Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
TRANSPARENT PRESSURE-SENSITIVE ADHESIVE PRODUCT FOR OPTICAL USE, TRANSPARENT PRESSURE-SENSITIVE ADHESIVE LAMINATES FOR OPTICAL USE AND PROCESS FOR PRODUCTION OF THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/063847
Kind Code:
A1
Abstract:
The invention provides a transparent pressure-sensitive adhesive product for optical use and a transparent pressure -sensitive adhesive laminate for optical use which stably exert peeling site selectivity between the interfaces between both sides of a transparent pressure-sensitive adhesive product and release sheets in applying the product or the laminate and which stably and easily exert peeling site selectively between both sides of the product in reworking the product or the laminate by re-application; and a process for the production of the same. A transparent pressure-sensitive adhesive product for optical use which has adhesive faces (a) and (b) different in tackiness and which is made from an addition-reaction type silicone gel, characterized in that the tackiness (Ga) of the adhesive face (a) and the tackiness (Gb) of the adhesive face (b) satisfy the relationship: Ga < Gb and correspond to ball numbers of 3 to 15 as determined by the inclined-type ball tack test method according to JIS Z0237 (at an angle of inclination of 30°) with the ball number difference of 2 to 12.

Inventors:
MASUDA MASAHIKO (JP)
NAKATA YORIKO (JP)
KAWAI HIDETOMO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/070462
Publication Date:
May 22, 2009
Filing Date:
November 11, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
TAICA COPORATION (JP)
MASUDA MASAHIKO (JP)
NAKATA YORIKO (JP)
KAWAI HIDETOMO (JP)
International Classes:
C09J7/10; C09J7/38; C09J183/04; G02F1/1335
Foreign References:
JP2004292493A2004-10-21
JP2006509093A2006-03-16
JP2006290960A2006-10-26
JP2007039510A2007-02-15
JPH1121521A1999-01-26
JP2003176462A2003-06-24
JP2006290960A2006-10-26
JP2003176462A2003-06-24
Other References:
See also references of EP 2210926A4
Attorney, Agent or Firm:
KAWABI, Kenji (6th floor 9-7, Higashi-ikebukuro 3-chome, Toshima-k, Tokyo 13, JP)
Download PDF:
Claims:
 粘着性の異なる粘着面(a)と粘着面(b)とを有し、付加反応型シリコーンゲルから形成される光学用透明粘着体であって、
 粘着面(a)の粘着性能(Ga)と粘着面(b)の粘着性能(Gb)との関係は、Ga<Gb であり、及び粘着性能(Ga)と粘着性能(Gb)は、JIS Z0237に準拠した傾斜式ボールタック試験(傾斜角30度)におけるボールナンバーが3~15で、ボールナンバー差が2~12であることを特徴とする光学用透明粘着体。
 粘着面(a)および粘着面(b)は、前記付加反応型シリコーンゲルの未硬化原料を、種類が異なる剥離フィルム(A)と剥離フィルム(B)に密着させ、加熱硬化してなることを特徴とする請求項1に記載の光学用透明粘着体。
 粘着面(a)は、前記付加反応型シリコーンゲルの未硬化原料を、空気接触にて加熱硬化してなり、かつ粘着面(b)は、前記付加反応型シリコーンゲルの未硬化原料を剥離フィルム(B)に密着させて加熱硬化してなることを特徴とする請求項1に記載の光学用透明粘着体。
 剥離フィルム(A)と粘着面(a)との剥離強度(F1)と、剥離フィルム(B)と粘着面(b)との剥離強度(F2)と、粘着面(a)と被着体(C)との剥離強度(F3)との関係は、剥離強度(F1)と剥離強度(F2)とのJIS Z0237に準拠した粘着力試験における180度引きはがし粘着力差が0.2~1.0N/25mmであり、剥離強度(F2)と剥離強度(F3)との180度引きはがし粘着力差が0.2N/25mm以上であることを特徴とする請求項2又は3に記載の光学用透明粘着体。
 剥離強度(F3)と、粘着面(b)と被着体(D)との剥離強度(F4)の関係は、剥離強度(F3)と剥離強度(F4)とのJIS Z0237に準拠した粘着力試験における180度引きはがし粘着力差が0.2N/25mm以上であることを特徴とする請求項4に記載の光学用透明粘着体。
 前記シリコーンゲルの硬度は、SRIS 0101規格のアスカーC硬度が0~30またはJIS K2207に準拠した針入度(25℃)が20~200であることを特徴とする請求項1に記載の光学用透明粘着体。
 前記シリコーンゲルの透過率は、波長が380~780nmにおいて80%以上であることを特徴とする請求項6に記載の光学用透明粘着体。
 剥離フィルム(A)がアルキッド樹脂系剥離フィルムであり、剥離フィルム(B)がフロロシリコーン系剥離フィルムであることを特徴とする請求項2又は3に記載の光学用透明粘着体。
 請求項1に記載の光学用透明粘着体の粘着面(a)に剥離フィルム(A)を、粘着面(b)に剥離フィルム(B)を積層してなることを特徴とする光学用透明粘着積層体。
 請求項1に記載の光学用透明粘着体の粘着面(b)に剥離フィルム(B)が積層され、粘着面(a)に剥離フィルム(B)の裏面が接触してロール状に積層されてなることを特徴とする光学用透明粘着積層体。
 未硬化の液状の付加反応型シリコーンゲル原料を剥離フィルム(A)と剥離フィルム(B)で挟んで厚み設定する成形工程と、成形後または成形と同時に加熱硬化させる加熱工程と、前記加熱硬化工程で得られた硬化シリコーンゲルを剥離フィルム(A)と剥離フィルム(B)とともに冷却する冷却工程とからなることを特徴とする請求項9に記載の光学用透明粘着積層体の製造方法。
 未硬化の液状の付加反応型シリコーンゲル原料を剥離フィルム(B)上に供給して厚み設定する成形工程と、成形後または成形と同時に前記剥離フィルム(B)と非接触な前記未硬化シリコーンゲル原料表面の少なくとも一部を空気接触させて加熱硬化させる加熱工程と、前記加熱硬化工程で得られた硬化シリコーンゲルを剥離フィルム(B)とともに冷却する冷却工程と、前記加熱工程で空気接触させて加熱硬化した面に剥離フィルム(A)を貼付する剥離フィルム貼付工程からなることを特徴とする請求項9に記載の光学用透明粘着積層体の製造方法。
 未硬化の液状の付加反応型シリコーンゲル原料を剥離フィルム(B)上に供給して厚み設定する成形工程と、成形後または成形と同時に前記剥離フィルム(B)と非接触な前記未硬化シリコーンゲル原料表面の少なくとも一部を空気接触させて加熱硬化させる加熱工程と、前記加熱硬化工程で得られた硬化シリコーンゲルを剥離フィルム(B)とともに冷却する冷却工程と、前記加熱工程で空気接触させて硬化して形成された粘着面(a)を剥離フィルム(B)の裏面に接触させて剥離フィルム(B)とともに巻き取る巻取り工程からなることを特徴とする請求項10に記載の光学用透明粘着積層体の製造方法。
 未硬化の液状の付加反応型シリコーンゲル原料を剥離フィルム(A)と剥離フィルム(B)で挟んで厚み設定する成形工程と、成形後または成形と同時に加熱硬化させる加熱工程と、前記加熱硬化工程で得られた硬化シリコーンゲルを剥離フィルム(A)と剥離フィルム(B)とともに冷却する冷却工程と、剥離フィルム(A)を硬化したシリコーンゲルから剥離して粘着面(a)を表出させる剥離工程と、粘着面(a)を剥離フィルム(B)の裏面に接触させて剥離フィルム(B)とともにロール状に巻き取る巻取り工程からなることを特徴とする請求項10に記載の光学用透明粘着積層体の製造方法。
 剥離フィルム(A)の透明粘着体接触面がアルキッド樹脂系剥離処理され、かつ剥離フィルム(B)の透明粘着体接触面がフロロシリコーン系剥離処理されていることを特徴とする請求項11又は12に記載の光学用透明粘着積層体の製造方法。
 剥離フィルム(B)の透明粘着体接触面がフロロシリコーン系剥離処理され、かつ剥離フィルム(B)の裏面がアルキッド樹脂系剥離処理されていることを特徴とする請求項13又は14に記載の光学用透明粘着積層体の製造方法。
 前記加熱工程では、前記未硬化シリコーンゲル原料が剥離フィルム(A)または空気と接触する側の加熱温度と剥離フィルム(B)と接触する側の加熱温度が異なることを特徴とする請求項11~14のいずれか1項に記載の光学用透明粘着積層体の製造方法。
 前記冷却工程では、前記硬化シリコーンゲルが剥離フィルム(A)または空気と接触する側と、剥離フィルム(B)と接触する側との冷却速度勾配が異なることを特徴とする請求項11~14のいずれか1項に記載の光学用透明粘着積層体の製造方法。
Description:
光学用透明粘着体、光学用透明 着積層体及びその製造方法

 本発明は、光学部品に貼付して使用され 光学用透明粘着体、光学用透明粘着積層体 びその製造方法に関し、詳しくは、光学部 への貼付の際には、透明粘着体両面と剥離 ートとの剥離部位選択性が安定して得られ また、光学部品から透明粘着体を除去して 貼り直しというリワークや光学部品の再使 (リサイクル)の際には、透明粘着体両面の 離部位選択性が安定的に、容易に発現する 学用透明粘着体、光学用透明粘着積層体及 その製造方法に関する。

 一般に、透明粘着シート貼付により光学部 を組み立てる際の取扱い性や量産性(オート メーション化)の向上には、透明粘着シート 剥離シートとの剥離部位選択性が安定して られることが重要である。また、環境や資 保護や歩留り向上による生産コスト低減を 慮した製品設計がより重要視され、光学部 の組み立て時のリワークや、リサイクルま 考慮した設計に対応した生産システムにお ては、光学部品から透明粘着シートを除去 る際には、剥離部位選択性が安定的に発現 ることが重要となる。
 透明粘着シートと剥離シートの剥離部位選 性のために、従来から、透明粘着シートの 裏に貼付される剥離シートの剥離力を変え 手法、例えば、表裏で剥離シートの種類を える方法や、透明粘着シートの片面に表面 理を施し、透明粘着シートの粘着性を変え 方法が採用されてきた。

 しかしながら、表裏で剥離シートの種類を える方法では、粘着シートの剥離側の選択 は、安定化できても、光学部品に貼付後に もう一方の剥離フィルムを剥離する際の安 性まで最適化するように、剥離シートと透 粘着シートの粘着性をマッチングさせるに 、多くの試験検証が必要であり、実用化上 大きな課題になっている。また、透明粘着 ートの仕様や被接着物など設計変更のたび 、再検討の必要なケースも多く、経験的な ッチングに頼るしかなかった。
 また、表面処理を施して透明粘着シートの 着性を変える方法では、表面処理工程が増 る分、量産性に劣り、さらに、僅かな粘着 をコントロールすることが困難で、特殊な 置や環境負荷溶媒を使用することも、多か た。
 さらに、上記の方法などでは、組立て時の ワークや光学部品のリサイクル回収まで考 されていなかった。

 従来から、光学部品用の粘着性シートや 着性シートについて、いくつか提案されて り、例えば、特許文献1では、液晶表示パネ ルと該液晶表示パネルを保護する透明保護板 との間に設置できる高い視認性、衝撃吸収性 及び生産性を与え、かつ設置に際しては、空 気の封入を防止し、貼着可能とするために、 JIS Z0237に準拠した傾斜式ボールタック試験 おけるボールナンバーが5~30(傾斜角30度)であ る透明ゲル、好ましくは針入度が20~160(JIS K22 07 50g荷重)であるシリコーンゲルからなるこ を特徴とする光透過性粘着シートが提案さ 、また、特許文献2では、両面に密着してい る保護フィルムを剥離する際に、剥離面が安 定している架橋シリコーン系接着性シート、 およびこのようなシートを効率よく製造する 方法を提供するため、膜厚が100μm以下であり 、両面に保護フィルムを密着している架橋シ リコーン系接着性シートであって、該シート に対する前記保護フィルムの剥離力がそれぞ れ5.0N/m以下であり、かつ、前記保護フィルム の剥離力の差が0.2N/m以上であることを特徴と する架橋シリコーン系接着性シート、および 架橋性シリコーン組成物を互いに異種の材質 からなる2枚の保護フィルムの間に、前記組 物の膜厚が100μm以下となるように挟んだ状 でフィルム状に成形し、次いで、前記組成 を架橋して架橋シリコーン系接着性シート 製造する方法が提案されている。

 これらの粘着シートは、画像表示装置に組 む実際の生産ラインにおいて、粘着面保護 の剥離フィルムが積層された粘着シートが 給され、粘着シートから剥離フィルムを剥 して被着体(例えば液晶デバイス)に貼合さ るが、上記特許文献1に記載の粘着シートで 、粘着シートの表裏での剥離面選択性が無 、画像表示装置の量産化に当たっては組込 仕様に応じて、その都度最適な剥離シート 探索しなければならず、迅速かつ安定的に 産化に対応することができなかった。
 また、特許文献2に記載の架橋シリコーン系 接着性シートでは、剥離シートの剥離部位選 択性や被着体への接着力が良好で、特許文献 1の課題は解決されるものの、シート厚みが10 0μm以下の所謂粘着テープを想定した技術で り、100μmを超えるようなシート、特に粘弾 を有するシートにおいて安定した剥離部位 択性を実現し得るものでなかった。さらに 量産で不可避な不良品のリワーク作業での り替え時にも、良好な再剥離性や剥離部位 択性を確保することまでは、考慮されてい い。
 リワーク作業の必要な例としては、ディス レイに用いられる際に、貼り付け時に気泡 巻き込みがあった場合など、該気泡により ィスプレイの輝度、明るさ、色が不均一と り表示むらが発生するため、貼り直しなど 作業が必要になる場合や貼合位置ズレや外 キズによる部品交換等が挙げられる。
 したがって、上記の問題点や不具合に対応 て、貼付の際には、透明粘着体シートと剥 シートとの剥離部位選択性が安定して得ら ることが求められ、また、光学部品から透 粘着体シートを除去して、貼り直しという ワークの際には、透明粘着体シート両面の 離部位選択性が安定的に、容易に発現する 能が要求される。

特開2006-290960号公報

特開2003-176462号公報

 本発明の目的は、上記問題点に鑑み、貼 の際には、透明粘着体両面と剥離シートと 剥離部位選択性が安定して得られ、また、 学部品から透明粘着体を除去して、貼り直 というリワークの際にも、透明粘着体両面 剥離部位選択性が安定的に、容易に発現す 光学用透明粘着体、光学用透明粘着積層体 びその製造方法を提供することにある。

 本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭 検討した結果、剥離シートとともに硬化さ た透明粘着体シートと当該剥離シートとの 離強度について、透明粘着体シートの両面 、特定の差を設けるとともに、さらに、剥 シートを剥離した後の透明粘着体シートの 面の粘着性に、特定の差を持たせることに り、リワーク安定性が実現でき、上記の課 が解決されることを見出し、さらに、剥離 ートと未硬化透明粘着体シートの原料にお て、剥離シートの再選択や表面処理剤の塗 工程無しでも、剥離強度や粘着性のコント ールを可能とした表裏異粘着の透明粘着体 ートとその製法を見出した。そして、本発 は、これらの知見に基づき、完成するに至 たものである。

 すなわち、本発明の第1の発明によれば、 粘着性の異なる粘着面(a)と粘着面(b)とを有し 、付加反応型シリコーンゲルから形成される 光学用透明粘着体であって、粘着面(a)の粘着 性能(Ga)と粘着面(b)の粘着性能(Gb)との関係は Ga<Gb であり、及び粘着性能(Ga)と粘着性 (Gb)は、JIS Z0237に準拠した傾斜式ボールタッ ク試験(傾斜角30度)におけるボールナンバー 3~15で、ボールナンバー差が2~12であることを 特徴とする光学用透明粘着体が提供される。

 本発明の第2の発明によれば、第1の発明に いて、粘着面(a)および粘着面(b)は、前記付 反応型シリコーンゲルの未硬化原料を、種 が異なる剥離フィルム(A)と剥離フィルム(B) 密着させ、加熱硬化してなることを特徴と る光学用透明粘着体が提供される。
 また、本発明の第3の発明によれば、第1の 明において、粘着面(a)は、前記付加反応型 リコーンゲルの未硬化原料を、空気接触に 加熱硬化してなり、かつ粘着面(b)は、前記 加反応型シリコーンゲルの未硬化原料を剥 フィルム(B)に密着させて加熱硬化してなる とを特徴とする光学用透明粘着体が提供さ る。
 さらに、本発明の第4の発明によれば、第2 は3の発明において、剥離フィルム(A)と粘着 (a)との剥離強度(F1)と、剥離フィルム(B)と粘 着面(b)との剥離強度(F2)と、粘着面(a)と被着 (C)との剥離強度(F3)との関係は、剥離強度(F1) と剥離強度(F2)とのJIS Z0237に準拠した粘着力 験における180度引きはがし粘着力差が0.2~1.0 N/25mmであり、剥離強度(F2)と剥離強度(F3)との1 80度引きはがし粘着力差が0.2N/25mm以上である とを特徴とする光学用透明粘着体が提供さ る。

 本発明の第5の発明によれば、第4の発明に いて、剥離強度(F3)と、粘着面(b)と被着体(D) の剥離強度(F4)の関係は、剥離強度(F3)と剥 強度(F4)とのJIS Z0237に準拠した粘着力試験に おける180度引きはがし粘着力差が0.2N/25mm以上 であることを特徴とする光学用透明粘着体が 提供される。
 また、本発明の第6の発明によれば、第1の 明において、前記シリコーンゲルの硬度は SRIS 0101規格のアスカーC硬度が0~30またはJIS  K2207に準拠した針入度(25℃)が20~200であること を特徴とする光学用透明粘着体が提供される 。
 さらに、本発明の第7の発明によれば、第6 発明において、前記シリコーンゲルの透過 は、波長が380~780nmにおいて80%以上であるこ を特徴とする光学用透明粘着体が提供され 。
 またさらに、本発明の第8の発明によれば、 第2又は3の発明において、剥離フィルム(A)が ルキッド樹脂系剥離フィルムであり、剥離 ィルム(B)がフロロシリコーン系剥離フィル であることを特徴とする光学用透明粘着体 提供される。

 また、本発明の第9の発明によれば、第1の 明に係る光学用透明粘着体の粘着面(a)に剥 フィルム(A)を、粘着面(b)に剥離フィルム(B) 積層してなることを特徴とする光学用透明 着積層体が提供される。
 さらに、本発明の第10の発明によれば、第1 発明に係る光学用透明粘着体の粘着面(b)に 離フィルム(B)が積層され、粘着面(a)に剥離 ィルム(B)の裏面が接触してロール状に積層 れてなることを特徴とする光学用透明粘着 層体が提供される。

 一方、本発明の第11の発明によれば、未硬 の液状の付加反応型シリコーンゲル原料を 離フィルム(A)と剥離フィルム(B)で挟んで厚 設定する成形工程と、成形後または成形と 時に加熱硬化させる加熱工程と、前記加熱 化工程で得られた硬化シリコーンゲルを剥 フィルム(A)と剥離フィルム(B)とともに冷却 る冷却工程とからなることを特徴とする第9 発明に係る光学用透明粘着積層体の製造方 が提供される。
 また、本発明の第12の発明によれば、未硬 の液状の付加反応型シリコーンゲル原料を 離フィルム(B)上に供給して厚み設定する成 工程と、成形後または成形と同時に前記剥 フィルム(B)と非接触な前記未硬化シリコー ゲル原料表面の少なくとも一部を空気接触 せて加熱硬化させる加熱工程と、前記加熱 化工程で得られた硬化シリコーンゲルを剥 フィルム(B)とともに冷却する冷却工程と、 記加熱工程で空気接触させて加熱硬化した に剥離フィルム(A)を貼付する剥離フィルム 付工程からなることを特徴とする第9の発明 係る光学用透明粘着積層体の製造方法が提 される。
 さらに、本発明の第13の発明によれば、未 化の液状の付加反応型シリコーンゲル原料 剥離フィルム(B)上に供給して厚み設定する 形工程と、成形後または成形と同時に前記 離フィルム(B)と非接触な前記未硬化シリコ ンゲル原料表面の少なくとも一部を空気接 させて加熱硬化させる加熱工程と、前記加 硬化工程で得られた硬化シリコーンゲルを 離フィルム(B)とともに冷却する冷却工程と 前記加熱工程で空気接触させて硬化して形 された粘着面(a)を剥離フィルム(B)の裏面に 触させて剥離フィルム(B)とともに巻き取る 取り工程からなることを特徴とする第10の発 明に係る光学用透明粘着積層体の製造方法が 提供される。

 本発明の第14の発明によれば、未硬化の液 の付加反応型シリコーンゲル原料を剥離フ ルム(A)と剥離フィルム(B)で挟んで厚み設定 る成形工程と、成形後または成形と同時に 熱硬化させる加熱工程と、前記加熱硬化工 で得られた硬化シリコーンゲルを剥離フィ ム(A)と剥離フィルム(B)とともに冷却する冷 工程と、剥離フィルム(A)を硬化したシリコ ンゲルから剥離して粘着面(a)を表出させる 離工程と、粘着面(a)を剥離フィルム(B)の裏 に接触させて剥離フィルム(B)とともにロー 状に巻き取る巻取り工程からなることを特 とする第10の発明に係る光学用透明粘着積層 体の製造方法が提供される。
 また、本発明の第15の発明によれば、第11又 は12の発明において、剥離フィルム(A)の透明 着体接触面がアルキッド樹脂系剥離処理さ 、かつ剥離フィルム(B)の透明粘着体接触面 フロロシリコーン系剥離処理されているこ を特徴とする光学用透明粘着積層体の製造 法が提供される。
 さらに、本発明の第16の発明によれば、第13 又は14の発明において、剥離フィルム(B)の透 粘着体接触面がフロロシリコーン系剥離処 され、かつ剥離フィルム(B)の裏面がアルキ ド樹脂系剥離処理されていることを特徴と る光学用透明粘着積層体の製造方法が提供 れる。

 また、本発明の第17の発明によれば、第11~14 のいずれかの発明において、前記加熱工程で は、前記未硬化シリコーンゲル原料が剥離フ ィルム(A)または空気と接触する側の加熱温度 と剥離フィルム(B)と接触する側の加熱温度が 異なることを特徴とする光学用透明粘着積層 体の製造方法が提供される。
 さらに、本発明の第18の発明によれば、第11 ~14のいずれかの発明において、前記冷却工程 では、前記硬化シリコーンゲルが剥離フィル ム(A)または空気と接触する側と、剥離フィル ム(B)と接触する側との冷却速度勾配が異なる ことを特徴とする光学用透明粘着積層体の製 造方法が提供される。

 本発明の光学用透明粘着体は、画像表示装 などへの組込みの際に、優れた選択的剥離 を安定して実現でき、その結果、オートメ ション化でき、量産性向上やコストダウン 図ることができる。また、透明粘着体シー の透明性を維持しつつ、硬度や粘着性を容 にコントロールでき、仕様変更に迅速に対 できる。さらに、リワークやリサイクル作 での選択剥離性を有するので、リワークや サイクルの作業性や自動化にも、対応でき 環境負荷低減やコストダウンに貢献すると う効果を発揮する。
 また、本発明の製造方法は、簡単な工程か なり、簡便であり、効率的で生産性の高い 法である。

図1は本発明の光学用透明粘着体及び光 学用透明粘着積層体を説明する模式図である 。(a)は、光学用透明粘着積層体の模式図(断 図)で、(b)は、光学用透明粘着積層体の剥離 ィルムの一部を剥離した状態の模式図(断面 図)である。 図2は本発明の別の形態の光学用透明粘 着体及び光学用透明粘着積層体を説明する模 式図である。 図3は本発明の光学用透明粘着体及び光 学用透明粘着積層体の作製工程を説明する模 式図である。(a)は、剥離フィルム(B)を型のセ ット工程を、(b)は、未硬化原料の充填工程を 、(c)~(d)は、剥離フィルム(A)を積層した成形 程を(e)は、加熱硬化工程を、(f)は、冷却工 を、(g)は、光学用透明粘着積層体の完成を 明する図である。 図4は本発明の別の形態の光学用透明粘 着体及び光学用透明粘着積層体の作製工程を 説明する模式図である。(a)は、剥離フィルム (B)を型のセット工程を、(b)は、未硬化原料の 充填工程を、(c)~(e)は、スキージによる成形 程を、(f)は、加熱硬化工程を、(g)は、冷却 程を、(h)は、剥離フィルム(A)の貼付工程を (g)は、光学用透明粘着積層体の完成を説明 る図である。 図5は本発明の光学用透明粘着体及び光 学用透明粘着積層体の連続生産工程を説明す る模式図である。 図6は本発明の別の形態の光学用透明粘 着体及び光学用透明粘着積層体の連続生産工 程を説明する模式図である。 図7は本発明の別の形態の光学用透明粘 着体及び光学用透明粘着積層体の連続生産工 程を説明する模式図である。 図8は本発明の別の形態の光学用透明粘 着体及び光学用透明粘着積層体の連続生産工 程を説明する模式図である。 図9は本発明の実施例の剥離安定性試験 の手順を説明する模式図である。(a)~(c)は、 価ステップ(I)を、(d)~(g)は、評価ステップ(II) を、(h)~(j)は、評価ステップ(III)を説明する図 である。 図10は本発明の実施例の剥離強度F1とF2 を評価する剥離強度試験の試験片の構成を説 明する模式的に示した側面図である。(a)は、 F1を測定する試験片構成、(b)は、F1を測定す 試験片構成である。 図11は本発明の実施例の剥離強度F3とF4 を評価する剥離強度試験の試験片の構成を説 明する模式的に示した側面図である。(a)は、 F3を測定する試験片構成、(b)は、F4を測定す 試験片構成である。 図12は本発明の光学用透明粘着体を組 んだ画像表示装置の構成を説明する模式図( 断面図)である。 図13は本発明の光学用透明粘着体を組 んだ別の形態の画像表示装置の構成を説明 る模式図(断面図)である。 図14は本発明の光学用透明粘着体を組 んだ別の形態の画像表示装置の構成を説明 る模式図(断面図)である。

符号の説明

 1、100、101、102、103、104、105 光学用透明粘 積層体
 2  光学用透明粘着体
 21 粘着面(a)
 22 粘着面(b)
 3  剥離フィルム(A)
 4  剥離フィルム(B)
 5  未硬化の光学用透明粘着体原料
 6  被着体(C)
 61 被着体(D)
 62 前面板
 63、631、632 偏光板
 65 電気式表示素子(液晶素子、有機EL素子、 プラズマ発光素子等)
 70 スペーサー(枠型)
 71 原料容器
 73 プライマー
 75 巻き芯
 80 加熱装置(ヒーター)
 81 ドクターブレード(スキージ板)
 82 原料供給装置
 83 冷却装置
 84、841、842、843、844、845 搬送装置(コンベ )
 85 カレンダーロール
 86 シート切断装置
 87 剥離フィルム(A)貼付装置
 91 剥離フィルム(B)供給装置(ロール)
 92 剥離フィルム(A)供給装置(ロール)
 93 剥離フィルム(A)剥離回収装置(ロール)
 94 剥離フィルム(A)貼付用供給装置(ロール)

 本発明の光学用透明粘着体は、画像表示装 の導光経路の中間層として二つの光学部品 挟設して、使用されるものである。
 画像表示装置等の組み立て工程において、 学用透明粘着体は、粘着面(a)に剥離フィル (A)が、粘着面(b)に剥離フィルム(B)がそれぞ 貼付された光学用透明粘着積層体として取 扱われる。
 さらに、前記組立工程では、2つの光学部品 (例えば、被着体(C)、被着体(D))を光学透明粘 体で接合するために、
(I)先ず、前記光学透明粘着積層体から剥離フ ィルム(A)を剥離除去して、粘着面(a)を表出さ せ、
(II)そして、前記粘着面(a)に被着体(C)を貼付 、
(III)次いで、被着体(C)が粘着面(a)から剥離す ことなく、前記粘着積層体から剥離フィル (B)を剥離除去して、粘着面(b)を表出させ、
(IV)そして、前記粘着面(b)に、被着体(D)が貼 される。

 さらに、被着体(C)と被着体(D)が光学透明粘 体で接合された後に、貼付不良(例えば、位 置ズレや異物混入など)が発見された場合に 、被着体と光学透明粘着体を剥離して不良 項を解消するにおいて、
(V)被着体(C)と被着体(D)のいずれか一方が光学 用透明粘着体から選択的に安定して剥離させ ることにより、リワーク作業が合理的にでき 、また、作業の機械化にも対応できるように なる。
 上記の(I)~(V)の手順を確実に実現するために は、剥離フィルム(A)と粘着面(a)との剥離強度 (F1)と、剥離紙(B)と粘着面(b)との剥離強度(F2) 、粘着面(a)と被着体(C)との剥離強度(F3)と、 および粘着面(b)と被着体(D)との剥離強度(F4) の関係は、F1<F2<F3<F4となることが必要 となる。

 前記剥離力や剥離強度の関係を安定して実 するために、本発明の光学用透明粘着体は 粘着性の異なる粘着面(a)と粘着面(b)とを有 、付加反応型シリコーンゲルから形成され 光学用透明粘着体であって、粘着面(a)の粘 性能(Ga)と粘着面(b)の粘着性能(Gb)との関係 、Ga<Gb であり、及び粘着性能(Ga)と粘着性 能(Gb)は、JIS Z0237に準拠した傾斜式ボールタ ク試験(傾斜角30度)におけるボールナンバー が3~15で、ボールナンバー差が2~12であること 特徴とするものである。特に、従来技術で 検討されていなかったリワーク作業におけ 被着体の選択的分離が向上するため、オー メーション対応性にも優れたものとなる。
 以下に、本発明の光学用透明粘着体、光学 透明粘着積層体及びその製造方法などにつ て、詳細に説明する。

1.光学用透明粘着体
(i)付加反応型シリコーンゲル
 本発明の光学用透明粘着体は、粘着性を有 る付加反応型シリコーンゲルから形成され 。
 上記シリコーンゲルの硬度は、SRIS 0101規格 のアスカーC硬度が0~30であるか、またはJIS K2 207「石油アスファルト」に準拠した針入度(25 ℃)が20~200であることが望ましい。

 また、本発明において、透明とは、無色透 、着色透明、半透明を包含する意であり、 発明で用いる透明シリコーンゲルの波長が3 80~780nm領域の可視光の全光線透過率(JIS K7105 プラスチックの光学的特性試験方法」準拠) 、80%以上であることが好ましく、より好ま くは85%以上、特に好ましくは90%以上である
 透過率は、透明部材の透明度を指標するも であり、透過率が80%未満の場合には、例え 、画面から発せられた光が透明部材を透過 にくくなるので、視認性が低下する。また 透過率が80%以上である波長の領域が380nm~780n mの領域よりも狭い場合には、赤色側(高波長 )あるいは青色側(低波長側)の光の透過性が 下するので好ましくない。ここで、透過率 、分光光度計等を用いて測定する値である

 上記付加反応型シリコーンゲルとしては 従来から知られ、市販されている種々のシ コーン材料として一般的に使用されている イ素化合物を適宜選択して用いることがで る。よって、加熱硬化型あるいは常温硬化 のもの、硬化機構が縮合型あるいは付加型 ものなど、いずれも用いることができ、特 付加型シリコーン組成物から得られるシリ ーンゲルが好ましい。また、ケイ素原子に 合する基も、特に限定されるものではなく 例えば、メチル基、エチル基、プロピル基 のアルキル基、シクロペンチル基、シクロ キシル基等のシクロアルキル基、ビニル基 アリル基等のアルケニル基、フェニル基、 リル基等のアリール基のほか、これらの基 水素原子が部分的に他の原子又は結合基で 換されたものを挙げることができる。

 具体的な付加反応型シリコーンゲル材と ては、東レ・ダウコーニング(株)製の商品 :CF-5106(針入度が150)などが良好であり、この リコーンゲル材は、原料であるシリコーン 脂がA液とB液とに分れていて、この両液を 定比率で混合して加熱することにより、所 の針入度を有するシリコーンゲル材を得る とができるものである。

 本発明で用いられる付加反応型(又は架橋 )シリコーンゲルの製法は、特に限定されな が、通常は、後述するオルガノハイドロジ ンポリシロキサンとアルケニルポリシロキ ンとを原料とし、両者を触媒の存在下でハ ドロシリル化反応(付加反応)させることによ り得られる。すなわち、本発明においてシリ コーンゲルの原料物質とは、多くの場合、オ ルガノハイドロジエンポリシロキサンとアル ケニルポリシロキサンを指す。原料の1つと て用いられるオルガノハイドロジェンポリ ロキサンは、下記の一般式(1)で表されるも が好ましい。

 式中、R 1 は、同一又は異種の置換若しくは非置換の1 の炭化水素基を表し、R 2 、R 3 及びR 4 は、R 1 又は-Hを表し、R 2 、R 3 及びR 4 の少なくとも2つは、-Hを表し、x及びyは、各 位の数を示す整数であり、各単位は、ブロ クあるいはランダムに配置されており、ラ ダムが好ましく、xは、0以上の整数である 10~30が好ましく、yは、0以上の整数であるが1 ~10が好ましい。x+yは、5~300の整数であるが30~2 00が好ましい。また、y/(x+y)≦0.1の範囲が好ま しく、この範囲を超えると架橋点が多くなり 、本発明の透明粘着体は得られない。
 R 1 の例としては、メチル基、エチル基、プロピ ル基、ブチル基等のアルキル基、シクロペン チル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキ ル基、フェニル基、トリル基等のアリール基 、ベンジル基、フェニルエチル基等のアラル キル基、或いは、これらの水素原子が部分的 に塩素原子、フッ素原子などで置換されたハ ロゲン化炭化水素などが挙げられる。

 ケイ素原子に直接結合した水素(Si-H)は、 イ素原子に直接または間接的に結合したア ケニル基と付加反応(ハイドロシリル反応) 行うために必要であり、オルガノハイドロ ェンポリシロキサン分子中にすくなくとも2 必要であり、ケイ素原子に直接結合した水 の数が少ないと架橋点の数が少なすぎ、シ コーンゲルを形成することができず、シリ ーンオイルの性質と変わらなくなり望まし なく、ケイ素原子に直接結合した水素の数 多すぎると架橋点の数が多過ぎ、シリコー ゴムの性質と変わらなくなり好ましくない

 また、本発明に係る架橋シリコーンゲル 製造する際に用いられるもう1つの原料であ るアルケニルポリシロキサンは、下記の一般 式(2)で表されるものが好ましい。

 式中、R 1 は、同一又は異種の置換もしくは非置換の1 の炭化水素基を表し、R 5 、R 6 及びR 7 は、R 1 又はアルケニル基を表し、R 5 、R 6 及びR 7 の少なくとも2つはアルケニル基を表し、s及 tは、各単位の数を示す整数であり、各単位 はブロックあるいはランダムに配置されてお り、ランダムが好ましく、sは、0以上の整数 表し、tは、0以上の整数を表し、s+tは、10~60 0の整数であり、かつt/(s+t)≦0.1ある。また、t /(s+t)≦0.1の範囲が好ましく、この範囲を超え ると架橋点が多くなり、本発明の光学用透明 粘着体は得られない。
 R 1 の例としては、メチル基、エチル基、プロピ ル基、ブチル基等のアルキル基、シクロペン チル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキ ル基、フェニル基、トリル基等のアリール基 、ベンジル基、フェニルエチル基等のアラル キル基、或いはこれらの水素原子が部分的に 塩素原子、フッ素原子などで置換されたハロ ゲン化炭化水素などが挙げられる。

 ケイ素原子に直接または間接的に結合し アルケニル基(ビニル基、アリル基等)は、 イ素原子に直接結合した水素(Si-H)と付加反 (ハイドロシリル反応)を行うために必要であ り、アルケニルポリシロキサン分子中にすく なくとも2個必要であり、アルケニル基の数 少ないと架橋点の数が少なすぎ、シリコー ゲルを形成することができず、シリコーン イルの性質と変わらなくなり、望ましくな 、アルケニル基の数が多すぎると、架橋点 数が多過ぎシリコーンゴムの性質と変わら くなり好ましくない。

 本発明において、一般式(1)で表されるハ ドロジェンポリシロキサンは、珪素原子に 結した-H(水素基)を有しており、一般式(2)で 表されているアルケニルポリシロキサンは、 炭素-炭素二重結合を有しているので、炭素- 素二重結合と-H(水素基)が付加反応をおこす が、これをハイドロシリル化反応という。

 上記ハイドロシリル化反応は、公知の技 を用いて行うことができる。すなわち、こ 反応は、エタノール、イソプロピルアルコ ル等のアルコール系、トルエン、キシレン の芳香族炭化水素系、ジオキサン、THF等の ーテル系、脂肪族炭化水素系、塩素化炭化 素系の有機溶剤中又は無溶媒で行われる。 た、反応温度は、通常50~150℃であり、塩化 金酸、塩化白金酸とアルコールより得られ 錯体、白金-オレフィン錯体、白金-ビニル ロキサン錯体、白金-リン錯体等の触媒を用 反応させることができる。触媒の使用量は アルケニルポリシロキサンに対して、白金 子として通常1~500ppmであり、硬化性及び硬 後の製品の物理的特性を考慮して、3~250ppmが 好ましい。

 前記シリコーンゲルは、表面の非架橋官 基に由来する粘着性を有するが、例えば、M Qレジン型の粘着付与成分を配合したものや 非反応性の粘着成分の添加や、非架橋官能 の側鎖の長さや末端官能基の種類などを調 して、粘着性を発現させるなど、公知の粘 性付与方法を適用されたものも、用いるこ ができる。

 また、本発明の光学用透明粘着体は、粘着 の異なる粘着面(a)と粘着面(b)とを有してい 。
 さらに、本発明の光学用透明粘着体は、次 関係を満たすものである。
 すなわち、剥離フィルム(A)と粘着面(a)との 離強度(F1)と、剥離フィルム(B)と粘着面(b)と の剥離強度(F2)と、粘着面(a)と被着体(C)との 離強度(F3)と、および粘着面(b)と被着体(D)と 剥離強度(F4)との関係は、 F1<F2<F3<F4  である。

 上記の関係式において、剥離強度(F1)と剥離 強度(F2)との差がJIS Z0237「粘着テープ・粘着 ート試験方法」に準拠した粘着力試験にお る180度引きはがし粘着力で0.2~1.0N/25mmであり 、かつ剥離強度(F2)と剥離強度(F3)との180度引 はがし粘着力差が0.2N/25mm以上であることが ましい。
 これは、光学用透明粘着体に対する剥離フ ルムの剥離強度の差が上記範囲の下限未満 あると、剥離フィルムを剥がす際に、剥離 がいずれの剥離フィルム側になるのか安定 なくなるからである。
 また、本発明の光学用透明粘着体では、そ 両面に密着している剥離フィルム(A)と粘着 (a)との剥離強度(F1)と、剥離フィルム(B)と粘 着面(b)との剥離強度(F2)が、それぞれ5.0N/25mm 下であることが望ましい。これは、剥離強 が5.0N/25mmを超えると、剥離フィルムを剥が 際に、光学用透明粘着体を破損したりする それがあるからである。

 上記の剥離力の調整においては、剥離フィ ム(A)を剥離除去した際の粘着面(a)の粘着性 (Ga)と、剥離フィルム(B)を剥離除去した際の 粘着面(b)の粘着性能(Gb)との関係は、 Ga<Gb であることが必須の要件であり、光学部品 ら透明粘着体を除去して、貼り直しという ワークの際にも、透明粘着体両面の剥離部 選択性が安定的に、かつ容易に発現にも有 に作用する。
 さらに、粘着性能(Ga)と粘着性能(Gb)は、JIS  Z0237「粘着テープ・粘着シート試験方法」に 拠した傾斜式ボールタック試験(傾斜角30度) におけるボールナンバーが3~15であることと GaとGbのボールナンバー差が2~12であることが 望ましく、さらに前記ボールナンバー差は2~5 であることがより好ましい。これは、粘着性 能の差が2未満であると、光学部品から透明 着体を除去して、貼り直しというリワーク 際には、光学部品からの除去面がどちらか なるのか安定しなくなるからである。一方 粘着性能の差が12を超えると、透明粘着体の 粘着面(b)と光学部品との剥離が困難になるお それがあるとともに、製造が困難になる。

 前記粘着性能(Ga)と粘着性能(Gb)は、前記シ コーンゲルの未硬化原料が硬化開始する前 未架橋状態で接触する物質の種類で調整さ る。
 前記物質とは、剥離フィルム(基材材質の場 合や剥離処理コーティング層の場合が想定さ れる)や空気などの気体、剥離フィルムに施 れたウェットコーティング層などの液体な が適用できる。固相-固相などの同じ相同士 組み合わせでもよいし、固相-気相や固相- 相といった異なる相の組み合わせでもよい 同じ相である異なる種類の剥離フィルムを 触させてGaとGbを発現させるには、未架橋シ コーンゲル材料が接触する剥離フィルム表 の表面エネルギーが小さい方がボールタッ は小さくなる。また、固相-気相の例である 剥離フィルムに接触させた部分と空気に接触 させて架橋させた場合は、空気に接触させた 面がボールタックが小さくなる。
 さらに、付加反応型シリコーンゲルの特徴 ある架橋反応に最も影響する印加エネルギ である加熱量や紫外線などの電磁波照射量 の違いでも、粘着力やそれに起因する剥離 度が調整できる。
 また、剥離フィルムの未架橋シリコーンゲ 原料との接触面側に、架橋剤であるハイド ジェンポリシロキサンを主成分とするコー ィング層を付与することにより、前記コー ィング層と接触する未架橋シリコーンゲル 料の表面架橋度を調整してもよい。

 また、従来の両面粘着タイプの光学用透明 着テープでは、粘着体(両面粘着テープの両 面の剥離材を除いた粘着層の部分)の厚みが10 0μm以下の範囲においては、粘着層の表裏の 着特性が主体で粘着層の厚みの影響は小さ ものの、厚みが増すにしたがって粘着体か 被着物または剥離フィルムを剥離させると に、粘着体の引張り弾性変形が生じやすく り、特に粘弾性を有する粘着体では、剥離 力緩衝性が作用して剥離部位安定性が低下 る問題があった。
 しかしながら、本発明の光学用透明粘着体 は、従来の光学用透明粘着テープの厚み領 である数十μm以上の厚みで上記の剥離部位 定性が発揮されることはもちろんのこと、 に厚みが100μmを超えて、光学用透明粘着体 粘弾性特性が剥離強度に影響する厚み領域 も、剥離部位安定性が発揮される。

 本発明の特徴である上記の異粘着性の発現 カニズムは、現状明確でないが、未硬化シ コーンゲル原料と剥離フィルムなどの被接 物質との接触により、形成される界面にお て、前記被接触物質の最表面の分子状態(表 面エネルギー)や未架橋シリコーンゲルの官 基または側鎖の極性(相溶性)などが作用して 、界面近傍での架橋構造の違いや未架橋官能 基の割合が変わり、マクロな現象として粘着 性の違いとして、観測されるものと、推察さ れる。
 また、剥離フィルムと粘着体の剥離強度は 前記異粘着の発現推察事項に加え、架橋硬 過程で受ける加熱や冷却の熱履歴に対応し 剥離フィルムとシリコーンゲルとの界面の 膨張収縮履歴に起因する界面残留応力が作 して、界面の密着強度が増し(剥離フィルム とシリコーンゲルとの噛み合い作用)、その 果、剥離強度の違いに関与しているものと 推察される。

 なお、前述の剥離強度F1とF2において、未架 橋シリコーンゲル原料が剥離フィルムに接触 して架橋された状態において剥離する場合と 、前記と同様に架橋された後に一度剥離フィ ルムを剥離除去した後に、同じ剥離フィルム または別の剥離フィルムに貼り替えた場合で 剥離強度が異なり、後者の方が剥離強度は小 さくなる。
 これは、硬化過程で剥離フィルムと未架橋 リコーンゲル原料との界面で形成された界 結合構造が初回の剥離で破壊されるまで界 に拘束力が作用するが、後から貼付した剥 フィルムと粘着面(aまたはb)との接触で発現 する密着力は、前記の剥離破壊面を形成させ るに相当する拘束力がないため、剥離強度は 、初回剥離の場合よりも小さくなると、推察 される。
 したがって、前述の剥離タイプに応じて、G aおよびGbとのバランスを調整しながら剥離フ ィルムの組み合わせを最適化する必要がある 。

(ii)剥離フィルム(A)と剥離フィルム(B)
 本発明の光学用透明粘着体では、その両面 、剥離フィルム(A)と剥離フィルム(B)を密着 せて光学用透明粘着積層体を構成する。
 本発明において、剥離フィルム(A)と剥離フ ルム(B)と定義しているが、一般に用いられ いる剥離シートや表面保護フィルムや剥離 など全般を指すものである。この剥離フィ ム(A)と剥離フィルム(B)は、光学用透明粘着 の接着面を塵芥より保護するものであり、 用する際に剥がす必要がある。
 また、本発明の光学用透明粘着体では、剥 フィルム(A)と密着する粘着面(a)と、剥離フ ルム(B)と密着する粘着面(b)とを有し、前記 剥離強度の関係式や、粘着性能の関係式を たすためには、本発明の光学用透明粘着体 両面に貼付される剥離フィルム(A)と剥離フ ルム(B)は、剥離フィルム(A)がアルキッド樹 系剥離フィルムであり、剥離フィルム(B)が ロロシリコーン系剥離フィルムであること 望ましい。

 本発明においては、前記の剥離強度の関係 や、粘着性能の関係式を満たすことができ ば、剥離フィルム(A)と剥離フィルム(B)は、 記素材に限定されない。例えば、剥離フィ ム(A)と剥離フィルム(B)として、ポリエーテ スルホン樹脂、酢酸セルロース樹脂、ポリ ミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテ 樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポ アミド樹脂、ポリオレフィン(例えばポリプ ロピレン)等の有機樹脂からなるフィルム;こ らの有機樹脂が他の有機樹脂と積層してな フィルム、あるいはこれらの有機樹脂が他 有機樹脂フィルムの表面を被覆してなるフ ルムが挙げられる。剥離フィルム(A)と剥離 ィルム(B)として、これらの素材を用いる際 は、互いに異種の材質からなるものを用い ことにより、光学用透明粘着体に対する剥 フィルムの剥離強度の差を適度のものとす ことができる。
 また、前述の積層構造や表面処理により剥 フィルムの表裏で異なった剥離特性を付与 ることによって、一枚の剥離フィルムで剥 フィルム(A)と剥離フィルム(B)の機能を持た てもよく、特に、前記光学用透明粘着積層 の製造形態のひとつであるロール状に回収 る場合には有効である。

2.光学用透明粘着積層体及びその製造方法
 本発明の光学用透明粘着積層体は、上記の 学用透明粘着体の粘着面(a)に剥離フィルム( A)を、粘着面(b)に剥離フィルム(B)を積層して るものである(例えば、図1参照。)。
 また、別の形態として、光学用透明粘着体 粘着面(b)に剥離フィルム(B)が積層され、粘 面(a)に剥離フィルム(B)の裏面が接触してロ ル状に積層されてなるものとしてもよい(例 えば、図2参照。)。
 さらに、本発明の光学用透明粘着積層体の 造方法としては、次の工程からなることが ましい。
 すなわち、(i)未硬化の液状粘弾性材料を剥 フィルム(A)と剥離フィルム(B)で挟んで厚み 定する成形工程と、(ii)成形後または成形と 同時に加熱硬化させる加熱工程と、(iii)硬化 ートを冷却する冷却工程とからなる。

 上記(i)成形工程は、未硬化の液状シリコー ゲル原料を剥離フィルム(A)と剥離フィルム( B)で挟んで前記未硬化材料と前記各剥離フィ ムの一部又は全面と接触させた後、剥離フ ルム(A)と剥離フィルム(B)の両方または片方 圧力を掛けて目的のシリコーンゲル厚みに 定する。この時、前記剥離フィルム(A)と剥 フィルム(B)とも硬化後のシリコーンゲルの 着性および剥離強度を発現させる面(以下粘 着制御面)を未硬化のシリコーンゲル材料と 触させる。前記の未硬化の液状シリコーン ル原料を剥離フィルム(A)と剥離フィルム(B) 挟む方法および厚み設定方法は、特に限定 ないが、プレス方式やカレンダー方式など 適用できる。また、加熱方法は、公知の加 方法を適用できる。さらに冷却工程は、自 冷却でもよいし、冷風を当てるなどの公知 冷却装置を適用することができる。
 上記(i)~(iii)の工程は、各工程毎にバッチ式( 例えば、図3参照。)で行ってもよいし、連続 (例えば、図5参照。)でもよい。

 また、本発明の光学用透明粘着積層体の製 方法の別の態様としては、次の工程からな ことが望ましい。
 すなわち、(i)未硬化の液状粘弾性材料を剥 フィルム(B)上に供給して厚み設定する成形 程と、(ii)成形後または成形と同時に少なく とも剥離フィルム(A)を貼付する部分を開放さ せて加熱硬化させる加熱工程と、(iii)前記加 硬化工程で得られた硬化シートを冷却する 却工程と、(iv)前記加熱工程で開放させて加 熱硬化した面に剥離フィルム(A)を貼付する剥 離フィルム貼付工程からなる。

 前記(i)成形工程は、未硬化の液状シリコー ゲル原料を剥離フィルム(B)上に、略均一厚 となるように未硬化層を形成させる。厚み 定方法は、公知の塗布方法を適宜適用でき 。例えば、量産性に優れる方法としては、 レード式コーター等が適用できる。
 上記(i)~(iii)の工程は、各工程毎にバッチ式( 例えば、図4参照。)で行ってもよいし、連続 でもよい。また、図8に例示したように、(iv )の剥離フィルム貼付工程は、剥離フィルム(A )を連続供給するロール式でもよい。また、 の方法としては、冷却されたシートを所定 シートにカットした後に、剥離フィルムを 付してもよい。
 なお、(iV)の工程の剥離フィルム(A)は、剥離 強度F1<剥離強度F2で、その差が0.2~1.0N/25mmで あれば、剥離フィルム(B)と同じものを使用し てもよい。

 さらに、本発明の光学用透明粘着積層体の 造方法の別の態様としては、次の工程から ることが望ましい。
 すなわち、(i)未硬化の液状の付加反応型シ コーンゲル原料を剥離フィルム(B)上に供給 て厚み設定する成形工程と、(ii)成形後また は成形と同時に前記剥離フィルム(B)と非接触 な前記未硬化シリコーンゲル原料表面の少な くとも一部を空気接触させて加熱硬化させる 加熱工程と、(iii)前記加熱硬化工程で得られ 硬化シリコーンゲルを剥離フィルム(B)とと に冷却する冷却工程と、(iv)前記加熱工程で 空気接触させて硬化して形成された粘着面(a) を剥離フィルム(B)の裏面に接触させて剥離フ ィルム(B)とともに巻き取る巻取り工程からな る(例えば、図7参照。)。

 上記巻取り工程では、作製された硬化シ トの先端部分の粘着面(a)を、樹脂製等の芯 に密着させて、皺や空気の混入が発生しな ように巻き取る。巻き取り方法は、特に限 されないが、ロール巻取り装置でテンショ 調整しながら行うのが量産性に優れて好ま い。また、作製された光学用粘着体の硬さ 柔らかくなるほど圧縮応力で光学透明粘着 の厚みが変形しやすいので、巻き取り速度 巻取りテンションを適宜調整することで巻 り時の不具合が防止できる。また、剥離フ ルム(B)の裏面には、剥離フィルム(B)と異な 剥離処理を施して、粘着面(a)と剥離フィル (B)の裏面の密着面の剥離強度に差を持たせ ことができる。前記裏面の処理としては、 ルキッド樹脂系剥離処理やポリプロピレン 薄膜処理など剥離フィルム(B)の表面側より 、軽剥離とすることが好適である。

 さらに、本発明の光学用透明粘着積層体の 造方法の別の態様としては、次の工程から ることが望ましい。
 すなわち、(i)未硬化の液状の付加反応型シ コーンゲル原料を剥離フィルム(A)と剥離フ ルム(B)で挟んで厚み設定する成形工程と、( ii)成形後または成形と同時に加熱硬化させる 加熱工程と、(iii)前記加熱硬化工程で得られ 硬化シリコーンゲルを剥離フィルム(A)と剥 フィルム(B)とともに冷却する冷却工程と、( iv)剥離フィルム(A)を硬化したシリコーンゲル から剥離して粘着面(a)を表出させる剥離工程 と、(v)粘着面(a)を剥離フィルム(B)の裏面に接 触させて剥離フィルム(B)とともにロール状に 巻き取る巻取り工程からなる(例えば、図8参 。)。

 また、上述の各製造方法の形態において 剥離フィルム(A)は、透明粘着体接触面がア キッド樹脂系剥離処理され、かつ剥離フィ ム(B)は、透明粘着体接触面がフロロシリコ ン系剥離処理されていることが好適である また、ロール形態の光学用透明粘着積層体 する製造方法の場合には、剥離フィルム(B) 透明粘着体接触面がフロロシリコーン系剥 処理され、かつ剥離フィルム(B)の裏面がア キッド樹脂系剥離処理されているものが好 しい。

 また、上述の各製造方法の形態における 熱工程では、剥離フィルム(A)側の加熱温度 剥離フィルム(B)側の加熱温度を、異なって 化させることにより、粘着性能GaとGbを異な らせるように調整することができる。加熱温 度が高い面側の方が粘着性能は、低くなる。 剥離フィルム(A)側と剥離フィルム(B)側の加熱 温度差は、シリコーン原料の種類と剥離フィ ルムの種類(熱膨張率や耐熱性)によっても異 るが10~50℃が好ましく、より好ましくは10~30 ℃である。また、厚み精度の確保の点から、 重力に対して下面となる側の加熱温度を高く して、硬化によって硬度を高くしておくこと が好ましい。

 さらに、上述の各製造方法の形態におけ 冷却工程では、剥離フィルム(A)側と剥離フ ルム(B)側との冷却勾配を異ならせることに り、シリコーンゲルの冷却収縮速度と剥離 ィルムの冷却収縮速度のバランスに起因し 界面密着構造(例えば、剥離フィルムへのシ リコーンゲルの密着・食い付き効果など)が 成されて、初期剥離時の剥離強度を主に利 して使用するタイプの光学用透明粘着積層 の場合には効果的である。冷却速度のコン ロールは、ブロアー等の吹き付け方式や冷 板に接触させる方式など、特に限定されな 。

3.光学用透明粘着体の用途
 本発明の光学用透明粘着体は、例えば、画 表示デバイスと透明保護パネルの間に、用 られる。被着体(C)と被着体(D)の組み合わせ して、携帯電話の液晶ディスプレイの場合 は、アクリル等の樹脂製前面パネルと液晶 ネルのガラス面(例えば、図11参照。)、また は前記前面パネルとTAC等の樹脂製の偏光シー ト(例えば、図12参照。)、さらには前記の偏 シート同士への適用(例えば、図13参照。)が る。その他、プラズマディスプレイパネル( PDP)や有機ELタイプのディスプレイの場合には 、各発光素子面と前面パネル間の空間を充満 するように、本発明の光学用透明粘着体を適 用することができる。その他光学系の光路の 伝送ロスを軽減するために、光散乱を生じる 空間に光接合スペーサーとして、適用するこ とができる。厚みは、用途に応じて設定され るが、例えば上記のディスプレイ用途の場合 には、0.1~5.0mm、好ましくは0.2~2.0mmが衝撃緩衝 性も付与できて好適である。

 以下、本発明を実施例により具体的に説 するが、本発明は、これらの実施例に特に 定されるものではない。

[実施例1]
 (i)未硬化の液状シリコーンゲル原料を剥離 ィルム(A)と剥離フィルム(B)で挟んで厚み設 する成形工程と、(ii)成形後に加熱硬化させ る加熱工程と、(iii)硬化シートを冷却する冷 工程を経て、剥離フィルム(A)と光学用透明 着体と剥離フィルム(B)の順に積層された200m m×200mm×厚み2.0mmの光学用透明粘着積層体を得 た。
 未硬化の液状シリコーンゲル原料は、旭化 ワッカーシリコーン(株)社製の二液付加反 型シリコーンゲル(型式:SLJ3363、空気中にお る全光線透過率90%)を用い、また、剥離フィ ム(A)として、パナック(株)社製のアルキッ 樹脂系剥離フィルム(型式:T-9、フィルム厚み :0.1mm)を、剥離フィルム(B)として、ユニチカ( )社製のフロロシリコーン系剥離フィルム( 式:FZ、フィルム厚み:0.1mm)を使用した。
 成形工程の手順としては、平坦なガラス基 上に、剥離フィルム(B)の剥離作用面を上に て敷き、さらに、剥離フィルム(B)の四隅に さ2.0mmのスペーサーを置いて成形下型とし 剥離フィルム(B)の中心部に二液混合、脱泡 た未硬化の液状シリコーンゲル原料を、気 を巻き込まないように流し入れ、次いで、 泡を巻き込まないように、剥離フィルム(A) 剥離機能面を前記液状シリコーンゲル原料 面に接触被覆し、次いで、剥離フィルムの から上押型となる平坦なガラス板を載せて 手で押圧してスペーサー厚みに成形した。
 次に、前記成形工程のガラス板型とともに 記シリコーンゲル原料を熱風式オーブン中 70℃、1時間加熱硬化させ、その後、オーブ から取り出してガラス基板を取り外して、 学用透明粘着積層体を木板上で室温(25℃)に て自然冷却した。

[実施例2]
 (i)未硬化の液状粘弾性材料を剥離フィルム( B)上に供給して、厚み設定する成形工程と、( ii)成形後に剥離フィルム(A)を貼付せずに、開 放させて加熱硬化させる加熱工程と、(iii)前 加熱硬化工程で得られた硬化シートを冷却 る冷却工程と、(iv)前記加熱工程で開放させ て加熱硬化した面に、剥離フィルム(A)を貼付 する剥離フィルム貼付工程を経て、剥離フィ ルム(A)と光学用透明粘着体と剥離フィルム(B) の順に積層された200mm×200mm×厚み2.0mmの光学 透明粘着積層体を得た。
 (i)の成形工程での厚み設定は、平坦なガラ 基板上に剥離フィルム(B)の剥離作用面を上 して敷き、さらに、剥離フィルム(B)上にア ミ製の内寸200mm×200mm×厚み2.0mmの枠型のスペ ーサーを置き、未硬化シリコーンゲル原料を 前記型枠内いっぱいに流し入れてからスキー ジ板で型枠上面に沿ってスキージして余剰な 未硬化シリコーンゲル原料を除去する方法で 行った。
 次いで実施例1と同様条件でスキージ面を空 気接触させた状態で加熱硬化ならびに冷却し 、型枠を取り外してから、空気接触で硬化さ せた面に剥離フィルム(A)を貼付した。
 使用したシリコーンゲルと剥離フィルム(A) 剥離フィルム(B)は、実施例1と同じである。

[実施例3]
 実施例2において、空気接触硬化した面に剥 離フィルム(A)を貼付する工程を、前記空気接 触硬化した面を剥離フィルム(B)の裏面に接触 させて剥離フィルム(B)とともに巻き取る巻取 り工程で、置き換えたことと、剥離フィルム (B)の裏面に、アルキッド樹脂系剥離処理を施 したこと以外は、実施例2と同じ条件で作製 て、幅200mmのロール状の光学用透明粘着積層 体を得た。
 巻取り工程では、外径φ20mmの塩ビ製の芯材 空気接触面側を密着させて、皺や空気の混 が発生しないように巻き取った。

[実施例4]
 実施例1の剥離フィルム(B)に替えて、実施例 3で使用した剥離フィルム(B)を使用し、かつ 化工程の加熱温度を100℃としたこと以外は 実施例1と同様にして、光学用透明粘着積層 を作製したのちに、剥離フィルム(A)を剥離 去し、さらに実施例3の巻取り工程と同様に して、幅200mmのロール状の光学用透明粘着積 体を得た。

[実施例5]
 加熱温度を100℃にした以外は、実施例1と同 様にして、光学用透明粘着積層体を得た。

[実施例6]
 加熱温度を120℃にした以外は、実施例1と同 様にして、光学用透明粘着積層体を得た。

[実施例7]
 加熱温度を100℃にした以外は、実施例2と同 様にして、光学用透明粘着積層体を得た。

[実施例8]
 加熱温度を120℃にした以外は、実施例2と同 様にして、光学用透明粘着積層体を得た。

[実施例9]
 未硬化の液状シリコーンゲル原料の硬度を アスカーC硬度が10になるように二液配合比 調整した以外は、実施例6と同様にして、光 学用透明粘着積層体を得た。

[実施例10]
 未硬化の液状シリコーンゲル原料の硬度を 針入度が60になるように二液配合比を調整 た以外は、実施例6と同様にして、光学用透 粘着積層体を得た。

[実施例11]
 未硬化の液状シリコーンゲル原料を、モメ ティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ ャパン社製の二液付加反応型シリコーンゲ (TSE3070、空気中における全光線透過率90%)を いて硬化後の硬度が針入度140とした以外は 実施例6と同様にして、光学用透明粘着積層 体を得た。

[実施例12]
 未硬化の液状シリコーンゲル原料を、硬化 の硬度が針入度190となるように二液の配合 を調整した以外は、実施例11と同様にして 光学用透明粘着積層体を得た。

[実施例13]
 未硬化の液状シリコーンゲル原料を、硬化 の硬度をアスカーC硬度が25になるように二 の配合比を調整した以外は、実施例8と同様 にして、光学用透明粘着積層体を得た。

[実施例14]
 剥離フィルム(B)に替えて、剥離フィルム(A) 用いて未硬化の液状シリコーンゲル原料の 面を剥離フィルム(A)で挟んで成形したこと 、加熱条件が上面の剥離フィルム(A)側を70 、下面の剥離フィルム(A)側を120℃としたこ 以外は、実施例1と同様にして、光学用透明 着積層体を得た。

[実施例15]
 冷却条件を剥離フィルム(A)側を室温で自然 却し、剥離フィルム(B)側を10℃の水冷冷却 で強制冷却した以外は、実施例5と同様にし 、光学用透明粘着積層体を得た。

[実施例16]
 未硬化の液状シリコーンゲル原料を、モメ ティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ ャパン社製の二液付加反応型シリコーンゲ (TSE3070、空気中における光透過率90%)に替え 、二液配合比を調整し、硬化温度を100℃、 化後の硬度が針入度120とし、さらに、開放 化面にハイドロジェンポリシロキサンオイ を塗布して、空気接触硬化面の粘着特性Ga してボールタック試験におけるボールNo.3と た以外は、実施例2と同様にして、光学用透 明粘着積層体を得た。

[比較例1]
 剥離フィルム(B)を剥離フィルム(A)に替えた 外は、実施例6と同様にして、光学用透明粘 着積層体を得た。

[比較例2]
 剥離フィルム(B)を剥離フィルム(A)に替えた 外は、実施例9と同様にして、光学用透明粘 着積層体を得た。

[比較例3]
 未硬化シリコーンゲルの配合比を調整して 粘着面(b)のGbをボールタック試験における ールNo.16となるように調整し、硬度を針入度 210とした以外は、実施例1と同様にして、光 用透明粘着積層体を得た。

[比較例4]
 空気接触硬化面にハイドロジェンポリシロ サンオイルを塗布して、空気接触硬化面の 着特性Gaとしてボールタック試験における ールNo.2とした以外は、実施例8と同様にして 、光学用透明粘着積層体を得た。

[比較例5]
 未硬化の液状シリコーンゲル原料を、硬化 の硬度をアスカーC硬度が32になるように二 の配合比を調整した以外は、実施例8と同様 にして、光学用透明粘着積層体を得た。

(評価):
 実施例1~15および比較例1~5で作製した光学用 透明粘着体及び光学用透明粘着積層体につい て、次の評価方法で性状、性能を測定した。 その評価結果を表1~3に示す。

(i)接着性(粘着性):
 粘着性能(Ga)と粘着性能(Gb)は、傾斜式ボー タック試験におけるボールナンバー:JIS Z0237 「粘着テープ・粘着シート試験方法」の傾斜 式ボールタック試験に準拠して、30度の傾斜 に試験片を貼り付け、この試験片表面にボ ルを転がし、300秒後に測定部内で停止する ールのうち最大のボールナンバーを見出し ボールタック性の値とした。

(ii)剥離安定性:
 以下の評価ステップに沿って、順次剥離安 性を評価した。
評価ステップ(I):
 前記光学透明粘着積層体から剥離フィルム( A)を剥離除去して、粘着面(a)を表出させる。 のとき、剥離フィルム(B)が剥がれず、剥離 ィルム(A)のみ剥離除去できれば○、僅かで 剥離フィルム(B)が剥離していたら×と判定 た。

評価ステップ(II):
 前記粘着面(a)に、被着体(C)として厚さ1mmの クリル板(三菱レイヨン社製 MR-200 L-001)を 物や気泡が混入しないように貼付したのち 被着体(C)を手で固定して剥離フィルム(B)を 離除去して、粘着面(b)を表出させる。この き、被着体(C)と粘着面(a)の貼付面が剥離す ことなく剥離フィルム(B)のみ剥離除去でき ば○、僅かでも被着体(C)と粘着面(a)の貼付 が剥離したら×と判定した。

評価ステップ(III):
 前記粘着面(b)に、被着体(D)として厚さ1mmの 販のフロートガラス板(日本板硝子社製フロ ートガラス JIS R3202相当、目視で表面に傷の ないものを使用した。)を異物や気泡が混入 ないように貼付したのち、1時間室温放置し 被着体(D)を手で固定して被着体(C)を剥離さ る。このとき、被着体(D)側が剥離せずに被 体(C)のみ剥離除去できれば○、被着体(D)側 僅かでも剥離したら×と判定した。
 各評価ステップの試験試料は、それぞれ5個 とし、全て同じ側に剥離した場合のみ○とし 、1個でも逆側に剥離した場合は×と判定した 。また、×判定が出た時点で評価終了とした

(iii)剥離強度:
 剥離強度(F1)、剥離強度(F2)、剥離強度(F3)お び剥離強度(F4)は、JIS Z0237「粘着テープ・ 着シート試験方法」に準拠した粘着力試験 おける180度引きはがし粘着力を、180度ピー 試験機で引張り速度300mm/minの速さにて測定 た。剥離強度(F1)および剥離強度(F2)の評価用 の試験試料は、それぞれ図10(a)と図10(b)に示 たとおり、被測定面の反対側の面となる剥 フィルムにプライマーを介して未硬化のシ コーンゲル原料を密着させて、実施例1~15お び比較例1~5の構成、加熱、冷却条件で硬化 せて硬化面の表面温度が23℃となった後、 らに24時間養生させたものとした(評価試料 イプX)。
 また、剥離強度(F3)および剥離強度(F4)の評 は、それぞれ図11(a)と図11(b)に示したとおり 前記評価試料タイプXを作成したのち、被測 定面に剥離フィルムを密着させて硬化させた 実施例においては、剥離フィルムを剥離除去 して、被測定粘着面を形成し(開放条件で硬 させた実施例においてはそのまま)、次いで 被着体(CまたはD)の表面をエタノールで拭い て洗浄し、前記洗浄面に前記評価試料タイプ Xの被測定粘着面を貼付して評価試料とした( 価試料タイプY)。前記貼付条件は、2kgのロ ラーで300mm/minの速度で1往復とし、その後23 で20~40分放置した。
 また、被着体は、厚さ1mmのアクリル板(三菱 レイヨン社製 MR-200 L-001)と厚さ1mmの市販の ロートガラス板(日本板硝子社製フロートガ ス JIS R3202相当、目視で表面に傷のないも を使用した。)とした。

(iv)その他の性能、性状:
 硬度:SRIS 0101規格のアスカーC硬度測定法ま はJIS K2207「石油アスファルト」に準拠した 針入度測定法で求めた。硬度測定の使い分け は、針入度20未満の場合は、アスカーC硬度計 を適用し、アスカーC硬度が0の場合は、針入 計を適用した。

 表1、2の評価結果から明らかなように、未 化シリコーンゲル原料に接触させる剥離フ ルムの種類を異ならせて加熱硬化すること より、得られた光学用透明粘着体の粘着特 面の粘着性を、剥離フィルムの種類で調整 き、剥離フィルム(A)および剥離フィルム(B) 貼付された光学用透明粘着積層体における 面側のみの剥離フィルムの剥離が安定して 現できることがわかる。
 また、光学用透明粘着体の粘着面(a)の粘着 性Gaと粘着面(b)の粘着特性Gbにおいて、Ga< Gb、かつGaとGbは、JIS Z0237に準拠した傾斜式 ールタック試験(傾斜角30度)におけるボール ンバーが3~15で、GbとGaのボールナンバー差 2~12とすることにより、一連の剥離、貼付作 において安定した剥離選択性を示した。ま 、リワーク作業においても、被着物の種類 よらず片面(低剥離強度側)が安定して剥離 きた。
 さらに、この作用効果は、シリコーンゲル 種類や硬度に関係なく発現するが、第4の発 明と第5の発明ならびに第6の発明に記載の剥 強度と剥離強度の差ならびに硬度の範囲が 離安定性試験において、目的の剥離安定性 得られることが検証された。

 また、本第10~第13の発明の何れの製造方法 も、上述の剥離安定性が実現できた。そし 、硬化工程における加熱温度や冷却速度に っても、剥離安定性が調整できることがわ る。
 また、剥離フィルムとの組み合わせとして 、特に剥離フィルム(A)がアルキッド樹脂系 離フィルム、剥離フィルム(B)がフロロシリ ーン系剥離フィルムの場合が優れていた。

 一方、表3の評価結果の比較例1~5の通り、 同じ剥離フィルムで挟んで同じ条件で加熱硬 化した場合には、剥離安定性は全く得られず 、また、本発明の剥離強度や粘着特性ならび に硬度の範囲から外れると、剥離フィルム(A) の剥離除去からリワークに至るまでの剥離作 業において、安定した剥離特性が得られなか った。

 本発明の光学用透明粘着体は、貼付の際に 、透明粘着体両面と剥離フィルムとの剥離 位選択性が安定して得られ、また、光学部 から透明粘着体を除去して、貼り直しとい リワークの際には、透明粘着体両面の剥離 位選択性が安定的に、容易に発現するので 広範囲の光学用部品に適用でき、特にディ プレイなどに好適に用いることができる。
 さらに、リサイクルまで考慮した場合にも 剥離部位選択性の安定化により画像表示素 の回収の効率化にも寄与する。