄膜形成領域における基板の冷却量より大きくなるように前記冷却の条件が設定されている、薄膜形成装置。 |
| 前記冷却条件は、前記第1の薄膜形成領域における前記ガスの導入量を、前記第2の薄膜形成領域における前記ガスの導入量より多くすることで設定される、請求項1記載の薄膜形成装置。 |
| 前記冷却条件は、前記第1の薄膜形成領域における前記冷却体と前記基板とのギャップを、前記第2の薄膜形成領域における前記冷却体と前記基板とのギャップよりも狭くすることで設定される、請求項1記載の薄膜形成装置。 |
| 前記ギャップ維持手段がローラからなる、請求項1記載の薄膜形成装置。 |
| 真空中で、表面と裏面を有する帯状の基板の前記表面上に、薄膜を形成する薄膜形成装置を用いた薄膜形成方法であって、前記薄膜形成装置は、 前記基板を搬送する搬送機構と、 直線状に搬送されている前記基板の前記表面上に、薄膜形成領域において薄膜を形成する薄膜形成手段と、 前記薄膜形成領域において前記基板裏面に近接して配置され、冷媒により冷却されている冷却体と、 前記冷却体と前記基板の裏面との間にガスを導入して前記基板を冷却するガス導入手段と、 前記基板の裏面に接し、前記薄膜形成領域を、第1の薄膜形成領域と、成膜速度が前記第1の薄膜形成領域より低い第2の薄膜形成領域とに分割し、かつ前記冷却体と前記基板とのギャップを維持するギャップ維持手段と、 前記搬送機構と、前記薄膜形成手段と、前記冷却体と、前記ガス導入手段と、前記ギャップ維持手段とを収容する真空容器とを備え、 前記方法は、前記ガス導入手段による前記基板の冷却において、前記第1の薄膜形成領域における基板の冷却量が、前記第2の薄膜形成領域における基板の冷却量より大きくなる条件下で、前記基板の前記表面上に、薄膜を形成する工程を含む、薄膜形成方法。 |
| 前記条件は、前記第1の薄膜形成領域における前記ガスの導入量を、前記第2の薄膜形成領域における前記ガスの導入量より多くすることで調整される、請求項4記載の薄膜形成方法。 |
| 前記条件は、前記第1の薄膜形成領域における前記冷却体と前記基板とのギャップを、前記第2の薄膜形成領域における前記冷却体と前記基板とのギャップよりも狭くすることで調整される、請求項4記載の薄膜形成方法。 |
| 前記条件は、前記第1の薄膜形成領域において導入される前記ガスを、前記第2の薄膜形成領域において導入される前記ガスよりも小さい分子量を持つ分子によって構成することで調整される、請求項4記載の薄膜形成方法。 |
本発明は、薄膜の形成装置または薄膜形 方法に関する。
デバイスの高性能化、小型化に薄膜技術 幅広く展開されている。また、デバイスの 膜化はユーザーの直接的なメリットに留ま ず、地球資源の保護、消費電力の低減とい た環境側面からも重要な役割を果たしてい 。
こうした薄膜技術の進展には、薄膜製造 法の高効率化、安定化、高生産性化、低コ ト化といった産業利用面からの要請に応え ことが必要不可欠であり、これに向けた努 が続けられている。
薄膜の高生産性には、高堆積速度の成膜 術が必須であり、真空蒸着法、スパッタ法 イオンプレーティング法、CVD法などをはじ とする薄膜製造において、高堆積速度化が められている。また、薄膜を連続的に大量 形成する方法として、巻き取り式の薄膜製 方法が用いられる。巻き取り式の薄膜製造 法はロール状に巻かれた長尺の基板を巻き しロールから巻き出し、搬送系に沿って搬 中に、基板上に薄膜を形成し、しかる後に き取りロールに巻き取る方法である。この 造方法は、例えば電子ビームを用いた真空 着源などの高堆積速度の成膜源と組み合わ ることによって、薄膜を生産性よく形成す ことが出来る。
このような連続巻き取り式の薄膜製造に ける成否を決める要因として、成膜時の熱 荷の課題がある。例えば真空蒸着の場合、 発源からの輻射熱と、蒸発原子の有する運 エネルギーが変化した熱エネルギーが基板 付与され、基板の温度が上昇する。特に堆 速度を高めるために蒸発源の温度を上げた 、蒸発源と基板を近づけたりすると、基板 温度が過度に上昇する。しかし基板の温度 上昇しすぎると、基板の機械特性の低下が 著となり、堆積した薄膜の熱膨張によって 板が大きく変形したり、基板が溶断したり る問題が生じやすくなる。その他の成膜方 においても熱源は異なるが、成膜時に基板 熱負荷が加わり、同様の問題がある。
こうした基板の変形や溶断などが生じる とを防ぐために、成膜時に基板の冷却が行 れる。基板の冷却を目的として、搬送系の 路上に配置された円筒状キャンに基板が沿 た状態で成膜を行うことが広く行われてい 。この方法で基板と円筒状キャンの熱的な 触を確保すると、熱容量の大きな冷却キャ に熱を逃がすことが出来るので、基板温度 上昇を防いだり、基板を特定の温度に保持 ることが出来る。
真空雰囲気下で基板と円筒状キャンの熱 な接触を確保するための方法のひとつとし 、ガス冷却方式がある。ガス冷却方式とは 基板と冷却体である円筒状キャンとの間で 隔が数mm以下のわずかな隙間を維持しつつ この隙間に微量のガスを供給して気体の熱 導を利用して基板と円筒状キャンの熱的な 触を確保し、基板を冷却する方法である。 許文献1には、基板であるウエブに薄膜を形 するための装置において、ウエブと支持手 である円筒状キャンとの間の領域にガスを 入することが示されている。これによれば ウエブと支持手段との間の熱伝導を確保で るので、基板の温度上昇を抑制することが 来る。
一方、基板の冷却手段として円筒状キャン
代わりに冷却ベルトを用いることも可能で
る。斜め入射により成膜を行う際には、基
が直線状に走行した状態で成膜を行うこと
材料の利用効率上有利であり、その際の基
冷却手段として冷却ベルトを用いることが
効である。特許文献2には、基板材料の搬送
及び冷却にベルトを用いた際のベルトの冷却
方法が開示されている。これによれば熱負荷
を与える薄膜形成装置において、冷却帯を冷
却するため、内側に二重以上の冷却帯や液状
の媒体による冷却機構を設けることにより、
冷却効率を高めることが出来る。これにより
、電磁変換特性を始めとする、磁気テープの
特性を改善し、同時に生産性を著しく改善す
ることが出来る。
斜め入射による成膜を行う際に、特許文 2に示されるような冷却ベルトを用いて基板 が直線状に走行した状態で成膜を行うことは 、材料利用効率上有利である。しかし、特に 高成膜レート等が原因で基板に対する熱負荷 の大きい場合には基板の十分な冷却が難しく なる。その理由は、基板が直線状に走行した 状態では基板に垂直方向の力が得られず、冷 却体に向かう力が確保されないためである。 冷却体に向かう力が確保されないと、基板と 冷却体との熱的な接触を十分に確保すること ができない。
基板と冷却体との熱的な接触を十分に確 するために特許文献1に示されるようなガス 冷却を行う場合、冷却能力を向上するために は基板と冷却体間の冷却ガスの圧力を高くす ることが有効である。そのため、基板と冷却 体の間隔を出来るだけ小さく設定し、かつ導 入する冷却ガスの流量を多く調整することに よって、基板と冷却体との間のガス圧を高め ることが望ましい。しかし、冷却ガスの導入 量が増加すると冷却体と基板との隙間から冷 却ガスが漏れやすくなり、これにより、成膜 室内の圧力が上昇する。この結果として成膜 レートを下げるだけではなく、成膜室内を減 圧する真空ポンプに過大な負荷を与えること になる。
また、ガス冷却を行いつつ走行中の基板 に薄膜を連続形成する際には、冷却体と基 との間のギャップを均一かつ高精度に維持 きるように基板の走行方向に高い張力を加 る。このため、基板の部分的な歪により走 ムラやたわみが生じることがある。特に基 が剛性の高い金属箔などである場合には、 属箔がほとんど伸びないため、基板に部分 に発生する歪を抑えられない。その結果、 却体と基板との間のギャップが必要以上に きくなりやすく、そこから冷却ガスが漏れ 成膜室内の圧力を上げる可能性が高い。
さらに、図5に示すように直線状に搬送さ れる基板7を冷却体10で冷却する場合は、基板 を冷却体に押し付ける方向の力が得られない ため、ガスの導入により基板と冷却体とのギ ャップが広がりやすく、そのため冷却ガスの 漏れが顕著である。
以上のように、真空雰囲気下で走行基板 冷却体との熱的接触を確保することを目的 したガス冷却方式では、十分な冷却効果を 成するためにガスの導入量を多くすると、 却ガスの漏れによって成膜室内の圧力が上 する。このため、成膜レートが下がり、真 ポンプに過大な負荷を与える。特に基板が 線状に走行した状態では、ガス漏れが多く りやすいためこの問題が顕著である。一方 ガスの導入量を少なくすると十分な冷却効 が得られないため、熱負荷による基板の変 や溶断が生じやすくなる。
本発明は、上記課題に鑑み、基板を直線 に搬送しながら基板表面上に薄膜を連続形 する際、成膜時の熱負荷を原因とする基板 変形や溶断を防止することを目的としたガ 冷却において、十分な冷却効果を達成しつ も、ガス導入による成膜レートの低下や真 ポンプへの過大な負荷を回避できる薄膜形 装置、及び、薄膜形成方法を提供すること 目的とする。
上記課題を解決するために本発明の薄膜形
装置は、真空中で、表面と裏面を有する帯
の基板の前記表面上に、薄膜を形成する薄
形成装置であって、前記基板を搬送する搬
機構と、直線状に搬送されている前記基板
前記表面上に、薄膜形成領域において薄膜
形成する薄膜形成手段と、前記薄膜形成領
において前記基板裏面に近接して配置され
冷媒により冷却されている冷却体と、前記
却体と前記基板の裏面との間にガスを導入
て前記基板を冷却するガス導入手段と、前
基板の裏面に接し、前記薄膜形成領域を、
1の薄膜形成領域と、成膜速度が前記第1の
膜形成領域より低い第2の薄膜形成領域とに
割し、かつ前記冷却体と前記基板とのギャ
プを維持するギャップ維持手段と、前記搬
機構と、前記薄膜形成手段と、前記冷却体
、前記ガス導入手段と、前記ギャップ維持
段とを収容する真空容器とを備え、前記ガ
導入手段による前記基板の冷却において、
記第1の薄膜形成領域における基板の冷却量
が、前記第2の薄膜形成領域における基板の
却量より大きくなるように前記冷却の条件
設定されている。
ここで、「基板が直線状に搬送されている
とは、円筒状キャンに沿って湾曲した状態
の基板の搬送を除外することを意図してい
。具体的には、図1で示すように複数の搬送
ローラによって走行方向に張力がかけられた
状態での基板の搬送を意味している。ただし
、断面視において、図5に示すように完全な
線上を基板が搬送される場合のみではなく
図2又は4に示すように、若干の曲がり部分を
含んで基板が搬送される場合も含む。
また、本発明の薄膜形成方法は、前記薄膜
成装置を用いて、真空中で、表面と裏面を
する帯状の基板の前記表面上に、薄膜を形
する薄膜形成方法であって、前記ガス導入
段による前記基板の冷却において、前記第1
の薄膜形成領域における基板の冷却量が、前
記第2の薄膜形成領域における基板の冷却量
り大きくなる条件下で、前記基板の前記表
上に、薄膜を形成する工程を含む。
本発明によれば、成膜時の熱負荷を原因 する基板の変形や溶断を防止することを目 としたガス冷却において、成膜速度が異な 、従って熱負荷も異なる複数の薄膜形成領 において個別に冷却条件を調整できる。よ て、各薄膜形成領域が受ける熱負荷に応じ 冷却量の最適化が可能である。これにより 負荷の大きい薄膜形成領域をより効率的に 却することで、薄膜形成領域全域で十分な 却効果を達成しながらも、冷却体と基板と 間のギャップから漏れるガス量を低減でき 。そのため、成膜室内の圧力が上昇して成 レートが低下するのを回避し、さらに真空 ンプへの不必要な負荷を低減することが可 である。
1 真空容器
2 巻き出しローラ
3 搬送ローラ
4 巻き取りローラ
5 成膜源
6 遮蔽板
7 基板
8 排気手段
10 冷却体
11 ギャップ維持手段
12 ガスフローコントローラ
13 配管
14 薄膜形成領域
14a 第1の薄膜形成領域
14b 第2の薄膜形成領域
15 冷却ガス供給手段
16 マニホールド
17 細孔
18a、b 冷媒配管
19 ガスノズル
成膜装置全体の構成の一例を、図1に模式的
に示す。真空容器1は内部空間を有する耐圧
の容器状部材であり、その内部空間に巻き
しローラ2、複数の搬送ローラ3、薄膜形成領
域14、巻き取りローラ4、成膜源5、及び、遮
板6を収容する。巻き出しローラ2は、軸心回
りに回転自在に設けられているローラ状部材
であり、その表面に帯状で長尺の基板7が捲
され、最も近接する搬送ローラ3に向けて基
7を供給する。
基板7には各種高分子フィルムや、各種金 属箔、あるいは高分子フィルムと金属箔の複 合体、その他の上記材料に限定されない長尺 基板を用いることが出来る。高分子フィルム としては、たとえば、ポリエチレンテレフタ レート、ポリエチレンナフタレート、ポリア ミド、ポリイミドである。金属箔としては、 アルミ箔、銅箔、ニッケル箔、チタニウム箔 、ステンレス箔などがある。基板の幅は例え ば50~1000mmであり、基板の望ましい厚みは例え ば3~150μmである。基板の幅が50mm未満ではガス 冷却時のガスの漏れが大きいが、本発明を適 用できないということではない。基板の厚み が3μm未満では基板の熱容量が極めて小さい めに熱変形が発生しやすい。基板の厚みが15 0μmより大きいと、巻き出しローラ2や巻き取 ローラ4からの張力でも金属箔がほとんど伸 びない。そのため、基板に部分的に発生する 歪を抑えられずに冷却体と基板との間に隙間 が生じやすくなり、ガス冷却時のガスの漏れ が大きくなる。しかし、いずれも本発明が適 用不可であることを示すものではない。基板 の搬送速度は作成する薄膜の種類や成膜条件 によって異なるが、例えば0.1~500m/分である。 搬送中の基板走行方向に印加される張力は、 基板の材質や厚み、あるいは成膜レートなど のプロセス条件によって適宜選択される。
搬送ローラ3は軸心回りに回転自在に設け られているローラ状部材であり、巻き出しロ ーラ2から供給される基板7を薄膜形成領域14 誘導し、最終的に巻き取りローラ4に導く。 膜形成領域14を基板7が走行する際に、成膜 から飛来した材料粒子が、必要に応じて原 ガス導入管(図示せず)から導入された原料 スと反応して堆積し、基板7表面に薄膜が形 される。巻き取りローラ4は、図示しない駆 動手段によって回転駆動可能に設けられてい るローラ状部材であり、薄膜が形成された基 板7を巻き取って保存する。
成膜源5には各種成膜源を用いることが出 来、例えば抵抗加熱、誘導加熱、電子ビーム 加熱などによる蒸発源や、イオンプレーティ ング源、スパッタ源、CVD源等を用いることが 出来る。また成膜源にイオン源やプラズマ源 を組み合わせて用いることも可能である。例 えば、成膜源は、薄膜形成領域14の最下部の 直方向下方に設けられて、鉛直方向上部が 口している容器状部材と、当該容器状部材 内部に載置された成膜材料とを含む。成膜 の近傍には電子銃(図示せず)や誘導コイル の加熱手段が設けられ、これらの加熱手段 よって前記容器状部材内部の材料が加熱さ て蒸発する。材料の蒸気は鉛直方向上方に けて移動し、薄膜形成領域における基板7表 に付着して薄膜が形成される。成膜源5は基 板に対して熱負荷を与えることになる。
遮蔽板6は、成膜源5から飛来した材料粒 が基板7と接触し得る領域を薄膜形成領域14 みに制限している。
排気手段8は真空容器1の外部に設けられ 、真空容器1内部を薄膜の形成に適する減圧 態に調整する。排気手段8は、たとえば、油 拡散ポンプ、クライオポンプ、ターボ分子ポ ンプなどを主ポンプとした各種真空排気系に よって構成される。
薄膜形成領域14における基板の裏面側に 冷却体10が基板に近接して配置され、基板と 冷却体とが接触しないよう、冷却体と基板と の距離は、複数のギャップ維持手段11によっ 高精度に維持される。更に、冷却体10と基 7の間には、ガスフローコントローラ12で導 量を制御されたガスが配管13を通して導入さ れる。その際ギャップ維持手段11のひとつに って薄膜形成領域14が第1の薄膜形成領域14a 第2の薄膜形成領域14bに分割される。各領域 に導入する冷却ガスの導入量や種類等を最適 化することによって、十分な冷却効果を保持 しながらも、冷却体と基板との隙間から漏れ るガス量を低減し、成膜レートへの悪影響や 真空ポンプ8への負荷を低減することができ 。また、冷却ガス供給手段15には、ガスボン ベ、ガス発生装置などがある。
冷却体10の材質は特に限定されず、加工 状を確保しやすい銅やアルミ、ステンレス を始めとする金属や、カーボン、各種セラ ックスやエンジニアリングプラスチックな を用いることが出来る。特に、粉塵発生の 能性が低く、耐熱性に優れ、均温化が容易 いう点で、熱伝導率の高い銅やアルミ等の 属を用いることがより好ましい。
以上のように、本発明の薄膜形成装置に れば、巻き出しローラ2から送り出された基 板7が、搬送ローラ3を経由して走行し、薄膜 成領域14において蒸発源5から飛来した蒸気 受け、基板上に薄膜が形成される。この基 7は、別の搬送ローラ3を経由して巻き取り ーラ4に巻き取られる。これによって、表面 薄膜が形成された基板7が得られる。
本発明で調整される基板の冷却条件には 々の条件が含まれ得る。例えば、冷却体を 却する冷媒の種類、流量又は温度や、冷却 と基板の裏面とのギャップに導入するガス 流量、種類又は温度(ガス導入条件)、ギャ プ維持手段により維持されるギャップの距 などが挙げられる。これらの条件は1種類の を調整してもよく、2種類以上を組み合わせ て調整してもよい。
(実施の形態1)
図2は、本発明の実施形態1の一部である基
冷却機構の一例について、その構造を模式
に示す図である。図2(a)は(b)のAA’断面図、
2(b)は基板7の裏面側から見た正面図である。
冷却体と基板の裏面とのギャップは、3つ のギャップ維持手段11a、11b及び11cによって維 持される。3つのギャップ維持手段11a、11b及 11cは、基板の走行方向で上流側からこの順 で配置されている。両端に位置するギャッ 維持手段11a及び11cは、薄膜形成領域14の、基 板走行方向での両端近傍に配置されている。 中央に位置するギャップ維持手段11bは、薄膜 形成領域14のほぼ中央に配置され、薄膜形成 域14を、基板走行方向の上流側に位置する 1の薄膜形成領域14aと、下流側に位置する第2 の薄膜形成領域14bとに分割している。すなわ ち、中央に位置するギャップ維持手段11bと基 板裏面との接触位置の上流側に、第1の薄膜 成領域14aが位置し、前記接触位置の下流側 、第2の薄膜形成領域14bが位置する。第1の薄 膜形成領域14aと第2の薄膜形成領域14bにおけ 基板の裏面には、それぞれ、冷却体10a、10b 配置されている。冷却体10aによる冷却量が 冷却体10bによる冷却量よりも大きくなるよ にそれぞれの薄膜形成領域での冷却条件が 整される。
薄膜形成領域14は垂直方向に対して傾斜 ており、第1の薄膜形成領域14aと第2の薄膜形 成領域14bとでは、成膜源5からの距離が異な 。第1の薄膜形成領域14aのほうが成膜源5によ り近い位置に配置されているので、第1の薄 形成領域14aでは、第2の薄膜形成領域14bより 成膜速度が高い反面、熱負荷も大きくなる そのため、前記第1の薄膜形成領域における 冷却量を、第2の薄膜形成領域における冷却 よりも大きくなるように冷却条件を調整す 。
冷却体10a及び10bには、それぞれ冷媒配管1 8a及び18bが付設されており、これら冷媒配管 通る冷却水や不凍液などの冷媒によって冷 される。冷媒配管の材質は特に限定されず 銅やステンレス等のパイプを用いることが きる。冷媒配管は溶接などによって冷却体1 0に取り付けられても良い。また、冷媒配管18 aを通る冷媒の種類、温度又は流量と、冷媒 管18bを通る冷媒のそれらとを変えることで 冷却体10aによる冷却量と冷却体10bによる冷 量を異なるものにすることもできる。例え 、冷却体10bよりも冷却体10aをより低温に冷 することが可能である。
異なるガス導入条件でガスを導入する方 としては、例えば、ガスフローコントロー 12(図1に示す)でそれぞれのガス流量を調整 、各冷却体に個別に設けた冷却用ガス配管13 a、13bからマニホールド16を通して、冷却体表 面に伸びる細孔17を経由してガスを供給する 法が可能である。また、冷却体10a、10bから 却ガスを導入する方法は、例えば横笛様の きだし形状を有するガスノズルを冷却体に め込み、そのノズルからガスを導入する方 や、冷却体に多孔質焼結金属または多孔質 ラミックなどを用い、その細孔を通してガ を導入する方法など、様々な方法が可能で る。
また、図3(冷媒の配管は図示せず)のよう 、ガスの導入は、冷却体を介さず、冷却体 外部に配置したガスノズル19から行うこと できる。冷却体を介さずに冷却体と基板と 間にガスを導入する場合は、ガス漏れが多 なる恐れがあるため、例えば、ガスノズル19 のノズル穴径を0.1~0.2mm程度に小さくして指向 性を持たせることが好ましい。図3(c)ではガ ノズル19の拡大図を示している。図3には基 の幅方向端面からガスを導入する方法を記 したが、基板の長手方向(図3(b)の上下)から スを導入することもできる。ガス導入方法 、これらに限定されるものではなく、熱伝 媒体としてのガスを各冷却体と基板との間 個別に制御しながら導入できるのであれば 他の方法を用いることも出来る。
図2及び3で示したギャップ維持手段11は、 冷却体10と基板7が接触しないように基板を支 持する部材であり、固定された状態で、走行 中の基板7の裏面と接触することになる。そ ため、基板裏面を傷つけないようにギャッ 維持手段11の表面性および形状を選択する必 要がある。また、ギャップ維持手段で維持さ れる冷却体と基板とのギャップ(空間)の間隔 、当該ギャップにガスが導入されている状 で、0.1~2mmとなるように冷却体とギャップ維 持手段の位置関係を設定することが好ましい 。より好ましくは0.3~1mmである。0.1mm未満では 、冷却体と基板とが一部接触する可能性が高 く、基板に傷が発生しやすくなる。2mmを超え ると、冷却体と基板とのギャップが広すぎて 、冷却ガスが漏れやすくなり、冷却能が大き く低下する。
ガスの導入条件は、第1の薄膜形成領域14a に導入するガス量を、第2の薄膜形成領域14b 導入するガス量よりも多く調整することが ましい。第1の薄膜形成領域14aは、第2の薄膜 形成領域14bに比べて、成膜源5により近いた 成膜速度が高く、成膜中の熱負荷がより大 いからである。
上記のように、より熱負荷の大きい薄膜 成領域において、より多くのガスを導入し ガス圧を維持し、冷却能力を高めるととも 、より熱負荷の小さい薄膜形成領域におい 、導入ガス量を抑制する。すなわち、成膜 からの距離に応じて冷却用のガス導入量を 整することにより、適正な冷却効果を維持 ながらも、導入ガスの総量を抑えることが 来る。
図5では、薄膜形成領域を分割せずに、薄 膜形成領域の全域に均一に冷却ガスを導入す る比較例のガス導入方法を示している。この 方法では、薄膜形成領域のうち成膜源に近く 、熱負荷が大きい領域(図の下方)では高い冷 能力が求められるため、その冷却能力を基 にしてガス流量(ガス圧)を増やす必要があ 。そのため、冷却体と基板との隙間から漏 るガス量も増加する。すなわち、比較例で 、成膜源から遠く、熱負荷が小さい領域(図 上方)では冷却量が比較的少なくてよいにも かかわらず、必要以上に多量のガスが導入さ れることになる。このため、無駄なガスの漏 れによって成膜レートの低下や真空ポンプへ の不必要な負荷が生じることになる。
よって、本発明のように、熱負荷の異な 複数の薄膜形成領域において、それぞれ適 な導入ガス量を選択することによって、適 な冷却効果を損うことなく、導入ガスの総 を低減できる。また、冷却体と基板との隙 から漏れるガス量を低減し、成膜への悪影 や真空ポンプへの負荷を低減することがで る。
図1では、1つの傾斜面における薄膜形成 域に関して例を示したが、本発明の薄膜形 装置は、2つ以上の傾斜面、例えば、山型、V 型、W型およびM型の成膜走行系を含むもので っても良い。更に、基板の片面への成膜だ ではなく、両面への成膜であっても良い。 らに、薄膜形成領域は水平に配置されても い。
また、図1では、3つのギャップ維持手段11 を配置することで、薄膜形成領域を、第1の 膜形成領域14aと第2の薄膜形成領域14bの2面に 分割している。本発明はこれに限定されるこ となく、4つ以上のギャップ維持手段11を配置 することで3面以上の薄膜形成領域に分割し も良い。例えば、ギャップ維持手段を3~6個 置することで、それぞれ、薄膜形成領域を2~ 5面に分割することができる。薄膜形成領域 数が多い方がより厳密にガス導入量を最適 することが可能だが、ギャップ維持手段が5 以上になると、冷却体と基板とが接近する 域が減るため、冷却能力が低下して好まし ない。
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施形態2の一部である基
冷却機構の一例について、その構造を模式
に示す図である。薄膜形成領域近傍以外で
実施の形態は、実施の形態1と類似であるの
説明を省略する。
第1の薄膜形成領域14aおよび第2の薄膜形 領域14bにおいて、冷却体10a、10bと基板7との ャップを維持するギャップ維持手段11がロ ラからなる。ギャップ維持手段が回転する とによって基板との接触による傷が発生し くいために好ましい。回転ローラの基板と 触する面の材質はゴムやプラスチックを用 ることも可能であるが、基板に対する熱負 を原因とした基板への有機物転写の危険性 回避するために、金属を用いることが好ま い。
ローラの直径は5~100mmであることが好まし い。5mm未満だと、基板の歪による変形を抑え るために基板に大きな張力を印加した場合、 ローラの強度が低く、ローラ自体が変形して しまう恐れがあるために好ましくない。100mm 超えると、ローラ径が大きくて、基板を冷 体で冷却する領域が制限されるために好ま くない。
ガスの導入条件は、第1の薄膜形成領域14a に導入するガスを構成する分子の分子量を、 第2の薄膜形成領域14bに導入するガスを構成 る分子の分子量よりも小さくすることが望 しい。第1の薄膜形成領域14aは、第2の薄膜形 成領域14bに比べて、成膜源5により近いため 膜中の熱負荷がより大きいためである。
成膜源からの距離に応じて冷却用のガス 種類を調整することにより、成膜工程への 影響や真空ポンプへの負担を低減すること 出来る。
分子量の小さな気体分子として、例えば 素、ヘリウム、メタン、アンモニア、フッ 水素、ネオンなどを用いることができるが 安全性(取扱性)や価格などを考慮するとヘ ウムを用いることが好ましい。ヘリウムな の分子量が小さい気体分子は、熱伝導率が いため冷却能力に優れ、成膜中の飛来材料 子との衝突の影響も少ない点で好ましい。 方、冷却体と基板との隙間から漏れやすい めガス圧を維持することが難しく、更に、 れたガスを真空ポンプ(特にクライオポンプ )で排気することが困難である点では好まし くない。
分子量の大きな気体分子として、例えば セノン、クリプトン、二酸化炭素、アルゴ 、酸素などを用いることができるが、価格 どを考慮すると酸素やアルゴンを用いるこ が好ましい。また、成膜中の飛来材料分子 酸素を反応させる反応性成膜を行う場合や 基板の冷却面(裏面)を酸化させたくない場 は、アルゴンなどの不活性ガスを用いるこ が好ましい。アルゴンなどの分子量が大き 気体分子は、冷却体と基板との隙間からの ス漏れが発生しにくく、ガス圧を維持しや い点では好ましい。しかし、熱伝導率が低 ため冷却能力に劣るとともに、成膜中の飛 材料分子との衝突による成膜レートの低下 どの問題が発生する点では好ましくない。
すなわち、熱負荷が大きいため十分な冷 が必要な、第1の薄膜形成領域14aにはヘリウ ムなどのガスを、また、熱負荷が小さいため 冷却が比較的少量でよい、第2の薄膜形成領 14bにはアルゴンなどのガスを導入すること 望ましい。
一方、図5に示すような比較例のガス導入 方法では、ヘリウムのような分子量の小さい 分子からなるガスを用いた場合、熱負荷の小 さな上方の領域から必要以上のガスが漏れる ことになり、真空ポンプへの負荷が大きくな って好ましくない。また、アルゴンのような 分子量の大きな分子からなるガスを用いた場 合、熱負荷の大きな下方の領域では冷却能力 が不足する。そのため、ガス流量を増加して ガス圧を上げる必要があり、成膜源の近傍に 流出したガスによって成膜レートが低下する ため好ましくない。
以上、実施形態2においては、分子量の異な
る複数のガス種を用いることにより、冷却量
を調整する場合について説明した。実施形態
1においては、ガス流量で冷却量を調整する
とを説明した。冷却量の調整方法としては
にも上述したような種々の方法を使用でき
が、いずれの実施形態においても、これら
方法を、適宜選択または組み合わせて適用
ることが可能である。
図2~図4では、第1の薄膜形成領域14aにおける
冷却体10aと基板7とのギャップの間隔が、第2
薄膜形成領域14bにおける冷却体10bと基板7と
のギャップの間隔とほぼ同一である状態を示
している。しかし、これらのギャップの間隔
は異なっていてもよい。特に、第1の薄膜形
領域14aにおける冷却体10aと基板7とのギャッ
の間隔を、第2の薄膜形成領域14bにおける冷
却体10bと基板7とのギャップの間隔よりも狭
することが好ましい。これにより、第1の薄
形成領域14aでの基板の冷却量を第2の薄膜形
成領域14bでの基板の冷却量より大きくするこ
とができる。このためには、第1の薄膜形成
域14aにおける冷却体と基板とのギャップの
隔が0.1mm以上0.5mm未満であり、第2の薄膜形成
領域14bにおける冷却体と基板とのギャップの
間隔が0.5mm以上2mm以下であるように冷却体と
ャップ維持手段の位置関係を設定すること
好ましい。いずれの数値も、ギャップにガ
が導入されている状態での数値である。
また、図2~図4では、第1の薄膜形成領域14aお
よび14bの長さがほぼ同じである例を示したが
、同じである必要はない。例えば、熱負荷が
非常に大きい部分のみ14aとして(例えば図4の
分の長さ)、それ以外の部分は全て14bとして
もよい(例えば図4の1.5倍の長さ)。また、前記
のように薄膜形成領域は3分割以上にしても
い。これにより、ガス流量とガス種類(分子
など)の組合せを熱負荷の大きさや分布に合
わせて最適化することが可能である。
以上に本発明の実施形態の一部である基 冷却機構の例を示したが、本発明はこれら 実施形態に限定されるものではない。ギャ プ維持手段によって分割された複数の薄膜 成領域において、個別に冷却条件を調整す ことが可能な他の方法を用いることも出来 。
また、薄膜形成領域の傾斜角度はその都 最適化することが可能である。斜め入射成 は、自己陰影効果で微小空間のある薄膜を 成することが出来るので、例えば高C/N磁気 ープの形成や、サイクル特性に優れた電池 極の形成等に有効である。
例えば、基板として銅箔を用い、蒸発源 らシリコンを蒸発させつつ、必要に応じて 素ガスを導入することにより、長尺の電池 極板を得ることが出来る。
また、基板としてポリエチレンテレフタ ートを用い、蒸着用坩堝からコバルトを蒸 させつつ、酸素ガスを導入しながら成膜を うことにより、長尺の磁気テープを得るこ が出来る。
発明を実施するための形態として上記に 体的に述べたが、本発明はこれらに限定さ るものではない。
また、具体的な適用例として、シリコン 用いた電池用極板や、磁気テープ等につい 述べたが、本発明はこれらに限定されるも ではない。コンデンサ、各種センサ、太陽 池、各種光学膜、防湿膜、導電膜、などを じめとする安定成膜が要求される様々なデ イスに適用可能なことはいうまでもない。
本発明の薄膜形成膜装置及び薄膜形成方 では、ガス冷却方式においてガス導入によ 生じ得る不利益を回避しながらも、薄膜形 領域全域で十分な冷却効果を達成すること 可能である。これによって、基板の変形や 断等を防止しながら、高材料利用効率と高 膜レートを両立する薄膜形成を実現するこ が出来る。
Next Patent: DOUBLE-ENDED NEEDLE
