Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
THREE-DIMENSIONALLY SHAPED THERMALLY CONDUCTIVE MOLDED BODY, AND MANUFACTURING METHOD THEREOF
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2018/078436
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a three-dimensionally shaped thermally conductive molded body (1) and manufacturing method thereof, that can ensure sufficient gap filling properties and contact surface area with regard to heat dissipating components such as heat sinks and the like and heat generating components such as IC chips and the like, without adding excessive stress to these components. The three-dimensionally shaped thermally conductive molded body of a first aspect of the present disclosure contains a thermally conductive material and a silicone-based material, the molded body has a substantially flat bottom surface, and a three-dimensional shaped part located on the inside of the bottom surface, and the height of the three-dimensionally shaped part that is higher than the bottom surface differs in at least two locations (a, b).

Inventors:
UCHIYA TOMOAKI (JP)
SAKAGUCHI RYO (JP)
TAKASHINA TADAHIRO (JP)
NEZU MASARU (JP)
TAKENOUCHI TAKASHI (JP)
Application Number:
PCT/IB2017/001308
Publication Date:
May 03, 2018
Filing Date:
October 31, 2017
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
3M INNOVATIVE PROPERTIES CO (US)
International Classes:
B29C39/02; B29C39/00; B29C39/10; H01L23/367; H01L23/373; H01L23/433; B29K83/00
Foreign References:
US20080290504A12008-11-27
US20040118579A12004-06-24
US20150303129A12015-10-22
EP0297793A21989-01-04
Download PDF:
Claims:
n 0 1 3 C 8

WO 2018/078436 53 PCT/IB2017/001308

請求の範囲

[請求項 1 ] 熱伝導性材料及びシリコーン系材料を含む、 三次元形状熱伝導性成 形体であって、

該成形体は、 略平坦な底面と、 該底面内に位置する三次元形状部と を有し、 前記底面よリ上方の前記三次元形状部の高さが少なくとも 2 か所において相違する、 三次元形状熱伝導性成形体。

[請求項 2] 前記三次元形状部の少なくとも一部が、 シリコーン系材料を含む上 部外層で覆われている、 請求項 1 に記載の三次元形状熱伝導性成形体

[請求項 3] 不織布が底面側に内在している、 請求項 1又は 2に記載の三次元形 状熱伝導性成形体。

[請求項 4] 前記三次元形状部の形状の少なくとも一部が、 略ドーム状又は略か まぼこ状である、 請求項 1 ~ 3の何れか一項に記載の三次元形状熱伝 導性成形体。

[請求項 5] 前記三次元形状部の形状が、 該形状部を適用する被着部材の形状と 略一致している、 請求項 1 〜 3の何れか一項に記載の三次元形状熱伝 導性成形体。

[請求項 6] 前記成形体が、 前記底面を構成する底部外層と、 該底部外層を覆う ように配置される上部外層と、 前記底部外層と前記上部外層との間に 配置される中間部材とを含み、 上部外層、 中間部材及び底部外層が、 シリコ一ン系材料を含む、 請求項 1 〜 5の何れか一項に記載の三次元 形状熱伝導性成形体。

[請求項 7] 前記上部外層及び前記底部外層、 又は前記底部外層及び前記 Φ間部 材が同一材料よリなリ一体化されている、 請求項 6に記載の三次元形 状熱伝導性成形体。

[請求項 8] 前記上部外層がシリコーンゴムを含み、 前記中間部材はシリコーン ゲルを含み、 及び前記底部外層はシリコーンゴム又はシリコーンゲル を含む、 請求項 6又は 7に記載の三次元形状熱伝導性成形体。 贿 320 1 ? / 0 0 1 3 C 8

WO 2018/078436 54 PCT/IB2017/001308

[請求項 9] 前記中間部材が前記上部外層及びノ又は前記底部外層よりも柔軟で ある、 請求項 6 ~ 8の何れか一項に記載の三次元形状熱伝導性成形体

[請求項 10] 前記底面と、 該底面を除く三次元形状熱伝導性成形体の表面部分と のタック性が相違する、 請求項 1 ~ 9の何れか一項に記載の三次元形 状熱伝導性成形体。

[請求項 1 1 ] 三次元形状熱伝導性成形体の製造方法であつて、

熱伝導性材料及びシリコーン系材料を含む混合物を準備する工程と 略平坦な底面と、 該底面内に位置する三次元形状部とを有し、 前記 底面より上方の前記三次元形状部の高さが少なくとも 2か所において 相違する成形体が得られる型を準備する工程と、

前記型内面に接触し得るように、 伸長可能フィルムを型上に配置す る工程と、

前記型に前記伸長可能フィルムを貼り合わせる工程と、 前記伸長可能フィルムを貼り合わせた前記型の空洞部に前記混合物 を充填し、 任意に成形体の底面となる部分に対して平坦化処理を行う 、 工程と、

前記型内の混合物を硬化させる工程と、

任意に前記型を冷却後、 前記伸長可能フィルムを備える三次元形状 熱伝導性成形体を前記型から取り出し、 任意に前記伸長可能フィルム を除去し、 任意に型形状が付されていない部分を打ち抜き、 三次元形 状熱伝導性成形体を得る工程と、 を含む、 三次元形状熱伝導性成形体 の製造方法。

[請求項 12] 三次元形状熱伝導性成形体の製造方法であつて、

伸長可能フィルムと剥離フィルムとを含む積層フィルムの前記伸長 可能フィルム上に、 熱伝導性材料を含有する第 1のシリコーン系材料 を適用し、 硬化させて上部外層を形成する工程と、 PC麵 1 7 / 0 0 1 3 C 8

WO 2018/078436 55 PCT/IB2017/001308

前記上部外層を備える積層フィルムの剥離フィルムを除去した後、 型内面に前記伸長可能フィルムが接触し得るように、 該積層フィルム を型上に配置する工程であって、 前記型は、 略平坦な底面と、 該底面 内に位置する三次元形状部とを有し、 前記底面より上方の前記三次元 形状部の高さが少なくとも 2か所において相違する成形体が得られる 型である、 工程と、

前記型に前記積層フィルムを貼り合わせる工程と、

前記積層フィルムを貼り合わせた前記型の空洞部に、 熱伝導性材料 を含有する第 2のシリコーン系材料を含む中間部材を充填し、 任意に 成形体の底面側に位置する部分に対して平坦化処理を行う、 工程と、 任意に、 剥離フィルム上に熱伝導性材料を含有する第 3のシリコー ン系材料を適用して底部外層を形成し、 該底部外層が、 前記上部外層 と空洞部に充填した前記中間部材とを覆うように、 該底部外層を含む 剥離フィルムを、 該剥離フィルムが最表層となるように型上に配置す る工程と、

前記中間部材を構成する第 2のシリコーン系材料、 及び存在する場 合は底部外層を構成する第 3のシリコーン系材料を硬化させる工程と 任意に前記型を冷却後、 前記伸長可能フィルム及び任意に存在する 前記剥離フィルムを備える三次元形状熱伝導性成形体を前記型から取 リ出し、 任意に前記伸長可能フィルム及び 又は任意に存在する前記 剥離フィルムを除去し、 任意に前記中間部材を含まない前記上部外層 部分及び存在する場合は前記底部外層部分を打ち抜き、 三次元形状熱 伝導性成形体を得る工程と、 を含む、 三次元形状熱伝導性成形体の製 造方法。

[請求項 13] 複数の突起層、 及び底部外層を備える、 三次元形状熱伝導性成形体

であって、

前記突起層が、 熱伝導性材料及びシリコーン系材料を含み、 2 C 8 前記底部外層が、 熱伝導性材料、 シリコーン系材料及び補強基材を 含み、

前記突起層は、 隣接する突起層の底面外周部と接触しておらず、 隣 接する突起層間に間隙を有するように配置されており、

下記式 ( I )

[数 1] α?Υ= 100-X ( I )

[式中、 αは 0. 70~1. 00であり、 Xは間隙が突起層の圧縮 変形によって完全に充填されるときの圧縮率 (%) であり、 Υは底部 外層上面の総面積のうち突起層底面の総面積が占める割合 (%) であ る。 ]

を満足する、 三次元形状熱伝導性成形体。

前記間隙の幅が略均等である、 請求項 1 3に記載の三次元形状熱伝 導性成形体。

前記突起層の上面が略平坦面である、 請求項 1 3又は 14に記載の 三次元形状熱伝導性成形体。

前記略平坦面の形状が、 略正三角形、 略正方形、 略正五角形、 略正 六角形、 略長方形、 又は略波型形状であり、 前記突起層は、 前記形状 の各辺に沿つた断面部を有し、 隣接する突起層の前記形状における隣 接する各辺が略平行状態にある、 請求項 1 5に記載の三次元形状熱伝 導性成形体。

前記突起層のテーパー角が 80° ~90° である、 請求項 1 3~1 6の何れか一項に記載の三次元形状熱伝導性成形体。

前記突起層のァス力一 C硬度が 0〜30である、 請求項 1 3~1 7 の何れか一項に記載の三次元形状熱伝導性成形体。

三次元形状熱伝導性成形体を被着体に適用して 500/0圧縮したとき の接触面積が、 三次元形状熱伝導性成形体を被着体に圧縮せずに適用 PC 20"/ 0018C8

WO 2018/078436 57 PCT/IB2017/001308 したときの接触面積に比較して 40%以上増加する、 請求項 1 3~ 1 8の何れか一項に記載の三次元形状熱伝導性成形体。

[請求項 20] 突起層を 5個/ i n c h 2以上有する、 請求項 1 3 ~ 1 9の何れか 一項に記載の三次元形状熱伝導性成形体。

[請求項 21] 底部外層の厚さが 0. 5mm以下であり、 三次元形状熱伝導性成形 体の厚さが 4. Omm以下である、 請求項 1 3〜20の何れか一項に 記載の三次元形状熱伝導性成形体。

[請求項 22] 請求項 1 3〜2 1の何れか一項に記載の三次元形状熱伝導性成形体 の製造方法であって、

熱伝導性材料及びシリコーン系材料を含む混合物を準備する工程と 三次元形状熱伝導性成形体の突起層及び間隙を形成し得る型を準備 する工程と、

前記型内面に接触し得るように、 伸長可能フィルムを型上に配置す る工程と、

前記型に前記伸長可能フィルムを貼り合わせる工程と、

前記伸長可能フィルムを貼り合わせた前記型の空洞部に前記混合物 を充填する工程と、

剥離フィルム上に底部外層を備える底部外層用積層体を、 底部外層 が空洞部に充填した混合物を覆い剥離フィルムが最表層となるように 型上に配置する工程と、

前記混合物及び底部外層のシリコーン系材料を硬化させる工程と、 任意に前記型を冷却後、 前記伸長可能フィルムを備える三次元形状 熱伝導性成形体を前記型から取り出し、 任意に前記伸長可能フィルム 及び Z又は剥離フィルムを除去し、 三次元形状熱伝導性成形体を得る 工程と、 を含む、 三次元形状熱伝導性成形体の製造方法。

[請求項 23] 前記伸長可能フィルムが、 ポリオレフイン樹脂、 ポリメチルペンテ ン樹脂、 アイオノマ一樹脂、 及びフッ素系樹脂から選択される少なく PCT/I32ft 7; n o n C 3 58 PCT/IB2017/001308 とも 1つの樹脂を含む、 請求項 1 1、 1 2又は 2 2に記載の三次元形 状熱伝導性成形体の製造方法。

Description:
明 細 書

発明の名称 : 三次元形状熱伝導性成形体、 及びその製造方法 技術分野

[0001 ] 本開示は三次元形状熱伝導性成形体、 及びその製造方法に関する。

背景技術

[0002] 電子機器を構成する発熱性部品 (パワートランジスタ、 サイリスタ等) 、 集積回路 ( I C、 L S I等) の発熱を効率良く冷却するため、 これらの部品 と、 放熱板、 筐体等のヒートシンクとの間隙に厚手の放熱 シートを適用して 、 発熱性部品の放熱性を向上させることが行わ れている。 従来の放熱シート は柔軟性に劣るため、 例えば熱膨張を起こした際に隣接する素子と 基板に対 して過度の応力がかかり破損させるおそれが あった。 そのため、 より柔軟な 放熱シートが求められていた。

[0003] 特許文献 1 (特許第 3 4 9 2 6 5 6号公報) には、 袋状の薄膜シートにそ の開口部から所定量の流動性の熱伝導性グリ スを注入し、 この熱伝導性グリ スを袋の外形に沿って薄板状に伸ばし、 内部の空気を排気しつつ開口部を気 密封止し、 熱風で薄膜シートを収縮させ最終的に薄板状 に整形する、 熱伝導 性シートの製造方法が記載されている。

[0004] 特許文献 2 (特許第 2 7 2 8 6 0 7号公報) には、 網目状補強材に熱伝導 性充填剤配合のシリコーンゴムを被覆硬化さ せた放熱絶縁シートと、 熱伝導 性充填剤を配合した硬化後の硬さがァス力一 F硬度計で 1 0〜9 5の範囲で ある未硬化の付加型液状シリコ一ンゴムをモ ールド成形、 射出成形あるいは コーティング成形により一体成形し、 液状シリコーンゴムを硬化させ放熱絶 縁シートと複合化する、 熱伝導性複合シートの製造方法が記載されて いる。

[0005] 特許文献 3 (特許第 2 9 3 8 3 4 0号公報) には、 熱伝導性充填材を含有 し、 ァスカー C硬度が 5〜5 0であるシリコーンゴム層と、 該シリコーンゴ ム層中に含まれた、 からみ織りの直径 0 . 3 m m以上の孔を有する多孔性補 強材層とを備えてなる熱伝導性複合シートが 記載されている。 [0006] 特許文献 4 (特許第 3 3 8 2 8 4 2号公報) には、 プリン卜配線板に部品 高さが異なる複数の電子部品を実装し、 これらの電子部品におけるプリント 配線板とは反対側の面に、 柔軟性を有するとともに熱伝導率が高い材料 から なる伝熱用部材を介してヒートシンクを接続 してなり、 この伝熱用部材にお ける電子部品と対向する面に、 平坦な先端面から基部側の他端に向かうにし たがって次第に太くなる多数の柱状突起を互 いに近接するように一体に形成 し、 柱状突起の先端面が電子部品に押付けられる とともに、 互いに隣接する 柱状突起どうしの間に断面 V字状の溝が形成される状態で伝熱用部材を 子 部品とヒートシンクとの間に介装した、 電子部品の冷却構造が記載されてい る。

先行技術文献

[0007] 特許文献 1 :特許第 3 4 9 2 6 5 6号公報

特許文献 2:特許第 2 7 2 8 6 0 7号公報

特許文献 3:特許第 2 9 3 8 3 4 0号公報

特許文献 4:特許第 3 3 8 2 8 4 2号公報

発明の概要

発明が解決しょうとする課題

[0008] 熱伝導性シートにおける、 発熱性部品とヒートシンク等の放熱部品との 間 の間隙を充填する性能 (以下、 「間隙充填性」 という場合がある。 ) は、 該 シートが柔軟になればなるほど向上すること が知られている。 しかしながら 、 シートが柔軟化しすぎると、 該シ一卜の形状を保持することが困難となり 、 場合によっては、 シート端部よりはみ出たシートの構成材料が 、 隣接する 電子部品等を汚染する問題があった。 一般的な熱伝導性シートは、 両主表面 が平坦な枚葉のシート形状であり (特許文献 2 ~ 3 ) 、 従来の柔軟な熱伝導 性シー卜の場合は、 柔軟性に劣るポリサルホン等のプラスチック 材料よりな る外皮を備えていたため (特許文献 1 ) 、 発熱性部品、 ヒートシンクなどと の間にエア一トラッビングを生じ易く、 接触面積を十分に確保することがで きないという問題を有していた。

[0009] 本開示は、 I Cチップ等の発熱性部品、 ヒートシンク等の放熱部品に対し て過度の応力を付加することなく、 これらの部品に対して十分な間隙充填性 及び接触面積を確保することができる、 三次元形状熱伝導性成形体及びその 製造方法を提供する。

課題を解決するための手段

[0010] 本開示の一実施態様によれば、 熱伝導性材料及びシリコーン系材料を含む

、 三次元形状熱伝導性成形体であって、 該成形体は、 略平坦な底面と、 該底 面内に位置する三次元形状部とを有し、 底面より上方の三次元形状部の高さ が少なくとも 2か所において相違する、 三次元形状熱伝導性成形体が提供さ れる。

[001 1 ] 本開示の別の実施態様によれば、 熱伝導性材料及びシリコーン系材料を含 む混合物を準備する工程と、 略平坦な底面と、 該底面内に位置する三次元形 状部とを有し、 底面より上方の前記三次元形状部の高さが少 なくとも 2か所 において相違する成形体が得られる型を準備 する工程と、 型内面に接触し得 るように、 伸長可能フィルムを型上に配置する工程と、 型に伸長可能フィル ムを貼り合わせる工程と、 伸長可能フィルムを貼り合わせた型の空洞部 に混 合物を充填し、 任意に成形体の底面となる部分に対して平坦 化処理を行う、 工程と、 型内の混合物を硬化させる工程と、 任意に型を冷却後、 伸長可能フ イルムを備える三次元形状熱伝導性成形体を 型から取り出し、 任意に伸長可 能フィルムを除去し、 任意に型形状が付されていない部分を打ち抜 き、 三次 元形状熱伝導性成形体を得る工程と、 を含む、 三次元形状熱伝導性成形体の 製造方法が提供される。

[0012] 本開示の別の実施態様によれば、 伸長可能フィルムと剥離フィルムとを含 む積層フィルムの前記伸長可能フィルム上に 、 熱伝導性材料を含有する第 1 のシリコーン系材料を適用し、 硬化させて上部外層を形成する工程と、 上部 外層を備える積層フィルムの剥離フィルムを 除去した後、 型内面に伸長可能 フィルムが接触し得るように、 該積層フィルムを型上に配置する工程であつ て、 該型は、 略平坦な底面と、 該底面内に位置する三次元形状部とを有し、 底面より上方の三次元形状部の高さが少なく とも 2か所において相違する成 形体が得られる型である、 工程と、 型に前記積層フィルムを貼り合わせるェ 程と、 積層フィルムを貼り合わせた型の空洞部に、 熱伝導性材料を含有する 第 2のシリコーン系材料を含む中間部材を充填 、 任意に成形体の底面側に 位置する部分に対して平坦化処理を行う、 工程と、 任意に、 剥離フィルム上 に熱伝導性材料を含有する第 3のシリコ ン系材料を適用して底部外層を形 成し、 該底部外層が、 上部外層と空洞部に充填した中間部材とを覆 うように 、 該底部外層を含む剥離フィルムを、 該剥離フィルムが最表層となるように 型上に配置する工程と、 中間部材を構成する第 2のシリコーン系材料、 及び 存在する場合は底部外層を構成する第 3のシリコーン系材料を硬化させるェ 程と、 任意に型を冷却後、 伸長可能フイルム及び任意に存在する剥離フ ィル ムを備える三次元形状熱伝導性成形体を型か ら取り出し、 任意に伸長可能フ ィルム及び 又は任意に存在する剥離フィルムを除去し、 任意に中間部材を 含まない上部外層部分及び存在する場合は底 部外層部分を打ち抜き、 三次元 形状熱伝導性成形体を得る工程と、 を含む、 三次元形状熱伝導性成形体の製 造方法が提供される。

本開示のさらに別の実施態様によれば、 複数の突起層、 及び底部外層を備 える、 三次元形状熱伝導性成形体であって、 突起層が、 熱伝導性材料及びシ リコーン系材料を含み、 底部外層が、 熱伝導性材料、 シリコーン系材料及び 補強基材を含み、 突起層は、 隣接する突起層の底面外周部と接触しておら ず 、 隣接する突起層間に間隙を有するように配置 されており、

下記式 ( I )

[数 1 ]

Qi Y= 1 0 0— X ( Ο

[式中、 αは約 0 . 7 0 ~約1 . 0 0であり、 Xは間隙が突起層の圧縮変 形によって完全に充填されるときの圧縮率 (%) であり、 Υは底部外層上面 の総面積のうち突起層底面の総面積が占める 割合 (%) である。 ] を満足す る、 三次元形状熱伝導性成形体が提供される。

[0014] 本開示のさらに別の実施態様によれば、 熱伝導性材料及びシリコ一ン系材 料を含む混合物を準備する工程と、 三次元形状熱伝導性成形体の突起層及び 間隙を形成し得る型を準備する工程と、 型内面に接触し得るように、 伸長可 能フィルムを型上に配置する工程と、 型に伸長可能フィルムを貼り合わせる 工程と、 伸長可能フィルムを貼り合わせた型の空洞部 に混合物を充填するェ 程と、 剥離フィルム上に底部外層を備える底部外層 用積層体を、 底部外層が 空洞部に充填した混合物を覆い剥離フィルム が最表層となるように型上に配 置する工程と、 混合物及び底部外層のシリコーン系材料を硬 化させる工程と 、 任意に前記型を冷却後、 伸長可能フィルムを備える三次元形状熱伝導 性成 形体を型から取り出し、 任意に伸長可能フィルムを除去し、 三次元形状熱伝 導性成形体を得る工程と、 を含む、 三次元形状熱伝導性成形体の製造方法が 提供される。

発明の効果

[0015] 本開示によれば、 I Cチップ等の発熱性部品、 ヒートシンク等の放熱部品 に対して過度の応力を付加することなく、 これらの部品に対して十分な間隙 充填性及び接触面積を確保することができる 、 三次元形状熱伝導性成形体及 びその製造方法が提供される。

[0016] 本開示によれば、 構成材料の端部等からのはみだし防止性に優 れる、 三次 元形状熱伝導性成形体及びその製造方法が提 供される。

[0017] 本開示によれば、 被着体に対して接触面積を増加させることが でき、 放熱 性、 耐引き裂き性、 応力緩和性 (柔軟性) 、 アッセンプリ性等に優れる、 三 次元形状熱伝導性成形体及びその製造方法が 提供される。

[0018] 本開示によれば、 耐熱性に優れる三次元形状熱伝導性成形体及 びその製造 方法が提供される。 [0019] 本開示によれば、 例えば複数の発熱性部品の各々の高さが相違 する場合で あっても間隙充填性に優れる三次元形状熱伝 導性成形体及びその製造方法が 提供される。

[0020] 本開示によれば、 極めて柔軟な材料を使用して成形加工するこ とが可能な 三次元形状熱伝導性成形体の製造方法が提供 される。

[0021 ] 上述の記載は、 本発明の全ての実施態様及び本発明に関する 全ての利点を 開示したものとみなしてはならない。

図面の簡単な説明

[0022] [図 1 ]本開示の一実施態様による三次元形状熱伝 性成形体の断面図である。

[図 2]真空加熱圧着装置を用いて三次元形状熱伝 性成形体を形成する工程を 模式的に説明する図である。

[図 3]本開示の一実施態様による三次元形状熱伝 性成形体の斜視図である。

[図 4]本開示の別の実施態様による三次元形状熱 導性成形体の斜視図である

[図 5]本開示の別の実施態様による三次元形状熱 導性成形体の斜視図である

[図 6]本開示の別の実施態様による三次元形状熱 導性成形体の斜視図である

[図 7]本開示の別の実施態様による三次元形状熱 導性成形体の斜視図である

[図 8]本開示の別の実施態様による三次元形状熱 導性成形体の斜視図である

[図 9]本開示の別の実施態様による三次元形状熱 導性成形体の斜視図である

[図 10]本開示のさらに別の実施態様による三次元 形状熱伝導性成形体の断面 図である。

[図 1 1 ]本開示のさらに別の実施態様による三次元 状熱伝導性成形体の斜視 図である。 [図 12]熱抵抗の測定原理の概略図である。

[図 13]本開示のさらに別の実施態様による三次元 形状熱伝導性成形体の斜視 図である。

[図 14]本開示のさらに別の実施態様による三次元 形状熱伝導性成形体の斜視 図である。

発明を実施するための形態

[0023] 第 1の実施形態における三次元形状熱伝導性成 体は、 熱伝導性材料及び シリコーン系材料を含む、 三次元形状熱伝導性成形体であって、 該成形体は 、 略平坦な底面と、 該底面内に位置する三次元形状部とを有し、 底面より上 方の三次元形状部の高さが少なくとも 2か所において相違する。 この三次元 形状熱伝導性成形体は、 所定の三次元形状部を有するため、 適用する被着体 に対して過度の応力を付加することなく十分 な接触面積を確保することがで きる。

[0024] 第 1の実施形態における三次元形状熱伝導性成 体は、 三次元形状部の少 なくとも一部が、 シリコーン系材料を含む上部外層で覆われて いてもよい。 このような上部外層を備えることによって、 成形体端部におけるはみだし防 止性を向上させることができる。

[0025] 第 1の実施形態における三次元形状熱伝導性成 体は、 不織布が底面側に 内在していてもよい。 成形体の底面側に不織布が内在していると、 成形体の 平面方向への延伸性が抑制され、 型から成形体を引きはがす際に割れ等の不 具合を生じることがなく、 取リ扱い性を向上させることができる。

[0026] 第 1の実施形態における三次元形状熱伝導性成 体は、 三次元形状部の形 状の少なくとも一部が、 略ドーム状又は略かまぼこ状であってもよい 。 この ような形状の三次元形状部は、 より一層、 適用する被着体に対して十分な接 触面積を確保することができる。

[0027] 第 1の実施形態における三次元形状熱伝導性成 体は、 三次元形状部の形 状が、 該形状部を適用する被着部材の形状と略一致 していてもよい。 三次元 形状部を適用する被着部材の形状と略一致さ せることで、 被着体に対して十 分な接触面積を確保することができ、 被着部材に対する応力を小さくするこ とができる。

[0028] 第 1の実施形態における三次元形状熱伝導性成 体は、 底面を構成する底 部外層と、 該底部外層を覆うように配置される上部外層 と、 底部外層と上部 外層との間に配置される中間部材とを含んで もよく、 上部外層、 中間部材及 び底部外層は、 シリコーン系材料を含んでもよい。 このような構成の成形体 とすることで、 成形体の柔軟性及び被着体に対する接触面積 を使用用途に応 じて自由に設計することができる。

[0029] 第 1の実施形態における三次元形状熱伝導性成 体は、 上部外層及び底部 外層、 又は底部外層及び中間部材が同一材料よリな り一体化されてもよい。 このような構成とすることで、 密着性に優れた成形体を得ることができる。

[0030] 第 1の実施形態における三次元形状熱伝導性成 体は、 上部外層はシリコ —ンゴムを含み、 中間部材はシリコーンゲルを含み、 及び底部外層はシリコ —ンゴム又はシリコ一ンゲルを含んでもよい 。 シリコーンゴムを含む上部外 層で、 例えば柔軟で変形し易い中間部材を覆う構成 にすると、 成形体の柔軟 性を向上させつつ、 端部等からのはみだし防止性も向上させるこ とができる 。 上部外層はゴム弾性を有するため、 例えば成形体に外部から圧力を付加す れば、 シリコーンゲルの中間部材は容易に変形する ことができる一方で、 圧 力を取り除けば、 変形した中間部材は上部外層のゴム弾性に伴 う復元力によ つて元の形状に戻ることができるため、 リワーク作業性にも優れている。

[0031 ] 第 1の実施形態における三次元形状熱伝導性成 体は、 中間部材が上部外 層及び 又は底部外層よりも柔軟であつてもよい。 このような構成にするこ とで、 成形体の間隙充填性を向上させることができ る。

[0032] 第 1の実施形態における三次元形状熱伝導性成 体は、 底面と、 該底面を 除く三次元形状熱伝導性成形体の表面部分と のタック性を相違させてもよい 。 このようなタック性を有する成形体は、 リワーク時に破断することなくい ずれか一方の被着体に貼りつくため、 リワーク作業を行いやすい。

[0033 第 1の実施形態における三次元形状熱伝導性成 体の製造方法は、 熱伝導 性材料及びシリコーン系材料を含む混合物を 準備する工程と、 略平坦な底面 と、 該底面内に位置する三次元形 部とを有し、 底面より上方の三次元形状 部の高さが少なくとも 2か所において相違する成形体が得られる型 準備す る工程と、 型内面に接触し得るように、 伸長可能フィルムを型上に配置する 工程と、 型に伸長可能フィルムを貼り合わせる工程と 、 伸長可能フィルムを 貼り合わせた型の空洞部に混合物を充填し、 任意に成形体の底面となる部分 に対して平坦化処理を行う、 工程と、 型内の混合物を硬化させる工程と、 任 意に型を冷却後、 伸長可能フィルムを備える三次元形状熱伝導 性成形体を型 から取り出し、 任意に伸長可能フィルムを除去し、 任意に型形状が付されて いない部分を打ち抜き、 三次元形状熱伝導性成形体を得る工程と、 を含む。 第 1の実施形態における三次元形状熱伝導性成 体の別の製造方法は、 伸 長可能フィルムと剥離フィルムとを含む積層 フィルムの伸長可能フィルム上 に、 熱伝導性材料を含有する第 1のシリコーン系材料を適用し、 硬化させて 上部外層を形成する工程と、 上部外層を備える積層フィルムの剥離フィル ム を除去した後、 型内面に伸長可能フィルムが接触し得るよう に、 該積層フィ ルムを型上に配置する工程であって、 型は、 略平坦な底面と、 該底面内に位 置する三次元形状部とを有し、 底面より上方の三次元形状部の高さが少なく とも 2か所において相違する成形体が得られる型 ある、 工程と、 型に積層 フィルムを貼り合わせる工程と、 積層フィルムを貼り合わせた型の空洞部に 、 熱伝導性材料を含有する第 2のシリコーン系材料を含む中間部材を充填 、 任意に成形体の底面側に位置する部分に対し て平坦化処理を行う、 工程と 、 任意に、 剥離フィルム上に熱伝導性材料を含有する第 3のシリコーン系材 料を適用して底部外層を形成し、 該底部外層が、 上部外層と空洞部に充填し た中間部材とを覆うように、 該底部外層を含む剥離フィルムを、 該剥離フィ ルムが最表層となるように型上に配置する工 程と、 中間部材を構成する第 2 のシリコーン系材料、 及び存在する場合は底部外層を構成する第 3のシリコ ーン系材料を硬化させる工程と、 任意に型を冷却後、 伸長可能フィルム及び 任意に存在する剥離フィルムを備える三次元 形状熱伝導性成形体を型から取 リ出し、 任意に伸長可能フィルム及び Z又は任意に存在する剥離フィルムを 除去し、 任意に前記中間部材を含まない上部外層部分 及び存在する場合は底 部外層部分を打ち抜き、 三次元形状熱伝導性成形体を得る工程と、 を含む。

[0035] これらの製造方法は、 所定形状の成形型を使用して形成されるため 、 柔軟 な材料を使用したとしても精度よく三次元形 状熱伝導性成形体を作製するこ とができる。

[0036] 第 2の実施形態における三次元形状熱伝導性成 体は、 複数の突起層、 及 び底部外層を備え、 突起層が熱伝導性材料及びシリコーン系材料 を含み、 底 部外層が、 熱伝導性材料、 シリコーン系材料及び補強基材を含み、 突起層は 、 隣接する突起層の底面外周部と接触しておら ず、 隣接する突起層間に間隙 を有するように配置されておリ、

下記式 ( I )

[数 2] α Y = 1 0 0— X ( I )

[式中、 αは約 0. 7 0〜約1 . 0 0であり、 Xは間隙が突起層の圧縮変 形によって完全に充填されるときの圧縮率 (%) であり、 Υは底部外層上面 の総面積のうち突起層底面の総面積が占める 割合 (%) である。 ] を満足す る。 この三次元形状熱伝導性成形体は、 所定の突起層及び間隙を有するため 、 従来の平坦な放熱シートに比べて被着体に対 する圧縮応力を低減させるこ とができ、 放熱性、 耐引き裂き性、 応力緩和性 (柔軟性) 、 アッセンプリ性 等を向上させることができる。

[0037] 第 2の実施形態における三次元形状熱伝導性成 体は、 間隙の幅を略均等 にすることができる。 係る構成にすることで、 圧縮して水平方向に拡張する 突起層部分によって間隙内を均一に充填する ことができるため、 圧縮後に空 隙の少ない接触面を被着体に対して形成する ことができる。

[0038] 第 2の実施形態における三次元形状熱伝導性成 体は、 突起層の上面が略 平坦面であってもよい。 突起層の上面が略平坦面であると、 成形体の圧縮変 形後に空隙の少ない接触面を被着体に対して 形成しやすくなる。

[0039] 第 2の実施形態における三次元形状熱伝導性成 体は、 突起層の略平坦面 の形状を、 略正三角形、 略正方形、 略正五角形、 略正六角形、 略長方形、 又 は略波型形状にすることができ、 突起層は、 係る形状の各辺に沿った断面部 を有し、 隣接する突起層の係る形状における隣接する 各辺が略平行状態であ つてもよい。 係る構成の突起層は、 圧縮して水平方向に拡張する突起層部分 によって隣接する間隙に充填され易くなリ、 圧縮後に被着体適用面に対して 空隙の少ない均一な接触面をより形成し易く なる。

[0040] 第 2の実施形態における三次元形状熱伝導性成 体は、 突起層のテーパー 角を約 8 0 ° 〜約 9 0 ° にすることができる。 係る突起層は型離れ性に優れ るとともに、 圧縮後、 被着体適用面に対して空隙の少ない均一な接 触面をよ リ形成し易くなる。

[0041 ] 第 2の実施形態における三次元形状熱伝導性成 体は、 突起層のァスカー

C硬度を約 0〜約 3 0にすることができる。 係る硬度を有する突起層は柔軟 性に優れるため、 圧縮に伴う、 間隙充填性、 被着体に対する接触面積の増加 又は凹凸追従性に優れている。

C0042] 第 2の実施形態における三次元形状熱伝導性成 体は、 被着体に適用して

5 0 %圧縮したときの接触面積が、 係る成形体を被着体に圧縮せずに適用し たときの接触面積に比較して約 4 0 %以上増加させることができる。 係る性 能を奏する成形体は、 被着体に対する応力緩和性に優れるとともに 、 圧縮後 、 被着体適用面に対して空隙の少ない均一な接 触面をより形成し易くなる。

[0043] 第 2の実施形態における三次元形状熱伝導性成 体は、 突起層を 5個ノ i n c h 2 以上有することができる。 係る構成の成形体であれば、 被着体に対し て十分な放熱性を発現させることができる。

[0044] 第 2の実施形態における三次元形状熱伝導性成 体は、 底部外層の厚さを 約 0 . 5 m m以下、 三次元形状熱伝導性成形体の厚さを約 4 . O m m以下に することができる。 一般的な放熱シートは、 薄くなるほど圧縮応力が増加す る傾向にあるが、 本開示の成形体は、 所定の突起層及び間隙を有するため、 係る厚さであっても、 被着体に対する応力緩和性に優れるとともに 、 圧縮後 、 被着体適用面に対して空隙の少ない均一な接 触面を形成し易いため、 被着 体に対して十分な放熱性を発現させることが できる。

[0045] 第 2の実施形態における三次元形状熱伝導性成 体の製造方法は、 熱伝導 性材料及びシリコーン系材料を含む混合物を 準備する工程と、 三次元形状熱 伝導性成形体の突起層及び間隙を形成し得る 型を準備する工程と、 型内面に 接触し得るように、 伸長可能フィルムを型上に配置する工程と、 型に前記伸 長可能フィルムを貼り合わせる工程と、 伸長可能フィルムを貼り合わせた前 記型の空洞部に前記混合物を充填する工程と 、 剥離フィルム上に底部外層を 備える底部外層用積層体を、 底部外層が空洞部に充填した混合物を覆い剥 離 フィルムが最表層となるように型上に配置す る工程と、 混合物及び底部外層 のシリコーン系材料を硬化させる工程と、 任意に前記型を冷却後、 前記伸長 可能フィルムを備える三次元形状熱伝導性成 形体を前記型から取り出し、 任 意に前記伸長可能フィルムを除去し、 三次元形状熱伝導性成形体を得る工程 と、 を含む。 係る製造方法は、 所定形状の成形型を使用して形成されるため 、 柔軟な材料を使用したとしても精度よく三次 元形状熱伝導性成形体を作製 することができる。

[0046] 第 1又は第 2の実施形態における三次元形状熱伝導性成 体の製造方法に おいて、 伸長可能フィルムは、 ポリオレフイン樹脂 (ポリエチレン樹脂 (例 えば、 低密度ポリエチレン樹脂、 中密度ポリエチレン樹脂) 、 ポリプロピレ ンとポリエチレンとのコポリマー等) 、 ポリメチルペンテン樹脂 (T P X ( 登録商標) 樹脂) 、 アイオノマ一樹脂、 及びフッ素系樹脂から選択される少 なくとも 1つの樹脂を含んでもよく、 これらの樹脂の積層体を使用してもよ い。 このような材料を含むフィルムは、 深絞り性、 型離れ性、 シリコーン系 材料との剥離性に優れるため、 より精度よく三次元形状熱伝導性成形体を作 製することができる。

[0047] 以下、 本発明の代表的な実施態様を例示する目的で より詳細に説明するが 、 本発明はこれらの実施態様に限定されない。

[0048] 本開示において 「三次元形状部」 とは、 三次元形状熱伝導性成形体におけ る、 該成形体の底面より上方に位置する部分を意 味する。

[0049] 本開示において 「略」 とは、 製造誤差などによって生じるバラつきを含む ことを意味し、 土約 2 0 %程度の変動が許容されることを意図する。

[0050] 本開示において 「ドーム状」 とは、 上面から見た場合は略円形であり、 該 略円形の中心線の横断面は、 略半円形断面、 又は図 1 に記載されるような断 面であって、 これらの断面の外側端部のいずれか一方は、 内側に向かって底 面から垂直方向に (例えば、 第 1の高さ aに沿って) さらに切断されたよう な形状であってもよいことを意味する。 本開示において 「かまぼこ状」 とは 、 上面から見た場合は略長方形もしくは略長方 形の少なくとも一方の端部が 略半円形の形状、 又は略楕円形であり、 これらの形状の長辺又は長軸の中間 位置における横断面が、 略半円形断面、 又は図 1 に記載されるような断面で あって、 これらの断面の外側端部のいずれか一方は、 内側に向かって底面か ら垂直方向に (例えば、 第 1の高さ aに沿って) さらに切断されたような形 状であってもよいことを意味する。

[0051 ] 本開示において 「底面側」 とは、 底面より上方に位置する三次元形状部の 最大高さの約半分未満又は約 1 3以下を意味する。

[0052] 本開示の一実施態様の三次元形状熱伝導性成 形体は、 熱伝導性材料及びシ リコーン系材料を含む、 三次元形状熱伝導性成形体であって、 該成形体は、 略平坦な底面と、 該底面内に位置する三次元形状部とを有し、 底面より上方 の三次元形状部の高さが少なくとも 2か所において相違する。 係る構成の三 次元形状熱伝導性成形体を、 以下、 「第 1の三次元形状熱伝導性成形体」 又 は 「第 1の成形体」 という場合がある。

[0053] 本開示の一実施態様である三層構成の三次元 形状熱伝導性成形体を図 1 に 断面図で示す。 図 1 に示すように、 三次元形状熱伝導性成形体 1は、 底部外 層 2と、 中間部材 3と、 上部外層 4とを備え、 第 1の高さ' a及び第 2の高さ bは、 底面より上方の三次元形状部の高さが少なく とも 2か所において相違 することを意図する。 ここで、 底部外層 2、 中間部材 3及び上部外層 4に使 用されるシリコーン系材料が全て同一である 場合には、 一層構成の三次元形 状熱伝導性成形体とみなすことができ、 底部外層 2及び中間部材 3、 中間部, 材 3及び上部外層 4、 又は底部外層 2及び上部外層 4に使用されるシリコー ン系材料が同一である場合には、 二層構成の三次元形状熱伝導性成形体とみ なすことができる。 成形体の製造過程において、 例えば上部外層、 中間部材 、 及び底部外層 (シリコーン系材料で含浸された不織布等を 含む場合がある 。 ) を順に積層して形成した場合であっても、 硬化させた後に各層が同一の シリコーン系材料を用いて一体化され、 層界面を区別することができない場 合には、 この成形体は一層構成とみなすことができる 。

[0054] シリコーン系材料は、 特に制限されるものではないが、 シリコーンゲル、 シリコーンゴムを使用することができる。 成形体が多層構成の場合には、 異 種のシリコーンゲルを使用したり、 シリコーンゲル及びシリコーンゴムを併 用してもよい。 シリコーンゲルは柔軟性に優れ、 シリコーンゴムは端部から のはみ出し防止性に優れる。

[0055] (シリコーンゲル)

シリコーンゲルは、 加熱硬化型又は常温硬化型のもの、 硬化機構が縮合型 又は付加型のものなど、 いずれも用いることができるが、 架橋密度の調整が 容易であり、 柔軟化させ易い等の観点で、 付加型シリコーン組成物から得ら れるシリコーンゲルが好ましい。 ケィ素原子に結合する基も、 特に限定され るものではなく、 例えば、 メチル基、 ェチル基、 プロピル基等のアルキル基 、 シクロペンチル基、 シクロへキシル基等のシクロアルキル基、 ビニル基、 ァリル基等のアルケニル基、 フエニル基、 トリル基等のァリール基のほか、 これらの基の水素原子が部分的に他の原子又 は結合基で置換されたものを挙 げることができる。

[0056] 本発明で用いられる付加反応型 (又は架橋) シリコーンゲルの製法は、 特 に限定されないが、 通常は、 オルガノハイ ドロジエンポリシロキサン (a— 1 ) とァルケ二ルポリシロキサン (a— 2 ) とを原料とし、 両者を触媒の存 在下でハイ ドロシリル化反応 (付加反応) させることにより得られる。 この ようなシリコーンゲルを形成し得る付加反応 硬化型シリコーンゲル組成物に は、 一液硬化型及び二液硬化型の 2つのタイプがあり、 一液硬化型の組成物 は加熱することにより、 二液硬化型の組成物は二液混合後に加熱する ことに より、 柔軟なゲルを提供することができる。

[0057] ( a— 3 ) 付加反応触媒

付加反応触媒としては、 (a— 1 ) 成分中のケィ素原子に結合するァルケ ニル基と、 (a— 2 ) 成分中のケィ素原子に結合する水素原子との 付加反応 (ヒドロシリル化反応) を促進するものとして知られている、 いかなる触媒 でもよい。 例えば、 塩化白金酸、 アルコール変性塩化白金酸、 塩化白金酸と ビニルシロキサンとの錯体、 塩化白金酸一 2—ェチルへキサノ一ル溶液等の 白金系触媒、 テトラキス (卜リフエニルホスフィン) パラジウム、 パラジゥ ム黒と卜リフエニルホスフィンとの混合物等 のパラジウム系触媒、 ロジウム 触媒等の白金族金属系触媒を使用することが できる。

[0058] 付加反応触媒の配合量は、 反応性等を考慮して適宜調整することができ 、 例えば (a— 1 ) 成分と (a— 2 ) 成分との合計量に対して、 約 0 . 1 p p m以上、 約 1 O O p p m以下 (触媒金属元素換算) の範囲で使用することが できる。

[0059] シリコーンゲルは、 (a— 1 ) 〜 (a— 3 ) の配合割合、 架橋させる温度 及び時間等を適宜調整してシリコーンゲルの 架橋密度を変えることによって 、 シリコーンゲルの柔軟性を調整することがで きる。

[0060] シリコーンゲルは、 例えば、 M Qレジン型の粘着付与成分を配合したり、 非反応性の粘着成分を添加したり、 非架橋官能基の側鎖の長さ、 末端官能基 の種類などを調整して、 所望の粘着性を発現させてもよい。

[0061 ] (シリコーンゴム)

シリコーンゴムとしては、 付加反応型又は縮合型のいずれも使用するこ と ができる。 付加反応型のシリコーンゴムとしては、 上述した付加反応型シリ コーンゲルの架橋密度を高めてゴム弾性 (荷重をかけると伸び、 荷重を除く と略元の位置に戻る性質) を呈するようにしたものを使用することがで きる 。 縮合型のシリコーンゴムとは、 大気中の水分と反応することによって、 加 水分解縮合反応を起こして架橋するものであ る。 この縮合型の反応性シリコ —ンゴムが有する加水分解官能基としては、 例えば、 アルコキシ基 (脱アル コール型) 、 イソプロべノキシ基 (脱アセトン型) 、 メチルェチルケトォキ シム基 (脱才キシム型) 、 ァセトキシ基 (脱酢酸型) などがあるが、 硬化速 度が速いこと、 放出される物質の臭気が少ないという観点か ら、 脱アセトン 型又は脱アルコール型が好ましい。

[0062] (熱伝導性材料)

熱伝導性材料は、 絶縁性であっても導電性であってもよい。 絶縁性の熱伝 導性材料としては、 窒化ホウ素、 窒化アルミニウム、 窒化珪素等の窒素化合 物や、 酸化アルミニウム (アルミナ) 、 酸化マグネシウム、 酸化亜鉛、 酸化 ケィ素、 酸化ベリリウム、 酸化チタン、 酸化銅、 亜酸化銅等の金属酸化物、 水酸化マグネシウム、 水酸化アルミニウム等の金属水酸化物、 マグネサイ 卜

(炭酸マグネシウム) 、 炭化珪素、 ダイアモンド等の炭素化合物、 シリカ、 タルク、 マイ力、 カオリン、 ベントナイ ト、 パイ口フェライ ト等のセラミツ ク類、 ホウ化チタン、 チタン酸カルシウム等が使用できる。

[0063] これらの中でも、 熱伝導性等の観点から、 酸化アルミニウム (アルミナ) 、 水酸化アルミニウム、 酸化亜鉛、 窒化ホウ素、 窒化アルミニウムが好まし い。 なお、 窒化ホウ素は、 c一 B N (立方晶構造) 、 w— B N (ウルッ鉱構 造) 、 h— B N (六方晶構造) 、 r一 B N (菱面体晶構造) 、 t一 B N (乱 層構造) 等の何れの構造であってもよい。 窒化ホウ素の形状には、 鱗片状の もの、 これらの凝集体等があるが、 いずれも用いることができる。

[0064] 導電性の熱伝導性材料としては、 黒鉛、 力一ボンブラック、 グラフアイ ト 、 炭素繊維 (ピッチ系、 P A N系) 、 力一ボンナノチューブ (C N T ) 、 力 —ボンナノファイバ一 (C N F ) 等の炭素化合物や、 銀、 銅、 鉄、 ニッケル 、 アルミニウム、 チタン等の金属又はこれらを含む金属合金、 ステンレス ( S U S ) 、 異種元素がドープされた酸化亜鉛等の導電性 金属酸化物、 フェラ ィ 卜類等の金属系化合物が使用できる。 シリカ等の絶縁性材料を導電性の熱 伝導性材料で被覆して導電性としたり、 或いは、 導電性の熱伝導性材料をシ リ力等の絶縁性材料で被覆して絶縁性とし、 これらを熱伝導性材料として使 用することもできる。

[0065] これらの熱伝導性材料は、 1種又は 2種以上を組み合わせて使用できる。

熱伝導性材料の形状については、 種々の形状のものを使用でき、 例えば、 繊 維状、 板状、 鱗片状、 棒状、 粒状、 ロッド状、 チューブ状、 曲板状、 針状、 曲板状、 針状等が挙げられる。 これらの熱伝導性材料は、 シランカップリン グ処理、 チタネートカップリング処理、 エポキシ処理、 ウレタン処理、 酸化 処理等の表面処理が施されていてもよい。

[0066] 三次元形状熱伝導性成形体中の熱伝導性材料 の総含有量は、 熱伝導性材料 の種類にもよるが、 約 3 0質量%以上、 約 5 0質量%以上又は約 8 0質量% 以上、 約 9 5質量。 / 0 以下又は約 9 0質量%以下とすることができる。 体積比 であれば、 成形体が多層構成の場合には、 成形体全体の総含有量が前記範囲 である限り、 各層における含有量は前記範囲以外であって もよく、 各層の含 有量が同一でも異なっていてもよい。

[0067] 本開示の三次元形状熱伝導性成形体の放熱性 能 (熱伝導率) は、 約 1 . 0

O W/ m K以上、 又は約 1 . 2 O WZ m K以上にすることができる。 なお、 この値は界面熱抵抗を含む値である。

[0068] 熱伝導性材料の平均粒子径は、 約 0 . 1 j m以上、 約 0 . 以上、 又 は約 0 . 3 μ_ ηι以上、 約 2 0 0 Ai m以下、 約 1 0 0 x m以下、 又は約 7 0 ^ m以下であってもよい。 熱伝導性材料は平均粒子径が異なる少なくと も 2つ の粒子を併用することができる。 このような構成にすると、 大きな粒子径の 間に小さな粒子径の熱伝導性材料が埋まり最 密充填のような状態で充填され るため、 熱伝導性が向上する。 熱伝導性材料の平均粒径、 粒度分布は、 電子 顕微鏡、 レーザ一回折光散乱装置などにより測定する ことができる。 例えば 、 平均粒子径が異なる 2つの粒子を併用した場合、 これらの粒子を含むシリ コーン系材料における粒度分布には 2つのピークが観測される。 したがって 、 該シリコーン系材料における粒度分布のピー クの数を確認することで、 平 均粒子径の異なる粒子がシリコーン系材料中 にいくつ含まれているかを確認 することができる。

[0069] シリコーン系材料は、 難燃剤、 顔料、 染料、 充填剤、 補強材、 レべリング 剤、 消泡剤、 分散剤、 硬化促進剤、 反応性希釈剤、 溶剤などの添加剤をさら に含んでもよい。 これらの添加剤の配合量は、 本発明の効果を損なわない範 囲において適宜決定することができる。

[0070] 三次元形状熱伝導性成形体の中間部材は、 該中間部材を約 1 O m m厚のシ —卜に成形した場合のァス力一 C硬度計による硬度が約 3 0以下、 約 2 0以 下又は約 8以下であってもよく、 約 0以上であってもよい。

[0071 ] 三次元形状熱伝導性成形体は、 一層、 二層又は三層構成であってもよい。

所望の柔軟性を発現させる観点から、 一層構成の場合は、 全体がシリコーン ゲルで構成されることが好ましい。 二層構成の場合は、 底部外層 2、 中間部 材 3及び上部外層 4の内の何れか二つが同一のシリコ一ンゲル 構成され、 残リが異なるシリコーンゲル又はシリコーン ゴムで構成されてもよく、 或い は、 底部外層 2及び上部外層 4が同一のシリコーンゴムで構成され、 中間部 材 3がシリコ一ンゲルで構成されてもよい。 柔軟性及び端部からのはみ出し 防止性の観点から、 上部外層 4、 又は上部外層 4と底部外層 2がシリコーン ゴムで構成されることが好ましい。 三層構成の場合は、 底部外層 2、 中間部 材 3及び上部外層 4として、 各々異なるシリコーン系材料を使用すること が できる。 二層構成の場合と同様に、 柔軟性及び端部からのはみ出し防止性の 観点から、 上部外層 4、 又は上部外層 4と底部外層 2がシリコーンゴムで構 成されることが好ましい。 中間部材 3が上部外層 4及び 又は底部外層 2よ リも柔軟である二層又は三層構成の成形体は 、 端部からのはみ出し防止性に 優れる。 中でも、 上部外層 4、 又は上部外層 4と底部外層 2にシリコーンゴ ムを採用する、 二層又は三層構成の成形体は、 中間部材として、 端部からは み出すような柔軟性の高いシリコーン系材料 を使用したとしても、 少なくと もシリコーンゴムで構成される上部外層 4で中間部材 3が被覆されているた め、 シリコーンゴムの復元力により、 該中間部材が端部からより漏れにくく なる。

[0072] 三次元形状熱伝導性成形体の底面より上方の 三次元形状部は、 その高さが 少なくとも 2か所又は 3か所で異なっていればよく、 特に制限されるもので はない。 中でも、 図 1、 2に示されるような、 略ドーム状又は略かまぼこ状 の三次元形状部であることが好ましい。 このような形状であると、 特に、 適 用する被着体の表面が平坦な場合、 略ドーム状又は略かまぼこ状の頂部が被 着体の該平坦面にまず付着し、 次いで、 押圧とともに成形体の三次元形状部 が押しつぶされて変形し、 被着体と三次元形状部との間の空気を外側に 押し 出すように、 頂部から外側に向かって三次元形状部が被着 体の平坦面に付着 していくため、 被着体と三次元形状部との間に空気が混入せ ず、 三次元形状 熱伝導性成形体の被着体に対する接触面積を 向上させることができる。 この 効果は、 上部外層がシリコーン系材料を含む場合に発 揮される効果であり、 他の柔軟性に劣るプラスチック材料では、 同一の三次元形状部を有していて も空気が混入してしまい、 十分な接触面積が得られなかった。

[0073] 図 3〜図 9において、 三次元形状熱伝導性成形体の具体的な形状の 一例が 示されているが、 該成形体の形状はこれらに制限されるもので はない。 図 3 〜図 9における成形体は、 略ドーム状又は略かまぼこ状の三次元形状部 を有 するため、 従来の平坦なシ一卜形状の熱伝導性成形体に 比べて空気抜け性が 良好である。 中でも、 成形体が大きくなればなるほど、 図 5〜図 9に示され るような、 三次元形状部を複数、 具体的には、 二つ以上、 三つ以上又は五つ 以上有する成形体は、 ヒ一卜シンク、 又は発熱素子等の発熱性部品との接触 部において、 空気 (気泡) を巻き込む不具合をより減少させることがで きる 。 成形体における、 三次元形状部の大きさ、 個数、 配置場所等については、 成形体を適用する部品の形状、 大きさ等を考慮して適宜設定することができ 、 略ドーム状の三次元形状部と略かまぼこ状の 三次元形状部とが併存してい てもよい。

[0074] 本開示の三次元形状熱伝導性成形体は、 底面より上方の三次元形状部の高 さが少なくとも 2か所において相違する構成を備えるため、 従来の平坦なシ -卜形状の熱伝導性成形体に比べて、 適用する各種部品に付加される応力を 低減させることができる。 具体的には、 三次元形状部の高さを基準とした場 合に、 その高さの、 例えば 8 0 %まで圧縮したときの荷重 (2 0 %圧縮時の 荷重) は、 平坦なシート形状の熱伝導性成形体を使用し て同様の比率で圧縮 したときの荷重に比べて小さくなる。 2 0 %圧縮時の荷重は、 従来の平坦な シート形状の熱伝導性成形体に比べて、 約 9 5 %以下、 約 9 0 %以下、 又は 約 8 5 %以下であってもよい。

[0075] 三次元形状熱伝導性成形体を適用する被着体 の適用面が略平坦ではなく、 異形状である場合には、 該成形体の三次元形状部は、 被着体の形状に略一致 するような形状であってもよい。 例えば、 電子基板全体を覆うような熱伝導 性成形体で、 基板上の各素子の形状に応じて成型すること で、 各素子に対す る応力を最小化し、 かつ接触面積を最大化することができる。 さらに、 例え ば被着体がコィルのようなものであっても、 コイルの抜き型のような三次元 形状部とすることで、 コィルを隙間なく簡易に三次元形状熱伝導性 成形体で 包み込むことができる。

[0076] 三次元形状熱伝導性成形体の大きさは、 適用する被着体に応じて適宜決定 することができる。 三次元形状熱伝導性成形体が多層構成の場合 には、 柔軟 性、 端部からのはみ出し防止性、 強度等を考慮し、 上部外層及び底部外層の 厚さは、 約 1 0 /x m以上又は約 5 0 /x m以上、 約 5 0 0 m以下又は約 3 0 0 m以下であってもよい。

[0077] 三次元形状熱伝導性成形体は、 該成形体の底面から露出しないように、 織 物、 編物又は不織布等の補強基材を底面側に内在 させてもよい。 成形体の底 面側に補強基材が内在していると、 成形体の平面方向への延伸性が抑制され 、 成形体の強度が向上し、 型から成形体を引きはがすときの割れ等の不 具合 を防止することができる。 中でも、 不織布は、 シリコーン系材料の含浸性に も優れるので好ましい。 不織布はシリコーン系材料が含浸し易く、 構成する 繊維間をシリコーン系材料で固定し得るため 、 織物、 編物からなる補強基材 に比べて薄い場合であっても、 これらの補強基材と同等以上の強度を有する ことができる。 補強基材の材料としては、 ガラス、 ビニロン、 ァラミ ド、 ナ ィロン、 ポリオレフイン、 ポリエステル、 アクリルなどを使用することがで きるが、 難燃性も付与し得るため、 ガラスが好ましい。 不織布の厚さとして は、 約 2 0 t m以上又は約 4 0 ja m以上であってよく、 約 0 . 2 m mより薄 く又は約 0 . 1 m mより薄くすることもできる。

[0078] 三次元形状熱伝導性成形体は、 該成形体の底面と、 該底面を除く成形体の 表面部分とのタック性を相違させてもよい。 このようなタック性を有する成 形体は、 リワーク時に破断することなくいずれか一方 の被着体に貼りつくた め、 リワーク作業を行いやすい。 三次元形状熱伝導性成形体のタック性は、 表面処理、 シリコーンゴム及びシリコーンゲル等の異種 材料の使用、 粘着成 分の配合量の相違などによって適宜調整する ことができる。

[0079] 本開示の三次元形状熱伝導性成形体の製造方 法について例示的に説明する が、 三次元形状熱伝導性成形体の製造方法はこれ らに限られない。 たとえば 以下の方法では、 伸長可能フィルムの貼り合わせに関し、 真空加熱圧着装置 を採用した方法を例示しているが、 該方法に限らず、 真空成型法、 フィルム インサート成型法なども使用することができ る。

[0080] 三次元形状熱伝導性成形体 6 0の製造方法について、 例えば以下の方法に より製造することができる (図 2 ) 。

[0081 ] 伸長可能フィルムと剥離フィルムとを含む積 層フィルムの伸長可能フィル ム上に、 熱伝導性材料を含有する第 1のシリコーン系材料を適用し、 硬化さ せて上部外層を形成する。 硬化は、 特に制限されるものではなく、 加熱硬化 、 電子線硬化などを採用することができる。

[0082] 図 2 ( A ) に示されるような、 所定の三次元形状を有する型 2 0を用意す る。 図 2 ( B ) に示すように、 例示的な真空加熱圧着装置 3 0は、 上下に第 1真空室 3 1及び第 2の真空室 3 2をそれぞれ有しており、 上下の真空室の 間に型 2 0に貼り付ける上部外層積層フィルム 1 0をセッ卜する治具が備え られている。 また、 下側の第 1真空室 3 1 には、 上下に昇降可能な昇降台 3 5 (不図示) の上に仕切り板 34及び台座 33が設置されており、 型 20は この台座 33の上にセッ 卜される。 このような真空加熱圧着装置としては、 市販のもの、 例えば両面真空成型機 (布施真空株式会社製) などを使甩する ことができる。

[0083] 図 2 (B) に示すように、 まず、 真空加熱圧着装置 30の第 1真空室 3 1 及び第 2真空室 32を大気圧に解放した状態で、 上下の真空室の間に、 剥離 フィルムを除去した伸長可能フィルムと上部 外層を備える上部外層積層フィ ルム 1 0を伸長可能フィルムが型 20側となるようにセッ トする。 第 1真空 室 3 1 において台座 33の上に型 20をセッ トする。

[0084] 次に、 図 2 (C) に示すように、 第 1真空室 3 1及び第 2真空室 32を閉 鎖し、 それぞれ減圧し、 各室の内部を真空 (大気圧を 1 a t mとした場合例 えば約 O a t m) にする。 その後又は真空にするのと同時に上部外層積 層フ イルム 1 0を加熱する。 次いで、 図 2 (D) に示すように、 昇降台 35を上 昇させて型 20を第 2真空室 32まで押し上げる。 加熱は、 例えば第 2真空 室 32の天井部に組み込まれたランプヒータで行 ことができる。 加熱温度 は一般に約 50°C以上又は約 1 30°C以上、 約 1 80°C以下又約 1 60°C以 下とすることができる。 減圧雰囲気の真空度は、 大気圧を 1 a t mとして約 0. 1 0 a t m以下、 約 0. 05 a t m以下、 約 0. 01 a t m以下とする ことができる。

[0085] 加熱された上部外層積層フィルム 1 0は型 20の表面に押しつけられて延 伸される。 その後又は延伸と同時に、 図 2 (E) に示すように、 第 2真空室 32内を適当な圧力 (例えば 3 a t m~ 1 a t m) に加圧する。 圧力差によ り加熱された上部外層積層フィルム 1 0は型 20の露出表面に密着し、 露出 表面の 3次元形状に追従して延伸し、 型 20の表面に剥離可能に密着した状 態の被覆を形成する。 図 2 (C) の状態で減圧及び加熱を行った後、 そのま ま第 2真空室 32内を加圧して上部外層積層フィルム 1 0で型 20の露出表 面を被覆することもできる。

[0086] この後、 上下の第 1真空室 3 1及び第 2真空室 32を再び大気圧に開放し て、 上部外層積層フィルム 1 0で被覆された型 2 0を外に取り出す。 図 2 ( F ) に示すように、 型 2 0の表面に密着した上部外層積層フィルム 1 0のェ ッジをトリミングし、 上部外層積層フィルム 1 0と型 2 0とを備える一体品 4 0を得る。

[0087] 次いで、 一体品 4 0の空洞部 1 1 に、 熱伝導性材料を含有する第 2のシリ

コーン系材料を充填し、 必要に応じてブレード等を使用して平坦化処 理を行 し、、 中間部材 1 2を形成する。 この段階で、 第 2のシリコーン系材料を硬化 させ、 一体品 4 0から取り出し、 必要に応じて、 伸長可能フィルムを除去し 、 打ち抜き加工を行い、 三次元形状熱伝導性成形体を得ることもでき る。 図 2の例示態様では、 図 2 (G ) に示すように、 中間部材 1 2の上に、 さらに

、、 '― -

、 底部外層 1 3を適用する構成を例示する。 この態様では、 剥離フィルム ( 不図示) 上に熱伝導性材料を含有する第 3のシリコ一ン系材料を適用して底 部外層 1 3を形成し、 該底部外層 1 3が、 上部外層積層フィルム 1 0と空洞 部 1 1 に充填した中間部材 1 2とを覆うように、 該底部外層 1 3を含む剥離 フィルムを、 該剥離フィルムが最表層となるように配置し て最終一体品 5 0 を得る。 ここで、 剥離フィルム上に底部外層 1 3を形成する際に、 剥離フィ ルム上に不織布等の補強基材を適用し、 該基材上に第 3のシリコーン系材料 を塗布、 含浸させて底部外層 1 3を得ることもできる。 必要に応じて、 成形 体の底面側に位置する部分に対してブレード 、 ゴムローラー等で平坦化処理 を行った後、 中間部材 1 2及び底部外層 1 3を構成する第 2及び第 3のシリ コーン系材料を硬化させる。 密着性の観点から、 中間部材 1 2及び底部外層 1 3の硬化は同時に行うことが好ましい。 硬化は、 加熱硬化、 電子線硬化な ど種々の硬化方法を採用することができる。

[0088] 任意に最終一体品 5 0を冷却した後、 伸長可能フィルム及び任意に存在す る剥離フィルムを備える三次元形状熱伝導性 成形体を型 2 0から取り出し、 三次元形状熱伝導性成形体 6 0を得ることができる。 必要に応じ、 伸長可能 フィルム、 剥離フイルムを除去してもよく、 中間部材を含まない、 上部外層 部分及び存在する場合は底部外層部分を適宜 打ち抜き、 個別の三次元形状熱 伝導性成形体を得ることもできる。

[0089] 熱伝導性材料を含有する第 1〜第 3のシリコーン系材料の全てが同一材料 であれば、 一層構成の成形体とみなすことができ、 三種の内の二種が同一材 料であれば、 二層構成の成形体とみなすことができ、 三種全てが異なる材料 であれば、 三層構成の成形体とみなすことができる。

[0090] 一層構成の三次元形状熱伝導性成形体につい ては、 例えば以下の方法によ つても製造することができる。

[0091 ] 上述の上部外層積層フィルム 1 0に代えて、 伸長可能フィルムを真空加熱 圧着装置 3 0にセットし、 上述と同様の方法で、 伸長可能フィルムを剥離可 能に型 2 0に貼り合わせて、 伸長可能フィルムと型 2 0とを備える一体品 4 0を得る。

[0092] 次いで、 一体品 4 0の空洞部 1 1 に、 熱伝導性材料を含有するシリコーン 系材料を充填し、 必要に応じてブレード等を使用して平坦化処 理を行った後 、 シリコーン系材料を硬化させる。

[0093] 任意に型を冷却した後、 伸長可能フィルムを備える三次元形状熱伝導 性成 形体を型から取り出し、 一層構成の三次元形状熱伝導性成形体を得る ことが できる。 必要に応じ、 伸長可能フィルムを除去してもよく、 適宜打ち抜き加 ェを行い、 個別の三次元形状熱伝導性成形体を得ること もできる。

[0094] 三次元形状熱伝導性成形体の製造方法におい て使用される伸長可能フィル ムとしては、 例えば深絞り成型ができるような伸長性を有 し、 型離れ性及び シリコーン系材料との剥離性を有する材料で あれば特に制限されるものでは ないが、 ポリエチレン (例えば低密度ポリエチレン樹脂、 中密度ポリェチレ ン樹脂) 、 ポリプロピレンとポリエチレンとのコポリマ 一等のポリオレフィ ン樹脂、 ポリメチルペンテン樹脂 (T P X (登録商標) 樹脂) 、 アイオノマ 一樹脂、 フッ素系樹脂などの少なくとも 1種以上の樹脂を使用することがで きる。 これらの材料は単独又は組み合わせて使用す ることができ、 単層フィ ル厶又は積層フィルムの形態であってもよい 。 フィルム表面に対し、 離型処 理等の表面処理を適宜適用してもよい。 [0095] 本開示の別の実施態様の三次元形状熱伝導性 成形体 (以下、 「第 2の三次 元形状熱伝導性成形体」 又は 「第 2の成形体」 という場合がある。 ) の一例 を図 1 0、 1 1、 1 3及び 1 4に示す。 この三次元形状熱伝導性成形体は、 複数の突起層、 及び底部外層を備え、 突起層が、 熱伝導性材料及びシリコー ン系材料を含み、 底部外層が、 熱伝導性材料、 シリコーン系材料及び補強基 材を含み、 突起層は、 隣接する突起層の底面外周部と接触しておら ず、 隣接 する突起層間に間隙を有するように配置され ており、 下記式 ( I )

[数 3]

Gf Y = 1 O O - X ( I )

[式中、 αは約 0 . 7 0 ~約1 . 0 0であり、 Xは間隙が突起層の圧縮変 形によって完全に充填されるときの圧縮率 (%) であり、 Υは底部外層上面 の総面積のうち突起層底面の総面積が占める 割合 (%) である。 ] を満足し ている。

[0096] 第 2の三次元形状熱伝導性成形体の突起層及び 部外層で使用する、 熱伝 導性材料、 シリコーン系材料及び補強基材としては、 上述した材料を使用す ることができる。 係る成形体では、 応力緩和性、 接触面積、 凹凸追従性等の 観点から、 シリコーン系材料として、 シリコーンゲルを使用することが好ま しい。

[0097] 第 2の三次元形状熱伝導性成形体の突起層は、 図 1 0、 1 1、 1 3及び 1 4で例示されるように、 隣接する突起層の底面外周部と接触しておら ず、 隣 接する突起層間に間隙を有するように配置さ れている。 突起層の突起形状は 、 次のものに限定されないが、 略円柱状、 略角柱状、 略円錐台状及び略角錐 台状から選ばれる少なくとも一種とすること ができる。 この他、 例えば、 図 1 3又は図 1 4に例示されるように、 底部外層の主要表面に対して、 略直線 状、 略波状又は略ジグザグ状に配置された突起層 (以下、 これらの突起層を 、 「略直線状突起層」 、 「略波状突起層」 又は 「略ジグザグ状突起層」 とい う場合がある。 ) であって、 該突起層を底部外層に対して垂直に切断した と きの断面形状は、 略正方形、 略長方形又は略等脚台形である突起層なども 採 用することができる。 略直線状突起層、 略波状突起層又は略ジグザグ状突起 層は、 図 1 3又は図 1 4に例示されるように連続的に形成されても く、 或 いは断続的に形成されていてもよい。 例えば、 図 1 3又は図 1 4に例示され るような三次元形状熱伝導性成形体の場合、 係る成形体の一辺を X軸、 該 X 軸に対して垂直な一辺を y軸、 成形体の厚さ方向を z軸としたときに、 略直 線状突起層、 略波状突起層又は略ジグザグ状突起層は、 X軸に対して略平行 ( y軸に対して略垂直) に形成されてもよく、 y軸に対して略平行 (X軸に 対して略垂直) に形成されてもよく、 X軸又は y軸に対して角度をもって形 成されてもよい。 ここで、 「波状」 とは、 正弦波のような滑らかな波形状を 意味する一方で、 「ジグザグ状」 とは、 ノコギリ刃のような銳く屈曲するよ うな形状を意味する。 被着体への接触面積を増加させる観点から、 突起層は 、 略角柱状の突起層、 略角錐台状の突起層、 略直線状突起層、 又は略波状突 起層が好ましい。 突起層の上面は、 上述したような略ドーム状であってもよ いが、 被着体への接触面積を増加させる観点から、 略平坦面であることが好 ましい。 係る平坦面の形状としては、 略円形状、 略正三角形、 略正方形、 略 正五角形、 略正六角形、 略長方形、 又は略波型形状とすることができる。 被 着体への接触面積を増加させる観点から、 係る平坦面の形状は、 略正三角形 、 略正方形、 略正五角形、 略正六角形、 略長方形、 又は略波型形状であるこ とが好ましく、 係る形状の平坦面を有する突起層の場合、 突起層は、 係る平 坦面形状の各辺に沿った断面部を有し、 隣接する突起層の平坦面形状におけ る隣接する各辺が略平行状態にあることが好 ましい。 係る構成の突起層は、 圧縮して水平方向に拡張する部分 (以下、 「拡張部」 という場合がある。 ) によって隣接する間隙に充填され易くなり、 被着体適用面に対して空隙の少 ない均一な接触面をより形成し易くなる。

突起層は、 下記式 ( I ) を満足するように形成されているため、 第 2の成 形体は、 被着体に対する応力緩和性に優れるとともに 、 被着体に対する接触 面積を向上させることができる。

[数 4ϋ α Υ= 10 Ο-Χ ( I )

[式中、 αは約 0. 70〜約1. 00であり、 Xは間隙が突起層の圧縮変 形によって完全に充填されるときの圧縮率 (%) であり、 Υは底部外層上面 の総面積のうち突起層底面の総面積が占める 割合 (%) である。 ]

αは、 突起層を構成する材料及び圧縮率によって変 動する係数であり、 例 えば、 次の実験により算出することができる。 まず、 所定厚のシートを 04 . 3 mmのポンチで打ち抜いて円柱のサンプルを準 する。 係る円柱サンプ ルにおける圧縮前の上面の直径 (初期直径) と、 円柱サンプルを上面から下 方にガラス板等を用いて 1 mm押し潰して圧縮した後の円柱最大直径 (圧縮 後直径) を測定する。 ここで、 円柱最大直径とは、 円柱サンプルの上面から 底面の間で横方向に一番広がっている円状部 分の直径を意味する。 測定した 各直径から、 圧縮前後の円柱サンプルの円状部分の面積を 各々算出し、 上記 の Y (%) に相当する圧縮前後の面積比 (圧縮前の上面部面積ノ圧縮後の最 大面積) を算出する。 続いて、 上記の X (%) に相当する、 円柱サンプルを 1 mm圧縮したときの圧縮率 ( 1 mmZ円柱サンプルの初期厚み (mm) ) を算出する。 係る X及び Yの値を、 以下の式 ( I I )

[数 5] a= (100— X) /Y (I I) に導入して αを求めることができる。 一例として、 円柱サンプル 1〜3にお ける算出した αの結果を以下の表 1 に示す。 1]

αは、 約 0. 7 0以上、 約 0. 7 2以上、 約 0. 7 5以上、 約 0. 7 7以 上、 約 0. 80以上又は約 0. 82以上、 約 1 . 00以下の範囲にすること ができる。 Xは、 間隙が突起層の圧縮変形によって完全に充填 されるときの 圧縮率 (%) であり、 次の範囲に限定されないが、 約 2 0%以上、 約 2 5% 以上又は約 3 0%以上、 約 7 5%以下、 約 7 0%以下又は約 6 5%以下の範 囲であってもよい。 Υは、 底部外層上面の総面積のうち突起層底面の総 面積 が占める割合 (%) である。 突起層を複数有する三次元形状熱伝導性成形 体 における Υの求め方としては、 三次元形状熱伝導性成形体を得るための型デ 一夕を参考に、 少なくとも 1 m X l mの大きさ (1 m 2 ) の三次元形状熱伝導 性成形体のシ一卜をパソコン上に表示し、 係るシートの突起層底面の面積 A を算出し、 (面積 A X 1 00) / (突起層を除いたシート上面の総面積 (1 m 2 ) ) から Y (%) を求めることができる。 なお、 少なくとも 1 m X 1 mの 大きさの三次元形状熱伝導性成形体のシート が、 実物のシートであってもよ いことは言うまでもない。 或いは、 例えば、 図 1 1で例示される六角柱の突 起層を備える三次元形状熱伝導性成形体の場 合、 複数の六角柱の中から任意 に一つの六角柱を選択し、 係る六角柱の底面である正六角形 (以後、 「内側 正六角形」 という場合がある。 ) の外接円の直径 (C) を測定する。 次いで 、 係る内側正六角形の各辺から間隙幅 (A) の半分だけ大きい正六角形 (以 後、 「外側正六角形」 という場合がある。 ) を導き、 係る外側正六形の外接 円の直径を特定する (C + A) 。 各外接円の直径に基づいて内側正六角形及 び外側正六角形の各面積を算出し、 (内側正六角形の面積 X 1 00) Z (外 側正六角形の面積) から Y (%) を求めることもできる。 係る方法による Y の値は、 突起層一つの最小単位から導かれるものであ るが、 突起層の形状及 び大きさ、 並びに間隙の形状及び大きさが略均等である 場合には、 係る方法 で Yを求めることができる。

[0102] 突起層のテーパー角 (0) は、 約 80° 以上又は約 82° 以上、 約 90° 以下又は約 88° 以下にすることができる。 係る突起層は型離れ性に優れる とともに、 圧縮後、 被着体適用面に対して空隙の少ない均一な接 触面をより 形成し易くなる。 ここで、 突起層のテ一パ一角 (0) とは、 図 1 0に示され るような、 突起層上面における平坦面形状の各辺に沿っ た断面と底部外層の 上面とによって形成される角度を意味する。

[0103] 突起層は、 該突起層を構成する材料を約 1 Omm厚のシートに成形した場 合のァスカー C硬度計による硬度が、 約 30以下、 約 20以下又は約 1 0以 下であってもよく、 約 0以上であってもよい。 このような範囲のァスカー硬 度を有する突起層は、 柔軟性に優れるため、 圧縮に伴う、 間隙充填性、 被着 体に対する接触面積の増加又は凹凸追従性に 優れている。

[0104] 第 2の三次元形状熱伝導性成形体は、 突起層を、 5個 Z i n c h 2 以上、 1

0個/ i n c h 2 以上、 又は 1 2個 Z i n c h 2 以上有することができる。 係 る構成の成形体であれば、 被着体に対して十分な放熱性を発現させるこ とが できる。

[0105] 底部外層上面から突起層上面までの最大の高 さは、 約 0. 5 mm以上又は 約 1. Omm以上、 約 3. 5mm以下又は約 3. Omm以下にすることがで さる。

[0106] 第 2の三次元形状熱伝導性成形体における突起 間に形成される間隙 1 1

4は、 図 1 0で例示されるように間隙の底面において幅 Aを備えるため、 係 る幅を備えない V字状の溝のような間隙を有する成形体に比 、 本開示の第 2の成形体の方が耐引き裂き性に優れている 本開示の間隙を有するように 突起層を適用した成形体 (前者態様) と、 V字状の溝のような間隙を有する ように突起層を適用した成形体 (後者態様) を比較した場合、 後者態様の方 が、 隣接する突起層が接近しており、 圧縮して水平方向に拡張し得る突起層 部分が前者態様に比べて少ないため、 突起層を圧縮できる割合も少なくなる 。 その結果、 突起層を圧縮し得る割合の低い後者態様では 適用する被着体の 凹凸の大きさに対して制約がかかるが、 本開示の前者態様は、 後者態様に比 ベて突起層を圧縮し得る割合が高く、 凹凸追 ¾έ性の自由度が増すため、 使用 可能な被着体の選択の幅が広がるという利点 を有している。 被着体適用面に 対して空隙の少ない均一な接触面をよリ形成 し易くするという観点から、 間 隙の幅は略均等であることが好ましい。

[0107] 第 2の三次元形状熱伝導性成形体の底部外層は 図 1 0に示されるように 、 シリコーン系材料層 (1 0 4、 1 0 8 ) の間に不織布等の補強基材層 1 0 6を備える積層構成であつてもよく、 補強基材にシリコーン系材料が含浸し て一体化した構成であつてもよい。 底部外層で使用するシリコーン系材料及 び熱伝導性材料を含む組成物が、 突起層で使用する組成物と同一である場合 、 突起層及び底部外層を備える第 2の三次元形状熱伝導性成形体は一体品と みなすことができる。 この場合における底部外層とは、 間隙の底面方向断面 の下側に位置する部分 (但し、 存在する場合は、 剥離フィルムは除く。 ) と みなすことができる。

[0108] 従来の平坦な放熱シートは、 該シートの被着体 (例えば、 I Cチップ等) への適用に伴う圧縮時に、 圧縮面で圧縮応力が発生し、 被着体の周辺近傍で は面方向に反作用である引っ張り応力が発生 する。 これらの応力により、 被 着体を損傷させるおそれがあつたため、 該応力の緩和のために凹凸形状を設 けた放熱シートも開発されている。 しかしながら、 係る従来の放熱シ一トは 凹凸形状を保持させるために柔軟性に劣る材 料を使用していたため、 放熱シ 一卜の凹部に伴う空隙部が生じて接触面積が 低下し、 その結果、 放熱性も低 下する場合があった。 本開示の第 2の三次元形状熱伝導性成形体は、 底部外 層が不織布等の補強基材を含み、 成形体の引き裂き強度等を向上させること ができるため、 成形体で使用するシリコーン系材料として、 シリコーンゴム よりも柔軟で、 間隙充填性及び凹凸追従性に優れるシリコー ンゲルのみを使 用することもでき、 従来の凹凸形状を設けた放熱シートよりも、 圧縮後の被 着体への接触面積をより増加させ、 放熱性をより向上させることができる。 [0109] 補強基材を備えない底部外層を採用した場合 に、 例えば、 2つの被着部材 間に成形体を適用し、 圧縮して貼り合わせた後にリヮ一クすると、 底部外層 側から剥がれることもあれば、 突起層側から剥がれることもあり、 成形体が 破断する場合があった。 しかしながら、 本開示の第 2の成形体は、 補強基材 を備える底部外層を有するため、 リワーク時には、 底部外層が被着体に貼付 された状態で、 成形体を突起層側から剥すことができるため 、 リワーク作業 性に優れるという利点も有している。 第 2の成形体の引っ張り接着強さは、 リワーク性の観点から、 約 1 4 NZ c m 2以下、 約 1 2 NZ cm 2 以下、 又は 約 1 0 N/c m 2 以下にすることが好ましい。

[0110] 底部外層の厚さは、 強度又は放熱性の観点から、 約 0. 5 mm以下又は約

0. 4 mm以下にすることができ、 約 0. 05mm以上又は約 0. 1 mm以 上にすることができる。

[0111] 本開示の第 2の三次元形状熱伝導性成形体は、 該成形体を被着体に適用し て 50%圧縮したときの接触面積が、 成形体を被着体に圧縮せずに適用した ときの接触面積に比較して、 約 40%以上、 約 45%以上又は約 50%以上 増加させることができる。 係る性能を奏する成形体は、 被着体に対する応力 緩和性に優れるとともに、 圧縮後、 被着体適用面に対して空隙の少ない均一 な接触面をより形成し易くなる。

[0112] 第 2の三次元形状熱伝導性成形体の応力緩和性 、 係る成形体の被着体適 用面側の総面積 (底部外層上面の総面積) が大きくなるほど効果をより発揮 させることができる。 応力緩和性の観点から、 第 2の三次元形状熱伝導性成 形体の被着体適用面側の総面積 (底部外層上面の総面積) は、 約 50 c m 2 以 上、 約 1 00 c m 2 以上、 又は約 20 O c m 2 以上にすることができる。

[0113] 第 2の三次元形状熱伝導性成形体の厚さは、 放熱性の観点から、 約 4. 0 mm以下、 約 3. 5 mm以下、 約 3. Omm以下又は約 2. 5 mm以下にす ることができ、 約 0. 1 mm以上又は約 0. 55 mm以上にすることができ る。

[0114] 第 2の三次元形状熱伝導性成形体の約 50%圧縮時の圧縮応力は、 約 1 0 N Z c m 2 以下にすることができる。

[01 15] 第 2の三次元形状熱伝導性成形体の熱抵抗は、 約 1 . 0 Kノ W以下とする ことができる。

[01 16] 本開示の第 2の三次元形状熱伝導性成形体は上述した方 と同様にして製 造することができるが、 係る三次元形状熱伝導性成形体の製造方法は これら に限られない。 たとえば以下の方法では、 伸長可能フィルムの貼り合わせに 関し、 真空加熱圧着装置を採用した方法を例示して いるが、 該方法に限らず 、 真空成型法、 フィルムインサート成型法なども使用するこ とができる。

[01 17] 第 2の三次元形状熱伝導性成形体の製造方法に いて、 例えば以下の方法 により製造することができる。

[01 18] 図 2に示される上部外層積層フィルム 1 0に代えて、 伸長可能フィルムを 真空加熱圧着装置 3 0にセッ トし、 上述と同様の方法で、 伸長可能フィルム を剥離可能に、 第 2の三次元形^熱伝導性成形体の突起層及び間 を形成し 得る型に貼り合わせて、 伸長可能フィルムと型とを備える一体品を得 る。

[01 19] 剥離フィルム上に不織布等の補強基材を配置 し、 熱伝導性材料及びシリコ —ン系材料を含む混合物を、 係る補強基材上に所定のギャップ間隔を有す る ナイフコーターで塗工して、 底部外層を備える底部外層用積層体を得る。

[0120] 次いで、 一体品の空洞部に、 底部外層作製時に使用した混合物と同一又は 異種の熱伝導性材料及びシリコーン系材料を 含む混合物を充填し、 必要に応 じてブレード等を使用して平坦化処理を行い 、 底部外層が空洞部に充填した 混合物を覆い剥離フィルムが最表層となるよ うに、 底部外層用積層体を型上 に配置した後、 シリコーン系材料を硬化させる。

[0121 ] 任意に型を冷却した後、 伸長可能フィルムを備える三次元形状熱伝導 性成 形体を型から取り出し、 第 2の三次元形状熱伝導性成形体を得ることが き る。 必要に応じ、 伸長可能フィルム及び 又は剥離フィルムを除去してもよ 、 適宜打ち抜き加工を行い、 所定形状の三次元形状熱伝導性成形体を得る こともできる。

[0122] 三次元形状熱伝導性成形体の製造方法におい て使用される伸長可能フィル ムとしては、 上述したものと同一の使用することができる 。

[0123] 本開示の三次元形状熱伝導性成形体は、 車両、 リチウムイオンバッテリー

(例えば、 車載用リチウムイオンバッテリー) 、 家電製品、 コンピューター 機器、 等で使用される、 例えば、 I Cチップ等の発熱性部品と、 ヒ一卜シン ク又はヒ一卜パイプ等の放熱部品との間の間 隙を充填するように配置して、 発熱性部品から発生した熱を放熱部品に効率 よく熱伝達し得る、 放熱用物品 として使用することができる。 本開示の三次元形状熱伝導性成形体は形状、 大きさを自由に設計できるため、 例えば、 回路基板のポッティング材の代替 として使用することができ、 コィル等の複雑形状の発熱性部品に対しても 使 用することもできる。

実施例 、

[0124] 以下の実施例において、 本開示の具体的な実施態様を例示するが、 本発明 はこれに限定されるものではない。 部及びパーセントは全て、 特に明記しな い限り質量による。

[0125] 本実施例で使用した原料などを以下の表 2に示す。

[0126]

[0127] 本開示の第 1の三次元形状熱伝導性成形体の特性を以下 方法にしたがつ て評価した。

[0128] [評価方法] <ァスカー c硬度の評価 >

ァスカーゴム硬度計 C型 (高分子計器株式会社製) を用い、 日本ゴム協会 標準規格である S R I S 01 01 に準拠して、 評価サンプルのァス力一 C硬 度を測定した。

[0129] <圧縮荷重の評価 >

35mm X 40 m mの大きさの治具を使用するテンシロン試験 により圧 縮荷重を測定した。 治具の中央に位置するように、 評価サンプルをテンシロ ン試験機に配置し、 荷重計に取り付けた治具を 0. SmmZ分の速度で下方 に移動し、 評価サンプルが 20%圧縮された時点で治具を止め、 そのときの 荷重を測定した。

[0130] <熱伝導率の評価 1 >

大型のサンプル (例 1、 2、 及び比較例 2) の熱伝導率の測定は、 京都電 子工業株式会社製の QTM—D3及びプローブ (PD— 1 3 N) を用いて行 つた。 0丁1/1ー03は、 非定常法細線加熱法という方法によって熱伝 導率を 測定するものである。 プローブ (センサー) は、 直線状に張られた単一の加 熱線と熱電対により構成されている。 加熱線に一定電流を通じると熱が発生 し、 加熱線の温度は指数関数的に上昇する。 熱伝導率の高いサンプル (金属 など) では、 熱は急速に移動しサンプル側に逃げてゆくた めに加熱線の温度 は小さくなる。 逆に熱伝導率が低い試料 (断熱材など) では、 熱が逃げ難い ために加熱線の温度は大きく上昇する。 このように加熱線の温度上昇はサン プルの熱伝導率に関係し、 下記の式 ( 1 ) で表される。 すなわち、 サンプル の熱伝導率は時間軸を対数目盛りにした昇温 グラフの傾きから求めることが できる。

[数 6]

A = q X I n (t a/t ^ / {4πΧ (Τ^Τ,) } (1 )

(式中、 スはサンプルの熱伝導率 (W/mK) であり、 qは加熱線の単位時 間、 単位長さの発熱量 (WZm) であり、 1 t 2 は測定時間 (秒) であり 、 丁 !^は時間!: t 2 での温度 (K) である。 )

[0131] <熱伝導率の評価 2 >

小型のサンプル (例 3〜8及び比較例 3) の熱伝導率の測定は、 熱抵抗測 定装置 (A n a l y s i s T e c h, I n c. 社製の T I M T e s t e r 1 400) を用いて、 ASTM D 5470による熱抵抗/熱伝導率 測定方法に準拠して行った。 熱抵抗測定装置のヒータ一及び冷却プレー卜 の 間にアルミブロック (アルミ板) を二つ設置した。 このアルミブロックの間 に、 サンプルを挿入し、 所定の荷重 (圧縮率) をかけ、 熱伝導率を測定した 。 なお、 測定に際し、 ヒータ一と冷却プレートにおいて、 サンプルがほぼ同 じ面積で接触するように圧縮率を調整した。 圧縮率はいずれのサンプルでも 約 30%であった。

[0132] <アッセンプリ性の評価 >

評価サンプルのアッセンプリ性について評価 した。 ライナーからの剥離性 及びサンプルの取り扱い性 (著しく伸びない) が容易であるものを 「良」 、 ラィナ一から剥離はできるが、 サンプルが塑性変形してしまい取り扱い難い ものを 「可」 、 ライナーから剥離できないものを 「不可」 とした。

[0133] くリワーク性の評価 >

小型のサンプル (例 3~8) について、 リワーク性の評価を以下の方法で 行った。 なお、 比較例 2及び 3のシート状サンプルは 1 6. 5mm0の円筒 状に打ち抜いたものについて同様に評価した 。 5 c mX l O c mのフロート ガラス板 2枚を準備した。 5個のサンプルを 1枚のガラス板表面に均等間隔 で底部が接触するように配置した。 その上にもう 1枚のガラス板を被せ、 そ の上に 1 k gの重りを置いて各サンプルに均等に荷重が かるようにした。 荷重がかかった状態でこれらのガラス板を 1 50°Cに調温されたオープン中 に 24時間放置した。 その後、 オーブンから取り出して冷却し、 室温に戻つ た状態で上側のガラス板を剥離した。 5個のサンプルのうち、 サンプル形状 に変化がなく、 且つ下側のガラス板から剥がれることなく、 全てのサンプル が残っていた場合を 「良」 、 サンプル形状に変化がなく 1個以上のサンプル が上側のガラス板についていた場合を 「可」 、 ガラス板を剥がす際にサンプ ル形状が変形してしまった場合を 「不可」 とした。

[0134] <例 1 >

バレル温度を 200°Cに設定した直径 20 mmの一軸押し出し機でアイォ ノマー樹脂であるハイミラン (登録商標) 1 706を溶融した。 溶融した樹 脂を 59 r pmで回転するスクリューで 220°Cに設定されたダイに供給し 、 ダイから吐出した溶融樹脂を搬送速度 1. 8 分で 25ミクロン厚の P ETフィルム (エンブレム (登録商標) S 25) 上に押し出しラミネートし 、 1 25 tm厚のアイオノマー樹脂 ZP E T積層フィルムを作製した。

[0135] 500 gの CY— 52— 276 A及び 250 gの P l a t e l e t s O O

3を容量 2 Lのプラネタリ一ミキサーに量り取り、 1 5分間、 羽回転数 20 r pmで混合してシリコーンコンパウンド 1 Aを作製した。 同様に、 500 gの CY— 52— 276 B、 5. 0 gの C Y 52— 005 K、 及び 2509 の P I a t e I e t s 003をプラネタリーミキサーに量り取り、 1 5分間 、 羽回転数 20 r pmで混合してシリコーンコンパウンド 1 Bを作製した。

200 gのシリコーンコンパゥンド 1 Aと 200 gのシリコ一ンコンパゥン ド 1 Bをポリカップに量り取り、 樹脂製スパチュラで約 1 0分間撹拌混合し てシリコーンコンパゥンド 1 A Bを作製した。 該シリコーンコンパゥンド 1 A Bをアイオノマー樹脂 Z P ET積層フィルムのアイオノマ一樹脂側にナイ フコーターでコ一ティングした。 コーティングしたアイオノマー樹脂 ZP E T積層フィルムを、 1 8分かけて 1 20°Cのオーブン中を通過させてシリコ —ンを硬化させ、 上部外層用の窒化ホウ素含有シリコーンゴム シ一ト 1を作 製した。 該シート 1のシリコーンゴム層の厚さは 2 1 3 Atmであった。

[0136] 1 21. 4 gの AX35— 1 25、 48. 6 gの AX3— 75、 及び 30 . 0 gの S E 1 885 Aを 225 m Lのガラス瓶に量り取った。 ガラス瓶中 の材料を自転 '公転ミキサーである 「あわとり鍊太郎」 を用いて 200 O r pmの回転数で 1分間混合し、 その後、 30秒間脱泡してシリコーンコンパ ゥンド 2 Aを作製した。 同様に、 1 21. 4 gの AX35— 1 25、 48. 6 gの AX3— 75、 及び 30. O gの S E 1 885 Bを 225 m Lのガラ ス瓶に量り取った。 ガラス瓶中の材料をあわとり鍊太郎を用いて 2000 r pmの回転数で 1分間混合し、 その後、 30秒間脱泡してシリコーンコンパ ゥンド 2 Bを作製した。 1 50 gのシリコーンコンパゥンド 2 Aと 1 00 g のシリコーンコンパゥンド 2 Bを 300 m Lのポリカツプに量り取り、 樹脂 製スパチュラで約 5分間、 泡が入らないように撹拌混合し、 中間部材用のシ リコーンコンパウンド 2 A Bを作製した。

[0137] 1 40. 0 gの S E 1 701 LT V及び 1 4. O gの S E 1 701 LTV 用触媒を 300 mしのポリ力ップに量り取り、 樹脂製スパチユラで約 5分間 、 泡が入らないように撹拌混合し、 シリコーンコンパウンド 3を作製した。 次いで、 該シリコーンコンパゥンド 3を剥離ライナ一である Y B— 2上に適 用し、 ナイフとライナーとのギャップが 1 5 OAtmに設定されたナイフコ一 ターでコーティングし、 底部外層用シート 1 を作製した。

[0138] 窒化ホウ素含有シリコーンゴムシ一卜 1の PETフィルムを除去して、 深 絞り成形可能なアイオノマ一樹脂 窒化ホゥ素含有シリコーンゴムからなる 2層構成の上部外層積層フィルム 1 0を作製した。 図 2 (B) に示されるよ うな真空加熱圧着装置 30として、 両面真空成型機 (布施真空株式会社製) を採用し、 該装置 30内に設置したアルミ製の型 20上に、 アイオノマ一樹 脂が型 20側になるように上部外層積層フィルム 1 0を固定した。 該フィル ム 1 0の表面温度が 1 20°Cになるように加熱条件を設定した。 次いで、 上 述した図 2 (B) 〜図 2 (E) で示されるような手順に従って、 加熱したフ イルム 1 0をエア一が巻き込まれないように型 20の表面に積層し、 図 2 ( F) に示されるような一体品 40を作製した。 ここで、 型 20は、 図 2 (F ) に示されるような、 23. 5mmX 90. 0 m m X 4. 0mmの略かまぼ こ状の三次元形状が得られるような形状を備 える。

[0139] 一体品 40の空洞部 1 〗 に中間部材用のシリコーンコンパウンド 2 A Bを 充填し、 次いで、 充填したシリコーンコンパウンド 2 A B上に、 エアーが巻 き込まれないように底部外層用シ一卜 1を積層した。 該シ一卜 1が型に均一 に密着するように、 シート 1上にゴムローラ一を適用して最終一体品 50を 作製した。 最終一体品 50を 1 20°Cのオーブンに 20分間静置して中間部 材及び底部外層を構成するシリコーンゲルを 加熱硬化させた。 次いで、 最終 —体品 50をオーブンから取り出して冷却し、 硬化させた略かまぼこ状の三 次元形状熱伝導性成形体 60を型 20から取り出した。 冷えて固くなる前に 、 最表層のァィ才ノマー樹脂層を除去して略か まぼこ状の三次元形状熱伝導 性成形体の評価サンプルを得た。 なお、 中間部材用のシリコーンコンパゥン ド 2ABを、 剥離ライナ一の Y B— 2で内部を被覆した 30 mmX4 Omm X 1 0 mm厚の型に注入した後に、 1 20 °Cのオーブン中で硬化して作製し た試験片のァスカー C硬度は 0であった。

く例 2>

75. O gの AX3— 75及び 25. O gの CY 52— 276Aを 225 m Lのガラス瓶に量り取った。 ガラス瓶中の材料をあわとり鍊太郎を用いて 2000 r pmの回転数で 1分間混合し、 その後、 30秒間脱泡してシリコ —ンコンパウンド 4 Aを作製した。 同様に、 75. 0 9 の八ズ3— 75、 2 5. 0 gの C Y 52— 276 B及び 0. 25 gの C Y 52— 005 Kを 22 5 m Lのガラス瓶に量り取った。 ガラス瓶中の材料をあわとり鍊太郎を用い て 2000 r p mの回転数で 1分間混合し、 その後、 30秒間脱泡してシリ コーンコンパウンド 4 Bを作製した。 80 gのシリコーンコンパウンド 4 A と 80 gのシリコーンコンパウンド 4 Bを 300 m Lのポリカツプに量り取 リ、 樹脂製スパチュラで約 5分間、 泡が入らないように撹拌混合し、 シリコ 一ンコンパウンド 4 A Bを作製した。 ガラスペーパー GMC 1 0— MR 6を 剥離ライナ一である Y B— 2上に載置し、 次いで、 該シリコーンコンパゥン ド 4 A Bをガラスべ一パー上に適用し、 ナイフとライナーのギャップが 1 5 0 Amに設定されたナイフコ一ターでコ一ティン して含浸させ、 底部外層 用シート 2を作製した。 該底部外層用シート 2を底部外層用シート 1に代え て使用したこと以外は、 例 1 と同一の方法を使用して略かまぼこ状の三次 元 形状熱伝導性成形体の評価サンプルを得た。 したがって、 例 1 と同様、 作製 した試験片のァス力一 C硬度は 0であった。

[0141] <例 3>

1 50. 0 gのシリコーンコンパウンド 2 A及び 1 22. 7 gのシリコー ンコンパゥンド 2 Bを 30 OmLポリカップに量り取り、 樹脂製スパチュラ で内容物を約 5分間泡が入らないように混合してシリコ一 コンパゥンド 5 A Bを作製した。 シリコーンコンパゥンド 2 A Bの代わりにシリコーンコン ノヽ。ゥンド 5 A Bを用い、 かつ、 直径 1 9mm、 厚さ 4. Ommの略ドーム状 の複数の三次元形状の列が縦方向及び横方向 において平行に重ならないよう な配置された形状を備える型を使用した以外 は例 1 と同様の方法で略ドーム 状の三次元形状熱伝導性成形体の評価サンプ ルを作製した。 なお、 中間部材 用のシリコーンコンパゥンド 5 A Bを、 剥離ライナ一の Y B— 2で内部を被 覆した 30mmX40mmX l 0 m m厚の型に注入した後に、 1 20°Cのォ —ブン中で硬化して作製した試験片のァス力 一 C硬度は 0であった。

[0142] <例 4>

シリコーンコンパゥンド 4 A Bの代わりにシリコーンコンパゥンド 3を用 い、 例 2と同様の方法で底部外層用シート 3を作製した。 シリコーンコンパ ゥンド 2 ABの代わりにシリコーンコンパゥンド 5 ABを用い、 型を例 3で 使用した型に変更し、 底部外層用シー卜 3の代わリに底部外層用シ一卜 3を 用いた以外は例 2と同様の方法で略ドーム状の三次元形状熱 導性成形体の 評価サンプルを作製した。 したがって、 例 3と同様、 作製した試験片のァス 力一C硬度は 0であった。

[0143] <例5>

バレル温度を 200°C— 220°C- 230°C- 260°Cに設定した直径 2 Ommの一軸押し出し機でフッ素樹脂であるダイ 二オン (登録商標) THV 500を溶融した。 溶融した樹脂を 260°Cに設定されたダイに供給し、 ダ ィから吐出した溶融樹脂を 75ミクロン厚 ®P E Tフィルム上に押し出しラ ミネートし、 フッ素樹脂/ PET積層フィルムを作製した。 フッ素樹脂層の 厚さは 1 0 0 ^ mであった。

[0144] 次いで、 1 0 0 9のシリコーンコンパウンド 2 A及び 1 0 0 gのシリコ一 ンコンパウンド 2 Bを 3 0 0 m Lポリカップに量り取り、 樹脂製スノ、。チユラ で内容物を約 5分間泡が入らないように混合してシリコー コンパウンド 6 A Bを作製した。

[0145] シリコーンコンパゥンド 6 A Bを剥離ライナ一である Y B— 2上に載置し 、 次いで、 該シリコーンコンパウンド 6 A Bをガラスペーパー G M C 1 0— M R 6上に適用し、 ナイフとライナ一のギャップが 1 5 0 t mに設定された ナイフコーターでコ一ティングして含浸させ 、 底部外層用シート 4を作製し た。

[0146] 積層フィルムの P E Tフィルムを除去して、 深絞り成形可能なフッ素樹脂 フィルムを作製した。 例 1 と同様の真空加熱圧着装置を採用し、 型としては 、 直径 1 6 . 5 m m , 厚さ 2 . 6 m mの略ドーム状の複数の三次元形状の列 が縦方向及び横方向において平行であって交 互にずれて配置された形状を備 える型を使用した。 型にはスプレー糊 5 5 (スリ一ェムジャパン株式会社製 ) を吹きつけて溶剤が乾燥してから使用した。 フッ素樹脂フィルムの型への 貼り合わせは例 1 と同様にして行った。

[0147] シリコーンコンパゥンド 6 A Bをフッ素樹脂フィルムで被覆された型の上 に注ぎ、 次いで底部外層用シート 4をシリコーンコンパウンド塗布面に、 ェ ァ一が巻き込まれないように積層した。 底部外層用シ一卜 4でカバーされた 型を、 該シートが均一に型に密着するようにゴム口 一ラーで圧着して最終一 体品を作製した。 最終一体品を 1 2 0 °Cのオーブンに 2 0分間静置して成形 体を構成するシリコーンゲルを加熱硬化させ た。 次いで、 最終一体品をォ一 ブンから取り出して室温になるまで自然冷却 し、 1 日放置後、 型から三次元 形状熱伝導性成形体を取り出した。 次いで、 表面のフッ素樹脂フィルムを剥 離することによって、 直径 1 6 . 5 m m、 厚さ 2 . 6 m mの略ドーム形状を 備える三次元形状熱伝導性成形体の評価サン プルを得た。 なお、 シリコーン コンパゥンド 6 A Bを、 剥離ライナーの Y B— 2で内部を被覆した 3 0 m m X4 OmmX 1 0 mm厚の型に注入した後に、 1 20°Cのオーブン中で硬化 して作製した試験片のァス力一 C硬度は 0であった。

[0148] く例 θ>

1 21. 4 gの ΑΧ35— 1 25、 48. 6 gの AX3— 75、 30. 0 9の S E 1 885 Aを 225 m Lのガラス瓶に量りとつた。 次いで、 ガラス 瓶の内容物をあわとり鍊太郎を用いて 2000 r pmの回転数で 1分間混合 し、 その後、 30秒間脱泡することによってシリコーンコン ウンド 7 Aを 作製した。 同様に、 1 21 · 4 gの AX35— 1 25、 48. 6 gの AX3 — 75、 30. O gの S E 1 885 B、 0. 0375 gの添加剤 「 S P 72 97 J を 225 mLのガラス瓶に量り取り、 あわとり鍊太郎を用いて 200 0 r pmの回転数で 1分間混合し、 30秒間脱泡することによってシリコー ンコンパゥンド 7 Bを作製した。 1 00 gのシリコーンコンパゥンド 7 A及 び 1 009のシリコーンコンパゥンド 7 Bを 30 OmLのポリカップに量り 取り、 樹脂製スパチュラで内容物を約 5分間泡が入らないように混合してシ リコーンコンパゥンド 7 A Bを作製した。 該シリコーンコンパゥンド 7 AB 、 フル才ロシリコーンライナーの Y B— 2、 ガラスペーパー GMC 1 0— M R 6を用いて、 例 5と同様にして底部外層用シート 5を作製した。 シリコー ンコンパゥンド 6 A Bの代わりにシリコーンコンパゥンド 7 A Bを用いる以 外は例 5と同様の方法で、 直径 1 6. 5 mm、 厚さ 2. 6 mmの略ドーム形 状を備える三次元形状熱伝導性成形体の評価 サンプルを得た。 なお、 シリコ —ンコンパウンド 7 A Bを、 剥離ライナ一の YB— 2で内部を被覆した 30 mmX40mmX l 0 m m厚の型に注入した後に、 1 20°Cのオーブン中で 硬化して作製した試験片のァス力一 C硬度は 5であった。

[0149] く例 7 >

1 21. 4 gの AX35— 1 25、 48. 6 gの AX3— 75、 及び 30 . 09の S E 1 885 Aを 225 m Lのガラス瓶に量りとつた。 次いで、 ガ ラス瓶の内容物をあわとり鍊太郎を用いて 2000 r pmの回転数で 1分間 混合し、 30秒間脱泡することによってシリコーンコン ウンド 8 Aを作製 した。 同様に、 1 21 · 4 gの AX35— 1 25、 48. 6 gの AX3— 7 5、 30. O gの S E 1 885 B、 及び 0. 075 gの S P 7297を量り 取り、 あわとり鍊太郎を用いて 2000 r pmの回転数で 1分間混合し、 3 0秒間脱泡することによってシリコーンコン ウンド 8 Bを作製した。 1 0 0 gのシリコーンコンパゥンド 8 A及び 1 00 gのシリコーンコンパゥンド 8 Bを 3 O OmLのポリカップに量り取り、 樹脂製スパチュラで内容物を約 5分間泡が入らないように混合してシリコー コンパウンド 8 A Bを作製し た。 該シリコーンコンパウンド 8 AB、 フルォロシリコーンライナ一の Y B ー2、 ガラスペ一パ一 GMC 1 0— MR 6を用いて、 例 5と同様にして底部 外層用シ一卜 6を作製した。 シリコーンコンパウンド 6 A Bの代わりにシリ コーンコンパウンド 8 A Bを用いる以外は例 5と同様の方法で、 直径 1 6. 5 mm, 厚さ 2. 6 m mの略ドーム形状を備える三次元形状熱伝導 成形体 の評価サンプルを得た。 なお、 シリコーンコンパウンド 8 A Bを、 剥離ライ ナ一の Y B— 2で内部を被覆した 30mmX40mmX l 0 m m厚の型に注 入した後に、 1 20°Cのオーブン中で硬化して作製した試験片 ァス力一 C 硬度は 8であった。

<例 8>

1 21. 4 gの AX35— 1 25、 48. 6 gの AX3— 75、 及び 30 . 0 gの S E 1 885 Aを 225 m Lのガラス瓶に量りとつた。 次いで、 ガ ラス瓶の内容物をあわとり鍊太郎を用いて 2000 r pmの回転数で 1分間 混合し、 その後に 30秒間脱泡することによってシリコーンコン ゥンド 9 Aを作製した。 同様に、 1 21. 4 gの AX35— 1 25、 48. 6 gの A X3— 75、 30. O gの S E 1 885 B、 0. 1 50 gの S P 7297を

225 m Lのガラス瓶に量りとつた。 次いで、 ガラス瓶の内容物をあわとり 鍊太郎を用いて 2000 r p mの回転数で 1分間混合し、 その後に 30秒間 脱泡することによってシリコーンコンパウン ド 9 Bを作製した。 1 00 gの シリコーンコンパゥンド 9 A及び 1 00 gのシリコーンコンパゥンド 9 Bを

300 m Lのポリカツプに量り取り、 樹脂製スパチュラで内容物を約 5分間 泡が入らないように混合してシリコーンコン パウンド 9 A Bを作製した。 シ リコ一ンコンパウンド 9 A B、 フルォロシリコーンライナーの YB— 2、 ガ ラスペ一パー GMC 1 0—MR 6を用いて、 例 5と同様にして底部外層用シ —卜 7を作製した。 シリコーンコンパゥンド 6 A Bの代わりにシリコーンコ ンパウンド 9 A Bを用いる以外は例 5と同様の方法で、 直径 1 6. 5 mm, 厚さ 2. 6 m mの略ドーム形状を備える三次元形状熱伝導 成形体の評価サ ンプルを得た。 なお、 シリコーンコンパウンド 9 A Bを、 剥離ライナーの Y B— 2で内部を被覆した 30mmX40mmX l 0 m m厚の型に注入した後 に、 1 20°Cのオーブン中で硬化して作製した試験片 ァス力一 C硬度は 3 0であった。

[0151] <比較例 1 >

シリコーンコンパウンド 2 A Bを 2枚の剥離ライナ一 (YB— 2) 間に適 用し、 該ライナー間のギャップを 2 mmにセッ 卜したナイフコーターへッ ド を通して厚さ 2 mmのシリコーンゲルシートを得た。 次いで、 このシートを 1 20°Cのオーブン中で 20分間静置してシリコーンゲルシートを硬化 せ た。 該シートの凝集力は極めて低く剥離ライナ一 から除去できなかったため 、 該シー卜の各種特性を測定することができな かった。

[0152] <比較例 2>

シリコーンコンパウンド 6 A Bを 2枚の剥離ライナ一 (YB— 2) 間に適 用し、 ライナー間のギャップを 2 mmにセッ 卜したナイフコ一ターへッ ドを 通して厚さ 2 mmのシリコーンゲルシートを得た。 次いで、 このシートを 1 20°Cのオーブン中で 20分間静置してシリコーンゲルシ一卜を硬化 せた 。 2枚のライナ一の内の 1枚を剥がしたシートを 2枚用意し、 層間に気泡が 巻き込まれないように 2枚のシートを貼り合せて、 厚さ 4 mmの評価用のシ リコ一ン熱伝導性シートを得た。 なお、 厚さ 4 mmのシートを 3枚貼り合せ て作製した試験片のァス力一 C硬度は 0であった。

[0153] <比較例 3>

シリコーンコンパウンド 9 A Bを 2枚の剥離ライナ一 (YB— 2) 間に適 用し、 ライナ一間のギャップを 2. 6 mmにセッ トしたナイフコ一ターへッ ドを通して厚さ 2. 6 mmのシリコーンゲルシートを得た。 次いで、 このシ ートを 1 20°Cのオーブン中で 20分間静置してシリコーンゲルシートを硬 化させ、 厚さ 2. 6 mmの評価用のシリコーン熱伝導性シートを得 。 なお 、 厚さ 2. 6 mmのシートを 3枚貼り合せて作製した試験片のァスカー C硬 度は 30であった。 圧縮応力の測定には、 このシートを直径 1 6. 5 mmの 円柱状に打ち抜いたサンプルを用いた。

[0154] 例 1 ~8、 及び比較例 1〜3における、 ァス力一 C硬度、 圧縮荷重 (20

%圧縮時の荷重) 、 熱伝導率 1及び 2、 アッセンプリ性並びにリヮ一ク性の 結果を表 3に示す。

[0155] [表 3]

[0156] 表 3に示すように、 本開示の三次元形状熱伝導性成形体は、 優れた柔軟性 及び圧縮応力を示している。 また、 例 8と比較例 3を比較すると、 両者は同 一のシリコーンコンパゥンド 9 A Bを使用し、 同一のァスカー C硬度を示し ているにもかかわらず、 20%圧縮時の応力については、 例 8の応力は比較 例 3の応力に比べて約 78 %の応力を示しており、 例 8の方が比較例 3より も低くなつている。 この結果は、 成形体の形状が 20%圧縮時の応力を低下 させる、 即ち、 成形体を適用する各種部材に対して付加され る応力を低減で きることを示唆している。

[0157] 本開示の第 2の三次元形状熱伝導性成形体の特性を以下 方法にしたがつ て評価した。

[0158] [評価方法]

<ァスカー C硬度の評価 >

ァス力一ゴム硬度計 C型 (高分子計器株式会社製) を用い、 日本ゴム協会 標準規格である S R I S O 1 01 に準拠して、 評価サンプルのァス力一 C硬 度を測定した。

[0159] <圧縮応力の評価 >

平板治具を使用するテンシロン試験機によリ 圧縮応力を測定した。 330 mmX 88 mmの評価サンプルが圧縮されるように、 治具の中央に係る評価 サンプルを配置し、 荷重計に取り付けた治具を 5. OmmZ分の速度で下方 に移動し、 評価サンプルが 1. 0 mm圧縮された時点で治具を止め、 そのと きの応力を測定した。

[0160] く熱抵抗の評価〉

評価サンプルの熱抵抗値を、 A n a l y s i s T e c h社製の熱インピ 一ダンスメータ一 T I Mテスタ一によって測定した。 係る装置の測定原理 を以下に概説する。

[0161] T I Mテスターは、 AS TM D 5470による熱抵抗値を測定すること ができる。 プローブ (センサ一) は、 ヒータープレ一卜、 冷却器プレート、 複数の熱電対で構成されている。 33. Omm の円柱状 T I Mのサンプル を、 ヒーター及び冷却プレートによって 1. Omm圧縮する。 試験が開始さ れると、 一定の熱がヒータープレートの熱線から加え られる。 ここで、 冷却 器は常に水で冷却されている。 温度が安定した後、 サンプルの界面における 熱流速及び温度が、 いくつかの熱電対から得られた温度データに よって計算 される (図 1 2) 。 その結果、 以下の式 (2) から、 ヒーター及び冷却器の 接点間の熱流量及び温度差によって熱抵抗値 が計算される。 [数 7]

IftS抗値 (K/W) =温度差 (K) /熱流量 (W) (2)

[0162] <引っ張り接着強さ (リワーク性) の評価 >

評価サンプルの底部外層面を片面粘着テープ (住友スリーェム社製、 品番 #85 1 Α) で裏打ちし、 評価サンプルの突起層面をガラス板に貼り付 け、 押圧して間隙がなくなるまで突起層を変形さ せた後、 90° ピール接着力を J I S-Z-0237に規定される手順に従って測定した。 成形体の剥離は 、 30 OmmZ分の引っ張り速度で実施した。

[0163] <例 9>

バレル温度を 200°Cに設定した直径 2 Ommの一軸押し出し機でアイ才 ノマ一樹脂であるハイミラン (登録商標) 1 706を溶融した。 溶融した樹 脂を 59 r pmで回転するスクリユーで 220°Cに設定されたドロップダイ に供給し、 ドロップダイから吐出した溶融樹脂を搬送速 度 1. 8mZ分で 2 5ミクロン厚の P E Tフィルム (エンブレム (登録商標) S 25) 上にキヤ ストし、 1 25 m厚のアイオノマ一樹脂ノ P ET積層フィルムを作製した

[0164] 1 08 gの AX 75— 1 50、 36 gの A X 35— 1 25、 36 gの AX

3— 75、 1 gの DMS— V22及び 1 9 gの S E 1 885 Aを 225mL のガラス瓶に量り取った。 ガラス瓶中の材料を自転■公転ミキサーによ り 2 000 r pmの回転数で 1分間混合し、 続いて、 30秒間脱泡してシリコ一 ンコンパゥンド 1 aを作製した。 同様に、 1 08 gの AX75— 1 50、 3 6 gの AX35— 1 25、 36 gの AX3— 75、 1 gの DMS— V22及 び 1 9 gの S E 1 885 Bを 225 m Lのガラス瓶に量り取り、 同様に、 ガ ラス瓶中の材料を混合及び脱泡してシリコー ンコンパウンド 1 bを作製した 。 1 50 gのシリコーンコンパゥンド 1 aと 1 50 gのシリコーンコンパゥ ンド 1 bをポリカップに量り取り、 次いで、 樹脂製スパチュラで約 1 0分間 、 手動で混合してシリコーンゲルコンパウンド 1 a bを作製した。

[0165] 上述のアイオノマー樹脂 Z P E T積層フィルムから P E Tフィルムを除去 し、 深絞り成形可能なアイオノマー樹脂フィルム を得た。 図 2 ( B ) に示さ れるような真空加熱圧着装置として、 両面真空成型機 (布施真空株式会社製 ) を採用し、 該装置内に設置したアルミ製の型上にアイオ ノマ一樹脂フィル ムを固定した。 該フィルムの表面温度が 1 2 0 °Cになるように加熱条件を設 定した。 次いで、 上述した図 2 ( B ) 〜図 2 ( E ) で示されるような手順に 従って、 加熱したフィルムをエア一が巻き込まれない ように型の表面に積層 し、 図 2 ( F ) に示されるような一体品を作製した。

[0166] 剥離フィルムである Y B— 2上に補強基材であるガラスペーパー G M C 1

0— M R 6を配置した後、 シリコーンゲルコンパウンド 1 a bを、 係るガラ スぺ一パ一上に 1 5 0 i mのギャップ間隔を有するナイフコーターで 工し て、 底部外層を備える底部外層用積層シートを得 た。

[0167] アイオノマ一樹脂フィルムで覆われた一体品 の空洞部にシリコーンゲルコ

ンパウンド 1 a bを充填し、 次いで、 充填したシリコーンコンパウンド 1 a b上に、 エアーが巻き込まれないように底部外層用積 層シートを積層した。 係るシートが型に均一に密着するように、 シ一ト上にゴムローラ一を適用し てシートを平坦化させ、 最終一体品を作製した。 最終一体品を 1 2 0 °Cの才 —ブンに 1 0分間静置してシリコーンゲルを加熱硬化さ た。 次いで、 最終 一体品をオーブンから取り出して冷却し、 アイオノマー樹脂フィルムが型か ら除去されるように、 硬化させた三次元形状熱伝導性成形体を型か ら取り出 した。 次いで、 冷えて固くなる前に、 三次元形状熱伝導性成形体からアイ才 ノマー樹脂フィルムを除去し、 三次元形状熱伝導性成形体の評価サンプルを 得た。 ここで、 使用した型は、 図 1 1 に示されるような略正六角形の上部平 坦面を有する突起層が得られるような形状を 備えており、 係る型から得られ た三次元形状熱伝導性成形体の評価サンプル は、 表 4に示されるような、 間 隙の幅 (A ) 、 突起層の高さ (B ) 、 突起層底面の外接円の直径 (C ) 、 テ ーパ一角度、 及び 1平方インチ当たりの突起数を有していた。 [0168] <例 1 0~ 1 1 >

表 4に示される、 間隙の幅 (A) 、 突起層の高さ (B) 、 突起層底面の外 接円の直径 (C) 、 テーパー角度、 1平方インチ当たりの突起数を満たす三 次元形状熱伝導性成形体が得られる型に変更 した以外は、 例 9と同一の方法 で例 1 0及び例 1 1の評価サンプルを得た。

[0169] <比較例 4>

シリコーンコンパウンド 1 a bを 2枚の剥離ライナ一 (YB— 2) 間に適 用し、 該ライナー間のギャップを 2. 1 mmにセッ トしたナイフコ一ターへ ッ ドを通して厚さ 1. 5 mmのシリコーンゲルシ一卜を得た。 次いで、 この シートを 1 20°Cのオープン中で 20分間静置してシリコーンゲルシートを 硬化させた後、 4枚をラミネートすることで厚さ 6. Ommの評価サンプルを 得た。

[0170] <比較例 5>

シリコーンコンパウンド 1 a bを 2枚の剥離ライナー (Y B—2) 間に適 用し、 該ライナ一間のギャップを 2. 1 mmにセッ トしたナイフコ一ターへ ッドを通して厚さ 1. 5 mmのシリコーンゲルシートを得た。 次いで、 この シートを 1 20°Cのオーブン中で 20分間静置してシリコーンゲルシートを 硬化させた後、 3枚をラミネートすることで厚さ 4. 5 mmの評価サンプル を得た。

[0171] <比較例 6〉

シリコーンコンパウンド 1 a bを 2枚の剥離ライナー (Y B— 2) 間に適 用し、 該ライナ一間のギャップを 2. 1 mmにセッ トしたナイフコーターへ ッ ドを通して厚さ 1. 5 mmのシリコーンゲルシートを得た。 次いで、 この シートを 1 20°Cのオーブン中で 20分間静置してシリコーンゲルシートを 硬化させた後、 2枚をラミネートすることで厚さ 3mmの評価サンプルを得 た。

[0172] 例 9~ 1 1、 及び比較例 4〜 6における各評価サンプルの、 ァスカ一C硬 度、 圧縮応力 (1 mm圧縮時の応力) 、 熱抵抗 (1 mm圧縮時の熱抵抗) 及 〔〕 ¾SS^^^. ¾i ^fl8Θ8¾〜,I

1 ) 間隔が突 層の圧縮変形によって完全に充填されるとき の圧縮率 (/6)

底部外層上面の総面租のうち突起展底面の総 面積が占める割合 (%)

〔〕〕4 薄くなるにしたがい、 熱抵抗は低くなる傾向を呈するが、 圧縮応力及び引張 り接着強さは逆に高くなる傾向を呈していた 。 その結果、 従来の平坦な放熱 シ一卜で熱抵抗の低い成形体を得ようとする と、 圧縮応力及び引張り接着強 さが高くなつてしまうため、 係る放熱シ一卜は、 被着体の破壊又はリワーク 性の悪化などをもたらしていた。 一方、 本開示の第 2の三次元形状熱伝導性 成形体の場合は、 例 9〜 1 1から分かるように、 成形体の厚さが、 比較例 6 のサンプルの厚さと同一又はそれ未満の構成 であっても、 熱抵抗に加え、 圧 縮応力及び引張り接着強さも低く抑え得るこ とが確認された。 したがって、 本開示の第 2の三次元形状熱伝導性成形体は、 良好な熱伝導性が得られると ともに、 従来の平坦な放熱シートに比べて、 被着体に対する不具合を低減で きることが分かった。

符号の説明

1、 6 0 第 1の三次元形状熱伝導性成形体

2、 1 3、 1 1 0 底部外層

3、 1 2 中間部材

4 上部外層

1 0 上部外層積層フィルム

2 0 型

3 0 真空加熱圧着装置

3 1 第 1真空室

3 2 第 2真空室

3 3 台座

3 4 仕切り板

3 5 昇降台

4 0 一体品

5 0 最終一体品

1 0 0 第 2の三次元形状熱伝導性成形体

1 0 2 剥離フィルム , 1 08 シリコーン系材料 補強基材

突起層

間隙

第 1の高さ

第 2の高さ

間隙の幅

突起層の高さ

突起層底面の外接円の直径

第 2の三次元形状熱伝導性成形体の厚さ テーパー角