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Patent Searching and Data


Title:
TIRE FOR TWO-WHEELED MOTOR VEHICLE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/019831
Kind Code:
A1
Abstract:
A tire (2) for a two-wheeled motor vehicle keeps the vehicle stable when it changes from straight traveling to turning and is excellent in various performance characteristics. The tire (2) has a tread (4) and a carcass (12) having a radial structure. The tread (4) has a center region (22) and a pair of shoulder regions (24) located on the axially outer sides of the center region (22).The center region (22) and the shoulder regions (24) are made from different materials. The ratio (Wc/Wt) of the half-length Wc of the center region (22) to the half-length Wt of the tread (4) is not less than 0.7 but not greater than 0.9, and the ratio (Ws/Wt) of the length Ws of each shoulder region (24) to the half-length Wt of the tread (4) is not less than 0.1 but not greater than 0.3. The tread dividing angle θ between the center region (22) and each shoulder region (24) is not less than 15˚ but not greater than 75˚.

Inventors:
YOSHIDA KENJI (JP)
SHIBAMOTO SYOHEI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/002033
Publication Date:
February 12, 2009
Filing Date:
July 30, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SUMITOMO RUBBER IND (JP)
YOSHIDA KENJI (JP)
SHIBAMOTO SYOHEI (JP)
International Classes:
B60C11/00; B60C5/00
Foreign References:
JP2003276404A2003-09-30
JPH07108805A1995-04-25
JP2007168531A2007-07-05
JP2002059709A2002-02-26
Attorney, Agent or Firm:
OKA, Kengo et al. (8th Floor Sakae Bldg.,1-1, Motomachi-dori 6-chome,Chuo-ku, Kobe-sh, Hyogo 22, JP)
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Claims:
 トレッドと、ラジアル構造を有するカーカスとを備えており、
 このトレッドが、センター領域と、このセンター領域よりも軸方向において外側に位置する一対のショルダー領域とを含んでおり、
 このセンター領域とショルダー領域との材質が異なっており、
 トレッドの半周長Wtに対するセンター領域の半周長Wcの比(Wc/Wt)が0.7以上0.9以下であり、上記トレッドの半周長Wtに対するショルダー領域の周長Wsの比(Ws/Wt)が0.1以上0.3以下であり、
 このセンター領域とショルダー領域との界面のトレッド分割角度が15°以上75°以下である自動二輪車用タイヤ。
 上記センター領域の硬度がショルダー領域の硬度と異なる請求項1に記載のタイヤ。
 センター領域の硬度がショルダー領域の硬度よりも大きく、自動二輪車のリアホイルに装着される請求項2に記載のタイヤ。
 センター領域の硬度がショルダー領域の硬度よりも小さい、自動二輪車のフロントホイルに装着される請求項2に記載のタイヤ。
 上記センター領域の複素弾性率E * がショルダー領域の複素弾性率E * と異なる請求項1に記載のタイヤ
 センター領域の複素弾性率E * がショルダー領域の複素弾性率E * よりも大きく、リアホイルに装着される請求項5に記載のタイヤ
 センター領域の複素弾性率E * がショルダー領域の複素弾性率E * よりも小さく、フロントホイルに装着される請求項5に記載のタイヤ
(1)トレッドと、ラジアル構造を有するカーカスとを備えており、
  このトレッドが、センター領域と、このセンター領域よりも軸方向において外側に位 置する一対のショルダー領域とを含んでおり、
  センター領域の硬度がショルダー領域の硬度よりも大きくされており、
  トレッドの半周長Wtに対するセンター領域の半周長Wcの比(Wc/Wt)が   0.7以上0.9以下であり、上記トレッドの半周長Wtに対するショルダー領域の  周長Wsの比(Ws/Wt)が0.1以上0.3以下であり、
  このセンター領域とショルダー領域との境界のトレッド分割角度が15°以上75°  以下であるリアタイヤ
並びに
(2)トレッドと、ラジアル構造を有するカーカスとを備えており、
  このトレッドが、センター領域と、このセンター領域よりも軸方向において外側に位 置する一対のショルダー領域とを含んでおり、
  センター領域の硬度がショルダー領域の硬度よりも小さくされており、
  トレッドの半周長Wtに対するセンター領域の半周長Wcの比(Wc/Wt)が   0.7以上0.9以下であり、上記トレッドの半周長Wtに対するショルダー領域の  周長Wsの比(Ws/Wt)が0.1以上0.3以下であり、
  このセンター領域とショルダー領域との境界のトレッド分割角度が15°以上75°  以下であるフロントタイヤ
からなる自動二輪車用タイヤ対。
Description:
自動二輪車用タイヤ

 本発明は、自動二輪車に装着される空気 りタイヤに関する。詳細には、本発明は、 イヤのトレッドの改良に関する。

 自動二輪車の旋回時には、この自動二輪車 遠心力が働く。旋回には、コーナリングフ ースが必要である。このコーナリングフォ スが、遠心力につり合う。旋回時にライダ は、自動二輪車を内側へ傾斜させる。この 斜によって生じるキャンバースラストによ 、旋回が達成される。旋回の容易の目的で 自動二輪車用のタイヤは曲率半径の小さな レッドを備えている。直進時には、トレッ のセンター領域が接地する。一方旋回時に 、ショルダー領域が接地する。センター領 及びショルダー領域のそれぞれの役割が考 されたタイヤは、特開2005-271760公報及び特 2007-131112公報に開示されている。このような タイヤは、諸性能に優れる。

特開2005-271760公報

特開2007-131112公報

 自動二輪車用の直進時には、タイヤのセ ター領域が主に接地する。旋回時には、タ ヤのショルダー領域が主に接地する。直進 ら旋回に移行する際には、タイヤのトレッ の接地面がセンター領域からショルダー領 に移行する。センター領域とショルダー領 の材質が異なるタイヤは、旋回時にライダ が違和感を感じやすい。このようなタイヤ 直進から旋回への移行時安定性に欠ける。

 この直進から旋回への移行時安定性が損 われないためには、センター領域とショル ー領域との材質は大きく異ならせることが きない。センター領域の材質には、直進安 性が求められる。ショルダー領域の材質に 、旋回安定性が求められる。このセンター 域の材質とショルダー領域の材質との選定 は、この移行時安定性が制約となっていた

 本発明の目的は、直進から旋回への移行 安定性を損なうことなく、諸性能に優れた 動二輪車用タイヤの提供にある。

 本発明に係る自動二輪車タイヤは、トレ ドと、ラジアル構造を有するカーカスとを えている。このトレッドは、センター領域 、このセンター領域よりも軸方向において 側に位置する一対のショルダー領域とを含 でいる。このセンター領域とショルダー領 との材質が異なっている。トレッドの半周 Wtに対するセンター領域の半周長Wcの比(Wc/Wt )は、0.7以上0.9以下である。上記トレッドの 周長Wtに対するショルダー領域の周長Wsの比( Ws/Wt)は、0.1以上0.3以下である。このセンター 領域とショルダー領域との界面のトレッド分 割角度は、15°以上75°以下である。

 好ましくは、このタイヤでは、センター 域の硬度は、ショルダー領域の硬度と異な 。好ましくは、センター領域の硬度Hcは、 ョルダー領域の硬度Hsよりも大きい。このタ イヤは、自動二輪車のリアホイルに装着され る。好ましくは、センター領域の硬度Hcが、 ョルダー領域の硬度Hsよりも小さい。この イヤは、自動二輪車のフロントホイルに装 される。

 好ましくは、このタイヤでは、センター領 の複素弾性率E * はショルダー領域の複素弾性率E * と異なる。好ましくは、タイヤのセンター領 域の複素弾性率E * は、ショルダー領域の複素弾性率E * よりも大きい。このタイヤは、リアホイルに 装着される。好ましくは、タイヤのセンター 領域の複素弾性率E * が、ショルダー領域の複素弾性率E * よりも小さい。このタイヤは、フロントホイ ルに装着される。

 好ましくは、本発明に係る自動二輪車用タ ヤ対は、以下の(1)のリアタイヤと(2)のフロ トタイヤからなる。
(1)リアタイヤは、トレッドと、ラジアル構造 を有するカーカスとを備えている。このトレ ッドは、センター領域と、このセンター領域 よりも軸方向において外側に位置する一対の ショルダー領域とを含んでいる。センター領 域の硬度Hcは、ショルダー領域の硬度Hsより 大きくされている。トレッドの半周長Wtに対 するセンター領域の半周長Wcの比(Wc/Wt)は、0.7 以上0.9以下である。上記トレッドの半周長Wt 対するショルダー領域の周長Wsの比(Ws/Wt)は 0.1以上0.3以下である。このセンター領域と ョルダー領域との境界のトレッド分割角度 、15°以上75°以下である。
(2)フロントタイヤは、トレッドと、ラジアル 構造を有するカーカスとを備えている。この トレッドは、センター領域と、このセンター 領域よりも軸方向において外側に位置する一 対のショルダー領域とを含んでいる。センタ ー領域の硬度Hcは、ショルダー領域の硬度Hs りも小さくされている。トレッドの半周長Wt に対するセンター領域の半周長Wcの比(Wc/Wt)は 、0.7以上0.9以下である。上記トレッドの半周 長Wtに対するショルダー領域の周長Wsの比(Ws/W t)は、0.1以上0.3以下である。このセンター領 とショルダー領域との境界のトレッド分割 度は、15°以上75°以下である。

 自動二輪車用タイヤでは、直進から旋回 移行する際には、タイヤのトレッドの接地 がセンター領域からショルダー領域に徐々 移行する。本発明に係るタイヤは、センタ 領域とショルダー領域の材質が異なるタイ でありながら、旋回時にライダーに与える 和感が軽減されている。このタイヤは直進 ら旋回への移行時安定性に優れる。このタ ヤではライダーの違和感が軽減されている め、センター領域及びショルダー領域がそ ぞれの役割に適した材質で構成されうる。 のタイヤでは、優れた諸性能が達成されう 。

図1は、本発明の一実施形態に係るリア タイヤが示された断面図である。 図2は、図1のタイヤの製造工程が説明 れるための断面図である。

符号の説明

 2・・・タイヤ
 4・・・トレッド
 8・・・サイドウォール
 10・・・ビード
 12・・・カーカス
 14・・・ベルト
 16・・・インナーライナー
 20・・・トレッド面
 22・・・センター領域
 24・・・ショルダー領域
 46・・・リボン
 48・・・第一ストリップ
 50・・・第二ストリップ

 以下、適宜図面が参照されつつ、好まし 実施形態に基づいて本発明が詳細に説明さ る。

 図1において、上下方向が半径方向である 。左右方向が軸方向である。このタイヤ2は 一点鎖線CLを中心線としたほぼ左右対称の形 状を呈する。この一点鎖線は、赤道面を表す 。このタイヤ2は、トレッド4、ウイング6、サ イドウォール8、ビード10、カーカス12、ベル 14、インナーライナー16及びチェーファー18 備えている。このタイヤ2は、チューブレス タイプの空気入りタイヤである。このタイヤ 2は、自動二輪車に装着される。

 トレッド4は、半径方向外向きに凸な形状 を呈している。トレッド4は、路面と接地す トレッド面20を備えている。トレッド4は、1 のセンター領域22及び一対のショルダー領 24からなる。センター領域22は、赤道面CLを いでいる。ショルダー領域24は、軸方向にお いてセンター領域22の外側に位置している。

 サイドウォール8は、トレッド4の端から 径方向略内向きに延びている。このサイド ォール8は、架橋されたゴム組成物からなる サイドウォール8は、撓みによって路面から の衝撃を吸収する。さらにサイドウォール8 、カーカス12の外傷を防止する。

 ビード10は、サイドウォール8から半径方 略内向きに延びている。ビード10は、コア26 と、このコア26から半径方向外向きに延びる イペックス28とを備えている。エイペック 28は、半径方向外向きに先細りである。エイ ペックス28は、架橋されたゴム組成物からな 。エイペックス28は、高硬度である。

 カーカス12は、プライ30からなる。プライ 30は、トレッド4及びサイドウォール8の内面 沿って延在している。プライ30は、コア26の りを、軸方向内側から外側に向かって折り されている。この折り返しにより、プライ3 0には主部34と折り返し部36とが形成されてい 。折り返し部36は、主部34の外面に重ねられ ている。

 図示されていないが、プライ30は、コー とトッピングゴムとからなる。コードが赤 面CLに対してなす角度の絶対値は、65°から90 °である。換言すれば、このタイヤ2はラジア ル構造を有する。コードは、有機繊維からな る。好ましい有機繊維としては、ポリエステ ル繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維、ポリ エチレンナフタレート繊維及びアラミド繊維 が例示される。

 ベルト14は、カーカス12とトレッド4との に位置している。ベルト14は、ベルトプライ 40からなる。図示されていないが、このベル プライ40は、コードとトッピングゴムとか なる。コードは、実質的に周方向に延びて る。このコードは、螺旋状に巻かれている ベルト14は、いわゆるジョイントレス構造を 有する。このベルト14は、キックバック及び ミーを抑制する。このベルト14を備えたタ ヤ2は、外乱吸収性能に優れる。

 ベルト14のコードの材質は、スチール又 有機繊維である。有機繊維の具体例として 、アラミド繊維、ナイロン繊維、ポリエス ル繊維、レーヨン繊維及びポリエチレンナ タレート繊維が挙げられる。拘束力が大き ベルト14は、タイヤ2の高い剛性が得られる この観点から、コードの好ましい材質は、 チール又はアラミド繊維である。特にコー の好ましい材質は、スチールである。

 インナーライナー16は、カーカス12の内周 面に接合されている。インナーライナー16は 架橋ゴムからなる。インナーライナー16に 、空気遮蔽性に優れたゴムが用いられてい 。インナーライナー16は、タイヤ2の内圧を 持する役割を果たす。

 図1の点Pで示されているのは、センター 域22とショルダー領域24との界面がトレッド 20に交差する交点である。図1において両矢 Wtで示されているのは、トレッド4の半周長 ある。半周長Wtは、トレッド面20に沿って測 定される。半周長Wtは、赤道CLからトレッド までの距離である。両矢印Wcで示されている のは、センター領域22の半周長である。半周 Wcは、トレッド面20に沿って測定される。半 周長Wcは、赤道CLからセンター領域22の端の点 Pまでの距離である。両矢印Wsで示されている のは、ショルダー領域24の周長である。周長W sは、トレッド面20に沿って測定される。周長 Wsは、ショルダー領域24の一端の点Pからトレ ド端である他端までの距離である。半周長W t、Wc及び周長Wsは、タイヤ2が切断されて得ら れるサンプルにおいて測定される。

 センター領域22及びショルダー領域24は、 それぞれ架橋されたゴム組成物からなる。セ ンター領域22の材質とショルダー領域24の材 とは、異なる。このタイヤ2では、直進時に センター領域22が主として接地する。この イヤ2では、旋回時にはショルダー領域24が として接地する。センター領域22は、直進安 定性及び耐摩耗性が要求される。ショルダー 領域24は、旋回安定性及び旋回性能が要求さ る。このタイヤ2では、センター領域22及び ョルダー領域24のそれぞれの役割が考慮さ て、それぞれの材質が決定される。

 旋回時には、このタイヤ2のトレッド4の 地面は、センター領域22からショルダー領域 24に移行する。トレッド面20のうちで使用頻 の高い領域にセンター領域22とショルダー領 域24の境界があるタイヤでは、ライダーが旋 時に違和感を感じ易い。この観点から、比( Wc/Wt)は0.7以上が好ましい。旋回時には、タイ ヤは旋回安定性及び旋回性能が要求される。 ショルダー領域24には旋回安定性及び旋回性 に適した材質が用いられる。この観点から センター領域22とショルダー領域24の比(Wc/Wt )は0.9以下が好ましく、0.8以下がより好まし 。

 旋回時の旋回安定性及び旋回性能の観点 ら、比(Ws/Wt)は0.1以上が好ましく、0.2以上が より好ましい。直進時には、タイヤ2は直進 定性及び直進時の耐摩耗性が要求される。 ンター領域22には直進安定性及び耐摩耗性に 適した材質が用いられる。直進から旋回への 移行時安定性の観点から、比(Ws/Wt)は0.3以下 好ましい。

 図1の断面において点Qで示されているの 、センター領域22とショルダー領域24との界 がトレッド4の内面に交差する交点である。 直線L1で示されているのは、点Pにおけるトレ ッド面20の法線である。直線L2で示されてい のは、点Pと点Qを通る直線である。角度θで されているのは、直線L1と直線L2とのなす角 度である。この角度θは、センター領域22と ョルダー領域24とのトレッド分割角度である 。角度θは図1において直線L1から時計回り向 を正とし、反時計回り向きを負として示さ ている。このタイヤ2は直線CLに対して対称 状である。図1に示されていない反対側の断 面では、この角度θは反時計回り向きを正と 、時計回り向きを負として示される。図1の 断面においてセンター領域22とショルダー領 24との界面は、直線で示されている。この 面は、必ずしも直線に限られない。界面が 直線であっても直線L1と直線L2とのなす角度 が、トレッド分割角度である。直線L1、直線 L2及び角度θは、タイヤ2が切断されて得られ サンプルにおいて測定される。

 このタイヤ2の角度θは、15°以上75°以下 ある。直進走行から旋回走行へ移行時にト ッド4は剪断力を受ける。角度θが0°未満の イヤ2では、センター領域22とショルダー領 24との界面においてショルダー領域24が剥離 易い方向に剪断力が働く。角度θが0°以上15 °未満のタイヤ2では、直進走行から旋回走行 への移行時にタイヤ2の特性が急激に変化す 。このタイヤ2では、ライダーが違和感を感 易い。この角度θが15°以上のタイヤ2では、 センター領域22とショルダー領域24との界面 おいて、センター領域22がショルダー領域24 外面側に位置させられている。このタイヤ2 は、直進走行から旋回走行への移行時にタイ ヤ2の特性が徐々に変わる。このタイヤ2では ライダーの違和感が軽減される。このタイ 2は、直進走行から旋回走行への移行時安定 性に優れる。このタイヤ2は、センター領域22 とショルダー領域24との材質を変えても、ラ ダーの受ける違和感は軽減される。この発 に係るタイヤ2は、センター領域22とショル ー領域24との材質を異ならせる際の制約が さい。このタイヤ2では、直進走行から旋回 行への移行時にショルダー領域24が剥離し くい。これらの観点から、角度θは、30°以 が好ましく、40°以上がより好ましい。

 角度θが大きいタイヤ2は、その製造が難 くなる。この観点から、角度θは75°以下と ている。角度θは、60°以下が好ましく、50° 以下がより好ましい。

 この発明は、センター領域22とショルダー 域24との材質が異なる種々のタイヤ2に適用 れうる。この発明は、センター領域22の硬度 がショルダー領域24の硬度より大きいタイヤ2 及びセンター領域22の硬度がショルダー領域2 4の硬度より小さいタイヤ2に適用しうる。こ 発明は、センター領域22の複素弾性率E * がショルダー領域24の複素弾性率E * より大きいタイヤ2及びセンター領域22の複素 弾性率E * がショルダー領域24の複素弾性率E * より小さいタイヤ2に適用しうる。この発明 、センター領域22の損失正接tanδがショルダ 領域24の損失正接tanδより大きいタイヤ2及 センター領域22の損失正接tanδがショルダー 域24の損失正接tanδより小さいタイヤ2に適 しうる。

 センター領域22の硬度Hcがショルダー領域 24の硬度Hsより大きいタイヤ2では、直進時に 高硬度のセンター領域22が主に接地する。 のタイヤ2は直進安定性に優れる。旋回時に 低硬度のショルダー領域24が主に接地する 硬度Hsが低いショルダー領域24はグリップ性 に優れている。このタイヤ2は、旋回安定性 に優れる。この観点から、センター領域22の 度とショルダー領域24の硬度との差(Hc-Hs)は2 以上が好ましく、3以上がより好ましい。直 から旋回への移行時安定性の観点から、差(H c-Hs)は7以下が好ましく、6以下がより好まし 。このタイヤ2をリアタイヤに用いた自動二 車は、直進安定性及び旋回安定性に優れる

 このタイヤ2では、硬度Hsと硬度Hcとの差(H c-Hs)を2以上としてもセンター領域22とショル ー領域24との間で段差摩耗が生じにくい。 のタイヤ2では、硬度Hsと硬度Hcとの差の制限 を受けずに、センター領域22に耐摩耗性重視 トレッドが配置され、ショルダー領域24に リップ重視のトレッドが配置されうる。

 直進安定性の観点から、硬度Hcは63以上が 好ましく、65以上がより好ましい。硬度Hcは73 以下が好ましい。グリップ性能の観点から、 硬度Hsは70以下が好ましく、68以下がより好ま しい。硬度Hsは、60以上が好ましい。

 センター領域22の硬度Hcがショルダー領域 24の硬度Hsより小さいタイヤ2では、直進時に 低硬度のセンター領域22が主に接地する。 のタイヤ2は外乱吸収性能に優れる。旋回時 は高硬度のショルダー領域24が主に接地す 。硬度Hsが高いショルダー領域24は大きなキ ンバースラストを発生する。このタイヤ2は 、旋回性能に優れる。この観点から、センタ ー領域22の硬度とショルダー領域24の硬度と 差(Hc-Hs)は2以上が好ましく、3以上がより好 しい。直進から旋回への移行時安定性の観 から、差(Hc-Hs)は7以下が好ましく、6以下が り好ましい。このタイヤ2をフロントタイヤ 装着した自動二輪車は、外乱吸収性能及び 回性能に優れる。

 外乱吸収性能の観点から、硬度Hcは70以下 が好ましく、68以下がより好ましい。硬度Hc 、58以上が好ましい。旋回性能の観点から、 硬度Hsは60以上が好ましく、63以上がより好ま しい。硬度Hsは73以下が好ましい。

 センター領域22の複素弾性率E * がショルダー領域24の複素弾性率E * より大きいタイヤ2では、複素弾性率E * が大きいセンター領域22により高い耐摩耗性 得られる。このタイヤ2は直進安定性に優れ る。このタイヤ2では、複素弾性率E * が小さいショルダー領域24により高いグリッ 性能が得られる。このタイヤ2は旋回安定性 に優れる。このタイヤ2をリアタイヤに装着 た自動二輪車は、直進安定性及び旋回安定 に優れる。

 センター領域22の複素弾性率E * がショルダー領域24の複素弾性率E * より小さいタイヤ2では、複素弾性率E * が小さいセンター領域22により高い外乱吸収 能が得られる。このタイヤ2では、複素弾性 率E * が大きいショルダー領域24により大きなキャ バースラストが発生する。このタイヤ2をフ ロントタイヤに装着した自動二輪車は、外乱 吸収性能及び旋回性能に優れる。本発明に係 るタイヤ2はそれぞれの役割に適した材質を 用しても、ライダーに与える違和感が軽減 れる。

 本発明に係るタイヤ対は、センター領域2 2の硬度Hcがショルダー領域24の硬度Hsよりも きい本発明にかかるリアタイヤと、センタ 領域22の硬度Hcがショルダー領域24の硬度Hsよ りも小さい本発明に係るフロントタイヤとか らなる。このタイヤ対が装着された自動二輪 車では、旋回操縦安定性に優れる。この自動 二輪車では、直進時には、フロントタイヤに よって外乱吸収性能が発揮され、リアタイヤ によって直進安定性が発揮される。旋回時に は、フロントタイヤによって大きなキャンバ ースラストが発生し、リアタイヤによって優 れたグリップ性能が発揮される。このタイヤ 対は、諸性能に優れる。

 硬度Hc、Hsは、JIS-A硬度である。硬度Hc、Hs は、「JIS-K 6253」の規定に準拠して、23℃の 境下で、タイプAのデュロメータがタイヤ2に 押しつけられて測定される。

 複素弾性率E * 及び損失正接tanδは、「JIS-K 6394」の規定に 拠して、下記に示される条件で、粘弾性ス クトロメーター(島津製作所社の商品名「VA-2 00」)によって測定される。
   初期歪み:10%
   振幅:±2%
   周波数:10Hz
   変形モード:引張
   測定温度:70℃

 図2に示されるように、このタイヤ2の製 では、フォーマー(図示されず)にインナーラ イナー16、第一プライ30が順次巻かれる。こ 第一プライ30の上に、コード42とトッピング ム44とからなるリボン46が螺旋状に巻かれる 。このリボン46は、実質的に周方向に延在す 。このリボン46の上に、未架橋ゴムからな 第一ストリップ48が螺旋状に巻かれる。第一 ストリップ48は、実質的に周方向に延在する 第一ストリップ48は、順次積層される。第 ストリップ48が巻き終わると、この第一スト リップ48に連続して、未架橋ゴムからなる第 ストリップ50が巻かれる。第二ストリップ50 は、実質的に周方向に延在する。第二ストリ ップ50は、順次積層される。第二ストリップ5 0が巻き終わると、さらにこの第二ストリッ 50に連続して第一ストリップ48が巻かれる。 うして、グリーンタイヤが得られる。この リーンタイヤがモールドに投入され、加圧 び加熱される。加熱によりゴムに架橋反応 起こり、タイヤ2が得られる。リボン46から 、ジョイントレス構造を有するベルトプラ 40が得られる。第一ストリップ48からは、シ ョルダー領域24が得られる。第二ストリップ5 0からは、センター領域22が得られる。このタ イヤ2では、2種類のストリップ48、50が用いら れるので、センター領域22及びショルダー領 24を備えたトレッド4が容易に成形される。 のタイヤ2の製造は、容易である。

 本発明では、特に言及がない限り、タイ 2の各部材の寸法及び角度は、タイヤ2が正 リムに組み込まれ、正規内圧となるように イヤ2に空気が充填された状態で測定される 測定時には、タイヤ2には荷重がかけられな い。本明細書において正規リムとは、タイヤ 2が依拠する規格において定められたリムを 味する。JATMA規格における「標準リム」、TRA 規格における「Design Rim」、及びETRTO規格に ける「Measuring Rim」は、正規リムである。本 明細書において正規内圧とは、タイヤ2が依 する規格において定められた内圧を意味す 。JATMA規格における「最高空気圧」、TRA規格 における「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLAT ION PRESSURES」に掲載された「最大値」、及びE TRTO規格における「INFLATION PRESSURE」は、正規 圧である。

 以下、実施例によって本発明の効果が明 かにされるが、この実施例の記載に基づい 本発明が限定的に解釈されるべきではない

  [実験1]
 図1に示された構造を備えた実施例1のフロ トタイヤを得た。フロントタイヤのベルト 、スチールからなるコードを備えている。 のフロントタイヤのトレッドは、センター 域及び一対のショルダー領域からなる。セ ター領域の硬度Hcは62であり、ショルダー領 の硬度Hsは65である。このフロントタイヤで は、比(Wc/Wt)は0.75であり、比(Ws/Wt)は0.25であ 。このフロントタイヤのサイズは、「120/70ZR 17」である。

  [実施例2及び3並びに比較例1及び2]
 フロントタイヤの比(Wc/Wt)及び比(Ws/Wt)を表1 示される通りとした。その他は実施例1と同 様にして、実施例2及び3並びに比較例1及び2 タイヤを得た。

  [実施例4及び5並びに比較例3及び4]
 フロントタイヤのトレッド分割角度θを表1 示される通りとした。その他は、実施例1と 同様にして、実施例4及び5並びに比較例3及び 4のタイヤを得た。

  [実施例6]
 フロントタイヤのショルダー領域の硬度Hs 表1に示される通りとした。その他は実施例1 と同様にして、実施例6のタイヤを得た。

  [比較例5及び6]
 フロントタイヤのトレッドの硬度を表1に示 される通りとした。単一部材からなるトレッ ドが成形された。その他は実施例1と同様に て、比較例5及び6のタイヤを得た。

  [走行安定性評価]
 排気量が1000ccである市販の自動二輪車の前 に、試作タイヤが装着された。リム巾は3.5 ンチであり、タイヤ空気内圧は250kPaである なお、後輪のタイヤは市販の従来のタイヤ そのまま使用した。この自動二輪車をサー ットコースで走行させ、直進安定性、旋回 定性、直進から旋回への移行時安定性に関 てライダーに官能評価をさせた。この結果 、下記の表1に示されている。この数値が大 きいほど、良好であることが示される。

  [耐久試験]
 実施例1から6及び比較例1から6のタイヤにつ いて耐久性試験が実施された。耐久試験は、 実車に装着して連続旋回試験を行い、界面部 分の外観を観察した。界面部分で僅かでも捲 れ等が観察されるか否かを観察し、相対評価 を実施した。この結果が、下記の表1に示さ ている。この評価ではABCの三段階の相対評 を実施した。この評価ではAが最も良い評価 ある。

   [実験2]
 図1に示された構造を備えた実施例7のリア イヤを得た。リアタイヤのベルトは、スチ ルからなるコードを備えている。このリア イヤのトレッドは、センター領域及び一対 ショルダー領域からなる。センター領域の 度Hcは65であり、ショルダー領域の硬度Hsは62 である。このリアタイヤでは、比(Wc/Wt)は0.75 あり、比(Ws/Wt)は0.25である。このリアタイ のサイズは、「190/50ZR17」である。

  [実施例8及び9並びに比較例7及び8]
 リアタイヤの比(Wc/Wt)及び比(Ws/Wt)を表2に示 れる通りとした。その他は実施例7と同様に して、実施例8及び9並びに比較例7及び8のタ ヤを得た。

  [実施例10及び11並びに比較例9及び10]
 リアタイヤのトレッド分割角度θを表2に示 れる通りとした。その他は実施例7と同様に して、実施例10及び11並びに比較例9及び10の イヤを得た。

  [実施例12]
 リアタイヤのショルダー領域の硬度Hsを表2 示される通りとした。その他は実施例7と同 様にして、実施例12のタイヤを得た。

  [比較例11及び12]
 リアタイヤのトレッド硬度を表2に示される 通りとした。単一部材からなるトレッドが成 形された。その他は実施例7と同様にして、 較例11及び12のタイヤを得た。

  [走行安定性評価]
 排気量が1000ccである市販の自動二輪車の後 に、実施例7から12及び比較例7から12の試作 イヤが装着された。リム巾は6.0インチであ 、タイヤ空気内圧は290kPaである。前輪には 上記の実施例1のタイヤが装着された。この 自動二輪車をサーキットコースで走行させ、 直進安定性、旋回安定性、直進から旋回への 移行時安定性に関してライダーに官能評価を させた。この結果が、下記の表2に示されて る。この数値が大きいほど、良好であるこ が示される。

  [耐久試験]
 実施例7から12及び比較例7から12のタイヤに いて、実験1と同様に耐久性試験が実施され た。この結果が、下記の表2に示されている

   [実験3]
  [実施例13及び14並びに比較例13から15]
 センター領域およびショルダー領域の硬度 複素弾性率E * 及び損失正接tanδを表3に示される通りとした 。その他は実施例7と同様にして、実施例13及 び14並びに比較例13から15のリアタイヤを得た 。

  [走行安定性評価]
 実験2と同様に、排気量が1000ccである市販の 自動二輪車の後輪に、試作タイヤが装着され た。リム巾は6.0インチであり、タイヤ空気内 圧は290kPaである。なお、前輪のタイヤは市販 の従来のタイヤをそのまま使用した。この自 動二輪車をサーキットコースで走行させ、直 進安定性、旋回安定性、直進から旋回への移 行時安定性に関してライダーに官能評価をさ せた。この数値が大きいほど、良好であるこ とが示される。

 表1から3に示されるように、実施例のタ ヤ対は諸性能に優れている。この評価結果 ら、本発明の優位性は明らかである。

 本発明に係るタイヤは、種々の自動二輪 に装着されうる。