口山 崇 (〒72 大阪府摂津市鳥飼西5丁目1-1 株式会社カネカ内 Osaka, 5660072, JP)
YAMAMOTO, Kenji (1-1 Torikainishi 5-chomeSettsu-sh, Osaka 72, 5660072, JP)
山本 憲治 (〒72 大阪府摂津市鳥飼西5丁目1-1 株式会社カネカ内 Osaka, 5660072, JP)
株式会社カネカ (〒88 大阪府大阪市北区中之島三丁目2-4 Osaka, 5308288, JP)
KUCHIYAMA, Takashi (1-1 Torikainishi 5-chomeSettsu-sh, Osaka 72, 5660072, JP)
口山 崇 (〒72 大阪府摂津市鳥飼西5丁目1-1 株式会社カネカ内 Osaka, 5660072, JP)
YAMAMOTO, Kenji (1-1 Torikainishi 5-chomeSettsu-sh, Osaka 72, 5660072, JP)
| 少なくとも1層からなる透明導電酸化物層上に、該透明導電酸化物層の片面または両面にはカーボン層が形成され、該カーボン層が、メタン・二酸化炭素・水素から1種類以上のガスを用いた高周波プラズマCVD法により製膜され、且つガスの体積V(メタン)、V(二酸化炭素)、V(水素)が下式(1)~(3)のいずれか1つを満たすことを特徴とする、透明導電膜の製造方法。 0.7≦V(メタン)/(V(メタン)+V(水素))≦1.0 式(1) 0.6≦V(メタン)/(V(メタン)+V(二酸化炭素))≦1.0 式(2) 0.04≦V(二酸化炭素)/(V(水素)+V(二酸化炭素))≦0.10 式(3) |
| 少なくとも1層からなる透明導電酸化物層上に、該透明導電酸化物層の片面または両面にはカーボン層が形成され、該カーボン層が、カーボンをターゲットとし、二酸化炭素・水素・アルゴンから2種類以上のガスを用いたマグネトロンスパッタ法により製膜され、且つガスの体積V(二酸化炭素)、V(水素)、V(アルゴン)が下式(4)または(5)のいずれか1つを満たすことを特徴とする、透明導電膜の製造方法。 0.10≦V(二酸化炭素)/(V(二酸化炭素)+V(水素))≦0.30 式(4) 0.10≦V(二酸化炭素)/(V(二酸化炭素)+V(アルゴン))≦0.30 式(5) |
| 前記カーボン層が、550nmの波長での屈折率が1.25~1.85の範囲であり、且つ486.1nmと656.3nmでの屈折率をそれぞれn F
、n C
とした時に、下式(6)の値が0.01~0.20の範囲内であることを特徴とする、請求項1または請求2に記載の製造方法によって得られた透明導電膜。 (平均分散)=n F -n C 式(6) |
| 前記カーボン層の密度が0.3~1.3g/cm 3 であることを特徴とする、請求項3に記載の透明導電膜。 |
| 前記カーボン層の膜中に含まれる水素が36.0atom%以下であることを特徴とする、請求項3または請求項4に記載の透明導電膜。 |
| 前記カーボン層の、X線光電子分光により計算されるSP 3 の結合割合が55%以上であることを特徴とする、請求項3~5のいずれかに記載の透明導電膜。 |
| 透明基板上において、1層以上の透明導電性酸化物層と、その上の複数層の水素含有カーボン層とを含み、前記透明導電性酸化物層の少なくとも1層は酸化亜鉛を含み、前記水素含有カーボン層の少なくとも2層はその構造と組成の少なくともいずれかにおいて互いに異なっており、前記1層以上の透明導電性酸化物層が堆積された前記透明基板の光線透過率をT 0
としかつ前記複数層の水素含有カーボン層まで堆積された前記透明基板の光線透過率をT 1
とした場合に、波長550nmの光に関してT 1
/T 0
≧1.02の関係が成り立つことを特徴とする透明導電膜。 |
| 複数層の水素含有カーボン層の少なくとも1層は、波長550nmの光に関して1.40~1.70の範囲内の屈折率を有していることを特徴とする請求項7に記載の透明導電膜。 |
| 水素含有カーボン層上に、厚さ20nmでかつ酸化亜鉛を含む透明導電酸化物層をさらに含むことを特徴とする請求項1または2または7のいずれかに記載の透明導電膜。 |
| 請求項7~9いずれかの透明導電膜を製造するための方法であって、前記水素含有カーボン層が、メタンガスまたはメタンと水素の混合ガスを原料ガスとして使用する高周波プラズマCVD法によって形成されることを特徴とする透明導電膜の製造方法。 |
本発明は、主としてタッチパネルの対電 材料や保護膜、プラズマディスプレイパネ (PDP)、液晶ディスプレイ(LCD)やエレクトロル ミネッセンス(EL)ディスプレイ材料、太陽電 の透明電極や裏面電極、ハイブリッド型太 電池の透明中間層、化合物半導体高速電子 バイスに用いる低誘電率膜、表面弾性波素 、赤外線カットなどを目的とした窓ガラス ーティング、ガスセンサー、非線形光学を 用したプリズムシート、透明磁性体、光学 録素子、光スイッチ、光導波路、光スプリ タ、光音響材料への活用、高温発熱ヒータ 材料において、導電性を低下させずに光線 過率が向上する透明導電膜に関する。
タッチパネル、ディスプレイ、太陽電池 どに利用される透明導電膜においては、そ に含まれる透明導電性酸化物層として酸化 ンジウム錫(ITO)、酸化錫、酸化亜鉛などの 明導電性酸化物(TCO)が広く使用されている。 そのような透明導電性酸化物層はマグネトロ ンスパッタリング法やモレキュラビームエピ タキシ法などの物理気相堆積法(PVD法)または CVDやプラズマCVDなどの化学気相堆積法(CVD法 )によって形成され得るほか、無電解法によ ても形成され得ることが知られている。
TCOの中でもITOは透明導電材料として非常 優れた材料であり、現在では広く透明導電 酸化物層に使用されている。しかしながら 原料のインジウムが枯渇する可能性があり 資源的にもコスト的にもITOに替わる材料の 索が急務となっている。さらに、透明導電 を利用する製品の高性能化の要望に伴って 透明導電膜の透明性を従来よりも高くする 術も望まれている。
ITOに替わる透明導電性材料としては、酸 亜鉛(ZnO)が代表として挙げられる。ZnOはITO 比較して透明性に優れる反面、水分や熱に する安定性に劣ることが非特許文献1に記載 れている。
ところで、例えばタッチパネルに用いら る透明導電膜は、用途の性質上から耐衝撃 が必要である場合が多い。特許文献1~3にお ては、透明導電性酸化物層上に被覆層を形 することによって耐衝撃性が向上する旨が べられている。しかし、それらの特許文献 記載されている窒化物被覆層や酸化物被覆 などは、水分や熱に対する安定性に優れる 能性はあるが、導電性に課題が残る。一方 カーボン材料の一部には導電性に優れるも もあるが、特許文献1~3に記載されているカ ボン膜では水分や熱に対する安定性の改善 は効果がない。
一方透明性に関して、光学的な観点から 線透過率を向上させる場合、上記透明導電 化物材料と低屈折率材料を積層させること 1つの解決策となる。しかし、該低屈折率材 料の平均分散の絶対値が過剰に大きいもので は、光が透過する際に材料内での反射・透過 の波長選択性が生じてしまい、透過光に色が ついて見える場合がある。これは例えば平均 分散が正に大きいものでは高波長の光の方が 反射されやすく青味がかって見えることにな る。逆に負になるものは低波長の光が反射さ れやすく赤味がかって見えることになる。
このために、すべての光を等価に透過させ
ためには平均分散が小さい材料を選択する
要がある。
上述のように、例えばタッチパネルに用 られる透明導電膜の重要な要素としては、 明性、耐衝撃性、水分や熱に対する安定性 および導電性が考えられる。しかし、現在 流となっているITO膜以上にすぐれた透明導 性膜は実用化に至っていない。
そこで、本発明は、高い耐環境変動性と い光線透過率とを同時に達成可能な透明導 膜とその製造方法を提供することを目的と ている。
本発明による透明導電膜は、以下の構成を 有するものである。
1). 少なくとも1層からなる透明導電酸化物
上に、該透明導電酸化物層の片面または両
にはカーボン層が形成され、該カーボン層
、メタン・二酸化炭素・水素から1種類以上
のガスを用いた高周波プラズマCVD法により製
膜され、且つガスの体積V(メタン)、V(二酸化
素)、V(水素)が下式(1)~(3)のいずれか1つを満
すことを特徴とする、透明導電膜の製造方
。
0.7≦V(メタン)/(V(メタン)+V(水素))≦1.0 式(1)
0.6≦V(メタン)/(V(メタン)+V(二酸化炭素))≦1.0
式(2)
0.04≦V(二酸化炭素)/(V(水素)+V(二酸化炭素))≦0
.10 式(3)。
2). 少なくとも1層からなる透明導電酸化物
上に、該透明導電酸化物層の片面または両
にはカーボン層が形成され、該カーボン層
、カーボンをターゲットとし、二酸化炭素
水素・アルゴンから2種類以上のガスを用い
たマグネトロンスパッタ法により製膜され、
且つガスの体積V(二酸化炭素)、V(水素)、V(ア
ゴン)が下式(4)または(5)のいずれか1つを満
すことを特徴とする、透明導電膜の製造方
。
0.10≦V(二酸化炭素)/(V(二酸化炭素)+V(水素))≦0
.30 式(4)
0.10≦V(二酸化炭素)/(V(二酸化炭素)+V(アルゴン
))≦0.30 式(5)。
3). 前記カーボン層が、550nmの波長での屈折 率が1.25~1.85の範囲であり、且つ486.1nmと656.3nm の屈折率をそれぞれn F 、n C とした時に、下式(6)の値が0.01~0.20の範囲内で あることを特徴とする、1)または2)に記載の 造方法によって得られた透明導電膜。
(平均分散)=n F
-n C
式(6)
4). 前記カーボン層の密度が0.3~1.3g/cm 3
であることを特徴とする、3)に記載の透明導
膜。
5). 前記カーボン層の膜中に含まれる水 が36.0atom%以下であることを特徴とする、3)ま たは4)に記載の透明導電膜。
6). 前記カーボン層の、X線光電子分光によ 計算されるSP 3 の結合割合が55%以上であることを特徴とする 、3)~5)のいずれかに記載の透明導電膜。
7). 透明基板上において、1層以上の透明導 性酸化物層と、その上の複数層の水素含有 ーボン層とを含み、前記透明導電性酸化物 の少なくとも1層は酸化亜鉛を含み、前記水 素含有カーボン層の少なくとも2層はその構 と組成の少なくともいずれかにおいて互い 異なっており、前記1層以上の透明導電性酸 物層が堆積された前記透明基板の光線透過 をT 0 としかつ前記複数層の水素含有カーボン層ま で堆積された前記透明基板の光線透過率をT 1 とした場合に、波長550nmの光に関してT 1 /T 0 ≧1.02の関係が成り立つことを特徴とする透 導電膜。
8). 複数層の水素含有カーボン層の少な とも1層は、波長550nmの光に関して1.40~1.70の 囲内の屈折率を有していることを特徴とす 7)に記載の透明導電膜。 9). 水素含有カー ン層上に、厚さ20nmでかつ酸化亜鉛を含む透 導電酸化物層をさらに含むことを特徴とす 1)または2)または7)のいずれかに記載の透明 電膜。
10). 7)~9)いずれかの透明導電膜を製造す ための方法であって、前記水素含有カーボ 層が、メタンガスまたはメタンと水素の混 ガスを原料ガスとして使用する高周波プラ マCVD法によって形成されることを特徴とす 透明導電膜の製造方法。
以上のような本発明によって、タッチパ ル、ELディスプレイ、太陽電池などのため 特に重要な特性である「透明性」および「 環境変動性」において良好な透明導電膜を 供することが可能となる。
1 透明基板、
2 透明導電性酸化物層
3 水素含有カーボン層
4 水素含有カーボン層
5 付加的透明電極層
従来から、ダイヤモンドライクカーボン膜 を代表とするカーボン膜は、表面の摩擦低減 を目的としてコーティングされている。近年 では、カーボン膜は、太陽電池や化合物半導 体高速電子デバイスなどに用いられる低誘電 率膜などへの応用が期待されている(非特許 献2)。また、特許文献1~3においては、カーボ ン膜を被覆層として含む透明導電膜の開示が ある。
通常では、これらのカーボン膜はアルゴ ガスを用いてターゲットのカーボン材料を パッタリングすることによって成膜され、 積されるカーボン膜は水素を含まないアモ ファスカーボン膜である。このようなカー ン膜の製法では硬い膜を形成することが可 であるが、そのような硬質カーボン膜は水 や熱に対する安定な保護効果を生じ得ない 本発明者らは、構造中に水素を含有するカ ボン層(以下、「水素含有カーボン層」と称 す)を被覆層として使用することによって、 化亜鉛を含む透明導電性酸化物層が水分や に対して安定に特性を維持し得ることを見 した。
また、上記のようにスパッタリングで成 されたカーボン膜はその組成がグラファイ 構造であり、少なくとも可視光領域におい 透明なカーボン膜は作製し難かった。本発 者らは、水素含有カーボン層の堆積条件を 整することによって、水素含有カーボン層 被覆された透明導電性酸化物層の光線透過 を容易に高め得ることをも見出した。
以下、本発明に係る透明導電膜の代表的な
様を説明する。
図1~図5は、本発明に係る透明導電膜の断面説
明図である。透明導電酸化物層2の片面
(図1、2)または両面(図3)カーボン層3が形成さ
ている。図4、5ではカーボン層が2層(3と4)が
形成されている。図5ではさらに付加的透明
極5が設けられている。
透明基板1は、少なくとも可視光領域にお いて透明であればよく、硬質材料と軟質材料 のいずれであってもよい。そのような硬質材 料としては、アルカリガラス、ホウ珪酸ガラ ス、無アルカリガラスなどのガラス材料がそ の代表例であるが、サファイヤ基板などもも ちろん使用し得る。ガラス基板を使用する場 合、その厚みは使用目的に応じて任意に選択 することができるが、取り扱いの容易性と重 量とのバランスに鑑みて0.5mm~4.5mm範囲内の厚 が好ましい。
すなわち、薄過ぎるガラス基板は、その 度が不足するので、衝撃によって割れやす 。逆に、厚過ぎるガラス基板は、その重量 大きくなることとから好ましくなく、また 明導電膜が適用される機器の厚みに影響を ぼしてポータブル機器への適用が困難とな 観点からも好ましくない。さらに、厚いガ ス基板は、透明性とコストの面からも好ま くない。
他方、軟質の基板材料としては、アクリ 、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリ レフィン樹脂などの熱可塑性樹脂やポリウ タンなどの熱硬化性樹脂からなるフィルム 代表例であるが、特に透湿性が低く、カー ン膜層を基板上に形成により水分に対する リア性が向上し、表面抵抗の安定化に対し より大きな効果が期待されるので、ポリオ フィン樹脂が好ましく中でも優れた光学等 性と水蒸気遮断性に優れるポリシクロオレ ィンを主成分とするフィルムが好ましく使 され得る。ポリシクロオレフィンフィルム 、ノルボルネンの重合体、ノルボルネンと レフィンとの共重合体、シクロペンタジエ などの不飽和脂環式炭化水素の重合体など して形成され得る。
水蒸気遮断性の観点からは、フィルム構 分子の主鎖および側鎖には大きな極性を示 官能基、例えばカルボニル基やヒドロキシ 基を含まないことが好ましい。これらの軟 基板の厚みも使用目的に応じて任意に選択 ることができるが、0.03mm~3.0mm程度の範囲内 厚さであれば基板の取り扱いが容易である すなわち、薄過ぎるフィルムは、ハンドリ グが困難であることと強度が不足すること ら好ましくない。逆に、厚過ぎるフィルム 、透明性とコストの観点から好ましくなく また透明導電膜が適用される機器の厚みに 響を及ぼしてポータブル機器への適用が困 となる観点からも好ましくない。
基板1としてフィルムを用いる場合、基板 フィルムは延伸されることによって位相差値 を有し得る。基板フィルムが位相差値を有す れば、偏光板との組み合わせによって低反射 パネルを作製することが可能であり、画像の 視認性が大幅に向上することを期待し得る。
基板フィルムに位相差値を持たせるため は、周知の方法を利用することができる。 えば、一軸延伸や二軸延伸などの延伸処理 配向処理が利用され得る。この際に、フィ ムをガラス転移温度近くに維持することに って、ポリマー骨格の配向を促進させるこ が可能となる。レタデーション値の好まし 範囲は、透明導電膜の目的とする機能によ て異なるが、反射防止機能を目的とする場 には50~300nmの範囲内であることが好ましく 人間が最も強く認識する光の約550nmの波長に 対して1/4となる137nm程度であることがより好 しい。
本発明における透明導電性酸化物層2には 、透明性の高さの観点と水素含有カーボン層 の堆積時に存在する水素プラズマに対して還 元反応を生じ難い観点から、TCO中でも酸化亜 鉛が用いられる。その透明導電性酸化物層に は、抵抗率制御や安定性を目的としてドーピ ング剤を添加することができる。ドーピング 剤としては、例えばアルミニウム、ガリウム 、インジウム、錫、ホウ素などを含む化合物 や、リン、窒素などを含む化合物が挙げられ る。
透明導電性酸化物層2の堆積方法としては 、均一な薄膜が形成され得る限りにおいて種 々の方法を利用することができる。例えば、 スパッタリング、蒸着などのPVD法や各種CVD法 のような気相堆積法、さらには透明導電性酸 化物層の原料を含む溶液をスピンコート、ロ ールコート、スプレー、ディッピングなどに よって塗布した後に加熱処理で透明導電性酸 化物層を形成する方法を利用することができ る。しかし、ナノメートルレベルの厚さの薄 膜を形成しやすいという観点から、気相堆積 法が好ましい。
気相堆積法で透明導電性酸化物層2を形成 する場合、好ましい基板の温度は基板の軟化 温度にも依存するが、室温~500℃が好ましく さらに好ましくは室温~300℃が好ましい。ま 、室温から基板のガラス転移温度以下の温 が好ましく、基板のガラス転移温度より30 程度低い温度がより好ましい。すなわち、 板温度が低過ぎれば、透明導電性酸化物層 結晶性が悪くなって、望まれる透明性や導 性を達成できない可能性がある。逆に、基 温度が高過ぎれば、酸化亜鉛透明導電酸化 層の熱酸化やフィルム基板が有する位相差 が変化または消失する可能性がある。
透明導電性酸化物層2の気相堆積には、プラ ズマ放電を利用することができる。プラズマ を生じさせるパワーには特に制限はないが、 透明導電性酸化物層の生産性や結晶性の観点 から0.1~15W/cm 2 好ましくは1~13W/cm 2 の範囲内であることが好ましい。電力が小さ 過ぎる場合には、透明電極層が堆積されない 可能性がある。逆に、印加電力が大き過ぎる 場合には、プラズマによる基板へのダメージ や成膜装置へのダメージが懸念される。透明 導電性酸化物層の堆積時に使用するキャリア ガスとしては、一般的な気相堆積法に使用さ れるガスを使用することができ、例えばアル ゴン、水素、酸素、窒素などを使用すること ができる。
上記透明導電酸化物層1の膜厚は50Å~5000 が好ましい。透明導電酸化物層の膜厚が薄 場合は、透明導電酸化物層の導電性が極め 低く、有効な透明導電膜が得られない。ま 透明導電酸化物層の膜厚が厚い場合は、透 性が悪くなり、生産コストも高くなる可能 がある。 カーボン層3は炭素原子が主成分 なる化合物により形成される。窒素やリン ホウ素などのドーピングによって導電性を 上させることが可能であるが、ドーピング 施さなくても十分な導電性が期待される。
このようなカーボン層3の作製方法は、高周
波プラズマCVD法本発明に必要なカーボン層を
形成することができる。高周波プラズマCVD法
における原料ガスはメタン・二酸化炭素・水
素から1種類以上選択されたガスが使用され
その体積比を制御することでカーボン膜の
性を制御することが可能となるが、本発明
重要な特性を有するためにはそれぞれのガ
の体積をV(メタン)、V(二酸化炭素)、V(水素)
した時に、
0.7≦V(メタン)/(V(メタン)+V(水素))≦1.0 式(1)
0.6≦V(メタン)/(V(メタン)+V(二酸化炭素))≦1.0
式(2)
0.04≦V(二酸化炭素)/(V(水素)+V(二酸化炭素))≦0
.10 式(3)
の範囲で原料ガスを制御すると本発明に有効
なカーボン層を形成できる。
体積比の制御は製膜装置にマスフローコ トローラーを設置することで、良い精度で 御可能である。これらのガス体積比は、主 水接触角に影響を与え、ガス体積比が上記 囲から逸脱すると、本発明に必要な水接触 を得ることができず、結果として高温高湿 境下での耐久性の低下へとつながる。さら 、水素量が多くなると、発生した水素原子 メタンや二酸化炭素の反応により炭素原子 高密度に堆積しやすくなり、結果として高 折率のカーボン層となり、本発明のような 線透過率の向上にはつながらない。
電源のパワーについては0.05~15W/cm 2 さらには0.1~13W/cm 2 が好ましい。低パワーでは製膜速度が遅くな り生産性に大きな影響を与える可能性がある 。逆に高すぎるパワーでは、イオン化したガ スにより基材の透明導電酸化物層をエッチン グしてしまう可能性があるため好ましくない 。電源については、直流電源や高周波電源な どがあり、何れの電源も使用できるが、高周 波電源の方が製膜速度が高く、生産性の観点 から好ましい。 また本発明のカーボン層3は 、マグネトロンスパッタ法においても形成可 能である。
マグネトロンスパッタ法によりカーボン層
形成する場合、ターゲット材料には一般的
カーボンを使用することができる。キャリ
ガスとしては、二酸化炭素・水素・アルゴ
の中から2種類以上のガスを選択し、且つそ
れぞれのガスの体積をV(二酸化炭素)・V(水素)
・V(アルゴン)とした時に
0.10≦V(二酸化炭素)/(V(二酸化炭素)+V(水素))≦0
.30 式(4)
0.10≦V(二酸化炭素)/(V(二酸化炭素)+V(アルゴン
))≦0.30 式(5)
の範囲でキャリアガスを制御することで本発
明に必要なカーボン層を形成可能である。
体積比の制御は製膜装置にマスフローコ トローラーを設置することで、良い精度で 御可能である。これらのガス体積比は、主 水接触角に影響を与え、ガス体積比が上記 囲から逸脱すると、本発明に必要な水接触 を得ることができず、結果として高温高湿 境下での耐久性の低下へとつながる。さら 、水素量が多くなると、発生した水素原子 メタンや二酸化炭素の反応により炭素原子 高密度に堆積しやすくなり、結果として高 折率のカーボン層となり、本発明のような 線透過率の向上にはつながらない。アルゴ 量が多くなると、カーボン層はよりグラフ イト的なものとなり、カーボン層の色が黒 ぽくなり、透明導電膜には適さない。
電源のパワーについては0.05~15W/cm 2 さらには0.1~13W/cm 2 が好ましい。低パワーでは製膜速度が遅くな り生産性に大きな影響を与える可能性がある 。逆に高すぎるパワーでは、イオン化したガ スにより基材の透明導電酸化物層をエッチン グしてしまう可能性があるため好ましくない 。電源については、直流電源や高周波電源な どがあり、何れの電源も使用できるが、高周 波電源の方が製膜速度が高く、ターゲット付 近に堆積する絶縁炭素物質の影響が小さいな ど、生産性の観点から好ましい。
カーボン層3の膜厚は、透明導電酸化物層2
膜厚やカーボン層3の屈折率により任意の膜
を設定することができる。例えば、一次元
光学計算を実施することで、カーボン層3の
屈折率と膜厚の最適値を近似的に得ることが
できる(非特許文献3)。
屈折率は単波長または分光エリプソメー ーによって容易に且つ精度良く測定可能で る。上記のように二酸化炭素と水素の混合 を調整すること、また電源方式をDC方式とRF 方式と選択することで、幅広い屈折率の制御 が可能であることを見出した。屈折率が1.25 り小さいカーボン層では、カーボン層が有 化合物または高分子化合物となり導電性を さないので、透明導電膜としては使用でき い。
さらに、そのような材料は多孔質構造と り易く、物理的強度に問題が生じる可能性 ある。また、1.85より大きな屈折率では、通 常透明導電酸化物層と同等以上屈折率になり 反射防止効果が期待できにくい。
屈折率の波長分散性について説明する。 折率の波長分散性は、波長に依存した屈折 の変化を示すものであり、物質固有の性質 あることが非特許文献4に記載されている。 波長分散に関しては、平均分散・相対分散・ 比分散の量で定義されるのが一般的であり、 本発明においては平均分散の範囲が0.01~0.20の 範囲で制御可能であることが重要な技術であ る。平均分散は下式(6)で表される。
(平均分散)=n F
-n C
式(6)
ここでn F
、n C
はF線、C線での屈折率であり、F線、C線は水
の486.1nm(H β
)、653.3nm(H α
)線である。式(6)の値が大きいほど波長分散
が大きいとなり、逆に式(6)の値が小さいほ
波長分散性が小さいとなる。さらに式(6)の
が正であるものは正の波長分散、負である
のは負の波長分散と称されるのが一般的で
る。
本発明では波長分散の値は0.01~0.20の範囲 あることが好ましい。波長分散がこの範囲 なることで、透明電極材料としては、カー ン層側から入射した光は全波長の光が反射 スなく透過しやすくなる。
このことは、タッチパネルやディスプレ 材料に用いられる透明電極では、画像の色 償の観点から重要な特性となる。同じ透明 極でも太陽電池の透明電極に使用すると、 ーボン層と光電変換層(通常屈折率3以上)と 屈折率差により、該層間で光の全反射が起 り、結果として光を効果的に閉じ込めやす することができる。太陽電池の中間層とし 場合には、波長分散性を利用して選択的な の反射と透過により最適な特性を得ること できる。マルチユニット有機ELの透明導電 間層などでは、有機発光層との屈折率差を 用して反射ロスなく光を取り出すことがで る。
波長分散性が正に大きすぎるものは、光 選択性が顕著となりやすく、透過光に色が いて見えてしまうために好ましくない。ま 、反射光については、黄色~赤色が強く反射 されやすくなり、ディスプレイ材料としては 好ましくない。逆に波長分散が小さいもの、 負のものについても、波長選択性が顕著とな り、太陽電池などでは好ましくない。
屈折率の波長分散性については、分光エリ
ソメーターにより精度よく測定可能である
カーボン層3は構造中に水素を含有してい ることが好ましい。水素の含有量については 、36.0atom%以下が好ましく、その場合本発明に 好ましいカーボン層が形成される。水素含有 量が多い場合には、引っかき硬度が低下し、 物理的な衝撃に弱くなる他、導電性が悪くな り絶縁化合物と同等の電気特性となるため好 ましくない。カーボン層中の水素含有量につ いては、ラザフォード後方散乱(RBS)装置を用 て水素前方散乱分光(HSF)法により精度よく めることができる。また、ラザフォード後 散乱測定により膜密度についても求めるこ ができる。
カーボン層3における、X線光電子分光スペ トルの解析から得られるカーボン結合中のSP 3 の割合は55%以上が好ましい。さらに好ましく は55~90%好ましい。SP 3 の割合が小さい場合は、グラファイト的な構 造に近くなり、光線透過率の低下の原因とな る。また、SP 2 結合が多い場合は吸水性が高くなり耐久性が 低下する可能性がある。またSP 3 の割合が大きい場合は、導電性が劣り透明導 電膜の機能を果たさなくなる可能性がある。
透明導電膜の表面抵抗は、JISK7194に記載 れている四探針圧接測定で測定した。表面 抗の値は、使用するアイテムに必要とされ 特性により異なるが、5~2000ω/□が好ましい これ以上大きい表面抵抗では、透明導電膜 表面抵抗が安定にならず、特に高温高湿環 下に放置すると表面抵抗が容易に上昇する 逆にこれ以上小さい表面抵抗では、透明導 性酸化物層の膜厚が大きくなり、その応力 より透明導電性酸化物層が割れやすくなる とや、また透過率の低下やコスト面での課 が発生する。
全光線透過率は、JISK7105に記載されてい 積分球式光線透過率測定装置を用いて測定 た。
屈折率および膜厚は分光エリプソメータ で測定した。
構造中のSP 3 結合割合は、X線光電子分光(XPS)測定より得ら れる結合エネルギーのデータを解析すること で算出した。
カーボン層の密度および層中の水素含有 は、ラザフォード後方散乱法/反跳散乱法に より求めた。
具体的な測定装置について説明する。屈 率および平均分散の評価はエリプソメトリ 法から得られたδとψの値をcauchyモデルを用 いてフィッティングした。エリプソメトリー はジェイ・エー・ウーラム社製の分光エリプ ソメーターVASEを使用した。水素含有量およ 密度はラザフォード後方散乱法から求めた ラザフォード後方散乱は縦置型高分解能RBS 置HRBS500(神戸製鋼社製)を使用した。
構造中のSP 3 結合割合は、X線光電子分光(XPS)装置S-Probe ESC A Model2803(Surface Science Instruments社製)より得 れる結合エネルギーのデータを解析するこ で算出した。表面抵抗測定は低抵抗率計ロ スタGP(MCP-T610)(三菱化学社製)を使用した。光 線透過率測定は分光光度計U-4100(日立ハイテ ノロジーズ社製)を使用した。
図4は、本発明の一実施形態による透明導 電膜を模式的な断面図で示している。この図 において、厚さ0.05~1.5mmの透明基板1上に、酸 亜鉛を含む透明導電性酸化物層2が設けられ ている。透明導電性酸化物層2の表面または 板と透明導電性酸化物層2の間には、第1種水 素含有カーボン層3と第2種水素含有カーボン 4が形成されている。第1種水素含有カーボ 層3と第2種水素含有カーボン層4とは、それ の構造および/または組成が互いに異なるも である。
なお、第1種水素含有カーボン層3と第2種 素含有カーボン層4とは積層順を逆転しても よく、それらの積層を3層以上順次繰り返し もよい。また、第1種水素含有カーボン層3と 第2種水素含有カーボン層4の積層中に他の種 のカーボン層が含められてもよい。さらに 透明導電性酸化物層2は単一層である必要は なく、少なくとも1層の酸化亜鉛層を含む限 において複数のTCO層で置き換えられてもよ ことは言うまでもない。
水素含有カーボン層3、4は、空気や水分 対する酸化亜鉛透明導電性酸化物層の保護 目的とするとともに、透明導電性酸化物層 おける物理的衝撃に対する耐久性の向上と 線透過率の向上をも目的として堆積される これらの水素含有カーボン層としては、構 中に水素を含むハイドロカーボンが好まし 、物理的強度や透明性の観点からダイヤモ ドライクカーボンやアモルファスハイドロ ーボンやテトラヘドラルアモルファスハイ ロカーボンが好ましく使用され得る。
また、カーボン層3が水素含有カーボン層 である場合、水素含有カーボン層3、4のうち 少なくとも1層は、波長550nmの光に関して1.4~ 1.7の範囲内の屈折率を有することが好ましい 。このような屈折率を有する水素含有カーボ ン層で被覆することによって、透明導電膜の 光線透過率の向上が可能となる。
通常のカーボン層は、周知のCVD法、スパ タ法、イオンプレーティング法、蒸着法な の技術によって形成されるのが一般的であ が、本発明における水素含有カーボン層は 高周波プラズマCVD法によってのみ形成可能 ある。この高周波プラズマCVD法に使用され 高周波電源の周波数帯にはRF、VHF、マイク 波などの種類があるが、どの種類の高周波 源を用いても所望の水素含有カーボン層を ることができる。
また、原料ガスとしては炭素と水素を含む 般的ガスを使用することができ、所望する 素含有カーボン層の構造に応じて、例えば タンガスあるいはメタンガスを水素で希釈 て使用することができる。プラズマを生じ ための印加電力としては、特に制限はない 0.1~15W/cm 2 さらには0.1~13W/cm 2 の範囲内であることが好ましい。すなわち、 印加電力が小さ過ぎる場合には水素含有カー ボン層の堆積が達成されず、逆に大き過ぎる 場合は過剰なプラズマによって透明導電性酸 化物層2がエッチングされる可能性がある。
透明導電膜が主にタッチパネル、エレク ロルミネッセンス電極材料、太陽電池など 使用される場合には、電気的なコンタクト を向上させる目的のために、図5の模式的断 面図に示されているように水素含有カーボン 層上に、付加的な酸化亜鉛の透明導電性酸化 物層5が20nm以下の厚さに堆積され得る。すな ち、ここにおけるコンタクト性とは、透明 電膜と対向電極や電荷移動層との界面にお る電気の流れやすさを意味する。このよう 薄い付加的な透明導電性酸化物層5を形成す ることによって、透明導電膜のコンタクト性 の改善が可能となる。
付加的透明導電性酸化物層5においては、 透明性を優先してドーピングしなくてもよい が、ドーピングすることによってコンタクト 性改善への寄与を大きくすることが可能であ る。そのドーピング剤としては、例えばアル ミニウム、ガリウム、インジウム、錫、ホウ 素などを含む化合物やリン、窒素などを含む 化合物を利用することができる。
付加的透明導電性酸化物層5は薄いほど好 ましく、20nm以下の厚さに形成されることが ましく、3~12nmであることがより好ましく、5~ 10nmの厚さであることが特に好ましい。付加 透明導電性酸化物層5はコンタクト性の改善 目的としており、透明導電膜のシート抵抗 下層の透明導電性酸化物層2および水素含有 カーボン層3、4によって制御する必要がある
すなわち、付加的透明導電性酸化物層5の 厚さは、透明導電膜のシート抵抗に影響を与 えない20nm以下である。また、前述の酸化亜 層の水分や熱に対する不安定さも、その厚 を20nm以下に小さくすることによって回避す ことができる。
さらに付加的透明導電性酸化物層5は、図 5に示すように複数層からなるカーボン層の に挿入されるように形成されることで、透 導電膜の引っかき強度などの物理的強度が 上する。
透明導電膜のシート抵抗は、JISK7194に規 されている四探針圧接測定法によって測定 れた。そのシート抵抗の値は、例えばタッ パネルなどに必要とされる特性に依存して なるが、200~2000ω/□の範囲内であることが好 ましい。すなわち、シート抵抗が大き過ぎる ことは透明導電性酸化物層が薄過ぎることを 意味し、透明導電膜のシート抵抗が安定にな らず、特に高温高湿環境下に放置すればシー ト抵抗が容易に上昇する。
逆に、シート抵抗が小さ過ぎることは透 導電性酸化物層が厚過ぎることを意味し、 の内部応力によって透明導電性酸化物層が れやすくなり、透明導電性酸化物層の透過 低下やコスト上昇の問題をも生じる。
波長550nmの光に関する透明導電膜の光線透 率は、JISK7105に規定されている積分球式光線 透過率測定装置を用いて測定された。本発明 による透明導電膜の光線透過率においては、 透明基板1上に透明導電性酸化物層2形成した の透過率をT 0 として、水素含有カーボン層3、4で被覆した の透過率をT 1 とした場合に、T 1 /T 0 ≧1.02の関係を満たすことが重要な特徴であ 。ただし、これらの透過率T 0 とT 1 は、上述のように波長550nmの光に関するもの ある。すなわち、本発明においては、水素 有カーボン層の組成や構造を制御すること よって、一般的な低反射膜と同等以上の効 を示すことが見出された。
以下においては、上述の本発明の実施形 に対応して、種々の実施例が幾つかの比較 とともに説明される。
(実施例1~4、比較例1~2)
無アルカリガラス基板(商品名OA-10、日本電
硝子社製、厚み0.7mm)上に酸化亜鉛透明導電
化物層をスパッタ製膜した。製膜条件は、
ャリアガスとしてアルゴンを使用し、8Paの
境下で10W/cm 2
のパワーをかけて500Åになるように実施した
。さらにその上にカーボン層を高周波プラズ
マCVDにより、全圧が100Paの環境下で製膜した
メタンと水素のガスの流量を表1に従って変
更した。このようにして作製された透明導電
膜の特性とカーボン層の物性を評価した。
(実施例5)
無アルカリガラス基板(商品名OA-10、日本電
硝子社製、厚み0.7mm)上にカーボン層を高周
プラズマCVDにより、メタンを原料ガスとし
、全圧が100Paの環境下で600Å製膜した。さ
に酸化亜鉛透明導電酸化物層をスパッタ製
した。製膜条件は、キャリアガスとしてア
ゴンを使用し、8Paの環境下で10W/cm 2
のパワーをかけて500Åになるように実施した
。このようにして作製された透明導電膜の特
性とカーボン層の物性を評価した。
(実施例6)
無アルカリガラス基板(商品名OA-10、日本電
硝子社製、厚み0.7mm)上にカーボン層を高周
プラズマCVDにより、メタンを原料ガスとし
、全圧が100Paの環境下で600Å製膜した。さ
に酸化亜鉛透明導電酸化物層をスパッタ製
した。製膜条件は、キャリアガスとしてア
ゴンを使用し、8Paの環境下で10W/cm 2
のパワーをかけて500Åになるように実施した
。さらにその上にカーボン層を高周波プラズ
マCVDにより、メタンを原料ガスとして、全圧
が100Paの環境下で600Å製膜した。このように
て作製された透明導電膜の特性とカーボン
の物性を評価した。
(実施例7~8、比較例3)
無アルカリガラス基板(商品名OA-10、日本電
硝子社製、厚み0.7mm)上に酸化亜鉛透明導電
化物層をスパッタ製膜した。製膜条件は、
ャリアガスとしてアルゴンを使用し、8Paの
境下で10W/cm 2
のパワーをかけて500Åになるように実施した
。さらにその上にカーボン層をマグネトロン
スパッタリング法により製膜した。
製膜条件は、アルゴンまたは水素と二酸化 素の流量比を8:2(実施例7、8)または水素のみ (比較例3)として全圧が8.0Paの環境下で600Å製 した。電源は13.56MHzの高周波電源を用い、10 W/cm 2 のパワーで製膜した。このようにして作製さ れた透明導電膜の特性とカーボン層の物性を 評価した。
(比較例4)
無アルカリガラス基板(商品名OA-10、日本電
硝子社製、厚み0.7mm)上に酸化亜鉛透明導電
化物層をスパッタ製膜した。製膜条件は、
ャリアガスとしてアルゴンを使用し、8Paの
境下で10W/cm 2
のパワーをかけて500Åになるように実施した
。
こうして作製された透明導電膜における ート抵抗は500ω/□であり、波長550nmの光に する光線透過率は85%であった。
さらに、本比較例1の透明導電膜を85℃と8 5%RHの環境下で1週間放置したところ、シート 抗は1680ω/□に大きく上昇し、波長550nmの光 関する光線透過率も85%のままであった。
すなわち、後述の実施例9に比べて、本比 較例4の透明導電膜においては、水素含有カ ボン被覆層も省略されているので、シート 抗に関する耐候性が実用に適しない程に低 なっている。
比較例1~3において、シート抵抗の値が比較
4よりも上がっており、導電性が低下してい
ることがわかる。これは、カーボン層の製膜
初期が、カーボン層製膜とメタン/水素によ
酸化亜鉛のエッチングの競争反応となって
ることが原因であると推定される。
これらの結果について、カーボン層の製膜条
件と膜厚および電気・光学的特性を表1に、
ーボン層の物性について表2に示す。表中の
項目の単位について表3に示す(波長分散に
いては算出式を示す)。
(実施例9)
本発明の実施例9においては、無アルカリガ
ラス基板1(商品名OA-10、膜厚0.7mm、日本電気硝
子社製)上に、酸化亜鉛の透明導電層2がスパ
タリングによって堆積された。具体的な堆
条件として、成膜室内において基板温度が2
00℃に設定され、キャリアガスとしてアルゴ
ガスが20sccmの流量で導入され、8Paの圧力下
200WのDCパワー(本装置においては10W/cm 2
のパワーとなる)が印加され、そして5分間の
積を行なうことによって厚さ50nmの酸化亜鉛
層2が形成された。
酸化亜鉛層2上には、第1種水素含有カーボ 層3が高周波プラズマCVD法で堆積された。具 的な堆積条件として、成膜室内において基 温度が200℃に設定され、メタンガスと水素 スがそれぞれ10sccmと200sccmの流量で導入され 、70Paの圧力下で200W(10W/cm 2 )のRFパワーが印加され、そして20分間の堆積 行なうことによって厚さ5nmの第1種水素含有 カーボン層3が形成された。こうして得られ 第1種水素含有カーボン層3は、波長550nmの光 関して1.90の屈折率を有していた。なお、こ の屈折率は、分光エリプソメータVASE(ジェイ エー・ウーラム社製)の測定をフィティング することによって得られた。
第1種水素含有カーボン層3上には、異なる 成を有する第2種水素含有カーボン層4が高周 波プラズマCVD法で堆積された。具体的な堆積 条件として、成膜室内において基板温度が200 ℃に設定され、メタンガスが50sccmの流量で導 入され、70Paの圧力下で200W(10W/cm 2 )のRFパワーが印加され、そして20分間の堆積 行なうことによって厚さ80nmの第2種水素含 カーボン層4が形成された。この第2種水素含 有カーボン層4は、波長550nmの光に関して1.55 屈折率を有していた。
こうして作製された本実施例9の透明導電 膜におけるシート抵抗は290ω/□であり、波長 550nmの光に関する光線透過率は90%であった。 の時、シート抵抗の値が酸化亜鉛透明導電 化物層のみ(比較例4)および実施例1の値より 小さくなり、導電性が向上していることがわ かる。これは、カーボン製膜時の水素原子に よるパッシベーション効果によるものと推定 される。
また、この透明導電膜において、T 1 /T 0 =1.07であった。このことは、水素含有カーボ 層3と水素含有カーボン層4で酸化亜鉛層2を 覆することによって、光線透過率が顕著に 善されたことを意味する。
さらに、本実施例9の透明導電膜を85℃と8 5%RH(相対湿度)の環境下で1週間放置したとこ 、シート抵抗が300ω/□へ少し上昇したが、 長550nmの光に関する光線透過率は90%のままで あった。このことは、前述の比較例4との対 から分かるように、水素含有カーボン層3お び4で酸化亜鉛層2を被覆することによって 透明電極膜のシート抵抗に関する耐候性が 著に改善されることを意味する。
(実施例10)
本発明の実施例10においては、まず実施例9
場合と同様にして、無アルカリガラス基板1
上に、酸化亜鉛層2、第1種水素含有カーボン
3、および第2種水素含有カーボン層4が順次
積された。
その後さらに、第2種水素含有カーボン層 4上に、第3層目の水素含有カーボン層(図示せ ず)が高周波プラズマCVD法で堆積された。こ 第3層目の水素含有カーボン層は、第1層目の 第1種水素含有カーボン層3と全く同じ堆積条 で形成されており、同じ厚さ、構造、組成 および屈折率を有するものである。
こうして作製された本実施例10の透明導電 におけるシート抵抗は320ω/□であり、波長55 0nmの光に関する光線透過率は86%であった。ま た、この透明導電膜においては、T 1 /T 0 =1.02であった。
さらに、本実施例10の透明導電膜を85℃と 85%RHの環境下で1週間放置したところ、シート 抵抗は320ω/□のままであり、波長550nmの光に する光線透過率も86%のままであった。
実施例9に比べて、本実施例10の透明導電 においては付加的な水素含有カーボン層を んでいるので、シート抵抗が少し上昇して 線透過率が少し低下しているが、シート抵 に関する耐候性が改善していることが分か 。すなわち、本発明による透明電極膜にお て、望まれる場合には、3層以上の水素含有 カーボン被覆層を含んでもよいことが明らか であろう。
(実施例11)
実施例9に比べて、水素含有カーボン層の積
層順序が反転されていたことのみにおいて異
なっていた。
こうして作製された本実施例11の透明導電 において、シート抵抗は290ω/□であり、波 550nmの光に関する光線透過率は88%であった。 また、この透明導電膜においては、T 1 /T 0 =1.03であった。
さらに、本実施例3の透明導電膜を85℃と8 5%RHの環境下で1週間放置したところ、シート 抗は300ω/□へ少し上昇し、波長550nmの光に する光線透過率は88%のままであった。
すなわち、本実施例11と実施例9との比較 ら、水素含有カーボン層は、それらの積層 序にかかわらずにほぼ同等の効果を発揮し ることが理解されよう。
(実施例12)
本実施例は図5に対応しており、実施例9に
べて、水素含有カーボン層4上に付加的な酸
亜鉛層5が堆積されたことのみにおいて異な
っていた。
この付加的な酸化亜鉛層5の堆積条件は、 酸化亜鉛透明導電性酸化物層2に比べて、堆 時間が1分間に短縮されて堆積厚さが10nmに低 減されたことのみにおいて異なっていた。
こうして作製された本実施例12の透明導電 におけるシート抵抗は290ω/□であり、波長55 0nmの光に関する光線透過率は90%であった。ま た、この透明導電膜においては、T 1 /T 0 =1.03であった。
さらに、本実施例12の透明導電膜を85℃と 85%RHの環境下で1週間放置したところ、シート 抵抗が300ω/□へ少し上昇し、波長550nmの光に する光線透過率は90%のままであった。
すなわち、本実施例12と実施例9との比較 ら、水素含有カーボン被覆層上に厚さ10nm以 下の極めて薄い付加的な酸化亜鉛層を堆積し ても、透明電極膜の特性および耐候性に対し て何ら悪影響を及ぼさないことが明らかであ ろう。
以上のように、本発明によれば、高い耐 境変動性と高い光線透過率とを同時に達成 能な透明導電膜とその製造方法を提供する とができる。
