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Title:
TRISAZO COMPOUND, INK COMPOSITION, RECORDING METHOD AND COLORED BODY
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/078253
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a dye compound for black ink which has high solubility in a medium mainly composed of water. A high-concentration aqueous solution and an ink of the dye compound for black ink are stable even after long storage. The dye compound for black ink enables a printed image to have an extremely high density, without causing bronzing even when the image is formed with a high-concentration solution. In addition, the dye compound for black ink is capable of forming a black recorded image which has excellent fastness, especially excellent light resistance and ozone gas resistance. Also disclosed is an ink composition of such a dye compound for black ink. Specifically disclosed is a trisazo compound represented by the formula (1) below or a salt thereof. (1) (In the formula (1), n represents 0 or 1; group A represents a 2-naphthothiazolyl group; R1 represents a substituted C1-C4 alkyl group or the like; R2 represents a cyano group or the like; R3 and R4 independently represent a hydrogen atom, a sulfo group or the like; and R5-R7 independently represent a hydrogen atom, a substituted C1-C4 alkyl group, a substituted C1-C4 alkoxy group or the like.)

Inventors:
YOSHIMOTO TAKASHI (JP)
MATSUI TAKAHIKO (JP)
HIROTA KOJI (JP)
KAWAIDA YOSHIAKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/071429
Publication Date:
June 25, 2009
Filing Date:
November 26, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NIPPON KAYAKU KK (JP)
YOSHIMOTO TAKASHI (JP)
MATSUI TAKAHIKO (JP)
HIROTA KOJI (JP)
KAWAIDA YOSHIAKI (JP)
International Classes:
C09B31/28; B41J2/01; B41M5/00; C07D471/04; C09D11/00
Domestic Patent References:
WO2005054374A12005-06-16
WO2008096697A12008-08-14
Foreign References:
JP2006509068A2006-03-16
Attorney, Agent or Firm:
SHOBAYASHI, Masayuki (25-8 Higashi-ikebukuro 1-chom, Toshima-ku Tokyo 13, JP)
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Claims:
 下記式(1)で表されるトリスアゾ化合物又はその塩。
(式(1)中、nは0又は1であり、
 R 1 はカルボキシ基;無置換、若しくはカルボキシ基で置換されたC1-C4アルキル基;又は、無置換、若しくはスルホ基で置換されたフェニル基であり、
 R 2 はシアノ基;カルバモイル基;又はカルボキシ基であり、
 R 3 及びR 4 はそれぞれ独立に水素原子;塩素原子;スルホ基;無置換C1-C4アルキル基;又は無置換C1-C4アルコキシ基であり、
 R 5 からR 7 が置換している環は、破線で表される環が存在しない場合にはベンゼン環;破線で表される環が存在する場合にはナフタレン環であり、
 R 5 からR 7 はそれぞれ独立に水素原子;塩素原子;ヒドロキシ基;スルホ基;カルボキシ基;スルファモイル基;カルバモイル基;無置換C1-C4アルキル基;無置換、若しくはヒドロキシ基、無置換C1-C4アルコキシ基、ヒドロキシC1-C4アルコキシ基、スルホ基、若しくはカルボキシ基で置換されたC1-C4アルコキシ基;無置換、若しくはヒドロキシ基、スルホ基、若しくはカルボキシ基で置換されたモノ若しくはジC1-C4アルキルアミノ基;無置換、若しくはヒドロキシ基若しくはカルボキシ基で置換されたC1-C4アルキルカルボニルアミノ基;無置換、若しくはヒドロキシ基、スルホ基、若しくはカルボキシ基で置換されたN’-C1-C4アルキルウレイド基;無置換、若しくはベンゼン環が塩素原子、無置換C1-C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基、若しくはカルボキシ基で置換されたフェニルアミノ基;無置換、若しくはベンゼン環が塩素原子、無置換C1-C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基、若しくはカルボキシ基で置換されたベンゾイルアミノ基;又は、無置換、若しくはベンゼン環が塩素原子、無置換C1-C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基、若しくはカルボキシ基で置換されたフェニルスルホニルアミノ基;を表し、
 R 1 からR 4 が置換しているベンゾイミダゾロピリドン環が結合しているアゾ基の置換位置はa又はbであり、ナフタレン環に置換しているスルホ基の置換位置はb又はcであるが、両者が同一の位置に置換することはなく、
 基Aは無置換又は置換基を有する2-ナフトチアゾリル基であり、該2-ナフトチアゾリル基が置換基を有する場合には、塩素原子;スルホ基;ニトロ基;ヒドロキシ基;スルファモイル基;無置換C1-C4アルキル基;無置換、又はヒドロキシ基、C1-C4アルコキシ基、スルホ基、若しくはカルボキシ基で置換されたC1-C4アルコキシ基;無置換、又はヒドロキシ基、スルホ基、若しくはカルボキシ基で置換されたC1-C4アルキルスルホニル基;及び、無置換、又はベンゼン環が塩素原子、無置換C1-C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基、若しくはカルボキシ基で置換されたフェニルスルホニル基;よりなる群から選択される置換基を有してもよい。)
 下記式(2)で表される請求項1に記載のトリスアゾ化合物又はその塩。
(式(2)中、n、基A、R 1 からR 7 、及びR 5 からR 7 が置換している環は、破線で表される環を含めて式(1)と同じ意味を有する。)
 下記式(3)で表される請求項1又は2に記載のトリスアゾ化合物又はその塩。
(式(3)中、n、基A、R 1 からR 7 は式(1)と同じ意味を有する。)
 下記式(4)で表される請求項1乃至3のいずれか一項に記載のトリスアゾ化合物又はその塩。
(式(4)中、n、基A、R 1 からR 4 は式(1)と同じ意味を有し、
 R 5 及びR 7 はそれぞれ独立に水素原子;スルホC1-C4アルコキシ基;無置換C1-C4アルキル基;又は、無置換、若しくはヒドロキシ置換C1-C4アルコキシ基であり、
 R 6 は水素原子を表す。)
 基Aが下記式(5)で表される基である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載のトリスアゾ化合物又はその塩。
(式(5)中、R 8 からR 11 はそれぞれ独立に水素原子;塩素原子;スルホ基;ニトロ基;ヒドロキシ基;スルファモイル基;無置換、又はヒドロキシ基、無置換C1-C4アルコキシ基、スルホ基、若しくはカルボキシ基で置換されたC1-C4アルコキシ基;及び、無置換、又はヒドロキシ基、スルホ基、若しくはカルボキシ基で置換されたC1-C4アルキルスルホニル基;よりなる群から選択される基を表す。)
 R 1 がメチル基、R 2 がシアノ基又はカルバモイル基、R 3 が水素原子、R 4 がスルホ基である請求項1乃至5のいずれか一項に記載のトリスアゾ化合物又はその塩。
 R 5 がスルホプロポキシ基又はスルホブトキシ基、R 6 が水素原子、R 7 が水素原子、メチル基、又はエチル基である請求項1乃至6のいずれか一項に記載のトリスアゾ化合物又はその塩。
 R 8 からR 11 がそれぞれ独立に水素原子;塩素原子;スルホ基;ニトロ基;メトキシ基;及びスルホプロポキシ基;よりなる群から選択される基である請求項5に記載のトリスアゾ化合物又はその塩。
 nが1、R 1 がメチル基、R 2 がシアノ基、R 3 が水素原子、R 4 がスルホ基、R 5 がスルホプロポキシ基、R 6 が水素原子、R 7 がメチル基、R 8 からR 11 のうち3つがスルホ基、1つが水素原子である請求項5に記載のトリスアゾ化合物又はその塩。
 請求項1乃至9のいずれか一項に記載のトリスアゾ化合物又はその塩を、色素として少なくとも1種含有するインク組成物。
 請求項10に記載のインク組成物をインクとして用い、該インクのインク滴をインクジェットプリンタにより被記録材へ記録するインクジェットプリント方法。
 前記被記録材が情報伝達用シートである請求項11に記載のインクジェットプリント方法。
 前記情報伝達用シートが多孔性白色無機物を含有するものである請求項12に記載のインクジェットプリント方法。
 請求項10に記載のインク組成物を含む容器が装填されたインクジェットプリンタ。
 請求項1乃至9のいずれか一項に記載のトリスアゾ化合物又はその塩によって着色された着色体。
Description:
トリスアゾ化合物、インク組成 、記録方法及び着色体

 本発明は、新規なトリスアゾ化合物又は の塩、これらを含有するインク組成物、及 それによる着色体に関する。

 各種のカラー記録方法の中でも代表的方法 1つであるインクジェットプリンタによる記 録方法は、インクの小滴を発生させこれを種 々の被記録材(紙、フィルム、布帛等)に付着 せ記録を行うものである。この方法は、記 ヘッドと被記録材とが直接接触しないため 音の発生が少なく静かであり、また小型化 高速化が容易であるという特長を有するた 、近年急速に普及しつつあり、今後とも大 な伸長が期待されている。
 従来、万年筆、フェルトペン等用のインク びインクジェットプリント用のインクとし は、水溶性色素を水性媒体中に溶解した水 インクが使用されている。また、これらの 性インクにおいては、ペン先やインク吐出 ズルでのインクの目詰まりを防止すべく、 般に水溶性有機溶剤が添加されている。そ てこれらのインクにおいては、十分な濃度 記録画像を与えること、ペン先やノズルの 詰まりを生じないこと、被記録材上での乾 性がよいこと、滲みが少ないこと、保存安 性に優れること等が要求される。また、使 される水溶性色素には、特に水への溶解度 高いこと、インクに添加される水溶性有機 剤への溶解度が高いことが要求される。さ に、形成される画像には、耐水性、耐光性 耐オゾンガス性、耐湿性等の堅牢性が求め れている。

 これらのうちで、耐オゾンガス性とは、 気中に存在する酸化作用を持つオゾンガス が記録紙中で色素に作用し、印刷された画 を変退色させるという現象に対する耐性の とである。オゾンガスの他にも、この種の 用を持つ酸化性ガスとしては、NOx、SOx等が げられる。しかし、これらの酸化性ガスの でもオゾンガスがインクジェット画像の変 色現象をより促進させる主原因物質とされ いる。写真画質インクジェット専用紙の表 に設けられるインク受容層には、インクの 燥を早め、また高画質でのにじみを少なく るために、多孔性白色無機物等の素材を用 ているものが多い。このような記録紙上で ゾンガスによる変退色が顕著に見られる。 の酸化性ガスによる変退色現象はインクジ ット画像に特徴的なものであるため、耐オ ンガス性の向上はインクジェットプリント 法における最も重要な課題の1つとなってい る。

 今後、インクを用いた印刷方法の使用分 を拡大すべく、インクジェットプリントに いられるインク組成物及びそれによって着 された着色体には、耐光性、耐オゾンガス 、耐湿性、耐水性の更なる向上が強く求め れている。

 種々の色相のインクが種々の色素から調 されているが、それらのうち黒色インクは モノカラー画像及びフルカラー画像の両方 使用される重要なインクである。これら黒 インク用の色素として今日まで多くのもの 提案されているが、市場の要求を充分に満 する製品を提供するには至っていない。提 されている色素の多くはアゾ色素であり、 のうちC.I.Food Black2等のジスアゾ色素につい ては、演色性が悪い、耐水性や耐湿性が不良 である、耐光性や耐ガス性が十分でない等の 問題がある。共役系を延ばしたポリアゾ色素 については、一般に水溶性が低く記録画像が 部分的に金属光沢を有するブロンジング現象 が発生しやすい、耐光性や耐ガス性が十分で ない等の問題がある。また、同様に数多く提 案されているアゾ含金色素の場合、耐光性が 良好なものもあるが、金属イオンを含むため 生物への安全性や環境問題に対し好ましくな い、耐オゾンガス性が極めて弱い等の問題が ある。

 近年最も重要な課題となっている耐オゾ ガス性について改良されたインクジェット 黒色インク用化合物(黒色色素)としては、 えば特許文献1~3に記載の化合物が挙げられ 。しかし、これらの化合物は耐オゾンガス が市場要求を十分に満たすものではなく、 光性に関しても十分ではない。また、本発 のトリスアゾ化合物の特徴の1つであるベン イミダゾロピリドン骨格を有するアゾ化合 としては、特許文献4~7等に記載がある。特 文献5及び6にはトリスアゾ化合物も開示さ ているが、これらのトリスアゾ化合物は、 ゾ構造を含む連結基の両端に対して2つのベ ズイミダゾロピリドン骨格を、さらにアゾ 造で結合させた対称構造のものであり、本 明の非対称型トリスアゾ化合物に類似する のは開示されていない。また、水溶性の化 物は少なく、インクジェットインク用黒色 合物としての使用例はない。優れた耐オゾ ガス性を有するインクジェット用黒色イン 用トリスアゾ化合物の例としては特許文献8 に記載の化合物が挙げられる。

特開2003-183545号公報

特開2003-201412号公報

特表2007-517082号公報

国際公開第2004/050768号パンフレット

独国特許発明第2004488号明細書

独国特許発明第2023295号明細書

特開平05-134435号公報

国際公開第2005/054374号パンフレット

独国特許発明第223149号明細書

 本発明は、特にインクジェットプリント 好適な黒色インクに色素として用いられる リスアゾ化合物又はその塩、その化合物又 その塩を色素として含有するインク組成物 及びその化合物又はその塩によって着色さ た着色体を提供することを目的とする。本 明のトリスアゾ化合物又はその塩は、黒色 素である。以下、便宜上、「本発明のトリ アゾ化合物又はその塩」を含めて、単に「 発明のトリスアゾ化合物」と簡略して記載 る。該トリスアゾ化合物は、水を主要成分 する媒体に対する溶解性が高く、該化合物 高濃度の水溶液又はインクを長期間保存し 場合でも安定であり、印字された画像の濃 が非常に高く、写真画質インクジェット専 紙に高濃度溶液を印字した場合でもその画 にブロンジングを起こさない。また、印字 れた画像の堅牢性、特に耐光性及び耐オゾ ガス性が共に優れた黒色の記録画像を与え さらに、合成が容易でありかつ安価である の特徴を有する。

 本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研 を重ねた結果、特定のトリスアゾ化合物が 記課題を解決するものであることを見出し 本発明を完成させた。
 すなわち本発明は、
 1)
 下記式(1)で表されるトリスアゾ化合物又は の塩、

(式(1)中、nは0又は1であり、
 R 1 はカルボキシ基;無置換、若しくはカルボキ 基で置換されたC1-C4アルキル基;又は、無置 、若しくはスルホ基で置換されたフェニル であり、
 R 2 はシアノ基;カルバモイル基;又はカルボキシ であり、
 R 3 及びR 4 はそれぞれ独立に水素原子;塩素原子;スルホ ;無置換C1-C4アルキル基;又は無置換C1-C4アル キシ基であり、
 R 5 からR 7 が置換している環は、破線で表される環が存 在しない場合にはベンゼン環;破線で表され 環が存在する場合にはナフタレン環であり
 R 5 からR 7 はそれぞれ独立に水素原子;塩素原子;ヒドロ シ基;スルホ基;カルボキシ基;スルファモイ 基;カルバモイル基;無置換C1-C4アルキル基; 置換、若しくはヒドロキシ基、無置換C1-C4ア ルコキシ基、ヒドロキシC1-C4アルコキシ基、 ルホ基、若しくはカルボキシ基で置換され C1-C4アルコキシ基;無置換、若しくはヒドロ シ基、スルホ基、若しくはカルボキシ基で 換されたモノ若しくはジC1-C4アルキルアミ 基;無置換、若しくはヒドロキシ基若しくは ルボキシ基で置換されたC1-C4アルキルカル ニルアミノ基;無置換、若しくはヒドロキシ 、スルホ基、若しくはカルボキシ基で置換 れたN’-C1-C4アルキルウレイド基;無置換、 若しくはベンゼン環が塩素原子、無置換C1-C4 アルキル基、ニトロ基、スルホ基、若しくは カルボキシ基で置換されたフェニルアミノ基 ;無置換、若しくはベンゼン環が塩素原子、 置換C1-C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基、 若しくはカルボキシ基で置換されたベンゾイ ルアミノ基;又は、無置換、若しくはベンゼ 環が塩素原子、無置換C1-C4アルキル基、ニト ロ基、スルホ基、若しくはカルボキシ基で置 換されたフェニルスルホニルアミノ基;を表 、
 R 1 からR 4 が置換しているベンゾイミダゾロピリドン環 が結合しているアゾ基の置換位置はa又はbで り、ナフタレン環に置換しているスルホ基 置換位置はb又はcであるが、両者が同一の 置に置換することはなく、
 基Aは無置換又は置換基を有する2-ナフトチ ゾリル基であり、該2-ナフトチアゾリル基 置換基を有する場合には、塩素原子;スルホ ;ニトロ基;ヒドロキシ基;スルファモイル基; 無置換C1-C4アルキル基;無置換、又はヒドロキ シ基、C1-C4アルコキシ基、スルホ基、若しく カルボキシ基で置換されたC1-C4アルコキシ ;無置換、又はヒドロキシ基、スルホ基、若 くはカルボキシ基で置換されたC1-C4アルキ スルホニル基;及び、無置換、又はベンゼン が塩素原子、無置換C1-C4アルキル基、ニト 基、スルホ基、若しくはカルボキシ基で置 されたフェニルスルホニル基;よりなる群か 選択される置換基を有してもよい。)、
 2)
 下記式(2)で表される上記1)に記載のトリス ゾ化合物又はその塩、

(式(2)中、n、基A、R 1 からR 7 、及びR 5 からR 7 が置換している環は、破線で表される環を含 めて式(1)と同じ意味を有する。)、
 3)
 下記式(3)で表される上記1)又は2)に記載のト リスアゾ化合物又はその塩、

(式(3)中、n、基A、R 1 からR 7 は式(1)と同じ意味を有する。)、
 4)
 下記式(4)で表される上記1)乃至3)のいずれか 一項に記載のトリスアゾ化合物又はその塩、

(式(4)中、n、基A、R 1 からR 4 は式(1)と同じ意味を有し、
 R 5 及びR 7 はそれぞれ独立に水素原子;スルホC1-C4アルコ キシ基;無置換C1-C4アルキル基;又は、無置換 若しくはヒドロキシ置換C1-C4アルコキシ基で あり、
 R 6 は水素原子を表す。)、
 5)
 基Aが下記式(5)で表される基である、上記1) 至4)のいずれか一項に記載のトリスアゾ化 物又はその塩、

(式(5)中、R 8 からR 11 はそれぞれ独立に水素原子;塩素原子;スルホ ;ニトロ基;ヒドロキシ基;スルファモイル基; 無置換、又はヒドロキシ基、無置換C1-C4アル キシ基、スルホ基、若しくはカルボキシ基 置換されたC1-C4アルコキシ基;及び、無置換 又はヒドロキシ基、スルホ基、若しくはカ ボキシ基で置換されたC1-C4アルキルスルホ ル基;よりなる群から選択される基を表す。) 、
 6)
 R 1 がメチル基、R 2 がシアノ基又はカルバモイル基、R 3 が水素原子、R 4 がスルホ基である上記1)乃至5)のいずれか一 に記載のトリスアゾ化合物又はその塩、
 7)
 R 5 がスルホプロポキシ基又はスルホブトキシ基 、R 6 が水素原子、R 7 が水素原子、メチル基、又はエチル基である 上記1)乃至6)のいずれか一項に記載のトリス ゾ化合物又はその塩、
 8)
 R 8 からR 11 がそれぞれ独立に水素原子;塩素原子;スルホ ;ニトロ基;メトキシ基;及びスルホプロポキ 基;よりなる群から選択される基である上記 5)に記載のトリスアゾ化合物又はその塩、
 9)
 nが1、R 1 がメチル基、R 2 がシアノ基、R 3 が水素原子、R 4 がスルホ基、R 5 がスルホプロポキシ基、R 6 が水素原子、R 7 がメチル基、R 8 からR 11 のうち3つがスルホ基、1つが水素原子である 記5)に記載のトリスアゾ化合物又はその塩
 10)
 上記1)乃至9)のいずれか一項に記載のトリス アゾ化合物又はその塩を、色素として少なく とも1種含有するインク組成物、
 11)
 上記10)に記載のインク組成物をインクとし 用い、該インクのインク滴をインクジェッ プリンタにより被記録材へ記録するインク ェットプリント方法、
 12)
 上記被記録材が情報伝達用シートである上 11)に記載のインクジェットプリント方法、
 13)
 上記情報伝達用シートが多孔性白色無機物 含有するものである上記12)に記載のインク ェットプリント方法、
 14)
 上記10)に記載のインク組成物を含む容器が 填されたインクジェットプリンタ、
 15)
 上記1)乃至9)のいずれか一項に記載のトリス アゾ化合物又はその塩によって着色された着 色体、
に関する。

 本発明のトリスアゾ化合物は水溶解性に れるので、インク組成物を製造する過程で メンブランフィルターによる濾過性が良好 あり、該化合物を含有するインク組成物又 該インク組成物から調製されるインクの保 時の安定性や吐出安定性にも優れている。 なわち、このトリスアゾ化合物を含有する 発明のインク組成物は、長期間保存後の結 析出、物性変化、色変化等もなく、貯蔵安 性が良好である。また、本発明のトリスア 化合物を含有するインク組成物は、インク ェットプリント用、筆記用具用として好適 用いられ、普通紙及びインクジェット専用 に記録した場合、記録画像の印字濃度が非 に高く、高濃度溶液を印字した場合でもそ 画像にブロンジングを起こさず、さらに各 堅牢性、特に耐光性と耐オゾンガス性が共 優れている。マゼンタ、シアン、及びイエ ー色素を含有する他のインク組成物と併用 ることで各種堅牢性に優れ、保存性の優れ フルカラーのインクジェットプリントが可 である。このように本発明のインク組成物 インクジェットプリント用ブラックインク して極めて有用である。

発明を実施するための形態

 以下、本発明を詳細に説明する。
 上記式(1)で表されるトリスアゾ化合物は互 異性体を有し、この互変異性体としては、 (1)で表される化合物以外に下記式(6)から(10) で表される化合物等が考えられる。これらの 互変異性体も本発明に含まれる。なお、下記 式(6)から(10)において、n、基A、R 1 からR 7 、a、b、c、及びR 5 からR 7 が置換している環は、破線で表される環を含 めて上記式(1)におけるのと同じ意味を有する 。

 上記式(1)において、R 1 はカルボキシ基;無置換、若しくはカルボキ 基で置換されたC1-C4アルキル基;又は、無置 、若しくはスルホ基で置換されたフェニル を表す。

 式(1)におけるR 1 が無置換C1-C4アルキル基である場合、該アル ル基としては、直鎖、分岐鎖のいずれでも いが、直鎖が好ましい。無置換C1-C4アルキ 基の具体例としては、例えば、メチル、エ ル、n-プロピル、n-ブチル等の直鎖;イソプロ ピル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル等 の分岐鎖;が挙げられる。
 該C1-C4アルキル基がカルボキシ基を有する 合も、該アルキル基部分は好ましいものを めて上記と同じでよい。
 R 1 がカルボキシ基で置換されたC1-C4アルキル基 場合、好ましい具体例としては、カルボキ メチル、2-カルボキシエチル、3-カルボキシ プロピル等が挙げられる。

 式(1)におけるR 1 が、無置換、又はスルホ基で置換されたフェ ニル基である場合の具体例としては、例えば 、無置換フェニル、又は2-スルホフェニル、4 -スルホフェニル、2,4-ジスルホフェニル、3,5- ジスルホフェニル等の、スルホ基が通常1乃 4、好ましくは1乃至3、より好ましくは1乃至2 置換したスルホ置換フェニル;等が挙げられ 。

 上記式(1)におけるR 1 は、上記のうち無置換C1-C4アルキル基;又は無 置換フェニル基がさらに好ましく、無置換C1- C4アルキルが特に好ましい。
 式(1)における好ましいR 1 の具体例としては、メチル、エチル、n-プロ ル、tert-ブチル、又はフェニルであり、よ 好ましくはメチル、n-プロピル、又はフェニ ルであり、さらに好ましくはメチル又はn-プ ピルである。

 上記式(1)において、R 2 はシアノ基;カルバモイル基;又はカルボキシ を表す。R 2 としてはいずれも好ましいが、シアノ又はカ ルバモイルがより好ましい。

 式(1)における好ましいR 1 とR 2 との組み合わせは、R 1 がメチルでR 2 がシアノ、又はR 1 がメチルでR 2 がカルバモイルである。

 上記式(1)において、R 3 及びR 4 はそれぞれ独立に水素原子;塩素原子;スルホ ;無置換C1-C4アルキル基;又は無置換C1-C4アル キシ基;をそれぞれ表す。

 式(1)におけるR 3 及びR 4 が無置換C1-C4アルキル基である場合、該アル ル基は好ましいものを含めて、上記R 1 が無置換C1-C4アルキル基である場合と同じで い。

 式(1)におけるR 3 及びR 4 が、無置換C1-C4アルコキシ基である場合、該 ルコキシ基は直鎖又は分岐鎖のいずれも好 しい。具体例としては、メトキシ、エトキ 、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキ シ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ等が挙げられ る。

 上記式(1)におけるR 3 及びR 4 は、上記のうち水素原子;スルホ基;又は無置 C1-C4アルキル基がさらに好ましい。
 式(1)における好ましいR 3 及びR 4 の具体例としては、水素原子、スルホ、メチ ル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、又 tert-ブチルであり、より好ましくは水素原 、スルホ、メチル、又はイソプロピルであ 、さらに好ましくは水素原子又はスルホで る。

 式(1)における特に好ましいR 3 及びR 4 は、水素原子、メチル、又はスルホであり、 好ましいR 3 とR 4 の組み合わせはR 3 が水素原子でR 4 がスルホ、又はR 3 がスルホでR 4 が水素原子である。

 上記式(1)において、R 5 からR 7 が置換している環は、破線で表される環が存 在しない場合にはベンゼン環;破線で表され 環が存在する場合にはナフタレン環をそれ れ表す。破線で表される環が存在しないこ 、すなわち、R 5 からR 7 が置換している環がベンゼン環であることが 好ましい。
 R 5 からR 7 はそれぞれ独立に水素原子;塩素原子;ヒドロ シ基;スルホ基;カルボキシ基;スルファモイ 基;カルバモイル基;無置換C1-C4アルキル基; 置換、又はヒドロキシ基、C1-C4アルコキシ基 、ヒドロキシC1-C4アルコキシ基、スルホ基、 しくはカルボキシ基で置換されたC1-C4アル キシ基;無置換、又はヒドロキシ基、スルホ 、若しくはカルボキシ基で置換されたモノ しくはジC1-C4アルキルアミノ基;無置換、又 ヒドロキシ基若しくはカルボキシ基で置換 れたC1-C4アルキルカルボニルアミノ基;無置 、又はヒドロキシ基、スルホ基、若しくは ルボキシ基で置換されたN’-C1-C4アルキルウ レイド基;無置換、又はベンゼン環が塩素原 、C1-C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基、若 しくはカルボキシ基で置換されたフェニルア ミノ基;無置換、又はベンゼン環が塩素原子 無置換C1-C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基 、若しくはカルボキシ基で置換されたベンゾ イルアミノ基;及び、無置換、又はベンゼン が塩素原子、無置換C1-C4アルキル基、ニトロ 基、スルホ基、若しくはカルボキシ基で置換 されたフェニルスルホニルアミノ基;よりな 群から選択される基をそれぞれ表す。

 R 5 ~R 7 が無置換C1-C4アルキル基である場合、該アル ル基としては、直鎖、分岐鎖のいずれでも いが、直鎖が好ましい。無置換C1-C4アルキ 基の具体例としては、例えば、メチル、エ ル、n-プロピル、n-ブチル等の直鎖;イソプロ ピル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル等 の分岐鎖;が挙げられる。好ましい具体例は メチル又はエチルである。

 式(1)におけるR 5 ~R 7 が無置換C1-C4アルコキシ基である場合、該ア コキシ基は好ましいものも含めて上記R 3 及びR 4 が無置換C1-C4アルコキシ基である場合と同じ よい。
 該アルコキシ基がヒドロキシ基、無置換C1-C 4アルコキシ基、ヒドロキシC1-C4アルコキシ基 、スルホ基、又はカルボキシ基で置換されて いる場合、その具体例としては例えば、2-ヒ ロキシエトキシ、2-ヒドロキシプロポキシ 3-ヒドロキシプロポキシ等のヒドロキシC1-C4 ルコキシ基;メトキシエトキシ、エトキシエ トキシ、n-プロポキシエトキシ、イソプロポ シエトキシ、n-ブトキシエトキシ、メトキ プロポキシ、エトキシプロポキシ、n-プロポ キシプロポキシ、イソプロポキシブトキシ、 n-プロポキシブトキシ等の無置換C1-C4アルコ シC1-C4アルコキシ基;2-ヒドロキシエトキシエ トキシ等のヒドロキシC1-C4アルコキシC1-C4ア コキシ基;3-スルホプロポキシ、4-スルホブト キシ等のスルホC1-C4アルコキシ基;カルボキシ メトキシ、2-カルボキシエトキシ、3-カルボ シプロポキシ等のカルボキシC1-C4アルコキシ 基;等が挙げられる。

 式(1)におけるR 5 ~R 7 が無置換のモノ又はジC1-C4アルキルアミノ基 ある場合、該C1-C4アルキル部分は直鎖又は 岐鎖のいずれも好ましい。その具体例とし は、メチルアミノ、エチルアミノ、n-プロピ ルアミノ、イソプロピルアミノ、n-ブチルア ノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジ- n-プロピルアミノ、ジ-n-ブチルアミノ等の直 ;sec-ブチルアミノ、tert-ブチルアミノ、ジイ ソプロピルアミノ等の分岐鎖;等が挙げられ 。
 該モノ又はジC1-C4アルキルアミノ基が、ヒ ロキシ基、スルホ基、又はカルボキシ基で 換されている場合、その具体例としては、 えば、2-ヒドロキシエチルアミノ、2-ヒドロ シプロピルアミノ、2,2’-ジヒドロキシジエ チルアミノ等のヒドロキシ置換モノ又はジC1- C4アルキルアミノ基;2-スルホエチルアミノ、3 -スルホプロピルアミノ、4-スルホブチルアミ ノ、3,3’-ジスルホジプロピルアミノ等のス ホ置換モノ又はジC1-C4アルキルアミノ基;カ ボキシメチルアミノ、2-カルボキシエチルア ミノ、3-カルボキシプロピルアミノ、2,2’-ジ カルボキシジエチルアミノ等のカルボキシ置 換モノ又はジC1-C4アルキルアミノ基;等が挙げ られる。

 式(1)におけるR 5 ~R 7 が、無置換C1-C4アルキルカルボニルアミノ基 ある場合、該C1-C4アルキル部分は、直鎖又 分岐鎖のいずれでもよいが、直鎖であるも が好ましい。具体例としては、アセチルア ノ、プロパノイルアミノ、ブタノイルアミ 等が挙げられる。
 該C1-C4アルキルカルボニルアミノ基が、ヒ ロキシ基又はカルボキシ基で置換されてい 場合、該C1-C4アルキルカルボニルアミノ基の 具体例としては、例えば、ヒドロキシエタノ イルアミノ、2-ヒドロキシプロパノイルアミ 、4-ヒドロキシブタノイルアミノ等のヒド キシC1-C4アルキルカルボニルアミノ基;3-カル ボキシプロパノイルアミノ等のカルボキシC1- C4アルキルカルボニルアミノ基;等が挙げられ る。

 式(1)におけるR 5 ~R 7 が、N’-C1-C4アルキルウレイド基である場合 無置換であるよりは置換基を有するものが ましい。
 該N’-C1-C4アルキルウレイド基が、ヒドロキ シ基、スルホ基、又はカルボキシ基で置換さ れている場合、その具体例としては、例えば 、N’-2-ヒドロキシエチルウレイド、N’-3-ヒ ロキシエチルウレイド等のN’-ヒドロキシC1 -C4アルキルウレイド基;N’-2-スルホエチルウ イド、N’-3-スルホプロピルウレイド等のN -スルホC1-C4アルキルウレイド基;N’-カルボ シメチルウレイド、N’-2-カルボキシエチル レイド、N’-3-カルボキシプロピルウレイド 、N’-4-カルボキシブチルウレイド等のN’-カ ルボキシC1-C4アルキルウレイド基;等が挙げら れる。

 式(1)におけるR 5 ~R 7 が、以下に順次記載する、それぞれ置換基を 有するフェニルアミノ基、ベンゾイルアミノ 基、又はフェニルスルホニルアミノ基であり 、それぞれの基に含まれるベンゼン環の置換 基がC1-C4アルキル基である場合、該アルキル は直鎖、分岐鎖、又は環状のいずれでもよ が、直鎖又は分岐鎖であるものが好ましい 具体例としては、例えば、メチル、エチル n-プロピル、n-ブチル等の直鎖;イソプロピ 、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル等の 岐鎖;のものが挙げられる。

 式(1)におけるR 5 ~R 7 が、無置換、又はベンゼン環が塩素原子、無 置換C1-C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基、 しくはカルボキシ基で置換されたフェニル ミノ基である場合、その具体例としては、 えば、無置換フェニルアミノ、又は2-クロ フェニルアミノ、4-クロロフェニルアミノ、 2,4-ジクロロフェニルアミノ等の塩素原子置 フェニルアミノ基;2-メチルフェニルアミノ 4-メチルフェニルアミノ、4-tert-ブチルフェ ルアミノ等の無置換C1-C4アルキル置換フェニ ルアミノ基;2-ニトロフェニルアミノ、4-ニト フェニルアミノ等のニトロ置換フェニルア ノ基;3-スルホフェニルアミノ、4-スルホフ ニルアミノ、2,4-ジスルホフェニルアミノ、3 ,5-ジスルホフェニルアミノ等のスルホ置換フ ェニルアミノ基;2-カルボキシフェニルアミノ 、4-カルボキシフェニルアミノ、2,5-ジカルボ キシフェニルアミノ、3,5-ジカルボキシフェ ルアミノ等のカルボキシ置換フェニルアミ 基;等が挙げられる。

 式(1)におけるR 5 ~R 7 が、無置換、又はベンゼン環が塩素原子、無 置換C1-C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基、 しくはカルボキシ基で置換されたベンゾイ アミノ基である場合、その具体例としては 例えば、無置換ベンゾイルアミノ、又は2- ロロベンゾイルアミノ、4-クロロベンゾイル アミノ、2,4-ジクロロフェニルアミノ等の塩 原子置換ベンゾイルアミノ基;2-メチルベン イルアミノ、3-メチルベンゾイルアミノ、4- チルベンゾイルアミノ等のC1-C4アルキル置 ベンゾイルアミノ基;2-ニトロベンゾイルア ノ、4-ニトロベンゾイルアミノ、3,5-ジニト ベンゾイルアミノ等のニトロ置換ベンゾイ アミノ基;2-スルホベンゾイルアミノ、4-スル ホベンゾイルアミノ等のスルホ置換ベンゾイ ルアミノ基;2-カルボキシベンゾイルアミノ、 4-カルボキシベンゾイルアミノ、3,5-ジカルボ キシベンゾイルアミノ等のカルボキシ置換ベ ンゾイルアミノ基;等が挙げられる。

 式(1)におけるR 5 ~R 7 が、無置換、又はベンゼン環が塩素原子、C1- C4アルキル基、ニトロ基、スルホ基、若しく カルボキシ基で置換されたフェニルスルホ ルアミノ基である場合、その具体例として 、例えば、無置換フェニルスルホニルアミ 、又は2-クロロフェニルスルホニルアミノ 4-クロロフェニルスルホニルアミノ等の塩素 原子置換フェニルスルホニルアミノ基;2-メチ ルフェニルスルホニルアミノ、4-メチルフェ ルスルホニルアミノ、4-tert-ブチルフェニル スルホニルアミノ等のC1-C4アルキル置換フェ ルスルホニルアミノ基;2-ニトロフェニルス ホニルアミノ、3-ニトロフェニルスルホニ アミノ、4-ニトロフェニルスルホニルアミノ 等のニトロ置換フェニルスルホニルアミノ基 ;3-スルホフェニルスルホニルアミノ、4-スル フェニルスルホニルアミノ等のスルホ置換 ェニルスルホニルアミノ基;3-カルボキシフ ニルスルホニルアミノ、4-カルボキシフェ ルスルホニルアミノ等のカルボキシ置換フ ニルスルホニルアミノ基;等が挙げられる。

 式(1)における好ましいR 5 からR 7 の具体例は、水素原子、カルボキシ、スルホ 、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、2- ドロキシエトキシ、2-スルホエトキシ、3-ス ルホプロポキシ、4-スルホブトキシ、カルボ シメトキシ、2-カルボキシエトキシ、メチ アミノ、エチルアミノ、2-ヒドロキシエチル アミノ、2-スルホエチルアミノ、3-スルホプ ピルアミノ、2-カルボキシエチルアミノ、ジ メチルアミノ、ジエチルアミノ、2,2’-ジヒ ロキシジエチルアミノ、2,2’-ジカルボキシ エチルアミノ、3,3’-ジスルホジプロピルア ミノ、アセチルアミノ、3-カルボキシプロパ イルアミノ、4-ヒドロキシブタノイルアミ 、N’-カルボキシメチルウレイド、N’-2-ス ホエチルウレイド、4-スルホフェニルアミノ 、2,4-ジスルホフェニルアミノ、2,5-ジカルボ シフェニルアミノ、ベンゾイルアミノ、3- ルホベンゾイルアミノ、2-カルボキシベンゾ イルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、4- チルフェニルスルホニルアミノ、4-ニトロ ェニルスルホニルアミノ、3-スルホフェニル スルホニルアミノ、4-カルボキシフェニルス ホニルアミノ等であり、より好ましくは、 素原子、スルホ、メチル、メトキシ、2-ヒ ロキシエトキシ、2-スルホエトキシ、3-スル プロポキシ、4-スルホブトキシ、ジメチル ミノ、3,3’-ジスルホジプロピルアミノ、ア チルアミノ、3-カルボキシプロパノイルア ノ、N’-2-スルホエチルウレイド、2,4-ジスル ホフェニルアミノ、ベンゾイルアミノ、4-メ ルフェニルスルホニルアミノであり、さら 好ましくは、水素原子、スルホ、メチル、 トキシ、3-スルホプロポキシである。

 式(1)における好ましいR 5 からR 7 の組み合わせは、R 5 がスルホプロポキシ又はスルホブトキシ、好 ましくは3-スルホプロポキシ又は4-スルホブ キシ、R 6 が水素原子、R 7 がメチル又はエチル、好ましくはメチルであ る。

 上記式(1)で表される化合物の好ましいもの 、上記式(2)で表される化合物である。式(2) 、n、基A、R 1 からR 7 、及びR 5 からR 7 が置換している環は、破線で表される環を含 めて、上記式(1)と好ましいもの等を含めて同 じでよい。

 上記式(2)で表される化合物の好ましいもの 、上記式(3)で表される化合物である。式(3) 、n、基A、R 1 からR 7 は、上記式(1)と好ましいもの等を含めて同じ でよい。

 上記式(3)で表される化合物の好ましいもの 、上記式(4)で表される化合物である。上記 (4)において、n、基A、R 1 からR 4 は上記式(1)と好ましいものを含めて同じでよ い。
 R 5 及びR 7 はそれぞれ独立に水素原子;スルホC1-C4アルコ キシ基;無置換C1-C4アルキル基;ヒドロキシ基; は、無置換、若しくはヒドロキシ置換C1-C4 ルコキシ基であり、R 6 は水素原子を表す。
 式(4)におけるR 5 及びR 7 は、好ましいものを含めて、上記式(1)におけ るR 5 及びR 7 のうちから相当するものと同じでよい。

 上記式(1)乃至(4)において、基Aとして好まし いものが上記式(5)で表される基である。
 上記式(5)において、R 8 からR 11 はそれぞれ独立に水素原子;塩素原子;スルホ ;ニトロ基;ヒドロキシ基;スルファモイル基; 無置換、若しくはヒドロキシ基、無置換C1-C4 ルコキシ基、スルホ基、若しくはカルボキ 基で置換されたC1-C4アルコキシ基;又は、無 換、若しくはヒドロキシ基、スルホ基、若 くはカルボキシ基で置換されたC1-C4アルキ スルホニル基;を表す。

 式(5)におけるR 8 からR 11 が、無置換、又はヒドロキシ基、無置換C1-C4 ルコキシ基、スルホ基、若しくはカルボキ 基で置換されたC1-C4アルコキシ基である場 、該アルコキシ基は好ましいものも含めて 記式(1)におけるR 5 からR 7 が、相当するC1-C4アルコキシ基である場合と じでよい。

 式(5)におけるR 8 からR 11 が、無置換、又はヒドロキシ基、スルホ基、 若しくはカルボキシ基で置換されたC1-C4アル ルスルホニル基である場合、その具体例と ては、例えば、メチルスルホニル、エチル ルホニル、プロピルスルホニル、イソプロ ルスルホニル、n-ブチルスルホニル、sec-ブ ルスルホニル、tert-ブチルスルホニル等の 鎖又は分岐鎖の無置換C1-C4アルキルスルホニ ル基;2-ヒドロキシエチルスルホニル、3-ヒド キシプロピルスルホニル等のヒドロキシC1-C 4アルキルスルホニル基;2-スルホプロピルス ホニル、3-スルホプロピルスルホニル、4-ス ホブチルスルホニル等のスルホC1-C4アルキ スルホニル基;カルボキシメチルスルホニル 2-カルボキシエチルスルホニル、3-カルボキ シプロピルスルホニル等のカルボキシC1-C4ア キルスルホニル基;等が挙げられる。

 式(5)における好ましいR 8 からR 11 の具体例は、水素原子、塩素原子、スルホ、 ニトロ、メトキシ、エトキシ、2-ヒドロキシ トキシ、2-スルホエトキシ、3-スルホプロポ キシ、4-スルホブトキシ、カルボキシメトキ 、2-カルボキシエトキシ、メチルスルホニ 、エチルスルホニル、tert-ブチルスルホニル 、2-ヒドロキシエチルスルホニル、3-スルホ ロピルスルホニル、2-カルボキシエチルスル ホニル、フェニルスルホニル、4-クロロフェ ルスルホニル、4-メチルフェニルスルホニ 、2,4-ジメチルフェニルスルホニル、4-ニト フェニルスルホニル、4-スルホフェニルスル ホニル、2-カルボキシフェニルスルホニル、4 -カルボキシフェニルスルホニル等であり、 り好ましくは、水素原子、塩素原子、スル 、ニトロ、メトキシ、又はメチルスルホニ であり、さらに好ましくは、水素原子、ス ホ、メトキシ、又は3-スルホプロポキシであ る。R 8 からR 11 のうち、少なくとも1つは水素原子が好まし 、少なくとも1つは水素原子以外の置換基が ましい。

 式(5)における好ましいR 8 からR 11 の組み合わせは、2つがスルホで他方2つが水 原子、又は3つがスルホで他方1つが水素原 である。3つがスルホで他方1つが水素原子で ある場合は、スルホの置換位置がナフトチア ゾール環の4位、6位、8位の場合がより好まし い。

 式(1)においてnは1の場合が好ましい。
 R 1 からR 4 が置換しているベンゾイミダゾロピリドン環 が結合しているアゾ基の置換位置はa又はbで り、ナフタレン環に置換しているスルホ基 置換位置はb又はcであるが、両者が同一の 置に置換することはない。該スルホ基の置 位置はcが好ましく、R 1 からR 4 が置換しているベンゾイミダゾロピリドン環 が結合しているアゾ基の置換位置はbが好ま い。

 上記式(1)から式(5)の置換基について記載し 好ましいもの同士を組み合わせた化合物は り好ましく、より好ましいもの同士を組み わせた化合物はさらに好ましい。さらに好 しいもの同士等についても同様である。な 、上記の通り、式(6)乃至(10)中、n、基A、R 1 からR 7 、及びR 5 からR 7 が置換している環は、破線で表される環を含 めて上記式(1)におけるのと同じ意味を有する 。また、好ましいもの、好ましいもの同士の 組合せ等においても同じでよい。

 上記式(1)で表されるトリスアゾ化合物の は、無機又は有機の陽イオンの塩である。 のうち無機塩の具体例としては、アルカリ 属塩、アルカリ土類金属塩、及びアンモニ ム塩が挙げられ、好ましい無機塩は、リチ ム、ナトリウム、カリウムの塩、及びアン ニウム塩である。また、有機の陽イオンの としては、例えば下記式(11)で示される4級 ンモニウムイオンが挙げられるが、これら 限定されるものではない。また、遊離酸、 の互変異性体、及びそれらの各種の塩の混 物であってもよい。例えば、ナトリウム塩 アンモニウム塩との混合物、遊離酸とナト ウム塩との混合物、リチウム塩、ナトリウ 塩、及びアンモニウム塩の混合物等、いず の組み合わせを用いてもよい。塩の種類に って溶解性等の物性値が異なる場合も有り 必要に応じて適宜塩の種類を選択したり、 数の塩等を含む場合にはその比率を変化さ たりすることにより、目的に適う物性を有 る混合物を得ることもできる。

 式(11)においてZ 1 、Z 2 、Z 3 、Z 4 は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、 ヒドロキシアルキル基、及びヒドロキシアル コキシアルキル基よりなる群から選択される 基を表す。
 式(11)におけるZ 1 、Z 2 、Z 3 、Z 4 のアルキル基の具体例としては、メチル、エ チル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル等が挙 られる。ヒドロキシアルキル基の具体例と ては、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチ 、3-ヒドロキシプロピル、2-ヒドロキシプロ ル、4-ヒドロキシブチル、3-ヒドロキシブチ ル、2-ヒドロキシブチル等のヒドロキシC1-C4 ルキル基が挙げられる。ヒドロキシアルコ シアルキル基の例としては、ヒドロキシエ キシメチル、2-ヒドロキシエトキシエチル、 3-ヒドロキシエトキシプロピル、2-ヒドロキ エトキシプロピル、4-ヒドロキシエトキシブ チル、3-ヒドロキシエトキシブチル、2-ヒド キシエトキシブチル等のヒドロキシC1-C4アル コキシC1-C4アルキル基が挙げられ、これらの ちヒドロキシエトキシC1-C4アルキルが好ま い。特に好ましいものとしては、水素原子; チル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチ 、3-ヒドロキシプロピル、2-ヒドロキシプロ ピル、4-ヒドロキシブチル、3-ヒドロキシブ ル、2-ヒドロキシブチル等のヒドロキシC1-C4 ルキル基、ヒドロキシエトキシメチル、2- ドロキシエトキシエチル、3-ヒドロキシエト キシプロピル、2-ヒドロキシエトキシプロピ 、4-ヒドロキシエトキシブチル、3-ヒドロキ シエトキシブチル、2-ヒドロキシエトキシブ ル等のヒドロキシエトキシC1-C4アルキル基 挙げられる。

 式(11)として好ましい化合物のZ 1 、Z 2 、Z 3 、及びZ 4 の組み合わせの具体例を下記表1に示す。

 上記式(1)で表されるトリスアゾ化合物は、 えば次のような方法で合成することができ 。なお、各工程における化合物の酸性官能 は、便宜上、遊離酸の形で表すものとする また、下記式(12)乃至(17)において、n、基A、 R 1 からR 7 、及びR 5 からR 7 が置換している環は、破線で表される環を含 めて上記式(1)におけるのと同じ意味を有する 。
 下記式(12)で表される化合物を常法によりジ アゾ化し、これと下記式(13)で表される化合 とを常法によりカップリング反応させ、下 式(14)で表される化合物を得る。なお、式(12) で表される化合物は、特許文献9に記載の方 に準じて合成することができる。

 得られた式(14)で表される化合物を常法に よりジアゾ化した後、これと下記式(15)で表 れる化合物とを常法によりカップリング反 させ、下記式(16)で表される化合物を得る。

 得られた式(16)で表される化合物を常法に よりジアゾ化した後、これと下記式(17)で表 れる化合物とを常法によりカップリング反 させることにより、上記式(1)で表される本 明のトリスアゾ化合物を得ることができる

 なお、上記式(17)で表される化合物は、特 許文献5に記載の方法に準じて合成すること できる。

 上記式(1)に示した本発明の化合物の好適な 体例として、特に限定されるものではない 、下記表2から表11に挙げた構造式で表され 化合物等が挙げられる。
 各表においてスルホ基、カルボキシ基等の 能基は、便宜上、遊離酸の形で記載する。

 上記式(12)で表される化合物のジアゾ化は 、それ自体公知の方法で実施される。例えば 、硫酸、酢酸、又は燐酸中、例えば-5~20℃、 ましくは5~10℃の温度でニトロシル硫酸を使 用して実施される。式(12)で表される化合物 ジアゾ化物と式(13)で表される化合物とのカ プリングも、それ自体公知の条件で実施さ る。例えば、水又は水性有機媒体(水と水溶 性有機溶剤との混合物等)中、例えば-5~30℃、 好ましくは10~30℃の温度で実施される。式(12) で表される化合物と式(13)で表される化合物 は、ほぼ化学量論量で用いる。

 式(14)で表される化合物のジアゾ化も、そ れ自体公知の方法で実施される。例えば、塩 酸、硫酸のような無機酸の存在下、水又は水 性有機媒体中、例えば-5~40℃、好ましくは5~30 ℃の温度で亜硝酸塩、例えば亜硝酸ナトリウ ムのごとき亜硝酸アルカリ金属塩を使用して 実施される。式(14)で表される化合物のジア 化物と式(15)で表される化合物とのカップリ グも、それ自体公知の条件で実施される。 えば、水又は水性有機媒体中、例えば-5~50 、好ましくは10~30℃の温度、かつ弱酸性から アルカリ性のpH値で行うことが有利である。 ましくは弱酸性から弱アルカリ性のpH値、 えばpH6~10で実施される。ジアゾ化反応液が 性であり、またカップリング反応の進行に り反応系内がさらに酸性化してしまうため 上記のpH値への調整を塩基の添加によって行 うのが好ましい。塩基としては、例えば水酸 化リチウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ 金属水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウ ム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、 酢酸ナトリウム等の酢酸塩、アンモニア、有 機アミン等が使用できる。式(14)と(15)で表さ る化合物とは、ほぼ化学量論量で用いる。

 式(16)で表される化合物のジアゾ化も、そ れ自体公知の方法で実施される。例えば、塩 酸、硫酸のような無機酸存在下、水又は水性 有機媒体(水と水溶性有機溶剤との混合物等) 、例えば-5~40℃、好ましくは10~30℃の温度で 亜硝酸塩、例えば亜硝酸ナトリウムのごとき 亜硝酸アルカリ金属塩を使用して実施される 。式(16)で表される化合物のジアゾ化物と式(1 7)で表される化合物とのカップリングも、そ 自体公知の条件で実施される。例えば、水 は水性有機媒体中、例えば-5~50℃、好まし は10~30℃の温度、かつ弱酸性からアルカリ性 のpH値で行うことが有利である。好ましくは 酸性から弱アルカリ性のpH値、例えばpH6~10 実施され、pH値の調整は塩基の添加によって 実施される。塩基としては、上記と同じもの が使用できる。式(16)と(17)で表される化合物 は、ほぼ化学量論量で用いる。

 本発明の式(1)で表されるトリスアゾ化合 を所望の塩とするには、カップリング反応 、所望の無機塩又は有機の陽イオンの塩を 応液に添加することにより塩析するか、あ いは塩酸等の鉱酸の添加により遊離酸の形 単離し、これを水、酸性の水又は水性有機 体等を必要に応じ用いて洗浄することによ 無機塩を除去後、水性の媒体中で所望の無 又は有機の塩基により中和することで、対 する塩の溶液とすることができる。ここで 性の水とは、例えば硫酸、塩酸等の鉱酸や 酸等の有機酸を水に溶解し、酸性にしたも をいう。また、水性有機媒体とは、水を含 する水と混和可能な有機物質、水と混和可 ないわゆる有機溶剤等をいい、具体例とし は後述する水溶性有機溶剤等が挙げられる 無機塩の例としては、塩化リチウム、塩化 トリウム、塩化カリウム等のアルカリ金属 、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム等 アンモニウム塩が挙げられ、有機の陽イオ の塩の例としては、上記した式(11)で表され る有機アミンのハロゲン塩等が挙げられる。 無機の塩基の例としては、例えば水酸化リチ ウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等 のアルカリ金属の水酸化物、水酸化アンモニ ウム、あるいは炭酸リチウム、炭酸ナトリウ ム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩 等が挙げられ、有機の塩基の例としては、有 機アミン、例えばジエタノールアミン、トリ エタノールアミン等の上記した式(11)で表さ る4級アンモニウム類等が挙げられるが、こ らに限定されるものではない。

 本発明のインク組成物について説明する 本発明の上記式(1)で表されるトリスアゾ化 物を含む水性インク組成物は、セルロース らなる材料を染色することが可能である。 た、その他のカルボンアミド結合を有する 料にも染色が可能で、皮革、織物、紙の染 に幅広く用いることができる。一方、本発 の化合物の代表的な使用法としては、液体 媒体に溶解してなるインク組成物が挙げら 、特に、インクジェットプリント用途のイ ク組成物として好適である。

 上記式(1)で表される本発明のトリスアゾ 合物を含む反応液、例えば後述する実施例1 の(工程5)における塩化ナトリウムで塩析する 前の反応液等は、インク組成物の製造に直接 使用することができる。また、まずこれを乾 燥、例えばスプレー乾燥させて単離するか; 化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシ ム、硫酸ナトリウム等の無機塩類を添加す ことによって塩析するか;塩酸、硫酸、硝酸 の鉱酸を添加することによって酸析するか; あるいは上記した塩析と酸析とを組み合わせ た酸塩析すること;等によって本発明のトリ アゾ化合物を単離し、これを用いてインク 成物を調製することもできる。

 本発明のインク組成物は、本発明の式(1) 表されるトリスアゾ化合物を通常0.1~20質量% 、好ましくは1~10質量%、より好ましくは2~8質 %含有し、残部は水を主要な媒体とする組成 物である。本発明のインク組成物には、さら に水溶性有機溶剤を例えば0~30質量%、インク 製剤を例えば0~10質量%含有していてもよい また、所望により調色等の目的で他の色素 含んでもよい。この場合でも、調色用の色 を含めて、インク組成物の総質量中に含有 る色素の総質量は上記の範囲でよい。なお インク組成物のpHとしては、保存安定性を向 上させる点で、pH5~11が好ましく、pH7~10がより 好ましい。また、インク組成物の表面張力と しては、25~70mN/mが好ましく、25~60mN/mがより好 ましい。さらに、インク組成物の粘度として は、30mPa・s以下が好ましく、20mPa・s以下がよ り好ましい。本発明のインク組成物のpH、表 張力は、後記するようなpH調整剤、界面活 剤で適宜調整することが可能である。

 本発明のインク組成物は、上記の式(1)で されるトリスアゾ化合物を、水又は水溶性 機溶剤(水と混和可能な有機溶剤)に溶解し 必要に応じインク調製剤を添加したもので る。色味のないニュートラルな黒色インク 成物を調整する目的等により、本発明のト スアゾ化合物に、他の調色用色素等を適宜 えてもよい。このインク組成物をインクジ ットプリンタ用のインクとして使用する場 、本発明のトリスアゾ化合物としては、金 陽イオンの塩化物、硫酸塩等の無機不純物 含有量が少ないものを用いるのが好ましい その無機不純物含有量の目安は、おおよそ 素の総質量に対して1質量%以下程度である。 無機不純物の少ない本発明のアゾ化合物を製 造するには、例えば逆浸透膜による通常の方 法、又は本発明のアゾ化合物の乾燥品あるい はウェットケーキをメタノール等のアルコー ル及び水の混合溶媒中で撹拌し、析出物を濾 過分離して、乾燥する等の方法で脱塩処理す ればよい。

 上記インク組成物の調製において用い得 水溶性有機溶剤の具体例としては、例えば メタノール、エタノール、プロパノール、 ソプロパノール、ブタノール、イソブタノ ル、第二ブタノール、第三ブタノール等のC 1-C4アルカノール;N,N-ジメチルホルムアミド、 N,N-ジメチルアセトアミド等のカルボン酸ア ド;2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、N- チルピロリジン-2-オン等のラクタム;1,3-ジ チルイミダゾリジン-2-オン、1,3-ジメチルヘ サヒドロピリミド-2-オン等の環式尿素類;ア セトン、メチルエチルケトン、2-メチル-2-ヒ ロキシペンタン-4-オン等のケトン又はケト ルコール;テトラヒドロフラン、ジオキサン 等の環状エーテル;エチレングリコール、1,2- ロピレングリコール、1,3-プロピレングリコ ール、1,2-ブチレングリコール、1,4-ブチレン リコール、1,6-ヘキシレングリコール、ジエ チレングリコール、トリエチレングリコール 、テトラエチレングリコール、ジプロピレン グリコール、ポリエチレングリコール、ポリ プロピレングリコール、チオジグリコール、 ジチオジグリコール等のC2~C6アルキレン単位 有するモノ、オリゴ、若しくはポリアルキ ングリコール又はチオグリコール;グリセリ ン、ヘキサン-1,2,6-トリオール等のポリオー (トリオール);エチレングリコールモノメチ エーテル、エチレングリコールモノエチル ーテル、ジエチレングリコールモノメチル ーテル、ジエチレングリコールモノエチル ーテル、ジエチレングリコールモノブチル ーテル(ブチルカルビトール)トリエチレング リコールモノメチルエーテル、トリエチレン グリコールモノエチルエーテル等の多価アル コールのC1-C4アルキルエーテル;γ-ブチロラク トン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる 。これらの有機溶剤は、単独で用いてもよい し、二種以上を併用してもよい。

 上記インク組成物の調製において適宜用 られるインク調製剤としては、例えば、防 防黴剤、pH調整剤、キレート試薬、防錆剤 水溶性紫外線吸収剤、水溶性高分子化合物 色素溶解剤、酸化防止剤、界面活性剤等が げられる。以下にこれらの薬剤について説 する。

 防黴剤の具体例としては、デヒドロ酢酸 トリウム、安息香酸ナトリウム、ナトリウ ピリジンチオン-1-オキシド、p-ヒドロキシ 息香酸エチルエステル、1,2-ベンズイソチア リン-3-オン及びその塩等が挙げられる。こ らはインク組成物中に0.02~1.00質量%使用する のが好ましい。

 防腐剤の具体例としては、例えば、有機 黄系、有機窒素硫黄系、有機ハロゲン系、 ロアリルスルホン系、ヨードプロパギル系 N-ハロアルキルチオ系、ニトリル系、ピリ ン系、8-オキシキノリン系、ベンゾチアゾー ル系、イソチアゾリン系、ジチオール系、ピ リジンオキシド系、ニトロプロパン系、有機 スズ系、フェノール系、第4アンモニウム塩 、トリアジン系、チアジン系、アニリド系 アダマンタン系、ジチオカーバメイト系、 ロム化インダノン系、ベンジルブロムアセ ート系、無機塩系等の化合物が挙げられる 有機ハロゲン系化合物の具体例としては、 えばペンタクロロフェノールナトリウムが げられ、ピリジンオキシド系化合物の具体 としては、例えば2-ピリジンチオール-1-オキ サイドナトリウムが挙げられ、イソチアゾリ ン系化合物の具体例としては、例えば、1,2- ンズイソチアゾリン-3-オン、2-n-オクチル-4- ソチアゾリン-3-オン、5-クロロ-2-メチル-4- ソチアゾリン-3-オン、5-クロロ-2-メチル-4-イ ソチアゾリン-3-オンマグネシウムクロライド 、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン ルシウムクロライド、2-メチル-4-イソチア リン-3-オンカルシウムクロライド等が挙げ れる。その他の防腐防黴剤の具体例として 無水酢酸ソーダ、ソルビン酸ソーダ、安息 酸ナトリウム等が挙げられる。

 pH調整剤としては、調製されるインクに 影響を及ぼさずに、インクのpHを例えば5~11 範囲に制御できるものであれば任意の物質 使用することができる。その具体例として 、例えば、ジエタノールアミン、トリエタ ールアミン、N-メチルジエタノールアミン等 のアルカノールアミン;水酸化リチウム、水 化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカ 金属の水酸化物;水酸化アンモニウム(アンモ ニア水);炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭 水素ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカ 金属の炭酸塩;ケイ酸ナトリウム、酢酸カリ ウム等の有機酸のアルカリ金属塩;リン酸二 トリウム等の無機塩基等が挙げられる。

 キレート試薬の具体例としては、例えば エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニト ロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエ レンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレ トリアミン五酢酸ナトリウム、ウラシル二 酸ナトリウム等が挙げられる。

 防錆剤の具体例としては、例えば、酸性 硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグルコ ル酸アンモニウム、ジイソプロピルアンモ ウムナイトライト、四硝酸ペンタエリスリ ール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイ ライト等が挙げられる。

 水溶性紫外線吸収剤の具体例としては、 えば、スルホ化したベンゾフェノン系化合 、ベンゾトリアゾ-ル系化合物、サリチル酸 系化合物、桂皮酸系化合物、又はトリアジン 系化合物が挙げられる。

 水溶性高分子化合物の具体例としては、 リビニルアルコール、セルロース誘導体、 リアミン、ポリイミン等が挙げられる。

 色素溶解剤の具体例としては、例えば、ε- プロラクタム、エチレンカーボネート、尿 等が挙げられる。
 酸化防止剤の具体例としては、例えば、各 の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使 することができる。上記有機系の褪色防止 の具体例としては、ハイドロキノン類、ア コキシフェノール類、ジアルコキシフェノ ル類、フェノール類、アニリン類、アミン 、インダン類、クロマン類、アルコキシア リン類、複素環類等が挙げられる。

 界面活性剤の具体例としては、例えば、ア オン系、カチオン系、ノニオン系等の公知 界面活性剤が挙げられる。
 アニオン界面活性剤の具体例としては、ア キルスルホン酸塩、アルキルカルボン酸塩 α-オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエ レンアルキルエーテル酢酸塩、N-アシルア ノ酸及びその塩、N-アシルメチルタウリン塩 、アルキル硫酸塩ポリオキシアルキルエーテ ル硫酸塩、アルキル硫酸塩ポリオキシエチレ ンアルキルエーテル燐酸塩、ロジン酸石鹸、 ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコー ル硫酸エステル塩、アルキルフェノール型燐 酸エステル、アルキル型燐酸エステル、アル キルアリールスルホン酸塩、ジエチルスルホ 琥珀酸塩、ジエチルヘキルシルスルホ琥珀酸 塩、ジオクチルスルホ琥珀酸塩等が挙げられ る。
 カチオン界面活性剤の具体例としては、2- ニルピリジン誘導体、ポリ4-ビニルピリジン 誘導体等が挙げられる。
 両性界面活性剤の具体例としては、ラウリ ジメチルアミノ酢酸ベタイン、2-アルキル-N -カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミ ゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミド ロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリ クチルポリアミノエチルグリシン、イミダ リン誘導体等が挙げられる。
 ノニオン界面活性剤の具体例としては、ポ オキシエチレンノニルフェニルエーテル、 リオキシエチレンオクチルフェニルエーテ 、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエ テル、ポリオキシエチレンオレイルエーテ 、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、 リオキシエチレンアルキルエーテル等のエ テル系;ポリオキシエチレンオレイン酸エス テル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エ ステル、ソルビタンラウレート、ソルビタン モノステアレート、ソルビタンモノオレエー ト、ソルビタンセスキオレエート、ポリオキ シエチレンモノオレエート、ポリオキシエチ レンステアレート等のエステル系;2,4,7,9-テト ラメチル-5-デシン-4,7-ジオール、3,6-ジメチル -4-オクチン-3,6-ジオール、3,5-ジメチル-1-ヘキ シン-3-オール等のアセチレングリコール(ア コール)系;その他の具体例として例えば、日 信化学社製、商品名サーフィノール104、105、 82、465、オルフィンSTG等が挙げられる。
 これらのインク調製剤は、単独又は混合し 用いられる。

 本発明のインク組成物は、上記各成分を 意の順序で混合、撹拌することによって得 れる。得られたインク組成物は、所望によ 、狭雑物を除くためにメンブランフィルタ 等で濾過を行ってもよい。また、インク組 物としての黒の色味を調整するため、本発 の式(1)で表されるトリスアゾ化合物以外に 種々の色相を有する他の色素を混合しても い。その場合は、他の色相を有する黒色や イエロー(例えばC.I.ダイレクトイエロー34、 C.I.ダイレクトイエロー58、C.I.ダイレクトイ ロー86、C.I.ダイレクトイエロー132、C.I.ダイ クトイエロー161等)、オレンジ(例えばC.I.ダ レクトオレンジ17、C.I.ダイレクトオレンジ2 6、C.I.ダイレクトオレンジ29、C.I.ダイレクト レンジ39、C.I.ダイレクトオレンジ49等)、ブ ウン、スカーレット(例えばC.I.ダイレクト ッド89等)、レッド(例えばC.I.ダイレクトレッ ド62、C.I.ダイレクトレッド75、C.I.ダイレクト レッド79、C.I.ダイレクトレッド80、C.I.ダイレ クトレッド84、C.I.ダイレクトレッド225、C.I. イレクトレッド226等)、マゼンタ(例えばC.I. イレクトレッド227等)、バイオレット、ブル 、ネイビー、シアン、グリーン、その他の の色素を混合して用いることができる。

 本発明のインク組成物は、各種分野にお て使用することができるが、筆記用水性イ ク、水性印刷インク、情報記録インク等に 適であり、インクジェット用インクとして いることが特に好ましく、後述する本発明 インクジェットプリント方法において好適 使用される。

 次に、本発明のインクジェットプリント方 について説明する。本発明のインクジェッ プリント方法は、上記本発明のインク組成 を用いてインクジェット記録を行うことを 徴とする。本発明のインクジェットプリン 方法においては、上記インク組成物を含有 るインクジェット用インクを用いて被記録 に記録を行うが、その際に使用するインク ズル等については特に制限はなく、目的に じて適宜選択することができる。
 公知の方法、例えば、静電誘引力を利用し インクを吐出させる電荷制御方式;ピエゾ素 子の振動圧力を利用するドロップオンデマン ド方式(圧力パルス方式);電気信号を音響ビー ムに変えインクに照射し、その放射圧を利用 してインクを吐出させる音響インクジェット 方式;インクを加熱して気泡を形成し、生じ 圧力を利用するサーマルインクジェット、 なわちバブルジェット(登録商標)方式;等を 用することができる。
 なお、上記インクジェットプリント方法に 、フォトインクと称する、インク中の色素 度(色素含有量)の低いインクを、小さい体 で多数射出する方式;実質的に同じ色相でイ ク中の色素濃度の異なる複数のインクを用 て画質を改良する方式;無色透明のインクを 用いる方式等も含まれる。

 本発明の着色体は、上記式(1)で表される本 明の化合物又はこれを含有するインク組成 により着色されたものであり、より好まし はインクジェットプリンタを用いるインク ェットプリント方法により、本発明のイン 組成物によって被記録材に着色されたもの ある。
 着色されうる被記録材として特に制限はな が、例えば紙、フィルム等の情報伝達用シ ト、繊維や布(セルロース、ナイロン、羊毛 等)、皮革、カラーフィルター用基材等が挙 られ、中でも情報伝達用シートが好ましい
 情報伝達用シートとしては、表面処理され もの、具体的には紙、合成紙、フィルム等 基材にインク受容層を設けたものが好まし 。インク受容層は、例えば上記基材にカチ ン系ポリマーを含浸あるいは塗工する方法; 多孔質シリカ、アルミナゾル、特殊セラミッ クス等のインク中の色素を吸収し得る無機微 粒子をポリビニルアルコールやポリビニルピ ロリドン等の親水性ポリマーと共に上記基材 表面に塗工する方法;等により設けられる。 のようなインク受容層を設けたものは通常 ンクジェット専用紙、インクジェット専用 ィルム、光沢紙、光沢フィルム等と呼ばれ 。

 上記の情報伝達用シートのうち、特に多孔 白色無機物を表面に塗工したシートは、表 光沢度が高く、耐水性も優れているため、 真画像の印刷に特に適している。その一方 、これらに記録した画像は、オゾンガスに って変退色が大きくなることが知られてい 。しかし、本発明のインク組成物は耐オゾ ガス性が優れているため、このような被記 材へインクジェットプリントした際に、特 大きな効果を発揮する。
 上記のような多孔性白色無機物を表面に塗 したシートとして代表的な市販品の一例を げると、キヤノン(株)製 商品名:プロフェ ショナルフォトペーパー、スーパーフォト ーパー、及びマットフォトペーパー;セイコ エプソン(株)製 商品名:写真用紙クリスピ (高光沢)、写真用紙(光沢)、フォトマット紙; 日本ヒューレット・パッカード(株)製 商品 :アドバンスフォト用紙(光沢);富士フィルム( 株)製 商品名:画彩写真仕上げPro;等がある。

 本発明のインクジェットプリント方法で情 伝達用シート等の被記録材に記録するには 例えば上記のインク組成物を含有する容器 インクジェットプリンタの所定の位置に装 し、通常の方法で被記録材に記録すればよ 。
 本発明のインクジェットプリント方法は、 発明の黒色インク組成物と、例えば公知の ゼンタ、シアン、イエロー、及び必要に応 て、グリーン、ブルー(又はバイオレット) びレッド(又はオレンジ)等の各色のインク組 成物とを併用することもできる。
 各色のインク組成物は、それぞれの容器に 入され、その各容器を本発明の黒色インク 成物を含有する容器と同様にインクジェッ プリンタの所定の位置に装填してインクジ ットプリントに使用される。

 本発明のトリスアゾ化合物は水溶解性に優 、またこの化合物を色素として含有する本 明のインク組成物は長期間保存しても結晶 析出、物性の変化、色相の変化等も生じな ため、貯蔵安定性が良好である。
 また、本発明のトリスアゾ化合物を含有す インク組成物は、インクジェットプリント 、筆記具用として用いることが可能である
 さらに、情報伝達用シート、特にインクジ ット専用紙にプリントした場合、そのプリ ト画像の印字濃度が高く、加えてプリント 像の耐久性、特に耐オゾンガス性及び耐光 が優れている。

 以下、本発明を実施例によってさらに具体 に説明するが、本発明は、以下の実施例に って何ら限定されるものではない。
 本文中「部」及び「%」とあるのは、特別の 記載のない限り質量基準である。
 また、下記の各式において、スルホ、カル キシ等の官能基は遊離酸の形で表記するも とする。
 また、以下に記載するpH値及び反応温度は いずれも反応系内における測定値を示す。
 また、合成した化合物の最大吸収波長(λmax) は、pH7~8の水溶液中で測定し、測定した化合 については実施例中に測定値を記載した。
 なお、合成した本発明のトリスアゾ化合物 、いずれも水に対して100g/L以上の溶解度を した。

[実施例1]
 (工程1)
 メタノール130部にチオシアン酸カリウム14.6 部を溶解し、次いで硫酸13部、2-ナフタレン-5 ,7-ジスルホン酸15.2部を加えた。得られた溶 に35%過酸化水素水17部を滴下し、55~60℃で1時 間撹拌した。20℃まで冷却した後に28%アンモ ア水35部を加え、反応液中の析出固体を濾 することにより、下記式(18)で表される化合 14.4部を得た。

 (工程2)
 97%硫酸100部に上記式(18)で表される化合物7.2 部を溶解し、撹拌下、水70部を加えて懸濁し 60%硝酸2.5部を加え、5~10℃で40%ニトロシル硫 酸9.6部を約10分間で滴下し、1時間反応させる ことにより、ジアゾ反応液を得た。
 一方、水100部に下記式(19)で表される化合物 4.9部、スルファミン酸3.0部、次いで水酸化ナ トリウムを加えてpH5.0~5.5とすることにより、 水溶液を得た。
 得られた水溶液に上記のジアゾ反応液を反 温度20~30℃、約20分間で滴下した。
 滴下終了後、同温度で1時間撹拌し、アセト ン400部を加えた後、析出固体を濾取すること により、下記式(20)で表される化合物を含む ェットケーキを得た。
 なお、下記式(19)で表される化合物は、特開 2004-083492号公報に記載の方法で得た。

 (工程3)
 水35部に下記式(21)で表される化合物3.2部、 いで水酸化ナトリウムを加えてpH8.0~8.5とす ことにより、水溶液を得た。
 一方、撹拌下、上記(工程2)で得られた式(20) で表される化合物を含むウェットケーキに水 110部、次いで水酸化ナトリウムを加えてpH7.0~ 7.5とすることにより、水溶液を得た。
 得られた水溶液に35%塩酸6.3部、次いで反応 度15~20℃で40%亜硝酸ナトリウム水溶液2.1部 約5分間で滴下し、1時間反応させることによ り、ジアゾ反応液を得た。
 得られたジアゾ反応液を、先に得られた式( 21)で表される化合物を含む水溶液に、反応温 度20~30℃、20分間で滴下した。この間、反応 内に炭酸ナトリウムを加えてpH値を8.0~8.5に 持した。
 滴下終了後、同温度で2時間撹拌し、塩化ナ トリウムの添加により塩析し、析出した固体 を濾取することにより、下記式(22)で表され 化合物を含むウェットケーキを得た。

 (工程4)
 2-(シアノメチル)ベンズイミダゾールとアセ ト酢酸エチルとをエタノール中、ナトリウム メトキシドの存在下に加熱反応させ、希塩酸 の添加により酸析して下記式(23)で表される 合物を得た。得られた該化合物19.8部を6%発 硫酸128部中に15~25℃でゆっくりと添加した。 添加後、同温度で2時間撹拌した後、380部の 水中に約10分間で滴下した。析出した結晶を 濾取し、乾燥して、下記式(24)で表される化 物21.4部を得た。

 (工程5)
 水55部に上記式(24)で表される化合物2.4部、 いで水酸化ナトリウムを加えてpH7.5~8.0とす ことにより、水溶液を得た。
 一方、撹拌下、上記(工程3)で得られた式(22) で表される化合物を含むウェットケーキを水 150部に溶解し、35%塩酸5.2部、次いで反応温度 20~25℃で40%亜硝酸ナトリウム水溶液1.9部を約5 分間で滴下し、1時間反応させることにより ジアゾ反応液を得た。
 得られたジアゾ反応液を、先に得られた上 式(24)で表される化合物を含む水溶液に、反 応温度20~30℃、30分間で滴下した。この間、 応系内に炭酸ナトリウムを加えてpH値を7.0~8. 0に保持した。
 滴下終了後、同温度で2時間撹拌し、塩化ナ トリウムを添加して塩析し、析出した固体を 濾取することにより、ウェットケーキを得た 。得られたウェットケーキを水160部に溶解し 、アセトン350部を添加した後、析出した固体 を濾取することにより、ウェットケーキを得 た。得られたウェットケーキを再度、水110部 に溶解し、アセトン280部を添加した後、析出 した固体を濾取し、乾燥することにより、本 発明の下記式(25)で表される化合物(表2におけ るNo.3の化合物)8.1部をナトリウム塩として得 。
 λmax:600nm。

[実施例2]
 (工程1)
 上記式(18)で表される化合物18部を30%発煙硫 180部中に20~25℃でゆっくりと添加した後、16 0℃に昇温し、同温で1時間撹拌した。反応液 158部の氷水中に約15分間で滴下し、下記式(2 6)で表される化合物を含む溶液を得た。この 液に60%硝酸6.3部を加え、5~10℃で40%ニトロシ ル硫酸25部を約10分間で滴下し、1時間反応さ ることにより、ジアゾ反応液を得た。
 水200部に上記式(19)で表される化合物12.3部 スルファミン酸7.0部、次いで水酸化ナトリ ムを加えてpH5.0~5.5とすることにより、水溶 を得た。得られた水溶液に上記のジアゾ反 液を反応温度20~30℃、約20分間で滴下した。 下終了後、同温度で1時間撹拌し、アセトン 800部を加えた後、析出固体を濾取することに より、下記式(27)で表される化合物を含むウ ットケーキを得た。

 (工程2)
 水70部に上記式(21)で表される化合物7.7部、 いで水酸化ナトリウムを加えてpH8.0~8.5とす ことにより、水溶液を得た。
 一方、撹拌下、上記(工程1)で得られた式(27) で表される化合物を含むウェットケーキに水 130部、次いで水酸化ナトリウムを加えてpH7.0~ 7.5とすることにより、水溶液を得た。得られ た水溶液に35%塩酸10.0部、次いで反応温度15~20 ℃で40%亜硝酸ナトリウム水溶液5.0部を約5分 で滴下し、1時間反応させることにより、ジ ゾ反応液を得た。
 得られたジアゾ反応液を、先に得られた上 式(21)で表される化合物を含む水溶液に、反 応温度20~30℃、20分間で滴下した。この間、 応系内に炭酸ナトリウムを加えてpH値を8.0~8. 5に保持した。
 滴下終了後、同温度で2時間撹拌し、塩化ナ トリウムの添加により塩析し、析出した固体 を濾取することにより、下記式(28)で表され 化合物を含むウェットケーキを得た。

 (工程3)
 水55部に上記式(24)で表される化合物2.4部、 いで水酸化ナトリウムを加えてpH7.5~8.0とす ことにより、水溶液を得た。
 一方、撹拌下、上記(工程2)で得られた式(28) で表される化合物を含むウェットケーキの1/2 量を水150部に溶解し、35%塩酸4.3部、次いで反 応温度20~25℃で40%亜硝酸ナトリウム水溶液1.7 を約5分間で滴下し、1時間反応させること より、ジアゾ反応液を得た。
 得られたジアゾ反応液を、先に得られた上 式(24)で表される化合物を含む水溶液に、反 応温度20~30℃、30分間で滴下した。この間、 応系内に炭酸ナトリウムを加えてpH値を7.0~8. 0に保持した。
 滴下終了後、同温度で2時間撹拌し、塩化ナ トリウムを添加して塩析し、析出した固体を 濾取することにより、ウェットケーキを得た 。得られたウェットケーキを水100部に溶解し 、アセトン200部を添加した後、析出した固体 を濾取することによりウェットケーキを得た 。得られたウェットケーキを再度、水100部に 溶解し、アセトン250部を添加した後、析出し た固体を濾取し、乾燥することにより、本発 明の下記式(29)で表される化合物(表3における No.10の化合物)7.2部をナトリウム塩として得た 。
 λmax:619nm。

[実施例3]
 (工程1)
 上記式(24)で表される化合物3.0部を95%硫酸20 に溶解し、60℃に加熱後1.5時間撹拌した。 温に冷却後、60部の氷水中に反応液を滴下し 、塩化ナトリウムの添加後、結晶を濾過分離 した。塩化ナトリウムを溶解させた希塩酸水 で結晶をロート上で洗浄後、乾燥して、下記 式(30)で表される化合物2.5部を得た。

 (工程2)
 実施例2の(工程3)における上記式(24)で表さ る化合物2.4部の代わりに、実施例3の(工程1) おける上記式(30)で表される化合物2.5部を使 用する以外は、実施例2の(工程3)と同様にし 、本発明の下記式(31)で表される化合物(表3 おけるNo.13の化合物)5.3部をナトリウム塩と て得た。
 λmax:617nm。

[実施例4]
 (工程1)
 25%水酸化ナトリウム水溶液80部に水250部、 トラブチルアンモニウムブロミド16.2部、ハ ドロキノン25部を加え、20℃~30℃で1,3-プロ ンスルトン88部にトルエン180部を加えた溶液 を約2時間で滴下し、同温度で12時間反応させ ることにより、下記式(32)で表される化合物 得た。得られた該化合物に酢酸260部を加え 撹拌下、15℃~25℃で60%硝酸17.0部をゆっくり 滴下し、同温度で2時間反応後、析出した結 を濾取し、式(33)で表される化合物を含むウ ェットケーキを得た。得られた該化合物を含 むウェットケーキの1/2量に水200部、水酸化ナ トリウムを加えてpH6.0~6.5とすることにより、 水溶液を得た。500部のオートクレーブ中にこ の水溶液を仕込み、5%Pd/C 1部を加え、撹拌下 、20℃~30℃で0.2MPa~0.5MPaの加圧下、水素を添加 し、吸収が無くなるまで反応させ、30分間同 度で熟成した後、触媒を除去し、下記式(34) で表される化合物を含む水溶液を得た。

 (工程2)
 実施例2の(工程1)における上記式(19)で表さ る化合物12.3部の代わりに、実施例4の(工程1) で得られた上記式(34)の化合物を含む水溶液 使用する以外は、実施例2と同様にして、本 明の下記式(35)で表される化合物(表3におけ No.9の化合物)7.6部をナトリウム塩として得 。
 λmax:636nm。

[実施例5~7]
[(A)インクの調製]
 下記表12に記載した各成分を混合すること より黒色の本発明のインク組成物を得た後 0.45μmのメンブランフィルターで夾雑物を濾 し、実施例5のインクを得た。水はイオン交 換水を使用した。インク調製時において、イ ンクのpHは水酸化ナトリウムにてpH7~9に調整 、その後、イオン交換水を加えることによ 総量100部とした。

 実施例1で得られた化合物を、それぞれ実 施例2及び4で得られた化合物に代える以外は 施例5と同様にして、それぞれ実施例6及び7 インクを調製した。本発明の水性黒色イン は、貯蔵中、沈殿分離を生じることなく、 た長期間の保存後においても物性の変化は じなかった。

[比較例]
 比較対象の黒色色素として、実施例1で得ら れた化合物の代わりに、特許文献8の実施例1, 2に開示された下記式(36)の色素を用いる以外 実施例5と同様にして、比較用のインクを調 製した。

[(B)インクジェットプリント]
 上記で得られたインクを使用し、Canon社製 ンクジェットプリンタ、商品名 PIXUS iP4100 より、光沢紙1(富士フィルム社製、商品名  彩写真仕上げPro)、光沢紙2(セイコーエプソ 社製、商品名 写真用紙クリスピア(高光沢) )、光沢紙3(HP社製、商品名 アドバンスフォ 用紙(光沢))の3種の情報記録シート(インクジ ェット専用紙)にインクジェットプリントを った。印刷の際は、反射濃度が数段階の階 で得られるように画像パターンを作り、黒 の印刷物を得た。

[(C)記録画像の評価]
 実施例5~7、及び比較例のインクを用いて得 れた各プリント画像について、耐光性及び オゾンガス性のそれぞれに関して、試験前 の画像の濃度変化の評価を行った。なお、 プリント画像は印刷後24時間以上室温で乾 したものを用いた。
 プリント画像の濃度変化は、GRETAG-MACBETH社 の測色機、商品名 SpectroEyeを用い、試験前 プリント画像のブラック反射濃度Dk値が1.0~1. 5の範囲にある階調部分を測色することによ 測定した。
 なお、試験は光沢紙1、2、及び3のそれぞれ ついて行い、試験結果を表13に示した。
 具体的な試験方法は下記の通りである。
 1)耐オゾンガス性試験
 スガ試験機社製、商品名 オゾンウェザオ ーターを用いて、オゾン濃度10ppm、湿度60%RH 温度24℃の条件下で各プリント画像を24時間 放置した。試験終了後、上記の測色機を用い て測色し、各プリント画像の色素の残存率を (試験後のブラック反射濃度Dk値/試験前のブ ック反射濃度Dk値)×100(%)の式で求めた。試験 結果は、以下の基準で評価を行った。
  ◎ 残存率:90%以上
  ○ 残存率:80%以上で90%未満
  △ 残存率:70%以上で80%未満
  × 残存率:70%未満
 2)耐光性試験
 スガ試験機(株)社製、商品名 低温キセノン ウェザオメーターXL75を用い、10万Lux照度、湿 度60%RH、温度24℃の条件で上記の各プリント 像に対して168時間照射を行った後、上記の 色機を用いて測色し、各画像の色素の残存 を(試験後のブラック反射濃度Dk値/試験前の ラック反射濃度Dk値)×100(%)の式で求めた。 験結果は、以下の基準で評価した。
  ○ 残存率:70%以上
  △ 残存率:50%以上で70%未満
  × 残存率:50%未満

 表13の結果より明らかなように、実施例5~7 プリント画像と、比較例のプリント画像と 、耐オゾンガス性試験の結果を光沢紙毎に 較した場合、いずれも各実施例の方が比較 よりも良好な結果であった。
 すなわち、比較例ではいずれの光沢紙を用 た場合においても色素残存率が70%未満であ のに対して、本発明の実施例5及び6はいず の光沢紙を用いた場合においても色素残存 が90%以上を示し、実施例7も80%以上を示した これにより、各実施例は、比較例に対して オゾンガス性に極めて優れることが判明し 。
 また、耐光性試験においても同様に差が認 られ、実施例5~7はいずれの光沢紙を用いた 合においても色素残存率が70%以上を示すの 対して、比較例はいずれの光沢紙を用いた 合においても色素残存率が50%以下を示した これにより、各実施例は、比較例に対して 光性においても極めて優れることが判明し 。
 以上の結果から、本発明のトリスアゾ化合 を含有するインクにより得られたプリント 像の堅牢度は、比較例に用いた従来のトリ アゾ化合物の画像と比較しても極めて優れ 特にインクジェットプリント画像に要求さ る耐オゾンガス性に極めて優れ、同時に耐 性にも優れているバランスの良い染料であ ことがわかる。

 本発明のトリスアゾ化合物を含有するイ ク組成物はインクジェットプリント用、筆 用具用ブラックインク液として好適に用い れる。