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Title:
TOROIDAL CONTINUOUSLY VARIABLE TRANSMISSION
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/120687
Kind Code:
A1
Abstract:
A variator (1) in which the movement of the positions of the rotation centers of power rollers (14A, 14B) is controlled by a roller position controller (4), which causes the power rollers (14A, 14B) to autonomously tilt to perform stepless shifting. The roller position controller (4) has sun gears (25A, 25B), ring gears (26A, 26B), and power roller units (5A, 5B) engaged with the sun gears and the ring gears and tiltably rotatably supporting the power rollers (14A, 14B). The ring gears (26A, 26B) are secured to a transmission case, and the sun gears (25A, 25B) are rotationally driven. This controls the movement of the power rollers (14A, 14B) through the power roller units (5A, 5B).

Inventors:
TSUCHIYA SAOTO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/055935
Publication Date:
October 09, 2008
Filing Date:
March 27, 2008
Export Citation:
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Assignee:
EQUOS RES CO LTD (JP)
TSUCHIYA SAOTO (JP)
International Classes:
F16H15/38
Domestic Patent References:
WO2005121602A12005-12-22
Foreign References:
JP2007064335A2007-03-15
JP2006132727A2006-05-25
Attorney, Agent or Firm:
CHIKASHIMA, Kazuo (9-7 Shibaura,1-chome, Minato-ku, Tokyo 23, JP)
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Claims:
 入力ディスク及び出力ディスクからなる両ディスクに挟持されるパワーローラと、
 前記両ディスク間の内周側に配設されたサンギヤと、
 前記両ディスク間の外周側に配設されたリングギヤと、
 前記パワーローラの回転中心に設けられ、前記パワーローラを回転自在にかつ前記両ディスクに対して傾斜自在に支持する回転傾斜支持部と、
 前記回転傾斜支持部を支持する支持軸を有し、かつ前記支持軸の一端側が前記サンギヤに噛合すると共に他端側が前記リングギヤに噛合するプラネットギヤと、を備え、
 前記両ディスク間にて前記プラネットギヤを介して前記回転傾斜支持部を移動制御することにより前記パワーローラの傾斜角度を制御し、前記両ディスクと前記パワーローラとの接触半径を変更して前記入力ディスクに対する前記出力ディスクの変速比を制御することで、無段変速制御を可能にするトロイダル式無段変速装置において、
 前記リングギヤの回転を固定し、前記サンギヤを回転制御することにより前記プラネットギヤの支持軸の角度変更を行って、前記回転傾斜支持部を移動制御することで、前記無段変速制御を行う、
 ことを特徴とするトロイダル式無段変速装置。
 前記支持軸は、前記回転中心に対してキャスター角を存するように前記回転傾斜支持部を支持してなり、
 前記キャスター角に応じて前記パワーローラが前記両ディスクの回転方向へ自律的に傾斜するフルトロイダル式からなる、
 ことを特徴とする請求項1に記載のトロイダル式無段変速装置。
Description:
トロイダル式無段変速装置

 本発明は、自動車や作業車輌等に搭載さ る無段変速機に用いて好適なトロイダル式 段変速装置に係り、詳しくは、パワーロー を移動制御することにより両ディスクに対 る該パワーローラの傾斜角度を制御し、両 ィスクとパワーローラとの接触半径を変更 て無段変速を可能にするトロイダル式無段 速装置に関する。

 近年、自動車や作業車輌等に搭載される 段変速機に用いられるトロイダル式無段変 装置の開発が進められている。トロイダル 無段変速装置は、入力ディスクと出力ディ クとそれら両ディスクに挟持されたパワー ーラとによって構成されており、パワーロ ラの傾斜に基づく両ディスクとの接触位置( 接触半径)により変速比が得られる。このよ なトロイダル式無段変速装置としては、パ ーローラの回転中心を油圧サーボに連結さ たリンク機構等により両ディスクの面方向 対して移動制御することで、自律的にパワ ローラの傾斜角度が変化し、これによって 速比の変更が行われるものが提案されてい (例えば日本国特開2006-292079号公報、参照、 下、特許文献1とする。)。

 この特許文献1のトロイダル式無段変速装 置を図5乃至図7に沿って簡単に説明する。図5 (a)、(b)に示すように、トロイダル式無段変速 装置は、入力ディスク111と出力ディスク112と それら両ディスク111,112に挟持されたパワー ーラ113とによって構成されている。該パワ ローラ113は、キャリッジ116により軸Pを中心 回転自在に支持されており、該キャリッジ1 16はその一端部にて油圧サーボ115のピストン 連結されている。上記パワーローラ113は、 力ディスク111の回転に基づき軸Pを中心にω1 方向に回転し、この回転に基づいて出力ディ スク112がω3方向に回転される。このとき、パ ワーローラ113には、入力ディスク111からトル ク伝達される際にトラクション力F11が作用し 、パワーローラ113から出力ディスク112にトル ク伝達される際には、反力としてのトラクシ ョン力F12が作用する。そして、これらパワー ローラ113に作用するトラクション力F11,F12は 上記油圧サーボ115の押圧駆動によりキャリ ジ116に作用するリアクション力F13とつりあ ている。

 例えば上記油圧サーボ115の制御によりリ クション力F13を弱くすると、図6(a)、(b)に示 すように、力のつりあいのバランスが崩れパ ワーローラ113の位置が油圧サーボ115側へ移動 する。すると、図6(b)に示すように、出力デ スク112とパワーローラ113との接触部117にお て、パワーローラ113の速度ベクトルV´rは変 ないが、出力ディスク112の速度ベクトルV´d は、該接触部117の接線方向となるので、該出 力ディスク112の速度ベクトルV´dとパワーロ ラ113の速度ベクトルV´rとは平行ではなくな 。さらに、接触部117においては、速度ベク ルV´dと速度ベクトルV´rとの差の方向と同 方向のトラクション力F14が生じ、該トラク ョン力F14がパワーローラ113に作用する。

 一方、パワーローラ113と入力ディスク111 の間にも同様の作用が生じ、トラクション F14とは逆向きの力がパワーローラ113に対し 作用する。これらパワーローラ113と入力デ スク111との間に生じるトラクション力及び ラクション力F14の作用により、図7(a)、(b)に 示すように、パワーローラ113の軸Pはチルト れ、つまり入力ディスク111に対する出力デ スク112の変速比(接触半径)が自律的に変化す る。なお、キャリッジ116は、入力ディスク111 及び出力ディスク112と平行な面に対してキャ スター角βを有しているので、パワーローラ1 13と両ディスク111,112の接触部における速度ベ クトルが平行となる傾斜角で安定する。これ により、油圧サーボにより押圧制御すること でパワーローラの位置を移動制御することに より、無段に変速させることを可能としてい る。

 ところで、上記特許文献1のトロイダル式 無段変速装置は、入力ディスク111と出力ディ スク112との間において、例えば3つのパワー ーラが配置されており、それら3つのパワー ーラのそれぞれに、油圧サーボやパワーロ ラを連結するリンク機構等が必要であり、 の構成が複雑となってしまうと共に、特に 方向に肥大化してしまうものであった。

 そこで、パワーローラの位置の移動制御 可能とするものとして、パワーローラの内 側に配置されたサンギヤと、該パワーロー の外周側に配置されたリングギヤと、それ サンギヤとリングギヤとに噛合すると共に 該パワーローラを傾斜自在かつ回転自在に 持する回転軸を組合わせたプラネットギヤ によって構成されたローラ位置制御装置を え、該サンギヤと該リングギヤとを回転駆 制御することによってパワーローラの位置 移動制御を可能にするトロイダル式無段変 装置が提案されている(例えば国際公開公報 WO 05/121602A1、参照、以下、特許文献2とする )。

 この特許文献2のトロイダル式無段変速装 置を図8に沿って簡単に説明する。図8(a)に示 ように、パワーローラ123には、入力ディス (不図示)から出力ディスク122にトルク伝達 る際に生じるトラクション力F1が作用し、こ のトラクション力F1はサンギヤ125及びリング ヤ126によって受けるリアクション力F2,F3と りあっている。

 ここで、図8(b)に示すように、例えばプラ ネットギヤ127が平行移動するようにサンギヤ 125とリングギヤ126とをω4方向に回転駆動制御 すると、パワーローラ123の位置も移動する。 該パワーローラ123の位置が移動すると、図8(c )に示すように、上述と同様に(図6(b)参照)、 力ディスク122とパワーローラ123との接触部 おいて接線方向とずれたトラクション力が じ、パワーローラ123に作用する。また、入 ディスクとパワーローラ123との接触部にお ても接線方向とずれたトラクション力が生 、パワーローラ123に作用する。そして、プ ネットギヤ127に対して傾斜自在に支持され パワーローラ123は、回転軸がチルトされ、 まり入力ディスクに対する出力ディスク122 変速比(接触半径)が自律的に変化する。なお 、パワーローラ123を回転自在に支持するプラ ネットギヤ127の支持軸は、該パワーローラの 回転中心に対してオフセットされて配置され ており、これが上述と同様なキャスター角と なる。従って、特許文献2のものは、サンギ 及びリングギヤを回転駆動制御することに って、特許文献1のものと同様なパワーロー の位置の移動制御を可能とし、無段に変速 せることを可能としている。

 上記特許文献2のトロイダル式無段変速装 置においては、サンギヤ及びリングギヤが、 パワーローラに作用するトラクション力の反 力を受けつつプラネットギヤを回転駆動して おり、大きな駆動力が必要となっていた。こ のため、サンギヤ及びリングギヤを回転駆動 するための油圧サーボなどの制御装置におい ては、大きな駆動力を発生させるために、該 制御装置が肥大化し、コンパクト化を妨げて しまう虞があった。

 また、例えばキャスター角は大きいほど パワーローラの傾斜角度を変更するための ラネットギヤ(パワーローラ)の移動量が大 くなるが、リングギヤとの干渉を避けるた パワーローラの移動量を大きくすることが きず、つまりキャスター角を大きくするこ ができない。そのため、プラネットギヤに けるキャスター角の製造誤差の影響が大き なってしまい、パワーローラ(プラネットギ )の移動に伴うパワーローラの傾斜角度にば らつきが生じ易く、パワーローラの傾斜角度 の不一致に起因して、伝達効率に悪影響を与 える虞があった。

 さらに、上述のようにプラネットギヤの 動量は大きくすることができないので、例 ば上記特許文献2のもののようにサンギヤ及 びリングギヤを回転駆動することによりプラ ネットギヤを移動させるものにあっては、サ ンギヤとプラネットギヤとの間の噛合い移動 量、リングギヤとプラネットギヤとの間の噛 合い移動量が僅かであり、各ギヤのピッチ誤 差の影響を大きく受けてしまい、プラネット ギヤ(パワーローラ)の移動量にも誤差が生じ いという問題があった。このようにプラネ トギヤ(パワーローラ)の移動量に誤差が生 ると、上述と同様に、パワーローラ(プラネ トギヤ)の移動に伴うパワーローラの傾斜角 度にばらつきが生じ易く、伝達効率に悪影響 を与える虞があった。

 そこで本発明は、パワーローラを移動制 させる駆動力を低減すると共に、パワーロ ラの傾斜角度のばらつきを低減することが 能なトロイダル式無段変速装置を提供する とを目的とする。

 本発明は(例えば図1ないし図4参照)、入力デ ィスク(11A,11B)及び出力ディスク(12)からなる ディスクに挟持されるパワーローラ(14A,14B) 、
 前記両ディスク(11A,11B,12)間の内周側に配設 れたサンギヤ(25A,25B)と、
 前記両ディスク(11A,11B,12)間の外周側に配設 れたリングギヤ(26A,26B)と、
 前記パワーローラ(14A,14B)の回転中心に設け れ、前記パワーローラ(14A,14B)を回転自在に つ前記両ディスク(11A,11B,12)に対して傾斜自 に支持する回転傾斜支持部(31A,31B)と、
 前記回転傾斜支持部(31A,31B)を支持する支持 (32A,32B)を有し、かつ前記支持軸(32A,32B)の一 側が前記サンギヤ(25A,25B)に噛合すると共に 端側が前記リングギヤ(26A,26B)に噛合するプ ネットギヤ(33A,33B)と、を備え、
 前記両ディスク(11A,11B,12)間にて前記プラネ トギヤ(33A,33B)を介して前記回転傾斜支持部( 31A,31B)を移動制御することにより前記パワー ーラ(14A,14B)の傾斜角度を制御し、前記両デ スク(11A,11B,12)と前記パワーローラ(14A,14B)と 接触半径を変更して前記入力ディスク(11A,11 B)に対する前記出力ディスク(12)の変速比を制 御することで、無段変速制御を可能にするト ロイダル式無段変速装置(1)において、
 前記リングギヤ(26A,26B)の回転を固定し、前 サンギヤ(25A,25B)を回転制御することにより 記プラネットギヤ(33A,33B)の支持軸(32A,32B)の 度変更を行って、前記回転傾斜支持部(31A,31 B)を移動制御することで、前記無段変速制御 行う、
 ことを特徴とするトロイダル式無段変速装 (1)にある。

 これにより、リングギヤの回転を固定し サンギヤを回転制御することによりプラネ トギヤの支持軸の角度変更を行って、回転 斜支持部を移動制御することで、無段変速 御を行うので、固定されたリングギヤによ てパワーローラに作用するトラクション力 反力の一部を支持させることができ、回転 斜支持部を移動制御するための駆動力を低 させることができて、油圧サーボなどの制 装置を小型化することができてコンパクト を図ることができる。

 また、リングギヤの回転を固定してサン ヤの回転制御だけによってプラネットギヤ 移動制御を行うので、例えばサンギヤ及び ングギヤの両方を回転駆動することにより ラネットギヤを移動制御する場合に比して サンギヤとプラネットギヤとの間の噛合い 動量を大きくすることができる。これによ 、各ギヤのピッチ誤差の影響を小さくする とができ、パワーローラ(プラネットギヤ) 移動に伴うパワーローラの傾斜角度のばら きを低減することができて、伝達効率の向 を図ることができる。

 また、具体的には(例えば図1ないし図4参照) 、前記支持軸(32A,32B)は、前記回転中心に対し てキャスター角を存するように前記回転傾斜 支持部(31A,31B)を支持してなり、
 前記キャスター角に応じて前記パワーロー (14A,14B)が前記両ディスク(11A,11B,12)の回転方 へ自律的に傾斜するフルトロイダル式から る。

 これにより、リングギヤの回転を固定し サンギヤを回転制御することによってプラ ットギヤの支持軸の角度変更を行うので、 ラネットギヤの移動量が少なくてもパワー ーラの傾斜が起り易く、つまりプラネット ヤの移動に対するパワーローラの傾斜の感 が高くなるので、その分、キャスター角を きくしても、リングギヤとの干渉を防止す ことができる。これにより、キャスター角 大きくすることができるので、キャスター の製造誤差の影響を小さくすることができ パワーローラの傾斜角度のばらつきを低減 ることができて、伝達効率の向上を図るこ ができる。

 なお、上記カッコ内の符号は、図面と対 するためのものであるが、これは、発明の 解を容易にするための便宜的なものであり 特許請求の範囲の構成に何等影響を及ぼす のではない。

本発明に係るトロイダル式無段変速装 を示すスケルトン図。 パワーローラユニットを示す斜視図。 トロイダル式無段変速装置の一部を示 模式図で、(a)は力がつりあった状態の図、( b)はパワーローラを移動させた状態の図、(c) パワーローラが傾斜した状態の図。 トロイダル式無段変速装置の一部を示 説明図で、(a)は力がつりあった状態の図、( b)はパワーローラにかかる作用を示す図。 従来のトロイダル式無段変速装置を示 力のつりあった状態の模式図で、(a)は径方 視図、(b)は軸方向視図。 従来のトロイダル式無段変速装置を示 パワーローラを移動させた状態の模式図で (a)は径方向視図、(b)は軸方向視図。 従来のトロイダル式無段変速装置を示 パワーローラが傾斜した状態の模式図で、( a)は径方向視図、(b)は軸方向視図。 従来のトロイダル式無段変速装置の一 を示す模式図で、(a)は力がつりあった状態 図、(b)はパワーローラを移動させた状態の 、(c)はパワーローラが傾斜した状態の図。

 以下、本発明の実施の形態を図1乃至図4 沿って説明する。

 本発明の実施の形態に係るトロイダル式 段変速装置(以下、単にバリエータとする)1 、図1に示すように、フルトロイダル式の無 段変速装置であって、入力軸2上に連結され 入力ディスク11A,11Bと、外周側において出力 ヤ16を有する出力ディスク12と、2個の入力 ィスク11A,11B及び1個の出力ディスク12の間に 持されるパワーローラ14A,14Bを有する、詳し くは後述するパワーローラユニット5A,5Bと、 備えている。入力ディスク11A,11B及び出力デ ィスク12は、それぞれ対向するように円形の 部を形成する円弧状の凹溝を有しており、2 列のパワーローラを挟んでダブルキャビティ 13A,13Bを構成して、入力ディスク同士のスラ ト力を打消す構成からなる。

 パワーローラ14A,14Bは、環状のダブルキャ ビティ13A,13Bにおける周方向の略々均等な位 に複数個(例えば1つのキャビティに3個)配置 れており、ローラ位置制御装置4によって、 パワーローラ14A,14Bの回転軸が傾斜自在に、 つパワーローラ14A,14Bの中心位置が上記両デ スク11A,11B,12と平行な面上において移動制御 される。また、入力ディスク11A,11Bの間は、 圧サーボ8により閉ループ的に押圧され、パ ーローラ14A,14Bを挟持すると共に、その挟持 圧が油圧により制御される。そして、上記ロ ーラ位置制御装置4による移動制御と入力デ スク11A,11Bの挟持圧とにより、パワーローラ1 4A,14Bが自律的に傾斜することで、入力ディス ク11A,11Bと出力ディスク12との接触半径が変更 されて、無段に連続して変速する。なお、本 バリエータ1にあっては、入力ディスク11A,11B 対して出力ディスク12が反転するので、速 比は-(マイナス)になる。

 上記ローラ位置制御装置4は、パワーロー ラ14A,14Bのそれぞれ内周側にあって入力軸2に 転自在に支持されて配置されたサンギヤ25A, 25Bと、該パワーローラ14A,14Bのそれぞれ外周 に配置され、ミッションケース(不図示)に対 して固定されたリングギヤ26A,26Bと、上記パ ーローラユニット5A,5Bとによって構成されて いる。

 該パワーローラユニット5A,5Bは同様な構 からなり、図2に示すように、該パワーロー ユニット5A(5B)は、パワーローラ14A(14B)を回 中心qを中心としてω1方向に回転自在かつω2 向に傾斜自在に支持する回転傾斜支持部31A( 31B)と、支持軸32A(32B)上において回転傾斜支持 部31A(31B)を支持すると共に、内周側(例えば図 中下方側)がサンギヤ25A(25B)に噛合し、かつ外 周側(例えば図中上方側)がリングギヤ26A(26B) 噛合するプラネットギヤ33A(33B)とによって構 成されている。

 該プラネットギヤ33A(33B)は、環状ギヤか 、上記パワーローラ14A(14B)の可動範囲を切欠 いた側面視扇状に形成されており、中心部分 に回転傾斜支持部31A(31B)を固定支持している また、該プラネットギヤ33A(33B)の支持軸32A(3 2B)は、パワーローラ14A(14B)の回転中心q(即ち 転傾斜支持部31A(31B)の中心)に対してオフセ トされた位置にあり、これにより、キャス ー角を存するように構成されている。

 ついで、バリエータ1の作用について図3 沿って説明する。

 車輌に搭載されたバリエータ1においては 、エンジン出力軸に連結されている入力軸2 回転が、バリエータ1の入力ディスク11A,11Bに 伝達される。上記パワーローラ14A,14Bは、上 入力ディスク11A,11Bの回転に基づき回転し、 の回転に基づいて図3(a)に示すように出力デ ィスク12がω3方向に回転される。すると、キ ビティ13A内において、パワーローラ14Aには 入力ディスク11Aから出力ディスク12にトル 伝達される際に生じるトラクション力F1が作 用し、このトラクション力F1はサンギヤ25A及 リングギヤ26Aによって受けるリアクション F2,F3とつりあっている。上述したようにリ グギヤ26Aはミッションケース(不図示)に対し て固定されており、トラクション力の反力F2 、該ミッションケースが受けている。

 この状態から、例えば上記サンギヤ25Aを アクション力F3に逆らう方向となるω4方向 回転駆動すると、図3(b)に示すように、パワ ローラユニット5Aは、プラネットギヤ33Aと にサンギヤ25Aとは逆向きの回転(自転)をしな がら、つまりプラネットギヤ33Aの支持軸32Aの 角度を変更しながら、該サンギヤ25Aの回転方 向側に移動する。すると、出力ディスク12と ワーローラ14Aとの接触部17において、パワ ローラ14Aの速度ベクトルVrは出力ディスク12 接線方向よりも内周側を向き、出力ディス 12の速度ベクトルVdは該出力ディスク12の接 方向となるので、該出力ディスク12の速度 クトルVdとパワーローラ14Aの速度ベクトルVr は平行ではなくなる。さらに、接触部17に いては、速度ベクトルVdと速度ベクトルVrと 差の方向と同じ方向のトラクション力F4が じ、該トラクション力F4がパワーローラ14Aに 作用する。

 一方、パワーローラ14Aと入力ディスク11A の間にも同様の作用が生じ、トラクション F4とは逆向きのトラクション力がパワーロ ラ14Aに対して作用する。これらパワーロー 14Aと入力ディスク11Aとの間に生じるトラク ョン力及びトラクション力F4の作用により、 図3(c)に示すように、パワーローラ14Aの回転 は回転傾斜支持部31Aにおいてチルトされ、 まり入力ディスク11Aに対する出力ディスク12 の変速比(接触半径)が自律的に変化する。

 なお、以上の説明においては、キャビテ 13A内における1つのパワーローラ14Aを例とし て説明したが、これらの作用がキャビティ13A 内において、3つのパワーローラ14Aに同時に き、またキャビティ13B内においても同様に3 のパワーローラ14Bに作用することにより、 速動作が行われる。そして、このように無 に変速された回転は、出力ディスク12の出 ギヤ16より出力される。

 以上説明したバリエータ1にあっては、上 記パワーローラユニット5A,5Bが、プラネット ヤ33A,33Bと共にサンギヤ25A,25Bとは逆向きの 転(自転)をしながら移動し、パワーローラ14A ,14Bが出力ディスク12の回転方向上流側におい て外周側を向くように角度変更するため、例 えば特許文献2のもののようにサンギヤ及び ングギヤを回転駆動することによりパワー ーラが略々平行移動するように変速制御を うようにしたものに比して、トラクション が生じやすく、少ない移動量でもパワーロ ラ14A,14Bの傾斜が起こりやすく感度が高くな ている。これにより、少ない移動量でもパ ーローラ14A,14Bの傾斜が起こりやすく感度が 高くなっている分、キャスター角を大きくし ても、パワーローラ14A,14Bのリングギヤとの 渉を防止することができる。そして、キャ ター角が大きくすることができるので、キ スター角の製造誤差の影響を小さくするこ ができて、パワーローラの傾斜角度のばら きを低減することができる。

 また、本発明に係るバリエータ1において は、ミッションケース(不図示)に固定された ングギヤ26A,26Bによってパワーローラ14A,14B 作用する上記リアクション力F2を支持させる ことができ、回転傾斜支持部31A,31Bを移動制 するための駆動力を低減させることができ 、油圧サーボなどの制御装置を小型化する とができる。

 さらに、バリエータ1においては、リング ギヤ26A,26Bを固定してサンギヤ25A,25Bの回転制 だけによってプラネットギヤ33A,33Bの移動制 御を行うので、例えばサンギヤ及びリングギ ヤの両方を回転駆動することによりプラネッ トギヤを移動制御する場合に比して、サンギ ヤ25A,25Bとプラネットギヤ33A,33Bとの間の噛合 移動量を大きくすることができる。これに り、各ギヤのピッチ誤差の影響を小さくす ことができ、パワーローラ14A,14B(プラネッ ギヤ33A,33B)の移動に伴うパワーローラ14A,14B 傾斜角度のばらつきを低減することができ 。

 ところで、本実施の形態においては、リ グギヤ26A,26Bを固定し、サンギヤ25A,25Bによ てパワーローラ14A,14Bを制御するように説明 たが、サンギヤ25A,25Bを固定し、リングギヤ 26A,26Bによってパワーローラ14A,14Bを制御する うにすることも考えられる。しかし、図4(a) 、(b)に示すように、リングギヤ26Aを回転駆動 すると、パワーローラユニット5Aのパワーロ ラ14Aは、リングギヤ26Aを固定した場合とは 向きに自転しながら移動するので、速度ベ トルVdaと速度ベクトルVraとの差の方向と同 方向のトラクション力F5も逆向きとなって まう。これは、例えば車輌が急ブレーキな により急減速した際に高速ギヤに変速しよ とする力となり、変速装置としてのシステ として成立しない。

 なお、サンギヤ25A,25Bを回転駆動する手法 としては、例えば入力軸2と出力ディスク12の 内周側との間を通してサンギヤ25A,25Bを連結 ると共に、キャビティ13A内に3つ配置された ワーローラ14Aの隙間を介して(該パワーロー ラ14Aの可動領域と干渉しないように)、例え リングギヤ26Aに並列配置した環状ギヤとサ ギヤ25Aとを連結し、該環状のギヤを、ラッ アンドピニオン機構等を用いて油圧サーボ より駆動制御することにより、サンギヤ25A,2 5Bを回転駆動するように構成することが考え れる。また、これ以外にも、例えばサンギ 25A,25Bと油圧サーボのピストンとをジョイン トを介して連結するようにしたもの等であっ てもよく、サンギヤ25A,25Bを回転駆動できる のであればどのようなものでも、本発明を 用することができる。

 本発明に係るトロイダル式無段変速機は 乗用車、トラック、バス、農機等の車輌に いることが可能であり、トロイダル式無段 速機のコンパクト化が要求されているもの 用いて好適であって、特にプラネットギヤ 移動制御を行うための油圧サーボなどの制 装置のコンパクト化が要求されるものに適 ている。