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Patent Searching and Data


Title:
TONER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/051072
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a magnetic toner comprising a capsule-type toner particle, wherein the capsule-type toner particle has: a toner matrix particle (A) comprising at least a binder resin (a) mainly composed of polyester, a magnetic material and a wax; and a surface layer (B) formed on the surface of the toner matrix particle (A). The surface layer (B) comprises a resin (b), the resin (b) comprises a resin selected from the group consisting of a polyester resin (b1), a vinyl resin (b2) and an urethane resin (b3), the glass transition temperature Tg(a) of the binder resin (a) and the glass transition temperature Tg(b) of the resin (b) has the relationship represented by the following formula: Tg(a)

Inventors:
KAYA TAKAAKI (JP)
TAMURA SHIGETO (JP)
FUJITA RYOICHI (JP)
KAMBAYASHI MAKOTO (JP)
IKEDA TAKESHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/068443
Publication Date:
April 23, 2009
Filing Date:
October 10, 2008
Export Citation:
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Assignee:
CANON KK (JP)
KAYA TAKAAKI (JP)
TAMURA SHIGETO (JP)
FUJITA RYOICHI (JP)
KAMBAYASHI MAKOTO (JP)
IKEDA TAKESHI (JP)
International Classes:
G03G9/08; G03G9/083; G03G9/087
Foreign References:
JPS61120161A1986-06-07
JPS62150262A1987-07-04
JP2007248793A2007-09-27
JP2000234011A2000-08-29
JP2006154026A2006-06-15
JP2003295512A2003-10-15
JP2003195560A2003-07-09
JP2007183341A2007-07-19
JP2003330217A2003-11-19
JPH07253685A1995-10-03
JP2006195079A2006-07-27
JP2004246344A2004-09-02
Other References:
See also references of EP 2204699A4
Attorney, Agent or Firm:
SERA, Kazunobu et al. (4-10 Higashi Nihonbashi,3-chome, Chuo-k, Tokyo 04, JP)
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Claims:
 ポリエステルを主成分とする結着樹脂(a)、磁性体及びワックスを少なくとも含有するトナー母粒子(A)の表面に、表面層(B)を有するカプセル型のトナー粒子を含有する磁性トナーであって、
 前記表面層(B)は樹脂(b)を含有し、前記樹脂(b)は、ポリエステル樹脂(b1)、ビニル樹脂(b2)及びウレタン樹脂(b3)からなる群から選ばれる樹脂を含有する樹脂であり、
 前記結着樹脂(a)のガラス転移温度Tg(a)と前記樹脂(b)のガラス転移温度Tg(b)が下記式(1)の関係を満たし、
Tg(a)<Tg(b)・・・(1)
 前記磁性トナーの79.6kA/mの外部磁場における磁化(σt)が、12Am 2 /kg以上30Am 2 /kg以下であり、
 前記磁性トナーの平均円形度が、0.960以上1.000以下であることを特徴とする磁性トナー。
 前記磁性トナーの体積抵抗率Rt(ω・cm)とトナーの磁化σt(Am 2 /kg)が、下記式(2)の関係を満足することを特徴とする請求項1に記載の磁性トナー。
LogRt>14-σt/25・・・(2)
 前記磁性トナーの、誘電損率ε”/誘電率ε’で示される誘電損失(tanδ)が、周波数10 5 Hzにおいて、0.015以下であることを特徴とする請求項1に記載の磁性トナー。
 前記磁性トナーの重量平均粒子径(D4)が4.0μm以上9.0μm以下であり、前記磁性トナーの0.6μm以上2.0μm以下の粒子が5.0個数%以下であることを特徴とする請求項1に記載の磁性トナー。
 前記磁性トナーの超音波処理後における0.6μm以上2.0μm以下の粒子が5.0個数%以下であることを特徴とする請求項1に記載の磁性トナー。
 前記表面層(B)の含有量は、前記トナー母粒子(A)100質量部に対し、2.0質量部以上15.0質量部以下であることを特徴とする請求項1に記載の磁性トナー。
 前記トナー粒子の断面拡大写真における、前記磁性体の個数平均分散径が、0.10μm以上、0.50μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の磁性トナー。
 前記樹脂(b)はスルホン酸基を有し、前記樹脂(b)のスルホン酸基価が1mgKOH/g以上25mgKOH/g以下であることを特徴とする請求項1に記載の磁性トナー。
 前記樹脂(b)が、ウレタン樹脂(b3)を含有することを特徴とする請求項1に記載の磁性トナー。
 前記表面層(B)は、前記樹脂(b)を含有する数平均粒子径が30nm以上100nm以下の樹脂微粒子から形成された層であることを特徴とする請求項1に記載の磁性トナー。
 前記トナー粒子は、前記樹脂(b)を含有する樹脂微粒子を分散させた水系媒体中に、少なくとも、前記結着樹脂(a)、前記磁性体及び前記ワックスを有機媒体中で溶解又は分散させて得られた溶解物又は分散物を分散させ、得られた分散液から前記有機媒体を除去し乾燥することによって得られたものであることを特徴する請求項1に記載の磁性トナー。
 前記磁性体は、一部の結着樹脂(a)とともに有機媒体に予め分散し、その後、残りの結着樹脂(a)及びワックスと混合し、前記溶解物又は分散物が調製されることを特徴とする請求項11に記載の磁性トナー。
 前記磁性トナーの損失弾性率の最大値を示す温度をTt(℃)としたとき、40℃≦Tt≦60℃であり、
 温度(Tt+5)(℃)、及び温度(Tt+25)(℃)における損失弾性率をそれぞれG”t(Tt+5)、及びG”t(Tt+25)としたとき、G”t(Tt+5)/G”t(Tt+25)が40より大きいことを特徴とする請求項1に記載の磁性トナー。
 前記結着樹脂(a)は、軟化点の異なる、樹脂(a1)、及び樹脂(a2)を少なくとも含有し、前記樹脂(a1)の軟化点が100℃以下であり、前記樹脂(a2)の軟化点が120℃以上であることを特徴とする請求項13に記載の磁性トナー。
 前記樹脂(a1)のテトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定された分子量分布において、重量平均分子量が2000以上20000以下、前記樹脂(a2)のテトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定された分子量分布において、重量平均分子量が30000以上150000以下であることを特徴とする請求項14に記載の磁性トナー。
 前記樹脂(a1)のテトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定された分子量分布において、数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量(Mw)の比(Mw/Mn)が1.0以上8.0以下であることを特徴とする請求項14に記載の磁性トナー。
 前記結着樹脂(a)に占める樹脂(a1)の割合が、50質量%以上90質量%以下であることを特徴とする請求項14に記載の磁性トナー。
 前記樹脂(b)の損失弾性率の最大値を示す温度をTb(℃)としたとき、(Tb-Tt)が5℃以上、20℃以下であり、温度(Tb+5)(℃)、及び温度(Tb+25)(℃)における樹脂(b)の損失弾性率をそれぞれG”b(Tb+5)、及びG”b(Tb+25)としたとき、G”b(Tb+5)/G”b(Tb+25)が10より大きいことを特徴とする請求項13に記載の磁性トナー。
 前記磁性トナーの120℃における貯蔵弾性率(G’t(120))が、5.0×10 2 Pa以上、5.0×10 4 Pa以下であることを特徴とする請求項13に記載の磁性トナー。
 前記トナー粒子は、磁性体を除いたテトラヒドロフラン(THF)不溶分を3質量%以上10質量%以下含有することを特徴とする請求項13に記載の磁性トナー。
 前記磁性トナーの遠心法付着力測定装置により測定された平均付着力(F50)が50(nN)以下であることを特徴とする請求項1に記載の磁性トナー。
 前記トナー粒子表面の平均粗さ(Ra)が1.0nm以上5.0nm以下であることを特徴とする請求項21に記載の磁性トナー。
Description:
トナー

 本発明は、電子写真法,静電記録法,トナ ジェット方式記録法などを利用した記録方 に用いられるトナーに関する。詳しくは、 発明は、静電潜像担持体上にトナー画像を 成後、転写材上に転写させてトナー画像を 成し、熱圧力下で定着して定着画像を得る 複写機、プリンター、ファックスに用いら るトナーに関する。

 近年、電子写真装置に於いても省エネルギ 化が大きな技術的課題として考えられ、定 装置にかかる熱量の大幅な削減が挙げられ いる。従って、トナーにおいて、より低エ ルギーで定着が可能ないわゆる「低温定着 」のニーズが高まっている。
 従来、より低温での定着を可能とするため は結着樹脂をよりシャープメルトにする手 が効果的な方法の一つとして知られている この点においてポリエステル樹脂は優れた 性を示す。
 特許文献1では、60℃におけるトナーの貯蔵 性率と80℃におけるトナーの貯蔵弾性率と 比(G’(60)/G’(80))が10以上40以下のカプセルト ナーが提案されている。しかし高速機で用い た場合、シャープメルト性が弱く、低温定着 性が不十分となる場合があった。

 一方、高画質化の別の観点として、高解像 高精細化の目的から、トナーの小粒径化、 度分布シャープ化が進められるとともに、 写効率や流動性の向上の目的から球形のト ーが好適に用いられるようになってきてい 。そして効率的に小粒径で球形なトナー粒 を調製する方法としては、湿式法が用いら るようになってきている。
 シャープメルトなポリエステル樹脂を用い ことのできる湿式法として、樹脂成分を、 と非混和性である有機溶媒に溶解し、この 液を水相中に分散して油滴を形成すること より、球形トナー粒子を製造する「溶解懸 」法が提案されている(特許文献2)。この手 によれば、低温定着性に優れるポリエステ を結着樹脂とした小粒径で球形のトナーを 便に得ることができる。
 更に、上述したポリエステルを結着樹脂と た溶解懸濁法で生成されたトナー粒子にお て、更なる低温定着性を目的として、カプ ル型のトナー粒子も提案されている。

 特許文献3には以下の方法が提案されている 。
 ポリエステル樹脂、イソシアネート基を有 る低分子化合物、及びその他の成分を酢酸 チルに溶解及び分散して油相を調製し、水 で液滴を調製する。これにより、液滴界面 イソシアネート基を有する化合物を界面重 させることで、ポリウレタンもしくはポリ レアを最外殻としたカプセルトナー粒子を 製する。
 また、特許文献4、5には、それぞれビニル 樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、 リエステル樹脂のいずれかまたはそれらを 用した樹脂微粒子の存在下で溶解懸濁法に りトナー母粒子を調製し、上記樹脂微粒子 トナーの母粒子の表面が被覆されたトナー 子を調製する手法が提案されている。
 特許文献6には、ウレタン変性ポリエステル 樹脂微粒子を分散剤として用いた溶解懸濁法 によるトナー粒子が提案されている。
 特許文献7には、ポリウレタン樹脂(a)からな る皮膜状の1層以上のシェル層(P)と樹脂(b)か なる1層のコア層(Q)とで構成されるコア・シ ル型のトナー粒子が提案されている。
 このコア・シェル型のトナー粒子において 、コア部分を低粘度にし、耐熱性保存性に る性質を、シェル部分の耐熱保存性で補う 成をとる。この場合、シェル部分はやや熱 に固いものを用いるために、高度に架橋し り、高い分子量にしたりするなどの工夫が 要であるため低温定着性を阻害してしまう 向にある。

 一方、白黒用のプリンターに関しては、パ ソナル使用や、オフィスの設置面積を考え より小型化の傾向が強い。そのため、装置 小型化できるメリットで、一成分現像方式 好ましく用いられている。一成分現像方式 は、磁性粒子をトナーに含有させて磁力の 用により現像剤の担持搬送を行なう磁性一 分現像方式と、磁性粒子を用いずに現像剤 摩擦電荷の作用などで現像剤を現像剤担持 (現像スリーブ)へ担持させる非磁性一成分 像方法がある。磁性一成分現像方式におい は、カーボンブラックなどの着色剤は用い 、磁性粒子を着色剤として兼用させること できる。
 磁性一成分現像方式に用いる、磁性トナー ついては、これまで各種のトナーが提案さ ている。例えば、結着樹脂中に磁性粉を溶 混練し、粉砕し用いる乾式のトナーや、特 文献8には懸濁重合によりスチレン系樹脂中 に磁性粉を分散させる重合法のトナーが提案 されている。また、特許文献9にはポリエス ルを用いた溶解懸濁法のトナーが提案され いる。
 しかしながら、溶解懸濁法を用いた磁性ト ーには様様な問題が生じやすかった。問題 生じる一つの理由は、磁性体の分散が不十 であると、脱離した磁性体が多く発生しや く、トナーの抵抗を下げやすいという点に った。その結果、トナー帯電量が下がり、 像不良、転写不良等が発生しやすくなった 、剤汚染等を引き起こしやすかった。また 離型剤の添加量を大きくした場合、トナー 子表面に離型剤が出やすくなり、流動性不 による、画像品位の低下しやすくなった。

 また、これら現像、転写といった電子写真 ロセスにおいて画像品質を高める手段とし 、トナーの付着力を制御することで現像性 転写性を高めようといった検討もなされて る。
 しかしながら大半は、トナーと、潜像担持 や現像、転写工程に付随する部材との付着 に関する検討が多く、トナーそのものの付 力について議論されたものは数少ない。例 ば、特許文献10、特許文献11では、トナーと キャリア粒子との間での付着力についての提 案がなされているものの、磁性トナーを用い た場合におけるトナーの付着力により現像性 、転写性を向上させるための検討はこれまで に十分になされていない。

特開2006-293273号公報

特開平08-248680号公報

特開平05-297622号公報

特開2004-226572号公報

特開2004-271919号公報

特許第3455523号

WO2005/073287

特開2003-043737号公報

特開平8-286423号公報

特開2006-195079号公報

特開2006-276062号公報

 本発明は、上記のような問題を鑑みてな れたものであり、低温定着性に優れたカプ ル型の磁性トナーでありながら、耐オフセ ト性が高く、帯電性にも優れた磁性トナー 提供することにある。更には、黒文字、ラ ン、ドットが精細であり、高品位な画像を ることにある。更に、小粒径で粒度分布が ャープで球形の磁性トナーを提供すること ある。

 本発明の磁性トナー(以下、単にトナーとも いう)は、ポリエステルを主成分とする結着 脂(a)、磁性体及びワックスを少なくとも含 するトナー母粒子(A)の表面に、表面層(B)を するカプセル型のトナー粒子を含有する磁 トナーであって、
 前記表面層(B)は樹脂(b)を含有し、前記樹脂( b)は、ポリエステル樹脂(b1)、ビニル樹脂(b2) びウレタン樹脂(b3)からなる群から選ばれる 脂を含有する樹脂であり、
 前記結着樹脂(a)のガラス転移温度Tg(a)と前 樹脂(b)のガラス転移温度Tg(b)が下記式(1)の関 係を満たし、
Tg(a)<Tg(b)・・・(1)
 前記磁性トナーの79.6kA/mの外部磁場におけ 磁化(σt)が、12Am 2 /kg以上30Am 2 /kg以下であり、
 前記磁性トナーの平均円形度が、0.960以上1. 000以下であることを特徴とする。

 本発明によれば、トナーはカプセル型の構 を有する。そして、低粘度、離型性、着色 いった機能をトナー母粒子(A)に持たせ、表 層(B)に耐熱保存性や現像性に係る機能を持 せることにより、低温定着性、耐熱保存性 トナーの熱的特性と、現像性、転写性とい たトナーの電気的特性の双方を満足するト ーが得られた。
 特にトナー母粒子(A)にポリエステルを主成 にする結着樹脂(a)を用いることにより、ト ーのシャープメルト性を向上させた一方で 磁性体及びワックスの分散性を制御するこ が出来た。
 また、表面層(B)でカプセル型構造を有する とにより、磁性体の表面露出を減らし、帯 性に優れるトナーを提供することが可能と り、トナー飛散、カブリといった黒トナー 抱える問題を解決できた。
 更に、本発明の好ましい形態によれば、ト ーの形状制御、表面性制御も可能である。 って、帯電性、現像性、転写性、クリーニ グ性、定着性といった電子写真特性につい 優れた特性を有するトナーを提供すること できる。

フローテスターからのデータに基づく ローカーブ図である。 トナーの体積抵抗率を測定する装置の 略図である。 摩擦帯電量を測定する装置の概略図で る。 トナーが剥離し、紙の地肌が見えるサ プル図である。

符号の説明

1  吸引機(測定容器2と接する部分は少なく も絶縁体)
2  金属製の測定容器
3  500メッシュのスクリーン
4  金属製のフタ
5  真空計
6  風量調節弁
7  吸引口
8  コンデンサー
9  電位計
11 下部電極
12 上部電極
13 絶縁物
14 電流計
15 電圧計
16 定電圧装置
17 キャリア
18 ガイドリング
d  試料厚み
E  抵抗測定セル

 本発明の磁性トナーは、ポリエステルを主 分とする結着樹脂(a)、磁性体及びワックス 少なくとも含有するトナー母粒子(A)の表面 、表面層(B)を有するカプセル型のトナー粒 を含有する磁性トナーであって、
 前記表面層(B)は樹脂(b)を含有し、前記樹脂( b)は、ポリエステル樹脂(b1)、ビニル樹脂(b2) びウレタン樹脂(b3)からなる群から選ばれる 脂を含有する樹脂であり、
 前記結着樹脂(a)のガラス転移温度Tg(a)と前 樹脂(b)のガラス転移温度Tg(b)が下記式(1)の関 係を満たし、
Tg(a)<Tg(b)・・・(1)
 前記磁性トナーの79.6kA/mの外部磁場におけ 磁化(σt)が、12Am 2 /kg以上30Am 2 /kg以下であり、
 前記磁性トナーの平均円形度が、0.960以上1. 000以下であることを特徴とする。

 本発明の磁性トナーは、ポリエステルを主 分とする結着樹脂(a)、磁性体及びワックス 少なくとも含有するトナー母粒子(A)の表面 、表面層(B)を有するカプセル型の構造(カプ セル構造)を有している。
 上記カプセル構造をとらない場合、例えば ワックスを含有するトナーでは、トナー表 にワックスが析出することにより、トナー 凝集しやすくなり、現像領域での攪拌不良 クリーナーでのつまりを引き起こしやすい また、磁性体がトナー表面に出ることで、 ナー表面の抵抗値が下がり帯電量の低下を き起こしやすい。帯電の低下は、現像領域 けでなく、感光体への電荷注入や転写時の 離放電によるトナー帯電量の変化も発生し すい。

 これらの影響をなくすために表面層(B)の含 量は、トナー母粒子(A)100質量部に対し、2.0 量部以上15.0質量部以下であることが好まし い。2.0質量部より小さい場合、カプセル化が 不十分であり、上記、問題点が発生しやすく なる。また15.0質量部より大きい場合、定着 においても、該表面層(B)の性質を強く反映 、シャープメルトであるトナー母粒子(A)の 徴を発揮できにくくなる。より好ましくは 2.5質量部以上12.0質量部以下、更に好ましく 、3.0質量部以上10.0質量部以下である。
 しかしながら、カプセル型トナーは、耐熱 存性が良化する一方で、トナー母粒子が比 的高粘度の表面層を有するため、定着阻害 おこしやすく、十分な低温定着性を得にく 。そのため、表面層(B)は、耐熱保存性を満 しながら、できるだけ、低粘度にすること 必要である。

 本発明で用いる表面層(B)は樹脂(b)を含有し 樹脂(b)は、ポリエステル樹脂(b1)、ビニル樹 脂(b2)及びウレタン樹脂(b3)からなる群より選 れる樹脂を含有する樹脂である。
 また、本発明の磁性トナーは、ポリエステ を主成分にする結着樹脂(a)のガラス転移温 Tg(a)と上記樹脂(b)のガラス転移温度Tg(b)は下 記式(1)の関係を満たす。
 Tg(a)<Tg(b)  ・・・・・・ (1)
 即ち、Tg(b)をTg(a)より大きくすることにより 、トナーの熱特性を低温での低粘度を実現し たまま、耐熱性を維持できるトナーが達成で きる。
 ここで、Tg(a)は35℃以上、65℃以下が好まし 、更に、40℃以上60℃以下がより好ましい。 Tg(b)の好ましい範囲は後述する。

 トナーの一定昇温速度における動的粘弾 測定において、損失弾性率の温度変化を観 すると、以下のことが観察される。即ち、 ナーの損失弾性率の最大値を示す温度をTt( )としたとき、トナーは温度Tt(℃)より低い 度領域でガラス状態を維持し、温度Tt(℃)で 転移を起こし、温度Tt(℃)より高い温度では 温度上昇につれて粘性が低下する。トナーは 温度Tt(℃)より低い温度では、変形しにくい とが好ましく、良好な耐熱保存性を示す。 方、トナーは温度Tt(℃)より高い温度領域で 、速やかに粘性が低下することが好ましく 優れた低温定着性を発揮する。

 本発明の磁性トナーは、損失弾性率の最 値を示す温度をTt(℃)としたとき、40℃≦Tt 60℃、であることが好ましく、45℃≦Tt≦55℃ であることがより好ましい。温度Tt(℃)がこ 範囲であることによって、耐熱保存性と低 定着性とを両立するための材料設計が行な ことができる。温度Tt(℃)は、トナー粒子の 成分、すなわちポリエステルを主成分とす 結着樹脂(a)を適切に選択することにより、 記範囲にコントロールすることができる。

 更に、温度(Tt+5)(℃)、及び温度(Tt+25)(℃) おける損失弾性率をそれぞれG”t(Tt+5)、及び G”t(Tt+25)としたとき、G”t(Tt+5)/G”t(Tt+25)が40 り大きいことが好ましい。G”t(Tt+5)/G”t(Tt+2 5)は、温度Tt(℃)より高い温度領域におけるト ナーのシャープメルト性を意味する。すなわ ち、G”t(Tt+5)/G”t(Tt+25)が40より大きいという とは、高いシャープメルト性を有すること 意味しており、熱に対する感度が高くなり 低温定着に有利になるため好ましい。さら 、G”t(Tt+5)/G”t(Tt+25)は、50以上であること 好ましく、より好ましくは60以上である。ま た、上記値は、200より小さいことが好ましい 。上記値が200以上であるような場合、温度に 依存した粘度の変化が大きすぎ、低温定着性 、高温オフセット性のいずれかに劣るように なりやすい。

 上記G”t(Tt+5)/G”t(Tt+25)を40より大きくする めには、以下の方法を例示できる。
 例えば、ポリエステルを主成分とする結着 脂(a)を、軟化点の異なる、樹脂(a1)、樹脂(a2 )とで形成し、前記樹脂(a1)の軟化点を100℃以 とし、前記樹脂(a2)の軟化点を120℃以上とす る方法がある。より好ましくは、樹脂(a1)の 化点は90℃以下、樹脂(a2)の軟化点は130℃以 である。
 更に、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲ パーミエーションクロマトグラフィー(GPC)に より測定された分子量分布において、前記樹 脂(a1)の重量平均分子量が2000以上20000以下(よ 好ましくは、3000以上15000以下)であり、前記 樹脂(a2)の重量平均分子量が30000以上150000以下 (より好ましくは、50000以上120000以下)である とが好ましい。さらには、前記樹脂(a1)の数 均分子量(Mn)に対する重量平均分子量(Mw)の (Mw/Mn)が1.0以上8.0以下(より好ましくは、1.2以 上6.0以下)であることが好ましい。
 前記ポリエステルを主成分とする結着樹脂( a)に占める樹脂(a1)の割合が、50質量%以上90質 %以下(より好ましくは、55質量%以上85質量% 下)であることが好ましい。

 また、前記樹脂(b)の損失弾性率の最大値を す温度をTb(℃)としたとき、(Tb-Tt)が5℃以上 20℃以下であることが好ましく、5℃以上15 以下であることがより好ましい。この範囲 満たす場合には、耐熱保存性をより高める とができる。
 更に、温度(Tb+5)(℃)、及び温度(Tb+25)(℃)に ける樹脂(b)の損失弾性率をそれぞれG”b(Tb+5) 、及びG”b(Tb+25)としたとき、G”b(Tb+5)/G”b(Tb+ 25)が10より大きい(より好ましくは20以上)こと が好ましい。この場合には、より良好なシャ ープメルト性が得られる。
 上記G”b(Tb+5)/G”b(Tb+25)の調節は、樹脂(b)調 時に重合生成物が均一になりやすい条件、 とえばエステル結合の生成であればエステ 交換反応や酸無水物を用いることで可能で る。ウレタン結合の生成であれば、例えば ジオール、ジイソシアネートに組成均一な 料を用いることで、上記範囲を満たすこと 可能である。

 前記トナー粒子は、磁性体を除いたテト ヒドロフラン(THF)不溶分を3質量%以上10質量% 以下含有することが好ましい。より好ましく は、4質量%以上8質量%以下である。磁性体を いたTHF不溶分が上記の範囲内であれば、よ 良好な耐オフセット性を得ることができる

 また、本発明の磁性トナーは、120℃におけ 貯蔵弾性率(G’t(120))が、5.0×10 2 Pa以上、5.0×10 4 Pa以下(より好ましくは、8.0×10 2 Pa以上、3.0×10 4 Pa以下)であることが好ましい。上記範囲を満 たす場合には、低温定着性と耐オフセット性 をより良好に両立することができる。
 上記G’t(120)は結着樹脂(a)の120℃における弾 性、結着樹脂(a)に占める樹脂(a2)の割合、磁 体量等を調節することで上記範囲を満たす とが可能である。

 本発明の磁性トナーの平均円形度は、0.96 0以上1.000以下である。磁性トナーの平均円形 度が0.960より小さい場合、転写効率の低下を き起こしやすい。より好ましくは、磁性ト ーの平均円形度は0.965以上0.990以下である。 前記平均円形度は、例えば、溶解懸濁法を用 いてトナーを作製したり、またその過程にお いて、スラリー中で球形化処理したりするこ とによって達成できる。

 本発明の磁性トナーは、遠心法付着力測定 置(NS-C100:ナノシーズ社製)により測定された 平均付着力(F50)が50(nN)以下であることが好ま い。より好ましくは45(nN)以下、更に、好ま くは40(nN)以下である。一方、上記平均付着 (F50)は、5(nN)以上であることが好ましい。平 均付着力が上記範囲を満たす場合には、より 良好な現像性や転写性が得られるようになる 。
 上記平均付着力(F50)は、トナー粒子表面の 均粗さ(Ra)、平均円形度やトナー粒度分布等 調節することで上記範囲を満たすことが可 である。

 本発明の磁性トナーに用いるトナー粒子表 の平均粗さ(Ra)(以下単に平均粗さ(Ra)ともい )は、好ましくは1.0nm以上5.0nm以下であり、 り好ましくは1.5nm以上5.0nm以下であり、更に ましくは2.0nm以上5.0nm以下である。
 トナー粒子の表面が上記平均粗さを有して ることにより、トナー間における接触面積 減り、平均付着力(F50)を50(nN)以下にするこ ができる。
 トナー粒子表面の平均粗さ(Ra)をコントロー ルする方法としては、溶解懸濁法にてトナー 粒子を製造する場合には、分散液から溶媒を 除去するスピードをコントロールすることや 、溶媒を除去する工程において、分散液を有 する容器中を窒素ガスで置換する、もしくは 、分散液中に窒素ガスをバブリングすること が挙げられる。また、上記溶解懸濁法による トナー粒子の調製において、油相中にワック スと共にワックス分散剤を用いることでも平 均粗さを小さくすることができる。

 本発明の磁性トナーの、79.6kA/mの外部磁場 おける磁化(σt)は、12Am 2 /kg以上30Am 2 /kg以下である。磁性トナーの磁化(σt)が12Am 2 /kgより小さい場合、トナー担持体での保持能 力が小さくなり、トナー飛散、紙上へのカブ リの原因となりやすい。また、トナーの磁化 (σt)が30Am 2 /kgを超える場合、磁性体量が多くなりすぎる 傾向があり、磁性体の分散不良や、樹脂成分 減少による定着性の低下を引き起こしやすい 。好ましくは、磁性トナーの79.6kA/mの外部磁 における磁化(σt)は、15Am 2 /kg以上28Am 2 /kg以下である。
 尚、磁性トナーの磁化(σt)は、磁性体の添 量、用いる磁性体の磁化等を調節すること 上記範囲とすることができる。

 ここで、溶解懸濁法でポリエステルを用い 磁性トナーを作製する場合、磁性体の分散 良が発生しやすかった。また、磁性体を入 ることにより、トナー粒子の安定製造が厳 くなり、白ダマの発生、磁性体のトナー表 への析出、ひいては、造粒不良で粒子径の らつきが発生しやすくなった。
 そのため、以下[1]~[3]の方法を用いることに より高画質に対応できるトナーの提供が可能 である。
[1]ポリエステルを主成分にする結着樹脂(a)と 磁性体を十分に予備混合し、磁性体の分散性 を高めておくこと。
[2]表面層(B)に用いる樹脂(b)の極性を上げ、ト ナー粒子中に磁性体をしっかりと閉じ込める こと。
[3]磁性体を疎水化処理し水相への親和力を下 げること。

 次に、上記[1]、即ちポリエステルを主成分 する結着樹脂(a)と磁性体を十分に予備混合 、磁性体の分散性を高める手法について述 る。
 磁性体の分散性を上げるため本発明では、 式分散(メディア分散)や乾式混錬を行なう とが好ましい。
 更に磁性体の分散性を上げるためには、
1)乾式混練品を湿式分散する。
2)乾式混練時に溶媒を添加する。
3)乾式混練時にワックスを添加する。
 これら手法は、単独又は組み合わせて行な ことも出来る。
 また、各種材料の予備分散後、油相の調製 の混合過程において、各成分の分散が不十 になりやすい。特に、本発明において、磁 体の分散不良は性能低下に顕著な傾向が現 る。本発明では、通常の機械式撹拌翼での 散だけでなく、超音波による微分散工程や 相混合液のメディア分散工程を入れること 、磁性体のトナー粒子への分散を改善する とが出来る。

 上記[2]、即ち表面層(B)に用いる樹脂(b)の極 を上げ、トナー粒子中に磁性体を閉じ込め ためには、以下の如き手法を用いることが きる。
 表面層(B)に用いる樹脂(b)に極性の高い官能 を導入する。例えは、カルボキシル基、ス ホン酸基を樹脂(b)に導入する。更には、ウ タン結合を有するポリウレタンを主鎖とす 樹脂を用い、それに上記官能基を導入する とも有効である。

 上記[3]、即ち磁性体を疎水化処理し水相 の親和力を下げることは、トナー粒子から 相に出る遊離の磁性体を減らすことには有 であるが、処理量を上げ疎水性の高い処理 を用いる場合、磁性体がトナー粒子中で凝 しやすいので注意を要する。

 本発明の磁性トナーは、トナーの体積抵抗 Rt(ω・cm)とトナーの磁化σt(Am 2 /kg)が下記式(2)の関係を満足することが好ま い。
   LogRt>14-σt/25・・・(2)
 これは、上記磁性体の遊離、表面存在量を 少させ、カプセル型のトナーとして、樹脂 トナー母粒子の表面を覆うとともに、磁性 の分散を良くしたためと考えられる。
 また、本発明のトナーは下記式(3)の関係を 足することがより好ましい。
 LogRt>15-σt/25・・・(3)
 更に、本発明の磁性トナーは下記式(4)の関 を満足することが好ましい。
 LogRt>15-σt/40・・・(4)
 上記磁性トナーの体積抵抗率と磁性トナー 磁化の関係は、磁性体の分散を上げること 及びコア・シェル構造を形成することで上 範囲を満たすことが可能である。

 本発明の磁性トナーは、トナーの誘電損率 ”/誘電率ε’で示される誘電損失(tanδ)が、 波数10 5 Hzにおいて、0.015以下であることが好ましい より好ましくは0.010以下である。一方、上記 誘電損失(tanδ)は、周波数10 5 Hzにおいて、0.004以上であることが好ましい
 磁性トナーの誘電損失が上記範囲内であれ 、飛び散りや現像性の低下を抑えることが き、現像、転写時等においてもより安定し 帯電を得やすくなる。
 上記磁性トナーの誘電損失(tanδ)は、磁性体 の分散状態を制御すること、すなわち、磁性 体の分散方法を選択することで上記範囲を満 たすことが可能である。特に油相調製時に超 音波分散をかけることにより、出力、照射時 間等を調整し分散状態の制御が可能である。

 本発明の磁性トナーにおいて、トナー粒子 断面拡大写真における、磁性体の個数平均 散径は、0.50μm以下であることが好ましい。 磁性体の個数平均分散径が0.50μm以下であれ 、十分な着色力が得られやすく、また上記 誘電正接の規定を満たしやすくなる。より ましくは0.45μm以下である。尚、上記磁性体 個数平均分散径は、0.10μm以上であることが 好ましく、より好ましくは0.20μm以上である
 上記トナー粒子の断面拡大写真における、 性体の個数平均分散径は、油相調製時の超 波分散時の出力、照射時間等を調節するこ で上記範囲を満たすことが可能である。

 本発明に於いては、磁性トナーの重量平均 子径(D4)が4.0μm以上9.0μm以下であることが好 ましく、4.5μm以上7.0μm以下であることがより 好ましい。
 トナーの重量平均粒子径が上記の範囲内で ると、長時間の使用後などにおいてもトナ のチャージアップの発生を良好に抑制でき 画像濃度の低下を抑制できる。また、ライ 画像等を出力する場合に於いても飛び散り ボタ落ちの発生を良好に抑制できる。
 また、トナーの重量平均粒子径(D4)は、樹脂 (b)の添加量、油相や分散液の配合量を制御す ることで上記範囲に調整することが可能であ る。

 本発明の磁性トナーにおいて、トナーの0.6 m以上2.0μm以下の粒子(以下、トナーの微粉量 ともいう)が5.0個数%以下であることが好まし 、2.0個数%以下であることがより好ましい。 2.0μm以下の微粉が5.0個数%以下である場合、 汚染や、帯電量変動の発生を抑制できやす 、長期画出し後においても濃度低下やかぶ といった問題の発生を抑制しやすい。
 更に、本発明の磁性トナーは、トナーを水 散体中で超音波処理した後であっても、ト ーの0.6μm以上2.0μm以下の粒子の含有量が5.0 数%以下であることが好ましい。特に、高速 機等の現像器中でシェアがかかる場合、トナ ー割れや、シェル剥がれといった問題が発生 しやすくなり、上記問題の原因となる。より 好ましくは、2.0個数%以下である。
 上記トナーの微粉量は、乳化時の撹拌強度 、乳化後の脱溶剤時の撹拌羽の回転速度等 調節することで上記範囲を満たすことが可 である。

 本発明の磁性トナーの重量平均粒子径(D4) と個数平均粒子径(D1)の比D4/D1は1.25以下であ ことが好ましい。より好ましくは1.20以下で る。尚、上記D4/D1の下限値は1.00である。

 以下に本発明に用いられるトナー母粒子(A) ついて詳しく述べる。
 本発明に用いられるトナー母粒子(A)は、ポ エステルを主成分とする結着樹脂(a)、磁性 及びワックスを少なくとも含有する。従っ 、必要に応じて上記以外に、他の添加剤を んでもよい。
 本発明に用いられる、上記結着樹脂(a)は、 成分としてポリエステルを含有する。ここ 「主成分」とは、上記結着樹脂(a)の総量に し50質量%以上をポリエステルが占めること 意味する。上記ポリエステルには、アルコ ル成分として脂肪族ジオールを主成分とし 用いたポリエステル、及び/又は、アルコー ル成分として芳香族ジオールを主成分として 用いたポリエステルを用いることが好ましい 。

 上記脂肪族ジオールは、好ましくは炭素数 2~8であり、より好ましくは炭素数が2~6であ 。
 上記炭素数2~8の脂肪族ジオールとしては、 チレングリコール、1,2-プロピレングリコー ル、1,3-プロピレングリコール、1,4-ブタンジ ール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサン オール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブテ ジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オク ンジオールのジオール、グリセリン、ペン エリスリトール、トリメチロールプロパン 3価以上の多価アルコールが挙げられる。こ らの中では、α,ω-直鎖アルカンジオール好 しく、1,4-ブタンジオール及び1,6-ヘキサン オールがより好ましい。更に耐久性の観点 ら、脂肪族ジオールの含有量はポリエステ を構成するアルコール成分中、30~100モル%で ることが好ましく、より好ましくは50~100モ %である。
 上記芳香族ジオールとしては、ポリオキシ ロピレン(2.2)-2,2-ビス (4-ヒドロキシフェニ )プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)-2,2-ビ (4-ヒドロキシフェニル)プロパンが挙げられ 。

 上記ポリエステルを構成するカルボン酸成 としては以下のものが挙げられる。
 フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、 リメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族 価カルボン酸、フマル酸、マレイン酸、ア ピン酸、コハク酸、ドデセニルコハク酸、 クテニルコハク酸等の炭素数1~20のアルキル 基又は炭素数2~20のアルケニル基で置換され コハク酸等の脂肪族多価カルボン酸、それ の酸の無水物及びそれらの酸のアルキル(炭 数1~8)エステル等。
 上記カルボン酸は、帯電性の観点から、芳 族多価カルボン酸化合物が含有されている とが好ましく、その含有量は、上記ポリエ テルを構成するカルボン酸成分中、30~100モ %が好ましく、50~100モル%がより好ましい。
 また、原料モノマー中には、定着性の観点 ら、3価以上の多価モノマー、即ち3価以上 多価アルコール及び/又は3価以上の多価カル ボン酸化合物が含有されていてもよい。
 上記ポリエステルの製造方法は、特に限定 れず、公知の方法に従えば良い。例えば、 ルコール成分とカルボン酸成分とを不活性 ス雰囲気中にて、必要に応じてエステル化 媒を用いて、180~250℃で縮重合する製造方法 が挙げられる。

 上記結着樹脂(a)は、上記脂肪族ジオールを ルコール成分として使用したポリエステル 主成分として含むことが好ましい。一方、 記結着樹脂(a)が、アルコール成分としてビ フェノール系モノマーを使用したポリエス ルを含む場合であっても、該結着樹脂(a)の 融特性に大きな差は見られない。しかしな ら、樹脂(b)との関係で、造粒性に影響を及 す場合があるため、適宜適正なポリエステ を選ぶことが有効である。
 上記結着樹脂(a)は、特定量の脂肪族ジオー や芳香族ジオールをアルコール成分として 用したポリエステル以外の樹脂、例えば、 肪族ジオールの使用量が上記範囲外である リエステル樹脂、スチレン-アクリル樹脂、 ポリエステルとスチレンアクリルの混合樹脂 、エポキシ樹脂等が含有されていてもよい。 その場合、上記特定量の脂肪族ジオールをア ルコール成分として使用したポリエステルの 含有量が、結着樹脂(a)全量に対して、50質量% 以上が好ましく、70質量%以上がより好ましい 。

 更に本発明では結着樹脂(a)の分子量は、ピ ク分子量が8000以下、好ましくは5500未満で ることがより好ましい形態の一つである。 に、分子量10万以上の割合が5.0%以下、より ましくは1.0%以下であることも好ましい形態 一つである。
 結着樹脂(a)の分子量が上記の規定を満たす 合には、より良好な定着性が得られる。
 また本発明においては、結着樹脂(a)の分子 が1000以下の割合が10.0%以下、より好ましく 7.0%未満であることが好ましい。この場合に は、低分子量成分二起因する部材汚染を良好 に抑制できる。

 本発明においては、上記結着樹脂(a)の分子 1000以下の割合を10.0%以下にするために、以 のような調製方法を好適に用いることがで る。
 分子量1000以下の割合を少なくするためには 、結着樹脂を溶媒に溶解させその溶液を水と 接触させて放置することによって、分子量100 0以下の割合を効果的に減少させることがで る。このような操作により、水中に上記分 量1000以下の低分子量成分が溶出し、効果的 樹脂溶液から除去することができる。
 上記理由から、例えば、トナーの製造方法 して前述した溶解懸濁法を用いることが好 しい。結着樹脂(a)と磁性体とワックスとを 解乃至分散した溶液を、水系媒体中で懸濁 せる前に、水系媒体と接触させたまま放置 る方法を用いることで効率的に低分子量成 を除去することができる。

 本発明においてトナーの分子量を調節する めに、2種類以上の分子量を持つ樹脂を混合 して用いても良い。
 本発明において、結着樹脂(a)中に結晶性ポ エステルを含有させても良い。結晶性ポリ ステルとしては、脂肪族ジオールを主成分 したアルコール成分と脂肪族ジカルボン酸 合物を主成分としたカルボン酸成分を縮重 させて得られる樹脂が好ましい。その中で 、炭素数が2~6、好ましくは4~6の脂肪族ジオ ルを60モル%以上含有したアルコール成分と 素数が2~8、好ましくは4~6、より好ましくは4 の脂肪族ジカルボン酸化合物を60モル%以上含 有したカルボン酸成分を縮重合させて得られ た樹脂が好ましい。
 上記結晶性ポリエステルを構成する上記炭 数2~6の脂肪族ジオールとしては以下のもの 挙げられる。エチレングリコール、1,2-プロ ピレングリコール、1,3-プロピレングリコー 、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール 、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリ ール、1,4-ブテンジオール。これらの中でも 1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール 好ましい。
 上記結晶性ポリエステルを構成するアルコ ル成分には、脂肪族ジオール以外の多価ア コール成分が含有されていてもよい。該多 アルコール成分としては以下のものが挙げ れる。ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス ( 4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシ エチレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル) ロパン等のビスフェノールAのアルキレン( 素数2~3)オキサイド(平均付加モル数1~10)付加 等の2価の芳香族アルコールやグリセリン、 ペンタエリスリトール、トリメチロールプロ パン等の3価以上のアルコール。
 上記結晶性ポリエステルを構成する炭素数2 ~8の脂肪族ジカルボン酸化合物としては以下 ものが挙げられる。シュウ酸、マロン酸、 レイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタ ン酸、グルタコン酸、コハク酸、アジピン 、及びこれらの酸の無水物、アルキル(炭素 数1~3)エステル。これらの中ではフマル酸及 アジピン酸が好ましく、フマル酸がより好 しい。
 上記結晶性ポリエステルを構成するカルボ 酸成分には、脂肪族ジカルボン酸化合物以 の多価カルボン酸成分が含有されていても い。該多価カルボン酸成分としては、フタ 酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香 ジカルボン酸;セバシン酸、アゼライン酸、 n-ドデシルコハク酸、n-ドデセニルコハク酸 脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカル ン酸等の脂環式ジカルボン酸;トリメリット 酸、ピロメリット酸等の3価以上の多価カル ン酸;及びこれらの酸の無水物、アルキル(炭 素数1~3)エステル等が挙げられる。
 上記結晶性ポリエステルを構成するアルコ ル成分とカルボン酸成分は、不活性ガス雰 気中にて、必要であればエステル化触媒等 用いて、150~250℃で反応させること等により 縮重合させることができる。

 本発明に用いられるワックスとしては、 えば、以下のものが挙げられる。低分子量 リエチレン、低分子量ポリプロピレン、低 子量オレフィン共重合体、マイクロクリス リンワックス、パラフィンワックス、フィ シャートロプシュワックスの如き脂肪族炭 水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックス の如き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物; 肪族炭化水素系エステルワックスの如き脂 酸エステルを主成分とするワックス;及び脱 カルナバワックスの如き脂肪酸エステルを 部又は全部を脱酸化したもの;ベヘニン酸モ ノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコール の部分エステル化物;植物性油脂を水素添加 ることによって得られるヒドロキシル基を するメチルエステル化合物。

 本発明において特に好ましく用いられるワ クスは、溶解懸濁法における、ワックス分 液の作製のしやすさ、作製したトナー中へ 取り込まれやすさ、定着時におけるトナー らの染み出し性、離型性から、エステルワ クスが好ましい。
 本発明においてエステルワックスとは、1分 子中にエステル結合を少なくとも1つ有して ればよく、天然エステルワックス、合成エ テルワックスのいずれであってもよい。
 合成エステルワックスとしては、例えば、 鎖直鎖飽和脂肪酸と長鎖直鎖飽和アルコー から合成されるモノエステルワックスが挙 られる。長鎖直鎖飽和脂肪酸は一般式C n H 2n+1 COOHで表わされ、n=5~28程度のものが好ましく いられる。また長鎖直鎖飽和アルコールはC n H 2n+1 OHで表わされn=5~28程度のものが好ましく用い れる。

 ここで長鎖直鎖飽和脂肪酸の具体例として 、カプリン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸 トリデシル酸、ミリスチン酸、パルミチン 、ペンタデシル酸、ヘプタデカン酸、テト デカン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、 ラモン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セ チン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸およ メリシン酸等が挙げられる。
 一方、長鎖直鎖飽和アルコールの具体例と ては、アミルアルコール、ヘキシールアル ール、ヘプチールアルコール、オクチルア コール、カプリルアルコール、ノニルアル ール、デシルアルコール、ウンデシルアル ール、ラウリルアルコール、トリデシルア コール、ミリスチルアルコール、ペンタデ ルアルコール、セチルアルコール、ヘプタ シルアルコール、ステアリルアルコール、 ナデシルアルコール、エイコシルアルコー 、セリルアルコールおよびヘプタデカンノ ールが挙げられる。
 また、1分子にエステル結合を2つ以上有す エステルワックスとしては、例えば、トリ チロールプロパントリベヘネート、ペンタ リスリトールテトラベヘネート、ペンタエ スリトールジアセテートジベヘネート、グ セリントリベヘネート、1,18-オクタデカンジ オール-ビス-ステアレート、ポリアルカノー エステル(トリメリット酸トリステアリル、 ジステアリルマレエート)が挙げられる。
 また、天然エステルワックスとしては、キ ンデリラワックス、カルナウバワックス、 イスワックス、木ろう、ホホバ油、蜜ろう ラノリン、カスターワックス、モンタンワ クスおよびその誘導体が挙げられる。
 また、その他の変性ワックスとしては、ポ アルカン酸アミド(エチレンジアミンジベヘ ニルアミド);ポリアルキルアミド(トリメリッ ト酸トリステアリルアミド);及びジアルキル トン(ジステアリルケトン)が挙げられる。
 上記ワックスは部分ケン化されていてもよ 。

 上記のうち、より好ましいワックスとして 、長鎖直鎖飽和脂肪酸と長鎖直鎖飽和脂肪 アルコールとによる合成エステルワックス しくは、上記エステルを主成分とする天然 ックスである。
 この理由は定かでないが、ワックスが直鎖 の構造を持つことにより、溶融状態での移 度が高くなるためであると思われる。すな ち、ワックスは定着時に結着樹脂であるポ エステルや表面層のジオールとジイソシア ートの反応物といった比較的極性の高い物 の間を通り抜けてトナー表層へ染み出るこ が必要である。従って、このような極性の い物質の間を通り抜けるには、ワックスは きるだけ直鎖状の構造であることが有利に いているものと思われる。
 更に、エステルワックスが磁性体のトナー への分散助剤として働き、凝集物、遊離物 減らすことに有利に働いているものと思わ る。
 さらに、本発明においては上記した直鎖構 に加えてエステルがモノエステルであるこ がより好ましい。これも上述した理由と同 に、分岐した鎖にそれぞれエステルが結合 ているようなバルキーな構造では、ポリエ テルや本発明の表面層のような極性の高い 質を通り抜けて表面に染み出るのが困難な 合があるためと筆者らは推測している。

 また本発明においては、必要に応じてエス ルワックス以外の炭化水素系ワックスを併 することも好ましい形態の一つである。
 上記エステルワックス以外の炭化水素系ワ クスとしては、例えば、パラフィンワック 、マイクロクリスタリンワックス、ペトロ タムおよびこれらの誘導体の如き石油系天 ワックス、フィッシャートロプッシュワッ ス、ポリオレフィンワックスおよびその誘 体(ポリエチレンワックス、ポリプロピレン ワックス)の如き合成炭化水素、オゾケライ 、セレシンの如き天然ワックスが挙げられ 。
 本発明において、トナー中に於けるワック の含有量は、好ましくは3.0~15.0質量%、より ましくは3.0~10.0質量%である。ワックスの含 量が上記の範囲内であれば、トナーの耐熱 存性を維持しつつ離型性を良好に保つこと できる。

 本発明においてワックスは、示差走査熱 測定(DSC)において、60℃以上90℃以下に最大 熱ピークのピーク温度を有することが好ま い。最大吸熱ピークのピーク温度が上記の 囲内であれば、トナー表面へのワックスの 出が適度であり、低温定着性と耐熱保存性 両立を図ることができる。

 本発明において、トナー母粒子(A)には、以 のi)及びii)を含有するワックス分散媒体を 有させることもできる。
 i)スチレン系モノマーと、窒素含有ビニル ノマー、カルボキシル基含有モノマー、水 基含有モノマー、アクリル酸エステルモノ ー及びメタアクリル酸エステルモノマーか 選ばれる1種又は2種以上のモノマーとを用い て合成された共重合体
 ii)ポリオレフィン
 ワックス分散媒体の含有量は、2.5質量%以上 10.0質量%以下が好ましい。
 また、該ワックス分散媒体は、スチレン系 ノマー、及び、窒素含有ビニルモノマー、 ルボキシル基含有モノマー、水酸基含有モ マー、アクリル酸エステルモノマー及びメ アクリル酸エステルモノマーから選ばれる1 種又は2種以上のモノマーを用いて合成され 共重合体、並びに、ポリオレフィンをグラ トしてなるものが好ましい。
 そして、本発明においては、エステルワッ スと上記ワックス分散媒体とを酢酸エチル 溶解したワックス分散液を、ポリエステル 主成分にする結着樹脂(a)中にマスターバッ として溶融混合させたものをワックス分散 スターバッチとして油相調製時に添加して いることが好ましい。

 また、本発明に用いられるエステルワック は該ワックス分散液中において予め微分散 れたものを用いるのが好ましい。
 上記ワックス分散媒体はワックスの分散性 高めるばかりでなく、磁性体の分散性を高 る効果を合わせもっており、これらの効果 十分に発揮するため、ワックス分散媒体は トナー母粒子(A)中における含有量は、好ま くは2.5質量%以上10.0質量%以下、より好まし は2.5質量%以上7.5質量%以下である。

 次に、本発明に用いられる磁性体について べる。
 本発明に用いられる磁性体としては、マグ タイト、フェライトの如き酸化鉄、鉄、コ ルト、ニッケルの如き金属、或いはこれら 金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、 グネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベ リウム、ビスマス、カドミウム、カルシウ 、マンガン、セレン、チタン、タングステ 、バナジウムの如き金属との合金及びその 合物が挙げられる。

 本発明に用いられる磁性体は、例えば、下 方法で製造される。第一鉄塩水溶液に金属 及びケイ酸塩等を添加した後に、鉄成分に して当量以上の水酸化ナトリウムの如きア カリを加え、水酸化第一鉄を含む水溶液を 製する。調製した水溶液のpHをpH7以上(好ま くはpH8乃至10)に維持しながら空気を吹き込 、水溶液を70℃以上に加温しながら水酸化 一鉄の酸化反応をおこない、磁性体の芯と る種晶をまず生成する。
 次に、種晶を含むスラリー状の液に、前に えたアルカリの添加量を基準として当量程 の硫酸第一鉄を含む水溶液を加える。その 、液のpHを6乃至10に維持しながら空気を吹 込みながら水酸化第一鉄の反応をすすめ、 晶を芯にして磁性酸化鉄粒子を成長させる 法が挙げられる。該磁性酸化鉄の製造方法 、酸化反応の進行をpHの調整と組み合わせて 段階を追って進行させることを特徴とする。 例えば、反応初期はpHを9~10に、反応中期には pHを8~9に、そして反応後期にはpHを6~8にとい ように酸化反応をpHにより段階的に進行させ る。この方法では、磁性酸化鉄の最表面の組 成比を簡便にコントロールできる。尚、上記 酸化反応がすすむにつれて液のpHは酸性側に 行していくが、液のpHは6未満にしない方が ましい。
 添加に用いる硫酸塩以外の塩としては、硝 塩、塩化物が使用できる。また、添加に用 ることができるケイ酸塩としては、ケイ酸 トリウム及びケイ酸カリウムが例示される
 第一鉄塩としては、一般的に硫酸法チタン 造に副生する硫酸鉄、銅板の表面洗浄に伴 て副生する硫酸鉄の利用が可能であり、更 塩化鉄の利用が可能である。
 例えば、水溶液法による磁性体の製造にお ては、一般に反応時の粘度の上昇を防ぐこ 、及び、硫酸鉄の溶解度の観点から、鉄濃 0.5乃至2mol/リットルの硫酸塩水溶液が用い れる。硫酸鉄の濃度は一般に薄いほど製品 粒度が細かくなる傾向を有する。反応に際 ては、空気量が多い程、そして反応温度が いほど微粒化しやすい。
 本発明においては、透過電顕写真による観 で、球状、八面体状、六面体状の形状を有 る磁性体を好ましく用いることができ、そ らの混合物も使用できる。

 本発明において、磁性体は、後述する測定 法に基づくかさ密度が、好ましくは0.3乃至2 .0g/cm 3 、より好ましくは0.5乃至1.3g/cm 3 である。かさ密度が上記範囲内であれば、ト ナー製造時におけるトナーの他の構成材料と の混合性に優れ、トナー中の分散性が良好と なる。

 本発明において、磁性体は、後述する測定 法に基づくBET比表面積が、好ましくは15.0m 2 /g以下、より好ましくは12.0m 2 /g以下であり、また、好ましくは、3.0m 2 /g以上、より好ましくは5.0m 2 /g以上である。磁性体のBET比表面積が上記の 囲内であれば、磁性体の水分吸着を抑制す ことができ、磁性トナーの帯電性をより良 に維持することができる。

 本発明において、磁性体の磁気特性として 磁場79.6kA/m下での磁化が、好ましくは10~200Am 2 /kg、より好ましくは50~100Am 2 /kgである。また、残留磁化が、好ましくは1~1 00Am 2 /kg、より好ましくは2~20Am 2 /kgである。さらに、保磁力が、好ましくは1~3 0kA/m、より好ましくは2~15kA/mである。このよ な磁気特性を有することで、磁性トナーが 像濃度とカブリのバランスのとれた良好な 像性を得ることができる。

 本発明において、磁性体は、後述する測定 法に基づく個数平均粒径が、0.10μm以上0.30μ m以下であることが好ましい。より好ましく 、0.15μm以上0.25μm以下である。上記範囲を満 たすことで、磁性体の結着樹脂(a)中での分散 性、並びにトナーの帯電の均一性、トナーの 着色力及び色味の面で良い。更に、本発明に 用いる磁性体は、粒径の個数基準の変動係数 が50%以下であることが好ましい。該変動係数 を上記範囲に調整することで磁性体の分散性 を向上させることが可能となり、色味に優れ るトナーを得ることが出来る。
 上記磁性体の個数平均粒径及び変動係数は 磁性体作製時の温度、処理時間等を調節す ことで上記範囲を満たすことが可能である
 磁性体は、結着樹脂(a)100質量部に対し、30 量部以上120質量部以下含有することが好ま い。より好ましくは40質量部以上110質量部以 下である。磁性体の含有量が少ない場合、着 色力が足りず、また、トナーの磁化が低くな るため、トナー担持体での拘束力が低くなり 、飛散、かぶりといった問題を引き起こしや すい。一方で磁性体の含有量が多い場合、ト ナー粒子中の磁性体の分散を制御しにくくな る。また、トナーの溶解特性が変わり、低温 での定着性が悪くなり、低温オフセット、光 沢不足といった問題が発生しやすくなる。

 本発明に於けるトナーは、磁性体を含有し 黒色を呈する。しかしながら、他の黒色着 剤との併用も可能である。また、色味調整 して他の着色剤と併用することも可能であ 。
 他の黒の着色剤として、カーボンブラック アニリンブラック等の有機顔料、非磁性の 色を有する複合酸化物の如き金属酸化物も 用することが出来る。カーボンブラックと ては、以下のものが挙げられる。ファーネ ブラック、チャンネルブラック、アセチレ ブラック、サーマルブラック、ランプブラ ク等のカーボンブラック。
 特に、赤味を帯びる磁性体を用いた場合、 やシアン系の着色剤を添加して用いること 有効である。
 上記シアン系の着色剤として、顔料或いは 料を用いることができる。具体的には、以 のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー 1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、16、17、60、62 66;C.I.バットブルー6、C.I.アシッドブルー45。 染料としては、以下のものが挙げられる。C.I .ソルベントブルー25、36、60、70、93、95。こ らのものは単独或いは2種類以上添加しても い。
 溶解懸濁法によってトナーを製造する場合 着色剤として、極端に水への溶解度の高い 料、顔料を用いることはあまり好ましくな 。上記した染料、顔料を用いると製造工程 に水中へ溶解し、造粒が乱れたり、所望の 色を得られなくなったりする場合がある。

 本発明においては、必要に応じて荷電制御 を用いることができる。荷電制御剤は、ト ー母粒子(A)に含まれていてもよいし、表面 (B)に含まれていても良い。
 荷電制御剤としては、例えば、以下のもの 挙げられる。ニグロシン系染料、トリフェ ルメタン系染料、含金アゾ錯体染料、モリ デン酸キレート顔料、ローダミン系染料、 ルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フ 素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキル アミド、燐の単体又は化合物、タングステン の単体又は化合物、フッ素系活性剤、サリチ ル酸金属塩及びサリチル酸誘導体の金属塩。
 具体的には、以下のものが挙げられる。ニ ロシン系染料のボントロンN-03、第四級アン モニウム塩のボントロンP-51、含金属アゾ染 のボントロンS-34、オキシナフトエ酸系金属 体のE-82、サリチル酸系金属錯体のE-84、フ ノール系縮合物のE-89(以上、オリエント化学 工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデ 錯体のTP-302、TP-415(以上、保土谷化学工業社 )、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ PSYVP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピー ブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチ ージ NEG VP2036、コピーチャージ NXVP434(以 、ヘキスト社製)、LRA-901、ホウ素錯体である LR-147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニ 、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、 の他スルホン酸基、カルボキシル基及び四 アンモニウム塩等の官能基を有する高分子 の化合物。

 次に、本発明のトナーが有する表面層(B)に いて述べる。
 上記表面層(B)は樹脂(b)を含有する。樹脂(b) しては、ポリエステル樹脂(b1)、ビニル樹脂 (b2)、及び、ウレタン樹脂(b3)からなる群より ばれる樹脂を含有する樹脂である。樹脂(b) しては、上記樹脂の2種以上を併用しても差 し支えない。
 上記樹脂(b)は、カルボキシル基、スルホン 基、カルボン酸塩、及びスルホン酸塩から る群から選ばれる少なくとも1つの官能基を 側鎖に有することが好ましい。
 特には、樹脂(b)はスルホン酸基を有し、該 脂(b)のスルホン酸基価が1mgKOH/g以上25mgKOH/g 下であることが好ましい。

 表面層(B)の溶融粘度を下げるためには、 リエステルを構成要素にもつポリエステル 脂(b1)或いはウレタン樹脂(b3)が好ましい。 た、溶剤に対する適度の親和性を示し、水 散性、粘度の調整、粒径の揃えやすさから 樹脂(b)はウレタン結合により形成された化 物であるウレタン樹脂(b3)を含有することが に好ましい。

 本発明で用いられる樹脂(b)のガラス転移 度Tg(b)は、結着樹脂(a)のガラス転移温度Tg(a) より大きい。ガラス転移温度Tg(b)を所定の値 するために、樹脂(b)としては、モノマー種 分子量、分岐構造をコントロールして用い ことが好ましい。Tg(b)は50℃以上、100℃以下 が好ましく、更に、55℃以上90℃以下がより ましい。Tg(b)が上記の範囲内であれば、低温 定着性を低下させることなく、耐熱保存性を 高めることができる。

 上記ポリエステル樹脂(b1)は、結着樹脂(a)と 同様に上述した原材料を用いることができ、 同様の方法で作製することが出来る。但し、 溶解懸濁法で製造する場合には、用いる溶剤 に溶けやすいものを用いると、造粒工程やシ ェル構成時において、トナー粒子としての形 状を維持しにくくなるため、極性の高いモノ マーを導入することが好ましい。
 ポリエステル樹脂(b1)はスルホン酸基を有す ることが好ましい。ポリエステル樹脂(b1)の ルホン酸基価が1mgKOH/g以上25mgKOH/g以下である ことが好ましい。より好ましくは、10mgKOH/g以 上25mgKOH/g以下である。

 上記ビニル樹脂(b2)は、ビニル系モノマーを 単独重合または共重合したポリマーである。 用いられるビニル系モノマーとしては、下記 のモノマーを挙げることができる。
(1)ビニル系炭化水素:
(1-1)脂肪族ビニル系炭化水素:アルケン類、例 えばエチレン、プロピレン、ブテン、イソブ チレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレ ン、オクテン、ドデセン、オクタデセン、前 記以外のα-オレフィン等;アルカジエン類、 えばブタジエン、イソプレン、1,4-ペンタジ ン、1,6-ヘキサジエン、1,7-オクタジエン。
(1-2)脂環式ビニル系炭化水素:モノ-もしくは -シクロアルケンおよびアルカジエン類、例 ばシクロヘキセン、シクロペンタジエン、 シクロペンタジエンビニルシクロヘキセン エチリデンビシクロヘプテン等;テルペン類 、例えばピネン、リモネン、インデン。
(1-3)芳香族ビニル系炭化水素:スチレンおよび そのハイドロカルビル(アルキル、シクロア キル、アラルキルおよび/またはアルケニル) 置換体、例えばα-メチルスチレン、ビニルト ルエン、2,4-ジメチルスチレン、エチルスチ ン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレ 、フェニルスチレン、シクロヘキシルスチ ン、ベンジルスチレン、クロチルベンゼン ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジ ニルキシレン、トリビニルベンゼン;および ニルナフタレン。
(2)カルボキシル基含有ビニル系モノマーおよ びその金属塩:
炭素数3~30の不飽和モノカルボン酸、不飽和 カルボン酸ならびにその無水物およびその ノアルキル(炭素数1~24)エステル、例えばア リル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水 レイン酸、マレイン酸モノアルキルエステ 、フマル酸、フマル酸モノアルキルエステ 、クロトン酸、イタコン酸、イタコン酸モ アルキルエステル、イタコン酸グリコール ノエーテル、シトラコン酸、シトラコン酸 ノアルキルエステル、桂皮酸等のカルボキ ル基含有ビニル系モノマー。
(3)スルホン基含有ビニル系モノマー、ビニル 系硫酸モノエステル化物およびこれらの塩:
 炭素数2~14のアルケンスルホン酸、例えばビ ニルスルホン酸、アクリルスルホン酸、メタ クリルスルホン酸、メチルビニルスルホン酸 、スチレンスルホン酸;およびその炭素数2~24 アルキル誘導体、例えばα-メチルスチレン ルホン酸等;スルホ(ヒドロキシ)アルキル-ア クリレートもしくはアクリルアミド、スルホ (ヒドロキシ)アルキル-メタクリレートもしく はメタクリルアミド、例えば、スルホプロピ ルアクリレート、スルホプロピルメタクリレ ート、2-ヒドロキシ-3-アクリロキシプロピル ルホン酸、2-ヒドロキシ-3-メタクリロキシ ロピルスルホン酸、2-アクリロイルアミノ-2, 2-ジメチルエタンスルホン酸、2-メタクリロ ルアミノ-2,2-ジメチルエタンスルホン酸、2- クリロイルオキシエタンスルホン酸、2-メ クリロイルオキシエタンスルホン酸、3-アク リロイルオキシ-2-ヒドロキシプロパンスルホ ン酸、3-メタクリロイルオキシ-2-ヒドロキシ ロパンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メ ルプロパンスルホン酸、2-メタクリルアミド -2-メチルプロパンスルホン酸、3-アクリルア ド-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸、3-メ クリルアミド-2-ヒドロキシプロパンスルホ 酸、アルキル(炭素数3~18)アリルスルホコハ 酸、ポリ(n=2~30)オキシアルキレン(エチレン プロピレン、ブチレン:単独、ランダム、ブ ックでもよい)モノアクリレート或いはモノ メタクリレートの硫酸エステル[ポリ(n=5~15)オ キシプロピレンモノメタクリレート硫酸エス テル等]、ポリオキシエチレン多環フェニル ーテル硫酸エステル、および下記一般式(1-1) ~(1-3)で示される硫酸エステルもしくはスルホ ン酸基含有モノマー;ならびそれらの塩。




 
(上記式(1-1)~(1-3)中、Rは炭素数1~15のアルキル 、Aは炭素数2~4のアルキレン基を示し、nが 数の場合同一でも異なっていてもよく、異 る場合はランダムでもブロックでもよい。Ar はベンゼン環を示し、nは1~50の整数を示し、R ’はフッ素原子で置換されていてもよい炭素 数1~15のアルキル基を示す。)

 ビニル樹脂(b2)はスルホン酸基を有するこ とが好ましい。ビニル樹脂(b2)のスルホン酸 価は、1mgKOH/g以上25mgKOH/g以下であることが好 ましい。より好ましくは、10mgKOH/g以上25mgKOH/g 以下である。

 上記ウレタン樹脂(b3)は、プレポリマーであ るジオール成分とジイソシアネート成分との 反応物である。該ジオール成分、ジイソシア ネート成分の調整により、各種機能性をもつ 樹脂を得ることが出来る。
 上記ジイソシネート成分としては以下のも が挙げられる。
 炭素数(NCO基中の炭素を除く、以下同様)6~20 芳香族ジイソシアネート、炭素数2~18の脂肪 族ジイソシアネート、炭素数4~15の脂環式ジ ソシアネート、炭素数8~15の芳香族炭化水素 イソシアネート、及びこれらのジイソシア ートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド 基、アロファネート基、ウレア基、ビューレ ット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、 イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有 変性物。以下、変性ジイソシアネートともい う)、並びにこれらの2種以上の混合物。
 上記芳香族ジイソシアネートとしては、以 のものが挙げられる。1,3-フェニレンジイソ シアネート、1,4-フェニレンジイソシアネー 、1,5-ナフチレンジイソシアネート、2,4-トリ レンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソ アネート(TDI)、2,4’-ジフェニルメタンジイ シアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソ アネート(MDI)。
 上記脂肪族ジイソシアネートとしては、以 のものが挙げられる。エチレンジイソシア ート、テトラメチレンジイソシアネート、 キサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデ メチレンジイソシアネート、1,6,11-ウンデカ トリイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキ メチレンジイソシアネート、リジンジイソ アネート、2,6-ジイソシアナトメチルカプロ エート、ビス(2-イソシアナトエチル)フマレ ト、ビス(2-イソシアナトエチル)カーボネー 、2-イソシアナトエチル-2,6-ジイソシアナト ヘキサノエート。
 上記脂環式ジイソシアネートとしては、以 のものが挙げられる。イソホロンジイソシ ネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン-4,4’ -ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレ ンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレ ンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2-イソシ ナトエチル)-4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボ シレート、2,5-ノルボルナンジイソシアネー ト、2,6-ノルボルナンジイソシアネート。
 上記芳香族炭化水素ジイソシアネートとし は、以下のものが挙げられる。m-キシリレ ジイソシアネート、p-キシリレンジイソシア ネート(XDI)、α,α,α’,α’-テトラメチルキシ レンジイソシアネート(TMXDI)。
 上記変性ジイソシアネートとしては、以下 ものが挙げられる。変性MDI(ウレタン変性MDI 、カルボジイミド変性MDI、トリヒドロカルビ ルホスフェート変性MDI)、ウレタン変性TDI等 イソシアネートの変性物及びこれらの2種以 の混合物[例えば変性MDIとウレタン変性TDI( ソシアネート含有プレポリマー)との併用]が 挙げられる。
 これらのうちで好ましいものは6~15の芳香族 ジイソシアネート、炭素数4~12の脂肪族ジイ シアネート、及び炭素数4~15の脂環式ジイソ アネートであり、特に好ましいものはHDI、X DI、及びIPDIである。
 また樹脂(b)は、上記ウレタン樹脂(b3)として 、上記したジイソシアネート成分に加えて、 3官能以上のイソシアネート化合物を用いる ともできる。上記した3官能以上のイソシア ート化合物としては、例えば、ポリアリル リイソシアネート(PAPI)、4,4’,4”-トリフェ ルメタントリイソシアネート、m-イソシア トフェニルスルホニルイソシアネート及びp- イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネ ートが挙げられる。

 また、上記ウレタン樹脂(b3)に用いることの できるジオール成分としては、以下のものが 挙げられる。アルキレングリコール(エチレ グリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3- プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール 1,6-ヘキサンジオール、オクタンジオール、 カンジオール、ドデカンジオール、テトラ カンジオール、ネオペンチルグリコール、2 ,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール);アルキレ エーテルグリコール(ジエチレングリコール トリエチレングリコール、ジプロピレング コール、ポリエチレングリコール、ポリプ ピレングリコール、ポリテトラメチレンエ テルグリコール);脂環式ジオール(1,4-シクロ ヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノ ールAなど);ビスフェノール類(ビスフェノー A、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど); 上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド (エチレンオキサイド、プロピレンオキサイ 、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビス フェノール類のアルキレンオキサイド(エチ ンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブ レンオキサイドなど)付加物;その他、ポリラ クトンジオール(ポリε-カプロラクトンジオ ルなど)、ポリブタジエンジオール。上記し アルキレンエーテルグリコールのアルキル 分は直鎖状であっても、分岐していてもよ 。本発明においては分岐構造のアルキレン リコールも好ましく用いることができる。
 これらのうち好ましいものは、酢酸エチル の溶解性(親和性)を考えるとアルキル構造 好ましく、炭素数2~12のアルキレングリコー を用いることが好ましい。

 また上記ウレタン樹脂においては、上記し ジオール成分に加えて、末端が水酸基であ ポリエステルオリゴマー(末端ジオールポリ エステルオリゴマー)も好適なジオール成分 して用いることができる。
 このとき、末端ジオールポリエステルオリ マーの分子量(数平均分子量)は、好ましく 3000以下、より好ましくは800以上2000以下であ る。
 末端ジオールポリエステルオリゴマーの分 量が上記以上大きくなると、イソシアネー 末端の化合物との反応性が低下し、ポリエ テルの性質が強くなりすぎて酢酸エチルに 溶となってしまう。
 また、上述した末端ジオールポリエステル リゴマーの含有量は、ジオール成分とジイ シアネート成分との反応物を構成するモノ ー中において、好ましくは1モル%以上10モル %以下、より好ましくは3モル%以上6モル%以下 ある。
 末端ジオールポリエステルオリゴマーが10 ル%を超えて含有されている場合、ジオール 分とジイソシアネート成分との反応物が酢 エチルに可溶となってしまう場合がある。
 一方、末端ジオールポリエステルオリゴマ が1モル%より少ない場合は、ジオール成分 ジイソシアネート成分との反応物が熱的に くなりすぎて定着性を阻害したり、結着樹 (a)との親和性が低下して表面層が形成され くなったりする場合がある。
 上記した末端ジオールポリエステルオリゴ ーのポリエステル骨格と、結着樹脂(a)のポ エステル骨格は、同一であることが、良好 カプセル型トナー粒子を形成するためには ましい。これは表面層のジオール成分とジ ソシアネート成分との反応物と、トナー母 子(コア)との親和性に関係している。
 また上述した末端ジオールポリエステルオ ゴマーは、エチレンオキサイド、プロピレ オキサイドなどで変性された、エーテル結 を有していても良い。

 また、上記ウレタン樹脂においては、ジオ ル成分とジイソシアネート成分との反応物 加えて、アミノ化合物とイソシアネート化 物の反応物がウレア結合した化合物も併用 て含有することができる。
 上記アミノ化合物としては以下のものが挙 られる。ジアミノエタン、ジアミノプロパ 、ジアミノブタン、ジアミノヘキサン、ピ ラジン、2,5-ジメチルピペラジン、アミノ-3- アミノメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキサ (イソホロンジアミン、IPDA)、4,4’-ジアミノ シクロヘキシルメタン、1,4-ジアミノシクロ ヘキサン、アミノエチルエタノールアミン、 ヒドラジン、ヒドラジン水和物などのジアミ ン。トリエチルアミン、ジエチレントリアミ ンおよび1,8-ジアミノ-4-アミノメチルオクタ などのトリアミン。
 上記ウレタン樹脂においては、上記以外に 、イソシアネート化合物と、カルボン酸基 シアノ基、チオール基などの反応性の高い 素が存在する基を有する化合物との反応物 併用することが可能である。
 上記ウレタン樹脂においては、側鎖にカル ン酸基、スルホン酸基、カルボン酸塩又は ルホン酸塩を有していることが好ましい。 れにより、水性分散液を形成しやすく、ま 、油相の溶剤に溶けることなく、安定にカ セル型構造を形成するために有効である。 れらは、ジオール成分、又はジイソシアネ ト成分の側鎖にカルボン酸基、スルホン酸 、カルボン酸塩又はスルホン酸塩を導入す ことで容易に製造することができる。
 例えば、側鎖にカルボン酸基、又はカルボ 酸塩が導入されたジオール成分としては、 メチロール酢酸、ジメチロールプロピオン 、ジメチロールブタン酸、ジメチロール酪 、ジメチロールペンタン酸などのジヒドロ シルカルボン酸類及びその金属塩を挙げる とができる。
 一方、側鎖にスルホン酸基、又はスルホン 塩が導入されたジオール成分としては、例 ば、スルホイソフタル酸、N,N-ビス(2-ヒドロ キシエチル)-2-アミノエタンスルホン酸及び の金属塩を挙げることができる。
 上記した、側鎖にカルボン酸基、スルホン 基、カルボン酸塩又はスルホン酸塩が導入 れたジオール成分の含有量は、ジオール成 とジイソシアネート成分との反応物を形成 る全モノマーに対して、好ましくは10モル% 上50モル%以下、より好ましくは20モル%以上3 0モル%以下である。
 上記ジオール成分が10モル%より少ない場合 は後述する樹脂微粒子の分散性が悪くなり く造粒性が損なわれる場合がある。一方、5 0モル%より多い場合には、ジオール成分とジ ソシアネート成分との反応物が水系媒体中 溶解する場合が生じ、分散剤としての機能 果たせない場合がある。

 上記表面層(B)は、上記樹脂(b)を含有する樹 微粒子を用いることによって形成された層 あることが好ましい。上記樹脂微粒子の調 方法は特に限定されるものではなく、乳化 合法や、樹脂を溶媒に溶解又は溶融して液 化し、これを水系媒体中で懸濁させること より造粒して調製する方法を用いることが きる。
 上記樹脂微粒子の調製には、公知の界面活 剤や分散剤を用いること、又は、樹脂微粒 を構成する樹脂に自己乳化性を持たせるこ が可能である。
 樹脂を溶媒に溶解させて樹脂微粒子を調製 る場合に用いることのできる溶媒としては 特に制限をうけないが、以下のものが挙げ れる。酢酸エチル、キシレン、ヘキサン等 炭化水素系溶媒、塩化メチレン、クロロホ ム、ジクロルエタン等のハロゲン化炭化水 系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブ ル、酢酸イソプロピル等のエステル系溶媒 ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒、ア トン、メチルエチルケトン、ジイソブチル トン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘ サン等のケトン系溶媒、メタノール、エタ ール、ブタノール等のアルコール系溶媒。
 また、上記樹脂微粒子を調製する場合にお て、ジオール成分とジイソシアネート成分 の反応物を含有する樹脂微粒子を分散剤と て用いる製造方法が好ましい形態の一つで る。この製造方法では、ジイソシアネート 分を有するプレポリマーを製造し、これを に急速に分散させ、引き続きジオール成分 添加することにより、鎖を延長させるかま は架橋する。
 すなわち、ジイソシアネート成分を有する レポリマーと必要に応じてその他に必要な 分を、上記の溶媒のうちアセトンやアルコ ルといった水への溶解度が高い溶媒中に溶 又は分散する。これを水に投入することに り、ジイソシアネート成分を有するプレポ マーを急速に分散させる。そして、引き続 上記ジオール成分を添加して、所望の物性 持ったジオール成分とジイソシアネート成 との反応物を調製する方法である。

 上記樹脂(b)を含有する樹脂微粒子の粒径 、トナー粒子がカプセル構造を形成するた に、数平均粒子径が30nm以上100nm以下である とが好ましい。数平均粒子径が上記範囲内 ある場合は、高い造粒安定性が得られ、粒 同士の合一が生じたり、異形状の粒子が生 たりするのを良好に抑制できる。また、カ セル構造の形成が容易となり、特に良好な 熱保存性を有するトナーを得ることができ 。

 以下、本発明に用いられるトナー粒子の簡 な調製方法を説明するが、これに限定され ものではない。
 トナー粒子は、樹脂(b)を含有する樹脂微粒 を分散させた水系媒体中(以下、水相ともい う)に、少なくとも、ポリエステルを主成分 する結着樹脂(a)、磁性体及びワックスを有 媒体中で溶解又は分散させて得られた溶解 又は分散物(以下、油相ともいう)を分散させ 、得られた分散液から有機媒体を除去し乾燥 することによって得られたものであることが 好ましい。
 上記の系においては、樹脂微粒子が上記溶 物又は分散物(油相)を上記水相に懸濁する の分散剤としても機能する。上記方法でト ー粒子を調製することにより、トナー表面 の凝集工程などを必要とせず、簡便にカプ ル型のトナー粒子を得ることができる。
 上記油相の調製方法において、結着樹脂(a) を溶解させる有機媒体として以下のものが 示できる。酢酸エチル、キシレン、ヘキサ 等の炭化水素系溶媒、塩化メチレン、クロ ホルム、ジクロルエタン等のハロゲン化炭 水素系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、酢 ブチル、酢酸イソプロピル等のエステル系 媒、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒 アセトン、メチルエチルケトン、ジイソブ ルケトン、シクロヘキサノン、メチルシク ヘキサン等のケトン系溶媒。
 上記結着樹脂(a)は、上記有機媒体に溶解さ た樹脂分散液の形で用いることが好ましい この場合、樹脂の粘度、溶解度により異な が、次工程での製造のしやすさを考え、有 溶媒中に樹脂成分として、40質量%から60質 %の範囲で結着樹脂(a)を配合することが好ま い。また、溶解時に有機媒体の沸点以下で 熱すると、樹脂の溶解度が上がるため好ま い。

 上記ワックス、磁性体についても有機媒体 に分散された形態をとることが好ましい。 機媒体としては、上記のものが用いられる すなわち、予め湿式もしくは乾式で機械的 粉砕されたワックス、磁性体を有機媒体中 分散し、それぞれワックス分散液、磁性体 散液を調製することが好ましい。
 尚、ワックス、磁性体はそれぞれに合致し 分散剤、樹脂を添加することによっても分 性を上げることが出来る。これらは用いる ックス、磁性体、樹脂、有機溶媒によって なるため、適時選択し用いることが出来る 上記磁性体は、上記結着樹脂(a)とともに、 機媒体に予め分散した後、用いることが好 しい。特に、磁性体は、一部の結着樹脂(a) ともに有機媒体に予め分散し、その後、残 の結着樹脂(a)及びワックスと混合し、上記 解物又は分散物が調製されることが好まし 。
 上記油相は、これら、樹脂分散液、ワック 分散液、磁性体分散液、及び有機媒体を所 量配合し、上記各成分を該有機媒体中に分 させることで調製することが出来る。

 以下、磁性体分散液の調製方法について、 を挙げて更に説明する。
 本発明において、磁性体の分散性を高める めに以下の手法を用いた。
(1)湿式分散(メディア分散)
 磁性体を分散用メディア存在下で溶媒に分 する方法である。例えば、磁性体、樹脂、 の他添加剤と上記有機溶媒を混合し、分散 メディア存在下で分散機を用いて、混合物 分散する。用いた分散用メディアは回収し 性体分散液を得る。上記分散機としては、 えば、アトライター(三井三池工機(株))を使 用する。上記分散用メディアとしては、アル ミナ、ジルコニア、ガラス及び鉄のビーズが 挙げられるが、メディア汚染が極めて少ない ジルコニアビーズが好ましい。その際のビー ズ径は、2mm~5mmが分散性に優れており好まし 。
(2)乾式混練
 樹脂、磁性体、その他添加剤を、ニーダー ロール式の分散器で溶融混錬し、得られた 脂と磁性体の溶融混練物を粉砕後、上記有 溶媒に溶解させることにより、磁性体分散 を得る。
 磁性体の分散性を更に高めるためには、以 の手法が有効である。
(3)乾式溶融混練物の湿式分散
 上記乾式で得られた樹脂と磁性体の溶融混 物を用いて作製された磁性体分散液を、上 分散用メディア及び分散機を用いて更に湿 分散する。
(4)乾式溶融混練物作製時の溶媒添加
 上記乾式溶融混練物の作製時に、溶媒を添 する。溶融混練時の温度は、樹脂のガラス 移温度(Tg)以上、溶媒の沸点以下が好ましい 。用いる溶媒は、樹脂を溶解できるものが好 ましく、上記油相に用いられる溶媒が好まし い。
(5)乾式溶融混練物作製時のワックス添加
 上記乾式溶融混練物の作製時に、ワックス 添加する。溶融混練時の温度は、樹脂のガ ス転移温度(Tg)以上、溶媒の沸点以下が好ま しい。用いるワックスは、上記油相に溶解す るワックスを用いてもいいが、他の比較的高 融点のワックスを用いてもよい。
(6)樹脂に磁性体との親和性の高い樹脂を用い る。
 上記乾式溶融混練物の作製に用いる樹脂に 磁性体との親和性の高い樹脂を用いる。例 ば、ポリエステルを主成分とする結着樹脂( a)に、少なくとも2種の樹脂(a1)、(a2)を用い、 方の樹脂(a2)で、磁性体を分散する。ここで 、樹脂(a1)には少なくとも脂肪族ジオールよ 合成される樹脂を用い、樹脂(a2)には結晶性 リエステルまたは、少なくとも芳香族ジオ ルより合成される樹脂を用いる。
 更に、各分散液の混合後、超音波による微 散工程が有効である。この場合、油相調製 の分散液の磁性体の凝集塊がほぐれ更に微 散が可能である。

 上記水系媒体は、水単独でもよいが、水 混和可能な溶剤を併用することも出来る。 和可能な溶剤としては、アルコール類(メタ ノール、イソプロパノール、エチレングリコ ール)、ジメチルホルムアミド、テトラヒド フラン、セルソルブ類(メチルセルソルブ)、 低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケト )が挙げられる。また、本発明に用いる水系 体中に、上記油相として用いる有機媒体を 量混ぜておくことも好ましい方法である。 れは造粒中の液滴安定性を高め、水系媒体 油相を懸濁しやすくする効果があると思わ る。

 本発明のトナーの製造においては、水系 体に、上記樹脂(b)を含有する樹脂微粒子を 散させて用いることが好ましい。樹脂(b)を 有する樹脂微粒子は、次工程での油相の安 性、トナー母粒子のカプセル化にあわせ所 量配合して用いる。表面層(B)の形成に樹脂 粒子を用いた場合には、該樹脂微粒子の使 量は、トナー母粒子(A)100質量部に対し、2.0 量部以上15.0質量部以下であることが好まし い。

 上記水系媒体中には、公知の界面活性剤、 散剤、分散安定剤、水溶性ポリマー、又は 粘度調整剤を添加することも出来る。
 上記界面活性剤としては、アニオン界面活 剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤 非イオン界面活性剤が挙げられる。これら 、トナー粒子形成の際の極性に合わせて任 に選択可能である。
 具体的には、アルキルベンゼンスルホン酸 、α-オレフィンスルホン酸塩、リン酸エス ル等のアニオン界面活性剤;アルキルアミン 塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリア ミン脂肪酸誘導体、イミダゾリン等のアミン 塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、 ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキ ルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジ ニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩 化ベンゼトニウム等の四級アンモニウム塩型 のカチオン界面活性剤;脂肪酸アミド誘導体 多価アルコール誘導体などの非イオン界面 性剤;アラニン、ドデシルジ(アミノエチル) リシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシン やN-アルキル-N,N-ジメチルアンモニウムべタ ン等の両性界面活性剤が挙げられる。

 上記分散剤として、以下のものが挙げられ 。アクリル酸、メタクリル酸、α-シアノア リル酸、α-シアノメタクリル酸、イタコン 、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸ま は無水マレイン酸などの酸類;アクリル酸β- ヒドロキシエチル、メタクリル酸β-ヒドロキ シエチル、アクリル酸β-ヒドロキシプロビル 、メタクリル酸β-ヒドロキシプロピル、アク リル酸γ-ヒドロキシプロピル、メタクリル酸 γ-ヒドロキシプロピル、アクリル酸3-クロロ2 -ヒドロキシプロビル、メタクリル酸3-クロロ -2-ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコー ルモノアクリル酸エステル、ジエチレングリ コールモノメタクリル酸エステル、グリセリ ンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノ メタクリル酸エステル、N-メチロールアクリ アミド、N-メチロールメタクリルアミド等 水酸基を含有するアクリル系単量体或いは タクリル系単量体;ビニルアルコール、又は ニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテ 、ビニルプロピルエーテル等のビニルアル ールとのエーテル類;酢酸ビニル、プロピオ ン酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルアルコー ルとカルボキシル基を含有する化合物のエス テル類;アクリルアミド、メタクリルアミド ジアセトンアクリルアミド或いはこれらの チロール化合物;アクリル酸クロライド、メ クリル酸クロライド等の酸クロライド類;ビ ニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイ ミダゾール、エチレンイミン等の窒素原子、 又はその複素環を有するもの等のホモポリマ ー又は共重合体;ポリオキシエチレン、ポリ キシプロピレン、ポリオキシエチレンアル ルアミン、ポリオキシプロピレンアルキル ミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポ オキシエチレンノニルフェニルエーテル、 リオキシエチレンラウリルフェニルエーテ 、ポリオキシエチレンステアリルフェニル ステル、ポリオキシエチレンノニルフェニ エステル等のポリオキシエチレン類;メチル ルロース、ヒドロキシエチルセルロース、 ドロキシプロピルセルロース等のセルロー 類。
 分散剤を使用した場合には、該分散剤がト ー粒子表面に残存したままとする事も出来 が、溶解洗浄除去する方がトナーの帯電面 ら好ましい。

 本発明に於いては、分散安定剤を使用する とが好ましい。その理由は以下の通りであ 。トナーの主成分である結着樹脂(a)が溶解 た有機媒体は高粘度のものである。よって 高剪断力で有機媒体を微細に分散して形成 れた油滴の周囲を分散安定剤が囲み、油滴 士が再凝集するのを防ぎ、安定化させる。
 上記分散安定剤としては、無機分散安定剤 及び有機分散安定剤が使用出来、無機分散 定剤の場合は、分散後に粒子表面上に付着 た状態でトナー粒子が造粒されるので溶媒 親和性がない塩酸等の酸類によって除去が 来るものが好ましい。例えば、炭酸カルシ ム、塩化カルシウム、炭化水素ナトリウム 炭化水素カリウム、水酸化ナトリウム、水 化カリウム、ヒドロキシアパタイト、三リ 酸カルシウムが使用出来る。

 トナー粒子の調製時に用いられる分散方法 特に制約されず、低速せん断式、高速せん 式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波等の 用装置が使用可能であるが、分散粒径を2~20 μm程度にする為には高速せん断式が好ましい 。
 回転羽根を有する攪拌装置であれば、特に 約はなく、乳化機、分散機として汎用のも であれば上記分散方法に使用可能である。 えば、ウルトラタラックス(IKA社製)、ポリ ロン(キネマティカ社製)、TKオートホモミキ ー(特殊機化工業(株)製)、エバラマイルダー (荏原製作所(株)製)、TKホモミックラインフロ ー(特殊機化工業(株)製)、コロイドミル(神鋼 ンテック社製)、スラッシャー、トリゴナル 湿式微粉砕機(三井三池化工機(株)製)、キャ トロン(ユーロテック社製)、ファインフロー ミル(太平洋機工(株)製)等の連続式乳化機、 レアミックス(エムテクニック社製)、フィル ミックス(特殊機化工業(株)製)のバッチ式、 しくは連続両用乳化機が挙げられる。
 上記分散方法に高速せん断式分散機を使用 た場合、回転数は特に限定されないが、通 1000~30000rpm程度であり、好ましくは3000~20000rp mである。
 上記分散方法における分散時間としてはバ チ方式の場合は、通常0.1~5分である。分散 の温度としては、通常、10~150℃(加圧下)、好 ましくは10~100℃である。
 得られた分散液から有機溶媒を除去する為 は、系全体を徐々に昇温し、液滴中の有機 媒を完全に蒸発除去する方法を採用する事 出来る。
 或いは、分散液を乾燥雰囲気中に噴霧し、 滴中の非水溶性有機溶媒を完全に除去して ナー粒子を形成し、合わせて分散液中の水 蒸発除去する事も可能である。
 その場合、分散液が噴霧される乾燥雰囲気 しては、空気、窒素、炭酸ガス、燃焼ガス を加熱した気体、特に使用される最高沸点 媒の沸点以上の温度に加熱された各種気流 一般に用いられる。スプレイドライアー、 ルトドライアー、ロータリーキルンなどを いた短時間の処理でも十分に目的とする品 が得られる。
 上記分散方法により得られた分散液の粒度 布が広く、その粒度分布を保って洗浄、乾 処理が行われた場合、所望の粒度分布に分 して粒度分布を整える事が出来る。
 上記分散方法に用いた分散剤は得られた分 液から取り除く事が好ましいが、より好ま くは分級操作と同時に行なうのが好ましい
 製造方法に於いては有機溶媒を除去した後 更に加熱工程を設けることも可能である。 熱工程を設けることで、トナー粒子表面を 滑化したり、トナー粒子表面の球形化度を 整したりすることができる。
 分級操作は液中でサイクロン、デカンター 遠心分離等により、微粒子部分を取り除く が出来る。勿論乾燥後に粉体として取得し 後に分級操作を行なっても良いが、液体中 行なう事が効率の面で好ましい。
 上記分級操作で得られた不要の微粒子、又 粗粒子は再び溶解工程に戻して粒子の形成 用いる事が出きる。その際、微粒子又は粗 子はウェットの状態でも構わない。

 本発明のトナーは、トナーの流動性、現像 、及び帯電性を補助する為の外添剤として 無機微粒子を用いることが出来る。
 無機微粒子の一次粒子の個数平均径は、5nm~ 2μmであることが好ましく、5nm~500nmであるこ がより好ましい。又、無機微粒子のBET法に る比表面積は、20~500m 2 /gであることが好ましい。
 無機微粒子の使用割合は、トナー粒子100質 部に対して、の0.01質量部~5質量部であるこ が好ましく、0.01~2.0質量部であることがよ 好ましい。
 これら無機微粒子は単独、若しくは複数種 併用しても構わない。
 無機微粒子の具体例としては、以下のもの 挙げられる。シリカ、アルミナ、酸化チタ 、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウ 、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロン ウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレ 、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロ 、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチ ン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム 硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシ ム、炭化ケイ素、窒化ケイ素。
 上記無機微粒子は、高湿度下のトナーの流 特性や帯電特性の悪化を防止するために、 面処理剤を用いて疎水化処理を施すことが ましい。
 好ましい表面処理剤としては、シランカッ リング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基 有するシランカップリング剤、有機チタネ ト系カップリング剤、アルミニウム系のカ プリング剤、シリコーンオイル、変性シリ ーンオイル等が例示できる。
 また、感光体や一次転写媒体に残存する転 後のトナーを除去する為の外添剤(クリーニ ング性向上剤)としては、ステアリン酸亜鉛 ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属 、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリ チレン微粒子等のソープフリー乳化重合等 よって製造されたポリマー微粒子が例示で る。上記ポリマー微粒子は、比較的粒度分 が狭く、個数平均粒径が0.01~1μmのものが好 しい。

 本発明のトナーの各種物性の測定方法につ て以下に説明する。
<樹脂の軟化点(Tm)の測定方法>
 樹脂の軟化点(Tm)は、定荷重押出し式細管式 レオメーターであるフローテスターにより測 定した。
 即ち、樹脂の軟化点(Tm)は、島津製作所製の 高架式フローテスターCFT500C型を用い、下記 件にて測定した。得られたデータに基づき フローテスターカーブを作製した(図1(a)およ び(b)に表示)。該図より樹脂の軟化点(Tm)を求 た。図1中、Tfb:流出開始温度を樹脂の軟化 (Tm)とした。
(測定条件)
荷重  :10kgf/cm (9.807×10 5  Pa)
昇温速度:4.0℃/min
ダイ口径:1.0mm
ダイ長さ:1.0mm

<ワックスの融点の測定方法>
 ワックスの融点は、ワックスを、示差走査 量計(DSC)「Q1000」(TA Instruments社製)を用い、A STMD3418-82に準じて測定した。
 装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛 融点を用い、熱量の補正についてはインジ ムの融解熱を用いた。具体的には、試料約1 0mgを精秤し、アルミニウム製のパンの中に入 れ、リファレンスとして空のアルミニウム製 のパンを用い、測定温度範囲30~200℃の間で、 昇温速度10℃/minで測定を行った。尚、測定に おいては、一度200℃まで昇温させ、続いて30 まで降温し、その後に再度昇温を行なう。 の2度目の昇温過程で、温度30~200℃の範囲に おけるDSC曲線の最大の吸熱ピークを示す温度 をワックスの融点とした。上記最大吸熱ピー クとは、ピークが複数存在する場合には、最 も吸熱量の大きいピークをいう。

<樹脂のガラス転移温度(Tg)の測定方法>
 樹脂のガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量 計(DSC)「Q1000」(TAInstruments社製)を用い、ASTMD341 8-82に準じて測定した。装置検出部の温度補 はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の 正についてはインジウムの融解熱を用いた
 具体的には、試料約10mgを精秤し、アルミニ ウム製のパンの中に入れ、リファレンスとし て空のアルミニウム製のパンを用い、測定温 度範囲30~200℃の間で、昇温速度10℃/minで測定 を行った。この昇温過程で、温度30℃~100℃の 範囲において比熱変化が得られた。このとき の比熱変化が出る前と出た後のベースライン の中間点の線と示差熱曲線との交点を、樹脂 のガラス転移温度(Tg)とした。

<磁性体のBET比表面積の測定方法>
 本発明の磁性体のBET比表面積の測定は次の にして行なった。
 BET比表面積は、湯浅アイオニクス(株)製、 自動ガス吸着量測定装置(オートソープ1)を 用し、吸着ガスに窒素を用い、BET多点法に り求めた。サンプルの前処理としては、50℃ で10時間の脱気を行った。

<トナーの重量平均粒径(D4)、及び数平均粒 (D1)の測定方法>
 トナーの重量平均粒径(D4)および数平均粒径 (D1)は、100μmのアパーチャーチューブを備え 細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装 「コールターカウンター Multisizer 3」(登録 標、ベックマン・コールター社製)と、測定 条件設定及び測定データ解析をするための付 属の専用ソフト「ベックマン・コールター M ultisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールタ 社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5 チャンネルで測定し、測定データの解析を ない、算出した。
 測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナ リウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1 質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTO N II」(ベックマン・コールター社製)が使用 きる。
 尚、測定、解析を行なう前に、以下のよう 専用ソフトの設定を行なった。専用ソフト 「標準測定方法(SOM)を変更画面」において コントロールモードの総カウント数を50000粒 子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒 子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用 いて得られた値を設定した。閾値/ノイズレ ルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイ レベルを自動設定した。また、カレントを16 00μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設 し、測定後のアパーチャーチューブのフラ シュにチェックを入れた。専用ソフトの「 ルスから粒径への変換設定画面」において ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径 ンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定し 。
 具体的な測定法は以下の通りである。
 (1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカ に前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプル タンドにセットし、スターラーロッドの撹 を反時計回りで24回転/秒にて行った。そし 、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシ 」機能により、アパーチャーチューブ内の れと気泡を除去しておいた。
 (2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解 溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「 ンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イ ン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の 密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、 光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に 希釈した希釈液を約0.3ml加えた。
 (3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180 ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超 音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150 (日科機バイオス社製)の水槽内に所定量の オン交換水を入れ、この水槽中に前記コン ミノンNを約2ml添加した。
 (4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器の ーカー固定穴にセットし、超音波分散器を 動させた。そして、ビーカー内の電解水溶 の液面の共振状態が最大となるようにビー ーの高さ位置を調整した。
 (5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音 を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ 前記電解水溶液に添加し、分散させた。そし て、さらに60秒間超音波分散処理を継続した 尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温 10℃以上40℃以下となる様に適宜調節した。
 (6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の 底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを 散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測 濃度が約5%となるように調整した。そして 測定粒子数が50000個になるまで測定を行なっ た。
 (7)測定データを装置付属の前記専用ソフト て解析を行ない、重量平均粒径(D4)および数 平均粒径(D1)を算出した。尚、専用ソフトで ラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統 値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒 径(D4)であり、専用ソフトでグラフ/個数%と設 定したときの、分析/個数統計値(算術平均)画 面の「平均径」が数平均粒径(D1)である。

<トナーの平均円形度及びトナーの微分量 測定方法>
 トナーの平均円形度は、フロー式粒子像分 装置「FPIA-3000」(シスメックス社製)を用い 校正作業時の測定及び解析条件で測定した
 具体的な測定方法としては、イオン交換水2 0mlに、分散剤として界面活性剤、好ましくは ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩を 適量加えた後、測定試料0.02gを加え、発振周 数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗 器分散機(例えば「VS-150」(ヴェルヴォクリ ア社製))を用いて2分間分散処理を行ない、 定用の分散液とした。その際、分散液の温 が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却した
 測定には、標準対物レンズ(10倍)を搭載した 前記フロー式粒子像分析装置を用い、シース 液にはパーティクルシース「PSE-900A」(シスメ ックス社製)を使用した。前記手順に従い調 した分散液を前記フロー式粒子像分析装置 導入し、HPF測定モードで、トータルカウン モードにて3000個のトナー粒子を計測して、 子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径 を円相当径2.00μm以上、200.00μm以下に限定し トナー粒子の平均円形度を求めた。
 測定にあたっては、測定開始前に標準ラテ クス粒子(例えばDuke Scientific社製の「5100A」 をイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調 を行なう。その後、測定開始から2時間毎に 点調整を実施することが好ましい。
 なお、本願実施例では、シスメックス社に る校正作業が行われた、シスメックス社が 行する校正証明書の発行を受けたフロー式 子像分析装置を使用し、解析粒子径を円相 径2.00μm以上、200.00μm以下に限定した以外は 、校正証明を受けた時の測定及び解析条件で 測定を行なった。
 一方、トナーの微分量は、解析粒子径を0.60 μm以上、200.00μm以下の範囲で、平均円形度の 測定と同様に測定し、0.60μm以上、2.00μm以下 個数頻度を求め、0.60μm以上、200.00μm以下の 全範囲に対する割合を求めた。これを、トナ ーの微粉量とした。

<超音波処理後のトナーの微粉量>
 上記トナーの微分量を求めた測定用分散液 更に、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓 型の超音波洗浄器分散機(「VS-150」(ヴェル ォクリーア社製))を用いて30分間分散処理を ない、測定用の分散液とした。
 この分散液を、上記トナーの微粉量測定と 様にして、測定を行ない0.60μm以上、2.00μm 下の個数頻度を求め、0.60μm以上、200.00μm以 の全範囲に対する割合を求めた。

<樹脂微粒子、及びワックス分散液中のワ クス粒子の粒子径の測定方法>
 樹脂微粒子、及びワックス分散液中のワッ ス粒子の粒子径は、マイクロトラック粒度 布測定装置HRA(X-100)(日機装社製)を用い、0.00 1μm~10μmのレンジ設定で測定を行ない、個数 均粒子径(μm又はnm)として測定した。なお、 釈溶媒として樹脂微粒子には水、ワックス 子には酢酸エチルを選択した。

<樹脂のゲルパーミエーションクロマトグ フ(GPC)による分子量分布、ピーク分子量、及 び数平均分子量の測定方法>
 樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラ (GPC)による分子量分布、ピーク分子量、及 数平均分子量は、樹脂のテトラヒドロフラ (THF)可溶分を、THFを溶媒としたGPC(ゲルパー イションクロマトグラフィ)により測定した 測定条件は以下の通りである。
 (1)測定試料の作製
 樹脂(試料)とTHFとを約0.5~5mg/ml(例えば約5mg/ml )の濃度で混合し、室温にて数時間(例えば5~6 間)放置した後、充分に振とうし、THFと試料 を試料の合一体がなくなるまで良く混ぜた。 更に、室温にて12時間以上(例えば24時間)静置 した。この時、試料とTHFの混合開始時点から 、静置終了の時点までの時間が24時間以上と る様にした。
 その後、サンプル処理フィルタ(ポアサイズ 0.45~0.5μm、マイショリディスクH-25-2[東ソー社 製]、エキクロディスク25CR[ゲルマン サイエ スジャパン社製]が好ましく利用出来る)を 過させたものをGPCの試料とした。
 (2)試料の測定
 40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定 させ、この温度に於けるカラムに、溶媒と てTHFを毎分1mlの流速で流し、試料濃度を0.5~5 mg/mlに調整した樹脂のTHF試料溶液を50~200μl注 して測定した。
試料の分子量測定にあたっては、試料の有す る分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標 準試料により作製された検量線の対数値とカ ウント数との関係から算出した。検量線作成 用の標準ポリスチレン試料としては、Pressure ChemicalCo.製或いは東洋ソーダ工業社製の、分 子量が6×10 2 、2.1×10 3 、4×10 3 、1.75×10 4 、5.1×10 4 、1.1×10 5 、3.9×10 5 、8.6×10 5 、2×10 6 、4.48×10 6 のものを用いた。又、検出器にはRI(屈折率) 出器を用いた。尚、カラムとしては、1×10 3 ~2×10 6 の分子量領域を適確に測定する為に、市販の ポリスチレンゲルカラムを下記のように複数 組み合わせて用いた。本発明に於ける、GPCの 測定条件は以下の通りである。
[GPC測定条件]
装 置       :LC-GPC  150C(ウォーターズ社 )
カラム       :KF801、802、803、804、805、806 807(ショウデックス製)の7連
カラム温度     :40℃
移動相       :THF(テトラヒドロフラン)

<トナーの誘電損率ε”/誘電率ε’で示され る誘電損失(tanδ)の測定方法>
 トナーの誘電損率ε”/誘電率ε’で示され 誘電損失(tanδ)は、4284AプレシジョンLCRメー ー(ヒューレット・パッカード社製)を用いて 、1000Hz及び1MHzの周波数で校正後、周波数10 5 Hzにおける複素誘電率の測定値より誘電損失 接(tanδ=ε”/ε’)を算出した。
 即ち、トナーを1.0g秤量し、19600kPa(200kgf/cm 2 )の荷重を1分間かけて成形し、直径25mm、厚さ 2mm以下(好ましくは0.5mm以上1.5mm以下)の円盤状 の測定試料を調製した。この測定試料を直径 25mmの誘電率測定治具(電極)を装着したARES(レ メトリック・サイエンティフィック・エフ イー社製)に装着し、室温で、1000Hzから1MHz 周波数の範囲で測定試料の複素誘電率を測 し、誘電損失正接(tanδ=ε”/ε’)を算出した 周波数10 5 Hzにおける値を、トナーの誘電損率ε”/誘電 ε’で示される誘電損失(tanδ)とした。

<トナーの体積抵抗率Rt(ω・cm)の測定方法> ;
 トナーの体積抵抗率Rt(ω・cm)は、図2に示し 測定装置を用いて行なった。
 即ち、抵抗測定セルEに、トナーを充填し、 該トナーに接するように下部電極11及び上部 極12を配し、これらの電極間に電圧を印加 、そのときに流れる電流を測定することに って体積抵抗率を求めた。測定条件は、以 の通りである。
充填トナーと電極との接触面積:S=約2.3cm 2
厚み            :d=約0.5mm
上部電極12の荷重     :180g
印加電圧          :500V

<トナー粒子の断面拡大写真における磁性 の個数平均分散径の測定方法>
 クライオミクロト―ム(Reichert社製 ULTRACUT N  FC4E)装置に水溶性樹脂に分散したトナー粒 を入れた。液体窒素により該装置を-80℃ま 冷却し、トナー粒子が分散された水溶性樹 を凍結した。凍結された水溶性樹脂を、ガ スナイフにより切削面形状が約0.1mm幅、約0.2 mmになるようにトリミングした。次にダイヤ ンドナイフを用いて、水溶性樹脂を含むト ーの超薄切片(厚み設定:70nm)を作製し、まつ げプローブを用いてTEM観察用グリッドメッシ ュ上に移動した。水溶性樹脂を含むトナー粒 子の超薄切片を室温に戻した後、水溶性樹脂 を純水に溶解させて透過型電子顕微鏡(TEM)の 察試料とした。該試料は、透過型電子顕微 H-7500(日立製作所製)を用い、加速電圧100kVに て観察し、トナー粒子の断面の拡大写真を撮 影した。トナー粒子の断面は任意に選んだ。 また、拡大写真の倍率は10000倍とした。
 上記写真撮影により得られた画像は、イン ーフェースを介して、600dpiで読み取り、画 解析装置Win ROOF Version5.0(マイクロソフト社 製-三谷商事)に導入し、2値の画像データに変 換した。そのうち、磁性体についてのみ無作 為に解析を行なうこととし、サンプリング数 が100回まで測定を繰り返し、磁性体の凝集径 を求め、その個数平均をトナー粒子中に存在 する磁性体の個数平均分散径とした。

<磁性体及びトナーの磁化σtの測定方法>
 磁性体及びトナーの磁化の強さは、磁気特 と質量とから求めた。磁性体及びトナーの 気特性は、「振動資料型磁力計VSM-3S-15」(東 英工業(株)製)を用いて測定した。
 測定方法としては、円筒状のプラスチック 器に十分密になるように磁性体またはトナ を充填し、一方で1.00キロエルステッド(79.6k A/m)の外部磁場を作り、この状態で前記容器 充填した磁性体またはトナーの磁化モーメ トを測定した。
 次に、前記容器に充填した磁性体またはト ーの実際の質量を測定して、磁性体または ナーの磁化の強さ(Am 2 /kg)を求めた。
 また、最大印加磁場を1.00キロエルステッド (79.6kA/m)とした際のヒステリシスループを描 ことにより、残留磁化(σr)を求めた。
 <磁性体の個数平均粒径(D1)及び磁性体の 径の変動係数の測定方法>
 磁性体の個数平均粒径(D1)及び標準偏差σは 電子顕微鏡観察で撮影した粒子画像(任意に 350個)を、統計解析(グラフテック株式会社製 ジタイザKD4620)を用いて計測し、算出した。
 また、磁性体の粒径の変動係数は、上記個 平均径D1(μm)と上記標準偏差σ(μm)とから下 式に従って算出した。変動係数の値が小さ なるほど、粒度分布に優れていることを表 ている。
 磁性体の粒径の変動係数=(σ/D1)×100(%)

<磁性体のかさ密度の測定>
 磁性体のかさ密度は、パウダーテスタPT-R( ソカワミクロン社製)を用い、該機器の操作 ニュアルに従い、測定した。
 具体的には、目開き500μmの篩を用いて、振 を1mmで振動させながら、ちょうど10mlとなる まで磁性体を補給しつつ、金属性カップを振 幅18mmにて上下往復180回タッピングさせ、タ ピング後の磁性体量から、かさ密度(g/cm 3 )を計算した。

<スルホン酸基価の測定方法>
 固形分20質量%の樹脂微粒子分散液を、塩酸 又は水酸化ナトリウムで、中性(pH=7.0±0.1)に した後、塩酸を滴下しながら、分散液のpH及 ゼータ電位を測定する。pHが2.0以上3.0以下 範囲において、ゼータ電位が負の値から、 の値に変わることを観測する。この範囲で ータ電位が0になる点を求め、要した塩酸の ル数を求める。同じモル数の水酸化カリウ の質量を求める。一方で、樹脂微粒子分散 の固形分の質量を求めることにより、単位 量あたりのスルホン酸基価の値とした。な 、pHが3.0以上の値でゼータ電位が負の値か 、正の値に変わる場合、スルホン酸基価は0m gKOH/gとする。

<樹脂の酸価の測定方法>
 酸価は試料1gに含まれる酸を中和するため 必要な水酸化カリウムのmg数である。結着樹 脂の酸価はJIS K 0070-1966に準じて測定される 、具体的には、以下の手順に従って測定す 。
 (1)試薬の準備
 フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコー ル(95vol%)90mlに溶かし、イオン交換水を加えて 100mlとし、「フェノールフタレイン溶液」を る。
 特級水酸化カリウム7gを5mlの水に溶かし、 チルアルコール(95vol%)を加えて1lとする。炭 ガスに触れないように、耐アルカリ性の容 に入れて3日間放置後、ろ過して、「水酸化 カリウム溶液」を得る。得られた水酸化カリ ウム溶液は、耐アルカリ性の容器に保管する 。標定はJISK 0070-1996に準じて行なう。
 (2)操作
(A)本試験
 粉砕した結着樹脂の試料2.0gを200mlの三角フ スコに精秤し、トルエン/エタノール(2:1)の 合溶液100mlを加え、5時間かけて溶解する。 いで、指示薬として前記フェノールフタレ ン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶 を用いて滴定する。尚、滴定の終点は、指 薬の薄い紅色が約30秒間続いたときとする
(B)空試験
 試料を用いない(すなわちトルエン/エタノ ル(2:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記 作と同様の滴定を行なう。
 (3)得られた結果を下記式に代入して、酸価 算出する。
   A=[(B-C)×f×5.61]/S
(式中、A:酸価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリ ム溶液の添加量(ml)、C:本試験の水酸化カリ ム溶液の添加量(ml)、f:水酸化カリウム溶液 ファクター、S:試料(g)である。)

<トナーの損失弾性率(G”)および貯蔵弾性 (G’)の測定方法>
 粘弾性測定装置(レオメーター)ARES(Rheometrics Scientific社製)を用いて測定を行った。測定の 概略は、Rheometrics Scientific社製発行のARES操作 マニュアル902-30004(1997年8月版)、902-00153(1993年 7月版)に記載されているが、以下の通りであ 。
・測定治具:直径7.9mm、セレイテッド型のパラ レルプレートを使用
・測定試料:加圧成型機を用い、常温で1分間1 5kNを維持し、直径約8mm、高さ約2mmの円柱状試 料を作製する。加圧成型機は100kNプレスNT-100H (NPaシステム社製)を用いた。
 セレイテッド型のパラレルプレートの温度 90℃に温調し、該円柱状試料を加熱溶融さ 鋸歯を食い込ませ、axial forceが30(g重)を超え ないように垂直方向に荷重をかけ、セレイテ ッド型のパラレルプレートに固着させた。こ のとき試料の直径がパラレルプレートの直径 と同じになるよう、スチールベルトを用いて もよい。測定開始温度30.00℃まで1時間かけて セレイテッド型のパラレルプレートおよび該 円柱状試料を徐冷した。
・測定周波数  :6.28ラジアン/秒
・測定歪みの設定:初期値を0.1%に設定し、自 測定モードにて測定
・試料の伸長補正:自動測定モードにて調整
・測定温度   :30℃から180℃まで毎分2℃の 合で昇温
・測定間隔   :30秒おき、すなわち1℃おき 粘弾性データを測定
 Microsoft社製Winows2000上で動作するRSI Orchesrato r VER.6.5.6(制御、データ収集および解析ソフ )(Rheometrics Scientific社製)へ、インターフェー スを通じてデータ転送し、解析を行ない、各 値を得た。尚、最大値を示す温度については 、RSI Orchesrator VER.6.5.6において、[Tools]から[P eak and Valleys]を選び、さらに[AutoFind Peaks]を 定することにより求めた。

<磁性体を除いたTHF不溶分量の測定>
 トナー粒子中の磁性体を除いた、樹脂成分 THF不溶分量は、以下のようにして測定した
 トナー粒子約1.0gを秤量(W1(g))し、予め秤量 た円筒濾紙(例えば、商品名No.86R(サイズ28mm× 100mm)、アドバンテック東洋社製)に入れてソ クスレー抽出器にセットし、溶媒としてテ ラヒドロフラン(THF)200mlを用いて16時間抽出 る。このとき、溶媒の抽出サイクルが約5分 一回になるような還流速度で抽出を行った
 抽出終了後、円筒ろ紙を取り出して風乾し 後、40℃で8時間真空乾燥し、抽出残分を含 円筒濾紙の質量を秤量し、円筒濾紙の質量 差し引くことにより、抽出残分の質量(W2(g)) を算出した。
 そして、磁性体の含有量(W3(g))を下記式のよ うに差し引くことによって、THF不溶分を求め ることができる。
 THF不溶分(質量%)={(W2-W3)/(W1-W3)}×100
 磁性体の含有量は、公知の分析手段によっ 測定することができるが、分析が困難な場 には、以下のようにして磁性体の含有量(ト ナー中の焼却残灰分W3’(g))を見積もり、その 含有量を差し引くことによって、THF不溶分を 求めることができる。
 トナー粒子中の焼却残灰分は以下の手順で めた。予め秤量した30mlの磁性るつぼに約2g トナーを秤量Wa(g)した。るつぼを電気炉に れ約900℃で約3時間加熱し、電気炉中で放冷 、常温下でデシケーター中に1時間以上放冷 した。その後、焼却残灰分を含むるつぼの質 量を秤量し、るつぼの質量を差し引くことに より焼却残灰分Wb(g)を算出した。そして、下 式により、試料W1(g)中の焼却残灰分の質量W3 ’(g)を算出した。
 W3’=W1×(Wb/Wa)
 この場合、THF不溶分は、下記式で求められ 。
 THF不溶分(質量%)={(W2-W3’)/(W1-W3’)}×100

<遠心法によるトナーの平均付着力(F50)の測 定方法>
 トナーの平均付着力(F50)は、遠心法付着力 定装置 NS-C100型(ナノシーズ社製)を用い、該 操作マニュアルに従い、常温常湿環境下(23℃ /60%RH)において、測定した。尚、本装置は大 して画像解析部、及び遠心分離部より構成 れる。画像解析部は金属顕微鏡、画像解析 置、映像モニターにより構成される。遠心 離部は高速遠心機、サンプルセル(材質はア ミA5052)により成る。
 (測定方法)
 ガラス基板(松浪硝子工業社製 スライドグ ス)にトナーを付着させた後、ガラス基板を サンプルセルに固定し高速遠心機にて2000回 、4000回転、6000回転、8000回転、10000回転の5 準で遠心分離し、トナーの分離状態を記録 た。
 この際、トナーに作用する分離力をトナー 真比重、粒子径、回転数、回転半径から算 した。
 測定初期の付着量に対して回転後のトナー 留率Rを測定し、縦軸に残留率、横軸に分離 力をプロットし、近似直線から50%のトナーが 分離する分離力(この場合、分離力は付着力 同等)を算出し、平均付着力(F50)とした。
 (解析方法)
 回転後のトナー残留率Rが50%となる回転角速 度ωを上述の測定方法によって算出し、次式 り平均付着力(F50)を算出した。
 平均付着力(F50)=(π/6)・ρ・d 3 ・r・ω 2
(ρは粒子密度、dは粒子径、rは回転半径、ω トナーが50%分離する際の回転角速度である )

<トナー粒子表面の平均粗さ(Ra)の測定方法& gt;
 本発明において、トナーの表面粗さ(Ra)は、 走査型プローブ顕微鏡を用いて測定した。以 下に、測定条件及び方法を示す。
プローブステーション:SPI3800N(セイコーイン ツルメンツ(株)製)
測定ユニット    :SPA400
測定モード     :DFM(共振モード)形状像
カンチレバー    :SI-DF40P
解像度       :Xデータ数 256、Yデータ数12 8
 本発明においては、トナー粒子表面の1μm四 方のエリアを測定した。測定するエリアは、 走査型プローブ顕微鏡で測定されるトナー粒 子表面の、中央部の1μm四方のエリアとした 測定するトナー粒子は、前述のコールター ウンター法で測定される重量平均粒径(D4)に しい粒径のトナー粒子をランダムに選択し 。測定されたデータは、2次補正を行った。 異なるトナー粒子を5個以上測定し、得られ データの平均値を算出して、トナー粒子表 の平均粗さ(Ra)とした。
 上記のようにして求めた平均粗さ(Ra)は、 J IS B0601で定義されている中心線平均粗さRaを 測定面に対して適用できるよう三次元に拡 したものである。指定面までの偏差の絶対 を平均した値であり、次式で表される。


 
F(X,Y) :全測定データの示す面
S 0      :指定面が理想的にフラットであると 定したときの面積
Z 0      :指定面内のZデータ(指定面に対して 直方向のデータ)の平均値

 以下、実施例を持って本発明を更に詳細に 明するが、本発明は何らこれに制約される のではない。尚、以下の配合における部数 特に説明が無い場合は質量部である。
 [樹脂微粒子分散液1の作製]
・プロピレングリコール、エチレングリコー ル、ブタンジオールの40:50:10混合物(モル比) テレフタル酸、イソフタル酸の50:50混合物( ル比)から得られた数平均分子量約2000のポリ エステルジオール           120質量部
・ジメチロールプロパン酸                       94質量部
・3-(2,3-ジヒドロキシプロポキシ)-1-プロパン ルホン酸   8質量部
・イソホロンジイソシアネート                    120質量部
 上記原材料をアセトン60質量部中に溶解し 67℃で1時間反応させた。ついで、イソホロ ジイソシアネート271質量部を添加し、更に67 ℃で30分反応させ冷却した。上記反応物に更 100質量部のアセトンを追加した後、トリエ ルアミン80質量部を投入し攪拌した。上記 セトン溶液をイオン交換水1000質量部に500rpm 攪拌しながら滴下し、微粒子分散液を調製 た。
 ついで10%アンモニア水100質量部にトリエチ アミン50質量部を溶解させた水溶液を上記 粒子分散液に投入し、50℃、8時間反応させ ことで伸長反応を行った。更に、イオン交 水を固形分20質量%になるまで添加し樹脂微 子分散液-1を得た。得られた樹脂微粒子分散 液-1中の樹脂微粒子の分散径を測定し、更に 得られた樹脂微粒子を用いて、その他の物 を求めた。結果を表1に示す。

 [樹脂微粒子分散液2の作製]
 温度計、撹拌機を備えたオートクレーブ中 、
・ジメチルテレフタレート                     116質量部
・ジメチルイソフタレート                      66質量部
・5-ナトリウムスルホイソフタレートメチル ステル        30質量部
・無水トリメリット酸                         5質量部
・プロピレングリコール                     150質量部
・テトラブトキシチタネート                   0.1質量部
を仕込み200℃で120分間加熱してエステル交換 反応を行った。ついで反応系を220℃まで昇温 し、系の圧力1~10mmHgとして60分間反応を続け ポリエステル樹脂を得た。該ポリエステル 脂40質量部を、メチルエチルケトン15質量部 テトラヒドロフラン10質量部に80℃にて溶解 した後、80℃の水60質量部を攪拌しながら添 し、減圧にて溶剤を除去した。更に、イオ 交換水を添加することにより、固形分20質量 %である樹脂微粒子分散液-2を得た。物性を表 1に示す。

 [樹脂微粒子分散液3の作製]
 冷却管、窒素導入管および攪拌機のついた 応容器中に、下記原材料を投入した。
・スチレン                           300質量部
・n-ブチルアクリレート                     110質量部
・アクリル酸                            10質量部
・スチレンスルホン酸ナトリウム                  30質量部
・2-ブタノン(溶媒)                      50質量部
 重合開始剤として2,2’-アゾビス(2,4-ジメチ バレロニトリル)8質量部を上記組成物に溶 し、重合性単量体組成物を調製した。60℃で 8時間、重合性単量体組成物を重合した後、15 0℃まで昇温させ、減圧下で脱溶剤し、反応 器から取り出した。反応物を室温まで冷却 た後、粉砕、粒子化し、線形ビニル樹脂を た。該樹脂100質量部と、トルエン400質量部 を混合し、80℃まで加温し、樹脂を溶解し、 樹脂溶解液を得た。
 次に、イオン交換水360質量とドデシルジフ ニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5 %水溶液(「エレミノールMON-7」、三洋化成工 製)40質量部とを混合し、上記樹脂溶解液を え混合攪拌し乳白色の液体を得た。減圧に トルエンを除去し、イオン交換水を添加す ことにより、固形分20質量%である樹脂微粒 分散液-3を得た。物性を表1に示す。

 [樹脂微粒子分散液4の作製]
・プロピレングリコール、エチレングリコー ル、ブタンジオールの40:50:10混合物(モル比) テレフタル酸、イソフタル酸の50:50混合物( ル比)から得られた数平均分子量約2000のポリ エステルジオール         100質量部
・プロピレングリコール                     16質量部
・ジメチロールプロパン酸                     94質量部
・N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-2-アミノエタ スルホン酸ナトリウム
                                  8質量部
・トリレンジイソシアネート                   30質量部
 上記原材料をアセトン60質量部に溶解し、67 ℃で1時間反応させた。更に、イソホロンジ ソシアネート271質量部(1.2モル)を添加し、更 に67℃で30分反応させ冷却した。上記反応物 更に100質量部のアセトンを追加した後、ト エチルアミン80質量部(0.8モル)を投入し攪拌 た。上記アセトン溶液をイオン交換水1000質 量部に500rpmで攪拌しながら滴下し、微粒子分 散液を調製した。
 ついで10%アンモニア水100質量部にトリエチ アミン50質量部を溶解させた水溶液を上記 粒子分散液に投入し、50℃で8時間反応させ ことで伸長反応を行った。更に、イオン交 水を固形分20質量%になるまで添加し、樹脂 粒子分散液-4を得た。物性を表1に示す。

 [樹脂微粒子分散液5の作製]
・プロピレングリコール、エチレングリコー ル、ブタンジオールの40:50:10混合物(モル比) テレフタル酸、イソフタル酸の50:50混合物( ル比)から得られた数平均分子量約2000のポリ エステルジオール         120質量部
・プロピレングリコール                      8質量部
・ジメチロールプロパン酸                     94質量部
・3-(2,3-ジヒドロキシプロポキシ)-1-プロパン ルホン酸 8質量部
・イソホロンジイソシアネート                   39質量部
 上記原材料をアセトン60質量部中に溶解し 67℃で1時間反応させた。ついで、イソホロ ジイソシアネート271質量部を添加し、更に67 ℃で30分反応させ冷却した。上記アセトン溶 をイオン交換水1000質量部に500rpmで攪拌しな がら滴下し、微粒子分散液を調製した。
 上記微粒子分散液に更に100質量部のアセト を追加した後、トリエチルアミン80質量部 投入し攪拌した。ついで、10%アンモニア水10 0質量部にトリエチルアミン50質量部を溶解さ せた水溶液を投入し、50℃で8時間反応させる ことで伸長反応を行った。更に、イオン交換 水を固形分20質量%になるまで添加し、樹脂微 粒子分散液-5を得た。物性を表1に示す。

 [樹脂微粒子分散液6の作製]
・プロピレングリコール、エチレングリコー ル、ブタンジオールの40:50:10混合物(モル比) テレフタル酸、イソフタル酸の50:50混合物( ル比)から得られた数平均分子量約2000のポリ エステルジオール         120質量部
・プロピレングリコール                      8質量部
・ジメチロールプロパン酸                     94質量部
・3-(2,3-ジヒドロキシプロポキシ)-1-プロパン ルホン酸 8質量部
・イソホロンジイソシアネート                   39質量部
 上記原材料をアセトン60質量部中に溶解し 67℃で1時間反応させた。ついで、イソホロ ジイソシアネート150質量部を添加し、更に65 ℃で20分反応させ冷却した。上記アセトン溶 をイオン交換水1000質量部に500rpmで攪拌しな がら滴下し、微粒子分散液を調製した。
 上記微粒子分散液に更に100質量部のアセト を追加した後、トリエチルアミン80質量部 投入し攪拌した。ついで、10%アンモニア水10 0質量部にトリエチルアミン50質量部を溶解さ せた水溶液を投入し、50℃で8時間反応させる ことで伸長反応を行った。更に、イオン交換 水を固形分20質量%になるまで添加し、樹脂微 粒子分散液-6を得た。物性を表1に示す。

 <ポリエステル-1の調製>
 冷却管、窒素導入管および攪拌機のついた 応容器中に、下記を投入した。
・1,4-ブタンジオール                   928質量部
・テレフタル酸ジメチルエステル               776質量部
・1,6-ヘキサン二酸                   292質量部
・テトラブトキシチタネート(縮合触媒)             3質量部
 160℃で窒素気流下、生成するメタノールを 去しながら8時間反応させた。ついで210℃ま で徐々に昇温させながら、窒素気流下に、生 成するプロピレングリコール、水を留去しな がら4時間反応させ、さらに20mmHgの減圧下に 1時間反応させた。ついで160℃まで冷却し、 水トリメリット酸173質量部および1,3-プロパ ン二酸125質量部を加え、常圧密閉下2時間反 後、200℃常圧で反応させ、軟化点が170℃に った時点で取り出した。取り出した樹脂を 温まで冷却後、粉砕、粒子化し、非線形ポ エステル樹脂であるポリエステル-1を得た。 ポリエステル-1のTgは53℃、酸価は25mgKOH/gであ った。

 <ポリエステル-2の調製>
・ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒド キシフェニル)プロパン
                                 30質量部
・ポリオキシエチレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロ シフェニル)プロパン
                                 33質量部
・テレフタル酸                         21質量部
・無水トリメリット酸                        1質量部
・フマル酸                            3質量部
・ドデセニルコハク酸                       12質量部
・酸化ジブチル錫                        0.1質量部
をガラス製4リットルの4つ口フラスコに入れ 温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導 管を取りつけマントルヒーター内においた 窒素雰囲気下で、215℃で5時間反応させ、ポ リエステル-2を得た。ポリエステル-2のTgは62 、酸価は6mgKOH/gであった。

 <ポリエステル-3の調製>
 冷却管、窒素導入管および攪拌機のついた 応容器中に、下記を投入した。
・1,2-プロパンジオール                  799質量部
・テレフタル酸ジメチルエステル                815質量部
・1,5-ペンタン二酸                    238質量部
・テトラブトキシチタネート(縮合触媒)              3質量部
 180℃で窒素気流下、生成するメタノールを 去しながら8時間反応させた。ついで230℃ま で徐々に昇温させながら、窒素気流下に、生 成するプロピレングリコール、水を留去しな がら4時間反応させ、さらに20mmHgの減圧下に 1時間反応させた。ついで180℃まで冷却し、 水トリメリット酸173質量部を加え、常圧密 下2時間反応後、220℃常圧で反応させ、軟化 点が180℃になった時点で取り出した。取り出 した樹脂を室温まで冷却後、粉砕、粒子化し 、非線形ポリエステル樹脂であるポリエステ ル-3を得た。ポリエステル-3のTgは62℃、酸価 2mgKOH/gであった。

 <ポリエステル-4の調製>
 冷却管、窒素導入管および攪拌機のついた 応容器中に、下記を投入した。
・1,3-ブタンジオール                   1036質量部
・テレフタル酸ジメチルエステル                892質量部
・1,6-ヘキサン二酸                    205質量部
・テトラブトキシチタネート(縮合触媒)              3質量部
 180℃で窒素気流下、生成するメタノールを 去しながら8時間反応させた。ついで、230℃ まで徐々に昇温させながら、窒素気流下に、 生成するプロピレングリコール、水を留去し ながら4時間反応させ、さらに20mmHgの減圧下 て反応させ、軟化点が150℃になった時点で り出した。取り出した樹脂を室温まで冷却 、粉砕、粒子化し、線形ポリエステル樹脂 あるポリエステル-4を得た。ポリエステル-4 Tgは38℃、酸価は15mgKOH/gであった。

 <ポリエステル-5の調製>
 冷却管、窒素導入管および攪拌機のついた 応容器中に、下記を投入した。
・1,2プロパンジオール                    858質量部
・テレフタル酸ジメチルエステル                873質量部
・1,6-ヘキサン二酸                    219質量部
・テトラブトキシチタネート(縮合触媒)              3質量部
 180℃で窒素気流下、生成するメタノールを 去しながら8時間反応させた。ついで230℃ま で徐々に昇温させながら、窒素気流下に、生 成するプロピレングリコール、水を留去しな がら4時間反応させ、さらに20mmHgの減圧下に 反応させ、軟化点が150℃になった時点で取 出した。取り出した樹脂を室温まで冷却後 粉砕、粒子化し、線形ポリエステル樹脂で るポリエステル-5を得た。ポリエステル-5のT gは44℃、酸価は13mgKOH/gであった。

 <ポリエステル樹脂溶液の調製>
 攪拌羽つきの密閉性容器に酢酸エチルを投 し、100rpmで攪拌しているところに、上記ポ エステル-1~5を入れ室温で3日攪拌すること ポリエステル樹脂溶液-1~5を調製した。樹脂 有量(質量%)は表2に示す。


 

 <ワックス分散液-1の調製>
・カルナウバワックス(最大吸熱ピーク温度81 ℃)        20質量部
・酢酸エチル                           80質量部
 上記を攪拌羽根突きのガラスビーカー(IWAKI ラス製)に投入し、系内を70℃に加熱するこ でカルナウバワックスを酢酸エチルに溶解 せた。ついで、系内を50rpmで緩やかに攪拌 ながら徐々に冷却し、3時間かけて25℃にま 冷却させ乳白色の液体を得た。
 この溶液を1mmのガラスビーズ20質量部とと に耐熱性の容器に投入し、ペイントシェー ー(東洋精機製)にて3時間の分散を行ない、 ックス分散液-1を得た。
 上記ワックス分散液-1中のワックス粒子径 マイクロトラック粒度分布測定装置HRA(X-100)( 日機装社製)にて測定したところ、個数平均 子径で0.15μmであった。

 <ワックス分散液-2の調製>
・ステアリン酸ステアリル(最大吸熱ピーク 度67℃)      16質量部
・ニトリル基含有スチレンアクリル樹脂(ス レン/n-ブチルアクリレート/アクリロニトリ =65/35/10(質量比)、ピーク分子量8500)   8質 部
・酢酸エチル                           76質量部
 上記を攪拌羽根突きのガラスビーカー(IWAKI ラス製)内に投入し、系内を65℃に加熱する とでステアリン酸ステアリルを酢酸エチル 溶解させた。ついで、ワックス分散液-1と 様の操作を行ない、ワックス分散液-2を得た 。上記ワックス分散液-2中のワックス粒子径 マイクロトラック粒度分布測定装置HRA(X-100) (日機装社製)にて測定したところ、個数平均 子径で0.12μmであった。

 <ワックス分散液-3の調製>
・トリメチロールプロパントリベヘネート( 大吸熱ピーク温度58℃)16質量部
・ニトリル基含有スチレンアクリル樹脂(ス レン/n-ブチルアクリレート/アクリロニトリ =65/35/10(質量比)、ピーク分子量8500)   8質 部
・酢酸エチル                           76質量部
 上記原材料を攪拌羽根突きのガラスビーカ (IWAKIガラス製)内に投入し、系内を60℃に加 することで、トリメチロールプロパントリ ヘネートを酢酸エチルに溶解させた。つい 、ワックス分散液-1と同様の操作を行ない ワックス分散液-3を得た。上記ワックス分散 液-3中のワックス粒子径をマイクロトラック 度分布測定装置HRA(X-100)(日機装社製)にて測 したところ、個数平均粒子径で0.18μmであっ た。

 <磁性体分散液-1の調製>
・酢酸エチル                          100質量部
・ポリエステル-1                       50質量部
・マグネタイト-1                      100質量部
(球形、個数平均粒子0.22μm、比表面積9.6m 2 /g、変動係数44%、磁化68.4Am 2 /kg、残留磁化5.2Am 2 /kg)
・ガラスビーズ(1mm)                    100質量部
 上記原材料を耐熱性のガラス容器に投入し ペイントシェーカー(東洋精機製)にて5時間 散を行ない、ナイロンメッシュでガラスビ ズを取り除き、磁性体分散液-1を得た。

 <磁性体分散液-2の調製>
・ポリエステル-2                       50質量部
・マグネタイト-2                      100質量部
(八面体、個数平均粒子0.18μm、比表面積11.5m 2 /g、変動係数48%、磁化69.3Am 2 /kg、残留磁化8.1Am 2 /kg)
 上記の原材料をニーダー型ミキサーに仕込 、混合しながら非加圧下で昇温した。130℃ で昇温し、約10分間加熱溶融混練を行ない マグネタイトを樹脂に分散させた。その後 冷却しながら混練を続け、80℃まで冷却し、 50質量部の酢酸エチルを徐々に加えた。酢酸 チルを添加後、系を75℃に固定し、30分混練 した後、冷却し、混練物を得た。次いで、上 記混錬物を、ハンマーを用いて粗粉砕後、固 形分濃度が、60質量%になるように、酢酸エチ ルと混ぜた後、ディスパー(特殊機化鉱業(株) )を用いて、8000rpmで10分間撹拌し、磁性体分 液-2を得た。

 <磁性体分散液-3の調製>
・マグネタイト-3                      250質量部
(八面体、個数平均粒子0.19μm、比表面積10.9m 2 /g、変動係数52%、磁化69.8Am 2 /kg、残留磁化9.3Am 2 /kg)
・酢酸エチル                          250質量部
・ガラスビーズ(1mm)                    300質量部
 上記原材料を耐熱性のガラス容器に投入し ペイントシェーカー(東洋精機製)にて5時間 散を行ない、ナイロンメッシュでガラスビ ズを取り除き、磁性体分散液-3を得た。

 <磁性体分散液-4の調製>
・ポリエステル-4                       50質量部
・マグネタイト-4                      100質量部
(球形、個数平均粒子0.24μm、比表面積7.4m 2 /g、変動係数48%、磁化67.8Am 2 /kg、残留磁化5.3Am 2 /kg)
 上記の原材料をニーダー型ミキサーに仕込 、混合しながら非加圧下で昇温した。130℃ で昇温し、約60分間加熱溶融混練を行ない マグネタイトを樹脂に分散させた。その後 冷却し、混練物を得た。次いで、上記混錬 を、ハンマーを用いて粗粉砕後、固形分濃 が、60質量%になるように、酢酸エチルと混 た後、ディスパー(特殊機化鉱業(株))を用い 、8000rpmで10分間撹拌し、磁性体分散液-4を た。

 <磁性体分散液-5の調製>
・ポリエステル-5                       50質量部
・マグネタイト-5                      100質量部
(球形、個数平均粒子0.23μm、比表面積8.1m 2 /g、変動係数47%、磁化67.5Am 2 /kg、残留磁化4.8Am 2 /kg)
 上記の原材料をニーダー型ミキサーに仕込 、混合しながら非加圧下で昇温した。130℃ で昇温し、約60分間加熱溶融混練を行ない マグネタイトを樹脂に分散させた。その後 冷却し、混練物を得た。次いで、上記混錬 を、ハンマーを用いて粗粉砕し粗粉砕物を た。
・上記粗粉砕物                        150質量部
・酢酸エチル                          100質量部
・ガラスビーズ(1mm)                    100質量部
 上記原材料を耐熱性のガラス容器に投入し ペイントシェーカー(東洋精機製)にて5時間 散を行ない、ナイロンメッシュでガラスビ ズを取り除き、磁性体分散液-5を得た。

 <実施例1>
 (油相の調製)
・ワックス分散液-1                        50質量部
・磁性体分散液-1                       75質量部
・ポリエステル樹脂溶液-1                   90質量部
・トリエチルアミン                      0.5質量部
・酢酸エチル                         34.5質量部
 上記溶液を容器内に投入し、ホモディスパ (特殊機化工業(株)社製)で、1500rpmで10分間攪 拌、分散した。更に、上記溶液を常温下で超 音波分散器により30分間分散させることによ 油相1を調製した。
 (水相の調製)
 容器に下記を投入し、TKホモミクサー(特殊 化社製)にて5000rpmで1分攪拌し、水相を調製 た。 
・イオン交換水                        255質量部
・樹脂微粒子分散液-1
(トナー母粒子100質量部に対して、樹脂微粒 5質量部仕込み) 25質量部
・ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸 ナトリウムの50%水溶液
(エレミノールMON-7、三洋化成工業製)           25質量部
・酢酸エチル                           30質量部
 (乳化及び脱溶剤工程)
 上記水相中に油相を投入し、TKホモミクサ で回転数を8000rpmまでの条件で、3分間攪拌を 続け、油相1を懸濁させた。ついで、容器に 拌羽をセットし、200rpmで攪拌しながら系内 50℃に昇温し、かつ500mmHgに減圧した状態で5 間かけて脱溶剤を行ない、トナー粒子の水 散液を得た。
 (洗浄~乾燥工程)
 ついで、上記のトナー粒子の水分散液をろ し、イオン交換水500質量部にリスラリーし 後、系内を攪拌しつつ、系内がpH4になるま 塩酸を加えて、5分間攪拌した。上記スラリ ーを再度ろ過し、イオン交換水200質量部添加 し5分間攪拌する操作を3回繰り返すことで、 内に残存したトリエチルアミンを除去し、 ナー粒子のろ過ケーキを得た。上記ろ過ケ キを温風乾燥機にて45℃で3日間乾燥し、目 き75μmのメッシュでふるい、トナー粒子1を た。
 (トナーの調製)
 次に、上記トナー粒子1の100質量部に対し、 個数平均径20nmの疎水性シリカ0.7質量部と、 数平均径120nmのチタン酸ストロンチウム3.0質 量部を、ヘンシェルミキサー(三井三池化工 (株)製)FM-10Bにて混合し、トナー1を得た。
 トナーの処方を表3に、物性を表4に示す。

 <画像評価>
 得られたトナーの評価方法について説明す 。画像評価には市販のキヤノン製白黒複写 (商品名:IR3570)を用いた。トナーの画像評価 結果を表5に示す。
 上記画像評価の為の試験機を、23℃、5%RHの 境に一晩放置後、印字率3%となる横線パタ ンを1枚/1ジョブとして、ジョブとジョブの にマシンがいったん停止してから次のジョ が始まるように設定したモードで、A4普通紙 (75g/m 2 )を使用して50000枚の画出し耐久試験を行った 。

 (1)カブリ
 カブリの評価は、上記耐久試験中、1000枚終 了時点で、現像バイアスの交流成分の振幅を 1.8kVに設定し、ベタ白を2枚プリントし、2枚 のカブリを以下の方法により測定した。
 反射濃度計(リフレクトメーター:モデル TC- 6DS:東京電色社製)を用いて画像形成前後の転 材を測定し、画像形成後の反射濃度最悪値 Ds、画像形成前の転写材の反射平均濃度をDr とし、Ds-Drを求め、これをカブリ量として評 した。数値の少ない方が、カブリが少ない とを示す。カブリの評価基準を以下に示す
A:1.0未満。
B:1.0以上2.0未満。
C:2.0以上3.5未満。
D:3.5以上。

 (2)細線再現性
 細線再現性の評価は、上記耐久試験中、1000 枚、10000枚終了時点で行った。まず、潜像の イン幅が85μmになるようにレーザー露光し 、厚紙(105g/m 2 )にプリントした定着画像を測定用サンプル した。測定装置として、ルーゼックス450粒 アナライザー(株式会社ニレコ)を用いて、拡 大したモニター画像から、インジケーターを 用いて線幅の測定を行った。このとき、線幅 の測定位置はトナーの細線画像の幅方向に凹 凸があるため、凹凸の平均的線幅をもって測 定値とした。細線再現性の評価は、画像線幅 の、潜像線幅(85μm)に対する比(画像線幅/潜像 線幅)を算出することによって評価した。細 再現性の評価基準を以下に示す。
A:1.08未満である。
B:1.08以上、1.12未満である。
C:1.12以上、1.18未満である。
D:1.18以上である。

 (3)転写効率
 1000枚後に細線再現性に引き続き転写効率を 測定した。細線再現性を測定した設定条件で ベタ画像を出力し、転写紙上に転写した画像 と、感光体上の転写残の画像濃度を、濃度計 (X-rite 500Series:X-rite社)で測定した。画像濃度 ら、載り量を換算し転写紙上への転写効率 求めた。
A:トナーの転写効率が95%以上である。
B:トナーの転写効率が93%以上である。
C:トナーの転写効率が90%以上である。
D:トナーの転写効率が90%未満である。

 (4)画像濃度
 画像濃度は、以下の手順で評価した。即ち 上記試験機を用い、常温常湿度環境下(23℃/ 60%RH)において、キヤノンリサイクルペーパー EN-100紙(キヤノン社)上に、ベタ画像でトナー り量が0.35mg/cm 2 になるように調整し、定着後の画像を準備し た。
 該画像を、X-rite社製反射濃度計500 Series Spe ctrodensitemeterを用いて評価した。なお、黒色 ある本トナーについてはVisualでの値を濃度 値とする。

 (5)低温定着性
 上記試験機を用い、常温常湿度環境下(23℃/ 60%RH)において、紙上のトナー載り量を0.35mg/cm 2 になるよう現像コントラストを調整し、先端 余白5mm、幅100mm、長さ280mmのべたの未定着画 を作成した。紙としては、厚紙A4用紙(「プ ーバーボンド紙」:105g/m 2 、フォックスリバー社製)を用いた。上記試 機の定着器を改造し、定着ユニットは手動 定着温度が設定できるようにした状態で、 温常湿度環境下(23℃/60%RH)に於いて80℃から20 0℃の範囲で順に10℃ずつ上げ定着試験を行な った。
 得られた定着画像の画像領域に、柔和な薄 (例えば、商品名「ダスパー」、小津産業社 製)の上から4.9kPaの荷重をかけつつ5往復摺擦 、摺擦前と摺擦後の画像濃度をそれぞれ測 して、下記式により画像濃度の低下率δD(%) 算出した。このδD(%)が10%未満のときの温度 定着開始温度とし、低温定着性の基準とし 。尚、画像濃度はX-Rite社製カラー反射濃度 (Colorreflection densitometer X-Rite 404A)で測定し 。
δD(%)={(摺擦前の画像濃度-摺擦後の画像濃度)/ 摺擦前の画像濃度}×100
A:定着開始温度が120℃以下。
B:定着開始温度が120℃より高く、140℃以下。
C:定着開始温度が140℃より高く、160℃以下。
D:定着開始温度が160℃より高い。
 なお、本発明においてはBランクまでを良好 な低温定着性と判断した。

 (6)帯電性(トリボ)の評価
 帯電性(トリボ)の評価は、トナーの摩擦帯 量を用いて評価した。
 以下にトナーの摩擦帯電量の測定方法につ て説明する。
 まず、所定のキャリア(日本画像学会標準キ ャリア フェライトコアを表面処理した球形 ャリア N-01)とトナーとを蓋付きのプラスチ ックボトルに入れ、振盪器(YS-LD、(株)ヤヨイ )で、1秒間に4往復のスピードで1分間振とう し、トナーとキャリアからなる現像剤を帯電 させる。次に、図3に示す摩擦帯電量を測定 る装置において摩擦帯電量を測定する。図3 おいて、底に500メッシュのスクリーン3のあ る金属製の測定容器2に、前述した現像剤約0. 5~1.5gを入れ、金属製のフタ4をする。この時 測定容器2全体の質量を秤りW1(g)とする。次 吸引機1(測定容器2と接する部分は少なくと 絶縁体)において、吸引口7から吸引し風量調 節弁6を調整して真空計5の圧力を250mmAqとする 。この状態で2分間吸引を行ない、トナーを 引除去する。この時の電位計9の電位をV(ボ ト)とする。ここで、8はコンデンサーであり 容量をC(mF)とする。また、吸引後の測定容器 体の質量を秤りW2(g)とする。この試料の摩 帯電量(mC/kg)は下式の如く算出される。
 試料の摩擦帯電量(mC/kg)=C×V/(W1-W2)

 (7)耐熱保存性
 約10gのトナーを100mlのポリカップに入れ、50 ℃で3日放置した後、目視で評価した。
A:凝集物は見られない。
B:凝集物は見られるが容易に崩れる。
C:凝集物をつかむことができ容易に崩れない

 <比較例1>
 実施例1において、以下に示す(水相の調製) (乳化及び脱溶剤工程)及び(洗浄~乾燥工程) 用いた以外は、実施例1と同様にしてトナー2 を得た。トナーの処方を表3に、物性を表4に す。また、画像評価の結果を表5に示す。
 (水相の調製)
 [無機系水系分散媒体の調製]
 イオン交換水709質量部に0.1mol/リットル-Na 3 PO 4 水溶液451質量部を投入し60℃に加温した後、T Kホモミクサー(特殊機化工業製)で12,000 rpmに 攪拌し、1.0mol/リットル-CaCl 2 水溶液67.7質量部を徐々に添加してCa 3 (PO 4 ) 2 を含む無機系水系分散媒体を得た。
・上記無機系水系分散媒体                     200質量部
・ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸 ナトリウムの50%水溶液
(エレミノールMON-7、三洋化成工業製)             4質量部
・酢酸エチル                            16質量部
 上記をビーカーに投入し、TKホモミクサー て5000rpmで1分攪拌し、水相を調製した。
 (乳化及び脱溶剤工程)
 上記水相中に油相を投入し、TKホモミクサ の回転数を8000rpmまでの条件で、3分間攪拌を 続け、上記油相1を懸濁させた。
 ついで、ビーカーに攪拌羽をセットし、200r pmで攪拌しながら系内を50℃に昇温し、ドラ トチャンバー内で10時間かけて脱溶剤を行な い、トナー粒子の水分散液を得た。
 (洗浄~乾燥工程)
 上記トナー水分散液をろ過し、イオン交換 500質量部に投入しリスラリーとした後、系 を攪拌しつつ、系内がpH1.5になるまで塩酸 加えてCa 3 (PO 4 ) 2 を溶解し、さらに5分間攪拌した。
 上記スラリーを再度ろ過し、イオン交換水2 00質量部添加し、5分間攪拌する操作を3回繰 返すことで、系内に残存したトリエチルア ンを除去し、トナー粒子のろ過ケーキを得 。上記ろ過ケーキを温風乾燥機にて45℃で3 間乾燥し、目開き75μmのメッシュでふるい、 トナー粒子2を得た。

 <比較例2>
 実施例1で用いた水相の代わりに、以下に示 す水相を用いた以外は、実施例1と同様にし トナー3を得た。トナーの処方を表3に、物性 を表4に示す。また、画像評価の結果を表5に す。
 (水相の調製)
 容器に下記を投入し、TKホモミクサー(特殊 化社製)にて5000rpmで1分攪拌し、水相を調製 た。
・イオン交換水                        255質量部
・樹脂微粒子分散液-6
(トナー粒子100質量部に対して、樹脂微粒子5 量部仕込み)  25質量部
・ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸 ナトリウムの50%水溶液
(エレミノールMON-7、三洋化成工業製)           25質量部
・酢酸エチル                           30質量部

 <比較例3、及び4>
 実施例1で用いた油相中の、磁性体分散液-1 ポリエステル樹脂溶液-1の添加量を表3に示 ように変更した以外は、実施例1と同様にし てトナー4、5を得た。トナーの処方を表3に、 物性を表4に示す。また、画像評価の結果を 5に示す。

 <比較例5>
 実施例1において、(乳化及び脱溶剤工程)を 記に記載したように変更した以外は、実施 と同様にしてトナー6を得た。トナーの処方 を表3に、物性を表4に示す。また、画像評価 結果を表5に示す。
 (乳化及び脱溶剤工程)
 水相中に油相を投入し、TKホモミクサーで 転数を8000rpmまでの条件で、3分間攪拌を続け 、油相1を懸濁した。
 容器に攪拌羽をセットし、200rpmで攪拌しな ら系内を25℃に維持し、かつ200mmHgに減圧し 状態で5時間かけて脱溶剤を行ない、トナー 粒子の水分散液を得た。

 <実施例2>
 (油相の調製)
・ワックス分散液-1                       50質量部
・磁性体分散液-2                    112.5質量部
・ポリエステル樹脂溶液-2                   45質量部
・トリエチルアミン                      0.5質量部
・酢酸エチル                           42質量部
 上記溶液を容器内に投入し、ホモディスパ (特殊機化工業(株)社製)で、1500rpmで10分間攪 拌・分散した。更に、上記溶液にガラスビー ズ100質量部を加え、ペイントシェーカー(東 精機製)にて1時間分散を行ない、ナイロンメ ッシュでガラスビーズを取り除き、油相7を 製した。
 (水相の調製)
 容器に下記を投入し、TKホモミクサー(特殊 化社製)にて5000rpmで1分攪拌し、水相を調製 た。
・イオン交換水                        245質量部
・樹脂微粒子分散液-4
(トナー母粒子100質量部に対して、樹脂微粒 7質量部仕込み) 35質量部
・ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸 ナトリウムの50%水溶液
(エレミノールMON-7、三洋化成工業製)           25質量部
・酢酸エチル                           30質量部
 (乳化及び脱溶剤工程)
 上記水相中に油相7を投入し、TKホモミクサ で回転数を8000rpmまでの条件で、3分間攪拌 続け、油相7を懸濁させた。
 ついで、容器に攪拌羽をセットし、200rpmで 拌しながら系内を50℃に昇温し、かつ500mmHg 減圧した状態で5時間かけて脱溶剤を行ない 、トナー粒子の水分散液を得た。
 (洗浄~乾燥工程)
 ついで、上記のトナー粒子の水分散液をろ し、イオン交換水500質量部にリスラリーし 後、系内を攪拌しつつ、系内がpH4になるま 塩酸を加えて、5分間攪拌した。上記スラリ ーを再度ろ過し、イオン交換水200質量部添加 し5分間攪拌する操作を3回繰り返すことで、 内に残存したトリエチルアミンを除去し、 ナー粒子のろ過ケーキを得た。
 上記ろ過ケーキを温風乾燥機にて45℃で3日 乾燥し、目開き75μmのメッシュでふるい、 ナー粒子7を得た。
 (トナーの調製)
 次に、上記トナー粒子7の100質量部に対し、 個数平均径20nmの疎水性シリカ0.7質量部と、 数平均径120nmのチタン酸ストロンチウム3.0質 量部をヘンシェルミキサー(三井三池化工機( )製)FM-10Bにて混合し、トナー7を得た。
 トナーの処方を表3に、物性を表4に示す。 た、画像評価の結果を表5に示す。

 <実施例3>
 実施例2で用いた油相中の、磁性体分散液-2 ポリエステル樹脂溶液-2の添加量、及び水 中の樹脂微粒子分散液-4の添加量を、表3に すように変更した以外は、実施例2と同様に てトナー8を得た。
 トナーの処方を表3に、物性を表4に示す。 た、画像評価の結果を表5に示す。

 <実施例4>
 (油相の調製)
・ワックス分散液-2                     62.5質量部
・磁性体分散液-3                     70.0質量部
・ポリエステル樹脂溶液-3                100.0質量部
・トリエチルアミン                      0.5質量部
・酢酸エチル                         17.0質量部
 上記溶液を容器内に投入し、ホモディスパ (特殊機化工業(株)社製)で、1500rpmで10分間攪 拌・分散した。更に、上記溶液を常温下で超 音波分散器により30分間分散させることによ 油相9を調製した。
 (水相の調製)
 容器に下記を投入し、TKホモミクサー(特殊 化社製)にて5000rpmで1分攪拌し、水相を調製 た。
・イオン交換水                      215.0質量部
・樹脂微粒子分散液-2                   65.0質量部
(トナー母粒子100質量部に対して、樹脂微粒 13.0質量部仕込み)
・ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸 ナトリウムの50%水溶液
(エレミノールMON-7、三洋化成工業製)         25.0質量部
・酢酸エチル                         30.0質量部
 (乳化及び脱溶剤工程)以降の工程は実施例1 同様にしてトナー9を得た。トナーの処方を 表3に、物性を表4に示す。また、画像評価の 果を表5に示す。

 <実施例5>
 (油相の調製)
・ワックス分散液-3                     62.5質量部
・磁性体分散液-4                     62.5質量部
・ポリエステル樹脂溶液-4                   95質量部
・トリエチルアミン                      0.5質量部
・酢酸エチル                         29.5質量部
 上記溶液を容器内に投入し、ホモディスパ (特殊機化工業(株)社製)で、1500rpmで10分間攪 拌・分散した。更に、上記溶液を常温下で超 音波分散器により30分間分散させることによ 油相10を調製した。
 (水相の調製)
 容器に下記を投入し、TKホモミクサー(特殊 化社製)にて5000rpmで1分攪拌し、水相を調製 た。
・イオン交換水                        265質量部
・樹脂微粒子分散液-3
(トナー母粒子100質量部に対して、樹脂微粒  3質量部仕込み)15質量部
・ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸 ナトリウムの50%水溶液
(エレミノールMON-7、三洋化成工業製)           25質量部
・酢酸エチル                           30質量部
 (乳化及び脱溶剤工程)以降の工程は実施例1 同様にしてトナー10を得た。トナーの処方 表3に、物性を表4に示す。また、画像評価の 結果を表5に示す。

 <実施例6>
 (油相の調製)
・ワックス分散液-1                      50.0質量部
・磁性体分散液-5                     100.0質量部
・ポリエステル樹脂溶液-5                  60.0質量部
・トリエチルアミン                       0.5質量部
・酢酸エチル                          39.5質量部
 上記溶液を容器内に投入し、ホモディスパ (特殊機化工業(株)社製)で、1500rpmで10分間攪 拌・分散した。更に、上記溶液を常温下で超 音波分散器により30分間分散させることによ 油相11を調製した。
 (水相の調製)
 容器に下記を投入し、TKホモミクサー(特殊 化社製)にて5000rpmで1分攪拌し、水相を調製 た。
・イオン交換水                       267.5質量部
・樹脂微粒子分散液-5                    12.5質量部
(トナー母粒子100質量部に対して、樹脂微粒  2.5質量部仕込み)
・ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸 ナトリウムの50%水溶液
(エレミノールMON-7、三洋化成工業製)            25質量部
・酢酸エチル                            30質量部
 (乳化及び脱溶剤工程)以降の工程は実施例1 同様にしてトナー11を得た。トナーの処方 表3に、物性を表4に示す。また、画像評価の 結果を表5に示す。

 <実施例7>
 (油相の調製)
・ワックス分散液-1                      50.0質量部
・磁性体分散液-2                     100.0質量部
・ポリエステル樹脂溶液-2                  60.0質量部
・トリエチルアミン                       0.5質量部
・酢酸エチル                          39.5質量部
 上記溶液を容器内に投入し、ホモディスパ (特殊機化工業(株)社製)で、1500rpmで10分間攪 拌・分散し、油相12を調製した。
 (水相の調製)
 容器に下記を投入し、TKホモミクサー(特殊 化社製)にて5000rpmで1分攪拌し、水相を調製 た。
・イオン交換水                       267.5質量部
・樹脂微粒子分散液4                      12.5質量部
(トナー母粒子100質量部に対して、樹脂微粒  2.5質量部仕込み)
・ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸 ナトリウムの50%水溶液
(エレミノールMON-7、三洋化成工業製)            25質量部
・酢酸エチル                            30質量部
 (乳化及び脱溶剤工程)以降の工程は実施例1 同様にしてトナー12を得た。トナーの処方 表3に、物性を表4に示す。また、画像評価の 結果を表5に示す。

  


  


 

 <樹脂(a1)-1の調製>
 冷却管、窒素導入管および攪拌機のついた 応容器中に、下記を投入した。
・プロピレングリコール                   800質量部
・テレフタル酸ジメチルエステル               760質量部
・アジピン酸                         300質量部
・テトラブトキシチタネート(縮合触媒)             3質量部
 180℃で窒素気流下、生成するメタノールを 去しながら8時間反応させた。ついで230℃ま で徐々に昇温させながら、窒素気流下に、生 成する水等を留去しながら4時間反応させ、 らに20mmHgの減圧下にて反応させ、軟化点が90 ℃になった時点で取り出した。取り出した樹 脂を室温まで冷却後、粉砕、粒子化し、脂肪 族ジオールを用いた線形ポリエステル樹脂で ある樹脂(a1)-1を得た。物性を表6に示す。

 <樹脂(a1)-2の調製>
 冷却管、窒素導入管および攪拌機のついた 応容器中に、下記を投入した。
・下記式(A)において、Rがエチレン基で、x+y 平均値が2であるビスフェノール誘導体
                             16 00質量部

・テレフタル酸ジメチルエステル               350質量部
・アジピン酸                         180質量部
・テトラブトキシチタネート(縮合触媒)             3質量部
 樹脂(a1)-1の調製と同様にして、芳香族線形 リエステル樹脂である樹脂(a1)-2を得た。物 を表6に示す。

 <樹脂(a1)-3の調製>
 樹脂(a1)-2の調製において、テトラブトキシ タネート(縮合触媒)を2質量部に変更し、210 までの昇温に抑えた以外は同様にして、芳 族線形ポリエステル樹脂である樹脂(a1)-3を た。物性を表6に示す。

 <樹脂(a1)-4の調製>
 冷却管、窒素導入管および攪拌機のついた 応容器中に、下記を投入した。
・上記式(A)において、Rがエチレン基で、x+y 平均値が2であるビスフェノール誘導体
                             13 00質量部
・テレフタル酸ジメチルエステル               500質量部
・アジピン酸                         250質量部
・テトラブトキシチタネート(縮合触媒)             3質量部
 樹脂(a1)-1の調製と同様にして、芳香族線形 リエステル樹脂である樹脂(a1)-4を得た。物 を表6に示す。

 <樹脂(a1)-5の調製>
 冷却管、窒素導入管および攪拌機のついた 応容器中に、下記を投入した。
・スチレン                         320質量部
・n-ブチルアクリレート                   146質量部
・メタクリル酸                        11質量部
 更に、重合開始剤として2,2’-アゾビス(2,4- メチルバレロニトリル) 8質量部を投入し、 60℃で8時間重合を行ない、150℃まで昇温させ 反応容器から取り出した。室温まで冷却した 後、粉砕、粒子化し、線形ビニル樹脂である 樹脂(a1)-5を得た。物性を表6に示す。

 <樹脂(a2)-1の調製>
 冷却管、窒素導入管および攪拌機のついた 応容器中に、下記を投入した。
・プロピレングリコール                  800質量部
・テレフタル酸ジメチルエステル              815質量部
・アジピン酸                        263質量部
・テトラブトキシチタネート(縮合触媒)            3質量部
 180℃で窒素気流下、生成するメタノールを 去しながら8時間反応させた。ついで230℃ま で徐々に昇温させながら、窒素気流下に、生 成する水等を留去しながら4時間反応させ、 らに20mmHgの減圧下にて1時間反応させた。つ で180℃まで冷却し、無水トリメリット酸173 量部を加え、常圧密閉下2時間反応後、220℃ 常圧で反応させ、軟化点が180℃になった時点 で取り出した。取り出した樹脂を室温まで冷 却後、粉砕、粒子化し、非線形ポリエステル 樹脂である樹脂(a2)-1を得た。物性を表6に示 。

 <樹脂(a2)-2の調製>
 冷却管、窒素導入管および攪拌機のついた 応容器中に、下記を投入した。
・1,4-ブタンジオール                  928質量部
・テレフタル酸ジメチルエステル              776質量部
・アジピン酸                        292質量部
・テトラブトキシチタネート(縮合触媒)            3質量部
 180℃で窒素気流下、生成するメタノールを 去しながら8時間反応させた。ついで230℃ま で徐々に昇温させながら、窒素気流下に、生 成する水等を留去しながら4時間反応させ、 らに20mmHgの減圧下にて1時間反応させた。つ で180℃まで冷却し、無水トリメリット酸115 量部を加え、常圧密閉下2時間反応後、220℃ 常圧で反応させ、軟化点が180℃になった時点 で取り出した。取り出した樹脂を室温まで冷 却後、粉砕、粒子化し、非線形ポリエステル 樹脂である樹脂(a2)-2を得た。物性を表6に示 。

 <樹脂(a2)-3の調製> 
 (芳香族カルボン酸チタン化合物の製造例1)
 ピリジン100質量部に、テレフタル酸19.6質量 部を溶解した後、この溶液にテトラ-n-ブトキ シチタン80.4質量部を滴下し、窒素雰囲気下 40℃、2時間保持してテトラ-n-ブトキシチタ とテレフタル酸を反応させた。その後、減 蒸留により、ピリジンと反応生成物である タノールを留出させ、芳香族カルボン酸チ ン化合物1を得た。
・下記式(A)において、Rがエチレン基で、x+y 平均値が2であるビスフェノール誘導体
                               200質量部
・下記式(A)において、Rがプロピレン基で、x+ yの平均値が3であるビスフェノール誘導体
                               200質量部
・テレフタル酸                       180質量部
 

 これらに、触媒として上記芳香族カルボン チタン化合物1を4質量部添加し、230℃で10時 間縮合重合した。ここで、無水トリメリット 酸30質量部、シュウ酸チタニルカリウム2質量 部を追加触媒として添加し、さらに縮合重合 を進め、架橋芳香族ポリエステル樹脂である 樹脂(a2)-3を得た。

 <樹脂(a2)-4の調製>
 冷却管、窒素導入管および攪拌機のついた 応容器中に、下記を投入した。
・スチレン                         320質量部
・n-ブチルアクリレート                   146質量部
・メタクリル酸                        11質量部
・ジビニルベンゼン                     5.5質量部
 更に、重合開始剤として2,2’-アゾビス(2,4- メチルバレロニトリル)8質量部を投入し、60 ℃で8時間重合を行ない、150℃まで昇温させ 応容器から取り出した。室温まで冷却した 、粉砕、粒子化し、線形ビニル樹脂である 脂(a2)-4を得た。物性を表6に示す。


 

 上記樹脂(a1)-1乃至-5、樹脂(a2)-1乃至-4を表 7に示す比率で混合し、結着樹脂(a)-1乃至結着 樹脂(a)-16を得た。


 

 <樹脂微粒子1の分散液の調製>
 温度計、撹拌機を備えたオートクレーブ中 、下記を仕込み190℃で120分間加熱してエス ル交換反応を行なった。
・ジメチルテレフタレート                  116質量部
・ジメチルイソフタレート                   66質量部
・5-ナトリウムスルホイソフタレートメチル ステル     30質量部
・無水トリメリット酸                      5質量部
・プロピレングリコール                  150質量部
・テトラブトキシチタネート                0.1質量部
 ついで反応系を220℃まで昇温し、系の圧力 10mmHg、50分間反応を続け、原料樹脂1を得た
 40質量部の上記原料樹脂1、15質量部のメチ エチルケトン、10質量部のテトラヒドロフラ ンを80℃にて溶解した後、80℃の水60質量部を 攪拌しながら添加し、ポリエステル樹脂の水 系分散体を得た。固形分比が13%になるようイ オン交換水で希釈し、樹脂微粒子1の分散液 得た。物性を表8に示す。

 <樹脂微粒子2の分散液の調製>
 温度計、撹拌機を備えたオートクレーブ中 、下記を仕込み190℃で120分間加熱してエス ル交換反応を行った。
・ジメチルテレフタレート                  116質量部
・ジメチルイソフタレート                   66質量部
・5-ナトリウムスルホイソフタレートメチル ステル     30質量部
・無水トリメリット酸                     12質量部
・ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒド キシフェニル)プロパン
                             19 0質量部
・テトラブトキシチタネート                0.1質量部
 ついで反応系を220℃まで昇温し、系の圧力 10mmHg、50分間反応を続け、原料樹脂2を得た
 40質量部の上記原料樹脂2、15質量部のメチ エチルケトン、10質量部のテトラヒドロフラ ンを80℃にて溶解した後、80℃の水60質量部を 攪拌しながら添加し、ポリエステル樹脂の水 系分散体を得た。固形分比が13%になるようイ オン交換水で希釈し、樹脂微粒子2の分散液 得た。物性を表8に示す。

 <樹脂微粒子3の分散液の調製>
・イオン交換水                      100質量部
・メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫 酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS-30 、三洋化成工業製)                 2 0質量部
 上記を密閉できる反応容器に投入し、つい 攪拌羽を用い、500rpmで攪拌しているところ 、
・スチレン                        120質量部
・スチレンスルホン酸ナトリウム               30質量部
・1mol/リットル-水酸化ナトリウム水溶液          3質量部
・ブチルアクリレート                     10質量部
 上記モノマーの混合液を1時間かけて滴下し た。さらにイオン交換水400質量部および2%過 酸カリウム水溶液100gを投入し容器内を90℃ 昇温し30分保温した。次いで、2%過硫酸カリ ウム水溶液540gを上記反応容器に接続した滴 装置内に充填し、前記反応容器内を攪拌羽 100rpmに攪拌しているところへ、2%過硫酸カリ ウム水溶液を5時間かけて滴下し乳化重合を った。滴下終了後更に30分攪拌を続けた後、 室温まで冷却し、固形分比が13%になるようイ オン交換水で希釈し、樹脂微粒子3の分散液 得た。物性を表8に示す。

 <樹脂微粒子4の分散液の調製>
・1,3-プロパンジオール、アジピン酸の重縮 によって得られた重量平均分子量約1000のポ エステル樹脂                     265質量部
・1,9-ノナンジオール                     100質量部
・ジメチロールプロパン酸                     170質量部
・3-(2,3-ジヒドロキシプロポキシ)-1-プロパン ルホン酸 10質量部
 上記材料をアセトン500質量部に溶解し、つ で
・イソホロンジイソシアネート                   440質量部
を添加し60℃で4時間反応させた。上記反応物 にジメチロールプロパン酸のカルボキシル基 を中和するためトリエチルアミン130質量部を 投入し攪拌した。上記アセトン溶液をイオン 交換水1300質量部に攪拌しながら滴下し、乳 させた。ついで、固形分比が13%になるよう オン交換水で希釈し、樹脂微粒子4の分散液 得た。物性を表8に示す。

 <樹脂微粒子5の分散液の調製>
・1,3-プロパンジオール、アジピン酸の重縮 によって得られた、重量平均分子量約1000の リエステル樹脂                   220質量部
・ネオペンチルグリコール                      70質量部
・ジメチロールプロパン酸                     170質量部
・3-(2,3-ジヒドロキシプロポキシ)-1-プロパン ルホン酸 25質量部
 上記材料をアセトン500質量部に溶解し、つ で
・イソホロンジイソシアネート                   410質量部
・ヘキサメチレンジイソシアネート                 120質量部
を添加し60℃で4時間反応させた。上記反応物 にジメチロールプロパン酸のカルボキシル基 を中和するためトリエチルアミン130質量部を 投入し攪拌した。上記アセトン溶液をイオン 交換水1300質量部に攪拌しながら滴下し、乳 させた。ついで、固形分比が13%になるよう オン交換水で希釈し、樹脂微粒子5の分散液 得た。物性を表8に示す。

 <樹脂微粒子6の分散液の調製>
・下記式(A)において、Rがエチレン基で、x+y 平均値が4であるビスフェノール誘導体
                                440質量部

・ジメチロールプロパン酸                    140質量部
・3-(2,3-ジヒドロキシプロポキシ)-1-プロパン ルホン酸 10質量部
 上記材料をアセトン500質量部に溶解し、つ で
・イソホロンジイソシアネート                  420質量部
を添加し60℃で4時間反応させた。上記反応物 にジメチロールプロパン酸のカルボキシル基 を中和するためトリエチルアミン105質量部を 投入し攪拌した。上記アセトン溶液をイオン 交換水1300質量部に攪拌しながら滴下し、乳 させた。ついで、固形分比が13%になるよう オン交換水で希釈し、樹脂微粒子6の分散液 得た。物性を表8に示す。

 <樹脂微粒子7の分散液の調製>
・下記式(A)において、Rがエチレン基で、x+y 平均値が2であるビスフェノール誘導体
                                430質量部

・ジメチロールプロパン酸                    120質量部
・3-(2,3-ジヒドロキシプロポキシ)-1-プロパン ルホン酸 10質量部
 上記材料をアセトン500質量部に溶解し、つ で
・イソホロンジイソシアネート                  440質量部
を添加し60℃で4時間反応させた。上記反応物 にジメチロールプロパン酸のカルボキシル基 を中和するためトリエチルアミン91質量部を 入し攪拌した。上記アセトン溶液をイオン 換水1300質量部に攪拌しながら滴下し、乳化 させた。ついで、固形分比が13%になるようイ オン交換水で希釈し、樹脂微粒子7の分散液 得た。物性を表8に示す。

 <樹脂微粒子8の分散液の調製>
・下記式(A)において、Rがエチレン基で、x+y 平均値が2であるビスフェノール誘導体
                                360質量部

・ジメチロールプロパン酸                    100質量部
・3-(2,3-ジヒドロキシプロポキシ)-1-プロパン ルホン酸 18質量部
 上記材料をアセトン500質量部に溶解し、つ で
・イソホロンジイソシアネート           520質量部
を添加し60℃で4時間反応させた。上記反応物 にジメチロールプロパン酸のカルボキシル基 を中和するためトリエチルアミン76質量部を 入し攪拌した。上記アセトン溶液をイオン 換水1300質量部に攪拌しながら滴下し、乳化 させた。ついで水320質量部、エチレンジアミ ン11質量部、n-ブチルアミン6質量部を加え50 で4時間反応し、固形分比が13%になるようイ ン交換水で希釈し、樹脂微粒子8の分散液を 得た。物性を表8に示す。


 

 <ワックス分散液II-1の調製>
・カルナウバワックス(最大吸熱ピーク温度:8 1℃)       20質量部
・酢酸エチル                           80質量部
 上記を攪拌羽根突きのガラスビーカーに投 し、系内を70℃に加熱することでカルナウ ワックスを酢酸エチルに溶解させた。
 ついで、系内を50rpmで緩やかに攪拌しなが 徐々に冷却し、3時間かけて25℃にまで冷却 せ乳白色の液体を得た。
 この溶液を1mmのガラスビーズ20質量部とと に耐熱性の容器に投入し、ペイントシェー ー(東洋精機製)にて3時間の分散を行ない、 ックス分散液II-1(固形分比20%)を得た。上記 ックス分散液II-1中のワックス粒子径をマイ ロトラック粒度分布測定装置HRA(X-100)(日機 社製)にて測定したところ、個数平均粒子径 0.15μmであった。物性を表9に示す。

 <ワックス分散液II-2の調製>
・ステアリン酸ステアリル(最大吸熱ピーク 度:67℃)     16質量部
・ニトリル基含有スチレンアクリル樹脂(ス レン/n-ブチルアクリレート/アクリロニトリ =65/35/10(質量比)、ピーク分子量8500)   4質 部
・酢酸エチル                           80質量部
 上記を攪拌羽根突きのガラスビーカー内に 入し、系内を65℃に加熱することでステア ン酸ステアリルを酢酸エチルに溶解させた
 ついで、ワックス分散液II-1と同様操作を行 ない、ワックス分散液II-2(固形分比20%)を得た 。上記ワックス分散液II-1中のワックス粒子 をマイクロトラック粒度分布測定装置HRA(X-10 0)(日機装社製)にて測定したところ、個数平 粒子径で0.12μmであった。物性を表9に示す。

 <ワックス分散液II-3の調製>
・トリメチロールプロパントリベヘネート( 大吸熱ピーク温度:58℃)16質量部
・ニトリル基含有スチレンアクリル樹脂(ス レン/n-ブチルアクリレート/アクリロニトリ =65/35/10(質量比)、ピーク分子量8500)    4質 量部
・酢酸エチル                           80質量部
 上記を攪拌羽根突きのガラスビーカー内に 入し、系内を60℃に加熱することでトリメ ロールプロパントリベヘネートを酢酸エチ に溶解させた。
 ついで、ワックス分散液II-1と同様操作を行 ない、ワックス分散液II-3(固形分比20%)を得た 。上記ワックス分散液II-3中のワックス粒子 をマイクロトラック粒度分布測定装置HRA(X-10 0)(日機装社製)にて測定したところ、個数平 粒子径で0.18μmであった。物性を表9に示す。

 下記磁性体1~磁性体3の物性を表10に示す

 <磁性体分散液II-1の調製>
・酢酸エチル                         125質量部
・樹脂(a2)-3                      2 5質量部
・磁性体1                         100質量部
・ガラスビーズ(1mm)                   200質量部
 上記物質を密閉容器に投入し、ペイントシ ーカー(東洋精機製)にて5時間分散を行った ついでナイロンメッシュでガラスビーズを り除き、磁性体分散液II-1(固形分比50%)を得 。

 <磁性体分散液II-2乃至II-7の調製>
 磁性体分散液II-1の調製において、磁性体分 散用樹脂の種類、磁性体の種類を表11に示す うに変えた以外は同様にして、磁性体分散 II-2乃至II-7を得た。


 

 <実施例II-1>
 (トナー組成物の調製)
 樹脂(a1)-3 50質量部、樹脂(a2)-3 6質量部を酢 酸エチルに溶解し、40℃減圧下で一晩乾燥さ 、結着樹脂(a)-1を得た。
・結着樹脂(a)-1                      56質量部
・磁性体分散液II-1 (固形分比50%)           75質量部
・ワックス分散液II-1(固形分比20%)          40質量部
・酢酸エチル                          89質量部
・トリエチルアミン                     0.6質量部
 上記をガラス製ビーカーに投入し、ディス ー(特殊機化社製)にて2000rpmで3分間攪拌し、 液状トナー組成物1を得た。ついで、超音波 散器UT-305HS(シャープ製)に氷水を張り、出力6 0%で5分間超音波をかけることで、ワックスと 磁性体をほぐした。
 (乳化および脱溶剤工程)
・イオン交換水                       157質量部
・樹脂微粒子6の分散液(固形分比13%)            31質量部
・ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸 ナトリウムの50%水溶液
(エレミノールMON-7、三洋化成工業製)          24質量部
・酢酸エチル                          18質量部
 上記をガラス製ビーカーに投入し、TKホモ クサー(特殊機化社製)にて2000rpmで1分攪拌し 水相1を調製した。
 TKホモミクサーの回転数を8000rpmまで上げて 前記液状トナー組成物1 160質量部を投入し1 分間攪拌を続け、液状トナー組成物1を懸濁 せた。
 ビーカーに攪拌羽をセットし100rpmで20分間 拌し、ナス型フラスコに移しロータリーエ ポレーターを用いて回転させながら、常温 圧で10時間かけて脱溶剤を行ない、トナー粒 子水分散液II-1を得た。
 (洗浄および乾燥工程)
 上記のトナー粒子水分散液II-1をろ過し、イ オン交換水500質量部に投入しリスラリーとし た後、系内を攪拌して塩酸を系内がpH4になる まで加えて、5分間攪拌した。再度上記のス リーをろ過し、またイオン交換水200質量部 添加し5分間攪拌する操作を3回繰り返すこと で、スラリー中に残存したトリエチルアミン を除去し、トナー粒子のろ過ケーキを得た。 上記ろ過ケーキを減圧乾燥機にて常温で3日 乾燥し、目開き75μmのメッシュで篩い、トナ ー粒子II-1を得た。
 尚、トナー粒子II-1において、Tg(a)は、結着 脂(a)-1と磁性体分散液に含有される樹脂(a2)- 3とを合わせた樹脂のガラス転移温度であり 48℃であった。
 (トナーII-1の調製および評価)
 次に、上記トナー粒子II-1 40質量部に対し 個数平均粒径20nmの疎水性シリカ(シリカ微粒 子100質量部当りヘキサメチルジシラザン20質 部で疎水化処理)0.40質量部と、個数平均粒 120nmの単分散シリカ(ゾルゲル法により製造 れたシリカ微粒子)0.60質量部をミルサーIFM-60 0DG(岩谷産業社製)にて混合攪拌(10秒攪拌、1分 休みを1サイクルとし、4サイクル実施)し、ト ナーII-1を得た。トナーII-1は以下に記載する 法で評価した。評価結果は表13に示す。

 <トナーの耐熱保存性の評価>
 トナーの耐熱保存性は、3gのトナーを100mlの ポリカップに入れ、50℃(±0.5℃以内)の恒温槽 で3日間放置した後、目視および指の腹で触 て評価した。
 (評価基準)
A:変化がみられず、非常に優れた耐熱保存性 示す。
B:流動性が若干低下するものの、優れた耐熱 存性を示す。
C:凝集物が発生するが、実用上問題ない耐熱 存性を示す。
D:凝集物をつまむことができ、容易には崩れ い。耐熱保存性に劣る。

 <定着開始温度の評価>
 トナーの定着開始温度は、iR4570F(キヤノン )の定着器において、定着ユニットが手動で 着温度、通紙速度が設定できるように改造 た状態で定着試験を行った。
 定着温度は、定着ローラ表面の温度を非接 温度計temperature hitester 3445(日置電機製)で 定した。通紙速度は定着ローラ径とデジタ タコメータHT-5100(小野測器製)による回転速 から計算した。
 定着開始温度の評価用画像は上記iR4570Fを用 い、常温常湿度環境下(23℃/60%)において、A4 紙EN-100(キヤノン製)に、紙上のトナー載り量 を0.4mg/cm 2 になるよう現像コントラストを調整し、先端 余白10mm、幅200mm、長さ20mmのベタ未定着画像 作製した。
 常温常湿度環境下(23℃/60%)において、通紙 度を280mm/secに設定し、定着温度を90℃から順 に5℃刻みで上記未定着画像を定着器に通し 180℃まで定着を行った。定着画像の後端か 5cmの部分について、4.9kPaの荷重をかけつつ 和な薄紙(例えば、商品名「ダスパー」、小 産業社製)により5往復摺擦し、摺擦前と摺 後の画像濃度をそれぞれ測定して、下式に り画像濃度の低下率δD(%)を算出した。尚、 像濃度はX-rite社製反射濃度計500 Series Spectro densitemeterを用いて評価した。このδD(%)が1%未 となるときの温度を定着開始温度とした。
 δD(%)={(摺擦前の画像濃度-摺擦後の画像濃度 )/摺擦前の画像濃度}×100
A:定着開始温度が90℃乃至100℃の場合で、優 た定着性。
B:定着開始温度が105℃乃至120℃の場合で、良 な定着性。
C:定着開始温度が125℃乃至140℃の場合で、実 上問題のない定着性。
D:定着開始温度が145℃以上の場合で、定着性 劣る。

 <剥離温度の評価方法>
 定着開始温度とは別の観点で低温定着性を 価した。低温での紙への密着のしやすさを 下の方法で評価した。前記定着開始温度の 価方法と同様にしてベタ未定着画像を作製 、同様にして定着画像を得た。ついで、定 画像を十字に折り曲げ、4.9kPaの荷重をかけ つ柔和な薄紙(例えば、商品名「ダスパー」 、小津産業社製)により5往復摺擦した。図4に 示すような十字の部分においてトナーが剥離 し、紙の地肌が見えるサンプルを得る。つい で、800ピクセル/インチの解像度で512ピクセ 四方の領域をCCDカメラで十字の部分を撮影 た。閾値を60%に設定し画像を二値化し、ト ーが剥離した部分は白部であり、白部の面 率を剥離率と定義した。白部の面積率が小 いほど、トナーは剥離しにくいことを表す
 この剥離率を定着温度ごとに測定し、横軸 定着温度、縦軸に剥離率をプロットし、滑 かに結んだ後、剥離率が10%のラインと交わ 温度を剥離温度とした。
A:剥離温度が90℃乃至110℃の場合で、優れた 温定着性。
B:剥離温度が115℃乃至130℃の場合で、良好な 温定着性。
C:剥離温度が135℃乃至155℃の場合で、実用上 題のない低温定着性。
D:剥離温度が160℃以上の場合で、低温定着性 劣ると判断する。

 <耐オフセット性の評価方法>
 上記定着開始温度の評価において得られた 着画像について、高温オフセット(定着画像 が紙から定着ローラへ付着し、定着ローラが 一回転して紙へ再付着する現象)が発生した どうか評価した。
 非画像部の画像濃度がベタ画像濃度の0.03倍 以上の濃度を示した場合、オフセット発生と した。尚、画像濃度はX-Rite社製反射濃度計500  Series Spectrodensitemeterを用いて評価した。
A:高温オフセットは発生せず、優れた耐オフ ット性。
B:180℃で高温オフセットが発生したが、良好 耐オフセット性。
C:175℃、或いは、170℃で高温オフセットが発 したが、実用上問題のない耐オフセット性
D:165℃以下で高温オフセットが発生し、耐オ セット性に劣る。

 <耐久安定性の測定方法>
 耐久安定性評価は、プロセススピードを320m m/secに改造したiR4570Fを用い、線幅3ピクセル 格子模様がA4用紙全面に印刷された画像(印 面積比率4%)を5万枚まで印刷し、画像上に汚 が発生した時点の枚数で判断した。
A:5万枚印刷した時点で汚れが発生せず、優れ た耐久性を示す。
B:4万枚印刷した時点で汚れが発生し、良好な 耐久性を示す。
C:2万枚印刷した時点で汚れが発生するが、実 用上問題ない耐久性を示す。
D:5千枚印刷した時点で汚れが発生し、耐久性 に劣る。

 <細線再現性の測定方法>
 高画質の観点から、細線再現性の評価を行 った。上記耐久安定性評価で出力した画像 うち5000枚目について細線再現性を評価した 。iR4570Fの出力解像度は600dpiであり、3ピクセ の線幅は理論上127μmである。画像の線幅を イクロスコープVK-8500(キーエンス製)で測定 、これをd(μm)としたとき、細線再現性指数 して下記にLを定義する。
   L(μm)=|127-d|
 Lは理論上の線幅127μmと、出力された画像上 の線幅dとの差を定義したものである。dは127 り大きくなる場合と、小さくなる場合とが るため、差の絶対値として定義している。L が小さいほど優れた細線再現性を示す。
A:Lが0μm以上3μm未満。
B:Lが3μm以上10μm未満。
C:Lが10μm以上20μm未満。
D:Lが20μm以上。

 <白地かぶりの評価方法>
 上記iR4570Fを用い、常温常湿度環境下(23℃/60 %)において、定着後の画像部濃度が、1.4mg/cm 2 になるようにトナーの載り量を調整し、白地 部電位が現像バイアスから、画像部に対して 反対方向に150Vとなるように、感光体上の電 を合わせた。画像形成中に感光体を止め、 写工程前の感光体上のトナーを、マイラー ープを用いて剥ぎ取り、紙上に貼り付けた( 光体サンプル)。また、マイラーテープをそ のまま紙上に、貼り付け基準サンプルとした 。
 測定に関しては、DENSITOMETER TC-6DS(東京電色 術センター製)を用い反射率(%)を測定し、「 感光体サンプル」の反射率と基準サンプルと の反射率の差分(反射率差)をカブリの値とし 。
A:反射率差が0.5%以下であり、良好なもの。
B:反射率差が1.0%以下であり、画像として判別 できないもの。
C:反射率差が1.0%を超えるが、画像として現れ ず、実使用上問題ないもの。
D:反射率差が1.0%を超え、画像上白地部にカブ リが見られるもの。

 <比較例II-1乃至II-6>
(トナーII-2乃至II-7の調製)
 実施例II-1において、樹脂、磁性体、ワック ス及び樹脂微粒子の組成を、表12の記載に変 する以外は同様にして、トナーII-2(比較例II -1)~トナーII-7(比較例II-6)を得た(表12、表13参 )。また、得られたトナーは実施例II-1と同様 の方法で評価した。トナーの評価結果を表13 示す。

 <実施例II-2乃至II-10>
 (トナーII-8乃至II-16の調製)
 実施例II-1において、樹脂、磁性体、ワック ス及び樹脂微粒子の組成を、表12の記載に変 する以外は同様にして、トナーII-8(実施例II -2)~トナーII-16(実施例II-10)を得た(表12、表13参 照)。また、得られたトナーは実施例II-1と同 の方法で評価した。トナーの評価結果を表1 3に示す。

  
 
 
 
 
 

 
 
 
 

 [樹脂微粒子分散液III-1の作製]
・プロピレングリコールとエチレングリコー ルとブタンジオールの混合物(40/50/10(モル比)) とテレフタル酸、イソフタル酸の混合物(50/50 (モル比))から得られた数平均分子量約2000の リエステルジオール      120質量部
・ジメチロールプロパン酸                     94質量部
・3-(2,3-ジヒドロキシプロポキシ)-1-プロパン ルホン酸 8質量部
・イソホロンジイソシアネート                  120質量部
 上記原材料をアセトン60質量部中に溶解し 67℃で1時間反応させた。
 ついで、イソホロンジイソシアネート271質 部を添加し、更に67℃で30分反応させ冷却し た。上記反応物に100質量部のアセトンを追加 した後、トリエチルアミン80質量部を投入し 拌した。
 上記アセトン溶液をイオン交換水1000質量部 に500rpmで攪拌しながら滴下し、微粒子分散液 を調製した。
 ついで10%アンモニア水100質量部にトリエチ アミン50質量部を溶解させた水溶液を投入 、50℃、8時間反応させることで伸長反応を った。更に、イオン交換水を固形分20質量% なるまで添加し樹脂微粒子分散液III-1を得た 。物性を表14に示す。

 [樹脂微粒子分散液III-2の作製]
 温度計、撹拌機を備えたオートクレーブ中 、
・ジメチルテレフタレート                    116質量部
・ジメチルイソフタレート                     66質量部
・5-ナトリウムスルホイソフタレートメチル ステル        3質量部
・無水トリメリット酸                        5質量部
・プロピレングリコール                    150質量部
・テトラブトキシチタネート                  0.1質量部
を仕込み200℃で120分間加熱してエステル交換 反応を行った。ついで反応系を220℃まで昇温 し、系の圧力を1~10mmHgとして60分間反応を続 、ポリエステル樹脂を得た。該ポリエステ 樹脂40質量部、メチルエチルケトン15質量部 テトラヒドロフラン10質量部を80℃にて溶解 した後、80℃の水60質量部を攪拌しながら添 し、減圧にて溶剤を除去し、イオン交換水 添加することにより、固形分20質量%である 脂微粒子分散液III-2を得た。物性を表14に示 。

 [樹脂微粒子分散液III-3の作製]
 冷却管、窒素導入管および攪拌機のついた 応容器中に、下記を投入した。
・スチレン                          330質量部
・n-ブチルアクリレート                    110質量部
・アクリル酸                           10質量部
・2-ブタノン(溶媒)                     50質量部
 重合開始剤として2,2’-アゾビス(2,4-ジメチ バレロニトリル)8質量部を上記原料に溶解 、重合性単量体組成物を調製した。該重合 単量体組成物を60℃で8時間重合反応を行な た後、150℃まで昇温し、減圧下で脱溶剤し 反応容器から取り出した。室温まで冷却し 後、粉砕、粒子化し、線形ビニル樹脂であ 結着樹脂を得た。取り出した樹脂100質量部 対し、トルエン400質量部と混合し、80℃まで 加温し、樹脂を溶解した。
 次に、イオン交換水360質量とドデシルジフ ニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5 %水溶液(「エレミノールMON-7」、三洋化成工 製)40質量部を混合したものに、上記樹脂溶 液を加え混合攪拌し乳白色の液体を得た。 圧にてトルエンを除去し、イオン交換水を 加することにより、固形分20質量%である樹 微粒子分散液III-3を得た。物性を表14に示す

 [樹脂微粒子分散液III-4の作製]
・プロピレングリコールとエチレングリコー ルとブタンジオールの混合物(40/50/10(モル比)) とテレフタル酸、イソフタル酸の混合物(50/50 (モル比))から得られた数平均分子量約2000の リエステルジオール     100質量部
・プロピレングリコール                     16質量部
・ジメチロールプロパン酸                    94質量部
・N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-2-アミノエタ スルホン酸ナトリウム
                                 8質量部
・トリレンジイソシアネート                  30質量部
 上記原材料をアセトン60質量部に溶解し、67 ℃で1時間反応させた。
 更に、イソホロンジイソシアネート271質量 (1.2モル)を添加し、更に67℃で30分反応させ 却した。
 上記反応物に更に100質量部のアセトンを追 した後、トリエチルアミン80質量部(0.8モル) を投入し攪拌した。
 上記アセトン溶液をイオン交換水1000質量部 に500rpmで攪拌しながら滴下し、微粒子分散液 を調製した。
 ついで10%アンモニア水100質量部にトリエチ アミン50質量部を溶解させた水溶液を投入 、50℃で8時間反応させることで伸長反応を った。更に、イオン交換水を固形分20質量% なるまで添加し樹脂微粒子分散液III-4を得た 。物性を表14に示す。

 [樹脂微粒子分散液III-5の作製]
・プロピレングリコールとエチレングリコー ルとブタンジオールの混合物(40/50/10(モル比)) とテレフタル酸、イソフタル酸の混合物(50/50 (モル比))から得られた数平均分子量約2000の リエステルジオール      120質量部
・プロピレングリコール                      8質量部
・ジメチロールプロパン酸                     94質量部
・3-(2,3-ジヒドロキシプロポキシ)-1-プロパン ルホン酸 8質量部
・イソホロンジイソシアネート                   39質量部
 上記原材料をアセトン60質量部中に溶解し 67℃で1時間反応させた。
 ついで、イソホロンジイソシアネート271質 部を添加し、更に67℃で30分反応させ冷却し た。
 上記アセトン溶液をイオン交換水1000質量部 に500rpmで攪拌しながら滴下し、微粒子分散液 を調製した。
 上記反応物に更に100質量部のアセトンを追 した後、トリエチルアミン80質量部を投入 攪拌した。
 ついで10%アンモニア水100質量部にトリエチ アミン50質量部を溶解させた水溶液を投入 、50℃で8時間反応させることで伸長反応を った。更に、イオン交換水を固形分20質量% なるまで添加し樹脂微粒子分散液III-5を得た 。物性を表14に示す。

 [樹脂微粒子分散液III-6の作製]
・プロピレングリコールとエチレングリコー ルとブタンジオールの混合物(40/50/10(モル比)) とテレフタル酸、イソフタル酸の混合物(50/50 (モル比))から得られた数平均分子量約2000の リエステルジオール      120質量部
・プロピレングリコール                      8質量部
・ジメチロールプロパン酸                     94質量部
・3-(2,3-ジヒドロキシプロポキシ)-1-プロパン ルホン酸 8質量部
・イソホロンジイソシアネート                   39質量部
 上記原材料をアセトン60質量部中に溶解し 67℃で1時間反応させた。
 ついで、イソホロンジイソシアネート150質 部を添加し、更に65℃で20分反応させ冷却し た。
 上記アセトン溶液をイオン交換水1000質量部 に500rpmで攪拌しながら滴下し、微粒子分散液 を調製した。
 上記反応物に更に100質量部のアセトンを追 した後、トリエチルアミン80質量部を投入 攪拌した。
 ついで10%アンモニア水100質量部にトリエチ アミン50質量部を溶解させた水溶液を投入 、50℃で8時間反応させることで伸長反応を った。更に、イオン交換水を固形分20質量% なるまで添加し樹脂微粒子分散液III-6を得た 。物性を表14に示す。

 [ポリエステルIII-1及びポリエステル樹脂溶 III-1の調製]
 冷却管、窒素導入管および攪拌機のついた 応容器中に、下記を投入した。
・1,4-ブタンジオール                   928質量部
・テレフタル酸ジメチルエステル               776質量部
・1,6-ヘキサン二酸                   292質量部
・テトラブトキシチタネート(縮合触媒)             3質量部
 160℃で窒素気流下、生成するメタノールを 去しながら8時間反応させた。ついで210℃ま で徐々に昇温させながら、窒素気流下に、生 成するプロピレングリコール、水を留去しな がら4時間反応させ、さらに20mmHgの減圧下に 1時間反応させた。ついで160℃まで冷却し、 水トリメリット酸173質量部および1,3-プロパ ン二酸125質量部を加え、常圧密閉下2時間反 後、200℃常圧で反応させ、軟化点が170℃に った時点で取り出した。取り出した樹脂を 温まで冷却後、粉砕、粒子化し、非線形ポ エステル樹脂であるポリエステルIII-1を得た 。Tg、酸価を表15に示す。
 次に攪拌羽つきの密閉容器に酢酸エチルを 入し、100rpmにて攪拌しているところに、投 した酢酸エチルに対し50質量%となるように 末状にした上記ポリエステルIII-1を入れ室 で3日間攪拌することでポリエステル樹脂溶 III-1を調製した。

 [ポリエステルIII-2及びポリエステル樹脂溶 III-2の調製]
・ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒド キシフェニル)プロパン
                                30質量部
・ポリオキシエチレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロ シフェニル)プロパン
                                33質量部
・テレフタル酸                        21質量部
・無水トリメリット酸                       1質量部
・フマル酸                           3質量部
・ドデセニルコハク酸                      12質量部
・酸化ジブチル錫                       0.1質量部
をガラス製4リットルの4つ口フラスコに入れ 温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導 管を取りつけマントルヒーター内においた 窒素雰囲気下で、215℃で5時間反応させ、ポ リエステルIII-2を得た。Tg、酸価を表15に示す 。
 次に攪拌羽つきの密閉容器に酢酸エチルを 入し、100rpmにて攪拌しているところに、投 した酢酸エチルに対し50質量%となるように 末状にした上記ポリエステルIII-2を入れ室 で3日間攪拌することでポリエステル樹脂溶 III-2を調製した。

 [ポリエステルIII-3及びポリエステル樹脂溶 III-3の調製]
 冷却管、窒素導入管および攪拌機のついた 応容器中に、下記を投入した。
・1,2-プロパンジオール                 799質量部
・テレフタル酸ジメチルエステル               815質量部
・1,5-ペンタン二酸                   238質量部
・テトラブトキシチタネート(縮合触媒)             3質量部
 180℃で窒素気流下、生成するメタノールを 去しながら8時間反応させた。ついで230℃ま で徐々に昇温させながら、窒素気流下に、生 成するプロピレングリコール、水を留去しな がら4時間反応させ、さらに20mmHgの減圧下に 1時間反応させた。ついで180℃まで冷却し、 水トリメリット酸173質量部を加え、常圧密 下2時間反応後、220℃常圧で反応させ、軟化 点が180℃になった時点で取り出した。取り出 した樹脂を室温まで冷却後、粉砕、粒子化し 、非線形ポリエステル樹脂であるポリエステ ルIII-3を得た。Tg、酸価を表15に示す。
 次に攪拌羽つきの密閉容器に酢酸エチルを 入し、100rpmにて攪拌しているところに、投 した酢酸エチルに対し50質量%となるように 末状にした上記ポリエステルIII-3を入れ室 で3日間攪拌することでポリエステル樹脂溶 III-3を調製した。

 [ポリエステルIII-4及びポリエステル樹脂溶 III-4の調製]
 冷却管、窒素導入管および攪拌機のついた 応容器中に、下記を投入した。
・1,3-ブタンジオール                  1036質量部
・テレフタル酸ジメチルエステル               892質量部
・1,6-ヘキサン二酸                   205質量部
・テトラブトキシチタネート(縮合触媒)             3質量部
 180℃で窒素気流下、生成するメタノールを 去しながら8時間反応させた。ついで230℃ま で徐々に昇温させながら、窒素気流下に、生 成するプロピレングリコール、水を留去しな がら4時間反応させ、さらに20mmHgの減圧下に 反応させ、軟化点が150℃になった時点で取 出した。取り出した樹脂を室温まで冷却後 粉砕、粒子化し、線形ポリエステル樹脂で るポリエステルIII-4を得た。Tg、酸価を表15 示す。
 次に攪拌羽つきの密閉容器に酢酸エチルを 入し、100rpmにて攪拌しているところに、投 した酢酸エチルに対し50質量%となるように 末状にした上記ポリエステルIII-4を入れ室 で3日間攪拌することでポリエステル樹脂溶 III-4を調製した。

 [ポリエステルIII-5及びポリエステル樹脂溶 III-5の調製]
 冷却管、窒素導入管および攪拌機のついた 応容器中に、下記を投入した。
・1,2プロパンジオール                 858質量部
・テレフタル酸ジメチルエステル             873質量部
・1,6-ヘキサン二酸                 2 19質量部
・テトラブトキシチタネート(縮合触媒)           3質量部
 180℃で窒素気流下、生成するメタノールを 去しながら8時間反応させた。ついで230℃ま で徐々に昇温させながら、窒素気流下に、生 成するプロピレングリコール、水を留去しな がら4時間反応させ、さらに20mmHgの減圧下に 反応させ、軟化点が150℃になった時点で取 出した。取り出した樹脂を室温まで冷却後 粉砕、粒子化し、線形ポリエステル樹脂で るポリエステルIII-5を得た。Tg、酸価を表15 示す。
 次に攪拌羽つきの密閉容器に酢酸エチルを 入し、100rpmにて攪拌しているところに、投 した酢酸エチルに対し50質量%となるように 末状にした上記ポリエステルIII-5を入れ室 で3日間攪拌することでポリエステル樹脂溶 III-5を調製した。

 [スチレンアクリルIII-1及びスチレンアクリ 樹脂溶液III-1の調製]
 冷却管、窒素導入管および攪拌機のついた 応容器中に、下記を投入した。
・スチレン                        320質量部
・n-ブチルアクリレート                  110質量部
・アクリル酸                         10質量部
・2-ブタノン(溶媒)                   50質量部
 重合開始剤として2,2’-アゾビス(2,4-ジメチ バレロニトリル)8質量部を上記原料に溶解 、重合性単量体組成物を調製した。該重合 単量体組成物を60℃で8時間重合反応を行な 、160℃まで昇温した後、減圧下で脱溶剤し 反応容器から取り出した。室温まで冷却し 後、粉砕、粒子化し、線形ビニル樹脂であ スチレンアクリルIII-1を得た。Tg、酸価を表1 5に示す。
 次に攪拌羽つきの密閉容器に酢酸エチルを 入し、100rpmにて攪拌しているところに、投 した酢酸エチルに対し50質量%となるように 末状にした上記スチレンアクリルIII-1を入 室温で3日間攪拌することでスチレンアクリ 樹脂溶液III-1を調製した。

 
 
 
 
 
 

 

 [ワックス分散液III-1の調製]
・共重合樹脂(I)                       90質量部
[ニトリル基含有スチレンアクリル樹脂(スチ ン/n-ブチルアクリレート/アクリロニトリル =65/35/10(質量比)、ピーク分子量8500)]
・ポリエチレン(I)(最大吸熱ピーク温度:107℃)       10質量部
 ポリエチレン(I)に共重合樹脂(I)を上記配合 にてグラフトさせワックス分散媒体(I)を得 。
 ついで下記を攪拌羽根付きのガラスビーカ (IWAKIガラス製)に投入し、系内を70℃に加熱 ることで酢酸エチルに溶解させた。
・ワックス分散媒体(I)                      8質量部
・カルナウバワックス(最大吸熱ピーク温度:8 1℃)        16質量部
・酢酸エチル                           76質量部
 さらに、系内を50rpmで緩やかに攪拌しなが 徐々に冷却し、3時間かけて25℃にまで冷却 せ乳白色の液体を得た。
 この溶液を1mmのガラスビーズ20質量部とと に耐熱性の容器に投入し、ペイントシェー ー(東洋精機製)にて3時間の分散を行ない、 ックス分散液III-1を得た。上記ワックス分散 液III-1中のワックス粒子の分散粒子径をマイ ロトラック粒度分布測定装置HRA(X-100)(日機 社製)にて測定した。物性を表16に示す。

 [ワックス分散液III-2の調製]
・ワックス分散媒体(I)                      8質量部
・ステアリン酸ステアリル(最大吸熱ピーク 度:67℃)     16質量部
・酢酸エチル                           76質量部
 上記を攪拌羽根付きのガラスビーカー(IWAKI ラス製)内に投入し、系内を65℃に加熱する とでステアリン酸ステアリル(エステルIII-1) を酢酸エチルに溶解させた。
 ついで、ワックス分散液III-1と同様の操作 行ない、ワックス分散液III-2を得た。上記ワ ックス分散液III-2中のワックス粒子の分散粒 径をマイクロトラック粒度分布測定装置HRA( X-100)(日機装社製)にて測定した。物性を表16 示す。

 [ワックス分散液III-3の調製]
・トリメチロールプロパントリベヘネート( 大吸熱ピーク温度:58℃)20質量部
・酢酸エチル                           80質量部
 上記を攪拌羽根付きのガラスビーカー(IWAKI ラス製)内に投入し、系内を60℃に加熱する とでトリメチロールプロパントリベヘネー (エステルIII-2)を酢酸エチルに溶解させた。
 ついで、ワックス分散液III-1と同様の操作 行ない、ワックス分散液III-3を得た。上記ワ ックス分散液III-3中のワックス粒子の分散粒 径をマイクロトラック粒度分布測定装置HRA( X-100)(日機装社製)にて測定した。物性を表16 示す。

 [ワックス分散液III-4の調製]
・ワックス分散媒体(I)                     8質量部
・パラフィンワックス(最大吸熱ピーク温度:7 4℃)      16質量部
・酢酸エチル                          76質量部
 上記を攪拌羽根付きのガラスビーカー(IWAKI ラス製)内に投入し、系内を70℃に加熱する とでパラフィンワックス(パラフィンIII-1)を 酢酸エチルに溶解させた。ついで、ワックス 分散液III-1と同様の操作を行ない、ワックス 散液III-4を得た。上記ワックス分散液III-4中 のワックス粒子の分散粒子径をマイクロトラ ック粒度分布測定装置HRA(X-100)(日機装社製)に て測定した。物性を表16に示す。

 [ワックス分散液III-5の調製]
・カルナバワックス(最大吸熱ピーク温度:81 )       20質量部
・酢酸エチル                          80質量部
 上記を攪拌羽根付きのガラスビーカー(IWAKI ラス製)内に投入し、系内を70℃に加熱する とでカルナウバワックス(カルナウバIII-1)を 酢酸エチルに溶解させた。
 ついで、系内を50rpmで緩やかに攪拌しなが 徐々に冷却し、3時間かけて25℃にまで冷却 せ乳白色の液体を得た。
 この溶液を1mmのガラスビーズ20質量部とと に耐熱性の容器に投入し、ペイントシェー ー(東洋精機製)にて3時間の分散を行ない、 ックス分散液III-5を得た。上記ワックス分散 液III-5中のワックス粒子の分散粒子径をマイ ロトラック粒度分布測定装置HRA(X-100)(日機 社製)にて測定した。物性を表16に示す。


 

 また、マグネタイトIII-1~III-5の物性を表17 に示す。


 

 [磁性体分散液III-1の調製]
・酢酸エチル                         100質量部
・ポリエステルIII-1                    50質量部
・マグネタイトIII-1                   100質量部
・ガラスビーズ(1mm)                   100質量部
 上記物質を耐熱性のガラス容器に投入し、 イントシェーカー(東洋精機製)にて5時間分 を行ない、ナイロンメッシュでガラスビー を取り除き、磁性体分散液III-1を得た。

 [磁性体分散液III-2の調製]
・ポリエステルIII-2                    50質量部
・マグネタイトIII-2                   100質量部
 (混練工程)
 上記の原材料をニーダー型ミキサーに仕込 、混合しながら非加圧下で昇温させる。130 まで昇温し、約10分間加熱溶融混練を行な 、マグネタイトを樹脂に分散させる。その 、冷却しながら混練を続け、80℃まで冷却し 、50質量部の酢酸エチルを徐々に加える。酢 エチルを添加後、系を75℃に固定し、30分混 練し、該工程を終了した後、冷却し、混練物 を取り出した。
 次ぎに、上記混錬物を、ハンマーを用いて 粉砕後、固形分濃度が、60質量%になるよう 、酢酸エチルと混ぜた後、ディスパー(特殊 機化社製)を用いて、8000rpmで10分間撹拌し、 性体分散液III-2を得た。

 [磁性体分散液III-3の調製]
・マグネタイトIII-3                   250質量部
・酢酸エチル                         250質量部
・ガラスビーズ(1mm)                   300質量部
 上記物質を耐熱性のガラス容器に投入し、 イントシェーカー(東洋精機製)にて5時間分 を行ない、ナイロンメッシュでガラスビー を取り除き、磁性体分散液III-3を得た。

 [磁性体分散液-4の調製]
・ポリエステルIII-4                    50質量部
・マグネタイトIII-4                   100質量部
 上記の原材料をニーダー型ミキサーに仕込 、混合しながら非加圧下で昇温させる。130 まで昇温し、約60分間加熱溶融混練を行な 、マグネタイトを樹脂に分散させる。該工 を終了した後、冷却し、混練物を取り出し 。
 次ぎに、上記混錬物を、ハンマーを用いて 粉砕後、固形分濃度が、60質量%になるよう 、酢酸エチルと混ぜた後、ディスパー(特殊 機化社製)を用いて、8000rpmで10分間撹拌し、 性体分散液III-4を得た。

 [磁性体分散液III-5の調製]
・ポリエステルIII-5                    50質量部
・マグネタイトIII-5                   100質量部
 上記の原材料をニーダー型ミキサーに仕込 、混合しながら非加圧下で昇温させる。130 まで昇温し、約60分間加熱溶融混練を行な 、マグネタイトを樹脂に分散させる。該工 を終了した後、冷却し、混練物を取り出し 。
 次ぎに、上記混錬物を、ハンマーを用いて 粉砕し以下の工程に用いた。
・上記粗粉砕物                       150質量部
・酢酸エチル                         100質量部
・ガラスビーズ(1mm)                   100質量部
 上記物質を耐熱性のガラス容器に投入し、 イントシェーカー(東洋精機製)にて5時間分 を行ない、ナイロンメッシュでガラスビー を取り除き、磁性体分散液III-5を得た。

 <実施例III-1>
 (油相の調製)
・ワックス分散液III-1                62.5質量部
・磁性体分散液III-1                    75質量部
・ポリエステル樹脂溶液III-1                80質量部
・トリエチルアミン                     0.5質量部
・酢酸エチル                        34.5質量部
 上記溶液を容器内に投入し、ホモディスパ (特殊機化工業(株)社製)で、1500rpmで10分間攪 拌、分散した。更に、上記溶液にガラスビー ズ100質量部を加え、ペイントシェーカー(東 精機製)にて1時間分散を行ない、ナイロンメ ッシュでガラスビーズを取り除き、油相III-1 調製した。
 (水相の調製)
 容器に下記を投入し、TKホモミクサー(特殊 化社製)にて5000rpmで1分間攪拌し、水相を調 した。
・イオン交換水                       245質量部
・樹脂微粒子分散液III-1                  25質量部
(トナー母粒子100質量部に対して、樹脂微粒 5.0質量部仕込み)
・ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸 ナトリウムの50%水溶液
(エレミノールMON-7、三洋化成工業製)          25質量部
・酢酸エチル                          30質量部
 (乳化及び脱溶剤工程)
 上記水相335質量部中に油相250質量部を投入 、TKホモミクサーで回転数を8000rpmまでの条 で、3分間攪拌を続け、油相III-1を懸濁させ 。
 ついで、容器に攪拌羽をセットし、200rpmで 拌しながら系内を40℃に昇温し、4時間かけ 脱溶剤を行ない、その後、系内を常温まで し、さらに4時間攪拌しながら乳化滴を熟成 させ充分な脱溶剤を行ないトナー粒子III-1の 分散液を得た。
 (洗浄~乾燥工程)
 ついで、上記のトナー粒子III-1の水分散液 ろ過し、イオン交換水500質量部にリスラリ した後、系内を攪拌しつつ、系内がpH4にな まで塩酸を加えて、5分間攪拌した。
 上記のスラリーを再度ろ過し、イオン交換 200質量部添加し5分間攪拌する操作を3回繰 返すことで、系内に残存したトリエチルア ンを除去し、トナー粒子III-1のろ過ケーキを 得た。
 上記ろ過ケーキを温風乾燥機にて45℃で3日 乾燥し、目開き75μmのメッシュでふるい、 ナー粒子III-1を得た。
 (トナーの調製)
 次に、上記トナー粒子III-1の100質量部に対 、個数平均径20nmの疎水性シリカ0.7質量部と 個数平均径120nmのチタン酸ストロンチウム3. 0質量部をヘンシェルミキサー(三井三池化工 (株)製)FM-10Bにて混合し、トナーIII-1を得た トナーIII-1の処方を表18に、物性を表19に示 。

 <画像評価>
 得られたトナーの評価方法について説明す 。画像評価には市販のキヤノン製白黒複写 (商品名:IR3570)を用いた。トナーの画像評価 果を表20に示す。
 上記画像評価のための試験機を、23℃、5%RH 環境に一晩放置後、印字率3%となる横線パ ーンを1枚/1ジョブとして、ジョブとジョブ 間にマシンがいったん停止してから次のジ ブが始まるように設定したモードで、A4普通 紙(75g/m 2 )を使用して50000枚の画出し耐久試験を行った 。

 <カブリ>
 カブリの評価は、上記耐久試験中、1000枚終 了時点で、現像バイアスの交流成分の振幅を 1.8kVに設定し、ベタ白を2枚プリントし、2枚 のカブリを以下の方法により測定した。
 反射濃度計(リフレクトメーター モデル TC -6DS:東京電色社製)を用いて画像形成前後の転 写材を測定し、画像形成後の反射濃度最悪値 をDs、画像形成前の転写材の反射平均濃度をD rとし、Ds-Drを求め、これをカブリ量として評 価した。数値の少ない方が、カブリが少ない ことを示す。カブリの評価基準を以下に示す 。
A:1.0未満。
B:1.0以上2.0未満。
C:2.0以上3.5未満。
D:3.5以上。

 <細線再現性>
 細線再現性の評価は、上記耐久試験中、1000 枚、10000枚終了時点で行った。まず、潜像の イン幅が85μmになるようにレーザー露光し 、厚紙(105g/m 2 )にプリントした定着画像を測定用サンプル した。測定装置として、ルーゼックス450粒 アナライザー(株式会社ニレコ)を用いて、拡 大したモニター画像から、インジケーターを 用いて線幅の測定を行った。このとき、線幅 の測定位置はトナーの細線画像の幅方向に凹 凸があるため、凹凸の平均的線幅をもって測 定値とした。細線再現性の評価は、画像線幅 の、潜像線幅(85μm)に対する比(画像線幅/潜像 線幅)を算出することによって評価した。細 再現性の評価基準を以下に示す。
A:1.08未満である。
B:1.08以上、1.12未満である。
C:1.12以上、1.18未満である。
D:1.18以上である。

 <転写効率>
 1000枚後に細線再現性に引き続き転写効率を 測定した。細線再現性を測定した設定条件で ベタ画像を出力し、転写紙上に転写した画像 と、感光体上の転写残の画像濃度を、濃度計 (X-rite 500Series:X-rite社製)で測定した。画像濃 から、載り量を換算し転写紙上への転写効 を求めた。
A:トナーの転写効率が95%以上である。
B:トナーの転写効率が93%以上である。
C:トナーの転写効率が90%以上である。
D:トナーの転写効率が90%未満である。

 <画像濃度>
 画像濃度は、以下の手順で評価した。即ち 上記試験機を用い、常温常湿度環境下(23℃/ 60%RH)において、キヤノンリサイクルペーパー EN-100紙(キヤノン社)上に、ベタ画像でトナー り量が0.35mg/cm 2 になるように調整し、定着後の画像を準備し た。
 該画像を、X-rite社製反射濃度計500 Series Spe ctrodensitemeterを用いて評価した。画像濃度の 価基準を以下に示す。
 上記環境にて100枚耐久後に対する5000枚耐久 後の画像濃度の低下率を算出した。更に、500 0枚後にベタ黒画像を出力し、その画像に対 て目視評価を行なった。なお、上記画像濃 の低下率は下記式を用いて求めた。
 {(100枚耐久後の画像濃度)-(5000枚耐久後の画 濃度)}×100/(100枚耐久後の反射濃度)
A:低下率が2%未満。
B:低下率が2%以上3%未満。
C:低下率が3%以上5%未満である、又は、5000枚 にわずかに濃度ムラが見える。
D:低下率が5%以上である、又は、5000枚後に濃 ムラが目立つ。

 <帯電性の評価>
 まず、所定のキャリア(日本画像学会標準キ ャリア フェライトコアを表面処理した球形 ャリア N-01)とトナーとを蓋付きのプラスチ ックボトルに入れ、振盪器(YS-LD、(株)ヤヨイ )で、1秒間に4往復のスピードで1分間振とう し、トナーとキャリアからなる現像剤を帯電 させる。次に、図3に示す摩擦帯電量を測定 る装置において摩擦帯電量を測定する。図3 おいて、底に500メッシュのスクリーン3のあ る金属製の測定容器2に、前述した現像剤約0. 5~1.5gを入れ、金属製のフタ4をする。この時 測定容器2全体の質量を秤りW1(g)とする。次 吸引機1(測定容器2と接する部分は少なくと 絶縁体)において、吸引口7から吸引し風量調 節弁6を調整して真空計5の圧力を250mmAqとする 。この状態で2分間吸引しトナーを吸引除去 る。この時の電位計9の電位をV(ボルト)とす 。ここで8はコンデンサーであり容量をC(mF) する。また、吸引後の測定容器全体の質量 秤りW2(g)とする。この試料の摩擦帯電量(mC/k g)は下式の如く算出される。
   試料の摩擦帯電量(mC/kg)=C×V/(W1-W2)
 本発明においては常温常湿度環境下(23℃/60% RH)で初期の摩擦帯電量(Q1)、および1週間放置 の摩擦帯電量(Q2)を測定し、その変化率をも って帯電安定性を評価した。評価基準は以下 の通り。
A:Q1→Q2の変化率が5%以下。
B:Q1→Q2の変化率が5より大きい、10%以下。
C:Q1→Q2の変化率が10より大きい、15%以下。
D:Q1→Q2の変化率が15%より大きい。

 <低温定着性>
 上記試験機を用い、常温常湿度環境下(23℃/ 60%RH)において、紙上のトナー載り量を0.35mg/cm 2 になるよう現像コントラストを調整し、先端 余白5mm、幅100mm、長さ280mmのべたの未定着画 を作成した。紙としては、厚紙A4用紙(「プ ーバーボンド紙」:105g/m 2 、フォックスリバー社製)を用いた。上記試 機の定着器を改造し、定着ユニットは手動 定着温度が設定できるようにした状態で、 温常湿度環境下(23℃/60%)に於いて、80℃から2 00℃の範囲で順に10℃ずつ上げ定着試験を行 た。
 得られた定着画像の画像領域に、柔和な薄 (例えば、商品名「ダスパー」、小津産業社 製)の上から4.9kPaの荷重をかけつつ5往復摺擦 、摺擦前と摺擦後の画像濃度をそれぞれ測 して、下記式により画像濃度の低下率δD(%) 算出した。このδD(%)が10%未満のときの温度 定着開始温度とし、低温定着性の基準とし 。
 尚、画像濃度はX-Riteカラー反射濃度計(Color reflection densitometer X-Rite 404A)で測定した。
  δD(%)=(摺擦前の画像濃度-摺擦後の画像濃 )×100/摺擦前の画像濃度
A:定着開始温度が120℃以下。
B:定着開始温度が120℃より高く、140℃以下。
C:定着開始温度が140℃より高く、160℃以下。
D:定着開始温度が160℃より高い。

 <トナーの耐熱保存性の評価>
 トナーの耐熱保存性は、3gのトナーを100mlの ポリカップに入れ、50℃(±0.5℃以内)の恒温槽 で3日間放置した後、目視および指の腹で触 て評価した。
A:変化がみられない。
B:流動性が若干低下する。
C:凝集物が発生する。
D:凝集物をつまむことができ、容易には崩れ い。

 <比較例III-1>
 実施例III-1の油相調製において、ポリエス ル樹脂溶液III―1をスチレンアクリル樹脂溶 III―1に変更し、磁性体分散液III―1に用い れるポリエステルIII-1をスチレンアクリルIII -1に変更して、油相III-2を調製する以外は同 にしてトナーIII―2を得た。トナーIII-2の処 を表18に、物性を表19に示す。また、画像評 結果を表20に示す。

 <比較例III-2>
 実施例III-1の水相調製において、樹脂微粒 分散液III-1のかわりに樹脂微粒子分散液III-6 用いる以外は同様にしてトナーIII-3を得た トナーIII-3の処方を表18に、物性を表19に示 。また、画像評価結果を表20に示す。

 <比較例III-3>
 下記水相を用いる以外は、実施例III-1と同 にしてトナーIII-4を得た。トナーIII-4の処方 表18に、物性を表19に示す。また、画像評価 結果を表20に示す。
 (無機系水系分散媒体の調製)
 イオン交換水709質量部に0.1mol/リットル-Na 3 PO 4 水溶液451質量部を投入し60℃に加温した後、T Kホモミキサー(特殊機化工業製)で12,000rpmにて 攪拌し、1.0mol/リットル-CaCl 2 水溶液67.7質量部を徐々に添加してCa 3 (PO 4 ) 2 を含む無機系水系分散媒体を得た。
 (水相の調製)
・上記無機系水系分散媒体                    200質量部
・ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸 ナトリウムの50%水溶液(エレミノールMON-7、三 洋化成工業製)                    4 質量部
・酢酸エチル                           16質量部
 上記をビーカーに投入し、TKホモミクサー て5000rpmで1分間攪拌し、水相を調製した。

 <比較例III-4>
 実施例III-1の油相調製においてポリエステ 樹脂溶液III-1を80質量部から122質量部、磁性 分散液III-1を75質量部から40質量部に変更し 相III-3を調製する以外は同様にしてトナーII I-5を得た。トナーIII-5の処方を表18に、物性 表19に示す。また、画像評価結果を表20に示 。

 <比較例III-5>
 実施例III-1の油相調製においてポリエステ 樹脂溶液III-1を80質量部から38質量部、磁性 分散液III-1を75質量部から110質量部に変更し 相III-4を調製する以外は同様にしてトナーII I-6を得た。トナーIII-6の処方を表18に、物性 表19に示す。また、画像評価結果を表20に示 。

 <実施例III-2>
 実施例III-1の水相調製において、樹脂微粒 分散液III-1のかわりに樹脂微粒子分散液III-2 用いる以外は同様にしてトナーIII-7を得た トナーIII-7の処方を表18に、物性を表19に示 。また、画像評価結果を表20に示す。

 <実施例III-3>
 実施例III-1の水相調製において、樹脂微粒 分散液III-1のかわりに樹脂微粒子分散液III-3 用いる以外は同様にしてトナーIII-8を得た トナーIII-8の処方を表18に、物性を表19に示 。また、画像評価結果を表20に示す。

 <実施例III-4>
 実施例III-1の油相調製において、ポリエス ル樹脂溶液III-1のかわりにポリエステル樹脂 溶液III-2を38質量部、75質量部の磁性体分散液 III-1を110質量部の磁性体分散液III-2に変更し 油相III-5を調製する以外は同様にしてトナー III-9を得た。トナーIII-9の処方を表18に、物性 を表19に示す。また、画像評価結果を表20に す。

 <実施例III-5>
 実施例III-1の油相調製において、ポリエス ル樹脂溶液III-1のかわりにポリエステル樹脂 溶液III-3を130質量部、75質量部の磁性体分散 III-1を40質量部の磁性体分散液III-3に変更し 油相III-6を調製し、水相の調製において樹脂 微粒子分散液III-1を25質量部から15質量部(ト ー母粒子100質量部に対して、樹脂微粒子3.0 量部仕込み)に変更する以外は同様にしてト ーIII-10を得た。トナーIII-10の処方を表18に 物性を表19に示す。また、画像評価結果を表 20に示す。

 <実施例III-6>
 実施例III-1の油相調製において、ポリエス ル樹脂溶液III-1のかわりにポリエステル樹脂 溶液III-1を90質量部、62.5質量部のワックス分 液III-1を50.0質量部のワックス分散液III-3に 更して油相III-7を調製し、水相の調製におい て樹脂微粒子分散液III-1を25質量部から35質量 部(トナー母粒子100質量部に対して、樹脂微 子7.0質量部仕込み)に変更する以外は同様に てトナーIII-11を得た。トナーIII-11の処方を 18に、物性を表19に示す。また、画像評価結 果を表20に示す。

 <実施例III-7>
 実施例III-1の油相調製において、ポリエス ル樹脂溶液III-1のかわりにポリエステル樹脂 溶液III-5を90質量部、62.5質量部のワックス分 液III-1を50.0質量部のワックス分散液III-5に 、75質量部の磁性体分散液III-1を磁性体分散 III-5に変更し油相III-8を調製する以外は同様 にしてトナーIII-12を得た。トナーIII-12の処方 を表18に、物性を表19に示す。また、画像評 結果を表20に示す。

 <実施例III-8>
 実施例III-1の油相調製においてポリエステ 樹脂溶液III-1のかわりにポリエステル樹脂溶 液III-4にし、磁性体分散液III-1を磁性体分散 III-4に変更して油相III-9を調製し、且つ水相 製において、樹脂微粒子分散液III-1のかわ に樹脂微粒子分散液III-4を用いる以外は同様 にしてトナーIII-13を得た。トナーIII-13の処方 を表18に、物性を表19に示す。また、画像評 結果を表20に示す。

 <実施例III-9>
 実施例III-1の油相調製において、80質量部の ポリエステル樹脂溶液III-1のかわりに、ポリ ステル樹脂溶液III-5を95質量部に変更し、ワ ックス分散液III-1の62.5質量部を31.3質量部に 更し、磁性体分散液III-1を磁性体分散液III-5 変更して油相III-10を調製し、且つ水相調製 おいて、樹脂微粒子分散液III-1のかわりに 脂微粒子分散液III-5を65質量部用いる以外は 様にしてトナーIII-14を得た。トナーIII-14の 方を表18に、物性を表19に示す。また、画像 評価結果を表20に示す。

 <実施例III-10>
 実施例III-1の油相調製において、ワックス 散液III-1をワックス分散液III-2に変更して油 III-11を調製する以外は同様にしてトナーIII- 15を得た。トナーIII-15の処方を表18に、物性 表19に示す。また、画像評価結果を表20に示 。

 <実施例III-11>
 実施例III-1の油相調製において、ワックス 散液III-1をワックス分散液III-4に変更して油 III-12を調製する以外は同様にしてトナーIII- 16を得た。トナーIII-16の処方を表18に、物性 表19に示す。また、画像評価結果を表20に示 。
  

  
 
 
 


 
 

 




 
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