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Patent Searching and Data


Title:
TOOTH PROTECTOR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/128339
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a tooth protector by which teeth can be surely prevented from damage in medical places, sports events and so on. A tooth protector which comprises a maxillary dentition-coating part (10) covering the individual teeth from the outer gingival part to the inner gingival part of the teeth and extending along the maxillary dentition, a mandibular dentition-coating part (11) covering the individual teeth from the outer gingival part to the inner gingival part of the teeth and extending along the mandibular dentition, and a connection part (8) connecting the maxillary dentition-coating part (10) to the mandibular dentition-coating part (11). In the usual state, the maxillary dentition-coating part (10), the mandibular dentition-coating part (11) and the connection part (8) are in a plate-shaped structure. Upon using, the connection part (8) is folded and then the protector is mounted. Thus, the individual teeth in the maxillary dentition are coated by the maxillary dentition-coating part (10) while the individual teeth in the mandibular dentition are coated by the mandibular dentition-coating part (11), thereby surely preventing the teeth from damage.

Inventors:
IMAI SATOSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/056455
Publication Date:
October 22, 2009
Filing Date:
March 30, 2009
Export Citation:
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Assignee:
IMAI SATOSHI (JP)
International Classes:
A61C5/14; A61C19/06; A63B71/08
Domestic Patent References:
WO2006069024A22006-06-29
Foreign References:
US2857909A1958-10-28
US4114614A1978-09-19
JPH10508762A1998-09-02
US3314423A1967-04-18
US5836761A1998-11-17
JPH06142117A1994-05-24
Attorney, Agent or Firm:
SATO, MASARU (JP)
Masaru Sato (JP)
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Claims:
 各歯牙の外側歯肉部分から内側歯肉部分に亘って各歯牙を覆うと共に上顎歯列に沿って延長された上顎歯列被覆部と、
 各歯牙の外側歯肉部分から内側歯肉部分に亘って各歯牙を覆うと共に下顎歯列に沿って延長された下顎歯列被覆部と、
 前記上顎歯列被覆部と前記下顎歯列被覆部とを接続する接続部と、
を有し、通常状態では前記上顎歯列被覆部と下顎歯列被覆部と接続部は板状構造となっており、使用時には前記接続部を折り曲げて装着し、前記上顎歯列被覆部により上顎歯列の各歯牙を被覆し、前記下顎歯列被覆部により下顎歯列の各歯牙を被覆することを特徴とする歯牙保護装置。
 前記接続部には、リブが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の歯牙保護装置。
 前記上顎歯列被覆部は、上顎歯列に沿って延長され、各歯牙の外側歯肉部分から各歯牙を覆う上顎歯列外側被覆部と、上顎歯列に沿って延長され、各歯列の内側歯肉部分から各歯牙を覆う上顎歯列内側被覆部と、上顎歯列に沿って延長され、各歯牙の咬合面を被覆する上顎歯列咬合面被覆部とからなり、
 前記下顎歯列被覆部は、下顎歯列に沿って延長され、各歯牙の外側歯肉部分から各歯牙を覆う下顎歯列被覆部と、下顎歯列に沿って延長され、各歯列の内側歯肉部分から各歯牙を覆う下顎歯列内側被覆部と、下顎歯列に沿って延長され、各歯牙の咬合面を被覆する下顎歯列咬合面被覆部とからなり、
 前記接続部により、前記上顎歯列咬合面被覆部と前記下顎歯列咬合面被覆部が接続されることを特徴とする請求項1に記載の歯牙保護装置。
 前記上顎咬合面被覆部からの前記上顎歯列外側被覆部及び前記上顎歯列内側被覆部の少なくとも一方の立ち上がり角度を内向きの鋭角にし、前記下顎咬合面被覆部からの前記下顎歯列外側被覆部及び前記下顎歯列内側被覆部の少なくとも一方の立ち上がり角度を内向きの鋭角にしたことを特徴とする請求項3に記載の歯牙保護装置。
 前記上顎歯列外側被覆部と前記上顎歯列内側被覆部の内面、並びに前記下顎歯列外側被覆部と前記下顎歯列内側被覆部の内面には、歯牙接触側に凸部を形成することを特徴とする請求項3に記載の歯牙保護装置。
各歯牙の外側歯肉部分から内側歯肉部分に亘って各歯牙を覆うと共に上顎歯列若しくは下顎歯列に沿って延長された歯牙被覆樹脂部と、
 前記歯牙被覆樹脂部に取り付けられ前記上顎歯列若しくは下顎歯列に対して前記歯牙被覆樹脂部を固定するための弾性固定部と、
 前記歯牙被覆樹脂部の歯牙対向面側に配される充填材とを有することを特徴とする歯牙保護装置。
前記弾性固定部は前記歯牙被覆樹脂部の内側を所定の歯牙の歯肉部近辺に圧着させることを特徴とする請求項6記載の歯牙保護装置。
前記弾性固定部がバネ性を有した金属部材からなることを特徴とする請求項7記載の歯牙保護装置。
前記金属部材は、所定の歯牙を内側と外側から挟持するものであることを特徴とする請求項8記載の歯牙保護装置。
前記充填材の固化を防止するシール部をさらに有することを特徴とする請求項9記載の歯牙保護装置。
Description:
歯牙保護装置

 本発明は、気管内挿管を伴う全身麻酔な の医療行為を行う際や格闘技やその他の激 いスポーツ競技などにおいて、患者や競技 などの使用者の歯牙損傷を防止するために いる歯牙保護装置に関する。

 全身麻酔などの医療行為を行う場合に、 殊な鍬の如き形状を有した金属製の喉頭鏡 呼ばれる器具が患者の喉に挿入され、続い 麻酔ガスを患者の肺に送り込むための気管 挿管が行われている。例えば、医療行為者 患者の口を指と喉頭鏡の如き器具で大きく けてチューブを挿入する場合では、器具や 、チューブなどが患者の歯に接触し、その 触が原因で歯が抜けたり、折れたりする所 歯牙損傷が発生することがある。折れた歯 万一胃や肺などに入り込んだ場合には、所 の摘出手術などが必要になることもあり、 療の現場では大きな問題となっている。

 この歯牙損傷が引き起こす種々の問題に して、現状では、医師による事情説明や事 に折れそうな歯の治療をしておくなどの措 が取られていたりするが、例えば緊急の場 や、全身麻酔などの規模の大きな手術の前 患者側には歯の治療をするなどの時間的、 神的な余裕がない場合も多く、いずれも十 な解決策とはなっていない。その他の対応 としては、歯牙保護のためのマウスピース 如きデバイスを装着する例(例えば、特許文 献1参照。)も知られている。

実用新案登録第2569263号

 しかし、前述した従来技術の如きスポー 競技用のマウスピースでは、主に上顎と下 を咬み合わせて使用する態様になっており 医療現場で患者が口を開けて使用する態様 はなっていない。更に、老若男女を問わず 患者に使用できる汎用性はない。

 そこで、本発明は上述の技術的な課題に み、汎用性があり、医療現場などにおいて 牙損傷を確実に防止するような歯牙保護装 の提供を目的とする。また、本発明は、オ ダーメイドではなく、緊急な場合でも装着 能であり、特に歯科や口腔関係の専門家で くとも装着が容易な歯牙保護装置の提供を 的とする。

 上述の技術的な課題に鑑み、本発明の第1 の態様による歯牙保護装置は、各歯牙の外側 歯肉部分から内側歯肉部分に亘って各歯牙を 覆うと共に上顎歯列に沿って延長された上顎 歯列被覆部と、各歯牙の外側歯肉部分から内 側歯肉部分に亘って各歯牙を覆うと共に下顎 歯列に沿って延長された下顎歯列被覆部と、 上顎歯列被覆部と前記下顎歯列被覆部とを接 続する接続部とを有し、通常状態では上顎歯 列被覆部と下顎歯列被覆部と接続部は板状構 造となっており、使用時には接続部を折り曲 げて装着し、上顎歯列被覆部により上顎歯列 の各歯牙を被覆し、下顎歯列被覆部により下 顎歯列の各歯牙を被覆することを特徴とする 。

 従って、接続部を折り曲げたことによる 発力により、上顎歯列被覆部により上顎歯 の各歯牙が被覆され支えられ、下顎歯列被 部により下顎歯列の各歯牙が被覆され支え れることになる。

 また、本発明の第2の態様による歯牙保護 装置は、各歯牙の外側歯肉部分から内側歯肉 部分に亘って各歯牙を覆うと共に上顎歯列若 しくは下顎歯列に沿って延長された歯牙被覆 樹脂部と、前記歯牙被覆樹脂部に取り付けら れ前記上顎歯列若しくは下顎歯列に対して前 記歯牙被覆樹脂部を固定するための弾性固定 部と、前記歯牙被覆樹脂部の歯牙対向面側に 配される充填材とを有することを特徴とする 。

 患者などの使用者の歯並びや顎のサイズ 一般に個人差が大きいものであり、広い範 の使用者に適用可能なサイズで歯牙を被覆 る歯牙被覆樹脂部を構成し、口を開いた状 でも歯牙の被覆状態を維持するために弾性 定部により、当該歯牙被覆樹脂部を上顎歯 若しくは下顎歯列に対して固定する。広い 囲の使用者に適用可能なサイズで歯牙被覆 脂部を構成することで、歯牙被覆樹脂部の 牙対向面側には使用者の歯牙との間に空隙 形成されるが、充填材を入れておくことで 密着性を向上させることができる。

 本発明の歯牙保護装置によれば、汎用性 あり、医療現場などにおいて歯牙損傷を確 に防止することができる。また、本発明の 牙保護装置は、オーダーメイドではなく、 急な場合でも装着可能であり、特に歯科や 腔関係の専門家でなくとも装着が容易とな ている。

本発明の第1の実施形態に係る歯牙保護 装置の一例を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る歯牙保護 装置の一例を示す平面図である。 本発明の第1の実施形態に係る歯牙保護 装置が患者等への装着時に折り畳まれた様子 を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る歯牙保護 装置の一例の断面図であって図2のVI-VI線断面 図である。 本発明の第1の実施形態に係る歯牙保護 装置の一例の断面図であって図2のV-V線断面 である。 本発明の第1の実施形態に係る歯牙保護 装置の一例の歯牙への装着時の断面図である 。 本発明の第2の実施形態に係る歯牙保護 装置の一例を示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る歯牙保護 装置の一例の平面図である。 本発明の第2の実施形態に係る歯牙保護 装置の一例の断面図であって、図8のIX-IX線断 面図である。 本発明の第2の実施形態に係る歯牙保 装置の一例の断面図であって、図8のX-X線断 図である。 本発明の第2の実施形態に係る歯牙保 装置の一例の歯牙への装着時の断面図であ 、歯がシール部に当接する前の図である。 本発明の第2の実施形態に係る歯牙保 装置の一例の歯牙への装着時の断面図であ 、歯が収納部に進行している状態の図であ 。 本発明の第2の実施形態に係る歯牙保 装置の一例の歯牙への装着時の断面図であ 、歯が収納部に収められた状態の図である

符号の説明

 1 歯牙保護装置
 2 上顎歯列外側被覆部
 3 上顎歯列内側被覆部
 4 上顎歯列咬合面被覆部
 5 下顎歯列外側被覆部
 6 下顎歯列内側被覆部
 7 下顎歯列咬合面被覆部
 8 接続部
 9 リブ
10 上顎歯列被覆部
11 下顎歯列被覆部
12 凸部
20 歯牙被覆樹脂部
21 外側歯肉当接部
22 内側歯肉当接部
23 前歯外側被覆部
24 収納部
25 前歯外側被覆部
26 奥歯外側被覆部
27 奥歯咬合面被覆部
28 奥歯内側被覆部
30 クリップ
31 奥側クリップ
32 中央クリップ
33 前側クリップ
40 充填材
50 シール部
60 歯
61 切縁
100 歯牙保護装置

(第1の実施形態)
 本発明の第1の実施形態に係る歯牙保護装置 について図面を参照しながら説明する。この 第1の実施の形態に係る歯牙保護装置は、弾 を有する軟質合成樹脂材から構成されてお 、馬蹄形状をなしており、上下歯牙の頬側 舌側、口蓋側、咬合面が覆われ、麻酔時の に器具による口腔内損傷を防止することを 的とするものである。

 図1は本発明の第1の実施形態に係る歯牙 護装置の斜視図であり、図2は第1の実施形態 に係る歯牙保護装置の平面図である。これら 図1,2に示されるように、第1の実施形態に係 歯牙保護装置1は、上顎歯列外側被覆部2、上 顎歯列内側被覆部3、上顎歯列咬合面被覆部4 下顎歯列外側被覆部5、下顎歯列内側被覆部 6、下顎歯列咬合面被覆部7、接続部8、リブ9 備えている。尚、外側とは頬側、口蓋側に 当し、内側とは舌側に相当する。上顎歯列 側被覆部2、上顎歯列内側被覆部3、上顎歯列 咬合面被覆部4により上顎歯列被覆部10を構成 し、下顎歯列外側被覆部5、下顎歯列内側被 部6、下顎歯列咬合面被覆部7により下顎歯列 被覆部11を構成する。これら各部2乃至9は、 体成型されており、通常状態では板状構造 なる。上顎歯列被覆部10、下顎歯列被覆部11 大きさは、平均的な成人の歯列が余裕を以 て収納される汎用性のあるサイズとなって るが、子供用や個人差に応じた各種のサイ や形状のものを設けても良い。

 上顎歯列外側被覆部2は、上顎歯列に沿っ て延長され、各歯牙の外側歯肉部分から各歯 牙を覆う。上顎歯列内側被覆部3は、上顎歯 に沿って延長され、各歯列の内側歯肉部分 ら各歯牙を覆う。そして、上顎歯列咬合面 覆部4は、上顎歯列に沿って延長され、各歯 の咬合面を被覆する。これらは、咬合面に 直な方向から見て上顎歯列に沿って略U字形 状に延出されている。従って、上顎歯列外側 被覆部2と上顎歯列咬合面被覆部4と上顎歯列 側被覆部3により、上顎歯列の外側歯肉部分 から内側歯肉部分にわたり歯牙を被覆し、保 護することができる。また、前述したように 上顎歯列に沿った略U字形状となっているこ から、例えば歯の一部が抜けて、歯並びが っていないような患者に対しても簡易且つ 全に装着することができる。上顎歯列外側 覆部2及び上顎歯列内側被覆部3の少なくとも 一方の上顎歯列咬合面被覆部4からの立ち上 り角度は内向きの鋭角(テーパー)にして、歯 牙の豊隆部が引っ掛かるようになっている。 歯牙が挿入される上顎歯列外側被覆部2と上 歯列内側被覆部3の内面には、歯牙接触側に 部(ディンプル)12を形成して、歯牙が食い込 むような構造としている。

 一方、下顎歯列外側被覆部5は、下顎歯列 に沿って延長され、各歯牙の外側歯肉部分か ら各歯牙を覆う。下顎歯列内側被覆部6は、 顎歯列に沿って延長され、各歯列の内側歯 部分から各歯牙を覆う。そして、下顎歯列 合面被覆部7は、下顎歯列に沿って延長され 各歯牙の咬合面を被覆する。これらは、咬 面に垂直な方向から見て下顎歯列に沿って U字形状に延出されている。従って、下顎歯 列外側被覆部5と下顎歯列咬合面被覆部7と下 歯列内側被覆部6により、下顎歯列の外側歯 肉部分から内側歯肉部分にわたり歯牙を被覆 し、保護することができる。また、前述した ように下顎歯列に沿った略U字形状となって ることから、例えば歯の一部が抜けて、歯 びが揃っていないような患者に対しても簡 且つ安全に装着することができる。下顎歯 外側被覆部5及び下顎歯列内側被覆部6の少な くとも一方の下顎歯列咬合面被覆部7からの ち上がり角度は内向きの鋭角(テーパー)にし て、歯牙の豊隆部が引っ掛かるようになって いる。歯牙が挿入される下顎歯列外側被覆部 5と下顎歯列内側被覆部6の内面には、歯牙接 側に凸部(ディンプル)12を形成して、歯牙が 食い込むような構造としている。

 上顎歯列被覆部10と下顎歯列被覆部11とは 、接続部8により屈曲自在に接続されている より詳細には、上顎歯列咬合面被覆部4と下 歯列咬合面被覆部7は、接続部8により接続 れている。そして、この接続部8には、装着 に折りたたむ際の反発力を強くするために 該接続部辺縁にリブ9が設けられている。こ のリブ9により、垂直的に歯牙にかかる力を くすることができるようになっている。

 装着時に歯牙保護装置1が折り畳まれた様 子は、例えば図3に示される通りである。こ 実施の形態に係る歯牙保護装置1は、上下一 型であるが、それを装着時に折り曲げよう すると、それに反発する力が働くので、口 内の上下歯牙に装着すると、歯牙に対して 直な力がかかることにより、歯牙から本装 1が外れにくくなる。このとき、接続部8の 発力がリブ9の存在により強められ、その反 力により上顎歯列、下顎歯列のそれぞれの 牙を上顎歯列被覆部10、下顎歯列被覆部11が 支えるようになっている。上顎歯列、下顎歯 列のそれぞれの被覆部10,11は各歯列用として 定される。

 ここで、図4には図2のIV-IV線に沿った断面 を示し、図5には図2のV-V線に沿った断面を示 説明する。図4に示されるように、前歯を被 覆する部分においては、上顎咬合面被覆部4a 対して、上顎歯列外側被覆部2a及び上顎歯 内側被覆部3aの少なくとも一方(この例では 上顎歯列内側被覆部3a)の立ち上がり角度を 向きの鋭角にして歯牙の豊隆部が引っ掛か ようにしている。これは、平均的な人間の 列の傾斜範囲に合致した角度となっており これにより前歯を正確に被覆・保持するこ が可能となる。更に、歯牙接触側の凸部12に より、歯牙が食い込むようになっている。こ れらは解剖学的寸法(歯牙単体や歯牙の長さ 幅だけではなく、交合面を横から見たスピ の湾曲等も加味)に合わせた構造となってい 。また、図5に示されるように、奥歯を被覆 する部分においては、上顎咬合面被覆部4bに して、上顎歯列外側被覆部2b及び上顎歯列 側被覆部3bの少なくとも一方(この例では、 顎歯列内側被覆部3b)立ち上がり角度を内向 の鋭角にして、歯牙の豊隆部が引っ掛かる うにしている。更に、歯牙接触側の凸部12に より、歯牙が食い込むようになっている。

 上顎歯列咬合面被覆部4、下顎歯列咬合面 被覆部7の長さは、歯牙の部位(中切歯、側切 、犬歯、第一小臼歯、第二大臼歯、第二大 歯、第三大臼歯)や、上顎、下顎によって変 えており、その長さは、医学的に根拠のある データに基づいて、例えば各歯牙の長さより 若干(例えば1mm)小さ目にすることで、軟性樹 が歯牙の豊隆部に引っ掛るようにしている これにより、歯牙をしっかりと被覆、保持 ることができる。

 図6には、図4の構成により実際に前歯を 覆した様子を示している。この図6に示され ように、上顎歯列外側被覆部2aが歯牙60の外 側及び外側歯肉を被覆し、上顎歯列内側被覆 部3aが歯牙60の内側及び内側歯肉を被覆し、 顎歯列咬合面被覆部4aが歯牙60の咬合面を被 するようになっている。また、凸部12によ 、歯牙が食い込むようになっている。

 上述した構成の歯牙保護装置1の各被覆部 2乃至7及び接続部8、リブ9は一体成型される のであるが、その材質としては、粘性が高 、伸縮性に富んだ材料として、例えばエチ ン-酢酸ビニル共重合樹脂(EVA;Ethylene-Vinyl Acet ate)やシリコン系材料などを採用することが きる。また、広くは軟質の熱可塑性合成樹 材などを用いることができ、例えばポリオ フィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステ 樹脂、(メタ)アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂 、塩化ビニリデン樹脂、ポリエーテルサルホ ン、エチレン-ビニルアルコール共重合体な も採用できる。この中でも特にポリオレフ ン樹脂としては、例えば、高密度ポリエチ ン、中密度ポリエチレン、高圧法低密度ポ エチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、前 したエチレン-酢酸ビニル共重合体等のポリ チレン系樹脂、エチレン-αオレフィンラン ム共重合体等のオレフィン系エラストマー ポリプロピレン、エチレン-プロピレンラン ダム共重合体、α-オレフィン-プロピレンラ ダム共重合体等のポリプロピレン系樹脂や 環状ポリオレフィン樹脂、これらの混合物 単層、および多層フィルムなどが挙げられ 。これらの樹脂は、耐熱性向上等を目的と て一部架橋されていても良い。

 歯牙保護装置1を軟質の熱可塑性合成樹脂 材で一体成型することで、医療行為中に各被 覆部2乃至7に指や器具などが当たった場合で 、その衝撃を吸収し和らげることができる また、各被覆部2乃至7を軟質の熱可塑性合 樹脂材で構成することで、患者等の使用者 歯肉に対しても当たりが柔軟になることか 装着時の違和感も防止できる。特に歯並び 揃っていない、歯の一部が抜けているよう 患者に対しても汎用性のある構造にて簡易 つ迅速に、しかも安全に装着することがで る。

 本発明の第1の実施形態に係る歯牙保護装 置によれば、使用者の歯に対して被覆部を被 せるように装着し、接続部の弾性力により口 を開いた状態でも歯牙の被覆状態を維持する ことができることから、歯牙損傷を確実に防 止することができる。

 また、この本発明の第1の実施形態に係る 歯牙保護装置は、オーダーメイドではなく樹 脂成型などにより汎用品として使用者に提供 されるが、この歯牙保護装置は柔軟であるこ とから特に歯科や口腔関係の専門家でなくと も装着が容易であり、緊急な場合でも装着可 能である。更に、上顎歯列被覆部と下顎歯列 被覆部を一体成型としたことから、製造コス トも削減される。

(第2の実施形態)
 本発明の歯牙保護装置の第2の実施形態を図 面を参照しながら説明する。第2の実施形態 係る歯牙保護装置100は、図7乃至図10に示す うに、各歯牙の外側歯肉部分から内側歯肉 分に亘って各歯牙を覆うと共に上顎歯列若 くは下顎歯列に沿って延長された歯牙被覆 脂部20と、前記歯牙被覆樹脂部に取り付けら れ前記上顎歯列若しくは下顎歯列に対して前 記歯牙被覆樹脂部を固定するための弾性固定 部としてのクリップ30と、前記歯牙被覆樹脂 の歯牙対向面側に配される充填材40とを有 ており、歯牙被覆樹脂部20の内部側に配され た前記充填材の固化を防止するシール部50と 有している。

 歯牙被覆樹脂部20は、比較的に柔らかな 脂材を成型して形成されるものであり、歯 咬み合い面に垂直な方向から見て当該歯牙 覆樹脂部20は上顎歯列若しくは下顎歯列に沿 って延長された略U字形状に構成される。ま 歯牙被覆樹脂部20の被覆部分の断面について は、具体的には、図8のIX-IX線に沿った断面を 示す図9や図8のX-X線に沿った断面を示す図10 それぞれ示すように、歯列の外側(唇側)の歯 肉に当接する外側歯肉当接部21から折れ曲が ように立ち上がり、歯の形状に沿って各歯 被覆するように延長され、歯列の内側に至 ては再度大きく折れ曲がって歯列の内側(舌 側)の歯肉に当接する内側歯肉当接部22まで延 長されている。歯の形状に沿った部分につい ては、前歯では図9に示すように、前歯の外 (唇側)を被覆する前歯外側被覆部23と前歯の 側(舌側)を被覆する前歯内側被覆部25が前歯 の切縁に沿って折れ曲がるように連続してい る。一方、奥歯では図10に示すように、奥歯 外側を被覆する奥歯外側被覆部26が歯列の 側(唇側)の歯肉に当接する外側歯肉当接部21 ら折れ曲がるように立ち上がり、奥歯の内 を被覆する奥歯内側被覆部28が歯列の内側( 側)の歯肉に当接する内側歯肉当接部22から れ曲がるように立ち上がり、これら奥歯外 被覆部26と奥歯内側被覆部28との間に奥歯の 咬合面に沿って奥歯咬合面被覆部27が設けら ている。

 歯牙被覆樹脂部20は、所要の厚みを有し 上顎歯列若しくは下顎歯列をほぼ全体的に う構造を有しており、その内側面となる歯 対向面29は各歯の部分で凹部となり、この歯 牙対向面29が上顎歯列若しくは下顎歯列の収 部24を構成する。歯牙被覆樹脂部20の大きさ は、平均的な成人の歯列が余裕を以って歯牙 被覆樹脂部20の収納部24に収納されるサイズ あり、子供用や個人差に応じた各種のサイ や形状のものを設けても良い。

 歯牙被覆樹脂部20には、例えば軟質の熱 塑性合成樹脂材などを用いることができ、 えばポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂 ポリエステル樹脂、(メタ)アクリル樹脂、塩 化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリエ ーテルサルホン、エチレン-ビニルアルコー 共重合体などが挙げられる。この中でも特 ポリオレフィン樹脂としては、例えば、高 度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高 法低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリ チレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体等の リエチレン系樹脂、エチレン-αオレフィン ンダム共重合体等のオレフィン系エラスト ー、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン ランダム共重合体、α-オレフィン-プロピレ ランダム共重合体等のポリプロピレン系樹 や、環状ポリオレフィン樹脂、これらの混 物の単層、および多層フィルムなどが挙げ れる。これらの樹脂は、耐熱性向上等を目 として一部架橋されていても良い。

 歯牙被覆樹脂部20を軟質の熱可塑性合成 脂材で構成することで、医療行為中に歯牙 覆樹脂部20に指や器具などが当たった場合で も、その衝撃を吸収し和らげることができる 。また、外側歯肉当接部21と内側歯肉当接部2 2は、当該歯牙保護装置100の装着時において 、それぞれ歯肉の表面に広がるように密着 、その歯肉の部分を保護させることができ と共に、吸盤のように歯肉表面に歯牙被覆 脂部20を吸着させるように機能させることが でき、歯牙保護装置100の装着を安定した装着 にすることができる。また、歯牙被覆樹脂部 20を軟質の熱可塑性合成樹脂材で構成するこ で、患者等の使用者の歯肉に対しても当た が柔軟になることから装着時の違和感も防 できる。

 歯牙被覆樹脂部20を単一の樹脂で構成す のではなく、複数の種類層を重ねた多層構 とすることもでき、例えばガスバリア性を 視する場合では、エチレンビニルアルコー 共重合体(EVOH)、ポリビニルアルコール(PVA)、 ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、メタキシレンダイ アミンとアジピン酸の共重合体(MXナイロン,MX DNy)、ポロアクリロニトリル(PAN)等のフィルム や樹脂からなる層や、これらを含む積層フィ ルム(例えば、ポリアミド/EVOH/ポリアミドの 層フィルム)、また、ポリエステルフィルム ポリアミドフィルムにシリカやアルミナを 着した透明蒸着フィルム、更に、上記バリ ー性樹脂を含有したコーティング剤を塗布 たフィルム等が使用できる。なお、歯牙被 樹脂部20の形成には、金型を用いた射出成 の他、所定の樹脂シートを真空成型するよ にしても良い。

 歯牙被覆樹脂部20に対して一体的となる うに、ステンレスなどの金属製の針金材を 曲して形成されたクリップ30が取り付けられ ている。クリップ30は、具体的には、左右に 対の前側クリップ33、左右に一対の中央ク ップ32、左右に一対の奥側クリップ31の合計6 個のクリップからなる。クリップ31~33は、そ ぞれ略8の字状の両端部をそれぞれ歯の側面 に合わせるように下向きに折り曲げた形状を 有しており、下端部側はやや閉じるように両 端間の距離が狭められている。歯に対して当 該歯牙保護装置100を装着する場合には、各ク リップ31~33の下端側を広げるようにして、各 を歯牙被覆樹脂部20の収納部24の内部に収納 する。このとき歯牙被覆樹脂部20を各クリッ 31~33がその下端部に加わる弾性力で患者等 使用者の歯肉部などに確実に圧接し、当該 牙保護装置100を外そうとするような力を加 ない状態では、歯牙被覆樹脂部20はそのまま 歯の周囲に固定されたままとなる。

 第2の実施形態においては、クリップ30を 属製の針金材を加工したものとして説明し が、歯牙被覆樹脂部20を歯牙若しくは歯肉 対して固定する機能を有していれば、材料 プラスチックやその他の複合材料であって 良く、さらに金属製クリップとプラスチッ 製クリップとが混在するような組み合わせ 可能である。クリップ30を矩形状の略8の字 状として説明したが、他の形状であっても く、例えば略コ字状や略U字状などであって 良い。さらに、クリップ30の形状も弾性を した金属板のような他の形状であっても良 。また、本実施形態では、左右3個ずつの合 6個をクリップとして使用する例を説明して いるが、例えば、左右2個ずつや左右4個ずつ ようにクリップの数を変えることは任意で り、各クリップの歯牙被覆樹脂部20を固定 る力も均等であっても良く、場所に応じて なるようにしても良い。

 歯牙被覆樹脂部20の外側に各クリップ31~33 を外嵌するようにしても良いが、歯牙被覆樹 脂部20の外側に各クリップ31~33を外嵌した後 さらに歯牙被覆樹脂部20に接着する保護フィ ルムを被せ、各クリップ31~33と歯牙被覆樹脂 20を一体化させても良い。本実施形態の歯 保護装置100では、各クリップ31~33に対して薄 い保護フィルムが被覆されており、この保護 フィルムによって各クリップ31~33の位置が固 される。

 次に、歯牙被覆樹脂部20の収納部24には、 歯牙との密着性を高めるための充填材40が配 れる。この充填材40は、ペースト状の樹脂 からなり、例えばワセリンやパラフィン等 鉱油成分中にカルボキシメチルセルロース ポリエチレンオキシド等の水溶性高分子を 散させたもの、酢酸ビニル系樹脂やセルロ ス誘導体及びこれらの塩、粘着性の充填材 して、カラヤガム、アラビアガム、トラガ ントガム等の天然性物質や、シリコーン樹 、或はアルギン酸ナトリウム、カルボキシ チルセルロースナトリウム、ポリアクリル の金属塩、ポリエチレンオキシド、ポリビ ルピロリドン等の合成又は半合成高分子が 独または複数の組み合わせなどであっても い。充填材40は慣用の剥離剤や軟化剤を含有 していても良い。また、セルロースや澱粉な どの天然材料を用いることもでき、樹脂製の 粘土や小麦粉を基材とした粘土などを充填材 としても良い。

 充填材40は、歯牙被覆樹脂部20の収納部24 全空間を満たすように充填されるのではな 、底面側に歯を挿入した場合の嵩に相当す 体積だけ空間として空けているような量だ 配設されている。このような充填材40の量 することで、歯牙保護装置100の装着時には 滑に歯を歯牙被覆樹脂部20の収納部24に入れ ことができ、充填材40が外側にあふれるよ な問題も生じないことになる。

 充填材40は、個人差が大きいものと予想 れる患者等の使用者の歯列に対して、当該 牙保護装置100の装着時には歯牙被覆樹脂部20 の収納部24に充填されている充填材40自体を 力で変形させて、義歯用安定剤のように歯 表面への密着面積を広げるように機能する のである。このため歯牙保護装置100は確実 患者等の使用者の歯に対して固定されるこ になり、更に、医療行為中に歯牙被覆樹脂 20に指や器具などが当たった場合でも、充填 材40は歯牙被覆樹脂部20と歯牙の間の緩衝層 して機能することから、歯牙の損傷を更に 止することが可能である。

 この充填材40は、歯牙被覆樹脂部20の収納 部24に予め充填されていることから、例えば 急の患者に対しても即座に歯にあてがうよ にして当該歯牙保護装置100を素早く装着で 、患者を歯牙損傷から守ることができる。 着前の段階で、歯牙被覆樹脂部20の収納部24 はその底面側を閉塞するようにシール部50に って密閉状態となっており、前述の充填材4 0の乾燥などを防止して充填材40自体の流動性 を維持させることができる。

 本実施形態においては、シール部50は、 えば伸縮性に富む薄いフィルムなどで構成 ることができ、例えばパラフィルム(登録商 )などの樹脂フィルムを用いることができる 。このような伸縮性に富む薄いフィルムを用 いることで、当該歯牙保護装置100を装着する 場合に、そのままシール部50に対して歯をあ がっていくことで、歯を歯牙被覆樹脂部20 収納部24の内側にシール部50を歯の形状に沿 て延伸させながら押し込んでいくことが出 る。このようにシール部50を歯牙被覆樹脂 20の底面に残したまま歯牙保護装置100を装着 することで、歯牙保護装置100を外す場合に、 充填材40の一部が脱落してしまうことがなく シール部50により密閉された空間内に充填 40が止まることになり、例えば充填材40の一 が脱落して患者の気管支などに入り込むよ な危険は未然に防止されることになる。

 なお、本実施形態では、シール部50は使 に際して剥がさず、そのまま伸縮性を利用 て歯を押し込んで使用するものとして説明 たが、使用に際してシール部50を剥がして使 用する様な構成とすることも可能である。ま た、シール部50を伸縮性に富むフィルムとし 場合には、歯牙被覆樹脂部20の収納部24には 気密性が高まることになるが、装着時には、 シール部50と充填材40の間の空間の気体を抜 ような小穴を設けることで、当該歯牙保護 置100の確実な装着が実現可能となる。また 延伸性に富むシール部を予め歯牙被覆樹脂 20の内壁と充填材40の表面に密着するように 設しても良い。このようにシール部50と充 材40を予め密着させることで、シール部50と 填材40の間の気体の問題は解決される。

 次に、図11乃至図13を参照しながら、第2 実施形態の歯牙保護装置100の装着動作につ て説明する。図11に示すように、第2の実施 態の歯牙保護装置100の装着時には、先ず、 歯60の先端である前歯の切縁61や奥歯の咬合 を歯牙被覆樹脂部20のシール部50に合わせる 。

 次に図12に示すように、歯60を歯牙被覆樹 脂部20の収納部24に押し込む。この時、クリ プ33は歯の通過に伴ってその開口側が開くよ うに動かされ、歯60をクリップ33からの弾性 に抗しながら奥まで挿入して行く。歯が歯 被覆樹脂部20の収納部24の内部に進行するに って充填材40が歯牙被覆樹脂部20内壁に沿っ て外側に流動する。歯の歯牙被覆樹脂部20の 納部24内部の進行に従って、シール部50は延 伸され十分に延びながら、歯の表面を被覆す る。

 図13は歯60を歯牙被覆樹脂部20の収納部24 内部に十分に押し込んだところを示してい 。この段階で、クリップ33はその弾性力によ って歯牙被覆樹脂部20を歯牙又は歯肉部に押 し、当該歯牙保護装置100を確実に患者等の 用者の歯牙に対して固定する。装着された 階で、患者等の使用者の歯牙は充填材40に まれると共に軟質の熱可塑性合成樹脂から る歯牙被覆樹脂部20に包まれることになり、 医者の指や器具などが歯に当たるようなこと があっても、歯牙損傷が生ずるような状況を 未然に防止することができる。

 本発明の第2の実施形態に係る歯牙保護装 置によれば、使用者の歯に対して歯牙被覆樹 脂部を被せるように装着し、その際には弾性 固定部によって口を開いた状態でも歯牙の被 覆状態を維持することができることから、歯 牙損傷を確実に防止することができる。また 、本発明の第2の実施形態に係る歯牙保護装 は、オーダーメイドではなく樹脂成型など より汎用品として使用者に提供されるが、 牙被覆樹脂部は柔軟であることから特に歯 や口腔関係の専門家でなくとも装着が容易 あり、緊急な場合でも装着可能である。