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Title:
TORQUE CONVERTER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/069391
Kind Code:
A1
Abstract:
In a sliding engaging state in which the clutch plate (27) of a lockup clutch (15) is in a sliding contact with the front cover (11) of a converter housing (13) with a rotation difference between them, a switching valve (39) housed in the valve chamber (38) of a displacement switching mechanism (35) allows an oil chamber (2c) between the clutch plate (27) and a piston (34) to communicated with a front-side space (2b) because a total of the energizing force of a coil spring (40) and a force based on a lockup exhaust pressure of the front-side space (2b) is larger than a force based on the lockup engaging pressure of a rear-side space (2a). Therefore, the piston (34) displaces forward to come into friction contact with the clutch plate (27) because a hydraulic pressure in the rear-side space (2a) receiving pressure at the rear surface is higher than that in the oil chamber (2c) receiving pressure at the front surface, thus reducing transmission of judder vibration to the input shaft (24) side of a transmission.

Inventors:
ISHIKAWA KAZUNORI (JP)
SUZUKI AKITOMO (JP)
ITO KAZUYOSHI (JP)
KUROYANAGI TAKAMITSU (JP)
NAGAI HIROKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/068645
Publication Date:
June 04, 2009
Filing Date:
October 15, 2008
Export Citation:
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Assignee:
AISIN AW CO (JP)
ISHIKAWA KAZUNORI (JP)
SUZUKI AKITOMO (JP)
ITO KAZUYOSHI (JP)
KUROYANAGI TAKAMITSU (JP)
NAGAI HIROKI (JP)
International Classes:
F16H45/02
Foreign References:
JPH09236173A1997-09-09
JP2006523293A2006-10-12
JPS53123517U1978-10-02
Attorney, Agent or Firm:
ONDA, Hironori et al. (Ohmiya-cho 2-chomeGifu-shi, Gifu 31, JP)
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Claims:
 駆動源の出力軸に連結されたコンバータハウジングと、
 該コンバータハウジングに連結されたポンプインペラと、
 該ポンプインペラと対向する態様で変速機構の入力軸に連結されたタービンランナと、
 該タービンランナと前記コンバータハウジングとの間に位置してクラッチ作動することにより前記出力軸と前記入力軸とを直結可能なロックアップクラッチと、
 該ロックアップクラッチが前記コンバータハウジングに対して回転差を持って摺接する滑り係合状態にある時に前記ロックアップクラッチに摩擦接触する摩擦接触機構と
 を備えたことを特徴とするトルクコンバータ。
 請求項1に記載のトルクコンバータにおいて、
 前記摩擦接触機構は、前記ロックアップクラッチが前記コンバータハウジングに対して一体回転可能に摩擦接触する完全係合状態にある時には前記ロックアップクラッチから離間した非接触状態になることを特徴とするトルクコンバータ。
 請求項1又は請求項2に記載のトルクコンバータにおいて、
 前記摩擦接触機構は、
 前記ロックアップクラッチに摩擦接触する係合位置と該係合位置から離間した非係合位置との間を変位自在に設けられた変位部材と、
 該変位部材に対して前記係合位置側及び前記非係合位置側から前記ロックアップクラッチのクラッチ作動時にトルクコンバータ内を流動する作動油の油圧を作用させて前記変位部材を変位させる変位切り替え機構と
 を備えていることを特徴とするトルクコンバータ。
 請求項3に記載のトルクコンバータにおいて、
 前記変位切り替え機構は、前記変位部材に対して前記係合位置側から前記非係合位置側に向けて油圧を作用させる作動油の油室を、前記ロックアップクラッチの滑り係合状態時にはロックアップ係合圧領域に連通させる一方、前記ロックアップクラッチの完全係合状態時にはロックアップ排出圧領域に連通させることを特徴とするトルクコンバータ。
 請求項4に記載のトルクコンバータにおいて、
 前記変位切り替え機構は、
 前記油室を前記ロックアップ係合圧領域と前記ロックアップ排出圧領域とに分岐し且つ油室をそれら両領域に連通させるバルブ室と、
 該バルブ室内において前記ロックアップ係合圧領域の油圧及び前記ロックアップ排出圧領域の油圧を互いに相反する方向から受けながら前記油室を前記ロックアップ係合圧領域に対して連通状態とする係合圧連通位置と前記油室を前記ロックアップ排出圧領域に対して連通状態とする排出圧連通位置との間を変位自在に設けられた切り替えバルブと、
 該切り替えバルブを前記ロックアップ排出圧領域の油圧と協働して前記排出圧連通位置方向に付勢する付勢部材と
 を備え、前記ロックアップクラッチの滑り係合状態時には、前記付勢部材の付勢力と前記ロックアップ排出圧領域の油圧に基づく力との合計の方が前記ロックアップ係合圧領域の油圧に基づく力よりも大きくなる一方、前記ロックアップクラッチの完全係合状態時には、前記付勢部材の付勢力と前記ロックアップ排出圧領域の油圧に基づく力との合計よりも前記ロックアップ係合圧領域の油圧に基づく力の方が大きくなるように前記付勢部材の付勢力が設定されていることを特徴とするトルクコンバータ。
Description:
トルクコンバータ

 本発明は、ロックアップクラッチを備え トルクコンバータに関する。

 一般に、自動変速機を有する車両にあっ は、発進時においてエンジンのトルクを変 機構に対してトルクコンバータを用いて円 に伝達するようにしている。このトルクコ バータは、エンジンの出力軸に連結された ンバータハウジング、該コンバータハウジ グに連結されたポンプインペラ、および該 ンプインペラに対向する態様で変速機構の 力軸に連結されたタービンランナ等を有し 構成され、その内部はATF(Automatic Transmission Fluid)で満たされている。

 ポンプインペラは、エンジンの出力軸が 転することによりコンバータハウジングと に回転し、トルクコンバータ内をポンプイ ペラ側からタービンランナ側に向けて流動 るATFに速度エネルギーを付与する。そして このATFの速度エネルギーをタービンランナ 吸収して回転することにより変速機構の入 軸が回転し、エンジンのトルクが変速機構 へ伝達されるようになっている。

 このようなトルクコンバータにあっては 発進時においてエンジンの回転を円滑に変 機構に伝達することが可能であるが、その 方で、ATFという流体を介した動力伝達態様 あるため、発進後においてはエネルギーの 達ロスを生じることになる。そのため、こ したトルクコンバータには、通常、必要に じてエンジンの出力軸と変速機構の入力軸 機械的に接続して直結させるロックアップ ラッチがコンバータハウジングとタービン ンナとの間に介装されている(例えば、特許 文献1参照)。

 ところで、上述のトルクコンバータにお るロックアップクラッチは、該ロックアッ クラッチがコンバータハウジングに対して 体回転可能に摩擦接触する完全係合状態の に、ロックアップクラッチがコンバータハ ジングに対して回転差を持って摺接する(す なわち、スリップする)滑り係合状態となる うにクラッチ制御されることがある。この うな滑り係合状態のクラッチ制御は、ロッ アップクラッチの係合状態の領域を拡げる めに行われるものであり、コンバータハウ ングに対してロックアップクラッチが離間 た位置にある非係合状態と上記完全係合状 との間の中間状態として実行される。

 しかしながら、ロックアップクラッチの滑 係合状態時には、コンバータハウジングに してロックアップクラッチが摺接しながら 転するために、所謂ジャダー振動が発生し く、その振動がロックアップクラッチから ービンランナを介して変速機構側に伝達さ ると、運転者に不快感を与えてしまうとい 問題があった。

特開2005-188662号公報

 本発明の目的は、ロックアップクラッチ 滑り係合状態時に発生したジャダー振動が 速機構側に伝達されるのを低減することが きるトルクコンバータを提供することにあ 。

 上記目的を達成するために、本発明のト クコンバータは、駆動源の出力軸に連結さ たコンバータハウジングと、該コンバータ ウジングに連結されたポンプインペラと、 ポンプインペラと対向する態様で変速機構 入力軸に連結されたタービンランナと、該 ービンランナと前記コンバータハウジング の間に位置してクラッチ作動することによ 前記出力軸と前記入力軸とを直結可能なロ クアップクラッチと、該ロックアップクラ チが前記コンバータハウジングに対して回 差を持って摺接する滑り係合状態にある時 前記ロックアップクラッチに摩擦接触する 擦接触機構とを備えている。

 この構成によれば、ロックアップクラッ の滑り係合状態時には、ロックアップクラ チに対して摩擦接触機構が摩擦接触するこ により、滑り係合状態時に発生したジャダ 振動を摩擦エネルギーに変換して減衰させ 。したがって、ロックアップクラッチの滑 係合状態時に発生したジャダー振動が変速 構側に伝達されることを低減できる。

 また、本発明の一態様において、前記摩 接触機構は、前記ロックアップクラッチが 記コンバータハウジングに対して一体回転 能に摩擦接触する完全係合状態にある時に 前記ロックアップクラッチから離間した非 触状態になる。

 ここで、減衰機構として機能する摩擦接 機構がロックアップクラッチの完全係合状 時においてもロックアップクラッチに対し 摩擦接触した状態にあると、エンジン等の 動源の爆発振動に基づくトルク変動がロッ アップクラッチから摩擦接触機構を介して 速機構側に入力されてしまい、所謂こもり を生じさせてしまうという問題がある。こ 点、上記の構成によれば、ロックアップク ッチの完全係合状態時には、摩擦接触機構 前記ロックアップクラッチから離間した非 触状態になることにより、エンジン等の駆 源の爆発振動に基づくトルク変動がロック ップクラッチから摩擦接触機構を介して変 機構側に入力されるのを低減することが可 となる。したがって、所謂こもり音が生じ ような事態を低減することができる。

 また、本発明の一態様において、前記摩 接触機構は、前記ロックアップクラッチに 擦接触する係合位置と該係合位置から離間 た非係合位置との間を変位自在に設けられ 変位部材と、該変位部材に対して前記係合 置側及び前記非係合位置側から前記ロック ップクラッチのクラッチ作動時にトルクコ バータ内を流動する作動油の油圧を作用さ て前記変位部材を変位させる変位切り替え 構とを備えている。

 この構成によれば、ロックアップクラッ のクラッチ作動時にトルクコンバータ内を 動する作動油の油圧を有効利用することに り、変位部材をロックアップクラッチに摩 接触する係合位置と該係合位置から離間し 非係合位置との間で変位(押圧移動)させる とができる。すなわち、その変位部材に対 て係合位置側から作用する油圧と非係合位 側から作用する油圧との差圧に基づき、変 部材を係合位置と非係合位置との間で格別 電気的制御機構を必要とすることなく簡単 変位させることができる。

 また、本発明の一態様において、前記変 切り替え機構は、前記変位部材に対して前 係合位置側から前記非係合位置側に向けて 圧を作用させる作動油の油室を、前記ロッ アップクラッチの滑り係合状態時にはロッ アップ係合圧領域に連通させる一方、前記 ックアップクラッチの完全係合状態時には ックアップ排出圧領域に連通させる。

 この構成によれば、変位部材を係合位置 から非係合位置側に向けて押圧する作動油 油圧が、ロックアップクラッチの滑り係合 態時にはロックアップ排出圧になり、ロッ アップクラッチの完全係合状態時にはロッ アップ係合圧になる。また、かかる変位部 に対しては、常に非係合位置側から係合位 側に向けてロックアップ係合圧の油圧が作 している。そのため、ロックアップクラッ の滑り係合状態時において、変位部材は、 圧側のロックアップ係合圧に押圧されるこ により、係合位置側に変位してロックアッ クラッチに摩擦接触する。その一方、ロッ アップクラッチの完全係合状態時には、変 部材に対して係合位置側及び非係合位置側 ら共に同じロックアップ係合圧の油圧が作 するため、変位部材自身が油圧により押圧 れて変位することはない。しかし、その場 には、トルクコンバータ内において同様に ックアップ係合圧を受圧したロックアップ ラッチが変位部材から離間するように変位 るので、変位部材はロックアップクラッチ 対して相対的に変位して非接触状態となる

 また、本発明の一態様において、前記変 切り替え機構は、前記油室を前記ロックア プ係合圧領域と前記ロックアップ排出圧領 とに分岐し且つ油室をそれら両領域に連通 せるバルブ室と、該バルブ室内において前 ロックアップ係合圧領域の油圧及び前記ロ クアップ排出圧領域の油圧を互いに相反す 方向から受けながら前記油室を前記ロック ップ係合圧領域に対して連通状態とする係 圧連通位置と前記油室を前記ロックアップ 出圧領域に対して連通状態とする排出圧連 位置との間を変位自在に設けられた切り替 バルブと、該切り替えバルブを前記ロック ップ排出圧領域の油圧と協働して前記排出 連通位置方向に付勢する付勢部材とを備え 前記ロックアップクラッチの滑り係合状態 には、前記付勢部材の付勢力と前記ロック ップ排出圧領域の油圧に基づく力との合計 方が前記ロックアップ係合圧領域の油圧に づく力よりも大きくなる一方、前記ロック ップクラッチの完全係合状態時には、前記 勢部材の付勢力と前記ロックアップ排出圧 域の油圧に基づく力との合計よりも前記ロ クアップ係合圧領域の油圧に基づく力の方 大きくなるように前記付勢部材の付勢力が 定されている。

 この構成によれば、ロックアップクラッ の滑り係合状態時には、切り替えバルブを 出圧連通位置方向に付勢する付勢部材の付 力とロックアップ排出圧に基づく力との合 の方が該切り替えバルブを係合圧連通位置 向けて付勢するロックアップ係合圧に基づ 力よりも大きくなる。そのため、切り替え ルブが排出圧連通位置に位置することによ 、変位部材に係合位置側から油圧を作用さ る油室の油圧がロックアップ排出圧になり 変位部材は、高圧側のロックアップ係合圧 押圧されて係合位置に変位する。その一方 ロックアップクラッチの完全係合状態時に 、切り替えバルブを排出圧連通位置方向に 勢する付勢部材の付勢力とロックアップ排 圧に基づく力との合計よりも該切り替えバ ブを係合圧連通位置に向けて付勢するロッ アップ係合圧に基づく力の方が大きくなる そのため、切り替えバルブが係合圧連通位 に位置することにより、変位部材に係合位 側から油圧を作用させる油室の油圧はロッ アップ係合圧になる。すなわち、変位部材 は、係合位置側及び非係合位置側から共に じロックアップ係合圧の油圧が作用する。 のため、変位部材自身が油圧により押圧さ て変位することはないが、その時点におい ロックアップ係合圧を受圧したロックアッ クラッチが変位部材から離間するように変 するので、変位部材はロックアップクラッ に対して相対的に変位して非接触状態とな 。

ロックアップクラッチが非係合状態に る時のトルクコンバータの縦断面図。 ロックアップクラッチが滑り係合状態 ある時のトルクコンバータの縦断面図。 ロックアップクラッチが完全係合状態 ある時のトルクコンバータの縦断面図。

 以下、本発明を具体化したトルクコンバ タの一実施形態を図1~図3を参照しながら説 する。なお、以下における本明細書中の説 において、「前後方向」をいう場合には図 における矢印に示す前後方向を示すものと る。

 図1に示すように、トルクコンバータ10は エンジンの出力軸(図示略)に接続されたフ ントカバー11と、フロントカバー11の外周側 部に溶接により固着されたポンプカバー12 によりコンバータハウジング13を構成してい る。コンバータハウジング13の内部には、ロ クアップクラッチ15、ダンパ装置16、及び摩 擦接触機構17が収容されると共に、作動油と てのATF(オートマチック・トランスミッショ ン・フルード)が充填されている。

 フロントカバー11は、前側が閉塞し且つ 側が開口した有底略円筒状をなすと共に、 の底壁の略中心部にエンジンの出力軸が連 されることにより、エンジンの出力軸の回 駆動に基づき回転するようになっている。 ンプカバー12は、フロントカバー11の後側の 口を閉塞可能な略円環状をなしていると共 、その中心部には、図示を省略した自動変 機のオイルポンプの駆動軸に連結される円 状の支持カバー18が固定されている。すな ち、オイルポンプには、エンジンの出力軸 回転がフロントカバー11、ポンプカバー12、 び支持カバー18を介して伝達されるように っている。

 また、図1に示すように、コンバータハウ ジング13内において、ポンプカバー12の前面 (フロントカバー11に相対する面側)には、羽 車形状をなすポンプインペラ19がポンプカ ー12及びフロントカバー11と一体回転するよ に固着されている。また、コンバータハウ ング13内には、ポンプインペラ19と前後方向 で対向する態様で羽根車形状をなすタービン ランナ20が、その内周側をピン22によりター ンハブ23の鍔部23aに連結されることにより、 該タービンハブ23がスプライン嵌合された自 変速機の入力軸24と一体回転するように配 されている。

 さらに、コンバータハウジング13内にお て、ポンプインペラ19とタービンランナ20と 間には、ステータ21が配設されており、そ 内部には一方向の回転を阻止するように機 するワンウェイクラッチ25が設けられている 。そして、ステータ21は、ポンプインペラ19 タービンランナ20との間の速度差に基づきワ ンウェイクラッチ25によりトルクコンバータ1 0のコンバータハウジング13内におけるATFの流 動方向を調整している。

 なお、このワンウェイクラッチ25は、上 オイルポンプの駆動軸に後端部を固定され ステータシャフト26にスプライン嵌合される と共に、前記タービンハブ23及び支持カバー1 8に対して前後両側がスラストベアリングb1,b2 を介して支持されている。また、ステータシ ャフト26と支持カバー18との間には前記オイ ポンプに通じる油路a1が形成されており、該 油路a1は支持カバー18とワンウェイクラッチ25 との間に配設されたスラストベアリングb1を してコンバータハウジング13内の空間2aに連 通されている。

 また、ロックアップクラッチ15は、コン ータハウジング13内におけるフロントカバー 11とタービンランナ20との間に配置され、ク ッチ作動することによりエンジンの出力軸 自動変速機構の入力軸24とを直結可能とする ように構成されている。ロックアップクラッ チ15は、金属板を加工することにより形成さ た円環状のロックアップクラッチピストン あるクラッチ板27を有している。そして、 のクラッチ板27は、その内周側端部が摩擦接 触機構17の構成要素であってタービンハブ23 軸部23cに溶接された有底略円筒状をなすバ ブ室形成部材28の外周面に対してスプライン 嵌合されることで、フロントカバー11の後面 対して接近離間する方向である軸方向に移 自在であると共に回転方向に回り止めされ いる。また、クラッチ板27の外周側前面に 、上記フロントカバー11の後面に対向するよ うに摩擦部材29が固着されており、必要に応 てフロントカバー11に対して摩擦接触する とが可能となっている。

 また、ダンパ装置16は、エンジン側に連 される円環状のドライブプレート30と、変速 機構側に連結される円板状のドリブンプレー ト31と、両プレート30,31間でドライブプレー 30の回転力をドリブンプレート31に伝達する ンパスプリング32とを備えている。ドライ プレート30は、その外周側端部に係止爪(図 略)を形成しており、その係止爪がクラッチ 27の外周側端部に形成された係止孔(図示略) に係止することにより、クラッチ板27に対し 軸方向に移動自在であると共に、回転方向 固定されている。

 ドリブンプレート31は、ドライブプレー 30を軸方向の両側から挟持するように支持す る一対のプレート部材31a,31bにより構成され いる。この一対のプレート部材31a,31bは、互 に軸方向に重合した状態でピン33により締 されると共に、軸方向前側のプレート部材31 aの内周側端部が、自動変速機構の入力軸24に スプライン嵌合したタービンハブ23の鍔部23a 対してタービンランナ20と共にピン22により 連結されている。

 ダンパスプリング32は、一対のプレート 材31a,31bの間に形成された長穴形状の収容空 に収容されており、その伸縮方向となる長 方向の一端がドライブプレート30に当接す と共に、その伸縮方向となる長手方向の他 がドリブンプレート31に当接するように配置 されている。そのため、クラッチ板27を介し ドライブプレート30に伝達されるエンジン 出力軸からの回転駆動は、該ダンパスプリ グ32を介してドリブンプレート31に伝達され 。そして、クラッチ板27が摩擦部材29を介し てフロントカバー11に対して接触した係合状 (滑り係合状態、及び、完全係合状態)とな た場合、エンジンの出力軸からの回転駆動 、ダンパ装置16内のドライブプレート30、ダ パスプリング32、及びドリブンプレート31を 介して自動変速機構の入力軸24に伝達される

 自動変速機構の入力軸24は、上記ステー シャフト26に回転自在に支持されていると共 に、その先端部がタービンハブ23の内周面側 対してスプライン嵌合されることによりタ ビンハブ23と一体回転するようになってい 。また、該入力軸24の中心には前記オイルポ ンプに通じる油路a2が形成されており、該油 a2は、フロントカバー11の後面とタービンハ ブ23における軸部23cの前端との間に配設され スラストベアリングb3を介してフロントカ ー11とクラッチ板27との間の空間2bに連通さ ている。なお、以下では、コンバータハウ ング13内においてクラッチ板27よりも前側に 置する空間2bのことを「前側空間2b」と称す ると共に、後側に位置する空間2aのことを「 側空間2a」と称するものとする。

 ここで、図1に示すロックアップクラッチ 15の非係合状態は、上記油路a2及びスラスト アリングb3を介してオイルポンプから前側空 間2bに供給されたロックアップオフ圧のATFが ラッチ板27を後側に押圧して摩擦部材29をフ ロントカバー11の後面から離間させることに り実現される。そして、この場合、前側空 2b内に供給されたロックアップオフ圧のATF 、該前側空間2bから後側空間2aに排出された 、上記スラストベアリングb1及び油路a1を介 して図示しないオイルパンに排出される。

 一方、図2に示すロックアップクラッチ15 滑り係合状態は、上記油路a1及びスラスト アリングb1を介してオイルポンプから後側空 間2aに供給されたロックアップオン圧(以下、 「ロックアップ係合圧」ともいう。)のATFが ラッチ板27を前側に押圧して摩擦部材29をフ ントカバー11の後面に対して接触させるこ により実現される。すなわち、後側空間2a内 に供給されたロックアップ係合圧のATFは、当 初、後側空間2aから前側空間2bに排出された 、上記スラストベアリングb3及び油路a2を介 て図示しないオイルパンに排出されるが、 第にクラッチ板27が前側に押圧されるため 前側空間2bの油圧と後側空間2aの油圧との間 は若干の差圧を生じる。

 具体的には、ロックアップ係合圧のATFが 入する後側空間2aの油圧の方がロックアッ 排出圧のATFが流入する前側空間2bの油圧より も若干高圧になるように、上記油路a1及びス ストベアリングb1を介して供給されるATFの ックアップオン圧(ロックアップ係合圧)の大 きさが調整される。この点で、ロックアップ クラッチ15が係合状態となる場合、前側空間2 bはロックアップ排出圧領域として機能する 方、後側空間2aはロックアップ係合圧領域と して機能する。そして、ロックアップクラッ チ15は、前側空間2bの油圧よりも若干高圧の 側空間2aの油圧をクラッチ板27が受圧するこ により、該クラッチ板27(の摩擦部材29)がフ ントカバー11に対して回転差を持って摺接 る滑り係合状態(スリップ係合状態ともいう )になる。

 また、図3に示すロックアップクラッチ15 完全係合状態は、上記油路a1及びスラスト アリングb1を介して後側空間2aに対して前記 り係合状態時よりも高圧にATFが供給される その結果、後側空間2aに流入する高圧のATF 油圧によりクラッチ板27が摩擦部材29を介し フロントカバー11に強固に摩擦接触するこ により、該フロントカバー11と一体回転可能 な状態、すなわち完全係合状態になる。そし て、この場合、ロックアップ排出圧領域とな る前側空間2b内のATFの油圧は、摩擦部材29と ロントカバー11との間が遮断されるため、急 激にロックアップ係合圧領域となる後側空間 2a内のATFの油圧に比して低圧に下降する。

 次に、本発明の要部となる摩擦接触機構17 ついて詳細に説明する。
 図1に示すように、摩擦接触機構17は、ロッ アップクラッチ15のクラッチ板27に摩擦接触 する係合位置(図2に示す位置)と該係合位置か ら後方に離間した非係合位置(図3に示す位置) との間を変位自在な変位部材としての略円板 状のピストン34と、該ピストン34をATFの油圧 より変位させる変位切り替え機構35とを備え ている。

 ピストン34は、その外周縁がクラッチ板27 の後面から後方に向けて延設された円環状を なす支持部材36に対してスプライン嵌合する 共に、その内周縁がタービンハブ23におけ 鍔部23aから前方に突設された円筒部23bに対 てスプライン嵌合することにより、タービ ハブ23及びクラッチ板27に対して軸方向に移 自在であると同時に回転方向に回り止めさ ている。また、ピストン34は、その外周寄 の前面側に摩擦部材37がクラッチ板27の後面 対向するように固着されており、前記係合 置に位置した場合には摩擦部材37を介して ラッチ板27に摩擦接触するようになっている 。

 なお、図1に示すように、クラッチ板27の 面とピストン34の前面との間には油室2cが形 成され、該油室2cに流入したATFの油圧がピス ン34に対して前記係合位置側となる前側か 前記非係合位置側となる後側に向けて作用 るようになっている。すなわち、ピストン34 は、その前面が前記油室2cに流入したATFの油 を受圧する面になっていると共に、その後 がトルクコンバータ10内の空間2aに供給され たATFの油圧を受圧する面になっている。また 、ピストン34と支持部材36との摺接面間、及 ピストン34とタービンハブ23の円筒部23bとの 接面間にはシールリングc1,c2がそれぞれ配 されている。そして、ピストン34は、シール リングc1,c2のシール機能により、ピストン34 りも前側に位置する油室2cのATFの油圧と後側 に位置するロックアップ係合圧領域としての 後側空間2aのATFの油圧との差圧に従い、前記 合位置と前記非係合位置との間を軸方向(前 後方向)に変位自在となっている。

 前記変位切り替え機構35は、タービンハ 23における円筒部23bの内周面、タービンハブ 23における軸部23cの外周面、及び該軸部23cの 周面に溶接された有底略円筒状の前記バル 室形成部材28の内周面にて囲み形成される ルブ室38を有している。このバルブ室38は、 ービンハブ23に形成された油路a3及びスラス トベアリングb2を介して上記後側空間2aに連 する共に、バルブ室形成部材28の底部に形成 された貫通孔28aを介して上記前側空間2bに連 し、さらにはタービンハブ23における円筒 23bの前端とバルブ室形成部材28の後端との間 の隙間にて構成される油路a4を介して前記油 2cに連通している。すなわち、バルブ室38は 、前記油室2cをロックアップ係合圧領域とし の後側空間2aとロックアップ排出圧領域と ての前側空間2bとに分岐し且つ油室2cをそれ 両空間2a,2bに連通させている。

 そして、このバルブ室38内には円環状の り替えバルブ39が前記油路a3を介して後側空 2a側からバルブ室38内に流入するATFの油圧と 前記貫通孔28aを介して前側空間2b側からバル 室38内に流入するATFの油圧とを互いに相反 る方向から受けながら前後方向に沿って摺 自在に収容されている。すなわち、切り替 バルブ39は、前記油室2cを前記ロックアップ 合圧領域としての後側空間2aに対して連通 態とする係合圧連通位置(図3に示す位置)と 記油室2cを前記ロックアップ排出圧領域とし ての前側空間2bに対して連通状態とする排出 連通位置(図1及び図2に示す位置)との間を変 位自在に設けられている。

 また、バルブ室38内において切り替えバ ブ39とバルブ室形成部材28の内底面との間に 切り替えバルブ39を排出圧連通位置方向と る後方に向けて付勢する付勢部材としての イルバネ40が収容されている。このコイルバ ネ40は、その付勢力の大きさが次のように設 されている。すなわち、ロックアップクラ チ15の滑り係合状態時には、該コイルバネ40 の付勢力とロックアップ排出圧領域としての 前側空間2bの油圧に基づく力との合計の方が ックアップ係合圧領域としての後側空間2a 油圧に基づく力よりも大きくなると共に、 ックアップクラッチ15の完全係合状態時には 、該コイルバネ40の付勢力と上記前側空間2b 油圧に基づく力との合計の方が上記後側空 2aの油圧に基づく力よりも大きくなるように 設定されている。

 なお、切り替えバルブ39の後端面からは 方向後方に向けて突起39aが突設されており 切り替えバルブ39が排出圧連通位置に変位し た場合には、その突起39aによりタービンハブ 23の鍔部23aの前面にて構成されるバルブ室38 内面と切り替えバルブ39との間に若干の隙間 を確保形成するようになっている。そして、 切り替えバルブ39が排出圧連通位置にある場 には、その突起39aにより確保形成された隙 に対して、上記油路a3を介してロックアッ 係合圧領域として後側空間2aからATFが流入し 、切り替えバルブ39を係合圧連通位置方向と る前方に向けて押圧するように構成されて る。

 そこで次に、以上のように構成されたト クコンバータ10の作用につき、特にロック ップクラッチ15が係合状態(滑り係合状態、 び、完全係合状態)となる場合の摩擦接触機 17の作用に着目して以下説明する。

 さて、ロックアップクラッチ15が図1に示 非係合状態から図2に示す滑り係合状態にな る場合には、後側空間2a内にロックアップ係 圧のATFが供給され、該ATFの油圧を受けてク ッチ板27が前側に押圧される。そのため、 ラッチ板27は摩擦部材29がフロントカバー11 後面に回転差を持って摺接し、エンジンの 力軸からの回転駆動が回転差を持って変速 構の入力軸24に伝達される滑り係合状態とな る。

 ここで、こうしたロックアップクラッチ1 5の滑り係合状態時には、クラッチ板27が不安 定な摩擦摺動態様で回転するため、該クラッ チ板27の振動及び該クラッチ板27に連結され ダンパ装置16の振動に起因したジャダー振動 が発生し易く、このジャダー振動が変速機構 の入力軸24に伝達されると、ドライブフィー ングが悪化する。そのため、こうしたジャ ー振動が発生した場合は、該ジャダー振動 変速機構の入力軸24側に伝達されることを 減することが望ましい。

 この点、本実施形態では、ロックアップ ラッチ15の滑り係合状態時にジャダー振動 発生した場合、該振動が変速機構の入力軸24 側へ伝達されることを摩擦接触機構17が次の うにして低減する。

 すなわち、ロックアップクラッチ15の滑 係合状態時には、変位切り替え機構35におけ る油路a3を介して後側空間2aからロックアッ 係合圧のATFがバルブ室38内に流入し、切り替 えバルブ39をコイルバネ40の付勢力及びロッ アップ排出圧に抗して係合圧連通位置方向 なる前方に向けて押圧しようとする。しか ながら、この滑り係合状態時には、バルブ 38内において切り替えバルブ39を排出圧連通 置方向となる後方に向けて付勢するコイル ネ40の付勢力と前側空間2bの油圧であるロッ クアップ排出圧に基づく力との合計の方が、 バルブ室38内において切り替えバルブ39を係 圧連通位置方向となる前方に向けて押圧す ロックアップ係合圧に基づく力よりも大き ため、切り替えバルブ39は排出圧連通位置か ら変位しない。

 そのため、ピストン34とクラッチ板27との 間の油室2cは前側空間2bと連通した状態とな 、該油室2c内にはロックアップ排出圧のATFが 流入して油密状態となる。その結果、ピスト ン34は、その前面で受圧するロックアップ排 圧よりも、その後面で受圧するロックアッ 係合圧の方が高圧であるので、次第に前方 押圧されて変位し、最終的には前面に固着 た摩擦部材37がクラッチ板27の後面に摩擦接 触する。そして、このように摩擦部材37がク ッチ板27に摩擦接触することで、ロックア プクラッチ15におけるヒステリシスが増大し 、ジャダー振動の変速機構側への伝達を低減 する。

 一方、ロックアップクラッチ15が図2に示 滑り係合状態から図3に示す完全係合状態に なる場合には、後側空間2a内に供給されるロ クアップ係合圧のATFの油圧が前記滑り係合 態時よりも昇圧される。そのため、クラッ 板27は滑り係合状態時よりも強く前側に押 され、摩擦部材29を介してフロントカバー11 対して一体回転可能に摩擦接触する。その 果、ロックアップクラッチ15は、エンジン 出力軸と変速機構の入力軸24とを機械的に接 続した直結状態(完全係合状態)となる。

 ここで、こうしたロックアップクラッチ1 5の完全係合状態時には、エンジンの出力軸 変速機構の入力軸24とが直結状態となるため 、エンジン内の燃料の爆発に基づく振動によ るトルク変動が発生した場合、そうしたトル ク変動が変速機構側にダイレクトに伝達され てドライブフィーリングを悪化させることが ある。そのため、ダンパ装置16によりトルク 動を減衰させる構成が採用されているが、 ストン34がクラッチ板27に摩擦接触している と、このピストン34を介して上記トルク変動 変速機構側にダイレクトに伝達されてしま 。

 この点、本実施形態では、ロックアップ ラッチ15の完全係合状態時において、エン ンの爆発振動に基づくトルク変動が変速機 の入力軸24側へ伝達されることを摩擦接触機 構17が次のようにして低減する。

 すなわち、ロックアップクラッチ15の完 係合状態時には、上記滑り係合状態時と同 に、変位切り替え機構35における油路a3を介 て後側空間2aからロックアップ係合圧のATF バルブ室38内に流入し、切り替えバルブ39を イルバネ40の付勢力及びロックアップ排出 に抗して係合圧連通位置方向となる前方に けて押圧する。すると、この場合は、上記 り係合状態時とは異なり、バルブ室38内にお いて切り替えバルブ39を排出圧連通位置方向 なる後方に向けて付勢するコイルバネ40の 勢力と前側空間2bの油圧であるロックアップ 排出圧に基づく力との合計よりも、バルブ室 38内において切り替えバルブ39を係合圧連通 置方向となる前方に向けて押圧するロック ップ係合圧に基づく力の方が大きいため、 り替えバルブ39は係合圧連通位置に変位する 。

 そのため、ピストン34とクラッチ板27との 間の油室2cは後側空間2aと連通した状態とな 、該油室2c内にはロックアップ係合圧のATFが 流入して油密状態となる。その結果、ピスト ン34は、その前面及び後面が共にロックアッ 係合圧を受圧することになるので、ピスト 34自体は前後方向に変位することはないが クラッチ板27が、後側空間2aのロックアップ 合圧の油圧を受けてピストン34から離間す ように前方に変位する。したがって、ピス ン34がクラッチ板27に対して相対的に変位し 離間することになり、ピストン34とクラッ 板27とは非接触状態になるので、エンジンの 爆発振動に基づくトルク変動の変速機構側へ の伝達が低減される。

 本実施形態によれば、以下の利点を得るこ ができる。
 (1)上記実施形態では、ロックアップクラッ 15の滑り係合状態時には、ロックアップク ッチ15のクラッチ板27に対して摩擦接触機構1 7のピストン34が摩擦接触することにより、滑 り係合状態時に発生したジャダー振動を摩擦 エネルギーに変換して減衰させる。したがっ て、ロックアップクラッチ15の滑り係合状態 に発生したジャダー振動が変速機構の入力 24側に伝達されることを低減できる。

 (2)上記実施形態では、ロックアップクラ チ15の完全係合状態時には、摩擦接触機構17 のピストン34がロックアップクラッチ15のク ッチ板27から離間した非接触状態になる。し たがって、エンジン等の駆動源の爆発振動に 基づくトルク変動がロックアップクラッチ15 ら摩擦接触機構17を介して変速機構の入力 24側に入力されるのを低減することが可能と なる。

 (3)上記実施形態では、ロックアップクラ チ15を係合状態とさせるクラッチ作動時に ルクコンバータ10内を流動するATF(作動油)の 圧を有効利用することにより、ピストン(変 位部材)34をロックアップクラッチ15のクラッ 板27に摩擦接触する係合位置と該係合位置 ら離間した非係合位置との間で変位(押圧移 )させることができる。すなわち、そのピス トン34に対して係合位置側となる前側から作 するATFの油圧と非係合位置側となる後側か 作用するATFの油圧との差圧に基づき、ピス ン34を、係合位置と非係合位置との間で格 に電気的制御機構を必要とすることなく簡 に変位させることができる。

 (4)上記実施形態では、ピストン(変位部材 )34を係合位置側から非係合位置側に向けて押 圧するATF(作動油)の油圧が、ロックアップク ッチ15の滑り係合状態時にはロックアップ 出圧になり、ロックアップクラッチ15の完全 係合状態時にはロックアップ係合圧になる。 また、この場合、ピストン34に対しては、常 非係合位置側から係合位置側に向けてロッ アップ係合圧の油圧が作用している。その め、ロックアップクラッチ15の滑り係合状 時において、ピストン34は、高圧側のロック アップ係合圧に押圧されることにより、係合 位置側に変位してロックアップクラッチ15の ラッチ板27に摩擦接触する。その一方、ロ クアップクラッチ15の完全係合状態時には、 ピストン34に対して係合位置側及び非係合位 側から共に同じロックアップ係合圧の油圧 作用するため、ピストン34自身が油圧によ 押圧されて変位することはない。しかし、 の場合には、トルクコンバータ10内において 同様にロックアップ係合圧を受圧したロック アップクラッチ15のクラッチ板27がピストン34 から離間するように変位するので、ピストン 34はロックアップクラッチ15のクラッチ板27に 対して相対的に変位して非接触状態となる。

 (5)上記実施形態では、ロックアップクラ チ15の滑り係合状態時には、切り替えバル 39を排出圧連通位置方向に付勢するコイルバ ネ(付勢部材)40の付勢力とロックアップ排出 に基づく力との合計の方が、切り替えバル 39を係合圧連通位置に向けて付勢するロック アップ係合圧に基づく力よりも大きくなる。 そのため、切り替えバルブ39が排出圧連通位 に位置することにより、ピストン34に係合 置側から油圧を作用させる油室2cの油圧がロ ックアップ排出圧になり、ピストン34は、高 側のロックアップ係合圧に押圧されて係合 置に変位する。その一方、ロックアップク ッチ15の完全係合状態時には、切り替えバ ブ39を排出圧連通位置方向に付勢するコイル バネ40の付勢力とロックアップ排出圧に基づ 力との合計よりも、切り替えバルブ39を係 圧連通位置に向けて付勢するロックアップ 合圧に基づく力の方が大きくなる。そのた 、切り替えバルブ39が係合圧連通位置に位置 することにより、ピストン34に係合位置側か 油圧を作用させる油室2cの油圧はロックア プ係合圧になる。すなわち、ピストン34には 、係合位置側及び非係合位置側から共に同じ ロックアップ係合圧の油圧が作用する。その ため、ピストン34自身が油圧により押圧され 変位することはないが、その時点において ックアップ係合圧を受圧したロックアップ ラッチ15のクラッチ板27がピストン34から離 するように変位するので、ピストン34はロ クアップクラッチ15に対して相対的に変位し て非接触状態となる。

 なお、上記実施形態は以下のように変更し もよい。
 上記実施形態において、付勢部材はコイル ネ40ではなく、板ばね等の他の形態の付勢 材を用いてもよい。

 上記実施形態において、バルブ室38内に 付勢部材としてのコイルバネ40を設けること なく、例えば、切り替えバルブ39におけるロ クアップ係合圧を受圧する後端面とロック ップ排出圧を受圧する前端面の受圧面積が いに異なるようにバルブの形態を設計する とにより、切り替えバルブ39に対して軸方 の前後から作用する力に差異が生じるよう してもよい。

 上記実施形態において、変位切り替え機構3 5は、切り替えバルブ39を電磁ソレノイドによ り係合圧連通位置と排出圧連通位置との間を 変位する構成としてもよい。
 上記実施形態において、変位部材としての ストン34は、該ピストン34を電磁ソレノイド によりクラッチ板27に摩擦接触する係合位置 該係合位置から離間した非係合位置との間 変位する構成としてもよい。

 上記実施形態において、変位部材として ピストン34は、ロックアップクラッチ15の滑 り係合状態時にクラッチ板27に摩擦接触する 成であれば、ロックアップクラッチ15の完 係合状態時には必ずしもクラッチ板27から離 間した非係合位置に変位しなくてもよい。こ の場合でも、ロックアップクラッチ15の滑り 合状態時にジャダー振動が変速機構側へ伝 することは低減できる。