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Title:
TI-FILM FORMATION METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/136260
Kind Code:
A1
Abstract:
A Ti-film formation method includes: a step of placing a substrate to be treated and having an Si portion on a table; a step of heating the substrate to be treated; a step of setting a pressure in a chamber to a predetermined value; a step of introducing a treating gas containing TiCl4 gas and a reduction gas; a step of forming a high-frequency field by high-frequency formation means so as to obtain the treating gas in a plasma state; and a step of causing a reaction by the Ticl4 gas and the reduction gas on the surface of the substrate to be treated. When the reaction is used to form the Ti-film on the Si portion of the substrate to be treated, the pressure in the chamber and the high-frequency power to be applied are controlled so as to suppress generation of TiSi at the Si portion of the substrate to be treated.

Inventors:
NARUSHIMA KENSAKU (JP)
WAKABAYASHI SATOSHI (JP)
ZENKO TETSU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/057315
Publication Date:
November 13, 2008
Filing Date:
April 15, 2008
Export Citation:
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Assignee:
TOKYO ELECTRON LTD (JP)
NARUSHIMA KENSAKU (JP)
WAKABAYASHI SATOSHI (JP)
ZENKO TETSU (JP)
International Classes:
C23C16/52; C23C16/08; C23C16/509; H01L21/28; H01L21/285
Foreign References:
JPH1167692A1999-03-09
JP2006225763A2006-08-31
Attorney, Agent or Firm:
TAKAYAMA, Hiroshi (1-7-20 Hirakawachochiyoda-k, Tokyo 93, JP)
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Claims:
 被処理基板を収容するチャンバと、チャンバ内で被処理基板を載置する載置台と、載置台上の基板を加熱する加熱手段と、チャンバ内にTiCl 4 ガスおよび還元ガスを含む処理ガスを供給する処理ガス供給手段と、前記載置台上の被処理基板の上方の空間に高周波電界を形成する高周波電界形成手段と、前記チャンバ内を排気する排気手段とを有する成膜装置により、Si部分を有する被処理基板のSi含有部分にTi膜を形成するTi膜の成膜方法であって、
 前記載置台にSi部分を有する被処理基板を配置することと、被処理基板を加熱することと、チャンバ内を所定の圧力にすることと、チャンバ内にTiCl 4 ガスおよび還元ガスを含む処理ガス導入することと、前記高周波電界形成手段により高周波電界を形成することにより前記処理ガスをプラズマ化することと、被処理基板の表面で上記TiCl 4 ガスおよび還元ガスによる反応を生じさせることと、を含み、
 上記反応により、被処理基板のSi部分にTi膜を成膜する際に、被処理基板のSi部分でのTiSiの生成反応が抑制されるように、チャンバ内圧力および印加する高周波電力のパワーを制御する、Ti膜の成膜方法。
 被処理基板の温度が550℃近傍において、プリカーサとしてTiCl 3 が主体となる成膜反応が生じるように、チャンバ内圧力および印加する高周波電力のパワーを制御する、請求項1に記載のTi膜の成膜方法。
 基板温度が300~670℃である、請求項1に記載のTi膜の成膜方法。
 基板温度が500℃±20℃である、請求項3に記載のTi膜の成膜方法。
 被処理基板は、Si部分の他にSiO 2 部分を有し、Si部分とSiO 2 部分の両方にTi膜を成膜する、請求項1に記載のTi膜の成膜方法。
 被処理基板のSi部分にTi膜が形成されることにより、その界面がシリサイド化する、請求項1に記載のTi膜の成膜方法。
 被処理基板を収容するチャンバと、チャンバ内で被処理基板を載置する載置台と、載置台上の基板を加熱する加熱手段と、チャンバ内にTiCl 4 ガスおよび還元ガスを含む処理ガスを供給する処理ガス供給手段と、前記載置台上の被処理基板の上方の空間に高周波電界を形成する高周波電界形成手段と、前記チャンバ内を排気する排気手段とを有する成膜装置により、Si部分を有する被処理基板のSi部分にTi膜を形成するTi膜の成膜方法であって、
 前記載置台にSi部分を有する被処理基板を配置することと、被処理基板を加熱することと、チャンバ内圧力を真空引きすることと、チャンバ内にTiCl 4 ガスおよび還元ガスを含む処理ガス導入することと、前記高周波電界形成手段により高周波電界を形成して前記処理ガスをプラズマ化することと、被処理基板の表面で上記TiCl 4 ガスおよび還元ガスによる反応を生じさせることと、を含み、
 チャンバ内圧力が266~1333Paの範囲、高周波電力パワーが200~1000Wの範囲内において、チャンバ内圧力をx(Pa)、高周波電力パワーをy(W)としたときに、
  (y-333)<160400/(x-266)
を満たす、Ti膜の成膜方法。
 基板温度が300~670℃である、請求項7に記載のTi膜の成膜方法。
 基板温度が500℃±20℃である、請求項8に記載のTi膜の成膜方法。
 被処理基板は、Si部分の他にSiO 2 部分を有し、Si部分とSiO 2 部分の両方にTi膜を成膜する、請求項7に記載のTi膜の成膜方法。
 被処理基板のSi部分にTi膜が形成されることにより、その界面がシリサイド化する、請求項7に記載のTi膜の成膜方法。
 被処理基板を収容するチャンバと、チャンバ内で被処理基板を載置する載置台と、載置台上の基板を加熱する加熱手段と、チャンバ内にTiCl 4 ガスおよび還元ガスを含む処理ガスを供給する処理ガス供給手段と、前記載置台上の被処理基板の上方の空間に高周波電界を形成する高周波電界形成手段と、前記チャンバ内を排気する排気手段とを有する成膜装置により、Si部分を有する被処理基板のSi部分にTi膜を形成するTi膜の成膜方法であって、
 前記載置台にSi含有部分を有する被処理基板を配置することと、被処理基板を加熱することと、チャンバ内圧力を300~800Paの範囲とすることと、チャンバ内にTiCl 4 ガスおよび還元ガスを含む処理ガス導入することと、前記高周波電界形成手段の高周波電力パワーを300~600Wとして高周波電界を形成することにより前記処理ガスをプラズマ化することと、被処理基板の表面で上記TiCl 4 ガスおよび還元ガスによる反応を生じさせることと、を含むTi膜の成膜方法。
 基板温度が300~670℃である、請求項12に記載のTi膜の成膜方法。
 基板温度が500℃±20℃である、請求項13に記載のTi膜の成膜方法。
 被処理基板は、Si部分の他にSiO 2 部分を有し、Si部分とSiO 2 部分の両方にTi膜を成膜する、請求項12に記載のTi膜の成膜方法。
 被処理基板のSi部分にTi膜が形成されることにより、その界面がシリサイド化する、請求項12に記載のTi膜の成膜方法。
 被処理基板のSi部分にTi膜が形成されることにより、その界面がシリサイド化する、請求項12に記載のTi膜の成膜方法。
 被処理基板を収容するチャンバと、チャンバ内で被処理基板を載置する載置台と、載置台上の基板を加熱する加熱手段と、チャンバ内にTiCl 4 ガスおよび還元ガスを含む処理ガスを供給する処理ガス供給手段と、前記載置台上の被処理基板の上方の空間に高周波電界を形成する高周波電界形成手段と、前記チャンバ内を排気する排気手段とを有する成膜装置により、Si部分を有する被処理基板のSi部分にTi膜を形成するTi膜の成膜方法であって、
 前記載置台にSi部分を有する被処理基板を配置することと、被処理基板を加熱することと、チャンバ内を所定の圧力にすることと、チャンバ内にTiCl 4 ガスおよび還元ガスおよび不活性ガスを含む処理ガス導入することと、前記高周波電界形成手段により高周波電界を形成することにより前記処理ガスをプラズマ化することと、被処理基板の表面で上記TiCl 4 ガスおよび還元ガスによる反応を生じさせることと、を含み、
 TiCl 4 ガスおよび還元ガスおよび不活性ガスを前記チャンバ内に導入した後に、高周波電界を形成してプラズマを生成する、Ti膜の成膜方法。
 チャンバ内圧力が266~1333Paの範囲、高周波電力パワーが200~1000Wの範囲内において、チャンバ内圧力をx(Pa)、高周波電力パワーをy(W)としたときに、
   (y-333)<160400/(x-266)
を満たす、請求項18に記載のTi膜の成膜方法。
 チャンバ内圧力が300~800Paの範囲、高周波電力パワーが300~600Wの範囲である、請求項18に記載のTi膜の成膜方法。
 基板温度が300~670℃である、請求項18に記載のTi膜の成膜方法。
 基板温度が620~650℃である、請求項21に記載のTi膜の成膜方法。
 被処理基板は、Si部分の他にSiO 2 部分を有し、Si部分とSiO 2 部分の両方にTi膜を成膜する、請求項18に記載のTi膜の成膜方法。
 被処理基板のSi部分にTi膜が形成されることにより、その界面がシリサイド化する、請求項18に記載のTi膜の成膜方法。
 コンピュータ上で動作し、成膜装置を制御するプログラムが記憶された記憶媒体であって、
 前記制御プログラムは、実行時に、
 被処理基板を収容するチャンバと、チャンバ内で被処理基板を載置する載置台と、載置台上の基板を加熱する加熱手段と、チャンバ内にTiCl 4 ガスおよび還元ガスを含む処理ガスを供給する処理ガス供給手段と、前記載置台上の被処理基板の上方の空間に高周波電界を形成する高周波電界形成手段と、前記チャンバ内を排気する排気手段とを有する成膜装置により、Si部分を有する被処理基板のSi含有部分にTi膜を形成するTi膜の成膜方法であって、
 前記載置台にSi部分を有する被処理基板を配置することと、被処理基板を加熱することと、チャンバ内を所定の圧力にすることと、チャンバ内にTiCl 4 ガスおよび還元ガスを含む処理ガス導入することと、前記高周波電界形成手段により高周波電界を形成することにより前記処理ガスをプラズマ化することと、被処理基板の表面で上記TiCl 4 ガスおよび還元ガスによる反応を生じさせることと、を含み、
 上記反応により、被処理基板のSi部分にTi膜を成膜する際に、被処理基板のSi部分でのTiSiの生成反応が抑制されるように、チャンバ内圧力および印加する高周波電力のパワーを制御する、Ti膜の成膜方法が行われるように、コンピュータに前記成膜装置を制御させる、記憶媒体。
Description:
Ti膜の成膜方法

 本発明は、チャンバ内においてTiCl 4 ガスおよび還元ガスを含む処理ガスを供給し て、チャンバ内の載置台上に載置された、Si 有部分を有する被処理基板のSi含有部分にTi 膜を成膜するTi膜の成膜方法に関する。

 半導体デバイスの製造においては、最近 高密度化および高集積化の要請に対応して 回路構成を多層配線構造にする傾向にあり このため、下層の半導体デバイスと上層の 線層との接続部であるコンタクトホールや 上下の配線層同士の接続部であるビアホー などの層間の電気的接続のための埋め込み 術が重要になっている。

 このようなコンタクトホールやビアホール 埋め込みには、一般的にAl(アルミニウム)や W(タングステン)、あるいはこれらを主体とす る合金が用いられるが、このような金属や合 金と下層のSi基板やpoly-Si層とのコンタクトを 形成するために、これらの埋め込みに先立っ て、Ti膜を形成することにより下地のSiと反 させてコンタクトホールの底のSi拡散層上に TiSi 2 を選択成長させ、良好なオーミック抵抗を得 ている(例えば特開平5-67585号公報)。

 CVD-Ti膜を成膜する場合には、原料ガスとし TiCl 4 ガスが一般的に用いられ、還元ガスとしてH 2 ガス等が用いられるが、このTiCl 4 ガスの結合エネルギーはかなり高く、熱エネ ルギー単独では1200℃程度の高温でなければ 解しないので、プラズマエネルギーを併用 るプラズマCVDによって、通常、プロセス温 650℃程度で成膜を行っている。また、反応 促進する観点から、比較的高い圧力および 周波電力パワーを採用してプラズマを形成 ている。

 ところで、近時、ゲート電極のポリシリ ン上のメタルとのコンタクト層としてTi膜 用いられつつあり、従来の650℃付近の成膜 度では温度が高すぎることから、550℃付近 低温でのTi膜の成膜が検討されている。

 しかしながら、550℃付近で成膜を行う場 には、被処理基板である半導体ウエハの温 を均一にしても、ウエハ面内でのシリサイ 化にバラツキが発生してしまい、面内の膜 均一性が悪化してしまう。また、プラズマ より、ウエハに対するチャージングダメー やチャンバに対する異常放電等のプラズマ メージが発生してしまう。

 一方、現行のTi膜成膜においては、プラズ 化の容易性の観点から先にArガスおよび還元 ガスであるH 2 ガスをチャンバ内に導入してプラズマ化して からTiCl 4 ガスを導入しているが、後からTiCl 4 ガスを導入することにより、一時的に放電状 態が変化し、チャンバ内で異常放電が生じた り、ウエハへのプラズマダメージが生じたり してしまう。

 本発明の目的は、被処理基板の面内でのシ サイド化を均一に進行させることができるT i膜の成膜方法を提供することにある。
 また、本発明の他の目的は、被処理基板や ャンバに対するプラズマダメージが生じ難 Ti膜の成膜方法を提供することにある。

 本発明の第1の観点によれば、被処理基板を 収容するチャンバと、チャンバ内で被処理基 板を載置する載置台と、載置台上の基板を加 熱する加熱手段と、チャンバ内にTiCl 4 ガスおよび還元ガスを含む処理ガスを供給す る処理ガス供給手段と、前記載置台上の被処 理基板の上方の空間に高周波電界を形成する 高周波電界形成手段と、前記チャンバ内を排 気する排気手段とを有する成膜装置により、 Si部分を有する被処理基板のSi含有部分にTi膜 を形成するTi膜の成膜方法であって、前記載 台にSi部分を有する被処理基板を配置する とと、被処理基板を加熱することと、チャ バ内を所定の圧力にすることと、チャンバ にTiCl 4 ガスおよび還元ガスを含む処理ガス導入する ことと、前記高周波電界形成手段により高周 波電界を形成することにより前記処理ガスを プラズマ化することと、被処理基板の表面で 上記TiCl 4 ガスおよび還元ガスによる反応を生じさせる ことと、を含み、上記反応により、被処理基 板のSi部分にTi膜を成膜する際に、被処理基 のSi部分でのTiSiの生成反応が抑制されるよ に、チャンバ内圧力および印加する高周波 力のパワーを制御する、Ti膜の成膜方法が提 供される。

 この場合に、被処理基板の温度が550℃近傍 おいて、プリカーサとしてTiCl 3 が主体となる成膜反応が生じるように、チャ ンバ内圧力および印加する高周波電力のパワ ーを制御することが好ましい。

 本発明の第2の観点によれば、被処理基板を 収容するチャンバと、チャンバ内で被処理基 板を載置する載置台と、載置台上の基板を加 熱する加熱手段と、チャンバ内にTiCl 4 ガスおよび還元ガスを含む処理ガスを供給す る処理ガス供給手段と、前記載置台上の被処 理基板の上方の空間に高周波電界を形成する 高周波電界形成手段と、前記チャンバ内を排 気する排気手段とを有する成膜装置により、 Si部分を有する被処理基板のSi部分にTi膜を形 成するTi膜の成膜方法であって、前記載置台 Si部分を有する被処理基板を配置すること 、被処理基板を加熱することと、チャンバ 圧力を真空引きすることと、チャンバ内にTi Cl 4 ガスおよび還元ガスを含む処理ガス導入する ことと、前記高周波電界形成手段により高周 波電界を形成して前記処理ガスをプラズマ化 することと、被処理基板の表面で上記TiCl 4 ガスおよび還元ガスによる反応を生じさせる ことと、を含み、チャンバ内圧力が266~1333Pa 範囲、高周波電力パワーが200~1000Wの範囲内 おいて、チャンバ内圧力をx(Pa)、高周波電力 パワーをy(W)としたときに、(y-333)<160400/(x-26 6)を満たす、Ti膜の成膜方法が提供される。

 本発明の第3の観点によれば、被処理基板を 収容するチャンバと、チャンバ内で被処理基 板を載置する載置台と、載置台上の基板を加 熱する加熱手段と、チャンバ内にTiCl 4 ガスおよび還元ガスを含む処理ガスを供給す る処理ガス供給手段と、前記載置台上の被処 理基板の上方の空間に高周波電界を形成する 高周波電界形成手段と、前記チャンバ内を排 気する排気手段とを有する成膜装置により、 Si部分を有する被処理基板のSi部分にTi膜を形 成するTi膜の成膜方法であって、前記載置台 Si含有部分を有する被処理基板を配置する とと、被処理基板を加熱することと、チャ バ内圧力を300~800Paの範囲とすることと、チ ンバ内にTiCl 4 ガスおよび還元ガスを含む処理ガス導入する ことと、前記高周波電界形成手段の高周波電 力パワーを300~600Wとして高周波電界を形成す ことにより前記処理ガスをプラズマ化する とと、被処理基板の表面で上記TiCl 4 ガスおよび還元ガスによる反応を生じさせる ことと、を含むTi膜の成膜方法が提供される

 上記第1~第3の観点において、基板温度が3 00~670℃の範囲とすることができる。特に、基 板温度が500℃±20℃である場合に有効である

 本発明の第4の観点によれば、被処理基板を 収容するチャンバと、チャンバ内で被処理基 板を載置する載置台と、載置台上の基板を加 熱する加熱手段と、チャンバ内にTiCl 4 ガスおよび還元ガスを含む処理ガスを供給す る処理ガス供給手段と、前記載置台上の被処 理基板の上方の空間に高周波電界を形成する 高周波電界形成手段と、前記チャンバ内を排 気する排気手段とを有する成膜装置により、 Si部分を有する被処理基板のSi部分にTi膜を形 成するTi膜の成膜方法であって、
 前記載置台にSi部分を有する被処理基板を 置することと、被処理基板を加熱すること 、チャンバ内を所定の圧力にすることと、 ャンバ内にTiCl 4 ガスおよび還元ガスおよび不活性ガスを含む 処理ガス導入することと、前記高周波電界形 成手段により高周波電界を形成することによ り前記処理ガスをプラズマ化することと、被 処理基板の表面で上記TiCl 4 ガスおよび還元ガスによる反応を生じさせる ことと、を含み、TiCl 4 ガスおよび還元ガスおよび不活性ガスを前記 チャンバ内に導入した後に、高周波電界を形 成してプラズマを生成する、Ti膜の成膜方法 提供される。

 上記本発明の第4の観点において、チャンバ 内圧力が266~1333Paの範囲、高周波電力パワー 200~1000Wの範囲内において、チャンバ内圧力 x(Pa)、高周波電力パワーをy(W)としたときに (y-333)<160400/(x-266)を満たすことが好ましい
 また、チャンバ内圧力が300~800Paの範囲、高 波電力パワーが300~600Wの範囲であることが に好ましい。

 上記第4の観点において、基板温度が300~67 0℃の範囲とすることができる。特に、基板 度が620~650℃である場合に有効である。

 上記第1~第4の観点において、被処理基板は Si部分の他にSiO 2 部分を有し、Si部分とSiO 2 部分の両方にTi膜を成膜するようにすること できる。

 上記第1~第4の観点において、被処理基板 Si部分にTi膜が形成されることにより、その 界面がシリサイド化することが好ましい。

 本発明の第5の観点によれば、コンピュータ 上で動作し、成膜装置を制御するプログラム が記憶された記憶媒体であって、前記制御プ ログラムは、実行時に、被処理基板を収容す るチャンバと、チャンバ内で被処理基板を載 置する載置台と、載置台上の基板を加熱する 加熱手段と、チャンバ内にTiCl 4 ガスおよび還元ガスを含む処理ガスを供給す る処理ガス供給手段と、前記載置台上の被処 理基板の上方の空間に高周波電界を形成する 高周波電界形成手段と、前記チャンバ内を排 気する排気手段とを有する成膜装置により、 Si部分を有する被処理基板のSi含有部分にTi膜 を形成するTi膜の成膜方法であって、前記載 台にSi部分を有する被処理基板を配置する とと、被処理基板を加熱することと、チャ バ内を所定の圧力にすることと、チャンバ にTiCl 4 ガスおよび還元ガスを含む処理ガス導入する ことと、前記高周波電界形成手段により高周 波電界を形成することにより前記処理ガスを プラズマ化することと、被処理基板の表面で 上記TiCl 4 ガスおよび還元ガスによる反応を生じさせる ことと、を含み、上記反応により、被処理基 板のSi部分にTi膜を成膜する際に、被処理基 のSi部分でのTiSiの生成反応が抑制されるよ に、チャンバ内圧力および印加する高周波 力のパワーを制御する、Ti膜の成膜方法が行 われるように、コンピュータに前記成膜装置 を制御させる、記憶媒体が提供される。

 現行のTi膜成膜においては、反応を促進す 観点からチャンバ内圧力を667Pa程度、高周波 電力パワーを800W程度と比較的高く設定して 膜処理を行っているが、このような条件で 膜した場合、被処理基板の温度が550℃付近 おいてシリサイド化がばらつく。本発明者 がその原因を調査した結果、この温度付近 Si上で反応により生成する相がTiからTiSiへ転 移し、シリサイド化がばらつきやすいことが 判明した。そして、TiSiは高温で生成されるTi Si 2 や低温でのTiよりも抵抗が高く、成膜挙動も なるため、TiからTiSiへの転移点付近では膜 や膜質がばらつくのである。

 そこで、本発明者らが550℃付近であって このようなばらつきが生じ難い条件を検討 た結果、チャンバ内圧力および印加する高 波電力のパワーを制御することにより、TiSi を生成し難くして、TiとTiSiの転移点を実質的 に消滅させることができ、そのため、上述の ような550℃付近でのばらつきを回避すること ができることが見出された。典型的には、チ ャンバ内圧力および印加する高周波電力のパ ワーを低下させることにより、TiとTiSiの転移 点を実質的に消滅させることができ、550℃付 近での膜厚や膜質のばらつきを回避すること ができるとともに、パワー低下にともなって プラズマダメージを低減することができる。

 また、先にTiCl 4 ガスをチャンバ内へ導入してから高周波電界 を形成することにより、異常放電の発生を抑 制することができ、プラズマダメージを低減 することができる。このため、圧力および高 周波電力パワーを低下させることに加え、さ らにプラズマの生成に先立ってTiCl 4 ガスを導入するようにすることにより、低温 から高温まで、プラズマダメージが生じず、 かつ安定性および均一性の高いTi膜成膜を実 することができる。

本発明の一実施形態に係るTi膜の成膜 法の実施に用いるTi膜成膜装置の一例を示す 概略断面図。 高周波電力パワー800W、チャンバ内圧力667Paに て、Si上とSiO 2 上にTi膜を堆積した際における、各膜上での 抗値およびそのばらつきの温度変化および 温度でシリコン上で生成する相を示す図。 高周波電力パワー800W、チャンバ内圧力667Paに て、Si上とSiO 2 上にTi膜を堆積した際における、各膜上での 厚およびそのばらつきの温度変化を示す図 プリカーサがTiCl 3 の場合の成膜初期のシリサイド化の推定メカ ニズムを模式的に示す図。 プリカーサがTiCl 3 の場合の成膜後期のシリサイド化の推定メカ ニズムを模式的に示す図。 プリカーサがTiCl 3 の場合の成膜時間と膜厚との関係を示す図。 プリカーサがTiCl 2 の場合の成膜初期のシリサイド化の推定メカ ニズムを模式的に示す図。 プリカーサがTiCl 2 の場合の成膜後期のシリサイド化の推定メカ ニズムを模式的に示す図。 プリカーサがTiCl 2 の場合の成膜時間と膜厚との関係を示す図。 横軸にチャンバ内圧力をとり、縦軸に高周波 電力パワーをとった座標において、550℃にお けるTiCl 3 をプリカーサとする反応を主体とする領域と TiCl 2 をプリカーサとする反応を主体とする領域の 境界を示す図。 高周波電力パワー500W、チャンバ内圧力500Paに て、Si上とSiO 2 上にTi膜を堆積した際における、各膜上での 抗値およびそのばらつきの温度変化および 温度でシリコン上で生成する相を示す図。 高周波電力パワー500W、チャンバ内圧力500Paに て、Si上とSiO 2 上にTi膜を堆積した際における、各膜上での 厚およびそのばらつきの温度変化を示す図 横軸にチャンバ内圧力をとり、縦軸に高周波 電力パワーをとったウエハ温度550℃での座標 における、膜厚の選択比(Si上の膜厚/SiO 2 上の膜厚)の等高線を示す図。 横軸にチャンバ内圧力をとり、縦軸に 高周波電力パワーをとったウエハ温度550℃で の座標における、平均膜厚の等高線を示す図 。 横軸にチャンバ内圧力をとり、縦軸に 高周波電力パワーをとったウエハ温度550℃で の座標における、抵抗値のばらつきの等高線 を示す図。 横軸にチャンバ内圧力をとり、縦軸に 高周波電力パワーをとったウエハ温度550℃で の座標における、抵抗値の平均値の等高線を 示す図。 Ti膜を堆積する際のプラズマ形成タイ ミングの好ましい例を示す図。 Ti膜を堆積する際のプラズマ形成タイ ミングの好ましい例を示す図。 従来の800W、667Paの条件でプリプラズマを行っ た場合、同じ条件でプリTiCl 4 を行った場合、500W、500Paの条件でプリTiCl 4 を行った場合における、温度により選択比の 変化を示す図。

 以下、添付図面を参照して本発明の実施形 について具体的に説明する。
 図1は本発明の一実施形態に係るTi膜の成膜 法の実施に用いるTi膜成膜装置の一例を示 概略断面図である。このTi膜成膜装置100は平 行平板電極に高周波電界を形成することによ りプラズマを形成しつつCVD成膜を行うプラズ マCVD成膜装置として構成される。

 このTi膜成膜装置100は、略円筒状のチャ バ1を有している。チャンバ1の内部には、被 処理基板であるウエハWを水平に支持するた のAlNで構成されたサセプタ2がその中央下部 設けられた円筒状の支持部材3により支持さ れた状態で配置されている。サセプタ2の外 部にはウエハWをガイドするためのガイドリ グ4が設けられている。また、サセプタ2に モリブデン等の高融点金属で構成されたヒ ター5が埋め込まれており、このヒーター5は ヒーター電源6から給電されることにより被 理基板であるウエハWを所定の温度に加熱す 。サセプタ2の表面近傍には平行平板電極の 下部電極として機能する電極8が埋設されて り、この電極8は接地されている。

 チャンバ1の天壁1aには、絶縁部材9を介し て平行平板電極の上部電極としても機能する シャワーヘッド10が設けられている。このシ ワーヘッド10は、上段ブロック体10a、中段 ロック体10b、下段ブロック体10cで構成され おり、略円盤状をなしている。上段ブロッ 体10aは、中段ブロック体10bおよび下段ブロ ク体10cとともにシャワーヘッド本体部を構 する水平部10dとこの水平部10dの外周上方に 続する環状支持部10eとを有し、凹状に形成 れている。そして、この環状支持部10eによ シャワーヘッド10全体が支持されている。そ して、下段ブロック体10cにはガスを吐出する 吐出孔17と18とが交互に形成されている。上 ブロック体10aの上面には、第1のガス導入口1 1と、第2のガス導入口12とが形成されている 上段ブロック体10aの中では、第1のガス導入 11から多数のガス通路13が分岐している。中 段ブロック体10bにはガス通路15が形成されて り、上記ガス通路13が水平に延びる連通路13 aを介してこれらガス通路15に連通している。 さらにこのガス通路15が下段ブロック体10cの 出孔17に連通している。また、上段ブロッ 体10aの中では、第2のガス導入口12から多数 ガス通路14が分岐している。中段ブロック体 10bにはガス通路16が形成されており、上記ガ 通路14がこれらガス通路16に連通している。 さらにこのガス通路16が中段ブロック体10b内 水平に延びる連通路16aに接続されており、 の連通路16aが下段ブロック体10cの多数の吐 孔18に連通している。そして、上記第1およ 第2のガス導入口11,12は、ガス供給機構20の スラインに接続されている。

 ガス供給機構20は、クリーニングガスであ ClF 3 ガスを供給するClF 3 ガス供給源21、Ti化合物ガスであるTiCl 4 ガスを供給するTiCl 4 ガス供給源22、Arガスを供給するArガス供給源 23、還元ガスであるH 2 ガスを供給するH 2 ガス供給源24、窒化ガスであるNH 3 ガスを供給するNH 3 ガス供給源25、N 2 ガスを供給するN 2 ガス供給源26を有している。そして、ClF 3 ガス供給源21にはClF 3 ガス供給ライン27および30bが、TiCl 4 ガス供給源22にはTiCl 4 ガス供給ライン28が、Arガス供給源23にはArガ 供給ライン29が、H 2 ガス供給源24にはH 2 ガス供給ライン30が、NH 3 ガス供給源25にはNH 3 ガス供給ライン30a、N 2 ガス供給源26にはN 2 ガス供給ライン30cが、それぞれ接続されてい る。そして、各ガスラインにはマスフローコ ントローラ32およびマスフローコントローラ3 2を挟んで2つのバルブ31が設けられている。

 前記第1のガス導入口11にはTiCl 4 ガス供給源22から延びるTiCl 4 ガス供給ライン28が接続されており、このTiCl 4 ガス供給ライン28にはClF 3 ガス供給源21から延びるClF 3 ガス供給ライン27およびArガス供給源23から延 びるArガス供給ライン29が接続されている。 た、前記第2のガス導入口12にはH 2 ガス供給源24から延びるH 2 ガス供給ライン30が接続されており、このH 2 ガス供給ライン30には、NH 3 ガス供給源25から延びるNH 3 ガス供給ライン30a、N 2 ガス供給源26から延びるN 2 ガス供給ライン30cおよびClF 3 ガス供給源21から延びるClF 3 ガス供給ライン30bが接続されている。したが って、プロセス時には、TiCl 4 ガス供給源22からのTiCl 4 ガスがArガス供給源23からのArガスとともにTiC l 4 ガス供給ライン28を介してシャワーヘッド10 第1のガス導入口11からシャワーヘッド10内に 至り、ガス通路13,15を経て吐出孔17からチャ バ1内へ吐出される一方、H 2 ガス供給源24からのH 2 ガスがH 2 ガス供給ガスライン30を介してシャワーヘッ 10の第2のガス導入口12からシャワーヘッド10 内に至り、ガス通路14,16を経て吐出孔18から ャンバ1内へ吐出される。すなわち、シャワ ヘッド10は、TiCl 4 ガスとH 2 ガスとが全く独立してチャンバ1内に供給さ るポストミックスタイプとなっており、こ らは吐出後に混合され反応が生じる。なお これに限らずTiCl 4 とH 2 とが混合された状態でこれらをチャンバ1内 供給するプリミックスタイプであってもよ 。

 シャワーヘッド10には、整合器33を介して 高周波電源34が接続されており、この高周波 源34からシャワーヘッド10に高周波電力が供 給されるようになっている。高周波電源34か 高周波電力を供給することにより、シャワ ヘッド10を介してチャンバ1内に供給された スをプラズマ化して成膜処理を行う。

 また、シャワーヘッド10の上段ブロック 10aの水平部10dには、シャワーヘッド10を加熱 するためのヒーター45が設けられている。こ ヒーター45にはヒーター電源46が接続されて おり、ヒーター電源46からヒーター45に給電 ることによりシャワーヘッド10が所望の温度 に加熱される。上段ブロック体10aの凹部には ヒーター45による加熱効率を上げるために断 部材47が設けられている。

 チャンバ1の底壁1bの中央部には円形の穴3 5が形成されており、底壁1bにはこの穴35を覆 ように下方に向けて突出する排気室36が設 られている。排気室36の側面には排気管37が 続されており、この排気管37には排気装置38 が接続されている。そしてこの排気装置38を 動させることによりチャンバ1内を所定の真 空度まで減圧することが可能となっている。

 サセプタ2には、ウエハWを支持して昇降 せるための3本(2本のみ図示)のウエハ支持ピ 39がサセプタ2の表面に対して突没可能に設 られ、これらウエハ支持ピン39は支持板40に 固定されている。そして、ウエハ支持ピン39 、エアシリンダ等の駆動機構41により支持 40を介して昇降される。

 チャンバ1の側壁には、チャンバ1と隣接 て設けられた図示しないウエハ搬送室との でウエハWの搬入出を行うための搬入出口42 、この搬入出口42を開閉するゲートバルブ43 が設けられている。

 Ti膜成膜装置100の構成部であるヒーター 源6および46、バルブ31、マスフローコントロ ーラ32、整合器33、高周波電源34等は、コンピ ュータからなる制御部50に接続されて制御さ る構成となっている。また、制御部50には 工程管理者がTi膜成膜装置100を管理するため にコマンドの入力操作等を行うキーボードや 、Ti膜成膜装置100の稼働状況を可視化して表 するディスプレイ等からなるユーザーイン ーフェース51が接続されている。さらに、 御部50には、Ti膜成膜装置100で実行される各 処理を制御部50の制御にて実現するための 御プログラムや、処理条件に応じてTi膜成膜 装置100の各構成部に処理を実行させるための プログラムすなわちレシピが格納された記憶 部52が接続されている。レシピは記憶部52中 記憶媒体に記憶されている。記憶媒体はハ ドディスクや半導体メモリであってもよい 、CDROM、DVD等の可搬性のものであってもよい 。また、他の装置から、例えば専用回線を介 してレシピを適宜伝送させるようにしてもよ い。そして、必要に応じて、ユーザーインタ ーフェース51からの指示等にて任意のレシピ 記憶部52から呼び出して制御部50に実行させ ることで、制御部50の制御下で、Ti膜成膜装 100での所望の処理が行われる。

 次に、以上のようなTi膜成膜装置100におけ 本実施形態に係るTi膜成膜処理方法について 説明する。
 本実施形態において対象とするウエハWは、 Si部分が露出しているものであり、Si部分と てはSi基板であってもよいし、その上に形成 されたポリシリコン膜であってもよく、その 上にTi膜が形成される。通常は層間絶縁膜と てSiO 2 膜(またはLow-k膜)等のSiO 2 部分を含んでおり、Si部分とSiO 2 部分の両方にTi膜が形成される。

 なお、以下の説明において、ガスの流量 単位はmL/minを用いているが、ガスは温度お び気圧により体積が大きく変化するため、 発明では標準状態に換算した値を用いてい 。なお、標準状態に換算した流量は通常sccm (Standerd Cubic Centimeter per Minutes)で標記され ためsccmを併記している。ここにおける標準 態は、温度0℃(273.15K)、気圧1atm(101325Pa)の状 である。

 まず、チャンバ1内にウエハが搬入されてい ない状態で、プリコートを行う。プリコート においては、排気装置38によりチャンバ1内を 引き切り状態とし、チャンバ1内にArガスとN 2 ガスを導入しつつ、ヒーター5によりサセプ 2を昇温し、サセプタ2の温度が所定温度に安 定した時点で、TiCl 4 ガスを所定流量で導入しつつ、高周波電源34 ら高周波電力を印加して、チャンバ1内に導 入されたArガス、H 2 ガス、TiCl 4 ガスをプラズマ化することにより、チャンバ 1内壁、排気室36内壁、シャワーヘッド10、お びサセプタ2にTi膜を形成し、引きつづきTiCl 4 ガスのみを停止し、窒化ガスとしてのNH 3 ガスを流すとともにシャワーヘッド10に高周 電力を印加してこれらガスをプラズマ化し Ti膜を窒化する。これらを複数回繰り返す とによりプリコート膜を形成する。

 このようにプリコートが終了した後、ウエ Wに対するTi膜の堆積を行う。このTi膜の堆 ではヒーター5によりサセプタ2を所定温度ま で上昇させた後に、チャンバ1内をゲートバ ブ43を介して接続されている外部雰囲気と同 様に調整し、その後に、ゲートバルブ43を開 して、真空状態の図示しないウエハ搬送室 ら搬入出口42を介してウエハWをチャンバ1内 へ搬入する。次いで、プリコート工程におい てシャワーヘッド10等にTi膜を形成した手順 同様に、チャンバ1内に導入されたArガス、H 2 ガス、TiCl 4 ガスをプラズマ化してこれらを反応させ、ウ エハW上に所定の厚さのTi膜を堆積する。

 Ti膜の堆積の後、Ti膜の窒化処理が施される 。この窒化処理では、上記Ti膜の成膜が終了 、TiCl 4 ガスを停止し、H 2 ガスおよびArガスを流したままの状態とし、 ャンバ1内(チャンバ壁やシャワーヘッド表 等)を適宜の温度に加熱しつつ、窒化ガスと てNH 3 ガスを流すとともに、高周波電源34からシャ ーヘッド10に高周波電力を印加して処理ガ をプラズマ化し、プラズマ化した処理ガス よりウエハWに成膜したTi薄膜の表面を窒化 、Ti膜成膜処理が完了する。

 ここで、上記Ti膜の堆積において、従来 、650℃付近と比較的高い成膜温度を使用し いたが、ゲート電極のポリシリコン上のメ ルとのコンタクト層として使用する場合等 より低温が求められる用途においては、550 付近での成膜が求められる。

 一方、従来はよりシリサイド化を促進す 観点から、チャンバ1内の圧力を667Pa程度、 周波電力パワーを800W程度と、比較的高圧力 ・高パワーの条件が採用されていた。この条 件でウエハWのSi含有部分、例えばポリシリコ ン膜上にTi膜を成膜する場合には、550℃付近 シリサイド化がばらつき、膜質および膜厚 もばらつきが生じることが判明した。

 その点について詳細に説明する。
 図2は、横軸にウエハ温度をとり、縦軸に抵 抗値Rsの平均値(ω/□)およびそのばらつき(1σ, %)をとって、Si上とSiO 2 上にTi膜を堆積した際における各膜上での抵 値およびそのばらつきの温度変化を示す図 ある。また、各温度でシリコン上で生成す 相を示す。

 また、図3は、横軸にウエハ温度をとり、縦 軸に膜厚(nm)およびそのばらつき(1σ,%)をとっ 、Si上とSiO 2 上にTi膜を堆積した際における各膜上での膜 およびそのばらつきの温度変化を示す図で る。

 なお、図2、3の際の成膜条件は、チャンバ の圧力を667Paとし、Ti膜堆積は、ガス流量をT iCl 4 /Ar/H 2 :12/1600/4000(mL/min(sccm))、高周波電力パワーを800 W、時間を30secとし、窒化処理は、ガス流量を NH 3 /Ar/H 2 :1500/1600/2000(mL/min(sccm))、高周波電力パワー:800 W、時間:30secとした。

 図2に示すように、シリコン酸化膜上の膜は 、ウエハ温度が上昇するに従って膜の抵抗値 が単調に減少する傾向にあるが、ポリシリコ ン上の膜は550℃付近で急激な抵抗値の上昇が 見られる。また、590℃付近で抵抗値の変曲点 が見られる。これは、シリコン上にTi膜を成 した際に温度によって生成される相が異な 、低温ではTiが、中温ではチタンモノシリ イド(TiSi)が、高温ではチタンジシリサイド(T iSi 2 )が生成し、550℃付近にTi/TiSi転移点があり、5 90℃付近にTiSi/TiSi 2 転移点があるからである。これら転移点に対 応して抵抗値のばらつきも大きくなっている ことがわかる。特に、Ti成膜温度のターゲッ となる550℃では、図示するように、大きな 抗値のばらつきが見られる。

 また、図3に示すように、シリコン酸化膜 上での成膜速度は温度上昇にともなって単調 に増加しているのに対し、ポリシリコン膜上 での成膜速度はTiSiに転移する550℃付近で低 し、TiSi生成温度である550~590℃付近で、シリ コン酸化膜上での膜厚よりも成膜速度が低く なってしまう。すなわち、この温度範囲で、 シリコン酸化膜上での成膜速度に対するポリ シリコン上での成膜速度で表される選択比が 1よりも小さくなってしまう。Ti生成領域では 選択比がほぼ1であるから、転移点である550 付近で選択比がばらつく。

 すなわち、従来の条件ではウエハ温度が550 でSiおよびSiO 2 上でTi成膜を行うと、シリサイド化がばらつ 、膜質および膜厚もばらついてしまう。

 このようにばらつきが生じるのは、550℃に けるシリサイド化のメカニズムが以下のよ になっているためと推定される。
 まず、成膜原料であるTiCl 4 がプラズマ中で(1)式の反応に従って活性化す る。次に、活性化されたTiCl 4 * が(2)式の反応に従って還元され、TiCl 3 が形成され、反応に寄与するプリカーサとな る。また、(3)式に従ってTiCl 3 * 同士が反応してTiCl 2 が形成され、これも反応に寄与するプリカー サとなる。
   TiCl 4 +Ar  →  TiCl 4 * +Ar   (1)
   TiCl 4 * +H +  →  TiCl 3 +HCl   (2)
   TiCl 3 * +TiCl 3 *  → TiCl 2 +TiCl 4  (3)

 すなわち、反応に寄与するプリカーサがTiCl 3 とTiCl 2 の2種類存在することとなる。これらTiCl 3 とTiCl 2 はシリサイド化のメカニズムが異なっている 。

 プリカーサがTiCl 3 の場合の推定メカニズムを図4A~図4Cに示す。 ず、成膜初期には、図4Aに示すように、Si基 板上にTiCl 3 が吸着し、H 2 により還元されてSi基板上にTi膜が成膜され 熱によりシリサイド化される。また、成膜 期には、図4Bに示すように、シリサイド上に TiCl 3 が吸着し、H 2 により還元されてシリサイド上にTi膜が成膜 れ、熱によりシリサイド化される。すなわ 、成膜初期も成膜後期もメカニズムは基本 に変化せず、図4Cに示すように、膜厚は時 に対して直線的に変化する。すなわち、成 速度は一定である。なお、このようなメカ ズムは、上記Ti生成領域に相当する。

 次に、プリカーサがTiCl 2 の場合の推定メカニズムを図5A~5Cに示す。ま 成膜初期には、図5Aに示すように、Si基板上 にTiCl 2 が吸着し、Si基板上で直接Siと反応してシリ イドとなり(Si還元)、Siがエッチングされる(S iCl 2 となって揮発)。そして、シリサイド中のTiは Si基板中へ拡散する。また、成膜後期には、 5Bに示すように、シリサイド上にTiCl 2 が吸着し、シリサイド中のTiがシリサイド化 たSi基板中に拡散するとともに、TiCl 2 が基板中のSiと直接反応してシリサイドとな (Si還元)、Siがエッチングされる(SiCl 2 となって揮発)。TiCl 2 がH 2 還元されないのは、Ti-Si-Cl結合のほうがHCl結 よりも大きいからである。このようにシリ イド化にTiの拡散が寄与する場合には、成 後期にはTiの拡散速度が低下するため、図5C 示すように、成膜後期には成膜速度が低下 る傾向がある。なお、このようなメカニズ は、上記TiSi生成領域に相当する。

 550℃での成膜の場合には、このように2種類 のプリカーサの反応により成膜されるが、TiC l 4 はプラズマ中を通り分解が進みながら排気さ れるため、TiCl 4 はウエハのエッジ部では分解が進み、より多 くTiCl 2 が生成される。そのため、ウエハエッジ部で はTiCl 2 をプリカーサとする上記図5A~5Cのメカニズム 成膜過程が支配的となる。一方、ウエハ中 部では、TiCl 4 の分解が十分には進行せず、プリカーサがTiC l 3 止まりとなり、上記図4A~4Cのメカニズムの成 過程が支配的となる。

 このように、温度以外の条件を従来のま として550℃で成膜を行う場合には、ウエハ 内でシリサイド化がばらつき、膜質や膜厚 ばらつくのである。このようなばらつきを 消するためには、高周波電力パワーを低下 せること、およびチャンバ1内の圧力を低下 させることの少なくとも一方を行うことが有 効である。

 すなわち、高周波電力のパワーを低下させ ことにより、TiCl 4 の分解を弱め、ウエハエッジでのプリカーサ をTiCl 3 止まりにすることにより、ウエハ中心部とエ ッジ部でいずれも図4A~4Cのメカニズムによる 膜が行われ、シリサイド化のばらつきが抑 されて膜質および膜厚のばらつきを抑制す ことができる。また、圧力を低下させるこ でチャンバ内の排気流速が速くなり、分解 進む前にTiCl 4 がプラズマを脱出するために分解が抑制され 、エッジ部のプリカーサがTiCl 3 を主体としたものとなり、やはりウエハ中心 部とエッジ部でいずれも図4A~4Cのメカニズム よる成膜が行われ、シリサイド化のばらつ が抑制されて膜質および膜厚のばらつきを 制することができる。

 このばらつき改善のメカニズムのイメージ 図示すると図6に示すようになる。図6は、 軸にチャンバ内圧力をとり、縦軸に高周波 力パワーをとった座標において、550℃にお るTiCl 3 をプリカーサとする反応を主体とする領域と TiCl 2 をプリカーサとする反応を主体とする領域の 境界を示すものである。ウエハのエッジ部で は上述したようにTiCl 2 が生じやすいため、境界線がシフトする。従 来の条件はセンター部の境界線とエッジ部の 境界線の間にプロットされる。この図から明 らかなように、高周波電力パワーおよび圧力 の少なくとも一方を低下させることによりセ ンター部およびエッジ部もいずれもTiCl 3 をプリカーサとする反応を主体とするように することができる。

 300mmウエハのような大型のウエハであって 、ウエハエッジまで安定してTiCl 3 をプリカーサとする反応を主体とする成膜処 理を実現するためには、チャンバ内圧力をx(P a)とし、高周波電力パワーをy(W)とした場合に 、以下の(4)式を満たすことが好ましい。
   (y-333)<160400/(x-266)  (4)
 ただし、他の条件を、TiCl 4 流量:3~20mL/min(sccm)、Ar流量:100~2000mL/min(sccm)、H 2 流量:1000~5000mL/min(sccm)、ウエハ温度:500~600℃の 範囲内とする。

 次に、このような点に基づいて高周波電 パワーおよびチャンバ内圧力を低下させた 件でTi膜を成膜した結果について説明する

 図7は、従来よりも高周波電力パワーおよび チャンバ内圧力を低下させた場合のSi上とSiO 2 上にTi膜を堆積した際における各膜上での抵 値およびそのばらつきの温度変化を示す図 ある。なお、図7には、併せて各温度におい てシリコン上で生成する相を示している。

 また、図8は、従来よりも高周波電力パワー およびチャンバ内圧力を低下させた場合のSi とSiO 2 上にTi膜を堆積した際における各膜上での膜 およびそのばらつきの温度変化を示す図で る。

 なお、図7、8の際の成膜条件は、チャンバ の圧力を500Paとし、Ti膜堆積は、ガス流量をT iCl 4 /Ar/H 2 :12/1600/4000(mL/min(sccm))、高周波電力パワーを500 W、時間を29secとし、窒化処理は、ガス流量を NH 3 /Ar/H 2 :1500/1600/2000(mL/min(sccm))、高周波電力パワー:800 W、時間:29secとした。

 図7に示すように、従来よりも高周波電力 パワーおよびチャンバ内圧力を低下させた場 合は、TiSiが生成される領域が消失しており 550℃付近での急激な抵抗値の上昇は見られ い。また、図8に示すように、従来よりも高 波電力パワーおよびチャンバ内圧力を低下 せた場合は、550~590℃付近での選択比の逆転 は見られず、安定した膜厚を示している。以 上の結果から、高周波電力パワーを低下する こと、およびチャンバ内の圧力を低下するこ とが有効であることが確認された。

 次に、ウエハ温度を550℃とし、チャンバ内 力および高周波電力パワーを変化させて成 した場合の特性変化について調査した結果 ついて説明する。なお、ここでは他の条件 して、Ti膜堆積は、ガス流量をTiCl 4 /Ar/H 2 :12/1600/4000(mL/min(sccm))、時間を30secとし、窒化 理は、ガス流量をNH 3 /Ar/H 2 :1500/1600/2000(mL/min(sccm))、高周波電力パワー:800 W、時間:30secとした。

 図9~12は、横軸にチャンバ内圧力をとり、縦 軸に高周波電力パワーをとったウエハ温度550 ℃での座標を示すものであり、図9は膜厚の 択比(Si上の膜厚/SiO 2 上の膜厚)の等高線を示す図、図10は平均膜厚 の等高線を示す図、図11は抵抗値のばらつき 等高線を示す図、図12は抵抗値の平均値の 高線を示す図である。

 これらの図から、チャンバ内圧力および/ または高周波電力パワーを従来(667Pa、800W)よ も低下させることにより、膜厚の選択比1以 上を確保でき、膜厚自体も厚くなり、さらに 、抵抗値Rsも従来よりも低くかつ抵抗値のば つきも小さいことが確認された。

 これらの図から、上記(4)式を満たした上 、チャンバ内圧力が266~1333Paの範囲、高周波 電力パワーが200~1000Wの範囲が好ましいことが わかる。特に、ウエハWやチャンバ1に対する ラズマダメージを生じ難くする観点を加味 れば、チャンバ内圧力が300~800Paの範囲、高 波電力パワーが300~600Wの範囲が好ましいこ がわかる。

 ウエハ温度については、上記条件は550℃ 近、より具体的には550±20℃の場合に特に有 効であるが、300~670℃に対して適用可能であ 、上記の条件を採用することにより、ウエ 温度が300~670℃の広い範囲で安定したシリサ ド化を行うことができる。

 次に、Ti膜を堆積する際のプラズマ形成タ ミングについて説明する。
 従来は、プラズマ化の容易性の観点から先 Arガスおよび還元ガスであるH 2 ガスをチャンバ内に導入してプラズマ化して からTiCl 4 ガスを導入しているが(プリプラズマ)、後か TiCl 4 ガスを導入することにより、一時的に放電状 態が変化し、温度が640℃と高くかつ高周波電 力パワーも800Wと比較的高いことと相俟って チャンバ内で異常放電が生じたり、ウエハ のプラズマダメージが生じたりする不都合 生じていた。

 このことを防止するためには、図13Aに示す うに、プラズマの生成に先立ってTiCl 4 を導入すること(プリTiCl 4 )が好ましい。具体的には、図13Bに示すよう 、Arガス+H 2 ガスを導入した後、TiCl 4 を導入し、その後、プラズマを着火すること が好ましい。

 これは、プラズマを形成した後にTiCl 4 ガスを供給することによるプラズマの乱れの ほうが、TiCl 4 ガスを導入した後にプラズマを着火するとき の乱れよりも大きいからである。また、この ようにプラズマ着火に先立ってTiCl 4 ガスを供給することにより、膜の抵抗をより 小さくすることができる。TiCl 4 ガスはプラズマ着火よりも2秒以上前に供給 ることが好ましい。

 このような、TiCl 4 ガスをプラズマよりも先に導入するシーケン スを採用した上で、上述したような高周波電 力パワーおよび/またはチャンバ内圧力が低 条件でTi成膜を行うことにより、プラズマに よる放電を一層安定化することができ、異常 放電やウエハへのダメージをより効果的に抑 制することができる。このTiCl 4 ガスをプラズマよりも先に導入するシーケン スについても、ウエハ温度が300~670℃の広い 囲で適用することが可能である。

 また、TiCl 4 ガスをプラズマよりも先に導入するシーケン スを採用した場合には、成膜温度が620~650℃ 近において、プラズマを先に着火するシー ンスを採用するよりも、温度による膜厚の 択比の変化が大きい傾向にあるが、TiCl 4 ガスをプラズマよりも先に導入するシーケン スを採用した上で、高周波電力パワーおよび /またはチャンバ内圧力が低い条件でTi成膜を 行うことにより選択比の変化を小さくするこ とができる。このことを図14に示す。この図 、横軸にウエハ温度をとり、縦軸に膜厚の 択比をとって、従来の800W、667Paの条件でプ プラズマを行った場合、同じ条件でプリTiCl 4 を行った場合、500W、500Paの条件でプリTiCl 4 を行った場合における、温度により選択比の 変化を示す図である。この図に示すように、 従来の800W、667Paの条件でプリTiCl 4 を行った場合には、成膜温度が620~650℃付近 おいて選択比の変化が大きいが、500W、500Pa 条件でプリTiCl 4 を行った場合には、プリプラズマと同様、選 択比がほとんど変化しないことが確認された 。

 なお、Ti膜を堆積する際の他の条件の好ま い範囲は以下の通りである。
 i)高周波電源34からの高周波電力の周波数:30 0kHz~27MHz
  ii)TiCl 4 ガス流量:3~20mL/min(sccm)
 iii)Arガス流量:500~2000mL/min(sccm)
 iv)H 2 ガス流量:1000~5000mL/min(sccm)

 また、窒化処理の際の好ましい条件は、以 の通りである。
 i)高周波電源34からの高周波電力
  周波数:300kHz~27MHz
  パワー:500~1500W
 ii)ヒーター5によるサセプタ2の温度:300~670℃
 iii)Arガス流量:800~2000mL/min(sccm)
 iv)H 2 ガス流量:1500~4500mL/min(sccm)
 v)NH 3 ガス流量:500~2000mL/min(sccm)
 vi)チャンバ内圧力:133~1333Pa(1~10Torr)
 なお、窒化処理は必須ではないが、Ti膜の 化防止等の観点から実施することが好まし 。

 このようなTi膜の堆積処理および窒化処理 所定枚のウエハに対して行った後、チャン 1内のクリーニングが実施される。クリーニ グ処理は、チャンバ1内にウエハが存在しな い状態で、チャンバ1内にClF 3 ガスを導入し、ドライクリーニングを行う。 ドライクリーニングはヒーター5によりサセ タ2を加熱しながら行うが、その際の温度は1 70~250℃とすることが好ましい。

 なお、本発明は、上記実施形態に限定さ ることなく種々変形可能である。例えば、 記実施形態ではシャワーヘッドに高周波電 を印加することにより高周波電界を形成す ようにしたが、これに限らず高周波電界に り本発明を形成することができればよい。 た、被処理基板としては、半導体ウエハに らず例えば液晶表示装置(LCD)用基板等の他 基板であってもよい。