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Patent Searching and Data


Title:
TIRE PAIR FOR TWO-WHEELED MOTOR VEHICLE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/028165
Kind Code:
A1
Abstract:
A tire pair (2) for a two-wheeled motor vehicle is composed of a front tire (6) and a rear tire (8). The difference (F15 - R15) at a 15 degree camber angle between the camber thrust index (F15) of the front tire (6) and the camber thrust index (R15) of the rear tire (8) is not less than -0.038 but not more than 0.038. The difference (F30 - R30) at a 30 degree camber angle between the camber thrust index (F30) of the front tire (6) and the camber thrust index (R30) of the rear tire (8) is not less than 0.038 but not more than 0.114. The camber thrust index (F30) at a 30 degree camber angle is not less than 0.570. The difference (F45 - R45) at a 45 degree camber angle between the camber thrust index (F45) of the front tire (6) and the camber thrust index (R45) of the rear tire (8) is not less than 0.076 but not more than 0.228.

Inventors:
IGARASHI YASUO
TAMANO AKIYOSHI
Application Number:
PCT/JP2008/002294
Publication Date:
March 05, 2009
Filing Date:
August 25, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SUMITOMO RUBBER IND (JP)
IGARASHI YASUO
TAMANO AKIYOSHI
International Classes:
B60C5/00; B60C9/00
Domestic Patent References:
WO2007040200A12007-04-12
Foreign References:
JP2006142949A2006-06-08
JPH06270613A1994-09-27
JPH08216629A1996-08-27
JPS63227407A1988-09-21
JP2004262348A2004-09-24
JPH1086608A1998-04-07
JPH0325005A1991-02-01
JPH01240306A1989-09-25
JP2005001629A2005-01-06
JP2008143327A2008-06-26
JP2008143351A2008-06-26
JPH06270613A1994-09-27
JPH08216629A1996-08-27
Other References:
See also references of EP 2196328A4
Attorney, Agent or Firm:
OKA, Kengo et al. (8th Floor Sakae Bldg.,1-1, Motomachi-dori 6-chome,Chuo-ku, Kobe-sh, Hyogo 22, JP)
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Claims:
 フロントタイヤとリアタイヤとからなり、
 15°のキャンバー角における、フロントタイヤのキャンバースラスト指数F15とリアタイヤのキャンバースラスト指数R15との差(F15-R15)が-0.038以上0.038以下であり、
 30°のキャンバー角における、フロントタイヤのキャンバースラスト指数F30とリアタイヤのキャンバースラスト指数R30との差(F30-R30)が0.038以上0.114以下であり、
 30°のキャンバー角におけるキャンバースラスト指数F30が0.570以上であり、
 45°のキャンバー角における、フロントタイヤのキャンバースラスト指数F45とリアタイヤのキャンバースラスト指数R45との差(F45-R45)が0.076以上0.228以下である、自動二輪車用タイヤ対。
 上記キャンバースラスト指数F45のキャンバースラスト指数F30に対する比(F45/F30)が1.4以上である請求項1に記載のタイヤ対。
 上記フロントタイヤがコードを含むカーカスを備えており、このコードが、1000MPa以上の引張り強さと、580000N/cm 2 以上の複素弾性率E * (120℃)と、0.075以下の損失正接tanδ(120℃)とを有する請求項1に記載のタイヤ対。
Description:
自動二輪車用タイヤ対

 本発明は、フロントタイヤとリアタイヤ からなり、自動二輪車に装着されるタイヤ に関する。

 自動二輪車は、フロントタイヤとリアタ ヤとを備えている。フロントタイヤの役割 、リアタイヤのそれとは大きく異なる。役 の相違が考慮されたタイヤ対が、特開平6-27 0613号公報及び特開平8-216629号公報に開示され ている。

 旋回時には、自動二輪車に遠心力が働く 旋回には、この遠心力につり合う求心力が 要である。自動二輪車では、内側への傾斜 よって生じるキャンバースラストと、トレ ドと路面との摩擦によって生じるコーナリ グフォースとにより、旋回が達成される。

 自動二輪車用にとって、操舵応答性は重要 ある。大きなコーナリングフォースを備え フロントタイヤが用いられた自動二輪車用 、操舵応答性に優れる。自動二輪車用にと て、倒れ込みの抑制も重要である。倒れ込 は、旋回中のヨー変位に対してロール変位 早すぎる現象である。倒れ込みは、ライダ に不安を与える。キャンバートルクが大き フロントタイヤが用いられた自動二輪車用 は、倒れ込みが抑制されうる。

特開平6-270613号公報

特開平8-216629号公報

 コーナリングフォースが大きなフロント イヤは、外乱に敏感である。このタイヤを えた自動二輪車用は、安定性に劣る。安定 の観点から、コーナリングフォースは抑制 れなければならない。コーナリングフォー による操舵応答性の改善には、限界がある

 キャンバートルクが大きなフロントタイ が用いられた自動二輪車用では、旋回時に ンドルの巻き込みが生じやすい。巻き込み 制の観点から、キャンバートルクは抑制さ る必要がある。キャンバートルクによる倒 込みの改善には、限界がある。

 近年の自動二輪車は高性能であり、高速 行が可能である。この自動二輪車用におい 、旋回時の性能向上が望まれている。本発 の目的は、操舵応答性及び旋回安定性に優 、かつ倒れ込みが生じにくい自動二輪車用 イヤ対の提供にある。

  本発明に係る自動二輪車用タイヤ対は フロントタイヤとリアタイヤとからなる。15 °のキャンバー角における、フロントタイヤ キャンバースラスト指数F15とリアタイヤの ャンバースラスト指数R15との差(F15-R15)は、- 0.038以上0.038以下である。30°のキャンバー角 おける、フロントタイヤのキャンバースラ ト指数F30とリアタイヤのキャンバースラス 指数R30との差(F30-R30)は、0.038以上0.114以下で ある。30°のキャンバー角における、フロン タイヤのキャンバースラスト指数F30は、0.570 以上である。45°のキャンバー角における、 ロントタイヤのキャンバースラスト指数F45 リアタイヤのキャンバースラスト指数R45と 差(F45-R45)は、0.076以上0.228以下である。

 好ましくは、キャンバースラスト指数F45 キャンバースラスト指数F30に対する比(F45/F3 0)は、1.4以上である。

 好ましくは、フロントタイヤのコードは、1 000MPa以上の引張り強さと、580000N/cm 2 以上の複素弾性率E * (120℃)と、0.075以下の損失正接tanδ(120℃)とを する。

 このタイヤ対は、直進走行から旋回走行 の移行時の操舵応答性に優れる。このタイ 対は、旋回安定性にも優れる。さらに、こ タイヤ対では、キャンバー角が大きな状態 の旋回において、倒れ込みが生じにくい。

図1は、本発明の一実施形態に係るタイ ヤ対が装着された自動二輪車が示された斜視 図である。 図2は、図1のフロントタイヤの一部が された拡大断面図である。 図3は、図1のリアタイヤの一部が示さ た拡大断面図である。

符号の説明

 2・・・タイヤ対
 4・・・自動二輪車
 6・・・フロントタイヤ
 8・・・リアタイヤ
 10、46・・・トレッド
 14、50・・・サイドウォール
 16、52・・・クリンチ部
 18、54・・・ビード
 20、56・・・カーカス
 22、58・・・ベルト
 32、68・・・第一カーカスプライ
 34、70・・・第二カーカスプライ
 44、80・・・ベルトプライ

 以下、適宜図面が参照されつつ、好まし 実施形態に基づいて本発明が詳細に説明さ る。

  図1は、本発明の一実施形態に係るタイ 対2が装着された自動二輪車4が示された斜 図である。このタイヤ対2は、フロントタイ 6とリアタイヤ8とからなる。

 図2は、図1のフロントタイヤ6の一部が示 れた拡大断面図である。この図2において上 下方向がタイヤ6の半径方向であり、左右方 がタイヤ6の軸方向であり、紙面との垂直方 がタイヤ6の周方向である。このタイヤ6は 赤道CLを中心としたほぼ左右対称の形状を呈 する。このタイヤ6は、トレッド10、ウイング 12、サイドウォール14、クリンチ部16、ビード 18、カーカス20及びベルト22を備えている。こ のタイヤ6は、チューブレスタイプの空気入 タイヤである。

 トレッド10は架橋ゴムからなり、半径方 外向きに凸な形状を呈している。トレッド10 は、路面と接地するトレッド面24を形成する トレッド10は、溝26を備えている。この溝26 、トレッド面24から凹陥している。溝26によ り、トレッドパターンが形成されている。赤 道CLに沿って延在する溝26が少ないトレッド ターンが好ましい。このパターンが採用さ たトレッド10では、赤道CLにおいても十分な 性が達成される。このパターンにより、大 なキャンバースラストが達成される。トレ ド10が溝26を備えなくてもよい。

 サイドウォール14は、トレッド10の端から 半径方向略内向きに延びている。このサイド ウォール14は、架橋ゴムからなる。サイドウ ール14は、撓みによって路面からの衝撃を 収する。さらにサイドウォール14は、カーカ ス20の外傷を防止する。

 ビード18は、サイドウォール14に対して半 径方向内側に位置する。ビード18は、コア28 、このコア28から半径方向外向きに延びるエ イペックス30とを備えている。コア28は、リ グ状である。コア28は、リング状である。コ ア28は、複数本の非伸縮性ワイヤー(典型的に はスチール製ワイヤー)を含む。エイペック 30は、半径方向外向きに先細りであるテーパ 状である。エイペックス30は、高硬度な架橋 ムからなる。エイペックス30の硬度は87以上 が好ましく、90以上がより好ましい。硬度が きなエイペックス30により、大きなキャン ースラストが達成されうる。硬度は、「JIS  K 6253」に準拠して、タイプAデュロメーター て測定される。測定時の温度は、23℃であ 。

 カーカス20は、両側のビード18の間に架け 渡されており、トレッド10及びサイドウォー 14の内側に沿っている。カーカス20は、第一 カーカスプライ32及び第二カーカスプライ34 らなる。第一カーカスプライ32は、コア28の りを、軸方向内側から外側に向かって巻き げられている。第一カーカスプライ32は、 ア28を境界として、主部36と巻き上げ部38と 区別されうる。巻き上げ部38の上端40は、ベ ト22の直下に至っている。このカーカス20は 、超ハイターンアップ構造を有する。このカ ーカス20により、大きなキャンバースラスト 達成されうる。第二カーカスプライ34は、 一カーカスプライ32の外側に積層されている 。第二カーカスプライ34は、コア28を巻かれ はいない。第二カーカスプライ34の下端42は サイドウォール14の直下に位置している。

 図示されていないが、第一カーカスプラ 32及び第二カーカスプライ34は、コードとト ッピングゴムとからなる。コードが周方向に 対してなす角度の絶対値は、70°から90°であ 。このカーカス20は、ラジアル構造を有す 。コードは、有機繊維からなる。好ましい 機繊維としては、アラミド繊維、ポリエチ ンナフタレート繊維、レーヨン繊維、ポリ ステル繊維及びナイロン繊維が例示される 大きなキャンバースラスト及びコーナリン フォースが得られるとの観点から、アラミ 繊維及びポリエチレンナフタレート繊維が ましく、特にアラミド繊維が好ましい。

 フロントタイヤ6の軽量の観点から、カー カスコードの引張り強さは1000MPa以上が好ま く、1400MPa以上がより好ましい。引張り強さ 、1800MPa以下が好ましい。引張り強さは、「 JIS K 6251」に準拠して測定される。

 キャンバースラスト及びコーナリングフォ スの観点から、カーカスコードの複素弾性 E * は580000N/cm 2 以上が好ましく、3000000N/cm 2 以上がより好ましい。複素弾性率E * は、4000000N/cm 2 以下が好ましい。

 キャンバースラスト及びコーナリングフ ースの観点から、カーカスコードの損失正 tanδは0.075以下が好ましく、0.070以下がより ましい。損失正接tanδは、0.05以上が好まし 。

 複素弾性率E * 及び損失正接tanδは、「JIS-K 6394」の規定に 拠して、以下に示される条件で、粘弾性ス クトロメーター(島津製作所社の商品名「VA-2 00」)によって測定される。
   初期荷重:9.8N
   振幅:0.05%
   周波数:10Hz
   変形モード:引張り
   測定温度:120℃

 ベルト22は、カーカス20の半径方向外側に 位置している。ベルト22は、カーカス20と積 されている。ベルト22は、カーカス20を補強 る。ベルト22は、ベルトプライ44からなる。 ベルトプライ44は、長手方向に延びる1本又は 複数のコードとトッピングゴムとからなるリ ボンが螺旋状に巻かれることによって得られ る。コードは、実質的に周方向に延びる。コ ードの周方向に対する角度は5°以下、特には 2°以下である。このコードは、いわゆるジョ イントレス構造を有する。段差が生じること なくリボンが巻かれうるとの観点から、リボ ンにおけるコードの数は2本が好ましい。段 のないベルト22により、適正なキャンバース ラストが達成されうる。

 ベルト22に、ハイブリッドコードが用い れることが好ましい。典型的なハイブリッ コードでは、ナイロン繊維とアラミド繊維 が併用される。ハイブリッドコードは、低 重時の伸びが比較的大きいので、均一な接 圧分布が得られる。ハイブリッドコードは 荷重時の伸びが比較的小さいので、大きな ん断応力が得られる。均一な接地圧分布と 大きなせん断応力とにより、大きなキャン ースラストが達成されうる。

 ベルト22が、ジョイントレス構造のプラ と共に、カットプライを備えてもよい。ベ ト22が、カットプライのみから成ってもよい 。

 図3は、図1のリアタイヤ8の一部が示され 拡大断面図である。この図3において上下方 向がタイヤ8の半径方向であり、左右方向が イヤ8の軸方向であり、紙面との垂直方向が イヤ8の周方向である。このタイヤ8は、赤 CLを中心としたほぼ左右対称の形状を呈する 。このタイヤ8は、トレッド46、ウイング48、 イドウォール50、クリンチ部52、ビード54、 ーカス56及びベルト58を備えている。このタ イヤ8は、チューブレスタイプの空気入りタ ヤである。

 トレッド46は架橋ゴムからなり、半径方 外向きに凸な形状を呈している。トレッド46 は、路面と接地するトレッド面60を形成する トレッド46は、溝62を備えている。この溝62 、トレッド面60から凹陥している。溝62によ り、トレッドパターンが形成されている。軸 方向において溝62が偏在しないパターンが好 しい。このパターンより、赤道CLの近傍と ョルダー部との剛性差が緩和される。剛性 の小さなトレッド46により、適正なキャンバ ースラスト指数の差が達成されうる。トレッ ド46が溝62を備えなくてもよい。

 サイドウォール50は、トレッド46の端から 半径方向略内向きに延びている。このサイド ウォール50は、架橋ゴムからなる。サイドウ ール50は、撓みによって路面からの衝撃を 収する。さらにサイドウォール50は、カーカ ス56の外傷を防止する。図3から明らかなよう に、サイドウォール50は、軸方向外向きに凸 ある。このサイドウォール50は、旋回時の 一な接地圧分布に寄与する。均一な接地圧 布により、適正なキャンバースラスト指数 差が達成されうる。

 このサイドウォール50は、一般的なリア イヤのサイドウォールよりも薄い。薄いサ ドウォール50が採用されることにより、カー カス56のうちこのサイドウォール50が積層さ た部分が、軸方向外寄りに位置しうる。こ 構成は、旋回時の均一な接地圧分布に寄与 る。均一な接地圧分布により、適正なキャ バースラスト指数の差が達成されうる。

 図3から明らかなように、クリンチ部52の 面はサイドウォール50の表面となめらかに 続している。クリンチライン63がないと仮定 されたとき、サイドウォール5の表面とクリ チ部52の表面とは、接している。この形状は 、旋回時の均一な接地圧分布に寄与する。均 一な接地圧分布により、適正なキャンバース ラスト指数の差が達成されうる。

 ビード54は、サイドウォール50に対して半 径方向内側に位置する。ビード54は、コア64 、このコア64から半径方向外向きに延びるエ イペックス66とを備えている。コア64は、リ グ状である。好ましくは、コア64は、芯線に 他の線が螺旋状に巻かれてなるケーブルを含 む。このコア64は、「ケーブルビード」と称 れている。ケーブルビードは、旋回時の均 な接地圧分布に寄与する。均一な接地圧分 により、適正なキャンバースラスト指数の が達成されうる。エイペックス66は、半径 向外向きに先細りであるテーパ状である。 イペックス66は、高硬度な架橋ゴムからなる 。

 図3において、両矢印Wで示されているの タイヤ8の最大幅であり、両矢印Wbで示され いるのは一方のビード54から他方のビード54 での軸方向距離である。最大幅Wに対する幅 Wbの比率は、70%以下が好ましい。比率が小さ タイヤ8では、旋回時の均一な接地圧分布が 得られる。均一な接地圧分布により、適正な キャンバースラスト指数の差が達成されうる 。この観点から、比率は68%以下がより好まし い。比率は66%以上が好ましい。

 カーカス56は、両側のビード54の間に架け 渡されており、トレッド46及びサイドウォー 50の内側に沿っている。カーカス56は、第一 カーカスプライ68及び第二カーカスプライ70 らなる。第一カーカスプライ68は、コア64の りを、軸方向内側から外側に向かって巻き げられている。第一カーカスプライ68は、 ア64を境界として、主部72と巻き上げ部74と 区別されうる。巻き上げ部74の上端76は、ベ ト58の直下に至っている。このカーカス56は 、超ハイターンアップ構造を有する。第二カ ーカスプライ70は、コア64を巻かれてはいな 。第二カーカスプライ70の下端78は、主部72 巻き上げ部74とに挟まれている。換言すれば 、下端78は、カーカス56の表面に露出しては ない。このカーカス56は、旋回時の均一な接 地圧分布に寄与する。均一な接地圧分布によ り、適正なキャンバースラスト指数の差が達 成されうる。

 図示されていないが、第一カーカスプラ 68及び第二カーカスプライ70はコードとトッ ピングゴムとからなる。コードが周方向に対 してなす角度の絶対値は、70°から90°である このカーカス56は、ラジアル構造である。 ードは、通常は有機繊維からなる。好まし 有機繊維としては、ナイロン繊維、アラミ 繊維、ポリエチレンナフタレート繊維、レ ヨン繊維及びポリエステル繊維が例示され 。

 ベルト58は、カーカス56の半径方向外側に 位置している。ベルト58は、カーカス56と積 されている。ベルト58は、カーカス56を補強 る。ベルト58は、ベルトプライ80からなる。 ベルトプライ80は、長手方向に延びる1本又は 複数のコードとトッピングゴムとからなるリ ボンが螺旋状に巻かれることによって得られ る。コードは、実質的に周方向に延びる。コ ードの周方向に対する角度は5°以下、特には 2°以下である。このコードは、いわゆるジョ イントレス構造である。段差が生じることな くリボンが巻かれうるとの観点から、リボン におけるコードの数は2本又は3本が好ましい 段差のないベルト58により、適正なキャン ースラスト指数の差が達成されうる。コー の好ましい材質としては、アラミド繊維、 素繊維及びスチールが挙げられる。ハイブ ッドコードが用いられてもよい。ベルト58が 、ジョイントレス構造のプライと共に、カッ トプライを備えてもよい。ベルト58が、カッ プライのみから成ってもよい。

 自動二輪車4では、直進走行から旋回走行 への移行時の、操舵応答性が重要である。本 発明者の得た知見によれば、操舵応答性は、 フロントタイヤ6のキャンバースラスト指数F1 5とリアタイヤ8のキャンバースラスト指数R15 の差(F15-R15)に依存する。キャンバースラス 指数F15及びR15は、15°のキャンバー角におい て測定される。フロントタイヤ6のキャンバ スラストCf15(N)が荷重(N)で除されることで、 ャンバースラスト指数F15が得られる。リア イヤ8のキャンバースラストCr15(N)が荷重(N) 除されることで、キャンバースラスト指数R1 5が得られる。この差(F15-R15)は、0.038以下が好 ましい。差(F15-R15)が0.038以下であるタイヤ対4 では、フロントタイヤ6の応答の遅れが生じ い。この観点から、差(F15-R15)は0.023以下がよ り好ましく、0.012以下が特に好ましい。フロ トタイヤ6の早すぎる応答の抑制の観点から 、差(F15-R15)は-0.038以上が好ましい。

 このタイヤ対4では、差(F15-R15)によって優 れた操舵応答性が達成される。従って、フロ ントタイヤ6のコーナリングフォースが過大 設定される必要がない。このタイヤ対4では 操舵応答性と外乱吸収性とが両立されうる

 操舵応答性の観点から、キャンバー角が1 5°以上20°以下の全範囲において、フロント イヤ6のキャンバースラスト指数とリアタイ 8のキャンバースラスト指数との差が、-0.038 以上0.038以下、さらには-0.038以上0.023以下、 には-0.038以上0.012以下であることが好ましい 。

 キャンバースラスト指数F15は、0.269以上0. 346以下が好ましい。キャンバースラスト指数 R15は、0.228以上0.308以下が好ましい。

 本発明では、キャンバースラストは、MTS社 フラットベルト試験機によって測定される 測定の条件は、以下の通りである。
  ベルト表面:セイフティウォーク
  温度:25℃±3℃
  速度:30km/h
  空気圧:車両に応じて指定された値
 測定時には、体重が65kgであるライダーが車 両に乗ったときの、フロントタイヤ又はリア タイヤに加わる荷重が、タイヤに負荷される 。

 自動二輪車4では、旋回時の操縦安定性が 重要である。本発明者の得た知見によれば、 操縦安定性は、フロントタイヤ6のキャンバ スラスト指数F30とリアタイヤ8のキャンバー ラスト指数R30との差(F30-R30)に依存する。キ ンバースラスト指数F30及びR30は、30°のキャ ンバー角において測定される。フロントタイ ヤ6のキャンバースラストCf30(N)が荷重(N)で除 れることで、キャンバースラスト指数F30が られる。リアタイヤ8のキャンバースラスト Cr30(N)が荷重(N)で除されることで、キャンバ スラスト指数R30が得られる。この差(F30-R30) 、0.038以上0.114以下が好ましい。差(F30-R30)が0 .038以上であるタイヤ対4では、フロントタイ 6の応答の遅れが生じない。この観点から、 差(F30-R30)は0.054以上がより好ましく、0.069以 が特に好ましい。差(F30-R30)が0.114以下である タイヤ対4では、リアタイヤ8の応答の遅れが じない。この観点から、差(F30-R30)は0.100以 がより好ましく、0.085以下が特に好ましい。

 本発明者の得た知見によれば、操縦安定 は、フロントタイヤ6のキャンバースラスト 指数F30にも依存する。キャンバースラスト指 数F30が0.570以上に設定されることにより、フ ントタイヤ6の応答の遅れが生じない。この 観点から、キャンバースラスト指数F30は0.600 上がより好ましく、0.615以上が特に好まし 。キャンバースラスト指数F30は、0.731以下が 好ましい。

 自動二輪車4では、大きなキャンバー角に おいてフロントタイヤ6の倒れ込みが生じな ことが重要である。本発明者の得た知見に れば、倒れ込みの抑制は、フロントタイヤ6 キャンバースラスト指数F45とリアタイヤ8の キャンバースラスト指数R45との差(F45-R45)に依 存する。キャンバースラスト指数F45及びR45は 、45°のキャンバー角において測定される。 ロントタイヤ6のキャンバースラストCf45(N)が 荷重(N)で除されることで、キャンバースラス ト指数F45が得られる。リアタイヤ8のキャン ースラストCr45(N)が荷重(N)で除されることで キャンバースラスト指数R45が得られる。倒 込みの抑制の観点から、この差(F45-R45)は、0 .076以上が好ましく、0.108以上がより好ましく 、0.138以上が特に好ましい。差(F45-R45)が過大 あると、旋回中に逆操舵の必要が生じるお れがある。逆操舵は、ライダーに違和感を える。違和感防止の観点から、差(F45-R45)は0 .228以下が好ましい。

 このタイヤ対4では、差(F45-R45)によって倒 れ込みが抑制される。従って、フロントタイ ヤ6のキャンバートルクが過大に設定される 要がない。このタイヤでは、巻き込みが抑 されうる。

 倒れ込み抑制の観点から、キャンバー角 40°以上45°以下の全範囲において、0.076以上 0.228以下、さらには0.108以上0.228以下、特には 0.138以上0.228以下の差(F45-R45)が達成されるこ が好ましい。

 キャンバースラスト指数F45は、0.846以上1. 000以下が好ましい。キャンバースラスト指数 R45は、0.731以上0.923以下が好ましい。

 キャンバースラスト指数F45のキャンバー ラスト指数F30に対する比(F45/F30)は、1.4以上 好ましい。このフロントタイヤ6は、倒れ込 みの抑制に寄与する。この観点から、比(F45/F 30)は1.5以上がより好ましい。比(F45/F30)は1.8以 下が好ましい。

 本発明では、寸法及び角度は、タイヤが 規リムに組み込まれ、正規内圧となるよう タイヤに空気が充填された状態で測定され 。測定時には、タイヤには荷重がかけられ い。本明細書において正規リムとは、タイ が依拠する規格において定められたリムを 味する。JATMA規格における「標準リム」、TR A規格における「Design Rim」、及びETRTO規格に ける「Measuring Rim」は、正規リムである。 明細書において正規内圧とは、タイヤが依 する規格において定められた内圧を意味す 。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格 における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLAT ION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びE TRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規 圧である。

 以下、実施例によって本発明の効果が明 かにされるが、この実施例の記載に基づい 本発明が限定的に解釈されるべきではない

  [実施例1]
 図2に示された構造を備えたフロントタイヤ と、図3に示された構造を備えたリアタイヤ からなるタイヤ対を得た。フロントタイヤ サイズは、「120/70R17」である。リアタイヤ サイズは、「190/50R17」である。フロントタ ヤのカーカスコードは、アラミド繊維から る。この繊維の繊度は、800dtexである。フロ トタイヤのベルトには、ジョイントレス構 を備えたハイブリッドコードが用いられて る。ベルトコードの繊度は、1670dtexである リアタイヤのカーカスコードは、アラミド 維からなる。この繊維の繊度は、800dtexであ 。リアタイヤのベルトには、ジョイントレ 構造を備えたコードが用いられている。ベ トコードの材質はアラミド繊維であり、そ 繊度は、1670dtexである。このタイヤ対は、 記表1に示されたキャンバースラストを有す 。キャンバースラストの測定条件は、下記 通りである。
  フロントタイヤの空気圧:250kPa
  フロントタイヤの荷重:1.3kN
  リアタイヤの空気圧:290kPa
  リアタイヤの荷重:1.3kN
このタイヤ対では、差(F15-R15)はゼロであり、 差(F30-R30)は0.076であり、差(F45-R45)は0.153であ 。

  [実施例2から4及び比較例1から2]
 差(F15-R15)を下記表1に示される通りとした他 は実施例1と同様にして、実施例2から4及び比 較例1から2のタイヤ対を得た。

  [実施例5から8及び比較例3から4]
 差(F30-R30)を下記表2に示される通りとした他 は実施例1と同様にして、実施例5から8及び比 較例3から4のタイヤ対を得た。

  [実施例9から11及び比較例5から6]
 差(F45-R45)を下記表3に示される通りとした他 は実施例1と同様にして、実施例9から11及び 較例5から6のタイヤ対を得た。

  [走行試験]
 フロントタイヤを、「MT17×3.50」のリムに組 み込んだ。このフロントタイヤに、内圧が250 kPaとなるように空気を充填した。リアタイヤ を、「MT17×6.00」のリムに組み込んだ。この アタイヤに、内圧が290kPaとなるように空気 充填した。このフロントタイヤ及びリアタ ヤを、排気量が1000cm 3 である自動二輪車に装着した。この自動二輪 車をレース用サーキットコースにて走行させ 、操縦性についてライダーに格付けさせた。 この結果が、下記の表1から3に示されている 格付けは、「1」から「5」の5段階で行われ 。「5」が最も好ましい。

 表1から3に示されるように、実施例のタ ヤ対は旋回時の性能に優れる。この評価結 から、本発明の優位性は明らかである。

 本発明に係るタイヤ対は、種々の自動二 車に装着されうる。