後藤 裕史 (())
株式会社神戸製鋼所 (〒85 兵庫県神戸市中央区脇浜町二丁目10番26号 Hyogo, 6518585, JP)
GOTOU, Hiroshi (())
| 窒素を含有する第1の透明導電膜と、窒素を含有しない第2の透明導電膜とを含み、 前記第1の透明導電膜はアルミニウム合金膜に接触している表示デバイス用透明電極。 |
| 前記第1の透明導電膜中に含まれる窒素の比率は、1.5原子%以上5原子%以下である請求項1に記載の表示デバイス用透明電極。 |
| 前記第1の透明導電膜の厚さ(T1)は、1nm以上25nm以下の範囲内である請求項1または2に記載の表示デバイス用透明電極。 |
| 前記第1の透明導電膜の厚さ(T1)と、前記第2の透明導電膜の厚さ(T2)との比(T1/T2)は1以下である請求項1~3のいずれかに記載の表示デバイス用透明電極。 |
| 前記アルミニウム合金膜は、合金成分として、Ni,Ag,Zn,Cu,およびGeよりなる群から選択される少なくとも一種の元素を0.1原子%以上6原子%以下の範囲で含有するものである請求項1~4のいずれかに記載の表示デバイス用透明電極。 |
| 前記アルミニウム合金膜は、合金成分として、Ni,Ag,Zn,Cu,およびGeよりなる群から選択される少なくとも一種の元素を0.1原子%以上2原子%以下の範囲で含有するものである請求項1~4のいずれかに記載の表示デバイス用透明電極。 |
| 前記アルミニウム合金膜は、合金成分として、更に、La,Gd,Dy,Mg,Nd,Y,Fe,およびCoよりなる群から選択される少なくとも一種の元素を0.1原子%以上2原子%以下の範囲で含有するものである請求項1~6のいずれかに記載の表示デバイス用透明電極。 |
| 前記アルミニウム合金膜は、ソース-ドレイン電極または反射電極に用いられるものである請求項1~7のいずれかに記載の表示デバイス用透明電極。 |
| 請求項1~8のいずれかに記載の表示デバイス用透明電極を備えた表示デバイス。 |
| 請求項1~8いずれかに記載の表示デバイス用透明電極を製造する方法であって、 アルミニウム合金膜に、窒素を含有する第1の透明導電膜をスパッタリング法で蒸着する第1の工程と、 前記窒素を含有する第1の透明導電膜に、窒素を含有しない第2の透明導電膜をスパッタリング法で蒸着する第2の工程と、を包含し、 前記第1の工程は、不活性ガスと窒素ガスとの混合ガスを用い、前記混合ガスの流量F1に対する窒素ガスの流量F2の比(F2/F1)を0.05以上0.5以下の範囲内に制御して行われることを特徴とする表示デバイス用透明電極の製造方法。 |
本発明は、表示デバイス用透明電極およ その製造方法に関し、詳細には、透明電極 構成する透明導電膜がソース-ドレイン電極 や反射電極などに用いられるアルミニウム合 金膜と直接接触している表示デバイス用透明 電極の改良技術に関するものである。
近年、液晶ディスプレイの開発が進展し 100インチを超える画面サイズの液晶パネル 製造されるようになった。30~40インチ画面 液晶ディスプレイ搭載のTVも量産されており 、製造コストの低減が強く望まれている。TV パソコン用液晶ディスプレイは、1画素毎に 1トランジスタを配置する構造を有するアク ィブパネル型が、動作速度が速いため、主 となっている。
図3は、従来のアクティブパネル型液晶表 示デバイスの概略断面の一例を示すものであ る。図3において、TFT1(薄膜トランジスタ、Thi n Film Transistor)が碁盤目状に配置されたTFTア イ基板2と、TFTアレイ基板2に対向配置され 対向基板3と、TFTアレイ基板2と対向基板3と 間に配置された光変調層として機能する液 層4から構成されている。TFTアレイ基板2は、 ガラス等の絶縁性の基板上に配置されたTFT1 透明電極5、走査線及び信号線を含む配線部( 不図示)、及び配線部間の絶縁膜(不図示)から 構成される。対向基板3は、全面に形成され 共通電極6と、透明電極5に対向する位置に配 置されたカラーフィルタ7、TFTアレイ基板2上 TFT1や配線部に対向する位置に配置された遮 光膜8等から構成される。TFTアレイ基板2及び 向基板3を構成する絶縁性基板の外面には、 偏光板9が配置され、また対向基板3には液晶 4に含まれる液晶分子を所定の向きに配向す るための配向膜10が配置されている。
図3に示した液晶パネルにおいては、対向 電極3と透明電極5の間の電圧差によって液晶 4に含まれる液晶分子の配向が制御され、TFT アレイ基板2と対向基板3との間の液晶層4を通 過する光が変調される。これにより、カラー フィルタ7を透過する光量が制御され、コン ラストのあるカラー画素が表示される。TFT レイ基板2は、TFTアレイ外部に引き出されたT ABテープ11を経由して、ドライバIC12と制御IC13 によって駆動される。
図4は、図3に示したTFT1付近の拡大断面図で
る。図4において、TFTアレイ基板2に、低抵
n形半導体ポリシリコン(n +
poly-Si)からなるソース領域14及びドレイン領
15と、チャネル層16であるポリシリコン(poly-S
i)が形成され、ゲート絶縁層17を介してゲー
電極18が形成されている。ソース領域14及び
レイン領域15は、各々、ソース電極19及びド
レイン電極20に接続され、ドレイン電極20は
ITO(Indium-Tin-Oxide)で形成される透明電極5に接
される。透明電極5は、Mo、Cr、Ti、W等の高
点金属で構成されたバリアメタル層21aを介
てドレイン電極20に接続されている。また、
透明電極5は、Mo等の高融点金属で構成された
バリアメタル層21bを介して反射電極22に接続
れている。
反射電極22を設けることにより、TFT1の直上
液晶分子の配向が促されるとともに、反射
極22による透過光の反射によって液晶画素
輝度が向上し、また、液晶ディスプレイの
点であった狭い視野角が拡大されるという
果が得られる。
ソース電極19-ドレイン電極20に電気的に 続されるソース-ドレイン配線や、透明電極5 に電気的に接続される信号線(透明電極用信 線)は、電気抵抗率が低く、加工が容易であ などの理由により、純AlまたはAl-Ndなどのア ルミニウム合金(以下、これらをまとめてア ミニウム系合金と呼ぶ。)の薄膜から形成さ ている。
次に、液晶表示デバイスの動作原理につ て説明する。TFT1のゲート電極18に電圧(ゲー ト電圧)が印加されると、TFT1がオン状態とな 、予めソース電極19及びドレイン電極20に印 加されていた駆動電圧により、ソース電極19 らチャンネル層16を経由してドレイン電極20 に電流が流れ、この結果、透明電極5に電圧 印加され、図3に示した共通電極6との間に電 位差を生じ、液晶層4に含まれる液晶分子が 向して光変調が生じる。
図4において、透明電極5とドレイン電極20 との間、および透明電極5と反射電極22との間 に、それぞれ、Mo等の高融点金属で構成され バリアメタル層21a、および21bを設ける理由 、ドレイン電極20および反射電極22を透明電 極5と直接接続すると接触抵抗が上昇し、画 の表示品位が低下するからである。透明電 用配線材料として用いられるAlは非常に酸化 され易いため、液晶パネルの成膜過程で生じ る酸素や成膜時に添加する酸素などにより、 Al系合金薄膜と透明電極との界面にAl酸化物 絶縁層が生成してしまう。また、透明電極 料として汎用されている透明導電膜のITO[イ ジウム(In)とスズ(Sn)との酸化物、Indium Tin O xide]やIZO[インジウム(In)と亜鉛(Zn)との酸化物 Indium Zinc Oxide]は、導電性の金属酸化物で るが、上記のようにAl酸化物層が生成すると 、電気的なオーミック接続を行うことができ ない。
しかし、バリアメタル層を形成するため は、Al系合金配線形成用の成膜装置に加え バリアメタル形成用の成膜装置が別途必要 なる。具体的には、バリアメタル形成用の 膜チャンバーをそれぞれ余分に装備した成 装置(代表的には、複数の成膜チャンバーが ランスファーチャンバーに接続されたクラ タツール)を用いなければならないため、製 造コストの上昇や生産性の低下を招く。
また、バリアメタル層として用いられる 属と、アルミニウム系合金とは、薬液を用 たウェットエッチングなどの加工工程での 工速度が異なるため、加工工程における横 向の加工寸法を制御することが極めて困難 なる。したがって、バリア層の形成は、成 上の観点だけでなく加工の観点でも工程の 雑化を招き、製造コストの上昇や生産性の 下をもたらす。
そこで、バリアメタル層の形成を省略し アルミニウム系合金膜を透明電極と直接接 することが可能なダイレクトコンタクト技 が提案されている(特許文献1~特許文献3)。
このうち特許文献1には、透明電極と直接 接続することが可能な材料として、Au,Ag,Zn,Cu, Ni,Sr,Sm,Ge,Biよりなる群から選択される少なく も1種の合金元素を合計で0.1~6原子%含むアル ミニウム合金薄膜が開示されている。
特許文献2には、アルミニウム合金膜を透 明電極と直接接続することが可能であり、薬 品耐性、特にアルカリ性の現像液や剥離液に 対して優れた耐性を有する材料として、合金 成分として少なくともNiを0.1~6原子%含有する ルミニウム合金膜(第1層)の上部に、窒素含 アルミニウム合金膜(第2層)が形成されたア ミニウム合金多層膜が開示されている。
特許文献3には、アルミニウム合金膜を透 明電極と直接接続することが可能な他の材料 として、Au,Ag,Zn,Cu,Ni,Sr,Sm,Ge,Biよりなる群から 択される少なくとも1種の合金元素を合計で 0.1~6原子%含むアルミニウム合金膜と透明電極 との界面に当該アルミニウム合金の酸化皮膜 が形成されており、上記酸化皮膜の厚さおよ び酸素含有量が適切に制御された材料が開示 されている。
一方、ダイレクトコンタクト技術に関す ものではないが、特許文献4には、窒素を含 む透明導電膜を備えた透明電極が開示されて いる。
特許文献4は、画素電極形成後に不純物除去
の目的で行なわれるH 2
洗浄時における問題点(画素電極を構成するIT
Oの金属成分が還元されて金属が表面に析出
れるため、画素の透過率が低下する)の改善
術に関する。ここには、上記の問題を解決
るため、窒素を含有する導電膜を表面に有
る画素電極が開示されており、具体的には
窒素を含む透明導電膜(単層膜)からなる画
電極、および透明導電膜の上に窒素を含む
明導電膜を有する積層膜からなる画素電極
開示されている。
本発明者は、上記特許文献1~3に記載のよ なダイレクトコンタクト関連技術の更なる 性改善を目指し、検討を重ねてきた。詳細 は、上記の特許文献では、Al中の合金元素 加量を0.1~6原子%に制御することによって接 抵抗の低減などを図っているが、実操業で 、合金元素の添加量をできるだけ少なく(例 ば、0.1~2原子%程度に)しても上記の特性が得 られ、高性能の表示デバイスを安定して再現 性良く製造できる技術の提供が強く求められ ている。そのためには、(a)接触抵抗は、所望 の低いレベルを維持しつつ、その分散(デー のバラツキの程度)をできるだけ抑え、且つ (b)可視光透過特性は劣化させないことが必 である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたも であり、その目的は、アルミニウム合金膜 透明電極との間に通常設けられるバリアメ ル層を省略しても、低い接触抵抗を維持し つ、その分散(バラツキ)を小さく抑えるこ ができ、しかも、光透過特性にも優れた表 デバイス用透明電極、およびその製造方法 提供することにある。
上記の課題を解決することのできた本発 の表示デバイス用透明電極は、窒素を含有 る第1の透明導電膜と、窒素を含有しない第 2の透明導電膜とを含み、前記第1の透明導電 はアルミニウム合金膜に接触しているとこ に要旨を有している。
好ましい実施形態において、前記第1の透 明導電膜中に含まれる窒素の比率は、1.5原子 %以上5原子%以下である。
好ましい実施形態において、前記第1の透 明導電膜の厚さ(T1)は、1nm以上25nm以下の範囲 である。
好ましい実施形態において、前記第1の透 明導電膜の厚さ(T1)と、前記第2の透明導電膜 厚さ(T2)との比(T1/T2)は1以下である。
好ましい実施形態において、前記アルミ ウム合金膜は、合金成分として、Ni,Ag,Zn,Cu, よびGeよりなる群から選択される少なくと 一種の元素を0.1原子%以上6原子%以下、さら 好ましくは0.1原子%以上2原子%以下の範囲で 有するものである。
好ましい実施形態において、前記アルミ ウム合金膜は、合金成分として、更に、La,G d,Dy,Mg,Nd,Y,Fe,およびCoよりなる群から選択され る少なくとも一種の元素を0.1原子%以上2原子% 以下の範囲で含有するものである。
好ましい実施形態において、前記アルミ ウム合金膜は、ソース-ドレイン電極または 反射電極に用いられるものである。
本発明の表示デバイスは、上記のいずれ に記載の透明電極を備えている。
上記課題を解決することのできた本発明 係る表示デバイス用透明電極の製造方法は アルミニウム合金膜に、窒素を含有する第1 の透明導電膜をスパッタリング法で蒸着する 第1の工程と、前記窒素を含有する第1の透明 電膜に、窒素を含有しない第2の透明導電膜 をスパッタリング法で蒸着する第2の工程と を包含し、前記第1の工程は、不活性ガスと 素ガスとの混合ガスを用い、前記混合ガス 流量F1に対する窒素ガスの流量F2の比(F2/F1) 0.05以上0.5以下の範囲内に制御して行われる とに要旨を有している。
本発明は上記のように構成されているた 、透明電極をアルミニウム合金膜と直接接 しても、分散(バラツキ)の少ない低い接触 抗と、高い透過率とを備えた表示デバイス 透明電極が得られる。
本発明による上記作用は、アルミニウム 金膜に含まれるNiなどの合金成分の添加量 6原子%以下の場合に発揮され、2原子%以下と に少ない場合に顕著となる。
従って、本発明の表示デバイス用透明電 を用いれば、高性能の表示デバイスを安定 て再現性良く製造することができる。
1 TFT
2 TFTアレイ基板
3 対向基板
4 液晶層
5 透明電極
6 共通電極
7 カラーフィルタ
8 遮光膜
9 偏光板
10 配向膜
11 TABテープ
12 ドライバIC
13 制御IC
14 ソース領域
15 ドレイン領域
16 チャネル層
17 ゲート絶縁膜
18 ゲート電極
19 ソース電極
20 ドレイン電極
21a、21b バリアメタル層
22 反射電極
25 走査線
26 ゲート電極
27 ゲート絶縁膜
28 ソース電極
29 ドレイン電極
30 シリコン窒化膜
32 コンタクトホール
33 活性半導体層
55 水素化アモルファスシリコン膜
56 n +
型水素化アモルファスシリコン膜
60、70 透明電極
61 窒素を含有する第1の透明導電膜
62 窒素を含有しない第2の透明導電膜
63 アルミニウム合金膜
64 透明導電膜
65 コンタクトホール
67 絶縁膜
本発明者は、前述した特許文献1~特許文 3に開示されているダイレクトコンタクト技 (透明電極をアルミニウム合金膜と直接接続 しても接触抵抗を低減することが可能な技術 )において、アルミニウム中の合金元素添加 を低く(おおむね、2原子%程度以下)抑えても 高性能の表示デバイスを安定して再現性良 製造できる技術を提供するため、検討を重 てきた。その結果、アルミニウム中の合金 素添加量を少なくすると、接触抵抗の分散 大きくなることが判明した。この問題は、 れまでのダイレクトコンタクト技術におい 、特に、認識されていなかったものである そこで、本発明者は、主に、「接触抵抗の 散を小さくする」という観点に基づき、更 検討を重ねてきた。詳細には、表示デバイ 用透明電極に要求される低い接触抵抗と高 透過率はそのまま維持することを前提とし 、接触抵抗の分散を小さく抑えることが可 な技術を、表示デバイス用透明電極の改良 いう観点から、検討を重ねてきた。その結 、表示デバイス用透明電極を、窒素を含有 る第1の酸化物透明導電膜(Transparent Conductive Oxide;TCO)と、窒素を含有しない第2の透明導 膜とからなる積層薄膜とし、且つ、第1の透 導電膜がアルミニウム合金膜に接触するよ な積層薄膜の構成とすれば所期の目的が達 されることを見出し、本発明を完成した。
以下では、説明の便宜上、窒素を含有し い第2の透明導電膜を単に「窒素非含有透明 導電膜」または「TCO」と呼び、これに対し、 窒素を含有する第1の透明導電膜を単に「窒 含有透明導電膜」または「TCO:N」と呼ぶ場合 がある。従来の代表的な表示デバイス用透明 電極は、ITOやIZOなどのように、透明導電膜(TC O)のみから構成されている。
本明細書において、「表示デバイス用透 電極」には、表示デバイスに用いられる透 電極(代表的には透明画素電極)自体のみな ず、透明電極に電気的に接続される配線(信 線)も含まれる。以下では、説明の便宜上、 「表示デバイス用透明電極」を、単に「透明 電極」と呼ぶ場合がある。
以下、図1を参照しながら、本発明に係る 透明電極の実施形態を説明する。図1(b)は、 発明の透明電極が設けられたTFT基板の一部 模式的に示す概略断面図であり、図1(a)は、 許文献1~特許文献3に開示された従来の透明 極が設けられたTFT基板の一部を模式的に示 概略断面図である。
図1(b)に示すように、本発明の透明電極60 、窒素を含有する第1の透明導電膜(TCO:N)61と 、窒素を含有しない第2の透明導電膜(TCO)62と らなり、第1の透明導電膜61は、アルミニウ 合金膜63に直接接触している。このように 発明の透明電極60は、窒素を含有しない第2 透明導電膜(TCO)62とアルミニウム合金膜63と 間に窒素を含有する第1の透明導電膜(TCO:N)61 有している点で、第1の透明導電膜(TCO:N)61を 有しておらず、透明導電膜(TCO)64とアルミニ ム合金膜63とが直接接触している従来の透明 電極70と相違している。
本発明のように、第2の透明導電膜(TCO)/第 1の透明導電膜(TCO:N)/アルミニウム合金膜の積 層構造とすることにより、透明電極をアルミ ニウム合金膜と直接接続しても、低い接触抵 抗を維持したまま接触抵抗の分散を抑えるこ とができ、しかも、高い透過率も確保できる 理由(メカニズム)は、詳細には不明であるが 第1の透明導電膜(TCO:N)が所謂バリア層とな て、第2の透明導電膜(TCO)からアルミニウム 金膜への酸素の移動が防止され、アルミニ ム合金膜の酸化が防止される結果、第2の透 導電膜(TCO)の還元が有効に防止されるため 推察される。これに対し、従来のように、 明導電膜とアルミニウム合金膜とが直接に 触している場合には、透明導電膜に過剰に まれる酸素によってアルミニウム合金膜表 に酸化膜が形成されるため、所望の特性を 保することができなかったと推察される。
第1の透明導電膜(TCO:N)による上記バリア 用(酸素拡散防止作用など)は、特に、アルミ ニウム合金膜中に含まれる合金元素の量が約 2原子%以下と、比較的少ない場合に、有効に 揮される。合金元素の量が約2原子%を超え 場合には、合金元素自体が、第1の透明導電 (TCO:N)と同様のバリア作用を発揮し得るため 、接触抵抗の分散が大きくなるなどの問題は 顕著に見られないためである。従って、アル ミニウム合金膜中に含まれる合金元素の量が 約2原子%を超える場合には、必ずしも、本発 の構成を採用する必要はないが、更なる特 改善を目指して、アルミニウム合金膜中に まれる合金元素の量が約2~6原子%の場合であ っても、本発明の構成を採用しても良いこと はいうまでもない。
第1の透明導電膜(TCO:N)によるバリア作用 、第1の透明導電膜をアルミニウム合金膜と 2の透明導電膜(TCO)との間に介在させること よって得られるが、接触抵抗の分散を更に えることなどを目指して、(a)第1の透明導電 膜中の窒素含有量を適切に制御したり、(b)第 1の透明導電膜の厚さ(T1)や、第1の透明導電膜 の厚さ(T1)と第2の透明導電膜の厚さ(T2)との比 (T1/T2)を適切に制御することが有効である(詳 は後述する)。
なお、前述した特許文献4にも、窒素を含 む透明導電膜を備えた透明電極が開示されて いるが、以下の点で本発明の透明電極と相違 している。
まず、両者は、解決課題が相違する。特許 献4は、画素電極形成後に行なわれるシンタ リング工程(半導体界面層の欠陥修復のため H 2 アニール工程)において、ITOなどの金属成分 還元による画素の透過率低下を防止する技 に関し、特に、ITO表層の還元防止を目的と ており、本発明のように、アルミニウム合 膜を透明電極と直接接続するダイレクトコ タクト技術に関するものではない。特許文 4では、データ線やドレイン電極は、下部膜( Mo、Mo合金、Crなどのバリア層)と上部膜(AlやAl 合金膜)とから構成されており、特許文献4に 、本発明のように、バリアメタル層を省略 てアルミニウム合金膜を透明電極と直接接 させるというダイレクトコンタクト技術の 想は全くない。
更に、両者の構成も相違する。両者は、い れも、窒素を含有する透明導電膜(TCO:N)を有 している点で一致しているが、窒素含有透明 導電膜(TCO:N)は、本発明では、窒素非含有透 導電膜(TCO)とアルミニウム合金膜との間に配 置されているのに対し、特許文献4では、窒 非含有透明導電膜(TCO)の上に配置されており 、配置箇所が相違している。特許文献4では H 2 アニール工程におけるITOなどの金属の還元を 防止するため、最表面に、窒素含有透明導電 膜(TCO:N)を配置する必要があるのに対し、本 明では、バリアメタル層を省略してもバラ キが少ない低接触抵抗と高い透過率とを備 た透明電極を提供するため、窒素非含有透 導電膜(TCO)とアルミニウム合金膜との間に窒 素含有透明導電膜(TCO:N)を配置しなければな ない。また、特許文献4には、窒素含有透明 電膜(TCO:N)のみからなる透明電極も開示され ているが、この場合には、接触抵抗率は良好 であるが、透過率が著しく低下することを、 実験により確認している(後記する実施例3の 8を参照)。
本発明を特徴付ける「窒素を含有する第1 の透明導電膜」における「窒素を含有する」 とは、透明導電膜の一部または全部が窒化さ れていることを意味する。詳細には、第1の 明導電膜(TCO:N)61は、透明導電膜中に窒素を1. 5原子%以上5原子%以下の範囲内で含有してい ことが好ましい。ここで、「窒素含有量」 、アルミニウム合金膜63と第1の透明導電膜(T CO:N)61との界面(窒素含有量が最も高くなる部 )における窒素濃度を意味する。後に詳しく 説明するように、第1の透明導電膜61は、Arガ などの不活性ガスと窒素ガスとの混合ガス 用いたスパッタリング法(反応性スパッタリ ング法)により、アルミニウム合金膜63上に蒸 着して形成されるため、第1の透明導電膜61は 、アルミニウム合金膜63側から第2の透明導電 膜62に向かって、窒素含有量が段階的に減少 る濃度勾配を有しており、アルミニウム合 膜63と第1の透明導電膜61との界面は窒素含 層があり、一方、第1の透明導電膜61と第2の 明導電膜62との界面から上層側は窒素含有 は実質的に0(ゼロ)となる。本発明者の実験 よれば、上記のAl合金膜界面における窒素の 最大濃度を、好ましくは、1.5原子%以上5原子% 以下の範囲内に制御すれば、所望とする特性 が有効に発揮されることが分かった。第1の 明導電膜中の窒素の含有量が1.5原子%未満で 、接触抵抗の分散が大きくなる。接触抵抗 低減とバラツキの抑制という観点からすれ 、窒素含有量は多い程良く、例えば、2原子 %以上であることがより好ましい。その上限 、透過率やシート抵抗などを考慮し、5原子% とする。第1の透明導電膜中の窒素の含有量 4原子%以下であることがより好ましく、3原 %以下であることが更に好ましい。
第1の透明導電膜中の窒素の含有量は、例 えば、後記する実施例に示すように、混合ガ スの流量比(具体的には、不活性ガスと窒素 スとの混合ガスの流量F1に対する窒素ガスの 流量F2の比、F2/F1)を制御してスパッタリング ることによって調整することができる。な 、スパッタリング条件が同じであっても、 明導電膜の種類によって透明導電膜中に取 込まれる窒素の量は相違するため、実際に 、透明導電膜の種類などに応じてスパッタ ング条件を適宜適切に設定すれば良い。
第1の透明導電膜61における窒素の含有量 、XPS(X-ray Photoelectron Spectrometer、X線光電子 光装置)を用いて確認することができる。
第1の透明導電膜61(TCO:N)の厚さ(T1)は、1nm 上25nm以下の範囲内であることが好ましい。T 1が1nm未満では、第1の透明導電膜61によるバ ア作用が有効に発揮されず、所望の接触抵 バラツキ低減効果が得られない。一方、T1が 25nmを超えると、可視光透過率が低下するほ 、第1の透明導電膜が剥離するなどの問題が る。接触抵抗と透過性とのバランスを勘案 ると、T1は2nm以上15nm以下の範囲内であるこ が好ましく、5nm以上10nm以下の範囲内である ことがより好ましい。
また、第1の透明導電膜(TCO:N)61の厚さ(T1) 、第2の透明導電膜(TCO)62の厚さ(T2)との比(T1/T 2)は1以下、すなわち、T1はT2よりも小さい(T1 T2)ことが好ましい。前述したように、第1の 明導電膜(TCO:N)61は、主に、接触抵抗のバラ キ低減化作用を有しており、所望の接触抵 特性を確保するためには有用であるが、そ 厚さが大きくなり過ぎると、透過性が低下 るようになる。本発明者の実験結果によれ 、上記の比(T1/T2)が1を超える(すなわち、T1&g t;T2)と、可視光透過率が低下することが判明 た(後記する実施例を参照)。接触抵抗と透 性とのバランスを考慮すると、上記の比(T1/T 2)は、0.25以上1以下であることが好ましく、0. 5以上0.8以下であることがより好ましい。
以上、本発明を特徴付ける第1の透明導電 膜について説明した。
繰り返し説明するように、本発明の透明 極は、従来の透明導電膜(単層膜)のみから る透明電極において、その一部が窒化され 「窒素を含有する第1の透明導電膜」をアル ニウム合金膜との間に有しているところに 徴がある。従って、「窒素を含有しない第2 の透明導電膜(TCO)」における透明導電膜の種 は特に限定されず、従来汎用されているも を使用することができる。また、アルミニ ム合金膜も、前述した特許文献1~特許文献3 代表されるダイレクトコンタクト技術に開 されているものであれば、特に限定されな 。
第2の透明導電膜62は、透明導電膜のみか 構成されており、窒素は、実質的に含有し いない。ここで、「実質的に含有していな 」とは、後記する薄膜の形成過程において 不可避的に含まれ得るレベルの窒素は許容 得るという意味である。従って、窒素の含 量は、必ずしも0原子%ではなく、本発明の 用を阻害しないレベル、例えば、約200原子pp m程度の窒素は含まれていてもよい。
第1の透明導電膜61および第2の透明導電膜62 構成する透明導電膜は、特に限定されず、 来の画素電極に用いられる膜を使用するこ ができる。代表的には、ITOやIZOなどが挙げ れ、そのほか、IGO、IWO、ZnO、TiO 2 などの膜や、ZnOにAlやGaを添加した膜なども 示される。第1の透明導電膜61および第2の透 導電膜62は、同一の透明導電膜から構成さ ていても良いし、異なっていても良い。た し、生産性などを考慮すると、両者は、同 透明導電膜から構成されていることが好ま い。
アルミニウム合金膜に用いられるアルミ ウム合金としては、例えば、前述した特許 献1~特許文献3に記載の組成のものが、好適 用いられる。これらのアルミニウム合金を いれば、ピンホールなどによるTFT特性の低 を防止し得、透明電極と直接接続可能な配 または電極を提供できるからである。
具体的には、アルミニウム合金としては 下記(1)~(2)の組成を有するものが好ましい。
(1)グループαに属する元素の少なくとも一
を0.1原子%以上6原子%以下の範囲で含有するAl
-α合金
ここで、グループαは、Ni,Ag,Zn,Cu,およびGeか
ら構成される。グループαに属する元素は、
独で添加しても良いし、2種以上を併用して
もよい。2種以上の元素を添加するときは、
元素の合計の含有量が上記範囲を満足すれ
よい。
グループαに属する元素は、電気抵抗率 低減化に有用である。これらの元素を単独 または併用して、上記の範囲内でAl中に添加 すると、比較的低い熱処理温度で、アルミニ ウム系合金薄膜と透明電極(厳密には、第1の 明導電膜)との接続界面に、αに属する元素 少なくとも一部を含む電気抵抗の低い領域( α含有析出物やα含有濃化層)が形成されるた 、例えば、250℃で30分間熱処理したときの 気抵抗率を、おおむね、7μω・cm以下に低減 ることができる。
上記元素のうち、Niは、特に、電気抵抗 の低減化作用および耐熱性に優れるため、 なくとも、Niを含有するAl-Ni合金を用いるこ が好ましい。
グループαに属する元素が0.1原子%未満で 、所望とするα含有濃化層の形成が不充分 あり、接続抵抗を充分低く抑えることがで ない。ただし、グループαに属する元素の含 有量が6原子%を超えると、Al系合金薄膜自体 電気抵抗率が高くなって画素の応答速度が くなり、消費電力が増大してディスプレイ しての品位が低下し、実用に供し得なくな 。グループαに属する元素の含有量の好まし い下限値は、0.5原子%であり、好ましい上限 は5原子%、更に好ましくは2原子%である。
(2)グループαに属する元素の少なくとも一
を0.1原子%以上6原子%以下の範囲で含有し、
ループβに属する元素の少なくとも一種を0.1
原子%以上2原子%以下の範囲で含有するAl-α-β
金
Al-α-β合金は、前述したグループαに属する
元素を含み、更に、第三成分としてグループ
βに属する元素を含む三元系合金である。こ
で、グループβは、La,Gd,Dy,Mg,Nd,Y,Fe,およびCo
ら構成される。グループβに属する元素は
単独で添加しても良く、2種以上を併用して
よい。2種以上の元素を添加するときは、各
元素の合計の含有量が上記範囲を満足すれば
よい。
グループβに属する元素は、耐熱性や耐 性の向上に有用である。また、上記元素の 加量が0.1~2原子%の範囲内であれば、上記元 の添加による悪影響は見られず、グループα に属する元素を含有するAl-α合金を用いたと と同程度の優れた作用を有することも確認 れた。グループβに属する元素は、アルミ ウム原子に比べて原子半径が大きく、当該 素を添加しても、成膜過程で窒素原子が透 導電膜に取り込まれるためのスペースは充 確保されるため、所望の窒素を含有する第1 透明導電膜(TCO:N)を容易に蒸着できるからで ある。
グループβに属する元素の含有量の好ま い下限値は0.1原子%であり、好ましい上限値 2原子%である。グループβに属する元素の含 有量が0.1原子%未満の場合、前述した耐熱性 耐食性の向上作用が有効に発揮されず、一 、2原子%を超えると、配線の電気抵抗率が増 加する。グループβに属する元素の含有量の ましい下限値は0.1原子%であり、さらに好ま しくは0.2原子%である。また、グループβに属 する元素の含有量の好ましい上限値は2原子% あり、さらに好ましくは0.6原子%である。
本明細書において、「基板」は、TFT基板 用いられるものであれば限定されず、代表 には、ガラス基板、石英基板、シリコン基 、プラスチック基板、金属基板、可撓性基 などを用いることができる。可撓性基板と 、PET、PES、PEN、アクリルなどからなるフィ ム状の基板のことであり、これにより、半 体装置の軽量化が見込まれる。
次に、上記の実施形態に係る透明電極の 造工程を説明する。
本実施形態の透明電極を製造する方法は アルミニウム合金膜に、窒素を含有する第1 の透明導電膜をスパッタリング法で蒸着する 第1の工程と、前記窒素を含有する第1の透明 電膜に、窒素を含有しない第2の透明導電膜 をスパッタリング法で蒸着する第2の工程と を包含し、前記第1の工程は、不活性ガスと 素ガスとの混合ガスを用い、前記混合ガス 流量F1に対する窒素ガスの流量F2の比(F2/F1) 0.05以上0.5以下の範囲内に制御して行なうこ を特徴とする。
以下、各工程を順次説明する。
(第1の工程)
本発明を特徴付ける窒素を含有する第1の透
明導電膜は、不活性ガスと窒素との混合ガス
を用いた反応性スパッタリング法で蒸着する
。具体的には、Ar,Neなどの不活性ガスとN 2
ガスとの混合ガスを用いてスパッタリングを
行なう。第1の透明導電膜中の窒素含有量は
混合ガスの流量F1と窒素ガスの流量F2との比(
F2/F1)を変化することによって制御することが
でき、上記の比(F2/F1)をおおむね、0.05以上0.5
下の範囲内に調整すれば、第1の透明導電膜
中の窒素含有量を、おおむね1.5原子%以上5原
%以下の範囲内に制御することができる。
その他の条件は特に限定されないが、例え
、以下のように制御することが好ましい。
基板温度 :室温~150℃
到達真空度 :1×10 -5
Torr以下
成膜時のガス圧:1~30mTorr
DCスパッタリングパワー密度
(ターゲットの単位面積当たりのDCスパッタ
ングパワー)
:1~5W/cm 2
(第2の工程)
次に、上記のようにして形成された窒素を
有する第1の透明導電膜に、窒素を含有しな
い第2の透明導電膜をスパッタリング法で蒸
する。第2の透明導電膜をスパッタリング法
蒸着する工程は、前述した第1の工程におい
て、不活性ガスと窒素との混合ガスを用いる
代わりに、不活性ガス(代表的にはArガス)とO 2
との混合ガス(例えば、Ar:N 2
=24:0.06)を用いたこと以外は第1の工程と同様
して行なえばよい。具体的には、例えば、
述した特許文献1~特許文献3に記載の方法を
照することができる。
本発明の透明電極は、液晶ディスプレイ プロジェクタ用液晶表示デバイスのほか、 機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、LED素子 またはLEDディスプレイなどの様々な表示デバ イスに適用することができる。
本発明の透明電極を備えたTFT基板を製造 る方法は、透明電極を、窒素を含有する第1 の透明導電膜と、窒素を含有しない第2の透 導電膜との積層構造とし、且つ、第1の透明 電膜がアルミニウム合金膜に接触するよう 構成としたこと以外は、基本的には通常使 されている方法を採用することができる。
以下、図2を参照しながら、本発明の透明 電極を備えたTFT基板の製造方法を説明する。 以下では、ドレイン電極29を構成するアルミ ウム合金膜の上側に本発明の透明電極5を設 ける工程を説明するが、これに限定されず、 例えば、反射電極を構成するアルミニウム合 金膜の上側に本発明の透明電極5を設けても い。
まず、図2(a)に示すように、ガラス基板1a に、スパッタリング法を用いて、厚さ250nm 度のAl系合金薄膜を積層する。スパッタリン グの成膜温度は、室温とした。このAl系合金 膜をパターニングすることにより、ゲート 極26および走査線25を形成する。このとき、 後記する図2(b)に示す工程において、ゲート 縁膜27のカバレッジ性が良くなるように、上 記積層薄膜の周縁を角度約30°~60°のテーパー 状にエッチングしておくのがよい。
次いで、図2(b)に示すように、例えばプラズ マCVD法などの方法を用いて、厚さ約300nm程度 シリコン窒化膜(ゲート絶縁膜)27を形成する 。プラズマCVD法の成膜温度は、約350℃とした 。続いて、例えばプラズマCVD法を用いて、シ リコン窒化膜(ゲート絶縁膜)27の上に、厚さ20 0nm程度のノンドーピング水素化アモルファス シリコン膜(a-Si-H)55および厚さ約80nmのリンを ーピングしたn + 型水素化アモルファスシリコン膜(n + a-Si-H)56を順次積層し、TFTの能動層となる活性 半導体層33を形成する。n + 型水素化アモルファスシリコン膜56は、例え 、PH 3 ガスを所定分圧添加したプラズマCVD法を行う ことによって形成される。
このようにして形成された水素化アモルフ スシリコン膜55およびn + 型水素化アモルファスシリコン膜56からなる 性半導体層33を、図2(c)に示すようにパター ングする。
次に、スパッタリング法を用いて、厚さ300n m程度のAl合金膜を形成する。スパッタリング の成膜温度は、室温とした。Al合金膜をパタ ニングすることにより、図2(d)に示すように 、信号線と一体のソース電極28と、ドレイン 極29とが形成される。更に、ソース電極28お よびドレイン電極29をマスクとして、n + 型水素化アモルファスシリコン膜56をドライ ッチングして除去する。
そして、図2(e)に示すように、例えばプラ ズマCVD装置などを用いて厚さ300nm程度のシリ ン窒化膜(保護膜)30を形成する。このときの 成膜は、約200℃で行なった。次に、シリコン 窒化膜30にドライエッチング等を行うことに ってコンタクトホール32を形成する。
次に、前述した方法に基づき、窒素を含 する透明導電膜(酸化インジウムに10質量%の 酸化スズを添加したITO膜)で形成される第1の 5aと、上記と同じ透明導電膜で形成される 2の層5bとの積層膜を成膜した後、ウェット ッチングによるパターニングを行って透明 極5を形成すると、図2(f)に示すTFT基板が完成 する。窒素を含有する透明導電膜で形成され る第1の層5aは、ドレイン電極29との電気的な 続をとるため、互いに接触している。この 触部分では、従来のようなMo等のバリアメ ル層を透明電極とドレイン電極との間に挟 なくても接触抵抗の低いコンタクトを得る とができる。
上記では、活性半導体層としてアモルフ スシリコン膜を使用した例を挙げたが、ポ シリコン膜を用いてもよい。透明導電膜の 料としては、ITO膜の他、IZO膜などを使用す ことができる。また、図2の例では、活性半 導体層である水素化アモルファスシリコン膜 55をゲート電極26の上側に形成した例を示し が、活性半導体層をゲート電極26の下側に形 成する構成としてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体 に説明するが、本発明はもとより下記実施 によって制限を受けるものではなく、前・ 記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を えて実施することも可能であり、それらは れも本発明の技術的範囲に含まれる。
(実施例1)
本実施例では、本発明の透明電極を用いれ
、接触抵抗率が低く、分散も小さく抑えら
ることを実証する。具体的には、図1(b)に示
す試験用デバイスを用い、不活性ガス(Ar)と
素ガスとの混合ガス(Ar+N 2
)の流量F1に対する窒素ガスの流量F2の比(F2/F1)
を0~0.15の範囲内で変え、窒素含有透明導電膜
中の窒素含有量を変化させたときの接触抵抗
率の変化を調べた。ここでは、透明導電膜と
してITO膜を、アルミニウム合金膜としてAl-0.3
原子%Ni-0.35原子%La合金を用いた。
まず、ガラス基板の上に、以下の要領で、
さ30nmのAl-0.3原子%Ni-0.35原子%La合金膜をスパ
タ法によって蒸着した。
ターゲット材料:Al-0.3原子%Ni-0.35原子%Laのスパ
ッタリングターゲットを使用(サイズ:直径100m
m×厚さ5mm)
スパッタリング装置:島津製作所製「HSM-552
を使用
スパッタリング条件(DCマグネトロンスパッ
リング法)
到達真空度:3×10 -6
Torr以下
ガス:Arガス
ガス流量:30sccm
スパッタパワー:DC150W
極間距離:50mm
基板温度:室温
ガラス基板:コーニング社製の#1737、直径10mm
×厚さ0.7mm
次いで、プラズマCVD法を用いて、厚さ約3 00nm程度のシリコン窒化膜(ゲート絶縁膜)を形 成した。プラズマCVD法の成膜温度は、約350℃ とした。
次に、スパッタ法により、窒素を含有す ITO膜(第1の透明導電膜、ITO:N)を蒸着した。 細には、酸化インジウムに10質量%の酸化ス を添加したITOをターゲット材料として用い ガス流量比(F2/F1)を0~0.15の範囲内で変化させ ことによってITO膜中の窒素含有量を0~3.2原 %の範囲内で変化させたこと以外は、前述し スパッタ条件でスパッタリングを行ない、 さ10nmの第1の透明導電膜を成膜した。
次いで、スパッタ装置内のガスを全てAr スに置換したこと以外は、前述したスパッ 条件でスパッタリングを行ない、厚さ40nmのI TO膜(第2の透明導電膜)を蒸着した。
次に、アルミニウム合金膜と透明電極と 接触抵抗率を以下の方法によって測定した
図5に示すケルビンパターン(コンタクトホ ルサイズ:10μm角)を作製し、4端子測定[ITO-Al 金に電流を流し、別の端子でITO-Al合金間の 圧降下を測定する方法]を行った。すなわち 図5のI 1 -I 2 間に電流Iを流し、V 1 -V 2 間の電圧Vを測定することにより、接触部Cの 触抵抗R(ω)を[R=(V 2 -V 1 )/I 2 ]として求めた。
上記と同じ試験用デバイスを13個作製し、
記と同様にして接触抵抗を調べて接触抵抗
(ω・cm 2
)に換算し、その平均値を算出した。また、
触抵抗率の分散は下式に基づいて算出した
本実施例では、接触抵抗率の平均が2.7×10 -4 ω・cm 2 以下であり、且つ、接触抵抗率の分散が4×10 -4 の範囲内にあるものを合格とした。接触抵抗 率の基準値は、窒素を含有しないITO膜と当該 Al合金薄膜との接触抵抗率(すなわち、F2=0の きの接触抵抗率)を基準としたものである。
これらの結果を図6~図7に示す。
このうち、図6は、図6上方の表中データ 基づき、ガス流量比(F2/F1)と接触抵抗率との 係をグラフ化した図である。
また、図7は、図7上方の表中データに基 き、窒素を含有するITO膜(ITO:N)中の窒素含有 と接触抵抗率との関係をグラフ化した図で る。ここで、窒素含有量は実験値ではなく ガス流量比(F2/F1)と窒素含有量との対応関係 を表す図8の折れ曲がり線に基づき、ガス流 比(F2/F1)から間接的に求めたものである。図8 は、実験の簡便上、ガス流量比(F2/F1)に基づ て窒素含有量を算出できるように、本発明 が予め基礎実験を行ない、両者の対応関係 調べておいたものである。
図6および図7より、不活性ガス中に窒素 スを添加し、ITO:N膜中の窒素の比率およびF2/ F1の比で表されるガス流量比が0よりも大きく なるにつれ、接触抵抗率の平均値は低下し、 且つ、接触抵抗率の分散も大幅に減少する傾 向が見られた。図6には、ガス流量比が0.15ま の結果しか示していないが、ガス流量比の 限が0.5の範囲内であれば、上記と同様の傾 が得られることを実験によって確認してい 。同様に、図7には、ITO:N膜中の窒素含有量 3.5原子%までの結果しか示していないが、ITO :N膜中の窒素含有量の上限が5原子%の範囲内 あれば、上記と同様の傾向が得られること 実験によって確認している。
(実施例2)
本実施例では、表1に示す種々のアルミニウ
ム合金膜を使用したときの接触抵抗率の平均
値および分散を調べた。詳細には、実施例1
おいて、透明導電膜としてIZO膜を用い、ガ
流量比(F2/F1)を0および0.1としたこと以外は、
実施例1と同様にして接触抵抗率を調べた。
1に示すアルミニウム合金膜は、いずれも、
イレクトコンタクト用材料として好適に用
られるものである。
これらの結果を表1に併記する。ここで、 ガス流量比(F2/F1)=0、0.1のときの、窒素を含有 するIZO膜(第1の透明導電膜、IZO:N)中の窒素含 量は、それぞれ、0原子%、2.3原子%である。
表1より、本発明の効果は、実施例1以外 態様においても発揮されることが分かった 詳細には、透明導電膜としてIZO膜を用い、 ルミニウム合金膜として表1に示す種々のア ミニウム合金を用いた場合でも、窒素ガス 含む混合ガスの流量比を本発明の範囲内に 御して本発明で規定する積層構造の透明電 とすれば、当該アルミニウム合金を透明電 と直接接触しても、低い接触抵抗率を維持 つつ、分散も抑えられることが確認された
(実施例3)
本実施例では、本発明の透明電極を用いれ
、従来の透明導電膜を用いたときと実質的
同程度の高い光透過特性が得られることを
証する。具体的には、以下のようにして、
1の透明導電膜(TCO-N)と第2の透明導電膜(TCO)
の積層膜を形成したときの可視光(波長480nm
550nm、660nm)に対する透過率を測定した。ここ
では、透明導電膜としてITO膜を用い、第1の
明導電膜の厚さ(T1)と第2の透明導電膜の厚さ
(T2)との比(T1/T2)と、透過率との関係を比較検
した。T1とT2の合計は50nm(=一定)とした。
まず、実施例1と同じガラス基板の上に、 スパッタ法により、窒素を含有するITO膜(第1 透明導電膜)を成膜した。詳細には、ITOをタ ーゲット材料として用い、ガス流量比(F2/F1) 0.125とし、成膜時間を5~25秒の範囲内で調整 たこと以外は、実施例1と同じスパッタ条件 スパッタリングを行ない、厚さT1が10~50nmの 1の透明導電膜を成膜した。
次いで、スパッタ装置内のガスを全てAr スに置換し、成膜時間を5~25秒の範囲内で調 したこと以外は、実施例1と同じスパッタ条 件でスパッタリングを行ない、厚さT2が0~50nm 第2の透明導電膜を成膜した。
本実施例では、ITO膜のみを成膜したとき( T1=0のため、T1/T2=0)の各波長における透過率を 基準とし、480nm、550nm、660nmのいずれの波長に おいても、当該透過率の90%以上を満足するも の(基準値に対し、透過率の低下率が10%以下 範囲内にあるもの)を合格とした。
これらの結果を図9に示す。
図9に示すように、第1の透明導電膜と第2 透明導電膜との厚さの比(T1/T2)を1以下にし 第1の透明導電膜の厚さ(T1)を第2の透明導電 の厚さ(T2)と同じか薄くした場合には、いず の波長においても、所望とする高い透過率 得られた。これに対し、厚さの比(T1/T2)が1 の場合は、透過率が大きく低下した。
例えば、T1/T2=4に着目すると、下記(ア)~(ウ)
示すように、660nmおよび550nmにおける透過率
は上記の合格基準を満足しているが、480nmに
ける透過率が上記の合格基準を満足してい
いため、最終的には、不合格となった。
(ア)波長660nmにおける透過率は約79%であり、
ITO膜のみを成膜したときの透過率(約82%)の90%(
82%×0.9≒74%)以上を満足している。
(イ)波長550nmにおける透過率は約72%であり、
ITO膜のみを成膜したときの透過率(約78%)の90%(
78%×0.9≒70%)以上を満足している。
(ウ)波長480nmにおける透過率は約65%であり、
ITO膜のみを成膜したときの透過率(約73%)の90%(
73%×0.9≒66%)以上を満足していない。
この結果より、前述した特許文献4のよう に、第1の透明導電膜のみからなる(すなわち 窒素含有透明導電膜のみからなる)透明電極 を用いると、透過率は大きく低下することが 確認された。
なお、本実施例では、ITO膜を用いた結果 示しているが、ITO膜の代わりにIZO膜を用い も、上記と同様の傾向が見られることを実 により確認している。
上記実施例1~実施例3の結果より、本発明 透明電極を用いれば、アルミニウム合金膜 直接接触しても、低い接触抵抗率を維持し つ、その分散も小さく抑えられ、且つ、高 透過率も確保できることが実証された。
本発明を特定の態様を参照して詳細に説明
たが、本発明の精神と範囲を離れることな
様々な変更および修正が可能であることは
当業者にとって明らかである。
なお、本出願は、2007年3月1日付けで出願さ
た日本特許出願(特願2007-051858)に基づいてお
り、その全体が引用により援用される。
また、ここに引用されるすべての参照は全
として取り込まれる。
本発明によれば、透明電極をアルミニウ 合金膜と直接接触しても、分散の少ない低 接触抵抗と、高い透過率とを備えた表示デ イス用透明電極が得られる。従って、本発 の表示デバイス用透明電極を用いれば、高 能の表示デバイスを安定して再現性良く製 することができる。
Next Patent: AUTHENTICATION SYSTEM, AUTHENTICATION METHOD, AND PROGRAM
