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Patent Searching and Data


Title:
TRANSFORMER, POWER CONVERTER USING THE TRANSFORMER, LIGHTING DEVICE, LAMP FOR VEHICLE, AND VEHICLE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/131059
Kind Code:
A1
Abstract:
A transformer comprises substrates (1, 3) forming a primary winding, substrates (2, 4) forming a secondary winding, and a core part (5) disposed around the substrates (1-4). The substrates (1, 3) comprise insertion holes (1a, 3a) allowing the center leg parts of the core part (5) to be inserted therethrough, respectively, and conductive patterns (7, 9) which are formed around the insertion holes (1a, 3a), respectively, and of which quantities of turns are one, respectively. In each of the substrates (1, 3), an interlayer connection part (16) electrically connecting the conductive patterns (8, 10) formed on the substrates (2, 4), respectively, to each other is formed at the end of each of the conductive patterns (7, 9) on the inside of the conductive patterns (7, 9).

Inventors:
SUGANUMA KAZUTOSHI (JP)
NAKANO TOMOYUKI (JP)
NAKAMURA TOSHIAKI (JP)
TANAKA TOSHIFUMI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/057691
Publication Date:
October 29, 2009
Filing Date:
April 16, 2009
Export Citation:
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Assignee:
PANASONIC ELEC WORKS CO LTD (JP)
SUGANUMA KAZUTOSHI (JP)
NAKANO TOMOYUKI (JP)
NAKAMURA TOSHIAKI (JP)
TANAKA TOSHIFUMI (JP)
International Classes:
H01F17/00; H01F30/00; H01F38/08; H02M3/28
Foreign References:
JP2008502293A2008-01-24
JPH0997728A1997-04-08
JPH0869935A1996-03-12
JPH1187156A1999-03-30
JPH09326315A1997-12-16
JP2003272929A2003-09-26
Other References:
See also references of EP 2284847A4
Attorney, Agent or Firm:
NISHIKAWA, Yoshikiyo et al. (JP)
Yoshikiyo Nishikawa (JP)
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Claims:
 巻線部と、磁性材料からなり前記巻線部の周りに配置されて磁路を形成するコア部とを備えたトランスであって、前記巻線部は、第1の基板と少なくとも2枚の第2の基板とを積層して構成され、前記第1の基板および第2の基板の各々は、前記コア部の中脚部を挿通させるための挿通孔と、当該挿通孔の周りに形成された導電パターンとを有し、前記第1の基板に形成された前記導電パターンは、ターン数が1ターンの導電パターンであって第1の巻線を構成し、前記第2の基板の各々に形成された前記導電パターンは第2の巻線を構成し、積層された前記第2の基板の各々に形成された前記導電パターン間を電気的に接続する層間接続部が、前記1ターンの導電パターンの内側であって且つ当該1ターンの導電パターンの端部側に設けられることを特徴とするトランス。
 前記第1の基板は、前記第1の巻線の両端に接続される第1の接続端子部を備え、前記第2の基板は、前記第2の巻線の両端に接続される第2の接続端子部を備え、前記第1の接続端子部は、前記挿通孔から見て前記第2の接続端子部と反対側に配置されることを特徴とする請求項1記載のトランス。
 前記第1の基板は、前記第1の巻線の両端に接続される第1の接続端子部を備え、前記第2の基板は、前記第2の巻線の両端に接続される第2の接続端子部を備え、前記第1の接続端子部および第2の接続端子部は、前記挿通孔から見て同じ側に配置されることを特徴とする請求項1記載のトランス。
 前記巻線部は、偶数枚の前記第2の基板を備えることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載のトランス。
 前記層間接続部は、前記コア部から引き出された前記第1の巻線の一端側の幅方向中央部である第1の点と、前記コア部から引き出された前記第1の巻線の他端側の幅方向中央部である第2の点と、前記中脚部の磁路断面の中心である第3の点のうちの2点を通り、前記第1の基板および第2の基板と直交する3つの面で囲まれた領域内に配置されることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載のトランス。
 前記層間接続部と前記第3の点とを結ぶ直線方向において、基板面における前記第1の点と第2の点とを結ぶ直線から前記コア部までの距離が前記中脚部の磁路断面幅の半分以上に設定されることを特徴とする請求項5記載のトランス。
 前記層間接続部は、当該層間接続部における前記中脚部側の端部と、前記中脚部における前記層間接続部側の端部との間の距離が0.5mm以上となるように配置されることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載のトランス。
 前記層間接続部は、前記第1の基板および第2の基板のうち前記コア部に近接して配置される基板以外の基板に設けられることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載のトランス。
 前記巻線部は、複数枚の前記第1の基板と、互いにターン数の異なる複数種類の前記第2の基板とを備え、前記第2の基板のうちターン数の最も多い基板が複数枚の前記第1の基板の間に配置されることを特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載のトランス。
 請求項1~3の何れか1項に記載のトランスを用いた電力変換回路を備えた電力変換装置であって、前記第1の基板および第2の基板のうち少なくとも何れか1つの基板に、前記電力変換回路を構成する回路部品が実装されることを特徴とする電力変換装置。
 請求項1~3の何れか1項に記載のトランスを用いた点灯回路を備えた点灯装置であって、前記第1の基板および第2の基板のうち少なくとも何れか1つの基板に、前記点灯回路を構成する回路部品が実装されることを特徴とする点灯装置。
 請求項11記載の点灯装置が搭載されることを特徴とする車両用灯具。
 請求項12記載の車両用灯具が搭載されることを特徴とする車両。
Description:
トランスならびにそれを用いた 力変換装置、点灯装置、車両用灯具および 両

 本発明は、トランスならびにそれを用い 電力変換装置、点灯装置、車両用灯具およ 車両に関するものである。

 従来より、シート基板に形成された導電 ターンにより巻線を構成するトランスが種 提供されている(例えば特許文献1,2参照)。

 図29(a)はトランスを構成するシート基板 一例であり、本従来例のトランスは、1次巻 を構成する2枚のシート基板101,103と、2次巻 を構成する2枚のシート基板102,104とを備え いる。シート基板101~104は、それぞれ中央部 矩形状の挿通孔101a~104aが貫設されており、 れらの挿通孔101a~104aの周りには、それぞれ 電パターン107~110が形成されている。

 また、シート基板101の挿通孔101aと導電パ ターン107の間、および、シート基板103の挿通 孔103aと導電パターン109の間には、2次巻線を 成する導電パターン108,110間を電気的に接続 するための層間接続部116が設けられている。 さらに、シート基板102の挿通孔102aと導電パ ーン108の間、および、シート基板104の挿通 104aと導電パターン110の間には、1次巻線を構 成する導電パターン107,109間を電気的に接続 るための層間接続部112が設けられている。

 そして、これらのシート基板101~104を順次 積層した後、上下方向両側から2個1組のE型コ ア105a,105aを組み付けることで、トランスが組 み立てられるようになっている(図29(b),(c)参 )。

特開平9-326315号公報(段落[0008]-段落[0010] 及び、第1図-第2図)

特開2003-272929号公報(段落[0028]-段落[0044] 及び、第1図-第6図)

 上述の図29に示したトランスでは、各挿 孔101a~104aと、各挿通孔101a~104aに対応する導 パターン107~110の間にそれぞれ層間接続部112 たは層間接続部116が設けられているが、こ らの層間接続部112,116と各導電パターン107~11 0の間には所定の絶縁距離が必要であるため 導電パターン107~110を外側に湾曲させる必要 あった。その結果、シート基板101~104が大型 化するとともに巻線抵抗が増加し、さらに1 巻線および2次巻線とコア部105の距離が離れ ため漏れインダクタンスが増加する傾向に った。特に巻線への印加電圧が高い場合に 、絶縁距離をさらに大きく設定する必要が り、上記影響がより顕著に現れていた。

 本発明は上記問題点に鑑みて為された発 であり、その目的は、第1の巻線と第2の巻 の間の絶縁距離を確保しつつ巻線抵抗や漏 インダクタンスの増加を抑えた小型のトラ スならびにそれを用いた電力変換装置、点 装置、車両用灯具および車両を提供するこ にある。

 本発明に係るトランスは、巻線部と、磁 材料からなり巻線部の周りに配置されて磁 を形成するコア部とを備える。巻線部は、 1の基板と少なくとも2枚の第2の基板とを積 して構成され、第1の基板および第2の基板 各々は、コア部の中脚部を挿通させるため 挿通孔と、当該挿通孔の周りに形成された 電パターンとを有する。第1の基板に形成さ た導電パターンは、ターン数が1ターンの導 電パターンであって第1の巻線を構成し、第2 基板の各々に形成された導電パターンは第2 の巻線を構成する。そして、積層された第2 基板の各々に形成された導電パターン間を 気的に接続する層間接続部が、1ターンの導 パターンの内側であって且つ当該1ターンの 導電パターンの端部側に設けられている。

 この構成によれば、第1の基板に形成され たターン数が1ターンの導電パターンの両端 の間には元々絶縁距離が必要であり、この ペースに第2の巻線用の層間接続部を設ける とで、第1の巻線の絶縁スペースを第2の巻 の絶縁スペースとして兼用することができ 。その結果、上記導電パターンの両端部と 間接続部の間の絶縁距離を確保しながらも 来例に比べて基板の絶縁領域を小さくする とができ、基板の小型化が図れる。また、 2の巻線は湾曲させなくてもいいのでコア部 の間の結合を高くすることができ、さらに 1の巻線は基板1枚のターン数が1ターンであ 、全長に渡ってコア部との間の結合が高い で、その一部を湾曲させても結合の低下の 響は小さく、そのため第1の巻線もコア部と の間の結合を高くすることができる。その結 果、巻線部の巻線抵抗や漏れインダクタンス の増加を抑えることができる。

 より好ましい形態として、第1の基板は第 1の巻線の両端に接続される第1の接続端子部 備え、第2の基板は第2の巻線の両端に接続 れる第2の接続端子部を備える。そして、第1 の接続端子部は、挿通孔から見て第2の接続 子部と反対側に配置される。

 この構成によれば、第1の接続端子部と第 2の接続端子部の間の絶縁距離を容易に確保 ることができる。

 同様に、より好ましい形態として、第1の 基板は第1の巻線の両端に接続される第1の接 端子部を備え、第2の基板は第2の巻線の両 に接続される第2の接続端子部を備える。そ て、第1の接続端子部および第2の接続端子 は、挿通孔から見て同じ側に配置される。

 この構成によれば、第1の接続端子部およ び第2の接続端子部を挿通孔から見て同じ側 配置することで反対側にはスペースが生じ このスペースにより各導電パターンのパタ ン幅を太くすることができるので、コア部 各巻線との間の結合を高めることができる また、導電パターンのパターン幅を太くし い場合には、上記スペース分だけ基板を小 化することも可能である。

 さらに好ましい形態として、巻線部は、 数枚の第2の基板を備える。

 この構成によれば、第2の基板を偶数枚と することで第2の巻線の全ターン数が整数に るので、磁束の偏りが生じることなく出力 失を抑えることができる。

 より好ましい形態として、層間接続部は コア部から引き出された第1の巻線の一端側 の幅方向中央部である第1の点と、コア部か 引き出された第1の巻線の他端側の幅方向中 部である第2の点と、中脚部の磁路断面の中 心である第3の点のうちの2点を通り、第1の基 板および第2の基板と直交する3つの面で囲ま た領域内に配置される。

 この構成によれば、層間接続部とコア部 間の距離を大きくした場合には、層間接続 と電気的に接続される第2の基板側の導電パ ターンを外側に湾曲させる必要があり、その 結果第2の巻線とコア部の間の結合が低下す ことになるが、上記領域内に層間接続部を 置することで第2の基板側の導電パターンの 曲を抑えることができ、その結果第2の巻線 とコア部の間の結合の低下を抑えることがで きる。

 さらに好ましい形態として、層間接続部 第3の点とを結ぶ直線方向において、基板面 における第1の点と第2の点とを結ぶ直線から ア部までの距離が中脚部の磁路断面幅の半 以上に設定される。

 この構成によれば、上記距離を中脚部の 路断面幅の半分以下にした場合に比べて層 接続部の配置の自由度を高めることができ その結果巻線設計の自由度を高くできる。

 より好ましい形態として、層間接続部は 当該層間接続部における中脚部側の端部と 中脚部における層間接続部側の端部との間 距離が0.5mm以上となるように配置される。

 さらに好ましい形態として、層間接続部 、第1の基板および第2の基板のうちコア部 近接して配置される基板以外の基板に設け れる。

 この構成によれば、コア部に近接して配 される基板に層間接続部を設けた場合には コア部と層間接続部の間の絶縁距離を確保 るために絶縁部材を挟み込むなどの対策が 要になる場合があり、コストアップになる ともにトランスが大型化してしまうが、コ 部に近接して配置される基板以外の基板に み層間接続部を設けることで上記絶縁部材 不要になり、コストアップを抑えるととも トランスの大型化を抑えることができる。

 より好ましい形態として、巻線部は、複 枚の第1の基板と、互いにターン数の異なる 複数種類の第2の基板とを備える。そして、 2の基板のうちターン数の最も多い基板が複 枚の第1の基板の間に配置される。

 この構成によれば、ターン数の最も多い 2の基板を第1の基板間に配置することで、 ーン数の少ない第2の基板を第1の基板間に配 置した場合に比べて、第1の巻線と第2の巻線 間の巻線結合を高めることができる。

 本発明に係る電力変換装置は、上記トラ スを用いた電力変換回路を備える。そして 第1の基板および第2の基板のうち少なくと 何れか1つの基板には、電力変換回路を構成 る回路部品が実装される。

 この構成によれば、上記トランスを用い ことで出力損失を抑えた小型の電力変換装 を提供することができる。また、第1の基板 および第2の基板の少なくとも何れか1つの基 に電力変換回路を構成する回路部品を実装 せることで、放熱面積を大きくすることが きるから、第1の巻線および第2の巻線で発 する熱の放熱性を向上させることができる

 本発明に係る点灯装置は、上記トランス 用いた点灯回路を備える。そして、第1の基 板および第2の基板のうち少なくとも何れか1 の基板には、点灯回路を構成する回路部品 実装される。

 この構成によれば、上記トランスを用い ことで出力損失を抑えた小型の点灯装置を 供することができる。また、第1の基板およ び第2の基板の少なくとも何れか1つの基板に 灯回路を構成する回路部品を実装させるこ で、放熱面積を大きくすることができるか 、第1の巻線および第2の巻線で発生する熱 放熱性を向上させることができる。

 本発明に係る車両用灯具は、上記点灯装 が搭載される。

 この構成によれば、放熱性を向上させた 型の車両用灯具を実現することができる。

 本発明に係る車両は、上記車両用灯具が 載される。

 この構成によれば、上記車両用灯具を、 えばエンジンルーム内のように高温に曝さ る場所に配置可能である。

実施形態1のトランスを示し、(a)は同上 の巻線部の分解斜視図、(b)は同上の斜視図で ある。 同上の回路図である。 (a),(b)は同上の巻線部に用いられるシー ト基板の他の例を示す正面図である。 同上に用いられるシート基板の絶縁距 を説明する説明図である。 実施形態2のトランスを示し、(a)は同上 の巻線部の分解斜視図、(b)は同上の斜視図で ある。 (a)は同上の回路図、(b)は同上を用いたD C-DCコンバータの回路図である。 実施形態1,2のトランスを用いたDC-DCコ バータの回路図である。 (a)は実施形態1のトランスを用いたDC-DC ンバータの基板実装例、(b)は実施形態2のト ランスを用いたDC-DCコンバータの基板実装例 ある。 実施形態2のトランスの他の例を示す斜 視図である。 実施形態3のトランスを示し、(a)は同 の巻線部の分解斜視図、(b)は同上の斜視図 ある。 同上の回路図である。 実施形態4のトランスの斜視図である 同上の他の例を示す正面図である。 (a),(b)は同上のさらに他の例を示す正 図である。 実施形態5のトランスを示す正面図で る。 実施形態6のトランスを示し、(a)は同 の巻線部の分解斜視図、(b)は同上の斜視図 ある。 同上の他の例を示し、(a)は同上の巻線 部の分解斜視図、(b)は同上の斜視図である。 同上のさらに他の例を示す分解斜視図 である。 実施形態7のトランスを示し、(a)は同 の巻線部の分解斜視図、(b)は同上の斜視図 ある。 (a)~(c)は同上に用いられる基板の層間 続部とコア部との間の絶縁距離を確保する 法を説明する説明図である。 実施形態8のトランスを示し、(a)は同 の巻線部の分解斜視図、(b)は同上の斜視図 ある。 同上の回路図である。 (a),(b)は同上の巻線部の他の例を示す 解斜視図である。 (a),(b)は実施形態9のトランスの巻線部 分解斜視図である。 (a),(b)は実施形態10の電力変換装置を示 す回路図である。 実施形態11の点灯装置を示し、(a)は同 の回路図、(b),(c)は同上を構成する電子部品 の基板実装例である。 同上を用いた車両用灯具の模式的な側 面図である。 同上を用いた車両を示す一部省略せる 斜視図である。 従来例のトランスを示し、(a)は同上の 巻線部の正面図、(b)は同上の斜視図、(c)は同 上の長手方向における断面図である。

 以下に、本発明に係るトランスならびに れを用いた電力変換装置、点灯装置、車両 灯具および車両の実施形態を図面に基づい 説明する。

 (実施形態1)
 本実施形態のトランスは、図1に示すように 、巻線部6と、巻線部6を上下方向における両 から挟み込むようにして当該巻線部6に取着 されるコア部5と、1次巻線側の接続端子部11~1 3にそれぞれ挿通接続される接続ピン18と、2 巻線側の接続端子部14,15にそれぞれ挿通接続 される接続ピン19とを備えている。なお、接 ピン18,19は、各接続端子部11~15に設けた挿通 孔(スルーホール)にそれぞれ挿通され、例え はんだにより基板に固定される。

 巻線部6は、図1(a)に示すように、1次巻線 構成する基板1,3と、2次巻線を構成する基板 2,4とで構成されており、上から基板1,基板2, 板3,基板4の順に積層される。

 基板1は、例えば横長の矩形板状のシート 基板であり、基板1の中央部にはコア部5の中 部(図示せず)を挿通させるための矩形状の 通孔1aが貫設されている。また、基板1の挿 孔1aの周りには、ターン数が1ターンの導電 ターン7が形成されている。さらに、基板1の 長手方向における一端(図1(a)中の左端)には、 1次巻線の両端がそれぞれ接続される接続端 部11,13と、後述する基板3の導電パターン9と 己の導電パターン7との間を電気的に接続す る接続端子部12とが設けられ、また基板1の長 手方向における他端には、2次巻線の両端が れぞれ接続される接続端子部14,15が設けられ ている。すなわち、本実施形態では、上記の 接続端子部11,13が、挿通孔1aから見て接続端 部14,15と反対側に配置されることになる。し たがって、1次巻線を構成する導電パターン7, 9は、基板1の長手方向において、2次巻線を構 成する後述の導電パターン8,10と反対側に引 出されることになる。

 また、基板1において導電パターン7の内 であって且つ当該導電パターン7の端部側(図 1(a)中の左側)には、後述する基板2に形成され た導電パターン8と基板4に形成された導電パ ーン10との間を電気的に接続する層間接続 16が設けられている。なお、上記の導電パタ ーン7は、一端が接続端子部11に接続されると ともに、挿通孔1aの周りを1回周回するように 形成され、他端が接続端子部12に接続される ここに、本実施形態では、接続端子部11,13 より第1の接続端子部が構成され、接続端子 14,15により第2の接続端子部が構成される。

 基板3は、基板1と略同寸法に形成された 長の矩形板状のシート基板であり、基板3の 央部には上記の挿通孔1aと同じ位置に、略 寸法に開口する矩形状の挿通孔3aが貫設され ている。また、基板3の挿通孔3aの周りには、 ターン数が1ターンの導電パターン9が形成さ ている。さらに、基板3の長手方向における 一端(図1(a)中の左端)には、基板1と同じ位置 接続端子部11~13が設けられ、また基板3の長 方向における他端には、基板1と同じ位置に 続端子部14,15が設けられている。また、基 3において導電パターン9の内側であって且つ 当該導電パターン9の端部側(図1(a)中の左側) は、基板1と同じ位置に層間接続部16が設け れている。なお、上記の導電パターン9は、 端が接続端子部12に接続されるとともに、 通孔3aの周りを1回周回するように形成され 他端が接続端子部13に接続される。

 基板2は、基板1と略同寸法に形成された 長の矩形板状のシート基板であり、基板2の 央部には上記の挿通孔1aと同じ位置に、略 寸法に開口する矩形状の挿通孔2aが貫設され ている。また、基板2の挿通孔2aの周りには、 ターン数が3.5ターンの導電パターン8が形成 れている。さらに、基板2の長手方向におけ 一端(図1(a)中の左端)には、基板1と同じ位置 に接続端子部11~13が設けられ、また基板2の長 手方向における他端には、基板1と同じ位置 接続端子部14,15が設けられている。また、基 板2において上記の層間接続部16に対応する部 位には、当該層間接続部16と電気的に接続さ る層間接続部17が設けられている。なお、 記の導電パターン8は、一端が層間接続部17 接続されるとともに、挿通孔2aの周りを左回 りに巻回するように形成され、他端が接続端 子部15に接続される。

 基板4は、基板1と略同寸法に形成された 長の矩形板状のシート基板であり、基板4の 央部には上記の挿通孔1aと同じ位置に、略 寸法に開口する矩形状の挿通孔4aが貫設され ている。また、基板4の挿通孔4aの周りには、 ターン数が3.5ターンの導電パターン10が形成 れている。さらに、基板4の長手方向におけ る一端(図1(a)中の左端)には、基板1と同じ位 に接続端子部11~13が設けられ、また基板4の 手方向における他端には、基板1と同じ位置 接続端子部14,15が設けられている。また、 板4において上記の層間接続部16に対応する 位には、当該層間接続部16と電気的に接続さ れる層間接続部17が設けられている。なお、 記の導電パターン10は、一端が接続端子部14 に接続されるとともに、挿通孔4aの周りを左 りに巻回するように形成され、他端が層間 続部17に接続される。

 ここにおいて、基板1~4を積層した状態で 、各基板1~4にそれぞれ設けた挿通孔1a~4aが 下方向に連通するようになっている。また 各基板1~4に設けた接続端子部11~15がそれぞれ 電気的に接続されるとともに、層間接続部16, 17が電気的に接続されるようになっている。 たがって、基板1~4を積層した状態では、接 端子部12を介して導電パターン7と導電パタ ン9とが電気的に接続されて1つの導電パタ ンを形成し、また層間接続部16,17を介して導 電パターン8と導電パターン10とが電気的に接 続されて1つの導電パターンを形成する。こ に、本実施形態では、導電パターン7と導電 ターン9とで形成された1つの導電パターン より1次巻線(第1の巻線)が構成され、導電パ ーン8と導電パターン10とで形成された1つの 導電パターンにより2次巻線(第2の巻線)が構 されている(図2参照)。また、本実施形態で 、基板1,3により第1の基板が構成され、基板2 ,4により第2の基板が構成されている。なお、 本実施形態では、1次巻線の全ターン数は2タ ンであり、2次巻線の全ターン数は7ターン ある。

 コア部5は、磁性材料(例えばフェライト ど)からなる略E型に形成された2個1組のコア5 a,5aで構成され、積層した基板1~4に対してこ らのコア5a,5aを上下方向における両側から組 み合わせることで、基板1~4を短手方向(幅方 )において取り囲むように巻線部6に取り付け られる(図1(b)参照)。なお、この状態では、基 板の長手方向における両側部がコア部5の外 に突出しており、さらに各コア5aの中脚部( 示せず)は連通する上記の挿通孔1a~4a内に挿 されて磁路を形成する。

 ここで、本実施形態のトランスを例に絶 距離について説明する。図4は本実施形態の トランスの断面図であり、巻線部6を構成す 積層基板の表面(本実施形態では基板1の表面 )には絶縁耐圧実力値が20~30kV/mm程度のレジス 材によりレジスト48が施されている。また 内層は絶縁層49により密封されており、例え ばガラスエポキシ基板の場合には絶縁層49の 料として、絶縁耐圧実力値が30~50kV程度のプ リプレグが使用される。

 しかし、プリプレグやレジスト材は樹脂 料からなり、ボイドの発生によるリークな が想定されるため、絶縁耐圧として保証値 持たないのが一般的である。したがって、 実施形態のようにシート基板を積層したト ンスを設計する際には、絶縁層がないもの して絶縁距離を設定する必要がある。

 ここに、導体間の電位差が1kVである場合 絶縁層で周囲を覆われていない導体間の距 は1mm程度必要になるが、この数値をそのま 適用すると、シート基板の面積や積層方向 厚みが大きくなることでトランス全体が大 化する。さらに、導体間の距離が大きくな ことで1次巻線と2次巻線の間の結合が低下 、出力損失が大きくなってしまう。

 そこで、本実施形態では、導電パターン 外側に配置される基板1に対してレジスト材 の絶縁耐圧実力値20~30kV/mmを、導電パターン 内側に配置される基板2~4に対してプリプレ の絶縁耐圧実力値30~50kV/mmを基準値として絶 距離を設定している。なお、上述した絶縁 離の設定方法は一例であり、例えば導体間 電位差に応じて上記2つの基準値の何れかを 選択して絶縁距離を設定するようにしてもよ い。

 ここにおいて、導体間の電位差とは、導 パターン7,9の両端間の電位差、層間接続部1 6と各導電パターン7,9の間の電位差、基板2に 成した導電パターン8および基板4に形成し 導電パターン10の隣接するパターン間の電位 差などである。

 而して、本実施形態によれば、基板1に形 成されたターン数が1ターンの導電パターン7 および、基板3に形成されたターン数が1タ ンの導電パターン9の両端部の間には元々絶 距離が必要であり、このスペースに2次巻線 用の層間接続部16を設けることで、1次巻線( 電パターン7および導電パターン9)の絶縁ス ースを2次巻線(導電パターン8および導電パ ーン10)の絶縁スペースとして兼用すること できる。その結果、導電パターン7,9の両端 と層間接続部16との間の絶縁距離を確保しな がらも従来例に比べて基板1,3の絶縁領域を小 さくすることができ、基板1,3の小型化が図れ る。また、本実施形態によれば、2次巻線は 曲させなくてもいいのでコア部5との間の結 を高くすることができ、さらに1次巻線は基 板1枚のターン数が1ターンであり、全長に渡 てコア部5との間の結合が高いので、その一 部を湾曲させても結合の低下の影響は小さく 、そのため1次巻線もコア部5との間の結合を くすることができる。その結果、巻線部6の 巻線抵抗や漏れインダクタンスの増加を抑え ることができる。

 さらに、層間接続部16を接続端子部11~13側 (1次巻線の接続端子部側)に設けた場合には、 基板2に形成される導電パターン8、および、 板4に形成される導電パターン10のターン数 それぞれ3.5ターンとなり、0.5ターンの端数 出るため、基板2,4の合計枚数が奇数枚であ と2次巻線の全ターン数が整数にならず、磁 束の偏りが生じて出力損失が大きくなってし まう。しかし、本実施形態では、基板2,4の合 計枚数が2枚であり、2次巻線の全ターン数は7 ターンとなるから、磁束の偏りが生じること なく出力損失を抑えることができる。また、 第1の接続端子部である接続端子部11,13を、挿 通孔から見て第2の接続端子部である接続端 部14,15と反対側に配置することで、接続端子 部11,13と接続端子部14,15の間の絶縁距離を容 に確保することもできる。

 ここにおいて、本実施形態では、2枚の基 板1,3により全ターン数が2ターンの1次巻線を 成しているが、例えば図3(a)に示すように1 の基板20により全ターン数が1ターンの1次巻 を構成してもいいし、図3(b)に示すように3 の基板22~24により全ターン数が3ターンの1次 線を構成してもよい。これらの場合も、上 したようにターン数が1ターンの導電パター ンの内側であって且つ当該導電パターンの端 部側に層間接続部を設けることで、同様に基 板を小型化したり、巻線部の巻線抵抗や漏れ インダクタンスの増加を抑えることができる 。

 なお、本実施形態では、2次巻線を構成す る第2の基板として2枚の基板2,4を用いている 、第2の基板の枚数は本実施形態に限定され るものではなく、少なくとも2枚であればよ 。しかも、偶数枚であればなおよい。また 1次巻線を構成する第1の基板の枚数について も本実施形態に限定されるものではなく、4 以上であってもよい。さらに、コア部5の材 はフェライトに限定されるものではなく、 性材料であれば他のものでもよい。また、 実施形態では基板1~4の形状を矩形状として るが、他の形状であってもよい。

 (実施形態2)
 本発明に係るトランスの実施形態2を図5~図9 に基づいて説明する。実施形態1では、接続 子部11~13が挿通孔から見て接続端子部14,15と 対側に配置されているが、本実施形態では 接続端子部11~13および接続端子部14,15が挿通 孔から見て同じ側に配置されている。なお、 それ以外の基本構成は実施形態1と同様であ から、同一の構成要素には同一の符号を付 て説明は省略する。

 本実施形態のトランスは、図5に示すよう に、基板1~4を積層して構成される巻線部6と この巻線部6に取着されるコア部5と、基板1~4 にはんだ固定される接続ピン18,19とを備えて る。そして、接続端子部11~13と接続端子部14 ,15とが挿通孔から見て同じ側(図5(a)中の左側) に配置されている。したがって、1次巻線を 成する導電パターン7,9は、基板の長手方向 おいて、2次巻線を構成する導電パターン8,10 と同じ側に引き出されることになる。そして 、本実施形態では、基板の長手方向において 接続端子部11~15と反対側には接続ピンが取り けられないため、基板1~4において接続端子 11~15と反対側の端部がコア部5から突出しな ように、コア部5および基板1~4の長さ寸法が 設定されている。

 なお、本実施形態では、接続端子部13お び接続端子部14が同じ位置に設けられており 、1次巻線および2次巻線の一端が同電位とな 所謂オートトランスを構成している(図6(a) 照)。そして、このオートトランスは、図6(b) に示すように負荷50に対して電力を供給するD C-DCコンバータに適用される。

 ここで、図7は実施形態1のトランスTr1を いたフライバック型のDC-DCコンバータ53の回 図であり、図8(a)はその基板実装例である。

 DC-DCコンバータ53を構成するトランスTr1、 スイッチ素子Q1およびダイオードD1は、一般 に回路損失の低減やノイズ性能の確保の観 から互いに近接して配置するのが好ましく また経路A(コンデンサC1→トランスTr1の一次 →スイッチ素子Q1→コンデンサC1)および経 B(コンデンサC2→ダイオードD1→トランスTr1 二次側→コンデンサC2)の配線は、極力太く 短くするのが好ましい。

 したがって、実施形態1のトランスTr1の場 合には、接続端子部11,13が挿通孔から見て接 端子部14,15と反対側に配置されているため スイッチ素子Q1、トランスTr1およびダイオー ドD1を一直線上に配置するのが好ましく、ト ンスTr1から見てスイッチ素子Q1がダイオー D1と反対側に配置されている。この場合、母 基板PWBは、少なくとも1辺の長さがL1以上必要 となる。

 一方、図8(b)は本実施形態のトランスTr1を 用いた場合の基板実装例であり、この場合、 接続端子部11,13および接続端子部14,15が挿通 から見て同じ側に配置されているため、ト ンスTr1を母基板PWBの角部に配置することが 能になる。そのため、母基板PWBの隣接する2 の長さは、少なくともL2またはL3(L2<L1,L3< ;L1)の寸法を確保すればよく、実施形態1に比 て母基板PWBの必要寸法を小さくすることが き、母基板PWBの小型化が図れる。

 また、負荷52(図7参照)への供給エネルギ をトランスTr1に蓄積させるフライバック型 DC-DCコンバータ53では、動作時におけるトラ スTr1の発熱が大きいため、トランスTr1の近 に配置した電子部品の温度を上昇させてし う。しかし、本実施形態では、トランスTr1 母基板PWBの角部に配置しているので、母基 PWBを金属ケース(図示せず)などに収納した にはトランスTr1と金属ケースの壁面とが対 する面積が大きくなり、その結果トランスTr 1での発熱を金属ケースにスムーズに放熱で るから、電子部品への熱的影響を抑えるこ ができる。

 而して、本実施形態によれば、接続端子 11,13および接続端子部14,15を挿通孔から見て 同じ側に配置することで反対側にはスペース が生じ、このスペースにより各導電パターン 7~10のパターン幅を太くすることができるの 、コア部5と各巻線との間の結合を高めるこ ができる。また、導電パターン7~10のパター ン幅を太くしない場合には、上記スペース分 だけ基板1~4を小型化することも可能である。

 なお、本実施形態では、基板1~4の一端に み接続端子部11~15を設けているが、例えば 9に示すように荷重バランスをとるために、 電パターン7~10に電気的に接続されていない 端子部51,51を他端に設けてもよい。また、本 施形態では、1次巻線と2次巻線の一端を同 位とする所謂オートトランスについて説明 たが、実施形態1と同様に1次巻線と2次巻線 別々に巻線し、その間を絶縁した所謂複巻 ランスであってもよい。さらに、本実施形 においても、2次巻線を構成する基板は少な とも2枚であればよく、また1次巻線を構成 る基板についても1枚であってもいいし、3枚 以上であってもよい。

 (実施形態3)
 本発明に係るトランスの実施形態3を図10お び図11に基づいて説明する。実施形態1,2で 、1次巻線を構成する導電パターン7,9および2 次巻線を構成する導電パターン8,10の引出位 を基板の長手方向における端部としている 、本実施形態では、導電パターン7,9の引出 置を基板の長手方向における端部とし、導 パターン8,10の引出位置を基板の短手方向に ける端部としている。なお、それ以外の基 構成は実施形態1と同様であるから、同一の 構成要素には同一の符号を付して説明は省略 する。

 本実施形態のトランスは、図10に示すよ に、基板1~4を積層して構成される巻線部6と この巻線部6に取着されるコア部5と、基板1~ 4にはんだ固定される接続ピン18,19とを備えて いる。そして、1次巻線を構成する導電パタ ン7,9の引出位置を基板の長手方向における 部とし、2次巻線を構成する導電パターン8,10 の引出位置を基板の短手方向(幅方向)におけ 端部としている。すなわち、本実施形態で 、1次巻線の両端に接続される接続端子部11, 13が基板1~4の短手方向に沿って配置され、2次 巻線の両端に接続される接続端子部14,15が基 1~4の長手方向に沿って配置されることにな 。なお、図11は本実施形態のトランスの回 図である。

 ここで、本実施形態のトランスでは、接 端子部11,13と接続端子部14,15とがそれぞれ隣 接する2辺に沿って配置されているため、実 形態2と同様に、本トランスを母基板(図示せ ず)の角部に配置することができ、その結果 様に母基板の小型化が図れる。

 また、実施形態2で説明したトランスでは 、1次巻線と2次巻線の電位差が大きい場合に 、接続端子部11~13と接続端子部14,15の間の絶 縁距離を確保するために基板を大きくする必 要があるが、本実施形態のように接続端子部 11~13と接続端子部14,15とをそれぞれ異なる2辺 沿って配置することで、実施形態2のトラン スに比べて基板の小型化が可能になる。

 なお、本実施形態においても、2次巻線を 構成する基板は少なくとも2枚であればよく また1次巻線を構成する基板についても1枚で あってもいいし、3枚以上であってもよい。 た、各導電パターンの引出方向についても 実施形態に限定されるものではない。

 (実施形態4)
 本発明に係るトランスの実施形態4を図12お び図13に基づいて説明する。本実施形態で 、コア部5から引き出された1次巻線の一端側 の幅方向中央部である第1の点と、コア部5か 引き出された1次巻線の他端側の幅方向中央 部である第2の点と、コア部5の中脚部の磁路 面の中心である第3の点とを結ぶ領域内また はその近傍に層間接続部16が設けられている で実施形態1~3と異なっている。なお、それ 外の基本構成は実施形態1と同様であるから 、同一の構成要素には同一の符号を付して説 明は省略する。

 本実施形態のトランスは、図12に示すよ に、積層した基板1~4により構成される巻線 6と、2個1組の略E字型のコア5a,5aからなるコ 部5とを備えている。そして、巻線部6に上下 方向における両側からコア5a,5aを組み合わせ ことでコア部5が巻線部6に取り付けられ、 ランスが組み立てられる。なお、組立状態 は、基板の長手方向における両側部がコア 5の外側に突出している。

 ここで、本例では、コア部5から引き出さ れた導電パターン7(第1の巻線)の一端側の幅 向中央部であるa点(第1の点)と、コア部5から 引き出された導電パターン9(第1の巻線)の他 側の幅方向中央部であるb点(第2の点)と、コ 部5の中脚部(図示せず)の磁路断面の中心で るc点(第3の点)のうちの2点を通り、基板1~4 直交する3つの面で囲まれた領域d内に層間接 続部16が設けられている。

 ここにおいて、層間接続部16とコア部5と 間の距離を大きくした場合、層間接続部16 電気的に接続される基板2,4の導電パターン( 示せず)を外側に湾曲させる必要があり、そ の結果2次巻線(基板2,4の導電パターン)とコア 部5の間の結合が低下してしまう。一方、本 成によれば、上記の領域d内に層間接続部16 配置することで基板2,4の導電パターンの湾 を抑えることができ、その結果2次巻線とコ 部5の間の結合の低下を抑えることができる 。

 次に、図13は本実施形態のトランスの他 例を示しており、図12に示した2枚の基板1,3 代わりに1枚の基板20を用いている。基板20に おいて挿通孔20aの周りには、ターン数が1タ ンの導電パターン21が形成されており、この 導電パターン21は、一端が接続端子部11に接 されるとともに、他端が接続端子部13に接続 されている。すなわち、本例では1次巻線(第1 の巻線)が導電パターン21により構成されるこ とになる。

 そして、コア部5から引き出された導電パ ターン21の一端側の幅方向中央部であるe点と 、コア部5から引き出された導電パターン21の 他端側の幅方向中央部であるf点と、コア部5 中脚部5bの磁路断面の中心であるg点のうち 2点を通り、基板20と直交する3つの面で囲ま れた領域h内に層間接続部16が設けられている 。したがって、同様に2次巻線を構成する基 に形成された導電パターンの湾曲を抑える とができ、その結果2次巻線とコア部5の間の 結合の低下を抑えることができる。

 なお、本実施形態においても、2次巻線を 構成する基板は少なくとも2枚であればよく また1次巻線を構成する基板についても3枚以 上であってもよい。

 (実施形態5)
 本発明に係るトランスの実施形態5を図14お び図15に基づいて説明する。なお、基本構 については実施形態1と同様であるから、同 の構成要素には同一の符号を付して説明は 略する。

 図14(a)(b)は、実施形態1~4で示したコア部5 は形状の異なるコア部33またはコア部34を用 いたトランスである。図14(a)に示すトランス はコア部33の中間部分が内側に切り欠かれ おり、図14(b)に示すトランスではコア部34の 寸法(図14(b)中の左右寸法)が中脚部34aと略同 寸法となっている。

 そして、図14(a)に示すトランスに実施形 4の構成を適用すると、コア部33から引き出 れた導電パターン31(第1の巻線)の一端側の幅 方向中央部であるi点と、コア部33から引き出 された導電パターン31(第1の巻線)の他端側の 方向中央部であるj点と、コア部33の中脚部3 3aの磁路断面の中心であるk点とを結ぶ略三角 形状の領域l内に上記の層間接続部(図示せず) が配置されることになる。

 また、図14(b)に示すトランスに実施形態4 構成を適用すると、コア部34から引き出さ た導電パターン32の一端側の幅方向中央部で あるm点と、コア部34から引き出された導電パ ターン32の他端側の幅方向中央部であるn点と 、コア部34の中脚部34aの磁路断面の中心であ o点とを結ぶ略三角形状の領域p内に上記の 間接続部(図示せず)が配置されることになる 。

 しかしながら、これらの場合、層間接続 を配置できる実際のスペースは極めて小さ 、その結果層間接続部を配置する自由度が めて低いものになってしまう。

 そこで、本実施形態では、図15に示すよ に、コア部5から引き出された導電パターン2 1の一端側の幅方向中央部であるq点とコア部5 から引き出された導電パターン21の他端側の 方向中央部であるr点とを結ぶ直線vと、コ 部5の端部(図15中の左側の端部)との間の距離 L4を、左右方向(層間接続部16とコア部5の中脚 部5bの磁路断面の中心であるs点とを結ぶ直線 方向)において中脚部5bの磁路断面幅の半分の 寸法L5以上に設定している。したがって、上 の距離L4を寸法L5以下に設定した場合に比べ て層間接続部16の配置の自由度を高めること でき、その結果巻線設計の自由度を高くで る。そして、本実施形態では、上記のq点、 r点およびs点のうちの2点を通り、基板20と直 する3つの面で囲まれた領域t内に層間接続 16が配置されている。

 ここにおいて、層間接続部16における中 部5b側の端部(図15中の右側の端部)と、中脚 5bにおける層間接続部16側の端部(図15中の左 の端部)との間の距離L6が極端に小さい場合 基板20の寸法や導電パターン21の配置のばら つきなどを考慮すると、基板20の生産性が低 するとともに層間接続部16と導電パターン21 の間の絶縁破壊が生じる虞があるから、中脚 部5bと層間接続部16との間の距離は0.5mm以上で あって、且つ、基板20の外形寸法が大きくな ない寸法以下とするのが好ましい。

 なお、本実施形態においても、2次巻線を 構成する基板は少なくとも2枚であればよく また1次巻線を構成する基板についても2枚以 上であってもよい。

 (実施形態6)
 本発明に係るトランスの実施形態6を図16~図 18に基づいて説明する。なお、基本構成につ ては実施形態1と同様であるから、同一の構 成要素には同一の符号を付して説明は省略す る。

 実施形態1~5では、1次巻線を構成する基板 1が表層に配置されているため、1次巻線と2次 巻線の電位差が大きい場合には、導電パター ン7と層間接続部16の間の沿面距離や、導電パ ターン7と接続端子部14,15の間の沿面距離を十 分確保しなければならず、結果的に基板が大 型化する虞がある。

 そこで、本実施形態では、図16に示すよ に1次巻線を構成する基板1,3を内層に配置し さらに各層間に絶縁材料を充填している。 たがって、この絶縁材料により上記の沿面 離が確保されることになり、その結果基板 大型化を抑えることができる。

 また、実施形態1~5では、2次巻線用の層間 接続部16も表層に配置されているため、電位 高い層間接続部16とコア部5の間の絶縁を確 するためには、絶縁部材(図示せず)を挟み んだ状態でコア部5を組み付ける必要があり コストアップになるとともにトランスが大 化する虞がある。

 そこで、本実施形態では、図17に示すよ に層間接続部17を内層に配置される基板2,4に のみ設けている。そして、コア部5に近接し 配置される基板以外の基板2,4にのみ層間接 部17を設けることで、各層間接続部17とコア 5の間の絶縁が確保されることになり、巻線 部6とコア部5の間に絶縁部材を挟み込む必要 なくなるから、コストアップを抑えること できるとともにトランスの大型化を抑える とができる。

 さらに、図18は、1次巻線および2次巻線を 構成する導電パターン7~10を、半導体54,55など の他の電子部品が実装される母基板PWB1~PWB4に 形成した場合の実施例であり、内層に配置さ れる母基板PWB2,PWB3にのみ層間接続部17を設け ことで、図17に示したトランスと同様の効 が得られる。また、2次巻線の接続端子部14 導電パターン7から離れた位置に設けること できるので、導電パターン7と接続端子部14 間の沿面距離も確保できる。

 ここにおいて、本例では、もう一方の接 端子部(実施形態1で示した接続端子部15)は 基板上に形成されたパターンにより他の電 部品(図示せず)に接続されているため、実施 形態1~5のようにスルーホールを設けなくても よい。なお、図18中の各母基板PWB1~PWB4上の破 円は、実施形態1の接続端子部11,13や接続端 部14,15の位置を示している。

 なお、本実施形態においても、2次巻線を 構成する基板は少なくとも2枚であればよく また1次巻線を構成する基板についても1枚で あってもいいし、3枚以上であってもよい。

 (実施形態7)
 本発明に係るトランスの実施形態7を図19お び図20に基づいて説明する。本実施形態で 、層間接続部とコア部の間の絶縁距離を確 できるようにした点で実施形態1~6と異なっ いる。なお、その他の基本構成は実施形態1 同様であるから、同一の構成要素には同一 符号を付して説明は省略する。

 本実施形態のトランスは、図19に示すよ に、基板1~4を積層して構成される巻線部6と この巻線部6に取着されるコア部47と、基板1 ~4にはんだ固定される接続ピン18,19とを備え いる。

 コア部47は、略E字型のコア35と略I字型の ア36とで構成され、基板の積層方向(図19(b) の上下方向)において十分余裕のある高さ寸 に設定されている。そして、組立状態では 下層に配置される基板4とコア部47との間の 縁距離が確保できるようになっており、そ 結果巻線部6の漏れインダクタンスを低減で きるのである。

 また、本例では、上から基板1,基板2,基板 3,基板4の順に積層しており、2次巻線を構成 る基板2,4に層間接続部17を設けるとともに、 1次巻線を構成する基板3にのみ層間接続部16 設けている。すなわち、本例では、基板の 層方向においてコア部47に最も近い位置に配 置される基板1に層間接続部を設けていない そして、基板1~4を積層した状態では、層間 続部16,17を介して基板2の導電パターン8と基 4の導電パターン10とが電気的に接続され、2 次巻線が構成される。

 而して、本実施形態によれば、コア部47 近接して配置される(コア部47に最も近い位 に配置される)基板1以外の基板2~4にのみ層間 接続部16,17を設けており、各層間接続部16,17 コア部47との間の絶縁距離は確保できるので 、基板とコア部の間に絶縁部材を挟み込まな くてもよく、コストアップを抑えるとともに トランスの大型化を抑えることができる。

 次に、図20は、表層に配置された基板1上 層間接続部16とコア部5との間の絶縁距離を 保する方法の一例を示している。図20(a)(b) は、基板の積層方向(図20(b)中の紙面に垂直 方向)においてコア部5と層間接続部16とが重 るようにコア部5が配置されており、層間接 続部16と対向するコア部5の部位に切欠部37を け、コア部5と層間接続部16との間の絶縁距 を確保している。また、図20(c)では、基板 積層方向においてコア部5と層間接続部16と 重ならないようにコア部5を配置することで コア部5と層間接続部16との間の絶縁距離を 保している。なお、コア部5と層間接続部16 の間の絶縁距離を確保する方法は上記の例 限定されるものではなく、また実施形態1~6 示したトランスに上記の方法を適用しても い。さらに、本実施形態においても、2次巻 線を構成する基板は少なくとも2枚であれば く、また1次巻線を構成する基板についても1 枚であってもいいし、3枚以上であってもよ 。

 (実施形態8)
 本発明に係るトランスの実施形態8を図21~図 23に基づいて説明する。実施形態1~7では1次巻 線と2次巻線とでトランスを構成しているが 本実施形態では1次巻線と2次巻線と3次巻線 でトランスを構成している。なお、その他 基本構成については実施形態1と同様である ら、同一の構成要素には同一の符号を付し 説明は省略する。

 本実施形態のトランスでは、1次巻線を構 成する基板1,3と、2次巻線を構成する基板2,4 、3次巻線を構成する基板58,60とを積層する とで巻線部6が構成される。

 基板1,3には、図21(a)に示すように、3次巻 を構成する後述の導電パターン59,61間を電 的に接続する層間接続部63が設けられ、また 基板2,4にも、同様に導電パターン59,61間を電 的に接続する層間接続部64が設けられてい 。さらに、各基板1~4において接続端子部14と 接続端子部15の間には、3次巻線の両端がそれ ぞれ接続される接続端子部56,57が設けられて る。なお、本実施形態では、導電パターン8 ,10のターン数は2.5ターンに設定されている。

 基板58は、図21(a)に示すように、基板1と 同寸法に形成された横長の矩形板状のシー 基板であり、基板58の中央部には上記の挿通 孔1aと同じ位置に、略同寸法に開口する矩形 の挿通孔58aが貫設されている。また、基板5 8の挿通孔58aの周りには、ターン数が3.5ター の導電パターン59が形成されている。さらに 、基板58の長手方向における一端(図21(a)中の 端)には、基板1と同じ位置に接続端子部11~13 が設けられ、また基板58の長手方向における 端には、基板1と同じ位置に接続端子部14,15, 56,57が設けられている。

 また、基板58において層間接続部16,17に対 応する部位には、これらの層間接続部16,17と 気的に接続される層間接続部62が設けられ さらに層間接続部63,64に対応する部位には、 これらの層間接続部63,64と電気的に接続され 層間接続部65が設けられている。なお、上 の導電パターン59は、一端が層間接続部65に 続されるとともに、挿通孔58aの周りを左回 に巻回するように形成され、他端が接続端 部57に接続される。

 基板60は、図21(a)に示すように、基板1と 同寸法に形成された横長の矩形板状のシー 基板であり、基板60の中央部には上記の挿通 孔1aと同じ位置に、略同寸法に開口する矩形 の挿通孔60aが貫設されている。また、基板6 0の挿通孔60aの周りには、ターン数が3.5ター の導電パターン61が形成されている。さらに 、基板60の長手方向における一端(図21(a)中の 端)には、基板1と同じ位置に接続端子部11~13 が設けられ、また基板60の長手方向における 端には、基板1と同じ位置に接続端子部14,15, 56,57が設けられている。

 また、基板60において層間接続部16,17に対 応する部位には、これらの層間接続部16,17と 気的に接続される層間接続部62が設けられ さらに層間接続部63,64に対応する部位には、 これらの層間接続部63,64と電気的に接続され 層間接続部65が設けられている。なお、上 の導電パターン61は、一端が接続端子部56に 続されるとともに、挿通孔60aの周りを左回 に巻回するように形成され、他端が層間接 部65に接続される。

 そして、本実施形態では、最も電位の高 3次巻線を構成する基板58,60を最下層にまと て配置することで、基板の積層方向におけ 絶縁材料の厚みを薄くすることができ、そ 結果トランスの薄型化が可能になる。なお 図22は本例のトランスの回路図である。

 次に、図23(a)は、3次巻線を構成する基板5 8,60を内層に配置するとともに、3次巻線の層 接続部をこれらの基板58,60にのみ設けた場 の実施例である。本例によれば、3次巻線を 成する導電パターン59,61の周囲には絶縁材 が充填されているため、図21に比べて導電パ ターン58,61と1次巻線、2次巻線との間の絶縁 離を短くでき、その結果トランスの小型化 可能になる。

 さらに、図23(b)は、層間接続部を必要と る基板2,4(2次巻線)および基板58,60(3次巻線)を 内層に配置した場合の実施例である。本例に よれば、図23(a)と同様にトランスの小型化が 能になるとともに、図17に示したトランス 同様にコストアップを抑えることもできる

 なお、本実施形態では、3つの巻線(1次巻 、2次巻線および3次巻線)によりトランスを 成しているが、巻線の数は本実施形態に限 されるものではなく、4つ以上の巻線で構成 してもよい。また、2次巻線を構成する基板 少なくとも2枚であればよく、さらに1次巻線 や3次巻線を構成する基板についても1枚であ てもいいし、3枚以上であってもよい。

 (実施形態9)
 本発明に係るトランスの実施形態9を図24に づいて説明する。実施形態1~8では、同じタ ン数の導電パターンが形成された複数の基 により2次巻線を構成しているが、本実施形 態では、互いにターン数の異なる複数種類( 実施形態では2種類)の基板により2次巻線を 成している。なお、その他の基本構成につ ては実施形態1と同様であるから、同一の構 要素には同一の符号を付して説明は省略す 。

 本実施形態のトランスは、図24(a)に示す うに、2次巻線を構成する基板として、ター 数が3.5ターンの導電パターン8が形成された 基板2と、ターン数が2.5ターンの導電パター 10が形成された基板4とを備えており、最も ーン数の多い基板2を、1次巻線を構成する基 板1と基板3の間に配置している。なお、この 合、2次巻線の全ターン数は6ターンである ら、実施形態1~8に示したトランスと同様に 束の偏りが生じることなく出力損失を抑え ことができる。

 而して、本例によれば、最もターン数の い基板2を基板1と基板3の間に配置すること 、ターン数の少ない基板4を基板1と基板3の に配置した場合に比べて、1次巻線と2次巻 の間の巻線結合を高めることができる。

 次に、図24(b)は本実施形態の他の例を示 ており、3枚の基板1,3,38により1次巻線を構成 している。そして、基板2を基板1と基板3の間 に配置するとともに、基板4を基板3と基板38 間に配置している。この場合、2次巻線を構 する全ての基板2,4を、1次巻線を構成する基 板1,3,38の間に配置しているので、上述した図 24(a)の場合と比べて、1次巻線と2次巻線の間 巻線結合をさらに高めることができる。

 なお、本実施形態においても、2次巻線を 構成する基板は少なくとも2枚であればよく また1次巻線を構成する基板についても1枚で あってもいいし、4枚以上であってもよい。

 (実施形態10)
 本発明に係る電力変換装置の実施形態を図2 5に基づいて説明する。本実施形態の電力変 装置は、上述した実施形態1~9の何れかのト ンスを用いた電力変換回路を備えている。

 図25(a)は本実施形態の電力変換装置の一 であり、本例の電力変換回路は、上述の各 施形態に示したトランスTr1を具備し、交流 源ACの電源電圧を所望の電圧値の直流電圧に 変換するフォワード型のAC-DCコンバータ回路4 0と、出力フィルタ41とで構成されており、出 力フィルタ41の出力端間には負荷42が接続さ ている。また、トランスTr1の1次巻線にはス ッチング素子S1が直列に接続されており、 示しない制御回路により所定の周期でオン/ フされるようになっている。なお、本例で 、AC-DCコンバータ回路40の入力端に力率改善 用のPFC回路67が接続されている。

 また、図25(b)は本実施形態の電力変換装 の他の例であり、本例の電力変換回路は、 ランスTr1を具備し、直流電源Eの電源電圧を 望の電圧値の直流電圧に変換するフライバ ク型のDC-DCコンバータ回路40’と、出力フィ ルタ41’とで構成されており、出力フィルタ4 1’の出力端間には負荷42が接続されている。 また、トランスTr1の1次巻線にはスイッチン 素子S1が直列に接続されており、制御回路68 より所定の周期でオン/オフされるようにな っている。さらに、本例では、制御回路68の 作電源を生成するための電源回路69が設け れており、この電源回路69は、2次巻線の途 位置から引き出された導電パターンを介し 供給される直流電源から上記動作電源を生 する。

 ここで、巻線の途中位置から電源を取り す場合、ボビン、コアおよび巻線で構成さ るトランスでは、構造の大幅な変更や追加 子などが必要であり、コストアップやトラ スの大型化が懸念されるが、上記の各実施 態のようなシート型のトランスでは、基板 に導電パターンを引き回すことで実現可能 あり、コストアップやトランスの大型化を えることができる。

 而して、本実施形態によれば、実施形態1 ~9の何れかのトランスを用いることで、出力 失を抑えた小型の電力変換装置を提供する とができる。また、上述した電力変換回路 構成する回路部品を、トランスを構成する れかの基板に実装させた場合には、放熱面 を大きくすることができるから、1次巻線お よび2次巻線で発生する熱の放熱性を向上さ ることができる。

 なお、電力変換装置の用途は本実施形態 限定されるものではなく、例えば放電灯やL EDに点灯電力を供給する点灯装置などに用い もよい。また、電力変換装置の構成につい も本実施形態に限定されるものではなく、 ランスを用いるものであれば他の構成であ てもよい。さらに、本実施形態では、2次巻 線の途中位置から引き出した導電パターンを 電源生成用に用いているが、例えばトランス Tr1の動作検出用の信号として用いてもよい。

 (実施形態11)
 本発明に係る点灯装置ならびにそれを用い 車両用灯具および車両の実施形態を図26~図2 8に基づいて説明する。本実施形態の点灯装 は、例えば車載用の前照灯点灯装置であっ 、上述した実施形態1~9の何れかのトランス 用いた点灯回路を備えている。

 本実施形態の点灯回路は、図26(a)に示す うに、上述の各実施形態に示したトランスTr 1を具備し、直流電源Eの電源電圧を所望の電 値の直流電圧に変換するフライバック型のD C-DCコンバータ回路43と、DC-DCコンバータ回路4 3からの直流電力を高周波に変換するインバ タ回路44と、放電灯のバルブ46を始動させる めの高電圧パルスを発生させるイグナイタ 路45とで構成されている。なお、本実施形 の点灯回路はトランスTr1を除いて従来周知 ものであり、詳細な説明は省略する。

 ここで、図26(b)は本実施形態の点灯装置 基板実装例であり、上述したトランスを構 する基板1の表面に、DC-DCコンバータ回路43を 構成するコンデンサC1,C2、ダイオードD1およ スイッチング素子Q1や、インバータ回路44が 装されている。また、図26(c)は本実施形態 点灯回路の他の基板実装例を示しており、 の場合にはトランスを基板1の角部に配置す ことで、基板1へのコアの組み付けが容易に なるとともに、当該コアの固定方法(例えば ープ固定など)も容易になる。

 ここにおいて、DC-DCコンバータ回路43の動 作周波数は数100kHz~数MHz程度に設定されてお 、また直流電源Eが車載用の直流電源(バッテ リ)の場合、電源電圧の変動が5V~20V程度であ のに対して、放電灯の定格電圧は数10V~100V程 度であることから、トランスの1次巻線と2次 線の巻数比が1:3~1:10程度に設定される。さ に、近年では車載用の前照灯点灯装置の大 さを100cc未満にすることが要求されているた め、トランスの大きさも10cc程度に抑える必 があり、このようなトランスの大きさ制限 らも上記の動作周波数や巻数比が決定され 。

 次に、図27は上記の前照灯点灯装置Cを用 た車両用灯具の一例であり、図28はこの車 用灯具を搭載した車両の一例である。

 本実施形態の車両用灯具は、図27に示す うに、上記の前照灯点灯装置Cと、前照灯点 装置Cに電源を供給するためのLowビームスイ ッチ電源70と、前照灯点灯装置Cから供給され る点灯電力により点灯する前照灯LPとで構成 れており、1台の車両Dには、2組の前照灯LP よび前照灯点灯装置Cと、1つのLowビームスイ ッチ電源70が搭載される(図28参照)。また、各 前照灯点灯装置CとLowビームスイッチ電源70と の間は電線72を介して電気的に接続され、各 照灯点灯装置Cと対応する前照灯LPとの間は 線71を介して電気的に接続されている。

 そして、図示しないスイッチをオンにし Lowビームスイッチ電源70から各前照灯点灯 置Cに電源が供給されると、各前照灯点灯装 Cは対応する前照灯LPのランプに対して安定 灯に適したランプ電圧を印加し、両ランプ 安定点灯することになる。

 而して、本実施形態によれば、実施形態1 ~9の何れかのトランスを用いることによって 周波の動作周波数にも対応でき、且つ、出 損失を抑えた小型の点灯装置を実現するこ ができる。また、トランスを構成する基板1 に点灯回路を構成する回路部品を実装させる ことで放熱面積を大きくすることができるか ら、1次巻線および2次巻線で発生する熱の放 性を向上させることができる。さらに、前 灯点灯装置Cを用いることによって放熱性を 向上させた車両用灯具を実現することができ 、またこのような車両用灯具を、例えばエン ジンルーム内のように高温に曝される場所に 配置することも可能である。

 なお、本実施形態では、基板1の上面に上 記の回路部品を実装した場合を例に説明した が、回路部品を実装する位置は本実施形態に 限定されるものではなく、基板1の下面や基 1の下側に積層される別の基板の上面または 面であってもよい。また、本実施形態では 荷が放電灯の場合を例に説明したが、接続 れる負荷は本実施形態に限定されるもので なく、例えばLEDなどであってもよい。

1,3 基板(第1の基板)
2,4 基板(第2の基板)
1a~4a 挿通孔
5 コア部
6 巻線部
7,9 導電パターン(第1の巻線)
8,10 導電パターン(第2の巻線)
16 層間接続部