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Title:
TILTING TYPE AUTOMATIC POURING CONTROL METHOD AND MEDIUM STORING TILTING CONTROL PROGRAM FOR LADLE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/136295
Kind Code:
A1
Abstract:
[PROBLEMS] To provide a pouring method for dropping metal molten flowing out from a ladle accurately into the gate in a mold. [MEANS FOR SOLVING PROBLEMS] In a method for controlling input voltages applied to a servo motor for tilting a ladle, a servo motor for moving the ladle front and back and a servo motor for moving the ladle up and down using a computer in order to drop metal molten flowing out from a ladle accurately into the gate in a mold, a mathematical model of the dropping locus of metal molten flowing out from the ladle is made, converse problem of that mathematical model is solved, the dropping position of metal molten is estimated at a molten flow rate estimating section and a dropping position estimating section, and the dropping position data is processed by a computer thus acquiring the input voltages to the servo motor for tilting the ladle, the servo motor for moving the ladle front and back and the servo motor for moving the ladle up and down and the three servo motors are controlled based on the input voltages thus acquired.

Inventors:
NODA YOSHIYUKI (JP)
TERASHIMA KAZUHIKO (JP)
MIYOSHI TAKANORI (JP)
OTA KAZUHIRO (JP)
SUZUKI MAKIO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/057688
Publication Date:
November 13, 2008
Filing Date:
April 21, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SINTOKOGIO LTD (JP)
NAT UNIV CORP TOYOHASHI UNIV T (JP)
NODA YOSHIYUKI (JP)
TERASHIMA KAZUHIKO (JP)
MIYOSHI TAKANORI (JP)
OTA KAZUHIRO (JP)
SUZUKI MAKIO (JP)
International Classes:
B22D41/06; B22D46/00
Foreign References:
JP2005088041A2005-04-07
JPS6211290B21987-03-11
JPH0910924A1997-01-14
JPH09285860A1997-11-04
JPH09239525A1997-09-16
JPH1058120A1998-03-03
Other References:
See also references of EP 2143514A4
"A Proposal to Maximize an Initial Flow of the Molten Metal in a Lifting and Lowering Device with a Two-stage Tilting Axis of a Tilting-type Automatic Pouring Machine", CREATIVE ENGINEERING, vol. 71, no. 7, 1999, pages 445 - 448
"Development of an Automatic Pouring Machine", AUTOMOBILE TECHNOLOGY, vol. 46, no. 11, 1992, pages 79 - 86
"Control of the Flow of Pouring by Betterment Process in Cylindrical Ladle-type Automatic Pouring Robot", JAPAN SOCIETY OF MECHANICAL ENGINEERS, vol. 70, no. 69, 2004, pages 4
Attorney, Agent or Firm:
YAMASAKI, Yukuzo et al. (Sogo Nagatacho Bldg. 8F 11-2, Nagatacho 1-chome Chiyoda-ku Tokyo 14, JP)
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Claims:
傾動前後動及び上下動を可能とする3つのサーボモータを備えた傾動式自動注湯装置の金属溶湯を保持した取鍋を傾動することによって、鋳型へ注湯するに当たり、取鍋から流出する金属溶湯を正確に鋳型内湯口へ落下させるべく取鍋を傾動させるサーボモータ、取鍋を前後動させるサーボモータおよび取鍋を上下動させるサーボモータへ印加する入力電圧をコンピュータを用いて制御する方法であって、
取鍋から流出する金属溶湯の落下軌跡の数理モデルを作成し、
この作成した数理モデルの逆モデルを解き、かつ注湯流速推定部および落下位置推定部により金属溶湯の落下位置を推定し、
その落下位置データをコンピュータで処理し、
これにより、前記取鍋を傾動させるサーボモータ、前記取鍋を前後動させるサーボモータおよび前記取鍋を上下動させるサーボモータへの入力電圧を獲得し、
この獲得した入力電圧に基づき、前記3つのサーボモータを制御することを特徴とする傾動式自動注湯方法。
傾動前後動及び上下動を可能とする3つのサーボモータを備えた傾動式自動注湯装置の金属溶湯を保持した取鍋を傾動することによって、鋳型へ注湯するに当たり、取鍋から流出する金属溶湯を正確に鋳型内湯口へ落下させるべく取鍋を傾動させるサーボモータ、取鍋を前後動させるサーボモータおよび取鍋を上下動させるサーボモータへ印加する入力電圧をコンピュータを用いて制御するための制御プログラムを記憶した記憶媒体であって、取鍋から流出する金属溶湯の落下軌跡の数理モデルを作成し、
この作成した数理モデルの逆モデルを解き、かつ注湯流速推定部および落下位置推定部により金属溶湯の落下位置を推定し、
その落下位置データをコンピュータで処理し、
これにより、前記取鍋を傾動させるサーボモータ、前記取鍋を前後動させるサーボモータおよび前記取鍋を上下動させるサーボモータへの入力電圧を獲得し、
この獲得した入力電圧に基づき、前記3つのサーボモータを制御することを特徴とする取鍋用傾動制御プログラムを記憶した記憶媒体。
Description:
傾動式自動注湯方法および取鍋 傾動制御プログラムを記憶した記憶媒体

 本発明は、一般には鋳造技術に関するも であり、特に、溶解された鉄、アルミニウ などの金属溶湯を取鍋に所定量保持し、取 を傾動することにより鋳型へと注湯する傾 式自動注湯方法に関するものである。

 従来、傾動式自動注湯方法は、(1)注湯位 へと搬送する際に、金属溶湯の振動を抑制 るもの(特許文献1参照)、(2)注湯終了時の後 動作によって生じる金属溶湯の振動を抑制 るもの(特許文献2参照)、(3)一定注湯流量を 持するように取鍋傾動速度を制御するもの( 特許文献3参照)、(4)短時間で規定重量へ鋳込 注湯方法(特許文献4参照)、(5)所望の注湯流 パターンを実現するように取鍋傾動速度を 御するもの、(6)取鍋の金属溶湯の出湯口を 降させ、鋳込時初期の取鍋から流出する金 溶湯の流量を増大させる注湯方法(非特許文 献1参照)、(7)ファジィ制御を用いた傾動式自 注湯方法(非特許文献2参照)、(8)線形パラメ タ変動モデルを用いた傾動式自動注湯方法( 非特許文献3参照)などが知られている。

 従来、(1)と(2)では、取鍋搬送、傾動時に じる溶湯面の振動抑制装置であり、注湯時 所望する流量を実現することに関しては触 ていない。また、(3)と(5)は、単位時間当た に注がれる金属溶湯重量を制御するもので り、(4)、(6)、(7)は、正確に規定重量へ鋳込 ものである。(6)では、鋳込み時間を短縮す ために、取鍋の出湯口を下降させて、取鍋 らの金属溶湯の流出流量を増大させる注湯 法である。これらは注湯流量や鋳込み重量 高精度に制御する注湯方法であり、傾動式 湯方法における注湯される金属溶湯の落下 置は制御されておらず、取鍋から注湯され 金属溶湯が鋳型内湯口から外れることが問 となる。

特開平9-10924号公報

特開平9-285860号公報

特開平9-239525号公報

特開平10-58120号公報 “自動注湯機の傾動軸2段昇降装置によ 初期流量増大化の試み”  ,鋳造工学,vol.71,N o.7,445-448,1999 “自動注湯機の開発”,自動車技術,vol.46, No.11,  79-86,1992 “Betterment Processによる円筒取鍋型自動   湯ロボットの注湯流量制御”,日本機械学 会論文集C編,vol.70,No.69  4,206-213,2004

 本発明は、上記の問題を解決するために されたものであり、取鍋から流出する金属 湯を正確に鋳型内湯口へ落下させる注湯方 および取鍋用傾動制御プログラムを記憶し 記憶媒体を提供することを目的とする。

 上記の目的を達成するために本発明にお る傾動式自動注湯方法は、傾動前後動及び 下動を可能とする3つのサーボモータを備え た傾動式自動注湯装置の金属溶湯を保持した 取鍋を傾動することによって、鋳型へ注湯す るに当たり、取鍋を傾動させるサーボモータ 、取鍋を前後動させるサーボモータおよび取 鍋を上下動させるサーボモータへ印加する入 力電圧をコンピュータを用いて制御すること で、取鍋から流出する金属溶湯を正確に鋳型 内湯口へ落下させる方法であって、取鍋から 流出する金属溶湯の落下軌跡の数理モデルを 作成し、この作成した数理モデルの逆モデル を解き、かつ注湯流速推定部および落下位置 推定部により金属溶湯の落下位置を推定し、 その落下位置データをコンピュータで処理し 、これにより、前記取鍋を傾動させるサーボ モータ、前記取鍋を前後動させるサーボモー タおよび前記取鍋を上下動させるサーボモー タへの入力電圧を獲得し、この獲得した入力 電圧に基づき、前記3つのサーボモータを制 して、金属溶湯の落下位置が鋳型内湯口に まるように取鍋を移動させることによって 正確に湯口内へ落下する金属溶湯を注ぐこ を特徴とする。

なお、本発明に利用する数理モデル法とは、 プロセスの熱収支・物質収支・化学反応・制 限条件などの式を解いて、利益・コストなど コンピュータ制御の目的とする関数をだし、 その最大・最小を求めてそれが達成できるよ うに制御を行う方法である。
またなお、本発明において取鍋としては、矩 形出湯口を持つ円筒形のものや、矩形出湯口 を持つ縦断面形状が扇形のものを使用してい る。そして、取鍋は重心付近で支持している 。

 本発明によれば、取鍋を前後動させ、金 溶湯落下位置を制御することにより、取鍋 ら流出する金属溶湯を正確に鋳型内湯口へ ぐことができる。これにより、注湯中に鋳 から金属溶湯が外れることがなくなり、安 に無駄なく注湯できるという利点がある。

以下、本発明を実施するための最良の形態 を説明する。図1に示す装置は本発明を適用 た傾動式自動注湯装置の概要図である。傾 式自動注湯装置1には取鍋2が設置され、該傾 動式自動注湯装置1の各所に設置されたサー モータ3,3によって、取鍋2は傾動、前後動、 下動が可能となる。また、該サーボモータ3 ,3にはロータリーエンコーダが取り付けられ おり、取鍋2の位置や傾斜角度を計測するこ とができる。さらに、サーボモータ3,3には、 コンピュータによって制御指令信号が与えら れるようになっている。

なお、前記コンピュータとは、パソコン、 マイコン、プログラマルロジックコントロー ラ(PLC)及びデジタルシグナルプロセッサ(DSP) どのモーションコントローラを言う。

取鍋2の注湯時の縦断面図である図2において 取鍋2の傾動角度をθ[deg]、取鍋2の傾動中心 ある出湯口より下部の溶湯体積(濃い網掛け 部)をVs(θ)[m 3 ]、出湯口に対する水平面の面積(濃い網掛け と薄い網掛け部の境界上の面積)をA(θ)[m 2 ]、出湯口より上部の溶湯体積(薄い網掛け部) をVr[m 3 ]、上部溶湯の高さをh[m]、取鍋2から流出する 溶湯の流量をq[m 3 /s]とすると、注湯時における時刻t[s]からδt[s ]後の取鍋内溶湯の収支式は下記の式(1)のよ になる。
Vr(t)+Vs(θ(t))
=Vr(t+δt)+Vs(θ(t+δt))+q(t)δt  ・・・(1)

式(1)を溶湯体積Vr[m 3 ]についてまとめ、δt→0とすると下記の式(2) なる。

また、取鍋2の傾動角速度ω[deg/s]を下記の式(3 )とする。
ω(t)=dθ(t)/dt  ・・・(3)  
よって、式(3)を式(2)に代入すると、下記の式 (4)が得られる。 

また、出湯口より上部の溶湯体積Vr[m 3 ]は下記の式(5)で表すことができる。

ここで、面積As[m 2 ]は、図3に示す出湯口水平面からの高さhs[m] おける溶湯水平面積を示す。

また、面積As[m 2 ]を出湯口水平面の面積A[m 2 ]と面積A[m 2 ]に対する面積変化量δAs[m 2 ]に分割すると、溶湯体積Vr[m 3 ]は下記の式(6)となる。

また、取鍋2を含む一般的な取鍋においては 面積変化量δAs[m 2 ]は出湯口水平面の面積A[m 2 ]に対して微小であるから、下記の式(7)が得 れる。

したがって、式(6)は下記の式(8)と示すことが できる。
Vr(t)≒A(θ(t))h(t)  ・・・(8)
 よって、式(8)より下記の式(9)が得られる。  
h(t)≒Vr(t)/A(θ(t))  ・・・(9) 

 また、ベルヌーイの定理を用いて、出湯口 り上部の溶湯高さh[m]から溶湯流量q[m 3 /s]までを下記の式(10)で示す。

ここで、hb[m]は図4に示すように取鍋2の内溶 の上面からの溶湯深さ、Lf[m]は溶湯深さhb[m] おける出湯口の幅、cは流量係数、gは重力 速度をそれぞれ示す。

また、式(4)、式(9)および式(10)より注湯流 モデルの基礎式は下記の式(11)および式(12)と なる。

また、取鍋2の矩形出湯口の幅Lf[m]は取鍋1内 溶湯上面からの深さhb[m]に対して一定である から、溶湯流量q[m 3 /s]は式(10)より下記の式(13)となる。

したがって、式(13)を注湯流量モデルの基礎 (11)および(12)にそれぞれ代入すると、取鍋2 注湯流量モデルは下記の式(14)および式(15)と なる。

 図5に落下位置制御システムのブロック線図 を示す。
qref[m 3 /s]は目標流量曲線、u[V]はモータへの入力電 、P m 、P f はモータ、および注湯プロセスの動特性を示 す。

 P f -1 とP m -1 は注湯流量逆モデルとモータ逆モデルをそれ ぞれ示す。目標流量パターンqrefに実際の注 流量が、追従するようにこの注湯プロセス 逆モデルを用いたフィードフォワード注湯 量制御システムを適用する。
なお、フィードフォワード制御とは、制御対 象に加える操作量を予め決められた値に調節 することにより、出力が目標値になるように する制御法であって、制御対象の入出力関係 や外乱の影響などが明確な場合には性能の良 い制御を行うことができる。

図6は、所望の注湯流量パターンqref[m 3 /s]を実現するためサーボモータ3,3へ印加する 制御入力u[V]を導出するシステムにおける制 系のブロック線図を示す。ここで、サーボ ータ3,3の逆モデルP m -1 は下記の式(16)により示される。

式(11)および式(12)に示す注湯流量モデルの基 式に対する逆モデルを導出する。ベルヌー の定理である式(10)より出湯口上部の溶湯高 さh[m]に対する注湯流量q[m 3 /s]を求めることができる。取鍋2の形状から えられる出湯口上部の最大溶湯高さhmax[m]をn 分割したときの分割幅をδh[m]とし、各々の溶 湯高さをhi=iδh(i=0、…n)で示す。したがって 溶湯高さh=[h0h1…hn]Tに対する注湯流量q=[q0q1 qn]Tを下記の式(17)に示す。
q=f(h)  ・・・(17)
ここで、関数f(h)は式(10)に示すベルヌーイの 理である。したがって、式(17)の逆関数は下 記の式(18)となる。
h=f -1 (q)  ・・・(18)

この式(18)は式(17)をLookup Tableで表現し、入出 力関係を逆にすることで表すことができる。
ここで、分割間隔qi→qi+1 、hi→hi+1、 は線 補間により近似する。分割幅が小さいほど 高精度に注湯流量q[m 3 /s]と出湯口上部の溶湯高さh[m]の関係を表現 きる。実装可能な範囲で分割幅を小さくす ことが望まれる。

所望の注湯流量パターンqref[m 3 /s]を実現する出湯口上部の溶湯高さhref[m]は (18)より下記の式(19)となる。
href(t)=f -1 (qref(t)) ・・・(19)

また、出湯口上部の溶湯高さhref[m]における 湯口上部の溶湯体積Vref[m 3 ]は、式(9)を用い下記の式(20)で示す。
Vref(t)=A((θ(t))href(t)  ・・・(20)

次に、式(20)で得られた出湯口上部の溶湯体 Vref[m 3 ]と所望の注湯流量パターンqref[m 3 /s]を、式(11)の注湯流量モデルの基礎式に代 して、下記の式(21)に示す所望の注湯流量パ ーンを実現する取鍋2の傾動角速度ωref[deg/s] を導出する。

まず、式(17)から式(21)を順に解き、得られ 取鍋2の傾動角速度ωref[deg/s]を式(16)に代入 ることにより、所望の注湯流量パターンqref 実現すべくサーボモータ3,3へ印加する制御 力u[V]を得ることができる。

また、所望の注湯流量パターンqref[m 3 /s]を実現する出湯口上部の溶湯体積Vref[m 3 ]は、式(15)を用い下記の式(22)で示すことがで きる。

式(22)より得られた出湯口上部の溶湯体積Vref[ m 3 ]と所望の注湯流量パターンqref[m 3 /s]を式(21)に代入すると、所望の注湯流量パ ーンを実現する取鍋2の傾動角速度ωref[deg/s] 得られる。そして、得られた取鍋2の傾動角 速度ωref[deg/s]を、式(16)のサーボモータ3,3の モデルに代入すると、サーボモータ3,3へ印 する制御入力u[V]を得ることができる。

 図5において、P 0 は取鍋から流出する液体の流量から鋳型内湯 口カップでの溶湯落下位置までの伝達特性を 示す。また、図7に取鍋から液体が流出して 鋳型内へ流入する過程を示す。

 図7において、S w [m]は取鍋出湯口4から鋳型湯口5までの高さを し、S v [m] は、取鍋出湯口4から鋳型湯口5上面での 体落下位置までの水平方向長さを示す。A p [m 2 ]は、取鍋出湯口4先端での液体断面積を示し A c [m 2 ]は、鋳型湯口5上面での落下液体断面積を示 。出湯口先端における流出液体Rの平均流速 ν f [m/s]は式(23)となる。

ここで、ν f (h(t))[m/s]は出湯口上の液体高さh(t)[m]に依存す る。そして、溶湯流出過程において、溶湯断 面積は一定と仮定すると、断面積A p [m 2 ]とA c [m 2 ]は、式(24)となる。

ここで、T f [s]は、落下液体が取鍋出湯口先端から湯口上 面へ到達するまでの時間を示す。
液体の落下位置S w [m]とS v [m]は、式(25)と式(26)で表現される。

t 0 [s]は流出液体が取鍋出湯口先端を通過した時 間を示す。
取鍋傾動用サーボモータが出湯口先端に取り 付けられている場合は、取鍋傾動中に出湯口 先端の位置は変化しない。しかし、取鍋傾動 サーボモータが図1に示すような取鍋重心位 に取り付けられている場合は、取鍋を傾動 ることにより、出湯口先端の位置がサーボ ータ回転軸を中心に円弧を描くことになる そこで、取鍋傾動サーボモータと連動して 取鍋上下動用サーボモータおよび前後動用 ーボモータを駆動させ、出湯口先端の位置 移動しないように制御システムを構築する これにより、取鍋出湯口先端の高さが一定 なる。それゆえ、式(26)により、取鍋出湯口 端から鋳型湯口上面までの溶湯落下時間は (27)となる。

ここで,S w [m]は、取鍋上下動サーボモータと前後動サー ボモータが取鍋傾動サーボモータに連動して 、取鍋出湯口先端位置を取鍋傾動中も一定と なるような制御システムを適用した際の出湯 口先端から鋳型湯口上面までの高さを示す。 また、t 1 [s]は落下液体が湯口ヘ到達する時間を示す。 式(25)および式(27)より、鋳型内湯口上面にお る水平方向での流出液体落下位置は式(28)と なる。

注湯流速推定部Efにおいて、式(29)を用いて推 定流速バーν f (t)[m/s]を求める。

断面積A p [m 2 ]は、出湯口先端の形状と出湯口先端におけ 液体高さh[m]から得られる。そこで、目標流 に対する推定液体高さバーh(t)[m]は、式(30) 示すベルヌーイの定理に対して、流量から 体高さが得られるように式(31)に示す逆問題 表現することで得ることができる。

式(30)において,L f は図4に示す出湯口先端上にある液体の深さh b [m]における出湯口の幅である。式(31)は、順 題である式(30)を用いて、入出力テーブルを 成し、その入出力を入れ替えることで構成 ることができる。また、断面積は、出湯口 状より式(32)を用いて得ることができる。

したがって、式(29)、式(31)、式(32)を用いるこ とで、流速推定が可能となる。
落下位置推定部Eにおいて、推定落下位置バ S v (t)[m]は式(28)に式(29)で得られた推定流速を代 することで求められる。
位置制御部Gyは、推定落下位置と目標落下位 との偏差を0へ収束させるための取鍋前後動 に対する位置制御システムを示す。推定落下 位置を位置制御システムに与えることにより 、正確に目標の鋳型内湯口位置へ液体を注ぐ ことができる。

落下位置制御システムの有用性を示すため に、シミュレーションを用いて落下位置軌跡 を描いた結果を図8に示す。図8は、注湯シス ムを上面から投影した図である。(a)は落下 置制御を適用した結果であり、(b)は適用し い場合の結果である。細線は湯ロカップを し、太線は湯口カップ中心から最も遠い流 範囲(流径)、破線は落下液体の中心と湯ロ ップ中心の関係がもっとも遠距離にある場 を示す。これらの結果より、落下位置制御 ステムを適用した場合には、高速注湯を実 しても湯ロカップ内に液体が落下している とが確認された。

本発明における傾動式自動注湯方法は、従 来の傾動式自動注湯装置に前後動作用のサー ボモータを含む搬送装置を設置し、自動注湯 装置、および搬送装置にコンピュータによる 制御システムを構築することで実現できるた め、産業に利用できる可能性は高い。

 この出願は、日本国で2007年4月28日に出願さ れた特願2007-120366号に基づいており、その内 は本出願の内容として、その一部を形成す 。
 また、本発明は以下の詳細な説明により更 完全に理解できるであろう。しかしながら 詳細な説明および特定の実施例は、本発明 望ましい実施の形態であり、説明の目的の めにのみ記載されているものである。この 細な説明から、種々の変更、改変が、当業 にとって明らかだからである。
 出願人は、記載された実施の形態のいずれ も公衆に献上する意図はなく、開示された 変、代替案のうち、特許請求の範囲内に文 上含まれないかもしれないものも、均等論 での発明の一部とする。
 本明細書あるいは請求の範囲の記載におい 、名詞及び同様な指示語の使用は、特に指 されない限り、または文脈によって明瞭に 定されない限り、単数および複数の両方を むものと解釈すべきである。本明細書中で 供されたいずれの例示または例示的な用語( 例えば、「等」)の使用も、単に本発明を説 し易くするという意図であるに過ぎず、特 請求の範囲に記載しない限り本発明の範囲 制限を加えるものではない。

本発明に使用した傾動式自動注湯装置 概要を示す図である。 図1の自動注湯装置における取鍋の縦断 面図である。 図2における要部拡大詳細図である。 出湯口先端を示した図である。 落下位置制御システムのシステムを示 たブロック線図である。 注湯流量フィードフォワード制御系の ロック図である。 本発明の注湯プロセスを示した図であ 。 注湯落下位置軌跡のシミュレーション 果を示した図である。

符号の説明

1 傾動式自動注湯装置
2 取鍋
3 サーボモータ
4 取鍋出湯口
5 鋳型湯口
R 液体