株式会社ブリヂストン (〒40 東京都中央区京橋1丁目10番1号 Tokyo, 1048340, JP)
| トレッド部と、該トレッド部の両縁部からタイヤ半径方向内側に配設された一対のサイドウォール部と、該サイドウォール部のタイヤ半径方向内側に連なるビード部とからなり、これら各部を該ビード部内に埋設されたビードコア相互間にわたり補強し、かつ、タイヤ赤道面に対して60~90°をなすコードをゴムで被覆した少なくとも1層のカーカスプライからなるカーカス層と、該カーカス層のタイヤ半径方向外側に、タイヤ周方向に対して実質上平行に螺旋巻き形成されてなる少なくとも1層のスパイラルベルトとを具備する二輪車用タイヤにおいて、 前記スパイラルベルト層が、螺旋型付けされたスチール素線の1本以上を撚り合わせずにゴムに埋設してなるスチール-ゴム複合体からなり、かつ、該スチール素線の素線径が、0.25mm~0.60mmであることを特徴とする二輪車用タイヤ。 |
| 前記スチール素線の表層部の残留応力量RsがRs<0を満足する請求項1記載の二輪車用タイヤ。 |
| 前記スパイラルベルト層が、実質的に同一ピッチで螺旋型付けされたスチール素線の2本以上を略同位相で撚り合わせずに束ねてゴムに埋設してなるスチール-ゴム複合体からなる請求項1記載の二輪車用タイヤ。 |
| 前記スチール素線の任意の1本と、少なくとも1本の他のスチール素線との、型付け螺旋の外接円同士が重なり合う請求項3記載の二輪車用タイヤ。 |
| 前記2本以上のスチール素線の素線径および型付け量が、全て同一である請求項3記載の二輪車用タイヤ。 |
| 前記スチール素線の型付け螺旋の外接円直径をD、螺旋ピッチをP、該スチール素線の素線径をdとしたとき、下記式(1)、 L=√(1+(D-d) 2 π 2 /P 2 )-1 (1) で定義されるLが、0.1>L>0.005を満足する請求項1記載の二輪車用タイヤ。 |
本発明は二輪車用タイヤ(以下、単に「タ イヤ」とも称する)に関し、詳しくは、高速 ーナリング走行される、一般にスーパース ーツタイプと称される高性能自動二輪車に される自動二輪車用空気入りラジアルタイ であって、高速耐久性、直進安定性等の諸 能を保持しつつ、高速コーナリング時の操 安定性能を向上した高性能自動二輪車用低 平空気入りラジアルタイヤに関する。
従来、二輪車用タイヤに対し、1本乃至並 列した複数本のコードが被覆ゴム中に埋設さ れた帯状体を、略タイヤ周方向に向かう角度 で螺旋状にタイヤ回転軸方向に巻き回してな る所謂スパイラルベルト層を適用して、タイ ヤの高速耐久性や直進安定性、ユニフォミテ ィ性能、加速性能等を向上することが行われ ている。
かかるスパイラルベルト層における補強材
してのスチールコードの改良に係る技術と
て、例えば、特許文献1には、螺旋巻きされ
たスチールコードからなるベルトコードの引
張り伸びを所定に規定することで、高速走行
時における直進性、旋回性を著しく低下させ
ることなく、また、ハンドリング性を維持し
て耐摩耗性を向上した自動二輪車用ラジアル
タイヤが開示されている。また、特許文献2
は、螺旋巻きされた帯状プライを構成する
ンドコードの荷重-伸び曲線により規定され
自動二輪車用ラジアルタイヤが開示されて
る。
しかしながら、二輪車用タイヤにスパイ ルベルト層を適用すると、上記各種タイヤ 能の向上を図ることができる一方で、車両 方向を変える際の反応が鈍くなり、軽快性 失われてしまうという問題点があった。従 て、上記の高速耐久性や直進安定性、ユニ ォミティ性能、加速性能等を向上しつつ、 かる旋回操縦性能(コーナリング性)につい も確保することができるタイヤの改良技術 求められていた。
そこで本発明の目的は、直進走行性能、 速性能、乗り心地、ユニフォミティ等のタ ヤ諸性能を損なうことなく、旋回操縦性能( コーナリング性)を向上させた二輪車用タイ を提供することにある。
本発明者は、かかるスパイラルベルト層 備える二輪車用タイヤにおいて旋回性能を めるための技術につき鋭意検討した結果、 回性能の向上には、周方向ベルトであるス イラルベルト層の曲げ剛性を高めることが 要であることを見出して、本発明を完成す に至った。
すなわち、本発明の二輪車用タイヤは、ト
ッド部と、該トレッド部の両縁部からタイ
半径方向内側に配設された一対のサイドウ
ール部と、該サイドウォール部のタイヤ半
方向内側に連なるビード部とからなり、こ
ら各部を該ビード部内に埋設されたビード
ア相互間にわたり補強し、かつ、タイヤ赤
面に対して60~90°をなすコードをゴムで被覆
した少なくとも1層のカーカスプライからな
カーカス層と、該カーカス層のタイヤ半径
向外側に、タイヤ周方向に対して実質上平
に螺旋巻き形成されてなる少なくとも1層の
パイラルベルトとを具備する二輪車用タイ
において、
前記スパイラルベルト層が、螺旋型付けさ
たスチール素線の1本以上を撚り合わせずに
ゴムに埋設してなるスチール-ゴム複合体か
なり、かつ、該スチール素線の素線径が、0.
25mm~0.60mmであることを特徴とするものである
本発明の二輪車用タイヤにおいては、前記
チール素線の表層部の残留応力量RsがRs<0
満足することが好ましい。また、本発明に
いて好適には、前記スパイラルベルト層が
実質的に同一ピッチで螺旋型付けされたス
ール素線の2本以上を略同位相で撚り合わせ
ずに束ねてゴムに埋設してなるスチール-ゴ
複合体からなる。この場合、前記スチール
線の任意の1本と、少なくとも1本の他のスチ
ール素線との、型付け螺旋の外接円同士が重
なり合うことが好ましく、前記2本以上のス
ール素線の素線径および型付け量が、全て
一であることも好ましい。また、好適には
前記スチール素線の型付け螺旋の外接円直
をD、螺旋ピッチをP、該スチール素線の素線
径をdとしたとき、下記式、
L=√(1+(D-d) 2
π 2
/P 2
)-1 (1)
で定義されるLが、0.1>L>0.005を満足する。
本発明によれば、上記構成としたことに り、直進走行性能、高速性能、乗り心地、 ニフォミティ等のタイヤ諸性能を損なうこ なく、旋回操縦性能(コーナリング性)を向 させた二輪車用タイヤを実現することが可 となった。
1 スチール素線
11 トレッド部
12 サイドウォール部
13 ビード部
21 ビードコア
22 カーカス層
23 スパイラルベルト層
100 スチール素線
以下、本発明の好適な実施形態について詳
に説明する。
図1に、本発明の二輪車用タイヤの一例の概
略断面図を示す。図示するように、本発明の
タイヤは、トレッド部11と、その両縁部から
イヤ半径方向内側に配設された一対のサイ
ウォール部12と、そのタイヤ半径方向内側
連なるビード部13とからなり、これら各部を
ビード部13内に埋設されたビードコア21相互
にわたり補強し、かつ、タイヤ赤道面に対
て60~90°をなすコードをゴムで被覆した少な
とも1層のカーカスプライからなるカーカス
層22と、そのタイヤ半径方向外側に、タイヤ
方向に対して実質上平行に螺旋巻き形成さ
てなる少なくとも1層のスパイラルベルト層
23とを具備する。
本発明においては、かかるスパイラルベ ト層23を、螺旋型付けされたスチール素線 1本以上、好適には1~5本を撚り合わせずにゴ に埋設してなるスチール-ゴム複合体により 形成するとともに、そのスチール素線の素線 径を0.25mm~0.60mm、特には0.30mm~0.42mmとした点が 要である。これは、以下のような理由によ 。
二輪車では、旋回する際、車両を傾け、 イヤにキャンバ力を働かせて旋回する。こ キャンバ力の発生メカニズムを検討すると キャンバ力は、周方向ベルト(すなわち、ス パイラルベルト層)がタイヤ周方向に回転す 進行方向と、トレッドゴムが路面に接地し 路面方向に追従する進行方向とのずれで発 するせん断歪みにより発生するが、周方向 ルトの曲げ剛性が低いと、路面方向に追従 易くなって、このキャンバ力の発生が低下 るものと考えられる。したがって、スパイ ルベルト層に用いるスチール素線として、 線径を従来の0.175mm~0.22mm程度より太くして、 曲げ剛性を高めた素線径0.25mm~0.60mmのスチー 素線を用いることで、上記キャンバ力を高 ることができ、これにより、旋回性能を向 することが可能となるのである。
但し、あまり素線径を太くしてしまい、 チール素線の素線径が0.60mmを超えると、巻 癖が付くなど製造安定性が悪くなってしま ため、0.60mm以下とする。
また一方、旋回性能と、振動吸収性・成 作業性とを両立するためには、曲げ剛性を く保ちつつ引張り圧縮剛性を低くするため 、スチール素線に螺旋の型付けを施すこと 必要である。したがって本発明においては スパイラルベルト層23に、螺旋型付けされ スチール素線の1本以上を撚り合わせずにゴ に埋設したスチール-ゴム複合体を適用して いる。
また、タイヤの使用環境によらず、充分 疲労寿命を担保するためには、スパイラル ルト層に用いるスチール素線の表層部の残 応力量RsをRs<0とすることが好ましい。こ で、Rs<0、すなわち、残留応力量Rsが0未満 であるとは、スチール素線の表層部における 残留応力が圧縮側にあることを意味する。
さらに、隣接するスチール素線を接触し くくするためには、スチール素線の螺旋型 けを実質的に同一ピッチとすることが好適 ある。より具体的には、実質的に同一ピッ で螺旋型付けされたスチール素線の2本以上 を、略同位相で撚り合わせずに束ねてゴムに 埋設してなるスチール-ゴム複合体を、好適 用いることができる。
この場合、例えば、図2に示すように、ス チール素線1の任意の1本と、少なくとも1本の 他のスチール素線1との、型付け螺旋の外接 同士が互いに重なり合う状態とすることが ましく、これにより、高剛性および高強度 得ることができる。
また、2本以上のスチール素線の素線径お よび型付け量を全て同一とすることも好まし く、これにより、応力が各スチール素線に均 一にかかることになって、強度効率を向上す ることができる。
さらに、本発明においては、スチール素線1
の型付け螺旋の外接円直径をD(mm)、螺旋ピッ
をP(mm)、スチール素線の素線径をd(mm)とした
とき(図2参照)、下記式、
L=√(1+(D-d) 2
π 2
/P 2
)-1 (1)
で定義されるLが、0.1>L>0.005を満足するも
のとすることで、良好な成型作業性を担保し
つつ、充分な旋回性能を得ることができ、好
適である。
本発明に係る2本以上のスチール素線から なるスチール-ゴム複合体を安定して効率的 作製する方法としては、例えば、別個のリ ルに巻かれた複数本のスチール素線を一つ 口金に通して束ねてスチールコードとし、 のスチールコードを、ゴムにより被覆した 、ゴム複合体に埋設する方法や、別個のリ ルに巻かれた複数本のスチール素線を1つの リットに通して束ねてスチールコードとし このスチールコードに対し上下からゴムを 着した後、このスチールコードをゴム複合 に埋設して製造する方法などが有用である
本発明に用いるスチール-ゴム複合体とし ては、上記コード構造に係る条件について満 足するものであれば、それ以外の、具体的な コード構造や、使用するスチールおよびゴム の材質等については、特に制限されるもので はない。
また、本発明の二輪車用タイヤにおいて 、前述した特性を満足するスチール-ゴム複 合体をタイヤのスパイラルベルト層に適用し たものであれば、それ以外のタイヤ構造、各 構成部材の材質等については、特に制限され るものではなく、これにより、本発明の所期 の効果を得ることが可能である。
以下、本発明を、実施例を用いてより詳細
説明する。
下記表1,2に示す型付け量およびピッチで型
けされたスチール素線(ブラスめっき:Cu63重
%,Zn37重量%)を用いて、下記表1,2中に示す条
に従い、スチール-ゴム複合体を作製した。
ーティングゴムとしては、天然ゴム(NR)100重
量部と、カーボンブラック(HAF)55重量部と、
化亜鉛(ZnO)7重量部と、硫黄5重量部と、Co塩(
フテン酸コバルト)0.1重量部とからなるゴム
組成物を使用した。
<表層部の残留応力量Rsの測定>
得られた各スチール-ゴム複合体を長さ方向
に10cm切り取り、素線にほぐした後、過硫酸
ンモニウム水溶液によりブラスめっきを除
し、図12(a)に示すように、この素線100のうち
長手方向に半周部部分Aについてはエッチン
されないようにラッカーで被覆し、端部Bに
いては全周をラッカーで被覆した。その後
50℃の50容量%硝酸でエッチングし、端部Bを
準として、素線の曲がりが最大となったと
の曲がり量を残留応力量とした。残留応力
圧縮であるか引張りであるかの判別は、エ
チングされた側に素線が曲がった場合を圧
(-)、ラッカー被覆側に曲がった場合を引張
(+)とした(図12(b)参照)。その結果を、前記式
(1)に従い外接円直径D、螺旋ピッチP、スチー
素線の素線径dより求めたLの値とともに、
記の表1中に示す。
また、得られた各スチール-ゴム複合体を 、図1に示すスパイラルベルト構造を有する 動二輪車用空気入りラジアルタイヤ(MCタイ )(タイヤサイズ:190/50ZR17)のスパイラルベルト 層に打ち込み数40本/50mmにて適用して、振動 収性・旋回性能および疲労性につき、下記 従い評価を行った。これらの結果を、下記 表1中に併せて示す。
<振動吸収性・旋回性能>
供試タイヤを、リムサイズMT6.00×17のリムに
て空気圧250kPaで100ccのスポーツタイプの二輪
に装着して、実車フィーリングテストを行
、直進走行時における振動吸収性および旋
走行時におけるコーナリング性につき、10
満点で評価した。いずれも、7点以上であれ
合格である。
<疲労性>
供試タイヤのインナーライナーを剥ぎ取り
タイヤ内に水を入れて、低内圧で15000kmドラ
ム走行させた後、タイヤのベルトコードを取
り出し、コード切れが発生していたものを不
合格(×)、発生していなかったものを合格(○)
とした。
<成型作業性>
スチール素線を製造後、リールに巻きつけ
3ヶ月放置してから使用する際に、スチール
素線複合体がパスから脱落する等の生産性を
阻害する事態を起こさず、通常のスピードで
成型できるものを合格(○)とした。
*2)前記式(1)に従う値×100(%)である。
上記表1,2に示すように、本発明に係る所 の条件を満足するスチール-ゴム複合体を用 いた実施例のタイヤにおいては、振動吸収性 や疲労性等を損なうことなくコーナリング性 を向上することができることが確かめられた 。
Next Patent: METHOD FOR EDGING LENS OF GLASSES
