旭化成せんい株式会社 (〒05 大阪府大阪市北区堂島浜一丁目2番6号 Osaka, 53082, JP)
| 少なくとも織物の経糸又は緯糸の一部に、繊度が5~30dtexの熱可塑性合成繊維が配置された薄地織物であって、該織物の経糸と緯糸による交点の数が23000~70000個/(2.54cm平方)であり、及び該織物がシリコン樹脂加工が施されている、上記薄地織物。 |
| 前記熱可塑性合成繊維の単糸繊度が0.5~2.5dtexのポリエステル系合成繊維又はポリアミド系合成繊維である、請求項1に記載の薄地織物。 |
| 前記熱可塑性合成繊維の固有粘度[η]が、0.65~1.30であるポリエステル系繊維である、請求項1又は2に記載の薄地織物。 |
| 前記熱可塑性合成繊維の相対粘度が、2.5~3.5のポリアミド系繊維である、請求項1又は2に記載の薄地織物。 |
| 前記織物の目付けが15~50g/m 2 である、請求項1~4のいずれか一項に記載の薄地織物。 |
| 前記織物の通気度が0.3~1.5cc/cm 2 ・secである、請求項1~5のいずれか一項に記載の薄地織物。 |
| 前記織物の引き裂き強度が8~20Nである、請求項1~6のいずれか一項に記載の薄地織物。 |
| 前記織物の組織がリップストップ組織である、請求項1~7のいずれか一項に記載の薄地織物。 |
| 前記織物の経糸と緯糸による交点のうち、非拘束点の割合が2~40%である、請求項8に記載の薄地織物。 |
| 前記織物の摩耗強度が1万回以上である、請求項1~9のいずれか一項に記載の薄地織物。 |
| 前記シリコン樹脂加工が、DIP-NIP方式によって施されている、請求項1~10のいずれか一項に記載の薄地織物。 |
| シリコン樹脂の付着量が0.1~10.0wt%である、請求項1~11のいずれか一項に記載の薄地織物。 |
本発明は、ダウンジャケットの側地やウ ンドブレーカーなど薄地のスポーツ用衣料 寝袋やふとんの側地、又はその中袋用の織 に用いる薄地織物に関する。更に詳しくは 軽量で非常に薄地でありながら、引き裂き 度や摩耗強度に優れた薄地織物、及びそれ 用いた、スポーツ用衣料、ふとん等の側地 又は中袋用織物に関する。
従来から、スポーツ用衣料用織物は、動 やすさの観点から軽量、薄地でありながら き裂き強度に優れることが望まれてきた。 た、ふとんカバーやふとん中袋などふとん 地用途には、睡眠時の負荷やふとんの上げ ろしの負荷を低減するため、又は寝袋用途 用いる為に、軽量、薄地であり、引き裂き 度を保持することが望まれてきた。しかし 織物を構成する糸の繊度を小さくし、織物 軽量、薄地にした場合には引き裂き強度や 耗強度も低下し、実用に支障をきたすとい 問題点があった。特にスポーツ用衣料の中 もダウンジャケット用生地や、寝袋、羽毛 とん側地、羽毛ふとん中袋の場合には、軽 、薄地化に加えダウンプルーフ性が要求さ るが、ダウンプルーフ性を満足するために 織物を緻密な構造にする必要があり、織物 硬くなるという問題点もあった。
特許文献1には、繊度が25dtex(デシテック )以下で詰め綿の側地として用いられ、樹脂 工が施されていない織物が開示されている 、25dtex以下の糸を使用した織物で、シリコ 樹脂加工が施されていない場合は、特許文 1に記載のようにポリアミド繊維を用いて織 物にした場合は、引き裂き強度を8N以上にす ことが可能であるが、特許文献1に開示され ていない、例えば、ポリエステル繊維を用い た場合には、織物の引き裂き強度を8N以上に ることは困難であるという問題があった。 らに、特許文献1には繊度が22dtexの織物は記 載されているが10dtexの織物では引き裂き強度 が小さいと開示されるなど、繊度が22dtexより 小さい織物でかつ十分な引き裂き強力を有す る織物は開示されていない。
本発明は、非常に軽量、薄地でありなが 、引き裂き強度や摩耗強度に優れたスポー 用衣料、或いはふとん側地又は中袋用織物 提供するものであり、非常に細い糸を用い 織物を作成した場合に、引き裂き強度や摩 強度が小さいという問題を解決しようとす ものである。
本発明者は、上記の課題を解決する上で 特定の細繊度繊維を用い、織物中の経糸と 糸の交点の数を一定範囲にしたうえでシリ ン系樹脂による樹脂加工をすることで薄地 量織物においても十分な引き裂き強度を有 ることを見出し、本発明を完成するに至っ 。
すなわち、本発明は次のとおりのものであ
。
(1)少なくとも織物の経糸又は緯糸の一部に、
繊度が5~30dtexの熱可塑性合成繊維が配置され
薄地織物であって、該織物の経糸と緯糸に
る交点の数が23000~70000個/(2.54cm平方)であり
及び該織物がシリコン樹脂加工が施されて
る、上記薄地織物。
(2)前記熱可塑性合成繊維の単糸繊度が0.5~2.5dt
exのポリエステル系合成繊維又はポリアミド
合成繊維である、(1)に記載の薄地織物。
(3)前記熱可塑性合成繊維の固有粘度[η]が、0.
65~1.30であるポリエステル系繊維である、(1)
は(2)に記載の薄地織物。
(4)前記熱可塑性合成繊維の相対粘度が、2.5~3.
5のポリアミド系繊維である、(1)又は(2)に記
の薄地織物。
(5)前記織物の目付けが15~50g/m 2
である、(1)~(4)のいずれか一項に記載の薄地
物。
(6)前記織物の通気度が0.3~1.5cc/cm 2
・secである、(1)~(5)のいずれか一項に記載の
地織物。
(7)前記織物の引き裂き強度が8~20Nである、(1)~
(6)のいずれか一項に記載の薄地織物。
(8)前記織物の組織がリップストップ組織であ
る、(1)~(7)のいずれか一項に記載の薄地織物
(9)前記織物の経糸と緯糸による交点のうち、
非拘束点の割合が2~40%である、(8)に記載の薄
織物。
(10)前記織物の摩耗強度が1万回以上である、(
1)~(9)のいずれか一項に記載の薄地織物。
(11)前記シリコン樹脂加工が、DIP-NIP方式によ
て施されている、(1)~(10)のいずれか一項に
載の薄地織物。
(12)シリコン樹脂の付着量が0.1~10.0wt%である、
(1)~(11)のいずれか一項に記載の薄地織物。
本発明の薄地織物は、非常に軽量、薄地 ありながら、引き裂き強度や摩耗強度に優 、やわらかく、ダウンプルーフ性にも優れ 非常に薄地の織物であり、ダウンジャケッ 、ウインドブレーカーなどのスポーツ用衣 、寝袋やふとんの側地、又は中袋用の織物 好適である。
本発明の薄地織物は、少なくとも織物の 糸もしくは緯糸の一部に、繊度が5~30dtexの 可塑性合成繊維が配置された薄地織物であ 。熱可塑性合成繊維は、経糸もしくは緯糸 いずれか一方に配置されていてもよく、又 、経糸及び緯糸の両方に配置されていても い。本発明でいう熱可塑性合成繊維は、特 限定されず、ポリエステル系繊維、ポリア ド系繊維又はポリオレフィン系繊維等が好 に用いられる。ポリエステル系繊維として 、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリ チレンテレフタレート、ポリブチレンテレ タレート、ポリエチレンナフタレートやこ らを主成分とした共重合ポリエステル系繊 等が含まれ、また、ポリアミド系繊維とし は、ナイロン6、ナイロン66及び第3成分を共 合したもの等が含まれる。ポリオレフィン 繊維としては、ポリプロピレン、ポリエチ ン等が含まれる。このうち特に耐熱性、染 性の観点からポリエステル系繊維、やわら さの観点からポリアミド系繊維が好ましい また、一部に熱可塑性合成繊維以外の繊維 用いられていてもよい。
本発明の織物に用いる熱可塑性合成繊維 分子量が大きいことが好ましく、該繊維を 成するポリマーの分子量は通常粘度で表す とができるため、高粘度であることが望ま い。例えばポリエステル系繊維の場合には 固有粘度[η]が0.65~1.30であることが好ましく 、より好ましくは0.8~1.1である。ここで固有 度[η]はオルソクロロフェノール中、1重量% 測定した極限粘度をいい、固有粘度[η]を0.65 ~1.30にすることで、本発明に使用する細い糸 度ポリエステル系繊維でも目標の引き裂き 力を得ることが可能になる。固有粘度[η]が 0.65以上であれば、糸強度、糸の摩耗強度が きく、特に単糸繊度が細い糸を織物にした 合の引き裂き強度、摩耗強度も十分となり 固有粘度[η]が1.3以下であれば、織物にした 合に風合いが硬くなるという問題も生じに い。経糸又は緯糸に固有粘度[η]が0.65~1.30の ポリエステル系繊維を使用するのが好ましく 、経糸、緯糸共に該ポリエステル繊維を用い るとさらに好ましい。
また、ポリアミド系繊維の場合には、相 粘度が2.5~3.5であることが好ましい。ここで いう相対粘度は85.5%特級濃硫酸中に重合体濃 が1.0g/dlの濃度でポリマー又はプレポリマー を溶解し25℃でオストワルド粘度計を用い、 液相対粘度を測定したものである。相対粘 が2.5以上であれば、糸強度、糸の摩耗強度 大きく、特に繊度が細い糸を織物にした場 の引き裂き強度、摩耗強度も十分となり、 対粘度が3.5以下であれば、織物にした場合 風合いが硬くなるという問題も生じにくい 経糸又は緯糸に相対粘度が2.5~3.5のポリアミ ド繊維を使用するのが好ましく、経糸、緯糸 共に該ポリアミド繊維を用いるとさらに好ま しい。
本発明の織物の経糸又は緯糸の一部に配 される繊維の繊度は5~30dtexとする必要があ 。好ましくは8~25dtexである。30dtexを超えると 糸が太く、織物にした場合に、厚く、硬くな り本発明の目的を達することができない。5dt exより小さい場合には織物組織を調整して樹 加工を施しても引き裂き強度を8N以上にす ことは困難である。ポリエステル系繊維で れば18dtex以下がより好ましい。ポリアミド 繊維であれば15dtex未満がより好ましい。単 繊度は0.5~2.5dtexが好ましく、より好ましくは 0.7~2.0dtexである。
本発明の織物で使用される繊維の単糸断 の形状は、特に限定されないが、異型度が2 ~7の異型断面糸が好ましく、特にW型断面、V 断面繊維は、織物にした場合には、所謂レ ガ積み構造に配置され、最密充填に似た構 を呈し、そのため、単糸と単糸との間隙が さくなり、通気性を低減させることができ 好ましい。また、W型断面など扁平形状の単 を用いると,糸による曲げ応力の低減効果の 為、風合いがやわらかい織物となる。
また、W断面、V断面、めがね型断面等、 型断面繊維が溝、すなわち単糸断面に凹部 有する形状の場合、織物としての吸汗速乾 にも優れるため、汗をかいてもさらっとし 衣料用織物又はふとん側地等となり、好ま い。
上述の熱可塑性合成繊維は、織物の経糸 は緯糸の少なくとも一部に用いられていれ よく、織物すべてがこの糸から構成される のでもよい。
本発明の織物は、目付けが15~50g/m 2 であることが好ましい。より好ましくは35g/m 2 以下である。織物をスポーツ衣料やふとん側 地、特にダウンジャケットや羽毛ふとんの側 地として使用した際に軽量感を感じる為には 、目付が50g/m 2 以下であればよい。15g/m 2 以上であれば、織物組織を調整して樹脂加工 を施すことにより引き裂き強度を8N以上にす ことができる。
本発明の織物は軽量薄地でありながら、 き裂き強度が大きいことが好ましい。本発 でいう引き裂き強度は、JIS-L-1096:8.15.5 D法( ンジュラム法)で測定されるもので、織物が スポーツ衣料やふとん側地等の実用に耐える ために、引き裂き強度は8N~20N程度が好ましい 。8N以上であれば使用中に破れるおそれもな 、また、20N以下であれば本発明の細い糸を いた薄地織物を可能とし、実用上も有用で る。
極軽量薄地でありながら引き裂き強度を8 N~20Nにするために、本発明の織物は特定の構 をもち、なおかつシリコン系の樹脂加工が されていることを特徴としている。従来は 脂加工によって風合いが硬くなったり、耐 性が劣る等の問題があるとされていたが、 発明では、このような細繊度高密度織物に リコン系の樹脂加工を施すことにより、織 の引き裂き強度が格段に向上するうえに、 合いが柔らかく耐久性に優れた樹脂皮膜を 与することができることを見出した。これ 従来の樹脂加工が主として織物表面に皮膜 形成することを目的としていたのに対して 本発明ではシリコン系の樹脂が細い繊度の 維どうしの滑り性を改善させるためである
シリコン系の樹脂加工剤はシリコンを含 樹脂であれば特に限定されないが、特に耐 性と加工性の観点から変性シリコン樹脂と 面活性剤のエマルジョンが好ましい。変性 リコンの具体例としては、日華化学(株)の ッカシリコンDM-100E、京浜化学(株)のシリコ ンEC、パラジンMB、明成化学(株)のハイソフ ーKR-50、クラリアントジャパンのSolusoft WAな どが挙げられるがそれらに限定されるもので はない。界面活性剤はシリコン樹脂のイオン 性を考慮して適宜選定すればよい。
シリコン系の樹脂を薄地織物に加工する とにより引き裂き強度が向上する理由とし は、シリコン系の樹脂加工により糸のすべ 性が向上することに起因している。一般に 織物の引裂きは、引裂かれる点に応力が集 すると比較的小さい応力で引き裂かれてし うが、シリコン系の樹脂加工により糸が滑 ことにより引裂かれる点における応力が分 され、結果として、引き裂き強度を8N以上 することが可能になる。
この糸が滑る効果は織物の構造によりその 果が異なる。本発明のもう一つの特徴とし 、織物の経糸と緯糸の交点の数が23000個/inch 2 ~70000個/inch 2 、好ましくは27000個/inch 2 ~62000個/inch 2 であることが挙げられる。本発明でいう織物 の経糸と緯糸の交点の数とは、1inch四方に経 と緯糸の交差する点の数をいい、タフタや ップストップタフタの場合には、経糸密度( 本/inch)×緯糸密度(本/inch)で表すことができる 。経糸と緯糸の交点の数が23000個/inch 2 より少ない場合には、織物中の糸と糸の間隙 が大きくなり、通気性を1.5cc/cm 2 ・sec以下にすることが困難である。また、縫 い目滑脱抵抗も小さくなり、可縫製にも問題 が生じる場合がある。経糸と緯糸の交点の数 が70000個/inch 2 を超えると風合いが硬くなり、樹脂加工を行 っても引き裂き強度が向上せず、本発明の目 標を達成し難い。
さらに本発明では織物の経糸と緯糸の交 のうち非拘束点の割合が2%~40%の範囲である とが好ましい。より好ましくは4%~35%である 織物の交点は拘束点と非拘束点に区分され 。
ここでいう拘束点とは経糸と緯糸が交差 ている点をいい、非拘束点とは経糸又は緯 が並んで配置されている部分をいう。図1の 織物構造を例として以下に説明する。織物組 織図では経糸が表側に表れている交点を黒色 、緯糸が表側に表れている交点を白色で表し ている。図1Aの経糸と緯糸の重なりを示した が図1Bである。また、図1Bの最下行の糸状態 の重なりを断面方向からみると図1Cのように っている。非拘束点とはタテ又はヨコのい れかの糸が並んでいる場合をいう。図1A(図1 B)では最下行の場合左の2か所で経糸が並んで おり、非拘束点が2、拘束点が4である。図1A 8つの行はどの行も2か所ずつ非拘束点が存在 しているため、緯方向の非拘束点は16、拘束 は32となる。同様に最左列では下の2か所が 拘束点であるため、非拘束点が2、拘束点が 6となる。どの列も同様であるから経方向の 拘束点は12、拘束点は36となる。従って単位 織あたり交点96ヶ所中非拘束点は28ヶ所とな り、非拘束点の割合は29.2%となる。非拘束点 シリコン系の樹脂が作用することにより、 べり効果は飛躍的に増大し、引裂きにおけ 応力の分散が起こりやすく、細い繊度であ ながらも引き裂き強度を高めることができ 。本発明のような細い繊度での織物は必然 に高密度になり、拘束点の多い織物となる 、本発明では特定の割合の非拘束点を持た ることで糸の自由度を高め引き裂き強度を めることができる。さらに引裂きにおける り効果を高めるには、特に極細繊度使いや 低目付け織物では、非拘束点を密集、或い 、集合して存在させることで、集合域とし の自由度が高まり、引裂きを高めることが きる。すなわち、2~3ヶ所連続して非拘束点 持たせる構造が有効である。
特に本発明の織物を、ダウンジャケットや 毛ふとんの側地に用いる場合、ダウンプル フ性を満足させる為、通気度が0.3~1.5cc/cm 2 ・secであることが好ましいが、軽量でかつ通 気度を0.3~1.5cc/cm 2 ・secにするには、細い糸で緻密にする必要が あり、織物は動きにくい構造でかたい織物に なりやすい。非拘束点が2~3ヶ所連続する構造 にすることで、軽量で低通気でありながら引 き裂き強度が大きい織物が可能になる。特に 好ましくは、通気度は0.5~1.0cc/cm 2 ・secである。
非拘束点の割合が織物の交点のうち2%以 であれば、滑り効果が乏しくなることはな 。非拘束点の割合が40%以下であれば、縫い 滑脱抵抗も大きくなり、可縫性に問題が生 る場合もない。
本発明の織物の織り組織は特に限定され いが、リップストップタフタ、綾組織、朱 組織等任意の組織を用いることができる。 のうち特にリップストップタフタは非拘束 を持つため、好適に用いられる。リップス ップタフタの場合は、織組織の特異性とシ コン樹脂の作用が、互いに相乗効果を発揮 、樹脂なしの生地に対し、30~50%もの大幅な き裂き強度の向上がみられる。リップスト プタフタ組織の場合には、経糸又は緯糸に 糸が2~3本、多重で配列されているため、シ コン樹脂での滑り効果が顕著に生じやすく るため、この様な優れた効果を生じたもの 思われる。リップストップの格子柄の大き は、0.2~5mmであることが好ましい。
滑り効果を発揮させるためのシリコン系 脂の付着量は、生地に対し、0.1~10.0wt%が好 しい。特に0.5~3.0wt%が、目よれなど他の欠点 起こりにくく好ましい。付着量がこの範囲 あると、シリコン樹脂のない場合に比較し 、引き裂き強度が10~50%増加する。
樹脂加工の方法は特に限定されないが、 色後にDIP-NIP法で加工する方法、吸尽法で加 工する方法、コーティング剤中に混ぜて加工 するなどの方法が好適に用いられる。加工工 程の最終段階で生地表面にしっかり加工剤を 付着させるという点でDIP-NIP法で加工する方 が特に好適に用いられる。乾燥温度も通常 織物の仕上げ温度で特に問題はない。
シリコン系の樹脂加工を施すことで、引 裂き強度向上効果に加えて、風合いをなめ かかつやわらかくする効果も同時に達成で る。この効果によりスポーツ衣料やふとん 地として用いた場合にがさがさ感がなく、 触りが良好となる。
本発明の薄地織物は引き裂き強度に加え 摩耗強度にも優れる。摩耗強度は摩耗の相 布を毛芯としたマーチンデール摩耗法で評 する。この方法で好ましくは1万回以上、よ り好ましくは15000回以上の摩耗強度があれば ウンジャケットやウインドブレーカーなど スポーツ用途に使用する場合にも十分な耐 性があるといえる。薄地織物でありながら 耗強度を高めるためには、高粘度のポリア ド又はポリエステル系繊維を使い、単糸繊 を好ましくは0.5dtex~2.5dtex、より好ましくは0 .7dtex~2.5dtexにする方法や、熱リラックス処理 糸又は織物に施すことが効果的である。
織物の製織時に使用する織機も特に制限 無く、ウォータージェットルーム織機やエ ージェットルーム織機、レピア織機を使用 ることができる。製織後の織物は常法に従 て精錬、リラックス、プレセット、染色し 要に応じて撥水処理、吸水加工、抗菌、消 などの機能付与加工やコーティング加工、 レンダー加工等の後加工を付与する事がで る。
こうして得られた織物は、従来のスポー 用衣料或いはふとん側地用織物よりも軽量 かつ引き裂き強度や摩耗強度が大きく、風 いもなめらかでやわらかいという特徴があ 。さらに通気性を小さくすることが可能で り、ダウンプルーフ性を併せ持つことがで る。
本発明を、実施例に基づいて説明する。
実施例で用いた測定項目、方法は以下の通
である。
(1)繊維のポリマー粘度
ポリエステル系繊維の場合:固有粘度[η]は
ルソクロロフェノール中、1重量%で測定した
極限粘度で示した。
ポリアミド系繊維の場合:相対粘度は85.5%特
濃硫酸中に重合体濃度が1.0g/dlの濃度でポリ
マー又はプレポリマーを溶解し25℃でオスト
ルド粘度計を用い、溶液相対粘度を測定し
。
(2)目付け
JIS-L-1096 8.4.2 織物の標準状態における単位
面積当たりの質量により求めた。
(3)引き裂き強度
JIS-L-1096 8.15.5 D法(ベンジュラム法)により
定した。単位はNである。
(4)摩耗強度
JIS-L-1096 8.17.5 E法(マーチンデール法)に準
、ただし、摩擦相手布を毛芯に変更して測
した。穴があく、又は減耗率が5%以上になる
までの摩耗回数を測定した。
(5)通気度
JIS-L-1096 8.27.1 A法(フラジール法)により測
した。単位はcc/cm 2
・secである。
(6)異型度
織物の断面写真を撮影し、その断面写真か
織物を構成する単糸繊維の断面の長径(最も
長い部分の径)/短径(長径と垂直方向の径)よ
算出した。
(7)シリコン樹脂加工の有無
加工の有る場合は「有」、加工の無い場合
「無」とした。
(8)生地の風合い(やわらかさ)
5名の官能評価(1:硬い 2:やや硬い 3:どちら
もいえない 4:やややわらかい 5:やわらか
)の平均とした。
実施例1
固有粘度[η]が0.85で11デシテックス10フィラ
ントのポリエステルフィラメントを経、緯
に図1のリップストップ組織の織物を、ウォ
ータージェットルーム織機にて製織した。得
られた織物を、常法に従って精練、プレセッ
トした後、液流染色機にて染色、乾燥した後
、変性シリコン樹脂として日華化学(株)のニ
カシリコンDM-100Eを1%とアニオン系の界面活
剤0.5%のエマルジョンをDIP-NIP法で加工し、14
0℃で乾燥させた後、160℃の熱カレンダー加
を施した。シリコン樹脂の付着量は0.8wt%で
った。
得られた織物の特性は表1に示す通り、織物
の目付けは32g/m 2
であり、経糸と緯糸の交点の数は60025個/inch 2
であり、非拘束点の割合は29.2%であり、引き
き強度は、タテが10.5N、ヨコが12Nであった
生地の風合いは非常に良好であり、この織
を、ダウンジャケットに用いると軽く薄く
わらかく、強度も十分であった。
実施例2
経糸、緯糸に固有粘度[η]が0.87で17デシテッ
クス18フィラメントの異型度が3.2であるW型断
面のポリエステルフィラメントを用い、図2
組織で製織した他は、実施例1と同様の方法
製織、加工を行った。
得られた織物の特性は表1に示す通り、織物
の目付けは、31g/m 2
であり、経糸と緯糸の交点の数は44000個/inch 2
であり、非拘束点の割合は4.5%であり、引き
き強度は、タテが9.1N、ヨコが8.2Nであった。
生地の風合いは非常に良好であり、織物を
ウンジャケットに用いると軽く薄くやわら
く、強度も十分であった。
実施例3
経糸に固有粘度[η]が0.87で24デシテックス18
ィラメントの異型度が3.2であるW型断面のポ
リエステルフィラメントを用い、図3の組織
製織した他は、実施例1と同様の方法で製織
加工を行った。
得られた織物の特性は表1に示す通り、織物
の目付けは、37g/m 2
であり、経糸と緯糸の交点の数は30960個/inch 2
であり、非拘束点の割合は10.6%であり、引き
き強度は、タテが10.1N、ヨコが11Nであった
織物をダウンジャケットに用いると軽く薄
やわらかく、強度も十分であった。
実施例4
経糸、緯糸に相対粘度が2.8で24デシテック
26フィラメントの丸断面ナイロン66フィラメ
トを用い、織組織を2/1ツイルとした他は、
施例1と同様の方法で製織、加工を行った。
得られた織物の特性は表1に示す通り、織物
の目付けは、38g/m 2
であり、経糸と緯糸の交点の数は27200個/inch 2
であり、非拘束点の割合は33.3%であり、引き
き強度は、タテが10N、ヨコが11Nであった。
生地の風合いは良好であり、織物をダウン
ャケットに用いると軽く薄くやわらかく、
度も十分であった。
実施例5
経糸、緯糸に相対粘度が3.1で15デシテック
13フィラメントの丸断面ナイロン66フィラメ
トを用いた他は、実施例1と同様の方法で製
織、加工を行った。
得られた織物の特性は表1に示す通り、織物
の目付けは、33g/m 2
であり、経糸と緯糸の交点の数は52900個/inch 2
であり、非拘束点の割合は29.2%であり、引き
き強度は、タテが8.5N、ヨコが9Nであった。
生地の風合いは良好であり、織物をダウン
ャケットに用いると軽く薄くやわらかく、
度も十分であった。
実施例6
経糸、緯糸に固有粘度[η]が0.85で11デシテッ
クス24フィラメントのポリエステルフィラメ
トを用いた他は、実施例1と同様の方法で製
織、加工を行った。
得られた織物の目付けは、25g/m 2
と軽く、通気度も0.7cc/cm 2
・secでありダウンプルーフ性を備えていたが
、引き裂き強度は8Nに満たなかった。
実施例7
経糸、緯糸に固有粘度[η]が0.62でのポリエ
テルフィラメントを用いた他は、実施例1と
様の方法で製織、加工を行った。
得られた織物の目付けは、30g/m 2
と軽く、通気度も0.7cc/cm 2
・secでありダウンプルーフ性を備えていたが
、引き裂き強度は8Nに満たなかった。
比較例1
実施例2と同様の織物を製織し、染色後、シ
リコン系の樹脂加工を行わずに、カレンダー
加工を行った。
得られた織物の目付けは、30g/m 2
であったが、引き裂き強度は8Nに満たなかっ
。また風合いもがさがさ感があった。
比較例2
経糸、緯糸に固有粘度[η]が0.83で34デシテッ
クス24フィラメントのポリエステルフィラメ
トを用いた他は、実施例1と同様の織物を製
織し、加工を行った。
得られた織物の目付けは、40g/m 2
と重く、経糸と緯糸の交点の数は19180個/inch 2
であり、通気度が大きく、縫い目滑脱抵抗が
小さい結果となった。
比較例3
織密度を経280本/inch、緯270本/inchとした他は
実施例1と同様の織物を製織し、加工を行っ
。
得られた織物の目付けは、34g/m 2
であったが、引き裂き強度は8Nに満たなかっ
。また風合いも硬かった。
本発明の織物は、非常に軽量薄地かつ引 裂き強度、摩耗強度に優れた織物であり、 ポーツ用衣料、寝袋、ふとん側地、ふとん 袋に好適に用いられる。
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