日本たばこ産業株式会社 (〒22 東京都港区虎ノ門二丁目2番1号 Tokyo, 〒1058422, JP)
| たばこ製品の製造からたばこ製品の小売り販売に至る流通の全過程にて、たばこ製品の梱包形態に応じてたばこ製品を外気温から隔離する隔離手段を含み、 前記隔離手段はたばこ製品の品質劣化を招く温度よりも低い低温の状態にたばこ製品を維持する、 たばこ製品の流通システム。 |
| 前記たばこ製品の品質劣化は、前記たばこ製品が有する香気成分の揮散である、請求項1のたばこ製品の流通システム。 |
| 前記隔離手段は、たばこ製品を20℃以下の低温状態に維持する、請求項2に記載のたばこ製品の流通システム。 |
| たばこ製品は棒形状の喫煙物品であり、 たばこ製品の梱包形態は、所定本数の喫煙物品を包み込んだシガレットパック、所定個数のシガレットパックを包み込んだカートン及び所定個数のカートンが詰め込まれた箱の何れかを含み、 前記隔離手段は、シガレットパック、カートン及び箱の梱包形態に応じてたばこ製品を収容する保冷室を含む、請求項3のたばこ製品の流通システム。 |
| 前記保冷室は、倉庫を含むたばこ工場の建屋、低温輸送トラック、保冷容器又は保冷型の自動販売機の何れかを含む、請求項4のたばこ製品の流通システム。 |
| たばこ製品の製造から小売り販売に至る流通の全過程で、たばこ製品をその梱包形態に応じて外気温から隔離し、隔離したたばこ製品をその品質劣化を招く温度よりも低い低温状態に維持するたばこ製品の流通方法。 |
本発明は、たばこ製品の製造から小売り 売に至る全過程にて、たばこ製品の温度管 を実施するたばこ製品の流通システム及び の流通方法に関する。
たばこ工場にて製造されたシガレット又 フィルタシガレット等のたばこ製品は、先 、20本毎にシガレットパックとして包装さ る。この後、シガレットパックは所定の個 ずつ纏めたカートンとして包装され、更に カートンは所定の個数ずつ纏めて段ボール 内に詰め込まれる。それ故、たばこ製品は ボール箱内に収容された梱包形態で、たば 工場から流通基地に移送される。この後、 ばこ製品は上述の梱包形態のまま、流通基 から小売り販売店に直接に配送されるか、 は、流通基地から中間基地を経て小売り販 店に配送される。詳しくは、中間基地では 段ボール箱からカートンが取出され、たば 製品はカートンの梱包形態にて、中間基地 ら小売り販売店に配送される。例えば、特 文献1の図1参照。なお、カートンは所定個数 のたばこ製品、即ち、シガレットパックを包 材により包み込んで得られている。
上述した特許文献1はたばこ製品の需要計 画システムを開示し、この需要計画システム は、流通基地、中間基地及び小売り販売店の 各段階にて、たばこ製品の在庫を適切に管理 する。このような需要計画システムによれば 、消費者は小売り販売店を通じて賞味期限内 のたばこ商品を確実且つ安定して購買可能と なる。
ここで、たばこ製品の賞味期限はその製 日から所定の期間を経た期日に一義的に定 られているが、賞味期限を決定するにあた 、たばこ製品の流通過程にて受けるたばこ 品の品質劣化、具体的には外気温の変動に 因するたばこ製品の品質劣化は何ら考慮さ ていない。
このため、たばこ商品がメンソール等の 発性香料を含むシガレットパックの場合、 のシガレットパックの流通過程にて外気温 異常に上昇するような状況が発生すれば、 ガレットパックからメンソールが過度に揮 する。このため、賞味期限内にあるにも拘 らず、シガレットパックの品質を保証でき くなる虞がある。
本発明の目的、外気温の上昇に起因する ばこ製品の品質劣化を低減又は防止し、そ 品質を保証したたばこ製品を消費者に確実 販売可能とするたばこ製品の流通システム びその流通方法を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明のた こ製品の流通システムは、たばこ製品の製 からたばこ製品の小売り販売に至る流通の 過程にて、たばこ製品の梱包形態に応じて ばこ製品を外気温から隔離する隔離手段を み、この隔離手段はたばこ製品の品質劣化 招く温度よりも低い低温の状態にたばこ製 を維持する。具体的には、たばこ製品の品 劣化は、たばこ製品が有する香気成分の揮 である。
上述の流通システムによれば、たばこ製 の全流通過程にて、たばこ製品はその販売 至るまで隔離手段により低温状態に維持さ ル。それ故、たばこ製品の品質、即ち、た こ製品が有する香気成分は消費者に販売さ るまで維持される。
例えば、隔離手段は、たばこ製品を20℃ 下の低温状態に維持する。たばこ製品が上 の低温状態に維持されていれば、たばこ製 がメンソール等の揮発性香料を含んでいて 、香料、即ち、その香気成分の揮散は防止 は抑制される。
具体的には、たばこ製品は棒形状の喫煙 品であり、この場合、たばこ製品の梱包形 は、所定本数の喫煙物品を包み込んだシガ ットパック、所定個数のシガレットパック 包み込んだカートン及び所定個数のカート が詰め込まれた箱の何れかを含み、そして 隔離手段は、シガレットパック、カートン び箱の梱包形態に応じてたばこ製品を収容 る保冷室を含む。この場合、保冷室は、倉 を含むたばこ工場の建屋、低温輸送トラッ 、保冷容器又は保冷型の自動販売機の何れ を含む。
更に、本発明はたばこ製品の流通方法を 提供し、この流通方法は、たばこ製品の製 から小売り販売に至る流通の全過程で、た こ製品をその梱包形態に応じて外気温から 離し、隔離したたばこ製品をその品質劣化 招く温度よりも低い低温状態に維持する。
本発明のたばこ製品の流通システム及び の流通方法は、たばこ製品が消費者に販売 れるまでの間、たばこ製品を低温状態に維 する。それ故、たばこ製品の流通過程にて 外気温が急減に上昇しても、このような外 温の上昇がたばこ製品の品質劣化を招くこ はなく、たばこ製品は安定した品質を維持 たまま、消費者に販売される。
図1を参照すれば、一実施例のたばこ製品 の流通システムは、たばこ工場2から小売り 売店4までたばこ製品を配送する配送経路を えており、たばこ工場2は倉庫を有する。
配送経路の途中には流通基地6が設置され ており、また、配送経路には必要に応じて流 通基地6と小売り販売店4との間に中間基地8が 設置されている。
図1中の破線Aは、流通システムの全域に たばこ製品が外気温から隔離されているこ を表し、このたばこ製品の隔離について以 に詳述する。
図2に示されるように、たばこ工場2は先 、棒状の喫煙物品を製造する。喫煙物品は 刻みたばこが巻紙により包み込まれたシガ ットであるか、又は、シガレットにフィル が取り付けられたフィルタシガレットFCであ る。そして、シガレット又はフィルタシガレ ットFCの喫煙物品は例えば20本毎に纏めて包 され、ソフト又はハード形態のシガレット ックCPが製造される。
なお、シガレット又はフィルタシガレッ の喫煙物品や、シガレットパックの製造に し、これら喫煙物品又はシガレットパック 揮発性香料、具体的にはメンソールを含む とができる。
更に、シガレットパックCPは例えば10個単 位で紙の包材により包み込まれ、カートンC 得られる。この後、カートンCは例えば50個 位で段ボール箱Bに詰め込まれる。このよう 段ボール箱Bはたばこ工場2から直接に出荷 れるか、又は、たばこ工場2の倉庫に一時的 保管され、この後、倉庫から出荷される。
たばこ工場2又は倉庫から出荷される段ボー
ル箱Bは、流通システム内を流通するたばこ
品の1つの梱包形態であるものの、たばこ工
2又は倉庫から小売り販売店4に至る流通過
において、たばこ製品の梱包形態は、段ボ
ル箱B以外に、前述したカートンCや、個々の
シガレットパックCPを含む。
たばこ工場内でのたばこ製品の隔離
たばこ工場2及び倉庫は例えば共通の建屋2a
備え、この建屋2aはその内部、図2中に破線
示されているように保冷室して規定されて
る。この保冷室はシガレットパックCP、カ
トンC及び段ボール箱Bを外気から隔離する。
具体的には、建屋2aは空調装置(図示しない)
備えており、この空調装置は建屋2a内、即ち
、保冷室内の温度をたばこ製品の品質劣化を
招く温度、具体的には、前述したメンソール
等の香料の揮発を招く温度よりも低い温度に
維持する。好ましくは、保冷室の温度は20℃
下の低温状態に維持されている。
たばこ工場から流通基地への配送時における
たばこ製品の隔離
たばこ工場2又はその倉庫から流通基地6 向けてたばこ製品、即ち、段ボール箱Bが配 されるとき、図3に示されるような低温輸送 トラック10が使用されるか、又は、通常の輸 トラックと図4に示される保冷容器12との組 合わせが使用される。
詳しくは、低温輸送トラック10は冷凍機付
のコンテナ14を備えている。このコンテナ14
内部は段ボール箱Bを多数収容する保冷室と
して規定され、その内部の温度を20℃以下の
温状態に維持可能である。一方、保冷容器1
2もまたその内部が段ボール箱B及び蓄冷剤16
共に収容可能な保冷室として規定され、こ
蓄冷剤16は保冷容器12内を20℃以下の低温状
に所定期間に亘って維持可能である。なお
保冷容器12が使用される場合、保冷容器12は
の内部に段ボール箱B及び蓄冷剤16を共に収
した状態で、通常の輸送トラックに積み込
れ、この輸送トラックによりたばこ工場か
流通基地に配送される。
流通基地及び中間基地内でのたばこ製品の隔
離
流通基地6及び中間基地8は建屋をそれぞれ
えており、これら建屋内に段ボール箱Bを搬
可能となっている。基地6,8の建屋内はたば
工場2の建屋2aと同様に、その内部が保冷室
してそれぞれ規定され、これら保冷室もま
その内部の温度が20℃以下の低温状態に維
されている。
流通基地から小売り販売店又は中間基地への
配送時のたばこ製品の隔離
ここでの段ボール箱Bの配送には、前述した
低温輸送トラック10又は保冷容器12と同様な
温輸送トラック又は保冷容器が使用される
中間基地から小売り販売店への配送時のたば
こ製品の隔離
ここでのたばこ製品の配送は、段ボール箱B
、カートンC又はシガレットパックCPの梱包形
態にて実施される。それ故、段ボール箱Bの
送には前述した低温輸送トラック10又は保冷
容器12と同様な低温輸送トラック又は保冷容
が使用される。カートンC又はシガレットパ
ックCPの配送には、保冷容器12と同様の機能
発揮するが、保冷容器12よりも小形の保冷容
器が使用される。具体的には、図5は,所定個
のシガレットパックCPを収容可能な小形の
冷容器18を示し、一方、図6は、所定個数の
ートンCを収容可能な中形の保冷容器20を示
。
小売り販売店でのたばこ製品の隔離
小売り販売店4にて、たばこ製品はシガレ ットパックCP又はカートンCを単位として、店 員より消費者に販売されるか、又は、販売店 の中又は外に設置された自動販売機によりシ ガレットパックCPを単位として販売される。
それ故、店外の自動販売機が販売に使用 れる場合、図7に示されるように、自動販売 機は冷凍機22を備えている。この冷凍機22は 動販売機内の温度を20℃以下の低温状態に維 持する。即ち、自動販売機はその内部が保冷 室として規定されている。
一方、店内にて店員によりたばこ製品が 売される場合、小売り販売店4は、図8に示 れるような保冷室、即ち、保冷庫24を備えて いる。この保冷庫24は開閉可能な扉を有し、 の内部に多数のシガレットパックCP又はカ トンCを収容することができる。保冷庫24は 凍機(図示しない)を含み、この冷凍機は、保 冷庫24内の温度を20℃以下の低温状態に維持 る。
店員は消費者の要求に応じ、消費者が指 した銘柄のシガレットパックCP又はカート Cを保冷庫24から取出し、消費者に販売する
可能であれば、小売り販売店4は空調機を 含むことができ、この空調機は店内全体を20 以下の低温状態に維持する。この場合、前 の保冷庫24は不要となり、また、店内への 常の自動販売機の設置も可能となる。
前述した流通システムの各段階にて、た こ製品、即ち、棒状の喫煙物品が20℃以下 低温状態に維持される理由は以下の保管試 の結果に基づく。
先ず、保管試験を受けるフィルタシガレ ト、シガレットサンプルが製造された。こ シガレットサンプルは、シガレット、フィ タ及びこれらシガレット及びフィルタを互 に接続するチップペーパを含み、チップペ パは通気孔を有していない。
シガレットサンプルのシガレットは、l- ントールを含む刻たばこを巻紙によりロッ 形状に包み込んで成形され、一方、フィル は、フィルタ繊維のトウを包材によりロッ 形状に包み込んで成形されている。これら ガレット及びフィルタの成形には製造機MMC40 00(株式会社三條機械製作所性)が使用された
具体的には、シガレットは59mmの長さを有 し、その刻たばこにはシガレット1本当たり 3mgのl-メントールが添加されている。これに 対し、フィルタは25mmの長さを有する。そし 、トウのフィラメントデニールは4g/9000mであ り、フィルタのトータルデニールは3500g/9000m あった。なお、フィルタには可塑剤として トリアセチンが6Wt%、添加されている。
製造されたシガレットサンプルは所定の 数毎に包装され、これにより、多数のサン ルグループ、即ち、サンプルパックが製造 れた。
この後、サンプルパックは5℃,22℃,55℃の 恒温室内にそれぞれ分けて保管され、保管期 間が1週間、2週間、1ヶ月、2ヶ月経過する度 、それぞれの恒温室から所定個数ずつ取り された。そして、取り出されたサンプルパ ク内のシガレットサンプルは、リニア型の 煙機SM400(フィルトローナ社製)を使用し且つI SOの標準喫煙条件に従う喫煙試験を受け、こ 喫煙試験にて、シガレットサンプル1本当た りの主流煙中に含まれるタールの量(T)及びl- ントールの量(M)がそれぞれ測定された。
図9は、タールの量(T)に対するl-メントー の量(M)の比、即ち、M/Tの経時変化を示す。
図9から明らかなように、5℃で保管され シガレットサンプルの場合、2ヶ月の保管期 が経過しても、M/Tの減少は確認されない。 かしながら、22℃で保管されたシガレット ンプルの場合、M/Tが経時的に僅かに減少し いることが分かる。これは、刻たばこに添 されたl-メントールが揮散し、サンプルパッ ク外に放出されたか、又は、揮散したl-メン ールがサンプルパックの包装材料に吸着さ たことに起因すると考えられる。
一方、55℃で保管されたシガレットサン ルの場合、M/Tの経時的減少は著しい。具体 には、5℃で2ヶ月保管されたシガレットサン プルのM/Tに対し、55℃で2ヶ月保管されたシガ レットサンプルのM/Tは約1/3に減少している。
上述の試験結果から明らかなように、メ ソール等の揮発性香料の経時的な減少を抑 するには、たばこ商品を20℃以下の冷温状 にて保管するのが望ましい。なお、たばこ 品がシガレットである場合、シガレットが0 よりも低い温度に保管されると、シガレッ 中の刻たばこ内の水分が凍結し、刻たばこ 風味や味覚を劣化させる虞がある。それ故 シガレットは0~20℃の冷温状態にて保管され るのが好ましい。
以上の説明から明らかなように、本発明 流通システムは、たばこ工場での製造から 売り販売店での販売に至る全ての過程にて たばこ製品を低温状態に維持する。それ故 たばこ製品、即ち、フィルタシガレット自 又はシガレットパック内にメンソール等の 発性香料が含まれていても、たばこ製品の 質を安定して維持することができる。即ち 外気温が上昇しても、揮発性香料の揮散が 止又は低減されるので、フィルタシガレッ 、即ち、シガレットパックの品質はシガレ トパックが消費者の手元に渡るまで確実に 証される。
本発明は、図3~図8に示された隔離手段以 の手段を使用することで、外気温に対して ばこ製品を隔離するようにしてもよい。
2a 建屋(保冷室)
10 低温輸送トラック
12 保冷容器
16 蓄冷剤
18 小形の保冷容器
20 中形の保冷容器
22 自動販売機
24 保冷庫
A 外気温に対するたばこ製品の隔離
B 段ボール箱
C カートン
CP シガレットパック
